JP6151909B2 - 動画像符号化装置、方法およびプログラム - Google Patents

動画像符号化装置、方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像信号の符号化装置に関し、特に同じサンプル比の複数の色成分から構成される動画像信号を、色成分ごとに独立して動き補償予測符号化する動画像符号化装置および方法に関する。
従来、被写体を撮影し、撮影により得られた動画像データを圧縮符号化して記録するカメラ一体型動画像記録装置として、デジタルビデオカメラがよく知られている。
圧縮符号化方式としては、フレーム間の動き予測を用いて高い圧縮率での圧縮が可能なMPEG2方式が一般的に用いられている。特に、近年では、より複雑な予測方式を用いるなどして、高圧縮が可能なH.264方式なども用いられるようになっている。ところで、上記のような圧縮符号化方式では、主に4:2:0フォーマットと呼ばれる標準化された入力信号フォーマットが使われている。
4:2:0とは、RGBなどのカラー動画像信号を輝度成分(Y)と2つの色差成分(Cb、Cr)に変換し、水平・垂直ともに色差成分のサンプル数を輝度成分の半分に削減したフォーマットである。
色差成分は輝度成分に比べて視認性が落ちることから、符号化を行う前に色差成分のダウンサンプリングを行うことで符号化対象の源情報量の削減を行っていた。また、放送素材映像など業務向けには、色差成分を水平方向にのみ半分にダウンサンプリングする4:2:2フォーマットが用いられることもある。
さらに近年、ディスプレイの高解像度化や高階調化に伴い、色差成分をダウンサンプリングすることなく、輝度成分と同じサンプル数のまま符号化する符号化方式の開発も進んでいる。
なお、色差成分のサンプル数が輝度成分と同じフォーマットは、4:4:4フォーマットと呼ばれる。
4:2:0フォーマットの符号化においては、輝度成分に対してのみ動き補償予測のための情報が多重化され、色差成分については、輝度成分の情報を用いて動き補償を行うことになっている。
4:2:0フォーマットの符号化では、画像情報のほとんどが輝度成分に集約されていることと、輝度信号に比べて色差成分の方が歪みの視認性が低く、画像再現性に関する寄与が小さいという特徴のもとに成り立つものである。
一方、4:4:4フォーマットの符号化では、3つの成分が同程度に画像情報を持っている。従って、4:2:0フォーマットのように、画像情報が1成分に大きく依存していることを前提とした従来の符号化方式とは異なる符号化方式が望ましい。
4:4:4フォーマットに対応した符号化方式としては、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1では、RGB信号の三原色から成る入力画像において、G成分とRGB成分から生成した輝度成分Yの両方について動きベクトル検出を行った後、各ベクトルの相関を計算している。そしてG成分とY成分ベクトルの相関が高い場合は、R,G,B成分の動きベクトルにY成分の動きベクトルを適用している。
特開2007−133823号公報
上述の4:4:4フォーマットに対応した符号化方式の符号化処理においては、動き予測を色成分毎に行うため、色成分によっては参照画像と符号化対象画像間での画面間差分値に明らかな差が現れない場合がある。
結果、実際の被写体の動きと異なる画面位置を指した動きベクトルの値のまま符号化を行ってしまうことになる。
符号化効率の点では、探索範囲内で最小となる座標位置を指し示すので、出力された符号化ビットストリームのデータ量としては、ベクトル符号量を少なく制御できる利点はある。
しかし、同一位置又は周辺の符号化ブロックの異なる色成分の量子化パラメタにバラツキが出たり、色成分の動きベクトルが実際のオブジェクトの動きと乖離することによって、色ズレ等の画質的な弊害を発生する虞がある。
上記特許文献1に開示の方法では、BやRの色成分に対して動きベクトル検出をせず、すべての色成分について一意にYまたはG成分の動きベクトルを適用しているため、上記の色ズレ等の弊害を必ずしも解決できない。
そこで、本発明は上述の点に鑑み、同じサンプル比の複数の色成分から構成される画像信号を、色成分毎に動き予測を行う符号化において、色ズレによる画質劣化を低減することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明の一観点によれば、複数の色成分から構成される動画像を色成分ごとに独立して動き予測符号化する動画像符号化装置において、前記動画像を構成する前記複数の色成分を取得する色成分取得手段と、前記取得した各色成分の符号化画像を予測符号化するための少なくとも一つの動きベクトルを生成する生成手段と、前記生成された各色成分の動きベクトル間の距離のいずれかが予め定めた所定値以上である場合に、ベクトル間の距離が最小である色成分以外の色成分の動きベクトルを補正対象として決定し、前記決定された色成分の動きベクトルを他の色成分の動きベクトルの平均ベクトルに補正する補正手段と、前記補正された動きベクトルを符号化パラメタとして取得し、前記取得した符号化パラメタを用いてインター符号化に用いる参照画像データを生成する符号化手段とを備えることを特徴とする動画像符号化装置が提供される。
本発明によれば、同じサンプル比の複数の色成分から構成される動画像を、色成分毎に動き予測を行う符号化において、色ズレによる画質劣化を低減できる動画符号化装置を提供することが可能となる。
本発明の第1の実施例に係る動画像符号化装置を含む符号化システムのブロック図 本発明の第1の実施例に係る動画像符号化装置のフレームメモリのデータ配置図 本発明の第1の実施例に係わる動画像符号化装置での動き予測動作の概念図 本発明の第1の実施例に係わる動画像符号化装置での動き予測での画面間差分と動きベクトルの関係を示す図 本発明第1の実施例に係る動画像符号化装置での動きベクトルの補正動作のフローチャートを示す図 本発明の第1の実施例に係る動きベクトルの補正動作を説明するための図 本発明の第1の実施例に係る動画像符号化装置での動きベクトルの補正動作のフローチャートを示す図 本発明の第1の実施例に係る動きベクトルの補正における画面間差分値と動きベクトルの関係を示す図 本発明の第1の実施例の変形例1に係る動きベクトルの補正動作のフローチャートを示す図 本発明の第1の実施例の変形例2に係る動きベクトルの補正動作のフローチャートを示す図 本発明の第2の実施例に係る動きベクトルの補正動作のフローチャートを示す図 本発明の第2の実施例に係る動きベクトルの補正を説明するための図 本発明の第2の実施例に係る動きベクトルの補正動作のフローチャートを示す図 本発明の第2の実施例の変形例1に係る動きベクトルの補正動作のフローチャートを示す図 本発明の第2の実施例の変形例2に係る動きベクトルの補正動作のフローチャートを示す図 本発明の第2の実施例の変形例2に係る動きベクトルの補正における画面間差分値と動きベクトルとの関係を示す図 本発明の第2の実施例の変形例3に係る動きベクトルの補正動作のフローチャートを示す図 本発明の第2の実施例の変形例3に係る動きベクトルの補正における画像信号の色成分のヒストグラムを説明するための図 本発明の第3の実施例に係る動画像符号化装置を含む符号化システムのブロック図 本発明の第3の実施例に係る動画像符号化装置における参照画像番号の補正動作のフローチャートを示す図 本発明の第3の実施例に係る動画像符号化装置における参照画像番号の補正動作のフローチャートを示す図 本発明の第3の実施例に係る参照画像番号の補正の概念図 本発明の第3の実施例に係る参照画像番号の補正の概念図 本発明の第4の実施例に係る動画像符号化装置を含む符号化システムのブロック図 本発明の第4の実施例に係る動画像符号化装置における参照画像番号の補正動作のフローチャートを示す図 本発明の第4の実施例に係る参照画像番号の補正の概念図
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施例)
<システム構成>
図1には、本発明の第1の実施例に係わる動画像符号化装置をビデオカメラなどの撮像装置に適用した場合の動画像符号化システムのブロック図である。なお、図1の構成では、図示しないプロセッサ等から構成される制御部(CPU)がプログラムに従って各部の動作を制御することによって本実施例に係わる符号化動作を達成する。
当該動画像符号化システムは、撮像部101、色成分分離部102、フレームメモリ103、整数変換器104、量子化器105、エントロピー符号化部106、符号量制御部107、イントラ予測部108を有する。また、イントラ・インター判定部109、動き補償部110、ループ内フィルタ111、逆整数変換器112、逆量子化器113を有する。さらに、第一の色成分動き予測部114、第二の色成分動き予測部115、第三の色成分動き予測部116、ベクトル間距離取得部117、ベクトル間距離比較部118、動きベクトル補正部119を有する。
なお、本実施例に係わる動画像符号化装置としては、上記動画像符号化システムから撮像部101が除かれ、後述するフローチャートに従った動作をコンピュータ等で実行可能な装置として提供することが可能である。例えば、PCなどの情報処理装置においてプログラム又は一部ハードとの組み合わせにおいて実行される動画像符号化装置および方法として提供することも可能である。
撮像部101は、レンズや撮像センサ等のカメラ部、光学部を含み、レンズから取り込んだ光信号をセンサにて電気信号へ変換した後、符号化に使用するフォーマットに変換したデジタル画像データとして後段の回路へ伝送する。
色成分分離部102は(色成分取得手段)、撮像部101から読み出したデジタル画像データを、RGB三原色のそれぞれの色成分毎に分離して、フレームメモリに103に格納する。
フレームメモリ103は、複数枚の画像データを蓄積可能な大容量メモリであり、前記色成分分離部から転送された画像データや、後述する動き予測処理で用いる参照用画像データを格納する。
なお、本発明の実施例においては説明のために、RGB三原色の画像入力を前提として、第一の色成分をR成分、第二の色成分をG成分、そして第三の色成分をB成分としているが、特に本発明において限定するものではない。
図2に、前記フレームメモリ103のメモリ領域の分割例を示す。
フレームメモリ103は、入力画像の領域と、後述する参照画像の領域が色成分毎に複数フレーム分格納できるように分割され配置されるものとする。
整数変換器104は、隣接画素で類似性が高いという空間的相関を利用して画像情報の冗長度を削減するために、符号化対象のブロック単位で画素データの空間解像度変換を行って空間周波数領域に変換する。
量子化器105は、後段の符号量制御部107より設定された目標符号量に基づいて量子化ステップサイズを算出し、整数変換器104で空間周波数領域に変換された係数データに対して量子化処理を行う。
量子化した係数データは、符号化ビットストリームを出力するエントロピー符号化部106と、参照画像や予測画像を算出するために逆量子化器113の両方へ出力される。
エントロピー符号化部106は、量子化器105にて量子化された係数データや、インター予測の場合には動き予測で用いたベクトルを、CABAC方式等のビットデータの出現確率の偏りを利用したエントロピー符号化による符号化データ長の圧縮を行う。CABACとは、コンテキスト適応算術符号化を意味する。
符号量制御部107は、エントロピー符号化部106で発生した符号化データの符号量を取得し、ビットレートやVBV等のバッファモデルに基づいて1フレーム当たりの目標符号量を算出した後、前記量子化器105に設定するフィードバック制御を行う。
イントラ予測部108は、フレームメモリ103の入力画像データから符号化対象ブロックの画像データを読み出し、既に符号化済みの符号化対象ブロック周辺の画素データから生成される複数のイントラ予測画像との相関を計算する。
そして、最も相関の高いイントラ予測方式を選択してイントラ・インター判定部へ通知する。
イントラ・インター判定部109は、後述の動き補償部110にて動きベクトルを用いたインター予測の結果とイントラ予測部108の結果とを入力し、最も画面間差分値が小さい予測方式を選択して予測画像を生成する。
動き補償部110は、ループ内フィルタ111でフィルタ処理された予測画像データと、後述する動きベクトル補正部119から通知される動きベクトルを用いてインター符号化に用いる参照画像データを生成する。生成した参照画像データは、フレームメモリ103に格納する。
ループ内フィルタ111は、逆整数変換器112から出力された画像データと予測画像とを加算した画像データに対して、符号化歪み(ブロックノイズ)を軽減するフィルタ処理を施す。
逆整数変換器112は、逆量子化器113から出力された係数データを画素データに逆整数変換する。
逆量子化器113は、量子化器105にて量子化した係数データを、再度量子化ステップサイズを乗じて係数データを計算する。
第一の色成分動き予測部114は、フレームメモリ103に格納した符号化対象となる原画像のデータと既に符号化済みの画像の復号データ(参照画像データ)から、ブロック単位で画素データのパターンマッチングを行う。そして、第一の色成分動き予測部114は、動き予測情報である動きベクトルを算出する。また、動きベクトルの算出の際に参照した参照画像の番号情報も動き予測情報として生成する。
第二の色成分動き予測部115および第三の色成分動き予測部116についても、動き予測の対象となるフレームメモリ103上の色成分が異なるだけであり処理内容は同一である。このように、各色成分は独立して予測符号化される。
ベクトル間距離取得部117は、第一から第三の色成分動き予測部114、115、116で求めた、各色成分の同じ符号化対象ブロック位置の動きベクトルからベクトル間距離を求める。
ベクトル間距離比較部118は、ベクトル間距離取得部117より通知された色成分間のベクトル間距離に基づいて、特定の色成分の動きベクトルが他の色成分のベクトルに比べて異なっているか否かを比較判定する。
動きベクトル補正部119は、ベクトル間距離比較部118の判定結果に基づいて、当該色成分の動きベクトルを別の適切なベクトルに補正する。
そして、補正ベクトルを符号化パラメタとして動き補償部110へ出力し、参照画像生成やベクトル符号化時に適用する。
尚、本発明では特に断わりの無い限り、16行×16列の画素データの集まりを符号化ブロック(または符号化対象ブロック)と呼称し、当該符号化ブロック単位で動き予測等の符号化処理を行うものとする。以上が本発明の第1の実施例に係わる動画像符号化装置を含む動画像符号化システムの構成である。
<動きベクトル探索>
本実施例に係わる動画像符号化装置の各動き予測部114−116での動きベクトル探索方法を、図3および図4を用いて説明する。動きベクトルの探索方法としては、符号化ブロック単位で原画像フレーム301と参照画像フレーム302間で、画面間差分が最小になる画素座標位置を求めるパターンマッチング法が公知技術として知られている。
画面間差分SADとは、次式1のように符号化ブロック画像における全画素値の差分絶対値を積算した評価値で、符号化ブロック同士の画像データの類似度を示す量となる。
Figure 0006151909
ここでPIXref(x,y)は参照先の符号化ブロック305の画素値、PIXcur(x,y)は符号化対象の符号化ブロック303の画素値に相当する。
また、処理量が膨大であることから、参照画像の全領域を探索することはせず、符号化ブロック303を中心として、周囲の複数の符号化ブロック分のエリアだけを探索するサーチウィンドウ304を設定することが一般的な手法である。
そして、サーチウィンドウ304内で参照先符号化ブロック305の位置を移動させ、符号化対象の符号化ブロック303との間の画面間差分値SADが最も小さくなる符号化ブロック位置を求めることで、動きベクトルを決定する。
例として、上述のサーチウィンドウ内の画素位置と、画面間差分値をグラフとしてプロットすると図4のように表すことができる。
ただし、図示した例では簡略化のため、サーチウィンドウの座標をx方向とy方向の2次元ではなく1次元としているため、動きベクトル値は1次元となっているが、実際は2次元のベクトル値となる。
図の場合では、符号化対象の符号化ブロックの位置を原点として、サーチウィンドウを±5ピクセルの領域に設定した時、最も画面間差分値SADが最小だった座標位置として−2を検出する。
このことは、当該座標位置の参照先符号化ブロックと符号化対象の符号化ブロックの画像データがエリア内で最も類似しており、−2ピクセル相当分の画面移動があったと判断できるため、動きベクトルとして−2(一次元)を出力する。
本発明では、上述した動き予測処理を、フレームメモリ103に格納された色成分毎に前記第一から第三までの動き予測部114,115,116において同様に行うものとする。
<ベクトル間距離取得および比較>
続いて、本実施例に係わる動画像符号化装置の動きベクトルの補正動作について、図5と図6を用いて説明する。
当該動作は、前記動画像符号化装置のベクトル間距離取得部117、およびベクトル間距離比較部118にて実行される。なお、この動作は上述のように、図示しないプロセッサ等から構成される制御部(CPU)がプログラムに従って各部を制御することで達成する。以下、特に記載しない限り同様の制御であるとする。
はじめにステップS501では、上述した動き予測処理によって求めたR成分の動きベクトルmvを第一の動き予測部114から取得する。同様に、G成分の動きベクトルmvを第二の動き予測部115から(ステップS502)、B成分の動きベクトルmvを第三の動き予測部116からそれぞれ取得する(ステップS503)。
続いて、3つの色成分の動きベクトルmvR,mvG、mvBを取得した後、次式(2)に基づいて、それぞれのベクトル間距離を算出する。
Figure 0006151909
ここで、mv、mvは色成分のある色成分についての動きベクトルのx成分値、y成分値をそれぞれ示す。
この式は、図6の例で示したように、2つの各色成分動きベクトル間の頂点を結んだ距離を表わすスカラ量Dを求めて、後述のベクトルの相関関係を判定するために使用する。
上式に基づいて、R成分とG成分の動きベクトルのベクトル間距離DR−G(ステップS504)を計算する。さらに、G成分とB成分の動きベクトルのベクトル間距離DG−B(ステップS505)、そしてB成分とR成分の動きベクトルのベクトル間距離DB−Rを計算する(ステップS506)。
図6の例では、各色成分の動きベクトルは
mv=(4,3)、mv=(4,4)、mv=(−2,2)
であり、それぞれのベクトル間距離は、
R−G=1、DG−B=√29、DB−R=√26
と計算できる。
続いて上記ステップS504からステップS506までに取得した、3つの色成分間のベクトル間距離、DR−G,DG−B,DB−Rの差をそれぞれ計算し、すべての差が予め定めた所定値以下であるかを判断する(ステップS507)。
いずれのベクトル間距離も所定値未満の場合(ステップS507のFALSE)は、3つの色成分のベクトル値が類似した方向・長さを持つことを意味する。
結果、ベクトル探索処理が実際の撮像部101で撮影した被写体の動きを検出できた可能性が高いものと判断できることから、本発明の動きベクトル補正処理をする必要がないため、当該フローを終了する。
一方、いずれかのベクトル間距離が所定値以上(ステップS507のTRUE)の場合は、特定の色信号の動きベクトルを補正する必要があるものと判断し、以下の処理ステップによって、補正すべきベクトルの色成分を特定する。
具体的な色成分の特定方法を以下に説明する。
ステップS508からステップS512は、上記の特定方法に基づき3つのベクトル間距離について、順次最小値判定し補正する動きベクトルを求めている。
ステップS508では、R成分とG成分のベクトル間距離DR−Gが、三つのベクトル間距離のうち最小であるかを判断する。最小値であった場合(ステップS508のTRUE)は,B成分の動きベクトルを補正すると判断して本動作を終了する(ステップS509)。
一方、DR−Gが最小値でない場合(ステップS508のFALSE)は、ステップS510へ遷移する。
ステップS510では、G成分とB成分のベクトル間距離DG−Bが、三つのベクトル間距離中で最小であるかを判断する。最小値であった場合(ステップS511のTRUE)は、R成分の動きベクトルを補正すると判断して本フローを終了する(ステップS511)。
一方、DG−Bが最小値でない場合(ステップS510のFALSE)は、DB−Rが最小値であることから、G成分の動きベクトルを補正すると判断し、本フローを終了する(ステップS512)。
図6中のベクトル値を使用して本動作を実行した場合を例とすると、ベクトル間DR−Gが、他2つベクトル間距離DG−B、DB−Rよりも小さい最小値を持っている。そのため、計算対象外のB成分の動きベクトルmvを補正対象の動きベクトルと判断する。
以上が、本実施例に係わる動画像符号化装置における各色成分の動きベクトルのベクトル間距離取得と比較判定の動作である。
<動きベクトル補正>
続いて、本実施例の動きベクトル補正動作について、図7のフローチャートを用いて説明する。
当該動作は、前記動画像符号化装置の動きベクトル補正部119にて実行される。
はじめにステップS701では、上述のベクトル間距離取得と比較判定フローの出力結果として取得した、補正対象の色成分の動きベクトルmvORGを取得する。
当該動きベクトルmvORGは、R,G,B成分いずれかの色成分の動きベクトル値とする。
尚、前記比較判定において補正すべきベクトルが無いと判定された場合は、当該補正は実行しないものとする。
続いてステップS702では、ベクトル補正対象外の成分の動きベクトルを2つ取得して、当該ベクトルの平均を求めて補正用ベクトルmvCRRを計算する。
例えば、前述のベクトル間距離取得および比較の結果、R信号の動きベクトルmvの補正が必要と判断した場合には、G成分とB成分の動きベクトルmv,mvの平均ベクトルを次式のように求めることで補正用ベクトルを決定する。
Figure 0006151909
そして、ベクトル補正対象の色成分の符号化ブロックに対して、上記ステップで求めた補正用ベクトルmvCRRを適用した場合の、画面間差分値SADCRRを計算する(ステップS703)。
続いてステップS704では、補正ベクトル適用時の画面間差分SADCRRと、補正前の画面間差分値の差を求め、所定値未満の差であるか否かを判断する。
上記判断ステップを設けた後にベクトル補正処理をすることによって、結果として画面間差分値の大きい座標位置にベクトルを指してしまい、それによって画質劣化を目立たせてしまうという矛盾を予め防止することが可能となる。
そして、所定値以上の画面間差分の差がある場合(ステップS704のFALSE)は、ベクトル補正はせずに、そのまま動き補償部110に動きベクトルを符号化パラメタとして通知して、本動作を終了する。これは、他の色成分とはベクトル間距離が異なる動きベクトル検出しているものの、補正ベクトルに比べて実際の被写体の動きに追従できていると判断したためである。
一方、補正ベクトルmvCRR適用前後で、画面間差分の差に大きな違いが無い場合(ステップS704のTRUE)は、当該色成分の符号化ブロックにおける動きベクトルをmvORGからmvCRRの値に補正する。そして、補正された動きベクトルを動き補償部110へ符号化パラメタとして通知する(ステップS705)。この補正は、符号化ブロックレベルでの視覚的な画質劣化はほとんど無いものの、他の色成分と動きベクトルを揃えることでピクチャ単位、画面間での画質劣化を防止する必要があるとの判断に基づく。
尚、上記ステップにおける補正前の画面間差分値は、ここで改めてメモリアクセスして再取得する必要はない。例えば、前段の動き予測部にてベクトル探索時に使用したサーチウィンドウ内で最小となった画面間差分値を保持しておくことで、当該ステップにて流用することが可能であり、処理の効率化が可能である。
<ベクトル補正適用例>
続いて、本実施例に係わる上記動作における画面間差分と動きベクトルとの関係について図8を用いて説明する。
図8は、ベクトル補正を行う場合とベクトル補正を行わない場合それぞれの、画面間差分と補正前後のベクトルの関係を示している。
前記補正動作では、補正前の動きベクトルmvORGと、当該動きベクトルとは異なる各色信号の動きベクトルの平均ベクトルmvCRRの二つを求める。
図8では、−4から−6ピクセル付近に画面間差分の最小値SADORGが検出され、補正用ベクトルmvCRRが、+2から+3の値として計算したケースである。
本実施例では、補正ベクトルをそのまま使って符号化する前に、ベクトル補正前後で画面間差分の変化量を調べて補正の可否を判断する。具体的には、前記mvCRRを適用した場合の画面間差分値SADCRRを取得計算し、SADORGとSADCRRの差分(図中のΔSAD相当)を計算する。上記差分値が小さい場合(図中(a))は、ベクトル補正前後の画面間差分が小さいため、mvORGをmvCRRに置換した動きベクトルでベクトル符号化行う。
一方、図中(b)の差分値が大きい場合には、元々の動きベクトルmvORGが実際の被写体動きを正しく反映しているものと判断できるため、ベクトル補正は行わず、そのままmvORGを動き補償部110へ符号化パラメタとして通知出力する。
このような判断を適用することで、色成分毎にそれぞれ動き予測を行った場合において、実際の被写体の動きと異なる動きベクトルを出力しても、適切な動きベクトルに補正することが可能となる。そのため、色成分ごとの動き予測符号化において画質劣化を防止することが可能となる。
第1の実施例では、色成分毎の動きベクトル間の距離を算出し、ベクトル間距離が他の動きベクトルとは異なるベクトルを、他の色成分の動きベクトルの平均ベクトルに置換して補正した。しかし、補正ベクトルとして補正対象以外の色成分の動きベクトルの平均以外のベクトルにすることも考えられる。以下、その例を第1の実施例の変形例として説明する。
(第1の実施例の変形例1)
本変形例1では、補正対象の動きベクトルをベクトル間距離がより近い方の他の色成分の動きベクトルに補正する。これにより、平均ベクトルを用いた補正ベクトルを使用した場合に比べて、画面間差分のより小さな座標位置に動きベクトルを指すことができるようになり、画質劣化を抑制が可能となる。
以下、本変形例について、図を用いて説明する。
なお、本変形例の説明において、上述した第1の実施例と共通する部分については同じ符号を付して示し、適宜それらの説明を省略する。特に、動画符号化システムの構成については第1の実施例と同様であるので、その説明は省略する。
<動きベクトル補正>
以下、本変形例の動きベクトル補正動作について、図9のフローチャートを用いて説明する。なお、ベクトル間距離取得と比較判定動作については、第1の実施例と同様であるため説明を省略する。また、動き補正ベクトルの補正動作についても、第1の実施例と同様のステップには同じ符号を付して示す。
動きベクトル補正動作は、第1の実施例と同様にステップS701の補正対象の動きベクトルmvORGの取得ステップから開始する。
そして、さらに第1の実施例でのベクトル間距離取得動作で計算した補正対象外の動きベクトルを基準としたベクトル間距離D1およびD2を取得する(ステップS901)。
D1とD2は、例えば図6の例では、mvが補正対象ベクトルとして選択された場合には、DG−BとDB−Rが相当する。
同様にmvが補正対象の場合は、DB−RとDR−Gが、mvが補正対象の場合は、DG−B、DR−Gとなる。
ステップS902では、上記ベクトル間距離D1とD2の大小関係を比較し、どちらの色成分の動きベクトルの方が、補正対象ベクトルに近いかを判断する。
D1の方が小さい場合は(ステップS902のTRUE)、D1を計算する時に使用した動きベクトルのうち、補正対象の色成分とは異なる色成分の動きベクトルを補正ベクトルmvCRRとして設定する(ステップS903)。
一方、D2の方が小さい場合は(ステップS902のFALSE)、D2を計算する時に使用した動きベクトルのうち、補正対象の色成分とは異なる色成分の動きベクトルを補正ベクトルmvCRRとして設定する(ステップS904)。
これ以下は、第1の実施例と同様にステップS703からステップS705を実行して、動きベクトル補正動作を終了する。
以上が、本発明の第1の実施例の変形例1の動きベクトル補正処理動作である。
(第1の実施例の変形例2)
上記変形例1では、補正対象の色成分の動きベクトルをベクトル間距離がより近い方の色成分のベクトルへ補正した。
本変形例2では、補正対象の色成分の動きベクトルを画面間差分値がより小さない値となる色成分のベクトルへ補正する。これにより、第1の実施例に記載の補正ベクトルを適用した場合より、画面内の画素値のコントラスト、すなわち濃淡の区別が視認しやすい座標位置を指し示すベクトルを参照するようになる。そのため、色成分ごとの動画像符号化において画質劣化を抑制することが可能となる。
以下、本変形例2について、図を用いて説明する。
なお、本変形例2の説明において、上述した第1の実施例およびその変形例1と共通する部分については音字符号を付し、適宜その説明を省略する。特に、動画符号システムの構成については第1の実施例と同様であるので、その説明は省略する。
<動きベクトル補正>
本変形例2の動きベクトル補正動作について、図10のフローチャートを用いて説明する。なお、同図において、第1の実施例と同様のステップ同じ符号を付して示し、特に必要のない限りここでの説明を省略する。
本変形例2の動きベクトル補正動作は、第1の実施例と同様にステップS701の補正対象の動きベクトルmvORGの取得ステップから開始する。
そして、第1の実施例の動画像符号化装置の各色成分動き予測部のうち補正対象外の色成分の動き予測部において計算した画面間差分値の最小値SAD1と、SAD2を取得する(ステップS1001)。
SAD1とSAD2は、例えば図6においてのmvを補正対象ベクトルとして選択した場合には、mvのベクトル座標を決定した時の画面間差分値、そしてmvのベクトル座標を決定した時の画面間差分値に相当する。
ステップS1002は、上記SAD1とSAD2の大小関係を比較し、どちらの色成分の動きベクトルの方が、画面間差分値が小さかったか、すなわち原画像と参照画像間の動きが明確に検出できたかを判断する。
画面間差分値SAD1の方が小さい場合は(ステップS1002のTRUE)、SAD1計算時の色成分の動きベクトルを補正ベクトルmvCRRとして設定する(ステップS1003)。
一方、画面間差分値SAD2の方が小さい場合は(ステップS1002のFALSE)、SAD2計算時の色成分の動きベクトルを補正ベクトルmvCRR(符号化パラメタ)
として動き補償部110に通知出力する(ステップS1004)。
これ以下は、第1の実施例と同様にステップS703からステップS705を実行して、動きベクトル補正動作を終了する。
以上が、本発明の第1の実施例の変形例2における動きベクトル補正動作である。
(第2の実施例)
次に、本発明の第2の実施例を、図を用いて説明する。
本実施例は、各色成分の動きベクトルのうちいずれかを、画像の動きを最も反映していると考えられる基準ベクトルとして設定し、他の色成分の動きベクトルを基準ベクトルに補正する構成である。なお、本実施例に係わる動画像符号化装置も、第1の実施例と同様に、ビデオカメラ等の撮像装置に本発明を適用した動画像符号化システムで実現するものとし、その構成は第1の実施例と同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、第1の実施例と同様に、本実施例に係わる動画像符号化装置も、上記動画像符号化システムから撮像部101および色成分分離部102が除かれた、コンピュータ等で実行可能な装置として提供することが可能である。例えば、PCなどの情報処理装置においてプログラム又は一部ハードとの組み合わせにおいて実行される動画像符号化装置および方法として提供することも可能である。
また、本発明の実施例においても説明のために、RGB三原色の画像入力を前提として、第一の色成分をR成分、第二の色成分をG成分、そして第三の色成分をB成分としているが、特に本発明において限定するものではない。
<基準ベクトル決定処理>
本実施例に係わる動画像符号化装置の基準ベクトル決定動作について、図11を用いて説明する。
当該動作は、第1の実施例に係わる動画像符号化装置のベクトル間距離取得部117にて実行される。
初めに、ステップS501では、前記第一の色成分の動きベクトル予測部114にて求めたR成分の動きベクトルmvを取得する。同様にして、第二の色成分の動きベクトル予測部115からG成分の動きベクトルmvを(ステップS1102)、第三の色成分の動きベクトル予測部116からB成分の動きベクトルmvを取得する(ステップS1103)。
そして本実施例では、上記3つの色信号の中で、人間の視覚特性として輝度成分が最も認識しやすいことから、輝度成分を最も多く含むG成分の動きベクトルmvを基準ベクトルmvREFとして設定する(ステップS504)。
以上が、基準ベクトルの決定動作である。
<ベクトル間距離比較および動きベクトル補正>
次に、本実施例のベクトル間距離比較および動きベクトル補正動作について図12および図13を用いて説明する。
当該動作は、前記動画像符号化装置のベクトル間距離比較部118と動きベクトル補正部119にて実行される。
初めに、ステップS1301で、上述の基準ベクトル決定動作にて求めた基準ベクトルmvREFと、基準ベクトルの色成分以外の第一の色成分の動きベクトルmvを取得し、2つの動きベクトルのベクトル間距離Dを、上記式(2)に基づいて算出する。
同様に、ステップS1302では、基準ベクトルmvREFと、基準ベクトルおよびmvベクトルの色成分以外の第二の色成分の動きベクトルmvを取得し、2つの動きベクトルのベクトル間距離Dを、上記式(2)に基づいて算出する。
これにより、図13の例で示すように、2つの各色成分動きベクトル間の頂点を結んだ距離を表わすスカラ量Dを求め、後述のベクトルの相関関係を判定する。
図12の例では、各色成分の動きベクトルはmv=(4,3)、mv=(4,4)、mv=(−2,2)であり、また、上述の基準ベクトル決定動作により、G成分の動きベクトルmvをmvREFと設定している。
このことから、G成分とB成分のベクトル間距離Dと、G成分とR成分のベクトル間距離Dは、それぞれ
=√29、D=1
と計算できる。
上記の計算結果をもとに、ステップS1303では、基準ベクトルに対する第一の色成分の動きベクトルの乖離量を示す前記ベクトル間距離Dを、予め定めた所定値と比較し、所定値未満か否かを判断する。図12では、DはG成分の動きベクトルに対するB成分の動きベクトルの頂点間の距離に相当する。
一般的にベクトル間距離が数ピクセル未満であれば(ステップS1303のTRUE)、基準ベクトルmvREFとmvは、ほぼ同じベクトル方向・長さを持つため、視覚的に色ズレ等の問題は発生しにくいと判断する。前記比較判定ステップで閾値として設定する前記所定値はこのような判断に沿って設定する。
結果、動きベクトルmvは補正せずに、そのまま動き補償部110へ符号化パラメタとして出力し、参照画像の生成やベクトル符号化を行う。
一方、ベクトル間距離Dが所定値以上の値を持つ場合には(ステップS1303のFALSE)、当該色成分の動きベクトルmvを、基準ベクトルmvREFと同じベクトルに補正して出力する(ステップS1304)。
同様にして、ステップS1305では、基準ベクトルに対する第二の色成分の動きベクトルの乖離量を示す前記ベクトル間距離Dを、予め定めた所定値と比較して、所定値未満か否かを比較する。図12では、DはG成分の動きベクトルに対するR成分の動きベクトルの頂点間の距離に相当する。
が所定値未満の場合は(ステップS1305のTRUE)、基準ベクトルmvREFとmvは、ほぼ同じベクトル方向・長さを持つため、mvは補正せずに、そのまま動き補償部110へ出力し、参照画像の生成やベクトル符号化を行う。
一方、ベクトル間距離Dが所定値以上の値を持つ場合には(ステップS1305のFALSE)、当該色成分の動きベクトルmvを、基準ベクトルmvREFと同じに補正して出力する(ステップS1306)。
以上が、本実施例のベクトル間距離比較とベクトル補正動作である。
上述した本発明の第2の実施例に拠れば、色成分毎にそれぞれ動き予測を行った場合において、実際の被写体の動きと異なる動きベクトルを出力しても、適切な動きベクトルに補正することができるため、画質劣化を防止することが可能となる。
上記第2の実施例では、色成分毎の動きベクトルの内、G成分の動きベクトルを基準ベクトルとし、当該基準ベクトルとのベクトル間距離が所定値以上となった動きベクトルを補正した。
次に、基準ベクトルの設定構成の他の例を、第2の実施例の変形例1および2として説明する。なお、本変形例においても動画像符号化システムの構成は第1の実施例と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(第2の実施例の変形例1)
第2の実施例の変形例1では、記録動作時のユーザ指定の撮影モードに応じて、基準ベクトルを決定する。これにより、撮影モードによって異なる色味や明るさ等の撮影パラメタに適した色成分の動きベクトルを優先し、画質劣化を抑制することが可能である。
<基準ベクトル決定>
以下、本変形例1の基準ベクトル決定動作について、図14のフローチャートを用いて説明する。なお、第2の実施例と共通する部分については、同一の符号を付して適宜その説明を省略する。
当該基準ベクトル決定動作は、第2の実施例と同様にステップS501からステップS503までのR、G,Bの三つの色成分の動きベクトルmv、mv,mvを取得するステップから開始する。
そして、図1には示していない操作ボタンやタッチパネル等のユーザインタフェース経由で入力された、ユーザ設定による撮影モードを動画像符号化装置のCPU等の制御部から取得する(ステップS1401)。
次いで、ステップS1402から、当該撮影モードの種別を判断し、該モードで入力された動画像を符号化する時、最適な色成分の動きベクトルを基準ベクトルに設定する処理を順次実行する。
ステップS1402では、撮影モードに夜景モードが指定されたかどうかを判断する。夜景モードとは夜景を被写体として好適に撮影するために各種撮影パラメタが自動設定される撮影モードである。夜景のように暗い画像では(ステップS1402のTRUE)、緑や赤よりも青の色味が画質を左右する要因となることから、基準となる動きベクトルmvREFには、B成分を優先したmvを設定する(ステップS1403)。
続いて、夜景モードでない場合は(ステップS1402のFALSE)、撮影モードに風景モードが設定されているかどうかを判断する(ステップS1404)。風景モードとは風景を被写体として好適に撮影するために各種撮影パラメタが自動設定される撮影モードである。
風景モード設定時には(ステップS1404のTRUE)、被写体として人物や動体よりも、山や木等のG成分を多く含む画像を撮影するケースが多い。このことから、撮影モードが風景モード指定の場合は、G成分の動きベクトルmvを基準ベクトルmvREFに設定する(ステップS1405)。
そして、設定モードが夜景モードでも風景モードでもない場合は(ステップS1404のFALSE)、キッズモードやポートレートモード等、人物を中心にした被写体を撮影するモードが指定されているか否かを判断する(ステップS1406)。キッズモードとは動き回る人物を、ポートレートモードとは静止した人物をそれぞれ被写体として好適に撮影するために各種撮影パラメタが自動設定される撮影モードである。
ステップS1406にてTRUEとなり、人物を撮影するモードが設定されている場合は、肌色の色味や質感等が画質を左右する要因となることから、R成分のベクトルmvを基準ベクトルmvREFと設定する(ステップS1407)。
最後に上記のいずれの撮影モードにも該当しなかった場合には(ステップS1406のFALSE)、第2の実施例の基準ベクトル決定処理により、G成分の動きベクトルmvを基準ベクトルmvREFに設定し、本フローを終了する。
その後、図13のフローチャートに従って、設定した基準ベクトルを用いて、他の色成分の動きベクトルの補正を行なう。
以上が、本発明の第2の実施例の変形例1に係わる基準ベクトル決定動作である。
(第2の実施例の変形例2)
上述の第2の実施例の変形例1では、記録動作時のユーザ指定の撮影モードに応じて、基準ベクトルを決定した。本変形例2では、三つの色成分の動きベクトルの内、最も画面間差分値が小さかった動きベクトルを基準ベクトルに設定する。これにより、どの色成分の動きベクトルが被写体の動きを忠実に追従しているかが判断され、その動きベクトルを基準としたベクトル補正処理の精度が向上し、画質劣化の抑制が可能となる。
<基準ベクトル決定>
以下、本変形例2の基準ベクトル決定動作について、図15および図16を用いて説明する。なお、本変形例2において、上述した第2の実施例およびその変形例1と共通する部分については同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
当該基準ベクトル決定動作は、第2の実施例と同様にステップS501からステップS503までのR、G,Bの三つの色成分の動きベクトルmv、mv、mvを取得するステップから開始する。
そして、第一から第三の動きベクトル予測部114、115、116において前記動きベクトルを生成する時の画面間差分値(最小値)を、各色成分について取得する(ステップS1501、S1502,S1503)。
図16に例として、当該動きベクトルmv,mv,mvの決定時の、サーチウィンドウ内での各色成分の画面間差分値をそれぞれ示す。
同図の例によれば、mv決定時の画面間差分値の最小値をSAD、mv決定時の画面間差分値の最小値をSAD、mv決定時の画面間差分値の最小値をSADと定義する。
以降ステップS1504から、上述の処理ステップで取得した三つの色成分の画面間差分値の最小値のうち、最も値が小さくなった色成分を検索し、当該色成分の動きベクトルを基準ベクトルに設定する処理を順次実行する。
ステップS1504では、三つの画面間差分値の最小値のうち、最も小さな値を有する色成分がB成分であったかを判断する。
B成分の画面間差分値SADが最も小さいかった場合は(ステップS1504のTRUE)、B成分の動きベクトルmvを基準ベクトルmvREFに設定する(ステップS1505)。
一方、B成分の画面間差分値SAD以外が小さな値を有する場合は(ステップS1504のFALSE)、G成分の画面間差分値の最小値が、最も小さな値だったかを判断する(ステップS1506)。
そしてG成分の画面間差分値SADが最も小さいかった場合は(ステップS1506のTRUE)、G成分の動きベクトルmvを基準ベクトルmvREFに設定する(ステップS1507)。
最後に、三つの画面間差分値の最小値のうち、最も小さな値を有する色成分がB成分でもG成分でもなかった場合(ステップS1506のFALSE)、R成分の画面間差分値SADが最も小さかったものと判断される。そのため、R成分の動きベクトルmvを基準ベクトルmvREFに設定する(ステップS1508)。
以上が、本発明の第2の実施例の変形例2における基準ベクトル決定動作である。この後は、図13のフローチャートに従って、設定した基準ベクトルを用いて、他の色成分の動きベクトルの補正を行なう。
なお、上記決定動作では、B成分、G成分、R成分の順番で比較判定をしているが、本発明を実施する上で色成分の判定順番はどちらでも良く、全色成分について比較する動作であれば特に制限するものではない。
また、図16の例において上記決定動作に従って基準ベクトルを決定した場合には、最もSAD値が小さな値となるSADを有するB成分の動きベクトルmv(−2、2)が基準ベクトルとして選択される。
(第2の実施例の変形例3)
第2の実施例の変形例2では、三つの色成分の動きベクトルのうち、最も画面間差分値が小さかったベクトルを基準ベクトルとして設定した。
本変形例3では、3つの色成分の入力画像について、画面内あるいは画像領域毎に画素値の出現度数(ヒストグラム)を求め、当該画素値分布のバラつきに応じて基準ベクトルを決定して設定する。これは、画面内の画素値の分布が広い、すなわち濃淡のレンジが大きい色成分の方が、被写体の動きをより正確に反映したベクトルを計算しやすいことから基準ベクトルを決定する構成であり、画質劣化の抑制が可能となる。
<基準ベクトル決定処理>
以下、第2の実施例の変形例3を、図17および図18を用いて説明する。
なお、本変形例3の説明において、上述した第2の実施例および変形例1、2と共通する部分については同一の符号を付して示し、適宜その説明を省略する。
基準ベクトル決定動作は、第2の実施例と同様にステップS501からステップS503までのR、G,Bの三つの色成分の動きベクトルmv、mv,mvを取得するステップから開始する。
そして、三つの色成分すべてについて画素ヒストグラムを生成する(ステップS1701、S1702,S1703)。
図18に、各色成分のヒストグラムの例を示す。ヒストグラムの横軸は、画素値が取り得る値域を表わし、一般的に1画素の画素値を8ビットで表現した場合には、整数値で0から255までの値となる。そして縦軸は、当該画素値が、1フレーム単位、サーチウィンドウ単位、あるいは符号化ブロック単位での画像データ中の出現個数を表わす。
本変形例では、ヒストグラム計算を行う画像データの単位の大きさを特に限定するものではない。しかし、画面内の細かな制御とサンプル数に依存したデータ信頼性の両方を満たす場合、サーチウィンドウ単位が望ましい。
次に、ステップS1704以降で、上述の処理ステップで生成した三つの色成分のヒストグラムのうち、最も画素値のバラつきが大きくなった色成分を検索し、当該色成分の動きベクトルを基準ベクトルに設定する処理を順次実行する。
本変形例において、前記色成分毎の画素値バラツキを求める手段としては、一般的な分布評価として使われている標準分散σを下式(4)に基づいて求め、当該分散値の大小関係を色成分間で比較する。
Figure 0006151909
ここで、xは、各画素値の出現度数、Xは下式(5)にて求めた算術平均値である。また、nは画素値の最大値である255、iは0から255までの整数値を取るものとする。
Figure 0006151909
上式に基づいて求めた分散値の値が大きいほど、分布のバラツキが広いこと意味し、0から255までのレンジに広く画素が存在することを示す。
ステップS1704では、三つのヒストグラムの内、最もヒストグラムの分布バラツキが大きな値を有する色成分がB成分であるかどうかを判断する。
B成分のヒストグラム分布が最も大きい場合は(ステップS1704のTRUE)、B成分の動きベクトルmvを基準ベクトルmvREFに設定する(ステップS1705)。
一方、B成分のヒストグラム分布以外が大きな値を有する場合は(ステップS1704のFALSE)、G成分のヒストグラム分布値が、最も大きな値であるかどうかを判断する(ステップS1706)。
そしてG成分のヒストグラム分布が最も大きい場合は(ステップS1706のTRUE)、G成分の動きベクトルmvを基準ベクトルmvREFに設定する(ステップS1707)。
最後に、三つのヒストグラム分布のうち、最も大きな値を有する色成分がB成分でもG成分でもなかった場合(ステップS1706のFALSE)、R成分のヒストグラム分布が最も大きいものと判断される。そのため、R成分の動きベクトルmvを基準ベクトルmvREFに設定する(ステップS1708)。
以上が、本発明の第2の実施例の変形例3における基準ベクトルの決定動作である。基準ベクトルを設定した後の動きベクトルの補正は、図13のフローチャートに従って第2の実施例と同様に行う。
なお、上記決定フローでは、B成分、G成分、R成分の順番で比較判断をしているが、本変形例を実施する上で色成分の判断順番はどちらでも良く、全色成分について比較するフローであれば特に制限するものではない。
また、図18の例において上記決定動作に従って基準ベクトルを決定した場合には、最もヒストグラム分布が大きい色成分はR成分となり、R成分の動きベクトルmvが基準ベクトルとして選択される。
(第3の実施例)
第1の実施例では、色成分毎の動きベクトルのベクトル間距離を算出し、それらを比較してベクトル間距離が他の色成分と異なる色成分を検出した。そして当該色成分の動きベクトルを、他の色成分の動きベクトルの平均ベクトルや、ベクトル間距離が最小となる色成分の動きベクトル、又は画面間差分値が最小となる色成分の動きベクトルに補正した。また、第2の実施例では、色成分の動きベクトルのうち、一つを基準ベクトルと決定し、それと他の動きベクトルとの距離に従って補正対象となる色成分を決定した。
第3の実施例では、色成分毎の参照画像番号を比較し、他の色成分の参照画像番号と異なる色成分があった場合に、当該参照画像番号を適切な参照画像番号に補正し、対応する動きベクトルも補正する。これにより、2次元のベクトル値の大小関係に加えて、時間方向も含めた精度の高い補正が可能となり、さらに画質劣化を抑制することが可能となる。
以下、本発明の第3の実施例について、図を用いて説明する。なお、第3の実施例の説明において、上述した第1および第2の実施例と共通する部分については同一の符号を付して示し、適宜その説明を省略する。
<システム構成>
図19は、本発明の第3の実施例に係わる動画像符号化装置をビデオカメラ等の撮像装置に適用したときの動画像符号化システムの構成を示すブロックである。
なお、第1の実施例と同様に、本実施例に係わる動画像符号化装置も、上記動画像符号化システムから撮像部101および色成分分離部102が除かれた、コンピュータ等で実行可能な装置として提供することが可能である。例えば、PCなどの情報処理装置においてプログラム又は一部ハードとの組み合わせにおいて実行される動画像符号化装置および方法として提供することも可能である。
また、本発明の実施例においても説明のために、RGB三原色の画像入力を前提として、第一の色成分をR成分、第二の色成分をG成分、そして第三の色成分をB成分としているが、特に本発明において限定するものではない。
本実施例のシステムは、構成要素101から116なる第1の実施例の構成と、参照画像番号取得部1901、参照画像番号比較部1902、参照画像番号補正部1903、第二の動きベクトル補正部1904からなる構成とからなる。
動き補償部110は、ループ内フィルタ111でフィルタ処理された予測画像データ、後述する第二の動きベクトル補正部1904から通知された動きベクトルおよび参照画像番号を用いてインター符号化の際に用いる参照画像データを生成する。生成した参照画像データは、フレームメモリ103に格納される。
参照画像番号取得部1901は、第一から第三までの色成分の動き予測部114,115、116で求めた、各色成分の同一位置の符号化ブロックでの参照画像番号を取得する。参照画像番号を示す情報としては、MPEG−4AVC/H.264規格で定義される、符号化ブロック単位に符号化するref_idxというシンタックス値を本実施例では適用する。しかし、当該情報と同義の値が取得できれば特に限定しない。
上記ref_idx値は、当該符号化ブロックが参照する画像位置を一意に識別する情報として符号化データ中に記述され、復号時に用いられる。また、色成分毎に独立に符号化した場合においても、時間的に同じ位置の画像であるときには同じref_idx値が記述されている。
参照画像番号比較部1902は、参照画像番号取得部1901より通知された各色成分の参照画像の時間的な位置情報(ref_idx)を比較し、特定の色成分ref_idxが異なるか否かを比較判定する。
参照画像番号補正部1903は、参照画像番号比較部1902の判定結果に基づいて、当該色成分の参照画像番号を適切な参照画像番号に補正する。
第二の動きベクトル補正部1904は、前記参照画像番号補正部で設定された補正前後の参照画像番号で示される各参照画像の参照距離に基づいて動きベクトルを比例計算によって補正する。そして補正した参照画像番号と動きベクトルを符号化パラメタとして動き補償部110へ出力し、そこで予測画像生成時に適用される。
以上が本発明の第3の実施例における動画像符号化システムの構成である。
<参照画像番号比較>
以下、本発明の第3の実施例の参照画像番号比較動作について、図20のフローチャートを用いて説明する。当該動作は、本実施例に係わる動画像符号化システムの参照画像番号取得部1901、および参照画像番号比較部1902にて実行する。
初めに、ステップS2001で、上述した動き予測処理によって求めたR成分の参照画像番号ref_idxを第一の動き予測部114から取得する。同様に、G成分の参照画像番号ref_idxを第二の動き予測部115から(ステップS2002)、B成分の参照画像番号ref_idxを第三の動き予測部116からそれぞれ取得する(ステップS2003)。
続いて、上記ステップS2001からS2003によって取得した、3つの色成分の参照画像番号を比較して、どの色成分の参照画像番号を補正するかどうかの比較判断を行う。
ステップS2004では、R成分だけが他の色成分とは異なる参照画像番号であるかどうかを比較判定する。前記比較判定の結果、R成分だけ異なる(ステップS2004のTRUE)場合は、R成分の参照画像番号ref_idxR値を補正して符号化するものと決定する。この決定は、後段の参照画像番号補正処理部へ通知され、その後本フローを終了する(ステップS2008)。
一方、R成分以外の参照画像番号が異なる(ステップS2004のFALSE)場合は、続けてG成分だけが他の色成分とは異なる参照画像番号であるかどうかを比較判定する(ステップS2005)。この比較判定の結果、G成分だけ異なる(ステップS2005のTRUE)場合は、G成分の参照画像番号ref_idxG値を補正して符号化するものと決定する。この決定は、後段の参照画像番号補正処理部へ通知され、その後本動作を終了する(ステップS2009)。
一方、G成分以外の参照画像番号が異なる(ステップS2005のFALSE)場合は、さらにB成分だけが他の色成分とは異なる参照画像番号であるかどうかを比較判定する(ステップS2006)。その結果、B成分だけ異なる(ステップS2006のTRUE)場合は、B成分の参照画像番号ref_idxx値を補正して符号化するものと決定する。決定の結果は、後段の参照画像番号補正処理部に通知され、その後、本動作を終了する(ステップS2010)。
最後に、全ての色成分の参照画像番号が異なる場合(ステップS2006のFALSE)は、すべての色成分の参照画像番号を補正して符号化するものと決定して、本動作を終了する(ステップS2007)。
以上が、本発明の第3の実施例における参照画像番号比較動作である。
<参照画像番号補正>
次に、本発明の第3の実施例の参照画像番号補正動作について、図21のフローチャートを用いて説明する。
当該動作は、本実施例の動画像符号化システムの参照画像番号補正部1903および第二の動きベクトル補正部1904にて実行する。
初めに、前記参照画像番号比較動作のステップS2101では、補正対象の色成分についての参照画像番号ref_idxORGと、当該色成分の動きベクトル値mvORGを取得する。
動きベクトル値mvORGは、第一の動き予測部114から116にて出力された、各色成分の動きベクトルである。
続いて、前記参照画像番号ref_idxORGと動きベクトルmvORGである動き予測情報を用いて、当該符号化ブロックの予測画像と参照画像間との画面間差分値SADORGを計算する(ステップS2102)。
続いて、上述の参照画像番号比較動作での判定結果が、いずれかの色成分についてだけ補正が必要か、あるいは全色成分について補正が必要かのいずれであったかを判断する(ステップS2103)。
特定色の参照画像番号について補正が必要な場合(ステップS2103のFALSE)、補正対象外の色成分の参照画像番号を、補正参照画像番号ref_idxCORRとして設定する(ステップS2105)。
一方、全色成分の参照画像番号の補正が必要な場合(ステップS2103のTRUE)は、全色成分のうち、符号化画像位置を起点に、最も時間距離が短い画像番号を持つref_idx値を、補正参照画像番号ref_idxCORRとして設定する(ステップS2104)。
続いて、前記ステップS2104あるいはS2105にて設定した参照画像番号ref_idxCORRと補正前の参照画像番号ref_idxORGの参照距離から、補正前の動きベクトルmvORGから比例計算によって補正動きベクトルmvCORRを計算する(ステップS2106)。参照方向が反転した場合は、ベクトル成分の符号を反転して、参照画像位置の時間的な距離がN倍になったら、ベクトル成分の要素をN倍するという比例計算によって導出する方法を採用する。
そして、参照画像番号補正対象の色成分の符号化ブロックに対して、上記補正参照画像番号ref_idxCORRと動きベクトルmvCORRから、ステップS2102と同様に画面間差分値SADCORRを計算する(ステップS2107)。
続いてステップS2108では、参照画像番号補正時の画面間差分SADCORRと補正前の画面間差分値SADORGの差を求め、所定値未満の差であるか否かを判断する。この判断ステップを経て実際に符号化する参照画像番号を決定する。これにより、結果として画面間差分値の大きい参照画像にベクトルを指してしまい、それによって画質劣化を目立たせてしまうという逆効果を予め防止する。
所定値以上の画面間差分の差がある場合は(ステップS2108のFALSE)、他の色成分と参照画像番号が異なる動き予測結果となっているが、参照画像番号補正適用時に比べて実際のオブジェクトの動きに追従できていると判断する。その結果、参照画像番号補正はせず、そのまま動き補償部110に動きベクトルmvORGとref_idxORGを通知して、本動作を終了する(ステップS2109)。
一方、補正参照画像番号ref_idxCORRの適用後でも、画面間差分の差に大きな違いが無い場合は(ステップS2108のTRUE)、次のように判断する。符号化ブロックレベルでの視覚的な画質劣化がほとんど伴わずに他の色成分と参照画像番号を揃えることが可能で、ピクチャ単位、画面間での画質劣化を防止できる効果あるものと判断する。
そして、当該色成分の符号化ブロックにおける動きベクトルmvCORRとref_idxORGからref_idxCORRの値に補正した参照画像番号を、符号化パラメタとして動き補償部110へ通知出力する(ステップS2110)。
以上が、本発明の第3の実施例における参照画像番号補正動作である。
<参照画像番号補正動作例>
続いて、本実施例による上記動作例を、図22および図23を用いて説明する。
図22の例は、RGBの三成分の符号化画像において、同一の符号化ブロック位置で、動き予測を行った時の参照画像番号を補正する前と、補正した後を示している。なお、図の例では、符号化画像に対して過去の画像を参照する前方参照画像を1つまたは3つ持つ構成となっているが、本発明を実施する上では、参照方向や画像枚数を特に図の構成に限定するものではない。
図の例では、R成分とG成分は、動き予測部の結果として、前方参照画像である参照画像番号が0となるフレーム画像に対して、動きベクトル予測を行っている。一方、B成分については、後方参照画像である参照画像番号が1となるフレーム画像に対して動きベクトル予測を行っている。
本実施例は、動きベクトル値のみを補正対象とする第1および第2の実施例と比較して、各色成分において動きベクトルが同じだが、参照画像が異なるような場合に発生し得る画質劣化の防止が可能となる。即ち、時間軸方向の参照関係についても各色成分で揃えるように、特定、あるいは全ての色成分について参照画像番号を補正して符号化することが可能となる。
具体的には、図22(b)のように、B成分の参照画像番号ref_idxを1から、R成分やG成分と同じ0に変更して符号化を行う。またB成分の動きベクトルmvについても、元の参照画像番号と補正後の参照画像番号とで、時間方向が逆転しているので、ベクトルの向きが逆になる正負の符号反転を行ったベクトル(−mv)で符号化する。
また図23の例では、同じ符号化ブロック位置において、すべての色成分の参照画像番号が異なる場合の参照画像番号の補正前と、補正後について示している。
同図(a)では、R成分が参照画像番号2を、G成分が参照画像番号0を、B成分が参照画像番号1に相当するフレーム画像をそれぞれ参照してベクトル予測を行っている。
本実施例によれば、各色成分が異なる参照画像番号となった場合は、符号化画像位置から最も時間的に近い場所、すなわち画像番号0のフレーム画像をすべての色成分が参照するように参照画像番号を補正する(図(b))。また、各色成分の動きベクトルについても、参照画像番号の補正前後での参照距離に基づいて、元の動きベクトルmvを1/3倍、またmvを1/2倍した動きベクトルmv´、mv´に補正する。
上述のように本実施例によれば、動きベクトルの向きや大小関係に加えて、時間軸方向も考慮した動き予測情報の補正が可能となる。そのため、画面間で被写体やオブジェクトの動きがあった時に、特定の色成分だけが他の色成分と大きく異なる画像参照をした場合に起こる画質劣化の防止が可能となる。
(第4の実施例)
第3の実施例では、色成分毎の参照画像番号を比較し、他と参照画像番号と異なる色成分があった場合に、当該参照画像番号を適切な参照画像番号に補正し、対応する動きベクトルも補正した。この時、動きベクトルの補正は、補正前後の参照画像番号について、時間方向の前後関係および時間的な距離に基づく比例関係から導出される値を適用する構成であった。
第4の実施例は、上述の第3の実施例での参照画像番号の補正とそれに対応する動きベクトルの補正後に、第1及び第2の実施例の動きベクトルの補正を行う構成とする。これにより、参照画像番号の補正によって各色成分が同一時刻の参照画像番号に基づく動き予測を行なった後に、さらに動きベクトルを補正して最適な値を導出することが可能となる。
以下、本発明の第4の実施例について、図を用いて説明する。なお、本実施例の説明において、上述した第1から第3の実施例と共通する部分については同一の符号を付して示し、適宜その説明を省略する。特に実施例の参照画像番号比較動作は、上記第3の実施例と同一である。
<システム構成>
図24には、本発明の第4の実施例に係わる動画像符号化装置をビデオカメラ等の撮像装置に適用したときの動画像符号化システムの構成を示すブロックである。本実施例のシステムは、第1および第3の実施例で示したシステム構成の要素すべてから構成される。
なお、第1の実施例と同様に、本実施例に係わる動画像符号化装置も、上記動画像符号化システムから撮像部101および色成分分離部102が除かれた、コンピュータ等で実行可能な装置として提供することが可能である。例えば、PCなどの情報処理装置においてプログラム又は一部ハードとの組み合わせにおいて実行される動画像符号化装置および方法として提供することも可能である。
また、本発明の実施例においても説明のために、RGB三原色の画像入力を前提として、第一の色成分をR成分、第二の色成分をG成分、そして第三の色成分をB成分としているが、特に本発明において限定するものではない。
本実施例での動き補償部110は、ループ内フィルタ111でフィルタ処理された予測画像データを入力することは第1乃至第3の実施例と同様である。しかし、本実施例ではさらに参照画像番号補正部1903から通知された補正後の参照画像番号と動きベクトル補正部119から通知された動きベクトルを符号化パラメタとして入力する。動き補償部110は、これらの入力情報に基づいてインター符号化の際に用いる参照画像データを生成し、フレームメモリ103に格納する。
第三の動きベクトル補正部2401は、第3の実施例の比例計算による動きベクトル補正と、第一から第三の色成分の動き予測部114,115,116からの補正前の動きベクトルとを切り換える。切り換えられた動きベクトルはベクトル間距離取得部117に通知される。
以上が本発明の第4の実施例における動画像符号化システムの構成である。
<参照画像番号補正>
以下、本発明の第4の実施例の参照画像番号補正動作について、図25のフローチャートを用いて説明する。
当該動作は、本実施例に係わる動画像符号化装置の参照画像番号補正部1903および第二の動きベクトル補正部1904にて実行する。
当該フローチャートのステップS2101からS2109までは、上述の第3の実施例での参照画像番号補正と同一である。
本実施例では、ステップS2108において,補正前後の画面間差分が小さく、動きベクトルと参照画像番号の補正値出力が必要と判断した場合(FALSE)の動作が第3の実施例と異なる。この場合本実施例では、補正した参照画像番号としてref_idxCORRを動き補償部110へ通知出力すると供に、各色成分について比例計算によって補正した動きベクトルmvCORRをベクトル間距離取得部117に通知する。そして、上述した実施例1および2のいずれかの方法で、各色成分間のベクトル間距離を計算し、最適な動きベクトル補正をした後、動き補償部110に通知出力する(ステップS2501)。
以上が、本発明の第4の実施例における参照画像番号補正動作である。
<参照画像番号補正適用例>
上記本実施例の動作例を、図26を用いて説明する。
図26は、RGBの三成分の符号化画像において、同一の符号化ブロック位置に対する本実施例による動き予測情報の補正動作を示している。同図(a)は、ベクトル探索後の参照画像番号補正前、(b)は比例計算による動きベクトルと参照画像番号補正後、(c)はベクトル間距離時基づく動きベクトル補正後(c)を示している。
図26の例では、符号化画像に対して、過去の映像を参照する前方参照画像を2つ、未来の映像を参照する後方参照画像を1つ持つ構成となっている。しかし、第3の実施例と同様に、本発明を実施する上では、参照方向や画像枚数を特に図の構成に限定するものではない。
図26の(a)では、R成分が前方参照画像番号1を、G成分が後方参照画像番号2を、そしてB成分が前方参照画像番号0に相当するフレーム画像をそれぞれ参照してベクトル予測を行っている。
そして第3の実施例と同様に、各色成分が異なる参照画像となった場合において、符号化ピクチャ位置から最も時間的に近い場所である参照画像番号0のフレーム画像を参照するよう参照画像番号を補正する(図26(b))。同様に参照画像番号の補正前後の参照距離の比例関係に基づいて、補正した色成分の動きベクトルも補正する。
さらに本実施例では、各色成分の参照画像番号を補正して揃えた後に比例計算によって補正した各色成分の動きベクトルを第1又は第2の実施例による動きベクトル間距離に基づく一連のベクトル補正を行う。
図26の(b)では、比例計算による補正をした後の色成分の動きベクトルが、異なる長さ、方向を有する値として算出されたことを想定している。これらの動きベクトルは、その後、第1および第2の実施例のいずれかの方法で、各色成分の動きベクトル間の距離に応じて共通のmvCRRに補正されている(図26(c))。
以上が、本発明の第4の実施例による参照画像番号および動きベクトル補正の構成である。
(その他の実施形態)
前述した本発明の実施形態における記録装置を構成する各手段、並びに記録方法の各工程は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(図示したフローチャートに対応したプログラム)を、システムまたは装置に直接、または遠隔から供給する場合も含む。そして、そのシステムまたは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどがある。さらに、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などもある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する方法がある。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記憶媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、その他の方法として、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、その他の方法として、まず記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

Claims (8)

  1. 複数の色成分から構成される動画像を色成分ごとに独立して動き予測符号化する動画像符号化装置において、
    前記動画像を構成する前記複数の色成分を取得する色成分取得手段と、
    前記取得した各色成分の符号化画像を予測符号化するための少なくとも一つの動きベクトルを生成する生成手段と、
    前記生成された各色成分の動きベクトル間の距離のいずれかが予め定めた所定値以上である場合に、ベクトル間の距離が最小である色成分以外の色成分の動きベクトルを補正対象として決定し、前記決定された色成分の動きベクトルを他の色成分の動きベクトルの平均ベクトルに補正する補正手段と、
    前記補正された動きベクトルを符号化パラメタとして取得し、前記取得した符号化パラメタを用いてインター符号化に用いる参照画像データを生成する符号化手段と
    を備えることを特徴とする動画像符号化装置。
  2. 複数の色成分から構成される動画像を色成分ごとに独立して動き予測符号化する動画像符号化装置において、
    前記動画像を構成する前記複数の色成分を取得する色成分取得手段と、
    前記取得した各色成分の符号化画像を予測符号化するための少なくとも一つの動きベクトルを生成する生成手段と、
    前記生成された各色成分の動きベクトル間の距離のいずれかが予め定めた所定値以上である場合に、ベクトル間の距離が最小である色成分以外の色成分の動きベクトルを補正対象として決定し、前記決定された色成分の動きベクトルを、他の色成分の動きベクトルのうち、前記補正対象と決定された色成分の動きベクトルとの距離が最小である他の色成分の動きベクトルに補正する補正手段と、
    前記補正された動きベクトルを符号化パラメタとして取得し、前記取得した符号化パラメタを用いてインター符号化に用いる参照画像データを生成する符号化手段と
    を備えることを特徴とする動画像符号化装置。
  3. 複数の色成分から構成される動画像を色成分ごとに独立して動き予測符号化する動画像符号化装置において、
    前記動画像を構成する前記複数の色成分を取得する色成分取得手段と、
    前記取得した各色成分の符号化画像を予測符号化するための少なくとも一つの動きベクトルを生成する生成手段と、
    前記生成された各色成分の動きベクトル間の距離のいずれかが予め定めた所定値以上である場合に、ベクトル間の距離が最小である色成分以外の色成分の動きベクトルを補正対象として決定し、前記決定された色成分の動きベクトルを、他の色成分の動きベクトルのうち、前記他の色成分の動きベクトルに係わる参照画像と前記符号化画像との画面間差分値が最小である動きベクトルに補正する補正手段と、
    前記補正された動きベクトルを符号化パラメタとして取得し、前記取得した符号化パラメタを用いてインター符号化に用いる参照画像データを生成する符号化手段と
    を備えることを特徴とする動画像符号化装置。
  4. 前記補正手段は、前記補正対象となる色成分の動きベクトルを補正した場合、前記補正対象の色成分の動きベクトルに係わる参照画像と前記符号化画像との画面間差分値と、前記補正対象の色成分の動きベクトルの代わりに前記他の色成分の対応する動きベクトルを用いたときの前記参照画像と前記符号化画像との画面間差分値を算出し、前記算出した画面間差分値の差が所定値以下の場合には、前記補正対象の色成分の補正した動きベクトルと前記他の色成分の動きベクトルを前記符号化パラメタとして取得し、前記所定値より大きい場合には、前記補正対象の色成分の補正前の動きベクトルと前記他の色成分の動きベクトルを前記符号化パラメタとして取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の動画像符号化装置。
  5. 複数の色成分から構成される動画像を色成分ごとに独立して動き予測符号化する動画像符号化装置において、
    前記動画像を構成する前記複数の色成分を取得する色成分取得ステップと、
    前記取得した各色成分の符号化画像を予測符号化するための少なくとも一つの動きベクトルを生成する生成ステップと、
    前記生成された各色成分の動きベクトル間の距離のいずれかが予め定めた所定値以上である場合に、ベクトル間の距離が最小である色成分以外の色成分の動きベクトルを補正対象として決定し、前記決定された色成分の動きベクトルを他の色成分の動きベクトルの平均ベクトルに補正する補正ステップと、
    前記補正された動きベクトルを符号化パラメタとして取得し、前記取得した符号化パラメタを用いてインター符号化に用いる参照画像データを生成する符号化ステップと
    を有することを特徴とする動画像符号化方法。
  6. 複数の色成分から構成される動画像を色成分ごとに独立して動き予測符号化する動画像符号化装置において、
    前記動画像を構成する前記複数の色成分を取得する色成分取得ステップと、
    前記取得した各色成分の符号化画像を予測符号化するための少なくとも一つの動きベクトルを生成する生成ステップと、
    前記生成された各色成分の動きベクトル間の距離のいずれかが予め定めた所定値以上である場合に、ベクトル間の距離が最小である色成分以外の色成分の動きベクトルを補正対象として決定し、前記決定された色成分の動きベクトルを、他の色成分の動きベクトルのうち、前記補正対象と決定された色成分の動きベクトルとの距離が最小である他の色成分の動きベクトルに補正する補正ステップと、
    前記補正された動きベクトルを符号化パラメタとして取得し、前記取得した符号化パラメタを用いてインター符号化に用いる参照画像データを生成する符号化ステップと
    を有することを特徴とする動画像符号化方法。
  7. 複数の色成分から構成される動画像を色成分ごとに独立して動き予測符号化する動画像符号化装置において、
    前記動画像を構成する前記複数の色成分を取得する色成分取得ステップと、
    前記取得した各色成分の符号化画像を予測符号化するための少なくとも一つの動きベクトルを生成する生成ステップと、
    前記生成された各色成分の動きベクトル間の距離のいずれかが予め定めた所定値以上である場合に、ベクトル間の距離が最小である色成分以外の色成分の動きベクトルを補正対象として決定し、前記決定された色成分の動きベクトルを、他の色成分の動きベクトルのうち、前記他の色成分の動きベクトルに係わる参照画像と前記符号化画像との画面間差分値が最小である動きベクトルに補正する補正ステップと、
    前記補正された動きベクトルを符号化パラメタとして取得し、前記取得した符号化パラメタを用いてインター符号化に用いる参照画像データを生成する符号化ステップと
    を有することを特徴とする動画像符号化方法。
  8. コンピュータを請求項1乃至4のいずれか一項に記載の動画像符号化装置の各手段として機能させるプログラム。
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