JP6168291B2 - 光学部材、照明装置、および光学部材の製造方法 - Google Patents

光学部材、照明装置、および光学部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学部材に関し、特に照明装置に用いられる光学部材に関する。
照明装置に用いられる光学部材に光学性能を向上させる塗膜や波長制御機能を有する塗膜を形成し、光学部材に機能を付加する技術が知られている。
照明装置に用いられる光学部材の一例として、シーリングライト用のグローブが挙げられる。シーリングライト用のグローブは、厚さ数mmの熱可塑性樹脂板を160℃以上に加熱して軟化させ、圧縮空気を送ることによって軟化した熱可塑性樹脂板をグローブの金型(成形機)に沿わせることによって成形される。
特開2010−202714号公報 特開2010−222177号公報 特開2004−137261号公報 特開2004−143145号公報
上記のような塗膜を熱可塑性樹脂板に形成したグローブを成形する場合、熱可塑性樹脂板が軟化したときに熱可塑性樹脂板の塗膜を形成した面が成形機に貼り付いてしまうことがある。このような場合、成形後のグローブを成形機から取り外す際に、グローブの塗膜に傷や異物が付着してしまうことが課題である。
そこで、本発明は、成形時に塗膜に傷や異物が付着しにくい光学部材を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る光学部材は、表面に塗膜が形成された基材からなり、前記塗膜には、前記塗膜の表面よりも外気側に突出した複数の粒子が含まれる。
また、例えば、前記基材は、熱可塑性樹脂であり、加熱されることによって成形され、前記複数の粒子は、所定の温度以上の耐熱性を有してもよい。
また、例えば、前記複数の粒子は、160℃以上の耐熱性を有してもよい。
また、例えば、前記塗膜には、前記塗膜の樹脂成分の固形分100質量部に対して5〜50質量部の前記複数の粒子が含まれてもよい。
また、例えば、前記塗膜には、前記塗膜の樹脂成分の固形分100質量部に対して10〜40質量部の前記複数の粒子が含まれてもよい。
また、例えば、前記複数の粒子の平均粒径は、前記塗膜の膜厚よりも大きくてもよい。
また、例えば、前記複数の粒子の平均粒径は、前記塗膜の膜厚よりも小さく、前記塗膜には、前記塗膜の樹脂成分の固形分100質量部に対して10〜50質量部の前記粒子が含まれてもよい。
また、例えば、前記複数の粒子それぞれは、前記塗膜よりも表面自由エネルギーが小さくてもよい。
また、例えば、前記複数の粒子それぞれは、前記塗膜よりも比重が小さくてもよい。
また、例えば、前記複数の粒子それぞれの形状は、非球形であり、前記複数の粒子それぞれは、当該粒子内において比重の偏りを有し、当該粒子の少なくとも一部は、前記塗膜よりも比重が小さくてもよい。
また、例えば、前記複数の粒子は、前記塗膜に溶解または反応しなくてもよい。
また、例えば、前記基材および前記塗膜は、透光性を有してもよい。
また、例えば、前記光学部材は、照明装置に用いられ、前記照明装置が有する光源からの光を透過してもよい。
本発明の一態様に係る照明装置は、上記いずれかの態様の光学部材と、光源とを備える。
本発明の一態様に係る光学部材の製造方法は、複数の粒子が含まれる塗料を板状の基材の少なくとも一方の主面に塗布することによって、前記少なくとも一方の主面に前記複数の粒子の少なくとも一部が表面よりも外気側に突出した塗膜を形成し、前記塗膜が形成された前記基材を加熱成形して光学部材を生成する。
本発明によれば、成形機から取り外す際に塗膜に傷や異物が付着しにくい光学部材が実現される。
図1は、光学部材の成形方法を説明するための模式図である。 図2は、光学部材の成形方法を説明するための模式断面図である。 図3は、実施の形態1に係る照明装置の外観斜視図である。 図4は、実施の形態1に係るグローブの構成を説明するための模式断面図である。 図5は、グローブの実施例と、粒子の添加量との関係を示す表である。 図6は、各実施例に係るグローブの構成を示す模式断面図である。 図7は、グローブの製造方法のフローチャートである。 図8は、非球形の粒子を用いたグローブの構成を示す模式断面図である。
(本発明の基礎となった知見)
背景技術で説明したように、光学部材の成形時に、光学部材の塗膜が成形機に貼り付いてしまい、塗膜に傷や異物が付着してしまうという課題がある。
図1は、光学部材の成形方法を説明するための模式図である。図2は、光学部材の成形方法を説明するための模式断面図である。
図1に示されるように成形機200aには、塗膜140が形成された熱可塑性樹脂板50が、塗膜140と、成形機200aとが直接接するように配置される。
ここで、成形機200aに成形機200bを重ね合わせた状態で、熱可塑性樹脂板50を160℃程度に加熱して軟化させる。そして、成形機200a側から成形機200aおよび成形機200bの内部に圧縮空気を送り込むことにより、熱可塑性樹脂板50は、成形機200aおよび成形機200bによって定まる型に沿った形状に成形される。
最後に、成形後の熱可塑性樹脂板50を成形機200aおよび成形機200bから取り外すことにより、光学部材30が得られる。
ここで、成形後の光学部材30(または、成形前の熱可塑性樹脂板50)は、図2に示されるように、塗膜140が成形機200aと接触している。よって、成形機200aから光学部材30を取り外す際に、光学部材30の塗膜140に傷や異物が付着してしまうことが課題である。
ここで、特許文献1には、熱可塑性樹脂板50に帯電防止剤や離型剤と呼ばれる材料を添加することで、熱可塑性樹脂板50の成形性や離型性を向上させる技術が開示されている。
ところが、図2に示されるような場合、成形機200aには塗膜が接触しているため、熱可塑性樹脂板50に含まれる帯電防止剤や離型剤の効果は得られない。
また、離型性を向上させる技術として、離型剤コーティング(特許文献2)や、離型性を向上させる添加剤(特許文献3、4)などが知られている。しかしながら、これらの技術では、塗膜140と成形機200aとの接触を防ぐことができず、塗膜140に傷や異物が付着することを防ぐことができない。
そこで、本願発明者らは、塗膜140と成形機200aの物理的な接触面積を減少させ、光学部材30の離型性を向上させることによって塗膜の傷を防止する構成を見出した。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1に係る照明装置について説明する。
図3は、実施の形態1に係る照明装置の外観斜視図である。
図3に示されるように、照明装置100(照明器具)は、器具本体110と、発光モジュール120(光源)と、グローブ130(光学部材)とを備える。
照明装置100は、円形のシーリングライトである。
器具本体110は、発光モジュール120に電力を供給し、発光モジュール120を消灯および点灯させる機能を有する。器具本体110は、天井に取り付けられる。器具本体110には、グローブ130が取り付けられる。
発光モジュール120は、円環状の基板上に、発光素子であるLED(Light Emitting Diode)が複数実装されたCOB(Cnip On Board)型の発光モジュールである。
なお、発光モジュール120は、このような態様に限定されるものではない。発光モジュール120は、例えば、凹部を有する樹脂製の容器と、凹部の中に実装されたLEDチップと、凹部内に封入された封止部材(蛍光体含有樹脂)とを備えるSMD(Surface Mount Device)型の発光素子を用いた発光モジュールであってもよい。また、発光モジュール120は、発光素子として、半導体レーザ等の半導体発光素子、または、有機EL(Electro Luminescence)や無機EL等のEL素子等その他の固体発光素子を用いたものでもよい。また、発光モジュール120に代えて、環状のLEDランプや蛍光灯などの照明用光源が用いられてもよい。
グローブ130は、照明装置100に用いられ、照明装置100が有する発光モジュール120(光源)からの光を透過する光学部材であり、発光モジュール120を覆うカバーとしても機能する。グローブ130は、発光モジュール120から放出される光をランプ外部に取り出すために透光性を有する材料によって構成される。なお、透光性を有する材料には、透明な材料のみならず、その材料を通して向こう側の形状等を明確に認識できないが、光は透過する材料も含まれる。
グローブ130は、上述の図1を用いて説明した方法で成形される。なお、図1の方法で成形したグローブ130においては、グローブ130の内側の面に塗膜が形成されるが、成形機200aおよび成形機200bの構造によっては、グローブ130の外側の面に塗膜が形成される場合もある。また、グローブ130の内側および外側の両方の面に塗膜140が形成されていてもよい。
実施の形態1に係るグローブ130は、塗膜に粒子が含まれることが特徴である。図4は、グローブ130の構成を説明するための模式断面図である。
図4に示されるように、グローブ130は、表面に塗膜が形成された基材150からなり、塗膜140には、塗膜140の表面よりも外気側に突出した複数の粒子160が含まれる。そして、複数の粒子160のうち少なくとも一部の粒子160の一部分は、塗膜140の表面よりも外気側(塗膜140の基材150との接触面と反対側)に突出している。
これにより、塗膜140と成形機200aとの物理的な接触面積が減少するため、成形機200aから光学部材30を取り外す際に、光学部材30の塗膜140に傷や異物が付着する危険性を低減できる。
以下、グローブ130を構成する部材の具体例について詳細に説明する。
[基材]
基材150は、熱可塑性樹脂であれば特に限定されるものではない。基材150は、例えば、アクリル樹脂(PMMA:Poly Methyl Methacrylate)やポリカーボネート、ポリプロピレン、PET(Polyethyleneterephthalate)樹脂、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニルなどである。また、基材150は、透光性を有する。
[塗膜]
塗膜140は、熱可塑性樹脂であり、基材150と密着するものであれば特に限定されるものではない。塗膜140は、例えば、アクリル樹脂、ニトロセルロース樹脂などである。また、塗膜140は、透光性を有する。
[粒子]
粒子160は、有機・無機材料に関わらず、特に限定されるものではない。粒子160は、例えば、有機系粒子であれば、シリコーン、PMMA、MMA(Methyl Methacrylate)、スチレン、ベンゾグアナミン、ジビニルベンゼン等の粒子である。また、粒子160は、無機系粒子であれば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、チタニアなどの粒子である。
なお、粒子160は、所定の温度以上の耐熱性を有し、基材150の熱成形時に上記所定の温度で溶解または変形しないことが望ましい。より具体的には、粒子160は、160℃以上の耐熱性(粒子160が溶解または変形し始める温度が160℃以上であること)を有することが望ましい。上述のように、基材150の成形時には、基材150は加熱されるが、加熱時の温度の上限は、一般的には160℃を少し超える程度(160℃〜180℃)である。したがって、粒子160が160℃以上の耐熱性を有することにより、グローブ130の成形時に粒子160が変形せずその形状が維持され、粒子160による傷防止効果を確実に得ることができる。
また、粒子160は、塗膜140に溶解または反応しないものであることが望ましい。しかしながら、粒子160が塗膜140の表面よりも外気側に突出していれば、粒子160の一部が塗膜140に溶解または反応していてもよい。なお、ここでの「溶解または反応」は、塗膜140(塗料)に化学的に溶解し、または反応することを意味し、必ずしも粒子160が熱によって溶解し、または反応することを意味するものではない。
次に、グローブ130における、粒子160の大きさ、性質、および添加量のより好ましい例について、説明する。
図5は、グローブ130の実施例と、粒子の添加量との関係を示す表である。
図5では、粒子160の大きさおよび性質の4つの実施例(実施例1〜4)について、粒子160の添加量ごとに、成形機200aから取り外したときの塗膜140の状態が示されている。ここで、塗膜140の状態は、具体的には、基材150を塗膜140が形成された面が成形機200aと接触するように成形機200aに設置し、続いて基材150を加熱してグローブ130に成形し、さらにグローブ130を取り外したときの塗膜の状態である。また、塗膜140の状態は、塗膜140への傷や付着物の有無を意味する。
以下、4つ実施例のそれぞれについて上記図5および図6を用いて詳細に説明する。
[実施例1]
まず、実施例1について説明する。図6の(a)は、実施例1に係るグローブ130aの構成を示す模式断面図である。
実施例1において、基材150は、厚さ1.4mmのPMMA板である。
実施例1において、塗膜140は、アクリル樹脂に、近紫外線域の波長の光を吸収する機能を持ったナフタレン系ベンゾキサゾイル誘導体と、複数の粒子160aとが添加された塗料がスプレーによって基材150に塗布されることで形成される。ナフタレン系ベンゾキサゾイル誘導体は、塗膜140の樹脂成分の固形分100質量部に対して30質量部添加されている。
塗膜140の膜厚(塗膜140の厚み)は、8μmである。また、複数の粒子160aは、平均粒径11μmのシリコーン微粒子である。つまり、複数の粒子160aの平均粒径は、塗膜140の膜厚の1.4倍程度である。
以上のように、実施例1では、塗膜140の膜厚よりも粒子160aの平均粒径のほうが大きい。したがって、図6の(a)に示されるように、粒子160aの一部分は、塗膜140の表面よりも外気側に突出する。粒子160aの外気側への突出によって、塗膜140と成形機200aとの接触面積が減少するため、塗膜140への傷や付着物を減少させる効果が得られる。
実施例1における好適な粒子の添加量は、図5の「実施例1」の欄に示される。塗膜140の樹脂成分の固形分100質量部に対して粒子160aの添加量を変更した場合、粒子160aの添加量が5〜50質量部のときは、塗膜140への傷は、目視で確認し難い程度で少なく、傷防止効果が高い。特に、粒子160aの添加量が10〜40質量部のときは、ほとんど塗膜140に傷がつかず、傷防止効果がさらに高い。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。図6の(b)は、実施例2に係るグローブ130bの構成を示す模式断面図である。
実施例2において、基材150は、厚さ1.4mmのPMMA板である。
実施例2において、塗膜140は、アクリル樹脂に、近紫外線域の波長の光を吸収する機能を持ったナフタレン系ベンゾキサゾイル誘導体と、複数の粒子160bとが添加された塗料がスプレーによって基材150に塗布されることで形成される。ナフタレン系ベンゾキサゾイル誘導体は、塗膜140の樹脂成分の固形分100質量部に対して30質量部添加されている。
塗膜140の膜厚は、8μmである。また、複数の粒子160bは、平均粒径4.3μmのシリコーン微粒子である。つまり、複数の粒子160bの平均粒径は、塗膜140の膜厚の50%程度である。
以上のように、実施例2では、塗膜140の膜厚よりも粒子160bの平均粒径のほうが小さい。しかしながら、図6の(b)に示されるように、上記塗料を基材150に塗布すれば、粒子160b同士が重なり合うなどして、複数の粒子160bのうち少なくとも一部の粒子160bの一部分は、自ずと塗膜140の表面よりも外気側に突出する。粒子160bの外気側への突出によって、塗膜140と成形機200aとの接触面積が減少するため、塗膜140への傷や付着物を減少させる効果が得られる。
実施例2における好適な粒子の添加量は、図5の「実施例2」の欄に示される。塗膜140の樹脂成分の固形分100質量部に対して粒子160bの添加量を変更した場合、粒子160bの添加量が10〜50質量部のときは、塗膜140への傷は、目視で確認し難い程度で少なく、傷防止効果が高い。特に、粒子160bの添加量が20〜40質量部のときは、ほとんど塗膜140に傷がつかず、傷防止効果がさらに高い。
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。図6の(c)は、実施例3に係るグローブ130cの構成を示す模式断面図である。
実施例3において、基材150は、厚さ1.4mmのPMMA板である。
実施例3において、塗膜140は、アクリル樹脂に、近紫外線域の波長の光を吸収する機能を持ったナフタレン系ベンゾキサゾイル誘導体と、複数の粒子160cとが添加された塗料がスプレーによって基材150に塗布されることで形成される。ナフタレン系ベンゾキサゾイル誘導体は、塗膜140の樹脂成分の固形分100質量部に対して30質量部添加されている。
塗膜140の膜厚は、8μmである。また、複数の粒子160cは、平均粒径8μmの疎水性シリカ粒子である。
以上のように、実施例3では、塗膜140の膜厚と、粒子160cの粒径は、同等であるが、粒子160cは、疎水性である。言い換えれば、粒子160cは、塗膜140よりも小さい表面自由エネルギー(単位面積あたりのエネルギー:mJ/m)を有する。
したがって、図6の(c)に示されるように、上記塗料を基材150に塗布すれば、粒子160cは、塗膜140の表面よりも外気側に突出する。粒子160cの外気側への突出によって、塗膜140と成形機200aとの接触面積が減少するため、塗膜140への傷や付着物を減少させる効果が得られる。
実施例3における好適な粒子の添加量は、図5の「実施例3」の欄に示される。塗膜140の樹脂成分の固形分100質量部に対して粒子160cの添加量を変更した場合、粒子160cの添加量が5〜50質量部のときは、塗膜140への傷は、目視で確認し難い程度で少なく、傷防止効果が高い。特に、粒子160cの添加量が10〜40質量部のときは、ほとんど塗膜140に傷がつかず、傷防止効果がさらに高い。
[実施例4]
次に、実施例4について説明する。図6の(d)は、実施例4に係るグローブ130dの構成を示す模式断面図である。
実施例4において、基材150は、厚さ1.4mmのPMMA板である。
実施例4において、塗膜140は、アクリル樹脂に、近紫外線域の波長の光を吸収する機能を持ったナフタレン系ベンゾキサゾイル誘導体と、複数の粒子160dとが添加された塗料がスプレーによって基材150に塗布されることで形成される。ナフタレン系ベンゾキサゾイル誘導体は、塗膜140の樹脂成分の固形分100質量部に対して30質量部添加されている。
塗膜140の膜厚は、8μmである。また、複数の粒子160cは、平均粒径8μmの架橋ポリメタクリル酸ブチルの真球状微粒子である。
以上のように、実施例4では、塗膜140の膜厚と、粒子160dの粒径は、同等であるが、粒子160cは、塗膜140の樹脂成分よりも比重が小さい(比重が軽い)。
したがって、図6の(d)に示されるように、上記塗料を基材150に塗布すれば、粒子160dは、塗膜140の表面よりも外気側に突出する。粒子160dの外気側への突出によって、塗膜140と成形機200aとの接触面積が減少するため、塗膜140への傷や付着物を減少させる効果が得られる。
実施例4における好適な粒子の添加量は、図5の「実施例4」の欄に示される。塗膜140の樹脂成分の固形分100質量部に対して粒子160dの添加量を変更した場合、粒子160dの添加量が5〜50質量部のときは、塗膜140への傷は、目視で確認し難い程度で少なく、傷防止効果が高い。特に、粒子160dの添加量が10〜40質量部のときは、ほとんど塗膜140に傷がつかず、傷防止効果がさらに高い。
以上、グローブ130における、粒子160の大きさ、性質、および添加量のより好ましい例について、説明した。続いて、グローブ130の製造方法について説明する。
図7は、グローブ130の製造方法のフローチャートである。
まず、複数の粒子160が含まれる塗料を板状の基材150の少なくとも一方の主面に塗布することによって、複数の粒子160の少なくとも一部が表面よりも外気側に突出した塗膜140を形成する(S101)。
このとき、一般的には、一方の主面が重力上方向を向くように基材150を配置し、スプレーによって、基材150の当該一方の主面に複数の粒子160が含まれる塗料を塗布する。
ここで、粒子160の平均粒径よりも薄く塗料を塗布すれば、図6の(a)に示されるように複数の粒子160の少なくとも一部を表面よりも外気側に突出させることができる。また、粒子160の平均粒径よりも厚く塗料を塗布した場合であっても、図6の(b)に示されるように複数の粒子160が重なり合うなどして、複数の粒子160の少なくとも一部を表面よりも外気側に突出させることができる。
また、粒子160の比重が塗膜140の比重よりも小さい場合や、粒子160の表面自由エネルギーが塗膜140よりも小さいような場合は、粒子160が重力上方向に浮きあがる。このため、図6の(c)および(d)に示されるように複数の粒子160の少なくとも一部を表面よりも外気側に突出させることができる。
そして、塗料が完全に乾燥し、塗膜140が形成された基材150を、成形機200aおよび200bで加熱成形して光学部材を生成する(S102)。
具体的には、例えば、図1に示されるように成形機200aに、塗膜140と、成形機200aとが直接接するように基材150を配置する。そして、成形機200aに成形機200bを重ね合わせた状態で、基材150を160℃程度に加熱して軟化させる。そして、成形機200a側から成形機200aおよび成形機200bの内部に圧縮空気を送り込むことにより、熱可塑性樹脂板50は、成形機200aおよび成形機200bによって定まる型に沿った形状に成形され、グローブ130が生成される。
最後に、グローブ130を成形機200aおよび成形機200bから取り外す。このとき、成形機200aと塗膜140との接触面積は、粒子160によって低減されるため、成形機200aから生成されたグローブ130を取り外す際に塗膜140に傷や異物が付着しにくく、外観不良の発生が抑制される。
なお、上記成形機200aおよび200bは、圧縮空気注入方式の成形機であるが、成形機は、加熱プレス型の成形機などその他の成形機であってもよい。
以上、実施の形態1に係るグローブ130(グローブ130a〜130d)およびその製造方法、並びにグローブ130(グローブ130a〜130d)を備える照明装置100について説明した。
実施の形態1に係るグローブ130は、塗膜140の表面から粒子160が外気側に突出しているため、成形機200aと塗膜140との接触面積が小さく、成形機200aから取り外す際に塗膜に傷や異物が付着しにくい。すなわち、グローブ130によれば、高品質な照明装置100が実現される。
なお、実施の形態1では、粒子160は、球状であるとして説明されたが、粒子160の形状は、球状に限定されない。粒子160の形状は、その他の形状であっても、粒子160が塗膜の表面から外気側に突出していれば、傷防止効果が得られる。
図8は、非球形の粒子を用いたグローブの構成を示す模式断面図である。
図8に示されるグローブ130eでは、粒子160eは、楕円体(ラグビーボール形状)である。また、粒子160eは、最大粒径の方向において、一端側の比重が、他端側の比重よりも大きい。そして、粒子160eの他端側の比重は、塗膜140の比重よりも小さい。つまり、粒子160eは、最大粒径の方向において粒子160e内に比重の偏りを有し、粒子160eの少なくとも一部は、塗膜140よりも比重が小さい。
したがって、図8に示されるように、粒子160eのそれぞれは、一端側が塗膜140内に位置し、他端側が塗膜140の表面よりも外気側に突出している。このような粒子160eの突出によっても傷防止効果が得られる。
また、実施の形態1では、塗膜140は、主に、近紫外線域の波長の光を吸収する機能を有するものとして説明されたが、塗膜140の機能はこのような機能に限定されるものではなく、例えば、虫除け機能等であってもよい。
実施の形態1では、光学部材の一例としてグローブ130ついて説明したが、本発明は、塗膜が形成される光学部材であれば、フィルタ等、その他の光学部材にも適用可能である。なお、光学部材とは、光を透過させる部材(当該部材内を光が通過する部材)を意味する。
また、実施の形態1では、照明装置100がシーリングライトであるとして説明したが、照明装置の形態は、特に限定されるものではない。照明装置は、例えば、ベースライト、ダウンライト、スポットライト、デスクスタンドなどであってもよい。
なお、本発明は、これらの実施の形態またはその変形例に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態またはその変形例に施したもの、あるいは異なる実施の形態またはその変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
30 光学部材
50 熱可塑性樹脂板
100 照明装置
110 器具本体
120 発光モジュール
130、130a〜130e グローブ(光学部材)
140 塗膜
150 基材
160、160a〜160e 粒子

Claims (15)

  1. 複数の粒子が含まれる塗料を板状の透光性を有する基材の少なくとも一方の主面に塗布することによって、前記少なくとも一方の主面に前記複数の粒子の少なくとも一部が表面よりも外気側に突出した塗膜を形成し、
    前記塗膜が形成された前記基材を前記塗膜が成形機に接するように配置し、
    前記塗膜が形成された前記基材を前記成形機に沿った形状に加熱成形して光学部材を生成する
    光学部材の製造方法。
  2. 前記基材は、熱可塑性樹脂であり、加熱されることによって成形され、
    前記複数の粒子は、所定の温度以上の耐熱性を有する
    請求項1に記載の光学部材の製造方法。
  3. 前記複数の粒子は、160℃以上の耐熱性を有する
    請求項2に記載の光学部材の製造方法。
  4. 前記塗膜には、前記塗膜の樹脂成分の固形分100質量部に対して5〜50質量部の前記複数の粒子が含まれる
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。
  5. 前記塗膜には、前記塗膜の樹脂成分の固形分100質量部に対して10〜40質量部の前記複数の粒子が含まれる
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。
  6. 前記複数の粒子の平均粒径は、前記塗膜の膜厚よりも大きい
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。
  7. 前記複数の粒子の平均粒径は、前記塗膜の膜厚よりも小さく、
    前記塗膜には、前記塗膜の樹脂成分の固形分100質量部に対して10〜50質量部の前記粒子が含まれる
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。
  8. 前記複数の粒子それぞれは、前記塗膜よりも表面自由エネルギーが小さい
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。
  9. 前記複数の粒子それぞれは、前記塗膜よりも比重が小さい
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。
  10. 前記複数の粒子それぞれの形状は、非球形であり、
    前記複数の粒子それぞれは、当該粒子内において比重の偏りを有し、当該粒子の少なくとも一部は、前記塗膜よりも比重が小さい
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。
  11. 前記複数の粒子は、前記塗膜に溶解または反応しない
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。
  12. 記塗膜は、透光性を有する
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。
  13. 前記光学部材は、照明装置の外郭を構成するグローブであり、前記照明装置が有する光源からの光を透過する
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。
  14. 表面に塗膜が形成された基材からなり、
    前記塗膜には、前記塗膜の表面よりも外気側に突出した複数の粒子が含まれ、
    前記複数の粒子それぞれの形状は、非球形であり、
    前記複数の粒子それぞれは、当該粒子内において比重の偏りを有し、当該粒子の少なくとも一部は、前記塗膜よりも比重が小さい
    光学部材。
  15. 請求項14に記載の光学部材と、
    光源とを備える
    照明装置。
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