JP6148615B2 - 金属繊維による繊維構造体の交絡積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、金属繊維による繊維構造体の交絡積層体に関するものである。
金属の持つ強度、耐熱性、熱伝導性、導電性を活かし、更に多孔性をも持たせた金属多孔体として、金属粉を焼結した硬質な発泡金属や、金属繊維を不織布化した柔軟な金属不織布などがあり、これらは公知である。このような発泡金属や金属不織布などは、多孔性電極、放熱材、耐熱高強度フィルター、吸音材等に使用されている。
このうち金属不織布は、1枚では空隙が大きいため、所望の多孔性を得るために、積層によって厚くして使用することが多い。しかし、不織布間の密着性が弱いために層間剥離が発生し易いことや、取り扱い時に金属繊維が離脱する等といった問題があった。
そこで、金属繊維を含んだ複数枚の不織布を積層してボンディングした多孔性素材が提案されている(特許文献1)。この多孔性素材は、不織布を複数枚重ね合わせたうえでその積層方向へ強い噴流水(ウォータージェット)を吹き付ける水流交絡法を施すことによって製造したもので、高い熱の負担が起こる箇所でのフィルター等に使用可能であると説明されている。なお、水流交絡法は、ニードルパンチによる機械的な交絡法に比べて設備的な損失(摩耗等)を解消できるが故の採用、とされている。
このように製造された多孔性素材は、不織布に含まれる金属繊維が噴流水に沿って各不織布間を突き抜けるようになり、不織布中で摩擦作用等を生じさせて積層状態を維持させているものと推察される。また多孔質素材の表裏面では、突き抜けた金属繊維が毛羽状(非ループ)のパイルを生じさせているものと推察される。すなわち、この多孔性素材は恰もグラスウールの如く、厚さ方向に空隙の多い断面構造となっていると思われる。
特表2006−522877号公報
前記従来の多孔性素材は、積層状態の維持が不織布間を突き抜けた金属繊維によるものと推察されるが、このような構造では積層方向の結合力が乏しく、積層状態を引き剥がそうとする外力はもとより、面方向に沿った引張や捻り、曲げなどの外力が作用したときで
さえも、比較的簡単に層間剥離が起こってしまうことが予測される。
また、前記したようにグラスウールの如き空隙の多い状態となる多孔性構造では、緻密でないため空気移動の遮断性に劣り、また金属繊維が不連続で存在するために熱抵抗や電気抵抗も大きくなる等の理由から、音的性能や熱的性能、電気的性能、対・流体性能などを十分に期待できないことが予測される。これらのことから、この従来の多孔性素材は、柔軟性及び多孔性について要請を満足させるような構造を備えたものではなく、また当然に、この構造を備えてないために所望する高機能も得られてないと言わざるを得なかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、柔軟性及び多孔性について要請を満足させるような構造を備え、しかもこの構造に基づく高機能を有した金属繊維による繊維構造体の交絡積層体を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る金属繊維による繊維構造体の交絡積層体は、積層された複数層の繊維構造体を有しており、前記繊維構造体はいずれも金属繊維のみによって形成されていると共に、前記金属繊維には積層関係にある少なくとも一つの繊維構造体を突き抜けた後に元層へ戻るループ形を形成したものが含まれており、前記ループは繊維構造体を突き抜けた部分が当該繊維構造体に沿う面方向で屈曲変形されていることを特徴とする。
またこの他、積層された複数層の繊維構造体を有しており、少なくとも一層の繊維構造体は金属繊維によって形成されていると共に、金属繊維により形成された前記繊維構造体は編物とされ、且つ、前記金属繊維には積層関係にある少なくとも一つの繊維構造体を突き抜けた後に元層へ戻るループ形を形成したものが含まれており、前記ループは繊維構造体を突き抜けた部分が当該繊維構造体に沿う面方向で屈曲変形されていることを特徴とするものであってもよい。
前記金属繊維は、連続長繊維(フィラメント)又は金属線の単線(モノフィラメント)により形成されたものとするのがよい。
この交絡積層体は、積層前における全繊維構造体の総厚に比べて積層状態の総厚が圧縮状態に保持形成されたものとするのがよい。
少なくとも一方の表面層に配置される繊維構造体は金属繊維により形成されたものとし、当該繊維構造体から突出又は積層の下層側から突き抜けて突出する全てのループが屈曲変形されることによって表面側を平坦面に形成されたものとしてもよい。
少なくとも一方の表面層に配置される繊維構造体は金属繊維により形成されたものとし、当該繊維構造体から突出して形成されたループと積層の下層側から突き抜けたループとが互いに折り重なるように屈曲変形されて成る表面凝縮部によって被覆形成されたものとしてもよい。
積層方向両側の表面層に配置される繊維構造体について、表裏の区別なく同一構造とすることができる。
少なくとも積層の中間に金属繊維により形成された繊維構造体が配置されるものとして当該繊維構造体の層中又は層間には、当該繊維構造体の金属繊維に対して積層の下層側及び/又は上層側から突き抜けて突出するループが絡まった中間凝縮部が形成されたものとするのが好適である。
本発明に係る金属繊維による繊維構造体の交絡積層体は、柔軟性及び多孔性について要請を満足させるような構造を備え、しかもこの構造に基づく高機能を有している。これらは、より好適で高性能な多孔性電極、放熱材、耐熱高強度フィルター、吸音材などに使用できる。
本発明に係る交絡積層体の第1実施形態を模式的に示した側断面図である。 本発明に係る交絡積層体の断面構造に含まれる一部を抽出して模式的に示した側断面図である。 本発明に係る交絡積層体の第2実施形態を模式的に示した側断面図である。 本発明に係る交絡積層体の製造方法を説明した模式図であって(a)は積層前工程であり(b)は積層工程であり(c)は交絡処理工程である。 本発明に係る交絡積層体の製造方法を説明した模式図であって(a)は圧延工程であり(b)はプレス工程である。 (a)は積層前の繊維構造体を示す拡大写真であり(b)は積層及び圧縮した後の交絡積層体を示す拡大写真である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1及び図2は、本発明に係る交絡積層体1の第1実施形態を模式的に示した側断面図である。この交絡積層体1は、細孔を無数に含んだ多孔性構造となったものであって(図6(b)参照)、2層以上の繊維構造体2を積層させ(図例では4層の場合を示している)、且つ積層厚(積層方向の総厚)を圧縮状態に保持させた構成となっている。
本第1実施形態の交絡積層体1は、各層の繊維構造体2の断面構造において上下の向きに若干の違いが生じたものとしてあり、殊に図1の最上層の繊維構造体2には、その表面(上面)に表面凝縮部3を被覆形成させている点で最下層の繊維構造体2とは異ならせてある。なお、この交絡積層体1は、表面凝縮部3が形成された側の面(図1上面)も、表面凝縮部3が形成されていない側の面(図1下面)も、ともに平坦面となるように形成してあり、いずれを表面としても使用することができる。すなわち、表裏向きが使用上で規定又は制限されるようなことはない。
そこで以下では、説明の便宜上、図1の上から下へ向けて各層の繊維構造体2に2A〜2Dの符号をも付与し、各層を特定する説明にはこれらの符号2A〜2Dを用いるものとする。
各層の繊維構造体2は編物とされている。すなわち、繊維構造体2は、コース方向に沿ってループが繰り替えされ、このコースが、コース方向とは直交関係にあるウエール方向に並びつつループ相互を絡み合わせるように編成された編組織を有している(図6(a)参照)。編組織には平編、ゴム編、パール編、両面編などを採用することができ、また丸編機や横編機など、汎用の編機によって編成できるものとしてある。また、応用組織も適用可能である。
前記したように、この交絡積層体1の積層厚(総厚)は圧縮状態に保持されている。ここにおいて圧縮状態とは、積層前における全繊維構造体2の総厚(各繊維構造体2の厚さを加算した値)に比べて積層状態の総厚が薄くなっている(厚さが減小している)ことを言う。なお、全ての繊維構造体2が積層前よりも薄くなっていることが好ましいが、同じ厚さの繊維構造体2や非圧縮状態の繊維構造体2が含まれていてもよいものとする。
具体的に、この交絡積層体1の積層厚は1〜数mm前後のミリサイズ(1cm未満)を主流とすることができる。尤も、この積層厚は何等限定されるものではなく、1mm未満(ミクロンサイズ)にしてもよいし、必要に応じて1cmを超える厚さとすることも可能である。
各層の繊維構造体2は金属繊維によって形成されている。ここにおいて、金属繊維には連続長繊維のみならず、金属線の単線を含むものとする。また個々の繊維構造体2のなかにおいて同種又は異種の複数本の金属繊維を混用することもできる。更に、金属繊維を含むことを条件として、その他、有機繊維を混用することもできる。これらの混用は、引きそろえ編やプレーティング編、或いはインレイを採用することで実現可能である。
金属繊維としては、例えば、アルミ、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、錫、亜鉛、鉄、銀、金、白金、バナジウム、モリブデン、タングステン、コバルト等の純金属やそれらの合金、ステンレス、真鍮等とすればよい。
金属線とする場合の線径は10〜500μmのものが好適である。また、金属線を採用する場合、線表面に対して湿式や乾式のコーティング、又はメッキなどで表面処理を施したり、真空成膜により有機又は無機の薄膜を成膜したりすることが可能である。このようにすることで、繊維構造体2、ひいては交絡積層体1の全体として、親水性、撥水性、耐
食・防食性、カラーリング等の機能を持たせることができる。
この交絡積層体1では、複数の繊維構造体2の層間にわたって突き抜けるようになった金属繊維が含まれている。この層間突き抜けを生じている金属繊維は、発生源となる元層の繊維構造体2(例えば2D)から、それ自体を形成している編組織中のループが積層方向へ向けて飛び出したもので、積層関係にある少なくとも一つの繊維構造体2(例えば2C,2B,2Aの三層)を突き抜け、その後に元層(2D)へ戻るようなループ形を形成している(以下ではこのような金属繊維を「突き抜けループ5」と呼び、繊維構造体2を形成している編組織中のループを「地ループ6」と呼んで両者を区別する)。そして、この突き抜けループ5は、最後に突き抜けた繊維構造体2(2A)に対しては、この繊維構造体2(2A)に沿う面方向へ向けて屈曲変形されるようになっている(図1では屈曲の向きを一定に揃えて図示してあるが、あくまでも模式図として理解を容易にするための措置であり、実際の屈曲向きは図6(b)から理解できるように規則性を有したものではない)。
なお、説明を補足すれば、この突き抜けループ5には、一つの繊維構造体2のみを突き抜けるようになったもの(例えば2Bを元層として最上層の2Aのみを突き抜けているもの)や、最上層の繊維構造体2Aを元層として当該繊維構造体2Aのみを突き抜けた(他の繊維構造体2B〜2Dは突き抜けていない)ものなども存在する。また更に、図2に示すように、中間層の繊維構造体2(2B,2C)の層中又は層間に留まって、最上層の2Aまで達しないものや、この中間層の繊維構造体2(2B,2C)の層中又は層間で横拡大部分を生じながらその上層側の繊維構造体2(2C,2D)へ突き抜けたものなども存在する。
このようにして生じた種々様々な形体の突き抜けループ5は、突き抜けループ5同士が絡まったり、突き抜けループ5と各繊維構造体2の地ループ6とが絡まったりしている。このうち、最上層の繊維構造体2Aの表面に生じた絡まりにより表面凝縮部3が形成され、中間層の繊維構造体2B,2Cの層中や層間などに生じた絡まりにより中間凝縮部7が形成されている。このような突き抜けループ5による絡まり(表面凝縮部3や中間凝縮部7)により、各層の繊維構造体2が層間剥離し難い層構造として交絡結合されている。
なお、前記したように表面凝縮部3の表面は平坦面に形成されているが、この平坦面を形成させるために、繊維構造体2Aから突出又はその下層側から突き抜けた全ての突き抜けループ5は、絡まった状態を維持し、或いは絡まりを一層複雑にしてループ相互が折り重なるように屈曲変形されているものである。
このような構成の交絡積層体1を製造するには、次のようにする。
まず、図4(a)に示すように、積層数に合わせた枚数の繊維構造体2(図6(a)参照)を準備し、これら繊維構造体2を図4(b)に示すように重ね合わせた状態にする。
次に、この重ね合わせた繊維構造体2に対し、図4(c)に矢符Xで示すようにその片面側からニードルパンチ、ウォータージェット等の交絡処理を施す。この交絡処理により、各繊維構造体2の地ループ6が積層方向(図4(c)の上方)へ飛び出すようになり、最上層の繊維構造体2Aを除く下層側の繊維構造体2B,2C,2Dではそれぞれの上層側となる繊維構造体2を突き抜けて突き抜けループ5を形成することになる。最上層の繊維構造体2Aでは、自らを突き抜けるだけ(飛び出しただけ)の突き抜けループ5が形成される。
なお、ウォータージェットによる交絡処理を施す場合、噴流圧や水量を調節することで突き抜けループ5の飛び出し大きさや飛び出し数を調節することが可能となる。
このように突き抜けループ5が形成された段階でも、各層の繊維構造体2は交絡結合の状態となっているが、まだ充分と言えるほどの結合力を生起するには至っていない。そのため、不測の外力が加わった際などには層間剥離を起こすおそれがある。そこで、図5(a)に示す圧延装置10により繊維構造体2の交絡処理体を圧縮させたり、或いは図5(b)に示すプレス装置11により繊維構造体2の交絡処理体を圧縮させたりする。
なお、圧延装置10及びプレス装置11を複数段階で用いたり、両方式を用いて複合的な圧縮処理を行わせたりすることも可能である。また、圧縮条件(負荷や速度、圧縮面積
、繊維構造体2の積層数その他)を種々に変更することも可能であり、これらによって交絡積層体1の多孔度合いや積層厚を適宜変更することができる。
この圧縮処理により、少なくとも一層又は全層の繊維構造体2が積層前の厚さを減小させると共に、最上層の繊維構造体2Aの表面側には、無数の突き抜けループ5や地ループ6が互いに絡まり、折り重なるように屈曲変形されることによる表面凝縮部3が形成される。また、中間層の繊維構造体2B,2Cの層中や層間には、無数の突き抜けループ5や地ループ6が互いに絡まり、横拡大することによる中間凝縮部7が形成される。加えて、表面凝縮部3や最下層の繊維構造体2における表面(下面)は平坦面化される。
このようにして製造された交絡積層体1は、層中に、金属繊維(突き抜けループ5や地ループ6)の絡まりや折り重なりによる3次元的な凹凸を有し、この凹凸が金属繊維による塑性変形性で保形されたものとなっている。そのため、繊維構造体2の積層化が容易且つ確実に行え、それによる多孔性化も確実に得られるものとなっており、また強固な層間結合が可能となっている。
図3は、本発明に係る交絡積層体1の第2実施形態を示している。この第2実施形態の交絡積層体1は、積層方向両側の表面層に配置される繊維構造体2(2A及び2D)が、表裏の区別なく同一構造とされている。
すなわち、各層の繊維構造体2から上方及び下方の両方へ向けて突き抜けループ5が形成されるようになっている。また、図3における最上層の繊維構造体2Aの表面(上面)だけでなく、図3における最下層の繊維構造体2Dの表面(下面)に、それぞれ表面凝縮部3が被覆形成されている。
このように、本第2実施形態の交絡積層体1は、外観性も含めて表裏の違いが全く生じてないものであり、使用時において表裏の向きを区別する必要もないことから使用し易いという利点がある。また、突き抜けループ5が上下両方に突き抜けていることから、互いの絡みによって交絡強度が一層強くなり、多孔度合いも緻密になるなどの特性が得られるものとなっている。
本第2実施形態の交絡積層体1を製造するには、図4(c)に矢符X及びYで示すように、複数枚の繊維構造体2を重ね合わせた後に行う交絡処理につき、表裏両面側から対向状に(同時又は順次)行うようにする。
[実施例]
繊維径が100μmのアルミ繊維(単線)を、シンカー丸編機(シングル編機)を用いて緯編に編むことで、アルミ製の繊維構造体(目付133g/m2、厚さ0.61mm)を得た。
そして、このアルミ製の繊維構造体を4枚、重ね合わせ、ニードルパンチによる交絡処理を施した(この段階で目付294g/m2、厚さ1.2mmであった)。
その後、この交絡処理品をプレス装置によって圧縮(100℃、0.25MPa、30秒)して、交絡積層体を得た。
得られた交絡積層体は、積層厚が薄いにも拘わらず緻密な多孔性構造を有し、金属繊維の脱落や層間剥離もなく、取り扱いが容易なものであった。また繰り返して曲げや折りができるような可撓性及び柔軟性を有したものであった。
そのため、可撓性を利用することで曲面設置が可能である。また緻密な多孔性構造であるために、通気性(或いはフィルター性能)や通水性(濾過性能)に着目した使用が可能となっている。例えば、低周波領域の吸音特性に優れる吸音材としても活用できる。
また、金属繊維を含んでいるため、機械的強度が大きく、耐水性や耐久性に優れ、耐候性(屋外使用)も有したものとなっている。殊に、金属繊維は連続長繊維や金属線とされているので、グラスウールや不織布構造などとは異なって金属粉類の飛散がなく、バインダー等の不純物を含まないため、異物や汚染を嫌う清浄な環境や電子部品内での使用が可能である。
この交絡積層体について、グラスウール、アルミ製不織布、アルミ製織物と比較した。表1は通気抵抗の比較であり、表2は生地厚の比較であり、表3は目付の比較である。
表1〜表3から明らかなように、得られたアルミ繊維交絡積層体(実施例)は、アルミ製不織布に比べて厚さで70%、重量で50%程度になっており、より空隙率が大きく、多孔性が高くなっていることがわかる。また、通気抵抗も約半分になっており、通気性も高くなっている。また、これをグラスウールに比べると、同じ程度の厚さで、重量は3倍程度あるが、通気抵抗は約1/10であり、はるかに高い通気性が得られていることがわかる。また、グラスウールは、測定箇所による目付や重量のばらつきが大きいが、本実施例は、目付や重量のばらつきが小さく、場所による不均一が小さい。
本発明に係る交絡積層体1は、以下に例示するような用途がある。
(1)吸音材:建築用の吸音・遮音パネル、道路用の防音・遮音壁、自動車用吸音材
(2)電極集電体:蓄電池(鉛、ニッケル水素、ニッカド、リチウムイオン等)、空気電池、キャパシタ、燃料電池等の電極
(3)耐熱フィルター:ストレーナ、濾過器、浄水器、ガス浄化器等
(4)放熱材:ヒートシンクや熱交換器等
ところで、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、繊維構造体2の積層数は、2層以上であれば特に限定されるものではない。
重ね合わせる繊維構造体2は、目付が異なるものとしてもよいし目付が同じものとしてもよい。例えば、交絡積層体1の表面層には、他の層に比べて緻密な目付の繊維構造体2を配置するようにしてもよい。このようにすることで、多孔性構造により得られる作用としての多様性、殊に厚さ方向の多様性を開拓できる。
言うまでもなく、繊維構造体2は、有機繊維を含まず金属繊維のみからなる編物としてもよい。このようにすることで、金属繊維の特性である機械強度と耐久性(耐熱、耐食等)に一層優れたものを製造することができる。
同種又は異種の複数本の金属繊維を混用したり有機繊維を混用したりする場合では、使用繊維の特性を強調させたり、複合化した(相加的、相乗的な)新たな機能を生起させたりすることができる。例えば、フッ素繊維の混用により強い撥水性を発現させることができる。なお、ここにおいて「複数本の金属繊維」には、複数本の金属線(単線)を一緒に
使用して繊維構造体2を形成させる場合を当然に含むものとする。
複数層の繊維構造体2において、金属繊維を含まないもの(層)を挟み込んだ構成とすることも可能である。
表面凝縮部3は、最上層となる繊維構造体2の表面で、この繊維構造体2を元層として飛び出る突き抜けループ5が屈曲され、圧縮されるようになることから、他の層よりもループの絡まりが凝縮することを表現したものである。そのため、最上層となる繊維構造体2からの突き抜けループ5を多くさせない方法、或いはそもそも突き抜けループ5を生じさせない方法を採用するのであれば、表面凝縮部3は省略することが可能である。
表面凝縮部3(表面凝縮部3を設けない場合には最上の繊維構造体2)の表面を平坦化することは限定されるものではなく、毛羽状又はループ状のパイルが突出した状態のままとさせてもよい。
1 交絡積層体
2 繊維構造体
3 表面凝縮部
5 突き抜けループ
6 地ループ
7 中間凝縮部
10 圧延装置
11 プレス装置

Claims (8)

  1. 積層された複数層の繊維構造体を有しており、前記繊維構造体はいずれも金属繊維のみによって形成されていると共に、前記金属繊維には積層関係にある少なくとも一つの繊維構造体を突き抜けた後に元層へ戻るループ形を形成したものが含まれており、前記ループは繊維構造体を突き抜けた部分が当該繊維構造体に沿う面方向で屈曲変形されていることを特徴とする金属繊維による繊維構造体の交絡積層体。
  2. 積層された複数層の繊維構造体を有しており、少なくとも一層の繊維構造体は金属繊維によって形成されていると共に、金属繊維により形成された前記繊維構造体は編物とされ、且つ、前記金属繊維には積層関係にある少なくとも一つの繊維構造体を突き抜けた後に元層へ戻るループ形を形成したものが含まれており、前記ループは繊維構造体を突き抜けた部分が当該繊維構造体に沿う面方向で屈曲変形されていることを特徴とする金属繊維による繊維構造体の交絡積層体。
  3. 前記金属繊維は、連続長繊維又は金属線の単線により形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の金属繊維による繊維構造体の交絡積層体。
  4. 積層前における全繊維構造体の総厚に比べて積層状態の総厚が圧縮状態に保持形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の金属繊維による繊維構造体の交絡積層体。
  5. 少なくとも一方の表面層に配置される繊維構造体は金属繊維により形成されたものとし
    、当該繊維構造体から突出又は積層の下層側から突き抜けて突出する全てのループが屈曲変形されることによって表面側を平坦面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の金属繊維による繊維構造体の交絡積層体。
  6. 少なくとも一方の表面層に配置される繊維構造体は金属繊維により形成されたものとし、当該繊維構造体から突出して形成されたループと積層の下層側から突き抜けたループとが互いに折り重なるように屈曲変形されて成る表面凝縮部によって被覆形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の金属繊維による繊維構造体の交絡積層体。
  7. 積層方向両側の表面層に配置される繊維構造体が、表裏の区別なく同一構造とされていることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の金属繊維による繊維構造体の交絡積層体。
  8. 少なくとも積層の中間に金属繊維により形成された繊維構造体が配置されるものとして当該繊維構造体の層中又は層間には、当該繊維構造体の金属繊維に対して積層の下層側及び/又は上層側から突き抜けて突出するループが絡まった中間凝縮部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の金属繊維による繊維構造体の交絡積層体。
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