JP6180018B2 - 歯車検査装置 - Google Patents
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Description
そのため、凸部105を研削して平坦にする対策が講じられる。対策を講じる前に、打痕103の有無を検査する必要がある。
図22に示すように、ギヤ100に対応する径のボール107、108を歯溝に嵌め、ボール107、108の外面同士の寸法Dを測る。この寸法DがOBDと定義される。歯101が切削加工される場合、多めに削ると歯溝が大きくなって、ボール107、108が進入し、結果、OBDが小さくなる。逆に、少なめに削るとOBDが大きくなる。
以上に説明したOBDと歯振れは、実用的には次のように定義される。
マスタギヤ(4)で被測定ギヤ(13)を1回転以上回し、その間、マスタギヤ(4)の移動量を非接触センサ部(24)で計測する。
ここで用いる周波数フィルタの強弱で打痕成分波形の大小が変化する。よって、振れ波形を必要十分な範囲で除去できる最適な周波数フィルタの選定が困難であり、比較的工数を要する。
前記マスタギヤの軸と前記検査ギヤの軸との軸間距離を計測する距離計測手段と、
前記軸間距離について、所定歯数毎の最大値(maxLL)と最小値(minLL)を求める値探索手段と、
前記所定歯数毎の最大値(maxLL)と最小値(minLL)の差分(ΔLL)を求める差分算出手段と、
この差分算出手段により算出された差分(ΔLL)のうち、最小値(minΔLL)を特定する最小値特定手段と、
その特定された前記最小値(minΔLL)を当該検査ギヤの誤差推定値とし、前記差分算出手段により算出された差分(ΔLL)から前記誤差推定値を減算して打痕判定値を決定する判定値決定手段と、
前記打痕判定値に基づいて打痕の有無を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
モニターギヤ値取得手段により取得されるOBD基準値と、モニターギヤ値取得手段により取得される所定歯数毎の最小値の平均値(Ms)と、値探索手段により求めた最小値(minLL)の平均値(Ma)と、を用いて、オーバーボールダイヤメーターを判定することを特徴とする。
前記マスタギヤの軸と前記検査ギヤの軸との軸間距離を計測する距離計測手段と、
前記軸間距離について、所定歯数毎の最大値(maxLL)と最小値(minLL)を求める値探索手段と、
前記所定歯数毎の最大値(maxLL)と最小値(minLL)の差分(ΔLL)を求める差分算出手段と、
この差分算出手段により算出された差分(ΔLL)のうち、最小値(minΔLL)を特定する最小値特定手段と、
その特定された最小値(minΔLL)を当該検査ギヤの誤差推定値とし、前記誤差推定値を前記差分(ΔLL)から減算するか否かを選択する選択手段と、
前記選択手段で減算することが選択されたときには前記差分算出手段により算出された差分(ΔLL)から前記誤差推定値を減算して打痕判定値を決定し、前記選択手段で減算することが選択されないときには前記差分算出手段により算出された差分(ΔLL)から打痕判定値を決定する判定値決定手段と、
前記打痕判定値に基づいて打痕の有無を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明により、周波数フィルタを必要としない歯車検査装置が提供される。
打痕検査の際に、オーバーボールダイヤメーターも調べることができる。打痕検査とOBD検査を別々に行う場合に比べ、本発明によれば、検査工数及び検査費用を低減することができる。
最小値には、打痕成分が含まれない。打痕の有無で、OBDが変化する心配が無く、OBD検査の信頼性が高まる。
打痕検査の際に、歯振れをも調べることができる。打痕検査と歯振れ検査を別々に行う場合に比べ、本発明によれば、検査工数及び検査費用を低減することができる。
最小値には、打痕成分が含まれない。打痕の有無で、歯振れが変化する心配が無く、歯振れ検査の信頼性が高まる。
マスタギヤ支軸21はマスタギヤ19を支えながらマスタギヤ回転手段23により回転する。その上で、レール12に沿ってスライダ13、14が移動可能であるため、マスタギヤ支軸21はレール12に沿って移動可能とされる。
検査の際は、マスタギヤ移動手段25でばね受け34が所定位置に保たれる。すると、ばね受け34を支点とするばね35がアイプレート27を押す。アイプレート27は移動台15に繋がっているため、筒体16及びマスタギヤ支軸21を介して検査ギヤ29にマスタギヤ19が所定の力(噛合力)で噛合う。
この回転の際に、軸間距離Lが僅かであるが変動する。ばね35が伸縮するため、軸間距離Lの変動は妨げられない。
図2に示すように、レール12と直交するようにして移動台15に突起部37を設ける。また、装置ベース11に距離計測手段38を設ける。この距離計測手段38で突起部37までの距離aを常に計測する。距離計測手段38は、投光素子と受光素子を内蔵し、反射光の受光位置から幾何学的に距離を割り出す非接触式光電距離センサが好適であるが、他の形式の距離センサであっても良い。マスタギヤ19と検査ギヤ29の噛合により、マスタギヤ19が検査ギヤ29に対して接近又は離間する。この移動に伴って、距離aが変化する。
同様に、検査ギヤ29と距離計測手段38は共に装置ベース11に載っているため、検査ギヤ29の軸中心から距離計測手段38までの距離Cは一定である。
L+B=C+aである。Lについて求めると、L=a+(C−B)となる。BとCは既知値であるため、変数aが距離計測手段38で特定されると、変数Lが求められる。以上により、軸間距離Lが求まる。
さらに、1個ずらして、データ番号(3〜69)を1つの群とし、(L3・・・L69)中、最大値をmaxLL3、最小値をminLL3とする。
このようにして、最大値maxLLn及び最小値minLLn(なお、n=1、2、3・・・2010)を求める。
例えば、データ番号(2010、1、2、3〜66)を1つの群とし、(L2010、L1、L2・・・L66)中、最大値をmaxLL2010、最小値をminLL2010とする。
以上により、最大値maxLLn及び最小値minLLnが特定できる。
最大値maxLLnのグラフを図5に示す。すなわち、maxLL1、maxLL2、maxLL3、・・・maxLL2010の点を繋ぐと矩形波形図が得られる。
ΔLLn中、最小値をminΔLLとする。このminΔLLは、検査ギヤ個々の表面粗さに相当する。すなわち、ギヤの加工精度はカッタの切れ味、摩耗、熱変形や、加工装置自体の熱変形、振動等、前工程の影響を受ける。これらの影響は加工されるギヤ毎に異なる。minΔLLを、各検査ギヤ固有の誤差、すなわち誤差推定値と見なすことができる。
この検査ギヤ29Bを図示しない形状測定器で測定し、打痕の高さを測定した。
図2の歯車検査装置10で、検査ギヤ29を替えながら、当該検査ギヤにつき図8に示すような波形を得、波高さを打痕しきい値yと比較することで、当該検査ギヤの打痕の有無を判定することができる。
この場合は、図11に示すような波形図が得られ、打痕しきい値yと比較することで、打痕の数(この例では2箇所)と、横軸の目盛りを調べることで打痕の位置が特定できる。
図6を参照すると、歯振れは、波形のうねりとなって現れることが予想される。ただし、打痕が存在すると、波形のうねりが顕著になる。すなわち、打痕の有無が歯振れに影響を及ぼす。しかし、打痕の存在は歯振れとは無関係である。図6に注目すると、最小値の波形には打痕の要素が含まれないことが分かる。そこで、歯振れの評価は、最小値のみで行うことにする。
そこで、最小値minLLn中、最大値と最小値を見つけ、高低差の最大値Hを特定し、これを歯振れと特定する。
図13(a)に示すように、モニターギヤ50を準備する。このモニターギヤ50は、検査ギヤ(図2、符号29)と同形の(モジュール及びピッチ円が同じ)ギヤであるが、検査ギヤより格段に高い精度で仕上げられた特別のギヤである。
この波形に、図4と同じ処理を施す。すなわち、波形の最小値について処理する。得られた矩形波形図は図14(b)に示す。この矩形波形図から得られた平均値をMsとする。
値Maは、検査ギヤに基づく値であり、図14(b)での値Msは、モニターギヤに基づくものである。図13(b)で説明したように、モニターギヤのOBDが、「OBD基準値」である。
図15に示すように、先ず、ST(ステップ番号)01で、打痕しきい値yを読み出す。例えば、図9に示すようにして値yを機種毎に予め決め、図示しない記憶媒体に記憶しておき、ST01では、検査ギヤの機種の値yを記憶媒体から読み出す。
図3に示す波形図から、図5に示す最大値maxLLnに係る矩形波形図を作成する(ST07)。
ST11で、ΔLLn−minΔLLの演算を行う。このΔLLn−minΔLLが打痕判定値となる。
ST12で、打痕判定値(ΔLLn−minΔLL)が、打痕しきい値y以下であるか否かを調べ、以下であれば打痕検査は「合格」、超でれば「不合格」と判定される。
また、ΔLLnをそのまま打痕判定値とする場合、前工程の加工精度による表面粗さの変動やノイズも含めて判断することができる。すなわち、これらの影響も加味した判定を行うことができる。
図14(a)に示す波形図から、図14(b)に示す最小値minLLnに係る矩形波形図を作成し(ST26)、この矩形波形から平均値Msを求める(ST27)。この処理で決定したOBD基準値と値Msは、機種に対応づけて、図示しない記憶媒体に記憶する。
すなわち、図18のST31では、図12で説明したように、最小値minLLn中、最大値と最小値を特定する。そして、ST32で、歯振れH=(最大値−最小値)の演算を行い、歯振れHを定める。これで当該検査ギヤの歯振れが求められる。
図19のST33では、図14(c)で説明したように、最小値minLLnから平均値Maを特定する。次に、ST34で、検査ギヤのOBD=OBD基準値+(Ma−Ms)の式により当該検査ギヤのOBDを演算する。なお、OBD基準値は、図17のST23で定められ、Msは図17のST27で定められているので、演算が可能となる。
OBDまたは歯振れが予め設定された範囲外となる場合、当該検査ギヤについては不合格と判定して検査を中止する。一方、OBDおよび歯振れが予め設定された範囲内となる場合は、図15のST07へ進み、打痕検査を行う。打痕のみが不合格であれば、打痕をやすりで削るなどの修正により、正常品とすることが可能だからである。
図1に示すように、マスタギヤ支軸21と検査ギヤ支軸31が平行に配置されたマスタギヤ19と検査ギヤ29を各々の軸21、31を中心に回転させて検査ギヤ29の検査を行う歯車検査装置10に係る。
そして、歯車検査装置10は、図2に示すように、マスタギヤ19の軸と検査ギヤ29の軸との軸間距離Lを計測する距離計測手段38を備える。
Claims (4)
-
平行に配置されたマスタギヤと検査ギヤを各々の軸を中心に回転させて前記検査ギヤの検査を行う歯車検査装置であって、
前記マスタギヤの軸と前記検査ギヤの軸との軸間距離を計測する距離計測手段と、
前記軸間距離について、所定歯数毎の最大値(maxLL)と最小値(minLL)を求める値探索手段と、
前記所定歯数毎の最大値(maxLL)と最小値(minLL)の差分(ΔLL)を求める差分算出手段と、
この差分算出手段により算出された差分(ΔLL)のうち、最小値(minΔLL)を特定する最小値特定手段と、
その特定された前記最小値(minΔLL)を当該検査ギヤの誤差推定値とし、前記差分算出手段により算出された差分(ΔLL)から前記誤差推定値を減算して打痕判定値を決定する判定値決定手段と、
前記打痕判定値に基づいて打痕の有無を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする歯車検査装置。 - 請求項1記載の歯車検査装置は、
前記検査ギヤと同形であるが、前記検査ギヤより高い精度で仕上げられたモニターギヤに基づいて得られるOBD(オーバーボールダイヤメーター)基準値を取得すると共に、前記マスタギヤの軸と前記モニターギヤの軸との軸間距離を測定し得られた測定値から所定歯数毎の最小値を取得するモニターギヤ値取得手段を備え、
前記モニターギヤ値取得手段により取得される前記OBD基準値と、前記モニターギヤ値取得手段により取得される前記所定歯数毎の最小値の平均値(Ms)と、前記値探索手段により求めた前記最小値(minLL)の平均値(Ma)と、を用いて、オーバーボールダイヤメーターを判定することを特徴とする歯車検査装置。 - 請求項1又は請求項2記載の歯車検査装置は、前記値探索手段により求めた所定歯数毎の最小値(minLL)の中から、最大値と最小値を特定し、特定した前記最大値と前記最小値の差から歯振れを判定することを特徴とする歯車検査装置。
- 平行に配置されたマスタギヤと検査ギヤを各々の軸を中心に回転させて前記検査ギヤの検査を行う歯車検査装置であって、
前記マスタギヤの軸と前記検査ギヤの軸との軸間距離を計測する距離計測手段と、
前記軸間距離について、所定歯数毎の最大値(maxLL)と最小値(minLL)を求める値探索手段と、
前記所定歯数毎の最大値(maxLL)と最小値(minLL)の差分(ΔLL)を求める差分算出手段と、
この差分算出手段により算出された差分(ΔLL)のうち、最小値(minΔLL)を特定する最小値特定手段と、
その特定された最小値(minΔLL)を当該検査ギヤの誤差推定値とし、前記誤差推定値を前記差分(ΔLL)から減算するか否かを選択する選択手段と、
前記選択手段で減算することが選択されたときには前記差分算出手段により算出された差分(ΔLL)から前記誤差推定値を減算して打痕判定値を決定し、前記選択手段で減算することが選択されないときには前記差分算出手段により算出された差分(ΔLL)から打痕判定値を決定する判定値決定手段と、
前記打痕判定値に基づいて打痕の有無を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする歯車検査装置。
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