JP6163858B2 - ラビング処理装置および液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

ラビング処理装置および液晶表示装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示装置を製造する際において、液晶を配向させる配向膜を形成するため
に行われるラビング処理に関するものである。
液晶表示装置を構成する液晶パネルにおいて、パネル内側の液晶と接する基板面には、表
面に微細な一定方向の溝を持つことにより液晶を配向させる配向膜が形成されている。こ
の様な微細な溝を配向膜に形成する為の表面処理としては、表面に微細な毛(パイル=繊
維)が植毛された布材であるラビング布により配向膜表面をこすることによるラビング処
理が、古くから一般的に用いられる。このラビング処理においては、処理中に発生した静
電気に起因したラビング布表面のパイルの乱れ、ラビング布自体が元から持っているパイ
ルの傾斜、よれ、ねじれ、局所的なパイルの飛び出しによって、配向方向が、全体的に、
或いは局所的に、所望の方向に対してズレを生ずるなど、配向異常を引き起こし、歩留ま
りを低下させる場合がある。
また、図15(a)に示すように、ラビング処理されるガラス基板SUB上には、ラビン
グ処理されることが必要な表示領域DAと、ラビング処理される必要の無い領域、寧ろ、
処理されることにより悪影響を及ぼす恐れのある領域が混在して配置される。特に表示領
域近傍に配置される端子電極の設けられる端子領域TAにラビング処理がされると、端子
電極とラビングローラRRの布の接触によって、パイルが局所的に倒れてしまうことや、
逆に飛び出してしまうことがあり、それら局所的な異常部分により、別の基板における表
示領域DAにラビング処理されることで、配向異常を引き起こす場合もある。
上記のラビング処理される必要の無い領域に対してラビング処理が行われることによる不
具合を防ぐ方法として、図15(b)に示すように、ラビング処理を行いたい所望の領域
のみを開口するラビングマスクMSKを介したラビング処理となるマクスラビング処理が
ある。このマスクラビング処理の際、ラビングマスクMSK端部(マスクMSK外形端部
あるいはマスク開口OP端部)と布の接触によってパイルが局所的に飛び出してしまうこ
とや、パイル自体が脱落してしまうこともあり、飛び出したパイル部分、或いはパイルが
脱落した部分により配向異常を引き起こす場合もある。また、パイルが脱落してしまった
場合には、脱落したパイルが基板SUB上に付着し、ラビング布と基板SUB間に脱落し
たパイルを介して処理が行われることや、当該パイルが配向膜表面に付着したまま残存し
てしまうことなど、何れにしても、所望の配向状態が得られない部分を生じ、結果的には
配向異常が発生する。
また、このラビングマスクMSK端部と布の接触によって発生した脱落したパイルや、多
数の基板がラビング処理される際に基板表面の配向膜材料であるポリイミド膜が部分的に
剥がれて生じた配向膜クズについては、ラビングステージSTと基板SUB端面により形
成される段差部や、ラビングマスクMSK端部と基板SUB表面により形成される段差部
において堆積されることが多い。更に、基板が処理される際に、基板端面やラビングマス
ク端部とラビング布が接触されることで、これら基板SUB端部やラビングマスクMSK
端部に堆積されていたパイルや配向膜クズDSTが、再度、ラビング布や基板SUB上に
付着し、先に説明したような基板上に付着した脱落パイルが引き起こすのと同様の配向異
常を引き起こすこともある。
さらに、昨今では、広視野角化に有利であり、何れの視野範囲でも高い表示品位得られる
ことから、画素電極と対向電極との間に電圧を印加し、パネルにほぼ水平な電界を発生さ
せ、液晶分子を水平方向で駆動する横電界方式の液晶パネルが主流となりつつある。この
横電界方式の液晶パネルには、広義の従来からの横電界方式の液晶パネルとなるインプレ
インスッチング(In Plane Switching)方式と、その中で、特に高輝
度化あるいは低消費電力化を実現できるフリンジフィールドスッチング(Fringe
Field Switching:FFS)方式の液晶パネルが知られている。これら、
横電界方式の液晶パネルにおいては、より高い表示品位の向上が求められており、その為
には、液晶の配向状態に関して、より高い一軸方向性を得ることが必要とされている。従
って、その液晶の配向状態を決定することとなる製造時における配向処理工程においては
、高い一軸方向性を有した配向状態を得るために、以前には問題とされなかった僅かな配
向異常領域に対しても改善が必要となりつつある。
上記のような配向異常を生ずる要因となる好ましくないラビング布の表面状態は、多数の
基板に対してラビング処理をすることで生ずるラビング布のダメージによりなることが多
いことから、このようなラビング処理時の配向異常を抑えるためには、多くの基板を処理
したことにより発生するダメージの生じていないラビング布で処理することが、比較的容
易に行うことのできる直接的な対処策となる。つまり、ラビング布の交換頻度を高める運
用により、ある程度改善することはできる。但し、交換頻度を高めることは、ラビング布
のコスト増加を生ずるとともに、処理能力についても大幅に低下する。
また、このようなラビング処理時の配向異常の防止が期待される方法として、幾つかの方
法が提案されている。特許文献1および特許文献2には、ラビングマスクの基板に対する
密着度を上げること、あるいは、マスク開口の縁部の厚みを薄くすることなどにより、ラ
ビングマスク端部により形成される段差部を減らし、これらラビングマスク端部と基板表
面により形成される段差部を起因とする配向異常を抑制させようとする方法が開示されて
いる。更に特許文献3には、接地(あるいは所定の電位になるよう外部と)接続された導
電性のラビングマスクを介してラビング処理することにより、ラビング布が帯電すること
で布の毛がねじれ、毛の当たり方が不均一となることによるスジ状の配向異常の発生を防
止しようとする方法が開示されている。
特開平9−15602号公報 特開平8−106091号公報 特開2006−39125号公報
然しながら、特許文献1、特許文献2のどちらの構成においても、表示面内ラビング時に
発生した静電気によるラビング布表面のパイルの乱れや、ラビング布自体が元から持って
いるパイルの傾斜、よれ、ねじれ、局所的なパイルの飛び出しなどのラビング布表面状態
の悪化による配向異常を防ぐことはできない。また、特許文献1では、マスク開口の縁部
の厚みは薄くされ、基板表面に密着されることから、マスク端部と基板表面により形成さ
れる段差は殆ど形成されず、マスク端部と基板表面により形成される段差を起因とする配
向異常については防ぐことができるかもしれないが、マスク端部の内側には、薄くされた
マスクの最端部との間に形成される段差部が残存する。従って、この段差部がマスク最端
部に代わって布と接触することとなり、同様の配向異常が発生することが懸念される。
また、特許文献3の方法においては、ラビング布の帯電が抑制され、布表面の状態が悪く
なることが緩和されることは期待できる。然しながら、ラビング処理前での何らか要因に
よる帯電、或いはラビングマスクで覆われてない部分、つまり表示面内の基板表面を擦る
際に発生した静電気による帯電などにより、一旦、布表面のパイルに傾斜、よれ、ねじれ
を生ずるなど、ラビング布表面の状態が悪くなってしまうと、元に戻す作用を殆ど有して
ないことから、その後に処理される基板に対しては、配向異常を防ぐことはできない。つ
まり、多数の基板に対しラビング処理を行うに際し、安定して上記ラビング布表面の状態
の悪化を起因とする配向異常の発生を防ぐことはできない。
本発明は、上記説明の様な課題を解決するためになされたものであり、その目的は、処理
能力を落とすことなく表示面内ラビング時に発生した静電気によるラビング布の乱れや、
ラビング布自体が元から持っている布表面のパイルの傾斜、よれ、ねじれ、局所的なパイ
ルの飛び出しなどのラビング布表面状態の悪化による配向異常を防ぐこと、或いはラビン
グマスク端部と布の接触による配向異常についても防ぐことを可能とするラビング処理装
置、ラビング処理方法、および液晶表示装置の製造方法を得るものである。
本発明のラビング処理装置においては、ラビング処理方向と平行方向に延在して設けられる凹凸形状を表面に有し、処理される基板の配向処理が必要な領域に対応して開口される開口部を有したラビングマスクを備え、そのラビングマスクが導電性材料よりなり接地接続され、前記開口部が複数配列して設けられ、前記凹凸形状が当該複数の開口部の間の部分の表面にも形成されるもの、或いは、ラビング処理方向と平行方向に延在して設けられる凹凸形状を表面に有し、処理される基板の配向処理が必要な領域に対応して開口される開口部を有したラビングマスクを備え、そのラビングマスクが導電性材料よりなり接地接続されるとともに、前記開口部の形成される第1のパーツと前記第1のパーツが取り付けられる枠部分となる第2のパーツの二つの部材を組み合わせて構成されるものである。
ラビング処理時において、処理能力を落とすことなく、ラビング処理途中において、ラビング布表面の状態を悪化させる様々な条件の変動が生じた場合も含め、帯電を除去しながらラビング布自体の傾斜、布のよれ、ねじれ、局所的に飛び出したパイルを常に一定方向に矯正でき、整えた直後にパネル面を処理できることから、一軸方向性の高い配向処理が出来る。或いは、当該ラビング処理時に用いるラビング処理方向と平行方向に延在して設けられる凹凸形状を表面に有し、処理される基板の配向処理が必要な領域に対応して開口される開口部を有したラビングマスクについて、適宜、開口部の形成されるパーツと当該パーツが取り付けられる枠部分となるパーツの二つの部材を組み合わせて構成することにより、それぞれのパーツを別部材とすることや、別々に製造することなど、自由に設定することが容易となる。
本発明の実施の形態1のラビング処理装置の概略斜視図である。 本発明の実施の形態1のラビング処理装置の概略断面図である。 本発明の実施の形態1のラビングマスクの概略図である。 本発明の実施の形態1のラビング処理装置の拡大断面図である。 本発明の実施の形態1のラビングマスクの拡大断面図である。 本発明の実施の形態1のラビング処理装置の動作説明図である。 本発明の実施の形態1と変形例のラビング処理装置の概略断面図である。 本発明の実施の形態2のラビングマスクの概略図である。 本発明の実施の形態2のラビング処理装置の動作説明図である。 本発明の実施の形態2変形例のラビング処理装置の概略図である。 本発明の変形例の動作説明図である。 本発明の実施の形態3の液晶表示装置における液晶パネルの平面図である。 本発明の実施の形態3の液晶表示装置における液晶パネルの断面図である。 本発明の実施の形態3における液晶パネルの製造方法における組み立て工程を示すフローチャートである。 従来の液晶パネル製造工程におけるラビング処理工程の概要図である。
実施の形態1. 本実施の形態1のラビング処理装置の構成について図1の装置全体の斜
視図および図2の断面図を用いて説明する。なお、図は、模式的なものであり、示された
構成要素の正確な大きさなどを反映するものではない。また、図中、既出の図において説
明したものと同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。以下、その他の図
においても同様とする。
このラビング処理装置は、図1に示される様に、先ず、ラビング処理に関する構成として
、基板1を保持するステージ2と、基板1の表面に配向処理を行うラビングローラ3と、
基板1の表面の少なくとも一部を覆うようにステージ2上に配置されるラビングマスク4
を備えている。更に、装置外部とステージ2上の間での基板1の搬送と、ステージ2上へ
の基板1の据え付けに関する構成として、基板搬送機構、基板位置決め機構、基板保持機
構などを備えている。その他には、必須の構成では無いが、ラビングマスク4をステージ
2上、つまり、基板1上へ、自動にて、載置し、保持する場合には、マスクセット機構や
マスク保持機構を備えている。
また、ラビングローラ3については、基板1の表面に形成された配向膜(図示省略)に擦
り付けられてラビング処理を行うラビング布3aと、ラビング布3aが表面に巻きつけら
れるローラ本体部3bとから構成され、回転機構などにより、ラビング処理中においては
、図中矢印CWにて示すように回転動作される。更に、ラビング処理中においては、ラビ
ングローラ3は、ラビング処理方向RDに基板1およびステージ2に対して相対的に移動
される。逆にラビングローラ3側を主体と見れば、基板1およびステージ2は、ステージ
移動方向SDへ相対的に移動することとなる。つまり、ラビングローラ3に平行移動機構
を備えてラビング処理方向RDへ動作させても、ステージ2に平行移動機構を備えて基板
1およびステージ2をステージ移動方向SDへ動作させても何れでも良い。
また、基板1には、配向処理が必要な表示領域1aが1乃至複数配置されており、ラビン
グマスク4には、この基板1における配向処理が必要な領域に相当する当該表示領域1a
に対応して開口される開口部4aが設けられている。従って、ラビングマスク4を介して
ラビング処理が行われることで、この開口部4aに位置する表示領域200のみに対して
配向処理が行われる。更にラビングマスク4は導電性材料により構成されており、表面に
ラビング処理方向(矢印RDにて図示)と平行方向に延在して設けられる凹凸形状4bを
有している。また、ラビングマスク4の下面側には、ステージ2上に配置された基板1上
を覆いラビングマスク4が配置された際に、基板1を収納するための凹部、つまり、掘り
込み部である基板収納部4cが形成されている。
また、基板搬送機構としては、具体的には、ステージ2上への搬入および搬出を行う搬送
ローラ5aがステージ2の前後に配置されており、更に、ステージ2上のアライメント可
能な位置まで基板1を搬送する搬送ローラ5bが配置されている。なお、搬送ローラ5b
は、図示される搬送ローラ5bと同様の構造で図中基板1の下にも配置されている。更に
、ラビング処理装置の基板位置決め機構としては、具体的には、基板1を両側より挟むな
どすることにより所定位置に位置決めするアライメントピン2aと、ステージ2内部の構
成であることから図示省略しているが、アライメントピン2aを動作させる駆動機構など
を備えている。なお、図中では、図が煩雑となることから、アライメントピン2aを基板
1に対して一対のみ配置した例で表記しているが、基板1に対して、縦横の二方向に一対
ずつアライメントピン2aを配置しても良く、更に、基板1の長手方向の両端では、二対
のアライメントピン2aを配置しても良い。
また、マスクセット機構としては、具体的には、ラビングマスク4をステージ2上におい
て、上下動作させるマスク昇降ピン6aが配置される。更に、ラビングマスク4を装置の
外部より装置内に搬送して取り付ける場合には、適宜、マスク昇降ピン6a上へラビング
マスク4を搬送するマスク搬送機構として、搬送ロボットなどを配置しても良い。また、
マスク保持機構としては、具体的には、ステージ2表面の基板1の外周領域に真空吸着孔
6bが配置され、ステージ2内部の構成であることから図示省略しているが、真空吸着孔
6bに接続される真空配管や真空系(真空ポンプと真空動作制御機構)が設けられる。な
お、マスク保持機構については、吸着固定に限られずラビングマスク4と昇降ピン6aを
一体に構成して、ラビングマスク4を下降した位置で、昇降ピン6aをステージ2内部で
固定することにより、ステージ2に対してラビングマスク4を保持固定しても良い。
また、ラビングマスク4が導電性材料により構成されることを先に説明したが、本実施の
形態1のラビング処理装置では、この導電性材料よりなるラビングマスク4が接地接続さ
れる。具体的な接地接続される形態としては、このラビングマスク4にアース配線などを
取り付けて、直接、接地接続しても構わないが、図1および図2に示すとおり、ステージ
2を接地接続している。接地接続はラビング処理時においてされていれば良いが、図1お
よび図2に示すとおり、ラビング処理時には、ラビングマスク4は導体であるステージ2
に接して取り付けられることから、金属などよりなり導体であるステージ2が接地接続さ
れていれば、ラビング処理時においてステージ2を介してラビングマスク4は接地接続さ
れることとなる。
続いて、図3から図5を用いて、本実施の形態1におけるラビングマスク4について詳細
に説明を行う。図3(a)は、ラビングマスク4全体の構成の平面図を示しており、図3
(b)は、図3(a)における断面線Y1−Y2(長破線で示される)における断面図を
それぞれ示したものである。また、図4は、ラビングマスク4をステージ2と基板1に対
して保持された状態でのラビングマスク4の端部と開口部4aの端部付近の拡大図を示し
ている。また、図5は、ラビング処理方向(矢印RDにて図示)と平行方向に延在して設
けられる凹凸形状4bについて説明するための図であり、ラビング処理方向に対して、つ
まり、凹凸形状4bの延在方向に対して垂直方向でのラビングマスク4の表面付近の断面
図であり、凹凸形状4bの拡大図に相当する。
図3(a)および図3(b)に示されるとおり、ラビングマスク4のラビング処理方向R
Dに対して上流側および下流側の端面には、ステージ2の上面側、すなわち、ラビングロ
ーラ3の接触される側面に傾斜面が形成されるテーパー形状4dを有している。従って、
この傾斜面とラビングマスク4上側表面とは90度を超える鈍角をなしている。言い換え
ると、ラビングマスク4におけるラビングローラ3の接触される外形端部において、90
度を超える鈍角の端部が形成される。更に、ラビングマスク4に設けられる開口部4aの
上流側および下流側の端面にも、同様のテーパー形状4eが設けられる。
また、先にも説明を行ったが、図3(a)に示されるとおり、ラビングマスク4の表面に
は、ラビング処理方向(矢印RDにて図示)と平行方向に延在して設けられる凹凸形状4
bを有している。そして、これらラビング処理方向RDと平行方向に延在して設けられる
凹凸形状4bについては、ラビングマスク4の上面側表面における開口部4aを除く表面
全体に形成される。つまり、ラビングマスク4における複数の開口部4aのラビング処理
方向RDに対して上流側および下流側の端部まで形成され、これら配列して設けられる複
数の開口部4aの間の部分の表面にも形成される。また、ラビングマスク4の外形端部や
ラビングマスク4の開口部4aの端部に設けられるテーパー形状4dやテーパー形状4e
の傾斜部の表面にも形成されるのが望ましい。本実施の形態では、図3(a)に示される
とおり、テーパー形状4dやテーパー形状4eの傾斜部の表面にも、これらラビング処理
方向RDと平行方向に延在して設けられる凹凸形状4bが形成されている。
更に、凹凸形状4bのより詳細な断面構造について、図5の凹凸形状4bの断面拡大図を
用いて説明を行う。図5は、ラビング処理方向に対して、つまり、凹凸形状4bの延在方
向に対して垂直方向でのラビングマスク4上面の平坦部での表面付近の断面図であり、凹
凸形状4bの断面拡大図に相当する。図示されるとおり、凹凸形状4bの具体的な構造と
しては、ラビング処理方向RDと平行方向に延在する土手状凸部4b1が配列し、土手状
の凸部4b1間には、溝状凹部4b2が配列して配置されることになる。
更に、これら、凹凸形状4bを構成する土手状凸部4b1と溝状凹部4b2の具体的な寸
法としては、用いられるラビングローラ3のラビング布3aのパイルの太さ、パイル密度
、更に処理される液晶パネルの画素ピッチに応じて、土手状凸部4b1の幅は1〜30μ
mの範囲内で、溝状凹部4b2の深さに相当する土手状凸部4b1の高さは3〜50μm
の範囲内で、溝状凹部4b2の幅は3〜50μmの範囲内で、それぞれ設定すれば良い。
設定する目安となるラビング布3aのパイルの太さ、パイル密度、更に液晶パネルの画素
ピッチとの相関関係としては、パイルの太さよりも少し広い幅に、溝状凹部4b2の幅を
設定し、パイルの太さよりも少し浅い深さに、溝状凹部4b2の深さに相当する土手状凸
部4b1の高さを設定し、更に、パイル密度から見積れる二次元的なパイルピッチに対し
て、土手状凸部4b1の幅と溝状凹部4b2の幅の和に相当する凹凸形状4bのピッチを
概ね等しく設定すれば良い。また、液晶パネルの画素ピッチ以下に凹凸形状4bのピッチ
を設定すれば良い。本実施の形態1のラビングマスク4においては、図5にも示すとおり
、一例として、土手状凸部4b1の幅は20μm、溝状凹部4b2の深さ、即ち、土手状
凸部4b1の高さは30μm、溝状凹部4b2の幅は40μmにそれぞれ設定した。
続いて、本実施の形態1のラビング処理装置の基本的な動作について図6および図7を用
いて説明する。まず、図1で説明した搬送ローラ5bによって、ステージ2上に基板1が
搬入される。次に、図1で説明したステージ2のアライメントピン2aが動作し基板1が
所定位置に位置決めされる。このようにして、図6(a)に示されるとおり、ステージ2
上の所定位置に基板1が載置される。続いて、図1で説明したラビングマスク4を載せた
マスク昇降ピン6aが下降し、基板1上にラビングマスク4を載置することによって、図
6(b)に示されるとおり、ステージ2上の基板1上にラビングマスク4が載置される。
ラビングマスク4に設けられた開口部4aは、ラビングマスク4が所定の位置に載置され
た際に、基板1における表示領域1aの位置に重なるよう設定されている。
以上説明のとおり、ステージ2上に基板1とラビングマスク4が順番に載置され保持され
るが、ここで、図7を用いて、ステージ2上での基板1とラビングマスク4の保持機構に
ついて説明を補足追加する。図7(a)では、本実施の形態1のステージ2において、基
板1を保持する真空吸着機構を設けた構成とした例を示している。具体的には、基板1下
部のステージ2に真空吸着孔7aを配置している。また、基板1の外周領域には、図1で
説明したラビングマスク4を保持する真空吸着孔6bが配置される。基板1を保持する真
空吸着孔7aと、ラビングマスク4を保持する真空吸着孔6bとに、それぞれ接続される
真空配管や真空系(真空ポンプと真空動作制御機構)については、図7(a)の例では、
真空系Aと真空系Bとして、独立して吸着動作できる構成としている。このような構成と
することで、図6で説明したとおり、ステージ2上に基板1とラビングマスク4を順番に
載置し、真空系Aと真空吸着孔7aを動作することによりステージ2上に基板1を保持し
、真空系Bと真空吸着孔6bを動作することによりステージ2上にラビングマスク4を保
持することで、ステージ2上に基板1とラビングマスク4を順番に載置し、基板1とラビ
ングマスク4を、それぞれ、ステージ2上の所定の位置に保持固定することができる。
なお、本実施の形態1の例においては、ステージ2上への基板1とラビングマスク4の載
置について、全て、ラビング処理装置が自動で行う構成としたが、本発明においては、ラ
ビングマスク4の構成が特徴的であることから、基板1に対するラ
ビングマスク4の取り付け方法については、変更しても基本的な発明の効果には影響しな
い。従って、ステージ2上への基板1とラビングマスク4の載置については、作業者によ
り取り付けられても構わない。その場合には、図7(a)で説明したように、ステージ2
上に基板1とラビングマスク4を順番に載置し、その都度、真空吸着により固定する必要
は無い。つまり、ステージ2上の所定位置への基板1とラビングマスク4の載置が完了し
たことを確認した後に、基板1とラビングマスク4を同時に真空吸着して固定しても良い
。従って、図7(b)で示すとおり、基板1とラビングマスク4の双方を固定できる真空
吸着孔7bを設け、接続される真空配管や真空系を一系統としたステージ21の構成とし
ても構わない。
以上のとおり、基板1とラビングマスク4がステージ2上の所定の位置に保持固定され、
ラビング処理の準備が完了した後、続いて、図1および図2で説明したように、更に、図
6(c)に示されるとおり、回転動作されるラビングローラ3が、ラビング処理方向RD
に基板1およびステージ2に対して相対的に移動されることにより、ラビング処理が行わ
れる。より、具体的には、基板1表面における特にラビングマスク4の開口部4aにおい
て露出される表示領域1aのみに対して配向処理が行われることになる。以上の様にして
基板1へのラビング処理が完了すると、再び、ラビングマスク4を載せたマスク昇降ピン
6aが上昇し、ラビング処理が完了しラビングマスク4が除去された基板1は、図1によ
り説明した搬送ローラ5bによって、ステージ2上から、つまり、ラビング装置から搬出
され、本実施の形態1のラビング処理装置による基本的な処理が完了する。
以上のような構成を有した本実施の形態1のラビング処理装置を用いラビング処理を行っ
た場合に得られる作用について、以下、説明を行う。本実施の形態1のラビング処理装置
においては、ラビングマスク4が導電性材料よりなり、接地接続された状態でラビング処
理され、更に、そのラビングマスク4表面にラビング処理方向と平行方向に延在して設け
られる凹凸形状4bを有していることから、このラビングマスク4表面と接触されるラビ
ング布表面では、帯電が除去され、パイル間の引力が除去された状態で、このラビング処
理方向と平行方向に延在して設けられる凹凸形状4bにより、ラビング布自体の傾斜、布
のよれ、ねじれ、局所的に飛び出したパイルが一定方向に揃えられ矯正される。特に、帯
電が除去され、パイル間の引力が除去された状態で、この矯正が行われることで、効果的
にラビング布の矯正が行われ、ダメージの生じていないラビング布に近い状態にラビング
布の状態を戻すこと、更に言えば、ラビング布自体が元から持っている布表面のパイルの
傾斜、よれ、ねじれ、局所的なパイルの飛び出しなどを、ラビング処理方向と平行方向に
矯正された理想の状態に近いラビング布の状態とすることができる。更に、基板1に対す
る実質的なラビング処理が行われるラビングマスク4の開口部4aでラビング処理される
前後において、このラビングマスク4による矯正が行われることになり、ラビング布の状
態がダメージの生じていないラビング布に近い状態、あるいは上記説明の理想の状態に近
いラビング布の状態に整えられた直後にパネル面を処理できることから、絶えず、ダメー
ジの生じていないラビング布、あるいは理想に近いラビング布の状態で配向処理が為され
、一軸方向性の高い配向処理を行うことができる。
更にラビングマスク4においては、開口部4aの間の領域も含めて、ラビングマスク4の
全面に渡り、このラビング処理方向と平行方向に延在して設けられる凹凸形状4bを有し
ていることから、ラビングマスク4の開口部4aでラビング処理される前の本当に直前ま
で、この凹凸形状4bによる矯正作用が得られる。また、開口部4aにおける基板1の表
示領域1a表面に対してラビング布が擦られてラビング処理が行われる際に発生した静電
気による帯電などにより、仮にラビング布表面の状態が悪化した場合についても、開口部
4aの間の領域の表面に設けられた凹凸形状4bによって、これら布表面に生じたパイル
の傾斜、よれ、ねじれに対して、布表面の帯電を除去しなから、効果的に整えることがで
きる。そして、この開口部4aの間の領域において整えられた直後に、次のラビング処理
方向RDに対して下流側に配置される開口部4aに位置する表示領域1aを処理できる。
従って、ラビング処理途中において、ラビング布表面の状態を悪化させる様々な条件の変
動が生じても、絶えず、ダメージの生じていないラビング布、あるいは理想に近いラビン
グ布の状態で配向処理が為され、一軸方向性の高い配向処理を行うことができる。
また、この凹凸形状4bの段差の大きさとして、用いられるラビングローラ3のラビング
布3aのパイルの太さ、パイル密度、更に処理される液晶パネルの画素ピッチに応じて、
凹凸形状4bを構成する土手状凸部4b1の幅は1〜30μmの範囲内で、溝状凹部4b
2の深さ、すなわち、土手状凸部4b1の高さは3〜50μmの範囲内で、溝状凹部4b
2の幅は3〜50μmの範囲内で、それぞれ設定されており、ラビング布3aのパイルを
充分に整えることのできる凹凸形状に設定され、更に、画素ピッチ以下に相当する精度で
、配向処理の一軸方向性を高めることができる。
また、本実施の形態1のラビング処理装置のラビングマスク4においては、ラビングマス
ク4のラビング処理方向に対して上流側および下流側の端面、すなわち、ラビングローラ
3の接触される側面に傾斜面が形成されるテーパー形状4dを有している。その結果、ラ
ビングローラ3の接触される端部において、90度を超える鈍角の端部が形成されること
となり、ラビングローラ3とラビングマスク4の端部が接触される際におけるラビングロ
ーラ3表面へのダメージの発生が緩和される。
また、本実施の形態1のラビング処理装置のラビングマスク4においては、ラビングマス
ク4に設けられる開口部4aの上流側および下流側の端面にテーパー形状4eが設けられ
る。その結果、ラビングマスク4の端面に形成されるテーパー形状4dと同様に、ラビン
グローラ3とラビングマスク4の端部が接触される際におけるラビングローラ3表面への
ダメージの発生を緩和することができる。更に、従来のラビングマスクに比べて、この開
口部4a端面にテーパー形状4eが設けられる構成により、開口部4aの端部と基板1の
段差にパイルや配向膜クズなどが堆積し難い構造となっていることから、これら堆積され
たパイルや配向膜クズなどを起因とする配向異常を引き起こすことが無い。
なお、本実施の形態1のラビング処理装置のラビングマスク4の端部に形成されるテーパ
ー形状4dとテーパー形状4eについては、ラビング処理方向に対して上流側および下流
側の双方に設けた構成としたが、特にラビングローラ3との接触が強くなる方向の端面、
あるいは、パイルや配向膜クズなどが堆積し易い方向の端面のみに設けても、ある程度、
顕著な作用を得ることができる。具体的には、ラビング処理方向に対して、対向する端面
が形成される端部、つまり、テーパー形状4dについては、ラビング処理方向に対して上
流側、テーパー形状4eについては、開口部4aの下流側の端部のみに設けても良い。
実施の形態2. 続いて、本発明の別の実施形態となる実施の形態2のラビング処理装置
の構成について説明を行う。先ず、実施の形態1のラビング処理装置からの主な変更点と
なる本実施の形態2のラビング処理装置におけるラビングマスク40について、図8を用
いて説明する。図8(a)は、ラビングマスク40全体の構成の平面図を示しており、図
8(b)は、図8(a)における断面線Y3―Y4(長破線で示される)における断面図
をそれぞれ示したものである。また、図8(c)は、ラビングマスク40を構成する開口
部交換パーツ41の平面図を示している。以下、実施の形態1との変更部と特に重要な共
通部分について重点的に説明することとする。また、実施の形態1と同じ構成については
同じ番号を付し適宜説明を省略する。
図8(a)および図8(b)に示されるとおり、ラビングマスク40においては、処理す
る基板1における表示領域の配置に応じて異なる配置や大きさなどに設定される開口部4
0aの設けられる開口部交換パーツ41と、この開口部交換パーツ41が取り付けられる
枠部分となる額縁パーツ42の二つの部材を組み合わせて構成される点が実施の形態1の
ラビングマスク4との相違点となる。つまり、本実施の形態2のラビングマスク40につ
いては、開口部交換パーツ41と額縁パーツ42とは分離可能に構成されており、開口部
交換パーツ41は、処理する基板1における表示領域の配置に応じて配置や大きさなどの
異なる開口部40aを設けたものを複数準備し、適宜、交換して利用できる。
なお、図8(a)および図8(b)に示されるとおり、ラビングマスク40においても、
基板1を収納するための凹部、つまり、掘り込み部である基板収納部40cが設けられ、
この基板収納部40cは、額縁パーツ42の下面側に設けられる。また、額縁パーツ42
の上面側には、開口部交換パーツ41を収納するための凹部、つまり掘り込み部である開
口部交換パーツ収納部41cが設けられている。また、この開口部交換パーツ収納部41
cは、この開口部交換パーツ41と嵌合しながら、上側に載置できるように、基板収納部
40cよりも一回り大きな平面的外形に設けられる。
また、開口部交換パーツ41と額縁パーツ42を併せて一体化された構成として見れば、
実施の形態1のラビングマスク4と外形を同じように形成することで、実施の形態1と同
様の効果が得られる。具体的には、図8(a)および図8(b)に示されるとおり、本実
施の形態2のラビングマスク40についても、実施の形態1のラビングマスク4と同様に
ラビング処理方向RDに対して上流側および下流側の端面には、テーパー形状40dを有
している。更に、ラビングマスク40に設けられる開口部40aの上流側および下流側の
端面にも、同様のテーパー形状40eが設けられる。なお、ラビングマスク40において
は、ラビングマスク40端面に設けられるテーパー形状40dについては、額縁パーツ4
2に設けられ、開口部40aおよびその端面に設けられるテーパー形状40eについては
、図8(c)にも詳細に示されるとおり、開口部交換パーツ41に設けられることになる
また、図8(a)および図8(b)に示されるとおり、本実施の形態2のラビングマスク
40についても、実施の形態1のラビングマスク4と同様にラビングマスク40の表面に
は、ラビング処理方向(矢印RDにて図示)と平行方向に延在して設けられる凹凸形状4
0bを有している。そして、これらラビング処理方向RDと平行方向に延在して設けられ
る凹凸形状40bについては、実施の形態1のラビングマスク4と同様にラビングマスク
40の上面側表面における開口部40aを除く表面全体に形成される。従って、この凹凸
形状40bについては、図8(a)および図8(c)に示されるとおり、開口部交換パー
ツ41と額縁パーツ42の双方に設けられ、双方に跨って形成される。また、開口部交換
パーツ41上の凹凸形状40bと額縁パーツ42上の凹凸形状40bは、ラビング処理方
向RDと平行方向となる延在方向において連続した凹凸形状とされる。なお、図8(a)
に示されるとおり、本実施の形態2の凹凸形状40bについても、実施の形態1の凹凸形
状4bと同様に、テーパー形状40dやテーパー形状40eの傾斜部の表面にも、これら
ラビング処理方向RDと平行方向に延在して設けられる凹凸形状40bが形成されている
。なお、凹凸形状40bの段差の大きさなどについても、実施の形態1の凹凸形状4bと
同様にラビング布3aのパイルを充分に整えることのできる程度の凹凸形状に設定すると
良い。
以上説明のとおり、本実施の形態2のラビングマスク40については、外形の特徴として

、実施の形態1のラビングマスク4と同様の構成を有していることから、実施の形態1と
同様の効果が得られる。例えば、ラビングマスク40における凹凸形状40bにより、絶
えず、ダメージの生じていないラビング布、あるいは理想に近いラビング布の状態で配向
処理が為され、一軸方向性の高い配向処理を行うことができる効果が得られ、ラビングマ
スク40におけるラビングローラ3の接触される端部に設けられたテーパー形状40dや
テーパー形状40eを備えることにより、ラビングローラ3の接触される端部において、
90度を超える鈍角の端部が形成されることとなり、ラビングローラ3とラビングマスク
40の端部が接触される際におけるラビングローラ3表面へのダメージの発生が緩和され
ること、更に、開口部40aの端部と基板1の段差にパイルや配向膜クズなどが堆積し難
い構造となっていることから、これら堆積されたパイルや配向膜クズなどを起因とする配
向異常を引き起こすことが無い。
また、本実施の形態2のラビングマスク40については、異なるパーツとしている利点を
生かして、開口部40aの形状や配置に応じて開口部交換パーツ41を交換可能とできる
こと以外にも、有効な活用方法がある。例えば、開口部交換パーツ41と額縁パーツ42
は別部材とすることもできるし、別々に製造することもできるなど、一体化されるラビン
グマスク4に比べると、自由に設定することが比較的容易となる。従って、ラビングマス
ク40の額縁部を構成し、強度などが要求される額縁パーツ42については、金属や、カ
ーボン樹脂などの導電性樹脂で一体成形して製造すると良い。一方、基板1上に直接配置
され、様々な形状の開口部40aも形成される開口部交換パーツ41については、消耗部
材的な使われ方をすることや、開口部40aの加工の容易性、更に基板1上において薄い
ことが要求されることから、より薄い薄板として、金属薄板や導電性樹脂シートなどを用
いることもできる。これら金属薄板や導電性樹脂シートであれば、開口部40aの形成は
打ち抜き加工やレーザー加工なども利用でき、比較的容易に複雑な開口形状を形成するこ
とができる。
続いて、本実施の形態2のラビングマスク40について、基板1とステージ2への載置の
手順の例について、図9を用い説明する。実施の形態1のラビングマスク4の場合におい
ては、一体化された構成であったことから、ステージ2上に基板1を載置した後に、ラビ
ングマスク4をステージ2上の基板1上に載置するしか選択肢が無かった。本実施の形態
2のラビングマスク40の場合には、開口部交換パーツ41と額縁パーツ42の2つの部
材により構成されることから、図9(a)および図9(b)に示すとおり、2つの手順が
選択できる。
具体的には、先ず、第一の手順としては、図9(a)に示すとおり、実施の形態1のラビ
ングマスク4と同様にラビングマスク40を一体化された構成として扱って、ステージ2
上に基板1を載置した後に、ラビングマスク40をステージ2上の基板1上に載置する手
順となる。なお、ここでは、実施の形態1にて用いたステージ2と同様に、基板1下部に
真空吸着孔7aを、基板1の外周領域のラビングマスク40の下部に真空吸着孔6bを配
置し、それぞれ接続される真空配管や真空系を真空系Aと真空系Bの2系統として、基板
1とラビングマスク40を独立して吸着動作できる構成としたステージ2を用いている。
また、第二の手順としては、図9(b)に示すとおり、ステージ2上に、基板1とラビン
グマスク40の一部構成となる額縁パーツ42のみを先に載置した後に、開口部交換パー
ツ41を基板1上に載置する手順となる。この場合においては、ステージ2上への基板1
と額縁パーツ42の載置の順は何れでも選択することができる。なお、図9(b)に示す
方法では、額縁パーツ42をステージ2に取り付けた状態で基板1を交換でき、複数の基
板1を順次処理できることになる。開口部交換パーツ41は、比較的軽量で取り扱いが容
易な部材であることから、ステージ2上への基板1の載置と同レベルの簡便さで、基板1
と開口部交換パーツ41を順次載置して、複数の基板1を順次処理することができる。
続いて、実施の形態2のラビング処理装置におけるラビングマスク40を構成する額縁パ
ーツ42に一部機能を付加した変形例について、図10を用いて説明を行う。なお、この
変形例は、先に図9(b)を用い説明を行った実施の形態2でのラビングマスク40を基
板1およびステージ2に対して載置する手順例を元にして、基板1の載置の際に、既にス
テージ2上に載置されている額縁パーツ42に基板位置決め機能を付加したものである。
具体的には、この変形例のラビング処理装置においては、図10(a)に示すとおり、基
板1を載置するステージ20上に、実施の形態1のラビング処理装置に設けていたアライ
メントピン2aの代わりに、基板1を所定位置に位置決めする基板位置決め機構としての
機能を有した額縁パーツ44を備えている。基板1の位置決め後においては、この額縁パ
ーツ44は、実施の形態2の開口部交換パーツ41と同様の開口部交換パーツ43を載置
し、ラビング処理時においては、実施の形態2のラビングマスク40と同様に開口部交換
パーツ43と額縁パーツ44より構成されるラビングマスク45として機能する。
なお、このラビングマスク45については、額縁パーツ44が基板1を所定位置に位置決
めする基板位置決め機構の機能をすること以外の外形などの構成の特徴については、ラビ
ングマスク40と同様である。具体的には、図10(a)に示されるとおり、本実施の形
態2変形例のラビングマスク45についても、実施の形態2のラビングマスク40と同様
にラビング処理方向RDに対して上流側および下流側の端面には、テーパー形状45dを
有している。更に、詳細な図示説明は省略するが、ラビングマスク45に設けられる開口
部45a端面にテーパー形状45eを有することや、ラビングマスク45表面にラビング
処理方向RDと平行方向に延在して設けられる凹凸形状40bを有する点は実施の形態2
のラビングマスク40と同様であり、ラビング処理時における作用や得られる効果として
は、実施の形態2のラビングマスク40と変わらない。
また、この変形例のラビング処理装置においては、図10(a)に示されるとおり、基板
搬送機構として、ステージ20上への搬入および搬出を行う搬送ロボット50が配置され
、搬送アーム50aにより、ステージ20上への基板1の搬入および搬出が行われる。な
お、搬送ロボット50については、図10(b)に外観図を示しているが、搬送アーム5
0aを備えた一般的な基板搬送ロボットを用いることができる。また、搬送アーム50a
からの受渡しについては、ステージ20上で基板1を受渡しする昇降ピン51が設けられ
、この昇降ピン51と搬送アーム50aの間で基板1は受渡しされ、昇降ピン51が上下
動作することで、ステージ20上の基板1の載置が行われる。更に、図9(b)を用い説
明した実施の形態2でのラビングマスク40の載置手順例と同様に、ステージ20上に基
板1が載置された後に、開口部交換パーツ43を基板1上に載置する手順となるが、この
変形例のラビング処理装置においては、マスクセット機構として、開口部交換パーツ43
を吸着しながらステージ20の上面側より載置する吸着パッド60を備えている。
なお、基板搬送機構としては、ここで説明した搬送ロボットに限らず、実施の形態1と同
様に、搬送ローラを用いても良い。その場合においては、ステージ20上より搬出入され
る基板1と基板位置決め機能を有した額縁パーツ44が干渉しないように、搬送ローラに
よる搬出入の際のみ、額縁パーツ42は、ステージ20面より下のステージ20内部に収
納される動作を行う構成とすると良い。
以上説明を行った実施の1、2、およびその変形例のラビング処理装置に用いられるラビ
ングマスク4、ラビングマスク40、およびラビングマスク45については、何れもマス
クのラビング処理方向に対して上流側および下流側の端部にテーパー形状4d、テーパー
形状40dあるいはテーパー形状45dを有した構成としたが、ラビングマスク4、ラビ
ングマスク40、およびラビングマスク45に対するラビングローラ3の動作範囲を適宜
見直すことで、これらテーパー形状4d、テーパー形状40dあるいはテーパー形状45
dの構成を省略することも可能である。具体的には、図11の変形例のラビング処理装置
においては、ラビングローラ35の動作範囲を、ラビングマスク46のラビング処理方向
に対して上流側の端部より内側で、基板1の端部よりは外側の位置aをラビングローラ3
5の動作開始位置、ラビングマスク46のラビング処理方向に対して下流側の端部より内
側で、基板1の端部よりは外側の位置bをラビングローラ35の動作終了位置に設定する
。従って、ラビングローラ35は、位置aにおいて下降されて、ラビングマスク46と当
接しながらラビング処理が開始され、ラビングマスク46上をラビング処理方向RDに基
板1に対して相対的に移動しながらラビング処理が行われ、位置bにおいて上昇されて、
ラビングマスク46より離れてラビング処理は終了となる。
なお、ラビングマスク46においては、ラビングマスク4、ラビングマスク40、および
ラビングマスク45におけるテーパー形状4d、テーパー形状40dあるいはテーパー形
状45dの構成を省略した以外の特徴については、変更する必要が無い。つまり、詳細な
図示説明は省略するが、ラビングマスク46に設けられる開口部46a端面にテーパー形
状46eが設けられることや、ラビングマスク46表面にラビング処理方向RDと平行方
向に延在して設けられる凹凸形状4bあるいは凹凸形状40bを有する点はラビングマス
ク4、ラビングマスク40、およびラビングマスク45と同様であり、ラビング処理時に
おいて、これら特徴的構成による作用や得られる効果としては、これらラビングマスクと
変わらない。
また、以上のように動作されることで、つまり、ラビングローラ35の動作範囲が、ラビ
ングマスク46のラビング処理方向に対して上流側および下流側の上流側および下流側の
端部より内側に設定されることで、ラビングローラ35は、ラビングマスク46のラビン
グ処理方向に対して上流側および下流側の端部に当接することが無くなることになる。そ
の結果、ラビングローラ3とラビングマスクの端部が接触されることを起因として発生し
ていたラビングローラ3表面へのダメージが発生しなくなることとなる。また、この変形
例は、ラビングマスクに対するラビングローラの動作範囲を設定していることになり、ラ
ビングマスクの大きさを変えることなく、ラビングローラの動作範囲を狭く設定すること
によっても、逆に、ラビングローラの動作範囲に対して、ラビングマスクの大きさを大き
くすること、つまり、ラビングマスクの端部の位置をラビングローラの動作範囲よりも外
側に拡げることによっても、何れの手段でも実現できる。
実施の形態3. 続いて、本発明を液晶表示装置とその製造方法に適用した場合の実施形
態となる実施の形態3について説明を行う。図12および図13は、本発明の実施の形態
3における液晶表示装置を構成する液晶パネルの概略図である。以下、この液晶パネルの
構成について。図12および図13を用いて説明する。図12は液晶パネル全体を示した
平面図、図13は図12における断面線A−Bでの断面図を示したものである。
ここでは、一例としてTFT(Thin Film Transistor)をスイッチ
ング素子に用いて動作される横電界方式の液晶パネルの特にFFS(Fringe Fi
eld Switching)方式を用いた液晶パネルへ本発明を適用した場合について
説明を行うことにする。
図12および図13に示される様に、この液晶パネル100は、スイッチング素子として
TFTを備えたTFT基板110と、TFT基板110に対して対向して位置合わせして

置され、画像を表示する表示領域200を有する対向基板であるカラーフィルタ基板12
0と、表示領域200に対応する領域を囲うように配置され、カラーフィルタ基板120
とTFT基板110との間の間隙を密封するシール材130を備えている。更にTFT基
板110とカラーフィルタ基板120間には、基板間に所定の一定距離の間隙を形成し保
持する柱状スペーサ(図示省略)が表示領域200内に多数配置される。このシール材1
30により密封され、柱状スペーサにより保持されたカラーフィルタ基板120とTFT
基板110との間の間隙の少なくとも表示領域200に対応する領域に液晶層140が狭
持されている。このシール材130は、表示領域200に対応する領域外側に配置される
額縁領域190に形成される。また、TFT基板110およびカラーフィルタ基板120
の外形は何れも矩形となっており、TFT基板110の外形の方が、カラーフィルタ基板
120の外形よりも大きく、カラーフィルタ基板120の外形端面より一部突出する突出
部を有して重ね合わせ配置されている。
なお、ここで使用した額縁領域190については、液晶パネル100のTFT基板110
上、カラーフィルタ基板120上、或いは両基板間に挟まれる領域において、表示領域2
00外側に位置する表示領域200を取り囲む額縁状の領域、即ち表示領域200を除く
全ての領域のことを意味し、表示領域200についても、液晶パネル100のTFT基板
110上、カラーフィルタ基板120上、或いは両基板間に挟まれる領域の全てにおいて
使用することとし、本明細書中においては全て同様の意味にて使用する。
上述のカラーフィルタ基板120は、第一の透明基板であるガラス基板121の一方の面
の上の表示領域200に対応する領域に液晶を配向させる配向膜122bと、配向膜12
2bの下部に設けられるカラーフィルタ(色材層)124およびカラーフィルタ124間
を遮光するため、或いは表示領域200に対応する領域外側に配置される額縁領域190
を遮光するために設けられる遮光層125などを有している。カラーフィルタ124とし
ては、樹脂中に顔料などを分散させた色材層が選択でき、赤、緑、青などの特定の波長範
囲の光を選択的に透過するフィルタとして機能し、これら異なる色の色材層が規則的に配
列して構成される。遮光層125としては、酸化クロムなどを用いた金属系の材料や樹脂
中に黒色粒子を分散させた樹脂系の材料などを選択することができる。なお、配向膜12
2bより下層に、カラーフィルタ124と遮光層125を覆うように透明樹脂膜よりなる
オーバーコート層を設ける構成としても構わない。
また、カラーフィルタ基板120は、接地接続される静電気防止用透明導電層131をガ
ラス基板121の他方の面に備えている。この静電気防止用透明導電層131は、ガラス
基板121の少なくとも表示領域200を覆い設けられており、横電界方式の液晶パネル
において静電気による帯電や外部電界による表示不良防止に有効なものとして設けられる
一方、上述のTFT基板110は、第二の透明基板であるガラス基板111のカラーフィ
ルタ基板120と対向する側の表面の更に表示領域200に対応する領域に、液晶を配向
させる配向膜122aと、配向膜122aの下部に設けられ、TFT基板110或いはカ
ラーフィルタ基板120の基板面と平行な方向の電界を発生し液晶を駆動する電圧を印加
する一対の電極である画素電極112および対向電極113と、これら一対の電極の一方
である画素電極112に電圧を書き込むスイッチング素子であるTFT114と、TFT
114を覆う絶縁膜115と、TFT114に信号を供給する配線である複数のゲート配
線116gおよびソース配線116sと、これら配線に接続されTFT114を構成する
ゲート電極(図示省略)およびソース・ドレイン電極(図示省略)などを有している。
以上説明のとおり、TFT基板110およびカラーフィルタ基板120の最表面には、液
晶を配向させる配向膜122aおよび配向膜122bを備えているが、特に本発明の実施
の形態3における配向膜122aおよび配向膜122bについては、以下に製造方法につ
いて説明を行うが、実施の形態1、2、あるいはそれら変形例の何れかのラビング処理装
置を用いて配向処理が為され、絶えず、ダメージの生じていないラビング布、あるいは理
想に近いラビング布の状態で配向処理が為されることで得られた一軸方向性の高い配向特
性を有していることが特徴となっている。
なお、液晶を駆動する電圧を印加する一対の電極である画素電極112と対向電極113
については、本実施の形態3においては、一方の電極である画素電極112が平板形状の
透明導電膜パターンより構成され、他方の電極である対向電極113は櫛歯形状や複数並
列するスリット状の開口部を有する透明導電膜パターンより構成され、上記の画素電極1
12上に絶縁層を介して重なって配置される。また、上記構成は必須ではなく、画素電極
112と対向電極113について、それぞれの形状と配置の上下関係を逆として、画素電
極112を櫛歯形状や複数並列するスリット状の開口部を有するパターンとして対向電極
113より上層に配置し、対向電極113を平板形状として画素電極112より下層に配
置し、TFT114は、櫛歯形状や複数並列するスリット状の開口部を有するパターンよ
りなる画素電極112に接続し電圧を印加する構成としても構わない。なお、画素電極1
12と対向電極113の具体的な平面パターン形状の図示説明は省略するが、公知のFF
S方式を用いた液晶パネルに用いられる画素電極と対向電極の平面パターン形状を採用す
れば良い。
また、TFT基板110を構成する絶縁膜である絶縁膜115、或いは画素電極112と
対向電極113間に形成される絶縁膜などについては、単層の透明絶縁膜、或いは複数層
の透明絶縁膜の積層膜により構成される。また、図12において概略の配置を示している
とおり、表示領域200に形成されたゲート配線116gおよびソース配線116sは、
それぞれが平行に複数本配列して配置されており、これら複数本のゲート配線116gと
ソース配線116sは、それぞれが交差して配置されている。また、画素電極112およ
びTFT114、更にTFT114を構成するゲート電極およびソース・ドレイン電極は
これら複数本のゲート配線116gとソース配線116sの交差により囲まれる画素領域
に対応してアレイ状に配列して配置されている。また、対向電極113に共通電位を供給
する共通配線113Lがゲート配線116gと平行にゲート配線116gと同数配置され
、各画素領域の対向電極113に接続され、各画素領域の対向電極113の電位を全て共
通電位に共通化している。
更にTFT基板110上における額縁領域190の特にカラーフィルタ基板120の端面
よりも一部突出する突出部におけるカラーフィルタ基板120の配置される側の表面には
、TFT114に供給される信号を外部から受け入れる信号端子118を備えている。信
号端子118は、図中では一体の構成で示しているが、詳細には複数の信号に対応して分
離した複数の図中X方向に長手方向を有する矩形のパッドが図中Y方向に多数配列した構
成となっている。
更に、この信号端子118のそれぞれのパッドに対しては、接続配線となるFFC(Fl
exible Flat Cable)136を介して駆動ICを制御する制御信号など
を発生する制御IC(Integrated Circuit)チップなどを装備した制
御基板135が接続されている。また、制御基板135からの制御信号は、信号端子11
8を介して、突出部に取り付けられた駆動ICチップ134の入力側に入力され、駆動I
Cチップ134の出力側より出力される出力信号が表示領域200から引き出された多数
の信号引き出し配線(図示省略)を介して、表示領域200内のTFT114に供給され
る。.
また、カラーフィルタ基板120の液晶層140に対して外側表面に設けられる静電気防
止用透明導電層131の上層には偏光板132aを有している。また、TFT基板110
の液晶層140に対して外側表面には偏光板132bを有している。これら偏光板132
aおよび偏光板132bは、それぞれカラーフィルタ基板120およびTFT基板110
の少なくとも表示領域200を覆うように配置される。
また、カラーフィルタ基板120表面に形成される静電気防止用透明導電層131は、接
地接続される。ここでは、例えば、TFT基板110の突出部に、アースパッド117を
設け、静電気防止用透明導電層131とアースパッド117間について導電テープ133
を介して接続している。なお、静電気防止用透明導電層131は、大部分が、偏光板13
2aにより覆われているが、カラーフィルタ基板120の端部において、一部、偏光板1
32aにより覆われない露出部が形成される。その静電気防止用透明導電層131の露出
部に導電テープ133が貼り付けられ静電気防止用透明導電層131に接続されている。
更に、アースパッド117は、信号端子118とFFC136を順次介して接地接続され
ることから、静電気防止用透明導電層131は、これら経路を介して接地接続されること
となる。なお、導電テープ133としてはAl箔やCu箔などの金属箔よりなる母材に導
電粘着剤を塗布したものを使用することができ、一般的な市販品の導電テープを利用する
ことができる。
以上説明のとおり、本実施の形態3の液晶パネル100は構成される。更に、液晶パネル
100に対し、カラーフィルタ基板120の表示領域200に形成される表示面と反対側
には、TFT基板110の基板面に対向して光源となるバックライトユニット(図示省略
)が、バックライトユニットからの光を調整する機能を有する光学シート(図示省略)を
介して配置され、これら部材と共に表示領域200の表示面の部分が開放された筐体(図
示省略)の中に収納され、本実施の形態3の液晶表示装置が構成される。
以上、構成について説明を行った本実施の形態3の液晶表示装置は次の様に動作する。例
えば制御基板135から制御信号が入力され、駆動ICチップ134が動作し、表示領域
200内の配線を介して信号が画素領域に伝わる。その結果、各画素領域に配置される画
素電極112および共通電極113間にTFT基板110或いはカラーフィルタ基板12
0の基板面と平行な方向の電界(より詳しくは、FFS方式では平行方向の電界と平行に
近い方向の電界が混在して発生することから、平行方向の成分が主となる電界とも言える
。)を発生する所定の駆動電圧が加わり、駆動電圧に合わせて液晶の分子の方向が変わる
。そして、バックライトユニットの発する光がTFT基板110、液晶層140およびカ
ラーフィルタ基板120を介して観察者側に透過或いは遮断されることにより、液晶パネ
ル100のカラーフィルタ基板120側の表示領域200に形成される表示面に映像など
が表示される。
次に、本実施の形態3の液晶表示装置の製造方法について説明を行う。ここでは、本発明
において特徴的な液晶パネルの製造工程について、図14に示すフローチャートに従って
順次各工程の概要説明を行う。先ず、フローチャートに示す諸工程に入る前の準備段階と
して、基板準備工程において、互いに貼り合わされる前のTFT基板110を取り出すマ
ザーTFT基板とカラーフィルタ基板120を取り出すマザー基板であるマザーカラーフ
ィルタ基板を準備する。それぞれのマザー基板上において、所定の枚数の同じ構成のTF
T基板110或いはカラーフィルタ基板120が配列して形成される。このTFT基板1
10の構成を備えたマザーTFT基板と、カラーフィルタ基板120の構成を備えたマザ
ーカラーフィルタ基板とは、図12および図13を用い説明したとおり、TFT基板11
0の詳細構成がわかれば、公知のFFSモードの液晶表示装置のTFT基板およびカラー
フィルタ基板の製造方法と公知の成
膜工程とパターンニング工程の繰り返しを適宜組み合わせて製造することが可能である。
従って、より具体的なマザーTFT基板およびマザーカラーフィルタ基板自体の製造方法
の説明については省略する。
続いて、以上説明のとおり準備されたTFT基板110の形成されたマザーTFT基板に
対して、基板を洗浄する基板洗浄工程を行う(S1)。次に、配向膜材料塗布工程におい
て、マザーTFT基板の一方の面に、配向膜材料を塗布形成する(S2)。この工程は、
例えば、印刷法により有機膜からなる配向膜材料を塗布し、ホットプレートなどにより焼
成処理し乾燥させる。その後、配向処理工程において、配向膜材料に対して、本発明の特
徴的な処理であるマスクラビング処理を行い、配向膜材料表面を配向処理しTFT基板1
10側の配向膜122aとする(S3)。また、S1〜S3と同様に、カラーフィルタ基
板120が形成されているマザーカラーフィルタ基板についても、洗浄、配向膜材料の塗
布、同様に、このマスクラビング処理を行うことによりカラーフィルタ基板120側の配
向膜122bを形成する。特に、ここで行われるマスクラビング処理については、具体的
には、先に説明を行った実施の形態1、2、あるいはそれら変形例の何れかのラビング処
理装置を用いてラビング処理を行う。
また、横電界方式の液晶パネル100を製造する場合においては、ラビング処理の方向を
平行な2方向で2回行うことが配向状態を良くするために有効であることから、例えば、
実施の形態1のラビング処理装置の場合には、ラビング処理方向RDで、一度ラビング処
理を行った後に、再度、ラビング処理方向RDと反対方向にラビング処理を行うと良い。
特に、この反対方向のラビング処理においては、ラビングマスク4の端面に設けたテーパ
ー形状4dとテーパー形状4eのラビング処理方向RDに対する上流側および下流側の関
係が逆となるが、テーパー形状4dとテーパー形状4eが上流側および下流側の双方に設
けられた場合には、この反対方向へのラビング処理の際にも、これらテーパー形状4dと
テーパー形状4eは有効に機能する。更に、ラビングマスク4の表面に設けられたラビン
グ処理方向と平行方向に延在して設けられる凹凸形状4bについても、この反対方向への
ラビング処理の際に、ラビング処理方向と平行方向に延在して設けられることに変化は無
いことから、やはり、有効に機能することとなる。
続いて、シール材塗布工程において、スクリーン印刷装置により、シール材を印刷ペース
トとして、マザーTFT基板或いはマザーカラーフィルタ基板の一方の面にシール材の塗
布を行い、表示領域200を囲う形状のパターンにシール材130を形成する(S4)。
そして、液晶滴下工程において、マザーTFT基板或いはマザーカラーフィルタ基板の一
方の面に、シール材130で囲まれる領域内に多数の液滴状の液晶を滴下する(S5)。
具体的には、例えば、マザーカラーフィルタ基板のカラーフィルタ基板120に対して、
シール材130で囲まれる領域内に多数の液滴状の液晶を全体で所定量の液晶層140が
形成されるように滴下する。また、ここでは、所謂、滴下注入法を用いて液晶を充填し、
液晶層140を形成する方法を一例としたので、この様に形成したが、所謂、真空注入法
を用いる場合には、シール材130は完全に閉じた形状ではなく一部開口させた液晶注入
口が形成される。また、液晶は貼り合わせた後に前記液晶注入口より注入されることから
、上記説明した液滴状の液晶の形成処理は省略される。
続いて、貼り合わせ工程において、マザーTFT基板およびマザーカラーフィルタ基板を
貼り合わせてセル基板を形成する(S6)。具体的には、液滴状の液晶を載せた状態でマ
ザーTFT基板およびマザーカラーフィルタ基板が近接され、位置合わせして重ね合わせ
られる。その結果、液滴状に形成された液晶がマザーTFT基板とマザーカラーフィルタ
基板間に挟まれて均一に拡がり一体化した液晶層140の状態となり、マザーTFT基板
とマザーカラーフィルタ基板間のそれぞれのシール材130により囲まれる容積内に満た
される。
更に、シール硬化工程において、マザーTFT基板とマザーカラーフィルタ基板を貼り合
わせた状態で、シール材130を完全に硬化させる(S7)。この工程は、例えば、シー
ル材130の材質に合わせて熱を加えることや、紫外線を照射することにより行われる。
本実施の形態3では、滴下注入法と相性の良い、紫外線を照射する方法により硬化を行っ
た。この工程によりマザーTFT基板とマザーカラーフィルタ基板は位置合わせされた位
置関係のまま固定される。また、液晶パネルを軽量化するために基板を薄型化する場合に
は、この貼り合わされた状態で薬液や機械的研磨による薄型化処理を実施すると良い。
次に、セル分断工程において、セル基板を多数の個別セルに分断する(S8)。なお、所
謂、真空注入法を用いる場合には、先に説明をしたとおりシール材130に一部開口させ
た液晶注入口を形成しておき、上記のセル分断工程後に行う液晶注入工程において、個々
の個別セルに対して液晶注入口から液晶を注入する。この工程は、例えば、液晶を液晶注
入口から真空注入により充填することにより液晶層140の形成が行われる。更に、封止
工程において、液晶注入口を封止する。この工程は、例えば、光硬化型樹脂で封じ、光を
照射することにより行われる。
この様に個々の液晶パネルの形状に分断された後、偏光板貼り付け工程において、個別セ
ルのカラーフィルタ基板120およびTFT基板110のそれぞれの表面に偏光板132
aおよび偏光板132bを貼り付ける(S9)。続いて、制御基板実装工程において、駆
動ICチップ134や制御基板135を実装する(S10)。この工程では、駆動ICチ
ップ134や、制御基板135の取り付けられたFFC136が、信号端子118に導通
可能に貼り付けられ、導電テープ133がカラーフィルタ基板120上からTFT基板1
10上に跨って貼り付けられ、カラーフィルタ基板120表面の静電気防止用透明導電層
131とTFT基板110表面に形成されたアースパッド117間が導通される。以上の
工程を経て液晶パネル100が完成する。
最後に液晶パネル100に対して、光学シートを介してバックライトユニットを対向して
配置し、表示面となる表示領域200におけるカラーフィルタ基板120の外側の部分が
開放された筐体中に収納することで、本実施の形態3の液晶表示装置が完成する。
以上説明の様に、本実施の形態3の液晶表示装置は、横電界方式の液晶パネルであるとと
もに、TFT基板110およびカラーフィルタ基板120に形成される液晶を配向させる
配向膜122aおよび配向膜122bについて、特に実施の形態1、2、あるいはそれら
変形例の何れかのラビング処理装置を用いて配向処理が為され、絶えず、ダメージの生じ
ていないラビング布、あるいは理想に近いラビング布の状態で配向処理が為されることで
得られた一軸方向性の高い配向特性を有していることから、コントラスト特性などの表示
品位において、従来には無い程の高い表示品位を有した横電界方式の液晶パネルおよび液
晶表示装置を得ることができる。また、本実施の形態3の液晶表示装置の製造方法におい
ては、これら液晶パネルおよび液晶表示装置を、製造時において、特にラビング処理装置
におけるラビング布の交換頻度を高めることなどによる処理能力を大幅に低下することも
無く実現できることから、製造コストの増加を招くことなく、結果的に、低コストにて製
造することができる。
1 基板、1a 表示領域、2,20 ステージ、2a アライメントピン、3,35
ラビングローラ、3a ラビング布、3b ローラ本体部、4,40,45,46 ラビ
ングマスク、4a,40a,45a,46a 開口部、4b,40b 凹凸形状、4b1
土手状凸部,4b2 溝状凹部、4c,40c 基板収納部、4d,4e,40d,4
0e,45d,45e,46d,46e テーパー形状、41,43 開口部交換パーツ
、42,44 額縁パーツ、5a,5b 搬送ローラ、50 搬送ロボット、50a 搬
送アーム、6a マスク昇降ピン、6b,7a,7b 真空吸着孔、60 吸着パッド、
100 液晶パネル、110 TFT基板、120 カラーフィルタ基板、111,12
1 ガラス基板、112 画素電極、113 対向電極、113L 共通配線、114
TFT、115 絶縁膜、116g ゲート配線、116s ソース配線、117 アー
スパッド、118 信号端子、124 カラーフィルタ、125 遮光層、130 シー
ル材、131 静電気防止用透明導電層、132a,132b 偏光板、133 導電テ
ープ、134 駆動ICチップ、135 制御基板、136 FFC、140 液晶層、
190 額縁領域、200 表示領域。

Claims (9)

  1. ラビング処理方向と平行方向に延在して設けられる凹凸形状を表面に有し、処理される基板の配向処理が必要な領域に対応して開口される開口部を有したラビングマスクを備え、該ラビングマスクが導電性材料よりなり接地接続され
    前記開口部が複数配列して設けられ、前記凹凸形状が当該複数の開口部の間の部分の表面にも形成されることを特徴とするラビング処理装置。
  2. ラビング処理方向と平行方向に延在して設けられる凹凸形状を表面に有し、処理される基板の配向処理が必要な領域に対応して開口される開口部を有したラビングマスクを備え、該ラビングマスクが導電性材料よりなり接地接続されるとともに、前記開口部の形成される第1のパーツと前記第1のパーツが取り付けられる枠部分となる第2のパーツの二つの部材を組み合わせて構成されることを特徴とするラビング処理装置。
  3. 開口部が複数配列して設けられ、凹凸形状が当該複数の開口部の間の部分の表面にも形成されることを特徴とする請求項2に記載のラビング処理装置。
  4. 凹凸形状を構成する土手状凸部の幅が1〜30μmの範囲内に、前記凹凸形状を構成する溝状凹部の深さが3〜50μm、幅が3〜50μmの範囲内に、それぞれ設定されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のラビング処理装置。
  5. ラビングマスクにおけるラビングローラの接触される端部において、90度を超える鈍角の端部が形成されることを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載のラビング処理装置。
  6. 90度を超える鈍角の端部が、ラビングマスクにおけるラビング処理方向に対して上流側および下流側の外形端部に形成されることを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載のラビング処理装置。
  7. ラビングローラの動作範囲がラビングマスクのラビング処理方向に対して上流側および下流側の端部より内側に設定されることを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載のラビング処理装置。
  8. 90度を超える鈍角の端部が、ラビングマスクに設けられる開口部の上流側および下流側の端部に形成されることを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載のラビング処理装置。
  9. 請求項1から請求項8の何れかに記載のラビング処理装置を用いた配向処理工程を有することを特徴とする横電界方式の液晶表示装置の製造方法。
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