JP6161151B2 - 頚椎装具 - Google Patents
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Description
基本的に顎載置部を有するタイプの装具が多く見られるが、固定を強固にすることで食事などの顎を動かすことが困難になる問題がある。最近では、食事を行うために顎載置部の支持位置を調節できるようにしたものや顎載置部が傾動する機能を備えたものも提案されているが、食事の際に行う顎載置部の調節機構が姿勢保持のための高さや傾動機構と併用しているため、食事後の固定姿勢への再現性は低く、また傾動動作の固定・解除操作を容易に行えるものは少ない。
例えば、特許文献1のような顎載置部の高さ調節を行う機能を有する装具は、食事の際に高さを低くすることで、顎載置部の位置を調節することは可能であるが、食事後に再度、高さを調節する手間が生じ、顎載置部の位置を元の状態に戻す再現性も低くなる。
また特許文献2のような装具では、食事の際に、顎部分の面ファスナーを外すことで、顎はフリーの状態になるが、ベルト状体の構造で、且つ面ファスナーによる固定であるため、顎を顎載置部に載置した状態で支持するものではなく、顎載置部の位置調節の再現性、固定性において問題がある。
また、特許文献4のように顎部を傾動させることで固定解除する方法に関しては上述の問題は解決しているが、固定ノブの回動により固定・解除を行うため、高齢者やリウマチなど手先が器用に動かすことのできない患者にとっては操作性が低く、固定方法が煩雑になるため簡便に操作をすることができないという問題は残る。
また、胸部装着部の胸部への取り付け、或いは顎載置部の頚部への取り付けと固定手段は、通常、ベルト等の手段を用いるが、面ファスナー、紐による連結など、その手段を問うものではない。そして、胸部装着部は、その形状、素材等は適宜のものを用いて良い。
本発明のその他の利点は、以下の実施例の記載から明らかとなろう。
このように、操作部材から係合・解除機構への作動伝達にカム面を利用している構成によって、トラブル発生の少ないスムースな動きを確保でき、附勢機構の附勢力を確実に引き出し、係合、解除動作を行わせることができる。
このように、前記附勢機構を前記操作部材と一体成形で構成することで、構成素材の弾性を利用して、部品点数を少なくしながら全体を構成できる。
このように、枢支ピンによる連結構造でなく、連結部材の弾性特性を利用して、前記顎載置部の前傾を行い得るので、構造が簡便であり、コスト低減に繋がると共にトラブル発生も少ない。
また、胸部への装着は、前記胸部装着部1に設けた上下左右のベルト部材4によって背後で緊締されることで行われるが、こうしたベルト構成については、従来技術に属するものであるので、ここでの詳細説明を省略する。
また、前記顎載置部2には、左右側部に、その長手方向に沿った凹凸形状を有した支持片5を備え、該支持片5は、顎支持部材6の長手方向に形成された凹凸形状部7と係合をすることで、顎の位置に対する高さの調節が可能となり、該顎支持部材6の上部に嵌合配置されたノブ8を90度回動させることで固定・解除が可能になるように構成されている。
また、前記傾動部材10と顎支持部材6の間には、操作部材9が配置され、該傾動部材10には、同一の横軸心を持つ2本の枢支ピン12が備えられ、該固定部材11に形成された軸受部13と組み合わせることで前記顎載置部2と前記胸部装着部1が枢支連結されている。
係合時には、図9に示すように、前記顎支持部材6を押し込む動作により、互いのカム形状が接することで下方向きの分力を生じて自動的に該操作部材9が下方にスライドし、該操作部材9に形成された2本の線状の樹脂バネ16が撓み、前記係止爪14の相対前進を許容し、その後に弾性復元することで、前記操作部材9の上方へのスライド後に該係止爪14とスライド係合が可能となるように構成されている。
ここでは、上記傾動部材10の別態様について、図10及び図11に基づいて述べる。即ち、上記実施例と異なる点は、上記顎載置部2の傾動に、上記枢支ピン12の代わりに上記係合・解除機構3は、該傾動部材10と上記固定部材11とが可撓性素材17により連結されることで構成されているところである。
具体的には、ここでは長さ 約30mm、幅40mm、厚さ1.5mmの板状の可撓性素材17(ここでは、軟性ポリエチレンを用いている)をビスによって、該傾動部材10と該固定部材11に止めつけることで実施している。
かかる前記可撓性素材17を用いて前記傾動部材10と前記固定部材11とを連結することで、上記枢支ピン12と略同等の傾動作用を得ることが出来るのである。
尚、前記係合・解除機構3の別態様1の他の構成、部材番号について、上記実施例と共通のものについては、その説明を省略する。
次に、上記係合・解除機構3の上記操作部材9配置の別態様について図12 乃び、図13に基づいて述べる。
ここでは、かかる該操作部材9の配置が異なる形態のものとして示す。図12に示すように、上記実施例で該操作部材9が顎支持部材の上部中央に配置されていたものが、ここでは上記顎支持部材6の両側面に配置されている。固定解除の構造や内部の構造については上記実施例と同じ形態を用いており、共通であるため、その重複説明は省略する。
要するに、上下方向の操作であったものが、ここでは、水平方向の押し操作で行われるということであり、片手を開いて、親指と中指とで押圧すればよく、二つの該操作部材9の係合が解除されなければ、上記顎載置部2の前傾は行い得ないのであるから、誤操作の防止に繋がる。
2:顎載置部
3:係合・解除機構
9:操作部材
11:固定部材
Claims (3)
- 顎載置部と胸部装着部とが回動自在に連設され、前記顎載置部が顎支持姿勢と前方に傾動した顎支持解除姿勢とに切替自在に構成されている頚椎装具であって、前記顎載置部と前記胸部装着部に亘って、操作部材を備えた係合・解除機構が設けられ、該係合・解除機構が、前記顎載置部を回動させる操作により前記顎載置部を前記胸部装着部に顎支持姿勢の状態で係合固定し、前記操作部材を一方向に操作することでその係合を解除して顎支持解除姿勢に切り替えできるように構成されていることを特徴とする頚椎装具。
- 前記係合・解除機構には、カム面を有する固定部材が備えられ、前記操作部材には前記カム面に接当する接当部が設けられ、前記カム面に接当して前記操作部材を作動変位させて前記固定部材に係合させる附勢機構が前記操作部に連動連結され、前記操作部の一方向操作によって前記附勢機構を作動させて前記固定部材と前記操作部材との係合を解除するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の頚椎装具。
- 前記附勢機構は、合成樹脂製の前記操作部材に一体形成された帯状部材で形成されており、該操作部材の押圧操作で弾性変形し、復元するように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の頚椎装具。
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- 2013-04-04 JP JP2013079010A patent/JP6161151B2/ja active Active
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