JP6188238B2 - ハロゲン除去剤、およびエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体の製造方法 - Google Patents

ハロゲン除去剤、およびエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体の製造方法 Download PDF

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本発明は、ハロゲン除去剤、およびエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体の製造方法に関する。
エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体等の合成ゴム(以下、これらを総称して「ゴム状重合体」ともいう。)は、遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物を主成分とする触媒、いわゆるチーグラー系触媒を用いて原料モノマーを重合した後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、ポリマーを回収する方法により製造されるのが一般的である。
スチームストリッピングでは、水蒸気により溶媒がガス化することで除去されるが、このとき、水に可溶な触媒残渣の一部が水に移行することでポリマーから取り除かれる。しかし、触媒残渣の多くは除去されずにポリマーとともに回収されてしまう。
触媒残渣は、ゴム状重合体の着色や劣化の原因となる。また、触媒残渣の中でもハロゲン(特に塩素)がゴム状重合体に多く含まれていると、ゴム状重合体の成形体を各種金属装置や器具などに用いたときに、成形体と接触する金属材料(例えば、鉄、鉄合金、アルミニウムなど)の腐食の原因にもなりうる。
そこで、触媒残渣の少ないゴム状重合体の製造方法として、チーグラー系触媒を用いた重合反応の後に、重合停止剤としてポリエチレングリコールのアルキルエステル誘導体、環状エステル化合物およびペンタエリスリトールテトラエステルから選ばれた少なくとも1種の化合物を使用する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。この方法によれば、重合停止剤としての本来の作用、すなわち、重合の進行の停止、およびポリマーの分子量増加の防止(ゲル発生の防止)が行われると同時に、得られたゴム状重合体中の触媒残渣を低減できるとしている。
また、特許文献1には、重合反応の後に水を添加した場合よりも、ペンタエリスリトールジエステルやペンタエリスリトールトリエステルを添加した場合の方が、残留塩素量が高い(すなわち、ペンタエリスリトールジエステルやペンタエリスリトールトリエステルでは、塩素の低減効果が十分に得られない)ことが示されている。
特開昭59−74101号公報
しかしながら、ゴム状重合体の着色や劣化の抑制、金属装置や器具の腐食防止による長寿命化の観点から、ゴム状重合体のハロゲン濃度の低減はいまだ十分とは言えず、さらなる改善が求められている。
また、ポリエチレングリコールのアルキルエステル誘導体やペンタエリスリトールテトラエステルは、粘度が高く、また低温流動性に劣る傾向にある。そのため、使用前に適度な粘度となるように調整したり、固体から液体に融解するために加温したりするなどの手間がかかり、室温で重合停止剤として速やかに使用するには作業性に課題があった。
さらに、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル化合物は、引火点が低く、取り扱い性に劣るものであった。また、臭気が強く、作業環境や製品への残存臭気の懸念も有していた。
このように、ポリエチレングリコールのアルキルエステル誘導体、環状エステル化合物およびペンタエリスリトールテトラエステルは、取り扱い性にも課題があった。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、ハロゲン濃度がより低減されたエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体を製造できるハロゲン除去剤、およびエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] ハロゲンを含む重合触媒を用いてエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体を製造する際に使用するハロゲン除去剤であって、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルとして以下の(A)成分と(B)成分と(C)成分とを含有し、かつ(A)成分/((A)成分+(B)成分+(C)成分)で表される質量比が0.48〜0.85である、ハロゲン除去剤。
(A)成分:ペンタエリスリトールテトラ脂肪酸エステル
(B)成分:ペンタエリスリトールトリ脂肪酸エステル
(C)成分:ペンタエリスリトールジ脂肪酸エステル
[2] ペンタエリスリトール脂肪酸エステルとして以下の(D)成分をさらに含有し、かつ(D)成分/((A)成分+(B)成分+(C)成分+(D)成分)で表される質量比が0.02以下である、[1]に記載のハロゲン除去剤。
(D)成分:ペンタエリスリトールモノ脂肪酸エステル
[3] 前記ペンタエリスリトール脂肪酸エステルの脂肪酸部分の炭素数が8〜10である、[1]または[2]に記載のハロゲン除去剤。
[4] ハロゲンを含む重合触媒を用いてエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体を製造する方法であって、原料モノマーを重合した後に、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルとして以下の(A)成分と(B)成分と(C)成分とを、(A)成分/((A)成分+(B)成分+(C)成分)で表される質量比が0.48〜0.85となるように重合反応液に添加する、エチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体の製造方法。
(A)成分:ペンタエリスリトールテトラ脂肪酸エステル
(B)成分:ペンタエリスリトールトリ脂肪酸エステル
(C)成分:ペンタエリスリトールジ脂肪酸エステル
[5] 前記ペンタエリスリトール脂肪酸エステルの脂肪酸部分の炭素数が8〜10である、[4]に記載のエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体の製造方法。
本発明によれば、ハロゲン濃度がより低減されたエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体を製造できるハロゲン除去剤、およびエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体の製造方法を提供できる。
「ハロゲン除去剤」
本発明のハロゲン除去剤は、ハロゲンを含む重合触媒を用いてエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体(以下、これらを総称して「ゴム状重合体」ともいう。)を製造する際に使用するものである。
本発明のハロゲン除去剤は、以下に示すペンタエリスリトール脂肪酸エステルを含有する。
<ペンタエリスリトール脂肪酸エステル>
本発明のハロゲン除去剤は、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルとして以下の(A)成分、(B)成分、および(C)成分を含有する。また、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルとして以下の(D)成分をさらに含有してもよい。なお、ハロゲン除去剤は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、および必要に応じて(D)成分が混合された一液型でもよいし、(A)成分、(B)成分、(C)成分、および必要に応じて(D)成分が各々別個に用意されたものでもよい。ただし、取り扱い性が良好で、しかも(A)成分、(B)成分、および(C)成分が少なくとも混在したペンタエリスリトール脂肪酸エステルを利用できる点から、ハロゲン除去剤は一液型であることが好ましい。
(A)成分:ペンタエリスリトールテトラ脂肪酸エステル
(B)成分:ペンタエリスリトールトリ脂肪酸エステル
(C)成分:ペンタエリスリトールジ脂肪酸エステル
(D)成分:ペンタエリスリトールモノ脂肪酸エステル
ペンタエリスリトール脂肪酸エステルは、ポリオールの1種であるペンタエリスリトールと脂肪酸とのエステル化物である。
一般的なポリオールとしては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の2価アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;エリトリット、ソルビタン、マンニタン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の4価アルコール;アラビット、キシリット等の5価アルコール;ソルビット、マンニット、ガラクチット、ジペンタエリスリトール等の6価アルコールなどが知られている。
これらのポリオールのうち、2価アルコールおよび3価アルコールを用いて得られるモノ脂肪酸エステルおよびジ脂肪酸エステルは、引火点が低く、また、塩素などのハロゲン除去性に劣る。また、5価以上の多価アルコールを用いて得られる脂肪酸エステルは、融点が高く、常温で使用しにくい。また、詳しくは後述するが、重合反応に用いる反応溶媒への溶解性に劣るという欠点がある。
4価アルコールの中でもペンタエリスリトールを用いて得られる脂肪酸エステルは、低温流動性や粘度などのハンドリング性とハロゲン除去性とのバランスに優れる。
ペンタエリスリトールの製法としては特に限定されず、一般的には、1分子のアセトアルデヒドと4分子のホルムアルデヒドとが水酸化ナトリウムや水酸化カルシウムなどのアルカリ触媒により縮合することで得られる。ペンタエリスリトールの市販品としては、広栄化学工業株式会社製の商品名「ペンタリット」などが好ましい。
ペンタエリスリトール脂肪酸エステルの脂肪酸部分の炭素数は、(A)〜(D)成分のいずれも6〜14が好ましく、8〜12がより好ましく、8〜10が特に好ましい。脂肪酸部分の炭素数が6以上であれば、得られるハロゲン除去剤のハロゲン除去性がより向上する。一方、ハロゲン除去剤が一液型の場合、脂肪酸部分の炭素数が14以下であれば、粘度の低いハロゲン除去剤が得られやすくなり、ハンドリング性がより高まる。
脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよいし、不飽和脂肪酸であってもよいが、酸素や熱に対する安定性を高める点で、飽和脂肪酸が好ましい。また、脂肪酸は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
脂肪酸としては、例えばカプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、4−イソカプロン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、4−エチルペンタン酸、ヘキセン酸、オクテン酸、ノネン酸、カプロレイン酸、ミリストレインなどが挙げられる。これらの中でも、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、4−イソカプロン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、4−エチルペンタン酸が好ましく、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸が特に好ましい。
これら脂肪酸は、1種単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
(A)成分であるペンタエリスリトールテトラ脂肪酸エステルとしては、例えばテトラカプロン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラエナント酸ペンタエリスリトールエステル、テトラカプリル酸ペンタエリスリトールエステル、テトラペラルゴン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラカプリン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラウンデカン酸ペンタエリスリトールエステル、テトララウリン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラトリデカン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラミリスチン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラ4−イソカプロン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラ3,5,5−トリメチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラ4−エチルペンタン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラヘキセン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラオクテン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラノネン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラカプロレイン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラミリストレイン酸ペンタエリスリトールエステルなどが挙げられる。
これらの中でも酸素や熱に対する化学安定性に優れる点から、飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル化物がより好ましく、具体的には、テトラカプリル酸ペンタエリスリトールエステル、テトラペラルゴン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラカプリン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラウンデカン酸ペンタエリスリトールエステル、テトララウリン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラ3,5,5−トリメチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステルが好ましい。さらに、ハロゲン除去性がより向上し、ハロゲン除去剤が一液型の場合は粘度がより低くなり、しかも低温流動性により優れる点から、テトラカプリル酸ペンタエリスリトールエステル、テトラペラルゴン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラカプリン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル、テトラ3,5,5−トリメチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステルが特に好ましい。
これら(A)成分は、1種単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
(B)成分であるペンタエリスリトールトリ脂肪酸エステルとしては、例えばトリカプロン酸ペンタエリスリトールエステル、トリエナント酸ペンタエリスリトールエステル、トリカプリル酸ペンタエリスリトールエステル、トリペラルゴン酸ペンタエリスリトールエステル、トリカプリン酸ペンタエリスリトールエステル、トリウンデカン酸ペンタエリスリトールエステル、トリラウリン酸ペンタエリスリトールエステル、トリトリデカン酸ペンタエリスリトールエステル、トリミリスチン酸ペンタエリスリトールエステル、トリ4−イソカプロン酸ペンタエリスリトールエステル、トリ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル、トリ3,5,5−トリメチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル、トリ4−エチルペンタン酸ペンタエリスリトールエステル、トリヘキセン酸ペンタエリスリトールエステル、トリオクテン酸ペンタエリスリトールエステル、トリノネン酸ペンタエリスリトールエステル、トリカプロレイン酸ペンタエリスリトールエステル、トリミリストレイン酸ペンタエリスリトールエステルなどが挙げられる。
これらの中でも酸素や熱に対する化学安定性に優れる点から、飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル化物がより好ましく、具体的には、トリカプリル酸ペンタエリスリトールエステル、トリペラルゴン酸ペンタエリスリトールエステル、トリカプリン酸ペンタエリスリトールエステル、トリウンデカン酸ペンタエリスリトールエステル、トリラウリン酸ペンタエリスリトールエステル、トリ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル、トリ3,5,5−トリメチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステルが好ましい。さらに、ハロゲン除去性がより向上し、ハロゲン除去剤が一液型の場合は粘度がより低くなり、しかも低温流動性により優れる点から、トリカプリル酸ペンタエリスリトールエステル、トリペラルゴン酸ペンタエリスリトールエステル、トリカプリン酸ペンタエリスリトールエステル、トリ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル、トリ3,5,5−トリメチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステルが特に好ましい。
これら(B)成分は、1種単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
(C)成分であるペンタエリスリトールジ脂肪酸エステルとしては、例えばジカプロン酸ペンタエリスリトールエステル、ジエナント酸ペンタエリスリトールエステル、ジカプリル酸ペンタエリスリトールエステル、ジペラルゴン酸ペンタエリスリトールエステル、ジカプリン酸ペンタエリスリトールエステル、ジウンデカン酸ペンタエリスリトールエステル、ジラウリン酸ペンタエリスリトールエステル、ジトリデカン酸ペンタエリスリトールエステル、ジミリスチン酸ペンタエリスリトールエステル、ジ4−イソカプロン酸ペンタエリスリトールエステル、ジ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル、ジ3,5,5−トリメチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル、ジ4−エチルペンタン酸ペンタエリスリトールエステル、ジヘキセン酸ペンタエリスリトールエステル、ジオクテン酸ペンタエリスリトールエステル、ジノネン酸ペンタエリスリトールエステル、ジカプロレイン酸ペンタエリスリトールエステル、ジミリストレイン酸ペンタエリスリトールエステルなどが挙げられる。
これらの中でも酸素や熱に対する化学安定性に優れる点から、飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル化物がより好ましく、具体的には、ジカプリル酸ペンタエリスリトールエステル、ジペラルゴン酸ペンタエリスリトールエステル、ジカプリン酸ペンタエリスリトールエステル、ジウンデカン酸ペンタエリスリトールエステル、ジラウリン酸ペンタエリスリトールエステル、ジ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル、ジ3,5,5−トリメチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステルが好ましい。さらに、ハロゲン除去性がより向上し、ハロゲン除去剤が一液型の場合は粘度がより低くなり、しかも低温流動性により優れる点から、ジカプリル酸ペンタエリスリトールエステル、ジペラルゴン酸ペンタエリスリトールエステル、ジカプリン酸ペンタエリスリトールエステル、ジ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル、ジ3,5,5−トリメチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステルが特に好ましい。
これら(C)成分は、1種単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
(D)成分であるペンタエリスリトールモノ脂肪酸エステルとしては、例えばモノカプロン酸ペンタエリスリトールエステル、モノエナント酸ペンタエリスリトールエステル、モノカプリル酸ペンタエリスリトールエステル、モノペラルゴン酸ペンタエリスリトールエステル、モノカプリン酸ペンタエリスリトールエステル、モノウンデカン酸ペンタエリスリトールエステル、モノラウリン酸ペンタエリスリトールエステル、モノモノデカン酸ペンタエリスリトールエステル、モノミリスチン酸ペンタエリスリトールエステル、モノ4−イソカプロン酸ペンタエリスリトールエステル、モノ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル、モノ3,5,5−トリメチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル、モノ4−エチルペンタン酸ペンタエリスリトールエステル、モノヘキセン酸ペンタエリスリトールエステル、モノオクテン酸ペンタエリスリトールエステル、モノノネン酸ペンタエリスリトールエステル、モノカプロレイン酸ペンタエリスリトールエステル、モノミリストレイン酸ペンタエリスリトールエステルなどが挙げられる。
これらの中でも酸素や熱に対する化学安定性に優れる点から、飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル化物がより好ましく、具体的には、モノカプリル酸ペンタエリスリトールエステル、モノペラルゴン酸ペンタエリスリトールエステル、モノカプリン酸ペンタエリスリトールエステル、モノウンデカン酸ペンタエリスリトールエステル、モノラウリン酸ペンタエリスリトールエステル、モノ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル、モノ3,5,5−トリメチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステルが好ましい。さらに、ハロゲン除去性がより向上し、ハロゲン除去剤が一液型の場合は粘度がより低くなり、しかも低温流動性により優れる点から、モノカプリル酸ペンタエリスリトールエステル、モノペラルゴン酸ペンタエリスリトールエステル、モノカプリン酸ペンタエリスリトールエステル、モノ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル、モノ3,5,5−トリメチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステルが特に好ましい。
これら(D)成分は、1種単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
(ペンタエリスリトール脂肪酸エステルの組成比)
(A)成分/((A)成分+(B)成分+(C)成分)で表される質量比は0.48〜0.85であり、0.55〜0.82が好ましく、0.61〜0.75がさらに好ましい。(A)成分/((A)成分+(B)成分+(C)成分)で表される質量比が上記範囲内であれば、ハロゲン除去性に優れたハロゲン除去剤が得られる。しかも、ハロゲン除去剤が一液型の場合、取り扱い性も向上する。具体的には、粘度が低くなり、低温流動性が向上し、引火点が高くなり、臭気が軽減される。質量比が0.48未満であると、ハロゲン除去剤のハロゲン除去性が低下する。一方、質量比が0.85を超えると、ハロゲン除去剤のハロゲン除去性が低下する。また、ハロゲン除去剤が一液型の場合、低温流動性が低下する。
また、ハロゲン除去剤が(D)成分を含有する場合、(D)成分/((A)成分+(B)成分+(C)成分+(D)成分)で表される質量比は0.02以下が好ましく、0.016以下がより好ましく、0.008以下が特に好ましい。
(D)成分は、一液型のハロゲン除去剤の低温流動性を高める成分である。そのため、(D)成分の割合が多くなるほど低温流動性は向上するが、その一方で浮遊物や沈殿物が発生しやすくなり、ハロゲン除去剤の透明性が低下する傾向にもある。特に沈殿物が発生したハロゲン除去剤をエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体の製造に用いると、沈殿物が反応容器(タンク)や配管などに蓄積しやすい。そのため、これらゴム状重合体の製造後、洗浄によりハロゲン除去剤を除去するのに手間がかかる。
(D)成分/((A)成分+(B)成分+(C)成分+(D)成分)で表される質量比が上記範囲内であれば、一液型のハロゲン除去剤の透明性を維持しつつ、低温流動性をより高めることができる。よって、エチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体の製造に用いる際の作業性が高まり、しかもこれらゴム状重合体の製造後の洗浄性も良好となる。
(D)成分/((A)成分+(B)成分+(C)成分+(D)成分)で表される質量比の下限値については特に制限されないが、0.001以上が好ましく、0.003以上がより好ましい。
(ペンタエリスリトール脂肪酸エステルの製造方法)
ペンタエリスリトール脂肪酸エステルは、公知のエステル化法により製造できる。エステル化法により製造されたペンタエリスリトール脂肪酸エステルは、ペンタエリスリトールのすべての水酸基に脂肪酸基が結合したフルエステル((A)成分)の状態、水酸基の一部が残っている構造を示す部分エステル((B)成分、(C)成分、(D)成分)の状態、フルエステルと部分エステルとの混合物の状態で得られる。
なお、本発明において、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを少なくとも含む混合物の状態で得られたペンタエリスリトール脂肪酸エステルを「ペンタエリスリトール脂肪酸エステル組成物」ともいう。
ペンタエリスリトール脂肪酸エステル組成物中の(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分の割合(組成比)は、詳しくは後述するが、製造条件によって制御でき、定法によるガスクロマトグラフィーによる分析により容易に測定できる。
よって、各成分の割合が上述した質量比になるようにペンタエリスリトール脂肪酸エステルを製造することで、一液型のハロゲン除去剤が容易に得られる。
ペンタエリスリトール脂肪酸エステルの製造方法としては、例えば以下に示す方法(1)〜(3)が挙げられる。
(1)脂肪酸とペンタエリスリトールとを、酸、アルカリまたは有機金属触媒の存在下で反応させてエステル化する方法。
(2)脂肪酸アルキルエステル等の脂肪酸エステル化物とペンタエリスリトールとを、酸、アルカリまたは有機金属触媒の存在下で反応させてエステル交換する方法。
(3)パーム油、大豆油、ヤシ油、パーム核油等の植物油とペンタエリスリトールとを酸、アルカリまたは有機金属触媒の存在下で反応させてエステル交換した後、蒸留等により分留する方法。
方法(2)によりペンタエリスリトール脂肪酸エステルを製造する場合は、例えば以下のようにして行われる。
まず、脂肪酸アルキルエステルが過剰量となるように、脂肪酸アルキルエステルとペンタエリスリトールを反応容器内に仕込む。ついで、窒素雰囲気下、酸触媒、アルカリ触媒または有機金属触媒の存在下で、所定の温度条件および圧力条件のもと、脂肪酸アルキルエステルを還流させると同時に副生するアルキルアルコールを系外に留出させながら、反応物中の(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分の割合(組成)が所望の範囲になるまで、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルの合成反応を行う。その後未反応の脂肪酸アルキルエステルを減圧下、トッピングにより系外に除去する。さらに、固体触媒を使用した場合は触媒を濾過除去することによって、均一系触媒を使用した場合は触媒を中和処理または吸着処理することによって、適宜触媒を除去あるいは不活性化する。また、未反応の固体原料であるペンタエリスリトールが反応物中に残っている場合は、適宜、ペンタエリスリトールを濾過除去する。このようにして、所望の組成のペンタエリスリトール脂肪酸エステル組成物が得られる。
反応容器としては、還流管を備え付けたガラス製、グラスライニング製、またはステンレス製の反応釜を用いることができる。
脂肪酸アルキルエステルの脂肪酸部分の炭素数は、6〜14が好ましく、8〜12がより好ましく、8〜10が特に好ましい。一方、アルキル部分の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜2が特に好ましい。
脂肪酸アルキルエステルの仕込み量は、ペンタエリスリトールの水酸基のモル数に対して、フルエステル((A)成分)を製造するために必要な脂肪酸アルキルエステルのモル量の1.00〜1.30倍当量であることが好ましい。脂肪酸アルキルエステルの仕込み量が1.00倍当量より少ないと、反応が十分に進行しにくくなる場合がある。一方、脂肪酸アルキルエステルの仕込み量が1.30倍当量より多いと、反応が進行し過ぎて所望の組成のペンタエリスリトール脂肪酸エステル組成物が得られにくくなる場合がある。また、未反応の脂肪酸アルキルエステルの割合が多くなるため、トッピング操作で取り除く未反応の脂肪酸アルキルエステル量が増え、製造工程への負荷が高くなる。
なお、脂肪酸アルキルエステルの仕込み量が少なくなるに連れて、フルエステル((A)成分)の割合が少なくなり、部分エステル((B)成分、(C)成分、(D)成分)の割合が多く成る傾向にある。
酸触媒、アルカリ触媒、有機金属触媒としては、通常のエステル交換反応で用いられる触媒を使用できる。中でも、アルカリ触媒が好ましい。
アルカリ触媒としては、固体触媒であれば、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられ、均一系触媒であれば、例えばナトリウムメチラートなどが挙げられる。反応後の除去が容易である点で固体触媒が好ましく、中でも、炭酸水素ナトリウムが好ましい。
触媒の添加量は、原料となる脂肪酸アルキルエステルとペンタエリスリトールとの仕込み量の合計を100質量部としたときに、0.05〜5.0質量部が好ましい。触媒の添加量が0.05質量部より少ないと、反応が十分に進行しにくくなる場合がある。一方、触媒の添加量が5.0質量部より多いと、濾過除去あるいは中和処理する触媒量が多くなり、製造工程への負荷が高くなる。
エステル交換反応は、窒素雰囲気下で行われるが、減圧下で行ってもよいし、常圧の窒素ガス流通下で行ってもよい。副生するアルキルアルコールを効率的に留去できる条件が好ましい。
エステル交換反応を減圧下で行う場合は、減圧度は133Pa(1torr)〜53320Pa(400torr)が好ましく、133Pa〜33325Pa(250torr)がより好ましい。エステル交換反応は、一定の減圧度で行ってもよいし、段階的に減圧度を高める条件で行ってもよい。
一方、エステル交換反応を常圧の窒素ガス流通下で行う場合は、ガス流量が0.01〜50L/min程度であることが好ましい。
反応温度は、通常のエステル交換反応が進行する温度であればよく、50〜250℃が好ましく、100〜230℃がより好ましい。反応温度が50℃より低いと、反応が十分に進行しにくくなる場合がある。一方、反応温度が250℃より高いと、反応物の色調が劣化したり、臭気が悪くなったりすることがある。
反応時間は、エステル交換反応の進行によりフルエステル((A)成分)の生成量が所定の量になるまでの時間になるが、通常、1〜20時間である。
なお、反応温度が低くなるに連れて、また反応時間が短くなるに連れて、フルエステル((A)成分)の割合が少なくなり、部分エステル((B)成分、(C)成分、(D)成分)の割合が多く成る傾向にある。
反応終了後に、未反応の脂肪酸アルキルエステルを系外に除去するためにトッピングを行う。このとき、反応物中の未反応の脂肪酸アルキルエステルの割合が1質量%以下になるまでトッピングを行うことが好ましい。未反応の脂肪酸アルキルエステルの割合が1質量%以下であれば、臭気がより軽減され、引火点がより高い、一液型のハロゲン除去剤が得られる。反応物中の未反応の脂肪酸アルキルエステルの割合は、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が特に好ましい。
トッピング時の減圧度は、1330Pa(10torr)以下であることが好ましい。減圧度が高いほど、未反応の脂肪酸アルキルエステルを除去する時間を短くできる。
トッピング時間は、0.5〜6時間であることが好ましい。
トッピングの後には、触媒の除去あるいは不活性化を行うことが好ましい。
固体触媒を使用した場合は、触媒をリーフ濾過器やフィルタープレス機等を用いて、濾過除去することが好ましい。この際、濾過を効率的に行うために、凝集促進剤を添加したり、プレコート処理を行ったりしてもよい。
一方、均一系触媒を使用した場合は、触媒を中和処理または吸着処理することが好ましい。例えば均一系のアルカリ触媒を用いた場合、中和処理においては、酸性化合物を添加することでアルカリ触媒を中和させる。酸性化合物としては、例えば塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などが挙げられる。一方、吸着処理においては、吸着処理剤を添加しイオン交換により触媒を吸着処理する。吸着処理剤としては、協和化学工業株式会社製の商品名「キョーワード」シリーズなどが挙げられる。金属分の含有量を軽減できる点で、吸着処理が好ましい。
方法(1)によりペンタエリスリトール脂肪酸エステルを製造する場合は、脂肪酸アルキルエステルの代わりに脂肪酸を用いる以外は、方法(2)と同様にして行う。ただし、脂肪酸は脂肪酸アルキルエステルに比べて沸点が高いため、トッピング工程において脂肪酸を十分に除去しにくい。そのため、反応物中に未反応の脂肪酸が1質量%以上残存する場合がある。脂肪酸が多く残存すると、得られるペンタエリスリトール脂肪酸エステルの酸価が高くなり、品質安定性が低下する懸念がある。そのような場合には、トッピング工程の後に、アルカリ化合物(例えば水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム等)を添加して中和処理したり、イオン交換による吸着処理を行うことで酸価を低減させたりすることが好ましい。特に、吸着処理により酸価を低減させることが好ましく、具体的には、酸価が0.05mgKOH/g以下、好ましくは0.02mgKOH/g以下になるまで吸着処理することが好ましい。
なお、均一系の触媒を使用した場合には、トッピング工程の後に吸着処理を行うことで、触媒の吸着処理と酸価の低減を同時に行うことができる。
吸着処理に用いる吸着処理剤としては、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)等を主成分とする無機合成吸着剤が好ましく、例えば協和化学工業株式会社製の商品名「キョーワード」シリーズ(キョーワード100、200、300、400、500、600、700、1000、2000等);富田製薬株式会社製の商品名「トミターAD」シリーズ(トミターAD100、500、600、700等)などが挙げられる。
吸着処理剤の添加量は、反応物(エステル化物)100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましい。
処理温度は20〜160℃が好ましく、処理時間は10分間〜10時間が好ましい。
また、中和処理は大気下で行ってもよいし、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよいし、減圧条件下で行ってもよい。
方法(1)〜(3)などにより得られたペンタエリスリトール脂肪酸エステルは、脱気処理を行って水分や空気を除去しておくことが好ましく、具体的には、窒素置換後、好ましくは20〜160℃、10分間〜10時間、真空度0.1〜80kPaの条件で減圧留去する。この際、トルエン、ケロシン、イソプロピルアルコール、エタノール、ピリジンなどの水と共沸する化合物を、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル中の水分に対し0.1〜3モル程度添加して共沸を行ってもよい。これらの操作によりペンタエリスリトール脂肪酸エステル中の水分量は0.1〜200ppm、好ましくは0.1〜100ppmに低減され、その結果、加水分解などの分解を抑制でき、ハロゲン除去剤の品質安定性を高めることができる。なお、水の含有量が多いと一部、水を用いて重合を停止させることになり、ハロゲン除去剤のハロゲン除去性に影響することがある。
脱気処理後、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルが再び水分を吸収しないように、窒素雰囲気下で、または乾燥空気下で保存することが好ましい。また、モレキュラーシーブス4A(純正化学株式会社製)等の脱水剤を、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル100質量部に対し、0.1〜30質量部添加して保存するのもよい。モレキュラーシーブス4A等の脱水剤の作用により、長期間、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル中の水分量が0.1〜100ppmである状態を維持できる。
<任意成分>
ハロゲン除去剤は、耐久性をより高める目的で、必要に応じて、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル以外の成分(任意成分)を含有していてもよい。
任意成分としては、酸化防止剤やその他の添加剤などが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等のフェノール系酸化防止剤;ジオクチルジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン等のアミン系酸化防止剤;アスコルビン酸(ビタミンC)、トコフェロール(ビタミンE)などが挙げられる。これらの中でも、フェノール系酸化防止剤、トコフェロールが好ましく、BHT、BHA、トコフェロールがより好ましい。
その他の添加剤としては、例えば極圧剤、清浄分散剤、流動点降下剤、防錆剤、消泡剤、などが挙げられる。
<作用効果>
以上説明した本発明のハロゲン除去剤は、上述した(A)成分、(B)成分、および(C)成分を特定の質量比で含有するので、ハロゲン除去性に優れる。よって、ハロゲンを含む重合触媒を用いてエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体を製造するに際して、原料モノマーを重合した後に本発明のハロゲン除去剤を用いれば(具体的には、重合停止剤として用いれば)、重合触媒に由来するハロゲン(例えば塩素)が本発明のハロゲン除去剤によって除去されるので、ハロゲン濃度がより低減されたエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体が得られる。
また、ハロゲン除去剤が一液型の場合、取り扱い性にも優れる。具体的には、流動点が−5℃未満(好ましくは−10℃未満、より好ましくは−15℃未満)になりやすく、低温流動性に優れる。また、引火点が250℃以上(好ましくは260℃以上)になりやすい。しかも、粘度が低く、かつ臭気が軽減される。
「エチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体の製造方法」
本発明は、ハロゲンを含む重合触媒を用いて、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)等のエチレン−α−オレフィン共重合体、またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体(EPDM)を製造する方法である。
エチレン−α−オレフィン共重合体を製造する場合、原料モノマーとしてエチレンとα−オレフィンを用いる。
α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどが挙げられる。
共重合体中のエチレンとα−オレフィンとの質量比(エチレン/α−オレフィン)は、90/10〜30/70が好ましく、85/15〜40/60がより好ましい。
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体を製造する場合、原料モノマーとしてエチレンとプロピレンと非共役ジエンを用いる。
非共役ジエンとしては、例えば5−アルキリデン−2−ノルボルネン(5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン等)、2,5−ノルボルナジエン、2−メチレンノルボルネン、2−エチルノルボルネン、5−メチレンノルボルネン、5−(2−ブテニル)−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、ビシクロ〔3,2,0〕ヘプタジエン、テトラヒドロインデン、アルキルテトラヒドロインデン、ジアルキルテトラヒドロインデン、9,10−ジヒドロ−ジシクロペンタジエン、11−エチル−1,11−トリデカジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、1,5−ヘキサジエンなどが挙げられる。
共重合体中の非共役ジエン単位の割合は、0.1〜8モル%が好ましい。
本発明に用いる重合触媒は、ハロゲンを含む。このような重合触媒としては、遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物とを含むチーグラー・ナッタ触媒などが挙げられる。
遷移金属化合物としては、例えばニッケル(Ni)、コバルト(Co)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、ランタン(La)などの化合物が知られている。バナジウム化合物としては、例えば、オキシ三塩化バナジウム(VOCl)、三塩化バナジウム(VCl)、四塩化バナジウム(VCl)、バナジウムトリスアセチルアセトナート(V(AcAc))などが挙げられる。これらの中でも、オキシ三塩化バナジウムや四塩化バナジウム、またはこれらのアルコール(炭素数1〜12)変性物である可溶性バナジウム化合物が好ましい。ここで、「AcAc」はアセチルアセトナートを示す。
有機アルミニウム化合物としては、例えばトリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロライド、アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムジクロライド、ハロゲン化アルキルアルミニウムなどが挙げられる。具体的には、トリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジメチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライドなどが挙げられる。これらの中でも、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、トリエチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、またはこれらの混合物が好ましい。
なお、遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物との組み合わせについては特に制限されないが、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物との組み合わせが好ましい。ただし、遷移金属化合物および有機アルミニウム化合物の少なくとも一方には、ハロゲンが含まれているものとする。
重合触媒の使用量は、原料モノマー1モルに対して、遷移金属化合物が0.05〜0.1モルとなる量であることが好ましく、有機アルミニウム化合物が0.4〜1.6モルとなる量であることが好ましい。
重合触媒を用いた原料モノマーの重合には、活性化剤を用いてもよい。
活性化剤としては、例えばエチルモノクロロマロネート、メチルモノクロロマロネート、エチルモノブロモマロネート、メチルモノブロモマロネート等のアルキルモノハロゲノマロン酸エステル;エチルジクロロマロネート、メチルジクロロマロネート、エチルジブロモマロネート、メチルジブロモマロネート等のアルキルジハロゲノマロン酸エステルなどが挙げられる。
活性化剤の添加量は、遷移金属化合物1molに対し、0.05〜150molが好ましい。活性化剤の添加量が0.05mol以上であれば、活性化剤の添加効果が十分に得られ、ゴム状重合体の収率が向上する。一方、活性化剤の添加量が150mol以下であれば、活性化剤により重合反応中に活性点が失活するのを抑制できる。
また、重合触媒を用いた原料モノマーの重合には、必要に応じて連鎖移動剤を用いてもよい。
連鎖移動剤としては、ジアルキル亜鉛、水素などが挙げられる。
重合反応に用いる反応溶媒としては、例えば脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ケトン、エステル等の溶媒が挙げられる。具体的には、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、シクロヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、酢酸エチル、酢酸、クロロホルム、テトラクロロエタンなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素が好ましく、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンが特に好ましい。
重合温度は−30〜90℃が好ましく、10〜60℃がより好ましい。重合圧力は0.1MPa(0kgG/cm)〜2MPa(20kgG/cm)が好ましい。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体の製造方法では、原料モノマーを重合した後に(すなわち、重合反応液が所定の重合体濃度に達した後に)、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルとして上述した(A)成分と(B)成分と(C)成分とを、(A)成分/((A)成分+(B)成分+(C)成分)で表される質量比が0.48〜0.85となるように、重合反応液に添加する。また、上述した(D)成分を、(D)成分/((A)成分+(B)成分+(C)成分+(D)成分)で表される質量比が0.02以下となるように添加することが好ましい。重合反応液中での各成分の質量比が上記範囲内となれば、各成分を別々に重合反応液に添加してもよいが、本発明のハロゲン除去剤のうち、一液型のものを重合反応液に添加すれば、一度の添加で各成分の質量比が上記範囲内となるように重合反応液に添加できるので好ましい。
ハロゲン除去剤を重合反応液に添加することで、ハロゲン(例えば塩素)を除去できる。また、本発明のハロゲン除去剤は重合停止剤の役割も果たすので、ハロゲン除去剤を重合反応液に添加することで、重合が停止する。
ハロゲン除去剤の添加量は、得られるゴム状重合体100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜1質量部がより好ましい。
ハロゲン除去剤を重合反応液に添加した後、重合反応液1質量部に対して0.05〜0.4質量部の水、好ましくは0.1〜0.3質量部の水を加え、十分に攪拌して乳化させることが好ましい。添加・攪拌の際の温度は−10〜60℃が好ましい。水を加えた後の重合反応液のpHは4.0〜12であることが好ましい。pHが上記範囲内となれば、水の代わりに水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水溶液等の各種水溶液を用いてもよい。pHが4.0以上であれば、重合装置が腐食しにくい。一方、pHが12以下であれば、ハロゲン等の触媒残渣が水中に溶けやすい。
また、重合反応液に加える水には、界面活性剤が添加されていてもよい。
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル型、ソルビタンエステル型、ポリオキシエチレンソルビタンエステル型、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル型等の非イオン界面活性剤などが挙げられる。
界面活性剤の添加量は、水100質量部に対して0.005〜0.3質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部がより好ましい。
界面活性剤を含む水を重合反応液に添加し、十分に攪拌して乳化させた後、さらに重合反応液1質量部に対して0.2〜2.0質量部の水を加え、十分に攪拌し、転相した後、重合反応液から水を分離することが好ましい。
このようにして得られた重合反応液を常法に従ってスチームストリッピングすると、水蒸気により反応溶媒がガス化して除去される。反応物であるゴム状重合体は反応溶媒には溶解するが、水には溶解しにくいので、反応溶媒が除去されることで析出する。一方、重合反応液中に存在するハロゲンは、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルの作用により水に溶解する。また、重合触媒やペンタエリスリトール脂肪酸エステル自身も水に溶解する。よって、スチームストリッピングすることで、ゴム状重合体と、重合触媒、ハロゲンおよびペンタエリスリトール脂肪酸エステルとを分離でき、分子量が増大することなく、ハロゲンがより除去されたゴム状重合体を回収できる。
<作用効果>
以上説明した本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体の製造方法によれば、原料モノマーを重合した後に上述した(A)成分、(B)成分、および(C)成分を特定の質量比で重合反応液に添加する。よって、ハロゲンがより低減されたエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体を製造できる。
特に、本発明のハロゲン除去剤のうち一液型のものは、粘度が低く、低温流動性に優れ、引火点が高く、臭気が軽減されているので、取り扱い性に優れる。よって、一液型のハロゲン除去剤を用いれば、比較的簡便な操作でハロゲンを除去でき、経済性にも優れる。
本発明により得られるエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体は、ハロゲンがより低減された非腐食性合成ゴムである。よって、塩素などのハロゲンにより変質しやすい材料、例えば金属材料などに接触して使用するゴム製品の原料として好適である。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。なお、各例で用いた成分の配合量は、特に断りのない限り純分換算値である。
「実施例1」
<ハロゲン除去剤の製造>
攪拌翼付きの2L4つ口フラスコに、カプリル酸メチルエステル(ライオン株式会社製、商品名「パステルM8」、パーム核油またはヤシ油由来の炭素数8留分由来の脂肪酸メチルエステル)1392g(ペンタエリスリトール1モルに対して4.4モルに相当)を仕込み、攪拌下、反応容器内に窒素ガスを10mL/minの速度で流しながら常圧状態で、ペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、商品名「ペンタリット」)272gと、炭酸水素ナトリウム2.54gとをさらに仕込み、常温から170℃まで1時間かけて昇温した。170℃で3時間保持した後、さらに、200℃まで昇温させた。200℃で6時間保持してエステル交換を行った後、100℃まで冷却し、真空ポンプでフラスコ内の圧力を266Pa(2mmHg)以下まで減圧してから、徐々に200℃まで昇温して、未反応のカプリル酸メチルエステルの割合が0.1質量%未満になるまで留去して(トッピング工程)、反応物を得た。1000gの反応物に対し、濾過助剤(Celite Corporation製、商品名「ハイフロスーパーセル」)2.5g(反応物100質量部に対し、0.25質量部)を添加し、均一に分散させた後、60℃で加圧ろ過を行うことで、触媒(炭酸水素ナトリウム)および未反応のペンタエリスリトールを除去して、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルを得た。これをハロゲン除去剤とした。
<ハロゲン除去剤の組成分析>
ハロゲン除去剤を1g採取し、アセトン20gで希釈して組成分析用サンプルを調製し、以下の条件でガスクロマトグラフィー(GC)分析を行い、定法により得られた(A)成分(ペンタエリスリトールテトラ脂肪酸エステル)、(B)成分(ペンタエリスリトールトリ脂肪酸エステル)、(C)成分(ペンタエリスリトールジ脂肪酸エステル)、(D)成分(ペンタエリスリトールモノ脂肪酸エステル)、および未反応の原料(脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸)のGC面積%を内部標準物質との検量線により定量した。
(装置等)
・ガスクロマトグラフィー装置:アジレント・テクノロジー株式会社製、商品名「7890A」。
・カラム:アジレント・テクノロジー株式会社製、商品名「Agilent J&W GCカラム DB−1 HT」、15m×0.25mm、膜厚0.10μm。
(測定条件)
・カラム温度:50℃→昇温10℃/min→370℃(8min)
・入口温度:350℃
・出口温度:350℃
ハロゲン除去剤(X1)中の各成分の含有量または残存量は、GCにより求めた各成分の定量値を、以下に示す各式に代入し算出した。
・未反応の原料の残存量(質量%)=未反応の原料の定量値/(未反応の原料の定量値+(A)成分の定量値+(B)成分の定量値+(C)成分の定量値+(D)成分の定量値)×100
・(D)成分の含有量(質量%)=(D)成分の定量値/(未反応の原料の定量値+(A)成分の定量値+(B)成分の定量値+(C)成分の定量値+(D)成分の定量値)×100
・(C)成分の含有量(質量%)=(C)成分の定量値/(未反応の原料の定量値+(A)成分の定量値+(B)成分の定量値+(C)成分の定量値+(D)成分の定量値)×100
・(B)成分の含有量(質量%)=(B)成分の定量値/(未反応の原料の定量値+(A)成分の定量値+(B)成分の定量値+(C)成分の定量値+(D)成分の定量値)×100
・(A)成分の含有量(質量%)=(A)成分の定量値/(未反応の原料の定量値+(A)成分の定量値+(B)成分の定量値+(C)成分の定量値+(D)成分の定量値)×100
ハロゲン除去剤をガスクロマトグラフィーにて組成分析した結果、(D)成分であるモノカプリル酸ペンタエリスリトールエステル(ペンタエリスリトールモノカプリル酸エステル)の含有量は0質量%、(C)成分であるジカプリル酸ペンタエリスリトールエステル(ペンタエリスリトールジカプリル酸エステル)の含有量は1.2質量%、(B)成分であるトリカプリル酸ペンタエリスリトールエステル(ペンタエリスリトールトリカプリル酸エステル)の含有量は18.4質量%、(A)成分であるテトラカプリル酸ペンタエリスリトールエステル(ペンタエリスリトールテトラカプリル酸エステル)の含有量は80.4質量%であった。結果を表1に示す。
<測定・評価>
得られたハロゲン除去剤を用いて、以下に示す測定・評価を行った。
(1)外観の評価
100mLの蓋付き容器にハロゲン除去剤を70mL入れ、25℃にて3日間保存した後、外観を目視で確認し、以下の評価基準にてハロゲン除去剤の外観を評価した。結果を表1に示す。
(評価基準)
A(良好):淡黄色の透明液体である。
B(適用可):若干、白色の浮遊物が認められるが、沈降はしていない。
C(適用難):白色の沈降物が認められる。
D(適用難):淡黄色の固体である。
(2)動粘度の測定
ハロゲン除去剤の動粘度(単位:mm/s)は、JIS K 2283に準拠して測定した。具体的には、ハロゲン除去剤をキャノンフェンスケ型動粘度管に採取し、40℃に保持した恒温槽で30分以上保温した。その後、該キャノンフェンスケ型動粘度管において一定高さから試料を流下させた際の時間を計測し、40℃における動粘度(単位:mm/s)を求めた。結果を表1に示す。
なお、動粘度が45mm/s未満の場合を「適用可」と評価し、動粘度が45mm/s以上の場合、または40℃で固体であるため測定不可の場合を「適用難」と評価した。
(3)低温流動性の評価
JIS K 2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」に準拠し、ハロゲン除去剤の流動点を測定した。結果を表1に示す。
なお、流動点が−15℃未満の場合を「良好」と評価し、流動点が−15℃以上−5℃未満の場合を「適用可」と評価し、流動点が−5℃以上の場合を「適用難」と評価した。
(4)引火点の測定
JIS K 2265「引火点試験(クリーブランド開放式)」に準拠し、ハロゲン除去剤の引火点を測定した。結果を表1に示す。
なお、引火点が260℃以上の場合を「良好」と評価し、引火点が250℃以上260℃未満の場合「適用可」と評価し、引火点が250℃未満の場合を「適用難」と評価した。
(5)ハロゲン(塩素)除去性の評価
5Lの連続重合器にノルマルヘキサン3L/h、オキシ三塩化バナジウム2.0mmol/h、エチルアルミニウムセスキクロライド9.1mmol/h、5−エチリデン−2−ノルボルネン26g/h、エチレン300g/h、プロピレン860g/hを連続的に投入し、重合器の気相部の水素が20%を保つように水素を投入した。液滞留時間が40分となるよう35℃、0.8MPa(7.5kgG/cm)の条件で反応させた。排出液中のエチレン共重合体の濃度は98g/Lであった。
ついで、重合反応液(共重合体液)に、ハロゲン除去剤を重合反応液1Lに対し0.25g添加して5分間攪拌した後、スチームストリッピングしてゴム状重合体(エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体)を析出させ、回収し、乾燥した後、得られたゴム状重合体の残留塩素濃度(Cl濃度(x))を蛍光X線により測定した。
別途、ハロゲン除去剤の代わりに水を添加して得られたゴム状重合体についても同様に残留塩素濃度(Cl濃度(y))を測定し、下記式より塩素残存率を求めた。
塩素残存率(%)=Cl濃度(x)/Cl濃度(y)×100
塩素残存率から、以下の評価基準にてハロゲン除去剤の塩素除去性を評価した。結果を表1に示す。
(評価基準)
AA(大変良好):塩素残存率が60%未満。
A(良好):塩素残存率が60%以上80%未満。
B(適用可):塩素残存率が80%以上100%未満。
C(適用難):塩素残存率が100%以上
(6)臭気の評価
ハロゲン除去剤について、10人の専門パネラーによる臭いの官能評価を行った。具体的には、官能評価は、下記の評価基準に基づいて点数化することにより行った。そして、専門パネラー10名による官能評価の平均点を求めた。結果を表3に示す。
なお、平均点が3.0点以上の場合を「A(良好)」と評価し、平均点が2.5点以上3.0点未満の場合を「B(適用可)」と評価し、平均点が2.5点未満の場合を「C(適用難)」と評価した。
(評価基準)
1点:臭いが強い。
2点:やや臭いが強い。
3点:やや臭いが弱い。
4点:臭いが弱い。
「実施例2」
エステル交換において200℃での保持時間を4時間に変更した以外は、実施例1と同様にしてハロゲン除去剤を得た。
得られたハロゲン除去剤をガスクロマトグラフィーにて組成分析した結果、(D)成分であるモノカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は0質量%、(C)成分であるジカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は4質量%、(B)成分であるトリカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は23.7質量%、(A)成分であるテトラカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は72.3質量%であった。結果を表1に示す。
また、得られたハロゲン除去剤について、実施例1と同様にして(1)〜(5)の測定・評価を行った。結果を表1に示す。
「実施例3」
エステル交換において200℃での保持時間を2時間に変更した以外は、実施例1と同様にしてハロゲン除去剤を得た。
得られたハロゲン除去剤をガスクロマトグラフィーにて組成分析した結果、(D)成分であるモノカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は0.8質量%、(C)成分であるジカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は6.7質量%、(B)成分であるトリカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は28.4質量%、(A)成分であるテトラカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は64.1質量%であった。結果を表1に示す。
また、得られたハロゲン除去剤について、実施例1と同様にして(1)〜(5)の測定・評価を行った。結果を表1に示す。
「実施例4」
カプリル酸メチルエステルの仕込み量をペンタエリスリトール1モルに対して4.0モル相当に変更し、かつエステル交換において200℃での保持時間を3時間に変更した以外は、実施例1と同様にしてハロゲン除去剤を得た。
得られたハロゲン除去剤をガスクロマトグラフィーにて組成分析した結果、(D)成分であるモノカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は1.1質量%、(C)成分であるジカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は8.6質量%、(B)成分であるトリカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は30.9質量%、(A)成分であるテトラカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は59.4質量%であった。結果を表1に示す。
また、得られたハロゲン除去剤について、実施例1と同様にして(1)〜(5)の測定・評価を行った。結果を表1に示す。さらに、実施例1と同様にして(6)の評価を行った。結果を表3に示す。
「実施例5」
カプリル酸メチルエステルの仕込み量をペンタエリスリトール1モルに対して4.0モル相当に変更し、かつエステル交換において200℃での保持時間を2時間に変更した以外は、実施例1と同様にしてハロゲン除去剤を得た。
得られたハロゲン除去剤をガスクロマトグラフィーにて組成分析した結果、(D)成分であるモノカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は1.6質量%、(C)成分であるジカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は9.1質量%、(B)成分であるトリカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は32.3質量%、(A)成分であるテトラカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は57質量%であった。結果を表1に示す。
また、得られたハロゲン除去剤について、実施例1と同様にして(1)〜(5)の測定・評価を行った。結果を表1に示す。
「実施例6」
カプリル酸メチルエステルの仕込み量をペンタエリスリトール1モルに対して5.2モル相当に変更し、かつエステル交換において200℃での保持時間を4時間に変更した以外は、実施例1と同様にしてハロゲン除去剤を得た。
得られたハロゲン除去剤をガスクロマトグラフィーにて組成分析した結果、(D)成分であるモノカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は0質量%、(C)成分であるジカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は0.6質量%、(B)成分であるトリカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は15.9質量%、(A)成分であるテトラカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は83.5質量%であった。結果を表1に示す。
また、得られたハロゲン除去剤について、実施例1と同様にして(1)〜(5)の測定・評価を行った。結果を表1に示す。
「実施例7」
<ハロゲン除去剤の製造>
攪拌翼付きの2L4つ口フラスコに、2−エチルヘキサン酸(東洋合成工業株式会社製、商品名「オクチル酸」)を1152g(ペンタエリスリトール1モルに対して4.0モルに相当)を仕込み、攪拌下、反応容器内に窒素ガスを10ml/minの速度で流しながら常圧状態で、ペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、商品名「ペンタリット」)272gと、パラトルエンスルホン酸(江南化工業株式会社製、商品名「PTS酸」)1.42gとをさらに仕込み、常温から150℃まで1時間かけて昇温した。150℃で3時間保持した後、さらに、200℃まで昇温させ、エステル化反応を行った。その後、100℃まで冷却し、真空ポンプでフラスコ内の圧力を266Pa(2mmHg)以下まで減圧してから、徐々に200℃まで昇温して、未反応の2−エチルヘキサン酸の割合が0.1質量%未満になるまで留去して(トッピング工程)、反応物を得た。1000gの反応物に対し、吸着剤(協和化学工業株式会社製、商品名「キョーワード1000」)5.0g(反応物に対し0.5質量%)を添加して80℃で1時間攪拌した。その後、濾過助剤(Celite Corporation製、商品名「ハイフロスーパーセル」)2.5g(反応物100質量部に対し、0.25質量部)を添加し、均一に分散させた後、60℃で加圧ろ過を行うことで、触媒(パラトルエンスルホン酸)および未反応のペンタエリスリトールを除去して、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルを得た。これをハロゲン除去剤とした。
得られたハロゲン除去剤をガスクロマトグラフィーにて組成分析した結果、(D)成分であるモノ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル(ペンタエリスリトールモノ2−エチルヘキサン酸エステル)の含有量は0.5質量%、(C)成分であるジ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル(ペンタエリスリトールジ2−エチルヘキサン酸エステル)の含有量は7.5質量%、(B)成分であるトリ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル(ペンタエリスリトールトリ2−エチルヘキサン酸エステル)の含有量は29質量%、(A)成分であるテトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールエステル(ペンタエリスリトールテトラ2−エチルヘキサン酸エステル)の含有量は63質量%であった。結果を表1に示す。
また、得られたハロゲン除去剤について、実施例1と同様にして(1)〜(5)の測定・評価を行った。結果を表1に示す。さらに、実施例1と同様にして(6)の評価を行った。結果を表3に示す。
「比較例1」
カプリル酸メチルエステルの仕込み量をペンタエリスリトール1モルに対して5.6モル相当に変更した以外は、実施例1と同様にしてハロゲン除去剤を得た。
得られたハロゲン除去剤をガスクロマトグラフィーにて組成分析した結果、(D)成分であるモノカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は0質量%、(C)成分であるジカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は0質量%、(B)成分であるトリカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は7.7質量%、(A)成分であるテトラカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は92.3質量%であった。結果を表2に示す。
また、得られたハロゲン除去剤について、実施例1と同様にして(1)〜(5)の測定・評価を行った。結果を表2に示す。
「比較例2」
カプリル酸メチルエステルの仕込み量をペンタエリスリトール1モルに対して5.6モル相当に変更し、かつエステル交換において200℃での保持時間を16時間に変更した以外は、実施例1と同様にしてハロゲン除去剤を得た。
得られたハロゲン除去剤をガスクロマトグラフィーにて組成分析した結果、(D)成分であるモノカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は0質量%、(C)成分であるジカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は0質量%、(B)成分であるトリカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は1.6質量%、(A)成分であるテトラカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は98.4質量%であった。結果を表2に示す。
また、得られたハロゲン除去剤について、実施例1と同様にして(1)〜(5)の測定・評価を行った。結果を表2に示す。
「比較例3」
カプリル酸メチルエステルの仕込み量をペンタエリスリトール1モルに対して3.8モル相当に変更し、かつエステル交換において200℃での保持時間を2時間に変更した以外は、実施例1と同様にしてハロゲン除去剤を得た。
得られたハロゲン除去剤をガスクロマトグラフィーにて組成分析した結果、(D)成分であるモノカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は3.8質量%、(C)成分であるジカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は18.1質量%、(B)成分であるトリカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は34.1質量%、(A)成分であるテトラカプリル酸ペンタエリスリトールエステルの含有量は44質量%であった。結果を表2に示す。
また、得られたハロゲン除去剤について、実施例1と同様にして(1)〜(5)の測定・評価を行った。結果を表2に示す。
「比較例4」
攪拌翼付きの2L4つ口フラスコに、カプリル酸メチルエステル(ライオン株式会社製、商品名「パステルM8」、パーム核油またはヤシ油由来の炭素数8留分由来の脂肪酸メチルエステル)1305g(トリメチロールプロパン1モルに対して3.6モルに相当)を仕込み、攪拌下、反応容器内に窒素ガスを10mL/minの速度で流しながら常圧状態で、トリメチロールプロパン(三菱ガス化学株式会社製、商品名「TMP」)369gと、炭酸水素ナトリウム3.35gとをさらに仕込み、常温から150℃まで1時間かけて昇温した。150℃で2時間保持した後、さらに、200℃まで2時間掛けて昇温させた。さらに、220℃まで3時間掛けて昇温させてエステル交換を行った。その後、100℃まで冷却し、真空ポンプでフラスコ内の圧力を266Pa(2mmHg)以下まで減圧してから、徐々に200℃まで昇温して、未反応のカプリル酸メチルエステルの割合が0.1質量%未満になるまで留去して(トッピング工程)、反応物を得た。1000gの反応物に対し、濾過助剤(Celite Corporation製、商品名「ハイフロスーパーセル」)2.5g(反応物100質量部に対し、0.25質量部)を添加し、均一に分散させた後、60℃で加圧ろ過を行うことで、触媒(炭酸水素ナトリウム)および未反応のトリメチロールプロパンを除去して、トリメチロールプロパン脂肪酸エステルを得た。これをハロゲン除去剤とした。
得られたハロゲン除去剤をガスクロマトグラフィーにて組成分析した結果、モノカプリル酸トリメチロールプロパンエステル(トリメチロールプロパンモノカプリル酸エステル)の含有量は1.7質量%、ジカプリル酸トリメチロールプロパンエステル(トリメチロールプロパンジカプリル酸エステル)の含有量は14.7質量%、トリカプリル酸トリメチロールプロパンエステル(トリメチロールプロパントリカプリル酸エステル)の含有量は83.6質量%であった。結果を表2に示す。なお、便宜上、表2中の(B)成分の欄にトリカプリル酸トリメチロールプロパンエステルの含有量を記載し、(C)成分の欄にジカプリル酸トリメチロールプロパンエステルの含有量を記載し、(D)成分の欄にモノカプリル酸トリメチロールプロパンエステルの含有量を記載した。
また、得られたハロゲン除去剤について、実施例1と同様にして(1)〜(5)の測定・評価を行った。結果を表2に示す。
「比較例5」
カプリル酸メチルエステルの代わりにステアリン酸メチルエステル(ライオン株式会社製、商品名「パステルM180」)を用い、その仕込み量をペンタエリスリトール1モルに対して5.6モル相当に変更し、かつエステル交換において200℃での保持時間を16時間に変更した以外は、実施例1と同様にしてハロゲン除去剤を得た。
得られたハロゲン除去剤をガスクロマトグラフィーにて組成分析した結果、(D)成分であるモノステアリン酸ペンタエリスリトールエステル(ペンタエリスリトールモノステアリン酸エステル)の含有量は0質量%、(C)成分であるジステアリン酸ペンタエリスリトールエステル(ペンタエリスリトールジステアリン酸エステル)の含有量は0質量%、(B)成分であるトリステアリン酸ペンタエリスリトールエステル(ペンタエリスリトールトリステアリン酸エステル)の含有量は1質量%、(A)成分であるテトラステアリン酸ペンタエリスリトールエステル(ペンタエリスリトールテトラステアリン酸エステル)の含有量は99質量%であった。結果を表2に示す。
また、得られたハロゲン除去剤について、実施例1と同様にして(1)〜(5)の測定・評価を行った。結果を表2に示す。
「試験例1」
γ−ブチロラクトン(純正化学株式会社製、試薬特級、引火点98℃(密閉容器))について、実施例1と同様にして(6)の評価を行った。結果を表3に示す。
「試験例2」
実施例1で得られたハロゲン除去剤100質量部に、カプリル酸メチルエステルを2質量部配合し、実施例1と同様にして(6)の評価を行った。結果を表3に示す。
なお、試験例2は、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル中に未反応の脂肪酸エステルを多く含む場合を想定した例である。
Figure 0006188238
Figure 0006188238
Figure 0006188238
表1から明らかなように、各実施例で得られたハロゲン除去剤は、動粘度および流動点が低く、ハンドリング性に優れていた。また、各実施例で得られたハロゲン除去剤は、引火点が高く、しかも、残存塩素率が高く、塩素除去性に優れていた。
よって、ゴム状重合体の製造において各実施例のハロゲン除去剤を用いれば、ハロゲン濃度がより低減されたゴム状重合体を得られることが示された。
一方、表2から明らかなように、各比較例で得られたハロゲン除去剤は、各実施例のハロゲン除去剤に比べて塩素除去性に劣っていた。
加えて、(A)成分/((A)成分+(B)成分+(C)成分)で表される質量比が0.85を超える比較例1、2、5のハロゲン除去剤は、流動点が高く、低温流動性に劣っていた。特に、比較例5のハロゲン除去剤は流動点が67.5℃と高く、室温での取り扱い性が非常に悪く、80℃に加温し溶解した後、すばやく添加しなければならず、工場での生産時でのハンドリング性には非常に難があるこことを確認した。さらに、透明性にも劣っていた。
(A)成分/((A)成分+(B)成分+(C)成分)で表される質量比が0.48未満である比較例3のハロゲン除去剤は、動粘度が高く、各実施例のハロゲン除去剤に比べて引火点が低かった。また、透明性にも劣っていた。
トリメチロールプロパン脂肪酸エステルからなる比較例4のハロゲン除去剤は、各実施例のハロゲン除去剤に比べて引火点が低かった。
また、表3から明らかなように、実施例1、4、7で得られたハロゲン除去剤は、臭気が軽減されていた。
一方、試験例1の結果より、γ−ブチロラクトン(特許文献1に記載の環状エステル化合物に相当)は、臭気が強かった。
また、試験例2の結果より、実施例1のハロゲン除去剤にカプリル酸メチルを配合すると、ハロゲン除去剤の臭気が強まることが分かった。よって、臭気をより軽減する観点から、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルを製造する際には、反応物中の未反応の脂肪酸アルキルエステルの割合が1質量%以下となるように、トッピングを行うことが好ましいといえる。

Claims (5)

  1. ハロゲンを含む重合触媒を用いてエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体を製造する際に使用するハロゲン除去剤であって、
    ペンタエリスリトール脂肪酸エステルとして以下の(A)成分と(B)成分と(C)成分とを含有し、かつ(A)成分/((A)成分+(B)成分+(C)成分)で表される質量比が0.48〜0.85である、ハロゲン除去剤。
    (A)成分:ペンタエリスリトールテトラ脂肪酸エステル
    (B)成分:ペンタエリスリトールトリ脂肪酸エステル
    (C)成分:ペンタエリスリトールジ脂肪酸エステル
  2. ペンタエリスリトール脂肪酸エステルとして以下の(D)成分をさらに含有し、かつ(D)成分/((A)成分+(B)成分+(C)成分+(D)成分)で表される質量比が0.02以下である、請求項1に記載のハロゲン除去剤。
    (D)成分:ペンタエリスリトールモノ脂肪酸エステル
  3. 前記ペンタエリスリトール脂肪酸エステルの脂肪酸部分の炭素数が8〜10である、請求項1または2に記載のハロゲン除去剤。
  4. ハロゲンを含む重合触媒を用いてエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体を製造する方法であって、
    原料モノマーを重合した後に、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルとして以下の(A)成分と(B)成分と(C)成分とを、(A)成分/((A)成分+(B)成分+(C)成分)で表される質量比が0.48〜0.85となるように重合反応液に添加する、エチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体の製造方法。
    (A)成分:ペンタエリスリトールテトラ脂肪酸エステル
    (B)成分:ペンタエリスリトールトリ脂肪酸エステル
    (C)成分:ペンタエリスリトールジ脂肪酸エステル
  5. 前記ペンタエリスリトール脂肪酸エステルの脂肪酸部分の炭素数が8〜10である、請求項4に記載のエチレン−α−オレフィン共重合体またはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体の製造方法。
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