JP6186656B2 - 圧縮機の制御方法、圧縮機の劣化判定方法、及びこれらの方法を実行する装置 - Google Patents

圧縮機の制御方法、圧縮機の劣化判定方法、及びこれらの方法を実行する装置 Download PDF

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Description

本発明は、圧縮機の制御方法、圧縮機の劣化判定方法、及びこれらの方法を実行する装置に関する。
圧縮機の運転では、圧縮機やその周りの機器等を保護する観点から、圧縮機内での圧力変動や逆流を伴うサージングと呼ばれる振動現象を避ける必要がある。
このサージングは、圧縮機の実際の圧力比が限界圧力比よりも小さくなるよう制御することで防ぐことができる。この限界圧力比は、圧縮機の修正回転数毎に定まっている。この修正回転数は、圧縮機の現実の回転数Nの他、吸込気体の比熱比κ、吸込気体のガス定数R、吸込気体の絶対温度Tにより定まる値である。よって、この修正回転数は、吸込気体の温度や組成等に応じて変化する。すなわち、吸込気体の温度や組成等が変わると、これに伴って修正回転数が変化する結果、限界圧力比も変わる。
そこで、以下の特許文献1では、吸込気体の温度を検知し、この温度に応じた修正回転数を求め、この修正回転数に対応した限界圧力比を定める方法を提案している。また、この特許文献1では、吸込気体の温度及び密度を検知し、これら温度及び密度に応じた修正回転数を求め、この修正回転数に対応した限界圧力比を定める方法も提案している。さらに、この特許文献1では、吸込気体の温度を検知すると共に、ガスクロマトグラフで吸込気体の組成を検知し、これら温度及び組成に応じた修正回転数を求め、この修正回転数に対応した限界圧力比を定める方法等も提案している。
国際公開第2012/132062号
上記特許文献1に記載の方法は、圧縮機に吸い込まれる吸込気体の状態、例えば、温度や組成等が変化する場合に基本的に有効である。しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、圧縮機の修正回転数を求めるにあたり、吸込気体の温度や組成等を検知するにために比較的長時間かかり、急激な温度変化や組成変化に対応しきれいない、という問題点がある。さらに、上記特許文献1に記載の方法では、吸込気体の密度等から吸込気体の比熱比κ及びガス定数Rを推定するため、圧縮機の修正回転数を正確に求めることができない、という問題点もある。
そこで、本発明は、短時間で且つ正確な修正回転数を求めることができる圧縮機の制御方法、圧縮機の劣化判定方法、及びこれらの方法を実行する装置を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するための発明に係る一態様としての圧縮機の制御装置は、
回転数計で検知された回転式圧縮機の回転数、及び音速計で検知された該回転式圧縮機に吸い込まれる気体である吸気気体の音速を受け付ける受付部と、前記吸込気体の基準状態における基準比熱比、基準ガス定数及び基準温度で定まる基準状態量と、前記受付部が受け付けた前記音速と、前記受付部が受け付けた前記回転数とを用いて、前記回転式圧縮機の修正回転数を求める修正回転数演算部と、前記回転式圧縮機のサージングを防止する操作端を制御するサージ制御部と、を備え、前記受付部は、圧力計で検知された前記回転式圧縮機の吐出圧力を少なくとも受け付け、前記サージ制御部は、修正回転数と、前記回転式圧縮機の限界圧力比又は該限界圧力比より予め定められた分だけ小さい限界前圧力比との予め定められている関係を用いて、前記修正回転数演算部で求められた前記修正回転数に対する限界圧力比又は限界前圧力比を定め、該限界圧力比又は該限界前圧力比と前記受付部が受け付けた前記吐出圧力で定まる前記回転式圧縮機の現実の圧力比とを比較し、比較結果に応じて前記操作端を制御するとを特徴とする。
修正回転数を定めるパラメータとしては、吸込気体の基準状態量、吸込気体の現実の状態量、圧縮機の現実の回転数がある。これらのパラメータのうち、吸込気体の基準状態量は、予め定まっている固定値である。一方、吸込気体の現実の状態量は、吸込気体の組成や温度が変化すると変化し、圧縮機の現実の回転数も、圧縮機の運転形態が変化すると変化する。
ここで、吸込気体の状態量は、吸込気体の比熱比、ガス定数及び温度によって定まる量であり、この吸込気体の音速そのものである。よって、吸込気体の音速を検知することで、吸込気体の現実の状態量を得ることができる。
そこで、当該制御装置では、修正回転数を定めるパラメータのうちで、変化するパラメータの一つである圧縮機の回転数を回転数計から取得し、残りの変化するパラメータである吸込気体の状態量を音速計から取得する。そして、当該制御装置では、予め定まっている吸込気体の基準状態量と、回転数計で検知された回転数と、音速計で検知された音速(=状態量)とを用いて、修正回転数を求める。
よって、当該制御装置では、吸込気体の温度等から吸込気体の現実の状態量を推定する場合よりも、正確な修正回転数を求めることができる。
また、音速計及び回転数計は、いずれも、検知対象の変化に対する応答遅れ時間が極めて短い。よって、当該制御装置では、温度計やガスクロマトグラフ等で修正回転数を定めるパラメータの一つを検知し、これに基づいて修正回転数を求めるよりも、極めて短時間のうちに修正回転数を求めることができる。
圧縮機のサージングに関する修正回転数と限界圧力比又は限界前圧力比とは、一定の関係がある。このため、修正回転数を得ることで、この修正回転数における限界圧力比又は限界前圧力比を得ることができる。
当該制御装置は、前述したように、吸込気体の組成等の変化に対して、極めて短時間のうちに正確な修正回転数を得ることができる。このため、当該圧縮機の制御装置では、吸込気体の組成等の変化に対して、極めて短時間のうちに正確な限界圧力比又は限界前圧力比を得ることができる。よって、当該制御装置では、吸込気体の組成等の変化に対して、正確な限界圧力比又は限界前圧力比と圧縮機の現実の圧力比とを極めて短時間のうちに比較することができる。
従って、当該制御装置では、燃料ガスの状態量が変化して、燃料ガス圧縮機がサージングを起こす可能性が高まった場合でも、この可能性を正確に把握し、且つサージングが起こる前に、このサージングに対処する制御処理を実行することができる。
ここで、前記制御装置において、前記回転数計及び前記音速計を備えていてもよい。
この場合、前記制御装置において、前記音速計は、前記吸込気体が流れる配管に取り付けられ、該配管の軸に対して垂直な方向で互いに対向配置されている音波発信子及び音波受信子を有してもよい。なお、ここでの配管とは、吸気気体が流れる流路を形成する部材のことであり、断面がリング状の鋼管等の配管のみならず、薄板を矩形状に形成したダクトのようなものも含まれる。
当該制御装置では、音速計の音波発信子及び音波受信子が、吸込気体が流れる配管の軸に対して垂直な方向で互いに対向配置されている。このため、当該制御装置では、配管断面の各位置での吸込気体の音速に関する平均値を得ることができる。また、当該制御装置では、吸込気体の組成が変化した場合、配管の軸方向、つまり配管中の吸込気体の流れ方向での特定箇所のみでの吸込気体の音速を得ることができる。よって、当該制御装置では、音波発信子及び音波受信子を配管の軸方向で互いに対向配置する場合よりも、吸込気体の組成変化に伴う音速変化を的確に検知することができる。
また、以上のいずれかの前記制御装置において、前記修正回転数演算部が求めた前記修正回転数を出力する出力部を備えてもよい。
当該制御装置では、修正回転数を出力することで、圧縮機のオペレータ等に圧縮機の状態を認識させることができる。
ここで、前記圧縮機の制御装置において、前記操作端は、前記吸込気体の流量を調節する吸込量調節器を有し、前記サージ制御部は、前記比較結果に応じて、前記吸込量調節器に対して前記吸込気体の流量を増加させる旨の指令を出力してもよい。
また、以上のいずれかの前記圧縮機の制御装置において、前記操作端は、前記圧縮機から吐出された前記気体のうちで該圧縮機の吸込側に戻す該気体の流量を調節する再循環量調節器を有し、前記サージ制御部は、前記比較結果に応じて、前記再循環量調節器に対して前記吸込側に戻す前記気体の流量を増加させる旨の指令を出力してもよい。
また、以上のいずれかの前記圧縮機の制御装置において、前記操作端は、前記圧縮機から抽気する前記気体の流量を調節する抽気量調節器を有し、前記サージ制御部は、前記比較結果に応じて、前記抽気量調節器に対して抽気する前記気体の流量を増加させる旨の指令を出力してもよい。
また、以上のいずれかの前記圧縮機の制御装置において、前記操作端は、前記圧縮機を停止させるトリップ操作端を有し、前記サージ制御部は、前記比較結果に応じて、前記トリップ操作端に対して前記圧縮機を停止させる動作の実行の指令を出力してもよい。
また、以上のいずれかの前記圧縮機の制御装置において、前記サージ制御部は、前記修正回転数演算部で求められた前記修正回転数に対する前記限界前圧力比を定め、前記現実の圧力比が該限界前圧力比以上になると、前記操作端に対して指令を出力してもよい。
また、以上のいずれかの前記圧縮機の制御装置において、修正回転数と圧力比と前記圧縮機の効率との予め定められた関係を用いて、前記修正回転数演算部で求められた前記修正回転数と前記受付部が受け付けた前記吐出圧力で定まる前記圧縮機の現実の圧力比とに応じた前記圧縮機の効率を算出する効率算出部と、前記効率算出部が算出した前記効率を出力する出力部を、備えてもよい。
当該制御装置では、出力部から出力された効率と、圧縮機の現実の効率を比較することにより、圧縮機の性能の劣化程度を認識することができる。
また、上記問題点を解決するための発明に係る一態様としての圧縮設備は、
以上のいずれかの前記圧縮機の制御装置と、前記圧縮機と、前記操作端と、を備えていることを特徴とする。
ここで、前記圧縮設備において、前記圧縮機は、燃焼器で燃焼させる燃料気体を前記気体として圧縮してもよい。
また、上記問題点を解決するための発明に係る一態様としての圧縮機の制御方法は、
回転式圧縮機の回転数を検知する回転数検知工程と、前記回転式圧縮機に吸い込まれる気体である吸込気体の音速を検知する音速検知工程と、前記吸込気体の基準状態における基準比熱比、基準ガス定数及び基準温度で定まる基準状態量と、前記音速検知工程で検知された前記音速と、前記回転数検知工程で検知された前記回転数とを用いて、前記回転式圧縮機の修正回転数を求める修正回転数演算工程と、前記回転式圧縮機の吐出圧力を検知する吐出圧力検知工程と、前記回転式圧縮機のサージングを防止する操作端の動作を制御するサージ制御工程と、を実行し、前記サージ制御工程では、修正回転数と、前記回転式圧縮機の限界圧力比又は該限界圧力比より予め定められた分だけ小さい限界前圧力比との予め定められている関係を用いて、前記修正回転数演算工程で求められた前記修正回転数に対する限界圧力比又は限界前圧力比を定め、該限界圧力比又は該限界前圧力比と前記吐出圧力検知工程で検知された前記吐出圧力で定まる前記回転式圧縮機の現実の圧力比とを比較し、比較結果に応じて前記操作端を制御することを特徴とする。
ここで、前記圧縮機の制御方法において、前記サージ制御工程では、前記修正回転数演算工程で求められた前記修正回転数に対する前記限界前圧力比を定め、前記現実の圧力比が該限界前圧力比以上になると、前記操作端に対して指令を出力してもよい。
また、上記問題点を解決するための発明に係る一態様としての圧縮機の劣化判定方法は、
回転式圧縮機の回転数を検知する回転数検知工程と、前記回転式圧縮機に吸い込まれる気体である吸込気体の音速を検知する音速検知工程と、前記吸込気体の基準状態における基準比熱比、基準ガス定数及び基準温度で定まる基準状態量と、前記音速検知工程で検知された前記音速と、前記回転数検知工程で検知された前記回転数とを用いて、前記回転式圧縮機の修正回転数を求める修正回転数演算工程と、前記回転式圧縮機の吐出圧力を検知する吐出圧力検知工程と、前記吐出圧力検知工程で検知された前記吐出圧力で定まる前記回転式圧縮機の現実の圧力比を求める圧力比演算工程と、前記回転式圧縮機の現実の効率を算出する第一効率算出工程と、修正回転数と圧力比と前記回転式圧縮機の効率との予め定められた関係を用いて、前記修正回転数演算工程で求められた前記修正回転数と前記圧力比演算工程で求められた前記圧力比とに応じた前記回転式圧縮機の効率を算出する第二効率算出工程と、前記第一効率算出工程で算出された前記効率と前記第二効率算出工程で算出された前記効率とを比較する比較工程と、を実行することを特徴とする。
本発明では、吸込気体の温度や組成等が変化した場合でも、極めて短時間のうちに正確な修正回転数を求めることができる。
本発明に係る一実施形態におけるガスタービンプラントの系統図である。 本発明に係る一実施形態における音速計の構成を示す概念図である。 圧縮機の特性を示すグラフである。 本発明に係る一実施形態における限界IGV開度特性曲線を示すグラフである。 本発明に係る一実施形態における制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明に係る一実施形態における圧縮機の劣化判定方法を示すフローチャートである。 本発明に係る一実施形態の変形例における限界IGV開度特性曲線を示すグラフである。
以下、本発明に係る圧縮設備を含むガスタービンプラントの実施形態、及び各種変形例について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態のガスタービンプラントは、図1に示すように、燃料ガスにより駆動するガスタービン10と、このガスタービン10の駆動で発電する発電機19と、ガスタービン10に燃料ガスを供給する燃料ガス設備20と、を備えている。
ガスタービン10は、空気を圧縮する空気圧縮機11と、空気圧縮機で圧縮された空気中で燃料ガス燃焼させ高温の燃焼ガスを生成する燃焼器12と、燃焼ガスにより駆動するタービン13と、を備えている。
燃料ガス設備20は、製鉄所の高炉からの低カロリー燃料ガスとしてのBFG(Blast Furnace Gas)が通るBFGライン21と、コークスプラントのコークス炉からの高カロリー燃料ガスとしてのCOG(Coke Oven Gas)が通るCOGライン22と、BFGライン21からのBFGとCOGライン22からのCOGとのうちの一方又は両方が燃料ガスとして通る燃料ライン24と、燃料ガスを圧縮する軸流式の燃料ガス圧縮機30と、燃料ガス圧縮機30で圧縮された燃料ガスを燃焼器12に供給する燃料供給ライン25と、燃料供給ライン25中の燃料ガスを燃料ライン24に戻す燃料リターンライン26と、燃料ガス圧縮機30から抽気した燃料ガスを燃料リターンライン26に送る抽気ライン27と、を備えている。
燃料ガス設備20は、さらに、燃料ライン24を通る燃料ガス中のダスト等を集塵する電気集塵器(EP(electrostatic Precipitator))35と、燃料リターンライン26を通っている燃料ガスを冷却する冷却器36と、を備えている。電気集塵器35は、燃料ライン24中であって、燃料リターンライン26と燃料ライン24との合流位置よりも下流側である燃料ガス圧縮機30側に設けられている。また、冷却器36は、燃料リターンライン26中であって、燃料リターンライン26と抽気ライン27との合流位置と、燃料リターンライン26と燃料ライン24との合流位置との間に設けられている。
燃料ライン24中であって、電気集塵器35よりも下流側の位置には、燃料ライン24中を通る燃料ガスの音速を検知する音速計40が設けられている。燃料供給ライン25には、ここを通って燃焼器12に送られる燃料ガスの流量を調節する供給量調節弁47と、燃料ガス圧縮機30から吐出された燃料ガスの圧力を検知する圧力計46と、が設けられている。燃料リターンライン26中で、抽気ライン27との合流位置よりも下流側に位置には、燃料供給ライン25を流れる燃料ガスのうちで燃料ライン24に戻す燃料ガスの流量を調節する再循環量調節弁(再循環量調節器)48が設けられている。抽気ライン27には、燃料ガス圧縮機30から抽気する燃料ガスの流量を調節する抽気量調節弁(抽気量調節器)49が設けられている。
燃料ガス圧縮機30は、燃料ガスの吸込量を調節するための吸込量調節器31を備えている。この吸込量調節器31は、燃料ガス圧縮機30の吸込口に設けられている入口案内翼(IGV:inlet guide vane)32と、この入口案内翼32の開度(IGV開度)を変える案内翼駆動装置33とを有している。燃料ガス圧縮機30の回転軸は、発電機19又はガスタービン10の回転軸と、クラッチ38及び減速機39を介して機械的に接続されている。燃料ガス圧縮機30には、その回転軸の回転数を検知する回転数計45が設けられている。
燃料ガス設備20は、さらに、音速計40、回転数計45及び圧力計46で検知された値に基づいて、燃料ガス圧縮機30のサージングを防止する操作端を制御する圧縮機制御装置50を備えている。操作端は、ここでは、吸込量調節器31である。但し、操作端は、後述するように、吸込量調節器31、再循環量調節弁48、抽気量調節弁49、供給量調節弁47、クラッチ38とのうちのいずれか一つ又は複数の組合せであってもよい。
圧縮機制御装置50は、音速計40と、回転数計45と、圧力計46と、これらで検知された値を受け付ける受付部52と、音速計40で検知された音速及び回転数計45で検知された回転数を用いて修正回転数を求める修正回転数演算部53と、修正回転数を用いて操作端としての吸込量調節器31へ指令を出力するサージ制御部55と、修正回転数演算部53及びサージ制御部55が求めた値を出力するディスプレイ等の出力部54と、を備えている。なお、本実施形態では、受付部52と修正回転数演算部53と出力部54とで修正回転数演算装置51を構成している。さらに、本実施形態では、この修正回転数演算装置51と音速計40と回転数計45とで修正回転数算出装置を構成している。すなわち、本実施形態の圧縮機制御装置50は、修正回転数算出装置と、サージ制御部55とを有して構成されている。
音速計40は、図2に示すように、超音波を発信する音波発信子41と、音波発信子41が発信した超音波を受信する音波受信子42と、音波発信子41が超音波を発信してから音波受信子42がこの超音波を受信するまでの時間から音波発信子41と音波受信子42との間に存在する気体中の音速を求める演算器43と、を有している。音波発信子41及び音波受信子42は、燃料ライン24を構成する配管24aの軸Apに対して垂直な方向で互いに対向するよう、この配管24aに取り付けられている。演算器43には、音波発信子41と音波受信子42との間の距離D、言い換えると、配管24aの内径が予め設定されている。演算器43は、音波発信子41が超音波を発信してから音波受信子42がこの超音波を受信するまでの時間と、予め定められている前述の距離Dとを用いて、音波発信子41と音波受信子42との間に存在する気体、つまり燃料ガス圧縮機30に吸い込まれる燃料ガスの音速を求める。
次に、圧縮機の特性について、図3に示すグラフを用いて説明する。なお、同グラフの横軸は、圧縮機の修正流量であり、縦軸は、圧縮機の圧力比である。また、同グラフでは、各修正回転数における限界圧力比を示す限界圧力比曲線Crと、修正回転数毎の修正流量と圧力比との関係を示す修正回転数特性曲線Nrと、を示している。
まず、圧縮機の特性を説明するにあたって使用する各種パラメータについて説明する。
圧力比は、吸込気体の圧力に対する吐出気体の圧力の比を示す。よって、圧力比は、吸込気体の圧力に対して吐出気体の圧力が高くなれば、大きくなる。
修正流量は、圧縮機が吸い込む吸込気体の現実の質量流量を、この吸込気体の状態に応じて修正した流量であり、以下の式(1)で定義される。
=G×[√(κRT/κR)]/(P/P) ・・・・・・・・・(1)
ここで、
:修正流量
G:吸込気体の現実の質量流量
κ:吸込気体の基準比熱比
κ:吸込気体の現実の比熱比
:吸込気体の基準ガス定数
R:吸込気体の現実のガス定数
:吸込気体の基準温度
T:吸込気体の現実の温度
:吸込気体の基準圧力
P:吸込気体の現実の圧力
である。
修正回転数は、圧縮機の回転数を、この圧縮機が吸い込む吸込気体の状態に応じて修正した回転数であり、以下の式(2)で定義される。
=N×√(κ)/√(κRT) ・・・・・・・・・・・・・・・(2)
ここで、
:修正回転数
N:現実の回転数
である。
修正回転数を定めるパラメータのうちで、現実の回転数N、現実の吸込気体の比熱比κ、現実の吸込気体のガス定数R、現実の吸込気体の温度Tは、いずれも、変化するパラメータである。一方、残りのパラメータである吸込気体の基準比熱比κ、吸込気体の基準ガス定数R、吸込気体の基準温度Tは、いずれも、圧縮機の設計段階で定まるパラメータであり、固定値である。
限界圧力比は、圧縮機の圧力比がこれよりも大きくなるとサージングを起こすとされる圧力比である。圧縮機の限界圧力比曲線Crは、図3に示すように、修正回転数が高まるに連れて限界圧力比が大きくなる曲線である。
修正流量の変化に対して、ある修正回転数を維持する場合、つまり、吸込気体の状態が一定のときに圧縮機の現実の回転数を一定に維持する場合の圧力比は、修正流量が限界圧力比での修正流量から増加する場合、急激に小さくなる。すなわち、ある修正回転数の修正回転数特性曲線Nrは、図3に示すグラフ中で急峻な右下がりの曲線を描く。
修正回転数特性曲線Nrは、修正回転数毎に存在する。高い修正回転数の特性曲線Nrは、低い修正回転数の特性曲線Nrに対して、修正流量及び圧力比が大きい。
修正回転数特性曲線Nrと限界圧力比曲線Crとの交点は、その修正回転数での限界圧力比となる。よって、修正回転数に対する限界圧力比は一意に定まる。このため、修正回転数毎に、修正回転数と限界圧力比との関係を予め準備しておくことで、実際に運転中の圧縮機において、修正回転数を把握できれば、この修正回転数での限界圧力比を求めることができる。
そこで、本実施形態では、修正回転数毎に、限界圧力比又は限界圧力比より予め定めた分(例えば、限界圧力比の数%分)だけ小さい限界前圧力比と修正回転数との関係を予め定めておき、この関係を圧縮機制御装置50のサージ制御部55に予め記憶させている。なお、修正流量及び圧力比の変化に対する限界前圧力比の変化を示す限界前圧力比曲線Crbは、図3に示すように、限界圧力比曲線Crと同様に修正流量が高まるに連れて限界圧力比が大きくなる曲線であって、限界圧力比曲線Crよりも圧力比が予め定められた分だけ小さい曲線である。
修正回転数Nは、前述の式(2)で定義されているように、吸込気体の現実の比熱比κ、吸込気体の現実のガス定数R、吸込気体の現実の温度Tで定まる、吸込気体の現実の状態量(√(κRT))に応じて変化する。
背景技術の欄で述べたように、特許文献1では、修正回転数Nを定めるパラメータの一つである吸込気体の温度Tを検知し、修正回転数Nを定める他のパラメータが一定であるとして、この温度Tに対する修正回転数Nを求める方法を提案している。また、この特許文献1では、吸込気体の温度T及び密度を検知し、密度に応じた(κR)を推定し、この推定した(κR)と温度Tとに対する修正回転数Nを求める方法も提案している。さらに、この特許文献1では、吸込気体の温度Tを検知すると共に、ガスクロマトグラフで吸込気体の組成を検知し、組成の検知結果に基づいて、κ及びRを推定し、推定したκ及びRと温度Tとに対する修正回転数Nを求める方法等も提案している。
吸込気体の温度Tのみを検知する方法では、修正回転数Nを定めるパラメータのうち、吸込気体の温度Tを除くパラメータが一定である仮定しているため、吸込気体の組成が変化すると、正確な修正回転数Nを求めることができない。
また、吸込気体の温度T及び密度を検知する方法では、密度に応じた(κR)を推定しているため、吸込気体の組成が変化しても、ある程度正確な修正回転数Nを求めることができる。しかしながら、この方法でも、密度に応じて(κR)を推定しているため、正確な(κR)を得ることができない結果、正確な修正回転数Nを求めることができない。
吸込気体の温度Tを検知すると共に、ガスクロマトグラフで吸込気体の組成を検知する方法では、吸込気体の組成からκ及びKを推定しているため、正確なκ及びKを得ることができる。この結果、この方法では、正確な修正回転数Nを求めることができる。しかしながら、ガスクロマトグラフにより吸込気体の組成を検知するためには、数分以上の時間がかかるため、吸込気体の組成が変化してから、数分以上経過した後に、吸込気体の組成が変化した時点での修正回転数Nが得られることになる。このため、吸込気体の組成が変化する場合に、この方法で修正回転数Nを求めて、この修正回転数Nに応じた限界圧力比に基づいて、圧縮機を制御しても、圧縮機のサージングを防ぐことができない場合が多いと予想される。高炉の吹き抜け等に起因する吸気気体の組成が急激に変化する事象から圧縮機のサージングを防ぐ場合、ガスクロマトグラフで吸込気体の組成を検知する方法は、現実的な方法とは言えない。
また、特許文献1で提案している各方法は、いずれも、吸込気体の温度Tを検知する方法である。吸込気体の温度検知では、吸込気体の温度Tが変化した場合、温度計の検知端子が変化後の温度になじむまで、変化後の温度を検知することができない。すなわち、温度計で吸込気体の温度Tを検知するためには、温度変化の時点からある程度時間がかかるため、吸込気体の温度が変化してから、ある程度時間が経過した後に、修正回転数Nが得らえることになる。このため、圧縮機のサージングを防ぐ場合、吸込気体の温度を検知する方法では、温度検知遅れに伴う圧縮機の制御遅れで、圧縮機のサージングを防ぐことができない場合があると予想される。
ここで、吸込気体の音速Vは、以下の式(3)のように定義される。
V=√(κRT) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
ところで、修正回転数を定めるパラメータのうち、現実の回転数Nを除いて、変化するパラメータは、前述したように、吸込気体の現実の状態量(√(κRT))である。この吸込気体の現実の状態量(√(κRT))は、式(3)に示すように、吸込気体の音速Vそのものである。よって、吸込気体の音速Vを検知することで、吸込気体の現実の状態量(√(κRT))を正確に取得することができる。しかも、音速計40により音速検知は、音速の変化に対して極めて応答性が高いため、音速検知遅れに伴う圧縮機の制御遅れを考慮する必要はほとんどない。
そこで、本実施形態では、回転数計45で燃料ガス圧縮機30の現実の回転数Nを検知すると共に、音速計40で吸込気体の音速Vを検知し、これらの検知結果に基づいて、修正回転数Nを求め、この修正回転数Nに対する限界圧力比又は限界前圧力比を求めるようにしている。
次に、図5に示すフローチャートに従って、本実施形態における圧縮機制御装置50の動作について説明する。
まず、圧縮機制御装置50における修正回転数算出装置で、燃料ガス圧縮機30の修正回転数Nが求められる(修正回転数算出工程(S10))。
修正回転数算出工程(S10)では、回転数計45による燃料ガス圧縮機30の回転数検知(S11)、音速計40による吸込気体の音速検知(S12)が実行される。
回転数計45による燃料ガス圧縮機30の回転数検知では、回転数の変化に対する回転数検知遅れ時間は、吸気気体の状態変化にかかる時間と比べて十分小さい。また、音速計40による音速検知でも、音速変化に対する音速検知遅れ時間は、吸気気体の状態変化にかかる時間と比べて十分に小さい。
本実施形態では、図2を用いて前述したように、音速計40の音波発信子41及び音波受信子42が、燃料ライン24を構成する配管24aの軸Apに対して垂直な方向で互いに対向配置されている。このため、本実施形態では、配管断面の各位置での吸込気体の音速に関する平均値を得ることができる。また、本実施形態では、吸込気体の組成が変化した場合、配管24aの軸方向、つまり配管24a中の燃料ガスの流れ方向での特定箇所のみでの吸込気体の音速を得ることができる。よって、音波発信子41及び音波受信子42を燃料ライン24を構成する配管24aの軸方向で互いに対向配置する場合よりも、吸込気体の組成変化に伴う音速変化を的確に検知することができる。
なお、以上では、音速計40の音波発信子41及び音波受信子42を、配管24aの軸Apに対して垂直な方向で互いに対向配置している。しかしながら、音速計40の音波発信子41及び音波受信子42を、配管24aの軸Apに対して垂直な方向の一方の側に並べて配置してもよい。この場合、音波発信子41から発信された超音波が、配管24aの内面であって、配管24aの軸Apに対して垂直な方向の他方の側の内面に反射した後、音波受信子42に受信されることになる。
回転数及び音速検知が実行されると(S11,12)、圧縮機制御装置50の受付部52が、検知された回転数及び音速を受け付ける。次に、圧縮機制御装置50の修正回転数演算部53が、受付部52が受け付けた回転数N及び音速Vを用いて、式(2)に従って修正回転数を求める(修正回転数演算工程(S13))。この際、修正回転数演算部53は、式(2)の基準比熱比κ、基準ガス定数R、基準温度Tとして、予め記憶されているものを用いる。又は、式(2)の基準状態量(√(κ))として予め定められているものを用いる。さらに、修正回転数演算部53は、式(2)中の吸込気体の現実の状態量(√(κRT))として、検知された吸込気体の音速V(=√(κRT))を用いる。
以上で、修正回転数算出工程(S10)が終了する。
圧力計46は、燃料ガス圧縮機30の吐出圧力を検知し(S15)、圧縮機制御装置50の受付部52が、この吐出圧力を受け付ける。なお、この吐出圧検知(S15)は、前述の回転数検知(S11)及び音速検知(S12)と同じタイミングである。
次に、この修正回転数Nに応じて、圧縮機制御装置50におけるサージ制御部55で、操作端としての吸込量調節器31の動作が制御される(サージ制御工程(S20))。
サージ制御工程(S20)では、圧縮機制御装置50のサージ制御部55が、受付部52が受け付けた吐出圧力を用いて燃料ガス圧縮機30の現実の圧力比を求める(S21)。本実施形態のガスタービンプラントにおける燃料ガス圧縮機30の吸込圧力はほぼ一定である。このため、サージ制御部55には、予め記憶されている吸込圧力と検知された吐出圧力とを用いて現実の圧力比を求める(S21)。よって、燃料ガス圧縮機30の吸込圧力はほぼ一定である場合には、吐出圧力を広義の「圧力比」として扱うことができる。なお、吸込圧力が比較的大きく変動する場合には、ステップ15において吐出圧力と併せて吸込圧力を検知し、検知した吸込圧力及び吐出圧力を用いて現実の圧力比を求めることが好ましい。
次に、サージ制御部55は、限界圧力比又は限界前圧力比と修正回転数との予め定められた関係を用いて、修正回転数算出工程(S10)で求められた修正回転数に対する限界圧力比又は限界前圧力比を定める(S22)。
次に、サージ制御部55は、ステップ22で定めた限界圧力比又は限界前圧力比と、ステップ21で求めた現実の圧力比とを比較する(S23)。この比較では、ステップ23で限界前圧力比を定めた場合、現実の圧力比が限界前圧力比以上であるか否かを判断する。また、ステップ23で限界圧力比を定めた場合も、現実の圧力比が、この限界圧力比よりも予め定められた分だけ小さい圧力比、つまり限界前圧力比以上であるか否かを判断する。
このステップ23で、サージ制御部55が現実の圧力比が限界前圧力比以上ではない、つまり現実の圧力比が限界前圧力比未満であると判断すると、ステップ11,12,15に戻る。
サージ制御部55は、ステップ23で、現実の圧力比が限界前圧力比以上であると判断すると、燃料ガス圧縮機30がサージングを起こす可能性が高いため、操作端の制御量、つまり吸込量調節器31におけるIGV開度を求める(S24)。
ここで、図4を用いて、IGV開度と限界圧力比又は限界前圧力比との関係について説明する。なお、図4に示すグラフで、横軸はIGV開度で、縦軸は圧力比である。また、この図4には、修正回転数毎に、IGV開度と限界圧力比又は限界前圧力比との関係を示す限界IGV開度特性曲線Orを描いている。
ある修正回転数のとき、IGV開度と限界圧力比又は限界前圧力比との関係は、図4に示すように、IGV開度が大きくなるに伴って限界圧力比又は限界前圧力比が大きくなる関係である。よって、ある修正回転数に対する限界IGV開度特性曲線Orは、右肩上がりの曲線である。サージ制御部55には、修正回転数毎の限界IGV開度曲線Orが予め記憶されている。複数の限界IGV開度曲線Orのうち、大きい修正回転数に対する限界IGV開度曲線Orは、この修正回転数より小さい修正回転数に対する限界IGV開度特性曲線Orよりも、同一のIGV開度に対する圧力比が大きい。
サージ制御部55は、例えば、まず、図4に示すグラフ中で、修正回転数算出工程(S10)で求められた修正回転数に対応する限界IGV開度曲線Or1を抽出する。次に、ステップ21で求められた圧力比R1と現在のIGV開度O1とに対応する位置P1をプロットし、この位置P1と限界IGV開度曲線Or1との位置関係を比較する。図4に示すグラフ中で、位置P1が限界IGV開度曲線Or1より上である場合、サージ制御部55は、現在のIGV開度O1よりも大きなIGV開度O2を定める。この結果、圧力比はR1からR2にとなり、作動点は新たな位置P2になる。図4に示すグラフ中で、位置P2は限界IGV開度曲線Or1より下であるから、サージングの可能性はない。
なお、サージ制御部55は、IGV開度を求めるにあたり、図4に示すグラフ中で上述のようなプロットを実際には行わず、プロットに相当する処理を行う。
サージ制御部55は、ステップ24で定めたIGV開度を吸込量調節器31に出力する(S25)。この結果、吸込量調節器31のIGV開度がサージ制御部55から出力されたIGV開度になる、つまりIGV開度が大きくなる。IGV開度が大きくなると、このIGV開度に対する限界圧力比又は限界前圧力比も大きくなり、現実の圧力比が限界圧力比又は限界前圧力比よりも小さくなるため、燃料ガス圧縮機30がサージングを起こす可能性が低下する。
以上、本実施形態では、修正回転数を定めるパラメータのうち、変化するパラメータである吸込気体の現実の状態量(√(κRT))を、吸込気体の音速V(=√(κRT))を検知することで得ている。このため、本実施形態では、吸込気体の現実の状態量(√(κRT))を吸込気体の温度や密度等を用いて推定する場合よりも、正確に修正回転数を求めることができる。従って、本実施形態では、燃料ガスの組成変化や温度変化に起因したサージングの発生の可能性を的確に把握することができる。
また、本実施形態では、修正回転数を定めるパラメータのうち、変化するパラメータである吸込気体の現実の状態量(√(κRT))及び燃料ガス圧縮機30の回転数をそれぞれ音速計40、回転数計45で検知している。音速計40及び回転数計45は、前述したように、いずれも、検知対象の変化に対する応答遅れ時間が極めて短い。このため、本実施形態では、これらの検知遅れに伴う燃料ガス圧縮機30の制御遅れを最小限に抑えることができる。よって、本実施形態では、燃料ガスの状態量が変化して、燃料ガス圧縮機30がサージングを起こす可能性が高まった場合でも、サージングが起こる前に、このサージングに対処する制御処理を実行することができる。
製鉄所の高炉からのBFGは、高炉の状態に応じてその組成等が変動し易い。また、本実施形態のガスタービンプラントでは、BFGの組成等が変動し単位カロリーが低下した場合には、このBFGに高カロリーガスであるCOGを混ぜて、これを燃料ガスとする。すなわち、本実施形態のガスタービンプラントでは、燃料ガス圧縮機30が吸い込む燃料ガスの組成が変化し易い。また、BFGやCOGは、いずれも、それぞれの発生プラントから配管を介して燃料ガス圧縮機30へ送られてくるため、高炉等の操業状態に応じて温度も比較的大きく変化する。すなわち、本実施形態の燃料ガス圧縮機30は、燃料ガスの組成変化や温度変化に起因したサージングを起こす可能性が比較的高い。従って、このような燃料ガス圧縮機30に対して、以上で説明した制御処理を実行することは極めて有用である。
圧縮機制御装置50の出力部54は、外部からの指示に応じて、修正回転数演算部53が求めた修正回転数やサージ制御部55が求めた現実の圧力比やIGV開度等を出力する。このため、本実施形態において、ガスタービン10プラントのオペレータは、出力部54からの出力により、燃料ガス圧縮機30の状態を認識することができる。
燃料ガス圧縮機30が新しい段階では、燃料ガス圧縮機30の効率と圧力比と修正回転数との予め定められた関係を用いて、圧力比及び修正回転数に応じた効率を求めることができる。一方で、燃料ガス圧縮機30を運転し、燃料ガス圧縮機30の翼等に燃料ガス中に含まれている異物等の付着量が増えてくると、この燃料ガス圧縮機30の性能が劣化して、燃料ガス圧縮機30の効率が低下する。
本実施形態では、以下の示す方法で燃料ガス圧縮機30の性能劣化の程度を判定する。
図6のフローチャートに示すように、まず、回転数計45が燃料ガス圧縮機30の回転数を検知する(S31)。さらに、音速計40が吸込気体の音速を検知し(S32)、圧力計46が燃料ガス圧縮機30の吐出圧力を検知する(S34)。検知された各値は、いずれも圧縮機制御装置50の受付部52が受け付ける。
次に、圧縮機制御装置50の修正回転数演算部53は、ステップ31で検知された回転数及びステップ32で検知された音速を用いて、前述したように、燃料ガス圧縮機30の修正回転数を求める(S33)。なお、ステップ31,32,33での処理は、図6における修正回転数算出工程(S10)と同一の修正回転数算出工程(S30)を成す。さらに、圧縮機制御装置50のサージ制御部55は、ステップ34で検知された吐出圧力を用いて燃料ガス圧縮機30の現実の圧力比が求める(S35)。なお、この場合も、図5におけるステップ21での処理と同様に、吸込圧力が比較的大きく変動する場合には、検知した吸込圧力及び吐出圧力を用いて現実の圧力比を求めることが好ましい。修正回転数演算部53が求めた修正回転数及びサージ制御部55が求めた圧力比は、いずれも、オペレータ等からの指示に応じて、圧縮機制御装置50の出力部54から出力される。
次に、ガスタービンプラントのオペレータ等は、現在の燃料ガス圧縮機30の運転状況を示す各種パラメータを用いて、現在の燃料ガス圧縮機の効率を算出する(第一効率算出:S36)。
さらに、オペレータ等は、燃料ガス圧縮機30の効率と圧力比と修正回転数との予め定められた関係を用いて、出力部54から出力された修正回転数及び圧力比とに応じた燃料ガス圧縮機30の効率を算出する(第二効率算出:S37)。この効率は、燃料ガス圧縮機30が新しい段階、言い換えると、燃料ガス圧縮機30の性能が劣化していない段階で、出力部54から出力された修正回転数及び圧力比で運転した場合の効率である。
オペレータ等は、現在の燃料ガス圧縮機30の効率と、性能劣化していない段階での燃料ガス圧縮機30の効率とを比較する(S38)。そして、オペレータ等は、性能劣化していない段階での燃料ガス圧縮機30の効率に比べて、現在の燃料ガス圧縮機30の効率がどの程度低下しているかを判断する。オペレータ等は、現在の燃料ガス圧縮機30の効率低下の程度に応じて、燃料ガス圧縮機30の修理等を行う。
本実施形態では、先に説明したように、正確に修正回転数を求めることができるので、燃料ガス圧縮機30の効率を正確に求めることができる。この結果、本実施形態では、現在の燃料ガス圧縮機30の効率低下の程度に応じた的確な時期に、燃料ガス圧縮機30の修理等を行うことができる。
なお、ここでは、修正回転数の演算(S33)及び現実の圧力比の演算(S35)の後であって、第二効率の算出(S37)の前に、第一効率の算出(S36)を実行してるが、第一効率の算出(S36)は、二種類の効率を比較する前(S38)であれば、いずれの段階で行ってもよい。
また、ここでは、第一効率の算出(S36)及び第二効率の算出(S37)をオペレータ等が実行するが、圧縮機制御装置50に実行させてもよい。第一効率の算出(S36)を圧縮機制御装置50に実行させる場合、現在の燃料ガス圧縮機30の運転状況を示す各種パラメータをセンサ等から受付部52が受け付けて、この各種パラメータを用いて現在の効率を算出させるとよい。また、第二効率の算出(S37)を圧縮機制御装置50に実行させる場合、燃料ガス圧縮機30の効率と圧力比と修正回転数との関係を圧縮機制御装置50に予め記憶しておき、この関係を用いて、修正回転数及び圧力比とに応じた効率を算出させるとよい。
「第一変形例」
本変形例は、図7に示すIGV開度の演算(S24)の変形例である。
図4を用いて説明したように、複数の限界IGV開度曲線Orのうち、大きい修正回転数に対する限界IGV開度曲線Orは、この修正回転数より小さい修正回転数に対する限界IGV開度特性曲線Orよりも、同一のIGV開度に対する圧力比が大きい。よって、あるIGV開度のとき、修正回転数と限界圧力比又は限界前圧力比との関係は、修正回転数が大きくなるに伴って、限界圧力比又は限界前圧力比が大きくなる関係になる。このため、図7のグラフ中で、あるIGV開度における修正回転数と限界圧力比又は限界前圧力比との関係である限界IGV開度曲線Oraは、右肩上がりの曲線となる。なお、図7に示すグラフで、横軸は修正回転数で、縦軸は圧力比である。
本変形例のサージ制御部55には、IGV開度毎の限界IGV開度曲線Oraが予め記憶されている。複数の限界IGV開度曲線Oraのうち、大きいIGV開度に対する限界IGV開度曲線Oraは、このIGV開度より小さいIGV開度に対する限界IGV開度曲線Oraよりも、同一修正回転数に対する圧力比が大きい。
本変形例において、サージ制御部55は、まず、図7に示すグラフ中で、現在のIGV開度O1(不図示)に対応する限界IGV開度曲線Ora1を抽出する。次に、ステップ21で求めた圧力比R1とステップ13で求めた修正回転数N1とに対応する位置P1をプロットし、この位置P1と限界IGV開度曲線Ora1との位置関係を比較する。図7に示すグラフ中で、位置P1が限界IGV開度曲線Ora1より上にある場合、現在のIGV開度O1よりも大きなIGV開度O3(不図示)を定める。実際のIGV開度をO3にすることで、圧力比はR1からR3へと移動し、作動点は新たな位置P3になる。図7に示すグラフ中で、位置P3は、新たに定めたIGV開度O3に対応する限界IGV開度曲線Ora3より下であるから、サージングの可能性はない。
「第二変形例」
以上の実施形態及び第一変形例は、いずれも、燃料ガス圧縮機30でサージングが起こる可能性が高まったときに、操作端の一つである吸込量調節器31を制御して、燃料ガス圧縮機30がサージングを起こす可能性を低下させている。しかしながら、他の操作端を制御して、燃料ガス圧縮機30がサージングを起こす可能性を低下させてもよい。
このような操作端としては、例えば、再循環量調節弁(再循環量調節器)48、抽気量調節弁(抽気量調節器)49、供給量調節弁47、クラッチ38がある。
再循環量調節弁48の弁開度が大きくなると、燃料ガス圧縮機30の吐出圧力が低下する一方で吸込圧力が高まる。よって、再循環量調節弁48の弁開度を大きくすることで、燃料ガス圧縮機30の圧力比が低下し、サージングを起こす可能性を低下させることができる。また、抽気量調節弁49の弁開度を大きくした場合も、燃料ガス圧縮機30の吐出圧力が低下する。よって、抽気量調節弁49の弁開度を大きくすることで、燃料ガス圧縮機30の圧力比が低下し、サージングを起こす可能性を低下させることができる。
再循環量調節弁48又は抽気量調節弁49を操作端として利用する場合、サージ制御部55は、図5におけるステップ23で、現実の圧力比が限界前圧力比以上であると判断すると、再循環量調節弁48又は抽気量調節弁49に対して弁開度を大きくする旨の指令を出力する。この際、サージ制御部55は、図4や図7で例示したような予め定めたルールに従って、再循環量調節弁48又は抽気量調節弁49の弁開度を定める。この結果、再循環量調節弁48の弁開度又は抽気量調節弁49の弁開度が大きくなり、これらの弁48,49を通過する燃料ガスの流量が増加して、サージングが起こる可能性が小さくなる。
供給量調節弁47を閉じていくと、ガスタービン10の燃焼器12への燃料ガスの供給量が減少する結果、燃焼器12内の圧力が次第に低下して、燃料ガス圧縮機30の吐出圧力が低下する。この供給量調節弁47を操作端として利用する場合、サージ制御部55は、ステップ23で、現実の圧力比が限界前圧力比以上であると判断すると、供給量調節弁47に対して閉じる旨の指令、つまりトリップ指令を出力する。この結果、供給量調節弁47が閉じて、燃料ガス圧縮機30のサージングを防ぐことができる。
クラッチ38を解放すると、燃料ガス圧縮機30の駆動力がなくなり、燃料ガス圧縮機30はサージングを起こすことはない。そこで、このクラッチ38を操作端として利用する場合、サージ制御部55は、ステップ23で、現実の圧力比が限界前圧力比以上であると判断すると、クラッチ38に対して解放する旨の指令、つまりトリップ指令を出力する。この結果、クラッチ38が解放して、燃料ガス圧縮機30のサージングを防ぐことができる。
なお、トリップ指令により、供給量調節弁47やクラッチ38が動作すると、ガスタービン10と共に燃料ガス圧縮機30は、トリップする。
以上のように、サージ制御での制御対象となる操作端としては、吸込量調節器31の他、各種操作端がある。なお、以上では、サージ制御の際、いずれの1つの操作端を制御するが、複数の操作端のうち、2以上の操作端を制御してもよい。このように、2以上の操作端を制御することで、1つの操作端を制御するよりも、サージングを起こす可能性を低下させることができる。
「その他の変形例」
以上のガスタービンプラントでは、ガスタービン10の燃料ガスとしてBFG及びCOGの二種類のガスを用いるものである。しかしながら、他の燃料ガス、例えば、石油残渣IGCCによる生成ガスや、液体燃料をガス化したものや、有機性廃棄物(生ゴミ等)や家畜の糞尿などを発酵させて得られる可燃性ガスなどのバイオガスをガスタービン10の燃料ガスとしてもよい。
また、以上の本実施形態は、ガスタービンプラントにおける燃料ガス圧縮機30に対して制御を行う例であるが、このガスタービンプラントにおける空気圧縮機11に対して同様の制御を行ってもよい。さらに、化学プラント等の他のプラントにおけるガス圧縮機に対しても同様の制御をおこなってもよい。
また、以上で説明した制御は、吸込気体の組成が変化する圧縮機の制御に極めて有効であるが、例えば、吸込気体の温度のみが変化する圧縮機の制御に、以上で説明した制御を利用してもよい。
また、圧縮機は、軸流式に限定されず、遠心式であってもよい。
10…ガスタービン、11:空気圧縮機、12:燃焼器、13:タービン、19:発電機、20:燃料ガス設備、21:BFGライン、22:COGライン、24:燃料ライン、25:燃料供給ライン、26:燃料リターンライン、27:抽気ライン、30:燃料ガス圧縮機、31:吸込量調節器、38:クラッチ、39:減速機、40:音速計、41:音波発信子、42:音波受信子、43:演算器、45:回転数計、46:圧力計、47:供給量調節弁、48:再循環量調節弁(再循環量調節器)、49:抽気量調節弁(抽気量調節弁)、50:圧縮機制御装置、51:修正回転数演算装置、52:受付部、53:修正回転数演算部、54:出力部、55:サージ制御部

Claims (15)

  1. 回転数計で検知された回転式圧縮機の回転数、及び音速計で検知された該回転式圧縮機に吸い込まれる気体である吸気気体の音速を受け付ける受付部と、
    前記吸込気体の基準状態における基準比熱比、基準ガス定数及び基準温度で定まる基準状態量と、前記受付部が受け付けた前記音速と、前記受付部が受け付けた前記回転数とを用いて、前記回転式圧縮機の修正回転数を求める修正回転数演算部と
    前記回転式圧縮機のサージングを防止する操作端を制御するサージ制御部と、
    を備え、
    前記受付部は、圧力計で検知された前記回転式圧縮機の吐出圧力を少なくとも受け付け、
    前記サージ制御部は、修正回転数と、前記回転式圧縮機の限界圧力比又は該限界圧力比より予め定められた分だけ小さい限界前圧力比との予め定められている関係を用いて、前記修正回転数演算部で求められた前記修正回転数に対する限界圧力比又は限界前圧力比を定め、該限界圧力比又は該限界前圧力比と前記受付部が受け付けた前記吐出圧力で定まる前記回転式圧縮機の現実の圧力比とを比較し、比較結果に応じて前記操作端を制御する、
    ことを特徴とする圧縮機の制御装置
  2. 請求項1に記載の圧縮機の制御装置において、
    前記回転数計及び前記音速計を備えている、
    圧縮機の制御装置
  3. 請求項2に記載の圧縮機の制御装置において、
    前記音速計は、前記吸込気体が流れる配管に取り付けられ、該配管の軸に対して垂直な方向で互いに対向配置されている音波発信子及び音波受信子を有している、
    圧縮機の制御装置
  4. 請求項1から3のいずれか一項の圧縮機の制御装置において、
    前記修正回転数演算部が求めた前記修正回転数を出力する出力部を備えている、
    圧縮機の制御装置
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の圧縮機の制御装置において、
    前記操作端は、前記吸込気体の流量を調節する吸込量調節器を有し、
    前記サージ制御部は、前記比較結果に応じて、前記吸込量調節器に対して前記吸込気体の流量を増加させる旨の指令を出力する、
    圧縮機の制御装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の圧縮機の制御装置において、
    前記操作端は、前記回転式圧縮機から吐出された前記気体のうちで該回転式圧縮機の吸込側に戻す該気体の流量を調節する再循環量調節器を有し、
    前記サージ制御部は、前記比較結果に応じて、前記再循環量調節器に対して前記吸込側に戻す前記気体の流量を増加させる旨の指令を出力する、
    圧縮機の制御装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の圧縮機の制御装置において、
    前記操作端は、前記回転式圧縮機から抽気する前記気体の流量を調節する抽気量調節器を有し、
    前記サージ制御部は、前記比較結果に応じて、前記抽気量調節器に対して抽気する前記気体の流量を増加させる旨の指令を出力する、
    圧縮機の制御装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の圧縮機の制御装置において、
    前記操作端は、前記回転式圧縮機を停止させるトリップ操作端を有し、
    前記サージ制御部は、前記比較結果に応じて、前記トリップ操作端に対して前記回転式圧縮機を停止させる動作の実行の指令を出力する、
    圧縮機の制御装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の圧縮機の制御装置において、
    前記サージ制御部は、前記修正回転数演算部で求められた前記修正回転数に対する前記限界前圧力比を定め、前記現実の圧力比が該限界前圧力比以上になると、前記操作端に対して指令を出力する、
    圧縮機の制御装置。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の圧縮機の制御装置において、
    修正回転数と圧力比と前記回転式圧縮機の効率との予め定められた関係を用いて、前記修正回転数演算部で求められた前記修正回転数と前記受付部が受け付けた前記吐出圧力で定まる前記回転式圧縮機の現実の圧力比とに応じた前記回転式圧縮機の効率を算出する効率算出部と、
    前記効率算出部が算出した前記効率を出力する出力部を、
    備えている、
    圧縮機の制御装置。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の圧縮機の制御装置と、
    前記回転式圧縮機と、
    前記操作端と、
    を備えていることを特徴とする圧縮設備。
  12. 請求項11に記載の圧縮設備において、
    前記回転式圧縮機は、燃焼器で燃焼させる燃料気体を前記気体として圧縮する、
    圧縮設備。
  13. 回転式圧縮機の回転数を検知する回転数検知工程と、
    前記回転式圧縮機に吸い込まれる気体である吸込気体の音速を検知する音速検知工程と、
    前記吸込気体の基準状態における基準比熱比、基準ガス定数及び基準温度で定まる基準状態量と、前記音速検知工程で検知された前記音速と、前記回転数検知工程で検知された前記回転数とを用いて、前記回転式圧縮機の修正回転数を求める修正回転数演算工程と
    前記回転式圧縮機の吐出圧力を検知する吐出圧力検知工程と、
    前記回転式圧縮機のサージングを防止する操作端の動作を制御するサージ制御工程と、
    を実行し、
    前記サージ制御工程では、修正回転数と、前記回転式圧縮機の限界圧力比又は該限界圧力比より予め定められた分だけ小さい限界前圧力比との予め定められている関係を用いて、前記修正回転数演算工程で求められた前記修正回転数に対する限界圧力比又は限界前圧力比を定め、該限界圧力比又は該限界前圧力比と前記吐出圧力検知工程で検知された前記吐出圧力で定まる前記回転式圧縮機の現実の圧力比とを比較し、比較結果に応じて前記操作端を制御する、
    ことを特徴とする圧縮機の制御方法。
  14. 請求項13に記載の圧縮機の制御方法において、
    前記サージ制御工程では、前記修正回転数演算工程で求められた前記修正回転数に対する前記限界前圧力比を定め、前記現実の圧力比が該限界前圧力比以上になると、前記操作端に対して指令を出力する、
    圧縮機の制御方法。
  15. 回転式圧縮機の回転数を検知する回転数検知工程と、
    前記回転式圧縮機に吸い込まれる気体である吸込気体の音速を検知する音速検知工程と、
    前記吸込気体の基準状態における基準比熱比、基準ガス定数及び基準温度で定まる基準状態量と、前記音速検知工程で検知された前記音速と、前記回転数検知工程で検知された前記回転数とを用いて、前記回転式圧縮機の修正回転数を求める修正回転数演算工程と、
    前記回転式圧縮機の吐出圧力を検知する吐出圧力検知工程と、
    前記吐出圧力検知工程で検知された前記吐出圧力で定まる前記回転式圧縮機の現実の圧力比を求める圧力比演算工程と、
    前記回転式圧縮機の現実の効率を算出する第一効率算出工程と、
    修正回転数と圧力比と前記回転式圧縮機の効率との予め定められた関係を用いて、前記修正回転数演算工程で求められた前記修正回転数と前記圧力比演算工程で求められた前記圧力比とに応じた前記回転式圧縮機の効率を算出する第二効率算出工程と、
    前記第一効率算出工程で算出された前記効率と前記第二効率算出工程で算出された前記効率とを比較する比較工程と、
    を実行することを特徴とする圧縮機の劣化判定方法。
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