JP6164675B2 - 生体軟組織固定用デバイスおよびその作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マグネシウム系合金材料を用いた生体軟組織固定用デバイスに関する。
従来の生体軟組織固定用デバイスとして、例えば外科手術用の血管クリップでは、チタン材料などの生体内で安定な材料が用いられてきた。チタン材料を用いたデバイスでは、切開部組織の癒合、治癒後には不要となるばかりか、半永久に体内へ残存することにより、MRI(Magnetic Resonanse Imaging)やX線CT(Computed Tomography)撮像時のメタルアーティファクト(測定対象物にX線を強く吸収する金属などの密度の高い高吸収物質があったときに、撮像した画像に人為的なノイズがのるという事象)の原因となり、予後診断などに支障を来すという問題がある。
一方、生体必須元素であるマグネシウムは、軽量性から高い比強度が得られることから構造材料として注目されており、また生体適合性に優れ、生体内分解性を示すことから、生体軟組織固定用デバイスの材料としての適用が期待されている。しかしながら、純マグネシウムの延性は低く、軟組織固定時のデバイスの破断が懸念される。
最近の研究においても、生体内で分解されるデバイス用素材として種々のマグネシウム系合金材料が開発されているが、外科手術用クリップ、ステープラなど生体軟組織固定用デバイスとして用いるための変形性能が不十分であるという問題がある。
例えば、従来公知のマグネシウム系合金材料として、MgにZnと希土類元素(RE:Gd,Tb,Tmの内の1つ以上)を含有させて、長周期積層構造を有するMg−Zn−REのMg合金材料が知られている(特許文献1を参照)。しかし、希土類元素は材料として高価であり、また生体軟組織固定用デバイスとして用いるための変形性能が不十分であるという問題がある。
また、従来公知のマグネシウム系合金材料として、希土類元素を用いず安価で、生体毒性の問題もない元素からなるMg−Ca−Znの3元系のMg合金材料が知られているが(特許文献2を参照)、元素添加量が多いため、生体内での分解速度が速いことが懸念される。特許文献2に開示されたマグネシウム系合金材料は、マグネシウムの高強度化を目的としており、変形性を重視したものではなく、また、平均粒径が1μm以下でないと独特の強化組織である周期構造が形成されない。
ここで、平均粒径0.3〜2μmの結晶粒組織のMg−Ca−Znの3元系のMg合金材料(比較例となるMg合金材料)の特性について、図24および図25を参照して説明する。図24は、250℃にて熱間押出加工を施す熱間押出処理のみ実施し、焼鈍処理を施していない材料について、圧縮真応力−真ひずみ関係の特性グラフを示している。圧縮真応力−真ひずみ関係は、圧縮強度−変形量に対応している。比較例となるMg合金材料は4種類あり、Mg合金材料のCaとZnの含有量(原子%)は、図24(1)のグラフ中に記している。比較例1〜4のMg合金材料の場合、いずれの合金も真ひずみ(True strain)が0.15以下で破断していることから、変形性能が低いことが確認できる。図24(2)に、比較例4のMg合金材料について透過型電子顕微鏡で観察した画像を示す。図24(2)から、比較例4のMg合金材料の結晶粒径は1μm以下であることが確認できる。
図25は、300℃にて熱間押出加工を施す熱間押出処理のみ実施し、焼鈍処理を施していない材料について、圧縮真応力−真ひずみ関係の特性グラフを示している。圧縮真応力−真ひずみ関係は、圧縮強度−変形量に対応している。Mg合金材料のCaとZnの含有量(原子%)は、図24(1)のグラフと同様である。比較例5〜8のMg合金材料の場合、いずれの合金も真ひずみ(True strain)が0.15以下で破断していることから、変形性能が低いことが確認できる。
また、マグネシウム系合金材料によっては、合金元素の添加濃度が高くなるにつれ主成分とするマグネシウムではなく、添加元素が溶出して生成されるイオンまたは化合物の毒性が現われる問題がある。このことに鑑みて、Mgに添加する第二成分の一金属元素を、生体毒性の低い元素のみを選択し、必要以上に第二成分としての元素の濃度を高くせず、析出物および金属間化合物を含まずにマグネシウム系生体内分解性金属材料としての機能を確保する材料が知られている(特許文献3を参照)。特許文献3のマグネシウム系合金材料では、元素化合物の生体に対する毒性は、生体内における濃度(量)に依存しており、添加する元素が微量であればあるほど毒性の現われる可能性は低くなることから、生体毒性の明らかな元素を除く残りの元素について、第二成分の含有量の最高濃度をマグネシウムへの固溶限界濃度の1/3程度にしている。
そして、金属結合半径の小さい、Au,Ag,Al,Znなどよりも、金属結合半径の大きい、Ca,Yb,Gd,Inなどを添加すると定常分解速度が低くなることから、マグネシウム系合金材料において、添加する第二元素の種類と量により合金材料の耐食性を制御している。
しかし、Mgに添加する第二成分が生体必須元素であるZnやCaの場合に、その含有量をマグネシウムへの固溶限界濃度の1/3程度とする必要はない。それに加え、特許文献3では、Mg−Ca−Znの3元系のMg合金材料について何ら言及していない。
特開2009−221579号公報 国際公開パンフレットWO2013/069638 特許第5333886号公報
上述の如く、生体内で分解されるデバイス用素材として種々のマグネシウム系合金材料が開発されているが、外科手術用クリップ、ステープラなど生体軟組織固定用デバイスとして用いるための変形性能が不十分であるという問題がある。
かかる状況に鑑みて、本発明は、マグネシウム系合金材料から成るデバイスであって、外科手術に際し、切開などにより切断もしくは分離された生体軟組織(臓器、血管など)を締結するデバイスとして用いるための強度および変形性能を備え、かつ、軟組織の癒合後もしくは切開部組織の治癒後に生体内で完全分解されて排出される生体軟組織固定用デバイスを提供することを目的とする。
本発明者らは、マグネシウムに添加する生体必須元素である亜鉛、カルシウムの添加率(量)、マグネシウム系合金の作製方法を鋭意検討した結果、特定の配合のMg−Ca−Znの3元系のMg合金材料から成るデバイスが、生体軟組織固定用デバイスとして有用であることの知見を得た。
すなわち、本発明の生体軟組織固定用デバイスは、Mg−Ca−Znの3元系のMg合金材料から成るデバイスであって、Mg合金材料は、Mgに対してCaおよびZnが固溶限度内で含有され、残部がMgおよび不可避的不純物から成り、Znの含有量が0.5原子%以下であり、CaおよびZnの含有量が原子比で、Ca:Zn=1:x(但し、xは1〜3)の関係にあり、平均結晶粒径が20〜250μmの等軸結晶粒組織で構成される。
かかる構成によれば、生体軟組織固定用デバイスとしての強度および変形性能を備え、かつ、軟組織の癒合後もしくは切開部組織の治癒後に生体内で完全分解される。
ここで、Znの含有量が0.5原子%より多くなると、生体内分解速度が速くなり、生体内に埋入後の分解に伴う多量のガスが発生して、組織回復の遅延の要因となることがわかっている。そのため、Znの含有量を0.5原子%以下に制御する。また、CaおよびZnの含有量が原子比で、Ca:Zn=1:1よりもZnの含有量が小さくなると、必要な延性が得られないという問題がある。一方、Ca:Zn=1:3よりもZnの含有量が大きくなると、急速な分解速度を示すという問題がある。
本発明の生体軟組織固定用デバイスは、焼鈍処理を行うことにより、平均結晶粒径が20〜250μmの等軸結晶粒組織で構成され、強度のみならず変形性能を向上できる。なお、平均結晶粒径は、結晶粒組織の画像からリニアインターセプト法により測定している。
また、本発明の生体軟組織固定用デバイスは、Mg−Ca−Znの3元系のMg合金材料から成るデバイスであって、Mg合金材料は、Mgに対してCaおよびZnが固溶限度内で含有され、残部がMgおよび不可避的不純物から成り、Znの含有量が0.2原子%以上0.4原子%以下であり、CaおよびZnの含有量が原子比で、Ca:Zn=1:x(但し、xは2〜3)の関係にあり、平均結晶粒径が20〜250μmの等軸結晶粒組織がより好ましい。
生体軟組織が癒合する2〜8週の期間、組織を結合保持し、1年程度以内に完全分解するような生体内分解速度とするのが最も好ましく、そのためにはZnの含有量を0.2原子%以上0.4原子%以下とし、Ca:Zn=1:x(但し、xは2〜3)の関係であるのが良い。
本発明の生体軟組織固定用デバイスは、焼鈍処理を行うことにより、平均結晶粒径が20〜250μmの等軸結晶粒組織で構成され、強度のみならず変形性能を向上できる。平均結晶粒径は、例えば、結晶粒組織の画像からリニアインターセプト法により測定するとよい。
本発明の生体軟組織固定用デバイスは高い曲げ成形性が要求されるため、変形途中に結晶粒組織を分割する界面であって、結晶方位差15°以上の結晶粒界面、もしくは、結晶方位差3°以上15°未満の亜結晶粒界面が形成される材料で構成されるのが良い。結晶方位差15°以上の結晶粒界面は、大傾角粒界と呼ばれる界面であり、変形途中に結晶粒組織が明瞭に分割される。或は、結晶方位差15°未満であっても、亜結晶粒界面であれば、変形途中に結晶粒組織が分割される。なお、亜結晶粒界の結晶方位差の下限値を3°にした理由は、下限値を組織観察により確認できる結晶方位差の限界値として定義し、走査電子顕微鏡(SEM)と組み合わせて電子線を操作しミクロな結晶方位や結晶系を測定できるEBSD(Electron Back Scatter Diffraction Patterns)を用いて観察可能な最小値(=3°)に設定したからである。
また、Mg合金材料の結晶粒内には、焼鈍処理後の平均結晶粒径が20〜250μmの等軸結晶粒組織が確認されるよう熱処理にて制御するのが良い。これにより、応力集中に起因する破壊の防止につながり、常温での曲げ成形性を高くすることが可能となる。さらに、成形後は結晶組織が微細化されたことにより、強度が増加する利点を有する。
本発明の生体軟組織固定用デバイスは、生体内分解の残存率が埋入後4週間で50〜92%であり、分解に伴うガスの発生量が生体埋入時に形成される空隙の体積の2倍以上とならないという特徴がある。
また、本発明の生体軟組織固定用デバイスは、CaおよびZnの含有量をパラメータとして、生体内分解速度が制御できるという特徴がある。
次に、上記の生体軟組織固定用デバイスの作製方法について説明する。
生体軟組織固定用デバイスの作製方法は、Mg−Ca−Znの3元系のMg合金材料から成るデバイスの作製方法であって、下記1)〜7)のステップを順番に施す。
1)Mgに対してZnの含有量が0.5原子%以下、CaおよびZnの含有量が原子比で、Ca:Zn=1:x(但し、xは1〜3)の関係が成立するように、MgにCaおよびZnを固溶限度内で添加してMg合金材料を調製するステップ
2)Mg合金材料を溶解および鋳造してインゴットを作製するインゴット作製ステップ
3)インゴットを均質化熱処理する均質化熱処理ステップ
4)250〜450℃の温度範囲で熱間押出加工を少なくとも1回施す熱間押出加工ステップ
5)350〜450℃の温度範囲の焼鈍処理を行う焼鈍処理ステップ
6)所望のデバイス形状に成型する成型加工ステップ
7)デバイス表面の酸化物を含む不純物を除去する表面除去ステップ
ここで、上記5)の焼鈍処理ステップは、熱間押出加工ステップにおいて、熱間押出温度を高くし熱間押出速度を遅くすることにより、押出直後の数10秒間、インゴットを高温状態に晒すことでもよい。
また、上記5)の焼鈍処理ステップは、Mg合金材料において、Mgに対してZnの含有量が0.2原子%以上0.4原子%以下、CaおよびZnの含有量が原子比で、Ca:Zn=1:x(但し、xは2〜3)の関係が成立する場合、400℃近傍の温度で1〜8時間、焼鈍処理を施すのが好ましい。
250〜450℃の温度範囲で熱間押出加工を施すことにより、サブミクロンオーダーから10μm程度の粒径を有する等軸結晶粒組織を形成できる。
また、350〜450℃の温度範囲の焼鈍処理を行うことで、焼鈍処理後の結晶粒径が20〜250μmの等軸結晶粒組織を形成できる。
焼鈍処理は、加工硬化による内部のひずみを取り除き、結晶粒組織を成長させ、展延性を向上させる熱処理であり、クリップとして用いるのに十分な強度と延性を得るために行う。例えば、400℃の温度に加熱して、1〜8時間程度の一定時間保持した後に、大気中に放置して冷却する。結晶粒径は、結晶粒組織の画像からリニアインターセプト法により測定するが、他の公知の測定法を用いてもよい。
また、250〜450℃の温度範囲で熱間押出加工を施す熱間押出加工ステップと、350〜450℃の温度範囲の焼鈍処理を行う焼鈍処理ステップを行う替わりに、250〜400℃の温度範囲で熱間押出加工を施す第1の熱間押出加工ステップと、第1の熱間押出加工ステップにおける温度より高温で、かつ、350〜450℃の温度範囲で熱間押出加工を施す第2の熱間押出加工ステップを行ってもよい。より高温で行う第2の熱間押出加工ステップにより、焼鈍処理と同様の効果が得られるからである。
なお、第1の熱間押出加工ステップと第2の熱間押出加工ステップの2段階ではなく、更に、多い多段の熱間押出加工ステップであっても構わない。この場合、最終段の熱間押出加工ステップで、前段の熱間押出加工ステップの温度よりも高温下で加工を行うことになる。
本発明の生体軟組織固定用デバイスの作製方法では、CaおよびZnの含有量をパラメータとして、生体内分解速度を制御することができる。
本発明の生体軟組織固定用デバイスによれば、マグネシウムを主成分として、カルシウムおよび亜鉛を添加元素とする生体必須元素のみで構成されているため、生体内で分解後も安全性が保証される。また、生体軟組織を固定するための強度および変形性能を有しており、かつ、分解速度も適切にコントロールすることができるといった効果がある。
Mg−Ca−Znの3元系のMg合金材料のCaとZnの含有量を示すグラフ 生体軟組織固定用デバイスの作製フロー図 作製したクリップのひずみ分布図 焼鈍処理を施したクリップの真ひずみ(True stress)の特性を示すグラフ(1) 焼鈍処理を施したクリップの真ひずみ(True stress)の特性を示すグラフ(2) 焼鈍処理を施したクリップの真ひずみ(True stress)の特性を示すグラフ(3) 焼鈍処理を施したクリップの結晶方位解析結果を示す図 焼鈍処理を施したクリップの生体内分解性を示すグラフ 焼鈍処理を施したクリップの生体内埋入後のX線CT断面画像(1) 焼鈍処理を施したクリップの生体内埋入後のX線CT断面画像(2) チタン製デバイス(比較例1)の生体内埋入後のX線CT断面画像 Znの含有量が多いデバイス(比較例2)の生体内埋入後のX線CT断面画像 結晶粒組織写真 埋入期間と体積残存率を示したグラフ(実施例3) X線CT断面画像の再構成画像(実施例3) 血中Mgイオン濃度などの測定グラフ(実施例3) 周辺細胞組織観察結果(実施例3) EBSD法による結晶方位解析結果(実施例4) ラットのX線CT断面画像の再構成画像1(実施例4) ラットのX線CT断面画像の再構成画像2(実施例4) 焼鈍処理を施したクリップの真ひずみ(True stress)の特性を示すグラフ(4) 焼鈍処理を施したクリップの真ひずみ(True stress)の特性を示すグラフ(5) 焼鈍処理を施したクリップの真ひずみ(True stress)の特性を示すグラフ(6) 従来の微細結晶粒材料の説明図(1) 従来の従来の微細結晶粒材料の説明図(2) 本実施例のクリップの有限要素計算に用いた純マグネシウムの真応力−真ひずみ関係を示すグラフ
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
図1は、Mg−Ca−Znの3元系のMg合金材料のCaとZnの含有量を示すグラフを示している。図1に示す5つの試料(Mg合金材料No.1〜No.5)について、生体軟組織固定用デバイスとしての有用性について評価した結果を以下に説明する。5つの試料(Mg合金材料No.1〜No.5)は下記表1の通りである。
5つの試料(Mg合金材料No.1〜No.5)の作製、及びそれらのMg合金材料を用いた生体軟組織固定用デバイスの作製方法について、図2を参照して説明する。
先ず、Mgに対してCaおよびZnの含有量が原子比で、上記表1のNo.1〜5に示す量を添加してMg合金材料を調製する(S01:Mg合金材料調製ステップ)。そして、Mg合金材料を溶融し鋳造してインゴットを作製する(S02:インゴット作製ステップ)。
次に、インゴットを均質化熱処理する(S03:均質化熱処理ステップ)。そして、300℃の温度範囲で熱間押出加工を施し(S04:熱間押出加工ステップ)、塑性加工により内部の結晶粒組織を微細化する。その後、400℃の温度範囲の焼鈍処理を行う(S05:焼鈍処理ステップ)。熱間押出加工(S04)を施した後、さらに高温にて長時間保持することにより均質な素材を得ることができる。
そして、所望のクリップの形状に成型し(S06:成型加工ステップ)、クリップの表面の酸化物を含む不純物を除去する(S07:表面除去ステップ)。
作製したメッシュモデルからなるクリップについて、クリップの固定に伴うひずみ分布の有限要素解析を行った。
図3は、クリップ10の相当塑性ひずみ分布図である。図3に示すひずみ分布図は、純マグネシウム(平均結晶粒径:47μm)の材料データに基づく有限要素解析法を用いた結果である。ここで、クリップ10の有限要素計算に用いた純マグネシウムの真応力−真ひずみ関係のグラフを図26に示す。図26のグラフ中の点線は、応力が最大値に到達した後も材料は破断せず、一定値となることを仮定したプロットである。図3の左図は、V字状のクリップ(変形前のメッシュモデルであり、挟む前の開いた状態)を示しており、右図はクリップが閉じた状態を示している。図3の符号11〜15の箇所は、クリップの画像上で濃淡が異なる部分をそれぞれ示している。クリップが閉じた状態の折り曲げ部分11が最もひずみが大きな部位であり、12,13,14の順にひずみが小さくなっている。符号15の濃淡の部分は殆どひずみがない部分である。計算の結果、相当塑性ひずみの最大値は0.357であった。この0.357の値は、クリップの材料および形状により変化する。但し、クリップのサイズによっては不変である。純マグネシウムの材料パラメータと実施例で設定し作製したクリップのメッシュモデル形状について有限要素解析を行い、図3の右図の形状へ変形させた場合に、クリップモデル中での相当塑性ひずみの最大値をもって、変形に必要となる限界ひずみを0.357と決定した。すなわち、0.357の値は、一つの目標指標として、設定されたものである。従って、実施例で使用した材料が変われば、変形中のひずみ分布も変化するため、ひずみの最大値、すなわち目標指標とする限界値も変化する。本発明では、クリップの形状やサイズは限定されないので、実施例で用いるメッシュモデル形状のクリップのひずみの最大値をベンチマークとしている。
実施例で用いるメッシュモデル形状のクリップでは、ひずみ0.357以上で壊れない材料を用いることが必要である。作製したクリップでは、最もひずみが大きな部位11で、クリップは破断することなく組織を固定可能である。後述するように、本実施例で作製したマグネシウム合金では、圧縮による真ひずみ0.357で破断しない材料であることを示す実験結果が得られた。これから、本実施例で示すMg−Ca−Znの3元系のMg合金材料から成るクリップを用いて、生体軟組織の固定が可能であることがわかる。
図4は、Mg合金材料No.1(実施例A)に関して、温度350℃、400℃、450℃で1時間もしくは8時間、焼鈍処理を施したクリップの真ひずみ(True strain)の特性を示すグラフを示している。図4のグラフにおいて、横軸は真ひずみ(True strain)であり、縦軸は真応力(True stress)である。図4のグラフから、Mg合金材料No.1(実施例A)から成るクリップは、350℃で1時間、450℃で8時間の条件の場合を除き、0.357以上のひずみが生じたとしても破断しないことがわかる。すなわち、焼鈍温度が350℃のように低い場合には、1時間の熱処理では結晶粒の粗大化が不十分であり、8時間の熱処理を施すことが必要である。また、焼鈍温度が450℃のように高い場合は、1時間の熱処理で十分であり、必要値0.357以上のひずみをクリアする結晶組織を得ることができる。これに対して、8時間の熱処理では結晶組織が必要以上に粗大化するため、必要値0.357以上のひずみをクリアすることができない。これにより、最適な焼鈍温度範囲と保持時間範囲の存在が示唆された。
図5は、Mg合金材料No.5(比較例)に関して、温度350℃、400℃、450℃で1時間もしくは8時間、焼鈍処理を施したクリップの真ひずみ(True strain)の特性を示すグラフを示している。図5のグラフから、Mg合金材料No.5(比較例)から成るクリップは、必要値0.357以上のひずみをクリアするデータの再現性が無いことがわかる。
図6は、Mg合金材料No.1(実施例A)から成るクリップで、400℃で1時間、2時間、4時間、8時間の4通りの焼鈍処理を施したクリップの真ひずみ(True strain)の特性を示すグラフを示している。図6のグラフから、Mg合金材料No.1(実施例A)から成るクリップは、焼鈍処理が8時間の場合、真ひずみ(True strain)の特性が向上する場合と低下する場合がある。Mg合金材料No.1の素材はカルシウムおよび亜鉛といった主要な溶質原子の濃度が低いため、焼鈍時間を8時間とした場合には、溶質原子による結晶粒界のピン止め効果が低くなり、部分的に結晶組織が粗大化しやすいことが考えられる。このことは、溶質原子濃度が低い場合には焼鈍時間が長い場合に、必要値を満足しなくなる可能性があることを示唆している。このことから、焼鈍処理について最適な保持時間範囲の存在が示唆されたことになる。
ここで、0.357以上のひずみが生じたとしても破断しない材料の結晶粒組織について説明する。図13(1)〜(3)は、それぞれ、Mg合金材料No.1(実施例A)に関して、温度350℃で8時間、400℃で2時間、450℃で1時間、焼鈍処理を施したクリップの結晶粒組織写真を示している。350℃で8時間、400℃で2時間、450℃で1時間、焼鈍処理を施したクリップは、図4と図6に示されるように、0.357以上のひずみが生じたとしても破断しないものである(350℃で8時間は図4参照、400℃で2時間は図6参照、450℃で1時間は図4参照。)。図13(1)〜(3)の結晶粒組織写真から、焼鈍処理を施したクリップの結晶粒径は、小さいもので20μm程度、大きいもので250μm程度であることが確認できる。
図21は、Mg合金材料No.2(実施例B)から成るクリップで、400℃で1時間、2時間、4時間、8時間の4通りの焼鈍処理を施したクリップの真ひずみ(True strain)の特性を示すグラフを示している。図21のグラフから、Mg合金材料No.2(実施例B)から成るクリップにおいて、4時間または8時間の焼鈍処理を施したものは、真ひずみ(True strain)の特性が向上する場合と低下する場合が確認されたが、1時間または2時間の焼鈍処理を施したものは、真ひずみ(True strain)の特性が向上することが確認された。このことから、Mg合金材料No.2(実施例B)から成るクリップにおいて、焼鈍処理について最適な保持時間範囲の存在が示唆されたことになる。
図22は、Mg合金材料No.3(実施例C)から成るクリップで、400℃で1時間、2時間、4時間、8時間の4通りの焼鈍処理を施したクリップの真ひずみ(True strain)の特性を示すグラフを示している。図22のグラフから、Mg合金材料No.3(実施例C)から成るクリップにおいて、4時間および8時間の焼鈍処理を施したものは、真ひずみ(True strain)の特性が向上する場合と低下する場合が確認されたが、1時間または2時間の焼鈍処理を施したものは、真ひずみ(True strain)の特性が向上することが確認された。このことから、Mg合金材料No.3(実施例C)から成るクリップにおいて、焼鈍処理について最適な保持時間範囲の存在が示唆されたことになる。
図23は、Mg合金材料No.4(実施例D)から成るクリップで、400℃で1時間、2時間、3時間、4時間、8時間の5通りの焼鈍処理を施したクリップの真ひずみ(True strain)の特性を示すグラフを示している。図23のグラフから、Mg合金材料No.4(実施例D)から成るクリップにおいて、3時間の焼鈍処理を施したものは、真ひずみ(True strain)の特性が向上することが確認された。また、4時間の焼鈍処理を施したものは、真ひずみ(True strain)の特性が向上する場合と低下する場合が確認された。しかし、1時間,2時間および8時間の焼鈍処理を施したものは、必要値0.357以上のひずみをクリアするデータの再現性が無いことが確認された。これらのことから、Mg合金材料No.4(実施例D)から成るクリップにおいて、焼鈍処理について最適な保持時間範囲の存在が示唆されたことになる。
次に、作製したクリップについて、走査電子顕微鏡(SEM)と組み合わせて電子線を操作し、ミクロな結晶方位や結晶系を測定できるEBSD法を用いた結晶方位解析を行い、塑性変形挙動を解明した結果について説明する。
図7(1)(2)は、焼鈍処理を施した円柱試験片の結晶方位解析結果を示す。図7(1)はMg合金材料(No1:実施例A)を真ひずみ0.123まで圧縮した後に荷重を除荷し、回収した圧縮試験片内部の結晶粒組織構造を、図7(2)はMg合金材料(No1:実施例A)からなる円柱試験片を真ひずみ0.193まで圧縮した後に荷重を除荷し、回収した圧縮試験片の内部の結晶粒組織構造を示している。結晶粒組織構造のひずみの値は、それぞれの状態の円柱試験片の圧縮試験により得られた“荷重−変位の関係(曲線)”から、“公称応力(Nominal stress:σ)−公称ひずみ(Nominal strain:ε)の関係(曲線)”を求め、“真応力(True stress:
σ=σ(1−ε))−真ひずみ(True strain:ε=−ln(1−ε))の関係(曲線)”より算出した。ここで、公称応力は、荷重を初期断面積で割ったものであり、公称ひずみは、(試験片の初期高さ−変形後の高さ)を試験片の初期高さで割ったものである。
図7(2)に示すクリップを閉じた状態、すなわち、変形途中のMg合金材料の結晶粒内には、数μmごとに数度の方位差を有する界面が確認される。このことから、サブグレイン(亜結晶粒)形成により、変形にともない蓄積されるひずみが消失し、いわゆる動的回復が起こることで応力集中によるクラック(微視的亀裂)の形成が回避され、延性の向上に寄与していることがわかる。
図8は、焼鈍処理を施したクリップの生体内分解性を示すグラフである。これは体液を模した溶液(E−MEM:10%FBS,CO濃度:5%,37℃)に一定期間浸漬させたin vitroの試験結果である。
図8のグラフの左側は、Mg合金材料No.1〜No.3に関して、生体内と同様の環境を構築し、作製したクリップを静置環境で4週間経過後のクリップの体積残存率を示すものであり、グラフの右側は、Mg合金材料No.1およびNo.2に関して、生体内と同様の環境を構築し、作製したクリップを、ゆっくりと還流させた上記溶液中に4週間放置、すなわち循環環境で4週間放置した後のクリップの残存率を示すものである。ここで、体積残存率は、CT観察画像より算出したマグネシウム合金の残存体積を、浸漬前の体積で除した結果、求まる比率とした。
図8のグラフから、静置環境で4週間経過後のクリップの体積残存率が何れも90%以上であり、循環環境で4週間経過後のクリップの残存率が何れも85%以上であり、生体軟組織固定用デバイスとしての生体内分解速度は適当であることがわかる。また、上記の体液を模した溶液に一定期間浸漬させたin vitroの試験方法によると、Mg合金材料No.1(実施例A)、No.2(実施例B)、No.3(実施例C)の順に体積残存率が多いことから、この順に生体内分解速度が遅くなっていることがわかる。また、このことから、生体内分解速度はCaおよびZnの濃度で調整が可能であることがわかる。
以上述べたように、Mg合金材料No.1〜No.3を用いるデバイスは、生体軟組織固定用デバイスとして有用であることが明らかとなった。
実施例2では、作製した生体軟組織固定用デバイスの生体内分解性および安全性について確認したので、以下に説明する。
図9および図10は、実施例1と同様の作製方法、すなわち焼鈍処理を施したU字状の生体軟組織固定用デバイスを、マウスの生体内へ埋入した後のX線CT断面画像を示している。
生体軟組織固定用デバイスは、埋入後、7日、14日、28日経過した後も、U字状の形状を維持していることをX線CT断面画像から確認した。
図9(1)は、マウスへ埋入した後、7日経過後の画像である。図9(2)は、マウスへ埋入した後、14日経過後の画像である。いずれの場合も、空隙の体積は埋入直後からの変化は僅かであるため、ガスが発生した量は極微少であり、急速なガス発生は認められないことがわかる。
図10(1)は、マウスへ埋入した直後のX線CT断面画像の再構成画像である。図10(2)は、マウスへ埋入した後、28日経過後のX線CT断面画像の再構成画像である。再構成したデバイス形状から、28日経過後では、均一分解による体積減少が認められるものの、U字状の形状を維持していることがわかる。これにより、デバイスが部分的に欠損することなく、期間中の締結性能を維持していることがわかる。なお、X線CTならびに摘出時の周辺組織目視観察により、病変は見られないことを確認した。
ここで、比較例として、チタン製デバイス(比較例1)とZnの含有量が多いデバイス(比較例2)の生体内分解性について述べる。
図11は、チタン製デバイス(比較例1)の生体内埋入後のX線CT断面画像を示している。また、図12は、Znの含有量が6原子%のデバイス(比較例2)の生体内埋入後のX線CT断面画像を示している。
チタン製デバイス(比較例1)の場合、マウスへ埋入した後、28日経過後も分解されないままの形状を維持していることがわかる(図11を参照)。なお、図示しないが、チタン製デバイス(比較例1)の場合、X線CT断面画像におけるアーティファクトの影響が大きく、生体組織の観察は困難と言える。
一方、亜鉛を6原子%と多量に含むMg合金材料では、生体内分解速度が速いため7日経過後に生体内分解に伴う多量のガス(水素)が発生した。図12(1)は、マウスへ埋入した後、7日経過後のX線CT断面画像を示している。図12(1)では、デバイスが消失した後のガス溜まりの痕跡を示す黒い空間領域があり、空間領域の縁辺りに明るい部分があり、残存クリップである金属組織や骨を確認できた。
また、14日経過後には金属組織は完全に分解され、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの化合物へと変化し、マウスの生体内にデバイスの腐食生成物が残存していた。図12(2)は、マウスへ埋入した後、14日経過後のX線CT断面画像を示している。腐食生成物は、骨より低いコントラストになるため、軟組織に埋もれてしまい解り難いが、図12(2)では、腐食生成物(リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム)の部分を確認できた。
上記の2種類の比較例1,2の材料の経時変化と比べ、本発明の生体軟組織固定用デバイスでは、多量のガス発生に伴う組織回復の遅延を回避できる効能、生体内における適切な期間の締結保持性能、生体に対する低い為害性を有することがわかる。
<マウス腹部皮下への埋入試験>
先ず、実施例2と同じ方法で作製したクリップ(以下、本実施例のクリップという)をマウス腹部皮下へ埋入した実験の結果を説明する。比較例として、チタン製クリップ(比較例1)とZnの含有量が6原子%のクリップ(比較例2)についても同様に、マウス腹部皮下へ埋入して実験を行った。
外観観察したところ、埋入して1週間経過後、本実施例のクリップとチタン製のクリップ(比較例1)では、ガス発生による空隙の成長は見受けられなかったが、Znの含有量が多い比較例2のクリップは、大きな空隙の成長が見られた。これは、Znの含有量が多い比較例2のクリップでは、生体内分解速度が速いため1週間経過後に生体内分解に伴う多量のガス(水素)が発生したためと考えられる。
図14は、本実施例のクリップについて埋入期間と体積残存率を示したグラフである。グラフは、試験に利用したマウス3匹の平均値をプロットしている。図14に示すように、本実施例のクリップはマウス生体内で経時とともに体積減少するが、埋入後1ヵ月(4週経過後)で70%、埋入後3ヵ月(12週経過後)で50%となっていた。
図15(a)〜(e)は、それぞれ、マウスに埋入後1週間経過後、2週間経過後、3週間経過後、4週間経過後、12週間経過後の本実施例のクリップのX線CT断面画像の再構成画像を示す。図15から、本実施例のクリップは、12週間経過時点で、埋入時のクリップの形状を留めていることを確認した。
次に、埋入後12週経過後までの生体内の血中Mgイオン濃度などを測定した結果を示す。下記表2に測定対象を示す。また、血清検査のデータについて統計的な分析を行った。なお、統計分析は、データが正規分布であると仮定し、分散性をF検定によって判断し、その後、等分散であったものにはスチューデントのt検定を、不等分散であったものにはウェルチのt検定を用いて分析し、全ての分析で有意水準をp < 0.05と設定した。
図16に、埋入後12週経過後までの生体内の血中Mgイオン濃度などの測定結果のグラフを示す。図16(1)〜(5)のそれぞれのグラフは、作製したクリップ(本実施例)、チタン製クリップ(比較例1)及びZnが多いクリップ(比較例2)のそれぞれについて、1週経過後、2週経過後、3週経過後、4週経過後、12週経過後のMg,CRE,AST,ALP及びALTの数値を示している。バーグラフにおいて、所定時間経過後データは、比較例1、比較例2、本実施例の順番で左から右に3つのバーを各々並べて示している。また、それぞれのグラフの右端のバーは、開腹せず何も埋入しない正常のマウスをコントロールとし、4週経過後の数値を示している。なお、グラフのデータは3匹のマウスのデータの平均値としている。
埋入後12週経過後までの血中Mgイオン濃度を測定した結果から、有意性の有る濃度増加は認められないため、溶出イオンは体外排出されていることが確認できる。
図17に、埋入後2週経過後の周辺の細胞組織観察の結果を示す。図17(1)〜(3)は、作製したクリップ(本実施例)、チタン製クリップ(比較例1)及びZnが多いクリップ(比較例2)のそれぞれのクリップを埋入した周辺細胞組織について、ヘマトキシリン(Haematoxylin)・エオジン(Eosin)染色(HE染色)とシリウスレッド(Sirius red)によるSR染色を施した結果を示している(左画像がHE染色、右画像がSR染色)。
作製したクリップ(本実施例)を埋入した周辺の細胞組織およびチタン製クリップ(比較例1)を埋入した周辺の細胞組織の細胞観察からは、炎症反応が見られず、周辺細胞組織は正常であり、本実施例のクリップの生体安全性が確認された。一方、Znが多いクリップ(比較例2)を埋入した周辺の細胞組織観察では、線維状の形態が見られず、細胞間基質(細胞壁)が壊れており、細胞中の核が形成されておらず、組織が壊死している様子が確認された。
<ラットを用いた血管吻合試験>
実施例4では、実施例2および実施例3のクリップの作製方法とは異なり、熱間押出加工ステップにおいて、熱間押出温度を高くし熱間押出速度を遅くすることにより、押出直後の数10秒間、インゴットを高温状態に晒して、熱間押出加工ステップの直後に焼鈍処理ステップを行って作製したクリップについて、生体内分解性および安全性について確認したので、以下説明する。
実施例4のクリップは、実施例1で示した上述の表1におけるNo.1のMg合金材料におけるZnおよびCaの含有量としている。より詳しくは、Mgを99.69原子%に対して、0.1原子%のCa及び0.21原子%のZnを添加して、溶解および鋳造してインゴットを作製し、そのインゴットを均質化熱処理した。熱処理した後のインゴットを、350℃で1段階目の熱間押出加工を施し、直径90mmのインゴットを直径22mmに加工した。直径22mmを切削加工して直径20mmとし、410℃で2段階目の熱間押出加工を施し、V型断面に加工した。2段階目の熱間押出直後に、400〜410℃にて数10秒間晒して焼鈍処理を行った。その後、クリップ表面の酸化物を含む不純物を除去した。
作製したクリップについて、走査電子顕微鏡(SEM)と組み合わせて電子線を操作し、ミクロな結晶方位や結晶系を測定できるEBSD法を用いた結晶方位解析を行った結果を、図18に示す。図18に示す結晶方位解析結果から、作製したクリップの結晶組織は、等軸結晶粒組織であることを確認した。また、切片法を用いて作製したクリップの結晶組織の平均結晶粒径を測定したところ、クリップのV字谷部付近は28.8(μm)、V字山部付近で31.5(μm)であった。
作製したクリップは、平均結晶粒径が凡そ30(μm)で等軸結晶粒組織であることが確認された。このクリップのV字を閉じた状態では、図7で説明したように、結晶粒内に数μmごとに数度の方位差を有する界面が現れ(サブグレインが形成され)、変形にともない蓄積されるひずみが消失し、応力集中によるクラックの形成が回避されるので(応力集中の緩和)、優れた変形性能を有する。
次に、作製したクリップを用いて、ラットの肝臓の一部に繋がっている血管と胆管を吻合した結果について説明する。ラットの腹部を切開し、肝臓の一部に繋がっている血管と胆管を合せて、V字状のクリップを閉じて吻合した。その後、肝臓を切除した。
切除後の1週経過後と4週(1ヵ月)経過後におけるラットの胸部のX線CT断面画像の再構成画像を図19に示す。図19において、(1)は切除後の1週経過後、(2)は切除後の4週(1ヵ月)経過後の再構成画像を示している。図19(1)(2)において、(a)は本実施例のクリップで吻合したもの、(b)は比較例1のクリップで吻合したものである。
図19に示されるように、肝臓切除後、すなわち、血管および胆管の切断後、4週間経過後もラットが生存していること、及びX線CTによる多量のガス発生が無いこと及びクリップの開口が認められないことから、期待されたクリップの締結性能が維持されていることが推察できる。
また、クリップは、ラットの生体内にて均一に分解が進み、一定期間は締結性能を維持したのち、最終的には分解されて排出されることが予想される。これにより、安全性を有する生体内分解性クリップを実現できる可能性が確認された。
図20は、ラットのX線CT断面画像を示している。図20において、(1)は切除後の1週経過後、(2)は切除後の4週(1ヵ月)経過後のX線CT断面画像である。図20(1)(2)は、いずれも本実施例のクリップで吻合した場合を示している。本実施例のクリップでは、従来のチタン製クリップを使用した際のX線CT撮像時のメタルアーティファクトが生じ難く、画像修正することなく、明確に生体組織が観察できることがわかる。
本発明の生体軟組織固定用デバイスは、生体軟組織が癒合する2〜8週の期間、組織を結合保持でき、1年程度で完全に分解した後、排出されることから、外科手術用クリップ、ステープラなどに有用である。
10 クリップ

Claims (9)

  1. Mg−Ca−Znの3元系のMg合金材料から成るデバイスであって、
    前記Mg合金材料は、
    Mgに対してCaおよびZnが固溶限度内で含有され、残部がMgおよび不可避的不純物から成り、Znの含有量が0.5原子%以下であり、CaおよびZnの含有量が原子比で、Ca:Zn=1:x(但し、xは1〜3)の関係にあり、
    平均結晶粒径が20〜250μmの等軸結晶粒組織であることを特徴とする生体軟組織固定用デバイス。
  2. Mg−Ca−Znの3元系のMg合金材料から成るデバイスであって、
    前記Mg合金材料は、
    Mgに対してCaおよびZnが固溶限度内で含有され、残部がMgおよび不可避的不純物から成り、Znの含有量が0.2原子%以上0.4原子%以下であり、CaおよびZnの含有量が原子比で、Ca:Zn=1:x(但し、xは2〜3)の関係にあり、
    平均結晶粒径が20〜250μmの等軸結晶粒組織であることを特徴とする生体軟組織固定用デバイス。
  3. 変形途中に前記結晶粒組織を分割する界面であって、結晶方位差15°以上の結晶粒界面、もしくは、結晶方位差3°以上15°未満の亜結晶粒界面が形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の生体軟組織固定用デバイス。
  4. 生体内分解の残存率が埋入後4週間で50〜92%であり、分解に伴うガスの発生量が生体埋入時に形成される空隙の体積の2倍以上とならないことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の生体軟組織固定用デバイス。
  5. 前記CaおよびZnの含有量をパラメータとして、生体内分解速度が制御されたことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の生体軟組織固定用デバイス。
  6. 請求項1に記載のMg−Ca−Znの3元系のMg合金材料から成るデバイスの作製方法であって、
    Mg合金材料中でZnの含有量が0.5原子%以下、CaおよびZnの含有量が原子比で、Ca:Zn=1:x(但し、xは1〜3)の関係が成立するように、MgにCaおよびZnを固溶限度内で添加してMg合金材料を調製するステップと、
    Mg合金材料を溶解および鋳造してインゴットを作製するインゴット作製ステップと、
    インゴットを均質化熱処理する均質化熱処理ステップと、
    250〜450℃の温度範囲で熱間押出加工を少なくとも1回施す熱間押出加工ステップと、
    350〜450℃の温度範囲の焼鈍処理を行う焼鈍処理ステップと、
    所望のデバイス形状に成型する成型加工ステップと、
    デバイス表面の酸化物を含む不純物を除去する表面除去ステップ、
    を備えたことを特徴とする生体軟組織固定用デバイスの作製方法。
  7. 請求項1に記載のMg−Ca−Znの3元系のMg合金材料から成るデバイスの作製方法であって、
    Mg合金材料中でZnの含有量が0.5原子%以下、CaおよびZnの含有量が原子比で、Ca:Zn=1:x(但し、xは1〜3)の関係が成立するように、MgにCaおよびZnを固溶限度内で添加してMg合金材料を調製するステップと、
    Mg合金材料を溶解および鋳造してインゴットを作製するインゴット作製ステップと、
    インゴットを均質化熱処理する均質化熱処理ステップと、
    250〜400℃の温度範囲で熱間押出加工を施す第1の熱間押出加工ステップと、
    第1の熱間押出加工ステップにおける温度より高温で、かつ、350〜450℃の温度範囲で熱間押出加工を施す第2の熱間押出加工ステップと、
    所望のデバイス形状に成型する成型加工ステップと、
    デバイス表面の酸化物を含む不純物を除去する表面除去ステップ、
    を備えたことを特徴とする生体軟組織固定用デバイスの作製方法。
  8. 前記CaおよびZnの含有量をパラメータとして、生体内分解速度を制御することを特徴とする請求項6又は7に記載の生体軟組織固定用デバイスの作製方法。
  9. 前記Mg合金材料において、Mg合金材料中でZnの含有量が0.2原子%以上0.4原子%以下、CaおよびZnの含有量が原子比で、Ca:Zn=1:x(但し、xは2〜3)の関係が成立する場合、
    前記焼鈍処理ステップは、400℃近傍の温度で1〜8時間、焼鈍処理を施すことを特徴とする請求項6に記載の生体軟組織固定用デバイスの作製方法。
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