JP6169375B2 - 眼科測定方法、眼科測定装置および被検物質の評価方法 - Google Patents
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前記指標物質による薄膜が形成された角膜表面を経時的に撮像し、
前記撮像して得た複数の画像に基づいてドライスポット面積を測定し、前記測定したドライスポット面積からドライスポット面積の増加曲線を算出し、および前記増加曲線の変曲点の傾きを算出し、
前記瞬きからドライスポット発生までの時間、前記増加曲線の変曲点の傾き、および最大ドライスポット面積を出力することを特徴とする、眼科測定方法を提供するものである。
前記撮像手段により撮像された複数の画像に基づいてドライスポットを検出し、ドライスポット面積を測定し、前記測定したドライスポット面積からドライスポット面積の増加曲線を算出し、次いで前記増加曲線の変曲点の傾きを算出する画像解析手段と、
前記瞬きからドライスポット発生までの時間、前記増加曲線の変曲点の傾き、および最大ドライスポット面積を出力する出力手段とを備える、眼科測定装置を提供するものである。
前記被検物質による薄膜が形成された角膜表面を経時的に撮像し、
前記撮像して得た複数の画像に基づいてドライスポット面積を測定し、前記測定したドライスポット面積からドライスポット面積の増加曲線を算出し、および前記増加曲線の変曲点の傾きを算出し、
前記変曲点の傾きから前記被検物質によるドライスポット形成抑制の効果を評価することを特徴とする、被検物質の評価方法を提供するものである。
本発明で被検眼に投与する指標物質とは、涙液および角膜の観察を容易に行うために投与する試薬である。投与方法に限定はなく、経口投与、注射、点眼などのいずれでもよい。局所にのみ効果を発揮しうる点で点眼が好ましい。点眼試薬としては、たとえば、励起光の照射によって蛍光を発する蛍光物質を好適に使用することができる。感度に優れるからである。本発明では特に、安全性に優れ、角膜の擦過傷、潰瘍、角膜ヘルペス、ドライアイなどの眼科診断に用いられているフルオレセインまたはその誘導体を使用することが好ましい。なお、本発明において「フルオレセイン」には、フルオレセインの誘導体を含むものとする。フルオレセインであれば、後記するドライスポット面積の算出のほか、角膜の擦過傷や潰瘍なども観察できるため、併せて他の診断も行うことができる。
本発明の眼科測定方法は、角膜表面を経時的に撮像し、得られた撮像画像を解析してドライスポット面積の増加曲線と当該変曲点の傾きとを算出する点に特徴がある。ドライアイは涙液の安定性が低下し、角膜の水濡れ性が低下した場合に発生するが、水濡れ性が低いと角膜表面に均一に涙液が拡散した状態が維持できず、瞬きから間もなく涙液分布が不均一になりドライスポットが形成される。また、涙液の安定性が低下すると、角膜上に形成された涙液層も破壊されやすい。涙液の安定性と、角膜表面の水濡れ性とは異なる原因によって発生しうるが、開瞼後のドライスポット面積の広がり速度は、角膜の水濡れ性が低いほど、涙液の安定性が低いほど早い。従前には角膜の水濡れ性を評価する方法は存在しなかったが、ドライスポット面積の広がり速度、すなわちドライスポット面積の増加曲線の傾きを測定すれば、涙液の安定性と角膜の水濡れ性との双方を加味する角膜表面の新たな指標となることが判明した。しかも、開瞼後にドライスポットが発生した画像の撮像経過時は従来のBUTを意味し、前記増加曲線から最大ドライスポット面積を算出することもできるため、被検者への負担が少ない。
本発明の眼科測定方法は、角膜表面の経時的撮像と、撮像画像からドライスポットの検出およびドライスポット面積の算出などの画像解析とができれば、装置その他が限定されるものではない。好ましくは、本発明の第二に係る眼科測定装置である。従来の細隙灯顕微鏡に、撮像装置と撮像した画像の解析を行う画像解析手段、および出力手段としてプリンターなどを配設して構成することができる。細隙灯顕微鏡は眼科で多用される装置であるため画像解析手段および評価手段を導入するだけで、本発明の新たな眼科測定方法を行うことができる。図1に、本発明の眼科測定装置の概略構成を示す。
本発明の眼科測定方法および眼科測定装置によれば、瞬きからドライスポット発生までの時間、前記増加曲線の変曲点の傾き、および最大ドライスポット面積が出力される。前記増加曲線の変曲点の傾き、および最大ドライスポット面積は、涙液安定性に角膜の水濡れ性が加味された角膜表面の結果を示す。ドライアイは、生活環境の相異によって新たな発生原因などが生じるため、その種類や程度などが一義的に判断しえない場合があるが、前記増加曲線の変曲点の傾きおよび最大ドライスポット面積は、角膜表面の状態やドライアイを診断する際の新たな指標とすることができる。
本発明の第三は、被検眼に被検物質を投与した後に瞬きをして前記被検物質を角膜上に均一に拡散させ、前記被検物質による薄膜が形成された角膜表面を経時的に撮像し、前記撮像して得た複数の画像に基づいてドライスポット面積を測定し、前記測定したドライスポット面積からドライスポット面積の増加曲線を算出し、および前記増加曲線の変曲点の傾きを算出し、前記変曲点の傾きから、前記被検物質によるドライスポット形成抑制の程度を評価することを特徴とする、被検物質の評価方法である。
被検者の涙液に、フローレス眼検査用試験紙0.7mg(昭和薬品化工業株式会社製)を接触させて涙液をフルオレセインナトリウムで染色し、数回の瞬きによってフルオレセインナトリウムを角膜上に均一に拡散した。
実施例1と同様にして他の4人の被検者について、フルオレセインナトリウムを角膜上に均一に拡散し、瞬き後の角膜表面の動画を撮像した。撮像画像を二値化変換しドライスポット面積を算出し、実施例1と同様にしてゴンペルツ回帰式を算出した。被験者2のゴンペルツ曲線と回帰式とを図5に示す。被験者2のドライスポット面積の回帰式は、y=35.093×23.242exp−0.631xであり、最大ドライスポット面積は35.093、係数cは−0.631であった。次いで、K×c/eを算出して変曲点の傾きを8.149(mm2/秒)と得た。ドライスポット発生までの時間、変曲点の傾き、最大ドライスポット面積、BUT、シルマーテスト、フルオレセイン染色スコアおよびTMHを測定し、および測定した変曲点の傾きに基づいて角膜表面のグレードを評価した。結果を表1、表2に示す。
実施例1および実施例2の被検者に、0.3%ヒアルロン酸ナトリウムを1日6回点眼を4週間継続した。実施例1と同様にして、0.3%ヒアルロン酸ナトリウムの点眼開始後4週間後のドライスポット発生までの時間、変曲点の傾き、最大ドライスポット面積、BUT、シルマーテスト、フルオレセイン染色スコアおよびTMHを測定し、および測定した変曲点の傾きに基づいて角膜表面のグレードを評価した。結果を表3に示す。また、ゴンペルツ関数の係数値を表4に示す。
実施例1および実施例3と同様にして、0.3%ヒアルロン酸ナトリウムを4週間に亘り1日6回点眼した。点眼前、1週間後、4週間後に、実施例1と同様にして、ドライスポット面積の増加曲線の変曲点の傾き、最大ドライスポット面積、BUT、シルマーテスト、フルオレセイン染色スコアおよびTMHを測定した。20名の被験者を対象に測定し、その平均値を表5に示し、ドライスポット面積の変曲点の傾きの経時変化を図6に、最大ドライスポット面積の経時変化を図7に示す。なお、点眼前の測定値に対する点眼1週間後の測定値、および点眼前に対する点眼4週間後の測定値についてWilcoxonの符号付順位検定を行った。
ドライスポット面積の変曲点の傾き、および最大ドライスポット面積、およびフルオレセイン染色スコアは、点眼前の測定値に対し、点眼4週間後の群で有意差があった。これに対し、BUT、シルマーテスト、TMHでは、いずれの群でも有意差は存在しなかった。
20・・・励起フィルター、
30・・・ハーフミラー、
40・・・ろ過フィルター、
50・・・カメラ(撮像手段)、
60・・・画像解析手段、
E・・・被検眼
Claims (5)
- 被検眼に指標物質を投与した後に瞬きをして前記指標物質を角膜上に均一に拡散させ、
前記指標物質による薄膜が形成された角膜表面を経時的に撮像し、
前記撮像して得た複数の画像に基づいてドライスポット面積を測定し、前記測定したドライスポット面積からドライスポット面積の増加曲線を算出し、および前記増加曲線の変曲点の傾きを算出し、
前記瞬きからドライスポット発生までの時間、前記増加曲線の変曲点の傾き、および最大ドライスポット面積を出力することを特徴とする、眼科測定方法。 - 前記指標物質がフルオレセインであり、前記撮像が、角膜表面からの反射光をブルーフリーフィルターでろ過した後に撮像したものである、請求項1記載の眼科測定方法。
- 被検眼に指標物質を投与した後に瞬きをして前記指標物質を角膜上に均一に拡散させてなる被検眼の角膜表面の画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された複数の画像に基づいてドライスポットを検出し、ドライスポット面積を測定し、前記測定したドライスポット面積からドライスポット面積の増加曲線を算出し、次いで前記増加曲線の変曲点の傾きを算出する画像解析手段と、
前記瞬きからドライスポット発生までの時間、前記増加曲線の変曲点の傾き、および最大ドライスポット面積を出力する出力手段とを備える、眼科測定装置。 - 前記増加曲線の変曲点の傾きは、複数の測定値を下記式(1)に示すゴンペルツ関数で回帰して最大ドライスポット面積Kおよび係数cを求め、ネイピア数をeとした場合に、K×c/eから算出されることを特徴とする、請求項3記載の眼科測定装置。
- 被検眼に被検物質を投与した後に瞬きをして前記被検物質を角膜上に均一に拡散させ、
前記被検物質による薄膜が形成された角膜表面を経時的に撮像し、
前記撮像して得た複数の画像に基づいてドライスポット面積を測定し、前記測定したドライスポット面積からドライスポット面積の増加曲線を算出し、および前記増加曲線の変曲点の傾きを算出し、
前記変曲点の傾きから前記被検物質によるドライスポット形成抑制の効果を評価することを特徴とする、被検物質の評価方法。
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