JP6177178B2 - 板クラウンスケジュールの決定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、連続圧延機における板クラウンスケジュールの決定方法に関するものである。
従来から、薄鋼板や薄アルミ板等の圧延材は、複数の圧延スタンドを備えた連続圧延機(タンデム圧延機)により、熱間圧延や冷間圧延で製造されている。連続圧延機における最終製品の評価基準のひとつとして板厚や板クラウンがあり、板厚、板クラウンを適正なものとすべく、様々な制御技術が開発されている。また、最終製品の板厚、板クラウンを目標値に一致させるための圧延スケジュールを決定するためのスケジュール決定技術も数々開発されている。
例えば、特許文献1には、連続圧延機の入側板クラウン値に基づいて、各スタンドにおける操業条件および設備能力から、最適な操作量と許容される操作量を持った下流方向板クラウンスケジュールと、最終圧延機出側の目標とする板クラウン、板形状を所望の値とするための最適な操作量と許容される操作量を持った上流方向板クラウンスケジュールとを結合し、各々の操作量をそれぞれ互いに満足しあうように下流方向板クラウンスケジュールから上流方向板クラウンスケジュールへと変化させるパススケジュールとする連続圧延機の板クラウン・板形状制御方法が開示されている。すなわち、特許文献1は、ロールの熱膨張量や摩耗量などのロールに関する情報と、これらに加えて圧延材のサイズ、パススケジュール、圧延材の目標温度、圧延材の目標板クラウンなどの圧延指令の情報を用いて、圧延モデルから各圧延スタンドの板クラウン設定値を予測する方法、言い換えれば、クラウンスケジュールを決定する方法を開示する。
一方、特許文献2には、圧延スタンド間に板形状や板クラウンを計測する計測器を設けておき、これらの実測値からロールの熱膨張量や摩耗量を実測する方法が開示されている。この特許文献2の方法を用いれば、特許文献1の圧延モデルにロールの熱膨張量や摩耗量の実測値を適用することが可能になると考えられる。
特開平7−299510公報 特開平3−207515号公報
上述した特許文献1の方法では、ロールの熱膨張量を予測するモデル、ロールの摩耗量を予測するモデル、圧延荷重やアクチュエータの設定値などから板クラウンを予測するモデル、板クラウンから板形状を予測するモデルなどを組み合わせて用いている。この特許文献1の技術では、組み合わされるモデルが高精度であることが必須とされる。各モデルが高精度でない場合、それらを組み合わせて得られるクラウンスケジュールは、大きな誤差を含むものとなるからである。また、モデルを用いた計算を行うには、圧延材の計測値(例えば、初期のクラウン形状・板厚、圧延途中におけるクラウン形状・板厚)や、圧延条件の計測値が必要であるものの、それらを取得するするためには、当然ながら計測設備が必要となる。
そこで、特許文献2の如き、計測装置に関する技術を採用することが考えられる。
しかしながら、特許文献2の方法のように、圧延スタンド間に計測器を設けてロールの熱膨張量やロール摩耗量を実測する場合は、多数の計測機器を配備するため圧延設備が非常に大掛かりなものとなり、圧延設備が非常に複雑なものとなりやすい。また、多数の計測機器を劣悪な環境で使用するため、これらのメンテナンスに手間がかかるという問題も発生する。
つまり、特許文献1や特許文献2のような手法を採用しても、正確な圧延スケジュールを得ることは困難なことが多かった。例えば、圧延材の初期クラウン形状が計測できない状況下において、クラウンスケジュールを決定するといった要求に応えられる技術は、開発されるに至ってなかった。
本発明は、上述した問題に鑑みて為されたものであり、複数の圧延スタンドを備えた連続圧延機により圧延材を圧延するに際し、(例えば、圧延材の初期クラウン形状が計測できない状況下であっても)、適正な板クラウン設定値を精確に与えることができる板クラウンスケジュールの決定方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明に係る板クラウンスケジュールの決定方法は以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明に係る板クラウンスケジュールの決定方法は、複数の圧延スタンドを備えた圧延機を用いて圧延材を圧延する際のクラウンスケジュールを決定するクラウンスケジュールの決定方法であって、前記複数の圧延スタンドにおける板クラウンの実績データを、実績データベースとして記憶しておき、前記実績データベースに基づいて、次に圧延する圧延材のクラウンスケジュールを決定するものである。
なお、好ましくは、前記実績データベースには、過去に圧延した板クラウン設定値の実績値の度数分布が記憶されており、各圧延スタンドの板クラウン設定値が前記度数分布の所定の度数範囲内に収まるように、次に圧延する圧延材のクラウンスケジュールを決定するとよい。
なお、好ましくは、前記実績データベースには、前記板クラウン設定値の実績値の度数分布が、圧延材の種類及び/又は圧延条件ごとに記憶されているとよい。
なお、好ましくは、前記実績データベースには、前記板クラウン設定値の実績値の度数分布が、各圧延スタンド毎に記憶されているとよい。
なお、好ましくは、前記度数分布の所定の度数範囲が、度数分布の中央値となる板クラウン値を基準として全度数のうち60〜90%の度数を含む範囲に設定されているとよい。
なお、好ましくは、前記度数分布の所定の度数範囲内に収まるように、各圧延スタンドの板クラウン設定値を決定し、決定した板クラウン設定値を実現可能とすべく、各圧延スタンドに備えられた形状制御手段の設定値を圧延モデルを用いて決定するとよい。
なお、好ましくは、前記圧延材の板クラウン設定値の実績値を用いて、前記実績データベースを更新するとよい。
なお、本発明の最も好ましい形態は、複数の圧延スタンドを備えた圧延機を用いて圧延材を圧延する際のクラウンスケジュールを決定するクラウンスケジュールの決定方法であって、前記複数の圧延スタンドにおける板クラウンの実績データを、実績データベースとして記憶しておき、前記実績データベースに基づいて、次に圧延する圧延材のクラウンスケジュールを決定することとし、前記実績データベースには、過去に圧延した板クラウン設定値の実績値の度数分布が記憶されており、各圧延スタンドの板クラウン設定値が前記度数分布の所定の度数範囲内に収まるように、次に圧延する圧延材のクラウンスケジュールを決定することを特徴とする。
本発明の板クラウンスケジュールの決定方法を用いることで、複数の圧延スタンドを備えた連続圧延機により圧延材を圧延するに際し、例えば、圧延材の初期クラウン形状が計測できない状況下であっても、適正な板クラウン設定値を精確に与えることができる。
本発明にかかる熱間連続圧延機を模式的に示した図である。 実績データベースに記憶された板クラウンの実績値の分布を各圧延スタンド毎に示した図である。 板クラウン制御機構のアクチュエータへの制御量を算出する方法を示すフローチャートである。 板クラウンの実績値の分布を用いて、クラウンスケジュールを決定する方法を説明するための図である。 ベンダー力の実績値の分布を各圧延スタンド毎に示した図である。
以下、本発明の実施形態を、図を基に説明する。
なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本実施形態に係る熱間連続圧延機1を模式的に示した図である。
図1に示す通り、熱間連続圧延機1(タンデム式の熱間圧延機)は、複数の圧延スタンド2と、圧延後の圧延材Wを巻き取るコイル巻き取り機3と、各圧延スタンド2における圧延材Wの板厚や板クラウンを制御する制御部4と、を備える。
各圧延スタンド2は、上下の圧延ロール5(ワークロール)とそれぞれの圧延ロール5をバックアップするバックアップロール6を備える。圧延スタンド2の圧延ロール5は、電動機(図示せず)で駆動されているが、この電動機は、制御部4からの指令に基づき回転速度を調整できるようになっている。また、各圧延スタンド2には、圧延荷重を測定する荷重計(ロードセル)が備えられる。上下の圧延ロール5の間隔は、油圧又は電動機で駆動される圧下装置(図示せず)によって、ギャップ調整可能な構造になっている。この圧下装置も制御部4により制御され、ギャップ量が調整可能となっている。
最終の圧延スタンド2出側には、圧延材Wの板厚を検出する板厚検出計が設けられる。また、各圧延スタンド2間の張力を検出するルーパ(図示せず)が備えられる場合もある。
この熱間連続圧延機1においては、圧延材Wは、複数の圧延スタンド2を通ることで、所望の板厚、板幅、板クラウンの製品板へと圧延され、コイル巻き取り機3で巻き取られ次の工程へと搬送される。
ところで、上述した制御部4では、AGCなどを用いた圧延材Wの板厚の制御だけでなく、圧延材Wの圧延スケジュールの決定が行われている。この圧延スケジュールには、パススケジュールや板クラウンスケジュールがある。制御部4で行われる板クラウンスケジュールの決定には、一般に圧延モデルが用いられるが、圧延モデルを用いた計算を行うには、圧延材Wの計測値(例えば、初期のクラウン形状)などが必要である。それらを取得するするためには、当然ながら計測設備が必要となる。
しかしながら、計測設備の設置に関しては、スペース上の制約から難しいこともある。その場合、圧延モデルを備えた制御部4では板クラウンを精確に求めたり、適切な板クラウンスケジュールを決定することができない。
係る状況に対応すべく、本発明では、板クラウンスケジュールを決定するに際して、複数の圧延スタンド2における板クラウンの実績値を実績データベース7として記憶しておき、実績データベース7に基づいて、次に圧延する圧延材Wのクラウンスケジュールを決定するようにしている。
次に、制御部4で行われる板クラウンスケジュールの決定方法の詳細を説明する。
本発明の方法で決定される板クラウンスケジュールは、第1圧延スタンドF1ら最終圧延スタンド(本実施形態の場合であれば第7圧延スタンドF7)までの各圧延スタンド2で、板クラウンをどのような設定値に調整するかを示したものである。そして、本発明のクラウンスケジュールの決定方法は、過去に圧延材Wを圧延した際に、複数の圧延スタンド2における板クラウンの実績値(過去実績データ)を実績データベース7として記憶しておき、この実績データベース7に基づいて次に圧延する圧延材Wのクラウンスケジュールを決定するものである。
上述した実績データベース7は、各圧延スタンド2毎に板クラウンの実績値が度数分布のデータとして記憶されるものであり、上述した制御部4などに設けられている。
具体的には、図2(a)及び図2(b)に示されるように、実績データベース7に記憶されている実績値のデータは、板クラウンの実績値(詳しくは後述する式(1)〜式(5)を用いて計算された板クラウン計算値)をヒストグラム(度数分布)として示したものである。このヒストグラムの縦軸は板クラウンの実績値を10μm毎に分けて示したものであり、横軸は縦軸に示す板クラウン実績値となった圧延の回数(度数)を示したものである。
例えば、図2(a)の第1圧延スタンドF1の場合であれば、−20μm〜+20μmの範囲に亘って10μm毎に度数のデータが記憶されている。この第1圧延スタンドF1の実績値のデータでは、−20μmや+20μmでは10前後の度数であるが、+10μmでは50度数、また−10μmでは100度数を超え、さらに0μmでは200度数を超えて、最大の度数となっている。つまり、この第1圧延スタンドF1では、−20μm〜+20μmの範囲の中でも0μmの前後にデータの大半が集中するような度数分布が見られる。
そして、この第2圧延スタンドF2から第7圧延スタンドF7までの各圧延スタンド2にも、この第1圧延スタンドF1の実績データと同じような「ある板クラウン値に度数が集中する度数分布」が見られる。
また、この実績データベース7に記憶される実績値は、圧延材Wの種類や圧延条件といった層別指標ごとに層別され、層別指標ごとに実績値の度数分布が示される。この圧延材Wの種類としては、合金種や鋼種のような圧延材Wの材質、板厚、板幅のような圧延材Wの寸法、炭素などの成分量や調質・熱処理の仕方などのような圧延材Wの強度に関連する特性などが挙げられる。また、圧延条件としては、圧延に用いた圧延ロール5の種類(材質)などが挙げられる。
なお、実績データベース7の層別に用いられる層別指標には、上述したもの以外にも圧延ロール5のロール径、圧延ロール5の温度、圧延速度、圧下率などを用いてもよい。例えば、図2(a)では、圧延材Wの材質(強度)が「軟鋼」であって、寸法が「幅:1000mm×厚み:2.5mm」、圧延ロール5が「ハイス鋼のロール」といった層別指標が示されている。
上述のような実績データベース7が設けられていれば、次に圧延する圧延材Wの種類や圧延条件に対応した実績データベース7を用いて、クラウンスケジュールを決定することができる。すなわち、次に圧延する圧延材Wの種類や圧延条件と同じ特性で層別された実績値のデータを実績データベース7から呼び出し、この実績値の度数分布内に含まれるように各圧延スタンド2の板クラウン設定値(言い換えれば、クラウンスケジュール)を決定する。このクラウンスケジュールの決定において、初期のクラウン形状といった圧延材Wの計測値などは必ずしも必要ない。
具体的には、図3のフローチャートに示されるように、まずステップ1において、圧延する圧延材Wの種類や圧延条件を圧延指令として取得する。
次に、ステップ2において、圧延ロール5のロール状態、すなわち圧延ロール5に関する熱膨張や摩耗の状態(摩耗プロファイル)も、同様に取得する。
このようにしてステップ1やステップ2において圧延材Wの種類や圧延ロール5のロール状態に関する情報が得られたら、得られた情報に基づいてステップ3でパススケジュール(圧延ロール5の圧下位置差)と各圧延スタンド2での圧延荷重とを算出する。
次に、ステップ4において、制御部4に設けられた実績データベース7から、圧延材Wの種類や圧延条件が同じ板クラウンスケジュールの実績値のデータを呼び出す。具体的には、この実績データベース7には、上述した層別情報によって層別された実績値の度数分布ごとに、実績値の中央値とこの中央値を基準とする度数範囲とが予め計算されている。この度数範囲は、板クラウン設定値として採用可能な実績値の範囲を示すものである。
つまり、上述した度数分布は、度数分布の中央値となる板クラウン値を基準として、この中央値の近傍に散らばって存在する全実績値のデータのうち、分布範囲の中央に存在する60〜90%の範囲、または1σ〜2σの範囲(σは標準偏差)などに設定されている。例えば、実績データベース7に記憶された実績値の度数分布の中央値を板クラウンの目標としようとしても、パススケジュールなどとの関係で中央値を板クラウン設定値とできない場合には、上述した分布範囲内にある板クラウンの実績値を設定値として選択すればよい。
このような度数範囲を設けておけば、図4に示す如く、実績値の中から板クラウン設定値を選択する際の選択幅が広がり、パススケジュールや圧延条件に合わせてクラウンスケジュールを自由に決定することが可能となる。
一方、上述のようにしてパススケジュールや各圧延スタンド2での圧延荷重が分かったら、得られた圧延荷重と以下の式(1)〜式(5)で示される圧延モデルとを用いることで、ベンダー力を算出することが可能となる。
ベンダー力の具体的な算出方法としては、まず、ベンダー力(J)の初期値として適切な値を選び、このベンダー力(J)を上述した式(1)〜式(5)に代入すれば、板クラウンの計算値を算出することができる(ステップ5,ステップ6)。そして、算出した板クラウンの計算値が、ステップ4で呼び出された板クラウンの実績値と一致するかどうかを判断する(ステップ7)。この板クラウンの計算値が実績値と一致するかどうかの判断は、上述したように板クラウンの計算値が度数分布の中央値と完全に一致するかどうかをまず判断し、一致しない場合はさらに中央値を基準とする度数範囲内に板クラウンの計算値が含まれているかどうかで行われる。板クラウンの計算値が度数分布の中央値と完全に一致するか、あるいは板クラウンの計算値が度数範囲内に含まれている場合には、ステップ9に進み、いずれでもない場合はステップ8に進む。
ステップ8では、ベンダー力(J)の設定値が適切でないと判断して、ベンダー力(J)の設定を変更し、変更したベンダー力(J)に対して板クラウン計算値の計算を再び行う(ステップ8)。
一方、ステップ9では、ベンダー力(J)の設定値が適切であると判断して、このときのベンダー力(J)が各圧延スタンド2で実現できるように、ワークロールベンダー機構のアクチュエータに指令を送って板クラウンや板形状を実際に制御する(ステップ9)。
なお、各圧延スタンド2には、ワークロールベンダー機構以外にも、ロールシフト機構(CVCロールシフト機構)、クロスロール機構(ペアクロスミル)などが板クラウンや板形状を制御するために設けられている場合がある。例えば、圧延スタンド2にロールシフト機構が設けられている場合には、ロールシフト機構に対応した圧延モデルを用いて適切な圧延ロール5のシフト量が算出され、算出されたシフト量(シフト量で規定されるクラウンスケジュール)に基づいて、ロールシフト機構のアクチュエータに制御指令が出力される。また、圧延スタンド2にクロスロール機構が設けられている場合には、クロスロール機構に対応した圧延モデルを用いて適切な圧延ロール5のクロス角が算出され、算出されたクロス角(クロス量で規定されるクラウンスケジュール)に基づいて、クロスロール機構のアクチュエータに制御指令が出力される。
以上述べたように、本発明に係る板クラウンスケジュールの決定方法を用いることで、複数の圧延スタンド2を備えた連続圧延機により圧延材Wを圧延するに際し、例えば、圧延材Wの初期クラウン形状が計測できない状況下であっても、適正な板クラウン設定値を精確に与えることができるようになる。
なお、上述したようなクラウンスケジュールの決定に、板クラウンの実績値を用いる理由を説明する。
例えば、図5は、板クラウン実績値に代えて、ベンダー力の実績値をヒストグラムとしてまとめたものである。図5の結果を見ると、ベンダー力は下限から上限の広い範囲に亘って分布していて、一定の範囲にデータが集中することがない。これは、例えば図5(a)の第3圧延スタンドF3の結果を見た場合に、0%〜100%の範囲に亘って、最大で相対度数0.2をやや超える程度の度数データが散らばって分布している点からも明らかである。つまり、各圧延スタンド2で調整されるベンダー力の実績値(度数)は広範囲に亘って分布するため、ベンダー力の実績値に基づいて適正なクラウンスケジュールを決めることができない。
ところが、図4に示す板クラウン設定値の結果では、板クラウンの実績値が、白丸で示されるような中央値を中心として、矢印で示されるような狭い範囲が存在しているため、クラウンスケジュールの決定に利用できるものとなる。
それゆえ、実績値の中央値乃至は所定範囲内を次圧延での板クラウン設定値として、クラウンスケジュールの決定を行えば、過去の実績に基づいた安定圧延可能なクラウンスケジュールを決定することができるようになり、圧延材Wを所望の圧延形状に精度よく圧延することが可能となる。
ところで、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、発明の本質を変更しない範囲で各部材の形状、構造、材質、組み合わせなどを適宜変更可能である。また、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1 熱間連続圧延機
2 圧延スタンド
3 コイル巻き取り機
4 制御部
5 圧延ロール
6 バックアップロール
7 実績データベース
W 圧延材
F1 第1圧延スタンド
F2 第2圧延スタンド
F3 第3圧延スタンド
F4 第4圧延スタンド
F5 第5圧延スタンド
F6 第6圧延スタンド
F7 第7圧延スタンド

Claims (6)

  1. 複数の圧延スタンドを備えた圧延機を用いて圧延材を圧延する際のクラウンスケジュールを決定するクラウンスケジュールの決定方法であって、
    前記複数の圧延スタンドにおける板クラウンの実績データを、実績データベースとして記憶しておき、前記実績データベースに基づいて、次に圧延する圧延材のクラウンスケジュールを決定することとし、
    前記実績データベースには、過去に圧延した板クラウン設定値の実績値の度数分布が記憶されており、各圧延スタンドの板クラウン設定値が前記度数分布の所定の度数範囲内に収まるように、次に圧延する圧延材のクラウンスケジュールを決定する
    ことを特徴とする板クラウンスケジュールの決定方法。
  2. 前記実績データベースには、前記板クラウン設定値の実績値の度数分布が、圧延材の種類及び/又は圧延条件ごとに記憶されていることを特徴とする請求項に記載の板クラウンスケジュールの決定方法。
  3. 前記実績データベースには、前記板クラウン設定値の実績値の度数分布が、各圧延スタンド毎に記憶されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の板クラウンスケジュールの決定方法。
  4. 前記度数分布の所定の度数範囲が、度数分布の中央値となる板クラウン値を基準として全度数のうち60〜90%の度数を含む範囲に設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の板クラウンスケジュールの決定方法。
  5. 前記度数分布の所定の度数範囲内に収まるように、各圧延スタンドの板クラウン設定値を決定し、
    決定した板クラウン設定値を実現可能とすべく、各圧延スタンドに備えられた形状制御手段の設定値を圧延モデルを用いて決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の板クラウンスケジュールの決定方法。
  6. 前記圧延材の板クラウン設定値の実績値を用いて、前記実績データベースを更新することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の板クラウンスケジュールの決定方法。
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