JP6179402B2 - 分離膜エレメント - Google Patents

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Description

本発明は、液体、気体等の流体に含まれる成分を分離するために使用する分離膜エレメントに関する。
液体、気体等の流体に含まれる成分を分離する方法としては、様々なものがある。例えば海水、かん水などに含まれるイオン性物質を除くための技術を例にとると、近年、省エネルギーおよび省資源のためのプロセスとして分離膜エレメントによる分離法の利用が拡大している。分離膜エレメントによる分離法に使用される分離膜は、その孔径および分離機能の点から、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜、正浸透膜などに分類される。これらの膜は、例えば海水、かん水または有害物を含んだ水などからの飲料水の製造、工業用超純水の製造、排水処理、有価物の回収などに用いられている。
分離膜エレメントは、分離膜の一方の面に原流体が供給され、他方の面から透過流体を得る。多数の分離膜を束ねて分離膜エレメントに組み込むことで、1つの分離膜エレメントあたりの膜面積を大きくすることができ、その結果、1つの分離膜エレメントあたりの透過流体の製造量を大きくすることができる。現在、分離膜エレメントとしては、スパイラル型、中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、回転平膜型、および平膜集積型などの各種形態が提案されている。
例えば、逆浸透ろ過に用いられる流体分離膜エレメントには、原流体を分離膜表面へ供給する供給側流路材、原流体に含まれる成分を分離する分離膜、及び分離膜を透過し供給流体から分離された透過流体を中心管へと導くための透過側流路材が組み込まれている。供給側流路材としては、高分子製のネットなどが使用されている。また、透過側流路材としては、分離膜の落ち込みを防ぎ、かつ透過側の流路を形成させる目的で、供給側流路材よりも間隔が細かいトリコットと呼ばれる編み物部材が使用されている。分離膜は、透過側流路材の両面に重ね合わせて貼り合わされることで、封筒状膜を形成する。封筒状膜の内側は透過流体の流路を構成している。封筒状膜は、供給側流路材と交互に積層され、開口部側の所定部分を集水管の外周面に接着しスパイラル状に巻回される。
分離膜エレメントを高性能化するために、分離膜の充填効率を上げることが提案されている。例えば、特許文献1では、0.1mm〜0.5mmの厚みを有する供給側流路材が提案されている。また、特許文献2では、部分的に大きな厚みを有する原水流路材が提案されている。
また、透過側の流動抵抗を低減することで、分離膜エレメントの透過水量を増加させることが提案されている。特許文献3では、透過側流路材として凹凸賦形されたシート状物が提案されている。特許文献4では、膜の裏面側に不連続な透過側流路材が配されている。
日本国特開平10−230140号公報 日本国特開2000−237554号公報 日本国特開2006−247453号公報 国際公開第2011/152484号
供給側流路材を薄くすると、分離膜の充填効率を上げることができるが、供給側流路が狭くなることで、供給側流路の圧力損失が増加する。よって、特許文献1および2の技術では、分離膜の充填効率が増加しても、分離膜エレメント内の圧力損失が大きくなるため、単位膜面積あたりの透過水量は低下する。
また、特許文献3の技術では、透過側流路材の流動抵抗の低減効果は十分とはいえず、単位膜面積あたりの透過水量向上効果は小さい。特許文献4の方法により、透過側流路材の流動抵抗は大きく低減されるため、単位膜面積あたりの透過水量は向上するものの、供給側流路材の厚みが厚いため、分離膜エレメント当たりの造水量の向上効果は十分ではない。
本発明は、単位膜面積あたりの透過水量向上と分離膜エレメントあたりの造水量向上を両立することができる分離膜エレメントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の(1)〜(11)の構成を有する。
(1)集水管と、供給側の面と透過側の面とを備える分離膜本体と、供給側流路材と、透過側流路材とを備える分離膜エレメントであって、前記分離膜本体、前記供給側流路材および前記透過側流路材は前記集水管の周りにスパイラル状に巻回され、前記透過側流路材は、前記分離膜本体の前記透過側の面に、前記集水管の長手方向である第1方向に沿って複数個が不連続に設けられており、前記供給側流路材の厚みが0.15mm以上0.5mm以下である分離膜エレメント。
(2)前記分離膜本体の前記第1方向の長さが100mm以上350mm以下である、前記(1)に記載の分離膜エレメント。
(3)前記分離膜本体の前記第1方向に垂直な第2方向の長さが500mm以上1700mm以下である、前記(1)または(2)に記載の分離膜エレメント。
(4)前記透過側流路材の厚みが0.12mm以上0.4mm以下である、前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の分離膜エレメント。
(5)前記透過側流路材の、前記第1方向に沿って隣り合う間隔が0.2mm以上1.5mm以下である、前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の分離膜エレメント。
(6)前記供給側流路材の厚みと前記透過側流路材の厚みの和が0.4mm以上0.75mm以下である、前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の分離膜エレメント。
(7)前記供給側流路材は、互いに交差する複数の糸を備え、前記糸の、前記第1方向における交点間隔が1.5mm以上8mm以下である、前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の分離膜エレメント。
(8)前記糸が、前記第1方向に対して20°以上60°以下または−60°以上−20°以下で傾斜している、前記(7)に記載の分離膜エレメント。
(9)前記分離膜本体の前記第1方向の長さが220mm以上260mm以下、前記分離膜本体の前記第1方向に垂直な第2方向の長さが1000mm以上1700mm以下、且つ前記分離膜本体の枚数が1枚である、前記(1)に記載の分離膜エレメント。
(10)前記分離膜本体の前記第1方向の長さが220mm以上260mm以下、前記分離膜本体の前記第1方向に垂直な第2方向の長さが500mm以上1000mm以下、且つ前記分離膜本体の枚数が2枚である、前記(1)に記載の分離膜エレメント。
(11)前記分離膜本体の前記第1方向の長さが220mm以上260mm以下、前記分離膜本体の前記第1方向に垂直な第2方向の長さが350mm以上700mm以下、且つ前記分離膜本体の枚数が3枚である、前記(1)に記載の分離膜エレメント。
本発明の分離膜エレメントによると、分離膜エレメント内の圧力損失低減により、分離膜の充填効率を増加させても、単位膜面積あたりの透過水量を低下させることがなく、分離膜の性能を十分に発揮することができ、単位膜面積あたりの透過水量および分離膜エレメントあたりの造水量を向上させることができる。
図1は、分離膜の幅方向において不連続に設けられた透過側流路材を備える分離膜を示す平面図である。 図2は、図1に示す分離膜の断面図である。 図3は、分離膜エレメントの一形態を示す展開斜視図である。 図4は、分離膜対の一形態を示す分解斜視図である。 図5は、供給側流路材(ネット)の形態を示す平面図である。 図6は、図5のA−A矢視断面図である。
以下、本発明の実施の一形態について、詳細に説明する。
なお、本書において、「XがYを主成分として含有する」とは、XにおけるYの含有率が、50重量%以上であることを意味し、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、更に好ましくは90重量%以上、最も好ましくは95重量%以上である。また、Yに該当する複数の成分が存在する場合は、それら複数の成分の合計量が、上述の範囲を満たせばよい。
〔1.分離膜〕
(1−1)概要
分離膜とは、分離膜表面に供給される流体中の成分を分離し、分離膜を透過した透過流体を得ることができる膜である。分離膜は、分離膜本体と、分離膜本体上に配置された流路材とを備える。
このような分離膜の例として、本実施形態の分離膜1は、図1および図2に示すように、分離膜本体2と透過側流路材(流路材)3とを備える。分離膜本体2は、供給側の面21と透過側の面22とを備える。
本明細書において、分離膜本体の「供給側の面」とは、分離膜本体の2つの面のうち、原流体が供給される側の表面を意味する。「透過側の面」とは、その逆側の面を意味する。後述するように、分離膜本体が基材及び分離機能層を備える場合は、一般的に、分離機能層側の面が供給側の面あるいは表側であり、基材側の面が透過側の面あるいは裏側である。
流路材3は、分離膜本体2の透過側の面22上に、透過側流路(流路)5を形成するように設けられている。分離膜1の各部の詳細については後述する。
図中にx軸、y軸、z軸の方向軸を示す。x軸を第1方向、y軸を第2方向と称することがある。図3および図4に示すように、分離膜本体2は長方形であり、第1方向および第2方向は、分離膜本体2の外縁に平行である。第1方向を幅方向と称し、第2方向を長さ方向と称することがある。
(1−2)分離膜本体
<概要>
分離膜本体としては、使用方法、目的等に応じた分離性能を有する膜が用いられる。分離膜本体は、単一層によって形成されていてもよいし、分離機能層と基材とを備える複合膜であってもよい。また、複合膜においては、分離機能層と基材との間に、多孔性支持層が設けられていてもよい。
<分離機能層>
分離機能層の厚みは具体的な数値に限定されないが、分離性能と透過性能の点で5nm以上3000nm以下であることが好ましい。特に逆浸透膜、正浸透膜、ナノろ過膜では5nm以上300nm以下であることが好ましい。
分離機能層の厚みは、これまでの分離膜の膜厚測定法に準ずることができる。例えば、分離膜を樹脂により包埋し、それを切断することで超薄切片を作製し、得られた切片に染色などの処理を行う。その後、透過型電子顕微鏡により観察することで、厚みの測定が可能である。また、分離機能層がひだ構造を有する場合、多孔性支持層より上に位置するひだ構造の断面長さ方向に50nm間隔で測定し、ひだの数を20個測定し、その平均から求めることができる。
分離機能層は、分離機能および支持機能の両方を有する層であってもよいし、分離機能のみを備えていてもよい。なお、「分離機能層」とは、少なくとも分離機能を備える層を指す。
分離機能層が分離機能および支持機能の両方を有する場合、分離機能層としては、セルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルスルホン、またはポリスルホンを主成分として含有する層が好ましく適用される。
一方、分離機能層としては、孔径制御が容易であり、かつ耐久性に優れるという点で架橋高分子が好ましく使用される。特に、原流体中の成分の分離性能に優れるという点で、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合させてなるポリアミド分離機能層、有機−無機ハイブリッド機能層などが好適に用いられる。これらの分離機能層は、多孔性支持層上でモノマーを重縮合することによって形成可能である。
例えば、分離機能層は、ポリアミドを主成分として含有することができる。このような膜は、公知の方法により、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを界面重縮合することで形成される。例えば、多孔性支持層に多官能アミン水溶液を塗布し、余分なアミン水溶液をエアーナイフなどで除去し、その後、多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液を塗布することで、ポリアミド分離機能層が得られる。
また、分離機能層は、Si元素などを有する有機−無機ハイブリッド構造を有してもよい。有機−無機ハイブリッド構造を有する分離機能層は、例えば、以下の化合物(A)、(B):
(A)エチレン性不飽和基を有する反応性基および加水分解性基がケイ素原子に直接結合したケイ素化合物、ならびに
(B)前記化合物(A)以外の化合物であってエチレン性不飽和基を有する化合物
を含有することができる。具体的には、分離機能層は、化合物(A)の加水分解性基の縮合物ならびに化合物(A)および/または(B)のエチレン性不飽和基の重合物を含有してもよい。すなわち、分離機能層は、
・化合物(A)のみが縮合および/または重合することで形成された重合物、
・化合物(B)のみが重合して形成された重合物、並びに
・化合物(A)と化合物(B)との共重合物
のうちの少なくとも1種の重合物を含有することができる。なお、重合物には縮合物が含まれる。また、化合物(A)と化合物(B)との共重合体中で、化合物(A)は加水分解性基を介して縮合していてもよい。
ハイブリッド構造は、公知の方法で形成可能である。ハイブリッド構造の形成方法の一例は次のとおりである。化合物(A)および化合物(B)を含有する反応液を多孔性支持層に塗布する。余分な反応液を除去した後、加水分解性基を縮合させるためには、加熱処理すればよい。化合物(A)および化合物(B)のエチレン性不飽和基の重合方法としては、熱処理、電磁波照射、電子線照射、プラズマ照射を行えばよい。重合速度を速める目的で分離機能層形成の際に重合開始剤、重合促進剤等を添加することができる。
なお、いずれの分離機能層についても、使用前に、例えばアルコール含有水溶液、アルカリ水溶液によって膜の表面を親水化させてもよい。
<多孔性支持層>
多孔性支持層は、分離機能層を支持する層であり、多孔性樹脂層とも言い換えられる。
多孔性支持層に使用される材料やその形状は特に限定されないが、例えば、多孔性樹脂によって基板上に形成されてもよい。多孔性支持層としては、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂あるいはそれらを混合、積層したものが使用され、化学的、機械的、熱的に安定性が高く、孔径が制御しやすいポリスルホンを使用することが好ましい。
多孔性支持層は、分離膜に機械的強度を与え、かつイオン等の分子サイズの小さな成分に対して分離膜のような分離性能を有さない。多孔性支持層の有する孔のサイズおよび孔の分布は特に限定されないが、例えば、多孔性支持層は、均一で微細な孔を有してもよいし、あるいは分離機能層が形成される側の表面からもう一方の面にかけて径が徐々に大きくなるような孔径の分布を有してもよい。また、いずれの場合でも、分離機能層が形成される側の表面で原子間力顕微鏡または電子顕微鏡などを用いて測定された細孔の投影面積円相当径は、1nm以上100nm以下であることが好ましい。特に界面重合反応性および分離機能層の保持性の点で、多孔性支持層において分離機能層が形成される側の表面における孔は、3nm以上50nm以下の投影面積円相当径を有することが好ましい。
多孔性支持層の厚みは特に限定されないが、分離膜に強度を与えるため等の理由から、20μm以上500μm以下の範囲にあることが好ましく、より好ましくは30μm以上300μm以下である。
多孔性支持層の形態は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡、原子間顕微鏡により観察できる。例えば走査型電子顕微鏡で観察するのであれば、基材から多孔性支持層を剥がした後、これを凍結割断法で切断して断面観察のサンプルとする。このサンプルに白金または白金−パラジウムまたは四塩化ルテニウム、好ましくは四塩化ルテニウムを薄くコーティングして3〜6kVの加速電圧で、高分解能電界放射型走査電子顕微鏡(UHR−FE−SEM)で観察する。高分解能電界放射型走査電子顕微鏡は、株式会社日立製作所製S−900型電子顕微鏡などが使用できる。得られた電子顕微鏡写真に基づいて、多孔性支持層の膜厚、表面の投影面積円相当径を測定することができる。
多孔性支持層の厚み、孔径は、平均値であり、多孔性支持層の厚みは、断面観察で厚み方向に直交する方向に20μm間隔で測定し、20点測定の平均値である。また、孔径は、200個の孔について測定された、各投影面積円相当径の平均値である。
次に、多孔性支持層の形成方法について説明する。多孔性支持層は、例えば、上記ポリスルホンのN,N−ジメチルホルムアミド(以降、DMFと記載)溶液を、後述する基材、例えば密に織ったポリエステル布あるいは不織布の上に一定の厚さに注型し、それを水中で湿式凝固させることによって、製造することができる。
多孔性支持層は、”オフィス・オブ・セイリーン・ウォーター・リサーチ・アンド・ディベロップメント・プログレス・レポート”No.359(1968)に記載された方法に従って形成することができる。なお、所望の形態を得るために、ポリマー濃度、溶媒の温度、貧溶媒は調整可能である。
例えば、所定量のポリスルホンをDMFに溶解し、所定濃度のポリスルホン樹脂溶液を調製する。次いで、このポリスルホン樹脂溶液をポリエステル布あるいは不織布からなる基材上に略一定の厚さに塗布した後、一定時間空気中で表面の溶媒を除去した後、凝固液中でポリスルホンを凝固させることによって得ることができる。
<基材>
分離膜本体の強度、寸法安定性等の観点から、分離膜本体は基材を有してもよい。基材としては、強度、凹凸形成能および流体透過性の点で繊維状基材を用いることが好ましい。
基材としては、長繊維不織布及び短繊維不織布のいずれも好ましく用いることができる。特に、長繊維不織布は、優れた製膜性を有するので、高分子重合体の溶液を流延した際に、その溶液が過浸透により裏抜けすること、多孔性支持層が剥離すること、さらには基材の毛羽立ち等により膜が不均一化すること、及びピンホール等の欠点が生じることを抑制できる。また、基材が熱可塑性連続フィラメントより構成される長繊維不織布からなることにより、短繊維不織布と比べて、高分子溶液流延時に繊維の毛羽立ちによって起きる不均一化および膜欠点の発生を抑制することができる。さらに、分離膜は、連続製膜されるときに、製膜方向に対し張力がかけられるので、寸法安定性に優れる長繊維不織布を基材として用いることが好ましい。
長繊維不織布は、成形性、強度の点で、多孔性支持層とは反対側の表層における繊維が、多孔性支持層側の表層の繊維よりも縦配向であることが好ましい。そのような構造によれば、強度を保つことで膜破れ等を防ぐ高い効果が実現されるだけでなく、分離膜に凹凸を付与する際の、多孔性支持層と基材とを含む積層体としての成形性も向上し、分離膜表面の凹凸形状が安定するので好ましい。
より具体的には、長繊維不織布の、多孔性支持層とは反対側の表層における繊維配向度は、0°以上25°以下であることが好ましく、また、多孔性支持層側表層における繊維配向度との配向度差が10°以上90°以下であることが好ましい。
分離膜の製造工程やエレメントの製造工程においては加熱する工程が含まれるが、加熱により多孔性支持層または分離機能層が収縮する現象が起きる。特に連続製膜において張力が付与されていない幅方向において、収縮は顕著である。収縮することにより、寸法安定性等に問題が生じるため、基材としては熱寸法変化率が小さいものが望まれる。不織布において多孔性支持層とは反対側の表層における繊維配向度と多孔性支持層側表層における繊維配向度との差が10°以上90°以下であると、熱による幅方向の変化を抑制することもでき、好ましい。
ここで、繊維配向度とは、多孔性支持層を構成する不織布基材の繊維の向きを示す指標である。具体的には、繊維配向度とは、連続製膜を行う際の製膜方向、つまり不織布基材の長手方向と、不織布基材を構成する繊維との間の角度の平均値である。つまり、繊維の長手方向が製膜方向と平行であれば、繊維配向度は0°である。また、繊維の長手方向が製膜方向に直角であれば、すなわち不織布基材の幅方向に平行であれば、その繊維の配向度は90°である。よって、繊維配向度が0°に近いほど縦配向であり、90°に近いほど横配向であることを示す。
繊維配向度は以下のように測定される。まず、不織布からランダムに小片サンプル10個を採取する。次に、そのサンプルの表面を走査型電子顕微鏡で100〜1000倍で撮影する。撮影像の中で、各サンプルあたり10本を選び、不織布の長手方向(縦方向、製膜方向)を0°としたときの角度を測定する。つまり1つの不織布あたり計100本の繊維について、角度の測定が行われる。こうして測定された100本の繊維についての角度から平均値を算出する。得られた平均値の小数点以下第一位を四捨五入して得られる値が、繊維配向度である。
基材と多孔性支持層との厚みの合計は、0.03mm以上0.3mm以下の範囲内とするのが好ましく、0.05mm以上0.25mm以下の範囲内となるように設定することがより好ましい。
本発明において、分離膜本体の好適な構成としては、用いる集水管のサイズや分離膜エレメントを収納する圧力容器のサイズに応じて適宜選択されればよいが、造水効率の観点から、第1方向の長さが220mm以上260mm以下、第2方向の長さが1000mm以上1700mm以下の分離膜本体を1枚用いるのが好ましい。また、第1方向の長さが220mm以上260mm以下、第2方向の長さが500mm以上1000mm以下の分離膜本体を2枚用いることも好ましい。さらに、第1方向の長さが220mm以上260mm以下、第2方向の長さが350mm以上700mm以下の分離膜本体を3枚用いることも好ましい。
(1−3)透過側流路材
図1および図2に示したように、分離膜本体2の透過側の面22には、透過側流路5を形成するように複数個の透過側流路材(流路材)3が設けられる。「透過側流路を形成するように設けられる」とは、分離膜が後述の分離膜エレメントに組み込まれたときに、分離膜本体を透過した透過流体が集水管に到達できるように、流路材が形成されていることを意味する。
このような流路材3は、分離膜本体2の透過側の面22に流路5を形成するという観点から、少なくとも第1方向に沿って不連続に設けられることが好ましい。「不連続」とは、流路材3を分離膜本体2から剥離すると、複数の流路材3が互いに分かれる構造であることを指す。これに対して、ネット、トリコットおよびフィルム等の部材は、分離膜本体2から分離されても一体として連続した形状を有するため不連続ではない。
分離膜本体2に設けられる流路材3の平面形状としては、具体的には、ドット状、粒状、線状、半球状、柱状(円柱状、角柱状等を含む)、又は壁状等が挙げられる。1枚の分離膜本体2上に設けられた、線状又は壁状の複数の流路材は、互いに交差しないように配置されていればよく、具体的には、互いに略平行に配置されてもよい。「略平行に配置される」構成の例として、流路材は分離膜上で交差しないように配置されてもよく、隣り合う流路材の長手方向のなす角度が0°以上30°以下であってもよい。隣り合う流路材の長手方向のなす角度は、0°以上15°以下が好ましく、0°以上5°以下がより好ましい。
分離膜本体2に設けられた透過側流路材3は例えば、樹脂により形成されており、個々の樹脂体の形状は、特に限定されないが、透過流体流路の流動抵抗を少なくし、かつ分離膜エレメントに原流体を供給、透過させた際の流路を安定化させることができればよい。透過側流路材の一単位を分離膜の透過側の面に垂直な方向から観察した平面形状としては、例えば、楕円、円、長円、台形、三角形、長方形、正方形、平行四辺形、菱形、不定形が挙げられる。また、分離膜の面方向に垂直な断面において、透過側流路材は、上部から下部に向かって(つまり、厚み方向における透過側流路材の頂点から、透過側流路材が設けられた分離膜本体に向かって)、幅が広がる形状、狭まる形状、一定の幅を示す形状のいずれであってもよい。
分離膜本体2に設けられた透過側流路材3の形成方法としては特に限定されないが、連続形状の場合、あらかじめ加工しておいた流路材を分離膜本体の透過側の面に積層する方法が好ましい。不連続形状の場合、透過側流路材を構成する材料を分離膜本体の透過側の面に直接、印刷、噴霧、アプリケーター塗布、ホットメルト加工などにより配置する方法が用いられる。
分離膜における透過側流路材の厚みは、厚ければ透過側流路の流動抵抗は小さくなるものの、後述する集水管に巻回できる膜面積が低減してしまう。薄ければ、巻回できる膜面積は増加するものの、流動抵抗が大きくなってしまう。それらのバランスから、透過側流路材の厚みは、0.12mm以上0.4mm以下であることが好ましく、0.16mm以上0.35mm以下であることがより好ましく、0.2mm以上0.3mm以下であることがさらに好ましい。これらの範囲であれば安定した透過流体の流路を確保することができる。
なお、透過側流路材の厚みは、分離膜本体の透過側の面と、透過側流路材との高低差に相当する。
透過側流路材の厚みは、30箇所以上の流路材3について厚みを測定し、平均して得られる値である。1つの断面内に含まれる流路材の数が30個以上であれば、1つの断面内で厚みを得ることができる。1つの断面に含まれる流路材3の数が30個未満であれば、複数の断面で厚みを測定することができる。
図1および図2に示したように、第1方向に沿って隣り合う透過側流路材3どうしの間隔bは、流路5の幅に相当する。間隔が大きいと、圧力損失は小さくなるという利点がある。その一方で、間隔が小さいと、膜落ち込みが生じにくくなるという利点がある。それらのバランスから、間隔は0.2mm以上1.5mm以下であることが好ましく、この範囲であれば、膜落ち込みを防止できるうえに、圧力損失を小さくすることができる。より好ましくは0.22mm以上1mm以下であり、さらに好ましくは0.25mm以上0.6mm以下である。
1つの断面において1つの流路5の幅が一定でない場合、つまり隣り合う2つの流路材3の側面が平行でない場合は、1つの断面内で、1つの流路5の幅の最大値と最小値の平均値を測定し、その平均値を算出する。図2に示すように、第2方向に垂直な断面において、流路材3の断面形状が上が細く下が太い台形状を示す場合、まず、隣接する2つの流路材3の上部間の距離と下部間の距離を測定して、その平均値を算出する。任意の30箇所以上の断面において、流路材3の間隔を測定してこの平均値を算出し、これらの値の相加平均値をさらに算出することで、間隔の値が得られる。
流路材3の幅dは好ましくは0.2mm以上であり、より好ましくは0.3mm以上である。幅が0.2mm以上であることで、分離膜エレメントの運転時に流路材3に圧力がかかっても、流路材の形状を保持することができ透過側流路が安定的に形成される。幅dは、好ましくは2mm以下であり、より好ましくは1.5mm以下である。幅が2mm以下であることで、透過側の流路を十分確保することができる。
流路材3の幅dは、第2方向に垂直な1つの断面において、1つの流路材3の最大幅と最小幅の平均値を算出する。つまり、図2に示すような上部が細く下部が太い流路材3においては、流路材下部の幅と上部の幅を測定し、その平均値を算出する。このような平均値を少なくとも30箇所の断面において算出し、その相加平均を算出する。
透過側の面22に設けられた透過側流路材3の厚みは、例えばホットメルト加工法で透過側流路材を配置させる場合では処理温度や選択するホットメルト用の樹脂を変更することで、要求される分離特性や透過性能の条件を満足できるように自由に調整することができる。
透過側の面22に設けられた透過側流路材3の厚みは、市販の形状測定システムなどを用いて計測できる。例えば、レーザー顕微鏡による断面からの厚み測定などで測定することができる。測定は任意の透過側流路材が存在する箇所について実施し、各厚みの値を総和した値を測定総箇所の数で割って求めることができる。
透過側の面に設けられた透過側流路材3が、分離膜エレメントに組み込まれたときに、透過流体の良好な回収率を得るために、透過側流路5は、分離膜1の一端から他端まで連続するように設けられていてもよい。このような構成の一例として、流路5は第2方向に沿って連続的に形成されている。このような流路5は、複数の流路材3が第1方向に沿って不連続に配置されていることによって形成される。
つまり、図3に示したように分離膜エレメント100に分離膜1が組み込まれたときに、流路材3は、巻回方向における内側端部から外側端部まで連続するように配置される。巻回方向の内側とは、分離膜1において集水管8に近い側であり、巻回方向の外側とは、分離膜1において集水管8から遠い側である。図3に示したように1つの流路材3が巻回方向に連続的に設けられている場合、加圧ろ過時に膜落ち込みが抑制される。膜落ち込みとは、膜が流路に落ち込んで流路を狭めることである。
特に、流路材3は、集水管8に対して略垂直となるように配置されることが好ましい。略垂直とは、具体的には、集水管8と流路材3との間の角度が、75°〜105°である状態を指す。
透過側の面22に設けられた流路材3は、分離膜本体2とは異なる素材で形成されていることが好ましい。異なる素材とは、分離膜本体2で使用される材料とは異なる組成を有する材料を意味する。特に、流路材3の組成は、分離膜本体2のうち、流路材3が形成されている面、すなわち透過側の面22の組成とは異なることが好ましく、分離膜本体2を形成するいずれの層の組成とも異なることが好ましい。
透過側の面22に設けられた流路材3を構成する成分としては特に限定されないが、耐薬品性、耐圧性の点で、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンや共重合ポリオレフィンなどが好ましく、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などのポリマーも選択できる。ただし、熱可塑性樹脂であれば成形が容易であるため、流路材3の形状を均一にできる。
図1では、流路材3の平面形状は、長さ方向において直線状である。ただし、流路材3は、分離膜本体2の表面に対して凸であり、かつ分離膜エレメントとしての所望の効果が損なわれない範囲であれば、他の形状に変更可能である。すなわち、流路材の平面方向における形状は、曲線状および波線状等であってもよい。また、1つの分離膜に含まれる複数の流路材が、幅および長さの少なくとも一方が互いに異なるように形成されていてもよい。
流路材3の断面形状(第2方向に垂直な断面における形状)として、図2には台形を示す。ただし、流路材の断面形状は長方形、半円形、円形、楕円形およびその他の形状に変更可能である。たとえば、流路材の形状は、直柱状や曲柱状、あるいはそれらの組み合わせでもよい。
流路5を安定して形成するには、分離膜エレメント100において分離膜本体2が加圧されたときの分離膜本体2の落ち込みを抑制できることが好ましい。そのためには、分離膜本体2と流路材3との接触面積が大きいこと、つまり分離膜本体2の面積に対する流路材3の面積(分離膜本体の膜面に対する投影面積)が大きいことが好ましい。一方で、圧力損失を低減させるには、流路5の断面積が広いことが好ましい。また、流路材3は、巻回方向に垂直な方向での断面形状において、幅に変化のない直柱状であってもよい。また、分離膜性能に影響を与えない範囲内であれば、巻回方向に垂直な方向での断面形状において、幅に変化があるような台形状の壁状物、楕円柱、楕円錐、四角錐あるいは半球のような形状であってもよい。
従来のトリコットのような流路材は編み物であるため、その高低差の全てを溝として活用できないが、流路材3ではその高低差の全てが流路5の溝として活用できるため、トリコットの厚みと流路材3の厚みとが同じであっても厚み方向の流路が広くなり、圧力損失が小さくなるため、分離膜エレメントの造水量が増加する。
流路材3は分離膜本体2中に、より具体的には基材中に、流路材3の成分が含浸していてもよい。分離膜本体の基材側、すなわち透過側の面に流路材3を配置し、ホットメルト法などで基材側から加熱すると、分離膜の裏側から表側に向かって流路材3の含浸が進行する。含浸が進行するにつれて流路材3と基材との接着が強固になり、加圧ろ過しても流路材3が基材から剥離しにくくなる。
ただし、流路材3の成分が基材に浸透し、多孔性支持層の分離機能層の近傍まで含浸していると、加圧ろ過した際に含浸した流路材3が分離機能層を破壊することがある。そのため、流路材3の成分が基材に含浸している場合、基材の厚みに対する流路材の含浸厚みの割合(すなわち含浸率)は、5〜95%の範囲であることが好ましく、10〜80%の範囲であることがより好ましく、20〜60%の範囲であることがさらに好ましい。なお、含浸厚みとは、1つの断面において、1つの流路材3に対応する含浸部の厚みの最大値を意味する。
流路材3の含浸厚みは、例えば、流路材3を構成する材料の種類(より具体的には樹脂の種類)および/または材料の量を変更することで、調整可能である。また、流路材3をホットメルト法によって設ける場合には、処理温度等を変更することによっても、含浸厚みを調整することができる。
なお、流路材3の含浸部を含む基材を示差走査熱量測定といった熱分析に供することにより、基材とは別に流路材3の成分に起因するピークが得られれば、流路材3が基材に含浸していることを確認することができる。
流路材3の基材への含浸率は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡、原子間力顕微鏡により、流路材3が存在する分離膜の断面を観察して流路材3含浸厚みと基材厚みを算出することができる。例えば走査型電子顕微鏡で観察するのであれば分離膜本体を流路材3と共に深さ方向に切断し、断面を走査型電子顕微鏡で観察して、含浸厚みと基材厚みを測定する。そして、基材で流路材が最も含浸している最大含浸厚みと基材厚みとの比から算出できる。なお、含浸深さを算出する場合の「基材厚み」とは、最大含浸厚みを測定した部分に対応する基材の厚みである。
〔2.分離膜エレメント〕
(2−1)概要
図3に示すように、分離膜エレメント100は、集水管8と、上述したいずれかの構成を備え、集水管8の周囲に巻回される分離膜1を備える。また、分離膜エレメント100は、図示しない端板等の部材をさらに備える。分離膜エレメント100は、いわゆるスパイラル型エレメントである。
(2−2)分離膜
分離膜1は、集水管8の周囲にスパイラル状に巻回されており、幅方向が集水管8の長手方向に沿うように配置される。その結果、分離膜1は、長さ方向が巻回方向に沿うように配置される。
よって、壁状部材である流路材3は、分離膜1を構成する分離膜本体2の透過側の面22において、少なくとも集水管8の長手方向に沿って不連続状に配置される。つまり、流路5は、巻回方向において分離膜1の外側端部から内側端部まで連続するように形成される。その結果、透過水が集水管8の中心パイプへ到達し易く、すなわち流動抵抗が小さくなるので、大きな造水量が得られる。
「巻回方向の内側」及び「巻回方向の外側」は、図3に示す通りである。つまり、「巻回方向の内側端部」及び「巻回方向の外側端部」とはそれぞれ、分離膜1において集水管8に近い方の端部、及び遠い方の端部に該当する。
上述したように、流路材は分離膜の縁まで達していなくてもよいので、例えば、巻回方向における封筒状膜の外側端部、及び集水管長手方向における封筒状膜の端部では、流路材が設けられていなくてもよい。
図4に示すように、分離膜は、分離膜対4を形成する。分離膜1は、供給側の面21が、供給側流路材6を挟んで他の分離膜7の供給側の面71と対向するように配置される。分離膜エレメント100において、互いに向かい合う分離膜の供給側の面の間には供給側流路が形成され、透過側の面の間には透過側流路が形成される。
また、分離膜1の上にはさらに、図示しない他の分離膜が重ねられ、分離膜1と封筒状膜を形成する。封筒状膜とは、透過側の面が対向するように配置された2枚1組の分離膜である。封筒状膜は長方形状であり、透過水が集水管8に流れるように、透過側の面の間が、巻回方向内側の一辺のみにおいて開放され、他の三辺においては封止される。こうして、分離膜は、透過側の面を内側に向けた封筒状膜を形成する。透過水はこの封筒状膜によって供給水から隔離される。
封止としては、接着剤またはホットメルトなどにより接着されている形態、加熱またはレーザーなどにより融着されている形態、およびゴム製シートが挟みこまれている形態が挙げられる。接着による封止は、最も簡便で効果が高いために特に好ましい。
また、分離膜の供給側の面において、巻回方向における内側端部は、折りたたみ又は封止により閉じられている。分離膜の供給側面が、折り畳まれているのではなく封止されていることで、分離膜の端部における撓みが発生しにくい。折り目近傍での撓みの発生が抑制されることで、巻回したときに分離膜間での空隙の発生およびこの空隙によるリークの発生が抑制される。
なお、互いに対向する分離膜は、同じ構成を備えてもよいし、異なる構成を備えてもよい。すなわち、分離膜エレメントにおいて、向かい合う2枚の透過側の面のうち、少なくとも一方に上述の透過側流路材が設けられていればよいので、透過側流路材を備える分離膜と、備えない分離膜とが交互に重ねられていてもよい。ただし、説明の便宜上、分離膜エレメントおよびそれに関係する説明においては、「分離膜」は、透過側流路材を備えない分離膜(たとえば分離膜本体と同じ構成を備える膜)を含む。
透過側の面において、または供給側の面において、互いに対向する分離膜は、2枚の異なる分離膜であってもよいし、1枚の膜が折りたたまれたものであってもよい。
分離膜の幅(第1方向の長さ)は、用いる圧力容器の大きさによって決められる。分離膜の幅が短いほど、供給側流路材の長さが短くなるので、供給側流路材における圧力損失が小さくなる。本発明の実施形態においては、分離膜の幅は、350mm以下であることが好ましい。分離膜の幅の下限は特に限定されないが、分離膜の幅は例えば100mm以上である。
分離膜の長さ(第2方向の長さ)は、用いる圧力容器の径に合わせて、分離膜の枚数と分離膜の長さを適宜調整して用いる。分離膜の長さが短いほど、透過側流路材の長さが短くなるので、透過側流路における圧力損失が小さくなる。そこで、分離膜の長さは、1500mm以下であることが好ましい。また、分離膜の枚数が多くなれば、分離膜の長さを短くすることができるので、1つの分離膜エレメントにおける分離膜の枚数は、分離膜エレメント側面の直径が2インチサイズである場合、1枚以上であることが好ましい。
その一方で、分離膜の枚数が多いと、膜間の接着面積が多くなるため、実質的に分離膜として機能する有効膜面積が小さくなる。そこで、本発明の実施形態においては、分離膜の長さは、500mm以上であることが好ましい。分離膜の長さが500mm以上であるとき、1つの分離膜エレメントにおける分離膜の枚数は、分離膜エレメント側面の直径が2インチサイズである場合、3枚以下であってもよい。
なお、ここで分離膜の幅および長さは、接着剤を塗布する部分の幅および長さも含む。
(2−3)集水管
集水管8は、その中を透過水が流れるように構成されていればよく、材質、形状、大きさ等は特に限定されない。集水管8としては、例えば、図3に示したように、複数の孔(図示せず)が設けられた側面を有する円筒状の部材が用いられる。
(2−4)供給側流路材
分離膜エレメントは、分離膜本体の供給側の面に対向するように配置された供給側流路材を備えてもよい(図4参照)。供給側流路材6は、分離膜本体2に原流体を供給する流路を形成するように形成されていればよく、原流体の濃度分極を抑制するために、原流体の流れを乱すように設けられていることが好ましい。
供給側流路材は、フィルムやネットといった連続形状を有している部材が用いられる。中でも、原流体の流路確保、濃度分極抑制の点から、ネットが好ましく用いられる。
供給側流路では、流路を安定に形成することも重要であるが、通過する流体が透過側流路よりも多量であるため圧力損失を低減することが最も重要である。そのため、供給側流路材の投影面積比は0.03〜0.5であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.4、さらに好ましくは、0.15〜0.35である。
図5および図6に、供給側流路材6の一例として、ネットを示す。ネットである供給側流路材6は、複数の糸61により構成されている。複数の糸61は、交点62において互いに交差する。
供給側流路材における糸同士の交点間隔は、広いほど圧力損失は小さくなるが、供給側流路材の剛性が低くなる。交点間隔が狭いと、供給側流路材の剛性は高くなるが、圧力損失は大きくなる。それらのバランスから、供給流体(原流体)の流れる方向(第1方向)における糸の交点間隔は、1.5mm以上8mm以下が好ましく、1.8mm以上5mm以下がより好ましい。
図5に示した供給側流路材6において、供給流体の流れる方向(図5では第1方向に一致する)に対する糸61の傾斜角は、低いほど圧力損失は小さくなるが、剛性は低くなる。傾斜角が高いと、剛性は高くなるが、圧力損失が大きくなる。それらのバランスから、供給側流路材の供給流体の流れる方向に対する糸61の傾斜角は、20°以上60°以下あるいは−60°以上−20°以下であることが好ましく、30°以上55°以下あるいは−55°以上−30°以下がより好ましい。供給流体の流れる方向に対して正方向に傾斜する糸の傾斜角と、負方向に傾斜する糸の傾斜角は、20°以上60°以下あるいは−60°以上−20°以下であれば、同じであっても、異なっていてもよい。
糸61は、ネットの構成繊維の一例であって、撚りをかけたものでもかけていないものでもよく、細長い形状をしているものであればよい。供給側流路材を所定の形状に形成でき、剛性を維持できるものであれば、糸の断面形状は特に限定されず、楕円、円、三角形、四角形などの多角形であってもよい。
供給側流路材の厚みとは、最大厚みのことであり、ネットにおいては図6に示すように糸の交点部分の厚みTを指す。供給側流路材の厚みが大きいと圧力損失は小さくなるが、エレメント化、すなわち分離膜エレメントを形成した場合にベッセル(圧力容器)に充填できる膜面積が小さくなる。厚みが小さいと、エレメント化した場合にベッセルに充填できる膜面積を大きくすることができるが、供給側流路の圧力損失が大きくなる。本実施形態の分離膜エレメントにおいて、供給側流路材の厚みは0.15mm以上0.5mm以下であることが好ましく、0.25mm以上0.45mm以下であることがより好ましい。
透過側流路材の厚みと供給側流路材の厚みの和は、充填膜面積を大きくし、分離膜エレメント内の圧力損失を抑えるために、0.4mm以上0.75mm以下であることが好ましく、0.5mm以上0.7mm以下であることがより好ましい。
なお、供給側流路材の素材は、供給側流路材としての剛性を維持することができ、膜リーフあるいは分離膜エレメントを形成したときに、膜面を傷つけないものであれば特に限定されず、分離膜と同素材であっても異素材であってもよく、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが好ましく用いられる。膜リーフ(または単に「リーフ」と称する)とは、エレメントに組み込まれるのに適した長さに裁断され、供給側の面が互いに対向する2枚一組の分離膜(または供給側の面を内側にして畳まれた1枚の分離膜)である。膜リーフにおいては、分離膜間に供給側流路材が挟まれる。
(2−5)透過側流路
上述したように、透過側流路は、分離膜本体上に設けられた透過側流路材によって形成される。
〔3.分離膜エレメントの製造方法〕
分離膜エレメントの製造には、従来のエレメント製作装置を用いることができる。また、エレメント作製方法としては、参考文献(日本国特公昭44−14216号公報、日本国特公平4−11928号公報、日本国特開平11−226366号公報)に記載される方法を用いることができる。詳細には以下の通りである。
(3−1)分離膜本体の製造
分離膜本体の製造方法については上述したが、簡単にまとめると以下のとおりである。
良溶媒に樹脂を溶解し、得られた樹脂溶液を基材にキャストして純水中に浸漬して多孔性支持層と基材を複合させる。その後、上述したように、多孔性支持層上に分離機能層を形成する。さらに、必要に応じて分離性能、透過性能を高めるべく、塩素、酸、アルカリ、亜硝酸などの化学処理を施し、さらにモノマー等を洗浄し分離膜本体の連続シートを作製する。
(3−2)透過側流路の形成
上述したように、透過側流路は、分離膜本体上に設けられた透過側流路材によって形成される。流路材を配置する方法は特に限定されないが、ロール型コーター、ノズル型のホットメルトアプリケーター、スプレー型のホットメルトアプリケーター、フラットノズル型のホットメルトアプリケーター、グラビア法、押出型コーター、印刷、噴霧などを用いることができる。
(3−3)供給側流路材の配置
供給側流路材が、ネット等の連続的に形成された部材である場合は、分離膜と供給側流路材とを重ね合わせることで、供給側流路を形成することができる。
また、分離膜に樹脂を直接塗布することで、不連続な、または連続な形状を有する供給側流路材を形成することができる。分離膜本体に固着された供給側流路材によって形成される場合も、供給側流路材の配置が分離膜の製造方法の一部と見なされてもよい。
また、分離膜本体を凹凸加工することで、流路を形成してもよい。凹凸加工法としては、エンボス成形、水圧成形、カレンダ加工といった方法が挙げられる。エンボス加工の条件、エンボス加工形状等は、求められる分離膜エレメントの性能等に応じて変更可能である。この凹凸加工は、分離膜の製造方法の一部と見なされてもよい。
(3−4)分離膜の積層および巻回
1枚の分離膜を透過側面が内側を向くように折り畳んで貼り合わせることで、または2枚の分離膜を透過側面が内側を向くように重ねて貼り合わせることで、封筒状膜が形成される。上述したように、封筒状膜は三辺が封止される。封止は、接着剤またはホットメルト等による接着、熱またはレーザーによる融着等により実行できる。
封筒状膜の形成に用いられる接着剤は、粘度が40ps(poise)以上150ps以下の範囲内であることが好ましく、さらに50ps以上120ps以下がより好ましい。分離膜にしわが発生すると、分離膜エレメントの性能が低下することがあるが、接着剤粘度が、150ps以下であることで、分離膜を集水管に巻回するときに、しわが発生しにくくなる。また、接着剤粘度が40ps以上である場合、分離膜間からの接着剤の流出が抑制され、不要な部分に接着剤が付着する危険性が低下する。なお、1ps=0.1Pa・sである。
接着剤の塗布量は、分離膜が集水管に巻回された後に、接着剤が塗布される部分の幅が10mm以上100mm以下であるような量であることが好ましい。これによって、分離膜が確実に接着されるので、原流体の透過側への流入が抑制される。また、有効膜面積も比較的大きく確保することができる。
接着剤としてはウレタン系接着剤が好ましく、粘度を40ps以上150ps以下の範囲とするには、主剤のイソシアネートと硬化剤のポリオールとが、イソシアネート:ポリオール=1:1〜1:5の割合で混合されたものが好ましい。接着剤の粘度は、予め主剤、硬化剤単体、及び配合割合を規定した混合物の粘度をB型粘度計(JIS K 6833)で測定される。
こうして接着剤が塗布された分離膜は、封筒状膜の閉口部分が巻回方向内側に位置するように配置され、集水管の周囲に分離膜を巻きつけられる。こうして、分離膜がスパイラル状に巻回される。
(3−5)その他の工程
分離膜エレメントの製造方法は、上述のように形成された分離膜の巻回体の外側に、フィルムおよびフィラメント等をさらに巻きつけることを含んでいてもよいし、集水管の長手方向における分離膜の端を切りそろえるエッジカット、端板の取り付け等のさらなる工程を含んでいてもよい。
〔4.分離膜エレメントの利用〕
分離膜エレメント100に供給された原流体は、分離膜1の供給側の面21に供給される。原流体の一部が分離膜1を透過することで、原流体は透過流体と濃縮流体とに分離される。透過流体は、封筒状膜の内側、つまり向かい合う2つの透過側の面22の間を流れて、集水管8に到達する。集水管8内を流れた透過流体は集水管8の端部から分離膜エレメント100の外に排出される。濃縮流体は、向かい合う2つの供給側の面21の間を流れ、分離膜エレメント100の端部から流出する。
分離膜エレメントは、直列または並列に接続されて圧力容器に収納されることで、分離膜モジュールとして使用可能である。
また、上記の分離膜エレメント、モジュールは、それらに流体を供給するポンプや、その流体を前処理する装置などと組み合わせて、流体分離装置を構成することができる。この分離装置を用いることにより、例えば原水を飲料水などの透過水と膜を透過しなかった濃縮水とに分離して、目的にあった水を得ることができる。
流体分離装置の運転圧力は高い方が塩除去性は向上するが、運転に必要なエネルギーも増加すること、また、複合半透膜の耐久性を考慮すると、複合半透膜に被処理水を透過する際の運転圧力は、0.2MPa以上、10MPa以下が好ましい。なお、運転圧力とはいわゆる膜間圧力差(trans membrane pressure)である。供給水温度は、高くなると塩除去性が低下するが、低くなるにしたがい膜透過流束も減少するので、5℃以上、45℃以下が好ましい。また、供給水pHは、高くなると海水などの高塩濃度の供給水の場合、マグネシウムなどのスケールが発生する恐れがあり、また、高pH運転による膜の劣化が懸念されるため、中性領域での運転が好ましい。
分離膜エレメントによって処理される原水としては、海水、かん水、排水等の500mg/L〜100g/LのTDS(Total Dissolved Solids:総溶解固形分)を含有する液状混合物が挙げられる。一般に、TDSは総溶解固形分量を指し、「質量÷体積」で表されるか、1Lを1kgと見なして「重量比」で表される。定義によれば、0.45ミクロンのフィルターで濾過した溶液を39.5〜40.5℃の温度で蒸発させ残留物の重さから算出できるが、より簡便には実用塩分から換算する。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(供給側流路材の厚み)
供給側流路材の厚みは、供給側流路材の断面を供給側流路材の面方向から観察し、撮影された画像を解析することで、交点部分の厚みを10箇所測定し、10点の平均値で示した。
(供給側流路材の交点数)
供給側流路材の交点数、交点間隔、糸傾斜角は、以下のように測定した。供給側流路材をデジタルマイクロスコープ(VHX−900)にて、供給側流路材の面に垂直な方向から観察した。撮影された画像を解析し、1cm×1cm四方中の交点の数をカウントし、10箇所の平均値を交点数とした。
(供給側流路材の交点間隔)
供給側流路材の第1方向における交点間隔は、以下のように測定した。供給側流路材をデジタルマイクロスコープ(VHX−900)にて、供給側流路材の面に垂直な方向から観察した。撮影された画像を解析することで、交点間の間隔を算出した。こうして、10箇所について間隔を測定し、測定値の平均値を交点間隔として算出した。
(供給側流路材の糸傾斜角)
供給側流路材の構成繊維(糸)の第1方向からの傾斜角は、供給側流路材をデジタルマイクロスコープ(VHX−900)にて供給側流路材の面に垂直な方向から観察し、撮影された画像を解析することで供給側流路材の繊維(糸)の傾斜角を算出した。測定を10箇所について行い、平均値で示した。
(透過側流路材の間隔、高低差)
走査型電子顕微鏡(S−800)(株式会社日立製作所製)を用いて30個の任意の透過側流路材の断面を500倍で写真撮影した。撮影された画像において、透過側流路材の厚み、並びに隣り合う透過側流路材の間隔を測定した。
(造水量、膜透過流束)
供給水として、濃度500mg/LかつpH6.5の食塩水を用い、運転圧力0.45MPa、運転温度25℃の条件下で運転を行い、1つの分離膜エレメントにより得られた1日あたりの造水量(L/日)、造水量を分離膜エレメントの有効膜面積で割った膜透過流束(m/(m・日))を測定および算出した。
(脱塩率(TDS除去率))
上記造水量の測定時と同様の操作によって得られた透過水の電気伝導度を測定し、TDS濃度を算出した。この透過水のTDS濃度と、供給水のTDS濃度を、下記式に当てはめることで、TDS除去率を算出した。
TDS除去率(%)=100×{1−(透過水中のTDS濃度/供給水中のTDS濃度)}
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート繊維から抄紙法で得られた不織布(糸径:1デシテックス、厚み:98μm、通気度:0.9cc/cm/sec、繊維配向度:多孔性支持層側表層40°、多孔性支持層とは反対側の表層20°)上にポリスルホンの15.0重量%のDMF溶液を180μmの厚みで室温(25℃)にてキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置することによって、厚さ130μmの繊維補強ポリスルホン支持膜ロールを作製した。
その後、支持膜ロールを巻き出し、ポリスルホン表面に、m−PDAの1.8重量%、ε−カプロラクタム4.5重量%水溶液中を塗布し、エアーノズルから窒素を吹き付け支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた後、トリメシン酸クロリド0.06重量%を含む25℃のn−デカン溶液を表面が完全に濡れるように塗布した。その後、膜から余分な溶液をエアーブローで除去し、50℃の熱水で洗浄して、3.5%のグリセリン水溶液に1分浸漬した後、100℃の熱風オーブンで1分間処理し、半乾燥状態の分離膜ロールを得た。
次いで、集水管の長手方向に対して垂直になり、かつ巻回方向の内側端部から外側端部まで連続的に直線状に塗布することで、集水管長手方向から観察した断面の形状が台形状であり、厚みが0.25mmである壁状物(透過側流路材)を得た。具体的には、透過側にエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(703A)を、溝幅および線幅がそれぞれ0.5mmである櫛形シムを装填したホットメルトアプリケーターを用いて、樹脂温度125℃、走行速度3m/minで、分離膜ロールの透過側の面に塗布した。
得られた分離膜を、供給側の面が対向するように折り畳み、ネット(厚み:0.5mm、交点間隔:4mm、糸傾斜角:45°)を供給側流路材として挟み込むことで、膜リーフを得た。
こうして得られた2枚の膜リーフを、透過側流路材の端部をABS製集水管(幅:300mm、径:17mm、孔数12個×直線状1列)にスパイラル状に巻き付けた。さらに、外周にフィルムを巻き付け、テープで固定した後に、エッジカット、端板の取りつけ、フィラメントワインディングを行うことで、分離膜部分の直径が2インチであるスパイラル型エレメントを作製した。
こうして得られたスパイラル型分離膜エレメントにおいて、有効膜面積は0.44mであり、膜リーフの長さ(第2方向の長さ)は550mmであり、膜リーフの幅(第1方向の長さ)は237mmであり、分離膜の枚数は2枚であった。
この分離膜エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転したところ、造水量、膜透過流束および脱塩率は、表1に示すとおりであった。なお、上記運転の回収率は15%であった。
(実施例2)
厚み0.35mmのネットを用い、膜リーフの長さを660mmに変更し、有効膜面積が0.53mとなった以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表1に示すとおりであった。
(実施例3)
厚み0.2mmのネットを用い、膜リーフの長さを830mmに変更し、有効膜面積が0.66mとなった以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表1に示すとおりであった。
(実施例4)
厚み0.18mmのネットを用い、膜リーフの長さを910mmに変更し、有効膜面積が0.73mとなった以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表1に示すとおりであった。
(実施例5)
厚み0.2mmのネットを用い、膜リーフの長さを830mm、膜リーフの幅を0.4mに変更し、有効膜面積が1.16mとなった以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表1に示すとおりであった。
(実施例6)
厚み0.2mmのネットを用い、膜リーフの長さを1690mmに、枚数を1枚に変更し、有効膜面積が0.70mとなった以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表1に示すとおりであった。
(実施例7)
厚み0.2mmのネットを用い、膜リーフの長さを370mmに、枚数を3枚に変更し、有効膜面積が0.44mとなった以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表1に示すとおりであった。
(実施例8)
樹脂の吐出量を調整することで壁状物の厚みを0.15mmに、膜リーフの長さを620mmに変更し、有効膜面積が0.5mとなった以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表1に示すとおりであった。
(実施例9)
厚み0.35mmのネットを用い、樹脂の吐出量を調整することで壁状物の厚みを0.38mmに、膜リーフの長さを570mmに変更し、有効膜面積が0.46mとなった以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表1に示すとおりであった。
(実施例10)
樹脂の吐出量を調整することで壁状物の厚みを0.11mmに、膜リーフの長さを660mmに変更し、有効膜面積が0.53mとなった以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表1に示すとおりであった。
(実施例11)
厚み0.34mmのネットを用い、樹脂の吐出量を調整することで壁状物の厚みを0.41mmに変更した以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表2に示すとおりであった。
(実施例12)
厚み0.2mmのネットを用い、樹脂の吐出量を調整することで壁状物の厚みを0.2mmに、膜リーフの長さを610mmに、枚数を3枚に変更し、有効膜面積が0.71mとなった以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表2に示すとおりであった。
(実施例13)
分離膜幅を254mmに変更し、有効膜面積が0.47mとなった以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表2に示すとおりであった。
(実施例14)
供給側流路材の第1方向の交点間隔を2.5mmに変更した以外は、実施例2と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表2に示すとおりであった。
(実施例15)
供給側流路材の第1方向の交点間隔を6.0mmに変更した以外は、実施例2と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表2に示すとおりであった。
(実施例16)
供給側流路材の第1方向からの糸傾斜角を25°に変更した以外は、実施例2と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表2に示すとおりであった。
(実施例17)
供給側流路材の第1方向からの糸傾斜角を55°に変更した以外は、実施例2と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表2に示すとおりであった。
(実施例18)
溝幅および線幅がそれぞれ0.3mmである櫛形シムを装填したホットメルトアプリケーターを用いてと透過側流路材を形成した以外は、実施例2と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表2に示すとおりであった。
(実施例19)
溝幅および線幅がそれぞれ0.7mmである櫛形シムを装填したホットメルトアプリケーターを用いてと透過側流路材を形成した以外は、実施例2と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表2に示すとおりであった。
(実施例20)
膜リーフの長さを1100mmに、枚数を1枚に変更し、有効膜面積が0.45mとなった以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表2に示すとおりであった。
(比較例1)
厚み0.7mmのネットを用い、膜リーフの長さを450mmに変更し、有効膜面積が0.36mとなり、透過側流路材として、トリコット(厚み:0.25mm、溝幅:0.2mm、畦幅:0.3mm、溝深さ:0.105mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表3に示すとおりであった。
(比較例2)
透過側流路材として、トリコット(厚み:0.25mm、溝幅:0.2mm、畦幅:0.3mm、溝深さ:0.105mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表3に示すとおりであった。
(比較例3)
厚み0.35mmのネットを用い、膜リーフの長さを660mmに変更し、有効膜面積が0.53mとなり、透過側流路材として、トリコット(厚み:0.25mm、溝幅:0.2mm、畦幅:0.3mm、溝深さ:0.105mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表3に示すとおりであった。
(比較例4)
厚み0.2mmのネットを用い、膜リーフの長さを830mmに変更し、有効膜面積が0.66mとなり、透過側流路材として、トリコット(厚み:0.25mm、溝幅:0.2mm、畦幅:0.3mm、溝深さ:0.105mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表3に示すとおりであった。
(比較例5)
厚み0.12mmのネットを用い、膜リーフの長さを910mmに変更し、有効膜面積が0.73mとなり、透過側流路材として、トリコット(厚み:0.25mm、溝幅:0.2mm、畦幅:0.3mm、溝深さ:0.105mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表3に示すとおりであった。
(比較例6)
厚み0.2mmのネットを用い、膜リーフの長さを830mmに、膜リーフの幅を400mmに変更し、有効膜面積が1.16mとなり、透過側流路材として、トリコット(厚み:0.25mm、溝幅:0.2mm、畦幅:0.3mm、溝深さ:0.105mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表3に示すとおりであった。
(比較例7)
厚み0.7mmのネットを用い、膜リーフの長さを450mmに変更し、有効膜面積が0.36mとなった以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表3に示すとおりであった。
(比較例8)
厚み0.12mmのネットを用い、膜リーフの長さを910mmに変更し、有効膜面積が0.73mとなった以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表3に示すとおりであった。
(比較例9)
厚み:0.42mmのネットを用い、膜リーフの長さを370mmに、枚数を3枚に変更し、有効膜面積が0.42mとなり、透過側流路材として、トリコット(厚み:0.25mm、溝幅:0.2mm、畦幅:0.3mm、溝深さ:0.105mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表3に示すとおりであった。
(比較例10)
厚み0.2mmのネットを用い、膜リーフの長さを1690mmに、枚数を1枚に変更し、有効膜面積が0.70mとなり、透過側流路材として、トリコット(厚み:0.25mm、溝幅:0.2mm、畦幅:0.3mm、溝深さ:0.105mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして分離膜エレメントの作製、運転を行った。造水量、膜透過流束および脱塩率は表3に示すとおりであった。
表1〜3に、実施例ならびに比較例のエレメント構成、およびエレメント性能をまとめて示す。
Figure 0006179402
Figure 0006179402
Figure 0006179402
表1〜表3から分かるように、供給側の面と透過側の面とを備える分離膜本体と、供給側流路材と、透過側流路材と、を集水管の周りにスパイラル状に巻回してなる分離膜エレメントであって、前記透過側流路材が、前記分離膜本体の幅方向である第1方向に不連続に設けられており、前記供給側流路材の厚みが0.15mm以上0.5mm以下である分離膜エレメントを用いることによって、分離膜充填効率を増加できるうえ、透過側の流動抵抗低減により、単位膜面積あたりの透過水量向上と分離膜エレメントあたりの透過水量向上を両立させることができる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は、2012年6月28日出願の日本特許出願(特願2012−145160)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1 分離膜
2 分離膜本体
21 供給側の面
22 透過側の面
3 透過側流路材
5 透過側流路
6 供給側流路材
61 糸
62 交点
7 分離膜
71 供給側の面
72 透過側の面
8 集水管
100 分離膜エレメント
T 供給側流路材の厚み

Claims (7)

  1. 集水管と、供給側の面と透過側の面とを備える分離膜本体と、供給側流路材と、透過側流路材とを備え、原水を透過水と濃縮水とに分離する分離膜エレメントであって、
    前記分離膜本体、前記供給側流路材および前記透過側流路材は前記集水管の周りにスパイラル状に巻回され、
    前記透過側流路材は、前記分離膜本体の前記透過側の面に、前記集水管の長手方向である第1方向に沿って複数個が不連続に設けられており、
    前記供給側流路材が連続形状であり、
    前記供給側流路材の厚みが0.25mm以上0.45mm以下であり、
    前記供給側流路材は、互いに交差する複数の糸を備え、前記糸の、前記第1方向における交点間隔が1.8mm以上5mm以下であり、
    前記糸が、前記第1方向に対して20°以上60°以下または−60°以上−20°以下で傾斜しており、
    前記分離膜本体の前記第1方向の長さが100mm以上350mm以下であり、
    前記分離膜本体の前記第1方向に垂直な第2方向の長さが500mm以上1700mm以下である、分離膜エレメント。
  2. 前記透過側流路材の厚みが0.12mm以上0.4mm以下である、請求項1に記載の分離膜エレメント。
  3. 前記透過側流路材の、前記第1方向に沿って隣り合う間隔が0.2mm以上1.5mm以下である、請求項1または請求項2に記載の分離膜エレメント。
  4. 前記供給側流路材の厚みと前記透過側流路材の厚みの和が0.4mm以上0.75mm以下である、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の分離膜エレメント。
  5. 前記分離膜本体の前記第1方向の長さが220mm以上260mm以下、前記分離膜本体の前記第1方向に垂直な第2方向の長さが1000mm以上1700mm以下、且つ前記分離膜本体の枚数が1枚である、請求項1に記載の分離膜エレメント。
  6. 前記分離膜本体の前記第1方向の長さが220mm以上260mm以下、前記分離膜本体の前記第1方向に垂直な第2方向の長さが500mm以上1000mm以下、且つ前記分離膜本体の枚数が2枚である、請求項1に記載の分離膜エレメント。
  7. 前記分離膜本体の前記第1方向の長さが220mm以上260mm以下、前記分離膜本体の前記第1方向に垂直な第2方向の長さが350mm以上700mm以下、且つ前記分離膜本体の枚数が3枚である、請求項1に記載の分離膜エレメント。
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