JP6189941B2 - キシロースを代謝でき、阻害因子に耐性がある酵母菌株、その酵母菌株を得るための方法およびその使用 - Google Patents
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Description
キシロースを代謝でき、酢酸に耐性がある少なくとも1つのハイブリッドを選択する工程と、
を含む、方法に関する。
潜伏期、その間、エタノール産生はない、
アルコール産生期、および
定常期、発酵の終了に対応する。
− pADH1プロモーターおよびCYC1ターミネーターの制御下で、クロストリジウム・フィトファーメンタンス(Clostridium phytofermentans)のキシロースイソメラーゼ(XI)をコードする外来性遺伝子の少なくとも1つのコピーの挿入、
− pADH1プロモーターおよびCYC1ターミネーターの制御下で、ピキア・スティピティス(Pichia stipitis)のキシリトールデヒドロゲナーゼ(XDH)をコードする外来性遺伝子の少なくとも1つのコピーの挿入、
− pPGK1プロモーターの制御下に置かれたTAL1内在性遺伝子の少なくとも1つのコピー、
− pTDH3プロモーターの制御下に置かれたTKL1内在性遺伝子の少なくとも1つのコピー、
− pTDH3プロモーターの制御下に置かれたRPE1内在性遺伝子の少なくとも1つのコピー、
− pTDH3プロモーターの制御下に置かれたRKI1内在性遺伝子の少なくとも1つのコピー、
− pADH1プロモーターおよびCYC1ターミネーターの制御下でキシルロキナーゼ(XKS1)をコードする内在性遺伝子の少なくとも1つのコピーの挿入、ならびに
− アルドースレダクターゼをコードするGRE3内在性遺伝子のオープンリーディングフレームの少なくとも1つのコピーの欠失
によって遺伝的に改変された酵母菌株から指向性進化によって得られるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株である。
− プリオリ(priori)が選択された分離個体に形質転換されなければならない、少なくとも8の遺伝子改変を含み、
− 異数体酵母菌株であり、完全な2倍性の非存在下で分離の問題が存在し、
− 指向性進化に関して突然変異誘発のステップを受けており、これにより特に、発芽の問題の原因となる染色体転座の場合、交配に関する困難性の原因となる。
− 酢酸に耐性がある、すなわちYFAc発酵培地中で14時間未満のアルコール発酵の開始の遅延時間を有する酵母菌株の選択、
− 以下:
○ pADH1プロモーターおよびCYC1ターミネーターの制御下で、クロストリジウム・フィトファーメンタンス(Clostridium phytofermentans)のキシロースイソメラーゼ(XI)をコードする外来性遺伝子の少なくとも1つのコピーの挿入、
○ pADH1プロモーターおよびCYC1ターミネーターの制御下で、ピキア・スティピティス(Pichia stipitis)のキシリトールデヒドロゲナーゼ(XDH)をコードする外来性遺伝子の少なくとも1つのコピーの挿入、
○ pPGK1プロモーターの制御下に置かれたTAL1内在性遺伝子の少なくとも1つのコピー、
○ pTDH3プロモーターの制御下に置かれたTKL1内在性遺伝子の少なくとも1つのコピー、
○ pTDH3プロモーターの制御下に置かれたRPE1内在性遺伝子の少なくとも1つのコピー、
○ pTDH3プロモーターの制御下に置かれたRKI1内在性遺伝子の少なくとも1つのコピー、
○ pADH1プロモーターおよびCYC1ターミネーターの制御下でキシルロキナーゼ(XKS1)をコードする内在性遺伝子の少なくとも1つのコピーの挿入、ならびに
○ アルドースレダクターゼをコードするGRE3内在性遺伝子のオープンリーディングフレームの少なくとも1つのコピーの欠失
によって遺伝的に改変された酵母菌株の選択、
− ハイブリッドを得るために、酢酸に耐性がある前記酵母菌株と、前記遺伝的に改変された酵母菌株との交配、
− I−4627酵母菌株を得るための前記ハイブリッドの指向性進化。
− 少なくとも1つのハイブリッドを得るために、番号I−4538としてCNCM[National Collection of Microorganism Cultures]に寄託された酵母菌株を、番号I−4627としてCNCMに寄託された酵母菌株と交配する工程と、
− キシロースを代謝でき、酢酸に耐性がある酵母菌株を得るために、キシロースを代謝でき、酢酸に耐性がある少なくとも1つのハイブリッドを選択する工程と、
を含む、方法である。
− それは、嫌気性条件下で発酵培地1kg当たり、55gのグルコースおよび45gのキシロースを含むYFGX発酵培地中で60時間で、キシロースの少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%をエタノールに変換し、
− それは、pH4.4にて4000ppmの酢酸を含むYFAc発酵培地中で、30時間未満、好ましくは29時間未満、より好ましくは28時間未満のアルコール発酵の開始の遅延時間を有する。
− 少なくとも1つの分離個体Xを得るために、番号I−4538としてCNCM[National Collection of Microorganism Cultures]に寄託された酵母菌株の胞子を形成させる工程、
− 少なくとも1つの分離個体Xによるキシロースからエタノールへの変換を評価する任意の工程、
− 少なくとも1つの分離個体Yを得るために、番号I−4627としてCNCMに寄託された酵母菌株の胞子を形成させる工程、
− 少なくとも1つの分離個体Yの酢酸に対する耐性を評価する任意の工程、
− 少なくとも1つのハイブリッドを得るために、少なくとも1つの分離個体Xを少なくとも1つの分離個体Yとハイブリダイズする工程であって、前記分離個体Xはキシロースからエタノールに変換でき、および/または前記分離個体Yは酢酸に対する耐性を有する、工程。
− 少なくとも1つの分離個体Xを得るために、番号I−4538としてCNCM[National Collection of Microorganism Cultures]に寄託された酵母菌株の胞子を形成させる工程、
− 発酵培地1kg当たり55gのグルコースおよび45gのキシロースを含む前記発酵培地中で60時間、嫌気性条件下で、少なくとも1つの分離個体Xによりエタノールに変換されたキシロースの割合を測定する任意の工程
− 少なくとも1つの分離個体Yを得るために、番号I−4627としてCNCMに寄託された酵母菌株の胞子を形成させる工程、
− pH4.4にて4000ppmの酢酸を含む発酵培地中の少なくとも1つの分離個体Yのアルコール発酵の開始の遅延時間を測定する任意の工程、
− 少なくとも1つのハイブリッドを得るために、少なくとも1つの分離個体Xを少なくとも1つの分離個体Yとハイブリダイズする工程であって、分離個体Xは60時間で、キシロースの少なくとも60%をエタノールに変換し、および/または分離個体Yは、30時間未満のアルコール発酵の開始の遅延時間を有する、工程
を含む。
− キシロースの少なくとも60%、好ましくはキシロースの少なくとも65%、さらにより好ましくはキシロースの少なくとも70%を60時間、好ましくは48時間でエタノールに変換する少なくとも1つの分離個体Xと、
− 30時間未満、好ましくは29時間未満、より好ましくは28時間未満、より好ましくは25時間未満、さらにより好ましくは20時間未満のアルコール発酵の開始の遅延時間を有する少なくとも1つの分離個体Yと、
で実施される。
− 発酵培地1kg当たり55gのグルコースおよび45gのキシロースを含む発酵培地中で60時間、嫌気性条件下で少なくとも1つのハイブリッドによりエタノールに変換されたキシロースの割合を測定する工程、
− pH4.4にて4000ppmの酢酸を含む発酵培地中で少なくとも1つのハイブリッドのアルコール発酵の開始の遅延時間を測定する工程、
− キシロースを代謝でき、酢酸に耐性がある酵母菌株を得るために、60時間でキシロースの少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%をエタノールに変換し、アルコール発酵の開始の遅延時間が、30時間未満、好ましくは29時間未満、より好ましくは28時間未満である少なくとも1つのハイブリッドを選択する工程を含む、方法である。
− 番号I−4538としてCNCM[National Collection of Microorganism Cultures]に寄託された酵母菌株を、番号I−4627としてCNCMに寄託された酵母菌株とを交配する工程であり、前記交配する工程は、
○ 少なくとも1つの分離個体Xを得るために、番号I−4538としてCNCMに寄託された酵母菌株の胞子を形成させる工程と、
○ 発酵培地1kg当たり55gのグルコースおよび45gのキシロースを含む前記発酵培地中で60時間、好ましくは48時間で、少なくとも1つの分離個体Xによりエタノールに変換されたキシロースの割合を測定する工程と、
○ キシロースの少なくとも60%を60時間、好ましくは48時間で、エタノールに変換する少なくとも1つの分離個体Xを選択する工程と、
○ 少なくとも1つの分離個体Yを得るために、番号I−4627としてCNCMに寄託された酵母菌株の胞子を形成させる工程と、
○ pH4.4にて4000ppmの酢酸を含む発酵培地中で少なくとも1つの分離個体Yによるアルコール発酵の開始の遅延時間を測定する工程と、
○ 30時間未満のアルコール発酵の開始の遅延時間を有する少なくとも1つの分離個体Yを選択する工程と
を含む、交配する工程、
− 少なくとも1つのハイブリッドを得るために、キシロースの少なくとも60%を60時間、好ましくは48時間で、エタノールに変換する少なくとも1つの分離個体を、30時間未満のアルコール発酵の開始の遅延時間を有する少なくとも1つの分離個体Yとハイブリダイズする工程、
− キシロースを代謝でき、酢酸に耐性がある酵母菌株を得るために、キシロースを代謝でき、酢酸に耐性がある少なくとも1つのハイブリッドを選択する工程であり、前記選択する工程は、
○ 発酵培地1kg当たり55gのグルコースおよび45gのキシロースを含む発酵培地中で60時間、嫌気性条件下で、少なくとも1つのハイブリッドによりエタノールに変換されたキシロースの割合を測定する工程と、
○ pH4.4にて4000ppmの酢酸を含む発酵培地中の前記少なくとも1つのハイブリッドのアルコール発酵の開始の遅延時間を測定する工程と、
○ 60時間でキシロースの少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%をエタノールに変換し、アルコール発酵の開始の遅延時間が30時間未満、好ましくは29時間未満、より好ましくは28時間未満である、少なくとも1つのハイブリッドを選択する工程と、
を含む、選択する工程
を含む、方法である。
− 60時間、好ましくは48時間で、キシロースの少なくとも60%、好ましくはキシロースの少なくとも65%、さらにより好ましくはキシロースの少なくとも70%をエタノールに変換する少なくとも1つの分離個体Xと、
− アルコール発酵の開始の遅延時間が30時間未満、好ましくは29時間未満、より好ましくは28時間未満、さらにより好ましくは25時間未満、さらにより好ましくは20時間未満である、少なくとも1つの分離個体Yと、
の間で実施される。
− 少なくとも1つのハイブリッドを得るために、番号I−4538としてCNCM[National Collection of Microorganism Cultures]に寄託された酵母菌株を、番号I−4627としてCNCMに寄託された酵母菌株と交配する工程と、
− 少なくとも1つのハイブリッドを指向性進化させる工程と、
− キシロースを代謝でき、酢酸に耐性がある酵母菌株を得るために、キシロースを代謝でき、酢酸に耐性がある少なくとも1つのハイブリッドを選択する工程と、
を含む、方法である。
− 変異体を得るために突然変異を誘発する工程と、
− キシロースおよび/または発酵阻害因子を含む培地中で、低酸素状態下で、循環培養物中で変異体を増殖させる工程。
a)低酸素状態下、好ましくは32℃にて撹拌しながらの培地中での、突然変異誘発に供された細胞集団の培養、
b)工程a)で得た培養物のある体積、例えば1mlのサンプリングおよびその、工程a)と同じ組成を有する培地中への再接種
を含み、工程a)およびb)は少なくとも3回、好ましくは少なくとも4回、例えば6回、7回または8回繰り返される。
− 第1の半嫌気性条件下および第2の嫌気性条件下でのいくつかの段階における酵母菌株の増殖、
− クリーム状酵母が浸透圧調節物質と混合される場合、約12%〜25%の乾燥物質またはさらに多くの量の乾燥物質を含有する液体クリーム状酵母を得るために、その培地から得られた酵母の遠心分離による分離、
− 26%〜35%の乾燥物質を含有する脱水された新鮮な酵母を得るために、一般に、真空下での回転フィルタ上での得られた液体クリーム状酵母の濾過、
− 均質な塊を得るために、前記脱水した新鮮な酵母の混合、
− 以下を得るために、得られた酵母の抽出:
○ 約30%の乾燥物質を含有する新鮮なイーストケーキもしくは砕かれた新鮮な酵母の形状の圧縮された酵母、または
○ 酵母が乾燥されることを意図する場合、粒子、一般に顆粒の形状の酵母
− 任意に、例えば、乾燥酵母を得るために、押し出しによって得られた酵母粒子の流体化によって高温の空気のストリーム中で、保持性様式で乾燥させる工程。乾燥させる工程は、好ましくは、乳化剤の存在下で急速に乾燥させる工程である。乾燥させる工程の間に使用され得る乳化剤は、例えば、約1.0%(乾燥酵母菌株の重量に対する重量)の濃度で使用されるモノステアリン酸ソルビタンが選択されてもよい。本発明に係る酵母は任意の可能な形態で使用されてもよい。
− 本発明に係る酵母はキシロースを代謝でき、
− 本発明に係る酵母は酢酸に耐性がある。
本発明に係る酵母は、例えば、バイオ燃料または化学工業に意図される、工業的アルコールを産生するのに特に有益である。
材料および方法
(i)発酵培地
酵母菌株を増殖させるための使用される増殖培地は、10g/kgの酵母エキス、10g/kgのペントースおよび20g/kgのグルコースを含む。以下に記載されるYFGX培地はキシロースからエタノールへの変換を測定するために使用される。以下に記載されるYFAc培地は酢酸に対する耐性を測定するために使用される。以下に記載されるYFGX−Ac培地は、同時にキシロース、グルコースおよび発酵阻害因子である酢酸を含有する培地中で酵母菌株を評価するために使用される。
酵母菌株増殖は2つの工程で実施される:前培養工程後の培養工程。前培養は、上記に定義される5mlの増殖培地中に酵母菌株のループを接種することによって実施される。撹拌することによって通気した培地中での30℃における培養の24時間後、この前培養の2mlを取り除き、50mlの増殖培地中に接種する。この培養は、撹拌によって通気した培地中で30℃にて24時間実施される。キシロースからエタノールへの変換および酢酸に対する耐性はこの培養から生じる酵母細胞で測定される。
キシロースからエタノールへの変換を測定するために、上記のように増殖した酵母菌株の0.25gの乾燥物質をYFGX培地1kg当たりに接種した。発酵は穏やかに撹拌しながら嫌気性条件下で32℃にて実施する。エタノールおよびまたキシロースおよびグルコース濃度をHPLCによって測定する。次いで以下の式を使用して、キシロースからエタノールへの変換の程度を得る:
酵母菌株の酢酸に対する耐性はアルコール発酵の開始の遅延時間によって測定される。上記に示したように増殖した酵母菌株の0.25gの乾燥物質をYFAc培地1kg当たりに接種した。発酵は穏やかに撹拌しながら32℃にて嫌気性条件下で実施される。エタノール産生は、発酵フラスコの質量の損失を測定することによって間接的に測定され、この質量の損失はアルコール産生と直接相関する。時間の関数として質量の損失を示すアルコール発酵曲線が作成される。x軸と質量の損失の最大導関数との交差点が測定される:これは発酵の開始の遅延時間に相当する。アルコール発酵曲線が、時間の関数として質量の損失の代わりに時間の関数としてアルコール産生を示す場合、質量の損失の最大導関数は、アルコール産生率の最大導関数と同じ結果を与えることに留意すべきである。得られる期間が制限されるほど、発酵の開始の遅延時間はより短くなり、酵母菌株は酢酸に対して、より耐性になる。
交配するために使用される開始菌株はI−4538酵母菌株およびI−4627酵母菌株である。
工程1:酵母菌株増殖
開始菌株のループ(−80℃で保存した)を培地Aのペトリ皿の寒天の表面に接種する。培地Aの組成は以下の通りである:10gの酵母エキス、10gのペプトン、20gのグルコース、20gの寒天、pH6.2+/−0.2、水qs1l。次いでペトリ皿を30℃にて24時間接種する。
以前の培養物のループを培地Bのペトリ皿の寒天の表面に接種する。培地Bの組成は以下の通りである:6.5gの酢酸ナトリウム、15gの寒天、pH6.5〜7、水qs1l。ペトリ皿を25℃にて96時間接種する。次いでディッシュの表面で得たバイオマスを500μlの滅菌水中で収集する。25μlのザイモリアーゼを100μlのこの懸濁液に加える。上清を30℃にて30分間インキュベートし、その後、培地1の寒天ディッシュ上に播種する。4つの切断を好ましくは20分後に実施する。
Singerマイクロマニピュレータを用いて4つに切断し、次いでペトリ皿を30℃にて48時間インキュベートする。
次いで分離個体を、20%のグリセロールを含む培地1中に−80℃にて保存する。
I−4538酵母菌株分離個体を、キシロースをエタノールに変換するそれらの能力について選択する。キシロース変換は、測定を60時間の代わりに48時間で実施することを除いて、酵母菌株について(ii)で増殖した分離個体を使用して(iii)において測定される。選択した分離個体はキシロースの少なくとも70%を48時間で変換した。選択した分離個体のMatまたはMatアルファ性別型をPCRによって測定する。
I−4627酵母菌株の分離個体を、酢酸に対するそれらの耐性に基づいて選択する。酢酸に対する耐性は、酵母菌株について(ii)で増殖した分離個体を使用して、(iv)のように評価する。選択した分離個体は、25時間未満の発酵の開始の遅延時間を有する。選択した分離個体のMat aまたはMatアルファ性別型をPCRによって測定する。
Matアルファハプロイド分離個体のループを、培地Aのペトリ皿の寒天の表面に接種する。Mat aハプロイド分離個体のループを、Matアルファ菌株の寄託と混合する。培地Aの組成は以下の通りである:10gの酵母エキス、10gのペプトン、20gのグルコース、20gの寒天、pH6.2+/−、水qs1l。次いでペトリ皿を30℃にて24時間接種する。混合物のループを培地Aのペトリ皿の寒天の表面に接種する。この工程を5回繰り返す。最後の接種の間、単離したコロニーを得るために細胞をストリークする。酵母細胞を各々の単離したコロニーから除去し、培養し、それらのゲノムDNAを抽出し、Mat aおよびMatアルファ対立遺伝子が1つおよび同じ酵母細胞中に実際に存在することを検証するためにPCRをこのゲノムDNAで実施する。Mat aおよびMatアルファ対立遺伝子を有する酵母細胞はハイブリッドと呼ばれる。
− 30時間未満のアルコール発酵の開始の遅延時間を有するハイブリッド、
− 60時間でキシロースの少なくとも60%を変換するハイブリッド。
指向性進化は、UV突然変異誘発、その後の、キシロースが炭素源のみを構成する発酵培地上での濃縮の工程の組み合わせである。
工程1:UV突然変異誘発の間、5%(100gの懸濁液について乾燥物質(g))にて酵母細胞の15mlの懸濁液を9cmのペトリ皿に入れる。次いでペトリ皿を254nmにて300J/cm2のUV放射線下に置く。
I−4538菌株を、I−4627菌株と交配することによっていくつかのハイブリッドが得られ、それらの中にH1およびH2ハイブリッドがある。本発明の目的に関してキシロースを代謝できないが、酢酸に対する耐性を示すH2ハイブリッドを指向性進化の工程に供する:次いで、I−4624、I−4626およびI−4625酵母菌株のそれぞれに対応するED1、ED2およびED3ハイブリッドを得る。
− 酢酸に耐性があり、したがってキシロースを代謝できない、非遺伝的に改変された酵母菌株であるAc対照、
− アルコールの産生に非常に効果的であるが、酢酸に耐性がないI−4538開始酵母菌株、
− 本発明の目的に関して、酢酸に耐性があるが、キシロースを代謝できないI−4627開始酵母菌株、
− キシロースを代謝でき、酢酸に耐性がある酵母菌株であるH1ハイブリッド、
− 本発明の目的に関して、キシロースを代謝できないが、酢酸に耐性を示すH2ハイブリッド、
− キシロースを代謝でき、酢酸に耐性があるED1、ED2およびED3ハイブリッド。
材料および方法
ED1、ED2およびED3酵母菌株のアルコール産生を実際の適用培地中で評価する。I−4538親酵母菌株のアルコール産生もまた、比較により評価する。酵母菌株のアルコール産生の評価は2つの異なる適用培地中で実施する:
− 培地Aは以下を含む:
○ 麦わらを前処理および熱化学的加水分解したバイオマスの固体/液体分離後に得た液相に対応し、主にキシロース(48g/kg)、少量の他の糖およびまた、リグノセルロースバイオマスの生理化学的前処理から生じる発酵阻害因子を含むヘミセルロース物質、ならびに
○ 栄養素(窒素およびリン源)、
− 培地Bは、リグノセルロースバイオマスの加水分解物を模倣するために、グルコースを補足した上記の培地Aに対応し、そのヘミセルロース画分は加水分解され、そのセルロース画分は部分的に加水分解される。
32℃および35℃にて培地Aで得た結果をそれぞれ図2および3に与え、35℃にて培地Bで得た結果を図4に与える。図3において、I−4538酵母菌株について、***停止期に既に到達しているので、60時間で停止していることに留意すべきである。
Claims (16)
- 番号I−4627としてCNCM[National Collection of Microorganism Cultures]に2012年5月24日に寄託された酵母菌株。
- キシロースを代謝でき、酢酸に耐性がある酵母菌株を得る方法であって、
少なくとも1つのハイブリッドを得るために、番号I−4538としてCNCMに2011年10月5日に寄託された酵母菌株を、番号I−4627としてCNCMに2012年5月24日に寄託された酵母菌株と交配する工程と、
キシロースを代謝でき、酢酸に耐性がある少なくとも1つのハイブリッドを選択する工程と、
を含む、方法。 - 前記交配する工程は、
少なくとも1つの分離個体Xを得るために、番号I−4538としてCNCMに2011年10月5日に寄託された酵母菌株の胞子を形成させる工程と、
少なくとも1つの分離個体Yを得るために、番号I−4627としてCNCMに2012年5月24日に寄託された酵母菌株の胞子を形成させる工程と、
少なくとも1つのハイブリッドを得るために、少なくとも1つの分離個体Xを少なくとも1つの分離個体Yとハイブリダイズする工程であって、前記分離個体Xはキシロースをエタノールに変換し、および/または前記分離個体Yは酢酸に対して耐性を有する、工程と、
を含む、請求項2に記載の方法。 - 前記分離個体Xは、60時間でキシロースの少なくとも60%をエタノールに変換し、および/または前記分離個体Yは30時間未満のアルコール発酵の開始の遅延時間を有する、請求項3に記載の方法。
- キシロースを代謝でき、酢酸に耐性がある少なくとも1つのハイブリッドを選択する工程が、
1kgの発酵培地当たり55gのグルコースおよび45gのキシロースを含む前記発酵培地中で60時間、嫌気性条件下で、少なくとも1つのハイブリッドによってエタノールに変換されたキシロースの割合を測定する工程と、
pH4.4にて4000ppmの酢酸を含む発酵培地中で少なくとも1つのハイブリッドのアルコール発酵の開始の遅延時間を測定する工程と、
60時間でキシロースの少なくとも70%をエタノールに変換し、アルコール発酵の開始の遅延時間が30時間未満である、少なくとも1つのハイブリッドを選択する工程と、
を含む、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。 - 指向性進化させる工程をさらに含む、請求項2〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 番号I−4624としてCNCMに2012年5月24日に寄託された酵母菌株、番号I−4625としてCNCMに2012年5月24日に寄託された酵母菌株および番号I−4626としてCNCMに2012年5月24日に寄託された酵母菌株からなる群から選択される、酵母菌株。
- 請求項7に記載の酵母菌株を培養することによって得られる酵母。
- 発酵培地中で、請求項8に記載の酵母によって嫌気性条件下で発酵する工程を含む、少なくとも1つの発酵産物を産生する方法。
- 前記発酵培地はキシロースおよび/または少なくとも1つの発酵阻害因子を含む、請求項9に記載の方法。
- 前記発酵培地は植物物質の全てまたは一部の少なくとも1つの加水分解物を含む、請求項9または10に記載の方法。
- 発酵産物を産生するための請求項8に記載の酵母の使用。
- 発酵産物の産生は、キシロースおよび/または1つの発酵阻害因子を含む発酵培地の使用を含む、請求項12に記載の使用。
- 請求項8に記載の酵母を含む培養物。
- 前記培養物は、乾燥酵母の形態である請求項14に記載の培養物。
- 請求項8に記載の酵母を含むイーストケーキ。
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