JP6178604B2 - 磁気バネ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、磁気の吸引力を磁気バネ力として用いる磁気バネ装置に関するものである。
部品の自動組付け、電極の押付け、ICチップ等の小型精密部品用の吸着ノズル、形状測定器のプローブ、研磨ヘッド、工作機械などの様々な用途で、変位しても押付け力や引っ張り力が一定のバネが必要な場合が多く、また、必要に応じて簡単にバネ力を調整したいというニーズも多い。機械式バネではバネ長を長くして変位に対する力変化を小さくして対応しているが、サイズが大きくなってしまい、また、バネ長を大きく変化させないとバネ力が変化しなくなるため、バネ力の調整も難しくなる。
それに対して、特許文献1には、図29にその要部の構成(図29(a)は軸方向断面図、図29(b)は図29(a)をX方向から見た図)を示すような磁気バネ300が示されている。この磁気バネ300は、軸受301,301によって軸方向に移動可能とされた可動軸302と、可動軸302に固定された可動の内筒303と、可動軸303と同軸上に配置された固定の外筒304とを有し、内筒303を永久磁石によって形成し、外筒304を磁性体によって形成している。なお、内筒303を磁性体、外筒304を永久磁石とする構成も別の例として示されている。
この磁気バネ300では、軸方向に引き合う内筒303と外筒304との間の磁力によって、バネ力を発生させている。これにより、図30に特許文献1の図9に示された可動軸のストロークとバネ力との関係を転記して示すように、変位に対してばね力がほゞ一定となる力一定領域(力の変化率が少ない領域)を持つことができる。
また、特許文献2には、図31にその要部の構成を示すようなばね定数可変式磁気ばね装置400が示されている。このばね定数可変式磁気バネ装置400は、永久磁石401と強磁性体402とからなる可動子403と、コイル404と強磁性体405とからなる固定子406,406とを具備し、永久磁石401による磁気吸引力で磁気ばねのばね力を発生させ、可動子403から固定子406に流れる磁束の量を、コイル404に流す電流、または、可動子403と固定子406との間のギャップの大きさ、または、永久磁石401を保磁力が異なるものに交換することで調節することによって磁気ばねのばね力を調節できる磁気回路を含んでいる。
特開2004−68906号公報 特開2004−360747号公報
しかしながら、特許文献1に記載された磁気バネでは、バネ力を調節できないという問題がある。また、特許文献2に記載されたばね定数可変式磁気ばね装置では、ばね力の調節にコイル電流を使用する場合は、常時電力が必要になり発熱も生じてしまう。
なお、特許文献2に記載されたばね定数可変式磁気ばね装置において、可動子と固定子との間のギャップの大きさや永久磁石の交換による場合は、これらの問題は解決されるが、磁気ばねの性能に関して構造的に以下の問題がある。
すなわち、その装置の名称にも「ばね定数可変式」として含まれているように、また図32に特許文献2の図3に示された特性を転記して示すように、変位に対してばね定数を持つ領域(ばね力が(比例)変化する領域)のみで、変位に対してばね力がほゞ一定となる力一定領域(力の変化率が少ない領域)が基本的に無いという問題がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、変位に対してばね力がほゞ一定となる力一定領域(力の変化率が少ない領域)を持ち、バネ力の大きさを変化させることができ、また、基本的に電力を必要としない磁気バネ装置を提供することにある。さらに好ましいものとしては、力一定領域(力の変化率が少ない領域)の範囲を広くした磁気バネ装置を提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、磁気の吸引力を磁気バネ力として用いる磁気バネ装置において、距離を隔てて対向する対向面を持つ第1のヨーク部と第2のヨーク部とからなる対向ヨーク部と、第1のヨーク部と第2のヨーク部との間を磁気的に接続して第1のヨーク部と第2のヨーク部との間の磁路となる連結ヨーク部とを備えた固定子と、対向ヨーク部の対向面間に、第1のヨーク部と第2のヨーク部との対向方向に対してほゞ直交する方向を可動軸方向として設けられ、その可動軸を挟んで対向する位置に少なくとも一対の磁極を有する永久磁石からなる可動子と、可動子の一対の磁極の一方が第1のヨーク部に距離を隔てて対面し、可動子の一対の磁極の他方が第2のヨーク部に距離を隔てて対面し、第1のヨーク部と可動子との間の対面距離および第2のヨーク部と可動子との間の対面距離を調整可能とする距離調整手段とを備え、距離調整手段は、可動子の可動軸方向と直交する方向を調整方向として、第1のヨーク部と可動子との間の対面距離および第2のヨーク部と可動子との間の対面距離を調整することを特徴とする。
この発明では、連結ヨーク部が対向ヨーク部の第1のヨーク部と第2のヨーク部との間の磁路となり、対向ヨーク部の第1のヨーク部と第2のヨーク部との間が磁気的に接続される。これにより、例えば、可動子の一方の磁極をN極、可動子の他方の磁極をS極とすると、可動子の一方の磁極から出た磁束が対向ヨーク部の第1のヨーク部に入り、第1のヨーク部から連結ヨーク部を通り、連結ヨーク部から対向ヨーク部の第2のヨーク部に入り、可動子の他方の磁極に戻される。これにより、本発明では、可動子の可動軸方向への変位に対し、その可動軸方向に生じる力の絶対値が大きくなると共に、さらにこの可動軸方向に生じる力の一定領域(力一定領域)が拡大される。また、永久磁石を使用するので磁力の生成においては基本的に電力を必要としない。
また、本発明では、第1のヨーク部と可動子との間の対面距離および第2のヨーク部と可動子との間の対面距離が調整可能とされている。この第1のヨーク部と可動子との間の対面距離および第2のヨーク部と可動子との間の対面距離を調整可能とする距離調整手段は、それぞれの対面距離を独立して調整可能とする機構であってもよく、それぞれの対面距離を可動子の可動軸を中心にして対称に変化させる機構であってもよい。これにより、本発明では、第1のヨーク部と可動子との間の対面距離および第2のヨーク部と可動子との間の対面距離を調整すると、力一定領域をほゞ維持したまま、力の大きさを対面距離に応じて変化させることができる。
本発明によれば、対向ヨーク部の第1のヨーク部と第2のヨーク部との間を連結ヨーク部で磁気的に接続し、連結ヨーク部を第1のヨーク部と第2のヨーク部との間の磁路とするようにしたので、また、第1のヨーク部と可動子との間の対面距離および第2のヨーク部と可動子との間の対面距離を調整可能としたので、変位に対してバネ力がほゞ一定となる力一定領域(力の変化率が少ない領域)を持ち、バネ力の大きさを変化させることができ、また、基本的に電力を必要としない磁気バネ装置を提供することが可能となる。
本発明の基礎となる磁気バネ装置の要部の構成を示す図である。 この磁気バネ装置においてZ軸方向の力Fz(磁気バネ力)が発生する様子を示す図である。 この磁気バネ装置における磁性体と永久磁石のZ軸方向の位置ずれとZ軸方向の力Fz(磁気バネ力)との関係を示す図である。 本発明に係る磁気バネ装置の要部の構成を示す図である。 この磁気バネ装置における磁性体と永久磁石のZ軸方向の位置ずれとZ軸方向の力Fz(磁気バネ力)との関係を示す図である。 この磁気バネ装置において一対の対向する磁性体の面と永久磁石のそれぞれの磁極面の間の距離dを変化させた場合の磁性体と永久磁石のZ軸方向の位置ずれとZ軸方向の力Fz(磁気バネ力)との関係を示す図である。 一対の対向する磁性体の面にわずかな傾斜をつけた例を示す図である。 一対の対向する磁性体の面に窪みまたは突起を設けた例を示す図である。 一対の対向する磁性体の面にわずかな傾斜をつけた場合に永久磁石が対向する磁性体の面の間からZ軸方向に飛び出していない状態でもZ軸方向の力Fzが発生する様子を示す図である。 一対の対向する磁性体の面を平行とした場合とわずかな傾斜を付けた場合の磁性体と永久磁石のZ軸方向の位置ずれとZ軸方向の力Fz(磁気バネ力)との関係を比較して示す図である。 一対の対向する磁性体と永久磁石との間の対面距離dを調整可能とする機構(距離調整手段)の第1例を示す図である。 一対の対向する磁性体と永久磁石との間の対面距離dを調整可能とする機構(距離調整手段)の第2例を示す図である。 一対の対向する磁性体と永久磁石との間の対面距離dを調整可能とする機構(距離調整手段)の第3例を示す図である。 本発明に係る磁気バネ装置の一実施の形態の要部を示す斜視図である。 この磁気バネ装置においてシャフトに押し付ける方向へ外力が加わった場合および引っ張る方向へ外力が加わった場合の磁気バネ力の発生状態を示す図である。 第1のヨーク部と第2のヨーク部との対向面間にリニアガイド(ブッシュ)を設けるようにして例を示す図である。 可動子に始点ストッパを取り付け、シャフトに終点ストッパを取り付け、可動子の可動軸方向(Z軸方向)の移動範囲を制限するようにした例を示す図である。 対向ヨーク部と連結ヨーク部とを一体化させた例を示す図である。 可動子を円筒状の永久磁石とした例および角柱状の永久磁石とした例を示す図である。 可動子を円柱状又は円筒状とした場合に一対のヨーク部の対向面を可動子の外周面に合わせて円弧状とした例を示す図である。 連結ヨーク部を一対のヨーク部の可動軸と直交方向の端面の片側だけではなく両側に設けるようにした例を示す図である。 一対のヨーク部の可動軸方向の端面の両側に連結ヨーク部を設けるようにした例を示す図である。 一対のヨーク部の可動軸と直交方向の端面片側の任意の範囲にのみ連結ヨーク部を設けるようにした例を示す図である。 一対のヨーク部と可動子との間の距離dを変化させる機構(距離調整機構)を例示する図である。 距離調整機構の別の例(リンク機構を用いた例)を示す図である。 距離調整機構の別の例(移動方向変換機構を用いた例)を示す図である。 距離調整機構の別の例(カム機構を用いた例)を示す図である。 距離調整機構の別の例(ラックアンドピニオン機構を用いた例)を示す図である。 特許文献1に示された磁気バネの要部の構成を示す図である。 特許文献1の図9に示された可動軸のストロークとバネ力との関係を転記して示す図である。 特許文献2に示されたばね定数可変式磁気ばね装置の要部の構成を示す図である。 特許文献2の図3に示された特性を転記して示す図である。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。先ず、本発明に係る磁気バネ装置の実施の形態の説明に入る前に、本発明の原理について説明する。
〔発明の原理〕
図1に本発明の基礎となる磁気バネ装置の要部の構成(図1(a)は平面図、図1(b)は正面図)を示す。この図に示されるように、ある軸(Z軸と定義)方向に長さLの一対の対向する面を持つ磁性体1−1,1−2の間(ほゞ中央)に、同じくZ軸方向に長さLを持ちZ軸方向と直交方向に磁極面を持つ永久磁石2が配置され、磁性体1−1の面に永久磁石2の一方の磁極面が対向し、磁性体1−2の面に永久磁石2の他方の磁極面が対向しているとき、長さLの磁性体1−1,1−2の面と長さLの永久磁石2(磁極面)が、Z軸方向に重なっているときは、Z軸と直交方向に磁気吸引力Fxが働くのみで、Z軸方向には力が発生しない。
しかし、それらがZ軸方向にずれると、永久磁石2が飛び出した側の磁性体1−1,1−2の面の端部付近では磁気吸引力FxがZ軸方向に傾き、その分解ベクトルとしてZ軸方向の力Fzが発生する(図2(a)参照)。そして、それらのZ軸方向のずれが大きくなると、Z軸方向に傾いた磁気吸引力Fxの大きさは小さくなるが、そのZ軸方向の分解ベクトルFzの割合は大きくなる(図2(b)参照)。これにより、結果として、永久磁石2が磁性体1−1,1−2の面からZ軸方向にずれ始めてから抜け出るまでの領域において、変位に対してZ軸方向の力がほゞ一定になる力一定領域(力の変化率が少ない領域)が現れる(図3参照)。
図4に本発明に係る磁気バネ装置の要部の構成(図4(a)は平面図、図4(b)は正面図)を示す。発明者は、この図に示されるように、一対の対向する磁性体1−1,1−2間を、永久磁石2からの直接の影響が無視できる程度に離れた位置で磁性体1−3で磁気的に連結し、一対の磁性体1−1,1−2間の磁束が流れるようにすると、Z軸方向に生じる力Fzの絶対値が大きくなるとともに、さらにその力Fzの一定領域(力一定領域)を拡大することができることを見出した(図5参照)。また、その状態で一対の対向する磁性体1−1,1−2の面と永久磁石2のそれぞれの磁極面の間の距離(対面距離)dを変化させると、力一定領域をほゞ維持したまま、力Fzの大きさを対面距離dに応じて変化させることができることを見出した(図6参照)。
これは、一対の対向する磁性体1−1,1−2のみの場合は、磁性体1−1,1−2に挟まれた空間における磁束の流れる経路が、永久磁石2のZ軸方向の位置や、対向する磁性体1−1,1−2の面と永久磁石2の各磁極面の間の距離によって大きく変化するため、磁気吸引力Fxの変化(つまり、磁気バネ特性の変化)も大きかったのに対し、磁束の流れを対向する磁性体1−1,1−2間を連結した磁性体1−3に集中させて安定させることにより、永久磁石2のZ軸方向の位置や、対向する磁性体1−1,1−2の面と永久磁石2の各磁極面の間の距離に関わらず、磁気バネの特性が対向する磁性体1−1,1−2の面と永久磁石2の各磁極面間の位置状態にのみ影響されるようになるためである。
また、発明者は、一対の対向する磁性体1−1,1−2の面にわずかな傾斜をつけたり(図7に示す傾斜角θ参照)、窪みや突起などを付けて(図8に示す窪みまたは突起1a参照)、一対の対向する磁性体1−1,1−2の面と永久磁石2の磁極面との間の空間の磁気抵抗にZ軸方向の適切な勾配(対向する磁性体1−1,1−2の面のZ軸方向端部の一方で磁気抵抗が大きく、他方で小さくなるような勾配)をつけることにより、空間の磁気抵抗が大きい方の端部側方向への永久磁石2の変位に対して、力一定領域(力の変化率が少ない領域)をさらに広げることができることを見出した。
すなわち、一対の対向する磁性体1−1,1−2の面と永久磁石2の磁極面が平行な場合は、図1に示されるように、永久磁石2が一対の対向する磁性体1−1,1−2の面の間からZ軸方向に飛び出していない状態では、Z軸と直交方向に磁気吸引力Fxが働くのみで、Z軸方向には力Fzが発生しない。しかし、一対の対向する磁性体1−1,1−2の面と永久磁石2の磁極面との間の空間の磁気抵抗にZ軸方向の適切な勾配をつけることにより、例えば図9に示されるように、永久磁石2が一対の対向する磁性体1−1,1−2の面の間からZ軸方向に飛び出していない状態でも磁気吸引力FxがZ軸方向に傾き、その分解ベクトルとしてZ軸方向の力Fzが発生するため、変位に対する力特性が平坦化される(図10参照)。この場合、平坦化されることによって最高発生力は小さくなるが、一対の対向する磁性体1−1,1−2の面と永久磁石2の磁極面との間の距離を近づけることで発生力の低下をキャンセルすることができる。
なお、図4に示した例では、磁性体(第1のヨーク部)1−1と永久磁石(可動子)2との間の対面距離dと磁性体(第2のヨーク部)1−2と永久磁石(可動子)2との間の対面距離dとを等しい距離としており、この磁性体1−1,1−2と永久磁石(可動子)2との間の対面距離dよりも磁性体(連結ヨーク部)1−3と永久磁石(可動子)2との間の対面距離eを大きくしている。これにより、一対の対向する磁性体1−1,1−2間を、永久磁石2からの直接の影響が無視できる程度に離れた位置で、磁性体1−3によって磁気的に連結させている。
なお、図4には、磁性体1−1,1−2と永久磁石2との間の対面距離dを調整可能とする機構(距離調整手段)については示していないが、例えば図11や図12,図13に示すような機構を採用することにより、磁性体1−1,1−2と永久磁石2との間の対面距離dを調整することが可能である。
例えば、図11に示した例(第1例)では、中央部に永久磁石2の通過穴21aを有する非磁性材よりなる台座21を設け、磁性体1−1,1−2の外面に非磁性材よりなるL字状の取付部材22−1,22−2を固定し、このL字状の取付部材22−1,22−2をボルト23−1,23−2により台座21に固定することにより、磁性体1−1,1−2を永久磁石2の両側に対向させて配置している。L字状の取付部材22−1,22−2には、長穴22−1a,22−2aが形成されており、この長穴22−1a,22−2aを通して台座21に螺合されたボルト23−1,23−2を緩めて、L字状の取付部材22−1,22−2の位置を調整することにより、磁性体1−1,1−2と永久磁石2との間の対面距離dを調整することができる。
図12に示した例(第2例)では、中央部に永久磁石2の通過穴21aを有する非磁性材よりなる台座21を設け、磁性体1−1,1−2の下端面に外側に折り曲げられた取付部1−1a,1−2aを一体的に形成し、この取付部1−1a,1−2aをボルト23−1,23−2により台座21に固定することにより、磁性体1−1,1−2を永久磁石2の両側に対向させて配置している。取付部1−1a,1−2aには、長穴1−1b,1−2bが形成されており、この長穴1−1b,1−2bを通して台座21に螺合されたボルト23−1,23−2を緩めて、取付部1−1a,1−2aの位置を調整することにより、磁性体1−1,1−2と永久磁石2との間の対面距離dを調整することができる。
図13に示した例(第3例)では、磁性体1−3の横幅を広くし、磁性体1−1,1−2の磁性体1−3側の端面に外側に折り曲げられた取付部1−1c,1−2cを一体的に形成し、この取付部1−1c,1−2cをボルト23−1,23−2により磁性体1−3に固定することにより、磁性体1−1,1−2を永久磁石2の両側に対向させて配置している。取付部1−1c,1−2cには、長穴1−1d,1−2dが形成されており、この長穴1−1d,1−2dを通して磁性体1−3に螺合されたボルト23−1,23−2を緩めて、取付部1−1c,1−2cの位置を調整することにより、磁性体1−1,1−2と永久磁石2との間の対面距離dを調整することができる。
このように、磁性体1−1,1−2と永久磁石2との間の対面距離dを調整可能とする機構(距離調整手段)は、ヨーク自体で製作しても、別部材で製作してもよいが、磁束が流れるヨークの磁路部分に穴をあけたり、応力がかかるような構造は避けるのが好ましい。
また、図4では、磁性体1−1と1−2との対向面間を空間としているが、この磁性体1−1と1−2との対向面間は空間に限られるものではない。例えば、永久磁石2の移動スペース以外が非磁性体でうまっていてもよい。
〔実施の形態〕
図14は本発明に係る磁気バネ装置の一実施の形態の要部を示す斜視図である。この磁気バネ装置100は、図4に示した構成を基本とし、Z軸方向に長さLの一対の対向する面を持つ磁性体1−1,1−2と、磁性体1−1,1−2の間(ほゞ中央)に位置する永久磁石2と、磁性体1−1,1−2間を磁気的に連結する磁性体1−3とを備えている。永久磁石2は、磁性体1−1,1−2と同様にZ軸方向に長さLを持ち、Z軸方向と直交方向に磁極面を持つ。
なお、この磁気バネ装置100において、磁性体1−1は本発明でいう第1のヨーク部に相当し、磁性体1−2は第2のヨーク部に相当し、磁性体1−3は連結ヨーク部に相当し、永久磁石2は可動子に相当する。以下、磁性体1−1を第1のヨーク部、磁性体1−2を第2のヨーク部、磁性体1−3を連結ヨーク部、永久磁石2を可動子と呼ぶ。なお、第1のヨーク部1−1、第2のヨーク部1−2は、単にヨーク部と呼ぶ場合もある。
この磁気バネ装置100において、第1のヨーク部1−1と第2のヨーク部1−2とは距離を隔てて対向し、対向ヨーク部1−4を構成している。また、連結ヨーク部1−3は、第1のヨーク部1−1と第2のヨーク部1−2との間を磁気的に接続して、第1のヨーク部1−1と第2のヨーク部1−2との間の磁路となる。この対向ヨーク部1−4と連結ヨーク部1−3とで固定子1が構成されている。
また、この磁気バネ装置100において、可動子2は円柱状とされており、その両端にはシャフト3が接続されている。シャフト3は非磁性体とされている。以下では、この可動子2とシャフト3とからなる一体物を可動体と呼び、符号4で示す。可動体4は、Z軸方向に移動可能に設けられている。すなわち、可動体4は、Z軸方向を可動軸方向としている。
可動体4の可動軸方向(可動子2の可動軸方向)は、第1のヨーク部1−1と第2のヨーク部1−2との対向方向に対して直交する方向とされている。また、可動体4の可動軸方向(可動子2の可動軸方向)は、シャフト3の両端がリニアガイド(ブッシュ)5−1,5−2に挿入されることによって、規制されている。リニアガイド(ブッシュ)5−1,5−2は、ベースプレート6Bの両端に取り付けられたリニアガイドホルダ6A1,6A2内に、その位置が固定された状態で設けられている。
この磁気バネ装置100において、第1のヨーク部1−1と可動子2との間の対面距離dと第2のヨーク部1−1と可動子2との間の対面距離dは等しい距離とされており、このヨーク部1−1,1−2と可動子2との間の対面距離dよりも連結ヨーク部1−3と可動子2との間の対面距離eが大きくされている。これにより、一対の対向するヨーク部1−1,1−2間が、連結ヨーク部1−3によって、可動子2からの直接の影響が無視できる程度に離れた位置で磁気的に連結されている。
図14に示した状態は可動子2がその可動軸方向(Z軸方向)への移動範囲の中央位置(原点位置)に位置している状態を示している。この可動子2の原点位置では、対向ヨーク部1−4の対向面間に可動子2が位置し、その一方の磁極面(この例では、N極)の全てが第1のヨーク部1−1の面に距離を隔てて対面し、その他方の磁極面(この例では、S極)の全てが第2のヨーク部1−2の面に距離を隔てて対面している。すなわち、長さLのヨーク部1−1,1−2の面(磁性体の面)と長さLの可動子2(永久磁石の磁極面)が、Z軸方向に重なっている。この場合、図1を用いて説明したように、Z軸と直交方向に磁気吸引力Fxが働くのみで、Z軸方向には力が発生しない。
なお、この状態において、一対の対向するヨーク部1−1,1−2間は、連結ヨーク部1−3で磁気的に連結され、一対のヨーク部1−1,1−2間の磁束が流れている。すなわち、可動子2のN極から出た磁束が対向ヨーク部1−4の第1のヨーク部1−1に入り、第1のヨーク部1−1から連結ヨーク部1−3を通り、連結ヨーク部1−3から対向ヨーク部1−4の第2のヨーク部1−2に入り、可動子2のS極に戻されている。
このような状態から、例えば図15(a)に示すように、シャフト3に押付ける方向への外力が加わると、図2(a)を用いて説明したように、可動子2が飛び出した側のヨーク部1−1,1−2の面の端部付近では磁気吸引力FxがZ軸方向に傾き、その分解ベクトルとしてZ軸方向の力Fzが発生する。
そして、それらのZ軸方向のずれが大きくなると、図2(b)を用いて説明したように、Z軸方向に傾いた磁気吸引力Fxの大きさは小さくなるが、そのZ軸方向の分解ベクトルFzの割合は大きくなる。
これにより、結果として、可動子2がヨーク部1−1,1−2の面からZ軸方向にずれ始めてから抜け出るまでの領域において、変位に対してZ軸方向の力がほゞ一定になる力一定領域(力の変化率が少ない領域)が現れる。
この場合、本実施の形態では、ヨーク部1−1,1−2間は、連結ヨーク部1−3で磁気的に連結され、この連結ヨーク部1−3を通して磁束が流れているので、前述した発明の原理でも説明したように、Z軸方向に生じる力Fzの絶対値が大きくなるとともに、さらにその力Fzの一定領域(力一定領域)が拡大される(図5参照)。
また、後述するような距離調整機構を設けて、一対の対向するヨーク部1−1,1−2の面と可動子2のそれぞれの磁極面の間の距離dを変化させると、すなわちヨーク部1−1,1−2と可動子2との間の対面距離dを変化させると、力一定領域をほゞ維持したまま、力Fzの大きさを対面距離dに応じて変化させることができる(図6参照)。
図15(b)に示すように、シャフト3に引っ張る方向への外力が加わった場合も、磁気バネ力の方向が逆となるのみで、上述同様にして、力一定領域が得られる。また、ヨーク部1−1,1−2と可動子2との間の対面距離dを変化させることにより、力一定領域をほゞ維持したまま、力Fzの大きさを対面距離dに応じて変化させることができる。
なお、図14に示した磁気バネ装置100では、可動子2の可動軸方向をシャフト3の両端をリニアガイド(ブッシュ)5−1,5−2に挿入することにより規制するものとしているが、図16に示すように、第1のヨーク部1−1と第2のヨーク部1−2との対向面間に、その位置を固定させた状態でリニアガイド(ブッシュ)7を設け、このリニアガイド(ブッシュ)7によって可動子2の可動軸方向を規制するようにしてもよい。
また、図17に示すように、可動子2に始点ストッパ8−1を取り付け、シャフト3に終点ストッパ8−2を取り付け、可動子2の可動軸方向の移動範囲を制限するようにしてもよい。この例では、可動子2の下降方向への移動がシャフト3に取り付けられた終点ストッパ8−2のリニアガイド(ブッシュ)7への当接により規制され、可動子2の上昇方向への移動が可動子2に取り付けられた始点ストッパ8−1のリニアガイド(ブッシュ)7への当接により規制される。なお、この例では、始点ストッパ8−1と終点ストッパ8−2の両方を設けているが、その何れか一方のみを設けるものとしてもよい。
また、図14に示した磁気バネ装置100では、対向ヨーク部1−4と連結ヨーク部1−3とを別体としているが、対向ヨーク部1−4と連結ヨーク部1−3とを一体とさせてもよい。すなわち、図14に示した磁気バネ装置100では、連結ヨーク部1−3を対向ヨーク部1−4のヨーク部1−1,1−2に接触させ、連結ヨーク部1−3を対向ヨーク部1−4に磁気的に吸着させているが、対向ヨーク部1−4と連結ヨーク部1−3とを一体化させてもよい。
図18に対向ヨーク部1−4と連結ヨーク部1−3とを一体化させた例を示す。この例では、図18(a),(b)に示すように、連結ヨーク部1−3を円弧状や角状の外力によって変形可能な形状にし、例えば、図11や12と同様な機構(距離調整手段)を付けることにより、ヨーク部1−1,1−2と可動子2との間の対面距離dを調整することができるようにしている。
また、図14に示した磁気バネ装置100では、可動子2を円柱状の永久磁石としたが、図19(a)に示すように円筒状の永久磁石としてもよく、図19(b)に示すように角柱状の永久磁石とするなどしてもよい。また、可動子2を円柱状又は円筒状とした場合、図20に示すように、ヨーク部1−1,1−2の対向面を可動子2の外周面に合わせて円弧状とするようにしてもよい。
また、図14に示した磁気バネ装置100では、対向ヨーク部1−4のヨーク部1−1,1−2の対向面を可動子2の可動軸方向と平行としたが、図7に示すように、ヨーク部1−1,1−2の対向面を可動子2の可動軸方向に対して傾斜させるようにしてもよい。この場合、ヨーク部1−1,1−2の傾斜方向を可動軸を挟んで対称とし、その傾斜角θも同一とする。また、図8に示すように、ヨーク部1−1,1−2の対向面に対称に、複数の窪みまたは突起1aを設けるようにしてもよい。この場合、ヨーク部1−1,1−2の対向面において、複数の窪みまたは突起1aの密度を可動軸方向に沿って徐々に変えるようにする。
このように傾斜角θを設けたり、複数の窪みまたは突起1aを設けたりすることによって、一対の対向するヨーク部1−1,1−2の面と可動子2の磁極面との間の空間の磁気抵抗に可動軸(Z軸)方向の適切な勾配(対向するヨーク部1−1,1−2の面のZ軸方向端部の一方で磁気抵抗が大きく、他方で小さくなるような勾配)がつけられ、空間の磁気抵抗が大きい方の端部側方向への可動子2の変位に対して、力一定領域(力の変化率が少ない領域)をさらに広げることができるようになる。
なお、図7においては、ヨーク部1−1,1−2の面の対向間隔が広がった方が空間の磁気抵抗が大きい側となる。図8においては、複数の窪みまたは突起1aが窪みの場合、ヨーク部1−1,1−2の面の窪みの密度が大きい方が空間の磁気抵抗が大きい側となり、複数の窪みまたは突起1aが突起の場合、ヨーク部1−1,1−2の面の突起の密度が大きい方が空間の磁気抵抗が小さい側となる。
また、図14に示した磁気バネ装置100では、連結ヨーク部1−3をヨーク部1−1,1−2の可動軸と直交方向の端面の片側にしか設けなかったが、ヨーク部1−1,1−2の可動軸と直交方向の端面の両側に設けるようにしてもよい。すなわち、図21に示すように、ヨーク部1−1,1−2の可動軸と直交方向の端面の一方に第1の連結ヨーク部1−31を、ヨーク部1−1,1−2の可動軸と直交方向の端面の他方に第2の連結ヨーク部1−32を設けるようにしてもよい。この場合、第1の連結ヨーク部1−31と可動子2との間の対面距離eと同様に、第2の連結ヨーク部1−32と可動子2との間の対面距離eも、ヨーク部1−1,1−2と可動子2との間の対面距離dよりも大きくする。
また、図14に示した磁気バネ装置100では、連結ヨーク部1−3をヨーク部1−1,1−2の可動軸と直交方向の端面(の片側)に設けるようにしたが、ヨーク部1−1,1−2の可動軸方向の端面(の両側)に設けるようにしてもよい。例えば、図22に示すように、ヨーク部1−1,1−2の可動軸方向の端面の一方に第1の連結ヨーク部1−33を、ヨーク部1−1,1−2の可動軸方向の端面の他方に第2の連結ヨーク部1−34を設けるようにする。この場合、図14に示した連結ヨーク部1−3と可動子2との間の対面距離eと同様に、連結ヨーク部1−33,1−34と可動子2との間の対面距離eも、ヨーク部1−1,1−2と可動子2との間の対面距離dよりも大きくする。
また、図14に示した磁気バネ装置100では、ヨーク部1−1,1−2の可動軸と直交方向の端面片側の全面に連結ヨーク部1−3を設けるようにしたが、ヨーク部1−1,1−2の可動軸と直交方向の端面片側の任意の範囲にのみ設けるようにしてもよい。例えば、図23に示すように、ヨーク部1−1,1−2の可動軸と直交方向の端面片側の中央部分にのみ連結ヨーク部1−3を設けるようにする。このように、連結ヨーク部1−3のサイズ、形状は、必要な量の磁束を流せる範囲で任意に変更可能である。
図24にヨーク部1−1,1−2と可動子2との間の対面距離dを変化させる機構(距離調整機構)を例示する。図24(a)は平面図、19(b)は正面図、図24(c)は図24(a)におけるA−A線断面図である。同図において、9は固定部軸受、10はネジ部、11はダイアル、12はスライド機構である。
ネジ部10はそのネジ山が順方向とされた第1のネジ部10−1と、逆方向とされた第2のネジ部10−2とからなり、第1のネジ部10−1がヨーク部1−2を貫通してそのネジ孔部1−2aに螺合され、第2のネジ部10−2がヨーク部1−1を貫通してそのネジ孔部1−1aに螺合され、第1のネジ部10−1と第2のネジ部10−2との間が固定部軸受9によって軸支され、かつ、第1のネジ部10−1と第2のネジ部10−2の位置が図示左右方向に移動しないように 移動止め10−3が付いている。
スライド機構12は、ヨーク部1−1側とヨーク部1−2側のそれぞれに設けられており、スライドレール12−1とスライダ12−2とからなる。ヨーク部1−1側において、スライダ12−2はヨーク部1−1の外面に固定されており、スライドレール12−1によって図示左右方向(可動子2の可動軸と直交方向)へ案内される。ヨーク部1−2側において、スライダ12−2はヨーク部1−2の外面に固定されており、スライドレール12−1によって図示左右方向(可動子2の可動軸と直交方向)へ案内される。
この距離調整機構200(200A)において、ダイアル11を回転させると、ネジ部10(10−1,10−2)が回転する。このネジ部10(10−1,10−2)の回転によって、ヨーク部1−1と可動子2との間の対面距離dおよびヨーク部1−2と可動子2との間の対面距離dが可動子2の可動軸を中心にして対称に変化する。
すなわち、ダイアル11を反時計方向へ回転させると、ヨーク部1−1,1−2がスライダ12−2,12−2とともにスライドレール12−1,12−1に案内されながら、可動子2に近づく方向に移動し、可動子2との間の対面距離dが狭まる。ダイアル11を時計方向へ回転させると、ヨーク部1−1,1−2がスライダ12−2,12−2とともにスライドレール12−1,12−1に案内されながら、可動子2から遠ざかる方向に移動し、可動子2との間の対面距離dが拡がる。
図25〜図28に距離調整機構の別の例を示す。図25はリンク機構を用いた例、図26は移動方向変換機構を用いた例、図27はカム機構を用いた例、図28はラックアンドピニオン機構を用いた例であり、何れの図においてもヨーク部1−1,1−2を可動子2の可動軸と直交方向へ案内するスライド機構は省略している。
図25に示した距離調整機構200(200B)では、ダイアル11を回転させることにより、ボルト(ネジ部)13が回転し、リンク機構14がその幅Wを変化させながら上下動し、このリンク機構14の幅Wの変化によって、ヨーク部1−1と可動子2との間の対面距離dおよびヨーク部1−2と可動子2との間の対面距離dが可動子2の可動軸を中心にして対称に変化する。
図26に示した距離調整機構200(200C)では、ダイアル11を回転させることにより、ボルト(ネジ部)13が回転し、台座15−1とくさび状部材15−2とによって構成される移動方向変換機構15の幅Wが変化し、これによってヨーク部1−1と可動子2との間の対面距離dおよびヨーク部1−2と可動子2との間の対面距離dが可動子2の可動軸を中心にして対称に変化する。
図27に示した距離調整機構200(200D)では、シャフト16を回転させることにより、カム17が回転して、その(可動軸と直交方向の)幅Wが変化し、これによってヨーク部1−1と可動子2との間の対面距離dおよびヨーク部1−2と可動子2との間の対面距離dが可動子2の可動軸を中心にして対称に変化する。
図28に示した距離調整機構200(200E)では、シャフト16を回転させることにより、ピニオン18−1とラック18−2,18−3とで構成されるラックアンドピニオン機構18の幅Wが変化し、これによってヨーク部1−1と可動子2との間の対面距離dおよびヨーク部1−2と可動子2との間の対面距離dが可動子2の可動軸を中心にして対称に変化する。
上述した本発明の実施の形態では、可動子2の磁極に対面する第1のヨーク部1−1および第2のヨーク部1−2の面が比較的広い場合の例を説明したが、可動子2の磁極との間に必要な磁気吸引力を発生することができる(あるいは、必要な磁束を流すことができる)程度の面積があればよく、この条件を満たすことができれば、狭くてもかまわない。例えば、可動子2を、ヨーク部1−1,1−2の可動軸と直交方向の、連結ヨーク部1−3と反対側の端面同士を結ぶ線の付近に配置したり、ヨーク部1−1,1−2の可動軸と直交方向の、連結ヨーク部1−3と反対側の端面を可動子2側に(直角に)折り曲げて、その端面を可動子2の磁極面と対面させてもよい。
上述した本発明の実施の形態において、永久磁石は例えば、ネオジムやサマリウムコバルトなどの希土類磁石またはフェライト磁石などが好ましく、磁性体は、飽和磁束密度や透磁率が大きく、保磁力が小さく、磁気ヒステリシスの小さい軟磁性材料(例えば、電磁鋼板、電磁軟鉄、パーマロイなど)が好ましい。また、非磁性体は、例えば、SUS316、アルミニウム、真鍮、樹脂などや、その他、磁気回路への磁気的影響が無視できるレベルの材料からなる。
上述した本発明の実施の形態では、可動軸つまり可動子2の移動方向を垂直にした例で説明したが、可動軸の方向に制限はなく水平や斜めにして使用してもよい。なお、可動軸を水平以外の方向にして使用する場合は、可動子2とシャフト3からなる可動体4の質量にかかる重力の分だけ可動体4が下方に移動し、それに対して発生した磁気バネ力とつりあう点が、外力が無い時の原点位置となる(厳密にはリニアガイド(ブッシュ)7の摩擦力もこれに加わる)。
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
1…固定子、1−1…磁性体(第1のヨーク部)、1−2…磁性体(第2のヨーク部)、1−1a,1−2a…取付部、1−1b,1−2b…長穴、1−1c,1−2c…取付部、1−1d,1−2d…長穴、1−3…磁性体(連結ヨーク部)、1−4…対向ヨーク部、2…永久磁石(可動子)、3…シャフト、4…可動体、5−1,5−2…リニアガイド(ブッシュ)、7…リニアガイド(ブッシュ)、8−1…始点ストッパ、8−2…終点ストッパ、21…台座、21a…通過穴、22−1,22−2…取付部材、22−1a,22−2a…長穴、23−1,23−2…ボルト、100…磁気バネ装置、200(200A〜200E)…距離調整機構。

Claims (14)

  1. 磁気の吸引力を磁気バネ力として用いる磁気バネ装置において、
    距離を隔てて対向する対向面を持つ第1のヨーク部と第2のヨーク部とからなる対向ヨーク部と、前記第1のヨーク部と第2のヨーク部との間を磁気的に接続して前記第1のヨーク部と第2のヨーク部との間の磁路となる連結ヨーク部とを備えた固定子と、
    前記対向ヨーク部の対向面間に、前記第1のヨーク部と第2のヨーク部との対向方向に対してほゞ直交する方向を可動軸方向として設けられ、その可動軸を挟んで対向する位置に少なくとも一対の磁極を有する永久磁石からなる可動子と、
    前記可動子の一対の磁極の一方が前記第1のヨーク部に距離を隔てて対面し、前記可動子の一対の磁極の他方が前記第2のヨーク部に距離を隔てて対面し、前記第1のヨーク部と前記可動子との間の対面距離および前記第2のヨーク部と前記可動子との間の対面距離を調整可能とする距離調整手段とを備え、
    前記距離調整手段は、
    前記可動子の可動軸方向と直交する方向を調整方向として、前記第1のヨーク部と前記可動子との間の対面距離および前記第2のヨーク部と前記可動子との間の対面距離を調整する
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  2. 請求項1に記載された磁気バネ装置において、
    前記連結ヨーク部は、
    前記第1のヨーク部および第2のヨーク部に接触して磁気的に吸着されている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  3. 請求項1に記載された磁気バネ装置において、
    前記連結ヨーク部は、
    前記対向ヨーク部と一体とされ、かつ外力によって変形可能とされている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載された磁気バネ装置において、
    前記連結ヨーク部は、
    前記可動子との間の対面距離が、前記第1のヨーク部と前記可動子との間の対面距離および前記第2のヨーク部と前記可動子との間の対面距離よりも大きくされている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載された磁気バネ装置において、
    前記可動子は、
    円柱状、円筒状、または角柱状の永久磁石である
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載された磁気バネ装置において、
    前記可動子の可動軸方向の長さは、
    前記対向ヨーク部の可動軸方向の長さと同程度とされている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載された磁気バネ装置において、
    前記第1のヨーク部および第2のヨーク部は、
    前記可動子が円柱状又は円筒状である場合、その対向面が前記可動子の外周面に合わせて円弧状とされている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  8. 請求項1〜6の何れか1項に記載された磁気バネ装置において、
    前記第1のヨーク部および第2のヨーク部は、
    その対向面が前記可動子の可動軸と平行とされている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  9. 請求項1〜6の何れか1項に記載された磁気バネ装置において、
    前記第1のヨーク部および第2のヨーク部は、
    その対向面が前記可動子の可動軸に対して傾斜し、その傾斜方向が可動軸を挟んで対称とされている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  10. 請求項1〜6の何れか1項に記載された磁気バネ装置において、
    前記第1のヨーク部および第2のヨーク部は、
    その対向面に、複数の窪み、または複数の突起を備えている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載された磁気バネ装置において、
    前記距離調整手段は、
    前記第1のヨーク部と前記可動子との間の対面距離および前記第2のヨーク部と前記可動子との間の対面距離を前記可動子の可動軸を中心にして対称に変化させる機構とされている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載された磁気バネ装置において、
    前記固定子は、
    前記可動子の可動軸を中心に、前記第1のヨーク部および第2のヨーク部の対向面と直交方向に対称構造とされている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  13. 請求項1〜12の何れか1項に記載された磁気バネ装置において、
    前記可動子の可動軸方向の移動範囲を制限する移動範囲制限手段を備え、
    前記移動範囲制限手段は、
    前記可動子に取り付けられたストッパおよび前記可動子に連結されているシャフトに取り付けられたストッパの何れか一方あるいは両方である
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  14. 請求項1〜13の何れか1項に記載された磁気バネ装置において、
    前記連結ヨーク部は、複数の磁性体からなる
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
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