JP6149210B2 - マトリクス駆動液晶光学素子及び装置 - Google Patents

マトリクス駆動液晶光学素子及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、簡単な構造で、液晶セル内の任意の場所に任意の形状寸法をとる複数の光学素子を形成し、且つ滑らかで任意の屈折率分布特性を有し、低電圧により光学特性を可変調整できる薄型の光学素子及びこれを用いた装置に関する。
液体のような流動性を持ち、電気光学的特性に異方性を示し、電圧印加により実効的な屈折率を概異常光に対する値から常光に対する値まで連続的に可変できるという特徴を有するネマティック液晶と呼ばれる液晶を利用することで、種々の電圧可変型の液晶レンズ等の光学素子が提案されている。
液晶を使用したレンズとして、透明絶縁層により円形の開口部を有するパターン電極を液晶層に接触させずに、液晶層からある一定の距離を置くように配置することで、電極の開口部分の直径を大きくしても、軸対称の不均一電界が開口部の中心付近まで生じるようにして良好なレンズ効果を発揮する方法が提案されており、直径が大きな液晶レンズを構成できることが特許文献1に、また円形の開口部を有するパターン電極と液晶層の間に透明な絶縁層と透明な高抵抗薄膜を設けることで、より低電圧で駆動できる液晶レンズが特許文献2に開示されている。
しかし、前記特許文献1、特許文献2に開示されている液晶レンズは良好な光学特性を得ることができるが、電極が固定されているため、レンズとしての構造寸法を可変することや、光軸を任意の位置に移動することが不可能であることが問題であった。
また、同心円状に間隔を空けて配置された複数の輪帯状の電極パターンと平板状の電極の間に液晶層を挿入し、前記復数の電極パターンに電圧を加えることで液晶分子の配向制御を行い、入射光に対する液晶の実効的な屈折率を可変することで動作する液晶光学素子が特許文献3に開示されている。
しかし、これらの複数の輪帯状のパターン電極を用いる液晶光学素子では、液晶層に加わる電圧が階段状もしくは傾斜を含む階段状となるなど、連続的で滑らかな電位分布にならないため、屈折率分布が同様に階段状もしくは傾斜を含む階段状のように不連続な特性となることから、良好な光学特性を有する液晶光学素子を構成することが困難であるという問題点があり、また電極が固定されているため、レンズとしての構造寸法を可変することや、光軸を任意の位置に移動することが不可能であることが問題であった。
一方、多数の微小な画素により複数の近似的な同心円の仮想の輪帯状電極を構成し、各輪帯状電極内に含まれるすべての画素にはその部分の液晶に所定の複屈折値を与えるための電圧が印加されるように、画素毎に独立していて個々に薄膜トランジスタ等により液晶層に任意の電圧を与えられるアクティブマトリクス駆動法や、あるいは各画素が上下の基板に設けられたストライプ状電極の交点であり、それらストライプ状電極がいわゆるパッシブマトリクス駆動されることによって、各画素に所定の電圧を与えることで動作する液晶光学素子がある(特許文献4の図7)。
前記のアクティブマトリクス駆動やパッシブマトリクス駆動による液晶光学素子では、たとえばレンズとしての構造寸法を可変することや、複数のレンズを任意の場所に構成し、更には各レンズの光軸を任意の位置に移動することなどが可能であるが、特許文献3で開示されている複数の輪帯状のパターン電極を用いる液晶光学素子と同様に液晶層に加わる電圧が直径方向で階段状となって連続的で滑らかな電位分布にならないという問題点の他に、有限の寸法の多数の画素により仮想の輪帯を構成しているため、各輪帯が滑らかな円状ではなく各画素の寸法に対応した多数の直線と折れ曲がりにより構成されているため、光学特性が低下するという問題点があった。
特開2004−4616号公報 特開2011−017742号公報 特開2004−334028号公報 特開2005−317879号公報
そこでこの発明の目的は、上記問題を解決し、任意の構造寸法の複数の光学素子を任意の場所に構成することが可能で、更には光学素子の光軸を任意の位置に移動することなどが可能で、且つ連続的で滑らかな屈折率分布及び良好な光学的特性を有する液晶光学素子及び前記液晶光学素子を用いた装置を提供することにある。
この発明の一例は、上記の課題を解決するために、その基本として、
第1の基板に設けられた第1の電極と第2の基板に設けられた第2の電極の間に液晶層を有し、前記第1と第2の電極間に電圧が印加されることで前記液晶層を駆動する画素が複数個マトリク状に配列されており、前記マトリクス状に配列された複数の前記画素にそれぞれ与える電圧を任意に選択することで、任意の中心位置から外側に向かって液晶配向を漸次変化させて前記液晶層の実効的な屈折率の分布を可変調整することで動作する、マトリクス駆動液晶光学素子であって、
前記第1の電極と前記液晶層との間と前記第2の電極と前記液晶層の間の少なくとも一方若しくは両方のいずれかに、透明な絶縁層と透明なインピーダンス層の二重層を設けたことを特徴とする。またシステムとしては、上記マトリクス駆動液晶光学素子を制御するために必要なメモリを含むこと特徴とする。
また、前記第2の電極は共通電極であり、前記第1の電極は、前記マトリクス状に配列された複数の画素電極であり、前記画素電極に液晶素子が対応されており、垂直及び水平駆動ラインの交差点付近で、前記垂直及び水平駆動ライン間に接続された半導体素子を介して、前記液晶素子に駆動電圧が印加されることを特徴とする。さらに、前記透明なインピーダンス層が主として抵抗材料からなること、又は主として強誘電体材料からなるようにしてもよい。
また、前記第1の基板の前記第1の電極と前記第2の基板の前記第2の電極とは、交差した関係であり、かつそれぞれ複数のストライプ状電極で構成されており、前記複数の前記画素は、前記ストライプ状電極の交差部に形成されていることを特徴とする。さらに、前記透明なインピーダンス層が主として抵抗材料からなること、又は主として強誘電体材料からなるようにしてもよい。
さらにまた、前記所定の電圧が与えられている画素により複数の仮想の輪帯(円帯)状の電極が形成され、前記液晶層の実効的な屈折率の分布を可変調整することで動作することを特徴とし、また、
前記所定の電圧が加えられている画素により孔を有する仮想の第1の電極および孔の中に仮想の第2の電極が形成され、前記液晶層の実効的な屈折率の分布を可変調整することで動作することを特徴とする。
上記の手段により、液晶及び複数の透明な画素電極または複数のストライプ状電極を有する液晶光学素子において、前記複数の電極による不運続な電位分布に基づく不連続な、または階段状の屈折率分布特性を滑らかで連続的な分布とすることができ、簡単な構造であって前後や左右移動等の機械的な可動部を持たず、電気的制御により光学特性を大幅に効率よく可変することができる液晶光学素子を提供する。
図1は、本発明に係るマトリクス駆動液晶光学素子の一実施の形態を示す構成断面図である。 図2は、仮想の同心円状電極にそれぞれ所定の電圧を与えるように構成されたマトリクス駆動液晶光学素子の実施の形態を示す平面図である。 図3の[A]は、図2で示したマトリクス駆動液晶光学素子の各電極に所定の電圧を与えた時の電位分布の三次元表示の図であり、[B]は液晶層に加わる実効電位分布の三次元表示の図である。 図4はマトリクス駆動液晶光学素子のその他の実施の形態を示す平面図である。 図5の[A]は、図4に示したマトリクス駆動液晶光学素子の中の一つの光学素子の二電極に所定の電圧を与えた時の電位分布の三次元表示の図であり、[B]は液晶層に加わる実効電位分布の三次元表示の図である。 図6は、マトリクス駆動液晶光学素子の応用例を示すシステム図である。 図7は、マトリクス駆動液晶光学素子の他の応用例を示す図である。
以下この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1において、その基本構成を述べる。
[実施例1]
図1は、この発明の液晶光学素子の一実施の形態として、アクティブマトリクス駆動により液晶レンズとして動作する液晶光学素子の基本構成の水平駆動ラインを含む断面から見た一部分(例えば1単位分と称してもよい)の構成を示している。透明な第1の電極21は第1の基板11の上に形成され、また第2の基板12の液晶層41に面する側には第2の電極(共通電極と称してもよい)22が形成されている。第1の電極21は、複数の電極としてマトリクス状に2次元的に配列され、それぞれの第1の電極21は、電圧制御等の機能を有する半導体素子31を通して第2の電極22との間に電源から電圧が供給される。1つの第1の電極と第2の電極、及びその間の液晶層を含めて1つの画素と称することができる。
このような1単位分の構成が水平駆動ライン(X方向)と垂直駆動ライン(Y方向)の交差部近傍に規則的に配列されており、マトリクス駆動により各半導体素子に制御電圧が印加され、各画素に所定の電圧が供給される。
前記透明な第1の電極21の上にさらに透明な絶縁層(透明な絶縁膜と称してもよい)51、透明なインピーダンス層(透明な高抵抗膜或いは透明な高抵抗層と称してもよい)61が積層され、二重層を構成している。なお、このインピーダンス層61はいずれの電極とも接続されておらず、直接電圧を印加していない。
第1の基板11と第2の基板12の間を所定の厚みを保つために図示されていないスペーサを介して両基板を重ね合わせることで液晶セルを構成する。第1の基板11と前記第2の基板12の間には、第1の電極21と対向するように収容された、液晶分子を一方向に配向させた液晶層41を備える。
前記第1の基板11及び第2の基板12の前記液晶層41に接する面には液晶分子を一方向に配向させる効果を有する図示されていない配向膜が配置されており、前記配向膜には一方向にラビング処理を行うことで、液晶分子の長軸方向に対応するダイレクタがプレティルト角と呼ばれる基板面から1度程度傾いた角度をなして配向するような状態となっている。
上記の透明な高抵抗層としてインピーダンス層61は、個々の画素に対応するように分離独立して構成されてもよいし、あるいは、すべての画素に共通となるように構成されてもよい。また第1の基板の前記第1電極と前記第2の基板の前記第2の電極とは、交差した関係であり、かつそれぞれ複数のストライプ状電極で構成されており、前記複数の画素は、前記ストライプ状電極の交差部に形成されていてもよい。ここで図1に示した構成から透明な絶縁層51、透明な高抵抗層としてのインピーダンス層61の二重層を除いた構成とした場合について説明する。各々の画素に対応する液晶層41に所定の電圧が加わるように、各々の画素に接続されている半導体素子31に制御電圧を加えて、液晶層に電位分布を形成すると、各電圧に対応した電界強度が生じて液晶分子は各々の電界強度に依存して配向する。
初期状態として、液晶分子の長軸方向に対応するダイレクタが電極面に配置した配向膜面に対してプレティルト角である1度程度傾いて一方向に配向しているホモジニアス配向になっている場合を考える。電圧が加えられていないときは液晶層における実効的な屈折率は基板面内方向で一様になっている。次に、液晶のしきい値以上の電界が加わるように各々の画素に対応する液晶層に半径方向に電位分布が形成されるような電圧を与えると、各電圧に対応して、電界強度が大きいところでは液晶のダイレクタが配向膜面に垂直方向にある角度をなして立ち上がり、電界強度が弱いところではダイレクタが配向膜面から立ち上がる角度が小さくなる。
配向膜面に対してダイレクタが傾く角度が大きくなると、実効的な屈折率が小さくなり、角度が小さくなると共に実効的な屈折率が大きくなる。つまり、電界強度に依存してダイレクタが配向膜面になす角度が異なり、配向膜面すなわち基板面に対して分布する結果として、実効的な屈折率が分布しているという状態が得られる。
中心付近での電界が最も小さく、半径方向で電界が次第に大きくなるような電界分布となる電圧を印加すると、実効的な屈折率が中心から周辺部に向かって次第に小さくなるような屈折率分布特性となり、液晶層は液晶のダイレクタの方向に偏光した入射光に対して収束する効果を示し、凸レンズ機能が得られる。逆に、中心付近での電界が最も大きく、半径方向で周辺部に向かって電界が次第に小さくなるような電界分布となる電圧を印加すると、実効的な屈折率が中心から周辺部に向かって次第に大きくなるような屈折率分布特性となり、液晶層は液晶のダイレクタの方向に偏光した入射光に対して発散する効果を示し、凹レンズ機能が得られる。
さらに、半径方向での実効的な屈折率分布が2次関数を軸の周りで回転した放物面状となるようにすると、収差が小さいレンズ特性を得ることができる。これらの液晶レンズの動作原理の詳細については特許文献1、特許文献2および特許文献3に開示されている。
次に、具体的な実施例について説明する。図2はマトリクス駆動の液晶光学素子の動作について説明するために簡単化したものであり、水平駆動ライン(X方向)と垂直駆動ライン(Y方向)をそれぞれ15本とした15×15のマトリクス構成の液晶素子の画素電極を含む断面を示したものである。
ここで、第1の基板11は300μm厚の透明ガラス板であり、液晶層41に接する内面側に、各々の画素に対応してインジウム・スズ系の酸化物(ITO)からなる透明な第1の電極21が形成されており、電圧制御等の機能を有する半導体素子31により電源から電圧が供給されるようになっている。第2の基板12は300μm厚のガラス板であり、第2の基板の液晶層31に接する側には共通の電極となるITO電極22が形成されている。なお、アクティブマトリクス駆動により各々の画素に所定の電圧を与える方法については、通常の液晶ディスプレイにおいて広く用いられている手法がそのまま援用できるので、その動作の詳細に関わる説明は省略する。
特にこの液晶光学素子では、第1の電極を有する第1の基板12と液晶層41の間に透明な絶縁層51および透明なインピーダンス層61の二重層を配置している。また、液晶層41の液晶材料としてはMLC−6080(メルク社製)を使用し、液晶層を挟む電極や高抵抗層の面には配向膜としてポリイミド膜を約50nmの厚みに塗布し、熱処理を行い安定化させた後に一方向にラビング処理が施されている。
ラビング処理を行った場合には、一般にラビング方向に対して液晶分子の長軸方向が基板面からプレティルト角と呼ばれる数度以下程度の小さな角度傾いた配向状態となることが知られている。したがって、対向する基板上の配向膜に対するラビングの方向をそれぞれ逆向きとなるように処理した場合(アンチパラレルと呼ばれる)は、液晶分子は基板面に一様にプレティルト角傾いた配向状態となっている。
なお、液晶層41を所定の厚みに保つために図示していない直径が20ミクロンの球状スペーサを接着剤に分散したものを用い、また図示していないが各基板の周辺部等は接着剤により液晶が封止されている。
透明な絶縁層51としては、1μm厚のアモルファスの石英膜を使用したが、絶縁が保たれる範囲で薄くすることもできる。さらに薄い透明絶縁膜としては、ポリイミド膜等の有機系の膜を使用することができるが、または有機系無機系を問わず、絶縁材料や、誘電率が大きな材料であっても使用することができる。
透明なインピーダンス層61として、透明な高抵抗層を使用した。高抵抗層には抵抗率が概略20オームmとなるように調整した厚みが約25nmの酸化亜鉛系の薄膜を使用した。高抵抗層としての材料としては、他に導電性微粒子を分散した樹脂系の導電膜なども使用することができる。さらに、他の無機系簿膜、たとえば抵抗値を最適な値に設定したITOや酸化錫、酸化チタン、硫化亜鉛、又はこれらの材料の混合系などの透明な薄膜を使うこともできる。
図2に示したように、15×15のマトリクス構成において、仮想の輪帯となるように周辺部も含めて5領域に分け、それぞれに所定の電圧が加わるようにした。周辺部から仮想の輪帯の中心部に向かって、それぞれ4ボルト、4ボルト、1.9ボルト、1.3ボルト、1ボルト(いずれも1kHzの正弦波、以下しきい値で示す)の電圧を与えると、図3[A]のような電位分布となる。
図1に示した構成から透明な絶縁層51および透明なインピーダンス層61としての高抵抗層による二重層を除いた通常の構成のマトリクス駆動の液晶セルでは、図2に示した構成の電位分布となる電圧を印加した場合に液晶層にはそれぞれ対応する図3[A]のような電圧が加わるだけであるため、液晶分子の配向により生じる光学位相差分布特性は階段状の電位分布に対応した階段状の光学位相差分布特性となっており、非常に特性が悪い光学レンズとなるだけである。
図3[B]は液晶層に加わる電位分布を示したもので、透明電極と液晶層との間に透明絶縁層および透明なインピーダンス層を使用し、透明絶縁層及びインピーダンス層としての高抵抗層による二重層を配置したことで、階段状となっていた電位分布が透明絶縁層及びインピーダンス層の存在による誘電結合が生じる結果として、階段状の電位分布が平滑化され、滑らかで連続的な放物面状の電位分布特性が得られている。
次に、図2に示した15×15のマトリクス構成において、周辺部も含めて5領域それぞれ周辺部から仮想の輪帯の中心部に向かって、4ボルト、1.9ボルト、1.3ボルト、1.1ボルト、1ボルト(いずれも1kHzの正弦波)の電圧を与えると、レンズ径が約2mmで焦点距離が+12cmの凸レンズ特性が得られた。仮想の輪帯の中心部から周辺部に向かって、4ボルト、1.9ボルト、1.3ボルト、1.1ボルト、1ボルト(いずれも1kHzの正弦波)の電圧を与えると、ほぼ同程度の焦点距離を有する凹レンズ特性が得られ、各々の電圧を可変調整することで焦点距離が−12cmの凹レンズ特性から+12cmの凸レンズ特性まで可変できる電圧制御型の品質の高いレンズを構成することができた。
[実施例2]
他の実施例を図4に示す、図4は50×50のマトリクス駆動の液晶素子において、15×15のマトリクスの中に仮想の円形の領域を設け、外側の領域と仮想の円形の領域それぞれに異なる電圧を与えて動作する液晶光学素子を4個設けた構成となっている。
一つの光学素子の外側の領域に3ボルト、仮想の円形の領城に0.5ボルト(いずれも1kHzの正弦波)の電圧を与えると、図5[A]のような電位分布となる。ここで、仮想の円形の直径を1.4mmとし、液晶材料としてはMLC−6080(メルク社製)を使用し、液晶層の厚みを20ミクロン、透明絶縁層として1μm厚のアモルファスの石英膜、高抵抗層には抵抗率が概略20オームmとなるように調整した厚みが約25nmの酸化亜鉛系の薄膜を使用した。
透明な絶縁層51および透明なインピーダンス層61の二重層を除いた通常の構成のマトリクス駆動の液晶セルでは、図4に示した構成の電位分布となる電圧を印加した場合に液晶層にはそれぞれ対応する図5[A]のような電圧が加わるだけであるため、液晶分子の配向により生じる光学位相差分布特性は階段状の電位分布に対応した階段状の光学位相差分布特性となっており、非常に特性が悪い光学レンズとなるだけである。
図5[B]は液晶層に加わる電位分布を示したもので、透明電極と液晶層との間に透明絶縁層及びインピーダンス層としての高抵抗層による二重層を配置したことで、階段状となっていた電位分布が透明絶縁層及びインピーダンス層の存在による誘電結合が生じる結果として、階段状の電位分布が平滑化され、滑らかで連続的な放物面状の電位分布特性が得られている
図4に示した15×15のマトリクス構成において、外側の周辺部領城に3ボルト、仮想の円形の領域に0.5ボルト(いずれも1kHzの正弦波)の電圧を与えると、レンズ径が約1.4mmで焦点距離が約15cmの凸レンズ特性が得られた。それぞれに与えた電圧を逆にすると、焦点距離が約−15cmの凹レンズ特性が得られ、各々の電圧を可変調整することで焦点距離が−15cmの凹レンズ特性から+15cmの凸レンズ特性まで可変できる電圧制御型の品質の高いレンズを構成することができた。
図4には、50×50のマトリクス駆動の液晶素子に4個の液晶光学素子を構成した場合について示したが、高精細駆動が可能な多数の画素を有するマトリクス駆動の液晶光学素子を使用することで、より多くの光学素子を構成することが可能となり、各光学素子を移動したり、またそれぞれの直径等の寸法を可変することもできる。
さらに、多数の画素を有するマトリクス駆動の液晶光学素子では、複雑な形状の素子を構成することができるため、円形状のレンズの他に、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、楕円形状のアナモルフィックレンズ、など、任意の形状の光学素子を任意の場所に形成することや、その中心位置を任意に移動することなども容易に行うことができる。
[実施例3]
さらに、他の実施例について具体的に説明する。たとえば透明なインピーダンス層として、高抵抗層の代わりに強誘電体材料による簿膜を使用しても、同様の光学位相差分布特性の平滑化効果を得ることができる。
強誘電体層として誘電率が3000の材料を使用し、厚みを10μmとした場合は、透明なインピーダンス層として透明高抵抗膜を使用した場合と同様に、光学位相差分布特性の平滑化効果を得ることができた。
なお、強誘電体材料としては、チタン酸バリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸ニオブ酸カリウムなどを使用することができる。また、透明なインピーダンス層として、強誘電体材料による薄膜を使用すると、駆動電圧の周波数依存性が無くなるという利点がある。
また、前記透明な絶縁層の誘電率を各領域ごとに異なる複数の値を有するようにすることで、各々対応する領域により異なる特性を持たせることもできる。
またさらに、他の実施例について説明する。前記透明な絶縁層として比誘電率が高いガラス層を使用することで、液晶レンズの駆動電圧を低下させることができるが、同様に前記構造の液晶レンズにおける駆動電圧を低下する方法として、前記絶縁層の代わりにわずかに導電性を有する(即ち抵抗値が非常に低い)透明媒質を使用することで、液晶レンズの動作電圧を大幅に低下することができる。
前記透明な絶縁層の代わりに使用する透明媒質の抵抗率の値は、透明媒質の厚みにも依存するが、例えば低効率が0.001オウムmから100000000オウムmの範囲で良好な特性が得られる。
マトリクス駆動による液晶光学素子において、高抵抗膜などのインピーダンス層の抵抗値が各領域ごとに異なる複数の値を有するようにすることで、各々対応する領域により異なる特性を持たせることもできる。
また各々の複数の領域の境界における画素に対応するインピーダンス層の抵抗値を非常に大きく、例えばスリット等により分離することで、それぞれの領域に構成した光学素子が互いに干渉せずに独立して動作するような特性を持たせることができる。
透明なインピーダンス層として透明な高抵抗層の代わりに透明な強誘電体層を使用した場合には、境界領域において誘電率が低い材料を用いることで、同様に各光学素子間の分離を行うことができる。
さらに、他の実施例について説明する。入射光側に広角・平行等の機能を有する特殊レンズ、次に固定レンズの両側に2組のマトリクス駆動液晶光学素子を配置し、さらに補助レンズ等を介して撮像素子で画像として受光するように構成し、被写体の注目点等に対応するマトリクス駆動液晶光学素子の各々に対応する領域の特性が凸・凹または凹・凸となるように駆動することで、前記注目点に対応する領域だけを拡大もしくは縮小する、あるいは全体の解像度を低く保ちながら対応する領域の解像度を高くするような機能を持たせることができる。即ち、注目点の解像度を可変できる中心窩センサとして使用することが可能である。
さらに具体的な一実施例について説明する。例えば液晶レンズにおける焦点距離の可変範囲すなわちレンズパワーの可変範囲は液晶の厚みに比例するので、この観点から液晶層を厚くすることは有利であるが、一方印加電圧に対する応答特性は液晶層の厚みの2乗に逆比例することが難点であった。そこで、液晶層を2分割する方法が行われている。
本発明における透明高抵抗膜を具備した液晶光学素子では、透明インピーダンス層は主としてキャパシタ成分からなる透明絶縁層及び液晶層の関係により、抵抗成分とキャパシタンス成分により構成されるインピーダンスとして作用しているので、印加電源の周波数依存性がある。そこで、分割されたそれぞれの透明高抵抗層を構成する材料における抵抗率及び誘電率を適宜調整することで、印加電圧の周波数を可変することで実効的なインピーダンスの値を調整することができる。
また印加電圧のみならず、印加電圧の周波数を可変することで、より多彩な特性を有する光学素子を構成することがきる。
マトリクス駆動液晶光学素子では、任意の形状及び特性を有する光学素子を構成することができるので、凹レンズの中に凸レンズ特性を有する複合レンズのみならず、凸レンズの中に凹レンズ特性を有する複合レンズ、さらに焦点距離の短い凸レンズの周辺で焦点距離が長い凸レンズ特性を有するレンズや、これらの特性を反転した特性を有する複合レンズなど、それぞれの領域で焦点距離が異なる凸レンズや凹レンズ、さらには光学位相差分布特性が軸対称に折り返した構造をとり実効的に全体がフレネルレンズのような効果を有する大面積のレンズなどを構成することが可能である。
以上、それぞれの構成による液晶光学素子において、第1の基板及び透明絶縁層又は透明媒質の何れかもしくは両方の基板としてレンズ効果を有する基板を使用することで、ある一定の固定焦点から焦点を可変することができ、全体が一体化したコンパクトなレンズ系を構成することができる。ここで、基板にレンズ効果を持たせるためには、基板の形状が曲面形状となっているものでもよいが、平行平板型で屈折率が軸対称に分布している場合の方が便利である。
なお液晶光学素子の構成としては各種の構成が可能である。例えば第1の電極が、マトリクス状に配列された複数の画素電極であり、画素電極に液晶素子が対応されている。そして、水平(X)及び垂直(Y)駆動ラインの交差点付近で、垂直及び水平駆動ライン間に接続された半導体素子を介して、液晶素子に駆動電圧が印加されるように構成される。
また第1の基板の第1電極と第2の基板の第2の電極とは、交差した関係とし、かつそれぞれが複数のストライプ状電極で構成される。ここで複数の前記画素は、ストライプ状電極の交差部に形成されてもよい。また透明な絶縁層と透明なインピーダンス層の二重層は、第1の基板に設けられた第1の電極と液晶層との間と第2の基板に設けられた第2の電極と前記液晶層の間の、少なくとも一方若しくは両方のいずれかに、設けてもよいことは勿論である。
<システムへの適用例>
上記したマトリクス駆動液晶光学素子は、多くの分野に適用が可能である。その理由の1つとして各種のレンズを簡単に形成することができる点にある。また各種のレンズを簡単に切換可能である点にある。さらにレンズの特性を即座に調整、変更、或いは修正可能である点にある。
図6において、200がマトリクス駆動液晶光学素子(以下簡単に液晶光学素子と称する)である。この液晶光学素子200には、マトリクス配列された各画素にデータを書き込むためのXドライバー201、Yドライバー202が接続されている。Xドライバー201は、入力されたデータをデータ電圧に変換し、液晶光学素子200の複数の縦のライン(複数の列ライン)に前記データ電圧を与えることができる。Yドライバー202は、液晶光学素子200の複数の横のライン(複数の行ライン)に、一定の値の走査電圧を与えることがきる。走査電圧が与えられた行ラインと、データ電圧が与えられた列ラインが交差する位置の画素(所謂ドライバーにより選択された画素)には、レンズを形成するための液晶駆動電圧が与えられる。したがって、多数の分布画素により液晶屈折率分布特性を仮想の輪帯(レンズ状態)として構成することができる。上記の走査電圧は、1フレーム毎にプラスマイナスが切換られることができる。液晶としては、例えば液晶MLC−6080が用いられそのしきい電圧が約1.5ボルトである。画素の電極間(ライン間)電圧はそれぞれ実効値で4.5ボルトおよび6ボルト程度となり、低電圧駆動となり、駆動周波数が400Hz〜6kHzの広い周波数範囲でレンズ特性を得ることができる。
Xドライバー201には、上記のデータ電圧を決めるメモリ401から読み出されたデータを供給する制御装置400が接続されている。メモリ401には、各種のタイプのレンズを形成するためのデータが格納されている。制御装置400内のレンズタイプ・レンズ状態制御部402は、メモリ401のデータ読み出しを制御することができる。制御部402の制御に基づいて、メモリ401からレンズのタイプを特定するためのデータが読み出される。各種のタイプのレンズとしては、凹レンズ、凸レンズ、フレネルレンズ、ストライプ形レンズがあり、レンズ状態としては焦点距離の異なるレンズ、大きさの異なるレンズ、光軸方向を変更したレンズ、レンズ位置を移動させたレンズ、複数のレンズ及びこれらを組み合わせたレンズがある。
メモリ401は、制御装置400に対して着脱可能であってもよいし、外部メモリであってもよい。各種のレンズタイプ・レンズ状態を全般的に変更したい場合、メモリ401が交換されてもよい。
図7には、液晶光学素子200に焦点距離が異なる第1、第2のレンズ211,212が形成され、被写体P1,P2が撮像される様子を示している。光源251からの光は、コリメータレンズ252で平行光となり、偏光ビームスプリッタ253を介して、
液晶光学素子200のレンズ211,212に入射する。レンズ211,212により、照射された被写体P1,P2からの光学像は、レンズ211,212を通り、偏光ビームスプリッタ253により光路変更されて、例えばCCD撮像素子254の撮像面に結像される。CCD撮像素子254から読み出される撮像データは、画像処理部255にて処理される。このような利用価値の高いレンズは、さらに3次元撮像カメラに適用することができる。輻輳角調整、焦点調整は、機械的構造を必要とせず、小型化するのに有効であり、ロボット、内視鏡などに適用も可能となる。制御装置400は、メモリからの読み出しデータを操作入力に応じて調整又は切り換えることが可能である。また制御装置400は、メモリからの読み出しデータを、フィードバック制御信号に応じて調整または切り換えることも可能である。操作入力としては、例えば3次元撮像と2次元撮像の切換、あるいはフォーカスの調整などがある。またフィードバック制御信号としては、ロボットなどで、フォーカス調整、被写体追跡のための調整などを実施する場合に有用である。
以下、さらに本明細書に記載された実施形態の他の面からみた特徴を記載すると以下のようになる。
<1> 透明な第1の電極を有する第1の基板、透明な第2の電極を有する第2の基板の間に収容された液晶分子を一方向に配向させた液晶層を備え、少なくとも一方の基板面における電極は所定の電圧に保持された複数の透明な画素電極から形成され、
前記複数の透明な画素電極が画素毎に独立していて個々に半導体素子を用いるアクティブマトリクス駆動法によって各画素に所定の電圧を与え、前記液晶層の実効的な屈折率の分布を可変調整することで動作し、
前記複数の画素電極と前記液晶層の間に透明な絶縁層及び透明なインピーダンス層による二重層を配置されていることを特徴とするマトリクス駆動液晶光学素子。
<2> 透明な第1の電極群を有する第1の基板、透明な第2の電極群を有する第2の基板の間に収容された液晶分子を一方向に配向させた液晶層を備え、
前記第1の電極群および第2の電極群は複数のストライプ状電極からなり、第1の基板及び第2の基板に設けられたストライプ状電極の交点部分が各画素であり、ストライプ状電極がいわゆるパッシブマトリクス駆動されることで各画素に所定の電圧を与えて前記液晶層に所定の電圧を印加して前記液晶層の実効的な屈折率の分布を可変調整することで動作し、
少なくとも一方の基板面における電極群と前記液晶層の間に透明な絶縁層及び透明なインピーダンス層による二重層を配置されていることを特徴とするマトリクス駆動液晶光学素子。
<3>前記透明なインピーダンス層が、抵抗材料又は強誘電体材料を含む<1又は2>記載のマトリクス駆動液晶光学素子。
<4>前記マトリクス状に配列された前記複数の前記画素にそれぞれ与える電圧を任意に選択した状態は、輪帯(円帯)状の仮想の複数の電極を同心的に配置した状態であり、前記液晶層の実効的な屈折率の分布を可変調整することで動作する<1又は2>記載のマトリクス駆動液晶光学素子。
<5>前記マトリクス状に配列された前記複数の画素にそれぞれ与える電圧を任意に選択した状態は、孔を有する第1の仮想の電極と、この第1の仮想の電極の前記孔の中に設けられた第2の仮想の電極とを配置した状態であり、前記液晶層の実効的な屈折率の分布を可変できる<1又は2>記載のマトリックス駆動液晶光学素子。例えば図2の輪帯の仮想電極の内、最外周のものが孔を有する第1の仮想の電極であり、仮想電極の内、中心の仮想電極及びその周囲の仮想電極が、上記第2の仮想電極であってもよい。
<6>第1の基板に設けられた第1の電極と第2の基板に設けられた第2の電極の間に液晶層を有し、前記第1と第2の電極間に電圧が印加されることで前記液晶層を駆動する画素が複数個マトリク状に配列されており、前記マトリクス状に配列された複数の前記画素にそれぞれ与える電圧を任意に選択することで、任意の中心位置から外側に向かって液晶配向を漸次変化させて前記液晶層の実効的な屈折率の分布を可変調整することで動作する、マトリクス駆動液晶装置であって、前記第1の電極と前記液晶層との間又は前記第2の電極と前記液晶層の間の少なくとも一方若しくは両方のいずれかに、透明な絶縁層と透明なインピーダンス層の二重層を設けており、
ドライバーにより前記第1の電極と前記第2の電極の配置関係により特定される画素の駆動電圧を決めるためのデータを格納したメモリと、前記メモリのデータ読み出しを制御する制御部とを有する、
マトリクス駆動液晶装置。
<7>前記レンズ状態のおけるレンズ大きさの切換状態、前記レンズ状態におけるレンズ種類の切換状態、前記レンズ状態におけるレンズ位置の変更状態及びフォーカスの変更状態の何れかの状態若しくは幾つかの組み合わせ状態を得るための各種データを前記メモリに格納している<6>のマトリクス駆動液晶装置。
<8>前記メモリに格納されているデータは、前記マトリクス状に配列された前記複数の前記画素にそれぞれ与える電圧を任意に選択した状態として、円形状のレンズ若しくはフレネルレンズのいずれかを得るために、輪帯(円帯)状の仮想の複数の電極を同心的に配置した状態とするデータ、若しくは、レンチキュラーレンズを得るためにストライプ状の仮想の複数の電極を配置した状態とするデータの何れかである<6>のマトリクス駆動液晶装置。
<9>前記円形状のレンズ若しくはフレネルレンズ若しくはレンチキュラーレンズの中心位置を任意に移動できるように、前記メモリに格納されているデータは、切換可能である前記<8>記載のマトリクス駆動液晶装置。
<10>制御部は、前記メモリからの読み出しデータを操作入力に応じて調整又は切り換える前記<6>記載のマトリクス駆動液晶装置。
<11>制御部は、前記メモリからの読み出しデータを、フィードバック制御信号に応じて調整または切り換える前記<6>記載のマトリクス駆動液晶装置。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。また液晶レンズを1つ示したが、複数が配列される構成であってもよい。複眼のような2次元配列であってもよい。
本発明のマトリクス駆動液晶素子は、通常の受動型の光学素子とは異なり、電極間に電圧を印加して媒質である液晶の実効的な屈折率を可変制御することで、特性や光学系の収差を調節できるレンズが実現される。したがって、オートフォーカス用のレンズや、拡大レンズ、ズームレンズ、ロボットにおいて視覚機能として用いられる撮像部のレンズなど、さらには口径を大きくすることで遠近両用の眼鏡レンズなど、種々の用途が可能である。
11・・・第1の基板、12・・・第2の基板、21・・・第1の電極、22・・・第2の電極、31・・・半導体素子、41・・・液晶層、51・・・透明な絶縁層、61・・・透明なインピーダンス層。

Claims (9)

  1. 第1の基板に設けられた第1の電極と第2の基板に設けられた第2の電極の間に液晶層を有し、前記第1と第2の電極間に電圧が印加されることで前記液晶層を駆動する画素が複数個マトリクス状に配列されており、前記マトリクス状に配列された複数の前記画素にそれぞれ与える電圧を任意に選択することで、任意の中心位置から外側に向かって液晶配向を漸次変化させて前記液晶層の実効的な屈折率の分布を可変調整することで動作する、マトリクス駆動液晶光学素子であって、
    前記第1の電極と前記液晶層との間と前記第2の電極と前記液晶層の間の少なくとも一方若しくは両方のいずれかに、前記液晶層の側にいずれの電極とも非接続の透明なインピーダンス層を配置し、前記液晶層の側とは反対側で前記インピーダンス層と電極を絶縁する透明な絶縁層を配置してなる、二重層を設け、前記複数画素にそれぞれ印加される電圧の違いにより前記液晶層内に生じる階段状の電位分布と、前記複数画素の前記マトリクス状の配列により前記液晶層内において複数の折れ曲がりを有する電位分布を、前記二重層による誘電結合作用により平滑化して、前記液晶層内の光学的位相差分布を平滑化させたことを特徴とするマトリクス駆動液晶光学素子。
  2. 前記第2の電極は共通電極であり、前記第1の電極は、前記マトリクス状に配列された複数の画素電極であり、前記画素電極に液晶素子が対応されており、垂直及び水平駆動ラインの交差点付近で、前記垂直及び水平駆動ライン間に接続された半導体素子を介して、前記液晶素子に駆動電圧が印加される請求項1記載のマトリクス駆動液晶光学素子。
  3. 前記第1の基板の前記第1の電極と前記第2の基板の前記第2の電極とは、交差した関係であり、かつそれぞれ複数のストライプ状電極で構成されており、前記複数の前記画素は、前記ストライプ状電極の交差部に形成されている請求項1記載のマトリクス駆動液晶光学素子。
  4. 請求項1又は請求項2又は請求項3に記載のマトリクス駆動液晶光学素子において、前記透明なインピーダンス層が主として抵抗材料からなることを特徴とするマトリクス駆動液晶光学素子。
  5. 請求項1又は請求項2又は請求項3に記載のマトリクス駆動液晶光学素子において、前記透明なインピーダンス層が強誘電体材料を含むことを特徴とするマトリクス駆動液晶光学素子。
  6. 所定の電圧が与えられている画素により複数の仮想の輪帯(円帯)状の電極が形成され、前記液晶層の実効的な屈折率の分布を可変調整することで動作することを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5に記載のマトリクス駆動晶光学素子。
  7. 所定の電圧が加えられている画素により孔を有する仮想の第1の電極および孔の中に仮想の第2の電極が形成され、前記液晶層の実効的な屈折率の分布を可変調整することで動作することを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5に記載のマトリクス駆動液晶光学素子。
  8. 第1の基板に設けられた第1の電極と第2の基板に設けられた第2の電極の間に液晶層を有し、前記第1と第2の電極間に電圧が印加されることで前記液晶層を駆動する画素が複数個マトリクス状に配列されており、前記マトリクス状に配列された複数の前記画素にそれぞれ与える電圧を任意に選択することで、任意の中心位置から外側に向かって液晶配向を漸次変化させて前記液晶層の実効的な屈折率の分布を可変調整することで動作する、マトリクス駆動液晶光学素子であって、
    前記第1の電極と前記液晶層との間と前記第2の電極と前記液晶層の間の少なくとも一方若しくは両方のいずれかに、前記液晶層の側にいずれの電極とも非接続の透明なインピーダンス層を配置し、前記液晶層の側とは反対側で前記インピーダンス層と電極を絶縁する透明な絶縁層を配置してなる、二重層を設け、前記複数画素にそれぞれ印加される電圧の違いにより前記液晶層内に生じる階段状の電位分布と、前記複数画素の前記マトリックス状の配列により前記液晶層内において複数の折れ曲がりを有する電位分布を、前記二重層による誘電結合作用により平滑化して、前記液晶層内の光学的位相差分布を平滑化させ、
    ドライバーにより前記第1の電極と前記第2の電極の配置関係により特定される画素の駆動電圧を決めるためのデータを格納したメモリを有する、
    マトリクス駆動液晶装置。
  9. 前記液晶層の実効的な屈折率の分布により生じるレンズ状態のレンズの大きさの切換状態、前記レンズ状態におけるレンズ種類の切換状態、前記レンズ状態におけるレンズ位置の変更状態及びフォーカスの変更状態の何れかの状態若しくは幾つかの組み合わせ状態を得るための各種データを前記メモリに格納している請求項8記載のマトリクス駆動液晶装置。
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