JP6144953B2 - 壁紙 - Google Patents
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Description
この高反射性塗装金属板では、塗膜中に酸化チタン顔料を固形成分換算値で、30〜60%含有させ、かつ低波長域の波長が400〜700nmにおける反射性を向上するため2種類の蛍光顔料を含有させるようにしている。
さらに、壁紙についても鏡面反射に近いアルミ蒸着フィルムをラミネート加工したものもある。
また、特許文献2の被膜材組成物を塗布した壁紙やアルミ蒸着フィルムをラミネート加工した壁紙では、鏡面反射である正反射光の比率が多く、ぎらつきがあって快適性に問題がある。
さらに、これまでの壁紙では、視覚的に白く見せることを目的として無機白色顔料である酸化チタンや蛍光増白剤を用いることは行われているが、光源、特にLED光源に対して効率よく反射できるようにすることは、全く考慮されていないのが現状である。
その結果、図14に示すように、昼光色蛍光灯などでは、波長が430nm、550nm、610nm付近にピークがあり、LED照明では、蛍光灯に比べ波長が430〜480nm付近の光が強いということが分かり、低波長域の光、昼光色蛍光灯では、430nm付近の光、LED照明では、特に430〜480nm付近の光の反射率を向上することが有効であること分かった。
したがって、この壁紙によれば、低波長域の光、特にLED照明に対してぎらつきのない生活空間に適した優れた反射特性を確保することができると同時に、基材シートへの反射膜の塗工も容易となり、可視光波長の反射スペクトル;450〜740nmを85%以上にした壁紙とすることができる。
本発明の壁紙は、基材シート上に反射性塗膜を有する壁紙で、反射性塗膜は、合成樹脂バインダ、例えば塩化ビニル樹脂に無機白色顔料の酸化チタンを11phr以上30phr未満と、蛍光増白剤を1〜2phrとを添加されることで、可視光波長の反射スペクトル;450〜740nmを85%以上にできるようにしたものである。
既存の壁紙では、表面の樹脂層の組成は、表1に示したように、いずれも酸化チタンを含有しており、蛍光増白剤についても一部の壁紙は含有しているが、いずれの既存の壁紙についても、図1に示すように、LED照明で必要とされる450〜740nmのすべての範囲の波長域で85%以上の拡散反射率を有するものはなかった。
なお、実験では、蛍光増白剤を使用せずに酸化チタン単体の塩化ビニル樹脂(バインダ)への添加量を変えて行った。その際の隠蔽性およびコーティング性についての評価結果を表2および図2に示した。
この結果から、合成樹脂バインダである塩化ビニル樹脂への酸化チタンの添加量が9phrでは、隠蔽性不良となり、30phrでは、コーティング性が悪く、これらから、酸化チタンの添加量は、11phr以上30phr未満の範囲が適していることが分かった。
なお、隠蔽性の評価は、JIS A6921隠蔽性試験の3級以上を合格とし、コーティング性の評価は、裏打ち紙(基材シート)に塗布した際に塗布ムラやスジが発生しないものを○とした。
また、酸化チタン添加量による拡散反射率については、図2に示すように、波長が550nm以上の波長域では85%以上となり、この波長範囲の反射率向上に有効であることが分かる。なお、反射率について、表2では、450〜740nmの波長域で拡散反射率が85%以上でないとして×としているが、酸化チタンのみの添加による評価のためである。
酸化チタンの添加量については、反射特性の向上に有効な添加量である11phr以上30phr未満の範囲内で、11phr,13phr,15phr,18phr,21phr,23phr,27phrの7点の一定の値について、蛍光増白剤の添加量をそれぞれ0.5phr,1.0phr,1.5phr,2.0phrに変化させるとともに、比較のため添加しない0phrとした場合についても実験を行った。
この実験での各組成と実験結果について表3〜9および図3〜9にそれぞれ酸化チタンの添加量を一定とした場合の拡散反射率について示した。
蛍光増白剤による反射特性は、各表3〜7および図3から明らかなように、添加量が1.0phr以上(1.0〜2.0phr)の範囲で波長が430nm以上の波長域で反射率を85%以上にすることができることが分かった。
また、蛍光増白剤の添加によって、特にこの添加量が1.0〜2.0phrの範囲では、波長が550nm以下の光に対して優れた反射特性を有することがわかる。
なお、蛍光増白剤の添加量を2.0phr以上にしても良いが、反射率の向上には限界があり、反射率の増加に寄与しない無駄な添加となってしまう。
これにより、低波長域の昼光色蛍光灯などの反射光に加え、特にLED照明の反射特性を大幅に向上することができ、LED照明によれば、これまでの蛍光灯や白熱電灯による照明に比べ、省エネ、省資源を図ることができる。
て反射性塗膜が構成される。
そこで、汚染物による拡散反射率への影響について検討・評価するため、次のような実験を行った。なお、汚染物については、壁紙工業会設定の「汚れ防止性能壁紙規定」に準じて汚染物の付着および除去を行った。
まず、表面が反射性塗膜である壁紙に対し、汚染物が付着した場合の拡散反射率について、汚染物が付着しない場合と比較し、その結果を表10および図10に示した。
この汚染物の付着により、コーヒー、醤油、クレヨン、水性ペンのいずれの汚染物に対しても著しい拡散反射率の低下が見られた。
そこで、汚染物の除去を行うため汚染物を拭き取り、その後の拡散反射率について測定し、その結果を表11および図11に示した。
汚染物を拭き取ることで、拡散反射率をある程度回復することができるものの、本来の拡散反射率からは依然として低下した状態である。
防汚層としては、樹脂フィルムをラミネート加工して形成したり、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂などをコーティング加工することで形成する。なお、防汚層としては、例えばエバールフィルムラミネートタイプ、ファンクレアフィルムラミネートタイプなどのラミネート加工のものを挙げることもできる。
なお、これらのラミネート加工やコーティング加工を施した壁紙についての拡散反射率については、説明および図示を省略したが、加工前の拡散反射率とほぼ変化がないことを確認している。
例えば、フッ素系樹脂を塗工して防汚層を形成した壁紙に汚染物を付着後、拭き取った場合の拡散反射率について実験を行って調査し、その結果を表12および図12に示した。
この結果から、防汚層を表面に設けることで、例えば汚染物が付着しても拭き取ることで、拡散反射率をほぼ付着前の状態に回復できることが分かる。
したがって、壁紙の反射性塗膜の表面に防汚層を設けることで、たとえ生活環境での汚染物が付着しても、これを拭き取って除去することで、ほぼ付着前の状態に拡散反射率を回復することができる。
これに対し、アルミ蒸着ラミネート壁紙では、全反射率が高く、優れているものの、拡散反射率は60%以下であり、2つの反射率の値が大きく相違している。
Claims (3)
- 基材シート上に反射性塗膜を有する壁紙であって、
前記反射性塗膜は合成樹脂バインダに無機白色顔料の酸化チタンを11phr以上30phr未満と、蛍光増白剤を1〜2phrとを添加されてなり、可視光波長の反射スペクトル;450〜740nmを85%以上にすることを可能に構成したことを特徴とする壁紙。 - 前記合成樹脂バインダを塩化ビニル樹脂としたことを特徴とする請求項1記載の壁紙。
- 前記反射性塗膜の表面にラミネート加工による樹脂フィルムまたはコーティング加工による樹脂の防汚層を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の壁紙。
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