JP6179581B2 - スポット溶接継手用薄鋼板、スポット溶接継手の破断様式の判定方法、スポット溶接継手のはく離破断強度の予測方法及びスポット溶接継手のプラグ破断強度の予測方法 - Google Patents

スポット溶接継手用薄鋼板、スポット溶接継手の破断様式の判定方法、スポット溶接継手のはく離破断強度の予測方法及びスポット溶接継手のプラグ破断強度の予測方法 Download PDF

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本発明は、0.001[mass%]以上0.5[mass%]以下の炭素を含有し、引張強度が270[MPa]以上であって、スポット溶接継手強度に優れた薄鋼板に関するものである。また、本発明は上記のスポット溶接継手の破壊様式と破断強度を予測する技術に関するものである。
近年の自動車産業では、車体重量の軽量化による燃費向上及び衝突時の乗員の安全性確保を両立した車体の技術開発が推進され、車体に用いられる薄鋼板の高強度化及び薄肉化がキーテクノロジーとなっている。しかしながら、車体組み立て時の主要な溶接方法であるスポット溶接を薄鋼板に適用した場合、化学成分、鋼板強度、継手形式、及び負荷様式によっては静的継手強度が低下することがある。特に、静的継手強度の低下は、非特許文献1に記載されているように十字引張継手の破断様式がはく離破断である場合に顕著になるとされている。
このため、十字引張継手のはく離破断を予測し、そのような負荷様式となる車体のスポット溶接継手部の低強度破壊を防止する技術が必要とされている。このような背景から、非特許文献2には十字引張継手の破断様式を予測する技術が提案されている。また、特許文献1〜6には継手強度を向上させるスポット溶接技術が提案されている。さらに、特許文献7〜11には、十字引張強度(Cross Tension Strength :CTS)や破断様式を予測する技術が提案されている。
特許第5151615号公報 特許第5299257号公報 特許第5333560号公報 特許第5418726号公報 特許第5429326号公報 特許第5429327号公報 特許第4150383号公報 特許第4700559号公報 特開2013−22637号公報 特開2014−25892号公報 特許第4418287号公報
田中甚吉ら、日本鋼管技報、No.105、P72(1984) 及川初彦ら、新日鉄技報、No.385、P36(2006)
非特許文献2には、CTSではく離破断することを防止するために、以下の数式(1)〜(4)に示すような種々の炭素当量Ceqが提案されており、その式の範囲内では十字引張継手の破断様式はプラグ破断となり、CTSが低下しないとされている。しかしながら、これらの数式は、引張強度が590[MPa]以下である軟鋼を含む複数の試験から求められた経験式であり、引張強度が590[MPa]を超える高張力鋼板の十字引張継手の破断様式を判定できない。また、板厚やナゲット径が変動する場合には、数式(1)〜(4)を満足していてもはく離破断による強度低下が生じることが多々あり、成分のみでは十字引張継手の破断様式を精度高く判定できない。
一方、非特許文献2には、十字引張試験において十字引張継手の破断様式がプラグ破断である場合におけるCTSを求めるための以下に示す数式(5)〜(7)が提案されている。数式(5)〜(7)において、Fは定数、NDはナゲット径、tは薄鋼板の板厚、TSはナゲットの引張強さ、Elは薄鋼板の伸びを示している。
しかしながら、非特許文献2には、十字引張継手の破断様式がはく離破断である場合におけるCTSの推定式は開示されていない。また、上記数式(5)〜(7)は、引張強度が590[MPa]以下である軟鋼を含む複数の試験から求められた経験式であり、高張力鋼板によって形成された十字引張継手の破断様式を判定することはできない。また、上記数式(5)〜(7)では、十字引張継手の破断様式がはく離破断及びプラグ破断のどちらになるのかを試験前に判定することはできない。さらに、上記数式(5)〜(7)には薄鋼板の化学成分(特に炭素含有量)の項が存在しないために、薄鋼板の化学成分が変わればCTSも変化することを予測できていない。
一方、特許文献1には、溶接通電に引き続き、後加熱条件(電流、時間)を適正範囲内にすることにより、十字引張強度を向上させるスポット溶接技術が記載されている。特許文献2には、加圧力や保持時間を適正範囲内とすることにより、溶接強度を高めるスポット溶接方法が記載されている。特許文献3には、所望のナゲット径を形成する第1通電の後、鋼板を再溶融させることなく後熱通電するスポット溶接方法が記載されている。特許文献4には、溶接時の加圧力や第1通電及び第2通電を適正範囲内とすることにより、高強度の継手を形成するスポット溶接方法が記載されている。特許文献5,6には、溶接通電直後に冷却時間を設け、適正範囲内で後熱通電することにより、CTSを向上させるスポット溶接方法が記載されている。車体設計等を行う場合には、試験を行うことなく、継手の破断様式やその時の継手強度そのものの値を予測することができれば非常に有用である。しかしながら、特許文献1〜6記載の技術では、そのような予測はできず、最終的には継手試験を行うことによって破断様式やその時の継手強度の値を求めなければならない。
特許文献7,8には、スポット溶接継手の十字引張試験やせん断引張試験に基づいて、有限要素解析により部材の衝突時のスポット溶接部の破断予測を行う技術が記載されている。しかしながら、特許文献7,8記載の技術は、種々のパラメータを経験式に基づいてフィッティングする技術であり、ナゲットの破断様式がはく離破断及びプラグ破断のどちらになるのかを予測することはできない。また、特許文献7,8記載の技術では、少なくとも十字引張試験やせん断引張試験が必要であることから、試験を行うことなくナゲットの破断様式を予測することはできない。
特許文献9には、種々の通電条件でスポット溶接し、ナゲット径及び熱影響部の軟化量及びCTSを測定し、それらを入力することによりCTSと軟化度合い、板厚、及びナゲット径との関係を予め求めておき、溶接した継手の軟化度合い、板厚、及びナゲット径から予め求めた式によりCTSを求める方法が記載されている。しかしながら、特許文献9記載の技術では、ナゲットの破断様式がはく離破断及びプラグ破断のどちらになるのかを予測することはできない。また、予測式中に薄鋼板の成分(特に炭素含有量)や強度の情報がないために、薄鋼板が変わる毎に予測式を求める必要があり、膨大な試験数が必要になる。
特許文献10には、解析により応力テンソルや破断応力等を求めて破断リスクを算出することにより、接合部の破断を判定する判定装置及び判定方法が記載されている。しかしながら、それら装置を作成するためには膨大な費用及び時間が必要となり、解析精度によっては計算時間が膨大になる。また、薄鋼板や接合方法が変わった場合には再度解析しなければならず、接合部の破断様式を予測することはできない。
特許文献11には十字引張試験における材料強度TS、板厚、ナゲット径、継手の板幅、破断時の最大荷重、及び継手の回転角等を測定してデータベースを作成し、作成したデータベースを用いてスポット溶接の破壊強度を増大させる技術が記載されている。しかしながら、特許文献11記載の技術では、鋼板の成分や強度が変わる毎に膨大な試験によりデータベースを作成しなければならず、またスポット溶接部の破断様式がはく離破断及びプラグ破断のどちらになるのかを予測することはできない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、スポット溶接継手ではく離破断することなくプラグ破断するスポット溶接継手用薄鋼板を提供することにある。さらに、本発明はスポット溶接継手の破断様式とその時の破断強度の予測手法を提供することにある。
本発明に係るスポット溶接継手用薄鋼板は、0.001[mass%]以上0.5[mass%]以下の炭素を含有し、引張強度が270[MPa]以上であり、スポット溶接継手に用いられるスポット溶接継手用薄鋼板であって、以下に示す数式(8)で表されるSTFが以下に示す数式(9)で表される条件を満足する炭素含有量C[mass%]、降伏強度YS[MPa]、及び板厚t[mm]を有することを特徴とする。
ここで、NDはスポット溶接のナゲット径[mm]、f(t,ND)はt及びNDの関数、C〜Cは0を含む定数である。
本発明に係るスポット溶接継手用薄鋼板は、0.001[mass%]以上0.5[mass%]以下の炭素を含有し、引張強度が270[MPa]以上であり、スポット溶接継手に用いられるスポット溶接継手用薄鋼板であって、以下に示す数式(10)で表されるSTFが以下に示す数式(11)で表される条件を満足する炭素含有量C[mass%]、降伏強度YS[MPa]、及び板厚t[mm]を有することを特徴とする。
ここで、NDはスポット溶接のナゲット径[mm]である。
本発明に係るスポット溶接継手用薄鋼板は、上記発明において、目標とする十字引張強度をCTSaim[kN]とする時、以下に示す数式(12)で表される条件を満足することを特徴とする。
ここで、Lnは自然対数、C〜C11は0を含む定数である。
本発明に係るスポット溶接継手用薄鋼板は、上記発明において、目標とする十字引張強度をCTSaim[kN]とする時、以下に示す数式(13)で表される条件を満足することを特徴とする。
ここで、Lnは自然対数である。
本発明に係るスポット溶接継手の破断様式の判定方法は、0.001[mass%]以上0.5[mass%]以下の炭素を含有し、引張強度が270[MPa]以上である薄鋼板から構成されるスポット溶接継手の破断様式の判定方法であって、以下に示す数式(14)で表されるALR(>0)と以下に示す数式(10)で表されるSTFとが、以下に示す数式(15)で表される条件を満足する場合、前記スポット溶接継手の破断様式ははく離破断になると判定し、以下に示す数式(16)で表される条件を満足する場合には、前記スポット溶接継手の破断様式はプラグ破断になると判定するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係るスポット溶接継手のはく離破断強度の予測方法は、0.001[mass%]以上0.5[mass%]以下の炭素を含有し、引張強度が270[MPa]以上である薄鋼板から構成されるスポット溶接継手のはく離破断強度の予測方法であって、以下に示す数式(14)で表されるALR(>0)と以下に示す数式(10)で表されるSTFとが以下に示す数式(15)で表される条件を満足する場合、以下に示す数式(17)で表されるはく離破断時のナゲットの破壊靱性値KPREを算出し、以下に示す数式(18)で表されるはく離破断時の十字引張強度の平均値CTS IFを算出し、以下に示す数式(19)で表されるはく離破断時の十字引張強度の下限値CTS IFを算出するステップを含むことを特徴とする。
ここで、Ln(C)は薄鋼板の炭素含有量C[mass%]の自然対数、eは自然対数の底である。
本発明に係るスポット溶接継手のプラグ破断強度の予測方法は、0.001[mass%]以上0.5[mass%]以下の炭素を含有し、引張強度が270[MPa]以上である薄鋼板から構成されるスポット溶接継手のプラグ破断強度の予測方法であって、以下に示す数式(14)で表されるALRと以下に示す数式(10)で表されるSTFとが以下に示す数式(16)で表される条件を満足する場合、以下に示す数式(20)で表されるプラグ破断時の十字引張強度の平均値CTS FPFを算出し、以下に示す数式(21)で表されるプラグ破断時の十字引張強度の下限値CTS FPFを算出するステップを含むことを特徴とする。
ここで、eは自然対数の底である。
本発明に係るスポット溶接継手用薄鋼板によれば、はく離破断することなくプラグ破断するスポット溶接継手が得られる。また、本発明に係るスポット溶接継手のはく離破断強度の予測方法及びスポット溶接継手のプラグ破断強度の予測方法によれば、スポット溶接継手のはく離破断/プラグ破断の破壊形態と破壊強度を予測することができる。
図1は、十字引張試験片の有限要素解析モデルを示す図である。 図2は、実験及び有限要素解析により求められた荷重−変位曲線を示す図である。 図3は、炭素含有量、降伏強度、板厚、及びナゲット径の異なる十字引張継手がはく離破断した時の荷重及び応力拡大係数の解析結果を示す図である。 図4は、勾配ALRと勾配Aとの関係を示す図である。 図5は、勾配ALR及び変形度合STFと十字引張継手の破断様式との関係を示す図である。 図6は、プラグ破断時におけるCTSとALR/(t×ND)との関係及びCTSの下限値CTSの予測式を示す図である。 図7は、プラグ破断時におけるCTSの目標値CTSaimの予測値とCTSの実験値との関係を示す図である。 図8は、ナゲットの破壊靱性値KPREの自然対数と炭素含有量Cの自然対数との関係を示す図である。 図9は、はく離破断時におけるCTSの平均値CTS IFの予測値とCTSの実験値との関係を示す図である。 図10は、はく離破断時におけるCTSの下限値CTS IFの予測値とCTSの実験値との関係を示す図である。 図11は、プラグ破断時におけるCTSとALR/(t×ND)との関係及びCTSの平均値及び下限値の予測式を示す図である。 図12は、プラグ破断時におけるCTSの平均値CTS FPFの予測値とCTSの実験値との関係を示す図である。 図13は、プラグ破断時におけるCTSの下限値CTS FPFの予測値とCTSの実験値との関係を示す図である。
本発明の発明者らは、種々の炭素含有量、降伏強度、板厚、及びナゲット径を有する薄鋼板を用いて十字引張試験を実施した。そして、はく離破断を示した場合について有限要素解析(Finite Element Analysis : FEA)を実施した。FEAでは、図1(a)に示すような十字引張試験の1/4対称ソリッドモデルを用いて、有限要素解析ソフトウェアABAQUS Ver.6.9−2にて弾塑性解析を実施した。その際、図1(b)に示すように、ナゲット近傍のシートセパレーション形状やコロナボンドのはく離に起因して負荷のごく初期に生ずるき裂等を実験に基づいて忠実に再現した。また、ナゲットやHAZ領域及び母材領域をミクロ組織や硬度を参照して求めた。解析においてナゲット及びHAZ領域では、母材の実験により得られた応力と歪みとの関係に基づいて、母材との硬度比(例えばナゲットではナゲット硬度/母材硬度)を母材の降伏強度及び引張応力に乗じ、他方で一様伸びは母材のそれを硬度比で除することによって外挿した。降伏強度以降の塑性域の外挿の際にはSwiftの式を用いた。
HAZ領域では最硬化部及び最軟化部を含む数パターンの応力−歪み曲線を外挿して作成し、硬度分布に応じて0.1[mm]ピッチで入力した。十字引張試験片の形状は、JIS Z 3138に準拠し、試験片の長手方向150[mm]が圧延直角方向になるように採取した。なお、通常、静的な十字引張試験片にはJIS Z 3137に準拠した4穴が用いられるが、試験片の穴径及び締め付けボルトの隙間に起因して荷重−変位曲線においてスロープが2段階となる傾向がある。解析と実験との整合性を見るためには荷重−変位曲線の合致が重要であることから、本解析ではCTSが4穴と変わらないことを確かめた上で、通常、疲労試験片として用いられるJIS Z 3138の16穴を採用した。
図2に一例を示すように、荷重と変位との関係において有限要素解析値が実験値と破断点Pにいたるまで一致することを確かめて整合性を確認した。はく離破断において、負荷のごく初期にコロナボンドのはく離によって生じたき裂は、その後負荷を加えてもほとんど進展せずに開口し、破断点Pでそれが急速にナゲットへ脆性的に進展し破壊した。このため、はく離破断条件は、負荷のごく初期に発生するき裂を二重節点を有する予き裂として設定し、予き裂先端のモードI応力拡大係数(以下、応力拡大係数と略記)が破断点Pにおいてナゲットの破壊靱性に達したときに脆性破壊することを解析でモデル化した。また、応力拡大係数は、き裂先端を囲む積分経路から算出したJ積分値の安定解より平面歪み状態を仮定して解析的に求めた。
図3に一例として、炭素含有量、降伏強度、板厚、及びナゲット径の異なる十字引張継手がはく離破断した時の荷重及び応力拡大係数の解析結果を示す。図3に示すように、応力拡大係数と荷重との間には線形性の関係が認められる。ここで、応力拡大係数と荷重との関係を示す直線の勾配Aに注目すると、炭素含有量、降伏強度、板厚、及びナゲット径に応じて勾配Aが異なる。すなわち、応力拡大係数は、原点を0として炭素含有量、降伏強度、板厚、及びナゲット径によって変化する勾配Aを荷重に乗じることで表現できる。なお、降伏強度は、十字引張試験片の長手方向の値とすることが望ましい。また、ナゲット径は、JIS Z 3139にあるようにスポット溶接部の断面マクロ試験を行った後、接合界面で求めたナゲットの直径とした。また、破壊した十字引張試験片において、はく離破断は断面ナゲット径×0.9>プラグの最短径とし、プラグ破断は断面ナゲット径×0.9≦プラグの最短径で定義した。
一方、図3におけるはく離破断時の応力拡大係数に注目すると、炭素含有量によって応力拡大係数の値が異なる。すなわち、炭素含有量が0.13[mass%]であるNo.IとNo.IIにおいてははく離破断時の応力拡大係数がほぼ等しく、ついで炭素含有量の増加と共にNo.III, No.IVの順ではく離破断時の応力拡大係数が低下している。ここで、勾配Aは炭素含有量、降伏強度、板厚、及びナゲット径に応じて変化し、勾配Aとそれら変数の関係がわかればFEAを実施することなく、荷重と応力拡大係数との関係が予測できるはずである。そこで、勾配Aをそれら変数の線形回帰により表した。線形回帰により勾配ALRを求めると、勾配ALRは以下に示す数式(22)のように表される。
ここで、Cは薄鋼板の炭素含有量[mass%]、YSは薄鋼板の降伏強度[MPa]、tは薄鋼板の板厚[mm]、NDはスポット溶接のナゲット径[mm]、C〜C,C’,C’は0を含む定数である。
また、後に実施例で示すように、広範囲の薄鋼板の炭素含有量C、降伏強度YS、板厚t、及びスポット溶接のナゲット径NDにて定数C〜C,C’,C’を求めると、以下に示す数式(23)が得られた。
式(23)から導かれる勾配ALR(>0)とFEAによって得られる勾配Aとを比較した結果を図4に示す。図4に示すように、数式(23)を用いることにより、FEAを行うことなく、荷重と応力拡大係数との関係を示す勾配ALRを精度良く推定できる。すなわち、勾配ALRは、はく離破断を示すときの破壊指標として用いることができる。一方、プラグ破断を示す場合には、延性破壊を示すため応力拡大係数を用いることはできないが、勾配ALRを求めることはでき、これを用いてはく離破断とプラグ破断との区別を付けることができれば有用である。本発明の発明者らは、広範囲にわたる薄鋼板の炭素含有量C、降伏強度YS、板厚t、及びスポット溶接のナゲット径NDにて十字引張試験を行うと同時に式(23)を用いて勾配ALRを求めた。なお、炭素含有量C、降伏強度YS、及び板厚tが異なる十字引張継手では、それのうちのどちらかで計算するか、又は、両方を用いて比較計算すれば良く、それら組み合わせにおいても最も安全側の評価(勾配ALRが高くなる)となることが望ましい。
一方、本発明の発明者らは、はく離破断時とプラグ破断時の相違点として、十字引張試験片の変形度合いに着目した。本発明の発明者らは、試験片の変形にナゲットが追従できればプラグ破断しやすく、追従できなければはく離破断しやすくなると考えた。そして、試験片の変形度合STFを以下に示す数式(24)のように定めた。
ここで、f(t,ND)は薄鋼板の板厚tとスポット溶接のナゲット径NDの関数である。
また、本解析にて実際に変形度合STFを求めたところ、変形度合STFは以下に示す数式(25)のように表された。なお、薄鋼板の板厚tが異なる場合には、それらのどちらか又は両方を用いて計算して比較しても良い。
勾配ALR及び変形度合STFは試験を行うことなく得られる情報であり、これを用いて破断様式の判定ができれば有益である。そこで、先の広範囲にわたる薄鋼板の炭素含有量C、降伏強度YS、板厚t、及びスポット溶接のナゲット径NDにて十字引張試験ではく離破断とプラグ破断とを大別し、勾配ALR及び変形度合STFとの関連性を調べた。解析結果を図5に示す。勾配ALRと変形度合STFとの関連性において、はく離破断領域とプラグ破断領域が区別できていることがわかる。ここで、プラグ破断領域の境界線は、図中に示す変形度合STFの2次曲線によって表され、以下の数式(26)に示す条件でプラグ破断が生じることが予測できる。
ここで、C’〜C’は0を含む定数である。
後に実施例で示すように、広範囲の薄鋼板の炭素含有量C、降伏強度YS、板厚t、及びスポット溶接のナゲット径NDにて定数C’〜C’を求めると、以下の数式(27)に示すプラグ破断条件式が得られた。
次に、はく離破断を回避してプラグ破断する薄鋼板について検討する。上記数式(22)及び上記数式(26)からプラグ破断する条件は以下に示す数式(28)のように表される。
これを整理して書き直すと、プラグ破断を得るための薄鋼板の炭素含有量C、降伏強度YS、及び板厚tは以下に示す数式(29)により表される条件を満足する。
ここで、C〜Cは0を含む定数である。
また、数式(23)と数式(27)とにより定数C〜Cを定めると、数式(29)は以下に示す数式(30)のように表される。
これにより、数式(30)を用いることにより、十字引張継手のナゲット径NDと変形度合STF(ナゲット径NDと板厚tの関数)との関係からプラグ破断させるための薄鋼板の最適な炭素含有量C、降伏強度YS、及び板厚tを設計することができる。
次に、プラグ破断するときのCTSを求める。前述の勾配ALR、板厚t、及びナゲット径NDを用いてプラグ破断時のCTSを整理した。試験データは実施例に示すように広範囲の炭素含有量C、降伏強度YS、板厚t、及びナゲット径NDでプラグ破断を示したCTSを用いた。その結果、プラグ破断時のCTSはALR/(t×ND)で整理できることが知見された。整理結果を図6に示す。図中のデータは同一条件で作製した十字引張継手で3本以上実施した個々のデータも示しており、バラツキも含まれる。実線で示す関係式は、CTSの下限値CTSを表すものであり、CTSは以下の数式(31)に示すような自然対数eを底とする指数関数で表された。
ここで、C〜C10は0を含む定数である。
また、目標とするプラグ破断時のCTSをCTSaimとして上記数式(31)を勾配ALRについて展開すると、以下に示す数式(32)が得られる。
ここで、Lnは自然対数である。
数式(22)を用いて勾配ALRを求めると、CTSaimを得るために薄鋼板に求められる炭素含有量C、降伏強度YS、及び板厚tは以下に示す数式(33)のように表される。
これを整理して書くと、以下に示す数式(34)のように表される。
また、数式(23)を用いて数式(34)中の定数C〜C,C11を求め、さらに図6に示すように広範囲の炭素含有量C、降伏強度YS、板厚t、及びナゲット径NDにて定数C〜C10を求めると、以下に示す数式(35)が得られる。
数式(35)によれば、数式(29)や数式(30)でプラグ破断が生じる条件の時にプラグ破断時のCTSaimを得るために必要な薄鋼板の最適な炭素含有量C、降伏強度YS、及び板厚tを設計することができる。CTSaimの最大値は安全側を考えて、図6で示したように実験値の下限値となるようにしており、その値は数式(35)の左辺と右辺で等符号を用いて得ることができる。数式(30)でプラグ破断が予測された十字引張継手について、数式(35)により予測されるCTSaimの最大値を計算し、実験値と比較した。比較結果を図7に示す。CTSaimの最大値は実験データの下限値とほぼ一致しており、精度良く安全側のCTSを予測できることが確認された。
なお、数式(34)は、プラグ破断時のCTSの安全側を見てCTSの下限値CTSを予測する際に定数C〜C11を定める原型式であり、CTSの上限値や統計値等を予測する際にも使用できる。また、前述の定数C〜Cも使用目的等に応じて変化させたり、統計解析によって求めたりすることで別途定めることができる。
一方、図5において、ALR(数式(23))とSTF(数式(25))の関係性に注目すれば、十字引張継手のはく離破断/プラグ破断を予測可能であることがわかる。すなわち、
の場合には、はく離破断が予測され、他方で
の場合にはプラグ破断が予測できる。
さらに、十字引張継手のはく離破断時やプラグ破断時の破壊強度が予測できれば、部材設計や車体設計において有益であるため、以降ではそれらの破断強度予測技術について検討する。
図3に示したように、はく離破断時の応力拡大係数は炭素含有量Cによって変化する。これはスポット溶接のナゲット部が溶融−急冷プロセスにより生成されるため、組織が焼入れままのマルテンサイトとなるからである。焼入れままのマルテンサイトの強度(硬度)は炭素含有量Cのみによって変化する。はく離破断した十字引張継手のナゲット部を詳細観察したところ、いずれもナゲット内は脆性破壊を示していた。これより、はく離破断時の応力拡大係数はナゲットの破壊靱性値と考えることができる。
そこで、本発明者らはナゲットの破壊靱性値(はく離破断時の応力拡大係数)と炭素含有量Cとの関係を調べた。炭素含有量Cを変化させた薄鋼板からなる十字引張試験を実施すると共に、はく離破断時のCTSを求め、図1に示したモデルで解析を実施し、はく離破断時の応力拡大係数(ナゲットの破壊靱性値)KPREを求めた。結果を図8に示す。図8に示すように、ナゲットの破壊靱性値KPREの自然対数と炭素含有量Cの自然対数はほぼ線形に表され、以下に示す数式(38)のように表された。
式(38)を展開すれば、はく離破断時のナゲットの破壊靱性値KPREは以下に示す式(39)のように表される。
次にはく離破断時のCTSを算出する。荷重と応力拡大係数との関係を示す勾配ALRは炭素含有量C、降伏強度YS、板厚t、及びナゲット径NDにより変化し、上記数式(22)で表された。一方、はく離破断時のナゲットの破壊靱性値KPREは炭素含有量Cによって変化し、上記数式(39)にて予測された。図3に示したように、応力拡大係数と荷重との関係は線形的であり、原点0を通る直線であることから、応力拡大係数がナゲットの破壊靱性値KPREに達した時点で、はく離破断時のCTSの平均値CTS IFがもとめられる。すなわち、はく離破断時のCTSの平均値CTS IFは以下に示す数式(40)により予測される。
薄鋼板の炭素含有量C、降伏強度YS、板厚t、及びナゲット径NDにより勾配ALRとナゲットの破壊靱性値KPREを求め、CTSの平均値CTS IFと実験値との関係を調査した。結果を図9に示す。実験値は同一条件で作製した十字引張継手において3本以上実施した個々の値も示している。破線で示す式(40)で予測したCTSの平均値CTS IFは実験値を平均的に表している。しかし、実験値に対してCTSを過大評価している予測もある。これはナゲットの脆性破壊(はく離破断)において同一の条件で作製した十字引張継手におけるバラツキに起因している。
そこで、図9に示すようにはく離破断時のCTSの下限値CTS IFを予測できるように、以下に示す式(41)を設定した。
数式(41)を用いてはく離破断時のCTSの下限値CTS IFを予測し、CTSの実験値と比較した結果を図10に示す。実験値には同一条件で作製した複数本のデータも含まれるが、図10に示すように、本手法によりCTSの下限値CTS IFを精度良く予測できることが実証された。
次に、プラグ破断を示すときのCTSの予測方法を検討した。前述の勾配ALR、薄鋼板の板厚t、スポット溶接のナゲット径NDを用いてプラグ破断時のCTSを整理した。試験データは実施例に示すように広範囲の炭素含有量C、降伏強度YS、板厚t、及びスポット溶接のナゲット径でプラグ破断時のCTSを用いた。整理結果を図11に示す。図中のデータは同一条件で作製した十字引張継手で3本以上実施した個々のデータも示しており、バラツキも含まれる。図中の破線及び実線で示す関係式はそれぞれプラグ破断した時のCTSの平均値CTS FPF及び下限値CTS FPF(=CTSaim)を表すものであり以下の数式(42),(43)に示すような自然対数の底eの指数関数で表された。
数式(42)を用いてプラグ破断時のCTSの平均値CTS FPFを予測し実験値と比較した。結果を図12に示す。図12に示すようにデータ群にバラツキはあるものの、実験値の平均的な値を予測することができた。一方、部材や車体の設計等にあたっては安全性を考慮しCTSの下限値CTS FPF(=CTSaim)を予測することが重要である。図13は、数式(43)を用いてCTSの下限値CTS FPFを予測して実験値と比較した結果である。図13に示すように、バラツキも含む実験データに対しCTSの下限値CTS FPFを精度良く予測することができた。
ここで、本発明は、0.001[mass%]以上0.5[mass%]以下の炭素を含有し、引張強度が270[MPa]以上である薄鋼板をスポット溶接することによって形成された十字引張継手に適用できる。炭素含有量Cの下限値は薄鋼板を強化させるために必要な含有量であり、0.001[mass%]、より好ましくは0.002[mass%]とする。炭素含有量Cの上限値は、スポット溶接性や継手特性を阻害しない値であり、0.5[mass%]、より好ましくは0.3[mass%]とする。スポット溶接のナゲットは溶融・急冷プロセスにより焼き入れままのマルテンサイトとなる。焼き入れままのマルテンサイトの硬さは炭素含有量Cのみにより決定されることから、本発明では薄鋼板の炭素含有量Cのみ規定する。用途に応じてSiやMnのほか、各種の固溶強化元素や析出強化元素等を添加して良い。
また、薄鋼板の引張強度は、今回の実験や解析に用いた薄鋼板の最低引張強度である270[MPa]を下限値とした。引張強度の上限値は特に定めないが、溶接性や加工性等を考慮すると、引張強度は2500[MPa]以下であることが望ましい。また、スポット溶接は同一鋼板の2枚重ねにおいて実施すれば良く、2枚以上の複数枚で実施しても良い。溶接する薄鋼板は炭素含有量C、降伏強度YS、及び板厚tが同一のものでも良く、それらが異なる薄鋼板でも構わない。
本発明に係る薄鋼板は、規定式に基づいて炭素含有量C[mass%]、降伏強度YS[MPa]、板厚t[mm]を設定すれば良く、薄鋼板の加熱条件、圧延条件、熱処理条件、表面処理条件等は特に定めない。なお、薄鋼板を製造する際にはYSとC、t、各種条件との関係や相関を実製造データ等から求めて設定することが好ましい。
炭素含有量C[mass%]、降伏強度YS[MPa]、板厚t[mm]の異なる薄鋼板をスポット溶接にて2枚重ねでナゲット径を変化させた十字引張試験片を作製した。十字引張試験片は同一条件で3本以上作製した。十字引張試験片に対して十字引張試験を行いその破断様式とCTSを求めた。試験結果を表1〜表4に示す。表1,2に示すNo.1〜No.37の十字引張継手はいずれもプラグ破断(FPF)した。数式(30)と数式(37)で判定したところ、いずれの十字引張継手についてもプラグ破断を予測できた。数式(43)でプラグ破断のCTSの下限値CTS FPF(CTSaim)を求めたところ、CTS FPF/CTS実験値は54〜100%であり、100%を超えることなく実験の下限値を精度良く予測できた。また、数式(42)でプラグ破断時のCTSの平均値CTS FPFを求めたところ、CTS FPF/CTS実験値は81〜148%で実験の平均値を精度良く予測できた。
次に、表3に示すNo.38〜No.51の十字引張継手はいずれもはく離破断(IF)した。数式(30)と数式(36)で判定したところ、いずれの十字引張継手についてもはく離破断を予測できた。数式(41)ではく離破断のCTSの下限値CTS IFを求めたところ、CTS IF/CTS実験値は77〜100%であり、100%を超えることなく実験の下限値を精度良く予測できた。また、数式(40)ではく離破断時のCTSの平均値CTS IFを求めたところ、CTS IF/CTS実験値は93〜123%で実験の平均値を精度良く予測できた。
次に、表4に示すNo.52〜No.61の継手は、目標とする十字引張強度CTSaimをあらかじめ定め、数式(30)でプラグ破断を示すように、かつ、数式(35)でCTSaimを上回るように薄鋼板の炭素含有量C、降伏強度YS、板厚t及びナゲット径NDを選定して十字引張試験を実施した。これより、No.52〜No.61の十字引張継手では狙い通りにプラグ破断が生じ、かつ実験値はCTSaimを上回った。一方、表4に示すNo.62の継手では、式(30)と式(35)を満足しなかったためはく離破断が生じた。また、表4に示すNo.63の継手は式(30)を満足したが、式(35)を満足しなかったため、実験ではプラグ破断を示したものの目標とするCTSaimを下回った。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば、本実施形態は、本通電のみによって得られる焼き入れままのマルテンサイトからなるスポット溶接継手を対象とした破断様式及び破壊強度の予測に関するものであるが、本発明は本実施形態に限定されることはなく、後通電等の付加的なプロセスを経た場合に関しても原型式を用いて係数を求めて破断様式や破壊強度を予測してもよい。このように、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例、及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。

Claims (7)

  1. 0.001[mass%]以上0.5[mass%]以下の炭素を含有し、引張強度が270[MPa]以上であり、スポット溶接継手に用いられるスポット溶接継手用薄鋼板であって、
    以下に示す数式(1)で表されるSTFが以下に示す数式(2)で表される条件を満足する炭素含有量C[mass%]、降伏強度YS[MPa]、及び板厚t[mm]を有することを特徴とするスポット溶接継手用薄鋼板。
    ここで、NDはスポット溶接のナゲット径[mm]、f(t,ND)はt及びNDの関数、C〜Cは0を含む定数である。
  2. 0.001[mass%]以上0.5[mass%]以下の炭素を含有し、引張強度が270[MPa]以上であり、スポット溶接継手に用いられるスポット溶接継手用薄鋼板であって、
    以下に示す数式(3)で表されるSTFが以下に示す数式(4)で表される条件を満足する炭素含有量C[mass%]、降伏強度YS[MPa]、及び板厚t[mm]を有することを特徴とするスポット溶接継手用薄鋼板。
    ここで、NDはスポット溶接のナゲット径[mm]である。
  3. 目標とする十字引張強度をCTSaim[kN]とする時、以下に示す数式(5)で表される条件を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のスポット溶接継手用薄鋼板。
    ここで、Lnは自然対数、C〜C11は0を含む定数である。
  4. 目標とする十字引張強度をCTSaim[kN]とする時、以下に示す数式(6)で表される条件を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のスポット溶接継手用薄鋼板。
    ここで、Lnは自然対数である。
  5. 0.001[mass%]以上0.5[mass%]以下の炭素を含有し、引張強度が270[MPa]以上である薄鋼板から構成されるスポット溶接継手の破断様式の判定方法であって、
    以下に示す数式(7)で表されるALR(>0)と以下に示す数式(3)で表されるSTFとが、以下に示す数式(8)で表される条件を満足する場合、前記スポット溶接継手の破断様式ははく離破断になると判定し、以下に示す数式(9)で表される条件を満足する場合には、前記スポット溶接継手の破断様式はプラグ破断になると判定するステップを含むことを特徴とするスポット溶接継手の破断様式の判定方法。
  6. 0.001[mass%]以上0.5[mass%]以下の炭素を含有し、引張強度が270[MPa]以上である薄鋼板から構成されるスポット溶接継手のはく離破断強度の予測方法であって、
    以下に示す数式(7)で表されるALR(>0)と以下に示す数式(3)で表されるSTFとが以下に示す数式(8)で表される条件を満足する場合、以下に示す数式(10)で表されるはく離破断時のナゲットの破壊靱性値KPREを算出し、以下に示す数式(11)で表されるはく離破断時の十字引張強度の平均値CTS IFを算出し、以下に示す数式(12)で表されるはく離破断時の十字引張強度の下限値CTS IFを算出するステップを含むことを特徴とするスポット溶接継手のはく離破断強度の予測方法。
    ここで、Ln(C)は薄鋼板の炭素含有量C[mass%]の自然対数、eは自然対数の底である。
  7. 0.001[mass%]以上0.5[mass%]以下の炭素を含有し、引張強度が270[MPa]以上である薄鋼板から構成されるスポット溶接継手のプラグ破断強度の予測方法であって、
    以下に示す数式(7)で表されるALRと以下に示す数式(3)で表されるSTFとが以下に示す数式(9)で表される条件を満足する場合、以下に示す数式(13)で表されるプラグ破断時の十字引張強度の平均値CTS FPFを算出し、以下に示す数式(14)で表されるプラグ破断時の十字引張強度の下限値CTS FPFを算出するステップを含むことを特徴とするスポット溶接継手のプラグ破断強度の予測方法。
    ここで、eは自然対数の底である。
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