JP6180756B2 - 直火型熱交換器一体バーナー - Google Patents

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Description

本発明は、熱効率が良好な直火型熱交換器一体バーナーに関するものである。
例えば、鋼帯等の被加熱物を加熱するための加熱炉において、加熱源として天然ガス、ＬＮＧなどを燃料として使用するバーナーによる直火式加熱方式が広く採用されている。このような直火型加熱炉においては、被加熱物を挟む対向した炉壁に蓄熱式の直火型バーナー（例えば、特許文献１参照。）を配置して一方の直火型バーナーを燃焼させている際に対向する他方の直火型バーナーから吸引したり、炉壁に沿って配列した蓄熱式の直火型バーナーの一方の直火型バーナーを燃焼させている際に隣接する他方の直火型バーナーから吸引したりする方式（例えば、特許文献２参照。）が広く採用されている。
このような蓄熱式の直火型バーナーは、特許文献１に開示されているように、炉内の燃焼ガスを吸引して蓄熱する蓄熱ユニットが設けられている構造であるが、燃料の燃焼と炉内の燃焼ガスの吸引による蓄熱とを交互に行うものであるので燃料を燃焼させる際の燃焼用空気の加熱効率に限度があると共に、直火型バーナーの運転制御を断続的に行わなければならないために複雑な制御装置を必要とする欠点があった。
更に、この蓄熱式の直火型バーナーを設置した直火型加熱炉では、直火型バーナーの運転を断続的に行うものであるためにバーナー数が２倍となり、設備費が高くなるという欠点もあった。
特開平６−１９３８２３号公報 特開２００２−５４３２号公報
そこで本発明は、従来の蓄熱式の直火型バーナーを設置した直火型加熱炉のように直火型バーナーを断続的に燃料の燃焼と炉内燃焼ガスの吸引を行わなくても、燃焼用空気の予熱温度を効率的に上昇させて連続運転が可能で熱効率が良好な直火型熱交換器一体バーナーを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、炉壁を貫通して固定される直火型熱交換器一体バーナーを
流体燃料が供給される流体燃料供給管が挿入貫通される貫通孔を中央に有し、両端に燃焼用空気が通過する通気孔が穿設されているフランジ状部が設けられており、両端のフランジ状部間に一方の通気孔から他方の通気孔に燃焼用空気を導くための中央の貫通孔を構成する管状部の外壁に設けられた２枚で一組の螺旋板状の側壁とこの螺旋板状の側壁の前記管状部の反対側を連結封鎖する封鎖壁で囲まれた通気室が軸方向に隣接する通気室側壁間に間隙を設けて形成されており炉内側のフランジ状部の炉内側にはノズルが取り付けられており、炉外側のフランジ状部の炉外側には炉外側のフランジ状部を炉内側に押圧するスプリングが内蔵されている燃焼用空気の流入用空間を形成する空気室形成用ハウジングが設けられているシリコンカーバイト製の螺旋形状熱交換器の軸方向の外周には炉内側の先端部の炉内ガス吸引部を除いて外筒が固定されており、この外筒の炉外側に炉内ガス排出口が設けられている構造の炉壁を貫通して固定され、螺旋形状熱交換器の貫通孔と流体燃料供給管の外面との間隙を空気室形成用ハウジングとの境界部で封鎖する截頭円錐形体が、流体燃料供給管の外面に固定されている構成とすればよいことを究明して、本発明を完成したのである。
そして、螺旋形状熱交換器が、両端のフランジ状部に穿設されている燃焼用空気が通過する通気孔が複数で且つ両端のフランジ状部間の燃焼用空気を螺旋状に導く通気室も複数になる多条ネジ状であると、螺旋のピッチが長くなるため空気室内の燃焼用空気の流動抵抗が小さくなるので好ましいことや、流体燃料供給管が、炉内での流体燃料の燃焼状態の覗き穴を成していたり、炉内での流体燃料の燃焼状態を検知する炎検知器の挿通する挿通穴又はスパークプラグを挿通する挿通穴を兼用していると好ましいことや、螺旋形状熱交換器の貫通孔と流体燃料供給管の外面との間隙を空気室形成用ハウジングとの境界部で封鎖する截頭円錐形体が流体燃料供給管の外面に固定されていると、流体燃料供給管を炉外側に移動させることによって螺旋形状熱交換器の貫通孔と流体燃料供給管との間の空間からも炉内へ燃焼用空気を更に送り込むことができて好ましいこと
も究明したのである。
本発明に係る直火型熱交換器一体バーナーは、燃焼用空気を２枚で一組の螺旋板状の側壁間に形成した螺旋状の通気室を経て炉内方向に導く耐熱性が優れ且つ高熱伝導率を有するシリコンカーバイト製の螺旋形状熱交換器の螺旋状の通気室の外面を燃焼用空気の流動方向と逆方向に吸引されて流動する炉内燃焼ガスで加熱することによって、燃焼用空気温度を効率良く高温に上昇させることができ、従来の蓄熱式の直火型バーナーを設置した直火型加熱炉のようにバーナーを２台１組にして設置する必要もなく、設備費や工事費を大幅に削減することができるのである。
本発明に係る直火型熱交換器一体バーナーの外観説明図である。 本発明に係る直火型熱交換器一体バーナーの要部拡大断面説明図である。 本発明に係る直火型熱交換器一体バーナーに使用する螺旋形状熱交換器の形状を示す斜視図である。
以下、図面により本発明に係る直火型熱交換器一体バーナーについて説明する。
図面中、１は炉内Ｘから炉外Ｚに炉壁Ｙを貫通して設けられ、炉壁Ｙに固定されている外筒である。
２は流体燃料が供給される流体燃料供給管３が挿入貫通される貫通孔2aを中央に有し、両端に燃焼用空気が通過する通気孔2baが穿設されているフランジ状部2bが設けられており、両端のフランジ状部2b，2b間に一方の通気孔2baから他方の通気孔2baに燃焼用空気を導くための中央の貫通孔2aを構成する管状部2aaの外壁に設けられた２枚で一組の螺旋板状の側壁2ca，2caとこの螺旋板状の側壁2ca，2caの前記管状部2aaの反対側を連結封鎖する封鎖壁2cbで囲まれた通気室2cが軸方向に隣接する空気室側壁2ca間に間隙を設けて形成されているシリコンカーバイト製の螺旋形状熱交換器である。この螺旋形状熱交換器２は、炉内Ｘ側の先端部の炉内ガス吸引部８を除いてその軸方向の外周が外筒１に固定されている。
この螺旋形状熱交換器２は、両端のフランジ状部2b，2bに穿設されている燃焼用空気が通過する通気孔2baが複数で且つこれら両端のフランジ状部2b，2b間の燃焼用空気を螺旋状に導く通気室2cも複数になる多条ネジ状であると、螺旋のピッチが長くなるため空気室2c内の燃焼用空気の流動抵抗が小さくなるので好ましい。
５は螺旋形状熱交換器２の炉内Ｘ側のフランジ状部2bの炉内Ｘ側に取り付けられているノズルであり、螺旋形状熱交換器２の中央の貫通孔2aを挿入貫通された流体燃料供給管３に供給された流体燃料と螺旋形状熱交換器２の通気室2cを経て供給された燃焼用空気を混合して着火された燃焼ガスを炉内Ｘに噴出させるためのものである。。
６は螺旋形状熱交換器２の炉外Ｚ側のフランジ状部2bの炉外Ｚ側に設けられており、炉外Ｚ側のフランジ状部2bを炉内Ｘ側に押圧するスプリング４が内蔵されている燃焼用空気の流入用空間を形成する空気室形成用ハウジングであり、この空気室形成用ハウジング６に供給された燃焼用空気は、螺旋形状熱交換器２の炉外Ｚ側のフランジ状部2bの通気孔2baから通気室2cを経て炉内Ｘ側のフランジ状部2bの通気孔2baからノズル５内に供給される。なお、流体燃料供給管３の外面であって後述する空気室形成用ハウジング６との境界部でに螺旋形状熱交換器２の貫通孔2aと流体燃料供給管３の外面との間隙を封鎖する截頭円錐形体3aが流体燃料供給管３の外面に固定されていると、流体燃料供給管３を炉外Ｚ側に移動させることによって螺旋形状熱交換器２の貫通孔2aと流体燃料供給管３との間の空間からもノズル５内に燃焼用空気を更に送り込むことができるのである。
７は外筒１の炉外Ｚ側に設けられている炉内ガス排出口であり、炉内Ｘにおいて外筒１の炉内Ｘ側に露出している螺旋形状熱交換器２の外周である炉内ガス吸引部８から、通気室2cが軸方向に隣接する空気室側壁2ca間の間隙を螺旋状に旋回しながら炉外Ｚ側に炉内燃焼ガスを吸引して排出させるためのものである。
上記したような構造の本発明に係る直火型熱交換器一体バーナーにおいては、螺旋形状熱交換器２の炉外Ｚ側のフランジ状部2bの炉外Ｚ側に設けられている空気室形成用ハウジング６内に燃焼用空気を供給して螺旋形状熱交換器２の炉壁Ｙと反対側の端部のフランジ状部2bの通気孔2baから螺旋状の通気室2cを経て炉内Ｘ側のフランジ状部2bの通気孔2baからノズル５内に燃焼用空気を送り込むと共に、螺旋形状熱交換器２の中央の貫通孔2aに挿入貫通された流体燃料供給管３に流体燃料を供給して流体燃料供給管３の先端に取り付けたバーナ−部で流体燃料を着火して火炎をノズル５内で発生させて炉内Ｘに供給するのである。
この際、流体燃料供給管３が、炉内Ｘでの流体燃料の燃焼状態の覗き穴を成していたり、炉内Ｘでの流体燃料の燃焼状態を検知する炎検知器の挿通する挿通穴を兼用していたり、スパークプラグを挿通する挿通穴を兼用していたりすると、流体燃料の燃焼状態を把握できたり、流体燃料の着火を確実に行うことができるので好ましいのである。
かくしてノズル５内の火炎は炉内Ｘで被加熱物の直接加熱処理を行った後、炉内燃焼ガスは炉内Ｘにおいて外筒１の炉内Ｘ側に露出している螺旋形状熱交換器２の外周の炉内ガス吸引部８から、通気室2cが軸方向に隣接する空気室側壁2ca間の間隙を螺旋形状熱交換器２の通気室2cを流動する燃焼用空気と逆方向に螺旋状に旋回しながら螺旋形状熱交換器２の通気室2cを流動する燃焼用空気を加熱しながら炉外Ｚ側の炉内ガス排出口７へと吸引され排出されるのである。
この際、螺旋形状熱交換器２は耐熱性に優れ且つ熱伝導率が高いシリコンカーバイト製であるので、螺旋形状熱交換器２の温度は短時間で高温に加熱されて熱効率良く螺旋形状熱交換器２の通気室2cを流動する燃焼用空気を予熱することができるのである。
Ｘ 炉内
Ｙ 炉壁
Ｚ 炉外
１ 外筒
２ 螺旋形状熱交換器
2a 貫通孔
2aa 管状部
2b フランジ状部
2ba 通気孔
2c 通気室
2ca 螺旋板状の側壁
2cb 封鎖壁
３ 流体燃料供給管
3a 截頭円錐形体
４ スプリング
５ ノズル
６ 空気室形成用ハウジング
７ 炉内ガス排出口
８ 炉内ガス吸引部口

Claims (5)

  1. 流体燃料が供給される流体燃料供給管(３)が挿入貫通される貫通孔(2a)を中央に有し、両端に燃焼用空気が通過する通気孔(2ba)が穿設されているフランジ状部(2b)が設けられており、両端のフランジ状部(2b，2b)間に一方の通気孔(2ba)から他方の通気孔(2ba)に燃焼用空気を導くための中央の貫通孔(2a)を構成する管状部(2aa)の外壁に設けられた２枚で一組の螺旋板状の側壁(2ca)とこの螺旋板状の側壁(2ca)の前記管状部(2aa)の反対側を連結封鎖する封鎖壁(2cb)で囲まれた通気室(2c)が軸方向に隣接する通気室側壁(2ca，2ca)間に間隙を設けて形成されており炉内(Ｘ)側のフランジ状部(2b)の炉内(Ｘ)側にはノズル(５)が取り付けられており、炉外(Ｚ)側のフランジ状部(2b)の炉外(Ｚ)側には炉外(Ｚ)側のフランジ状部(2b)を炉内(Ｘ)側に押圧するスプリング(４)が内蔵されている燃焼用空気の流入用空間を形成する空気室形成用ハウジング(６)が設けられているシリコンカーバイト製の螺旋形状熱交換器(２)の軸方向の外周には炉内(Ｘ)側の先端部の炉内ガス吸引部(８)を除いて外筒(１)が固定されており、この外筒(１)の炉外(Ｚ)側に炉内ガス排出口(７)が設けられている構造の炉壁(Ｙ)を貫通して固定され、
    螺旋形状熱交換器(２)の貫通孔(2a)と流体燃料供給管(３)の外面との間隙を空気室形成用ハウジング(６)との境界部で封鎖する截頭円錐形体(3a)が、流体燃料供給管(３)の外面に固定されている
    直火型熱交換器一体バーナー。
  2. 螺旋形状熱交換器(２)が、両端のフランジ状部(2b)に穿設されている燃焼用空気が通過する通気孔(2ba)が複数で且つ両端のフランジ状部(2b，2b)間の燃焼用空気を螺旋状に導く通気室(2c)も複数になる多条ネジ状である請求項１に記載の直火型熱交換器一体バーナー。
  3. 流体燃料供給管(３)が、炉内(Ｘ)での流体燃料の燃焼状態の覗き穴を成している請求項１又は２に記載の直火型熱交換器一体バーナー。
  4. 流体燃料供給管(３)が、炉内(Ｘ)での流体燃料の燃焼状態を検知する炎検知器の挿通する挿通穴を兼用している請求項１又は２に記載の直火型熱交換器一体バーナー。
  5. 流体燃料供給管(３)が、スパークプラグを挿通する挿通穴を兼用している請求項１又は２に記載の直火型熱交換器一体バーナー。
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