JP6149554B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アレイ基板と対向基板とを液晶層を介して向かいあうように貼り合わせた液晶セルと、前記液晶セルの裏面側に備えられ、発光素子を含むバックライトユニットとを具備する、受光素子を備えた液晶表示装置に関する。
近年、液晶表示装置を用いた電子機器の軽量化が進んでいる。例えば、液晶表示装置は、携帯電話、モバイルPCなどのような情報機器に備えられる。情報機器の操作については、例えば、液晶表示画面に対して指又はポインタなどにより直接入力を行うための技術が適用されている。
液晶表示画面に対する直接入力方式は、センシング機能のあるタッチパネルを液晶パネルの前面に設置し、このタッチパネルによって入力を受け付けるオンセル方式と、センシング機能をマトリクス状配置のセンサとして液晶表示装置のアレイ基板又は対向基板に形成し、液晶セルに内設するインセル方式と、を含む。
オンセル方式に用いられる技術として、特許文献1に、抵抗膜方式、電磁誘導方式、静電容量方式、光学式タッチパネルが開示されている。しかし、液晶パネルの表面にタッチパネルを配設するオンセル方式は、タッチパネルの厚みと重みが液晶表示装置に加算されるため、厚み及び重量の増加の原因になる。さらに、タッチパネルの表面及びタッチパネルの内面の光反射により、液晶表示品位が低下する場合がある。
これに対して、液晶セルにセンサを内設するインセル方式は、液晶表示装置として液晶表示装置の厚み増がなく、表示品位を低下させにくいため、好ましい。センシング機能を持つセンサとして光センサの開発が進んでいる。
また、情報機器に用いられる液晶表示装置では、立体画像表示が利用されつつあり、例えば、立体表示効果の付与されたボタン表示でのクリック感の要求、指入力での誤動作防止など、技術的要求が増えている。指入力では、液晶表示装置の表面にタッチパネルを外付けする方式がある。また、軽量化のために光センサを液晶パネルに内蔵させこの光センサを用いた入力方式の開発が進められている。この光センサを内蔵する液晶表示装置は、温度の影響及びバックライト光源の影響を受け、指入力について誤動作が発生することを防止するために、光センサの補償を必要とする場合がある。
また、ポリシリコン又はアモルファスシリコンをチャネル層とするシリコンフォトダイオードにおいては、環境温度などの変化により暗電流が発生し、観測データに観測光ではないノイズが加わる場合がある。例えばポリシリコン又は連続粒界シリコンなどのような結晶の粒界を持つシリコンフォトダイオードは、粒界の位置のばらつきがそのままフォトダイオード特性のばらつきとなり、液晶表示装置の画面内で均質な複数の光センサを形成しにくい場合がある。このシリコンフォトダイオードと比較して、後述する酸化物半導体による光センサのフォトトランジスタ特性は、極めて均質である。
暗電流の補正を行うフォトダイオードを用いて演算補正する技術は、特許文献2、特許文献3に開示されている。これらの特許文献は、撮像素子による暗電流補正技術を開示しているが、表示装置に酸化物半導体によるフォトダイオードを適用した場合の安定入力及び反射光に起因するノイズに対する処理技術を開示していない。
受光素子をタッチセンサとして用いた場合に、安定した入力を行うために、斜め方向からセンシング専門光を出射させる技術が、特許文献4に開示されている。しかしながら、特許文献4は、液晶セル内の反射光に起因するノイズの処理技術、複数素子での特性バラツキが少なく特性の均質な酸化物半導体の受光素子を用いること、さらに、信号補償の受光素子を用いてさらに安定した入力技術を開示していない。
特許文献4の技術では、センシング専門光が遮光層のスリットを介して観察者の方向と異なる方向に常時出射されるが、ブラックマトリクスの切り欠け部分の断面や薄膜トランジスタ(TFT)などのトランジスタの金属配線からの乱反射、及び、光の回折などから、センシング専門光が観察者の目に入り表示品位が低下する場合がある。さらに特許文献4は、液晶表示装置の使用目的である画質優先、セキュリティ、又は、は指入力などの目的によって斜め出射光の強度を切り替える手段、画像表示の明暗差(輝度差)で増長される反射光での信号ばらつきの軽減手段などについて開示していない。
また、近年、IGZOと呼称される酸化物半導体をチャネル層とするトランジスタを液晶駆動用のスイッチング素子としてだけでなく、前記シリコンフォトダイオードのスイッチング素子を液晶や受光素子の駆動素子として用いることが注目されている。シリコン半導体と比較して酸化物半導体は、暗電流が極めて小さいため、シリコンフォトダイオードの駆動、液晶の駆動を含めて、低消費電力駆動できるメリットが注目されている。
さらに、酸化物半導体でチャネル層が形成されたトランジスタは、大面積で複数個形成されても、ばらつきの少ない均質な特性を持つ。
特許文献5、特許文献6は、酸化物半導体を用いた光センサにおける受光素子に関する技術を開示している。特許文献5は、主に有機物を発光層として用いるディスプレイに適用される光センサ技術を開示している。特許文献6は、エリアセンサとしての光センサに加えて、位置検出用の光センサを具備した表示装置に関する。しかし、特許文献5及び特許文献6では、斜め光を出射させるための液晶駆動技術が開示されていない。
特許文献7は、液晶駆動用トランジスタとして薄膜トランジスタを備えるアクティブマトリクス型表示基板に関わる技術であり、そのトランジスタの金属配線として銅配線技術が記載されている。しかしながら、光センサの感度向上技術および酸化物半導体技術は、いずれも開示されていない。特許文献3では、その請求項3あるように、銅または銅を含む合金を、酸化剤を含むアルカリ水溶液を用いたウエットエッチングを行う。しかしながら、この場合のトランジスタとして用いられるTFTを構成するアモルファスシリコンにダメージを与えないようにウエットエッチングを行うのはむつかしい。また、銅または銅を含む合金を、ドライエッチングで行うことは、銅イオンによる汚染が著しく、アモルファスシリコンにダメージを与えないようにドライエッチングを行うのはさらに難しい。トランジスタの金属配線として銅配線を適用する場合にアモルファスシリコンのチャネル層形成時のドライエッチングにおいてチャネル部の汚染があり、アモルファスシリコン半導体のTFTプロセスでの銅配線は実用化されていない。従って、特許文献7の様な表示に用いるだけの液晶表示装置においては、配線として銅を使用する利点がほとんどなく、アルミニウムの金属配線がTFTの金属配線として用いられているのが実情であった。
特開平10−171599号公報 特開2002−335454号公報 特開2007−18458号公報 WO2009/116205 特開2010−186997号公報 特開2011−118888号公報 特開平10−307303号公報
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、アレイ基板と対向基板とを液晶層を介して向かいあうように貼り合わせた液晶セルと、前記液晶セルの裏面側に備えられ、発光素子を含むバックライトユニットとを具備する、受光素子を備えた液晶表示装置において、受光素子による検出結果が高精度で安定している液晶表示装置を提供することを目的とする。また、従来の液晶表示装置などのタッチパネルでは困難であった非可視光・可視光のLED等によるレーザーポインタを用いてのセンシングを可能とすることができる。
上記課題を解決するため、アレイ基板と対向基板とを液晶層を介して向かいあうように貼り合わせた液晶セルと、前記液晶セルの裏面側に備えられ、発光素子を含むバックライトユニットとを具備する液晶表示装置であって、
前記発光素子は、非可視光を発光する第1の発光素子と、可視光を発光する第2の発光素子とを具備し、
前記対向基板が複数の画素又はサブピクセルに対応し平面視でマトリクス状に区分けされた複数の画素開口部を形成するブラックマトリクスと、前記複数の画素開口部に対応する赤フィルタと緑フィルタと青フィルタとを含むカラーフィルタ層とを備えるものであり、
前記アレイ基板が、平面視で前記赤フィルタと重なる少なくとも非可視光感度領域をもつ第1の受光素子と、前記第1の発光素子の発光する非可視光の透過率が低い前記カラーフィルタ層又は前記ブラックマトリクスと重なる第2の受光素子と、液晶層に含まれている液晶を前記非可視光の出射のために駆動する導光電極と、前記液晶層の液晶を前記可視光の出射のために駆動する画素電極と、前記導光電極と前記画素電極の一方もしくは両方を駆動するトランジスタを備えるものであり、
前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子の下部に前記トランジスタが配置され、
前記トランジスタの金属配線が、前記液晶層側から見て、銅あるいは銅合金である金属層と下部金属層の2層構成で、ガリウム、インジウム、亜鉛、錫、イットリウムのうちの2種以上の金属酸化物を含むチャネル層を具備し、
前記赤フィルタが、主たる色材がC.I.ピグメントレッド254であることを特徴とする液晶表示装置を提供するものである。
また、前記第1の発光素子の発光する非可視光の波長が、360nmから400nmの範囲内にあり、
かつ、前記第2の受光素子が重なっている前記第1の発光素子の発光する非可視光の透過率が低い前記カラーフィルタ層又は前記ブラックマトリクスが、前記緑フィルタ又は前記ブラックマトリクスであることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置を提供するものである。
また、前記第1の発光素子の発光する非可視光の波長が、700nmから850nmの範囲内にあり、
かつ、前記第2の受光素子が重なっている前記第1の発光素子の発光する非可視光の透過率が低い前記カラーフィルタ層又は前記ブラックマトリクスが、前記緑フィルタ、前記青フィルタ、又は前記ブラックマトリクスであることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置を提供するものである。
本発明の態様においては、アレイ基板と対向基板とを液晶層を介して向かいあうように貼り合わせた液晶セルと、前記液晶セルの裏面側に備えられ、発光素子を含むバックライトユニットとを具備する、受光素子を備えた液晶表示装置において、非可視光の高い透過率の高い赤フィルタを用い、必要に応じて非可視光の反射率の高い金属配線をトランジスタの配線として用いるため、液晶表示装置に備えられている受光素子の検出結果を高精度で安定化させることができる。
第1の実施形態に係る液晶表示装置の一例を示す部分平面図である。 第1の実施形態に係る液晶表示装置の一例を示す部分断面図である。 第1の実施形態に係る液晶表示装置のサブピクセルの配列状態の一例を示す平面図である。 第1の実施形態に係る液晶表示装置の受光素子の配置の一例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る液晶表示装置の一例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る液晶表示装置の第1の画素電極のみに液晶駆動電圧を印加した状態の一例を示す部分断面図である。 第1の実施形態に係る液晶表示装置の第2の画素電極のみに液晶駆動電圧を印加した状態の一例を示す部分断面図である。 第1の実施形態に係る液晶表示装置の導光電極に液晶駆動電圧を印加した状態の一例を示す部分断面図である。 第2の実施形態に係る液晶表示装置の第1の画素電極のみに液晶駆動電圧を印加した状態の一例を示す部分断面図である。 第2の実施形態に係る液晶表示装置の第2の画素電極のみに液晶駆動電圧を印加した状態の一例を示す部分断面図である。 第2の実施形態に係る液晶表示装置の画素電極の双方に液晶駆動電圧を印加した状態の一例を示す部分断面図である。 第4の実施形態に係る液晶表示装置の一例を示す部分平面図である。 第4の実施形態に係る液晶表示装置の一例を示す部分断面図である。 第4の実施形態に係る液晶表示装置の第1の画素電極のみに液晶駆動電圧が印加された状態の一例を示す部分断面図である。 第4の実施形態に係る液晶表示装置の第2の画素電極のみに液晶駆動電圧が印加された状態の一例を示す部分断面図である。 第4の実施形態に係る液晶表示装置の第1の導光電極のみに液晶駆動電圧が印加された状態の一例を示す部分断面図である。 第4の実施形態に係る液晶表示装置の第2の導光電極のみに液晶駆動電圧が印加された状態の一例を示す部分断面図である。 第5の実施形態に係る液晶表示装置の一例を示す部分断面図である。 第6の実施形態に係るサブピクセルの平面形状と画素電極及び導光電極の形状との関係の第1の例を示す平面図である。 第6の実施形態に係るサブピクセルの平面形状と画素電極及び導光電極の形状との関係の第2の例を示す平面図である。 第6の実施形態に係るサブピクセルの平面形状と画素電極及び導光電極の形状との関係の第3の例を示す平面図である。 本発明に採用できる有機顔料の、光の波長350nm〜750nmの範囲の透過率特性。 第3の実施形態に係る液晶表示素子の第1の受光素子部分の例を示す断面図である。 銅の反射率特性図である。 シリコン系フォトダイオードの感度領域を示す説明図である。 人の目の視感度の説明図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は実質的に同一の機能及び構成要素については、同一符号を付し、必要に応じて説明を行う。
各実施形態においては、特徴的な部分についてのみ説明し、通常の液晶表示装置の構成要素と差異のない部分については説明を省略する。
各実施形態において、液晶表示装置の単一色の表示単位は、1サブピクセル又は1画素であるとする。
各実施形態においては、液晶が負の誘電率異方性を持つ垂直配向の液晶の場合を代表例として説明するが、正の誘電率異方性を持つ水平配向の液晶などを適用してもよい。液晶駆動電圧印加時の液晶分子の回転方向(動作方向)は、基板面に平行であってもよく、垂直方向に立ち上がる方向でよい。液晶駆動電圧の液晶分子に印加する電圧の方向は、水平であってもよく、2次元又は3次元的に斜めであってもよく、垂直方向であってもよい。
各実施形態における共通の代表的ポイントは、
(A)液晶表示装置は、バックライトユニットに可視波長域の可視光を発光する光源に加えて、照明光として波長360nmから400nmの非可視光あるいは700nmから850nmの非可視光を発光する発光素子を備えること、
(B)第1の発光素子からの発光は、液晶画面に近づく指またはポインタなどの入力指示体を照明するための照明光として用いられること、
(C)第1の受光素子は、平面視で、非可視光の透過率の高い赤フィルタと重なる位置に配設されること、
(D)第2の受光素子は、平面視で、第1の発光素子の発光する非可視光の透過率が低いカラーフィルタ層又はブラックマトリクスと重なる位置に配設されることである。
なお、本発明でいう可視光とは、例えば図26に示す、人の目の視感度の高い400nmから700nmの波長範囲の光を指し、それより外れる波長範囲の光は非可視光を指す。例えば、シリコン系フォトダイオードの感度領域は、図27に示すように、およそ300nmから800nmにあり、視感度の低い300nmから400nmと、700nmから900nmの光の波長範囲で受光することができる。
各実施形態で詳述する画素電極と導光電極は、これらの機能を兼用して同一の電極として用いてもよい。一方で、階調表示のための種々の電圧が印加される画素電極と、特定レベル(複数のレベルでもよい)で照明光を出射させるための特定電圧が印加される導光電極とは、ひとつのサブピクセル又は画素にそれぞれ別構成で配設されてもよい。画素電極と導光電極とを異なるトランジスタで駆動する例を第1の実施形態で説明し、画素電極と導光電極とを一体構成とする例を第2の実施形態で説明する。
受光素子に適用できる半導体として、可視域(たとえば光の波長、400nm〜700nm)から赤外域に感度を持つアモルファスシリコン半導体、近紫外域や青の波長域に主な感度をもつ多結晶シリコン半導体、微結晶シリコン半導体、シリコンゲルマニウム(SiGe)半導体、IGZOやITZOに代表される酸化物半導体などがある。
これら半導体を用いる場合、そのバンドギャップを調整して、目的とする波長域に光センサの感度域を付与させることが望ましい。SiGe半導体では、Geの添加比率でバンドギャップを連続的に変えられ、その受光素子の受光波長を調整でき、赤外域での感度を付与できる。Geの濃度勾配を持たせたSiGe半導体とすることもできる。たとえば、GaAs、InGaAs、PbS、PbSe、SiGe、SiGeC等を用いれば、赤外光に適した光センサをつくることができる。
受光素子を内蔵する液晶表示装置は、温度の影響及びバックライト光源の影響を受けやすい。バックライトや外光に起因するノイズによる、指やレーザーなどの入力誤動作の発生を防止するために、受光素子の補償を必要とする場合がある。受光素子として、ポリシリコン又はアモルファスシリコンによって形成されたチャネル層を備えるシリコンフォトダイオードが用いられた場合には、環境温度などの変化により暗電流が発生し、観測データに観測光ではないノイズが加わる場合がある。
液晶や受光素子を駆動するトランジスタとして、酸化物半導体をチャネル層とするフォトトランジスタを採用することができる。ここで酸化物半導体とは、インジウム、ガリウム、錫、亜鉛、ハフニウム、イットリウム、チタン、ゲルマニウム、シリコンの2種以上の金属酸化物を含む酸化物半導体である。この酸化物半導体として、IGZOと呼称されるインジウム、ガリウム、亜鉛の複合金属酸化物が例示できる。酸化物半導体で形成されたチャネル層は非晶質でも結晶化したものでも良いが、トランジスタの電気特性(たとえば、Vth)の安定性の観点で、結晶化させたほうが良い。酸化物半導体のチャネル層の厚みは、たとえば、2nmから80nmの範囲から選択できる。
上記したように、非可視光領域にも感度を持つ受光素子を用いる場合、広い波長域でのそれぞれ波長域での受光により、光通信を含めた種々の機能を付与できる。本発明者らは、本発明に関わる赤フィルタが、紫外域及び赤外域を含めた広い波長域での透過特性を持つことを見出し、本願技術により広い応用範囲を可能とするものである。たとえば、赤フィルタは、可視光のうち特に赤の領域と赤外域の透過が高いため、指や人体の血管などの信号を光として透過でき、可視光のうち特に赤の領域と赤外域に感度のある受光素子、例えば、シリコン半導体によるフォトダイオードで受光することで生体認証に適用できる。
(第1の実施形態)
本実施形態において、画素電極と導光電極とは異なるトランジスタによって別々に駆動される。この異なるトランジスタの駆動タイミングは重なっていてもよい。トランジスタとしては、例えば酸化物半導体をチャネル層とするトランジスタを用いることができる。トランジスタは、これに限らず、ポリシリコンや微結晶シリコン半導体のトランジスタを用いることもできる。
本実施形態に適用される非可視光の波長は、360nmから400nmの範囲の短波長の例で主に以下説明する。
導光電極には、入力指示体を照明するための光である非可視光(照明光)を第1の発光素子で出射させるための液晶駆動電圧が印加される。受光素子がその非可視光を受光しセンシングするときは、液晶表示画面全体においてそれぞれの導光電極には同じ電圧が均一に印加される。ただし、各導光電極に印加される電圧は、後述するように、出射光の強度切り替えに応じて複数のレベルに設定可能である。この導光電極の特徴は、階調表示のために種々の駆動電圧が種々のタイミングで印加される画素電極と異なる。
後述する第2の実施形態に係る導光電極と画素電極とを兼用する構成では、波長360nmから400nmの短波長光(非可視光)、もしくは波長700nmから850nmの長波長光(非可視光)を発光する発光素子と、第2の発光素子(可視光の光源、例えば、赤・緑・青の光を発光するLEDなど)のそれぞれを異なるタイミングで発光させることが好ましい。
本実施形態においては、光センサの一例として受光素子を備え、この受光素子による観測値から液晶パネル内での反射光に基づくノイズを除去し、高精度、均質で安定化した観測値を得ることが可能であり、3次元画像表示(立体表示)又は2次元画像表示が可能な液晶表示装置について説明する。
本実施形態では、主に、受光素子、照明光を出射するセル構造、導光電極と当該導光電極に付随する液晶動作、画素電極に付随する3次元画像表示について説明する。
図1は、本実施形態に係る液晶表示装置の一例を示す部分平面図である。この図1は、本実施形態に係る液晶表示装置1の平面視の状態、すなわち観察者側から見た状態を表している。
図2は、本実施形態に係る液晶表示装置1の一例を示す部分断面図である。この図2は、図1のA−A’断面である。図2は、液晶表示装置1に備えられている赤フィルタ14Rなどのカラーフィルタ、櫛歯状又はストライプ状の画素電極3a,3b及び導光電極3c,3dの長軸方向、に垂直な断面を表している。図2において、垂直配向膜、偏光板、位相差板、図1で示されている受光素子2a,2bは、図示されていない。後述するように、本実施形態に係る液晶表示装置1は、3次元画像表示と通常の2次元画像表示とを切り替え可能である。
図3は、本実施形態に係る液晶表示装置1のサブピクセルの配列状態の一例を示す平面図である。
図4は、本実施形態に係る液晶表示装置1の受光素子2a,2bの配置の一例を示す断面図である。この図4は、図1のB−B’断面であり、液晶表示装置1に備えられているカラーフィルタ層14に含まれている例えば赤フィルタ14Rの長手方向に垂直な断面を表している。垂直配向膜、偏光板、位相差板の図示は省略した。
図5は、本実施形態に係る液晶表示装置1の一例を示す断面図である。
本実施形態の液晶表示装置1は、アレイ基板4と対向基板5とを液晶層6を介して対向させた構成の液晶パネル7、光制御素子31、バックライトユニット30を具備する。
アレイ基板4は、透明基板8、遮光膜9、絶縁層10a、複数の受光素子2a,2b、絶縁層10b、共通電極11a〜11d、絶縁層10c、画像表示用の画素電極3a,3b、非可視光制御用の導光電極3c,3d、画像表示用のトランジスタ12a,12b、非可視光制御用のトランジスタ12cを具備する。
遮光膜9は、例えばガラスなどのような透明基板8の一方の面に形成される。
絶縁層10aは、遮光膜9の形成された透明基板8の上に形成される。遮光膜9は、例えばTFTのゲート配線又はソース配線と同じ金属薄膜で形成される。
受光素子2a,2bは、絶縁層10aの上に形成される。受光素子2aは、ブラックマトリクスBMの画素開口部AP1に備えられた赤フィルタ14Rを通過した光を検出するが、液晶パネル7内で反射した光もこの受光素子2aによって検出される場合がある。受光素子2aは、平面視で、画素開口部AP1と遮光膜17と重なり、断面の垂直方向において、画素開口部AP1と遮光膜17との間に挟まる状態で備えられる。受光素子2aの感度領域は、例えば360nmから400nmの波長領域を利用する場合で以下説明すれば、その波長を含み、さら第1の発光素子35a,35bの発光ピークに主たる感度領域があることが望ましい。例えば、第2の発光素子35a,35bの発光ピーク波長が385nmである場合、受光素子2aは385nm近傍に受光感度のピークを持つとする。
例えば、カラーフィルタ層14に含まれる赤フィルタ14Rは、385nm波長で24%から55%の範囲の透過率を持つように形成される。なお、赤フィルタ14Rは、主たる色材を有機顔料であるC.I.ピグメントレッド254とする。赤フィルタは、調色のためこのC.I.ピグメントレッド254に黄色顔料等を加えることができる。後に詳述する黄色顔料の添加量や赤フィルタ14Rの膜厚により、385nm波長での透過率を調整できる。
図22に示すように、385nmを含む紫外域と、700nmから800nmの赤外域(750nm〜800nmの範囲は図示せず)において、C.I.ピグメントレッド254(以下、PR254と略記)は、青顔料であるC.I.ピグメントブルー15:6(以下、PB15:6)より透過率が高い。この領域での非可視光を対象とする受光素子は、PB15:6を含む青フィルタより、PR254を含む赤フィルタのほうが高い受光感度となることが理解できる。たとえば、光の波長385nmでは、PR254を色材とする赤フィルタの透過率は50%であるのに対し、PB15:6を色材とする青フィルタの透過率は23.5%であり、前者の方が2倍以上の透過率を持つ。図示している、たとえば、750nmでは、PR254を色材とする赤フィルタの透過率は96.5%であるのに対し、PB15:6を色材とする青フィルタの透過率は0.6%である。
受光素子2bは、液晶パネル7内で反射された光を検出できる。例えば、受光素子2bによって検出される光としては、対向基板5側の様々な界面からの反射光、対向基板5と液晶層6との界面からの反射光などがある。受光素子2bは、平面視で、ブラックマトリクスBMの枠部BM1と遮光膜9と重なり、断面の垂直方向において、ブラックマトリクスBMの枠部BM1と遮光膜9との間に挟まれる状態で備えられる。受光素子2bは、信号補償用の受光素子である。
複数の受光素子2a,2bの駆動素子としては、例えば、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、錫(Sn)、イットリウム(Y)のうち、2種以上の金属酸化物を含むチャネル層を備えるトランジスタが用いられる。トランジスタは、前記したようにポリシリコン半導体をチャネル層とするトランジスタでも良い。
受光素子2a,2bは、例えば、互いに隣接する画素又はサブピクセルに対して備えられる。
絶縁層10bは、複数の受光素子2a,2bの上に形成される。絶縁層10bは、ゲート絶縁膜としても利用可能である。
共通電極11a〜11dは、絶縁層10bの上に形成される。
画像表示用の画素電極3a,3b、及び非可視光制御用の導光電極3c,3dは、絶縁層10cの上に形成される。
画像表示用のトランジスタ12a,12bは、画像表示用の画素電極3a,3bと電気的に接続される。
非可視光制御用のトランジスタ12cは、非可視光制御用の導光電極3c,3dと電気的に接続される。
画像表示用のトランジスタ12a,12bと、非可視光制御用のトランジスタ12cとして、たとえば、酸化物半導体をチャネル層とするトランジスタが用いられる。
アレイ基板3は、透明基板8の他方の面側が液晶パネル7の裏面側となり、画素電極3a,3b及び導光電極3c,3dの形成側が、図示していない配向膜を介して液晶層6側となる。
液晶層6に含まれる液晶は、例えば、初期垂直配向であるとする。なお、液晶表示装置1は、初期垂直配向の液晶を用いるVA液晶方式でもよく、初期水平配向の液晶を用いるECB方式でもよい。以下においては、VA液晶として、誘電率異方性が負の液晶について説明するが、誘電率異方性が正の液晶が使用されてもよい。VA液晶として、誘電率異方性が正の液晶を用いることもできる。
液晶層6には、垂直配向液晶が用いられる。したがって、液晶層6の配向は基板面に対して基本的には垂直である。液晶分子L1〜L14は、対向基板5及びアレイ基板4の表面に対して垂直に配向する。本実施形態においては、基板に対して斜めの電界を発生させることにより、図示しない垂直配向膜について光配向及びラビングなどのような配向処理を省略できる。斜め電界を用いる本実施形態においては、従来のVA方式で必要であった89度などの厳密なプレチルト角制御が必要でなく、例えば90度などのような単純な初期垂直配向の液晶を用いることができる。
本実施形態において、液晶の材料として、分子構造内にフッ素原子を含む液晶材料(以下、フッ素系液晶という)を用いることができる。フッ素系液晶は、誘電率が低いため、イオン性不純物の取り込みを少なくすることができ、不純物による電圧保持率の低下などのような性能劣化を防止することができ、表示ムラの発生を抑制することができる。
図2で示されていない偏光板は、クロスニコルでノーマリーブラックとする。なお、液晶表示のコントラストを重視しない、たとえば、タッチセンシングを重視する用途においては、ノーマリホワイト表示とすることができる。
対向基板5は、透明基板13、ブラックマトリクスBM、カラーフィルタ層14、透明樹脂層(保護層)15、共通電極である対向電極16a〜16dを備える。透明基板13の一方の面の上に、ブラックマトリクスBMで区分される青フィルタ14B、赤フィルタ14R、緑フィルタ14Gが形成される。これらの青フィルタ14B、赤フィルタ14R、緑フィルタ14Gを含むカラーフィルタ層14上には、透明樹脂層15が具備される。透明樹脂層15の上に、対向電極16a〜16dが形成される。対向基板2は、透明基板13の他方の面(図示では透明基板22の上部側)が観察者側となり、対向電極16a〜16d側が、図示していない配向膜を介して液晶層6側となる。
ブラックマトリクスBMは、複数の画素又はサブピクセルに対応し平面視でマトリクス状に区分けされた複数の画素開口部AP1を形成するように、透明基板13の一方の面に形成される。本実施形態において、ブラックマトリクスBMは、画素又はサブピクセル単位で、画素開口部AP1を形成する枠部BM1のうちの平行な2つの長辺部と、この画素開口部AP1を2分割する垂直方向の中央部BM2とを備える。中央部BM2は省略されてもよい。
本実施形態において、図2の断面に示されている対向基板13の対向電極16a〜16dは、サブピクセルの中心軸Cに対して線対称に配置される。
本実施形態において、図2の断面に示されているアレイ基板4の画素電極3a,3b、導光電極3c,3d、共通電極11a〜11dは、サブピクセルの中心軸Cに対して線対称に配置される。
演算部17は、受光素子2aの観測値から、受光素子2bの観測値を引いた値を、補償観測値(実測補償値)として算出する。換言すれば、受光素子2aの観測値から受光素子2bの観測値を差し引いて、受光素子2aの補正された観測値が求められる。
本実施形態においては、サブピクセルに対して、2以上のトランジスタ12a〜12cと、この2以上のトランジスタ12a〜12cのそれぞれに対応する画素電極3a、画素電極3b、導光電極3c,3dが備えられる。より具体的に説明すると、トランジスタ12a,12bは、断面視で、観察者へ提供されるべき画像表示用の可視光の透過制御を行うために、画素開口部AP1の下の液晶L3〜L12を駆動する画素電極3a,3bと電気的に接続される。トランジスタ12cは、断面視で、液晶分子L1,L2,L13,L14を駆動する導光電極3c,3dと電気的に接続される。本実施形態において、導光電極3c,3dは共通のトランジスタ12cで駆動されるが、導光電極3c,3dは別個のトランジスタで駆動されるとしてもよい。
図3において、表示素子走査部18、センサ走査部19、表示素子駆動部20、センサ読取部21は、液晶パネル7と電気的に接続される。光源を含むバックライトユニット30は、液晶パネル7の裏面側に備えられているが、この図3では省略されている。バックライトユニット30の例えばLEDなどのような発光素子32a,32b,35a,35bは、例えば、液晶パネル7の両側辺部に並べられる。
なお、後述する実施態様にて詳述するが、発光素子の設置形態として、例えば、赤・緑・青などの可視域の発光素子列がバックライトユニットの両端に並べられ、さらに、第1の発光素子列が、同様にバックライトユニットの両端に並べられてもよい。このようなバックライトユニットの発光素子は、液晶パネル7の両側辺の端部に加えて、液晶パネル7の上辺の端部及び液晶パネル7の下辺の端部に配置されるとしてもよい。
液晶パネル7の4つの辺に並べられた可視光の発光素子は、ローカルデミング法によって、表示内容と整合させ、それぞれの発光強度が調整されるとしてもよい。これにより、液晶表示のコントラストを向上させることができる。
第2の発光素子32a,32bは、2次元画像表示又は3次元画像表示などの画像に対応して、又は、上述したようなローカルデミング法に対応して、発光のタイミング及び発光強度が調整される。
これにより、液晶表示画面は、表示内容によって、異なる表示部分で明るさ及び色が異なる状態となる。このような液晶表示画面から出射される可視光の強度は、表示部分、階調表示レベル、表示タイミングなどに応じて大きく異なる。
したがって、液晶表示画面から出射される可視光を、指又はポインタなどの入力指示体に対する照明光として用いることは避けることが望ましい。変動の大きい可視光を用いて入力指示体を検出する場合には、入力指示体の2次元的位置、表示面からの高さ、及び、移動速度を正確に検出することが困難な場合がある。液晶表示装置の環境光(外光)を用いた入力指示体の検出についても、環境光の変動が大きいため、高精度の検出が困難な場合がある。
そこで、本実施形態においては、バックライトユニット30に第2の発光素子32a,32bとは別に第1の発光素子35a,35bを備え、かつ、第1の発光素子から発光された非可視光を受光できる受光素子2aによって第1の発光素子から発光された非可視光の入力指示体からの反射光を検出する。
さらに、本実施形態において、同期制御部36は、第2の発光素子の発光タイミング32a,32bと、第1の発光素子35a,35bの発光タイミングを異なるタイミングとし、第1の発光素子35a,35bの発光タイミングと受光素子2aの受光するタイミングを同期させ、より精度の高い入力指示体の検出を行う。このような同期制御部36は、液晶表示装置の中に回路として組み込んでもよいが、外部から制御するものであっても構わない。
人の目の視感度は、400nmより短い波長の領域、および700nmより長い波長の領域では低下し、視認が困難になることを勘案して非可視光を用いる。なお、後に詳述する酸化物半導体でチャネル層が形成されたフォトトランジスタの光の変換効率は、400nmより短い波長で高くなることを勘案して、400nmより短い波長の領域を第1の発光素子から発光された非可視光とした場合、本実施形態で適用される非可視光を短波長とする短波長光の波長上限は、400nmとする。
赤フィルタ14Rの赤色材としては、例えば、有機顔料であるC.I.Pigment
Red254の赤色顔料と、C.I.Pigment Yellow139などの黄色顔料とを混合した色材を用いることができる。赤フィルタ14Rの透過率を優先する場合、黄色顔料を添加しなくとも良い。これらの顔料を用いた赤フィルタ14Rは、波長360nmから400nmの範囲で青フィルタの場合より光の高い透過率を持つ。
図22に示すように、波長385nmでは、赤フィルタ14Rに青フィルタの透過率の2倍以上の透過率を付与できる。図22の青フィルタの波長385nmでの透過率は、約24%であるが、実際に用いられる青フィルタでは、たとえばC.I.Pigment
Blue15:6に、調色のためにさらにC.I.Pigment Violet23を加えるため、青フィルタの波長385nmでの透過率は20%以下になることが多い。また、発光素子35a,35bは、360nmより長波長側で高い発光効率となり、液晶表示装置1の消費電力を低減させることができる。
この場合、C.I.Pigment Red254と、C.I.Pigment Yellow139を重量比45:55で385nmでの透過率が、膜厚1μm、固形比率、すなわち質量比率で樹脂に対し顔料が37.5%の条件で25%となる。
従って、C.I.Pigment Red254の285nm透過率調整として、C.I.Pigment Yellow139などの黄色顔料を55%などのように高率配合しても、385nmでの青色顔料の透過率ピークを上回るため、第1の発光素子を赤フィルタと重なるように設けることに意味がある。
本実施形態に係る短波長の発光素子35a,35bとしては、窒化アルミニウムガリウム系発光ダイオード、ダイヤモンド系発光ダイオード、酸化亜鉛系発光ダイオード、窒化ガリウム系発光ダイオードが用いられる。窒化ガリウム系ダイオード(以下、GaN系青色発光ダイオードと呼称される)の中でも、発光ダイオードの活性層にインジウムをドーパントとして添加するInGaN系発光ダイオードが好ましい。Inの組成を調整することで、発光ピークを360nmから420nmの範囲で調整できる。例えば、発光ピーク385nmのInGaN系発光ダイオードは、表面実装できる小さいサイズのチップで市販されている。
本実施形態に係る受光素子2,2bとしては、例えば、上述したようにガリウム(Ga)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、錫(Sn)、イットリウム(Y)のうち、2種以上の金属酸化物を含むチャネル層を備えるフォトトランジスタを用いることができる。酸化物半導体であるこれら複合金属酸化物の透明チャネル層に、不純物準位を形成することでそのバンドギャップを小さくし、受光素子2,2bの感度域を長波長側にシフトさせることができる。
図1に示す青サブピクセル、赤サブピクセル、緑サブピクセルは、表示領域22とセンサ領域23とを含む。本実施形態においては、サブピクセルを最小表示単位としているが、画素を最小表示単位としてもよい。例えば、画素は、少なくとも1つの赤サブピクセル、少なくとも1つの青サブピクセル、少なくとも1つの緑サブピクセルを含むとしてもよい。
図1の部分平面図及び図4の部分断面図では、受光素子2a,2bが示されている。受光素子2a,2bは、センサ領域23に備えられる。センサ領域23には、例えば、受光素子2a,2bの信号処理を行うトランジスタ又はダイオード、減算処理を行う演算部17、受光素子2a,2bのリセット信号を配信する信号線などが備えられる。信号処理を行うトランジスタは、青サブピクセル、赤サブピクセル、緑サブピクセルを含む一画素のセンサ領域に複数備えてもよい。受光素子2a,2bの出力値に対して、信号処理を行うトランジスタ又はダイオードなどを適用することにより、出力値の早い処理が可能となり、入力指示体による高速の入力操作を行うことができる。トランジスタ12a〜12cは、表示領域22に形成されてもよく、センサ領域23に形成されてもよい。トランジスタ12a〜12cは、図示されていないゲート線、ソース線などの金属配線と電気的に接続される。
図4に示すように、受光素子2aの上部には、青フィルタ14Bが配置され、受光素子2aの下部には、遮光膜9が配置される。受光素子2bの上部には、ブラックマトリクス
BMが配置され、受光素子2bの下部には、遮光膜9が配置される。遮光パターンであるブラックマトリクスBMと遮光膜9との間に受光素子2bを配置することにより、液晶表示装置1の正面の法線方向から受光素子2bへの光の入射と、液晶パネル7の裏面に位置するバックライトユニット30から受光素子2bへの光の直接入射とが防止される。受光素子2bは、正確な受光値を得るため、液晶セル内に発生する反射ノイズを除去するために用いられる。受光素子2bは、信号補償のために用いられる。遮光膜9は、ゲート電極と同じ材料で同一工程によって形成されてもよい。
金属配線が、たとえば、銅あるいは銅合金を表層とする構成では、銅合金層の下部にチタン合金の2層構成にて遮光膜9、及びゲート電極を形成できる。
特に第1の発光素子の波長が700から850nmである場合、従来のアルミ配線と比べて反射率が高くなるので好ましい。
液晶表示装置1の表示内容は、明るい表示と暗い表示などその画面部位で明るさの差を生じ、受光素子に対する不均一なノイズとなりえる。また、バックライトユニット30からの光は、対向基板5のカラーフィルタ層14、透明基板13の一方の面、偏光フィルムなど種々の界面で一部が反射し、反射光として受光素子2a,2bに入射する。この反射光は受光強度のノイズとなる。ライトペン又はレーザ光などの光入力機器を入力指示体として用いる場合においても同様であり、再反射光がノイズとなる。
このような反射光又は再反射光に基づくノイズを除去し、高い精度の観測値を得るために、演算部18は、受光素子2aの観測値(受光強度)から受光素子2bの観測値を減算する。これによりノイズ補償が実現される。この信号補償は、酸化物半導体をチャネル層とする受光素子2a,2bの観測値の小さなばらつき、暗電流、温度に基づいて発生するノイズの補償もあわせて行うことができ、極めて高い精度の観測値を得ることができる。
明るい表示と暗い表示などその画面の表示部分で差のある受光素子間で補償演算を行うことは、反射光又は再反射光によるノイズ量が大きく異なるため、好ましくない場合がある。ライトペン又はレーザ光などの光入力機器を用いる場合においても同様であり、光照射される部分の受光素子と光照射されない部分の受光素子との間でノイズのレベルは大きく相違する。ゆえに、本実施形態においては、補償演算は、隣接する受光素子2a,2bの観測値の引き算で行われる。
切替部24は、例えば、導光電極11c,11dに印加する電圧の高さを変更するなどの手法により、第1の発光素子から出射される光の強度を切り替える。
演算部17によって求められた補償観測値が液晶表示画面に入力指示体が近づいたことを示す場合に、切替部24は、トランジスタ12cを介して導光電極11c,11dに高い電圧を印加し、自動的に第1の発光素子から出射される光の出射の強度をアップさせることができる。第1の発光素子から出射される光の出射の強度を高くすることにより、液晶表示画面から入力指示体までの距離が例えば7mm程度離れていても入力指示体を認識可能になり、液晶画面上の3Dボタン表示でクリック感を持たせた入力が容易となる。
例えば、入力指示体の認識は、演算部17による補償演算後の補償観測値を分ける2水準又は複数水準の大きさの異なる区分を設定し、それぞれの区分に属する補償観測値の数(例えば、液晶表示画面での指の面積に相当)、又は、それぞれの区分に属する補償観測値の数の変化速度とその位置などを検出する。この検出により、およそ液晶表示画面と入力指示体との距離及び移動を認識することができる。
例えば、液晶表示装置1の切替部24は、指示受付部を備えるとしてもよく、液晶表示装置1は画面に切替要求受付部を表示し切替指示を受け付けるとしてもよい。切替部24は、入力した切替指示に応じて、第1の発光素子から出射される光の出射の強度を切り替える。例えば、切替部24は、第1の発光素子から出射される光を出射しない「表示優先モード」、第1の発光素子から出射される光を出射して指入力を行うための「指操作モード」、第三者視認防止のための「セキュリティモード」、のうち観察者に指定されたモードを実現する。
切替部24は、「指操作モード」が選択された場合、強い強度の第1の発光素子から出射される光を出射させる。第1の発光素子から出射される光の強度は、上述したように、導光電極3c,3dに印加される液晶駆動電圧に基づいて制御される。「セキュリティモード」は後述するスリット開口部のある第4の実施形態で使われる。
この場合の切替部や演算部は液晶表示装置の内部に有していてもよいが、外部から制御演算するものであっても構わない。
図4のB−B’断面の例では、対向基板5側の液晶層6に接する透明樹脂層15の表面に、透明導電膜である対向電極16a〜16dが積層されていない。例えば、透明導電膜(ITO)は、一般的にインジウムと錫の混合酸化物を用いて形成される。対向基板5側の部材であるカラーフィルタ層14、透明樹脂層15、透明基板13などの屈折率は、およそ1.5から1.6の範囲であるのに対し、透明導電膜の屈折率は、1.8から1.9と高い屈折率を持つ。したがって、対向基板5において、透明樹脂層15に対して例えば対向電極16a〜16dなどの透明導電膜が積層されると、受光素子2a,2bの観測値に透明導電膜からの反射光の観測値が加算される量が多くなる。
しかしながら、本実施形態では、受光素子2a,2bと対向する対向基板5の位置に透明導電膜を形成しないため、反射光によるノイズを低減させることができる。本実施形態のように、高屈折率の材料を用いる透明導電膜は、その表面反射が多いため、表示領域22の必要部分のみに形成されることが望ましい。
図5は、本実施形態に係る液晶表示装置1の一例を示す断面図である。この図5では、液晶表示装置1に備えられる液晶パネル7と光制御素子31とバックライトユニット30の配置関係を例示している。
バックライトユニット30は、液晶パネル7の裏面の両側部、又は、液晶パネル7の裏面に、LEDなどの発光素子32a,32b,35a,35bの並びを備える。発光素子は、複数の第1の発光素子35a,35bと複数の第2の発光素子32a,32bをそれぞれ並べたLEDアレイで構成される。
光制御素子31は、観察者(使用者)の目に入りにくく、第三者の視認を防止するために、液晶パネル7の裏面側とバックライトユニット30との間に設置され、出射光に方向性を与える。光制御素子31は、例えば、メタクリル樹脂などを用いて生成される。光制御素子31は、プリズムシート33とレンズシート34とが互いに背中合わせの状態で一体化された構成を持つ。換言すると、光制御素子31は、レンズシート34とプリズムシート33とを表裏に一体化した樹脂シートである。
プリズムシート33は、複数の三角柱状プリズムを、この三角柱状プリズムの側面の長手方向(長尺の方向、稜線方向、又は、軸方向)が平行となるように、かつ、断面の三角形が同じ方向を向くように並べて形成される。
レンズシート34は、複数の半円柱状レンズを、この半円柱状レンズの側面の長手方向が平行となるように、かつ、断面の半円の円弧が同じ方向を向くように並べて形成される。
平面視で、半円柱状レンズ又は三角柱状プリズムの長手方向と、液晶表示装置1の画素配列方向との間に角度θ1を付与することで、3次元画像表示におけるモアレを軽減することができる。モアレの緩和は、θ1が45度に近いほどよい効果を得ることができる。しかしながら、θ1が45度の場合には、偏光板又は位相差の光軸と干渉することがあるため、θ1は45度より小さい角度とすることが好ましい。偏光板と液晶パネル7のアライメント誤差(±2°)を考慮すると、角度θ1の最大値は、43度以下とすることが好ましい。
3次元画像表示においては、θ1がゼロに近いと、低周波の大きなモアレが目立ち、明暗又は色ムラとして視認されやすくなる。したがって、モアレを緩和させるために、三角柱状プリズムの長手方向と液晶表示装置1の画素配列との角度θ1を3度より大きくすることが好ましい。
断面形状が二等辺三角形の三角柱状プリズムの先端の角度によって、液晶パネル7の法線方向に対する光の出射角(配光角)を設定することができる。なお、光制御素子31として、角度θ1の異なる2以上のプリズムシートが用いられてもよい。
例えば、バックライトユニット30の第2の発光素子32a,32bを、液晶表示装置1の液晶動作と同期させて交互に発光させることにより、3次元画像表示が実現される。
例えば、同期制御部36は、バックライトユニット30の第1の発光素子35a,35bを、液晶表示装置1の受光素子2a,2b及び導光電極3c,3dと同期させて発光させることにより、入力指示体の認識が実現される。
なお、バックライトユニット30は、拡散板、導光板、偏光分離フィルム、再帰反射偏光素子などをさらに具備するとしてもよい。液晶パネル7の表裏には、偏光板、位相差板などが貼付されるとしてもよい。
バックライトユニット30は、複数の第2の発光素子32a,32bとして、例えば、発光波長域に赤、緑、青の3波長を含む複数の白色LEDを備えるとしてもよい。第2の発光素子32a,32bとして、GaN系青色LEDとYAG系蛍光物質とを組み合わせた擬似白色LEDが用いられてもよい。擬似白色LEDを用いる場合、演色性を高めるために、赤色LEDなど1色以上の主要ピークを有するLEDを組み合わせて用いられてもよい。第2の発光素子32a,32bとして、例えば、青色LEDに、赤・緑色の蛍光体を組み合わせた光源が用いられてもよい。
カラーフィルタ層14を用いなくても、それぞれ赤色、緑色、青色を個別発光する発光素子を光源として用い、液晶駆動と同期させてフィールドシーケンシャル(時分割)の発光を行うことにより、カラー表示を実現することができる。
同期制御部36は、バックライトユニット30の両端にある第2の発光素子32a,32bを液晶表示と同期するように交互に発光させ、光を観察者の右目、左目にそれぞれ入射させる。これにより3次元画像表示が実現される。
なお、液晶表示装置1の画素電極3a,3bに液晶駆動電圧を同時に印加し、かつ、上記の第2の発光素子32a,32bを同時に発光させることで明るく視野角の広い2次元
画像表示を行うことができる。本実施形態では、3次元画像表示と2次元画像表示を切り替え可能である。また、本実施形態では、3次元画像表示の解像度を落とすことなく、2次元画像表示での高画質で3次元画像を表示できる大きなメリットが得られる。
本実施形態においては、表示画面を観察する観察者が短波長光の影響を受けることを抑制することができる。本実施形態に係る光制御素子31を用いることによって、高品質の3次元画像表示を実現することができる。
以下で、対向基板5とアレイ基板4による液晶駆動と、この液晶駆動によって出射される光について、図6乃至図8を用いて説明する。
図6は、本実施形態に係る液晶表示装置1の第1の画素電極3aのみに液晶駆動電圧が印加された状態の一例を示す部分断面図である。
液晶表示装置1の液晶分子L1〜L14は、負の誘電率異方性を持つ。液晶分子L1〜L14の長軸方向は、駆動電圧印加前において垂直であるが、トランジスタ12aによって画素電極3aに電圧が印加されると、液晶分子L1〜L14のいくつか(図6では液晶分子L4〜L10)が傾斜する。図6は、画像電極3aにのみ、駆動電圧が印加された場合の液晶の駆動状態の例を示している。
液晶分子L4〜L9は、電気力線に対して垂直になる方向に倒れる。出射光D1は、液晶の傾斜した部分を通過して例えば観察者の一方の目(例えば、右目)方向に出射される。液晶分子L4は、画素電極3aの端部と共通電極11aとの間に形成される強い電場で他の液晶分子より早く倒れ始める。この液晶分子L4の動作は、液晶動作のトリガとなり、液晶の応答性を高める。
図7は、本実施形態に係る液晶表示装置1の第2の画素電極3bのみに液晶駆動電圧が印加された状態の一例を示す部分断面図である。
トランジスタ12bによって画素電極3bに液晶駆動電圧が印加されると、液晶分子L1〜L14のいくつか(図7では液晶分子L5〜L11)は、電気力線に垂直になる方向に倒れる。出射光D2は、液晶の傾斜した部分を通過して例えば観察者の他方の目(例えば、左目)方向に出射される。液晶分子L11は、画素電極3bの端部と共通電極11bとの間に形成される強い電場で他の液晶分子より早く倒れ始める。この液晶分子L11の動作は、液晶動作のトリガとなり、液晶の応答性を高める。
図6及び図7は、3次元画像表示に必要な右目及び左目に出射光を切り替えるための画素電極、液晶分子の動作を表している。2次元画像表示の場合は、画素電極3a,3bを同時に駆動すればよい。また、2次元画像表示のみに用いられる液晶表示装置においては、2つのトランジスタ12a,12bに代えて1つのトランジスタを画素電極3a,3bに電気的に接続するとしてもよい。
図8は、本実施形態に係る液晶表示装置1の導光電極3c,3dに液晶駆動電圧が印加された状態の一例を示す部分断面図である。
導光電極3c,3dに液晶駆動電圧が印加されると、液晶分子L1〜L14は、電気力線に垂直になる方向に倒れる。非可視光D3は、カラーフィルタ層14および図示されていない偏光板を透過し、外部に出射される。第1の発光素子35a,35bから発光される非可視光(例えば短波長光)D3は、指などの入力指示体を照明し、その反射光は受光素子2a,2bによって受光される。そして、受光素子2aの観測値から受光素子2bの
観測値を引いた補償観測値を求めることにより、高精度かつ安定した入力操作の認識が実現される。
同期制御部36が、受光素子2a,2bのセンシングタイミングと、第1の発光素子35a,35bの発光タイミングとを同期させることで、液晶表示画面上での指操作時に安定した指認識を行うことができる。同期制御部36は、この受光素子2a,2bのセンシングタイミングと同じタイミングで導光電極3c,3dに液晶駆動電圧を印加し、これにより非可視光D3が液晶画面から出射される。
以上説明した本実施形態においては、受光素子2aによる観測値から液晶パネル7内での反射光に基づくノイズを除去し、高精度、均質で安定化した補償観測値を得ることが可能であり、入力指示体による操作の認識を高精度で行うことができる。本実施形態においては、3次元画像表示又は2次元画像表示を行うことができる。本実施形態においては、非可視光を用いることにより、入力指示体を照明する非可視光の視覚感度を低下させることができ、観察者は画像表示用の可視光を観察することができる。
本実施形態では、画素電極3aと画素電極3bと導光電極3c,3dとを別々に形成し、それぞれ異なるトランジスタ12a,12b及びトランジスタ12cで駆動する。本実施形態では、画素電極3aと画素電極3bと導光電極P21,P24とを電気的に独立させて異なる電圧を印加可能であり、画素電極3a,3bへの駆動電圧印加タイミングと、受光素子2a,2bをセンシングするための導光電極3c,3dへの駆動電圧印加タイミングとは、重複があってもよい。
(第2の実施形態)
本実施形態においては、画素電極と導光電極とを一体構成とした画素電極に対してトランジスタを割り当てる液晶表示装置について説明する。
図9は、本実施形態に係わる液晶表示装置37の第1の画素電極38aのみに液晶駆動電圧が印加された状態の一例を示す部分断面図である。
液晶表示装置37のアレイ基板39は、第1の実施形態の画素電極3aと導光電極3cとを一体構成とした画素電極38a、第1の実施形態の画素電極3bと導光電極3dとを一体構成とした画素電極38bを備える。
液晶表示装置37のアレイ基板39は、共通電極11a,11cを一体構成とした共通電極40aと、共通電極11b,11dを一体構成とした共通電極40bとを備える。
液晶表示装置37の対向基板41は、対向電極16a,16cを一体構成とした対向電極42aと、対向電極16b,16dを一体構成とした対向電極42bとを備える。
画像表示時において、切替部43は、階調表示を含め種々の画像表示を可能にするために、トランジスタ12a,12bを用いて、一体構成の画素電極38a,38bに種々の駆動電圧を印加可能である。受光素子2a,2bのセンシング時においては、第1の発光素子35a,35bからの非可視光は、測光のために一定強度で出射される。導光電極として用いられるタイミングにおいて、一体構成の画素電極38a,38bには、ほぼ一定の高さの電圧が印加される。本実施形態において、トランジスタ12a,12bは、画像表示のための駆動電圧と受光素子2a,2bのセンシングのための駆動電圧とを、異なるタイミングで印加する。
なお、画像表示のための光は可視光とし、第1の発光素子35a,35bから出射され
る非可視光、紫外光などの短波長光や赤外光などの長波長光とする。第2の発光素子32a,32bから出射される可視光が、例えば観察者の右目に入射するよう出射される。このとき、第1の発光素子35a,35bは発光しておらず、受光素子2a,2bでの受光もなされない。
図10は、本実施形態に係わる液晶表示装置1の第2の画素電極38bのみに液晶駆動電圧が印加された状態の一例を示す部分断面図である。第2の発光素子32a,32bから出射される可視光が、例えば観察者の左目に入射するよう出射される。このとき、第1の発光素子35a,35bは発光しておらず、受光素子2a,2bでの受光もなされない。
図11は、本実施形態に係わる液晶表示装置1の画素電極38a,38bの双方に液晶駆動電圧が印加された状態の一例を示す部分断面図である。第1の発光素子35a,35bから出射される非可視光の照明光(例えば短波長の波長385nmから400nmの近紫外光)が出射され、指など入力指示体からの反射光が受光素子2aに入射され、入力指示体の位置、大きさ、移動方向などが認識される。画像表示のための駆動電圧印加と、受光素子2a,2bのセンシングのための駆動電圧の印加は時分割(フィールドシーケンシャル)で制御される。受光素子2a,2bのセンシングのための非可視光の照明光は、人の目の視感度の低い非可視領域の出射光であるので、この非可視光の出射による画像表示品位の低下はほとんど生じない。
なお、図11は、2次元画像表示のための駆動電圧を印加したとき(受光素子2a,2bのセンシングはオフのタイミングのとき)、液晶分子L1〜L14は図11に示す動作となり、あわせて第2の発光素子32a,32bから可視光が出射される。図11に示されるように、液晶分子L1〜L14の倒れはサブピクセル中心から対称で、かつ、傾斜勾配を持っているので従来にない広い視野角を得ることができる。後述するように、例えば平面視のサブピクセル形状が「くの字」形状であれば、液晶表示装置37の左右上下方向ともさらに広い視野角を得ることができる。この広い視野角は、本実施形態及び他の実施形態でも実現される。
本実施形態で示した対向電極42a,42bを削除し、さらに、アレイ基板39の画素電極38a,38bと共通電極40a,40bとの構成を、IPS(水平配向で横電界の駆動方式の液晶)で用いられる微細な櫛歯状画素電極とこの櫛歯状画素電極と絶縁層を介して備えられるベタ状共通電極とからなるフリンジフィールド方式の電極構成を持つ液晶表示装置に対しても、本実施形態と同様の技術を適用することができる。上述したように、本実施形態において、液晶の配向方向及び駆動方式は、限定されない。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、たとえば、赤色発光LED、緑色発光LED、青色発光LED、赤外発光LEDを具備するバックライトユニットを光源として備える液晶表示装置を前提としている。赤外発光LEDの発光できる波長領域は、700nm〜850nmを含むものであれば良い。カラー表示を行わない場合は、白色発光のLEDや蛍光灯であっても良い。
また、当実施形態は、トランジスタを電気的に接続する金属配線が、銅あるいは銅合金を表層とする金属配線であることを前提としている。なお、「表層」とは、アレイ基板の断面視、液晶層側(光センサ側)にある金属層を指す。表層の銅あるいは銅合金に対して、下部金属層はアレイ基板である透明基板側に位置する。下部金属層には、チタン、モリブデン、タンタル、タングステンなどの高融点金属あるいはこれらの合金が採用できる。上部金属層の銅あるいは銅合金と、エッチングレートが近いチタン合金を下部金の金属層として選択できる。銅あるいは銅合金の膜厚及び下部金属層の金属の膜厚は、たとえば、それぞれ50nm〜500nmとすることができる。
これら金属配線は、銅あるいは銅合金を表層とする、すくなくとも2層の金属配線とすることができる。銅に、マグネシウム、チタン、ニッケル、モリブデン、インジウム、錫、亜鉛、アルミニウム、カルシウムなどから1以上選択される元素を添加した銅合金を採用することができる。銅に添加する元素はこれらに限定するものでないが、銅に対する添加量は、銅の原子パーセントに対して3原子パーセント以下であることが好ましい。1原子パーセント以下であれば、その銅合金の光の反射率を大きく低下させない。1原子パーセント以下の添加量がさらに好ましい。
銅あるいは銅合金を金属配線とするアレイ基板は、IGZOなどと呼称される酸化物半導体をチャネル層とするトランジスタとマッチングが良い。
チャネル層となる酸化物半導体上の銅あるいは銅合金を表層とする金属膜は、たとえば、酸化性アルカリエッチャントで選択的にエッチングし、酸化物半導体にダメージをあたえることなく金属配線としてのパターン形成ができる。シリコン系半導体のトランジスタでは困難であった銅あるいは銅合金を表層とする金属配線及び金属層を容易に加工できる。
銅あるいは銅合金の、光の長波長側の反射率は、図24に示すように高い。図23に示すように、第1の受光素子2a、第2の受光素子2bのそれぞれ下部を埋めるように金属膜のパターンや金属配線を配設することで、再反射光を利用することができ、受光素子2a、2bの受光感度を向上できる。
図23では、酸化物半導体のチャネル層56を具備するトランジスタを、ボトムゲート構造で示したが、ボトムゲート構造に特定する必要はない。たとえば、トップゲート構造、ダブルゲート構造、デユアルゲート構造のトランジスタを採用できる。
図23に示す受光素子2aの下部には、ソース線やドレイン線などの金属配線50、あるいは金属配線50のない部位には金属層によるダミーパターン61が配設されている。たとえば、ダミーパターン61は、その製造工程では、ゲート線57と同じレイヤーに同時に形成することができる。
図23には図示していないが、第2の受光素子2bの下部にも、同様、ソース線やドレイン線、電源線などの金属配線50、あるいは金属配線50のない部位には金属層によるダミーパターン61が配設されている。
なお、図23において、ソース電極、ドレイン電極は、トランジスタの電極60として示した。トランジスタの信号線や電源線との接続関係で、ソース電極、ドレイン電極とはその機能を入れ替えることができる。本発明において、こうしたソース電極、ドレイン電極、あるいはゲート電極57も光反射性の金属配線や金属層に含まれるものとし、後述する光反射板として活用する。
第1の受光素子2a及び図示していない第2の受光素子2bは、液晶層6に近い方からP型半導体のアモルファスシリコン53、真性半導体(I型)のアモルファスシリコン54、N型半導体のアモルファスシリコン55の積層構成となっている。
例えば、P型半導体のアモルファスシリコン53は5nm〜50nmの膜厚で、I型半導体のアモルファスシリコン54は膜厚100nm〜1000nmで、N型半導体のアモ
ルファスシリコン55は20nm〜200nmの膜厚で形成できる。P型半導体のアモルファスシリコン53の上面、N型半導体のアモルファスシリコン55の下面には、上部電極51、下部電極52としてそれぞれ光透過性の導電膜が配設されている。導電膜は、たとえば、ITOと呼称される導電性金属酸化物などで形成できる。
上部電極51は、たとえばジグザク形状の細線パターン、あるいは櫛歯状の細線パターンなどとすることができる。上部電極51のパターンの工夫で、下部電極52での集電効果を上げることができる。受光素子2a、2b上に感度向上のため、たとえば、透明樹脂などで柱状構造物や凹凸、量子ドットなどを積層してもよい。
これら構造物には、波長変換機能のある粒子や染料などを添加しても良い。P型半導体とN型半導体の形成位置は入れ替えてもよく、あるいは、水平方向に並べて形成することもできる。アモルファスシリコンは、微結晶シリコンとすることができる。
これら受光素子2a、2bは、図示されるようにあらかじめ酸化物半導体によるトランジスタを形成した基板上に、たとえば、周知のアモルファスシリコン半導体工程を用いて形成される。
第1の受光素子2aは、下部電極52からコンタクトホール62及び金属配線50を介して、いずれかトランジスタの電極60と電気的につながっている。受光素子2a、2bの上部電極51は、図示していないコンタクトホールを介して共通電極配線につながっている。
リセット信号が付与されたときに、受光素子2a、2bの電位を共通電位とすることができる。絶縁層10a、10b、10c、10dは、たとえば、酸化珪素、酸窒化珪素、酸化アルミニウム、これらの混合酸化物、あるいは、感光性でアルカリ現像可能なアクリル樹脂などで形成できる。図2に図示していない第2の受光素子2bも、上記 第1の受光素子2aと同様である。
図示するように、受光素子2a、2b下部に複数のトランジスタを配設して受光素子2a、2bの駆動を行うことができる。酸化物半導体による複数のトランジスタは、たとえば、受光素子2a、2bの選択トランジスタや増幅用トランジスタ、リセット用トランジスタ、あるいは液晶駆動用トランジスタなどのを用いることができる。受光素子2a、2bの容量が小さい場合は、それぞれキャパシタを補助的に配設できる。
図23に図示するように、平面視、受光素子2a、2b下部を埋めるように、銅あるいは銅合金を表層とする金属配線や、金属層によるダミーパターンが形成されている。指などポインタからの反射光は、一度、受光素子2a、2bに入射する。受光素子2a、2bに吸収されなかった透過光は、これら銅あるいは銅合金を表層とする金属配線や、金属層によるダミーパターンで反射され、再度、受光素子2a、2bに再入射する。この透過光の再入射で受光素子2a、2bの実効感度を向上できる。銅あるいは銅合金を表層とする金属配線や、金属層によるダミーパターンは、受光素子2a、2bに対して光反射板として機能する。
図22に示す赤フィルタの光の波長700nm以降の透過率R1’は、90%以上の高い透過率であり、かつ、前記したように銅あるいは銅合金を表層とする金属の長波長での反射率は極めて高い。赤フィルタと、光反射性の反射板として銅あるいは銅合金を表層とする金属を併用することで、受光素子の感度を大きく向上できる。
(第4の実施形態)
本字実施形態においては、ブラックマトリクスBMにスリット開口部が形成されており
、このスリット状の開口部から、例えば第三者視認防止のための可視光と紫外光を出射する液晶表示装置について説明する。
なお、当実施形態では、斜め出射光を理解しやすくするため、スリット開口部を設けている。しかし、スリット開口部を設けることなく、たとえば、ブラックマトリクスBM下部から斜め方向に可視光などを出射させる構成でも良い。
本実施形態においては、平面視での外形が多角形の画素又はサブピクセルを区分けするブラックマトリクスにおける平行な2つの長辺に、例えばスリット状の斜め光開口部を形成する。なお、本実施形態において、斜め光は、非可視光及び可視光のそれぞれを含む。斜め開口部は、受光素子2a,2bのセンシング時には例えば波長360nm〜400nmの近紫外光を表示面から斜め方向に出射する開口部であり、第三者視認を妨げるセキュリティ用途の使用時には可視光を斜め方向に出射する開口部となる。
図12は、本実施形態に係る液晶表示装置の一例を示す部分平面図である。この図12は、本実施形態に係る液晶表示装置44の平面視の状態(観察者側から見た状態)を表している。
図13は、本実施形態に係る液晶表示装置44の一例を示す部分断面図である。この図13は、図12のC−C’断面であり、液晶表示装置1に備えられているブラックマトリクスBMの枠部BM1の長辺(側辺)及び櫛歯状又はストライプ状の画素電極の長軸方向に垂直な断面を表している。図13では、垂直配向膜、偏光板、位相差板、図12で示されている受光素子2a,2bが図示されていない。後述するように、本実施形態に係る液晶表示装置44は、3次元画像表示と通常の2次元画像表示とを切り替え可能である。
アレイ基板47は、透明基板8、遮光膜9、絶縁層10a、複数の受光素子2a,2b、絶縁層10b、共通電極11、絶縁層10c、画像表示用の画素電極3a,3b、斜め光制御用の導光電極3c,3d、画像表示用のトランジスタ12a,12b、斜め光制御用のトランジスタ12c、12dを具備する。
遮光膜9は、例えばガラスなどのような透明基板8の一方の面にゲート線又はソース線に用いられる金属配線と同じ材料、同じ工程で形成される。
絶縁層10aは、遮光膜9の形成された透明基板8の上に形成される。
受光素子2a,2bは、互いに隣接する画素又はサブピクセルに対して備えられる。複数の受光素子2a,2bは、絶縁層10aの上に形成される。
受光素子2aは、ブラックマトリクスBMの画素開口部AP1に形成された赤フィルタ14Rを通過した光を検出するが、液晶パネル45内で反射した光もこの受光素子2aによって検出される場合がある。受光素子2aは、平面視で、赤フィルタ14Rと重なる。受光素子2aは、波長360nm〜400nmの近紫外領域に感度を持つ。
受光素子2bは、液晶パネル45内で反射された光を検出する。例えば、受光素子2bによって検出される光としては、対向基板46側の様々な界面からの反射光、対向基板46と液晶層6との界面からの反射光などがある。受光素子2bは、平面視で、画素開口部AP1の緑フィルタ14Gと遮光膜9と重なり、断面の垂直方向において、緑フィルタ14GあるいはブラックマトリクストBM1と、遮光膜17との間に備えられる。受光素子2bは、信号補償用の受光素子である。
本実施形態に係る受光素子2bは、緑フィルタ14Gと遮光膜9の間に配設される。例えば、緑サブピクセルの緑フィルタ14Gの波長385nm近傍の近紫外光の透過率は低いため、本実施形態では、第1の実施形態などで説明したように、受光素子2bをブラックマトリクスBMと遮光膜9との間に配設しなくてもよい。特に、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料を含む緑フィルタ14Gの波長385nm近傍の近紫外光の透過率は、ハロゲン化銅フタロシアニンより低く、近紫外光の遮光パターンとして採用することができる。緑フィルタ14Gに、調色顔料としてさらに黄色顔料を加えた場合の波長385nm近傍の近紫外光の透過率は、さらに低くなる。本実施形態においては、青サブピクセルの画素開口率、緑サブピクセルの画素開口率、赤サブピクセルの画素開口率を揃えることができる。
絶縁層10bは、複数の受光素子2a,2bの形成された絶縁層10bの上に形成される。
共通電極11は、絶縁層10bの上に形成される。
画像表示用の画素電極3a,3b、斜め光制御用の導光電極3c,3dは、絶縁層10cの上に形成される。
画像表示用のトランジスタ12a,12bは、画像表示用の画素電極3a,3bと電気的に接続される。
視野角制御用のトランジスタ12c,12dは、斜め光制御用の導光電極3c,3dと電気的に接続される。
画像表示用のトランジスタ12a,12bと、斜め光制御用のトランジスタ12c,12dとしては、例えば、酸化物半導体で透明チャネル層を形成したTFTなどが用いられる。
アレイ基板47は、透明基板8の他方の面側が液晶パネル45の裏面側となり、画素電極3a,3b及び導光電極3c,3dの形成側が液晶層6側となる。
液晶層6に含まれる液晶は、例えば、初期垂直配向であるとする。なお、液晶表示装置44は、初期垂直配向の液晶を用いるVA液晶方式でもよく、初期水平配向の液晶を用いるECB方式でもよい。以下においては、VA液晶として、誘電率異方性が負の液晶について説明するが、誘電率異方性が正の液晶が使用されてもよい。VA液晶として、誘電率異方性が正の液晶を用いることもできる。
対向基板46は、透明基板8、ブラックマトリクスBM、カラーフィルタ層14、透明樹脂層(保護層)7、対向電極16a〜16dを備える。
ブラックマトリクスBMは、複数の画素又はサブピクセルに対応し平面視でマトリクス状に区分けされた複数の画素開口部AP1を形成するように、透明基板13の一方の面に形成される。複数の画素開口部AP1からは、観察者に提供される画像表示用の光が出射される。
本実施形態において、ブラックマトリクスBMは、画素又はサブピクセル単位で、画素開口部AP1を形成する枠部BM1のうちの平行な2つの長辺部と、この画素開口部AP1を2分割する垂直方向の中央部BM2とを備える。中央部BM2は省略されてもよい。
さらに、本実施形態において、ブラックマトリクスBMは、平面視で、水平方向において互いに対向する長辺部に、スリット状に形成された斜め光開口部AP2を具備する。斜め光開口部AP2からは、第三者視認防止目的の斜め光、及び受光素子2aのセンシングのための非可視光が出射される。
透明基板13上のブラックマトリクスBMによって形成される画素開口部AP1には、それぞれ青フィルタ14B、緑フィルタ14G、赤フィルタ14Rのいずれかが形成される。カラーフィルタ層14は、青フィルタ14B、緑フィルタ14G、赤フィルタ14Rを含む。
ブラックマトリクスBM及びカラーフィルタ層14の形成された透明基板13の上に、透明樹脂層15が形成される。
対向電極16a〜16dは、透明樹脂層15の上に形成される。
対向基板46は、透明基板13の他方の面側が観察者側となり、対向電極16a〜16dの形成側が液晶層6側となる。
本実施形態において、図13の断面に示されている対向基板46は、サブピクセルの中心軸Cに対して線対称の構成を持つ。
多角形サブピクセルの画素開口部AP1は、マトリクス状に形成される。画素開口部AP1の平面形状は、例えば、正方形、長方形、平行四辺形、くの字状に折れ曲がった(「<」状、又は、ブーメラン形状)多角形などのような、対向する辺が互いに平行な多角形とすることができる。対向基板46では、ブラックマトリクスBMの互いに向かい合う側辺の中心部分に、透明なスリット状の斜め光開口部AP2が形成される。換言すると、ブラックマトリクスBMの側辺においては、線状の遮光部分が斜め光開口部AP2を挟んでいる。
図13に示すように、斜め光開口部AP2は、指認識と第三者視認防止のため、サブピクセルの両側(左右)に設けることが好ましい。例えば、平面視で、サブピクセルの垂直方向の上下に斜め開口部を設けて、上下方向の斜め光を出射しても、液晶表示画面を横から覗き込む第三者の視認を抑制する効果は小さい。斜め光開口部AP2の平面視形状は、スリット状又はストライプ状に限定されず、ドット状、楕円形状、矩形状などとしてもよい。複数の斜め光開口部AP2の配置は、平面視で、サブピクセルの中心から非対称、対称のいずれの関係でもよい。斜め光開口部AP2は、サブピクセルの長手方向にそって配置されることが好ましい。
本実施形態において、斜め光開口部AP2からの斜め光の出射状態は、液晶を駆動するための導光電極3c,3d、共通電極11、対向電極16a〜16dの形状又は位置と、液晶動作とに関連する。したがって、導光電極3c,3d、共通電極11、対向電極16a〜16dの形状又は位置に応じて、斜め光開口部AP2の形状又は位置を調整することにより、効率的に斜め光を出射させることができる。
なお、斜め光の出射方向は、後述される第4の実施形態における光制御素子の構成に含まれるプリズムシートの光軸(三角形断面を持つプリズムシートの稜線方向)とほぼ直交することが望しい。
切替部24は、例えば、導光電極3c,3dに印加する電圧の高さを変更するなどの手法により、斜め光開口部AP2から出射される斜め光の強度を切り替える。
演算部17からの補償観測値が液晶表示画面に指が近づいたことを示す場合に、切替部24は、トランジスタ12c、12dを介して導光電極3c,3dにより高い電圧を印加し、自動的に斜め光出射の強度をアップさせることができる。斜め光出射強度を高くすることにより、液晶表示画面から指までの距離が例えば7mm程度離れていても認識可能となり、液晶画面上の3Dボタン表示でクリック感を持たせた入力が容易となる。例えば、指の認識においては、受光素子2a,2bの観測値に基づいて補償演算を行って得られる補償観測値を、2水準又は複数水準の大きさの異なる区分に分類し、それぞれの区分に属する補償観測値の数(例えば、液晶表示画面での指の面積に相当)を求め、又は、それぞれ区分に相当する補償観測値の数の変化速度とその位置などを検出する。
これにより、液晶表示画面と指又はポインタなどの入力指示体との距離及び移動を認識することができる。
例えば、液晶表示装置44の切替部24は、指示受付部を備えるとしてもよく、液晶表示装置44は画面に切替要求を表示し、切替指示を受け付けるとしてもよい。切替部24は、入力した切替指示に応じて、斜め光の出射状態を切り替える。
例えば、切替部24は、斜め光を出射しない「表示優先モード」、指入力を行うための「指操作モード」、第三者視認防止のための「セキュリティモード」のうち、観察者に指定されたモードを実現する。切替部24は、「セキュリティモード」が選択された場合、可視光である強い強度の斜め光を出射させる。出射される光の強度は、上述したように、導光電極3c,3dに印加される液晶駆動電圧に基づいて制御される。受光素子2a,2bのセンシング時は非可視発光素子35a,35bを発光させ、受光素子2a,2bの観測タイミングにして導光電極3c,3dに駆動電圧を印加する。
以下で、対向基板46とアレイ基板47による液晶の動作と、この動作によって出射される光について、図14乃至図17を用いて説明する。
図14は、本実施形態に係る液晶表示装置44の第1の画素電極3aのみに液晶駆動電圧が印加された状態の一例を示す部分断面図である。
液晶表示装置44の液晶分子L1〜L14は、負の誘電率異方性を持つ。液晶分子L1〜L14の長軸方向は、駆動電圧印加前において垂直であるが、トランジスタ12a〜12dによって画素電極3a,3b及び導光電極3c,3dのいずれかに電圧が印加されると傾斜する。図14は、画像電極3aにのみ、駆動電圧が印加された場合の液晶の駆動状態の例を示している。
液晶分子L4〜L10は、電気力線に対して垂直になる方向に倒れる。出射光D4は、液晶の傾斜した部分を通過して例えば観察者の一方の目(右目)方向に出射される。液晶分子L4は、画素電極3aの端部と共通電極11との間に形成される強い電場で他の液晶分子より早く倒れ始める。この液晶分子L24の動作は、液晶動作のトリガとなり、液晶の応答性を高める。
図15は、本実施形態に係る液晶表示装置1の第2の画素電極3bのみに液晶駆動電圧が印加された状態の一例を示す部分断面図である。
画素電極3bに液晶駆動電圧が印加されると、液晶分子L5〜L11は、電気力線に垂直になる方向に倒れる。出射光D5は、液晶の傾斜した部分を通過して例えば観察者の一方の目(左目)方向に出射される。液晶分子L11は、画素電極3bの端部と共通電極1
1との間に形成される強い電場で他の液晶分子より早く倒れ始める。この液晶分子L11の動作は、液晶動作のトリガとなり、液晶の応答性を高める。
図16は、本実施形態に係る液晶表示装置1の第1の導光電極3cのみに液晶駆動電圧が印加された状態の一例を示す部分断面図である。
導光電極3cに液晶駆動電圧が印加されると、液晶分子L1〜L3は、電気力線に垂直になる方向に倒れる。斜め光D6は、傾斜した液晶L1〜L3を斜めに横切る状態で透過し、図示されていない偏光板を透過し、漏れ光として外部に出射される。この場合、観察者方向からは黒表示として視認されるが、斜め方向の第三者には漏れ光が観察され、黒表示として視認されない。導光電極3cに液晶駆動電圧が印加され、斜め光D6が出射されることにより、観察者の周囲にいる第三者の視認を妨げることができる。さらに、斜め光D6を出射させることで、受光素子2aによる安定入力を行うことができ、液晶画面上での指操作時に安定した指認識を行うことができる。
この漏れ光の量及び斜め光D6の角度は、斜め光開口部AP2の幅W1、ブラックマトリクスBMの枠部の幅W2、透明基板13の一方の面から対向基板46の液晶層6側の界面までの厚さHt、液晶層6の厚さLt、遮光パターン9の幅W3などに基づいて制御可能である。
液晶分子L3は、導光電極3cの端部と共通電極11との間に形成される強い電場で他の液晶分子より早く倒れ始める。この液晶分子L3の動作は、液晶動作のトリガとなり、液晶の応答性を高める。
図17は、本実施形態に係る液晶表示装置1の第2の導光電極3dのみに液晶駆動電圧が印加された状態の一例を示す部分断面図である。
導光電極3dに液晶駆動電圧が印加されると、液晶分子L12〜L14は、電気力線に対して垂直になる方向に倒れ、斜め光D7が出射される。液晶分子L12は、導光電極3dの端部と共通電極11との間に形成される強い電場で他の液晶分子より早く倒れ始める。この液晶分子L12の動作は、液晶動作のトリガとなり、液晶の応答性を高める。導光電極3dに駆動電圧が印加されることにより、斜め光D7が出射され、観察者の周囲にいる第三者の視認を妨げる。なお、図16の斜め光D6と図17の斜め光D7とは、同時に出射させるとしてもよい。
以上説明した本実施形態においては、受光素子2a,2bを酸化物半導体によって形成することにより、液晶パネル45内に均質な受光素子2a,2bを形成することができる。
本実施形態においては、受光素子2aによって検出された観測値を、受光素子2bによって検出された観測値で補償することができるため、例えば画面に対する指入力などを高精度かつ安定的に検出することができる。
本実施形態においては、3次元画像表示用の液晶表示装置44について入力検出を行うことができる。
本実施形態においては、斜め光D6,D7を出射することにより、視野角制御を行うとともに、液晶パネル45内の反射光が受光素子2aの観測値に悪影響を与えることを防止することができる。
本実施形態においては、バックライトユニット30の第2の発光素子32a,32bを、導光電極3c,3dと同期させて発光させることにより、斜め開口部AP2から可視光が出射され、第三者視認防止が実現される。
本実施形態においては、実効的な表示面積が減少することを抑制でき、また、観察者に斜め光D6,D7が観察されることを防止することができるため、表示品質を保つことができる。
本実施形態においては、液晶表示装置44が重く及び厚くなることを防止することができる。
(第5の実施形態)
本実施形態においては、上記第4の実施形態の変形例について説明する。本実施形態に係る斜め開口部AP2の断面は、凸形状を持つ。
図18は、本実施形態に係る液晶表示装置の一例を示す部分断面図である。この図18は、櫛歯状又はストライプ状の電極の櫛歯の長手方向に垂直な断面である。図18では、対向基板とアレイ基板との間の液晶分子L1〜L16の配向状態と、これら液晶分子L1〜L16の動作に基づいて出射される斜め光D3,D4とが示されており、配向膜、偏光板、位相差板、トランジスタ、受光素子は省略されている。この図18では、液晶駆動電圧が印加されてない液晶の初期配向状態を示している。
液晶表示装置26は、アレイ基板27と対向基板28とが液晶層6を介して対向している液晶パネル29を備える。本実施形態に係る液晶表示装置26は、斜め光開口部AP2に備えられる透明パターン48に特徴がある。透明パターン48の垂直方向の厚さHtは、ブラックマトリクスBMの垂直方向の厚さ、及びカラーフィルタ層14の厚さより大きい。対向基板28における透明パターン48の形成部分は、他の部分よりも液晶層6側に突出している。
さらに、各サブピクセルの中心部において、対向基板28には凹部49が形成されている。
対向基板28の生成においては、まず、ガラスなどの透明基板13上に、ブラックマトリクスBMと斜め光開口部AP2の透明パターン48とが形成される。次に、ブラックマトリクスBMと透明パターン48とを覆うように透明電極である対向電極16が形成される。それぞれの画素開口部AP1の対向電極16上に、青フィルタ14B、緑フィルタ14G、赤フィルタ14Rが積層され、さらに、保護層として透明樹脂層15が形成される。
アレイ基板27は、多角形のサブピクセルごとに、画素電極3e,3f及び導光電極3gと、共通電極11e,11f,11gを備える。
画素電極3e,3fと対向電極16との間、及び画素電極3e,3fと共通電極11e,11fとの間には、液晶を駆動するための電圧が印加される。なお、アレイ基板27は、共通電極11e,11f,11gを備えなくてもよい。画素電極3e,3fの平面視でのパターンは、櫛歯状パターン、ストライプ状パターン、又は、帯状(ベタ状)の透明導電膜に複数のスリット状開口を形成したパターンとしてもよい。
斜め光D6,D7の出射角度θは、透明パターン48の幅W1、透明パターン48の厚さH1、液晶層6の厚さLt、遮光パターン9の幅W3などを用いて制御可能である。
櫛歯状パターンの画素電極3e,3f及び導光電極3gと、櫛歯状パターンの共通電極11e,11f,11gとは、絶縁層10cを介して配置される。水平方向の位置において、画素電極3e,3f及び導光電極3gと共通電極11e,11f,11gとは、ずれている。この図18では、水平方向において、画素電極3e,3f及び導光電極3gと共通電極11e,11f,11gとは一部が重なり、他の一部がはみ出た状態となる。水平方向において、共通電極11e,11f,11gは、対応する画素電極3e,3f及び導光電極3gよりも透明パターン48側(サブピクセルの端側)にずれている。
画素電極3e,3f及び導光電極3gと共通電極11e,11f,11gとの櫛歯状パターンは、例えば2μmから20μmの幅の線状導体を電気的に2本以上連結して形成される。線状導体の連結部は片側のみに形成されてもよく、両側に形成されてもよい。連結部は、多角形のサブピクセルの周辺部であり、平面視で画素開口部AP1外に配置されることが好ましい。
櫛歯状パターンの間隔は、例えば、およそ3μmから100μmの範囲とし、液晶セル条件、液晶材料に基づいて選択される。櫛歯状パターンの形成密度、ピッチ、電極幅は、サブピクセル内又は画素内で変更可能である。
水平方向における画素電極3e,3f及び導光電極3gと、共通電極11e,11f,11gとのはみ出し量W4は、液晶6の材料、駆動条件、液晶セル厚みなどのディメンションで種々調整可能である。はみ出し部の幅W4は、例えば、1μmから6μmまでのいずれかの値のように小さい量でも十分である。重なり部分の幅W5は、液晶駆動に係わる補助容量として用いることができる。液晶分子L1,L3〜L7,L10〜L14,L16は、基板表面に対して、ほぼ垂直に配向している。
液晶表示装置26の大きさ又は使用目的に応じて、櫛歯状パターンの画素電極3e,3f、導光電極3g、共通電極11e,11f,11gにおけるサブピクセル又は画素の開口幅方向の櫛歯本数、密度、及び間隔は、適宜調整可能である。
本実施形態においては、対向電極16としての透明導電膜が透明基板13とカラーフィルタ層14との間に形成される。本実施形態においては、対向基板28の製造において、透明導電膜より後にカラーフィルタ層14が形成される。このような構成の対向基板28を備える液晶表示装置26においては、バックライトユニット30から出射された光が対向電極16の界面で反射された場合であっても、この反射光は、カラーフィルタ層14で吸収される。したがって、本実施形態においては、液晶パネル29の裏面に設置されるバックライトユニット30から出射された光が、液晶パネル29の対向電極16の界面で反射して受光素子2a,2bに観測されることを緩和することができる。
本実施形態のように、対向電極16に、誘電体でもあるカラーフィルタ層14又は透明樹脂層15を積層する対向電極15の構成では、画素電極3e,3fと対向電極16との間に印加される液晶駆動電圧に係わる等電位線を、液晶厚み方向に広げることができ、透過率を向上させることができる。
本実施形態において、対向基板28の透明パターン15の近傍の液晶分子L2,L15、及び、対向基板28の中央部の凹部49の近傍の液晶分子L8,L9は、予め所定の角度だけ傾く。これにより、駆動電圧印加時に、液晶分子L1〜L16を効果的に傾斜させることができる。
斜め光D6,D7は、第2の発光素子から発光される可視光及び第1の発光素子から発
光される非可視光の片方又は両方である。同期制御部36は、斜め光の出射において、導光電極3gへの液晶駆動電圧印加と、第2の発光素子32a,32bと第1の発光素子35a,35bとの片方又は両方の発光とを、同期して行う。
同期制御部36は、指など入力指示体の認識時において、導光電極3gへの液晶駆動電圧印加と、第1の発光素子35a,35bの発光と、受光素子2a,2bの受光とが同期する。3次元画像表示と2次元画像表示の切り替えは、上記の第1の実施形態と同様に可能である。「指操作モード」又は「セキュリティモード」の適用は、上記の第3の実施形態と同様に可能である。
なお、本実施形態においては、図18における透明導電膜の形成位置を、ブラックマトリクスBMとカラーフィルタ層14との間としているが、透明基板13とブラックマトリクスBMとの間など、透明導電膜は他の位置に形成されるとしてもよい。
(第6の実施形態)
本実施形態においては、サブピクセルの平面形状と画素電極の形状との関係について説明する。
図19は、本実施形態に係るサブピクセルの平面形状と画素電極3e,3f及び導光電極3gの形状との関係の第1の例を示す平面図である。
この図19において、サブピクセルは、平面視で、縦に長い長方形である。櫛歯状電極である画素電極3e,3f及び導光電極3gは、それぞれ別の3つのトランジスタに電気的に接続される。
導光電極3gは、対応する共通電極11gとともに作用し、斜め光開口部AP2近傍の液晶を駆動し、斜め光D6,D7の出射を行う。図19の構成の場合、スリット状の斜め光開口部AP2は、導光電極3gで駆動される液晶を透過する斜め光を出射するために、導光電極3gと平行に形成される。
本実施形態において、画素電極3e,3fの櫛歯部の間の連結部は、平面視で、サブピクセルのブラックマトリクスBMの下側と重なる。導光電極3gの櫛歯部の間の連結部は、平面視で、サブピクセルのブラックマトリクスBMの上側と重なる。画素電極3e,3f及び導光電極3gの櫛歯本数、その密度、電極幅は、液晶セルの条件によって種々変更できる。
図20は、本実施形態に係るサブピクセルの平面形状と画素電極3e,3f及び導光電極3gの形状との関係の第2の例を示す平面図である。
図21は、本実施形態に係るサブピクセルの平面形状と画素電極3e,3f及び導光電極3gの形状との関係の第3の例を示す平面図である。
この図20において、サブピクセルは、平面視で、平行四辺形である。図21において、サブピクセルは、平面視で、「くの字」状の多角形である。F1〜F4は、画素電極に液晶駆動電圧が印加された場合の液晶の傾斜方向である。
視野角制御に用いる斜め光D6,D7の出射方向を考慮すると、サブピクセルの平面形状は、平行四辺形又は「くの字」状の多角形が好ましい。
液晶表示装置で文字を表示する場合には、文字表示の構成サブピクセル毎に、出射方向
が変わる平行四辺形のサブピクセルを適用することにより、第三者の視認性を広い範囲で低減させることが容易になる。
1つのサブピクセルに対して2個から4個のトランジスタを形成し、それぞれのトランジスタで画像表示用の画素電極3e,3fと視野角制御用の導光電極3gとを分割駆動する場合、画素形状要因の寄与は、少し低下する。なぜなら、このように画像表示用の画素電極3e,3fと視野角制御用の導光電極3gとを分割駆動する場合には、視野角制御用の導光電極3gによって画像表示と切り離して斜め光D6,D7を制御することができるためである。
さらに、画像表示用の画素電極3e,3fと視野角制御用の導光電極3gとを分割駆動する場合には、視野角制御用の導光電極3gを用いて斜め光D6,D7による第三者視認性をさらに低下させるために、駆動電圧信号のランダマイズ及び透明パターン48の形状・配置のランダマイズを行ってもよい。
1つのサブピクセルに対して2個から4個のトランジスタを形成することにより、必要時に、個別に斜め光D6,D7を出射させることができ、ランダマイズさせることにより表示画面の文字表示などに対して高いレベルで第三者の視認を防止することができる。
なお、同期制御部36は、第三者視認防止を目的とする視野角制御用の斜め出射光について、第2の発光素子32a,32bの可視光発光と、導光電極3gへの電圧印加とを同期して行う。同期制御部36は、指などの入力指示体を認識する場合に、第1の発光素子35a,35bの非可視発光と、導光電極3gへの電圧印加とを同期して行う。
第1の発光素子35a,35bの発光ピークは人の目の低視感度領域に設定でき、また、第2の発光素子32a,32bの発光ピークは可視光である青、緑、赤の発光ピークに設定できる。
酸化物半導体によって形成された透明チャネル層を持つ受光素子2a,2bは、第1の発光素子の非可視波長領域のピーク波長に合わせて感度を設定できるので、本実施形態においては、斜め光として可視光と非可視光を同時に出射させてもよく、可視光と非可視光とを時分割で出射させてもよい。
(第7の実施形態)
本実施形態においては、上記各実施形態に係る液晶表示装置1,37,44の対向基板5,41,46で用いられる透明樹脂及び有機顔料などの各種材料の例について説明する。
カラーフィルタ層14の形成に用いられる感光性着色組成物は、顔料分散体に加え、多官能モノマー、感光性樹脂又は非感光性樹脂、重合開始剤、溶剤などを含有する。感光性樹脂又は非感光性樹脂などのような本実施形態で用いられる透明性の高い有機樹脂を総称して透明樹脂と呼ぶ。
ブラックマトリクスBM、透明樹脂層15、カラーフィルタ層14には、フォトリソグラフィによるパターン形成可能な感光性樹脂組成物、又は、熱硬化樹脂などの透明樹脂を用いることが好ましい。ブラックマトリクスBMとカラーフィルタ層14に用いられる樹脂は、アルカリ可溶性を与えられた樹脂であることが望ましい。アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基又は水酸基を含む樹脂であればよい。例えば、アルカリ可溶性樹脂としては、エポキシアクリレート系樹脂、ノボラック系樹脂、ポリビニルフェノール系樹脂、アクリル系樹脂、カルボキシル基含有エポキシ樹脂、カルボキシル基含有ウレタン樹
脂などが用いられる。これらの中でも、エポキシアクリレート系樹脂、ノボラック系樹脂、アクリル系樹脂が好ましく、特に、エポキシアクリレート系樹脂又はノボラック系樹脂が好ましい。
赤色顔料としては、C.I.Pigment Red254を少なくとも主色材として用いる。さらにこれに調色の観点で少量の顔料を加えることができる。赤色顔料としては、たとえば、C.I.Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、139、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、246、255、264、272、279などを加えることができる。
黄色顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214などを用いることができる。
青色顔料としては、例えばC.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80などを用いることができ、これらの中では、C.I.Pigment Blue 15:6が好ましい。
紫色顔料として、例えば、C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50などを用いることができ、これらの中では、C.I. Pigment Violet 23が好ましい。
緑フィルタ14Gに用いられる緑色顔料としては、例えば、C.I.Pigment Green 1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58などを用いることができ、これらの中では、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料であるC.I.Pigment Green 58が好ましい。ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン緑色顔料を用いることもできる。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料を用いた緑フィルタは、緑色顔料として旧来より一般的に用いられているハロゲン化銅フタロシアニンの緑フィルタより比誘電率が低くなる。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料を緑フィルタ14Gに用いることにより、カラーフィルタ層14に含まれる赤フィルタ14R、及び、青フィルタ14Bの比誘電率にほぼ揃えることができる。
例えば、電圧5V、120Hz、240Hzなどの液晶の駆動周波数で、青サブピクセルの青フィルタ14B及び赤サブピクセルの赤フィルタ14Rのそれぞれ膜厚2.8μmでの比誘電率を測定すると、その比誘電率はおよそ3〜3.9の範囲に入る。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料を主たる色材(色調整として黄色顔料を加えることもある)
とする緑フィルタ14Gの比誘電率はおよそ3.4〜3.7であり、この緑フィルタ14Gの比誘電率は、他の2色の赤フィルタ14R及び青フィルタ14Bの比誘電率とそろえることが可能である。
青フィルタ14B、緑フィルタ14G、赤フィルタ14Rの比誘電率をそろえることは、上記の第14の実施形態で示したような透明電極(共通電極16)上にカラーフィルタ層14を形成する構成、又は、IPSと呼称される横電界方式の液晶表示装置において、効果が大きい。青フィルタ14B、緑フィルタ14G、赤フィルタ14Rのそれぞれ比誘電率が同じレベルであれば、液晶駆動時にカラーフィルタの異なる比誘電率のために、光漏れが生じるなどの悪い影響を低減させることができる。
例えば、ハロゲン化銅フタロシアニンを主たる色材とする緑フィルタ14Gの比誘電率は、およそ4.4〜4.6であり青フィルタ14B、赤フィルタ14Rの比誘電率よりかなり大きく好ましくない。また、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料の緑フィルタ14Gは、急峻な分光特性カーブで、かつ、ハロゲン化銅フタロシアニンの緑色顔料より高い透過率を持つ。
ブラックマトリクスBMに用いられる遮光性の着色剤としては、上記の各種の有機顔料の混合を用いることができ、又は、遮光性に優れるカーボンを用いることができる。
上記の各実施形態は、発明の趣旨が変わらない範囲で様々に変更して適用することができる。
1,26,37,44…液晶表示装置、2a,2b…受光素子、BM…ブラックマトリクス、BM1…枠部、BM2…中央部、22…表示領域、23…センサ領域、17…演算部、AP1…画素開口部、AP2…斜め光開口部、3a,3b,3e,3f,38a,38b…画素電極、3c,3g…導光電極、4,27,39,47…アレイ基板、5,28,41,46…対向基板、6…液晶層、7,29,45…液晶パネル、8,13…透明基板、9…遮光パターン、10a〜10d…絶縁層、11,11a〜11g,40a,40b…共通電極、12a〜12d…トランジスタ、14…カラーフィルタ層、14B…青フィルタ、14R…赤フィルタ、14G…緑フィルタ、15…透明樹脂層、16a〜16d,42a,42b…対向電極、L1〜L14…液晶分子、17…演算部、18…表示素子走査部、19…センサ走査部、20…表示素子駆動部、21…センサ読取部、24,43…切替部、30…バックライトユニット、31…光制御素子、32a,32b,35a,35b…発光素子、33…プリズムシート、34…レンズシート、48…透明パターン、金属配線…50、上部電極…51、下部電極…52、チャネル層…56、トランジスタの電極60、ダミーパターン…61

Claims (3)

  1. アレイ基板と対向基板とを液晶層を介して向かいあうように貼り合わせた液晶セルと、前記液晶セルの裏面側に備えられ、発光素子を含むバックライトユニットとを具備する液晶表示装置であって、
    前記発光素子は、非可視光を発光する第1の発光素子と、可視光を発光する第2の発光素子とを具備し、
    前記対向基板が複数の画素又はサブピクセルに対応し平面視でマトリクス状に区分けされた複数の画素開口部を形成するブラックマトリクスと、前記複数の画素開口部に対応する赤フィルタと緑フィルタと青フィルタとを含むカラーフィルタ層とを備えるものであり、
    前記アレイ基板が、平面視で前記赤フィルタと重なる少なくとも非可視光感度領域をもつ第1の受光素子と、前記第1の発光素子の発光する非可視光の透過率が低い前記カラーフィルタ層又は前記ブラックマトリクスと重なる第2の受光素子と、液晶層に含まれている液晶を前記非可視光の出射のために駆動する導光電極と、前記液晶層の液晶を前記可視光の出射のために駆動する画素電極と、前記導光電極と前記画素電極の一方もしくは両方を駆動するトランジスタを備えるものであり、
    前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子の下部に前記トランジスタが配置され、
    前記トランジスタの金属配線が、前記液晶層側から見て、銅あるいは銅合金である金属層と下部金属層の2層構成で、ガリウム、インジウム、亜鉛、錫、イットリウムのうちの2種以上の金属酸化物を含むチャネル層を具備し、
    前記赤フィルタが、主たる色材がC.I.ピグメントレッド254であることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記第1の発光素子の発光する非可視光の波長が、360nmから400nmの範囲内にあり、
    かつ、前記第2の受光素子が重なっている前記第1の発光素子の発光する非可視光の透過率が低い前記カラーフィルタ層又は前記ブラックマトリクスが、前記緑フィルタ又は前記ブラックマトリクスであることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記第1の発光素子の発光する非可視光の波長が、700nmから850nmの範囲内にあり、
    かつ、前記第2の受光素子が重なっている前記第1の発光素子の発光する非可視光の透過率が低い前記カラーフィルタ層又は前記ブラックマトリクスが、前記緑フィルタ、前記青フィルタ、又は前記ブラックマトリクスであることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
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