以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<全体構成>
図1、図2および図3に示されるように、画像読取装置1は、筐体2、第一カバー3および第二カバー4を備える。第一カバー3および第二カバー4は、筐体2により下側から支持されて、左右方向に互いに隣接している。
なお、筐体2に対して第一カバー3および第二カバー4が設けられている側を上側とし、第一カバー3に対して第二カバー4が設けられている側を右側として、上下、左右および前後の各方向を規定する。そして、図1以降の各図では、矢印で方向を表示する。
第一カバー3は、筐体2の左右方向の中央に対して右側に偏った位置に配置されている。第一カバー3は、前後方向に延びる回動軸線101を中心に、図1に示される不使用位置と図2に示される使用位置との間で変位可能に設けられている。第一カバー3は、図1に示されるように、不使用位置において、筐体2の上端に沿って延び、筐体2の上面を覆う上面カバーの一部を構成する。第一カバー3が不使用位置に位置する状態において、第一カバー3の上面5は、第一カバー3の右側に配置された第三カバー6の上面7と同一平面内に含まれ、その上面7とともに、画像読取装置1の平坦な装置上面8の一部を形成する。また、第一カバー3は、図2に示されるように、使用位置において、筐体2から右上がりに傾斜して延出する。
第二カバー4は、図1に示される上位置と図2に示される下位置とに変位可能に設けられている。第二カバー4は、図1に示されるように、上位置において、筐体2の上端に沿って延び、筐体2の上面を覆う上面カバーの一部を構成する。第一カバー3が不使用位置に位置し、第二カバー4が上位置に位置する状態において、第二カバー4の上面9は、第一カバー3の上面5および第三カバー6の上面7と同一平面内に含まれ、平坦な装置上面8の一部を形成する。また、第二カバー4は、図2に示されるように、下位置において、筐体2の上部から左下がりに傾斜し、使用位置に位置する第一カバー3の下端側と略平行をなす位置関係となる。
筐体2内には、図3に示されるように、給紙積載部11および排紙積載部12が設けられている。給紙積載部11および排紙積載部12は、不使用位置に位置する第一カバー3の下方において、上下2段に構成されている。
給紙積載部11は、スタックトレイ102およびフィードトレイ103を備えている。
スタックトレイ102は、フィードトレイ103の右側に位置している。スタックトレイ102は、前後方向に延びる回動軸線を中心に、図2に示される倒伏位置と図4および図5に示される起立位置とに変位可能に設けられている。また、フィードトレイ103は、前後方向に延びる回動軸線を中心に、図5に示される倒伏位置と図6に示される起立位置とに変位可能に設けられている。フィードトレイ103は、起立位置に位置する状態において、図6に示されるように、左右方向の中央より右側から右上側に傾斜して延びる。フィードトレイ103を起立位置に変位することで、排出ローラ59付近でのジャム処理が可能となる。なお、フィードトレイ103は、実際には、第三カバー6がその右端部が持ち上がった状態に開かれないと、起立位置に移動させることができないが、図6には、排出ローラ59近傍および排紙積載面21が開放された状態を図示するために、第三カバー6が閉じられた状態でフィードトレイ103が起立位置に変位した状態が示されている。
スタックトレイ102およびフィードトレイ103が倒伏位置に位置する状態において、スタックトレイ102およびフィードトレイ103の上面により、図2に示されるように、第一カバー3が不使用位置から使用位置に変位されることにより露出する給紙積載面13が構成される。給紙積載面13には、平面部14および傾斜部15が含まれる。平面部14は、装置上面8よりも凹んだ面であり、筐体2の上端よりも低い位置において、前後方向および左右方向に延びる略平面に形成されている。傾斜部15は、平面部14から右上がりに傾斜して延びている。傾斜部15の前後方向の中央部には、切欠16が形成されている。傾斜部15は、切欠16により、前傾斜部17および後傾斜部18に分割されている。前傾斜部17と後傾斜部18とは、前後方向に同じ幅を有している。前傾斜部17および後傾斜部18の右端部は、傾斜角度が小さくなるように湾曲している。図3では、後傾斜部18のみを示すが、前傾斜部17も同様の形状である。
スタックトレイ102は、起立位置に位置する状態において、図5に示されるように、左右方向の中央より右側から左上側に傾斜して延びる。
フィードトレイ103には、図2に示されるように、給紙積載面13に、1対の給紙ガイド19,20が前後方向に互いに間隔を空けて設けられている。1対の給紙ガイド19,20は、それらの間の中央を基準として、互いに同じ移動量で近接および離間可能に構成されている。
排紙積載部12は、図3に示されるように、給紙積載部11の下方に位置している。排紙積載部12は、排紙積載面21を有している。排紙積載面21は、給紙積載部11の下方に間隔を空けて、前後方向および左右方向に延びている。排紙積載面21の右端部22は、給紙積載面13の傾斜部15と略平行をなすように右上がりに傾斜している。
第一カバー3は、上面5と反対側に、排紙支持面31を有している。図2に示されるように、第一カバー3が使用位置に位置する状態において、排紙支持面31の左前端部および左後端部となる位置には、それぞれ排紙ガイド部32,33が設けられている。排紙ガイド部32,33は、排紙支持面31と一体に形成されることにより、排紙支持面31に固定的に配置されている。排紙ガイド部32,33は、排紙支持面31から起立し、左右方向に延びている。
排紙ガイド部32,33により、それぞれ給紙支持部34,35が支持されている。
給紙支持部34,35は、図2および図3に示される第一位置と給紙積載部11の上側に位置する第二位置とに変位可能に設けられている。給紙支持部34,35は、第一カバー3と異なる色に着色されている。給紙支持部34,35は、前後方向に前傾斜部17および後傾斜部18と同じ幅を有する板状に形成されている。前側の給紙支持部34は、第一位置において、排紙ガイド部32の上端に支持され、後側に向けて、排紙支持面31と略平行をなして延びている。後側の給紙支持部35は、第一位置において、排紙ガイド部33の上端に支持され、前側に向けて、排紙支持面31と略平行をなして延びている。給紙支持部34,35は、第二位置において、給紙積載部11に対して上側から対向する。
第一カバー3が使用位置に位置する状態において、給紙支持部34,35は、第一位置に位置する。給紙支持部34,35は、第一位置において、それぞれ前傾斜部17および後傾斜部18の右側に位置する。そして、給紙支持部34,35は、それぞれ前傾斜部17および後傾斜部18と略同一方向に傾斜する。給紙支持部35の左端部は、図3に示されるように、後傾斜部18の右端部よりも高い位置に配置される。同様に、給紙支持部34の左端部は、前傾斜部17の右端部よりも高い位置に配置される。また、第一カバー3が使用位置に位置する状態において、排紙支持面31の左端部は、排紙積載面21の右端部よりも低い位置に配置される。
筐体2内には、図3に示されるように、給紙積載部11および排紙積載部12の左側に、シートSが搬送される搬送経路41が空間として設けられている。搬送経路41は、相対的に上側に位置する上経路42と、相対的に下側に位置する下経路43と、上経路42および下経路43の左側に設けられ、上経路42と下経路43とを接続する湾曲経路44とを含む。なお、搬送経路41は、原稿を搬送するための後述する各種ローラや、そのローラ間に位置するガイド面によって規定される。
搬送経路41に沿って、1対の供給ローラ51、分離ローラ52、分離片53、1対の搬送ローラ54、イメージセンサモジュール55、反転ローラ56、従動ローラ57,58および1対の排出ローラ59が設けられている。
1対の供給ローラ51は、上経路42の入口に配置されている。上経路42の入口は、給紙積載部11の左側に形成されている。一方の供給ローラ51は、相対的に上側に位置し、前後方向に延びる回動軸線まわりに回動可能に設けられている。他方の供給ローラ51は、相対的に下側に位置し、前後方向に延びる回動軸線まわりに回動可能に設けられている。上側の供給ローラ51の周面と下側の供給ローラ51の周面とは、互いに当接しており、その当接する部分が、上経路42の一部を規定している。
分離ローラ52は、上側の供給ローラ51の左側に配置され、前後方向に延びる回動軸線まわりに回動可能に設けられている。
分離片53は、分離ローラ52の下側に配置されている。分離片53は、分離ローラ52の周面に下側から当接しており、その当接する部分が、上経路42の一部を規定している。
1対の搬送ローラ54は、分離ローラ52の左側に配置されている。一方の搬送ローラ54は、相対的に上側に位置し、前後方向に延びる回動軸線まわりに回動可能に設けられている。他方の搬送ローラ54は、相対的に下側に位置し、前後方向に延びる回動軸線まわりに回動可能に設けられている。上側の搬送ローラ54の周面と下側の搬送ローラ54の周面とは、互いに当接しており、その当接する部分が、上経路42の一部を規定している。
イメージセンサモジュール55は、下側の搬送ローラ54の左側に配置されている。イメージセンサモジュール55の内部には、たとえば、光源、レンズおよびイメージセンサなどが設けられている。イメージセンサモジュール55の上面には、コンタクトガラス60が設けられている。コンタクトガラス60の上面と、そのコンタクトガラス60の上面と対向するガイド面とが、上経路42の一部を規定している。
反転ローラ56は、イメージセンサモジュール55の左側に配置されている。反転ローラ56は、前後方向に延びる回動軸線まわりに回動可能に設けられている。反転ローラ56の左側の周面と、その周面と所定の隙間を有して対向する湾曲形状のガイド面とが、湾曲経路44の一部を規定している。
従動ローラ57は、反転ローラ56の上側に配置されている。従動ローラ57は、前後方向に延びる回動軸線まわりに回動可能に設けられている。従動ローラ57の周面の一部は、反転ローラ56の周面に当接しており、その当接する部分が湾曲経路44の一部を規定している。
従動ローラ58は、反転ローラ56の左下側に配置されている。従動ローラ58は、前後方向に延びる回動軸線まわりに回動可能に設けられている。従動ローラ58の周面の一部は、反転ローラ56の周面に当接しており、その当接する部分が湾曲経路44の一部を規定している。
1対の排出ローラ59は、下経路43の出口に配置されている。下経路43の出口は、排紙積載部12の左側であって、排紙積載面21の左端部の上側に間隔を空けた位置に形成されている。一方の排出ローラ59は、相対的に上側に位置し、前後方向に延びる回動軸線まわりに回動可能に設けられている。他方の排出ローラ59は、相対的に下側に位置し、前後方向に延びる回動軸線まわりに回動可能に設けられている。上側の排出ローラ59の周面と下側の排出ローラ59の周面とは、互いに当接しており、その当接する部分が、下経路43の一部を規定している。
<画像読取動作>
1対の給紙ガイド19,20の位置は、図2に示されるように、読取対象のシートSの前後方向の幅に合わせて調整される。シートSは、先端部が給紙ガイド19,20の間に差し込まれ、給紙積載面13および給紙支持部34,35上に、それらに跨がった状態で積載される。
シートSの画像の読取開始が指示されると、1対の供給ローラ51、分離ローラ52、分離片53、1対の搬送ローラ54、反転ローラ56、従動ローラ57,58および1対の排出ローラ59が駆動系(図示せず)からの駆動力により回転し始める。供給ローラ51の回転により、供給ローラ51からシートSに搬送力が付与され、シートSが上経路42を分離ローラ52に向けて搬送される。シートSが分離ローラ52と分離片53との当接部位に到達すると、シートSは、分離ローラ52と分離片53との間に引き込まれ、1枚ずつに分離される。これにより、1枚のシートSが分離ローラ52と分離片53との間を通過する。
その後、シートSが1対の搬送ローラ54の当接部位に到達すると、搬送ローラ54からシートSに搬送力が付与され、シートSが上経路42をさらに下流側へ搬送される。この搬送により、シートSは、イメージセンサモジュール55のコンタクトガラス60上を通過し、反転ローラ56と従動ローラ57との当接部位に到達する。シートSがコンタクトガラス60上を通過するときに、イメージセンサモジュール55により、シートSの一方面の画像が読み取られる。
シートSが反転ローラ56と従動ローラ57との当接部位に到達した後は、シートSが湾曲経路44を搬送される。その後、シートSは、反転ローラ56と従動ローラ58との間を通過し、湾曲経路44から下経路43に進入する。シートSが湾曲経路44を搬送されることにより、シートSの搬送方向が反転される。
下経路43の入口は、筐体2の下面の一部が前後方向に開口されていることにより形成される。筐体2は、非図示の複合機に上方から結合されている。複合機は、画像形成ユニット等を収容しており、その上面には、読取対象のシートを載置するためのコンタクトガラス301が配置されている。コンタクトガラス301の下方には、図中左右方向に移動可能なイメージセンサモジュール302が配置されている。イメージセンサモジュール302の内部には、たとえば、光源、レンズおよびイメージセンサなどが設けられている。イメージセンサモジュール302は、搬送されるシートSを読み取る際には、所定の停止位置に移動する。シートSは、湾曲経路44から下経路43に進入する際に、コンタクトガラス301上を経由する。そして、シートSがコンタクトガラス301上を通過するときに、停止位置にあるイメージセンサモジュール302により、シートSの他方面の画像が読み取られる。
シートSの搬送が進み、シートSが下経路43を搬送され、1対の排出ローラ59の当接部位に到着すると、排出ローラ59からシートSに搬送力が付与されて、シートSが下経路43の出口から右側(排出方向)に向けて排出される。
排出されたシートSは、排紙積載面21を第一カバー3の排紙支持面31上に向けて進行する。シートSのサイズによっては、シートSが排紙支持面31上に差し掛かると、シートSの前後方向の端縁が排紙ガイド部32,33に接触する。その後、排紙支持面31上でのシートSの進行に伴って、シートSの前後方向の端縁が排紙ガイド部32,33に摺擦することにより、シートSの向きが正されていく。シートSが排出ローラ59から放れると、シートSは、排紙積載面21および排紙支持面31上に、それらに跨がった状態で積載される。
<規制部>
以下、第一カバー3の排紙支持面31についての説明では、上下、左右および前後の各方向について、第一カバー3が不使用位置(図1参照)に位置している状態を基準とする。図7には、筐体2から取り外されて、天地反転された状態の第一カバー3が示されている。
排紙ガイド部32,33は、排紙積載面21の右前端部および右後端部に立設されている。排紙ガイド部32,33は、前後対象な構成を有しているので、前側の排紙ガイド部32の構成を取り上げて説明し、後側の排紙ガイド部33の構成についての説明を省略する。
排紙ガイド部32は、図8に示されるように、第一壁部91、第二壁部92、第三壁部93、第四壁部94、第五壁部95、第六壁部96、第七壁部97、第八壁部98および第九壁部99を一体的に備えている。各壁部91〜99は、それぞれ排紙支持面31から起立している。
第一壁部91および第二壁部92は、前後方向に間隔を空けて配置されている。第一壁部91および第二壁部92は、互いに平行をなして、左右方向に延びている。第二壁部92は、第一壁部91よりも左側に長く延びている。第二壁部92の第一壁部91側の面には、左右方向の略中央部に、第一壁部91側に突出する突起100が形成されている。
第三壁部93は、第一壁部91および第二壁部92の各右端部に連結されて、前後方向に延びている。
第四壁部94は、第一壁部91の左端部と第二壁部92の途中部とに連結されて、前後方向に延びている。
第五壁部95は、第一壁部91および第二壁部92の各左端部間に連結されて、前左側に膨出するように湾曲している。
第六壁部96は、第三壁部93の左側に間隔を空けて配置されている。第六壁部96は、第三壁部93と平行をなして、前後方向に延びている。第六壁部96の後端は、第二壁部92に接続されている。第六壁部96の前端と第一壁部91との間には、隙間が設けられている。
第七壁部97は、第三壁部93と第六壁部96との間に配置されている。第七壁部97は、第二壁部92と間隔を空けて、第二壁部92と平行をなして、左右方向に延びている。第七壁部97の右端は、第三壁部93に接続されている。第七壁部97の左端と第六壁部96との間には、隙間が設けられている。
第八壁部98は、第四壁部94の右側に間隔を空けて配置されている。第八壁部98は、第四壁部94と平行をなして、前後方向に延びている。第八壁部98の後端は、第二壁部92に接続されている。第八壁部98の前端と第一壁部91との間には、隙間が設けられている。
第九壁部99は、第四壁部94と第八壁部98との間に配置されている。第九壁部99は、第二壁部92と間隔を空けて、第二壁部92と平行をなして、左右方向に延びている。第九壁部99の左端は、第四壁部94に接続されている。第九壁部99の左端と第八壁部98との間には、隙間が設けられている。
第一カバー3の右前端部および右後端部には、図7に示されるように、それぞれアーム104,105が設けられている。
前側のアーム104は、図8に示されるように、起立部111、延部112、先端部113およびボス114を一体的に有している。起立部111は、排紙支持面31から起立している。延部112は、起立部111の上端から右側に延びている。先端部113は、延部112の右端から上方に延びている。ボス114は、先端部113から後側に突出している。
後側のアーム105は、前側のアーム104と前後対象な構成を有している。具体的には、起立部121、延部122、先端部123およびボス124を一体的に有している。起立部121は、排紙支持面31から起立している。延部122は、起立部121の上端から右側に延びている。先端部123は、延部122の右端から上方に延びている。ボス124は、先端部123から前側に突出している。
また、第一カバー3は、2個の軸131,132を備えている。軸131,132は、前後方向に延びる同一の直線上に配置されている。軸131は、第一カバー3の前面の右端部から前側に突出している。軸132は、第一カバー3の背面の右端部から後側に突出している。軸131,132の中心を通る直線により、第一カバー3の回動軸線101が形成されている。
第一カバー3は、軸131,132が筐体2の長穴(非図示)に挿入されることにより、筐体2に回動可能に支持されている。
そして、第一カバー3がカバー位置に位置し、第二カバー4が上位置に位置する状態では、第一カバー3のアーム105のボス124は、第二カバー4の下面161に当接している。前側のアーム104のボス114についても、ボス124と同様であり、第二カバー4の下面161に当接している。軸131,132は、長穴の下端に位置している。
第一カバー3が不使用位置に位置(図1参照)から第一カバー3が使用位置(図2参照)に変位されると、ボス114,124が第二カバー4から離間した状態となり、第二カバー4が左下がりに傾いた状態となる下位置に変位する。一方、第一カバー3が使用位置から不使用位置に変位されると、その変位の途中でボス114,124が第二カバー4の下面161に当接し、第二カバー4の左端部がボス114,124により持ち上げられて、第二カバー4が下位置から上位置に変位する。
第一カバー3の排紙支持面31は、図7に示されるように、排紙支持面31から突出し、左右方向に延びる突条部74を一体的に備えている。
突条部74は、前後方向に間隔を空けて複数本、たとえば、13本備えられている。
これらの突条部74のうち、図4において、給紙支持部34の下側に位置する突条部74および給紙支持部35の下側に位置する突条部74、すなわち、前端側の4本の突条部74および後端側の4本の突条部74は、第一突条部61および第二突条部62に分割して構成されている。第一突条部61は、排紙支持面31の右端部から、排紙ガイド部32,33の左右方向における略中央の位置まで延びている。第二突条部62は、第一突条部61の左側に間隔を空けた位置から排紙支持面31の左端縁まで延びている。第一突条部61および第二突条部62は、上下方向に同じ高さ、たとえば、0.5mmを有している。
第一突条部61の左端63、第二突条部62の右端64および排紙支持面31における第一突条部61と第二突条部62との間の部分(面)である規制部65により、第一突条部61および第二突条部62の各上端に対して凹んだ凹みが形成されている。
第一突条部61の左端63は、図9に示されるように、排紙支持面31に対して、垂直に形成されている。
第二突条部62の右端64は、図9に示されるように、第一突条部61に近づくにつれて高さが低くなるように形成されている。また、第一突条部61の右端壁面66は、排紙支持面31の右端縁に近づくにつれて高さが低くなるように形成されている。
また、突条部74のうちの前後方向の中央に位置する3本の突条部74(以下、「第四突条部67」という。)は、右端から左側に向けて徐々に高くなり、左右方向の途中から左端まで一定の高さを有するように形成されている。その一定の高さを有する部分は、第二突条部62より上下方向に高い高さ、たとえば、2mmを有している。
排紙積載部12の排紙積載面21は、図6に示されるように、露出領域68を備えている。露出領域68は、切欠16により露出している。
排紙積載部12の排紙積載面21は、図4に示されるように、排紙積載面21から突出し、排紙積載面21に沿って左右方向に延びる第三突条部69を一体的に備えている。
第三突条部69は、前後方向に間隔を空けて複数本、たとえば、18本備えられている。
第三突条部69のうち、前後方向の中央に位置する4本の第三突条部69に挟まれ、露出領域68の右端部に位置する所定部70は、その他の領域と比較して排紙積載面21が下側に凹んでいる。これにより、所定部70に位置する第三突条部69は、その他の領域に位置する第三突条部69と比較して、上下方向に高い高さ、たとえば、2mmを有している。
排紙積載部12の所定部70は、右端部の前後方向の中央部が右側に延出している。そのため、第一カバー3は、図3に示されるように、使用位置に位置する状態において、第一カバー3の排紙支持面31における左端縁の前後方向中央の上面71が排紙積載部12の所定部70の中央部における右側に延出した部分72の下面に当接する。これにより、第一カバー3は、不使用位置から使用位置に向かう回動が使用位置で規制され、使用位置に位置決めされる。
<除電部>
画像読取装置1は、第一除電ブラシ81および第二除電ブラシ82を備えている。
図3に示すように、第一除電ブラシ81は、下経路43の出口の上部から右側に延出する第一延部83の右端縁に設けられている。第一除電ブラシ81は、たとえば、導電性を有する繊維からなる。第一除電ブラシ81は、第一延部83の下面から右下側に突出して設けられ、前後方向において、シートが通過する範囲全体に設けられている。
以下、図10に示す給紙支持部34についての説明では、上下、左右および前後の各方向について、第一カバー3が不使用位置(図1参照)に位置している状態を基準とする。
給紙支持部34,35は、前後に対象な構成を有しているので、前側の給紙支持部34の構成を取り上げて説明し、後側の給紙支持部35の構成についての説明を省略する。
給紙支持部34は、図10に示されるように、給紙されるシートS(図2参照)が載置される面と反対側の面151に、第一挿入壁部152、第二挿入壁部153、第三挿入壁部154および係止壁部155を備えている。
第一挿入壁部152は、面151の前端部に立設されている。第一挿入壁部152は、面151の左右方向の略全幅にわたって延びている。
第二挿入壁部153は、第一挿入壁部152の左端部の後側に立設されている。第二挿入壁部153は、第一挿入壁部152から後側に延び、屈曲して、左側に延びている。
第三挿入壁部154は、第一挿入壁部152の右端部の後側に立設されている。第三挿入壁部154は、第一挿入壁部152から後側に延び、屈曲して、右側に延びている。
係止壁部155は、第二挿入壁部153と第三挿入壁部154との間に配置されている。係止壁部155は、第一挿入壁部152と前後方向に間隔を空けて、第一挿入壁部152と平行をなして左右方向に延びている。係止壁部155には、係止孔156が前後方向に貫通して形成されている。
給紙支持部34が排紙ガイド部32に取り付けられる際には、第一挿入壁部152は、排紙ガイド部32の第一壁部91と第六壁部96および第八壁部98との間に挿入される。第二挿入壁部153の後側に延びる部分は、排紙ガイド部32の第八壁部98と第九壁部99との間に挿入される。第二挿入壁部153の左側に延びる部分は、排紙ガイド部32の第二壁部92と第九壁部99との間に挿入される。第三挿入壁部154の後側に延びる部分は、排紙ガイド部32の第六壁部96と第七壁部97との間に挿入される。第三挿入壁部154の右側に延びる部分は、排紙ガイド部32の第二壁部92と第七壁部97との間に挿入される。そして、その挿入が完了すると、係止壁部155の係止孔156に排紙ガイド部32の突起100が後側から嵌り込み、係止壁部155と突起100とが係合する。これにより、給紙支持部34の排紙ガイド部32への取付けが達成される。給紙支持部34が排紙ガイド部32に取り付けられた状態で、給紙支持部34の面151に、排紙ガイド部32の第一壁部91、第二壁部92、第三壁部93、第四壁部94、第五壁部95、第六壁部96および第八壁部98の上端が当接する。
また、給紙支持部34の面151には、左右方向に延びる複数本の突条部157が突出して形成されている。
給紙支持部34は、右端部に第二延部85を備えている。第二延部85は、給紙支持部34の右端縁から上側(第一カバー3の排紙支持面31側)かつ左側(排紙方向下流側)に傾斜して延びている。
第二除電ブラシ82は、給紙支持部34の第二延部85に設けられている。第二除電ブラシ82は、たとえば、導電性を有する繊維からなる。具体的に、第二除電ブラシ82の右端部が、第二延部85の排紙支持面31と対向する側の面に沿って取り付けられ、第二除電ブラシ82の左端部が、第二延部85から排紙方向下流側に向けて突出している。図10に示す例では、第二除電ブラシ82は、第二延部85の前後方向の中央から後ろ側の部分に取り付けられているが、前後方向の長さは、これに限定されるものではなく、排紙されるシートSに接触可能な位置であればよい。
排紙支持面31に排紙されるシートSは、下経路43の出口から排出された後、排紙方向下流側の先端が第一延部83の下面に当接し、その後、第一除電ブラシ81に当接する。これにより、シートSは、除電されるとともに、下側に向きを変えられ、排紙積載部12に沿って右側に排出される。シートSの搬送方向の長さが比較的長い場合、シートSは、その排紙方向下流側の先端が排紙積載部12の前傾斜部17および後傾斜部18の右端部の下面に当接して、下側に向きを変えられる。これにより、シートSの先端が給紙積載部11と給紙支持部34との隙間に引っ掛かることが抑制される。その後、シートSの排紙方向下流側の先端は、第二除電ブラシ82に当接する。第二除電ブラシ82は、第一カバー3の排紙支持面31側かつ排紙方向下流側に傾斜して設けられているので、シートSは、第二除電ブラシ82により、さらに除電されるとともに、排紙支持面31に沿って排出される。これにより、給紙支持部34に備えられた突条部にシートSの先端が当接することが抑制され、シートSが傷つくことが抑制される。
<作用効果>
以上のように、第一カバー3の排紙支持面31は、規制部65を備えている。画像読取前のシートSが排紙支持面31へのシートSの排出方向と逆方向から排紙支持面31上に誤って差し入れられると、規制部65により、そのシートSの差し入れ(挿入)が規制される。その結果、シートSが排紙積載部12および第一カバー3の排紙支持面31にセットされることを抑制できる。よって、ユーザの使い勝手を向上することができる。
第一カバー3の排紙支持面31は、給紙支持部34,35に向けて突出し、排紙支持面31に沿って左右方向に延びる第一突条部61と、第一突条部61に対して、図7における左側に間隔を空けて設けられ、給紙支持部34,35に向けて突出して、排紙支持面31に沿って左右方向に延びる第二突条部62とを備えている。規制部65は、第一突条部61と第二突条部62との間に生じる凹みを形成する面である。
これにより、第一突条部61と第二突条部62との間において凹みを形成する面と、第一突条部61の上端とに段差が生じるので、シートSが排出方向と逆方向から第一カバー3の排紙支持面31に誤って差し入れられると、そのシートSの先端は、凹みに入り込んで、第一突条部61に当接する。これにより、それ以上のシートSの挿入が規制される。その結果、シートSが排紙積載部12および第一カバー3に誤ってセットされることを抑制できるとともに、その誤りをユーザに知らせることができる。
第二突条部62は、搬送方向上流端の端部の高さが第一突条部61に近づくにつれて低くなるように設定されている。
これにより、シートSが排出方向と逆方向から第一カバー3の排紙支持面31上に差し入れられたときに、シートSの先端が第二突条部62の上端に案内されることにより第一突条部61と第二突条部62との間の凹みに入りやすい。そのため、シートSが排紙積載部12および第一カバー3の排紙支持面31にセットされることを一層抑制することができる。また、第一カバー3の排紙支持面31上に排出される画像読取後のシートSの先端が第一突条部61と第二突条部62との間の凹みに入り込んでも、シートSの排出が進むと、シートSの先端が第二突条部62の上端に案内されることにより凹みから脱出する。よって、シートSを第一カバー3の排紙支持面31上に良好に排出することができる。
給紙積載部11は、排紙積載部12および第一カバー3の上方に位置し、前後方向に延び、前後方向の中央部が切り欠かれた切欠16を有している。排紙積載部12は、左右方向に延びる第三突条部69を備えると共に、給紙積載部11の切欠16を介して露出する露出領域68を有している。露出領域68における搬送方向下流側にある所定部70は、第三突条部69の高さが、それ以外の第三突条部69の高さよりも高く設定されている。
排紙積載部12および第一カバー3に排出されるシートSの搬送方向の長さが比較的短い場合、シートSの搬送方向下流端が排紙積載部12の右端部上に留まる。給紙積載部11に切欠16が設けられているので、切欠16を利用することにより、給紙積載部11が邪魔にならずに、その搬送方向の長さの短いシートSを排紙積載部12から容易に取り出すことができる。また、切欠16を介してシートSを視認することができるので、シートSの取り残しを抑制することができる。
また、第三突条部69は、露出領域68の所定部70における高さがそれ以外の部分における高さよりも高く設定されているので、シートSの搬送方向下流端と第三突条部69が立設されている面との隙間を大きくすることができる。そのため、隙間を介して、ユーザが手指でシートSを摘みやすく、シートSを排紙積載部12から容易に取り出すことができる。
さらに、第三突条部69の全体を高くした場合には、第三突条部69の上端と給紙積載部11との間の間隔が狭くなり、シートSを排出する性能が低下するおそれがある。これに対し、第三突条部69の一部である所定部70だけが高くされることにより、シートSの排出性能の低下を招くことなく、シートSの取り出しやすさを向上させることができる。
所定部70における第三突条部69同士の間は、所定部70以外における第三突条部69同士の間よりも下方に凹んでいる。
これにより、第三突条部69の上端縁の位置を所定部70とそれ以外の部分とで同じにしたまま、所定部70における第三突条部69の高さをそれ以外の部分の高さより高く設定できる。そのため、第三突条部69の上端と給紙積載部11との間隔を小さくせずに、シートSの取り出しやすさを向上させることができる。
規制部65は、給紙支持部34,35の下方に設けられている。
これにより、規制部65は、給紙支持部34,35によって覆われるので、規制部65が設けられることによる見栄えの低下を抑制できる。
第一カバー3の排紙支持面31は、露出領域68における所定部70に対する右側であって、第二突条部62に対して前後方向に隣接して設けられ、左右方向に延びる第四突条部67を備えている。第四突条部67は、その高さが第二突条部62の高さよりも高く設定されていている。
これにより、第四突条部67の高さが第二突条部62の高さよりも高く設定されているので、第一カバー3の排紙支持面31に排出されるシートSの搬送方向の長さが比較的長い場合に、シートSの搬送方向下流端と第一カバー3の排紙支持面31との隙間を大きくすることができる。そのため、ユーザが隙間を介して手指でシートSを摘みやすく、シートSを第一カバー3の排紙支持面31から容易に取り出すことができる。また、第一カバー3上の排紙支持面31において、シートSは、前後方向の中央が前後方向の両端よりも給紙支持部34,35側に膨出した状態に排出される。そのため、シートSに腰を持たせることができ、排紙支持面31に複数枚シートSが排紙される場合に、積載性を向上することができる。また、シートSの前後方向の両端が第一カバー3の排紙支持面31から浮くことが抑制され、シートSが第一カバー3の外周縁に乗り上げることを抑制できる。
給紙支持部34,35は、給紙積載部11に対して右側に位置する第一位置と、給紙積載部11に対して上方から対向する第二位置との間で変位可能に構成されていている。
給紙支持部34,35を給紙積載部11に対する上方の位置に変位可能に構成し、かつ、装置1を上下方向に小型化するためには、給紙積載部11および給紙支持部34,35と排紙積載部12および第一カバー3との間隔を小さくする必要がある。給紙積載部11および給紙支持部34,35と排紙積載部12および第一カバー3との間隔が小さくても、シートSが第一カバー3の排紙支持面31に誤ってセットされることを抑制できる。また、給紙積載部11および給紙支持部34,35と排紙積載部12および第一カバー3との間隔が小さくても、シートSを第一カバー3の排紙支持面31から容易に取り出すことができる。
給紙支持部34,35における左側の端部に設けられ、給紙支持部34,35から第一カバー3の排紙支持面31側に突出し、第一カバー3の排紙支持面31に排出されるシートSを除電する第二除電ブラシ82を備えている。
第二除電ブラシ82により、第一カバー3の排紙支持面31に排出されるシートSが除電されるため、静電気によってシートSが給紙支持部34,35の下面に張り付くことを抑制できる。また、第二除電ブラシ82は、給紙積載部11および給紙支持部34,35から排紙積載部12および第一カバー3側に突出して設けられているので、第二除電ブラシ82により、シートSの先端が下側に向かうように、シートSを案内することができる。
第一カバー3は、排紙積載部12に対する右側に位置する使用位置と、排紙積載部12に対して上方から対向する不使用位置とに変位可能に構成されている。第一カバー3は、排紙積載部12における排出方向下流側の端部に沿って前後方向に延びる軸線101を中心に回動可能に排紙積載部12に連結され、回動により、使用位置と不使用位置とに変位する。第三突条部69は、排紙積載部12に形成されており、所定部70は、第一カバー3が使用位置に位置する状態で、第一カバー3の左側の端部の上面が当接して、第一カバー3のそれ以上の回動を規制している。
そのため、第一カバー3の排紙積載部12側の端縁は、排紙積載部12より下側に位置する。その結果、第一カバー3の排紙積載面21上に排出されるシートSの右端縁が排紙積載部12と第一カバー3との隙間に引っ掛かることを抑制できる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、図11に示されるように、第二突条部172の右端175の高さが第一突条部171の左端174の高さよりも低く設定されていてもよい。
具体的には、第一突条部171は、左右方向に一定の高さを有している。第一突条部171の左端174は、第一カバー3の排紙支持面31に対し垂直に形成されている。第二突条部172は、左右方向に一定の高さを有している。第二突条部172の右端175は、排紙支持面31に対し垂直に形成されている。第二突条部172は、高さは、第一突条部61の高さよりも低く設定されている。
これにより、シートSが排出方向と逆方向から第一カバー3の排紙支持面31上に差し入れられたときに、シートSの先端が第一突条部171の左端174に当接しやすい。そのため、シートSが排紙積載部12および第一カバー3にセットされることを一層抑制することができる。また、排紙支持面31上に排出される画像読取後のシートSは、第二突条部172の右端175に当接しにくくなる。よって、シートSを排紙支持面31上に良好に排出することができる。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。