JP6174099B2 - 検索装置、及び検索方法 - Google Patents
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Description
非特許文献1に記載のように、WAND検索アルゴリズムでは、各ドキュメントは、クエリに対するスコアを有し、インデックスにそのスコア最大値が記録されている。そして、クエリに設定されたクエリスコアと、インデックスに記録されたスコア最大値とに基づいて、検索目標数(Top−k)の検索結果を得る。
ここで、インデックスに設定されたクエリに対するスコアと、クエリに設定されたクエリスコアとの積をクエリ毎に算出して、算出された積を加算して、当該ドキュメントに対するトータルスコアとする。この際、WANDアルゴリズムでは、上記のように、インデックスに各ドキュメントのクエリに対する最大スコアが記録されているので、1つのドキュメントに対するトータルスコアが算出されると、そのトータルスコアを閾値として、他のドキュメントに対するトータルスコアの算出をスキップ可能か否かを判定できる。
そして、WANDアルゴリズムでは、ドキュメント1に対してクエリA,Bに対するトータルスコアが、1・2+2・1=4として算出される。ここで、閾値が4として設定される。クエリAに対するスコア最大値は「4」であり、クエリスコアが「1」であるため、クエリAのみを含むドキュメントでは、閾値「4」を超えることができない。したがって、クエリAに対するスコアのみを有するドキュメント2はスキップされる。
一方、クエリBに対する最大値は「3」であり、クエリスコアが「2」であるため、クエリBのみを含むドキュメントにおいては、閾値「4」を超える可能性がある。しかしながら、クエリBのみを含むドキュメントでは、スコアが3以上でなければ閾値を越えないので、ドキュメント3もスキップされる。
ドキュメント4は、クエリA,Bに対してスコアを有し、かつ、ドキュメント1よりもスコアが高いため、トータルスコアを算出する価値があると判定される。その結果、ドキュメント4に対してトータルスコア「7」が算出される。ここで、閾値「4」が「7」に更新される。以降、同様にして、残りのドキュメントに対して、スキップの判定が実施され、スキップされない場合は、トータルスコアが算出される。
しかしながら、上述したようなWANDアルゴリズムでは、負値のスコアを用いると最適な検索結果を返すことができない場合がある。
しかしながら、実際のドキュメント2に対するスコアは、1・1+(−1)・(−6)=7であり、ドキュメント1よりもスコアが高いものであり、本来ドキュメント1よりも上位に検索されるべきものとなる。
このように、スコアに負値が含まれる場合では、WANDアルゴリズムを用いた検索では、適切な検索結果を返すことができないという課題がある。
以下、本発明に係る一実施形態の検索装置に関し、図面に基づいて説明する。
[検索装置の構成]
図1は、本実施形態の検索装置を示すブロック図である。
本実施形態の検索装置10は、コンピュータであり、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、等を含んで構成されている。
通信部11は、例えばLAN等を介してネットワークに接続されており、ネットワーク上の他の機器と通信する。
この記憶部12は、検索装置を制御するための各種プログラムや各種データを記憶する。また、記憶部12には、インデックス記憶手段として機能し、検索処理の対象であるドキュメントのインデックスが記憶される。
なお、検索処理の対象となるドキュメントは、ネットワーク上の所定のサーバ装置に記憶されていてもよく、検索装置10の記憶部12に記憶されていてもよい。
ドキュメントIDは、ドキュメントを特定する識別データである。
ドキュメントスコアは、所定のクエリに対してそれぞれ設定されており、クエリに対する関連度を示す。例えば、クエリとして検索キーワードが設定される場合では、ドキュメントに含まれる当該キーワード数、若しくは当該キーワード数に基づいて算出された数値がドキュメントスコアとして記録される。
また、クエリBに対するドキュメントスコアに示すように、ドキュメントスコアが負値を設定してもよい。例えば、「男性向け」とのクエリに対して、「女性向け」のドキュメントのドキュメントスコアを負値に設定することで、検索順位を低くすることができる。
Maxスコアは、各クエリに対するドキュメントスコアの最大値であり、Minスコアは、各クエリに対するドキュメントスコアの最小値である。
また、インデックスとしては、その他、ドキュメントIDにて特定されるドキュメントの所在等(例えばURL等)が記録されていてもよい。
閾値設定手段135は、WANDアルゴリズムによる検索処理を実施する上での閾値を設定する。
スキップ判定手段136は、インデックスのMaxスコア、Minスコア、クエリスコア、閾値に基づいて、スコア算出手段134によりドキュメントのトータルスコアを算出するか否かを判定する。
抽出手段137は、算出されたトータルスコアに基づき、Top−kの検索対象のドキュメントIDを抽出する。すなわち、トータルスコアが高い上位k個のドキュメントIDを検索結果として抽出する。
なお、各機能構成の詳細な説明は後述する。
次に、上記のような検索装置10におけるTop−kのドキュメントの検索方法(検索処理)について、図面に基づいて説明する。図2は、本実施形態における検索処理のフローチャートである。
図2に示すように、本実施形態におけるWANDアルゴリズムに基づく検索処理では、まず、クエリ取得手段131は、クエリQ={q1,q2,q3…qN}、及び、これらのクエリQに対するクエリスコアSQ={SQ1,SQ2,SQ3…SQN}を取得する(ステップS1)。
なお、ステップS1では、クエリ取得手段131は、例えば上述したように、ネットワークを介してユーザ端末等の端末装置から入力されるクエリQ及びクエリスコアSQnを取得してもよく、端末装置からの要求に従い、記憶部12に記憶されているクエリQ及びクエリスコアSQnを取得してもよい。
ここで、以降の説明にあたり、ドキュメントIDに係るパラメータをi、検索より得たいドキュメントの数(k)に係るパラメータをj、閾値をXとする。ステップS3では、i=1、j=0、X=0として各パラメータを初期化する。
ステップS6において、「No」と判定された場合、検索手段133は、パラメータiに「1」を加算し(ステップS7)、ステップS4の処理に戻る。
ステップS8の後、パラメータiに「1」を加算し(ステップS9)、スキップ判定処理(ステップS10)を実施する。
図3は、スキップ判定処理におけるフローチャートである。
図3に示すように、スキップ判定処理では、スキップ判定手段136は、まずクエリに関するパラメータnを初期化(n=1)する(ステップS101)。
次に、スキップ判定手段136は、クエリqnのクエリスコアSQnが負値(0未満)であるか否かを判定する(ステップS102)。
ステップS102において、「Yes」と判定された場合、スキップ判定手段136は、ドキュメントID:iのクエリqnに対するドキュメントスコアのMinスコアSDi(Min)、及びクエリqnのクエリスコアSQnを用いて、当該ドキュメントのクエリqnに対する一部スコアSn(i,qn)を下記式(2)により算出する(ステップS103)。
ステップS104において、「Yes」と判定された場合、スキップ判定手段136は、ドキュメントID:iのクエリqnに対するドキュメントスコアのMaxスコアSDi(Max)、及びクエリqnのクエリスコアSQnを用いて、当該ドキュメントのクエリqnに対する一部スコアSn(i,qn)を下記式(3)により算出する(ステップS105)。
ステップS107において、「No」と判定されると、スキップ判定手段136は、パラメータnに「1」を加算し(ステップS108)、ステップS102に戻る。すなわち、ステップS1において取得された各クエリQに対するドキュメントID:iの一部スコアSn(i,qn)を取得する。
ステップS107において「Yes」と判定されると、スキップ判定手段136は、下記式(4)のように、各クエリqnに対して算出された一部スコアSn(i,qn)を加算して、ドキュメントID:iに対する仮スコアSF(i,Q)を算出する(ステップS109)。
上記のような例では、ドキュメント1に対してトータルスコアST(1,Q)が、1・3+(−1)・(−1)=4として算出され、閾値が「4」と設定される。
スキップ判定手段136は、ドキュメント2に対して、クエリAのクエリスコアが正値であるので、Maxスコア「3」を用いて、クエリAに対する一部スコアを1・3=3と算出し、クエリBのクエリスコアが負値であるので、Minスコア「−6」を用いて、(−1)・(−6)=6と算出する。したがって、ドキュメント2に対する仮スコアは、SF(2,Q)=9と算出される。これにより、ドキュメント2は、仮スコアが閾値「4」を超えるものであり、評価対象(スキップしない)と判定される。
ステップS11において、「No」と判定された場合(評価すると判定された場合)、スコア算出手段134は、ステップS4と同様の処理により、ドキュメントID:iのドキュメントに対するトータルスコアST(i,Q)を算出する(ステップS12)。
そして、閾値設定手段135は、ステップS12において算出されたトータルスコアST(i,Q)が、閾値Xより大きいか否かを判定し(ステップS13)、大きいと判定した場合は、閾値Xを再設定する(ステップS14)。つまり、閾値設定手段135は、算出されたトータルスコアST(i,Q)のうち、上位k個を抽出し、その最低値を閾値Xとする。
つまり、ステップS11において「Yes」と判定された場合、ステップS13において「No」と判定された場合(トータルスコアST(i,Q)が閾値Xを超えない場合)、及びステップS14の後、検索手段133は、パラメータiに「1」を加算し(ステップS15)、パラメータiが最大値Iを超えたか否かを判定する(ステップS16)。つまり、全てのドキュメントに対して、ステップS1〜ステップS14の処理が実施されたか否かを判定する。ステップS16において、「No」と判定された場合、ステップS10の処理に戻る。
本実施形態では、インデックスとして、各クエリに対するドキュメントスコアのMaxスコア及びMinスコアが記録されている。
そして、検索手段133は、ステップS102からステップS103に示すように、クエリスコアが負値である場合に、Minスコアを用い、クエリスコアが正値である場合に、Maxスコアを用いて、WANDアルゴリズムに基づいた検索処理を実施する。
一般に、Maxスコアのみを用いてWANDアルゴリズムを用いた場合では、トータルスコアの算出をスキップされるべきではないドキュメントに対しても、スキップされるおそれがある。これに対して、本実施形態では、上記のようなインデックスを用いてWANDアルゴリズムに基づく検索処理を実施することで、トータルスコアの算出をスキップしてよいか否かを精度よく判定することができる。したがって、クエリに対して正確なランク付けでドキュメントの検索結果を返すことができる。
次に、本発明における第二実施形態について、図面に基づいて説明する。
本実施形態では、上記第一実施形態に示す検索装置を用いた検索処理の一例として、広告検索処理について説明する。
図4は、広告検索を実施する広告検索システムの概略を示す図である。なお、第一実施形態と同様の構成については同符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
図4に示すように、広告検索システム100は、上述した検索装置10と、ユーザにより操作される端末装置(ユーザ端末20)と、広告主により操作される端末装置(広告主端末30)と、を備え、これらの装置10,20,30がネットワークを介して通信可能に接続されている。
ユーザ端末20は、コンピュータであり、図示は省略するが、キーボード等により構成される入力装置、メモリ等により構成される記憶装置、CPU等により構成される演算装置、及びディスプレイを備えている。
そして、ユーザ端末20は、ユーザが入力装置を操作することで、ユーザデータを取得し、取得したユーザデータをクエリとして検索装置10に送信する。
ここで、ユーザデータとしては、例えば、性別、年齢、居住地域等のユーザ個人のデータであってもよく、ユーザの興味データ等の所望の広告配信を受けるための条件や、広告配信を受けたくない条件等であってもよい。
例えば、広告配信を受けたい条件に対して正値の優先度を設定し、広告配信を受けたくないデータに対して負値の優先度を設定することが可能となる。
上記のようなユーザデータ(クエリ)及びクエリスコアの一例を表5に示す。
広告主端末30は、コンピュータであり、図示は省略するが、キーボード等により構成される入力装置、メモリ等により構成される記憶装置、CPU等により構成される演算装置、及びディスプレイを備えている。
そして、広告主端末30の記憶装置には、ユーザ端末20に配信する本発明におけるドキュメントである広告(広告データ)が記憶されている。また、広告主端末30は、例えば、広告主が入力装置を操作することで、広告配信データを取得する。この広告配信データは、ユーザデータ(クエリ)に対応した配信条件と、当該配信条件に対する広告の関連度を示すスコア(すなわち、ドキュメントスコア)とを関連付けたデータとなる。そして、広告主端末30は、取得した広告配信データをドキュメントスコアとして検索装置に送信する。
なお、広告主端末30は、記憶装置に記憶された広告を検索装置10に送信してもよい。
表6に広告主端末30から検索装置10に送信される広告配信データの一例を示す。
検索装置10は、上述した第一実施形態と略同様の構成を有する。検索装置10の制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを読み込み実行することで、クエリ取得手段131、インデックス取得手段132、及び検索手段133として機能する。
クエリ取得手段131は、ユーザ端末20から上述した表5に示すようなユーザデータ、クエリスコアを取得し、記憶部12に記憶する。
インデックス取得手段132は、広告主端末30から上述した表6に示すような広告配信データを取得する。そして、インデックス取得手段132は、複数の広告主端末30から送信された広告配信データを統合し、広告IDをドキュメントIDとして新規に振り直して、インデックスとして記憶部12に記憶する。この際、インデックス取得手段132は、各クエリ(ユーザデータ)に対するドキュメントスコアの最大値をMaxスコア、最小値をMinスコアとしてインデックスに記憶する。また、新規に広告配信データを取得すると、当該取得した広告配信データをインデックスに追加し、かつ、Maxスコア及びMinスコアを再算出する。
検索装置10は、抽出されたドキュメントIDに対応した広告データの配信元(広告主端末30)のURLをユーザ端末20に送信する。また、記憶部12に広告データが記憶されている場合、検索装置10は、抽出されたドキュメントIDに対応した広告データを記憶部12から読み出し、ユーザ端末20に送信する。これにより、各ユーザ端末20に、ユーザに対して最適な広告データが配信することができる。
第二実施形態において、検索装置10は、広告主端末30から広告配信データを、ネットワークを介して取得し、取得した広告配信データに基づいてインデックスを作成する例を示したが、例えば検索装置10を操作することで、インデックスを作成する等してもよい。
Claims (5)
- クエリに基づいて、複数のドキュメントから所望のドキュメントを検索する検索装置であって、
前記クエリ、及び前記クエリの重み付けであるクエリスコアを取得するクエリ取得手段と、
前記ドキュメントの前記クエリに対する関連度を示すドキュメントスコア、及び、クエリ毎の前記ドキュメントスコアの最小値を取得するドキュメントスコア取得手段と、
前記クエリスコア及び前記ドキュメントスコアにより算出されるトータルスコアに基づいて、前記クエリに対する所定数のドキュメントを検索する検索手段と、を備え、
前記検索手段は、前記クエリスコアが負値である場合に、当該クエリスコア及び前記最小値を用いて、前記トータルスコアを算出する対象のドキュメントを判断する
ことを特徴とする検索装置。 - 請求項1に記載の検索装置において、
前記ドキュメントスコア取得手段は、クエリ毎の前記ドキュメントスコアの最大値を取得し、
前記検索手段は、前記クエリスコアが正値である場合に、当該クエリスコア及び前記最大値を用いて、前記トータルスコアを算出する対象のドキュメントを判断する
ことを特徴とする検索装置。 - 請求項2に記載の検索装置において、
前記検索手段は、各ドキュメントに対して、前記ドキュメントスコアがない場合は「0」を、前記クエリスコアが正値の場合に当該クエリスコア及び前記最大値の積を、前記クエリスコアが負値の場合では当該クエリスコア及び前記最小値の積を、前記クエリに対する一部スコアとして算出し、全クエリに対して算出された前記一部スコアの和が、所定の閾値以下である場合に、当該ドキュメントの前記トータルスコアの算出をスキップする
ことを特徴とする検索装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の検索装置において、
前記クエリは、ユーザに関するユーザデータであり、
前記ドキュメントは、広告データであり、
前記ドキュメントスコア取得手段は、前記ユーザデータの前記広告データに対する関連度を前記ドキュメントスコアとして取得する
ことを特徴とする検索装置。 - コンピュータにより、クエリに基づいて複数のドキュメントから所望のドキュメントを検索する検索方法であって、
前記コンピュータは、
前記クエリ、及び前記クエリの重み付けであるクエリスコアを取得し、
前記ドキュメントの前記クエリに対する関連度を示すドキュメントスコア、及び、クエリ毎の前記ドキュメントスコアの最小値を取得し、
前記クエリスコア及び前記ドキュメントスコアにより算出されるトータルスコアに基づいて、前記クエリに対する所定数のドキュメントを検索し、
前記トータルスコアの算出に際し、前記クエリスコアが負値である場合に、当該クエリスコア及び前記最小値を用いて、前記トータルスコアを算出する対象のドキュメントを判断する
ことを特徴とする検索方法。
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