JP6181638B2 - 前立腺癌における転移のゲノム・シグネチャー - Google Patents

前立腺癌における転移のゲノム・シグネチャー Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2011年4月28日に出願した米国仮出願第61/479,914号の優先権の利益を主張し、その全体の内容は参照により本明細書に組み入れる。
本開示は転移遺伝子シグネチャーに関する。より具体的には、本開示は、転移において出現頻度の高い遺伝子に関するコピー数変化(CNA)を同定しており、このCNAは、原発性腫瘍が転移するかどうかを予測する根拠としての役割を果たす。
前立腺癌は一般的な公衆衛生問題である。2010年には、この疾患は推定217,730人の男性で診断されており(全ての男性の癌の28%)、この疾患により32,050人が死亡している(男性の癌による死亡の11%)(非特許文献1)。治療しないまま放置すると、前立腺癌の大部分は数十年にわたって無症状および不活性なままである(非特許文献2)。根治的前立腺摘除術または放射線療法で治療した場合、転移のリスクは減少するが、***不全、尿失禁および直腸出血が発症して患者の生活の質に影響を及ぼす可能性がある。転移性疾患を発症するであろう患者を正確に決定することは現在では困難であることから、積極的な治療が必要ではない可能性がある場合でも、医師は、中期から末期の局所性疾患を有する患者を積極的に治療する。臨床的パラメータ、例えば前立腺特異抗原(PSA)の血清濃度、切除縁を超える拡大、精嚢の浸潤、被膜を超える拡大、グリーソン(Gleason)スコア、前立腺の重量、人種および手術の年齢が、局所再発を予測するための従来のノモグラムで用いられる(非特許文献3)が、遠位部位への疾患の進行の予測のために、局所再発、したがってこれらのパラメータの有効性には限界がある(非特許文献4)。局所的な前立腺癌が転移する可能性を正確に予測する頑健なリスク・モデルを開発することにより、高リスクの症例における積極的な治療が正当化され、不活性な疾患を有する男性の生活の質が高められるだろう。
Jemal他、CA Cancer J Clin 59(4):225〜49頁(2009) Klotz他、Journal of Clinical Oncology (2010)28:126〜31頁 Ohori他、Mod Pathol 17(3):349〜359頁(2004) Nakagawa他、PLoS One 3(5):e2318頁(2008)
本開示は、前立腺癌である、または前立腺癌であったヒト対象での前立腺癌の転移のリスクを決定する方法に関する。その方法は、コピー数変化が転移において出現頻度の高い、転移シグネチャー遺伝子およびゲノム領域の同定に基づいている。
一実施形態において、転移遺伝子シグネチャー・セットは、表6に示す少なくとも上位80個の遺伝子およびゲノム領域を含む。別の実施形態において、転移遺伝子シグネチャー・セットは、表6に示す少なくとも上位40個の遺伝子およびゲノム領域を含む。更に別の実施形態において、転移遺伝子シグネチャー・セットは、表6に示す少なくとも上位20個の遺伝子およびゲノム領域を含む。更に別の実施形態において、転移遺伝子シグネチャー・セットは、表6に示す少なくとも上位12個の遺伝子およびゲノム領域を含む。
特定の実施形態において、本明細書に開示した方法は、表6に列挙した上位20個の遺伝子およびゲノム領域からなる転移遺伝子シグネチャー・セットの少なくとも12個の遺伝子および/またはゲノム領域の細胞当たりのコピー数を対象の前立腺サンプル中で決定すること;非癌性の細胞での細胞当たりのコピー数と比較して、少なくとも12個の遺伝子および/またはゲノム領域のそれぞれに関する細胞当たりのコピー数の変化を決定すること;ならびに決定したコピー数変化(CNA)に基づいて前立腺癌の転移のリスクを決定することを含む。
一実施形態において、解析される少なくとも12個の遺伝子および/またはゲノム領域は、上位12個の遺伝子およびゲノム領域、即ちPPP3CCゲノム領域、SLCO5A1ゲノム領域、SLC7A5ゲノム領域、SLC7A2ゲノム領域、CRISPLD2ゲノム領域、CDH13遺伝子、CDH8遺伝子、CDH2遺伝子、ASAH1ゲノム領域、KCNB2ゲノム領域、KCNH4ゲノム領域、およびCTD8遺伝子である。
別の実施形態において、解析される少なくとも12個の遺伝子および/またはゲノム領域は、表6に列挙した上位20個の遺伝子およびゲノム領域、即ちPPP3CCゲノム領域、SLCO5A1ゲノム領域、SLC7A5ゲノム領域、SLC7A2ゲノム領域、CRISPLD2ゲノム領域、CDH13遺伝子、CDH8遺伝子、CDH2遺伝子、ASAH1ゲノム領域、KCNB2ゲノム領域、KCNH4ゲノム領域、CTD8遺伝子、JPH1ゲノム領域、MESTゲノム領域、NCALDゲノム領域、COL19A1遺伝子、MAP3K7ゲノム領域、YWHAG遺伝子、NOL4ゲノム領域、およびENOX1遺伝子の全てを含む。
本明細書に開示した方法によれば、SLCO5A1ゲノム領域、KCNB2ゲノム領域、KCNH4ゲノム領域、JPH1ゲノム領域、NCALDゲノム領域またはYWHAG遺伝子の何れかに関する細胞当たりのコピー数の増加は前立腺癌転移のリスクの増加と相関し;PPP3CCゲノム領域、SLC7A5ゲノム領域、SLC7A2ゲノム領域、CRISPLD2ゲノム領域、CDH13遺伝子、CDH8遺伝子、CDH2遺伝子、ASAH1ゲノム領域、CTD8遺伝子、MESTゲノム領域、COL19A1遺伝子、MAP3K7ゲノム領域、NOL4ゲノム領域またはENOX1遺伝子の何れかに関する細胞当たりのコピー数の減少は前立腺癌転移のリスクの増加と相関する。
サンプル中に存在するゲノムDNAの遺伝子またはゲノム領域とハイブリダイズする核酸プローブを使用して、遺伝子またはゲノム領域のコピー数を決定することができる。例えばアレイフォーマットでハイブリダイゼーションを行うことができる。
転移能スコア(metastatic potential score):
Figure 0006181638
(式中、転移シグネチャー・セットの各遺伝子に関するロジスティック補正Zスコア(logistic adjusted Z−score)(Z調整)は表6に記載されており、シグネチャーおよびサンプルのCNAが同じ方向にある場合には、係数(Dir)は1になり;それらが反対方向にある場合には、係数は−1になり;遺伝子に関してコピー数の変化が検出されない場合には、その遺伝子に関する係数=0)の算出;ならびにスコアの増加が転移のリスクの増加と相関する転移能スコアと対照値との比較に基づいて転移のリスクを決定することができる。
前立腺癌の転移のリスクを決定する方法を行うための診断キットを本明細書に更に開示する。そのキットは、本明細書に開示した1個またはそれ以上の転移シグネチャー遺伝子およびゲノム領域に結合する核酸プローブ、ならびに別のアッセイ試薬を含むことができる。核酸プローブを固体支持体、例えばマイクロアレイ・スライド上に設けることができる。キットはまた、別の材料、例えば上記方法を行うための指示書またはプロトコールを含むことができる。
解析に関わる全てのサンプルに関する転移能スコアを示すボックスプロットである。全ての高リスク腫瘍を左側の3つのボックス(転移、転移に進行した原発性腫瘍、およびリンパ節陽性原発性腫瘍)に示し、未知の対照原発性腫瘍および公的に入手可能な細胞株のデータを右側のボックスに示す。リンパ節陽性ボックスにおける「+」記号はMSKデータセットのそれらのサンプルを表し、2個のリンパ節陽性コホートの間に差異がないことを示す。対照原発性腫瘍プロットにおける「X」記号は、選択した低リスク原発性腫瘍(少なくとも80ヶ月にわたって生化学的な再発(PSA)がない個体)を表す。 左側のグラフは、転移能スコアを使用する、転移に進行した原発性腫瘍の予測に関するROC曲線を示すグラフである。この予測の作成に使用したモデルを、データのサンプルのランダムな75%を使用して実行し、残りの25%(13個の既知のmPTおよび39個の対照原発性腫瘍)を使用して予測を実行した。ランダム・モデルを対角線で示す(AUC=0.5)。十字は、生存解析に関するデータを分けるのに使用したカット・ポイントを示す(右側のグラフに示す)。右側のグラフは、無転移の確率を示しているKaplan−Meier生存率曲線を示すグラフである。転移能スコアによりデータを半分に分割し、進行状況および経過観察期間を評価した。ログランク検定(p値)で高リスクのサンプル群と低リスクのサンプル群とを比較する。 遺伝子のサブセットのシミュレーションをサンプリングし(n=20)、AUCおよびr2が最大化されている領域(ボックス)で出現頻度の高かった遺伝子を、その頻度により順位化したことを示す図である。このシミュレーションを、n=40、50、80および100個の遺伝子に関しても行った。 ソートした遺伝子の階層に基づく拡張ウィンドウ(extending window)−AUC(赤)、拡張ウィンドウ−r2(黒)を示すグラフである。 ROC曲線を示すグラフである(左側の区画)。Cox比例ハザード・モデルのKaplan−Meier描写を示すグラフである(右側の区画)。 既に研究したコホート(左側および中央の区画)に対して示したDukeコホート検証研究(右側の区画)の原発性腫瘍サンプルについてのMPSスコア(Y軸)のボックスプロットである。 MSKおよびDuke検証サンプルの統合ROC−AUC解析を示すグラフである。
本開示は、偽陽性率を最小化するとともに治療決定の特異度を増加させながら、転移する可能性の高い腫瘍を確実に予測するリスク・モデルを提供する。
リスク・モデルは、転移および後に転移に進行した原発性腫瘍において出現頻度の高かった遺伝子に関するコピー数変化(CNA)の同定によって開発された。このCNAは、原発性腫瘍が転移するかどうかを予測する。交差検証解析により80.5%の予測精度が明らかになっており、転移能スコアのログランク解析は、無転移生存(metastasis−free survival)のエンドポイントと有意に関連していることが示されている(P=0.014)。検証事例は真実のmPT(13個の後に遠隔転移に発展した原発性腫瘍)で構成されて、検証対照は、転帰が未知である腫瘍のランダムサンプル(対照MSKコホートの25%)由来であった。これらの事例または対照の何れもモデルの訓練に使用しなかった。別に報告されたリスク・モデルとは対照的に、本明細書に開示した、CANの研究に基づくリスク・モデルは、中間エンドポイント(例えば進行の生化学マーカー)を使用することなく、臨床的エンドポイントとして遠隔転移の進行を予測する。転移能の予測に寄与する遺伝子およびゲノム領域の階層も決定されている。
したがって、本明細書では、前立腺癌である、または前立腺癌であったヒト対象での前立腺癌の転移のリスクの決定方法が開示されている。本方法は、転移遺伝子シグネチャー・セットの遺伝子およびゲノム領域のコピー数変化(CNA)を対象の前立腺サンプル中で決定すること、ならびにCNAを前立腺癌の転移のリスクと相関させることに基づいている。
転移遺伝子シグネチャー
下記実施例でより詳細に記載されているように、転移の遺伝シグネチャーは、294個の原発性前立腺腫瘍および5個の独立したコホートからの49個の前立腺転移におけるコピー数変化についてのゲノムの全体像の研究から本発明者らにより開発されている。転移において出現頻度が高く、原発性腫瘍が転移するかどうかを予測する遺伝子に関する、368個のコピー数変化が同定されている。交差検証解析により、80.5%の予測精度が明らかになっている。
したがって、一実施形態において、本開示は、表6に記載の、本明細書で同定された368個の遺伝子を含む転移遺伝子シグネチャー・セットを提供する。
表6に表示されているように、368個の遺伝子は多数の「クランプ」を含み、各クランプは「クランプ・インデックス番号(Clump Index Number)」で同定される。本明細書で使用するとき、「クランプ」は染色体上で互いに隣接する遺伝子の群を指しており、前立腺癌の転移に関連して、この遺伝子の群を含むゲノム領域に関してコピー数変化が検出される。マルチメンバー・クランプ(multi−member clump)は、ドライバー(転移を引き起こすか、または転移により直接的に関与する遺伝子)およびパッセンジャー(転移のドライバー遺伝子が近接するために、転移に間接的に関与する遺伝子)の両方を含むことができる。
本明細書において用語「ゲノム領域」は用語「クランプ」と互換的に使用され、通常は本明細書においてゲノム領域またはクランプ内のメンバー遺伝子の名称と共に使用される。例えば、表6の第1行に列挙したPP3CC遺伝子はクランプ・インデックス26に属しており、クランプ・インデックス26はまた、遺伝子KIAA1967、BIN3、SORBS3、PDLIM2、RHOBTB2、SLC39A14、EGR3およびC8orf58を含む。したがって、クランプ・インデックス26はまた、本明細書において「PP3CCゲノム領域」を指す。
368個の遺伝子の多くがクランプに属しているが一部の遺伝子は何れのクランプにも属しておらず、コピー数変化は、前立腺癌の転移に関連して、これらの遺伝子のそれぞれに関して特異的に同定される。例えば、多くの他の遺伝子の中でも、表6に示す(クランプ・インデックス欄において「該当なし」)ように、CDH13、CDH8、CDH2、CTD8、COL19A1、YWHAGおよびENOX1は、何れのクランプにも属さない遺伝子である。
他の実施形態において、本開示は、表6に列挙した少なくとも80個、少なくとも40個、少なくとも20個、または少なくとも12個の重複しない遺伝子および/またはゲノム領域を含む、より小さい転移遺伝子シグネチャー・セットを提供する。
「重複しない」とは、より小さいシグネチャー・セットを構成するために選択された遺伝子が同じゲノム領域またはクランプに属さないことを意味する。
以下の実施例で詳細に記載しているように、368個の遺伝子の完全なセットから得られる転移能スコアはAUC=81%の予測精度となった。この予測に寄与する遺伝子の階層は、予測精度(AUC=81%)を最大化し、遺伝子のランダムにサンプリングしたサブセットの任意の反復に対する368個の遺伝子の転移能スコア間の回帰係数も最大化する遺伝子を同定しようとする手順に基づいて、表6に示すように決定されている。
したがって、一実施形態において、転移遺伝子シグネチャー・セットは、表6に示す少なくとも上位80個の遺伝子およびゲノム領域を含む。
別の実施形態において、転移遺伝子シグネチャー・セットは、表6に示す少なくとも上位40個の遺伝子およびゲノム領域を含む。
更に別の実施形態において、転移遺伝子シグネチャー・セットは、表6に示す少なくとも上位20個の遺伝子およびゲノム領域を含む。
更に別の実施形態において、転移遺伝子シグネチャー・セットは、表6に示す少なくとも上位12個の遺伝子およびゲノム領域を含む。
コピー数変化(CNA)の決定
コピー数変化とは、細胞のゲノム中に存在する遺伝子またはゲノム領域のコピーの数の変動のことである。正常な2倍体細胞は通常、各染色体およびそこに含有される遺伝子の2つのコピーを有している。コピー数変化は、コピー数の増加でもよいしコピー数の減少でもよい。
転移に関連する368個の各転移シグネチャー遺伝子に関するコピー数変化の方向は、表6において、欠失および増幅をそれぞれ示す−1または1として同定される。例えば、表6において「−1」と同定されるPP3CCゲノム領域(クランプ・インデックス26)に関して、このゲノム領域の欠失は、転移性前立腺癌、または後に転移に進行した原発性前立腺癌において出現頻度が高く、したがって前立腺癌の転移のより高いリスクを示す。欠失により前立腺癌の転移のより高いリスクが予測される別の遺伝子およびゲノム領域として、例えばSLC7A5ゲノム領域、SLC7A2ゲノム領域、CRISPLD2ゲノム領域、CDH13遺伝子、CDH8遺伝子、CDH2遺伝子、ASAH1ゲノム領域、CTD8遺伝子、MESTゲノム領域、COL19A1遺伝子、MAP3K7ゲノム領域、NOL4ゲノム領域およびENOX1遺伝子が挙げられる。一方、表6において「1」と同定されるSLCO5A1ゲノム領域(クランプ・インデックス33)に関して、このゲノム領域の増幅は、転移性前立腺癌、または後に転移に進行した原発性前立腺癌において出現頻度が高く、したがって前立腺癌の転移のより高いリスクを示す。増幅が前立腺癌の転移のより高いリスクを示す別の遺伝子およびゲノム領域として、例えばKCNB2ゲノム領域、KCNH4ゲノム領域、JPH1ゲノム領域、NCALDゲノム領域およびYWHAG遺伝子が挙げられる。
所与の遺伝子またはゲノム領域に関してコピー数変化があるかどうかを決定するために、対象とする対象から前立腺サンプルを得る。前立腺サンプルは、対象とする対象の前立腺から採取した細胞または組織サンプルを指しており、サンプルは、CNAに関して解析されるゲノムDNAを含有する。細胞および組織サンプルを得る方法は当業者に周知であり、その方法として、例えば組織切片、針生検、外科的生検等が挙げられる。癌患者に関して、細胞および組織を腫瘍から得ることができる。更なる解析のために細胞または組織サンプルを処理してサンプル中の核酸を抽出、精製もしくは部分的精製、または濃縮もしくは増幅することができる。
遺伝子およびゲノム領域中のCNAの検出および定量化を可能にする転移シグネチャー遺伝子セットの遺伝子およびゲノム領域に基づいて、核酸プローブが設計される。
一実施形態において、プローブは、転移シグネチャー遺伝子セットの368個の遺伝子のフルセットに特異的にハイブリダイズする核酸の集合で構成されている。
別の実施形態において、プローブは、表6に示す上位80個の遺伝子およびゲノム領域に特異的にハイブリダイズする核酸の集合で構成されている。
更に別の実施形態において、プローブは、表6に示す上位40個の遺伝子およびゲノム領域に特異的にハイブリダイズする核酸の集合で構成されている。
更に別の実施形態において、プローブは、表6に示す上位20個の遺伝子およびゲノム領域と特異的にハイブリダイズする核酸の集合で構成されている。
更なる実施形態において、プローブは、表6に示す上位12個の遺伝子およびゲノム領域に特異的にハイブリダイズする核酸の集合で構成されている。
「特異的にハイブリダイズする」とは、ストリンジェントな条件下で核酸プローブが標的遺伝子またはゲノム領域に優先的に結合し、別の遺伝子またはゲノム領域への結合の程度が低い、または全く結合しないことを意味する。
核酸ハイブリダイゼーションに関連する「ストリンジェントな条件」は当分野で公知であり、例えばSambrook、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版)第1〜3巻、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor Press、New York(1989)に記載されている。通常、高ストリンジェント・ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は、規定のイオン強度およびpHでの特定の配列に関する熱的融点(thermal melting point)よりも約5℃低くなるように選択される。高ストリンジェント・ハイブリダイゼーションの条件の例は、標準ハイブリダイゼーション溶液中での42℃である。高ストリンジェント洗浄条件の例として、15分間にわたる65℃での0.2×SSCが挙げられる。中程度のストリンジェント洗浄条件の例は、15分間にわたる45℃での1×SSCである。低ストリンジェント洗浄の例は、15分間にわたる室温から40℃での4×〜6×SSCである。
本発明の目的のための核酸プローブは、標的遺伝子またはゲノム領域への特異的なハイブリダイゼーションを可能にする長さである少なくとも15個のヌクレオチドでなくてはならならず、長さは50、100、200、400、600、800、1000個もしくはそれ以上のヌクレオチドであることができ、または上に列挙した値の内の任意の2つの値の間の範囲の長さであることができる。標的遺伝子に特異的にハイブリダイズするように設計された核酸プローブは、遺伝子の完全長配列または断片を含むことができる。特定の標的ゲノム領域に特異的にハイブリダイズするように設計された核酸プローブは、少なくともゲノム領域の断片、例えばゲノム領域内の遺伝子(任意の遺伝子)の完全長配列または断片を含むことができる。また、核酸プローブは、特異的ハイブリダイゼーションを可能にするために、少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を標的遺伝子と共有している。
サンプルまたはプローブの核酸に付着した1つまたはそれ以上の標識を検出することにより、ハイブリダイズした核酸を検出することができる。当分野で公知の様々な方法により標識を組み込むことができ、その標識として、検出可能な標識、例えば磁気ビーズ、蛍光化合物(例えばテキサスレッド、ローダミン、緑色蛍光タンパク質等)、放射性同位体、酵素、比色標識(例えばコロイド金粒子)が挙げられる。他の実施形態において、サンプルまたはプローブの核酸は結合対の一方とコンジュゲートすることができ、結合対の他方は、検出可能な標識とコンジュゲートする。本明細書での使用に適した結合対として、ビオチンおよびアビジン、ならびにハプテンおよびハプテン特異的抗体が挙げられる。
染色体変化を解析する多くの技術が当分野で周知である。例えば、染色体上の個々の遺伝子座または領域のコピー数を研究するのに蛍光in−situハイブリダイゼーション(FISH)を使用することができる。例えばPinkel他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:9138〜9142頁(1988)参照。染色体領域のコピー数変化を検出するために、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)も使用することができる。例えば米国特許第7,638,278号参照。
いくつかの実施形態において、ハイブリダイゼーションは固体支持体上で行われる。例えば、シグネチャー遺伝子およびゲノム領域に特異的にハイブリダイズするプローブを例えばアレイフォーマットで表面上に点在または固定させることができ、続いてゲノムDNAを含有するサンプルをアレイに添加することにより特異的ハイブリダイゼーションが可能になる。
当分野で公知の方法および技術を使用することにより、様々な固体表面上への、および所望の密度(例えば各プローブが狭い範囲に集中する高密度)での核酸プローブの固定化を達成することができる。例えば米国特許第7,482,123(B2)号参照。固体表面の例として、特にニトロセルロース、ナイロン、ガラス、石英、シリコーン、ポリホルムアルデヒド、セルロース、酢酸セルロース;ならびにプラスチック、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等;ゼラチン、アガロースおよびケイ酸塩が挙げられる。核酸プローブの高密度固定化は、各固定化プローブへの結合に必要なサンプルの核酸の全量を減少させるであろう高複雑度の比較ハイブリダイゼーション(high complexity comparative hybridization)に使用される。
いくつかの実施形態において、核酸プローブのアレイをサンプルの1つの集団とハイブリダイズすることができ、またはサンプルの2つの集団(1つの試験サンプルおよび1つの参照サンプル)と共に使用することができる。例えば、比較ゲノム・ハイブリダイゼーション・アッセイにおいて、核酸(例えば可能性のある腫瘍のサンプル)の第1の集合が第1の標識で標識され、核酸(例えば正常な細胞または組織からの対照)の第2の集合が第2の標識で標識される。アレイの各メンバーに結合する2種類の標識の割合により、核酸のハイブリダイゼーションの割合が決定される。ゲノムの欠失または増幅がある場合、2種類の標識からのシグナルの割合の差異が検出され、コピー数の測定が行われるだろう。
リスクの決定
各転移シグネチャー遺伝子セットに関するコピー数変化を決定した時点で、転移のリスクを検出したコピー数変化と相関させることができる。本明細書に開示した転移シグネチャー遺伝子セットの1個またはそれ以上の遺伝子またはゲノム領域(その増幅は転移性前立腺癌に関連している)に関するサンプルの細胞当たりのコピー数の増加は、コピー数の増加が生じない対照(例えば健康な個体から得たサンプル)と比較して転移のより高いリスクを示すだろう。一方、本明細書に開示した転移シグネチャー遺伝子セットの1個またはそれ以上の遺伝子またはゲノム領域(その欠失は転移性前立腺癌に関連している)のコピー数のサンプルにおける減少は、コピー数の減少が観察されない対照と比較して転移のより高いリスクを示すだろう。
例えば、表6に列挙した上位20個の遺伝子およびゲノム領域で構成されている転移シグネチャー遺伝子セットに関して、SLCO5A1ゲノム領域、KCNB2ゲノム領域、KCNH4ゲノム領域、JPH1ゲノム領域、NCALDゲノム領域およびYWHAG遺伝子の全てに関するサンプルの細胞当たりのコピー数の増加、ならびにPPP3CCゲノム領域、SLC7A5ゲノム領域、SLC7A2ゲノム領域、CRISPLD2ゲノム領域、CDH13遺伝子、CDH8遺伝子、CDH2遺伝子、ASAH1ゲノム領域、CTD8遺伝子、MESTゲノム領域、COL19A1遺伝子、MAP3K7ゲノム領域、NOL4ゲノム領域およびENOX1遺伝子の全てに関するサンプルの細胞当たりのコピー数のサンプルにおける減少は、前立腺癌の転移のリスクの増加と相関する。しかしながら、リスクの合理的に信頼可能な予測を得るために、必ずしもシグネチャー・セット中の全ての遺伝子およびゲノム領域が表6に記載されているのと同じ方向に変化する必要は無い。即ち、SLCO5A1ゲノム領域、KCNB2ゲノム領域、KCNH4ゲノム領域、JPH1ゲノム領域、NCALDゲノム領域およびYWHAG遺伝子の1個またはそれ以上、好ましくは複数に関するサンプルの細胞当たりのコピー数の増加、ならびに/またはPPP3CCゲノム領域、SLC7A5ゲノム領域、SLC7A2ゲノム領域、CRISPLD2ゲノム領域、CDH13遺伝子、CDH8遺伝子、CDH2遺伝子、ASAH1ゲノム領域、CTD8遺伝子、MESTゲノム領域、COL19A1遺伝子、MAP3K7ゲノム領域、NOL4ゲノム領域またはENOX1遺伝子の1個またはそれ以上、好ましくは複数に関するサンプルの細胞当たりのコピー数のサンプルにおける減少に基づいてリスクの増加を予測することができる。「複数」とは、表6に列挙した上位20個の遺伝子およびゲノム領域の少なくとも10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個または20個を意味する。
本開示はまた、本明細書に開示したシグネチャー遺伝子セットのコピー数変化に基づくリスクの定量的測定を提供する。より具体的には、転移のリスクは、式:
Figure 0006181638
に基づいて算出される転移能スコアと相関することが分かっている。
即ち、特定の遺伝子またはゲノム領域に関して、シグネチャーのCNAおよびサンプルのCNAが同じ方向(増幅または欠失)にある場合には、係数は1になり、この遺伝子またはゲノム領域に関するロジスティック補正Zスコア(Z調整)が足され;反対方向である場合には、係数は−1になり、遺伝子またはゲノム領域に関するロジスティック補正Zスコア(Z調整)が引かれ;Dirサンプル(i)=0の場合には、スコアに対して全ての項がカウントされないだろう。したがって、基本的には、転移シグネチャーと一致する遺伝子(i〜n)からのロジスティック補正Zスコアが足され、シグネチャーと一致しない遺伝子からのロジスティック補正Zスコアが引かれる。完全な転移シグネチャー・セットの368個の各遺伝子に関するロジスティック補正Zスコア(Z調整)が表6で明らかになっている。
算出した転移能スコアは、サンプルの参照分布(無転移生存の臨床転帰情報を有する前立腺癌の男性の集団で決定した転移能スコア、本明細書では「参照転移能スコア」とも称する)と比較される。このような参照分布を予め定めることができ、または研究されるサンプルとして同じ実験で並行して算出することができる。多くの実施形態において、参照転移能スコアは1.0と等しいか、または約1.0である。したがって、参照分布の対照スコアに対する試験対象の転移能スコアの増加は、前立腺癌の転移のリスクの増加と相関する。本開示によれば、転移能スコアにおける1点の増加は、転移への進行(P=0.01)に関する6.3のオッズ比に相当する。いくつかの実施形態において、参照スコアに対する少なくとも約0.5、0.53、0.56、0.58、0.6、0.65、0.7またはそれ以上の差での転移能スコアの増加は、転移の有意に高いリスクを示すと考えられる。
開示した遠隔転移の見込みの予測方法は、前立腺癌の診断および治療に大きな進歩を表す。この予測因子は、診断時に男性を正確に類別するのに重要である可能性があり、積極的な治療を避けることができる場合に、生存の機会を最大化するとともに不都合な副作用を最小化するであろう療法の選択につながる可能性がある。したがって、治療転帰および生活の質の両方を改善することができる。加えて、提案した手段である腫瘍のゲノム解析は、発病および転移を伴う遺伝子変化の同定にとって包括的であることから、鋭敏な予測因子および特異的な予測因子の両方である十分な数のマーカーを選択する見込みがより高い。更に、これらのゲノム変化はそれ自体、薬剤、放射線、または別の療法による処置の影響を受けやすいことから、ゲノム変化は、中間エンドポイント、例えばアンドロゲン感受性および放射線への応答を評価するための基準を提供する可能性がある。最終的に、コピー数変化は、前立腺以外の癌用を含む個別のテーラーメイド療法の開発を導く可能性がある。
診断キット
更に、本明細書に記載した方法を行うための診断キットを本明細書に開示する。キットは、任意の、および全ての試薬、例えば前述の1個またはそれ以上の転移シグネチャー遺伝子に結合する核酸プローブならびに別のアッセイ試薬を含むことができる。核酸プローブを固体支持体、例えばマイクロアレイ・スライド上に設けることができる。キットはまた、別の物質、例えば前記方法を行うための指示書またはプロトコールを含むことができ、指示書およびプロトコールを電子版で、例えばコンパクト・ディスク上等に設けることができる。
本明細書は、如何なる意味においても限定的に解釈してはならない以下の実施例により更に説明される。全ての引用された参照(この出願中に引用された文献参照、交付済み特許および公開された特許出願を含む)の内容は、参照により明示的に組み入れる。
[実施例1]
本実施例には、予測転移モデルを開発するために用いる方法およびサンプルの起源を記載した。
予測バイオマーカー
予測転移モデルを開発するための方法として、前立腺癌におけるコピー数変化(CNA)の解析を選択した。この癌はCNAに起因する多数のゲノム不均衡を持っていることが知られていた(Beroukhim他、Nature 463(7283):899〜905頁(2010);Sun他、Prostate 67(7):692〜700頁(2007))。CNAの高分解能測定値は、場合によっては癌細胞中の正常な、変異した、またはハイブリッド融合した転写産物およびタンパク質の量の変化の直接的証拠を提供する有益な値を有していた。結果として生じるRNA転写産物およびタンパク質は、細胞の適応度に影響を与える可能性があり、ならびに移動、浸潤および成長に必要な機序をもたらす可能性があった。原発性腫瘍が転移に進行する見込みを予測するために、腫瘍中で同定した多数のCNAから、CNAに基づく遺伝子シグネチャーを開発した。
サンプル、コホートおよびデータ
表1にまとめたように、4個の公的に入手可能な前立腺癌コホートおよび本明細書で報告した5番目のコホート(GSE27105)を研究した:1)NYU医科大学(NYU、n=29)、Baylor医科大学(Baylor、n=20、Castro他、Neoplasia 11(3):305〜12頁(2009))、Memorial Sloan−Kettering癌センター(MSK、n=181、Taylor他、Cancer Cell 18(1):11〜22頁(2010))およびStanford大学(SU、n=64(各腫瘍の参照に用いる唯一の正常組織)、LaPointe他、Cancer Res 67(18):8504〜10頁(2007))からの294個の原発性腫瘍および対応する正常組織のサンプル;2)Johns Hopkins医科大学(Hopkins、n=13、Liu他、Nat Med 15(5):559〜65頁(2009))およびMSK(n=36、Taylor他、上記参照)からの49個の転移性腫瘍および対応する正常サンプル。正常な前立腺組織および腫瘍組織(NYU)をCooperative Prostate Cancer Tissue Resourceから得た(表2)。4個の公的に入手可能なコホート(Castro他、上記参照;Taylor他、上記参照;LaPointe他、上記参照;Liu他、上記参照)の配列データをGene Expression Omnibusからダウンロードした(Barrett他、Nucleic Acids Res 39(データベース号(Database issue)):D1005−10(2011))(GSE12702、GSE14996、GSE6469、GSE21035)。本明細書で開発した遺伝子シグネチャーおよび予測モデルが別の癌に応用可能であるかどうかを判定するために、様々な腫瘍起源の周知の細胞株コホートをArrayExpress databaseから得た(Parkinson他、Nucleic Acids Res 39(データベース号):D1002−4)(E−MTAB−38)。
サンプルの処理(NYUコホート)
Gentra DNA抽出キット(Qiagen)を使用してゲノムDNA(gDNA)を抽出した。精製したgDNAを、希釈したTE緩衝液(10mMのトリス、0.1mMのEDTA、pH8.0)中で水和した。NanoDrop(商標)2000分光光度計を使用し、260nmの波長の光学密度(OD)でgDNA濃度を測定した。タンパク質および有機混入物を280nmおよび230nmのODでそれぞれ測定した。次いで、品質管理閾値を超えるサンプルを1%アガロース・ゲルで泳動してgDNAの完全性を評価した。Rockefeller University Genomics Resource Centerにおいて、標準操作手順書を使用し、AffymetrixヒトSNPアレイ6.0でgDNAサンプル500ngを泳動した。Birdseed v2.0ソフトウェアを使用してシグナル強度データ(.celファイル)を処理した(Korn他、Nat Genet 40(10):1253〜60頁(2008))。
研究デザイン
本研究における症例のサンプルは、転移性腫瘍(METS)、または根治的前立腺摘除術で治療した男性の、後に遠隔転移の形成に進行した原発性腫瘍(mPT)であった。METSおよびmPTは明瞭に認識可能な表現型であり、この表現型を症例として確実に分類することができた。対照のサンプルを、根治的前立腺摘除術後に遠隔転移の形成に進行しなかった原発性腫瘍として定義した。転移しないであろう不活性の原発性腫瘍(iPT)および治療しないまま放置すると通常であれば転移の形成に進行するであろう原発性腫瘍の両方が根治的前立腺摘除術で治療されると仮定すると、対照の原発性腫瘍は、実際にはiPTおよび現実化していないmPTの混合を示していただろう。コホートをランダムにサンプリングしたと仮定して、原発性腫瘍の対照群の約30%が現実化していないmPTであるだろうと予期した。本明細書で開発した方法は、サンプルが転移に起因するものであるかどうかの事前情報のみを必要としており、該方法を混合表現型の交絡要因に対して頑健であるように設計した。
転移予測モデルの統計
実施例2に記載したように、転移能スコア(MPS)を算出するために、より高いスコアがより大きな転移の見込みを示す重み付きZスコア・アルゴリズムを開発した。交差検証試験によって即時モデル(instant model)の予測力を評価した。4個のコホートの組合せを使用して2個の予測モデルを訓練した。NYU(n=29)およびBaylor(n=20)からの臨床転帰が不明な49個の原発性腫瘍、ならびにHopkins(n=13)からの転移コホートを使用して第1のモデルを訓練した。一連の転移性腫瘍(n=36)に加えて転帰が不明な原発性腫瘍(n=126)のMSKコホートの75%を使用して第2のモデルを訓練した。これら2個のモデルから得られる遺伝子シグネチャーおよびMPSスコアをロジスティック回帰モデルに適合させるために組み合わせるとともに、真実のmPT(後に遠隔転移に発展した原発性腫瘍)およびどちらのモデルの訓練にも使用しなかったMSKコホートからの25%の対照腫瘍のランダムサンプルの予測に使用した。受信者動作特性曲線下面積およびKaplan−Meierの無転移生存により予測精度を測定した。
[実施例2]
本実施例には、転移能の臨床的リスク・モデルを開発するための解析パイプラインを記載した。
4つの主要な工程で構成されているR統計ソフトウェア1を使用して解析パイプラインを開発した:
工程1において、各腫瘍ゲノムに関するコピー数の増幅および欠失現象を呼び出した。腫瘍ゲノムのシグナル強度プロファイルを対応する正常なゲノム強度プロファイルから参照することにより(引くことにより)、各腫瘍に関するコピー数プロファイルを得た。アレイでアッセイした各ゲノム位置に関して、各サンプルのコピー数プロファイルを−1、0または1(欠失、事象無し、または増幅)のように数値的に示した。概要転移プロファイル(高頻度の事象を指標化する)も作成し、ここで−1および1は、転移コホートの25%超で観察される欠失および増幅をそれぞれ示した。
工程2において、ブートストラップ・クラスタリング法を用いて、未知の原発性腫瘍のための初期グループ分けを開発した。転移サンプルに関する概要コピー数プロファイルを未知の原発性腫瘍からの個々のプロファイルと組み合わせ、階層クラスタリング(2値距離メトリック(binary distance metric)法および完全なクラスタリング法)を使用して処理した。各ブートストラップ反復に関して、原発性腫瘍のサブセットを置換によりサンプリングし、転移プロファイルと同じクラスター内であった場合には1と点数化し、別のクラスター内であった場合には0と点数化した。クラスタリングでの20,000回の反復の結果を使用して、転移プロファイルを有するクラスターに入った回数を示す類似度スコアを各サンプルに関して生成した。スコアが高いサンプルは、より転移性である(mPT)と考えられたが、より低いスコアの腫瘍は、より不活性であった(iPT)。値の可能な範囲(0〜1)全体にわたって類似度スコアが分布し、高い転移距離および低い転移距離の間に顕著な対比を有する腫瘍の明瞭な群を形成することが可能になった。
工程3において、これらmPTおよびiPTの対比群を使用して、プローブ毎にコピー数の量的差異を評価した。アレイ上の各プローブに関して、各下位群(転移、mPTおよびiPT)で観察される、欠失に対する増幅の相対量を示すエンリッチメント・スコアE(x)を算出した。
Figure 0006181638
次に、転移およびmPTのコピー数変化をiPT群で観察されるものと対比することにより、相対的エンリッチメントをモデル化した。
Figure 0006181638
METSおよびmPTのサンプルが欠失に比べて多く増幅していた場合により高いスコアを割り当てるために、合計される最初の2つのエンリッチメント項を設計した。METSおよびmPTにおける増幅エンリッチメントがより大きくなることにより、より高いスコアを得た。3番目の項は、iPTのサンプルが逆の結果(増幅を超える欠失に関するエンリッチメント)を示す場合により高かった。中央の項に、プローブ毎にmPTの平均寄与度を示すデータ駆動係数(data−driven coefficient)qを乗じた。例えば、全ての転移およびmPTで増幅したが全てのiPTで欠失したプローブは、最も高い可能なスコアを得たであろう。同様に、全ての転移およびmPTのサンプルで欠失したが全てのiPTのサンプルで増幅したプローブも、この最大の可能なスコアに達したであろう。次に、プローブのスコアを遺伝子毎に集計してZスコアを算出することにより、残余のゲノムと比較して各遺伝子のスコアを評価した。
各遺伝子に関して複数のZスコアがある場合には(表6参照)、3個のシグネチャーの生成に使用した様々なコホートに対応していた。したがって、各個体は3個の異なるMPSを有するはずであった。下記の順位法の改変を使用して各シグネチャーに関して3個のMPSを組み合わせることにより、最終のMPS(表6に示す)を算出した。
Z調整では、上記3つの工程から得られる各遺伝子のZスコアを、ロジスティック分布に適合するように以下の標準関数により変換した:
Figure 0006181638
この変換の目的は、MPS全体に関する個々の遺伝子のZスコアの影響を最小化する(スコアを異常値に対して頑健にする)ことであった。
最後に、工程4において、局所的な前立腺癌が遠隔転移を形成する能力を有するかどうかを予測するために、それらの選択モデルZスコアの有意性により決定したゲノム領域に重複するCNAの上位のセットのシグネチャーに基づいて、重み付きZスコアのリスク・モデルを開発した。カットオフ・ポイントとして、有意な遺伝子(Z≧1.7)を工程3から使用した。転移予測リスク・モデル・スコアを以下のように定義した:
Figure 0006181638
各腫瘍プロファイルに関して、転移シグネチャーと対応する遺伝子(i〜n)からのロジスティック補正Zスコア(Z調整)を足し、シグネチャーと一致しない遺伝子からのを引いた。リスク・モデル・スコア(Dir)の方向成分が示すように、シグネチャーのCNAおよびサンプルのCNAが同じ方向にある場合には、係数は1になり;それらが反対方向にある場合には、係数は−1になり;Dirサンプル(i)=0の場合には、スコアに関して全ての項がカウントされないはずであった。例えば、通常は転移において増幅され、未知のプロファイルにおいてmPTも増幅される遺伝子iの場合、そのZスコアは足されたが、プロファイルにおいて遺伝子iが欠失する場合、iPTにおいて予期したようにZスコアは引かれた。このモデルでは、未知のプロファイルにおいて増幅も欠失もしない中立遺伝子を点数化しなかった。
[実施例3]
本実施例には、実施例1〜2に記載したように開発した予測転移モデルにより得た結果を記載した。
転移能スコア分布
対照の原発性腫瘍と比較して、転移(P=1.03E−18)およびmPT(P=0.005)の群に関して転移能スコアの有意な差異を観察した(図1および表3)。リンパ節陽性原発性腫瘍(MSK(n=9)およびSU(n=9)コホートから得られる)の転移能スコアは、遠隔転移を予測するための、この臨床的パラメータの限界能力を示す対照の腫瘍群(PMSK=0.23、PSU=0.19、P組合せ=0.08)とは有意に異なっていなかった(BOORJIAN他、Journal of Urology 178(3Pt1):864〜70頁;考察70−1(2007))。対照コホートはmPTの一部を含有するという発明者らの仮定と一致するように、それらの転移能スコアは、この場合の範囲と重複した。更に、経過観察の80ヶ月後に生化学的に再発しなかった(PSAにより測定した)対照の原発性腫瘍(図1においてXで示す)は、転移能スコアと相関していなかった。別の癌のタイプが前立腺癌で観察されるのと類似のCNAの転移の全体像を示すかどうかを判定するために、337個の癌細胞株に関して転移能スコアを算出した。低リスクの前立腺の原発性腫瘍と重複する全体的分布を観察した(図1)。しかしながら、337個の細胞株の内の22個は、MPSによって順位付けした、前立腺の原発性腫瘍および転移の75パーセンタイルよりも上に現れた。これらの細胞株は、肺(n=10)、***(n=3)、結腸(n=2)および黒色腫(n=2)の腫瘍を起源とした。22個の細胞株のこの群における別のシングルトンは、甲状腺、直腸、咽頭、膵臓および腎臓を起源とした(表4)
交差検証および生存期間解析
モデル(n=13mPTおよびn=39対照の原発性腫瘍)の訓練に使用しなかった、原発性腫瘍(n=52)のサブセットを予測する交差検証解析では、受信者動作特性曲線(ROC−AUC、図2、左側のグラフ)下面積により測定したところ80.5%の精度となった。対照の原発性腫瘍が、治療したmPTおよびiPTの混合物であったことを考慮して、適合の品質は過小評価されていると思われた。無転移生存(図2、右側のグラフ)の臨床的エンドポイントを有するKaplan−Meier解析への即時予測の適用により、(転移能スコアに基づく)コホートの半分の低リスクは、半分の高リスクと比較して有意に分離した(P=0.014)。転移能スコアの1点の増加は、転移への進行に関する6.3のオッズ比に相当した(P=0.01)。
バイオマーカーの機能的有意性
解析により同定した、上位に順位付けられている転移遺伝子の多くは、核および細胞外基質構造の変化、ならびに代謝のプロセス特性、例えば運動性、浸潤およびアノイキスの回避を高める代謝改変に関わる分子機能を有していた。全ての前立腺腫瘍に関するシグネチャー遺伝子のCNA事象についてのヒート・マップは、高リスクの腫瘍および低リスクの腫瘍を対比する、様々な高頻度の増幅事象対欠失事象に至る経路を示唆していた。相対的に少ない遺伝子事象を有する中間のリスク領域は、一方は転移に至るとともに他方は不活性状態に至る、その後のコピー数変化の2つの代替経路の開始点を示した可能性がある。不活性な腫瘍におけるこの「抗転移」事象の固定化は、長期間の待機療法にもかかわらず、なぜ不活性な腫瘍が転移しないかを説明することができた。
予測シグネチャーが得られるこれらの増幅または欠失領域内の遺伝子の多くは、前立腺癌の転移において役割を果たすことが既に示されていた。上位の予測遺伝子の1つ、染色体16q24.2で欠失している溶質担体ファミリーSLC7A5遺伝子は、多発性癌に関与している中性アミノ酸輸送タンパク質(LAT1)をコードしており(前立腺(Sakata他、Pathol Int 59(1):7〜18頁(2009))、***(Kaira他、Cancer Science 99(12):2380〜6頁(2008))、卵巣(Kaji他、International Journal of Gynecol Cancer 20(3):329〜36頁(2010))、肺(Imai他、Histopathology 54(7):804〜13頁(2009))および脳(Kobayashi他、Neurosurgery 62(2):493〜503頁;考察−4(2008)))、ならびに診断(Bartlett他、Breast Cancer Research 12(4):R47頁(2010);Ring他、Mod Pathol 22(8):1032〜43頁(2009);Ring他、Journal of Clinical Oncology 24(19):3039〜47頁(2006))、細胞株における薬剤標的(Fan他、Biochem Pharmacol 80(6):811〜8頁(2010);Yamauchi他、Cancer Letter 276(1):95〜101頁(2009);Kim他、Biol Pharm Bull 31(6):1096〜100頁(2008))、および臨床前動物モデル(Oda他、Cancer Science 101(1):173〜9頁(2010))としての有用性を有していることが示されていた。LAT1の通常の機能は、細胞のアミノ酸濃度、即ちL−グルタミン(流出)およびL−ロイシン(流入)を調節することであった。LAT1の活性の低下はL−グルタミンの濃度上昇をもたらし、これによりmTOR活性が構造的に刺激され(Nicklin他、Cell 136(3):521〜34頁(2009))、グルタミン類似体の使用を介したグルタミン利用を標的にして細胞内およびin vivoマウス・モデルにおける腫瘍の成長および転移が著しく抑えられることが示されていた(Shelton他、International Journal of Cancer 127(10):2478〜85頁)。5個の別の溶質担体スーパファミリー・メンバー(SLC7A2、SLC9A9、SLC26A7、SLC39A14およびSLCO5A1)は、本明細書に開示したモデルにおいて転移能を予測した。生化学的に再発した男性と根治的前立腺摘除術で治療した男性の転移した前立腺の原発性腫瘍とを比較して、コリン輸送体をコードする(Michel他、Faseb J 23(8):2749〜58頁(2009))9番目のSLC遺伝子SLC44A1を17個の遺伝子発現シグネチャーの一部として同定したが転移しなかった(Nakagawa
他、上記参照)。
シグネチャー遺伝子の2番目のセットは、カルシウム依存性細胞接着糖タンパク質をコードする6個のCadherinファミリー・メンバー(CDH2、CDH8、CDH13、CDH15、CDH17およびPCDH9)を含んでいた。Cadherinファミリー・タンパク質の多くは、転移進行に関連する推定機能を有しており(Yilmaz他、Mol Cancer Res 8(5):629〜42頁、2010)、診断パネルに含まれていた(Celebiler他、Cancer Sci 100(12):2341〜5頁(2009);Lu他、PLoS Med 3(12):e467頁(2006))。CDH2を標的とするモノクローナル抗体治療の最近の研究では、アンドロゲン非依存性の前立腺癌の異種移植モデルにおける前立腺癌の成長および転移が阻害されていた(Tanaka他、Nat Med (2010)16:1414〜20頁)。
転移能に寄与すると予測される6個の遺伝子の3番目のセットは、カリウム・チャネルKCNB2、KCNQ3、KCNAB1、KCTD8、KCTD9およびKCNH4であった。8q13から8q24の間の高増幅領域に存在する3つの別のカリウム・チャネル(KCNS2、KCNV1およびKCNK9)は発明者らの解析において高く順位付けられていなかったが、弱い効果または修飾因子効果を有した可能性がある。カリウム・チャネル転写の阻害を通して、推定癌遺伝子BCL−2により、高レベルの細胞質のカリウム・イオン濃度が維持された。この高レベルにより、膜破壊の特徴的なミトコンドリアのアポトーシス・カスケード、およびその後のシトクロムC、カスパーゼの放出、ならびに細胞成分のヌクレアーゼ分解に必要な前駆体が阻害されることが示されていた(Ekhterae他、American Journal of Physiol Cell Physiol 2001;281(1):C157〜65頁(2001))。更に、別の研究は、カリウム・チャネルKCNMA1(10q22.3)の高頻度メチル化状態(hyper−methylation status)は前立腺癌の再発を予測するのに役立つことを示していた(Vanaja他、Cancer Invest 27(5):549〜60頁(2009))。前立腺癌細胞株LNCaP(低転移能)およびPC3(高転移能)における電位依存性カリウム・チャネルの活性は著しく異なっていることが観察された(Laniado他、Prostate 46(4):262〜74頁(2001))。山のような証拠もカリウム・チャネルの関与および乳癌細胞の移動で観察されていた(Zhang他、Sheng Li Xue Bao 61(1):15〜20頁(2009))。
予測モデルで使用した転移シグネチャー遺伝子の完全なセット(n=368、表6)は機能の様々なサブセットを表し、各腫瘍が転移に進行するのに必要な固有のプロファイルを明らかにした。
[実施例4]
予測可能性に基づく転移遺伝子の順位付け
368個の転移遺伝子の完全なセットから得た転移能スコアでは、実施例1〜3に記載のコホートにおいてAUC=81%の予測精度になった。この予測に寄与する遺伝子の階層を決めるために、368個の遺伝子からのサブセットの遺伝子(n)をランダムにサンプリングすることにより、いくつかのシミュレーション(K)を行った(n=20、40、50、80、100)。この方法は、予測精度(AUC=81%)を最大化し、遺伝子のランダムにサンプリングしたサブセットの任意のランダム反復に対する368個の遺伝子からのMPSスコア間の回帰係数も最大化する遺伝子を同定しようとした。例えば、368個の遺伝子シグネチャー由来のMPSと比較して予測精度=81%およびr2=1.0を達成する20個の遺伝子のランダム・サブセットは、理論的に最良の性能を得たであろう(図3)。
5つのシミュレーションに関する遺伝子の順位付けを確定した時点で、ノンパラトメトリック順位付け法を使用して、K回の解析にわたる順位G位を評価した(Breitling他、FEBS Lett 573:83〜92頁(2004)):
Figure 0006181638
k回の解析にわたる各Gの順位の単純平均の改良として、この方法を選択した。なぜならば、別の解析における順位に関係なく解析の内の何れか1つにおいて高順位を有することにより重点をおいていたからである。順位の積分についてのこのモデルは、例えば2つの異なる解析において100位に順位付けた遺伝子に比べて、それぞれで1位および100位に順位付けた遺伝子に重みを与えた。
本方法の性能を評価するために、拡張ウィンドウを使用して、遺伝子の順位化した複合的な階層を評価した。最小の12個の遺伝子から始めて反復毎に1個の遺伝子を加え、AUCおよびr2を算出した。図4の結果は、AUCは約80個の遺伝子で頭打ちとなり、最適なAUC約0.81およびr2>0.95を得ることを示した。具体的には、上位12個、20個、40個、80個および100個の遺伝子に関する結果を表5に示した。
368個の遺伝子の順位を表6に示した。
[実施例5]
患者への予測の報告
Cox比例ハザード比モデルにより評価した前立腺癌の転移能スコアは、無転移の確率を決定するための根拠を提供した。図5(左側の区画、ROC曲線)において、全ての真陽性(即ち、転移に進行するであろう男性)を同定するために、(ROC曲線のY軸上の100%または1.0における)発明者らの感度を最大にする保守的な閾値を選択した。この高リスク群内において偽陽性率(通常であれば転移に発展しなかったであろう男性)は59%であり、このことにより、低リスクの前立腺癌である何人かの男性が積極的に治療されることになったであろう。しかしながら、現在では男性の100%が積極的に治療されており、そのため、本明細書の保守的な閾値は男性の31%が積極的な治療を免れることを可能にしただろう。
この保守的な閾値をCox比例ハザード・モデルのKaplan−Meier解析(図5、右側の区画)に適用することにより、様々な時間間隔で無転移生存の低リスクおよび高リスクの確率を得た。したがって、このモデルに関して、低リスクであると指定された男性が10年以内に転移に発展する機会は非常に低かった(<5%)であろう。一方、高リスクであると指定されることにより、60ヶ月以内に転移に進行する機会は40%になり、10年以内に転移に進行する機会は>90%になった。
比較として、FDAが認可した乳癌の遺伝性発現シグネチャー診断「マンマプリント(MammaPrint)」は、そのリスク報告戦略を開発するために、類似のCox比例ハザード解析を使用した(Bogarts他、Nat Clin Pract Oncol 3:540〜51頁、2006)。現在、FDA低リスク割り当てでは10年以内に転移性疾患に進行する機会は10%であり、高リスク割り当てでは10年以内に進行する機会は29%であった。
[実施例6]
Dukeコホートによる検証
発明者らの転移シグネチャーおよび転移能スコア(MPS)予測モデルの妥当性を評価するために、発明者らは、Duke大学病院にて根治的前立腺摘除術で治療した30人の男性から原発性前立腺癌腫瘍の後ろ向きコホートおよび対応する正常な組織を集めた(Dukeコホート)。保存されたホルマリン固定パラフィン包埋(ffpe)したブロックから癌組織を得た。5ミクロンのH&E染色切片を得るために各ブロックを病理学者が処理し、腫瘍内容物に関して評価した。Qiagen ffpe gDNAカラム抽出キットを使用してゲノムDNA(gDNA)を抽出した。サンプルをカリフォルニア州サンタ・クララにあるAffymetrix Service Centerに送付し、ffpe保存組織から抽出したgDNAサンプル用に特別に開発したOncoscan(商標)V2 SNPアレイ上を泳動させた。アレイは約30万個のプローブを有しており(表7参照)、その大部分は別のアレイ・プラットホームにより既に開発された遺伝子シグネチャーと重複した。
根治的前立腺摘除術後に転移した原発性腫瘍(mPT、n=13)、遠隔転移に発展しなかった高リスク腫瘍群(hiPT、n=8)および遠隔転移に発展しなかった低リスク腫瘍群(iPT、n=7)によりDukeコホートを構成した。患者が生化学的に再発を経験するかどうか、ならびに手術後に補助放射線および/またはホルモン療法を受けるかどうかに基づいて、hiPT/iPT群の高リスク指定を割り当てた。
Dukeコホートに関してMPSスコアを算出し(図6)、MPSスコアは、mPT、iPTおよびhiPTに関して予測したように分布することを示した。DukeコホートmPtおよびiPtのみに適用した受信者動作特性−曲線下面積解析(ROC−AUC)により、精度が0.91になった。DukeコホートmPtおよびiPtをmsk検証セット(前述した)とともにプールし、ROC−AUCにより測定した精度が0.77になった(図7)。
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Claims (25)

  1. 前立腺癌である、または前立腺癌であったヒト対象での前立腺癌の転移のリスクを決定する方法であって、
    (a)以下のメンバー:PPP3CCゲノム領域、SLCO5A1ゲノム領域、SLC7A5ゲノム領域、SLC7A2ゲノム領域、CRISPLD2ゲノム領域、CDH13遺伝子、CDH8遺伝子、CDH2遺伝子、ASAH1ゲノム領域、KCNB2ゲノム領域、KCNH4ゲノム領域、CTD8遺伝子、JPH1ゲノム領域、およびMESTゲノム領域、NCALDゲノム領域、COL19A1遺伝子、MAP3K7ゲノム領域、YWHAG遺伝子、NOL4ゲノム領域およびENOX1遺伝子からなる転移遺伝子シグネチャー・セットの少なくとも12個のメンバーの細胞当たりのコピー数を決定する工程であって、ヒト対象からのサンプルに対して核酸ハイブリダイゼーションを行うことを含む、上記工程、
    (b)非癌性の細胞での細胞当たりのコピー数と比較して、少なくとも12個のメンバーのそれぞれに関する細胞当たりのコピー数の変化を決定する工程、ならびに
    (c)工程(b)で決定したコピー数変化(CNA)に基づいて前立腺癌転移のリスクを決定する工程、
    を含み、
    ただし、医師の行為を含まない、上記方法。
  2. 少なくとも12個のメンバーは、PPP3CCゲノム領域、SLCO5A1ゲノム領域、SLC7A5ゲノム領域、SLC7A2ゲノム領域、CRISPLD2ゲノム領域、CDH13遺伝子、CDH8遺伝子、CDH2遺伝子、ASAH1ゲノム領域、KCNB2ゲノム領域、KCNH4ゲノム領域およびCTD8遺伝子を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも12個のメンバーは、前記転移遺伝子シグネチャー・セットのメンバーの全てを含む、請求項1に記載の方法。
  4. SLCO5A1ゲノム領域、KCNB2ゲノム領域、KCNH4ゲノム領域、JPH1ゲノム領域、NCALDゲノム領域またはYWHAG遺伝子の何れかに関する細胞当たりのコピー数の増加は前立腺癌転移のリスクの増加と相関し;PPP3CCゲノム領域、S
    LC7A5ゲノム領域、SLC7A2ゲノム領域、CRISPLD2ゲノム領域、CDH13遺伝子、CDH8遺伝子、CDH2遺伝子、ASAH1ゲノム領域、CTD8遺伝子、MESTゲノム領域、COL19A1遺伝子、MAP3K7ゲノム領域、NOL4ゲノム領域またはENOX1遺伝子の何れかに関する細胞当たりのコピー数の減少は前立腺癌転移のリスクの増加と相関する、請求項1またはに記載の方法。
  5. PPP3CCゲノム領域は、遺伝子PPP3CC、KIAA1967、BIN3、SORBS3、PDLIM2、RHOBTB2、SLC39A14、EGR3およびC8orf58を含む、請求項1に記載の方法。
  6. SLCO5A1ゲノム領域は、遺伝子SLCO5A1、SULF1、NCOA2、CPA6、C8orf34、PRDM14およびPREX2を含む、請求項1に記載の方法。
  7. SLC7A5ゲノム領域は、遺伝子SLC7A5、CA5A、BANP、KLHDC4、CYBA、JPH3、ZFPM1、SNAI3、ZC3H18、MVD、IL17C、C16orf85およびRNF166を含む、請求項1に記載の方法。
  8. SLC7A2ゲノム領域は、遺伝子SLC7A2、MTMR7およびMUTS1を含む、請求項1に記載の方法。
  9. CRISPLD2ゲノム領域は、遺伝子CRISPLD2、ZDHHC7、KIAA0513、KLHL36およびUSP10を含む、請求項1に記載の方法。
  10. ASAH1ゲノム領域は、遺伝子ASAH1およびPCM1を含む、請求項1に記載の方法。
  11. KCNB2ゲノム領域は、遺伝子KCNB2、EYA1、XKR9およびTRPA1を含む、請求項1に記載の方法。
  12. KCNH4ゲノム領域は、遺伝子KCNH4、RAB5C、DHX58、KAT2AおよびHSPB9を含む、請求項1に記載の方法。
  13. JPH1ゲノム領域は、遺伝子JPH1、HNF4G、CRISPLD1、PI15およびGDAP1を含む、請求項1に記載の方法。
  14. MESTゲノム領域は、遺伝子MEST、COPG2、CPA5、CPA2、CPA1、CPA4およびTSGA14を含む、請求項1に記載の方法。
  15. NCALDゲノム領域は、遺伝子NCALD、ZNF706、GRHL2およびYWHAZを含む、請求項1に記載の方法。
  16. MAP3K7ゲノム領域は、遺伝子MAP3K7およびEPHA7を含む、請求項1に記載の方法。
  17. NOL4ゲノム領域は、遺伝子NOL4およびDTNAを含む、請求項1に記載の方法。
  18. 表6に列挙した少なくとも1個の追加のメンバーの細胞当たりのコピー数を決定することを更に含む、請求項に記載の方法。
  19. 前記少なくとも1個の追加のメンバーは、表6に列挙した20個のメンバーを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記20個のメンバーは、表6中の21〜40に順位付けられたメンバーである、請求項19に記載の方法。
  21. サンプル中に存在するゲノムDNAのメンバーとハイブリダイズする核酸プローブを使用して、メンバーのコピー数を決定する、請求項1に記載の方法。
  22. アレイフォーマットでハイブリダイゼーションを行う、請求項21に記載の方法。
  23. 転移能スコア:
    Figure 0006181638
    (式中、転移シグネチャー・セットの各遺伝子に関するロジスティック調整Zスコア(Z調整)は表6に記載されており、シグネチャーおよびサンプルのCNAが同じ方向にある場合には、係数(Dir)は1になり;それらが反対方向にある場合には、係数は−1になり;遺伝子に関してコピー数の変化が検出されない場合には、その遺伝子に関する係数=0)の算出;ならびにスコアの増加が転移のリスクの増加と相関する転移能スコアと対照値との比較に基づいてリスクを決定する、請求項に記載の方法。
  24. 前立腺癌である、または前立腺癌であったヒト対象での前立腺癌の転移のリスクを決定するためのキットであって、PPP3CCゲノム領域、SLCO5A1ゲノム領域、SLC7A5ゲノム領域、SLC7A2ゲノム領域、CRISPLD2ゲノム領域、CDH13遺伝子、CDH8遺伝子、CDH2遺伝子、ASAH1ゲノム領域、KCNB2ゲノム領域、KCNH4ゲノム領域、CTD8遺伝子、JPH1ゲノム領域、MESTゲノム領域、NCALDゲノム領域、COL19A1遺伝子、MAP3K7ゲノム領域、YWHAG遺伝子、NOL4ゲノム領域およびENOX1遺伝子からなる転移遺伝子シグネチャー・セットの少なくとも12個のメンバーと特異的にハイブリダイズする複数の核酸プローブを含む、上記キット。
  25. 前記転移遺伝子シグネチャー・セットの20個のメンバーの全てと特異的にハイブリダイズする複数の核酸プローブを含む、請求項24に記載のキット。
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