JP6171531B2 - 中間転写ベルト、及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

中間転写ベルト、及びそれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、コピー・プリンター等の画像形成装置に装備される中間転写ベルト(シームレスベルト)、及びそれを用いた画像形成装置、特にフルカラー画像形成に好適な中間転写ベルトおよびそれを用いた画像形成装置に関する。
従来から、電子写真装置においては様々な用途でシームレスベルトが部材として用いられている。特に近年のフルカラー電子写真装置においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の現像画像を一旦中間転写媒体上に色重ねし、その後一括して紙などの転写媒体に転写する中間転写ベルト方式が用いられている。
このような中間転写ベルト方式は、1つの感光体に対して4色の現像器を用いるシステムで用いられていたがプリント速度が遅いという欠点があった。そのため、高速プリントとしては、感光体を4色分並べ、各色を連続して紙に転写する4連タンデム方式が用いられている。しかし、この方式では紙の環境による変動などもあり、各色画像を重ねる位置精度を合わせることが非常に困難であり、色ずれ画像を引き起こしていた。そこで近年では、4連タンデム方式に中間転写方式を採用することが主流になってきている。
このような情勢の中で中間転写ベルトにおいても、従来よりも要求特性(高速転写、位置精度)が厳しいものとなっており、これらの要求に対応する特性を満足することが必要となってきている。特に、位置精度に対しては、連続使用によるベルト自体の伸び等の変形による変動を抑えることが求められる。また、中間転写ベルトは、装置の広い領域に渡ってレイアウトされ、転写のために高電圧が印加されることから難燃性であることが求められている。このような要求に対応するため、中間転写ベルト材料として主に、高弾性率で高耐熱樹脂であるポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが用いられている。
2次転写性能やクリーニング性能を向上させるために、トナーと中間転写体の間の付着力を低下させることが有効である。特許文献1では、ポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂で構成された基層の表面(ベルト表面)上に球形微粒子(シリコーン微粒子)を埋没して凹凸形状を形成することで、摩擦係数を低下させトナー固着を防止している。微粒子にシリコーン微粒子を用いることによって転写率や耐久性に優れたベルトが形成されて、2次転写性やクリーニング性も向上させている。
しかし、球形微粒子をシリコーン微粒子のような低表面エネルギーの材料を用いた場合、トナーとシリコーン微粒子とが接触した際、マイナスに帯電したトナーの帯電状態が変化し、この帯電状態の変化が原因で2次転写率の低下を招く傾向があることから、近年要求されている転写性能を満たすにはまだ十分とはいえない。
特許文献2では、弾性層を有する中間転写体上に、粒子径がトナー粒子径の10分の1以下である微小粒子と、粒系がトナー粒径と同等もしくはそれ以下でかつ前記微小粒子より大きい粒子の少なくとも2種類の粒子を固着させることによって、中間転写体表面へのトナーの付着力を減少させ転写効率を向上させるとしている。さらに疎水性官能基によって微小粒子表面を処理する事によってトナー転写性が向上するとしている。
しかし、トナー粒子径の10分の1以下の微小粒子を選択すると粒子が弾性層の中に深く入り込んで埋没してしまい、タック性向上によるクリーニング不良を起こす。また、仕事関数に着目した材料選定をしていないため、トナーの帯電状態を変化させ、2次転写率の低下によるクリーニング不良や異常画像が発生する可能性がある。
特許文献3では、もともとカップリング剤やシリコーンオイルで表面処理されたフィラーを表面層に含有させることでフィラーの分散性を向上させ、転写部材の抵抗ムラを低減させることによって電流リークなどの画像欠陥発生を防ぐことができるとしている。
しかし表面処理したフィラーは表面に露出しておらず表面は平滑面であり、表面に凹凸形状を有するベルトと比較してトナー離形性に劣る。そのため、2次転写率やベルトのクリーニング性が昨今の電子写真装置に要求されるレベルを満たすことができない。
特許文献4および5では、疎水化処理微粒子と親和性のある材料で層を形成することが提案されている。これらでは、大きさの非常に小さな粒径の粒子を好ましく用いている。
しかしながら、粒子層が厚かったり、粒子の凝集による不均一性部分が存在したりし、転写性能にもばらつきが発生しやすい傾向があり、昨今の電子写真装置に要求される高いレベルの画質を満足しうるものが得られない場合がある。
特許文献6および7では、比較的大きめの粒子を用い、樹脂にある程度埋設させることで耐久性も実現する構成が提案されている。
しかしながら、本提案でも粒子の存在に不均一性が生じ、やはり昨今の電子写真装置に要求される高いレベルの画質を満足しうるものが得られない。
また、特許文献4〜7において、粒子としてシリカが好ましく用いられているが、シリカ粒子は凝集力が強いため前述したとおり、均一な粒子層を形成できない。さらに、シリカのような無機粒子は、像形成を担う潜像担持体として好適に用いられる有機感光体との転写部での接触によって有機感光体の表面を傷つけ、摩耗させやすく、耐久性を低下させるという不具合を生じさせる。
特許文献8では、中間転写ベルトの層構成を、基層、弾性層、シリコーン微粒子が配列し凹凸形状を形成してなる層に、さらにコーティング層を積層することによって、コーティング剤が微粒子間の隙間を埋めトナー転写性が向上するとしている。
しかし、シリコーン微粒子とコーティング材料は仕事関数に着目して材料選定を行っていないために、トナーの帯電状態を変化させてしまい昨今の電子写真装置に求められる転写性を十分に発揮することができない。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、記録媒体(転写媒体)の種類や表面形状によらず二次転写性が優れた中間転写ベルトを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、像担持体上に形成されたトナー像を中間転写ベルト上に一次転写し、中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する方式の画像形成装置に配備される該中間転写ベルトの表面に、表面処理された球形微粒子を部分埋設して凹凸形状を有する構成、又は球形微粒子を部分埋設させた後、表面処理して凹凸形状を有する構成とし、表面処理剤の仕事関数を球形微粒子の仕事関数よりも小さくすることで、上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。
すなわち、上記課題は、像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えた画像形成装置に配備される中間転写ベルトであって、前記中間転写ベルトは少なくとも内側から順に基層と表層を備え、該表層表面は、表面処理剤により表面処理された球形微粒子を該表層表面に部分埋設されてなる凹凸形状または球形微粒子を該表層表面に部分埋設させた後に表面処理剤により表面処理されてなる凹凸形状を備え、前記表面処理剤の仕事関数が前記球形微粒子の仕事関数よりも小さいことを特徴とする中間転写ベルトにより解決される。
本発明によれば、記録媒体(転写媒体)の種類や表面形状によらず二次転写性が優れた中間転写ベルトを提供することができる。
本発明の中間転写ベルトに用いられる層構成例を示す断面模式図である。 図1に示す中間転写ベルトの表面を真上から観察した拡大模式図である。 本発明の中間転写ベルトに用いられる他の層構成例を示す断面模式図である。 図3に示す中間転写ベルトの表面を真上から観察した拡大模式図である。 本発明の中間転写ベルトの製造方法において表層上に表面処理された球形微粒子をならして凹凸形状を形成する手法を説明するための模式図である。 本発明の中間転写ベルトをベルト部材として装備する画像形成装置を説明するための要部模式図である。 本発明の中間転写ベルトに沿って複数の像担持体が並設されているフルカラー画像形成装置の一例を示す要部模式図である。
本発明における中間転写ベルトは、像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えた画像形成装置に配備される中間転写ベルトであって、前記中間転写ベルトは少なくとも内側から順に基層と表層を備え、該表層表面は、表面処理剤により表面処理された球形微粒子を該表層表面に部分埋設されてなる凹凸形状または球形微粒子を該表層表面に部分埋設させた後に表面処理剤により表面処理されてなる凹凸形状を備え、前記表面処理剤の仕事関数が前記球形微粒子の仕事関数よりも小さいことを特徴とするものである。
電子写真装置(画像形成装置)においてはいくつかの部材にシームレスベルトが用いられるが、電気的特性を要求される重要な部材の一つとして中間転写体、いわゆる中間転写ベルトがある。以下、本発明の中間転写ベルトについて説明する。
本発明の中間転写ベルト(シームレスベルト)は、中間転写ベルト方式の電子写真装置(画像形成装置)において好適に装備されるものである。ここで、画像形成装置としては、像担持体(例えば、感光体ドラム)上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、その一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する方式の装置が例示される。
図1又は図3の断面模式図に、本発明に用いられる中間転写ベルトの層構成の例を示す。
図1又は図3の層構成では、比較的屈曲性が得られる剛性な基層11の上に柔軟な表層12が積層されており、さらにその表層12の表面は、球形微粒子13を配列することによって凹凸形状を構成している。図1では、球形微粒子13は表面処理層14に被覆されており、図3では、球形微粒子13の粒子間の隙間に表面処理層14が形成されている。以下、各構成層について説明する。
<基層>
まず、基層11について説明する。この構成材料としては、樹脂中に電気抵抗を調整する充填材(または、添加材)、いわゆる電気抵抗調整材を含有してなるものが挙げられる。
このような樹脂としては、難燃性の観点から、例えば、PVDF、ETFEなどのフッ素系樹脂や、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂等が好ましく、機械強度(高弾性)や耐熱性の点から、特にポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂が好適である。
このようなポリイミド、ポリアミドイミドとしては、市販品、例えば、東レデュポン、宇部興産、新日本理化、JSR、ユニチカ、アイ・エス・ティー、日立化成工業、東洋紡績、荒川化学等のメーカーからの一般汎用品を入手して使用することができる。
上記電気抵抗調整材としては、金属酸化物やカーボンブラック、イオン導電剤、導電性高分子材料などがある。
金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げられる。また、分散性を良くするため、前記金属酸化物に予め表面処理を施したものも挙げられる。
カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。
イオン導電剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム等が挙げられ、これらを併用して用いてもよい。
なお、本発明における電気抵抗調整材は、上記例示化合物に限定されるものではない。
また、基層には必要に応じて、さらに分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などの添加材を含有してもよい。例えば、本発明の中間転写ベルト(シームレスベルト)を製造する際に用いる樹脂成分を含む塗工液中に、必要に応じて前記添加材を含有させておくことができる。
前記中間転写ベルトとして好適に使用する場合、抵抗値として、好ましくは表面抵抗で1×10〜1×1013Ω/□、体積抵抗で1×10〜1×1011Ω・cmになる様に電気抵抗調整材(例えば、カーボンブラック)の量を調整して含有させるが、機械強度の面から、膜が脆く割れやすくならない程度の添加量で達成できるものを選択する。つまり、中間転写ベルトとする場合には、前記樹脂成分(例えば、ポリイミド樹脂前駆体またはポリアミドイミド樹脂前駆体)と電気抵抗調整材の配合を適正に調整した塗工液を用いて、電気特性(表面抵抗および体積抵抗)と機械強度のバランスが取れたシームレスベルトを製造して用いるのが好ましい。
前記基層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30μm〜150μmが好ましく、40μm〜120μmがより好ましく、50μm〜80μmが特に好ましい。前記基材層の厚みが、30μm未満であると、亀裂によりベルトが裂けやすくなり、150μmを超えると、曲げによってベルトが割れることがある。
一方、前記基層の厚みが前記特に好ましい範囲であると耐久性の点で、有利である。基層に関しては、走行安定性を高めるために、膜厚ムラはなるべく無くすことが好ましい。
前記基層の厚みを調整する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。基層の厚みを確認、管理するには、例えば、接触式や渦電流式の膜厚計での計測や膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定する方法が挙げられる。
前記中間転写ベルト(シームレスベルト)を製造する際に用いる塗工液中における電気抵抗調整材の含有量としては、カーボンブラックの場合には、塗工液中の全固形分の10〜25wt%、好ましくは15〜20wt%である。また、金属酸化物の場合の含有量としては、塗工液中の全固形分の1〜50wt%、好ましくは10〜30wt%である。
含有量が前記それぞれの電気抵抗調整材の範囲よりも少ないと抵抗値の均一性が得られにくくなり、任意の電位に対する抵抗値の変動が大きくなる。また、含有量が前記それぞれの範囲よりも多いと前記中間転写ベルトの機械強度が低下し、実使用上好ましくない。
<表層>
次に、基層11上に積層する表層12について説明する。表層12を構成する材料として樹脂が好ましく使用されるが、このような樹脂としては、汎用の樹脂や弾性体(エラストマーやゴム)などの材料を使用することが可能である。
樹脂としては、スチレン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、前記樹脂の共重合体、もしくは混合物も含む。
本発明の効果を十分に発現するために、球形微粒子を保持することのできる樹脂を用いることが好ましく、フッ素樹脂を選択することが望ましい。
本発明の表層としてフッ素樹脂を用いる場合、現在上市されているものでもよく、特に限定されるものではない。市販品のフッ素樹脂としては、ルミフロン(旭硝子)やネオフロン(ダイキン工業)等が挙げられる。
樹脂を使用した場合の表層の形成方法としては、螺旋塗工、ダイ塗工、ロール塗工などの既存の塗工法やスプレー塗工等が適用できる。樹脂を含む塗工液を用いて基層(金型上に形成された状態)上に塗工された表層は、所定の回転速度、乾燥温度を維持させることでレベリングされながら乾燥される。この乾燥過程では基層の製造方法と同様、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。充分に冷却後、金型から基層ごと脱離させ、シームレスベルト(中間転写ベルト)を得る。
前記表層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜150μmが好ましく、10μm〜100μmがより好ましく、10μm〜50μmが特に好ましい。前記表層の厚みが、5μm未満であると、樹脂微粒子を十分に埋没する事が出来ず、また十分な機械的強度も得られない。150μmを超えると、曲げによってベルトが割れることがある。一方、前記表層の厚みが特に好ましい範囲であると、耐久性の点で有利である。表層に関しては、走行安定性やトナー転写性を高めるために、膜厚ムラはなるべく無くすことが好ましい。
前記表層の厚みを調整する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。表層の厚みを確認、管理するには、例えば、接触式や渦電流式の膜厚計での計測や膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定する方法が挙げられる。
〈弾性体から構成される表層(弾性層)〉
前記表層12は、弾性体(エラストマーやゴム)で構成された弾性層としてもよい。
すなわち、表層を構成する材料としては、樹脂が使用されるが、本発明の効果を十分に発現するに十分な柔軟性(弾性)を有する材料(弾性体)を用いることが好ましく、エラストマー材料やゴム材料を用いるのがよい。
弾性体を用いることで表面性状の異なる用紙に対して中間転写ベルトの追従性が向上し、用紙の凹凸状に存した濃淡むらや色調のむらを防ぐことができる。弾性層を用いることによって、リサイクルペーパーやエンボス紙や和紙やクラフト紙のような表面性の粗いものに転写することが可能となる。
エラストマー材料(エラストマー)としては、熱可塑性エラストマーとして、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリジエン系、シリコーン変性ポリカーボネート系、フッ素系共重合体系等が挙げられる。また、熱硬化性エラストマーとして、ポリウレタン系、シリコーン変性エポキシ系、シリコーン変性アクリル系等が挙げられる。
また、ゴム材料(ゴム)としては、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴム等が挙げられる。
上記各種エラストマー、ゴムの中から要求性能が得られる材料を適宜選択するが、本発明においては、耐オゾン性、柔軟性、難燃性付与、耐環境安定性の面からアクリルゴムが最も好ましい。以下、アクリルゴムについて説明する。
本発明における表層をアクリルゴムで構成(ゴム弾性層)することができるが、このようなアクリルゴムは現在上市されているものでよく、特に限定されるものではない。しかし、アクリルゴムには、各種架橋系(例えば、エポキシ基、活性塩素基、カルボキシル基で架橋したもの)があり、この中ではカルボキシル基架橋系がゴム物性(特に圧縮永久歪み)および加工性が優れているので、カルボキシル基架橋系を選択することが好ましい。
カルボキシル基架橋系のアクリルゴムに用いる架橋剤は、アミン化合物が好ましく、多価アミン化合物が最も好ましい。このようなアミン化合物として、具体的には脂肪族多価アミン架橋剤、芳香族多価アミン架橋剤などが挙げられる。
脂肪族多価アミン架橋剤としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメイト、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミンなどが挙げられる。
芳香族多価アミン架橋剤としては、4,4’−メチレンジアニリン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3,5−ベンゼントリアミン、1,3,5−ベンゼントリアミノメチルなどが挙げられる。
上記アクリルゴムに用いる架橋剤の配合量は、アクリルゴム100重量部に対し、好ましくは0.05〜20重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。
架橋剤の配合量が少なすぎると、架橋が十分に行われないため、架橋物の形状維持が困難になる。一方、含有量が多すぎると、架橋物が硬くなりすぎ、架橋ゴムとしての弾性などが損なわれる。
上記アクリルゴムで構成される表層(アクリルゴム弾性層)においては、さらに架橋促進剤を配合して上記架橋剤に組み合わせて用いてもよい。用いる架橋促進剤も限定はないが、前記多価アミン架橋剤と組み合わせて用いることができる架橋促進剤であることが好ましい。
このような架橋促進剤としては、例えば、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、第四級オニウム塩、多価第三級アミン化合物、第三級ホスフィン化合物、弱酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。
グアニジン化合物としては、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジオルトトリルグアニジンなどが挙げられる。
イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。
第四級オニウム塩としては、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリ−n−ブチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
多価第三級アミン化合物としては、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)などが挙げられる。
第三級ホスフィン化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィンなどが挙げられる。
弱酸のアルカリ金属塩としては、ナトリウムまたはカリウムのリン酸塩、炭酸塩などの無機弱酸塩あるいはステアリン酸塩、ラウリル酸塩などの有機弱酸塩が挙げられる。
架橋促進剤の使用量は、アクリルゴム100重量部当り、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.3〜10重量部である。
架橋促進剤が多すぎると、架橋時に架橋速度が早くなりすぎたり、架橋物表面ヘの架橋促進剤のブルームが生じたり、架橋物が硬くなりすぎたりする場合がある。架橋促進剤が少なすぎると、架橋物の引張強さが著しく低下したり、熱負荷後の伸び変化または引張強さ変化が大きすぎたりする場合がある。
アクリルゴムの調製にあたっては、ロール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方法が採用できる。配合順序は特に限定されないが、熱で反応や分解しにくい成分を充分に混合した後、熱で反応しやすい成分あるいは分解しやすい成分として、例えば架橋剤などを、反応や分解が起こらない温度で短時間に混合すればよい。
架橋剤や架橋促進剤が混練されたアクリルゴム組成物は、加熱することにより架橋物とすることができる。
加熱温度は、好ましくは130〜220℃、より好ましくは140℃〜200℃であり、架橋時間は好ましくは30秒〜5時間である。加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法を適宜選択すればよい。また、一度架橋した後に、架橋物の内部まで確実に架橋させるために、後架橋を行ってもよい。後架橋は、加熱方法、架橋温度、形状などにより異なるが、好ましくは1〜48時間行う。後架橋を行う際の加熱方法、加熱温度は適宜選択すればよい。
また、ゴム弾性層の柔軟性は25℃50%RH下でのマイクロゴム硬度値が40以下であることが好ましい。
マイクロゴム硬度は市販のマイクロゴム硬度計(例えば、高分子計器株式会社の「マイクロゴム硬度計MD−1」)を用いて測定できる。
一方で弾性層の膜厚は400μm〜1000μmが好ましく、より好ましくは500μm〜700μmである。400μm未満では表面凹凸がある紙種に対する画像品質は不充分になってしまう。また1000μmを超えると膜の重さが重くなったり、たわみやすくなったり、反りが大きくなって走行性が不安定になったり、ベルトを張架させるためのローラ曲率部での屈曲により亀裂が発生しやすくなったりするため好ましくない。
また、ベルト巾方向の長さは、昨今の電子写真の高速化、高画質化、高耐久化の面から300mm以上とするのが好ましい。
ゴム組成物として、架橋剤や架橋促進剤が混練されるが、前記選択した材料にさらに、電気特性を調整するための抵抗調整剤、必要に応じて、酸化防止剤、補強剤、充填剤、加硫促進剤などの材料を適宜含有させて配合を行う。
中間転写ベルトに必要な抵抗率としてアクリルゴム単体では抵抗率が高いため、導電剤の添加による制御が必要となる。抵抗率の制御としてはカーボンやイオン導電剤の添加が可能であるが、本発明ではゴム硬度が重要となるので少量添加で効果がありゴム硬度に影響を与えないイオン導電剤の使用が好ましい。具体的には種々の過塩素酸塩やイオン性液体をゴム100部に対して0.01部〜3部添加するのが好ましい。イオン導電剤の添加量が0.01部以下では抵抗率を下げる効果が得られず、3部以上の添加量ではベルト表面へ導電剤がブルームまたはブリードする可能性が高くなってしまう。弾性層の抵抗値としては、表面抵抗で1×10〜1×1013Ω/□、体積抵抗で1×10〜1×1012Ω・cmとなる様に調整されることが好ましい。
<球形微粒子>
次に、表層12の表面上に配置される球形微粒子13について説明する。
前記球形微粒子とは、平均粒子径が100μm以下(好ましくは、1μm〜5μmの球形)の形状をしており、有機溶剤に不溶で3%熱分解温度が200℃以上である微粒子のことをいう。
ここで、「有機溶剤に不溶」とは、有機溶剤中に粒子を投入して長時間保管しても粒子自体の重量損失は確認されず、有機溶媒から粒子由来の樹脂が如何なる測定手段によって同定されることもない。
また、「3%熱分解温度」とは、熱重量測定装置(TG-DTA)により測定して得られる3%重量減における温度を指す。
前記球形微粒子の材料としては特に問わないが、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、などの樹脂を主成分としてなる球形微粒子が挙げられる。また、これらの球形微粒子からなる粒子の表面を異種材料で表面処理を施したものでも良い。
ただし、本発明の効果を十分に発現させるために、トナー離型性に優れた疎水性球形微粒子を使用することが好ましく、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの樹脂を主成分としてなる球形微粒子を選択する事が好ましい。さらにこれらの樹脂中で、滑性を有し、トナーに対しての離型性、耐磨耗性を付与できる機能の高いものとして、シリコーン球形微粒子が特に好ましい。
また、本発明で言う球形微粒子の中にはゴム材料も含む。ゴム材料で作製された球形微粒子の表面を硬い樹脂をコートしたような構成のものも適用可能である。また、中空構造や、多孔質構造であってもよい。
球形微粒子は重合法などにより球状の形状に作製された粒子であることが好ましく、本発明においては、真球に近いものほど好ましい。また、その粒径(体積平均粒径)が1.0μm〜5.0μmの範囲であり、単分散粒子であることが望ましい。
ここで言う単分散粒子とは、単一粒子径の粒子という意味ではなく、粒度分布が極めてシャープなもののことを指す。具体的には、体積平均粒径±(平均粒径×0.5)μm以下の分布幅のものでよい。
体積平均粒径が1.0μm未満では、粒子による転写性能の効果が十分に得られず、一方、5.0μmを超えると、表面粗さが大きくなり粒子の脱落が起こる。また、粒子間の隙間が大きくなるため、現在主流となっている粒径4〜10μmのトナーが隙間に入り込んでうまく転写できなくなったりクリーニング不良となったりする不具合が生じる。さらには、球形微粒子として挙げられる材料は絶縁性が高いものが多いため、粒径が大きすぎると粒子による帯電電位の残留により、連続画像出力時にこの電位の蓄積による画像乱れが発生する不具合も生じる。
なお、球形微粒子を表層表面に塗布するタイミングは特に限定されず、ゴムの場合であれば加硫前、加硫後何れでも可能である。
球形微粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。例えば、シリコーン微粒子として、商品名「トスパールシリーズ」(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社)や商品名「KMPシリーズ」(信越シリコーン社)などの名称で市販されている粒子が挙げられる。
<中間転写ベルトの表面状態>
次に、本発明における中間転写ベルト表面状態について説明する。
図1の中間転写ベルト層構成に示したように、ベルトの表層表面は、部分埋設された球形微粒子により凹凸形状とされている。図2に、ベルトの表面(表層面)を真上から観察した拡大模式図を示す。
本発明においては、球形微粒子にあらかじめ表面処理を行い、ベルトの表層表面に部分埋設させることもでき、球形微粒子をベルトの表層表面に部分埋設させた後、球形微粒子およびベルトの表層表面を表面処理させることもできる。この場合、図3および図4に示すような構成となる。
従って、表面処理層14は、球形微粒子13を被覆した場合と、球形微粒子13の粒子間の隙間であって表層表面上にコーティングされた場合がある。
また、図2、図4に示すように、均一な粒径の球形微粒子が独立して整然と配列する形態を採り、表層面に部分埋設された球形微粒子同士の重なり合いは殆ど観測されない。
この表面を構成する各球形微粒子の表層面(樹脂層面)における断面の径も均一な方が好ましく、具体的には、±(平均粒径×0.5)μm以下の分布幅となることが好ましい。
このような表面を形成するためにできるだけ粒径の揃った粒子(真球に近い単分散粒子)を用いることが好ましいが、これを用いなくてもある粒径のものが選択的に表面に形成できる方法により表面を形成して前記粒径分布幅となる構成としてもよい。
前記表面処理層14を含む球形微粒子13の投影面積率としては、球形微粒子が部分埋設される表層の全表面積に対して、60%以上とすることが好ましい。
球形微粒子13の投影面積率が60%未満では、表層12の露出部が多すぎてトナーがゴムと接触し、良好な転写性が得られない場合がある。
また、表面処理剤により表面処理された球形微粒子を表層表面に部分埋設させた場合の投影面積率の上限に関しては、表層12の露出部を低減する意味で100%に近いほど好ましい。
また、球形微粒子を表層表面に部分埋設させた後に表面処理剤により表面処理させた場合の投影面積率の上限としては、85%以下が好ましい。投影面積率が85%より大きくなると、球形微粒子間の隙間への処理に用いられる表面処理剤の割合が相対的に減少し、トナーの帯電性が弱まり良好な転写性が得られない。
本発明においては、上記球形微粒子は表層12(樹脂からなる層、例えば、弾性層)へ一部埋設(部分埋設)された形態を取るが、その埋没率は、50%以上、100%に満たないものが好ましく、51%〜90%であることが、より好ましい。50%未満では、画像形成装置での長期使用において粒子の脱離が起きやすく、耐久性に劣る傾向がある。一方、100%では、粒子による転写性への効果が低減し好ましくない。
ここで、「埋没率」とは、球形微粒子が表層((樹脂層)に埋没している深さ方向における粒子径の割合(率)[(球形微粒子の埋没深さ)/(球形微粒子の深さ方向の径)]のことであるが、ここで言う、埋没率は、すべての粒子が50%以上100%に満たないという意味ではなく、平均埋没率(所定の視野で観測)で表わしたときの数値が50%以上100%に満たなければよい。なお、埋没率50%のときは、電子顕微鏡による断面観測において、表層(例えば、弾性層)中へ完全埋没している粒子が殆ど観測されない(弾性層中に完全に埋没している粒子の個数%は粒子全体のうち5%以下)。
<表面処理剤について>
上述した球形微粒子に使用される、例えばシリコーン微粒子のようなトナーに対して離型性に優れる材料は、帯電系列上では負帯電しやすい材料である場合が多い。
現在、電子写真システムにおいては負帯電トナーを使用する場合が多いが、負に帯電したトナーと、表面が負帯電しやすい樹脂に覆われた表面を持つ中間転写ベルトが接触した際に、トナーの負電荷がより負帯電しやすい球形微粒子に移ってしまい、トナーの帯電性が弱まってしまう。それによって、二次転写時に電界によってトナーを移動させる力が弱まってしまい、転写性が低下するという不具合を生じる。
そこで、本発明では球形微粒子表面を、該球形微粒子よりも正帯電しやすい材質で表面処理(表面を被覆)し、このような表面処理された球形微粒子を表層表面に部分埋設して凹凸形状を形成することを考案した。
すなわち、球形微粒子13を表面処理層14で被覆した上で、表層12の表面上に塗布し、表面処理層14をベルト表面(表層12の表面)に露出させる(図1、図2)。これにより、トナーの負電荷が過度に中間転写ベルト側に奪われることを防止し、二次転写時に電界によってトナーを移動させる力が弱まることを防ぐ。さらに表面処理を施した微粒子と表層との接着性が向上し、球形微粒子の脱離も防止でき耐久性も向上する。
また、球形微粒子を表層に埋没させた後に、球形微粒子よりも正帯電しやすい材質で表面処理することでも本発明の効果が得られる。すなわち、表層12の表面上に、トナー離型性に優れる球形微粒子を埋没させ、表面処理剤で表面処理することでも、凹凸形状が得られる(図3、図4)。
これにより、球形微粒子間の隙間であって表層の表面上にも表面処理剤がコーティングされ表面処理層14が形成され、トナーの負電荷が過度に中間転写ベルト側に奪われることを防ぐことができ、二次転写時に電界によってトナーを移動させる力が弱まることを防ぐことができる。
仕事関数は物質から電子を取り出すのに必要なエネルギーである。この物質固有の値は、材料の帯電方向の1つの目安となる。仕事関数が大きいと電子を出しにくく、小さいと電子を出しやすい。したがって、仕事関数の小さい物質と大きい物質を接触させると、仕事関数の小さい物質は正に、仕事関数の大きい物質は負に帯電する。
すなわち、本発明に用いられる球形微粒子(例えば、シリコーン樹脂)は一般的に仕事関数が大きいが、仕事関数の小さい材料を球形微粒子表面に被覆(表面処理)し、ベルト表面に露出させることでトナーの負電荷が過度に中間転写ベルト側に奪われることを防ぐ。また、球形微粒子をベルト表面に部分埋設させた後、表面処理することでも同様の効果が得られる。
したがって、表面処理剤には前記球形微粒子よりも仕事関数が小さく負帯電しにくい材料を用いる。つまり、前記球形微粒子の表面処理に用いられる表面処理剤の仕事関数が球形微粒子の仕事関数よりも小さいことが好ましい。
表面処理剤の一例として、含窒素炭化水素系の樹脂、含酸素炭化水素系の樹脂、含硫黄炭化水素系の樹脂などが挙げられる。
上記含窒素炭化水素系の樹脂としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ジメチルアミノエチルアクリレート(DAA)、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DAM)、ジアリルジメチルアンモニウム塩重合物、ポリビニルイミダゾリン、ポリアリルアミン、ジシアンアミド系縮合物、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物、ポリアミジン、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド4-6(PA4-6)、ポリアミド6-6(PA6-6)、ポリアミド6-10(PA6-10)、ポリアミド6-12(PA6-12)、ポリアミドイミド、ポリ-p-フェニレンテレフタルアミド、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、AS樹脂(SAN)、ABS樹脂(ABS)、アクリロニトリルーブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。
上記含酸素炭化水素系の樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルホルマール(PVF)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアレート(PAR)、ポリアセタール(POM)、ポリオキシベンゾイルエステル(POB)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリメチルビニルエーテル、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)等が挙げられる。
上記含硫黄炭化水素系の樹脂としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)等が挙げられる。
帯電性やトナー離型性、ハンドリング性などを考慮すると、特にアクリル樹脂が好ましく用いられる。
表面処理剤としては、球形微粒子の仕事関数よりも小さい材料であれば1種類を単独で用いてもよいし、複数の種類を混合して使用してもよい。また、本発明における効果(トナーの負電荷が中間転写ベルト側に過度に奪われたり、二次転写時の印加電界下でトナーを移動させる力が弱まることを防止し、微粒子と表層との接着性や耐久性を向上する。)が妨げられない範囲で、表面処理された球形微粒子と表面未処理の球形微粒子を混合して用いてもよい。なお、表面処理剤の有無は、赤外分光法(ATR・FT−IR)によって確認できる。
仕事関数は、表面分析装置(理研計器(株)製AC-2型)を用いて測定を行うことができる。具体的には、ガラスプレートの上に散布した測定試料(シリコーン微粒子)に単色光の励起エネルギーを照射して仕事関数を測定する。限定されるものではないが、本発明では、測定時の温湿度を23℃50%とし、規格化光電子収率が上昇し始める励起エネルギーを仕事関数として求めた。
<含窒素表面処理剤について>
マイナスに帯電したトナーの電荷を保持するために、表面処理剤の分子構造中に窒素を含むことが望ましい。
つまり、分子構造中に窒素を含む化合物は仕事関数が小さい材料が多く、これによってマイナスに帯電したトナーの電荷移動を抑えることができる。
分子構造中に窒素を有する材料(化合物)の置換基として一般的に知られているのは、−NX(Xはアルキル、フェニル等)、−NMX(Mは、例えば、H、アルキル、フェニル等であり、Xは、例えば、ハロゲン原子、カルボン酸等の酸アニオン類、BF等)などである。
窒素原子を分子構造内に含む表面処理剤(含窒素表面処理剤)の具体例としては、前述の含窒素炭化水素系の樹脂で例示した各種樹脂が挙げられる。
また、生体高分子のうちの、タンパク質や多糖、核酸もその一例として挙げられる。タンパク質はアスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、イソロイシン、グルタミン、システイン、セリン、チロシン、トリプトファン、トレオニン、バリン、ヒスチジン、フェニルアラニン、プロリン、メチオニン、リシン、ロイシンの20種のアミノ酸から構成されるものを示す。一例として、プリオン、フィブロイン、コラーゲン、カゼイン、ケラチン、キモトリプシン、アクチン、ミオシン、アルブミンなどが挙げられる。多糖の例としてはキチン、キサトンなどが挙げられる。
また、窒素含有シランカップリング剤を用いてもよく、その一例としてアミノ基を含むものとして、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシッシリル-N-(1.3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルジエトキシシラン、が挙げられる。
また、アンモニウム基を含むものとして、トリメチル[(3-トリエトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、トリメチル[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライドが挙げられる。
その他含窒素シランカップリング剤としてウレイド基を含むものとして、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、1-[3-(トリメチルシリル)プロピル]ウレア、イソシアネート基を含むものとして3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
帯電性やトナー離型性、ハンドリング性、表面への結合力などを考慮すると、特にイミダゾールシランが好ましく用いられる。
含窒素表面処理剤は球形微粒子の仕事関数よりも小さい材料であれば、1種類を単独で用いてもよいし、複数の種類を混合して使用してもよい。なお、表面処理剤の有無は、赤外分光法(ATR・FT−IR)によって確認できる。
次に、上記本発明の構成のベルトを作製する方法について例を挙げて説明する。
まず、少なくとも樹脂成分を含む塗工液、すなわち前記ポリイミド樹脂前駆体またはポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液を用いて基層11(図1または図3参照)を製造する方法について説明する。
円筒状の型、例えば、円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、少なくとも樹脂成分を含む塗工液(例えば、ポリイミド樹脂前駆体またはポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液)をノズルやディスペンサーのような液供給装置にて円筒の外面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が形成されたところで金型ごと高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃〜450℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド樹脂前駆体またはポリアミドイミド樹脂前駆体のイミド化またはポリアミドイミド化を行う。十分に冷却後、引き続き、基層11上に表層12を積層する。
十分に冷却後、引き続き、基層11上に表層12を積層する。表層12は樹脂あるいは弾性体(エラストマーやゴム)から構成される。
<表層を樹脂層とした場合の作製法>
表層12は、樹脂を有機溶剤に溶解させた樹脂塗料(塗工液)を用い、基層11上に塗布形成し、その後、溶剤を乾燥し、必要により硬化あるいは加硫することで製造することができる。塗布成形法としては、基層と同様の方法が適用できる。すなわち、液供給装置にて塗工液を基層表面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が形成されたところで金型ごと高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、基層11上に表層12が形成された積層ベルトを得る。
<表層を弾性層とした場合の作製法>
表層12は、ゴムを有機溶剤に溶解させたゴム塗料を用い、基層11上に塗布形成し、その後、溶剤を乾燥、加硫することで製造することができる。塗布成形法としては、基層11と同じく、螺旋塗工、ダイ塗工、ロール塗工などの既存の塗工法が適用できるが、凹凸転写性を良くするためには弾性層の厚みを厚くすることが必要であり、厚膜を形成する塗工法としては、ダイ塗工、および螺旋塗工が優れており、前述したように弾性層の厚みを巾方向で変えやすいと言った点から螺旋塗工が優れている。そのためここでは、螺旋塗工について説明する。
まず、円筒状の金型外面に成膜した基層を周方向に回転させながら、丸型、または広幅のノズルによりゴム塗料を連続的に供給しながら、ノズルを基層の軸方向に移動させて、基層上に塗料を螺旋状に塗工する。基層上に螺旋状に塗工された塗料は、所定の回転速度、乾燥温度を維持させることでレベリングされながら乾燥される。その後、さらに所定の加硫温度で加硫(架橋)させて弾性層が形成される。巾方向への膜厚を変化させるには、ノズルの吐出量、ノズル金型間の距離を変化させるか、もしくは金型の回転速度を変えることにより作製することができる。
<球形微粒子の表面処理方法(表面処理層の作製方法)>
球形微粒子13への表面処理方法に関して説明する。
表面処理層14は、球形微粒子13を分散させた有機溶媒の中に表面処理剤を加えて一定時間撹拌させた後に、球形微粒子のみ濾過し、加熱乾燥を行うことにより形成される。この場合、図1に示すように、表面処理層14は球形微粒子13を被覆した状態となる。これにより、仕事関数の差による転写率の向上に加え、表層への確実なコーティングの実現や球形微粒子がベルトから脱落しくくなることによる高耐久化が期待できる。
球形微粒子がシリコーン微粒子である場合の例を挙げると、この表面処理において、表面処理剤としてシランカップリング剤を用い、球形微粒子表面を直接修飾させる場合には、表面処理剤の未反応物を取り除くために、有機溶媒で洗浄し、再度加熱乾燥を行うことが望ましい。
また、上記とは別の方法を以下に説明する。
表面処理層を形成する塗布方法としては、基層や表層を形成したときと同様に、螺旋塗工、ダイ塗工、ロール塗工などの既存の塗工法やスプレー塗工等が適用できる。
まず、球形微粒子が部分埋設している表層に表面処理剤を塗布する。その後、回転した円筒状支持体にブレードを当接させベルトの上の余分な表面処理剤を除去することによって、表面処理剤が球形微粒子間の隙間にのみ表面処理された状態とするのが好ましい。この場合、図3に示すように、球形微粒子間の隙間であって表層の表面上に表面処理層14が形成される。隙間にのみ表面処理された状態となることによって、仕事関数の差による転写性の向上に加え、球形微粒子の粒子表面が露出されて転写手段に用いられることで球形微粒子の低摩擦性が期待できる。なお、前記隙間が表面処理されていればよく、球形微粒子に表面処理剤が付着した箇所が残っていてもよい。
その後所定の回転速度、乾燥温度を維持させることで表面処理剤が乾燥される。この乾燥過程でも、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。
充分に冷却後、金型から基層ごと脱離させ、シームレスベルト(中間転写ベルト)を得ることができる。
また、この場合、表面処理層14は露出している球形微粒子13の高さに対して30%〜90%の間に収めることが好ましく、50%〜70%に収めることがより好ましい。表面処理層14の高さが粒子の高さに対して90%より大きくなると、球形微粒子による凹凸形状による効果が発現しにくくなり、30%未満であると表面処理層の効果が発現しにくくなる。
<球形微粒子を用いたベルト表層表面の凹凸形状作製方法>
表層表面への表面処理方法として球形微粒子を塗布し、凹凸形状を作製する方法に関して述べる。すなわち、球形微粒子13を表層12上へ塗布することで凹凸形状を形成させて所望のシームレスベルト(中間転写ベルト)を得る。
球形微粒子が部分埋設されて凹凸形状を形成する方法としては、図5に示すように、金型ドラム101上に形成された基層と表層を塗布したベルト102に、粉体供給装置105と押し当て部材103を近接配置し、金型ドラム101を回転させながら粉体供給装置105から球形微粒子104を表層表面に均一にまぶし、表面にまぶされた球形微粒子104を押し当て部材103により加熱しながら一定圧力にて押し当てる。
この押し当て部材103により、表層表面(樹脂)に球形微粒子を部分埋設させつつ、余剰な粒子を取り除く。本発明では、特に単分散の球形微粒子を用いるために、このような押し当て部材でのならし工程のみの簡単な工程で、均一な単一粒子層を形成することが可能である。埋没率の調整は、ここでの押し当て部材の押し当て時間の長さにより調整する。
前述のように上記球形微粒子の埋設率[(球形微粒子の埋没深さ)/(球形微粒子の深さ方向の径)]は、50%を超え、100%に満たないものが好ましく、51%〜90%であることがより好ましいが、この埋没率の調整は限定されるものではなく、例えば、押し当て部材(103)の押圧力を加減することにより、容易に果たすことができる。この方法によらず他の方法でも構わない。例えば、流延塗工液の粘度、固形分、溶剤の使用量、粒子材質等にも依るが、目安として、流延塗工液の粘度100〜100000mPa・sにおいて、押圧力を、1mN/cm〜1000mN/cmの範囲とすることにより、前記50%〜100%の埋没率を比較的容易に達成することができる。
球形微粒子を均一に表面に並べたのち、回転させながら所定温度、所定時間で加熱することにより硬化させて、球形微粒子を埋設させたベルトを形成する。
<中間転写ベルトにおける球形微粒子の埋没率を測定する方法>
前記中間転写ベルトにおける球形微粒子の埋没率を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中間転写体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察することにより、測定することができる。
また、中間転写ベルトにおける粒子の露出部分の投影面積率を測定する方法についても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、中間転写ベルトの表面を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察し、その画像を画像処理ソフト(Image−proplus;cyber netics社)を用いて画像を2値化し、弾性体の露出部分と粒子の露出部分の投影面積率を算出する方法などが挙げられる。
さらに、前記中間転写ベルトにおける粒子種別の投影面積率を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、中間転写体の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)に付属のエネルギー分散型X線分析装置(EDX)により球形粒子の種類を元素分析によって判別し、観察範囲における狙いの粒子種の投影面積率を算出することができる。なお、測定精度を高めるため、観察範囲には最低100個以上の粒子が存在していることが望ましい。
作製された中間転写ベルトの抵抗は、カーボンブラック、イオン導電剤の量を可変することにより調整される。この際、粒子の大きさや投影面積率によって抵抗が変わりやすいので注意する。抵抗の測定は市販の計測器を使用でき、例えば、ダイアインスツルメンツ社のハイレスタを使用することにより測定することができる。
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えてなり、前記中間転写ベルトが本発明の中間転写ベルトであることを特徴とするものである。
すなわち、本発明の画像形成装置は、別の表現(上記と同義)をすれば、潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを有してなり、前記中間転写ベルトが本発明の中間転写ベルトであることを特徴とするものである。
本発明の画像形成装置は、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
この場合、前記画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなるものが好ましい。
なお、「像担持体」を「潜像担持体」と呼称することがある。
本発明における電子写真装置(以降、「画像形成装置」と呼称する。)に装備される中間転写ベルトを含むベルト構成部に用いられるシームレスベルトについて、要部模式図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であって本発明はこれに限定されるものではない。
図6は、本発明に係る中間転写ベルト(シームレスベルト)をベルト部材として装備する画像形成装置を説明するための要部模式図である。
図6に示すベルト部材を含む中間転写ユニット500は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト501などにより構成されている。この中間転写ベルト501の周りには、2次転写ユニット600の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ605、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブラシ504、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ505などが対向するように配設されている。
また、位置検知用マークが中間転写ベルト501の外周面または内周面に図示しない位置検知用マークが設けられる。ただし、中間転写ベルト501の外周面側については位置検知用マークがベルトクリーニングブラシ504の通過域を避けて設ける工夫が必要であり、配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークを中間転写ベルト501の内周面側に設けてもよい。マーク検知用センサーとしての光学センサー514は、中間転写ベルト501が架け渡されている1次転写バイアスローラ507とベルト駆動ローラ508との間の位置に設けられる。
この中間転写ベルト501は、1次転写電荷付与手段である1次転写バイアスローラ507、ベルト駆動ローラ508、ベルトテンションローラ509、2次転写対向ローラ510、クリーニング対向ローラ511、およびフィードバック電流検知ローラ512に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、1次転写バイアスローラ507以外の各ローラは接地されている。1次転写バイアスローラ507には、定電流または定電圧制御された1次転写電源801により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流または電圧に制御された転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト501は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ508により、矢印方向に駆動される。
このベルト部材である中間転写ベルト501は、通常、半導体、または絶縁体で、単層または多層構造となっているが、本発明においてはシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム200上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
2次転写手段である2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501のベルト外周面に対して、後述する接離手段としての接離機構によって、接離可能に構成されている。2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501との間に被記録媒体である転写紙Pを挟持するように配設されており、定電流制御される2次転写電源802によって所定電流の転写バイアスが印加されている。
レジストローラ610は、2次転写バイアスローラ605と2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501との間に、所定のタイミングで転写材である転写紙Pを送り込む。また、2次転写バイアスローラ605には、クリーニング手段であるクリーニングブレード608が当接している。該クリーニングブレード608は、2次転写バイアスローラ605の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
このような構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム200は、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に回転され、該感光体ドラム200上に、Bk(ブラック)トナー像形成、C(シアン)トナー像形成、M(マゼンタ)トナー像形成、Y(イエロー)トナー像形成が行われる。中間転写ベルト501はベルト駆動ローラ508によって矢印で示す時計回りに回転される。この中間転写ベルト501の回転に伴って、1次転写バイアスローラ507に印加される電圧による転写バイアスにより、Bkトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の1次転写が行われ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト501上に各トナー像が重ね合わせて形成される。
例えば、上記Bkトナー像形成は次のように行われる。
図6において、帯電チャージャ203は、コロナ放電によって感光体ドラム200の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム200の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器231Kの現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
このようにして感光体ドラム200上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム200と接触状態で等速駆動回転している中間転写ベルト501のベルト外周面に1次転写される。この1次転写後の感光体ドラム200の表面に残留している若干の未転写の残留トナーは、感光体ドラム200の再使用に備えて、感光体クリーニング装置201で清掃される。この感光体ドラム200側では、Bk画像形成工程の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるC画像データの読み取りが始まり、そのC画像データによるレーザ光書き込みによって、感光体ドラム200の表面にC静電潜像を形成する。
そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、且つC静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット230の回転動作が行われ、C現像機231Cが現像位置にセットされ、C静電潜像がCトナーで現像される。以後、C静電潜像領域の現像を続けるが、C静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像機231Kの場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行い、次のM現像機231Mを現像位置に移動させる。これもやはり次のY静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、MおよびYの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるので説明は省略する。符号231YはY現像機を示す。
このようにして感光体ドラム200上に順次形成されたBk、C、M、Yのトナー像は、中間転写ベルト501上の同一面に順次位置合わせされて1次転写される。これにより、中間転写ベルト501上に最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。一方、上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙Pが転写紙カセットまたは手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ610のニップで待機している。
そして、2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501と2次転写バイアスローラ605によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト501上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ610が駆動されて、転写紙ガイド板601に沿って転写紙Pが搬送され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合わせが行われる。
このようにして、転写紙Pが2次転写部を通過すると、2次転写電源802によって2次転写バイアスローラ605に印加された電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト501上の4色重ねトナー像が転写紙P上に一括転写(2次転写)される。この転写紙Pは、転写紙ガイド板601に沿って搬送されて、2次転写部の下流側に配置した除電針からなる転写紙除電チャージャ606との対向部を通過することにより除電された後、ベルト構成部であるベルト搬送装置210により定着装置270に向けて送られる。そして、この転写紙Pは、定着装置270の定着ローラ271、272のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置270は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
一方、上記ベルト転写後の感光体ドラム200の表面は、感光体クリーニング装置201でクリーニングされ、上記除電ランプ202で均一に除電される。また、転写紙Pにトナー像を2次転写した後の中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留トナーは、ベルトクリーニングブラシ504によってクリーニングされる。該ベルトクリーニングブラシ504は、図示しないクリーニング部材離接機構によって、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して所定のタイミングで接離されるように構成されている。該ベルトクリーニングブラシ504は、必要に応じて電圧をかけてもよい。
このベルトクリーニングブラシ504の上記中間転写ベルト501の移動方向上流側には、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離するシール部材502が設けられている。このシール部材502は、上記残留トナーのクリーニング時に上記ベルトクリーニングブラシ504から落下した落下トナーを受け止めて、該落下トナーが上記転写紙Pの搬送経路上に飛散するのを防止している。このシール部材502は、上記クリーニング部材離接機構によって、上記ベルトクリーニングブラシ504とともに、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離される。
このようにして残留トナーが除去された中間転写ベルト501のベルト外周面には、上記潤滑剤塗布ブラシ505により削り取られた潤滑剤506が塗布される。該潤滑剤506は、例えば、ステアリン酸亜鉛などの固形体からなり、該潤滑剤塗布ブラシ505に接触するように配設されている。また、この中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留電荷は、該中間転写ベルト501のベルト外周面に接触した図示しないベルト除電ブラシにより印加される除電バイアスによって除去される。ここで、上記潤滑剤塗布ブラシ505および上記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、上記中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナの動作および感光体ドラム200への画像形成は、1枚目の4色目(Y)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト501は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、ベルト外周面の上記ベルトクリーニングブラシ504でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像が1次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット230の所定色の現像機のみを現像動作状態にし、ベルトクリーニングブラシ504を中間転写ベルト501に接触させたままの状態にしてコピー動作を行う。
なお、図6中符号70は除電ローラ、80はアースローラ、204は電位センサー、205は画像濃度センサー、503は帯電チャージャ、513はトナー画像、Lはレーザー光を示す。
上記実施形態では、感光体ドラム200を一つだけ備えた複写機について説明したが、本発明は、例えば、図7の要部模式図に一構成例を示すような、複数の感光体ドラムをシームレスベルトからなる一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置にも適用できる。
図7の要部模式図は、本発明の中間転写ベルトに沿って複数の像担持体が並設されているフルカラー画像形成装置の一例を示す。すなわち、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム21BK、21Y、21M、21Cを備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
図7において、プリンタ本体10は電子写真方式によるカラー画像形成を行うための、画像書込部12、画像形成部13、給紙部14、から構成されている。画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部12に送信する。画像書込部12は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、およびミラー群、からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部13の各色毎に設けられた像坦持体(感光体)21BK、21M、21Y、21Cに各色信号に応じた画像書込を行う。
画像形成部13は黒(BK)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、シアン(C)用の各像坦持体である感光体21BK、21M、21Y、21Cを備えている。この各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。各感光体21BK、21M、21Y、21Cの周囲には、帯電装置、上記書込部12からのレーザ光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置20BK、20M、20Y、20C、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23C、クリーニング装置(表示略)、および図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置20BK、20M、20Y、20Cには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト22は、各感光体21BK、21M、21Y、21Cと、各1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23Cとの間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙Pは、給紙部14から給紙された後、レジストローラ16を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト50に担持される。そして、中間転写ベルト22と転写搬送ベルト50とが接触するところで、上記中間転写ベルト22上に転写されたトナー像が、2次転写手段としての2次転写バイアスローラ60により2次転写(一括転写)される。これにより、転写紙P上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙Pは、転写搬送ベルト50により定着装置15に搬送され、この定着装置15により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、上記2次転写時に転写されずに上記中間転写ベルト22上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング部材25によって中間転写ベルト22から除去される。このベルトクリーニング部材25の下流側には、潤滑剤塗布装置27が配設されている。この潤滑剤塗布装置27は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト22に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。前記導電性ブラシは、中間転写ベルト22に常時接触して、中間転写ベルト22に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト22のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。なお、図7中、符号26は駆動ローラ、70はバイアスローラを示す。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りこれらの実施例を適宜改変したものも本件の発明の範囲内である。
なお、ベルト中央部の膜厚は、巾方向中心部±50mmの平均膜厚を求めることによって算出した。膜厚は接触式の膜厚計で計測した。
また、各材料の仕事関数は、表面分析装置[理研計器(株)製:AC-2型]を用いて測定を行い、3回測定して得られた値の平均値を採用した。
また、投影面積率は、ベルトの表面を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察し、その画像を画像処理ソフト(Image−proplus;cyber netics社)を用いて画像を2値化し、ベルト表面上における表面処理されたシリコーン微粒子の投影面積率を算出した。
[実施例1]
下記により基層用塗工液を調製し、この塗工液を用いて円筒状支持体(金型)に塗工し、シームレスベルト基層(ポリイミド基層ベルト)を作製した。
「基層用塗工液の調製」
まず、ポリイミド樹脂前駆体を主成分とするポリイミドワニス(U−ワニスA;宇部興産社製)に、予めビーズミルにてN−メチル−2−ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(SpecialBlack4;エボニックデグサ社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の17重量%になるように調合し、よく攪拌混合して基層用塗工液を調製した。
「ポリイミド基層ベルトの作製」
次に、外径500mm、長さ400mmの外面をブラスト処理にて粗面化した金属製の円筒状支持体を型として用い、これをロールコート塗工装置に取り付けた。
続いて、基層用塗工液をパンに流し込み、塗布ローラの回転速度40mm/secで塗料を汲み上げ、規制ローラと塗布ローラのギャップを0.6mmとして、塗布ローラ上の塗料厚みを制御した。
その後、円筒状支持体の回転速度を35mm/secに制御して塗布ローラに近づけ、塗布ローラとのギャップ0.4mmとして塗布ローラ上の塗料を均一に円筒状支持体上に転写塗布した後、回転を維持しながら熱風循環乾燥機に投入して、110℃まで徐々に昇温して30分加熱、さらに昇温して200℃で30分加熱し、回転を停止した。その後、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に320℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)した。充分に冷却し、膜厚30μmのポリイミド基層ベルトを得た。
「表層の作製」
ポリイミド基層ベルトが形成された円筒状支持体を乾燥機から取り出して冷却した後、ポリイミド基層(ベルト)表面に、有機溶剤(MEK:メチルエチルケトン)に濃度40[wt%]になるように調整されて溶解されたフッ素樹脂(ルミフロンLF916F:旭硝子製)溶液を円筒状支持体を回転させながら螺旋状に塗工した。塗布量としては中央部の最終的な膜厚が60μmになるように調整した。その後、塗工された円筒状支持体をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で100℃まで昇温して30分加熱して表層を作製した。
「凹凸形状の作製」
〔表面処理されたシリコーン微粒子の作製〕
アクリル樹脂(ACRYDIC A−165:DIC株式会社)を溶解させたn-ブタノール溶液中にシリコーン微粒子[トスパール120(体積平均粒径2.0μm品):モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社]を撹拌し分散させた後に、粒子のみ濾過し100℃まで昇温して30分間加熱処理し、表面処理層を形成させたシリコーン微粒子(略称:表面処理シリコーン微粒子)を得た。
〔表面処理シリコーン微粒子の埋設〕
ポリイミド基層ベルト上に表層が形成された円筒状支持体を熱風循環乾燥機から取り出して冷却した後、ベルトの表層表面に、図5に示す装置を用いて、表面処理シリコーン微粒子(表面処理層を形成させたシリコーン微粒子)をまんべんなく表面にまぶし、表層表面に部分埋設して凹凸形状とした。
表面処理シリコーン微粒子を表層表面にまぶす際の押し付け部材(ポリウレタンゴムブレード)の表層に対する押し付け圧力(押圧力)は100mN/cmとし、この条件で押し当てて表層(樹脂層)に固定化した。続いて、再び熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で170℃まで昇温して60分加熱処理して中間転写ベルトAを得た。
このときのシリコーン微粒子の仕事関数は5.9eV、アクリル樹脂の仕事関数は5.8eV、表面処理シリコーン微粒子の投影面積率は83%であった。これらの値を下記表1にまとめて示す。
[実施例2]
実施例1の〔表面処理されたシリコーン微粒子の作製〕において用いたシリコーン微粒子[トスパール120(体積平均粒径2.0μm品)]に代えて、シリコーン微粒子[X−52−854(体積平均粒子径0.8μm品):信越化学]を用いた他は実施例1と同様にして、中間転写ベルトBを得た。
このときのシリコーン微粒子の仕事関数は5.9eV、アクリル樹脂の仕事関数は5.8eV、表面処理シリコーン微粒子の投影面積率は84%であった。これらの値を下記表1にまとめて示す。
[実施例3]
実施例1の〔表面処理されたシリコーン微粒子の作製〕において用いた[トスパール120(体積平均粒径2.0μm品)]に代えて、シリコーン微粒子[トスパール2000B(体積平均粒子径6.0μm品):モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ]を用いた他は実施例1と同様にして、中間転写ベルトCを得た。
このときのシリコーン微粒子の仕事関数は5.9eV、アクリル樹脂の仕事関数は5.8eV、表面処理シリコーン微粒子の投影面積率は75%であった。これらの値を下記表1にまとめて示す。
[実施例4]
実施例1における「表層の作製」を下記処方からなる弾性体とした他は実施例1と同様にして中間転写ベルトDを得た。すなわち、下記処方に示す配合割合で各成分を配合・混練することでゴム組成物を作成し、これを用いて表層(弾性層)を作製した。
〈弾性体の処方〉
アクリルゴム(日本ゼオン株式会社/NipolAR12) 100.0重量部
ステアリン酸(日油株式会社製;ビーズステアリン酸つばき) 1.0重量部
赤リン(燐化学工業株式会社製;ノーバエクセル140F) 10.0重量部
水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製;ハイジライトH42M) 40.0重量部
架橋剤(デュポン ダウ エラストマー ジャパン製;Diak.No1(
ヘキサメチレンジアミンカーバメイト)) 0.6重量部
架橋促進剤(Safic alcan社製;VULCOFAC ACT55(70%1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)
ウンデセン-7と二塩基酸との塩、30%アモルファスシリカ)) 0.6重量部
導電剤(日本カーリット株式会社製;QAP-01(過塩素酸テトラブチル
アンモニウム)) 0.3重量部
上記で得られたゴム組成物を有機溶剤(MIBK:メチルイソブチルケトン)に溶かして固形分35wt%のゴム溶液を作製した。次に、円筒状支持体を回転させながらポリイミド基層表面に、ゴム塗料(ゴム溶液)をノズルから連続的に吐出し、円筒状支持体の軸方法に移動させて螺旋状に塗工した。
塗布量としては中央部の最終的な膜厚が550μmになるように調整した。その後、ゴム溶液が塗工された円筒状支持体をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で100℃まで昇温して120分加熱し、表層(弾性層)を作製した。
このときのシリコーン微粒子の仕事関数は5.9eV、アクリル樹脂の仕事関数は5.8eV、表面処理シリコーン微粒子の投影面積率は80%であった。これらの値を下記表1にまとめて示す。
[実施例5]
実施例4において用いたアクリル樹脂処理のシリコーン微粒子に代えて、分子構造中に窒素原子を有するイミダゾールシラン(IS1000:JX日鋼日石金属社製)を表面処理に用い、溶媒をメタノールに変更した他は実施例4と同様にして、中間転写ベルトEを得た。
このときの、シリコーン微粒子の仕事関数は5.9eV、表面処理剤(イミダゾールシラン)の仕事関数は5.7eV、表面処理シリコーン微粒子の投影面積率は83%であった。これらの値を下記表1にまとめて示す。
[実施例6]
実施例5において表面処理シリコーン微粒子の投影面積率を56%になるように変更(制御)して、表層(弾性層)に表面処理シリコーン微粒子を埋設、固定化した以外は実施例5と同様にして、中間転写ベルトFを得た。なお、投影面積率の制御は、シリコーン微粒子を表層表面にまぶす際の押し付け部材の押し付け圧力(押圧力)を制御することにより行った(以下同じ)。
このときの、シリコーン微粒子の仕事関数は5.9eV、表面処理剤の仕事関数は5.7eV、表面処理シリコーン微粒子の投影面積率は56%であった。これらの値を下記表1にまとめて示す。
[比較例1]
実施例1のシリコーン微粒子の表面処理において、表面処理剤(アクリル樹脂)を用いず、シリコーン微粒子の表面処理を施さなかった他は実施例1と同様にして、中間転写ベルトGを得た。
このときのシリコーン微粒子の仕事関数は5.9eV、シリコーン微粒子の投影面積率は79%であった。これらの値を下記表1にまとめて示す。
[比較例2]
実施例1のシリコーン微粒子の表面処理において、表面処理剤に用いたアクリル樹脂に代えて、フッ素樹脂(ルミフロンLF916F:旭硝子社製)に変更した他は実施例1と同様にして、中間転写ベルトHを得た。
このときのシリコーン微粒子の仕事関数は5.9eV、表面処理剤(フッ素樹脂)の仕事関数は5.9eV、表面処理シリコーン微粒子の投影面積率は80%であった。これらの値を下記表1にまとめて示す。
[比較例3]
実施例4のシリコーン微粒子の表面処理において、表面処理剤(アクリル樹脂)を用いず、シリコーン微粒子の表面処理を施さなかった他は実施例4と同様にして、中間転写ベルトIを得た。
このときのシリコーン微粒子の仕事関数は5.9eV、シリコーン微粒子の投影面積率は85%であった。これらの値を下記表1にまとめて示す。
[比較例4]
実施例4のシリコーン微粒子の表面処理において、表面処理剤に用いたアクリル樹脂に代えて、フッ素樹脂(ルミフロンLF916F:旭硝子社製)に変更した他は実施例1と同様にして、中間転写ベルトJを得た。
このときのシリコーン微粒子の仕事関数は5.9eV、表面処理剤(フッ素樹脂)の仕事関数は5.9eV、表面処理シリコーン微粒子の投影面積率は85%であった。これらの値を下記表1にまとめて示す。
上記各実施例、比較例の中間転写ベルトA〜Jを、図7に示す画像形成装置に搭載し、下記条件で評価を行った。
結果を下記表1に示す。
<転写率の測定>
記録媒体(転写紙)として、凹凸紙(連量175kg紙レザック紙)を用い、これに、青色のベタ画像を出力する操作を実施し、紙に転写する前の中間転写ベルト上の画像トナー量と紙に転写した後に中間転写ベルト上に残ったトナー量を計測し、下記式(1)により転写率を算出した。
<20万枚連続画像出力時点における転写率の測定>
テストチャートを連続20万枚連続画像出力する前の初期と、転写した後で、上記式(1)の方法に従い、転写率を算出した。
判定は、◎が転写率95-100%、○が転写率90-95%、×が転写率90%以下とした。
<20万枚連続画像出力時点における画像評価>
テストチャートを連続20万枚連続画像出力した後、普通紙(TYPE 6200)、凹凸紙(連量175kg紙レザック紙)の画像品質(ブラックのトナーによる全面ハーフトーン)を目視によって判定した。
判定は、◎が画質にムラなし、○がムラが見られるが使用可能レベル、×は使用不可とした。
以上の結果から、実施例1〜実施例6の本発明に係る中間転写ベルトは、いずれも20万枚連続画像出力時点において実用可能レベル以上の転写率を示す。また、表層を弾性体(アクリルゴム)とすれば実施例4〜実施例6のように記録媒体(転写媒体)の種類や表面形状によらず、20万枚連続画像出力時点においても使用可能レベル以上であり、総合的に二次転写性が優れた中間転写ベルトを提供することができる。このような中間転写ベルトを配備すれば、トナーの帯電性を保ち、高い転写性能が実現でき、高画質な画像が出力される画像形成装置(電子写真装置)とすることができる。
<実施例7>
下記により基層用塗工液を調製し、この塗工液を用いてシームレスベルト基層を作製した。
「基層用塗工液の調製」
先ず、ポリイミド樹脂前駆体を主成分とするポリイミドワニス(U−ワニスA;宇部興産社製)に、予めビーズミルにてN−メチル−2−ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(SpecialBlack4;エボニックデグサ社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の17重量%になるように調合し、よく攪拌混合して塗工液を調製した。
「ポリイミド基層ベルトの作製」
次に、外径500mm、長さ400mmの外面をブラスト処理にて粗面化した金属製の円筒状支持体を型として用い、ロールコート塗工装置に取り付けた。
続いて、基層用塗工液Aをパンに流し込み、塗布ローラの回転速度40mm/secで塗料を汲み上げ、規制ローラと塗布ローラのギャップを0.6mmとして、塗布ローラ上の塗料厚みを制御した。
その後、円筒状支持体の回転速度を35mm/secに制御して塗布ローラに近づけ、塗布ローラとのギャップ0.4mmとして塗布ローラ上の塗料を均一に円筒状支持体上に転写塗布した後、回転を維持しながら熱風循環乾燥機に投入して、110℃まで徐々に昇温して30分加熱、さらに昇温して200℃で30分加熱し、回転を停止した。
その後、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に320℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)した。充分に冷却し、膜厚30μmのポリイミド基層ベルトを得た。
「表層の作製」
その後乾燥機から取り出して冷却し、ベルト表面に有機溶剤(MEK:メチルエチルケトン)に濃度40[wt%]になるように溶解されたフッ素樹脂(ルミフロンLF916F:旭硝子製)と5[wt%]の割合で添加されたイソシアネート硬化剤(TPA-B80E旭化成ケミカル製))を円筒状支持体を回転させながら表層に螺旋状に塗工した。塗布量としては中央部の最終的な膜厚が60μmになるようにした。その後、塗工された円筒状支持体をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で100℃まで昇温して30分加熱した。
「凹凸形状の作製」
乾燥機から取り出して冷却し、この表面に、図5の装置を用いて、球形微粒子として、シリコーン球形微粒子(トスパール120(体積平均粒径2.0μm品);モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ)をまんべんなく表面にまぶした。ポリウレタンゴムブレードの押し付け部材を、押圧力100mN/cmで押し当てて樹脂層に固定化した。続いて、再び熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で170℃まで昇温して60分加熱処理した。このとき、シリコーン球形微粒子の仕事関数は5.9eV、また粒子の投影面積率は78%であった。
〔表面処理剤の塗布〕
その後乾燥機から取り出して冷却し、ベルト表面に水に溶かしたアクリル樹脂(アクアリック:日本触媒)を円筒状支持体を回転させながら表層にスプレー塗工した。その後塗工された円筒状支持体をそのまま回転しながらブレードを押し当てることによって、ベルト上の余分な塗布材料を除去する。その後、熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で150℃まで昇温して2時間加熱した。十分冷却後、金型から取り外し中間転写ベルトaを得た。アクリル樹脂の仕事関数は5.8eVであった。
<実施例8>
実施例7のベルトの処理において、球形微粒子として、シリコーン球形微粒子(トスパール120(体積平均粒径2.0μm品))に代えて、シリコーン球形微粒子(X−52−854(体積平均粒子系0.8μm品);信越化学)を用いた事以外は実施例7と同様にして、中間転写ベルトbを得た。このとき、シリコーン球形微粒子の仕事関数は5.9eV、アクリル樹脂の仕事関数は5.8eV、また粒子の投影面積率は82%であった。
<実施例9>
実施例7のベルトの処理において、球形微粒子として、シリコーン球形微粒子(トスパール120(体積平均粒径2.0μm品))に代えて、シリコーン球形微粒子(トスパール2000B(体積平均粒子系6.0μm品);モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ)を用いた事以外は実施例7と同様にして、中間転写ベルトcを得た。このとき、シリコーン球形微粒子の仕事関数は5.9eV、アクリル樹脂の仕事関数は5.8eV、また粒子の投影面積率は76%であった。
<実施例10>
実施例7における「表層の作製」を以下とする他は同じとし中間転写ベルトdを得た。すなわち、下記処方に示す配合割合で各成分を配合・混練することでゴム組成物を作成し、これを用いて表層(弾性層)を作製した。
このときシリコーン球形微粒子の仕事関数は5.9eV、アクリル樹脂の仕事関数は5.8eV、また粒子の投影面積率は77%であった。
〈弾性体の処方〉
アクリルゴム(日本ゼオン株式会社/NipolAR12) 100.0重量部
ステアリン酸(日油株式会社製;ビーズステアリン酸つばき) 1.0重量部
赤リン(燐化学工業株式会社製;ノーバエクセル140F) 10.0重量部
水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製;ハイジライトH42M) 40.0重量部
架橋剤(デュポン ダウ エラストマー ジャパン製;Diak.No1(
ヘキサメチレンジアミンカーバメイト)) 0.6重量部
架橋促進剤(Safic alcan社製;VULCOFAC ACT55(70%1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)
ウンデセン-7と二塩基酸との塩、30%アモルファスシリカ)) 0.6重量部
導電剤(日本カーリット株式会社製;QAP-01(過塩素酸テトラブチル
アンモニウム)) 0.3重量部
次に、上記で得られたゴム組成物を有機溶剤(MIBK:メチルイソブチルケトン)に溶かして固形分35wt%のゴム溶液を作製した。ポリイミド基層を有する円筒状支持体を回転させ、ノズルよりゴム塗料を連続的に吐出しながら支持体の軸方法に移動させ螺旋状に塗工した。塗布量としては中央部の最終的な膜厚が550μmになるようにした。その後、ゴム塗料が塗工された円筒状支持体をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で100℃まで昇温して120分加熱した。
<実施例11>
実施例10において用いたアクリル樹脂処理のシリコーン微粒子に代えて、分子構造中に窒素原子を有するイミダゾールシラン(IS1000:JX日鋼日石金属製)、表面処理に用いた溶媒をメタノールに変更した他は実施例10と同様にして、中間転写ベルトeを得た。このとき、シリコーン球形微粒子の仕事関数は5.9eV、イミダゾールシランの仕事関数は5.7eV、また粒子の投影面積率は78%であった。
<実施例12>
実施例11のシリコーン球形微粒子の投影面積率を40%になるように変更した他は実施例11と同様にして、中間転写ベルトfを得た。
<実施例13>
実施例11のシリコーン球形微粒子の投影面積率を90%になるように変更した他は実施例11と同様にして、中間転写ベルトgを得た。
<比較例5>
実施例7のベルトの処理において、表面処理剤を塗布していないこと以外は実施例7と同様にして、中間転写ベルトhを得た。このとき、シリコーン球形微粒子の仕事関数は5.9eV、粒子の投影面積率は79%であった。
<比較例6>
実施例7のベルトの処理において、表面処理剤にフッ素樹脂(ルミフロンLF916F:旭硝子製)、表面処理に用いた溶媒をMEKに変更した以外は実施例7と同様にして、中間転写ベルトiを得た。このとき、シリコーン球形微粒子の仕事関数は5.9eV、表面処理剤(フッ素樹脂)の仕事関数は5.9eV、また粒子の投影面積率は77%であった。
<比較例7>
実施例7のベルトの処理において、表面処理剤を塗布していないこと以外は実施例7と同様にして、中間転写ベルトjを得た。シリコーン球形微粒子の仕事関数は5.9eV、このとき、粒子の投影面積率は83%であった。
<比較例8>
実施例10のベルトの処理において、表面処理剤にフッ素樹脂(ルミフロンLF916F:旭硝子製)、表面処理に用いた溶媒をMEKに変更した以外は実施例10と同様にして、中間転写ベルトkを得た。このとき、シリコーン球形微粒子の仕事関数は5.9eV、表面処理剤(フッ素樹脂)の仕事関数は5.9eV、また粒子の投影面積率は82%であった。
上記各実施例、比較例の中間転写ベルトa〜kを、図7の画像形成装置に搭載し、実施例1〜6及び比較例1〜4と同様に評価を行った。
評価結果を下記表2に示す。
以上の結果より、本発明によれば、トナーの帯電性を保ち、高い転写性能を実現できる高画質な電子写真装置に搭載する中間転写ベルトを提供することができる。
(図1〜図4)
11 基層
12 表層
13 球形微粒子
14 表面処理層
(図5の符号)
101 金型ドラム
102 基層と表層を塗布したベルト
103 押し当て部材
104 球形微粒子
105 粉体塗布装置
(図6の符号)
P 転写紙
L レーザー光
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 電位センサー
205 画像濃度センサー
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
502 シール部材
503 帯電チャージャ
504 ベルトクリーニングブラシ
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
513 トナー画像
514 光学センサー
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
(図7の符号)
P 転写紙
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング部材
26 駆動ローラ
27 潤滑剤塗布装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
70 バイアスローラ
特開2011−150059号公報 特開平9−281813号公報(特許第3327111号公報) 特開2002−214927号公報 特開2002−162767号公報 特開2004−354716号公報(特許第4430892号公報) 特開2007−328165号広報 特開2009−75154号広報 特開2012−159737号公報

Claims (10)

  1. 像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えた画像形成装置に配備される中間転写ベルトであって、
    前記中間転写ベルトは少なくとも内側から順に基層と表層を備え、
    該表層表面は、表面処理剤により表面処理された球形微粒子を該表層表面に部分埋設されてなる凹凸形状または球形微粒子を該表層表面に部分埋設させた後に表面処理剤により表面処理されてなる凹凸形状を備え、
    前記表面処理剤の仕事関数が前記球形微粒子の仕事関数よりも小さいことを特徴とする中間転写ベルト。
  2. 前記球形微粒子がシリコーン微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写ベルト。
  3. 前記球形微粒子の体積平均粒径が1μm〜5μmの球形であることを特徴とする請求項1または2に記載の中間転写ベルト。
  4. 前記表層の構成材料が樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  5. 前記表層が弾性体で構成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  6. 前記表面処理剤の分子構造中に窒素原子を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  7. 前記表面処理剤は、イミダゾールシランであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  8. 前記球形微粒子が部分埋設される表層の全表面積に対して、部分埋設される球形微粒子の投影面積比率が60%以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  9. 像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えてなり、前記中間転写ベルトが請求項1乃至のいずれかに記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の像担持体を直列に配置してなることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
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