JP6162290B1 - ドレイン管およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
近年、この液状化を防ぐために、地盤の浅い部分の地下水を抜いて地下水位を低下させ、非液状化層の厚みを増大し、地下水位以深の液状化層への拘束圧を増強して液状化を抑制する地下水位低下工法が注目されている。
地下水位を低下させるためには、多孔のドレイン管を地中に埋設し、地中の雨水や湧水をドレイン管内に集めて排出するのが一般的である。
なお、フィルタ材および網材の双方を巻いた後に固定するだけでなく、フィルタ材を固定した後に、網材を固定する方法も適宜行われる。
また、上記のような固定方法を現場で行う場合には、作業負担も増加し、その精度も低下する。
本発明に係るドレイン管1を図1に示す。
ドレイン管1は、ポリプロピレンの熱可塑性樹脂の3次元網状構造体2を外径400mm、内径220mmの筒形の壁に成形してあり、長さ1mである。このドレイン管1が複数接続されて地下排水工が構成される。
この3次元網状構造体2は、前記樹脂による直径約2mmのストランド(紐状体)を絡ませて、ストランドどうしの接点を接合したものである。この構造を有する管は耐圧強度が高く、土被り厚さ7m程度の圧力に耐えることができる。
フィルタ材3により、地中に埋設したドレイン管1内に砂等が侵入してすぐに目詰まりして透水性が阻害されてしまうのが防止される。網体4により、ドレイン管1を後述する鞘管200内へ挿入するときや鞘管200を引き抜くときに、フィルタ材3の先端部等が鞘管200内面との摩擦によりめくり上がって押し縮められるのが防止される。
フィルタ材3は、ポリプロピレンの不織布であって、その厚さは被覆した状態で1.0mm程度である。網体4は、ポリプロピレンの熱可塑性樹脂であって、その厚さは被覆した状態で1mm程度である。また、網体4の開口は5mm程度で、フィルタ材3より開口率が大きい。フィルタ材3は、3次元網状構造体2および網体4よりも開口寸法が小さい(目が細かい)。
フィルタ材3および網体4の内周面で熱溶着による接着部があるので、ビニルテープやバンド等による固定方法のように、ドレイン管1の外周に凸部が生じず、作業の支障が生じない。
連結外筒8は、変形し難い硬質合成樹脂を素材とし、内周面に断面四角形の連結部材環状突条8dを、この実施例において4条形成しており、図2(C)に示すように、横断面を2分割した一対の半割8a、8bより成る。
突き合わせたドレイン管1どうしの端部間に連結外筒8の半割8a、8bが被せられ、ドレイン管1の3次元網状構造体2に形成された環状溝5に連結部材環状突条8dを合わせ、さらに連結部材環状突条8dの外面側の連結部材環状溝8cにバンド9が巻き付けられて連結外筒8が取り付けられる。
連結外筒8は、半割とせず、側面を1か所で軸方向に切断した形状とし、切断した端部を両側へ開くようにしてドレイン管1の端部を挟み付けるようにして取付けることもできる。
全体のフローとしては、フィルタ材3と網体4とを熱溶着し、必要な長さに切断し、網体4が接着されたフィルタ材3と3次元網状構造体2とを熱溶着する。この工程に用いられる製造装置は、第1加熱ローラ10a、第2加熱ローラ10b、第1圧着ローラ11a、11b、第2圧着ローラ11c、テンションローラ12a〜12c、ガイドローラ13a〜13g、カバー14a、14bを備える。
ロールから引き出された網材4は、テンションローラ12a、12bによりテンションが調整され、第1加熱ローラ10aで加熱され溶融される。図3(A)における下側、ドレイン管1となる場合の内側面から溶融される。第1加熱ローラ10aは、ポリプロピレンの場合(この網材4の融点は180〜200℃程度と想定)、200〜230℃程度に加熱される。溶融された網材4は、第1圧着ローラ11a、11bに送られる。
接着させる箇所は、全体でも構わないが、一部であっても良い。全体にした方が弛みが少なくなる。一部を接着させる場合には、第1加熱ローラ10aの幅や加熱領域を調整して行う。また、連結外筒8(連結部材)との境界部となる端部まで熱溶着させると、この部分による引っかかりやめくれを少なくすることができるが、必ずこの部分まで熱溶着させる必要があるわけではない。
切断されたフィルタ材3と網体4とは、ガイドローラ13c、13dで第2圧着ローラ11cに送られる。
圧着されたフィルタ材3と網体4は、ガイドローラ13e、13f、13gにより3次元網状構造体2の外周面に沿うようにガイドされる。3次元網状構造体2の外周面全面にフィルタ材3と網体4が圧着されれば、回転を止めて、フィルタ材3と網体4で被覆された3次元網状構造体2であるドレイン管1を取り出す。
接着させる箇所は、全体でも構わないが、一部であっても良い。全体にした方が弛みを少なくすることができる。一部を接着させる場合には、第2加熱ローラ10bの幅や加熱領域を調整して行う。また、連結外筒8(連結部材)が覆う境界部まで熱溶着させると、この部分による引っかかりやめくれを少なくすることができるが、必ずこの部分まで熱溶着させる必要があるわけではない。圧着に際しては、3次元網状構造体2の開口が必要以上に減少してしまわないように配慮する。
環状溝5を形成するには、図4および図5に示す加工装置100を用いる。
加工装置100は、対向して立設された前部支持台101及び後部支持台102と、前部支持台101と後部支持台102の間に設置された管受け台103と、前部支持台101と管受け台103の間において、前部支持台101近傍の上方に上下揺動可能に設けられた加熱ローラ104を備える。
図5(A)に示すように、管受け台103の上端には断面半円形の受け部108が設けられ、受け部108の上面には複数の支持ローラ109が周方向に等間隔で設置されている。
また、加熱ローラ104は、支柱110から上下揺動可能に張り出した揺動アーム111の先端に取り付けられ、揺動アーム111に連結したチェーン112を巻き上げることにより上昇し、チェーン112を巻き戻すと自重で下降するようになっている。加熱ローラ104の下方には、加熱ローラ104の下限位置を規制するストッパ114を設けてある(図5(A))。ストッパ114は上下に位置を調節可能とされている。
加熱ローラ104の内部にはヒータ115を搭載してあり、加熱ローラ104全体を3次元網状構造体2の素材である熱可塑性樹脂の融点以上の温度に加熱できるようになっている(図5(B))。
次いで、後部支持台102を前進させて前部支持台101と後部支持台102で3次元網状構造体2を挟み、前部支持台101及び後部支持台102の支持爪106を3次元網状構造体2の両端面に食い込ませる。
この状態で前部支持台101の回転盤105を回転させると、3次元網状構造体2及び後部支持台102の回転盤105が回転する。
この時、3次元網状構造体2は回転しているので、3次元網状構造体2の外周には周方向に沿って溝が形成される。加熱ローラ104の接触で溶融した樹脂ストランドが加熱ローラ104に付着するような場合は、薄い耐熱性フィルムやアルミホイル等を巻き付けてから押圧する。
加熱ローラ104は、フランジ113よりも内側の部分が3次元網状構造体2に接触しない高さでストッパ114により下降が制限され、3次元網状構造体2の一端部にフランジ113の断面と同形状の環状溝5が2条形成される。ストッパ114の高さを調節することで環状溝5の深さを調節できる。また、3次元網状構造体2の管径が変わった場合にも適応できる。
なお、環状溝5が形成される速度は、紐状ストランドの太さや密度、気温による。
このように熱溶融によって環状溝5を形成するので、切削屑が出ず、また、環状溝5を形成した部分の強度が低下しない。むしろ、環状溝5の内面は樹脂ストランドが溶けて、溝面に露出するストランド端面同士をつなぎ合わされて強度が向上する。さらに、溝面が平坦となって連結外筒8の連結部材環状突条8dをしっかり嵌合することができる。
このため、ドレイン管1間の連結箇所は強固に連結される。
本実施形態では、フィルタ材3と網体4とで3次元網状構造体2を被覆する前に、環状溝5を形成した。しかしながら、これに限定されず、環状溝5を形成した後に、フィルタ材3と網体4とで3次元網状構造体2を被覆するようにしても良い。
図6に示すように、発進立坑201から到達立坑202との間に、推進機203によって埋設された鞘管200にドレイン管1を発進立坑201側から挿入していく。図中201a、202aは、発進立坑201の発進坑口、到達立坑202の到達坑口にそれぞれ取り付けられた坑口機材である。
緊結パイプ6を備えたドレイン管1を発進立坑201から鞘管200内に、ドレイン管1の端部どうし及び緊結パイプ6の端部どうしを順次接続しながら押し込み、発進立坑201と到達立坑202の間にドレイン管1と緊結パイプ6を挿入配置する。ドレイン管1の端部どうしの連結は、上述した連結部材(連結外筒8、連結内筒7)を用いて連結する。
この際には、網体4、フィルタ材3、3次元網状構造体2とが熱溶着されているので、外周面には、凸部も弛みもないので、鞘管200との抵抗も少ない。また、引っかかることや、網体4、フィルタ材3がめくれることもない。よって、作業効率が向上する。
このグリスはドレイン管1が地中に埋設された後、土中の生物により分解されて消失するので、グリスによってドレイン管1の集水機能が阻害される恐れはなく、また、環境が汚染される心配もない。
到達立坑202側では、鞘管200の先端とプッシュロッド209の先端とを鞘管押出金具204に連結する。
この鞘管200の引き抜き作業の際にも、網体4、フィルタ材3、3次元網状構造体2とが熱溶着されているので、外周面には、凸部も弛みもないので、鞘管200との抵抗も少ない。また、引っかかることや、網体4、フィルタ材3がめくれることもない。よって、作業効率が向上する。
本発明のドレイン管1は、網体4、フィルタ材3、3次元網状構造体2とが熱溶着されているので、外周面には、凸部も弛みもなく、テールシール205とも関係においても、テールシール205に引っかかったり、抵抗も少なくなる。
その結果、緊結パイプ6を備えたドレイン管1が残置される。
プッシュロッド209の先端と緊結パイプ6の先端を緊結パイプ引出し金具211で連繋し、推進機203で引き作動させる。すると、プッシュロッド209は発進立坑201側へ引き出され、緊結パイプ6とプッシュロッド209はドレイン管1から発進立坑201に引き出される。そして、発進立坑201側で緊結パイプ6とプッシュロッド209を分解して回収する。
その工程を繰り返して、発進立坑201と到達立坑202間にドレイン管1のみを残置する。このようにして、ドレイン管1が埋設される。
本実施形態では、ドレイン管1を埋設された鞘管200に挿入し、鞘管200を引き抜くことでドレイン管1を地中に埋設するものであった。しかしながら、鞘管200を設けないで、開削によって直接ドレイン管1を埋設する場合であっても本発明を適用できる。
その際には、本発明のドレイン管1は、埋設後においても網体4、フィルタ材3、3次元網状構造体2とが熱溶着されているので、接着剤のはみ出しによる透水性の低下も生じず、十分な排水機能を確保することができるという効果に注目して適用することができる。
また、網体4は、鞘管200からフィルタ材3を保護する機能であるが、開削で用いる際には、ドレイン管1の強度を確保するためや、運搬中の保護の効果に注目して適用することができる。
例えば、網体4を生物分解性のもので形成してもよい。そのようにすると、さきのグリスと同様に、ドレイン管1が地中に埋設された後、土中の生物により分解されて消失するので、ドレイン管1の集水機能も確保され、また、環境が汚染される心配もない。
2 3次元網状構造体
3 フィルタ材
4 網体
5 環状溝
6 緊結パイプ
6a 雄ネジ部
6b 雌ネジ部
7 連結内筒
7a 係止爪
8 連結外筒
8c 連結部材環状溝
8d 連結部材環状突条
9 バンド
10a 第1加熱ローラ
10b 第2加熱ローラ
11a、11b 第1圧着ローラ
11c 第2圧着ローラ
12 テンションローラ
13 ガイドローラ
14 カバー
100 加工装置
101 前部支持台
102 後部支持台
103 管受け台
104 加熱ローラ
105 回転盤
106 支持爪
107 モータ
108 受け部
109 支持ローラ
110 支柱
111 揺動アーム
112 チェーン
113 フランジ
114 ストッパ
115 ヒータ
200 鞘管
201 発進立坑
202 到達立坑
203 推進機
204 鞘管押出金具
205 テールシール
206 発進側緊結ナット
207 シールヘッド
208 到達側緊結ナット
209 プッシュロッド
210 スペーサ
Claims (4)
- 3次元網状構造体と、前記3次元網状構造体の外周面を被覆するフィルタ材と、前記フィルタ材の外周面を被覆する網体と、を備えた透水性のドレイン管であって、
前記フィルタ材の外周面と前記網体の内周面とが熱溶融によって接着されている第1接着部と、
前記3次元網状構造体の外周面と前記フィルタ材の内周面とが熱溶融によって接着されている第2接着部と、を備え、
前記ドレイン管の両端には、前記3次元網状構造体の外周面に連結部材が取り付けられる環状溝が設けられており、前記フィルタ材は前記環状溝の間で前記3次元網状構造体の外周面を被覆し、前記網体は前記環状溝の間で前記フィルタ材の外周面を被覆している
ことを特徴とするドレイン管。 - あらかじめ埋設された鞘管に挿入され、前記鞘管が引き抜かれることで設置され、3次元網状構造体と、前記3次元網状構造体の外周面を被覆するフィルタ材と、前記フィルタ材の外周面を被覆する網体と、を備えた透水性のドレイン管であって、
前記フィルタ材の外周面と前記網体の内周面とが熱溶融によって接着されている第1接着部と、
前記3次元網状構造体の外周面と前記フィルタ材の内周面とが熱溶融によって接着されている第2接着部と、
を備えることを特徴とするドレイン管。 - 3次元網状構造体と、前記3次元網状構造体の外周面を被覆し開口寸法が前記3次元網状構造体より小さいフィルタ材と、前記フィルタ材の外周面を被覆し開口寸法が前記フィルタ材より大きい網体と、を備えた透水性のドレイン管の製造方法であって、
前記フィルタ材の外周面と前記網体の内周面との接着工程が熱溶融によって行われており、
前記3次元網状構造体の外周面と前記フィルタ材の内周面との接着工程が熱溶融によって行われており、
前記フィルタ材の外周面と前記網体の内周面との接着工程は、前記網体の内周面を熱溶融することによって行われ、
前記3次元網状構造体の外周面と前記フィルタ材の内周面との接着工程は、前記3次元網状構造体の外周面を熱溶融することによって行われる
ことを特徴とするドレイン管の製造方法。 - 3次元網状構造体と、前記3次元網状構造体の外周面を被覆するフィルタ材と、前記フィルタ材の外周面を被覆する網体と、を備えた透水性のドレイン管の製造方法であって、
前記フィルタ材の外周面と前記網体の内周面との接着工程が熱溶融によって行われており、
前記3次元網状構造体の外周面と前記フィルタ材の内周面との接着工程が熱溶融によって行われており、
前記フィルタ材の外周面と前記網体の内周面との接着工程は、前記網体の内周面を熱溶融するとともに前記網体の線材の断面を扁平させることによって行われることを特徴とするドレイン管の製造方法。
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