JP6177343B2 - フラタキシン増強剤 - Google Patents

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Description

本発明は、フラタキシン増強剤、および、フラタキシンの産生の低下に起因する疾患の治療剤及び/又は予防剤に関する。さらに詳しくは、5−アミノレブリン酸(ALA)若しくはその誘導体又はそれらの塩を含む、フラタキシン増強剤、および、フラタキシンの産生の低下に起因する疾患の治療剤及び/又は予防剤に関する。
フラタキシンはミトコンドリアに存在する鉄結合タンパクであり、鉄シャペロンタンパクとして、活性酸素種によって低下したクエン酸回路のアコニターゼ活性を回復させる役割を担っていることが知られている。また、フラタキシンは、鉄−硫黄クラスターへの鉄の供給も担うことが知られている。鉄−硫黄クラスターは、例えばミトコンドリアのTCA回路においてクエン酸をイソクエン酸に変換する酵素アコニターゼの活性中心や、ミトコンドリアの電子伝達系複合体Iの構成要素として存在する(非特許文献1、非特許文献2)。
このように、フラタキシンは、生体における鉄のホメオスタシス等に関係する、生命活動において極めて重要な因子であり、生体におけるフラタキシンタンパク量の低下は、生命活動の維持に重大な影響を及ぼす。フラタキシンの産生の低下に起因する疾患としては、フリードライヒ運動失調症(Friedreich’s ataxia:FRDAまたはFA)が知られている。FRDAはフラタキシンをコードするmRNAの不足に起因する疾患であり、白人の間で最も多い遺伝性運動失調症である。生体においてフラタキシンが不足すると、進行性脊髄小脳神経変性となり、その結果、歩行及び手の動きの協調運動失調、言葉のもつれ、筋肉の脱力及び感覚の喪失等の症状が表れる。また、FRDAには神経外脊柱側彎症、心筋症および糖尿病を伴うこともある。FRDAの治療には、酸化防止剤や鉄キレート剤が用いられてきたが、これらの治療方法はフラタキシンの低下に伴う症状の対症療法でしかなく、根本療法としてフラタキシン自体を増強するものではない。
生体におけるフラタキシンタンパク量を増強させる試みとしては、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC阻害剤)の適用が提案されている(特許文献1)しかし、HDACは転写調節をはじめ、様々な細胞機能に関与するタンパクである。また、HDACには多くのアイソザイム(ヒトでは少なくとも8種類)が存在し、その機能はそれぞれ異なると考えられている。したがって、HDAC阻害剤を用いたフラタキシンの増強には様々な副作用が予測され、現在まで実用化には至っていない。
特表2009−515887
Science 305, 242−245 (2004) PNAS 102、5987−5991(2005)
上記のとおり、フラタキシンの低下に起因する疾患を治療及び/又は予防するために実用可能な、フラタキシンタンパクの発現を増強させる薬剤には、これまで長期間希望されてきたが、未解決のニーズが存在する。
5−アミノレブリン酸類(ALA類)を生体に投与すると、ヘム代謝経路に取り込まれ、中間代謝産物であるプロトポルフィリンIX(PpIX)が生成することが知られている。ここで、マウス線維芽細胞(LMTK細胞)を用いた実験では、プロトポルフィリンIXの添加により、フラタキシンタンパク量が減少するという報告がある(Blood,May,2002;99:3813−22.)。すなわち、前述の報告を考慮すると、PpIXの前駆物質であるALA類を細胞及び/又は生体に投与すると、フラタキシンタンパク量が減少すると予測されてきた。
しかしながら、発明者らは、細胞へALA類を投与した場合における、ヘム生合成経路に関連するタンパク質群を詳細に精査する過程で、従来の予測に反して、細胞内のフラタキシンタンパク量が増加することを見出した。発明者らは、この驚くべき発見に基づき、本発明を完成させるに到った。
ALAは生体内に存在するアミノ酸であり、人体に対して安全性が高いことが知られている。すなわち、ALA類の生体への投与は、副作用がほとんどなく、本発明の実用可能性は極めて高い。
すなわち本発明は、フラタキシン増強剤であって、下記式(I)で示される化合物
(式中、Rは、水素原子又はアシル基を表し、Rは、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。)
又はその塩、を含む、フラタキシン増強剤に関する。
上記式(I)で示される化合物は、一態様において、Rが、水素原子、炭素数1〜8のアルカノイル基、及び、炭素数7〜14のアロイル基からなる群から選択されてよく、Rが、水素原子、直鎖又は分岐状の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、及び、炭素数7〜15のアラルキル基からなる群から選択されてよい。
また、上記式(I)で示される化合物は、一態様において、R及びRが、水素原子であってよい。
本発明は、他の態様において、フラタキシンの産生の低下に起因する疾患の治療剤及び/又は予防剤であって、上記式(I)で示される化合物、又はその塩、を含む、治療剤及び/又は予防剤に関する。
また、一態様において、前記「フラタキシンの産生の低下に起因する疾患」はフリードライヒ運動失調症であってよい。
本発明は、他の態様において、フラタキシンを増強する方法であって、治療上有効量の、上記式(I)で示される化合物、又はその塩、を対象に投与することを特徴とする、フラタキシンを増強する方法に関する。
本発明は、他の態様において、フラタキシンの産生の低下に起因する疾患の治療及び/又は予防方法であって、上記式(I)で示される化合物、又はその塩、を対象に投与することを特徴とする、治療及び/又は予防方法に関する。
本発明は、他の態様において、フラタキシン増強剤の製造のための、上記式(I)で示される化合物、又はその塩、の使用に関する。
本発明は、他の態様において、フラタキシンの産生の低下に起因する疾患の治療剤及び/又は予防剤の製造のための、上記式(I)で示される化合物、又はその塩、の使用に関する。
図1は、ALAを含む培地で培養したWI−38細胞と、ALAを含まない培地で培養したWI−38細胞とにおける、フラタキシンタンパクの発現量を比較した図である。
本発明において「フラタキシンの増強」とは、例えばin vivo/in vitroの細胞内においてフラタキシンをコードするmRNAの転写量を増加させることや、in vivo/in vitroの細胞内におけるフラタキシンタンパクの発現量を増加させることを含む。本発明によってフラタキシンが増強する生体の部位は、特定の細胞、組織、臓器に限定されない。
本発明において「フラタキシンの産生の低下に起因する疾患」とは、例えば、フラタキシンをコードする遺伝子の欠損、フラタキシンをコードする遺伝子の変異、フラタキシンをコードする遺伝子の転写・翻訳の異常、フラタキシンタンパクの発現に関するパスウェイの一部の異常等、生体内において直接的/間接的に、正常な活性を持つフラタキシンタンパクの発現量が低下することに起因する疾患を広く含む。
本発明によれば、生体におけるフラタキシンの産生を増加させることができるため、対象へ本発明のフラタキシン増強剤を投与した場合、フラタキシンの増加に伴って生体における鉄利用効率が上昇する。すなわち、本発明によれば、フラタキシンの低下に直接起因する疾患を治療及び/又は予防できるだけでなく、生体における鉄利用効率の異常に起因する疾患、および、生体内に過剰に鉄が存在することに起因する疾患をも治療及び/又は予防することができる。生体における鉄利用効率の異常に起因する疾患としては、慢性疾患性貧血(Anemia of chronic disease: ACD)が挙げられる。生体内に過剰に鉄が存在することに起因する疾患の例としては、輸血による慢性鉄過剰症を挙げることができる。
本明細書において、ALA類とは、ALA若しくはその誘導体又はそれらの塩をいう。
本明細書において、ALAは、5−アミノレブリン酸を意味する。ALAは、δ−アミノレブリン酸ともいい、アミノ酸の1種である。
ALA誘導体としては、下記式(I)で表される化合物を例示することができる。式(I)において、Rは、水素原子又はアシル基を表し、Rは、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。なお、式(I)において、ALAは、R及びRが水素原子の場合に相当する。
ALA類は、生体内で式(I)のALA又はその誘導体の状態で有効成分として作用すればよく、生体内の酵素で分解されるプロドラッグ(前駆体)として投与することもできる。
式(I)のRにおけるアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ベンジルカルボニル基等の直鎖又は分岐状の炭素数1〜8のアルカノイル基や、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル基等の炭素数7〜14のアロイル基を挙げることができる。
式(I)のRにおけるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基等の直鎖又は分岐状の炭素数1〜8のアルキル基を挙げることができる。
式(I)のRにおけるシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロドデシル、1−シクロヘキセニル基等の飽和、又は一部不飽和結合が存在してもよい、炭素数3〜8のシクロアルキル基を挙げることができる。
式(I)のRにおけるアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル基等の炭素数6〜14のアリール基を挙げることができる。
式(I)のRにおけるアラルキル基としては、アリール部分は上記アリール基と同じ例示ができ、アルキル部分は上記アルキル基と同じ例示ができ、具体的には、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、ベンズヒドリル、トリチル、ナフチルメチル、ナフチルエチル基等の炭素数7〜15のアラルキル基を挙げることができる。
好ましいALA誘導体としては、Rが、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル基等である化合物が挙げられる。また、好ましいALA誘導体としては、上記Rが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル基等である化合物が挙げられる。また、好ましいALA誘導体としては、上記RとRの組合せが、(ホルミルとメチル)、(アセチルとメチル)、(プロピオニルとメチル)、(ブチリルとメチル)、(ホルミルとエチル)、(アセチルとエチル)、(プロピオニルとエチル)、(ブチリルとエチル)の各組合せである化合物が挙げられる。
ALA類のうち、ALA又はその誘導体の塩としては、薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩等を挙げることができる。酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の各無機酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、トルエンスルホン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、グリコール酸塩、メタンスルホン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩等の各有機酸付加塩を例示することができる。金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の各アルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム塩等の各アルカリ土類金属塩、アルミニウム、亜鉛等の各金属塩を例示することができる。アンモニウム塩としては、アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩等のアルキルアンモニウム塩等を例示することができる。有機アミン塩としては、トリエチルアミン塩、ピペリジン塩、モルホリン塩、トルイジン塩等の各塩を例示することができる。なお、これらの塩は使用時において溶液としても用いることができる。
以上のALA類のうち、もっとも望ましいものは、ALA、及び、ALAメチルエステル、ALAエチルエステル、ALAプロピルエステル、ALAブチルエステル、ALAペンチルエステル等の各種エステル類、並びに、これらの塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩である。とりわけ、ALA塩酸塩、ALAリン酸塩を特に好適なものとして例示することができる。
上記ALA類は、例えば、化学合成、微生物による生産、酵素による生産など公知の方法によって製造することができる。また、上記ALA類は、水和物又は溶媒和物を形成していてもよく、またALA類を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
上記ALA類を水溶液として調製する場合には、ALA類の分解を防ぐため、水溶液がアルカリ性とならないように留意する必要がある。アルカリ性となってしまう場合は、酸素を除去することによって分解を防ぐことができる。
本発明のフラタキシン増強剤、又は、フラタキシンの産生の低下に起因する疾患の治療剤及び/又は予防剤の投与経路としては、舌下投与も含む経口投与、あるいは吸入投与、点滴を含む静脈内投与、パップ剤等による経皮投与、座薬、又は経鼻胃管、経鼻腸管、胃ろうチューブ若しくは腸ろうチューブを用いる強制的経腸栄養法による投与等の非経口投与などを挙げることができる。
本発明のフラタキシン増強剤、又は、フラタキシンの産生の低下に起因する疾患の治療剤及び/又は予防剤の剤型としては、上記投与経路に応じて適宜決定することができるが、注射剤、点滴剤、錠剤、カプセル剤、細粒剤、散剤、液剤、シロップ等に溶解した水剤、パップ剤、座薬剤等を挙げることができる。
本発明の本発明のフラタキシン増強剤、又は、フラタキシンの産生の低下に起因する疾患の治療剤及び/又は予防剤を調製するために、必要に応じて、薬理学的に許容し得る担体、賦形剤、希釈剤、添加剤、崩壊剤、結合剤、被覆剤、潤滑剤、滑走剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、可溶化剤、溶剤、ゲル化剤、栄養剤等を添加することができ、具体的には、水、生理食塩水、動物性脂肪及び油、植物油、乳糖、デンプン、ゼラチン、結晶性セルロース、ガム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、グリセリンを例示することができる。
本発明の本発明のフラタキシン増強剤、又は、フラタキシンの産生の低下に起因する疾患の治療剤及び/又は予防剤の投与の量・頻度・期間としては、対象の年齢、体重、症状等により異なるが、ALA類の投与量としては、ALAモル換算で、成人一人当たり、0.01mmol〜25mmol/日、好ましくは0.025mmol〜7.5mmol/日、より好ましくは0.075mmol〜5.5mmol/日、さらに好ましくは0.2mmol〜2mmol/日を挙げることができ、特に予防剤として用いる場合は、低容量を継続して摂取することが望ましい。投与頻度としては、一日一回〜複数回の投与又は点滴等による連続的投与を例示することができる。投与期間は、治療剤として用いる場合は、生体におけるフラタキシンタンパクの量、または、フラタキシンに関連する生化学的指標等に基づいて、当該技術分野の薬理学者や臨床医が既知の方法により決定することもでき、予防剤として用いる場合は、フラタキシンタンパクの量、または、フラタキシンに関連する生化学的指標等に基づいて、症状の悪化が起こらないよう観察しながら当該技術分野の薬理学者や臨床医が既知の方法により決定することもできる。
本発明のフラタキシン増強剤、又は、フラタキシンの産生の低下に起因する疾患の治療剤及び/又は予防剤は、フラタキシンの産生の低下に伴う症状の改善に用いられる他の薬剤と組み合わせて使用することもできる。例えば、フリードライヒ運動失調症の対症療法として用いられている薬剤をあわせて用いることができる。これらの薬剤の例としては、酸化防止剤や鉄キレート剤を挙げることができる。
本明細書において用いられる用語は、特に定義されたものを除き、特定の実施態様を説明するために用いられるのであり、発明を限定する意図ではない。
また、本明細書において用いられる「含む」との用語は、文脈上明らかに異なる理解をすべき場合を除き、記述された事項(部材、ステップ、要素、数字など)が存在することを意図するものであり、それ以外の事項(部材、ステップ、要素、数字など)が存在することを排除しない。
異なる定義が無い限り、ここに用いられるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む。)は、本発明が属する技術の当業者によって広く理解されるのと同じ意味を有する。ここに用いられる用語は、異なる定義が明示されていない限り、本明細書及び関連技術分野における意味と整合的な意味を有するものとして解釈されるべきであり、理想化され、又は、過度に形式的な意味において解釈されるべきではない。
以下において、本発明を、実施例を参照してより詳細に説明する。しかしながら、本発明はいろいろな態様により具現化することができ、ここに記載される実施例に限定されるものとして解釈されてはならない。
1.材料と方法
(i)ヒト正常線維芽細胞株WI−38を10%ウシ胎仔血清(FBS)を含むDulbecco’s modified Eagle培地(DMEM)にて、5%CO下で培養した。(ii)5−アミノレブリン酸(ALA)は終濃度2mMでFBSを含まないDMEMに添加し、(i)の細胞を当該培地の中で、37℃にて2時間培養し、ALAを取り込ませた。(iii)その後、細胞を10%FBS含有DMEMに移して、37℃にて24時間培養した。(iv)細胞をトリプシン処理によって回収し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した後、SDSサンプルバッファー(50mM Tris−HCl,pH6.8,2%SDS,2.5%−メルカプトエタノール,10%グリセロール,0.01%ブロモフェノールブルー)に懸濁し、100℃で5分間加熱して溶解した。本実施例において、当該細胞溶解液を「サンプル1」という。
ネガティブコントロールとして、上記(ii)の工程において、ALAを含まない培地で細胞を培養したこと以外は、サンプル1と同様にして調製した細胞溶解液を準備した。本実施例において、当該細胞溶解液を「サンプル2」という。
サンプル1およびサンプル2を、12%SDS−ポリアクリルアミド電気泳動に供し、常法により、抗ヒトfrataxin抗体(Santa Cruz Biotechnology社、型番sc−25820)およびHRP標識抗ウサギIgG二次抗体(GE Healthcare社、型番NA934V)を用いたウエスタンブロット解析を行った。ポジティブコントロールとして、サンプル1およびサンプル2を、12%SDS−ポリアクリルアミド電気泳動に供し、常法により、抗ヒトα−チューブリン抗体(Santa Cruz Biotechnology社、型番sc−8035)およびHRP標識抗マウスIgG二次抗体(GE Healthcare社、型番NA931V)を用いたウエスタンブロット解析を行った。ウエスタンブロット解析の結果を、図1に示した。
2.結果
図1に示すとおり、驚くべきことに、細胞をALAを含む培地で培養したサンプル1においては、細胞をALAを含まない培地で培養したサンプル2と比較して、フラタキシンタンパク量の明確な増加が認められた。

Claims (2)

  1. フリードライヒ運動失調症の治療剤及び/又は予防剤であって、
    5−アミノレブリン酸(ALA)またはその塩、ALAメチルエステル、ALAエチルエステル、ALAプロピルエステル、ALAブチルエステル、または、ALAペンチルエステル、
    を含む、治療剤及び/又は予防剤。
  2. フリードライヒ運動失調症の治療剤及び/又は予防剤の製造のための、
    5−アミノレブリン酸(ALA)またはその塩、ALAメチルエステル、ALAエチルエステル、ALAプロピルエステル、ALAブチルエステル、または、ALAペンチルエステル、
    の使用。
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