JP6177659B2 - 水上作業台船の支持構造 - Google Patents

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Description

本願発明は、水上で各種作業(例えば、風力発電設備の建設、浚渫工事等)を行う際に使用する水上作業台船に関し、さらに詳しくは該水上作業台船を水面から浮上させた状態で支持させ得るようにした水上作業台船の支持構造に関するものである。
洋上、沼湖、河川等の水上において、各種設備の建設や各種工事を行うのに水上作業台船が用いられるが、この種の水上作業台船として一般に図5(A)〜(C)に示すものがある。
図5(A)〜(C)に示す水上作業台船は、船体1の複数箇所(例えば前後左右の4箇所)にそれぞれ船体支持用のスパッド8,8を縦向き姿勢で上下動自在にガイトする各ガイド装置2,2を設け、該各ガイド装置2,2にそれぞれ挿通させた各スパッド8,8を各昇降装置3,3によって昇降させ得るとともに、船体1を水面から浮上させた状態でスパッド8に支持させるための支持装置4とを備えて構成されている。尚、昇降装置3と支持装置4は、それぞれスパッド8を順次掴み替えながら所定長さ(例えば1m程度)ずつ昇降させ得るようにしたものが一般的である。
そして、この水上作業台船を水上に設置(固定)するには、船体1を設置場所まで移動(曳航)し、その設置場所において各昇降装置3,3により各スパッド8,8(例えば4本)を順次所定長さずつ降下させていき(図5(A)は各スパッド8,8の下端部8aが水底面Gに近接する状態)、図5(A)の状態からさらに昇降装置3をスパッド下動側に作動させて、図5(B)に示すように各スパッド8,8の下端部8a,8aをそれぞれ水底面Gの地中に所定深さ打ち込む。続いて、図5(B)の状態からさらに各昇降装置3,3をスパッド下動側に操作して(スパッド8は下動できないのでその反力により船体1が持ち上げられる)、図5(C)に示すように船体1を水面Wから所定高さ浮上させ、その浮上させた船体1を支持装置4で支持することで、この水上作業台船の設置作業が完了する。
ところで、本件出願人は、この種の水上作業台船を水面から所定小高さ浮上させた状態で支持するための支持構造として、図6〜図13に示すものを既に開発しているが、本願発明の水上作業台船の支持構造は、図6〜図13に示す本件出願人の既開発にかかる水上作業台船の支持構造をベースにしたものであり、まずこの既開発の水上作業台船の支持構造について説明する。尚、この本件出願人の既開発にかかる水上作業台船の支持構造は、公知のものではなく且つ本願発明の要旨とかなり重複する構成を有しているので、既開発のものではあるが、ここでその構成を詳しく説明しておく。尚、以下の説明では、図6〜図13に示す本件出願人の既開発にかかる水上作業台船の支持構造を、単に既開発の支持構造ということがある。
図6に示す既開発の支持構造は、図5(A)〜(C)における1つのガイド装置2部分を拡大図示したものである。そして、この既開発の支持構造は、船体1におけるスパッド8で支持すべき各位置(例えば前後左右の4隅付近)に、該スパッド8を縦向き姿勢で上下動自在にガイドするガイド装置2(図6〜図11参照)を設けている。
このガイド装置2には、図6〜図11に示すように、スパッド8を船体1(及びガイド装置2)に対して相対的に上下動させるための昇降装置3と、船体1を水面から浮上させた状態(図5(C)の状態)で該船体1をスパッド8に支持させるための支持装置4とを設けている。
スパッド8は、鋼材からなる円筒形であって、用途に応じて所定長さで所定外径(例えばスパッド本体部分の直径が2000mm程度)のものが使用されている。
スパッド8の外周面には、周方向及び上下方向にそれぞれ所定間隔をもって四角形の外向き突起81,81・・が多数個取付けられている。この例のスパッド8における外向き突起81,81・・は、周方向に所定角度(例えば角度45°)間隔をもった複数箇所(例えば8箇所)で且つ上下に所定長さ(例えば1回の昇降ピッチとなる90〜100cm)間隔をもった各位置にそれぞれ点在させた状態に配置している。尚、周方向に隣接する各外向き突起81,81間及び上下に隣接する各外向き突起81,81間には、それぞれ後述するキャッチリング33(43)の内向き突起34(44)を上下及び周方向に通過させるための隙間(縦溝と横溝)が形成されている。
上記ガイド装置2は、スパッド8を上下動自在にガイドするものであって、図6〜図7に示すように、船体1に設けたスパッド挿通穴11と、該スパッド挿通穴11の上部に立設された所定高さの枠体20とで構成されている。
上記枠体20は、スパッド挿通穴11を囲繞するように配置された4本の支柱21,21・・と、各支柱21,21・・の上端部に四角枠状に設けた上段梁22と、各支柱21,21・・の下部寄り位置に四角枠状に設けた下段梁23とを有している。尚、この枠体20は船体1に一体化されていて、各スパッド8で各枠体20を支持することで船体1も同時に支持し得るようになっている。
スパッド8をガイドするガイド装置2としては、実質的には、枠体20の上端部に設けた上ガイド穴26と、船体1のスパッド挿通穴11の下端部である下ガイド穴27とで構成されていて、上下両ガイド穴26,27の各内周縁にスパッド外面が衝合することにより、スパッド8の傾動を規制するようになっている。尚、上ガイド穴26と下ガイド穴27間の上下長さL(図7参照)は、とくに限定するものではないが、6〜6.5m程度に設定されている。
枠体20の上端部に設けた上ガイド穴26と船体1に設けたスパッド挿通穴11(下ガイド穴27となる)との各内径は、スパッド8の外周面(筒体部分の外周面)との間に所定クリアランスS(例えば10mm程度の環状隙間)が形成される程度に設定されている。例えば、スパッド8の外径(筒体部分の外径)が2100mmである場合には、下ガイド穴27及び上ガイド穴26の各内径を2120mm程度に設定することで、周方向のクリアランスSを10mmにすることができる。
ところで、スパッド8の外周には各外向き突起81,81・・が取付けられている関係で、上記上ガイド穴26と下ガイド穴27は、図8に示す上ガイド穴26を例にすると、該上ガイド穴26におけるスパッド8の各外向き突起81,81・・が対応する部分にはそれぞれ外側に拡径された大径部26b,26b・・を設けている。尚、下ガイド穴27の場合は、図7に示すようにスパッド8の各外向き突起81,81・・が対応する部分に符号27bで示す大径部を設けている。
そして、上記上ガイド穴26と下ガイド穴27は、後述するように(図12参照)スパッド8がガイド装置2に対して傾斜して、スパッド8の筒体外周面8aが上ガイド穴26の内面(図12の符号26a)及び下ガイド穴27の内面(図12の符号27a)にそれぞれ接触したときでも、該上下各ガイド穴26,27部分に対応するスパッド8側の各外向き突起81,81が上ガイド穴26の大径部26b及び下ガイド穴27の大径部27bにそれぞれ入り込むことで、各外向き突起81,81が上下各ガイド穴26,27に衝突しないようになっている。
枠体20には、該枠体20の上半部にスパッド8を船体1に対して相対的に上下動させるための昇降装置3を設けている一方、該枠体20の下半部に船体1をスパッド8に支持させるための支持装置4を設けている。
上記昇降装置3は、図6及び図7に示すように、上段梁22の下面側にワーキングキャッチ31を複数本(4本)の昇降シリンダ32,32・・で上下動自在に吊持して構成されている。
ワーキングキャッチ31は、その中心位置にスパッド外径よりやや大きい内径を有したキャッチリング33を回動自在に配置している。
キャッチリング33の内周面には、所定角度間隔(角度45°間隔)をもってスパッド8側の各外向き突起81,81・・を係脱自在に係止し得る複数個(8個)の内向き突起34,34・・設けている。又、このキャッチリング33は、図9に示す回動シリンダ35(1本のみ)で、キャッチリング33側の各内向き突起34,34・・がスパッド8側の各外向き突起81,81・・に対して上下に重合する係合位置(図6、図7の保持状態)と、該キャッチリング33側の各内向き突起34,34・・がスパッド8側の各外向き突起81,81・・に対して上下に重合しない非係合位置(図9の符号34′の位置)との間で回動させ得るようになっている。
そして、この昇降装置3は、図6及び図7に示すように、ワーキングキャッチ31側の各内向き突起34がスパッド8側の各外向き突起81に下方から衝合している状態(スパッド保持状態)で、各昇降シリンダ32を伸長させるとスパッド8を船体1(枠体20)に対して相対的に下動させ得る一方、伸長状態の各昇降シリンダ32を縮小させるとスパッド8を船体1(枠体20)に対して相対的に上動させ得るようになっている。
尚、このワーキングキャッチ31をスパッド8に対して非保持状態にするには、回動シリンダ35(図9)でキャッチリング33を回動させて、該キャッチリング33側の内向き突起34がスパッド8側の外向き突起81と上下に重合しない位置(図9の符号34′の位置)に位置させることで達成できる。
他方、上記支持装置4は、図6、図7、図10に示すように、下段梁23の下面側にホールディングキャッチ41を複数本(4本)の吊持材(吊りボルト)24,24・・で上下動不能状態で吊持して構成されている。
ホールディングキャッチ41は、上記ワーキングキャッチ31とほぼ同構造のものが使用されている。即ち、ホールディングキャッチ41は、その中心位置にスパッド外径よりやや大きい内径を有したキャッチリング43を回動自在に配置している一方、該キャッチリング43の内周面に所定角度間隔(角度45°間隔)をもってスパッド8側の各外向き突起81,81・・を係脱自在に係止し得る複数個(8個)の内向き突起44,44・・設けている。又、このキャッチリング43は、図10に示す回動シリンダ45(4本ある)で、該キャッチリング43側の各内向き突起44,44・・がスパッド8側の各外向き突起81,81・・に対して上下に重合しない非係合位置(図6、図7、図10の状態)と、該キャッチリング43側の各内向き突起44,44・・がスパッド8側の各外向き突起81,81・・に対して上下に重合する係合位置(図10において内向き突起44が外向き突起81の下に隠れる位置)との間で回動させ得るようになっている。
そして、図6〜図11に示す既開発の支持構造は、次のように機能する。
まず、図6及び図7に示すように、上側のワーキングキャッチ31でスパッド8を保持している一方、下側のホールディングキャッチ41はスパッド8を開放(非保持)している状態から、昇降装置3の各昇降シリンダ32,32・・を1ピッチ分だけ伸長させると、ワーキングキャッチ31がスパッド8を保持したまま下動して(図6に鎖線図示する符号31′の状態)、該スパッド8を1ピッチ(例えば1m程度)だけ下方に押し下げるようになる。尚、スパッド8を1ピッチだけ下動させた状態でも、下側のホールディングキャッチ41の内向き突起44がスパッド8側の上下各外向き突起81,81間の横溝に対応している。そして、その後(各昇降シリンダ32を1ピッチ分伸長した後)、下側のホールディングキャッチ41の回動シリンダ45によりキャッチリング43を回動させて、ホールディングキャッチ41側の内向き突起44をスパッド8の外向き突起81に対して上下に重合する位置(保持位置)に移動させる。続いて、上側のワーキングキャッチ31のキャッチリング33を非保持位置(内向き突起34がスパッド側の外向き突起81に重合しない位置)に回動させた状態で、各昇降シリンダ32を縮小させると、ワーキングキャッチ31のみが元の上位置まで戻る。尚、この状態では、図11に示すように、下側のホールディングキャッチ41の内向き突起44がスパッド8の外向き突起81に対して上下に重合していて、スパッド8は下側のホールディングキャッチ41で位置保持される。その後、図11の状態から、上側のワーキングキャッチ31のキャッチリング33を保持位置に回動させ(ワーキングキャッチ31側の内向き突起34がスパッド8側の外向き突起81に対して上下に重合する)、下側のホールディングキャッチ41のキャッチリング43を非保持位置に回動させる(ホールディングキャッチ41側の内向き突起44がスパッド8側の外向き突起81に対して上下に重合しない位置となる)と、スパッド8を上側のワーキングキャッチ31で保持できる図6、図7の状態となる。
そして、上記の動作を繰り返すと、スパッド8が順次1ピッチずつ降下していき、図5(B)に示すようにスパッド下端8aが水底Gに着底した後に、さらに昇降装置3の各昇降シリンダ32によるスパッド8の押し下げを行うと、その反力で船体1が水面より浮上するようになる(図5(C)の状態となる)。そして、図5(C)に示す船体浮上状態では、図11に示すように、支持装置4となる下側のホールディングキャッチ41がスパッド8(着底している)に支持されている(ホールディングキャッチ41側の内向き突起44がスパッド8側の外向き突起81の上に載っている)ことで、該ホールディングキャッチ41及び枠体20を介して船体1を浮上状態で4本のスパッド8にて支持させることができる。
ところで、ガイド装置2の上ガイド穴26及び下ガイド穴27の各内周面とスパッド8の外周面(各外向き突起81の外面)との間には、それぞれスパッド8を上下動させるためのクリアランスSが必要である。このクリアランスSは、スパッド8を上下動させ得る条件で可及的に小さくすることが好ましく、図6〜図11の例では該クリアランスSとして片側が10mm程度(左右合計で20mm程度)の小隙間に設定されている。尚、上下各ガイド穴26,27におけるスパッド8の各外向き突起81が対応する部分(大径部26b,27b)は、該クリアランスSより大きい間隔となっている。
他方、ガイド装置2となる上ガイド穴26と下ガイド穴27との上下間隔Lは、スパッド8を長い範囲でガイドすることが安定性の点で有効であることから、図6〜図11の例では該上下間隔Lを6〜6.5m程度に設定している。
そして、図5(C)に示すように各スパッド8で船体1を浮上状態で支持している状態では、図11に示すように、ホールディングキャッチ41の各内向き突起44,44・・がスパッド8の周方向に位置する各外向き突起81,81上にそれぞれ載せられ、さらにホールディングキャッチ41上にスペーサ5A,5A・・を介して枠体20の下段梁23(四角形状に4つある)が載置されていて、該枠体20(4箇所にある)を介して船体1を4本のスパッド8で支承している。
又、ホールディングキャッチ41の上面と下段梁23の下面との間には、スパッド8の外側周方向の複数箇所(4箇所)で上下に圧接する上衝合材51Aと下衝合材52Bとを一対とする複数個(4個)のスペーサ5A,5A・・を介在させている。
この各スペーサ5Aの上衝合材51Aは、下段梁23の下面に固定(溶接)されている一方、各スペーサ5Aの下衝合材52Aは、ホールディングキャッチ41の上面に固定(溶接)されている。又、上衝合材51Aの下面と下衝合材52Aの上面とは、水平面同士で接合させている。
上衝合材51Aと下衝合材52Aの各中心にはボルト挿通穴が形成されていて、上下両衝合材51A,52Aの各ボルト挿通穴に共通の吊持材(吊りボルト)24を挿通させている。尚、上衝合材51Aと下衝合材52Aに形成したボルト挿通穴は吊りボルト24の外径より大きいバカ穴となっており、上衝合材51Aと下衝合材52Aとが各ボルト挿通穴の穴径の範囲内で水平方向に位置ずれ可能となっている。
ところで、この種の水上作業台船は、船体1及び船体に搭載する基材等の総荷重が大きくなり、水面から浮上させた状態の船体1を複数本(4本)のスパッド8,8・・で支承する場合でも、1箇所当たりの支承部での負担荷重がかなり大きいものとなる。従って、各支承部は、それぞれの負担荷重に見合った支持強度に設計されている。
そして、図5(C)のように4本のスパッド8で船体1を水面Wから浮上させて支承した状態では、各支承部分(4本の各スパッド部分)において、通常は図11に示すようにガイド装置2の中心軸線M(上ガイド穴26の中心と下ガイド穴27の中心を通る軸線で鉛直方向に向いている)に対してスパッド8の中心軸線Nが鉛直方向に向く姿勢でほぼ重合していて、ホールディングキャッチ41の上面は下段梁23の下面に対してはほぼ平行に維持されている。従って、船体1の各支承部分(4箇所)において、ホールディングキャッチ41と下段梁23との間に介設されている4つのスペーサ5A,5A・・にはほぼ均等な圧縮力が作用するので、1箇所の支承部分に加わる船体1側の荷重を4箇所の各スペーサ5A,5A・・部分でほぼ均等に分散して支持できる(1箇所当たりのスペーサ部分での負担荷重を軽減できる)。
ところで、図5(C)に示す船体浮上状態では、潮流や風等の影響で、スパッド8と船体1(枠体20)とが水平方向に相対変位することがあり、そのとき図12に示すようにガイド装置2の中心軸線Mに対してスパッド8の中心軸線Nが僅かではあるが傾動することがある。即ち、ガイド装置2(上ガイド穴26と下ガイド穴27)に対してスパッド8が最大傾斜し得る角度θは、図12に示す例では、上ガイド穴26の内周面の右端部26aにスパッド8の外周面8aが衝合し且つ下ガイド穴27の内周面の左端部27aにスパッド8の外周面8aが衝合した状態のときであるが、このときのガイド装置2(上ガイド穴26と下ガイド穴27)に対するスパッド8の傾動中心Pは、上ガイド穴26と下ガイド穴27との上下長さLの1/2の位置となる。
そして、図12の例では、ガイド装置2の中心軸線Mに対してスパッド8の中心軸線Nが最大傾斜したときの角度θは0.3°〜0.4°程度になるが、このとき図13に拡大図示するように、ホールディングキャッチ41がガイド装置2(下段梁23)に対して僅かではあるが左移動するとともに、ホールディングキャッチ41の上面41aが下段梁23の下面23aに対してごく僅かではあるが平行度が狂うことになる。即ち、図12及び図13において、ホールディングキャッチ41の上面41aが下段梁23の下面23aに対して僅かに右側に下降傾斜することになる。
ところで、図5(C)のように船体浮上状態において、図12に示すようにガイド装置2の中心軸線Mに対してスパッド8の中心軸線Nが傾斜したときには、図13に拡大図示するように、下段梁23に対してホールディングキャッチ41が水平状態から右側に下降傾動することにより、下段梁23とホールディングキャッチ41間に介設した4つのスペーサ5A,5A・・のうちの左位置にある1つのスペーサ5A部分は上衝合材51Aと下衝合材52Aとが強く圧接する一方、他の3つ(右位置及び前後各位置)の各スペーサ5A部分は上衝合材51Aと下衝合材52Aとが非接触状態(隙間Tが発生する)となって荷重支持力がなくなる。
そして、このように図12、図13の状態(ホールディングキャッチ41が傾斜状態)では、4つのスペーサ5A,5A・・のうちの1つ(左位置のもの)しか船体1の荷重を支持しないので、当該支承部分(ホールディングキャッチ41部分)での負担すべき荷重が1点(左位置のスペーサ5A部分)に集中して、当該荷重を支持する部分(特に下段梁23部分)に偏荷重が加わることにより、該荷重支持部分(特に下段梁23部分)での支持強度が不足する事態に陥ることが考えられる。
そこで、本願発明は、スパッドにより船体を水面から浮上させて支承した状態で、上記図12のようにガイド装置2の中心軸線Mに対してスパッド8の中心軸線Nが傾斜した場合(ホールディングキャッチ41が下段梁23に対して平行度が崩れた場合)でも、ホールディングキャッチ41と下段梁23間に介設した複数個のスペーサが常に有効に機能するようにした水上作業台船の支持構造を提供することを目的としてなされたものである。
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明は、水上作業台船を複数本のスパッドで水面から浮上させた状態で支持し得るようにした水上作業台船の支持構造を対象にしたものである。
そして、本願発明で使用される水上作業台船は、添付の図1〜図4(図5併用)に例示するように、船体1における平面方向の複数箇所(図5の場合は4箇所)にそれぞれ船体支持用のスパッド8を縦向き姿勢で上下動自在にガイドするガイド装置2を設け、さらに該ガイド装置2部分に上記スパッド8を周方向から囲繞する状態で配置させた支持装置4を設けて、該支持装置4により上記船体1を水面から浮上させた状態で支持させ得るように構成されている。
尚、本願の水上作業台船の支持構造においても、上記各スパッド8をそれぞれ各ガイド装置2部分において昇降装置3で船体1に対して相対的に下動させることで、各スパッド8の下端を水底に着底させた後に船体1を水面から浮上させ得るようにした構成が採用されている。
又、この水上作業台船では、上記ガイド装置2はスパッド8の所定長さ範囲と重合する上下長さHを有し、該ガイド装置2の上端位置と下端位置とにスパッド8の外周面に対して所定クリアランスSを有した状態で上ガイド穴26と下ガイド穴27とをそれぞれ設けて、スパッド8の外面が上記上ガイド穴26と下ガイド穴27の各内周縁に衝合する範囲内でスパッド8がガイド装置2に対して相対的に傾斜し得るようになっている。
尚、本願発明で適用される水上作業台船の基本的構成は、本件出願人の既開発分として説明した上記の図6〜図11のものと同じものを採用できる。例えば、昇降装置3としては、図1〜図3に示すようにワーキングキャッチ31を4本の昇降シリンダ32で昇降させ得るようにしたものを使用できる一方、上記支持装置4としては、図1〜図4に示すようにホールディングキャッチ41を使用できる。又、ガイド装置2における上記上ガイド穴26及び下ガイド穴27として、本件出願人の既開発分である図8と同様に、スパッド8の各外向き突起81,81・・が対応する部分にそれぞれ大径部(図8の符号26b)を設けたものを採用するとよい。
そして、本願発明の水上作業台船の支持構造は、次のように構成されている。
まず、上記支持装置4は、上記ガイド装置2におけるスパッド8を囲繞する位置に設けた支持材23から周方向の複数箇所においてそれぞれ吊持材(吊りボルト)24により吊持している。尚、この構成も、上記既開発(図6〜図11)のものと同じものを採用でき、その場合、枠体20の下段梁23が本願の支持材23に相当する一方、吊りボルト24が本願の吊持材24に相当する。
又、本願発明の水上作業台船の支持構造は、上記支持装置4の上面と上記支持材23の下面との間に、船体1を支持装置4で水面から浮上させた支持状態において各スパッド8の外側周方向の複数箇所で上下に圧接する上衝合材51と下衝合材52とを一対とする複数個のスペーサ5を介在させているとともに、該各スペーサ5における上衝合材51と下衝合材52との各接触面が、ガイド装置2の中心軸線Mを通り且つガイド装置2の上記上下長さHの1/2の高さ位置Pを中心とする球面の一部をなしていることを特徴としたものである。
ところで、本願発明の支持構造において、各スペーサ5における上衝合材51と下衝合材52との各接触面が、ガイド装置2の中心軸線Mを通り且つガイド装置2の上記上下長さHの1/2の高さ位置Pを中心とする球面の一部をなすように設定したことの背景及び理由は、次の通りである。
即ち、本願発明の水上作業台船の支持構造においても、図2に示すように、スパッド8をガイド装置2に対して上下動させるために、スパッド8の外周面(外向き突起81の外面)とガイド装置2の上ガイド穴26及び下ガイド穴27の各内周縁との間にそれぞれ所定クリアランスS(例えば10mm程度の環状隙間)を設けているが、このようにスパッド8の外周面と上ガイド穴26及び下ガイド穴27の各内周縁との間にクリアランスSがあると、船体1を水面から浮上状態で支持させたときに、潮流や風等の影響で、図3に示すようにガイド装置2の中心軸線Mに対してスパッド8の中心軸線Nがごく僅かではあるが傾斜する(最大傾斜角度θ=0.3°〜0.4°)ことがある。つまり、図3の例では、上ガイド穴26の内周面の右端部26aにスパッド8の外周面(外向き突起81の外面)が衝合し且つ下ガイド穴27の内周面の左端部27aにスパッド8の外周面(外向き突起81の外面)が衝合する範囲で両者(各中心軸線M、N)が相対的に傾動するが、このときのガイド装置2(上ガイド穴26と下ガイド穴27)に対するスパッド8の傾動中心Pは、上ガイド穴26と下ガイド穴27間の上下長さHの1/2の位置となる。尚、ガイド装置2に対するスパッド8の傾動方向は、スパッド8の周方向の全方向が対象となる。又、スパッド8が傾動しても、該スパッド8側の各外向き突起81,81・・は上ガイド穴26及び下ガイド穴27の各内周縁に衝合することはない。
そして、図3の例では、ガイド装置2の中心軸線Mに対してスパッド8の中心軸線Nが傾斜(角度θ)しているが、このとき図4に拡大図示するように該スパッド8の傾動に伴って支持装置4(ホールディングキャッチ41)がガイド装置2の支持材(下段梁)23に対して僅かではあるが左移動するとともに、支持装置4(ホールディングキャッチ41)の上面が支持材(下段梁)23の下面に対して僅かではあるが平行度が狂うことになる。即ち、図4に拡大図示するように、各スペーサ5,5部分において、下衝合材52が上衝合材51に対して僅かに左側に位置ずれする一方、下段梁23の下面23aとホールディングキャッチ41の上面41aとの間隔が、左側端では寸法U1であるのに対して右側端ではそれよりやや大きい寸法U2(U2>U1)となる。このとき、既開発の支持構造では、図12及び図13に示すように支持装置による船体の荷重支持を1箇所のスペーサ部分だけで行うようになる(1箇所に過大な偏荷重が加わる)。
ところが、本願発明の支持構造では、各スペーサ5,5における上衝合材51と下衝合材52の接合面同士は、スパッド8の傾動中心Pを中心とする半径Rの球面の一部をなす状態で接合させているので、該スパッド8の傾動に伴って支持装置4(ホールディングキャッチ41)が支持材(下段梁)23に対して位置ずれしても、図4に拡大図示するように各位置(4箇所)にある各スペーサ5,5・・は、それぞれ下衝合材52と上衝合材51の各接合面52a,51aが相互に接合したままとなる。
従って、スパッド8がガイド装置2に対して傾斜(最大傾斜角度θ)しても、スパッド8に保持された支持装置4(ホールディングキャッチ41)上にガイド装置2の支持材(下段梁)23をスパッド8の外側周方向の複数箇所(4箇所のスペーサ5部分)でそれぞれほぼ均等荷重ずつ支持できるようになっている。
本願発明の水上作業台船の支持構造は、船体1の荷重を各支持装置4を介して各スパッド8に支持させるようにしたものにおいて、支持装置4の上面とガイド装置2の支持材23の下面との間に、各スパッド8の外側周方向の複数箇所で上下に圧接する上衝合材51と下衝合材52とを一対とする複数個のスペーサ5を介在させているとともに、各スペーサ5における上衝合材51と下衝合材52との各接触面が、ガイド装置2の中心軸線Mを通り且つガイド装置2の上記上下長さHの1/2の高さ位置P(スパッド8の傾動中心Pとなる)を中心とする球面の一部をなしていることを特徴としたものである。
このように、各スペーサ5における上衝合材51と下衝合材52との各接触面が、スパッド傾動中心Pを中心とする球面の一部をなしていると、上記のようにガイド装置2の中心軸線Mに対してスパッド8の中心軸線Nが傾斜することで支持装置4がガイド装置2に対して水平方向に位置ずれしたり傾いても、各スペーサ5,5・・部分においてはそれぞれ上衝合材51と下衝合材52との各接触面がそれぞれ常時圧接状態に維持される。
従って、本願発明の水上作業台船の支持構造は、船体を浮上させた支持状態で、スパッド8の中心軸線Nが船体1側のガイド装置2の中心軸線Mに対して傾動した場合でも(支持装置4が位置ずれしたり傾く)、船体1側の荷重を支持装置4上における複数箇所のスペーサ5,5・・部分で分散して支持できるので、1箇所当たりのスペーサ5部分での負担荷重が重くならない(軽減できる)とともに、該負担荷重を支持装置4上におけるスパッド8の外側周方向から均等に支持できる(偏荷重がかからない)という効果がある。
本願実施例に係る水上作業台船の支持構造であって、船体側のガイド装置にスパッドを挿通させ且つスパッドを昇降装置で保持した状態の側面図である。 図1のII−II断面相当図で、船体浮上状態で該船体の荷重を支持装置を介してスパッドに支持させた状態の説明図である。 図2からの状態変化図で、スパッドがガイド装置に対して傾動した状態での説明図である。 図3における各スペーサ部分の拡大図である。 従来の水上作業台船の設置工程を示す説明図である。 本件出願人の既開発の水上作業台船の支持構造であって、船体側のガイド装置にスパッドを挿通させ且つスパッドを昇降装置で保持した状態の側面図である。 図6(既開発分)のVII−VII断面図である。 図6(既開発分)のVIII−VIII断面図である。 図6(既開発分)のIX−IX断面図である。 図6(既開発分)のX−X断面図である。 図7(既開発分)からの状態変化図で、船体浮上状態で該船体の荷重を支持装置を介してスパッドに支持させた状態の説明図である。 図11(既開発分)からの状態変化図で、スパッドがガイド装置に対して傾動した状態での説明図である。 図12(既開発分)における各スペーサ部分の拡大図である。
[実施例]
以下、図1〜図4に示す本願実施例の水上作業台船の支持構造を説明する。
本願実施例の水上作業台船の支持構造でも、先に説明した本件出願人の既開発(以下、これを単に既開発という)に係る上記図6〜図11の支持構造の大部分をそのまま採用しており、本願実施例(図1〜図4)の水上作業台船の構成における既開発(図6〜図11)の構成と共通部分は、重複説明を避けるために上記背景技術の項の説明を援用し、ここでは本願実施例の水上作業台船の構成として、本願の支持構造に関連する部分についてのみ説明する。
図1〜図4に示す本願実施例で使用される水上作業台船は、図5(C)に示すように、船体1を最終的に水面Wから浮上させた状態で使用されるものである。尚、図1は、図5の(A)〜(C)における1つのガイド装置2部分を拡大図示したものである。
そして、本願実施例で使用される水上作業台船は、図1〜図4(図5併用)に例示するように、船体1における平面方向の複数箇所(図5の場合は4箇所)にそれぞれ船体支持用のスパッド8を縦向き姿勢で上下動自在にガイドするガイド装置2を設け、各スパッド8をそれぞれ各ガイド装置2部分において昇降装置3で船体1に対して相対的に下動させることで、各スパッド8の下端を水底Gに着底させた後に船体1を水面から浮上させ、さらにガイド装置2部分にスパッド8を周方向から囲繞する状態で配置させた支持装置4により船体1を水面から浮上させた状態で支持させ得るようにしているように構成されている。
尚、この種の水上作業台船に使用されるスパッド8の太さは、船体1の規模や使用環境等によって適宜に選択されるが、この例ではスパッド本体の外径として2000mmのものを使用し、該スパッド本体の外面に取付けた外向き突起81,81(厚さが60mm)を含めると、スパッド8全体の外径として2120mmのものを採用している。
この実施例の水上作業台船では、上記ガイド装置2としてスパッド8の所定長さ範囲と重合する上下長さHを有したものを採用している。このガイド装置2は、船体1の上面におけるスパッド挿通穴11を囲う位置に立設した枠体20を有している。この枠体20は、4本の支柱21,21・・と、該各支柱21,21・・の上端部に四角枠状に設けた上段梁22と、各支柱21,21・・の下部寄り位置に四角枠状に設けた下段梁23とを有している。尚、この枠体20は船体1に一体化されていて、各スパッド8で各枠体20を支持することで船体1も同時に支持し得るようになっている。
ガイド装置2には、その上部寄り位置に昇降装置3の一部となるワーキングキャッチ31が設けられている一方、その下部寄り位置に支持装置4となるホールディングキャッチ41が設けられている。
ホールディングキャッチ41は、四角枠状に設けた下段梁23から、スパッド8の外側周方向の4箇所においてそれぞれ吊りボルト24,24・・で吊持されている。尚、この実施例では、上記下段梁23が特許請求の範囲における支持材となり、上記吊りボルト24が特許請求の範囲における吊持材となるものである。
ホールディングキャッチ41の上面41aと下段梁23の下面23aとの間には、4本の吊りボルト24,24・・部分において上下に圧接する上衝合材51と下衝合材52とを一対とする4個のスペーサ5,5・・を介在させている。
この各スペーサ5の上衝合材51は、下段梁23の下面23aに固定(溶接)されている一方、各スペーサ5の下衝合材52は、ホールディングキャッチ41の上面41aに固定(溶接)されている。
上衝合材51と下衝合材52の各中心にはボルト挿通穴が形成されていて、上下両衝合材51,52の各ボルト挿通穴に共通の吊りボルト24を挿通させている。尚、上衝合材51と下衝合材52に形成したボルト挿通穴は吊りボルト24の外径より大きいバカ穴となっており、上衝合材51と下衝合材52とが各ボルト挿通穴の穴径の範囲内で水平方向に位置ずれ可能となっている。
上記ガイド装置2は、枠体20の上端部に設けた上ガイド穴26と、船体1のスパッド挿通穴11の下端部である下ガイド穴27とを有したものである。尚、このガイド装置2における上ガイド穴26と下ガイド穴27間の上下長さHは、特に限定するものではないが、この実施例では6.5〜7m程度に設定している。
尚、本願実施例で採用しているガイド装置2の上下長さH(上ガイド穴26と下ガイド穴27間の上下高さ)は、既開発の図6〜図11におけるガイド装置2の上下長さL(上ガイド穴26と下ガイド穴27間の上下高さ)よりやや長くしているが、これは後述するようにスペーサ5の上衝合材51と下衝合材52の接合面をスパッド8の傾動中心Pを中心とする球面(半径R)の一部とするのに、該スペーサ5の厚さを確保するために設計したものである。
ガイド装置2における上ガイド穴26と下ガイド穴27の各穴径は、スパッド8の外周面(スパッド筒体の外周面)に対して所定クリアランスS(図2)を有した状態で該スパッド8を上下に挿通させ得るものであるが、該各クリアランスSは可及的に小さいものが好ましい。そして、この例では該クリアランスSとして片側10mm(両側で20mm)程度に設定している。
ところで、この実施例でも、上記上ガイド穴26及び下ガイド穴27には、図8(既出願分)と同様に、スパッド8の各外向き突起81が対応する部分にそれぞれ外側に拡径された大径部26b,27b(図2、図3参照)を設けている。そして、これらの上下各ガイド穴26,27における各大径部26a,27aは、図3に示すようにスパッド8が傾動してスパッド8の筒体外周面8aがそれぞれ上ガイド穴26の右端部26a及び下ガイド穴27の左端部27aに接触とたときでも、各外向き突起81が上下各ガイド穴26,27に衝合しないようにするためのものである。
上記のように、上ガイド穴26と下ガイド穴27の各内周縁とスパッド8の外面との間にクリアランスSを設けていると、船体1を水面から浮上状態で支持させたときに、潮流や風等の影響で、図3に示すようにガイド装置2の中心軸線Mに対してスパッド8の中心軸線Nがごく僅かではあるが傾斜する(最大傾斜角度θ=0.3°〜0.4°)ことがある。つまり、図3の例では、上ガイド穴26の内周面の右端部26aにスパッド8の外周面が衝合し且つ下ガイド穴27の内周面の左端部27aにスパッド8の外周面(外向き突起81の外面)が衝合する範囲で両者(各中心軸線M、N)が相対的に傾動可能であるが、この傾動時のガイド装置2(上ガイド穴26と下ガイド穴27)に対するスパッド8の傾動中心Pは、上ガイド穴26と下ガイド穴27間の上下長さHの1/2の位置となる。尚、ガイド装置2に対するスパッド8の傾動方向は、スパッド8の周方向の全方向が対象となる。
そして、図3の例では、ガイド装置2の中心軸線Mに対してスパッド8の中心軸線Nが傾斜(角度θ)すると、図4に拡大図示するように該スパッド8の傾動に伴って支持装置4(ホールディングキャッチ41)がガイド装置2(下段梁23)に対して僅かではあるが左移動するとともに、ホールディングキャッチ41の上面41aが下段梁23の下面23aに対して僅かではあるが平行度が狂うことになる。即ち、図4において、下段梁23の下面23aとホールディングキャッチ41の上面41aとの間隔が、左側端では寸法U1であるのに対して右側端ではそれよりやや大きい寸法U2(U2>U1)となる。このとき、既開発の支持構造では、図12及び図13に示すように支持装置による船体の荷重支持を1箇所のスペーサ部分だけで行うようになる(1箇所に過大な偏荷重が加わる)。
そこで、上記のようにスパッド8がガイド装置2に対して傾動することによる、支持装置4(ホールディングキャッチ41)部分での偏荷重発生を防止するための手段として、本願実施例の水上作業台船の支持構造では、上記各スペーサ5,5・・における上衝合材51と下衝合材52との各接触面が、ガイド装置2の中心軸線Mを通り且つガイド装置2の上記上下長さHの1/2の高さ位置Pを中心とする球面の一部をなすようにしている。
即ち、ガイド装置2に対してスパッド8が傾動する際の傾動中心Pは、図3に示すように、ガイド装置2の上ガイド穴26と下ガイド穴27間の上下長さHの1/2の位置であり、スパッド8の傾動時に各スペーサ5,5・・の下衝合材52の上面が変位する方向は、上記傾動中心Pから下衝合材52の上面までの距離を半径Rとする球面方向である。
そして、各スペーサ5,5・・における上衝合材51と下衝合材52の接合面を、上記半径Rの球面の一部をなすように設定していると、図3に示すようにスパッド8の中心軸線Nがガイド装置2の中心軸線Mに対して最大傾動(傾斜角度θ)した場合でも、図4に拡大図示するように各下衝合材52の上面52aが各上衝合材51の下面51aに対して常に接触状態を維持するようになる。即ち、各スペーサ5,5・・は、それぞれ下衝合材52と上衝合材51の各接合面52a,51aが相互に接合したままとなる。
従って、スパッド8がガイド装置2に対して傾斜(最大傾斜角度θ)しても、スパッド8に保持された支持装置4(ホールディングキャッチ41)上にガイド装置2の下段梁23をスパッド8の外側周方向の複数箇所(4箇所のスペーサ5部分)でそれぞれほぼ均等荷重ずつで支持できるので、1箇所当たりのスペーサ5部分での負担荷重が重くならない(軽減できる)とともに、支持装置4(ホールディングキャッチ41)上に偏荷重がかからないという効果が得られる。
1は船体、2はガイド装置、3は昇降装置、4は支持装置、5はスペーサ、8はスパッド、11はスパッド挿通穴、20は枠体、23は支持材(下段梁)、24は吊持材(吊りボルト)、26は上ガイド穴、27は下ガイド穴、31はワーキングキャッチ、32は昇降シリンダ、34は内向き突起、41はホールディングキャッチ、44は内向き突起、51は上衝合材、52は下衝合材、Hは上ガイド穴26と下ガイド穴27間の上下長さ、Mはガイド装置の中心軸線、Nはスパッドの中心軸線、Pはスパッドの傾動中心、Sはクリアランスである。

Claims (1)

  1. 船体(1)における平面方向の複数箇所にそれぞれ船体支持用のスパッド(8)を縦向き姿勢で上下動自在にガイドするガイド装置(2)を設け、さらに該ガイド装置(2)部分に上記スパッド(8)を周方向から囲繞する状態で配置させた支持装置(4)を設けて、該支持装置(4)により上記船体(1)を水面から浮上させた状態で支持させ得るようにしている一方、上記ガイド装置(2)は上記スパッド(8)の所定長さ範囲と重合する上下長さ(H)を有し、上記ガイド装置(2)の上端位置と下端位置とに上記スパッド(8)の外周面に対して所定クリアランス(S)を有した状態で上ガイド穴(26)と下ガイド穴(27)とをそれぞれ設けて、上記スパッド(8)の外面が上記上ガイド穴(26)と下ガイド穴(27)の各内周縁に衝合する範囲内で上記スパッド(8)が上記ガイド装置(2)に対して相対的に傾斜し得るようにした水上作業台船において、
    上記支持装置(4)は、上記ガイド装置(2)における上記スパッド(8)を囲繞する位置に設けた支持材(23)から周方向の複数箇所においてそれぞれ吊持材(24)により吊持し、
    上記支持装置(4)の上面と上記支持材(23)の下面との間に、上記船体(1)を上記支持装置(4)で水面から浮上させた支持状態において上記各スパッド(8)の外側周方向の複数箇所で上下に圧接する上衝合材(51)と下衝合材(52)とを一対とする複数個のスペーサ(5)を介在させているとともに、
    上記各スペーサ(5)における上記上衝合材(51)と上記下衝合材(52)との各接触面が、上記ガイド装置(2)の中心軸線(M)を通り且つ該ガイド装置(2)の上記上下長さ(H)の1/2の高さ位置(P)を中心とする球面の一部をなしている、
    ことを特徴とする水上作業台船の支持構造。
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