実施の形態1.
図7は、3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(E−UTRANのHome−eNodeB(Home−eNB;HeNB)、UTRANのHome−NB(HNB))と、non−CSGセル(E−UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、E−UTRANについては、図7のような構成が提案されている(非特許文献1 4.6.1章参照)。
図7について説明する。移動端末装置(以下「移動端末(User Equipment:UE)」という)71は、基地局装置(以下「基地局」という)72と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。基地局72は、マクロセルであるeNB72−1と、ローカルノードであるHome−eNB72−2とに分類される。eNB72−1は、移動端末(UE)71と通信可能な範囲であるカバレッジとして、比較的大きい大規模カバレッジを有する。Home−eNB72−2は、カバレッジとして、比較的小さい小規模カバレッジを有する。
eNB72−1は、MME、あるいはS−GW、あるいはMMEおよびS−GWを含むMME/S−GW部(以下「MME部」という場合がある)73とS1インタフェースにより接続され、eNB72−1とMME部73との間で制御情報が通信される。一つのeNB72−1に対して、複数のMME部73が接続されてもよい。MME部73は、管理手段に相当する。MME部73は、コアネットワークであるEPCに含まれる。eNB72−1間は、X2インタフェースにより接続され、eNB72−1間で制御情報が通信される。
Home−eNB72−2は、MME部73とS1インタフェースにより接続され、Home−eNB72−2とMME部73との間で制御情報が通信される。一つのMME部73に対して、複数のHome−eNB72−2が接続される。あるいは、Home−eNB72−2は、HeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME部73と接続される。Home−eNB72−2とHeNBGW74とは、S1インタフェースにより接続され、HeNBGW74とMME部73とはS1インタフェースを介して接続される。
一つまたは複数のHome−eNB72−2が一つのHeNBGW74と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。HeNBGW74は、一つまたは複数のMME部73と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。
MME部73およびHeNBGW74は、上位ノード装置であり、基地局であるeNB72−1およびHome−eNB72−2と、移動端末(UE)71との接続を制御する。MME部73、具体的にはMME部73を構成するMMEおよびS−GW、ならびにHeNBGW74は、管理手段に相当する。MME部73およびHeNBGW74は、コアネットワークであるEPCに含まれる。
さらに3GPPでは、以下のような構成が検討されている。Home−eNB72−2間のX2インタフェースはサポートされる。すなわち、Home−eNB72−2間は、X2インタフェースにより接続され、Home−eNB72−2間で制御情報が通信される。MME部73からは、HeNBGW74はHome−eNB72−2として見える。Home−eNB72−2からは、HeNBGW74はMME部73として見える。
Home−eNB72−2が、HeNBGW74を介してMME部73に接続される場合および直接MME部73に接続される場合のいずれの場合も、Home−eNB72−2とMME部73との間のインタフェースは、S1インタフェースで同じである。HeNBGW74は、複数のMME部73にまたがるような、Home−eNB72−2へのモビリティ、あるいはHome−eNB72−2からのモビリティはサポートしない。Home−eNB72−2は、唯一のセルを構成し、サポートする。
基地局装置は、例えばHome−eNB72−2のように唯一のセルをサポートするが、これに限定されず、1つの基地局装置が複数のセルをサポートしてもよい。1つの基地局装置が複数のセルをサポートする場合、1つ1つのセルが、基地局装置として機能する。
図8は、本発明に係る移動端末である図7に示す移動端末71の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末71の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、およびアプリケーション部802からのユーザデータが、送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータは、エンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは、変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局72に送信信号が送信される。
また、移動端末71の受信処理は、以下のように実行される。基地局72からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータは、デコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末71の一連の処理は、制御部810によって制御される。よって制御部810は、図8では省略しているが、各部801〜809と接続している。
図9は、本発明に係る基地局である図7に示す基地局72の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局72の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME部73、HeNBGW74など)との間のデータの送受信を行う。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部901および他基地局通信部902は、それぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、ならびにEPC通信部901および他基地局通信部902からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部904へ保存される。
送信データバッファ部904に保存されたデータは、エンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。
また、基地局72の受信処理は以下のように実行される。一つもしくは複数の移動端末71からの無線信号が、アンテナ908により受信される。受信信号は、周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901および他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は、制御部911によって制御される。よって制御部911は、図9では省略しているが、各部901〜910と接続している。
他基地局通信部902は、通知部および取得部に相当する。送信データバッファ部904、エンコーダー部905、変調部906、周波数変換部907、アンテナ908、復調部909およびデコーダー部910は、通信部に相当する。
3GPPにおいて議論されているHome−eNB72−2の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。Home−eNB72−2は、eNB72−1と同じ機能を有する。加えて、HeNBGW74と接続する場合、Home−eNB72−2は、適当なサービングHeNBGW74を発見する機能を有する。Home−eNB72−2は、1つのHeNBGW74に唯一接続する。つまり、HeNBGW74との接続の場合は、Home−eNB72−2は、S1インタフェースにおけるFlex機能を使用しない。Home−eNB72−2は、1つのHeNBGW74に接続されると、同時に別のHeNBGW74や別のMME部73に接続しない。
Home−eNB72−2のTACとPLMN IDは、HeNBGW74によってサポートされる。Home−eNB72−2をHeNBGW74に接続すると、「UE attachment」でのMME部73の選択は、Home−eNB72−2の代わりに、HeNBGW74によって行われる。Home−eNB72−2は、ネットワーク計画なしで配備される可能性がある。この場合、Home−eNB72−2は、1つの地理的な領域から別の地理的な領域へ移される。したがって、この場合のHome−eNB72−2は、位置によって、異なったHeNBGW74に接続する必要がある。
図10は、本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。図10では、前述の図7に示すMME部73に含まれるMME73aの構成を示す。PDN GW通信部1001は、MME73aとPDN GWとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002は、MME73aと基地局72との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部1001から、ユーザプレイン通信部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部1002から、ユーザプレイン通信部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。
HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME73aとHeNBGW74との間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データは、HeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005−1、SAEベアラコントロール部1005−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005―1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005―2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005―3は、待受け状態(アイドルステート(Idle State);LTE−IDLE状態、または、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。
MME73aは、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area:TA)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME73aに接続されるHome−eNB72−2のCSGの管理やCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理は、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行ってもよい。
CSG−IDの管理では、CSG−IDに対応する移動端末とCSGセルとの関係が管理(例えば追加、削除、更新、検索)される。この関係は、例えば、あるCSG−IDにユーザアクセス登録された一つまたは複数の移動端末と該CSG−IDに属するCSGセルとの関係であってもよい。ホワイトリスト管理では、移動端末とCSG−IDとの関係が管理(例えば追加、削除、更新、検索)される。例えば、ホワイトリストには、ある移動端末がユーザ登録した一つまたは複数のCSG−IDが記憶されてもよい。これらのCSGに関する管理は、MME73aの中の他の部分で行われてもよい。MME73aの一連の処理は、制御部1006によって制御される。よって制御部1006は、図10では省略しているが、各部1001〜1005と接続している。
3GPPにおいて議論されているMME73aの機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。MME73aは、CSG(Closed Subscriber Group)のメンバーの1つあるいは複数の移動端末のアクセスコントロールを行う。MME73aは、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
図11は、本発明に係るHeNBGWである図7に示すHeNBGW74の構成を示すブロック図である。EPC通信部1101は、HeNBGW74とMME73aとの間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。基地局通信部1102は、HeNBGW74とHome−eNB72−2との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。ロケーション処理部1103は、EPC通信部1101経由で渡されたMME73aからのデータのうちレジストレーション情報などを、複数のHome−eNB72−2に送信する処理を行う。ロケーション処理部1103で処理されたデータは、基地局通信部1102に渡され、一つまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。
ロケーション処理部1103での処理を必要とせず通過(透過)させるだけのデータは、EPC通信部1101から基地局通信部1102に渡され、一つまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。HeNBGW74の一連の処理は、制御部1104によって制御される。よって制御部1104は、図11では省略しているが、各部1101〜1103と接続している。
3GPPにおいて議論されているHeNBGW74の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。HeNBGW74は、S1アプリケーションについてリレーする。Home−eNB72−2へのMME73aの手順の一部分であるが、HeNBGW74は、移動端末71に関係しないS1アプリケーションについて終端する。HeNBGW74が配置されるとき、移動端末71に無関係な手順がHome−eNB72−2とHeNBGW74との間、そしてHeNBGW74とMME73aとの間を通信される。HeNBGW74と他のノードとの間でX2インタフェースは設定されない。HeNBGW74は、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
次に移動体通信システムにおけるセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末は、セルサーチを開始すると、ステップST1201で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、および第二同期信号(S−SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。
P−SSとS−SSとを合わせて、同期信号(SS)という。同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は504通りが検討されている。この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号(リファレンスシグナル:RS)であるセル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)を検出し、RSの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)の測定を行う。参照信号(RS)には、PCIと1対1に対応したコードが用いられている。そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST1201で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RSの受信電力を測定することが可能となる。
次にステップST1203で、ステップST1202までで検出された一つ以上のセルの中から、RSの受信品質が最もよいセル、例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセルを選択する。
次にステップST1204で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がマッピングされる。したがってPBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次にステップST1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、TAC(Tracking Area Code)が含まれる。
次にステップST1206で、移動端末は、ステップST1205で受信したSIB1のTACと、移動端末が既に保有しているTA(Tracking Area)リスト内のトラッキングエリア識別子(Tracking Area Identity:TAI)のTAC部分とを比較する。TA(Tracking Area)リストは、TAIリスト(TAI list)とも称される。TAIはTAの識別子であり、MCC(Mobile Country Code)と、MNC(Mobile Network Code)と、TAC(Tracking Area Code)とによって構成される。MCCは国コードである。MNCはネットワークコードである。TACはTAのコード番号である。
移動端末は、ステップST1206で比較した結果、ステップST1205で受信したTACがTA(Tracking Area)リスト内に含まれるTACと同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して、ステップST1205で受信したTACがTA(Tracking Area)リスト内に含まれなければ、移動端末は、該セルを通して、MMEなどが含まれるコアネットワーク(Core Network,EPC)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにTA(Tracking Area)の変更を要求する。コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、TA(Tracking Area)リストの更新を行う。コアネットワークは、移動端末に更新後のTA(Tracking Area)リストを送信する。移動端末は、受信したTA(Tracking Area)リストに基づいて、移動端末が保有するTACリストを書き換える(更新する)。その後、移動端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
LTE、LTE−AおよびUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においては、CSG(Closed Subscriber Group)セルの導入が検討されている。前述したように、CSGセルに登録した一つまたは複数の移動端末のみにアクセスが許される。CSGセルと登録された一つまたは複数の移動端末とが一つのCSGを構成する。このように構成されたCSGには、CSG−IDと呼ばれる固有の識別番号が付される。一つのCSGには、複数のCSGセルがあってもよい。移動端末は、どれか一つのCSGセルに登録すれば、そのCSGセルが属するCSGの他のCSGセルにアクセス可能となる。
また、LTEおよびLTE−AでのHome−eNBやUMTSでのHome−NBが、CSGセルとして使われることがある。CSGセルに登録した移動端末は、ホワイトリストを有する。具体的には、ホワイトリストはSIM(Subscriber Identity Module)またはUSIMに記憶される。ホワイトリストには、移動端末が登録したCSGセルのCSG情報が格納される。CSG情報として具体的には、CSG−ID、TAI(Tracking Area Identity)、TACなどが考えられる。CSG−IDとTACとが対応付けられていれば、どちらか一方でよい。また、CSG−IDおよびTACと、ECGIとが対応付けられていれば、ECGIでもよい。
以上から、ホワイトリストを有しない(本発明においては、ホワイトリストが空(empty)の場合も含める)移動端末は、CSGセルにアクセスすることは不可能であり、non−CSGセルのみにしかアクセスできない。一方、ホワイトリストを有する移動端末は、登録したCSG−IDのCSGセルにも、non−CSGセルにもアクセスすることが可能となる。
HeNBおよびHNBに対しては、様々なサービスへの対応が求められている。例えば、あるサービスでは、オペレータは、ある決められたHeNBおよびHNBに移動端末を登録させ、登録した移動端末のみにHeNBおよびHNBのセルへのアクセスを許可することで、該移動端末が使用できる無線リソースを増大させて、高速に通信を行えるようにする。その分、オペレータは、課金料を通常よりも高く設定する。
このようなサービスを実現するために、登録した(加入した、メンバーとなった)移動端末のみがアクセスできるCSG(Closed Subscriber Group)セルが導入されている。CSG(Closed Subscriber Group)セルは、商店街やマンション、学校、会社などへ数多く設置されることが要求される。例えば、商店街では店舗毎、マンションでは部屋毎、学校では教室毎、会社ではセクション毎にCSGセルを設置し、各CSGセルに登録したユーザのみが該CSGセルを使用可能とするような使用方法が要求されている。HeNB/HNBは、マクロセルのカバレッジ外での通信を補完するため(エリア補完型HeNB/HNB)だけでなく、上述したような様々なサービスへの対応(サービス提供型HeNB/HNB)が求められている。このため、HeNB/HNBがマクロセルのカバレッジ内に設置される場合も生じる。
前述のように、LTE−Aの新技術として、CoMPをサポートすることが検討されている。また、CoMPを実行するために用いるセルまたはポイントの集合(セット、set)が検討されている。本発明において、CoMPを実行するために用いるセルの集合としては、以下の(1)〜(5)に示すものがある。セルに限らず、ポイントであってもよい。以下の説明では、CoMPを実行するために用いるポイントあるいはセルの集合を総称して「CoMPセット」と称する。
(1)RRMメジャメントセット(RRM measurement set)。RRM(Radio Resource Management)メジャメントセットは、リリース8〜10の規格書に記載されたメジャメント、具体的にはCRS(Cell-specific Reference Signal)測定によって得られたセルの集合をいう。
(2)CoMPコオペレーティングセット(CoMP cooperating set)。CoMPコオペレーティングセットは、CoMPすることのできるセルの集合をいう。
(3)CoMPコーディネーションエリア(CoMP coordination area(CoMP coordination cells))。CoMPコーディネーションエリアは、CoMPすることのできるセルによって構成される無線エリアをいう。
(4)CoMPメジャメントセット(CoMP measurement set)。CoMPメジャメントセットは、CSI(Channel State Indication)−RSが測定されて報告されるセルの集合をいう。CoMPメジャメントセットは、RRMメジャメントセットから選択される。
(5)CoMPトランスミッションポイント(CoMP transmission point)。CoMPトランスミッションポイントは、CoMPを実行しているUEにデータを送信しているセルをいう。CoMPトランスミッションポイントは、CoMPメジャメントセットから選択される。後述するCoMPアクティブセット(CoMP active set)が有る場合、CoMPトランスミッションポイントは、CoMPアクティブセットから選択されてもよい。後述するCoMPアクティブセットが無い場合、CoMPトランスミッションポイントは、CoMPメジャメントセットから選択される。
RRMメジャメントセットは、検出対象セルセットに相当し、前述のリリース8〜10の規格書に記載されたメジャメント、具体的にはCRS測定は、UEが行う、無線通信可能か否かの検出処理に相当する。
CoMPコオペレーティングセットは、協調可能セルセットに相当し、UEが、協調通信(CoMP通信)可能か否かの検出処理を行う候補となるセルの集合である。CoMPメジャメントセットは、協調対象セルセットに相当し、UEが、CoMP通信可能か否かの検出処理を行う対象となるセルの集合である。
また、前述のセントラルエンティティとは、一つまたは複数のポイントCoMPを集中して調整(コーディネート、coordinate)するエンティティである(非特許文献10参照)。セントラルエンティティは、調整手段に相当する。セントラルエンティティは、論理エンティティであり、物理的にどの装置に構成されてもよい。例えば、セントラルエンティティは、eNBまたはRRHに構成されてもよいし、eNBおよびRRHとは別に構成されてもよい。またセントラルエンティティは、HeNBGWに構成されてもよい。
図13は、CoMPを実行するために用いるセルの集合について説明するための図である。図13では、RRMメジャメントセット1302を、左下がりの細い斜線のハッチングを付して示し、CoMPコオペレーティングセット1303を、梨地のハッチングを付して示し、CoMPメジャメントセット1304を、右下がりの太い斜線のハッチングを付して示し、CoMPトランスミッションポイント1305を、左下がりの太い斜線のハッチングを付して示す。
RRMメジャメントセット1302、CoMPコオペレーティングセット1303、CoMPメジャメントセット1304およびCoMPトランスミッションポイント1305は、いずれもUE1301に対して構成される。図13では、CoMPコオペレーティングセット1303がRRMメジャメントセット1302内に含まれる場合を示している。
図14は、CoMPを実行するために用いるセルの集合の包含関係について説明するための図である。図14では、RRMメジャメントセット(RRM measurement set)を参照符号「1401」で示される円で表し、CoMPメジャメントセット(CoMP measurement set)を参照符号「1402」で示される円で表し、CoMPトランスミッションポイント(CoMP transmission point)を参照符号「1403」で示される円で表す。図14に示すように、RRMメジャメントセット1401の一部あるいは全部がCoMPメジャメントセット1402となり、CoMPメジャメントセット1402の一部あるいは全部がCoMPトランスミッションポイント1403になる。
3GPPでは、実際にCoMPを実行する場合の手順について何ら開示されていない。前述のCoMPを実行するために用いるセルの集合を、どのように使用するか、などが不明であるので、CoMPを実行することができない。本実施の形態では、CoMPを実行するために、各セルの集合の使用方法、構成方法、UEとサービングセルとの間の通知方法、およびその手順を開示する。
図15および図16は、実施の形態1における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図15と図16とは、境界線BL1の位置で、つながっている。図15および図16では、セントラルエンティティがサービングセル内に構成された場合に、所望のUEに対してCoMPを実行するときのシーケンスを示している。本シーケンスでは、セントラルエンティティがサービングセル内に構成された場合について示しているので、特にセントラルエンティティとサービングセルとを区別せずに、サービングセルと記載する。
ステップST1501において、サービングセルは、所望のUEにRRMメジャメントを実行させる範囲を設定するために、RRMメジャメント構成(RRM measurement configuration)を設定する。ここでは、所望のUEを、「UE1」とする。RRMメジャメント構成としては、例えば、周波数および報告条件のいずれか一方、または両方が設定される。報告条件としては、例えば、報告を実行するトリガとなるイベント(event)が設定される。測定させるセルを特定し、該セルのPCIなどのセルアイデンティティ(Cell−ID)をRRMメジャメント構成として設定してもよい。例えば、ネットワーク側でUE1に対するRRMメジャメントセットを既に設定している場合は、該RRMメジャメントセットを利用してもよい。また、隣接セルのリスト(ネイバーセルリスト)を該RRMメジャメントセットとしてもよい。
RRMメジャメント構成、該通知およびメジャメントリポートは、CoMP用としてもよい。CoMPに適した周波数、報告条件あるいはセルアイデンティティなどが設定される。
他の方法として、従来のモビリティ用のRRMメジャメント構成、該通知およびメジャメントリポートを利用してもよい。サービングセルにおいて、モビリティ用に設定した周波数、報告条件あるいはセルアイデンティティをCoMPに利用できる場合は、従来のモビリティ用のRRMメジャメント構成、該通知およびメジャメントリポートを利用するとよい。また、サービングセルにおいて、モビリティ用およびCoMP用の両方に利用できる周波数、報告条件あるいはセルアイデンティティを設定するようにしてもよい。これによって、RRMメジャメント構成、該通知およびメジャメントリポートを共用することができ、シグナリング量の削減、および制御負荷の削減を図ることができる。
ステップST1502において、サービングセルは、ステップST1501で設定されたRRMメジャメント構成を、UE1に通知する。RRMメジャメント構成の通知には、個別シグナリングが用いられる。個別シグナリングとしては、RRCシグナリングが用いられる。
ステップST1503において、UE1は、受信したRRMメジャメント構成に従って、CRSの測定(以下「CRSメジャメント」という場合がある)を行う。具体的には、UE1は、CRSメジャメントとして、RRMメジャメント構成で通知された周波数を用いて、該周波数をキャリア周波数とするセルの検出を行う。
CRSメジャメントは、UE1がRRMメジャメント構成を受信した後、RRMメジャメント構成の変更あるいは解除(リリース)を受信するまで行われるようにするとよい。この場合、CRSメジャメントは、定期的に行われてもよいし、周期的に行われてもよい。図15および図16において、ST1503とST1522とを結ぶ破線は、前述のようにUE1がRRMメジャメント構成を受信した後、RRMメジャメント構成の変更または解除を受信するまで、CRSメジャメントが行われることを示している。
ステップST1504において、UE1は、検出したセルのCRSの測定結果が報告条件に合致した場合、CRSの測定結果を、メジャメントリポート(measurement report)メッセージを用いて、サービングセルに報告する。例えば、UE1は、CRSの受信電力(RSRP)が、RRMメジャメント構成で設定された閾値以上となったセルについて、該セルのセルアイデンティティと該RSRPとをサービングセルに通知する。他にも例えば、UE1は、検出したセルのCRSの受信電力(RSRP)とサービングセルのCRSの受信電力(RSRP)との差分が、RRMメジャメント構成で設定された閾値以上となったセルについて、該セルのセルアイデンティティと該RSRPとを、サービングセルに通知するようにしてもよい。CRSの受信電力に限らず、受信品質(Reference Signal Received Quality:RSRQ)であってもよい。また、CRSの測定結果の報告は、定期的に行われてもよいし、周期的に行われてもよい。RRMメジャメント構成およびメジャメントリポートに、サービングセルを含ませるようにしてもよい。また、サービングセルのCRSメジャメント結果は、必ずメジャメントリポートで報告するようにしてもよい。
ステップST1505において、サービングセルは、UE1から通知されたメジャメントリポートメッセージに基づいて、報告された一つまたは複数のセルからなるRRMメジャメントセットを作成する。
UE1に対してRRMメジャメントセットが既に存在する場合は、ステップST1504のメジャメントリポートのメッセージに基づいて、該RRMメジャメントセット内のセルの追加、削除または変更を行えばよい。あるいは、該RRMメジャメントセット内の各セルに対して、閾値以上となったかどうか、そのときのセルの受信電力あるいは受信品質を該RRMメジャメントセット内セルのセルアイデンティティに対応付けて記録および管理しておいてもよい。
ステップST1506において、UE1とサービングセルとは、下り(Downlink:DL)および上り(Uplink:UL)の少なくともいずれか一方のデータ通信を行う。
ステップST1507において、UE1は、CRSからCQI(Channel Quality Indicator)を導出して、サービングセルにフィードバックする。
ステップST1508において、サービングセルは、UE1から受信したCQIを用いて、CoMPを実行するか否か、すなわちCoMPをオン(on)にするかオフ(off)にするかを決定する。サービングセルは、例えば、CQIが所定の閾値(以下「閾値A」という)を下回った場合、CoMPを実行すると決定し、CQIが所定の閾値(以下「閾値B」という)を上回った場合、CoMPの実行を止めると決定する。閾値Aと閾値Bとに所定のオフセットを設けておき、ヒステリシスをもたせるようにするとよい。これによって、サービングセルは、UE1に対してCoMPを実行するか否かを判断することが可能となる。ステップST1508の処理が終了すると、ステップST1530に移行する。
ステップST1530において、サービングセルは、UE1に対するCoMPメジャメントセットを決定する。すなわち、サービングセルは、CoMPメジャメントセットの選択を行う。具体的には、サービングセルは、CoMPメジャメントセット内のセル(以下「CoMPメジャメントセット内セル」という場合がある)の選択を行う。CoMPメジャメントセット内セルは、RRMメジャメントセット内のセル(以下「RRMメジャメントセット内セル」という場合がある)から選択される。選択するための指標として、RRMメジャメントセット内のセルのセルアイデンティティ、CoMPメジャメントセットに含めることができるセルの数、またはセルのリファレンスシンボルの受信電力(RSRP)もしくは受信品質(RSRQ)(以下「RSRP/RSRQ」という場合がある)などを用いてもよい。これらは、CQIと併せて用いてもよい。
また、他の選択するための指標として、例えば、各セルの負荷(ロード)などを用いてもよい。各セル内のロードが高い場合は、CoMPメジャメントセットに選択せず、ロードが低い場合は、CoMPメジャメントセットに選択する。前記指標に、各セルの負荷(ロード)を併せて用いることによって、各セルのロード状況に応じて、CoMPを実行することを可能とするかどうかを決めることができ、移動体通信システムとしてのスループットの向上を図ることができる。
しかし、RRMメジャメントセットは、CoMPコオペレーティングセットに属さないセルも含む場合がある。この場合、CoMPコオペレーティングセットに属さないセルをCoMPメジャメントセットに選択しても、CoMPを行うことができない。したがって、CoMPコオペレーティングセットに属さないセルをCoMPメジャメントセットに選択するのは無駄であり、誤動作を引き起こしかねない。
そこで本実施の形態では、CoMPメジャメントセットに選択するセルを、RRMメジャメントセットのうち、CoMPコオペレーティングセットに属するセルに限定する。これによって、CoMP可能なセルのみCoMPメジャメントセットに含めることが可能となる。
ステップST1530において、CoMPメジャメントセット内セルがサービングセル一つのみになった場合、サービングセルは、CoMPの実行を止めると判断してもよい。その場合、サービングセルは、CoMPメジャメント構成の解除(リリース)を決定し、UE1に通知してもよいし、ステップST1527の処理に移行してもよい。後に開示するように、サービングセルがCoMPメジャメントセットに含まれないような場合、CoMPメジャメントセット内セルが一つのみになったときは、CoMPの実行を止めないと判断してもよい。サービングセルとCoMPメジャメントセット内のセルとで、CoMPを実行してもよい。ステップST1530の処理が終了すると、ステップST1509に移行する。
ステップST1509において、サービングセルは、UE1に対するCoMPメジャメント構成(CoMP measurement configuration)を設定する。CoMPメジャメント構成としては、例えば、CoMPメジャメントセット内セルのセルアイデンティティ、CoMPメジャメントセット内セルのCSI−RSの構成(CSI-RS configuration)、またはCoMPメジャメントセット内セルのUE1に対する復調用参照信号(Demodulation Reference Signal:DM−RS)の構成などが設定される。CSI−RSの構成として、セル毎にCSI−RSが送信される周期が設定される。
ステップST1510において、サービングセルは、UE1に、CoMPメジャメント構成を通知する。CoMPメジャメント構成の通知には、個別シグナリングが用いられる。個別シグナリングとしては、RRCシグナリングが用いられる。
ステップST1510においてCoMPメジャメント構成を受信したUE1は、ステップST1511において、CoMPメジャメント構成内で設定されているCoMPメジャメントセット内セルのCSI−RS構成およびDM−RS構成の少なくともいずれか一方を設定する。
ステップST1513において、サービングセルは、CoMPメジャメントセットからCSI−RSを送信する。
ステップST1512において、UE1は、CoMPメジャメントセット内セルのCSI−RSを測定する。例えば、UE1は、CSI−RSのRSRP/RSRQを測定する。本実施の形態では、UE1は、ステップST1514において、CSI−RSの測定値からCSIを導出する。ステップST1514のCSIの導出処理は、行わなくてもよい。
CSI−RSの測定は、セル毎またはポイント毎に行ってもよい。これらのCSI−RSの測定方法は、予め規格で決められてもよいし、CoMPメジャメント構成に含めてサービングセルからUE1に通知するようにしてもよい。CoMPメジャメント構成に含めて通知することによって、動的あるいは準静的に測定方法を変更することが可能となる。したがって、CoMPに適したCoMPトランスミッションポイントの選択を行うことができる。
CoMPメジャメントセットのCSI−RSの測定は、UE1がCoMPメジャメント構成を受信した後、CoMPメジャメント構成の解除(リリース)を受信するまで行われるようにするとよい。CSI−RSの測定は、定期的に行われてもよいし、周期的に行われてもよい。
ステップST1515において、UE1は、CoMPメジャメントセット内セルのCSI−RSの測定結果(CSI-RS measurement report)、例えばRSRP/RSRQの測定結果をサービングセルに報告する。本実施の形態のようにステップST1514でCSIを導出した場合は、ステップST1515において、UE1は、CSI−RSの測定結果とともに、CSIの導出結果(CSI feedback)をサービングセルに報告する。CSI−RSの測定結果の報告は、定期的に行われてもよいし、周期的に行われてもよいし、所定の条件を満たした場合に行われるようにしてもよい。CoMPメジャメント構成およびCSI−RSメジャメントリポートに、サービングセルを含ませるようにしてもよい。また、サービングセルのCSI−RSメジャメント結果は、必ずCSI−RSメジャメントリポートで報告するようにしてもよい。
ステップST1516において、サービングセルは、UE1から報告されたCSI−RSの測定結果(CSI-RS measurement report)、例えばRSRP/RSRQの測定結果、およびCSIの導出結果(CSI feedback)から、CoMPトランスミッションポイントを決定する。ステップST1515でCSIの導出結果が報告されない場合は、サービングセルは、CSI−RSの測定結果から、CoMPトランスミッションポイントを決定する。このとき、他の指標、例えば、各セルの負荷(ロード)などを用いてもよい。各セル内のロードが高い場合は、CoMPトランスミッションポイントとせず、ロードが低い場合は、CoMPトランスミッションポイントとする。このように、各セルの負荷(ロード)を併せて用いることによって、各セルのロード状況に応じて、CoMPを実行することを可能とするかどうかを決めることができ、移動体通信システムとしてのスループットの向上を図ることができる。ステップST1516の処理の終了後は、ステップST1518に移行する。
ステップST1518において、サービングセルは、UE1用の物理下り制御チャネル(PDCCH)に、CoMPトランスミッションポイントを示す情報を含めて、スケジューリング(CoMP scheduling)を行う。CoMPトランスミッションポイントを示す情報は、PDCCHの下り制御情報(Downlink Control Information:DCI)に含めるとよい。
CoMPトランスミッションポイントを示す情報としては、PCIなどのセルアイデンティティでもよい。しかし、PCIなどのセルアイデンティティでは、必要とするビット数が多くなるので、PDCCHに含めると、PDCCHの容量が不足するという問題が生じる。
このPDCCHの容量が不足するという問題を解消するために、CoMPメジャメントセット内のセルにナンバリングを行い、ナンバリングしたナンバによってCoMPトランスミッションポイントを示すとよい。ナンバはCoMPメジャメントセット内のセル数に限定されるので、前記ナンバを用いることによって、情報量を低減させることが可能となる。前記ナンバを用いる場合、CoMPメジャメントセット内セルのセルアイデンティティと、ナンバリングしたナンバとの関係を、ステップST1509で設定されるCoMPメジャメント構成に含めておき、ステップST1510において、サービングセルからUE1に通知しておくとよい。
ステップST1517において、UE1は、サービングセルからのPDCCHを受信して、PDCCHのDCIに含まれるCoMPトランスミッションポイント情報を得て、CoMPトランスミッションポイントの受信を行う。CoMPトランスミッションポイントの受信には、ステップST1510において受信したCoMPメジャメント構成を用いるとよい。
ステップST1519において、UE1とサービングセルとは、CoMPによる送受信を行う。また、UE1は、CSI−RSからCSIを導出して、サービングセルにフィードバックする。
ステップST1520において、サービングセルは、CoMPトランスミッションポイントを変更するか否かを判断する。具体的には、サービングセルは、CSIフィードバック情報を用いて、CoMPトランスミッションポイントを変更するか否かを判断する。
サービングセルは、CoMPトランスミッションポイントを変更すると判断した場合、CoMPメジャメントセットのCSI−RSの測定結果および前述の他の指標を用いて、CoMPメジャメントセットに追加するセル、またはCoMPメジャメントセットから削除もしくは変更するセルの選択を行う。このとき、CoMPトランスミッションポイントのCSIフィードバック情報と、CoMPメジャメントセットのCSI−RSの測定結果とを併せて用いてもよい。
ステップST1520において、CoMPトランスミッションポイントを変更すると判断された場合は、前記セルの選択が行われた後、ステップST1516に戻り、CoMPトランスミッションポイントを変更しないと判断された場合は、ステップST1521に移行する。
前記セルの選択を行ったサービングセルは、ステップST1516において、CoMPトランスミッションポイントの追加、削除、または変更を行い、ステップST1518に移行する。ステップST1518において、サービングセルは、UE1用のPDCCHのDCIに、変更後のCoMPトランスミッションポイントを示す情報を含めて、スケジューリング(CoMP scheduling)を行う。
ステップST1521において、UE1とサービングセルとは、CoMPによる送受信を行う。また、UE1は、CSI−RSからCSIを導出して、サービングセルにフィードバックする。
ステップST1522において、CRSメジャメントを行っているUE1は、ステップST1523において、CRSの測定結果を、メジャメントリポート(measurement report)メッセージを用いて、サービングセルに報告する。
ステップST1524において、メジャメントリポートメッセージを受信したサービングセルは、必要に応じてRRMメジャメントセットの変更、具体的にはRRMメジャメントセット内セルの変更を行う。サービングセルは、メジャメントリポートメッセージによって受信したセルのアイデンティティおよびCRSの測定結果情報などを用いて、RRMメジャメントセットの変更を行うことを決定した場合、追加、削除、または変更するセルの選択を行い、RRMメジャメントセットの追加、削除、または変更を行う。
ステップST1524においてRRMメジャメントセットの変更が行われた場合、RRMメジャメントセットから選択されるCoMPメジャメントセットの変更、具体的にはCoMPメジャメントセット内セルの追加、削除、または変更も必要となることがある。したがって、サービングセルは、ステップST1525において、CoMPメジャメントセットの変更を行うか否かを判断する。具体的には、サービングセルは、CoMPメジャメントセット内セルの変更を行うか否かを判断する。
ステップST1525において、CoMPメジャメントセットの変更、具体的にはCoMPメジャメントセット内セルの変更を行うと判断された場合、サービングセルは、ステップST1530に戻り、ステップST1530の処理を実行する。サービングセルは、ステップST1530で変更したCoMPメジャメント構成を、ステップST1510において、UE1に通知する。
このとき、CoMPメジャメント構成の全てを通知してもよいし、または、最近に通知したCoMPメジャメント構成との差分を通知するようにしてもよい。CoMPメジャメント構成の全てを通知することによって、UEとネットワーク側とで確実に同じCoMPメジャメント構成を用いることができ、誤動作を防ぐことができる。他方、最近に通知したCoMPメジャメント構成との差分を通知することによって、サービングセルからUEに通知するシグナリング量の削減を図ることができる。
ステップST1525において、CoMPメジャメントセットの変更、具体的にはCoMPメジャメントセット内セルの変更を行わないと判断された場合は、ステップST1526に移行する。
ステップST1526において、UE1とサービングセルとは、引続きCoMPによる送受信を行う。また、UE1は、CSI−RSからCSIを導出して、サービングセルにフィードバックする。
ステップST1526においてUE1に対してCoMPによる送受信を行っているサービングセルは、CoMPを実行するか否かを決定する。CoMPを実行するか否かは、CSI−RSの測定結果を用いて決定してもよい。ステップST1507の処理におけるCQIの代わりに、CSI−RSを用いて同様の処理方法で行うとよい。また、CRSの測定結果を用いて、CoMPを実行するか否かを決定してもよい。また、CSI−RSの測定結果とCRSの測定結果とを併せて用いてもよい。
ここで、ステップST1527において、サービングセルが、CoMPを解除(リリース)する、すなわちCoMPの実行を止めると決定した場合を考える。この場合、サービングセルは、ステップST1528において、UE1に、CoMPメジャメント構成の解除(リリース)を通知する。CoMPメジャメント構成の解除の通知には、個別シグナリングが用いられる。個別シグナリングとしては、RRCシグナリングが用いられる。
ステップST1528において、UE1にCoMPメジャメント構成の解除(リリース)を通知したサービングセルは、UE1に対するCoMPの実行を止める。これによって、CoMPメジャメントセットからのCSI−RSの送信、サービングセルからのCoMPトランスミッションポイントスケジューリングの送信、およびCoMPトランスミッションポイントからのデータの送信が止められる。
CoMPメジャメント構成の解除を受信したUE1は、ステップST1529において、CoMPメジャメントセットなどのCoMPメジャメント構成の設定を解除(リリース)する。これによって、CoMPメジャメントセットのメジャメントも停止する。UE1は、サービングセルから、CoMPトランスミッションポイントのスケジューリングが通知されないので、CoMPによる送受信の実行を行わなくなる。
本実施の形態では、CoMPを実行する場合の、各セルの集合の使用方法、UEとサービングセルとの間の通知方法、およびその手順を開示した。以上に開示した方法を用いることによって、CoMPを実行することが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1で述べたように、UEは、CoMPメジャメントセット内の各セルのCSI−RSの測定を行う。したがって、CoMPメジャメントセット内のセル数が多い場合、UEの消費電力が増大する。CoMPメジャメントセット内のセル数を少なくすることで、UEの消費電力が増大することを防ぐことはできる。しかし、CoMPメジャメントセット内のセル数を少なくした場合、CoMPトランスミッションポイントの候補となるセル数が少なくなるので、最適なCoMPトランスミッションポイントが選択されないという問題が生じる。
また、CoMPメジャメントセットの変更を迅速に高頻度で行うことによって、最適なCoMPトランスミッションポイントが選択されないという問題は解消するが、CoMPメジャメントセット内セルの変更は、RRCシグナリングで行われるので、迅速に変更を行うことができず、遅延が生じる。また、変更されたCoMPメジャメントセットを高頻度でUEに通知しなければならないので、そのためのRRCシグナリング量が増大するという問題が生じる。
以上のような問題を解消するために、本実施の形態では、CoMPメジャメントセット内セルのサブセットを設けることを開示する。本実施の形態では、CoMPメジャメントセット内セルの一部あるいは全部からなるサブセットを設ける。このようなサブセットを、CoMPアクティブセット(CoMP active set)と称する。
図17は、CoMPアクティブセットと他のセットとの包含関係について説明するための図である。図17に示すように、RRMメジャメントセット1401の一部あるいは全部がCoMPメジャメントセット1402となり、CoMPメジャメントセット1402の一部あるいは全部がCoMPアクティブセット1601となり、CoMPアクティブセット1601の一部あるいは全部がCoMPトランスミッションポイント1403となるように、CoMPアクティブセットが構成される。
CoMPアクティブセット内のセル(以下「CoMPアクティブセット内セル」という場合がある)の選択方法について開示する。CoMPアクティブセット内セルは、CoMPメジャメントセット内セルから選択される。どのセルを選択するかの判断指標として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)UEによるCSI−RSの測定結果を判断指標として用いる。
(2)UEから送信される上りリンクの通信品質を判断指標として用いる。
前記(1)の判断指標としてのCSI−RSの測定結果としては、CSI−RSのRSRPまたはRSRQを用いてもよく、あるいはCSI−RSの測定値から導出したCSIを用いてもよい。また、CSI−RSのRSRPまたはRSRQと、CSI−RSの測定値から導出したCSIとを併用してもよい。CSI−RSの測定結果をセル選択の判断指標として用いることによって、CoMPを行うデータをマッピングするPDSCH領域の通信品質が判るので、CoMPの実行に適したセルを選択することが可能となる。
前記(2)の判断指標としての上りリンクの通信品質としては、SRS(Sounding Reference Signal)の測定結果を用いてもよく、あるいはPUCCHまたはPUSCHの復調用RSの測定結果を用いてもよい。上りリンクの通信品質をセル選択の判断指標として用いることによって、UEがCSI測定および報告を行わなくて済む。したがって、UEの消費電力の低減を図ることができる。また、時分割複信(Time Division Duplex:TDD)においては、下りリンクは上りリンクと同じ周波数帯域を用いるので、下りのリンクのCoMPにおいても、CoMPの実行に適したセルを選択することが可能となる。
前記(1)および(2)の判断指標をそれぞれ単独で用いるのではなく、前記(1)および(2)の両者を併用してもよい。両者を用いてCoMPアクティブセットのセルが選択されるようにしてもよい。また、これらの判断指標と、UEによるCRSの測定結果とを併用してもよい。
CoMPアクティブセットをUEへ通知する方法について開示する。サービングセルは、CoMPアクティブセット内のセルをUEに通知する。CoMPアクティブセットの通知は、必要に応じて行うようにしてもよい。例えば、CoMPアクティブセットが構成されない場合は、CoMPアクティブセットの通知を行わないようにしてもよい。この場合、UEは、CoMPアクティブセットが通知されないとき、CoMPアクティブセットが構成されないと判断するようにすればよい。
CoMPアクティブセットの通知は、MACシグナリングで行われるとよい。MACシグナリングを用いることによって、RRCシグナリングを用いる場合よりも低遅延でCoMPアクティブセットを通知することができる。また、RRCシグナリングが不要となるので、CoMPアクティブセットの通知を行うことで、RRCシグナリング量が増大することは無い。
CoMPアクティブセット内のセルを示す情報としては、PCIなどのセルアイデンティティでもよい。しかし、PCIなどのセルアイデンティティでは、必要とするビット数が多くなるので、MACシグナリングに含めると、MACにおけるオーバヘッドが増大するという問題が生じる。
この問題を解消するために、CoMPメジャメントセット内セルにナンバリングを行い、ナンバリングしたナンバによってCoMPアクティブセット内セルを示すとよい。ナンバは、CoMPメジャメントセット内のセル数に限定されるので、前記ナンバを用いることによって、情報量を低減させることが可能となる。前記ナンバは、実施の形態1で開示したCoMPトランスミッションポイントのために設けたCoMPメジャメントセット内セルのナンバと同一としてもよい。
前記ナンバを用いる場合、CoMPメジャメントセット内セルのセルアイデンティティと、ナンバリングしたナンバとの関係を、ステップST1509で設定されるCoMPメジャメント構成に含めておき、ステップST1510において、サービングセルからUE1に通知しておくとよい。
CoMPアクティブセットの通知をMACシグナリングで行う場合、例えば、CoMPアクティブセット情報を、MAC CE(MAC control element)に含めて通知するようにすればよい。CoMPメジャメントセット内の各セルについて、CoMPアクティブセットに含めるか否かを1ビットで示したビットマップとしてもよい。CoMPメジャメントセット内の各セルのナンバの昇順あるいは降順に、ビットマップとしてもよい。これによって、情報量が、CoMPメジャメントセット内のセル数のビット数で済む。
CoMPメジャメントセットに含める場合をアクティベート(activate:act)とし、CoMPメジャメントセットに含めない場合をデアクティベート(deactivate:deact)としてもよい。すなわち、CoMPメジャメントセットのうち、アクティベート(activate)するセルの集合をCoMPアクティブセットとするとよい。
CoMPアクティブセットを通知された場合のUEの動作について開示する。UEは、MACシグナリングによって通知されたCoMPアクティブセット内のセルのCSI−RSを測定し、サービングセルに測定結果を報告する。
CoMPアクティブセットが設定された場合、UEは、CoMPアクティブセット外のセルのCSI−RSを測定および報告しないようにしてもよい。これによって、UEは、CoMPメジャメントセット内の全てのセルのCSI−RSを測定する必要が無くなるので、低消費電力化を図ることができる。この場合、CoMPアクティブセットに含めるセルの選択の判断指標として、UEによるCRSの測定および報告結果、あるいは、UEからの上りリンクの通信品質を用いるようにすればよい。
また、他の方法として、CoMPアクティブセットが設定された場合、UEは、CoMPアクティブセット内のセルとCoMPアクティブセット外のセルとで、CSI−RSの測定周期および報告周期の少なくともいずれか一方を異ならせるとよい。具体的には、CoMPアクティブセット外のセルのCSI−RSの測定周期および報告周期を、CoMPアクティブセット内のセルのCSI−RSの測定周期および報告周期よりも長くするとよい。
これによって、CoMPトランスミッションポイントを選択するときには、短い周期のCSI−RSの測定結果を用いることが可能となり、CoMPに適したCoMPトランスミッションポイントの選択が可能となる。他方、CoMPアクティブセットを選択するときには、長い周期のCSI−RSの測定結果を用いることによって、UEの消費電力を低減することが可能となる。したがって、CoMPに適したCoMPトランスミッションポイントの選択を可能としつつ、UEの消費電力を低減することが可能となる。
CoMPアクティブセットが設定された場合に、UEがCoMPアクティブセット外のセルのCSI−RSを測定および報告しないようにする設定、あるいは、UEがCoMPアクティブセット内のセルとCoMPアクティブセット外のセルとで、CSI−RSの測定周期および報告周期の少なくともいずれか一方を異ならせる設定は、サービングセルからUEに個別シグナリングで通知するとよい。個別シグナリングとして、RRCシグナリングを用いるとよい。例えば、CoMPメジャメント構成をUEに通知するときに、併せて通知するようにしてもよい。また、動的あるいは準静的に設定するようにしてもよい。
また、前述の設定を予め静的に規格で決めておいてもよい。これによって、UEは、MACシグナリングでCoMPアクティブセットを通知された場合に、CoMPアクティブセット外のセルのCSI−RSの測定をどのようにするかの判断をすることが可能となる。
CoMPアクティブセットが設定された場合、CoMPアクティブセット外のセルからCSI−RSを送信しないようにしてもよい。これによって、該セルから不要な送信を行わなくて済む。
また、CoMPアクティブセットが設定された場合、CoMP対象のUEに対して、CoMPアクティブセット外のセルからはCoMPが実行されないようにしてもよい。
CoMPメジャメントセットにおいては、CoMP対象のUEに対してCoMPの実行を可能とするので、該UEのデータ、それに関する情報およびスケジューリング情報を、CoMPメジャメントセット内のセル間で送受信する必要がある。したがって、CoMPメジャメントセット内のセル数が多いと、ネットワーク側における制御負荷およびシグナリング負荷が増大する。
前述のようにCoMPアクティブセット外のセルからはCoMPが実行されないようにすることによって、このようなネットワーク側における制御負荷およびシグナリング負荷の増大を抑制することが可能となる。
この場合、CoMPアクティブセット外のセルからCSI−RSを送信するようにしてもよいし、UEはCoMPアクティブセット外のセルからのCSI−RSを測定するようにしてもよい。たとえこのようにしても、CoMPアクティブセット外のセルからはCoMPが実行されないようにすることによって、CoMP対象のUEのデータ、それに関する情報およびスケジューリング情報を、ネットワーク側においてやりとりする必要が無くなる。したがって、ネットワーク側における制御負荷およびシグナリング負荷の増大を抑制することが可能となる。
CoMPアクティブセット内のセルから、CoMPトランスミッションポイントを選択する方法を開示する。サービングセルは、UEから報告されたCSI−RSの測定結果を用いて、CoMPトランスミッションポイントを選択する。CoMPアクティブセットが設定されなかった場合は、CoMPメジャメントセット内のセルから、CoMPトランスミッションポイントが選択される。CoMPアクティブセットが設定されなかった場合、サービングセルは、UEから報告されたCoMPメジャメントセット内のセルのCSI−RSの測定結果を用いて、CoMPトランスミッションポイントを選択するとよい。
CoMPアクティブセットを設けた場合のCoMPを実行するときのシーケンス例を開示する。CoMPアクティブセットの決定は、CoMPメジャメントセットの決定と、CoMPトランスミッションポイントの決定との間に行われる。図18は、実施の形態2における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図18に示すシーケンスは、図15および図16に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図18では、CoMPアクティブセットを設けた場合のCoMPを実行するシーケンスを示している。
UE1およびサービングセルは、第1の処理として、図15および図16に示すステップST1501〜ステップST1514の処理およびステップST1530の処理を行う。
ステップST1515において、UE1は、CSI−RSの測定結果をサービングセルに報告する。UE1からのCSI−RSの測定結果の報告を受信したサービングセルは、ステップST1701において、CoMPアクティブセットを設定することを決定する。具体的には、CoMPメジャメントセット内のセルのうち、アクティブ(active)とするセルを決定する。アクティブとするセルの決定の判断には、UEから報告されたCSI−RSの測定結果を用いる。
ステップST1702において、サービングセルは、UE1に、CoMPアクティブセットを通知する。CoMPアクティブセットの通知には、MACシグナリングを用いる。
CoMPアクティブセットを受信したUE1は、ステップST1703において、CoMPアクティブセット内のセルのCSI−RSの測定を行う。例えば、CSI−RSのRSRP/RSRQの測定を行う。
ステップST1703におけるCSI−RSの測定は、セル毎またはポイント毎に行ってもよい。CSI−RSの測定方法は、予め規格で決められてもよいし、CoMPメジャメント構成に含めて、サービングセルからUEに通知するようにしてもよい。CoMPメジャメント構成に含めて通知することによって、動的あるいは準静的に測定方法を変更することが可能となる。これによって、CoMPに適したCoMPトランスミッションポイントの選択を行うことができる。
CoMPアクティブセットのCSI−RSの測定は、UE1がCoMPアクティブセットの構成を受信した後、CoMPアクティブセットの構成の解除(リリース)を受信するまで行われるようにするとよい。あるいは、CoMPアクティブセット内セルが全てデアクティブ(deactive)状態になるまで行われるようにするとよい。CSI−RSの測定は、定期的に行われてもよいし、周期的に行われてもよい。
ステップST1704において、UE1は、CSI−RSの測定値からCSIを導出する。ステップST1704のCSIの導出処理は、行われなくてもよい。
ステップST1705において、UE1は、CoMPアクティブセット内セルのCSI−RSの測定結果(CSI-RS measurement report)、例えばRSRP/RSRQの測定結果、およびCSIの導出結果(CSI feedback)をサービングセルに報告する。前述のステップST1704のCSIの導出処理が行われない場合は、CSIの導出結果の報告は行われない。CSI−RSの測定結果の報告は、定期的に行われてもよいし、周期的に行われてもよいし、所定の条件を満たした場合に行われるようにしてもよい。CoMPアクティブセットおよびCSI−RSメジャメントリポートにサービングセルを含ませるようにしてもよい。また、サービングセルのCSI−RSメジャメント結果は、必ずCSI−RSメジャメントリポートで報告するようにしてもよい。
ステップST1516において、サービングセルは、報告されたCSI−RSの測定結果、例えばRSRP/RSRQの測定結果と、CSIの導出結果とから、CoMPトランスミッションポイントを決定する。あるいは、セルの負荷(ロード)などの指標を併せて用いてもよい。前述のステップST1705のCSIの導出結果の報告が行われない場合は、サービングセルは、CSI−RSの測定結果から、CoMPトランスミッションポイントを決定する。
ステップST1705の処理が終了したUE1、およびステップST1516の処理が終了したサービングセルは、第2の処理として、図15および図16に示すステップST1517〜ステップST1529の処理を行う。
本実施の形態で開示した方法によって、UEは、少なくともCoMPアクティブセット内セルのCSI−RSの測定を行えばよくなるので、低消費電力化を図ることが可能となる。
また、MACシグナリングでUEに通知することによって、低遅延でCoMPアクティブセットを設定することができる。これによって、RRCシグナリング量の増大を抑えることができ、CoMPに適したCoMPトランスミッションポイントの選択を行うことが可能となる。
したがって、UEの移動および電波環境の早い変動に適したCoMPの実行が可能となる。これによって、高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、および通信システムにおけるスループットの増大を図ることが可能となる。
実施の形態3.
3GPP R1−113295(以下「参考文献1」という)には、リリース8,9,10では、RRMメジャメントセットが一つのUEからのCRSの測定結果に基づいて管理されることが開示されている。
また、付加的なRRMメジャメントのメカニズムが、CoMPメジャメントセットを選択するために必要とされることが開示されている。
また、付加的なRRMメジャメントのメカニズムとして、CRSによるRSRP/RSRQの測定、すなわち通常のRRMメジャメントとCSI−RSとによるCQIの併用、SRSの使用、および、CSI−RSによるRSRP/RSRQの測定の使用が開示されている。
3GPP R1−113064(以下「参考文献2」という)には、CoMPトランスミッションポイントを選択する方法として、UEによるCoMPメジャメントセット内の各セルのCSI−RSの測定結果に基づいてネットワーク側が判断することが開示されている。
以上のようにCoMPでは、CoMPメジャメントセットおよびCoMPトランスミッションポイントを選択する方法として、UEによるCRSあるいはCSI−RSの測定結果を使用することが検討されている。
しかし、UEによるCRSあるいはCSI−RSの測定結果を使用した場合、場所によっては、たとえ、複数のアンテナポートによるMIMO(Multiple Input Multiple Output)技術を用いてCoMPを実行したとしても、良好な受信品質を得られないことがあるという問題がある。これは、複雑な電波環境による、他の多数のセルからの干渉、各パスの遅延、位相および電力、あるいはそれらパス間の相互関係、ならびにマルチパスなどの影響を正確に評価できないために、CoMPに適したセルを選択できないからである。
前述のCoMPに適したセルを選択できないという問題を解消するために、本実施の形態では、CoMPセットにおいて、セット内のセル(以下「セット内セル」という場合がある)の選択に、UEの位置に関する情報である位置情報を用いる。
CoMPメジャメントセットにおけるセット内のセルの選択に、UEの位置情報を用いる場合を示す。CoMPメジャメントセット、具体的にはCoMPメジャメントセット内セルの選択を行うエンティティあるいは装置が、CoMPを行わせるUEの位置情報を取得する。
取得した位置情報を用いてCoMPメジャメントセットの選択を行う。例えば、図15および図16に示すシーケンスにおいて、サービングセルは、ステップST1530の処理を実行する前に、UE1の位置情報を取得する。サービングセルは、ステップST1530において、取得した位置情報を用いて、CoMPメジャメントセットの選択を行う。UEの位置情報を取得することによって、セルとUEとの位置関係を認識できるようになる。したがって、電波環境のように変動するような指標ではなく、位置関係という地理的に決定される指標を用いて、CoMPメジャメントセットの選択を行うことができる。これによって、よりCoMPに適したCoMPメジャメントセットを選択することができる。
また、CoMPメジャメントセットの選択に、UEの位置情報だけでなく、UEから報告されたCRSの測定結果を併せて用いてもよい。あるいは、CSI−RSの測定結果を併せて用いてもよい。あるいは、セルの負荷(ロード)などの指標を併せて用いてもよい。このように変動性の指標と地理的な指標とを組合せることによって、ダイナミックな時間変化への対応も可能となり、さらにCoMPに適したCoMPメジャメントセットを選択することができる。
移動体通信システムには、3GPP TS23.271 V10.2.0(以下「参考文献3」という)に開示されるように、LCS(Location Service)と称される機能が搭載されている。LCSは、位置情報を用いた商用サービス、無線通信システムの管理、緊急時の位置確認、および犯罪捜査などの法的事由に基づく移動端末装置の位置確認などを目的として、移動端末装置の位置を推定するための機能である。
また、移動端末装置の位置推定方法として、例えば3GPP TS36.305 V10.3.0(以下「参考文献4」という)に開示されているLPP(LTE Positioning Protocol)がある。
CoMPメジャメントセットを選択するエンティティがUEの位置情報を取得する方法として、参考文献3および参考文献4に開示された方法を用いるとよい。しかし、これらの方法では、LPPを含むLCSを管理するエンティティであるE−SMLC(Evolved Serving Mobile Location Centre)がUEの位置情報を管理する。したがって、UEの位置情報は、E−SMLCに通知されるので、通常、CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティがUEの位置情報を取得することはできない。
本実施の形態では、CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティがUEの位置情報を取得する方法を開示する。
CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティが、UEが自UEの位置情報をE−SMLCに通知するメッセージを受信して、UEの位置に関する情報のみを取出す。
図19は、実施の形態3における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図19では、CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティが、UEの位置情報を取得するシーケンスを示している。本シーケンスでは、CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティを、サービングセルとしている。
ステップST1801において、E−SMLCは、位置情報要求(request location information)メッセージをMMEに通知する。
ステップST1802において、MMEは、NASメッセージとして、受信した位置情報要求メッセージをサービングセルに通知する。
ステップST1803において、サービングセルは、受信した位置情報要求メッセージをUEに転送する。
ステップST1804において、UEは、自UEの位置情報を、位置情報提供(provide location information)メッセージに含めて、サービングセルに通知する。UEの位置情報は、例えば全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)を用いて取得するとよい。
位置情報提供メッセージを受信したサービングセルは、位置情報提供メッセージのうち、UEの位置に関する情報のみを取出す。サービングセルは、このようにして取得したUEの位置情報を記憶しておくとよい。
ステップST1805において、サービングセルは、受信した位置情報提供メッセージを、MMEに通知する。
ステップST1806において、MMEは、受信した位置情報提供メッセージを、E−SMLCに通知する。
位置情報要求メッセージは、MMEおよびサービングセルを介して、UEに通知される。位置情報提供メッセージは、サービングセルおよびMMEを介して、E−SMLCに通知される。MMEとサービングセルとの間、およびサービングセルとUEとの間では、NASメッセージが用いられる。
サービングセルは、ステップST1804でUEから受信したNASメッセージのうち、UEの位置に関する情報のみを取出すために、NASメッセージのメッセージタイプ情報を受信する。サービングセルは、NASメッセージのメッセージタイプ情報が、LPPあるいはLCSに関連する情報であることを示している場合、NASメッセージを受信して、UEの位置に関する情報を取出すとよい。これによって、UEから通知される全てのNASメッセージを受信して取出す必要が無くなり、サービングセルでの低消費電力化および低遅延化を図ることができる。NASメッセージのメッセージタイプ情報としては、「Generic message container type」の情報を用いてもよい。
ステップST1804〜ステップST1806におけるUEからE−SMLCへの位置情報の提供は、ステップST1807〜ステップST1809に示すように、定期的にあるいは周期的に行われてもよい。
この場合、サービングセルは、逐次、UEからの位置提供メッセージから、UEの位置に関する情報を受信し、デコードして得たUEの位置情報をアップデートする。これによって、サービングセルは、常に最新のUEの位置情報を取得することが可能となる。したがって、サービングセルは、CoMPメジャメントセットの選択を行うときに、常に最新のUEの位置情報を用いることが可能となる。
CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティがUEの位置情報を取得する他の方法を開示する。
CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティが、LCSのクライアント機能を有するようにする。例えば、サービングセルのRRCが、LCSのクライアント機能を有するようにすればよい。
これによって、CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティが、必要に応じて、所望のUEの位置情報をE−SMLCから取得することが可能となる。
図20は、実施の形態3における移動体通信システムのシーケンスの他の例を示す図である。図20では、LCSのクライアント機能を有するCoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティが、UEの位置情報を取得するシーケンスを示している。本シーケンスでは、CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティを、サービングセルが有するとしている。
ステップST1901において、LCSのクライアント機能を有するサービングセルは、所望のUEの位置情報要求メッセージを、MMEを介してE−SMLCに通知する。サービングセルからMMEへの通知には、S1メッセージを用いるとよい。サービングセルは、LCSのクライアント機能を有するので、E−SMLCに対して所望のUEの位置情報を要求することが可能となる。
ステップST1902において、E−SMLCは、受信した位置情報要求メッセージをUEに通知する。この通知方法は、図19に示した方法を用いればよい。
ステップST1903において、UEは、自UEの位置情報を、位置情報提供メッセージに含めて、サービングセルおよびMMEを介して、E−SMLCに通知する。UEからMMEへの通知には、NASメッセージを用いるとよい。
ステップST1904において、E−SMLCは、受信した所望のUEからの位置情報提供メッセージを、位置情報要求元のサービングセルに通知する。これによって、サービングセルは、所望のUEの位置情報を取得することが可能となる。
ステップST1903におけるUEからE−SMLCへの位置情報の提供、およびステップST1904におけるE−SMLCからサービングセルへの位置情報の提供は、ステップST1905およびステップST1906に示すように、定期的にあるいは周期的に行われてもよい。
この場合、サービングセルは、逐次、UEからの位置提供メッセージから、UEの位置に関する情報を受信して、得られたUEの位置情報をアップデートするとよい。これによって、サービングセルは、常に最新のUEの位置情報を取得することが可能となる。したがって、サービングセルは、CoMPメジャメントセットの選択を行うときに、常に最新のUEの位置情報を用いることが可能となる。
CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティがUEの位置情報を取得する、さらに他の方法を開示する。
MMEが、LCSのクライアント機能を有するようにし、CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティが、MMEにUEの位置に関する情報を要求するようにする。これによって、CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティが、必要に応じて、所望のUEの位置情報をE−SMLCから取得することが可能となる。
図21は、実施の形態3における移動体通信システムのシーケンスのさらに他の例を示す図である。図21では、MMEがLCSのクライアント機能を有し、CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティが、MMEにUEの位置に関する情報を要求してUEの位置情報を取得するシーケンスを示している。本シーケンスでは、CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティを、サービングセルとしている。
ステップST2001において、サービングセルは、所望のUEの位置情報提供を要求するメッセージを、MMEに通知する。すなわち、所望のUEの位置情報の提供を必要とするサービングセルは、所望のUEの位置情報提供を、MMEに要求する。サービングセルからMMEへの通知には、S1メッセージを用いるとよい。所望のUEの位置情報提供を要求するメッセージを、S1メッセージとして新たに設けてもよい。
ステップST2002において、MMEは、位置情報要求メッセージをE−SMLCに通知する。MMEは、LCSのクライアント機能を有するので、E−SMLCに対して所望のUEの位置情報を要求することが可能となる。MMEは、任意のセルからの所望のUEの位置情報提供を要求するメッセージを受信することによって、E−SMLCに対して所望のUEの位置情報要求メッセージを起動するとよい。
ステップST2003において、E−SMLCは、位置情報要求メッセージをUEに通知する。この通知方法は、図19に示した方法を用いればよい。
ステップST2004において、UEは、自UEの位置情報を、位置情報提供メッセージに含めて、サービングセルおよびMMEを介して、E−SMLCに通知する。UEからMMEへの通知には、NASメッセージを用いるとよい。
ステップST2005において、E−SMLCは、受信した所望のUEからの位置情報提供メッセージを、位置情報要求元のMMEに通知する。
ステップST2006において、MMEは、受信した位置情報提供メッセージに含まれる所望のUEの位置に関する情報を、位置情報提供の要求を行ったセル、ここではサービングセルに、位置情報提供の要求に対する応答(以下「位置情報応答」という場合がある)として通知する。これによって、サービングセルは、所望のUEの位置情報を取得することが可能となる。
ステップST2004およびステップST2005におけるUEからMMEへの位置情報の提供は、ステップST2007およびステップST2008に示すように、定期的にあるいは周期的に行われてもよい。
また、ステップST2005の処理を契機に、ステップST2006におけるMMEからサービングセルへの位置情報応答が、ステップST2009に示すように、定期的にあるいは周期的に行われてもよい。
この場合、サービングセルは、逐次UEからの位置提供メッセージから、UEの位置に関する情報を受信し、デコードして得たUEの位置情報をアップデートするとよい。これによって、サービングセルは、常に最新のUEの位置情報を取得することが可能となる。したがって、サービングセルは、CoMPメジャメントセットの選択を行うときに、常に最新のUEの位置情報を用いることが可能となる。
CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティが取得したUEの位置情報を用いて、CoMPメジャメントセットの選択を行う方法として、以下の(1)〜(4)の4つを開示する。
(1)少なくとも、最新のUEの位置から最も近いセルを選択する。
(2)最新のUEの位置との距離が最も近いセルから上位k個のセルを選択する。kは、自然数であり、予め決められていてもよい。
(3)最新のUEの位置との距離が所定の閾値よりも小さいセルを選択する。所定の閾値は、予め決められていてもよい。
(4)前記(1)〜(3)の組合せ。
前記(1)〜(4)の方法では、最新のUEの位置情報に基づいて最新の位置を導出しているが、過去および最新のUEの位置情報から現時点の位置を導出してもよい。このようにして導出した結果をUEの位置とすればよい。
前述の方法においてセルの位置情報を用いるとよい。CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティが、予め周辺セルの位置情報を取得しておくとよい。周辺セルとして、周辺のCoMP可能なセル、あるいはCoMPコオペレーティングセット内のセルなどである。あるいは、CoMP可能なセルに限らなくてもよい。各セルは、例えばGPSなどによって認識した自セルの位置を、OAM(Operation Administration and Maintenance)に通知しておく。CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティは、OAMから周辺セルの位置情報を取得する。したがって、CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティが、OAMに周辺セルの位置情報を要求するメッセージを通知するようにしてもよい。また、E−SMLCがセルの位置情報を管理しているような場合は、CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティが、E−SMLCから周辺セルの位置情報を取得するとよい。この方法として、本実施の形態で開示した、CoMPメジャメントセットの選択を行うエンティティがUEの位置情報を取得する方法を適用することができる。これによって、UEの位置情報とセルの位置情報とを用いて、CoMPメジャメントセットの選択を行うことができる。
また、CoMPメジャメントセットの選択を行うときに、UEの位置情報だけでなく、UEから報告されたCRSの測定結果、あるいは、CSI−RSの測定結果を併せて用いてもよい。あるいは、セルの負荷(ロード)などの指標を併せて用いてもよい。このように変動性の指標と地理的な指標とを組合せることによって、ダイナミックな時間変化への対応も可能となり、さらにCoMPに適したCoMPメジャメントセットを選択することができる。
本実施の形態で開示した方法は、RRMメジャメントセット、具体的にはRRMメジャメントセットに含まれるセルの選択に適用することができる。
また本実施の形態で開示した方法は、CoMPアクティブセット、具体的にはCoMPアクティブセットに含まれるセルの選択に適用することができる。
また本実施の形態で開示した方法は、CoMPトランスミッションポイントの選択に適用することができる。
実施の形態4.
参考文献1には、どのRS(Reference Signal)に基づいてCoMPメジャメントセットを選択するのかについて、以下の(a)〜(d)の4つの方法が開示されている。(a)RRMメジャメントリポート、すなわちCRSのRSRP/RSRQに基づいて判断する。(b)CSIフィードバック情報とCRSのRSRP/RSRQとに基づいて判断する。(c)SRS/PUCCH/PUSCHに基づいて判断する。(d)CSI−RSのRSRP/RSRQに基づいて判断する。
また、参考文献2には、CoMPメジャメントセット内セルの選択について、所定の閾値(RSRP/RSRQ)に基づいて選択する、あるいは、固定のメジャメントセットサイズ(N)に基づいて選択することが開示されている。
しかし、参考文献2には、固定のメジャメントセットサイズ(N)の値の決定方法については、何ら開示されていない。メジャメントセットサイズ(N)が大きくなると、CSI−RSの測定が必要となるセル数が増大する。したがって、UEでは、回路規模の増大、消費電力の増大およびコストの増大という問題が生じる。
このような問題を解消するために、メジャメントセットサイズ(N)は、UE毎の個別の値とするとよい。これによって、UE毎に最適なメジャメントセットサイズを設定することが可能となる。
この場合、UEのケーパビリティに、CoMP可能なセル数(Nu)を含め、UEは、CoMP可能なセル数(Nu)をケーパビリティ情報として、ネットワーク側に通知する。具体的には、CoMP可能なセル数(Nu)をアタッチ、またはTAUメッセージに含めて通知するとよい。CoMP可能なセル数(Nu)としては、CSI−RSの測定が可能なセル数としてもよい。ネットワーク側は、CoMP可能なセル数(Nu)を記憶する。
ネットワーク側は、CoMP可能なセル数(Nu)をセントラルエンティティに通知する。あるいは、セントラルエンティティが、ネットワーク側に、CoMP可能なセル数(Nu)の通知を要求してもよい。これによって、セントラルエンティティが、所望のUEのCoMP可能なセル数(Nu)を認識することが可能となる。
セントラルエンティティは、所望のUEのCoMPメジャメントセットの選択に、UEのCoMP可能なセル数(Nu)を使用する。例えば、メジャメントセットサイズ(N)をUEのCoMP可能なセル数(Nu)とすればよい。または、メジャメントセットサイズ(N)を、UEのCoMP可能なセル数(Nu)よりも小さくすればよい。
これによって、低価格帯のUEなどでは、CoMPできるセルを限定することができるようになり、回路規模の増大、消費電力の増大およびコストの増大を防ぐことができる。UEのケーパビリティに応じてメジャメントセットサイズを最適化でき、回路規模、消費電力およびコストを増大させることなく、CoMPを実行することができる。
参考文献2に開示された方法では、メジャメントセットサイズ(N)は固定である。例えばセルが密に設置されているような場合、カバレッジの端部に存在するUEは、少数のセルによってCoMPが実行されることで所望の受信品質を得られる。
このように、少ないセルで所望の受信品質を得られるような状況においては、それよりも大きいメジャメントセットサイズ(N)が設定されている場合、UEにおいても、サービングセルあるいはCoMPメジャメントセット内セルにおいても、消費電力の無駄が生じるという問題がある。UEは、不要なセルのCSI−RSの測定を行わなければならないために、消費電力の無駄が生じる。また、CoMPメジャメントセット内のセルでは、不要なセルもCSI−RSを送信しなければならないので、消費電力の無駄が生じる。
このように消費電力の無駄が生じるという問題を解消するために、本実施の形態では、受信品質に基づいて、メジャメントセットサイズ(N)の値(以下「N値」という場合がある)を変更する。UEからの受信品質が良い場合は、N値を減らし、受信品質が悪い場合は、N値を増やすとよい。
N値を変更するために、受信品質の閾値を設定するとよい。例えば、受信品質の閾値A,Bを設定して、CoMP実行時のUEからの受信品質が閾値A以下である場合、N値は、メジャメントセットサイズ(N)の最大値Nmax(N=Nmax)とする。また、前記受信品質が閾値Aよりも大きくかつ閾値B以下である場合、N値は、Nmaxを2で割った値を整数化した値(N=int(Nmax/2))とする。また、前記受信品質が閾値Bよりも大きい場合、N値は、「1」(N=1)とする。
以上のようにすることによって、UEからの受信品質に基づいて、CoMPメジャメントセット内のセル数を変更することができ、消費電力の増大を抑制することができる。
本実施の形態では、前記受信品質が閾値Bよりも大きい場合、N値は、「1」(N=1)としたが、良好な受信品質の無線リンクが1つあれば、CoMPを停止することができる。例えば、CoMPメジャメントセット内セルがサービングセルだけの場合は、CoMPの実行を停止するようにしてもよい。サービングセルでない場合は、後述の実施の形態9で開示した方法によってCoMPを停止して、良好な受信品質のセルへ、対象となるUEをHO、すなわちセル変更させるようにするとよい。
N値は、所定の期間のUEからの受信品質の平均値に基づいて、変更するようにしてもよい。これによって、一時的な受信品質の変動に左右されること無く、N値を変更することが可能となる。したがって、安定したCoMP動作を行うことが可能となる。
本実施の形態で開示した方法は、CoMPアクティブセット、具体的にはCoMPアクティブセットに含まれるセルの選択に適用することができる。
また本実施の形態で開示した方法は、CoMPトランスミッションポイントの選択に適用することができる。
また本実施の形態で開示した方法は、RRMメジャメントセットの選択に適用することができる。UEは、RRMメジャメントセット内のCRSの測定を行う。
参考文献2あるいは3GPPでは、CoMPメジャメントセット内にサービングセルを含めるか否かの議論はなされていない。したがって、サービングセルの取扱いをどうしたらよいかが不明であるので、CoMPを実行することができない。
本実施の形態では、サービングセルの取扱いについて、以下の(1)〜(3)の3つの方法を開示する。
(1)サービングセルもCoMPメジャメントセットの取扱いに含める。すなわち、CoMPメジャメントセットの選択方法を適用する。例えば、サービングセルがCoMPメジャメントセット内に含まれている場合、UEによるサービングセルのCSI−RS測定値が劣化すると、サービングセルがCoMPメジャメントセットから削除されてしまうことが生じる。しかし、サービングセルがCoMPメジャメントセットから削除されたとしても、傘下のUEに対するCoMPは、CoMPメジャメントセット内の他のセルによって実行することが可能である。したがって、サービングセルもCoMPメジャメントセットの取扱いに含めても問題は無い。また、サービングセルもCoMPメジャメントセットの取扱いに含めることによって、CoMPメジャメントセットの制御が簡易化される。
(2)CoMPメジャメントセットにサービングセルを含めない。これによって、CoMPメジャメントセットとサービングセルとの扱いを異ならせることが可能となり、柔軟な制御が可能となる。この場合、UEは、CoMPメジャメントセットと関係なく、サービングセルのCSI−RSの測定を行うようにしてもよい。サービングセルは、CoMPメジャメントセットと関係なく、自セルのCoMPメジャメント構成をUEに通知するとよい。この通知には、個別シグナリングを用いるとよい。個別シグナリングは、RRCシグナリングとしてもよい。UEによるサービングセルのCSI−RSの測定結果は、サービングセルに報告されるようにしておくとよい。報告方法の設定は、自セルのCoMPメジャメント構成とともに、UEに通知しておくとよい。本方法によれば、前記(1)の方法において、サービングセルがCoMPメジャメントセットから削除された場合に、サービングセルのCSI−RSを用いた測定が行われなくなるという問題を解消することができる。本方法では、サービングセルは、CoMPメジャメントセットに含まれないが、CoMPをすることのできるセルとしてもよい。CoMPトランスミッションセルが、CoMPメジャメントセット内セルとサービングセルとから選択されるようにしてもよい。これは、サービングセルのCSI−RSを用いた測定が行われるようになるので可能である。
(3)CoMPメジャメントセットに必ずサービングセルを含める。前記(1)の方法とは異なり、必ずCoMPメジャメントセットに含めるので、CoMPメジャメントセットの扱いに従って、サービングセルのCSI−RSの測定が行われることになる。したがって制御が容易となる。この場合、サービングセルをCoMPメジャメントセットのNの数にカウントせず、必ずCoMPメジャメントセットに入れるようにすればよい。あるいは、CoMPメジャメントセットに入れるための所定の閾値によらず、必ずCoMPメジャメントセットに入れるようにすればよい。これによって、UEにより、サービングセルのCSI−RSを用いた測定が行われるようになる。前記(1)の方法において、サービングセルがCoMPメジャメントセットから削除された場合に、サービングセルのCSI−RSを用いた測定が行われなくなるという問題を解消することができる。
本実施の形態で開示した方法は、CoMPアクティブセット、具体的にはCoMPアクティブセットに含まれるセルの選択に適用することができる。
また本実施の形態で開示した方法は、RRMメジャメントセットの選択に適用することができる。UEは、RRMメジャメントセット内のCRSの測定を行う。
実施の形態5.
CoMP実行中のUEが移動したとき、サービングセルの受信品質が低下して、サービングセルを切替えた方が良い場合が生じる。3GPP R1−113092(以下「参考文献5」という)には、モビリティ制御用にRRMメジャメントリポートを用いることが開示されている。CoMP実行中のUEが移動した場合に、モビリティ制御用にRRMメジャメントリポートを用いると、以下のような問題が生じる。
図22は、CoMPに関するセットとUEによって測定されるRSとを説明するための図である。通常、RRMメジャメントセット内のセルは、UEによるRRMメジャメントによって構成されるので、CRSのRSRP/RSRQ測定が行われる。CoMPメジャメントセットは、前述のように、UEによってCSI−RSが測定されて報告されるセルの集合である。したがって、CoMPメジャメントセット内のセルは、UEによってCSI−RSのRSRP/RSRQ測定が行われる。図示していないが、CoMPアクティブセット内のセルも、CoMPメジャメントセット内のセルと同様である。CoMPトランスミッションポイントは、実際にUEへのデータ送信が行われるセルであるので、UEによってCSI−RSの測定が行われる。UEによるCSI−RSの測定結果から導出したCSIが、サービングセルにフィードバックされる。
図23は、CoMPに関するセット内セルの通信品質について説明するための図である。図23では、各CoMPに関するセット内のセルの番号と通信品質とを示している。図23では、上側に向かうに従って通信品質が高く、下側に向かうに従って通信品質が低い。
RRMメジャメントセットでは、UEによるCRSのRSRP/RSRQを通信品質として、セルが順位付けられる。図23に示す例では、セル#11(Cell#11)が最も通信品質が高く、セル#10(Cell#10)が最も通信品質が低い。図23に斜線のハッチングで示したセルは、サービングセルとCoMPの実行が不可能なセルである。
CoMPメジャメントセットでは、UEによるCSI−RSのRSRP/RSRQを通信品質として、セルが順位付けられる。CoMPメジャメントセットは、RRMメジャメントセットから選択される。このとき、実施の形態1で開示したように、CoMPコオペレーティングセット内のセルに限定して選択されるようにしておく。これによって、CoMPメジャメントセットは、CoMP実行可能なセルに限定される。図23に示す例では、セル#5(Cell#5)が最も通信品質が高く、セル#6(Cell#6)が最も通信品質が低い。
RRMメジャメントセットとCoMPメジャメントセットとで、通信品質の順位が異なるのは、通信品質に用いる指標が異なるためである。RRMメジャメントセットでは、通信品質の指標として、CRSのRSRP/RSRQが用いられるのに対し、CoMPメジャメントセットでは、通信品質の指標として、CSI−RSが用いられるためである。
CoMPトランスミッションポイントでは、UEによるCSI−RSの測定値から導出したCSIを通信品質として、セルが順位付けられる。CoMPトランスミッションポイントは、CoMPメジャメントセットから選択される。図23に示す例では、セル#5(Cell#5)が最も通信品質が高く、セル#1(Cell#1)が最も通信品質が低い。
図23に示す例において、CoMP実行中のUEが移動した場合に、RRMメジャメントリポートに基づいてサービングセルの切替えが行われると、CoMPの実行が不可能なセルに切替わるおそれがある。例えば、セル#11(Cell#11)が、RRMメジャメントリポートによる通信品質が最良なセルとなる。したがって、セル#11(Cell#11)を新たなサービングセルとしてサービングセルを切替えた場合、新たなサービングセルにおいて、CoMPの実行が不可能となり、良好な通信品質が得られなくなるという問題が発生する。
本実施の形態では、前述のように良好な通信品質が得られなくなるという問題を解消するための方法を開示する。
CoMP実行中のサービングセルの切替えにおいて、新たなサービングセルの選択に、CoMP実行可能なセルを優先する。
CoMP実行中のサービングセルの切替えを、HO(セルチェンジを含む)処理で行う。HO決定(HO decision)処理におけるターゲットセルの選択において、CoMP実行可能なセルを優先する。
CoMPコオペレーティングセット内のセルを優先してもよい。言い換えると、CoMPコオペレーティングセット外のセルを除くとよい。
また、HO決定処理におけるターゲットセルの選択において、CoMPメジャメントセット内のセルを優先してもよい。
これによって、CoMP実行中のUEが移動した場合、新たなサービングセルは、CoMP実行可能なセルになるので、UEは、新たなサービングセルでCoMPを実行することが可能となり、良好な通信品質を得ることができる。
例えば、図23においてサービングセルの受信品質が低下してHO(セルチェンジを含む)処理が起動された場合、HO決定処理におけるターゲットセルの選択において、CoMPの実行が不可能なセル#11(Cell#11)ではなく、CoMPの実行が可能なセル#8(Cell#8)を選択する。これによって、UEは、新たなサービングセルでCoMPを実行することが可能となり、良好な通信品質を得ることができる。
他の例として、図23において、サービングセルの受信品質が低下してHO(セルチェンジを含む)処理が起動された場合、HO決定処理におけるターゲットセルの選択において、RRMメジャメントセット内のセル#11(Cell#11)ではなく、CoMPメジャメントセット内のセル#5(Cell#5)を選択する。これによって、さらに新たなサービングセルにおいてCoMPを実行した場合の受信品質を向上することができる。
図24は、実施の形態5における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図24に示すシーケンスは、図15および図16に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図24では、HO決定処理におけるターゲットセルの選択において、CoMP実行可能なセルを優先する場合のシーケンスを示している。
セントラルエンティティの機能を有するサービングセルは、UE1に対して、図15および図16のステップST1501〜ステップST1526、ならびにステップST1530に示したように、CoMP処理を実行している。
ステップST1526において、サービングセルおよびUE1は、CoMP送受信およびCSIのフィードバックを行う。
ステップST2301において、UE1は、CRS測定によるRRMメジャメントを行う。ステップST2302において、UE1は、報告条件に従って、ステップST2301におけるRRMメジャメントの測定結果をメジャメントリポート(measurement report)メッセージとして、サービングセルに報告する。ステップST2301における測定には、サービングセル自身のCRSの測定も含まれる。ステップST2302におけるメジャメントリポートには、サービングセル自身のCRSの測定結果も含まれる。
ステップST2303において、サービングセルは、HO決定処理を行う。ステップST2303のHO決定処理は、ステップST2304およびステップST2305の処理を含む。
ステップST2304において、サービングセルは、UE1からのメジャメントリポートを用いて、UE1に対してHO処理を実行することを決定する。例えば、サービングセルのCRSの測定結果が、所定の閾値よりも小さくなった場合に、UE1に対してHO処理を実行することを決定する。
ステップST2305において、サービングセルは、ターゲットセルを決定する。サービングセルは、CoMPメジャメントセット内のセルのうち、通信品質が最良なセルをターゲットセルとする。CoMPメジャメントセット内で、HO対象のUEによるCSI−RSの測定結果から、通信品質の最も良いセルを選択する。
ステップST2303においてHO決定処理を行ったサービングセルは、ステップST2305で選択したセルをターゲットセルとして、ステップST2306において、HO処理を行う。
図24に示す例では、新たなサービングセルとして、CoMPメジャメントセット内のCSI−RSの受信品質の最も良いセルをターゲットセルとしたが、CSI−RSの測定結果の最も良いセルを選択しなくてもよい。すなわち、他の指標、例えば、各セルの負荷(ロード)なども考慮して、ターゲットセルを選択してもよい。CoMPメジャメントセット内のセルであればよい。
優先すべきセルが無い場合は、HO決定処理におけるターゲットセルの選択において、従来の選択方法を用いるとよい。例えば、UEのRRMメジャメントリポートによって、セル#11(Cell#11)、セル#12(Cell#12)、セル#13(Cell#13)の測定結果のみが報告された場合は、それらのセルの中からターゲットセルを選択すればよい。
これによって、CoMP実行中のUEが移動して、サービングセルの受信品質が低下し、サービングセルを切替えた方が良い場合に、新たなサービングセルでUEに対してCoMPを可能な限り継続して良好な受信品質が得られるように、サービングセルの切替えを行うことが可能となる。
CoMPの実行が可能なセルとして、CoMPメジャメントセット内のセルを開示したが、CoMPアクティブセット内セルを優先してもよい。または、CoMPトランスミッションポイント内セルを優先してもよい。
これらCoMPセット内での優先順位を決めてもよい。例えば、CoMPトランスミッションポイント内のセルの優先順位を「1」とし、CoMPアクティブセット内のセルの優先順位を「2」とし、CoMPメジャメントセット内のセルの優先順位を「3」とし、CoMPコオペレーションセット内のセルの優先順位を「4」とし、それ以外のセルの優先順位を「5」とするとよい。
このようにして新たなサービングセル(ターゲットセル)を選択することによって、新たなサービングセルにおいて、対象となるUEに対してCoMPを継続して、可及的に良好な受信品質を得ることが可能となる。
実施の形態5 変形例1.
参考文献5には、モビリティ制御用にRRMメジャメントリポートを用いることが開示されている。これは、モビリティ制御用として、UEによるCRSのRSRP/RSRQの測定結果を用いることを意味する。CoMP実行中のUEが移動した場合に、モビリティ制御用にUEによるCRSのRSRP/RSRQの測定結果を用いると、以下のような問題が生じる。
図23に示す例を用いて、モビリティ制御用にUEによるCRSのRSRP/RSRQの測定結果を用いた場合の問題について説明する。CoMP実行中のUEが移動し、従来のRRMメジャメントリポートに基づいて、サービングセルの切替えが行われる場合について説明する。
実施の形態5で開示したCoMPの実行が可能なセルからターゲットセルを選択する方法が適用される場合、セル#8(Cell#8)がRRMメジャメントリポートによる通信品質が最良なセルとなる。したがって、セル#8(Cell#8)を新たなサービングセルとしてサービングセルを切替える。
しかし、CoMPメジャメントセット内のうち、セル#8(Cell#8)は通信品質が最良のセルとならず、さらにCoMPトランスミッションポイントには選択されない場合が生じる。すなわち、セル#8(Cell#8)は、UEに対してCoMPによるデータ送信が行われないセルとなる。新たなサービングセルになったにも拘わらず、セル#8(Cell#8)からはCoMPによるデータの送受信が行われないことになる。これは、CoMPに関連するサービングセル以外のセルの数を増大させるなど、CoMPに適したサービングセルの切替えができなくなる。
このように、RRMメジャメントによる通信品質が最良なセルと、CoMPメジャメントセット内あるいはCoMPトランスミッションポイントのセルの通信品質が最良なセルとが異なる。これは、RRMメジャメントによる受信品質には、PDCCHがマッピングされる領域に存在するCRSの測定結果が用いられるのに対して、CoMPメジャメントセットあるいはCoMPトランスミッションポイントの受信品質には、PDSCHがマッピングされる領域に存在するCSI−RSの測定結果が用いられるためである。CoMPが実行されるデータは、PDSCH領域のシンボルにマッピングされるので、従来のRRMメジャメントにおけるCRSの測定は、CoMP実行時のPDSCHの品質を正確に表せていないことになる。
本変形例では、このような問題を解消するための方法を開示する。CoMP実行中のサービングセルの切替えにおいて、新たなサービングセルを選択するときに、UEによるCSI−RSの測定結果を用いる。CoMP実行中のサービングセルを切替える処理を、HO(セルチェンジを含む)処理で行い、HO決定処理におけるターゲットセルを選択するときに、CSI−RSの測定結果を用いる。CSI−RSの測定結果は、CSI−RSのRSRP/RSRQとしてもよいし、CSI−RSの測定結果から導出したCSI(CSI feedback)であってもよい。
例えば、図23においてサービングセルの受信品質が低下して、HO(セルチェンジを含む)処理が起動された場合、HO決定処理におけるターゲットセルの選択において、CRSの測定結果による最良な受信品質のセル#8(Cell#8)ではなく、CSI−RSの測定結果による最良な受信品質のセル#5(Cell#5)を選択する。これによって、UEは、新たなサービングセルで良好な通信品質が得られるようになる。
本変形例におけるシーケンスは、図24に示すシーケンスの一部を変更すればよい。すなわち、本変形例では、図24のステップST2305において、HO対象のUEによるCSI−RSの測定結果から、測定結果の通信品質が最良のセルをターゲットセルに選択する処理を行うようにすればよい。
CSI−RSの測定結果による最良な受信品質のセルとして、CoMPメジャメントセット内のセルとしてもよいし、あるいは、CoMPトランスミッションポイント内のセルとしてもよい。CoMP実行中のUEが移動した場合、新たなサービングセルは、CoMPメジャメントセット内あるいはCoMPトランスミッションポイント内のセルになるので、UEは、新たなサービングセルを含めたCoMPの実行が可能となり、良好な通信品質が得られるようになる。
実施の形態5 変形例2.
CoMP実行中のUEが移動すると、サービングセルの受信品質が低下して、サービングセルを切替えた方が良い場合が生じる。従来の、CoMPを実行していないUEに対するサービングセルの切替え処理、例えばHO処理において、サービングセルの受信品質の評価には、UEによるサービングセルのCRSの測定結果が用いられる。
しかし、実施の形態5および実施の形態5の変形例1で開示したように、CoMP実行中のUEにとって、CRSの測定結果は、CoMP実行時の通信品質を正確に表せていない。したがって、CoMPを実行しているUEに対して、従来のようにサービングセルのCRSの測定結果を用いて受信品質が低下したと判断してサービングセルを切替えると、実際には、CoMP実行中の通信品質が良好で、サービングセルを切替える必要が無かったというような場合が生じる。このような場合、サービングセルの切替えを行っても、新たなサービングセルで良好な通信品質を得られなくなることがある。
本変形例では、このような問題を解消するための方法を開示する。CoMP実行中のサービングセルの切替えの判断において、UEによるサービングセルのCSI−RSの測定結果を用いる。サービングセルの受信品質として、UEによるCSI−RSの測定結果を用いる。CoMP実行中のUEが移動したとき、サービングセルの受信品質が低下した場合、サービングセルの切替えを決定する。例えば、サービングセルの受信品質が所定の閾値以下になった場合、サービングセルの切替えを行うと判断するとよい。CSI−RSの測定結果としては、CSI−RSのRSRP/RSRQであってもよいし、CSI−RSの測定結果から導出したCSI(CSI feedback)であってもよい。
これによって、CoMP実行中のUEが、サービングセルでの通信品質が良好であるにもかかわらず、サービングセルの切替えが行われてしまうという問題を解消することができる。したがって、CoMP実行中のUEが、サービングセルとの良好な通信品質が得られるようになる。
CoMP実行中のUEがサービングセルのCSI−RSの測定を行うようにする方法として、実施の形態4で開示したサービングセルの取扱い方法のうち、(2)あるいは(3)の方法を用いるとよい。UEが、サービングセルのCSI−RSを測定することになる。サービングセルのCSI−RSの測定は、定期的に行ってもよいし、周期的に行ってもよい。
サービングセルの切替えを、HO(セルチェンジを含む)処理で行い、HO決定処理におけるHO実行の判断に、サービングセルのCSI−RSの測定結果を用いてもよい。
図25は、実施の形態5の変形例2における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図25に示すシーケンスは、図15、図16および図24に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図25では、HO決定処理におけるHO実行の判断に、サービングセルのCSI−RSの測定結果を用いた場合のシーケンスを示している。本シーケンスでは、図24のステップST2304の処理に代えて、ステップST2401の処理を行う。
セントラルエンティティの機能を有するサービングセルは、UE1に対して、図15および図16のステップST1501〜ステップST1526ならびにステップST1530の処理と同様に、CoMPを実行する。ステップST1515において、UEからサービングセルに通知するCSI−RSのメジャメントリポートあるいはCSIフィードバックに、サービングセルのCSI−RSの測定結果を含めてもよい。あるいは、ステップST1526において、UEからサービングセルに通知するCSIフィードバックに、サービングセルのCSI−RSの測定結果を含めてもよい。あるいは、ステップST1526と併せて、サービングセルのCSI−RSのRSRP/RSRQの測定結果を通知してもよい。これによって、サービングセルは、UE1による自セルのCSI−RSの測定結果を取得することができる。
ステップST2303において、サービングセルは、HO決定処理を行う。ステップST2303のHO決定処理は、ステップST2401およびステップST2305の処理を含む。
ステップST2401において、サービングセルは、UE1からのCSI−RSの測定結果を用いて、UE1に対してHO処理を実行することを決定する。例えば、サービングセルのCSI−RSの測定結果が、所定の閾値よりも小さくなった場合に、UE1に対してHO処理を実行することを決定する。
ステップST2305において、サービングセルは、ターゲットセルを決定する。ステップST2303においてHO決定処理を行ったサービングセルは、ステップST2305で選択したセルをターゲットセルとして、ステップST2306において、HO処理を行う。
本変形例で開示した方法によって、CoMP実行中のUEが、サービングセルとの良好な通信品質が得られるようになる。
本実施の形態および変形例では、CoMP実行中のサービングセルの切替えにおいて、新たなサービングセルの選択およびHO実行の決定に、UEによるCSI−RSの測定結果を用いることを開示した。
UEによるCSI−RSの測定結果を用いるようにするために、CSI−RSの測定用の報告条件を新たに設けてもよい。従来のCRSの測定結果用の報告条件であるCRS測定結果の代わりに、CSI−RSの測定結果を用いるようにしてもよい。
サービングセルは、CSI−RSの測定用の報告条件をUEに通知する。また、サービングセルは、CoMP実行中に用いるためのメジャメントである旨を示すインジケータを設けて通知してもよい。サービングセルは、報告条件およびインジケータの少なくともいずれか一方を、メジャメント構成(measurement configuration)に含めてUEに通知してもよい。
また、CoMP実行中のメジャメントは、CSI−RSの測定であることを静的に決めておいてもよい。例えば、予め規格などで決めておいて、UEとネットワーク側とで認識を共有できるようにしておけばよい。これによって、前記インジケータが不要となり、シグナリングが必要な情報量を削減することができる。
UEによるCSI−RSの測定は、CSI−RSの構成(configuration)が通知されたセルに限定してもよい。サービングセルは、自セルのCSI−RSの構成もUEに通知しておくとよい。
サービングセルがCoMPを行うにあたり、CSI−RSを測定させるセルのCSI−RSの構成(configuration)がUEに通知されるが、CSI−RSを測定させるセルに限定するとよい。これに自セルのCSI−RSの構成を含めておくとよい。
これによって、UEは、セルのCSI−RSの構成を認識することができるので、CSI−RSの測定を行うことが可能となる。
限定するセルとして、自セルのほか、付加的なRRMメジャメントを行うセルであってもよいし、CoMPメジャメントセット内のセルであってもよいし、CoMPアクティブセット内のセルであってもよい。
UEは、サービングセルから通知されたCSI−RSの報告条件に従って、CSI−RSの測定結果をサービングセルに通知する。これによって、サービングセルは、CoMP実行中のUEのサービングセルの切替えにおいて、新たなサービングセルの選択およびHO実行の決定に、UEによるCSI−RSの測定結果を用いることが可能となる。
本実施の形態では、CoMP実行中のサービングセルの切替えにおいて、新たなサービングセルの選択およびHO実行の決定に、UEによるCSI−RSの測定結果を用いることを開示したが、これに限らず、以下の(1)〜(4)の4つの指標を用いてもよい。
(1)UEからの上りリンクの通信品質。上りリンクの通信品質として、SRS、PUCCH、PUSCHの通信品質とするとよい。
(2)UEの位置情報。
(3)UEによる下りリンクの復調用参照信号(DM−RS)の測定結果。
(4)UEの移動速度情報。
前記(1)〜(4)の指標を用いることによって、CoMP実行中のUEに対して、さらにCoMPに適したサービングセルの切替えを実行することが可能となり、良好な通信品質を得ることが可能となる。
実施の形態6.
CoMP、CAなどのために、新たな物理制御チャネルとして、ePDCCHが3GPPリリース11で検討されている(3GPP R1−113157(以下「参考文献6」という)参照)。
3GPP R1−114214(以下「参考文献7」という)には、ePDCCHが、PDSCHがマッピング可能なシンボル上にPDSCHと多重されること、PDCCHが存在しないサブフレームでも、ePDCCHはマッピング可能であることが開示されている。
図26は、ePDCCHについて説明するための図である。図26では、1サブフレームの周波数−時間リソースを示している。図26の縦軸は周波数(Frequency)を表し、横軸は時間(Time)を表している。図26において、参照符号「2501」で示す領域は、PCFICH、PHICHおよびPDCCHがマッピングされるシンボルを表し、参照符号「2502」で示す領域は、PDSCHがマッピングされるシンボルを表す。参照符号「2503」で示す領域は、ePDCCHで、PDSCHがマッピング可能なシンボル上にPDSCHと多重される。
このように、ePDCCHは、PDSCHがマッピング可能なシンボル上にマッピングされるので、何らかの工夫をしなければ、UEは、ePDCCHがマッピングされたかどうかを認識することができない。したがって、UEは、ePDCCHをモニタすることが不可能となる。
本実施の形態では、この問題を解消する方法を開示する。ePDCCHを使用する場合、サービングセルは、UEに個別シグナリングでePDCCHの構成を通知する。個別シグナリングとしては、RRCシグナリングを用いるとよい。
ePDCCHを使用する場合、MACシグナリングでePDCCHの使用開始(activation)または使用停止(deactivation)を通知する。例えば、ePDCCHの使用開始または使用停止の通知として、UEがePDCCHのモニタを開始または停止するタイミングを示す。UEは、ePDCCHの使用開始または使用停止の通知の受信を、ePDCCHのモニタを開始または停止する契機としてもよい。これによって、RRCシグナリングで使用開始あるいは使用停止を通知するよりも、ePDCCHをモニタ開始あるいは停止するまでの遅延時間を削減することができ、周辺電波環境の変化に対応することができる。
別の方法として、ePDCCHの使用開始または使用停止の情報を、PDCCHにマッピングされるDCIに含めてUEに通知してもよい。あるいは、使用開始の情報をPDCCHにマッピングされるDCIに含めて、使用停止の情報をePDCCHにマッピングされるDCIに含めてUEに通知してもよい。これによって、サブフレーム単位でePDCCHのモニタ開始あるいは停止を設定できるようになる。したがって、さらに短時間の周辺電波環境の変化に対応することができる。
サービングセルからUEに、MACシグナリングでePDCCHの使用開始が通知された場合、UEは、ePDCCHのモニタを開始する。サービングセルからUEに、MACシグナリングでePDCCHの使用停止が通知された場合、UEは、ePDCCHのモニタを停止する。
CoMPにePDCCHを使用する場合、対象とするUEへのePDCCHのDCIに、CoMPトランスミッションポイント情報を含めるとよい。PDCCHの場合と同様の情報とするとよい。UEは、ePDCCHをモニタすることによって、CoMPトランスミッションポイントを認識することが可能となる。
ePDCCHがUE個別に設けられる場合、ePDCCHをCoMP対象としてもよい。サービングセルは、CoMP対象のUEのePDCCHを、CoMPメジャメントセット内セルあるいはCoMPアクティブセット内セルに通知しておくことによって可能となる。後述の実施の形態で開示するように、CoMP対象のUEのスケジューリング情報は、CoMPメジャメントセット内セルあるいはCoMPアクティブセット内セルに通知される。したがって、該UEのePDCCHの構成情報とスケジューリング情報とを併せて用いることによって、該セット内の各セルは、該UEのePDCCHをCoMP対象とすることが可能となる。ePDCCHもCoMPすることによって、ePDCCHの受信品質を良好にすることが可能となる。
ePDCCHを使用する場合、ePDCCHでスケジューリングするサブフレームでは、PDCCHでスケジューリングしないようにしてもよい。UEは、ePDCCHをモニタするサブフレームではPDCCHをモニタしないようにしてもよい。
ePDCCHを使用する場合、ページングの通知(Paging Indication:PI)には、PDCCHを用いてもよい。UEは、ページング受信のための間欠受信周期で、PDCCHをモニタする。ページングの通知が行われるサブフレームでePDCCHがマッピングされる場合は、UEは、PDCCHとePDCCHとの両方をモニタする。ページングの用途としては、ネットワーク側からの着信の通知、システム情報(SI)の変更の通知、ETWSおよびCMASなどのPWS(Public Warning System)の通知などがある。したがって、UEは、PDCCHとePDCCHとの両方をモニタすることによって、CoMPを行いつつ、ネットワーク側からの着信の通知、システム情報の変更の通知、PWSの通知などを受信することが可能となる。
ePDCCHを使用する場合、システム情報のスケジューリングには、PDCCHを用いてもよい。UEは、システム情報のための受信タイミングで、PDCCHをモニタする。システム情報のスケジューリングが行われるサブフレームでePDCCHがマッピングされる場合は、UEは、PDCCHとePDCCHとの両方をモニタする。UEは、PDCCHとePDCCHとの両方をモニタすることによって、CoMPを行いつつ、システム情報を受信することが可能となる。
図27および図28は、実施の形態6における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図27と図28とは、境界線BL2の位置で、つながっている。図27および図28では、ePDCCHを使用する場合のシーケンスを示している。
ステップST2601において、サービングセルは、対象とするUE(UE1)にePDCCHの使用を決定する。例えば、UE1に対してCoMPを実行することを決定した場合、あるいは、UE1に対してCAを実行することを決定した場合などである。
ステップST2602において、サービングセルは、UE1用のePDCCHの構成を決定する。構成するパラメータとしては、ePDCCHがマッピングされる物理リソースを示す情報、ePDCCHがマッピングされる周期、ePDCCHに用いられるUE固有のシーケンス、およびモニタモードなどがある。ePDCCHがマッピングされる物理リソースを示す情報は、例えばPRBナンバである。ePDCCHがマッピングされる周期は、例えばサブフレーム数、無線フレーム数、およびサブフレームのオフセットである。モニタモードとしては、PDCCHとePDCCHとの両方をモニタするモード、ページング用通知のPDCCHおよびシステム情報スケジューリング用PDCCHの少なくともいずれか一方とePDCCHとをモニタするモード、ならびにePDCCHのみをモニタするモードなどがあり、これらのモード種別を設定可能としておく。
ステップST2603において、サービングセルは、ePDCCHの構成(ePDCCH configuration)を、RRCシグナリングを用いてUE1に通知する。
ステップST2604において、UE1は、受信したePDCCHの構成を設定する。
ステップST2605において、サービングセルは、ePDCCHを用いてUE1へのスケジューリングを決定する。
ステップST2606において、サービングセルは、ePDCCHの使用開始(ePDCCH activation)を、MACシグナリングを用いてUE1に通知する。
ステップST2607において、サービングセルは、ePDCCHでUE1へのスケジューリングを行う。
ステップST2608において、サービングセルは、ePDCCHを、ステップST2602で構成したリソース、周期、およびシーケンスなどを用いて、PDSCHがマッピングされるシンボルでUE1に送信する。
ステップST2606でePDCCHの使用開始信号を通知されたUE1は、ePDCCHのモニタを開始する。
ステップST2609において、UE1は、サービングセルから送信されたePDCCHをモニタし、自UE宛のスケジューリング情報を取得する。
ステップST2610において、UE1は、受信したスケジューリング情報に基づいて、サービングセルと通信を行う。
次に、ePDCCHの使用を停止する場合について示す。ステップST2611において、サービングセルは、UE1にePDCCHを使用しないことを決定する。ステップST2612において、サービングセルは、ePDCCHの使用停止(ePDCCH deactivation)を、MACシグナリングを用いてUE1に通知する。この通知は、ePDCCHを用いて行われる。
ステップST2613において、サービングセルは、ePDCCHでUE1へのスケジューリングを停止し、PDCCHでUE1へのスケジューリングを行う。
ステップST2616において、サービングセルは、PDCCHを用いてUE1へのスケジューリングを行う。
ステップST2612でePDCCHの使用停止信号を通知されたUEは、ステップST2614において、ePDCCHのモニタを停止する。
ステップST2615において、UE1は、サービングセルから送信されるPDCCHのモニタを開始し、自UE宛のスケジューリング情報を取得する。
ステップST2617において、UE1は、受信したスケジューリング情報に基づいて、サービングセルと通信を行う。
次に、UE1に対して、ePDCCHの使用をしないことを決定した場合について示す。ステップST2618において、サービングセルは、UE1に対してePDCCHを使用しないことを決定する。ePDCCHを使用しないことを決定するのは、例えば、UE1に対してCoMPの実行を終了するまたは終了した)場合、あるいは、UE1に対してCAの実行を終了するまたは終了した場合などである。
ステップST2619において、サービングセルは、UE1に、ePDCCH構成のリリース(ePDCCH configuration release)を通知する。UE1は、ePDCCH構成のリリースを受信することによって、ePDCCHの使用の終了を認識することができる。
ステップST2619でePDCCH構成のリリースを通知したサービングセルは、ステップST2620において、UE1用のePDCCH構成をリリースする。または、サービングセルは、ステップST2619の処理に対する受信応答をUE1から通知された場合、ステップST2620において、UE1用のePDCCH構成をリリースするようにしてもよい。これによって、UE1用にリザーブしていた物理リソースおよびシーケンスなどを開放することができ、リソースの効率的な使用が可能となる。
ステップST2621において、UE1は、設定していたePDCCH構成のリリース(リセット)を行う。
本実施の形態で開示した方法とすることによって、UEは、ePDCCHがマッピングされたかどうかを認識することが可能となり、ePDCCHをモニタすることが可能となる。したがって、ePDCCHを用いた通信が可能となる。CoMPおよびCAなどでePDCCHが使用される場合に有効となる。
実施の形態7.
実施の形態7では、実施の形態1においてサービングセルと、サービングセルとは異なる他のセルとのシグナリング方法、データ転送方法などについて開示する。図29、図30および図31は、実施の形態7における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図29と図30とは、境界線BL3の位置で、つながっている。図30と図31とは、境界線BL4の位置で、つながっている。図29〜図31に示すシーケンスは、図15および図16に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図29〜図31では、セントラルエンティティがサービングセル内に構成された場合について示しているので、特にセントラルエンティティとサービングセルとを区別せずに、サービングセルと記載する。
ステップST7101において、サービングセルは、ステップST1530で決定したCoMPメジャメントセットに含まれるセルのうち、サービングセル以外のセルへ、UE1に対するCoMPメジャメントセットへの加入を要求する。以下の説明では、CoMPメジャメントセットに含まれるセルのうち、サービングセル以外のセルを、単に、「CoMPメジャメントセットセル」と称することもある。
具体例としては、サービングセルは、CoMPメジャメントセットセルへ、CoMPメジャメントセットリクエスト(CoMP Measurement set Request)メッセージを通知する。CoMPメジャメントセットリクエストメッセージが示す情報の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)UE1に対するCoMPメジャメントセットへの加入を要求する。
(2)CSI−RSの送信開始を要求する。
(3)前記(1)および(2)の組合せ。
ステップST7101でサービングセルからUE1に対するCoMPメジャメントセットへの加入要求を受信したCoMPメジャメントセットセルは、ステップST7102において、サービングセルへ前記CoMPメジャメントセットへの加入要求の応答を行う。該応答は、省略してもよい。これによって、応答処理に対する処理の負荷を軽減することができる。CoMPメジャメントセットセルは、UE1に対するCoMPメジャメントセットへの加入が可能である場合、あるいはUE1に対するCSI−RSの送信開始が可能である場合は、その旨をサービングセルに通知する。具体的には、CoMPメジャメントセットセルは、CoMPメジャメントセットリクエスト肯定応答(CoMP Measurement set Request Ack)メッセージをサービングセルに通知する。
CoMPメジャメントセットセルは、サービングセルへ、UE1に対するCoMPメジャメントセットへの加入が不可能である場合、あるいはUE1に対するCSI−RSの送信開始が不可能である場合は、その旨をサービングセルに通知する。具体的には、CoMPメジャメントセットセルは、CoMPメジャメントセットリクエスト否定応答(CoMP Measurement set Request Nack)メッセージをサービングセルに通知する。
CoMPメジャメントセットセルが、UE1に対するCoMPメジャメントセットへの加入が不可能、あるいはUE1に対するCSI−RSの送信開始が不可能であると判断する指標の具体例としては、CoMPメジャメントセットセルの高負荷がある。本シーケンスでは、CoMPメジャメントセットセルが、UE1に対するCoMPメジャメントセットへの加入が可能である場合について説明する。
ステップST7103において、サービングセルは、CSI−RSをUE1に送信する。
ステップST7102においてサービングセルへCoMPメジャメントセットへの加入が可能である旨を通知したCoMPメジャメントセットセルは、ステップST7104において、UE1へのCSI−RSの送信を開始する。
ステップST7105において、サービングセルは、UE1宛のデータを通知する。具体的には、サービングセルは、UE1宛のCoMP用データを通知する。
サービングセルがデータを通知する先の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)CoMPメジャメントセットセル。データ通知を受けたCoMPメジャメントセットセルが、CoMPトランスミッションポイントに選択されない場合は、CoMPメジャメントセットセルは、通知されたデータを破棄する。本具体例(1)では、後述の具体例(3)と比較して、ステップST1516においてCoMPトランスミッションポイントが決定するか否かに関わらず、データの通知を開始することができ、データの通知に使用可能な時間を増やすことができる。データの通知のタイミングは、ステップST1508においてサービングセルがCoMPの実行を決定する以降であって、ステップST1519においてCoMPの送受信が行われるより前であれば、任意である。データの通知のタイミングに余裕があるので、瞬時的な高負荷を軽減することができる。
(2)CoMPアクティブセットに含まれるセルのうち、サービングセル以外のセル。以下の説明では、CoMPアクティブセットに含まれるセルのうち、サービングセル以外のセルを、単に、「CoMPアクティブセットセル」と称することもある。データの通知を受けたCoMPアクティブセットセルが、CoMPトランスミッションポイントに選択されない場合は、CoMPアクティブセットセルは、通知されたデータを破棄する。本具体例(2)では、後述の具体例(3)と比較して、ステップST1516においてCoMPトランスミッションポイントが決定するか否かに関わらず、データの通知を開始することができ、データの通知に使用可能な時間を増やすことができる。データの通知のタイミングは、ステップST1508においてサービングセルがCoMPの実行を決定する以降であって、ステップST1519においてCoMPの送受信が行われるより前であれば、任意である。データの通知のタイミングに余裕があるので、瞬時的な高負荷を軽減することができる。
(3)CoMPトランスミッションポイントに含まれるセルのうち、サービングセル以外のセル。以下の説明では、CoMPトランスミッションポイントに含まれるセルのうち、サービングセル以外のセルを、単に、「CoMPトランスミッションポイント」と称することもある。本具体例(3)では、前述の具体例(1),(2)と比較して、CoMPトランスミッションポイントに選択されないセルがデータの通知を受けることはないので、データを破棄する処理が発生しない。したがって、無駄な処理が発生しないという効果を得ることができる。データ通知のタイミングは、ステップST1516においてサービングセルがCoMPトランスミッションポイントを決定する以降であって、ステップST1519においてCoMPの送受信が行われるより前であれば、任意である。
通知するデータの種類の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)PDCPデータユニット。PDCP PDUデータ、あるいはPDCP SDUデータとしてもよい。
(2)RLCデータユニット。RLC PDUデータ、あるいはRLC SDUデータとしてもよい。
(3)MACデータユニット。MAC PDUデータ、あるいはMAC SDUデータとしてもよい。通知するデータの種類に応じて、データに必要なパラメータを共に通知するとよい。
ステップST7106において、サービングセルは、ステップST1516で決定したCoMPトランスミッションポイントを示す情報を含めたスケジューリング情報を、CoMPトランスミッションポイントに通知する。ステップST7106では、ステップST7105で通知するデータの種類に応じて、必要なスケジューリング情報を通知するとよい。CoMPトランスミッションポイントを示す情報を含めてスケジューリングを行うこと、あるいは該スケジューリングの結果であるスケジューリング情報を「CoMPスケジューリング」と称する。
ステップST7106の処理の終了後は、前述の実施の形態1と同様にして、ステップST1518〜ステップST1529の処理が行われる。図31では、ステップST1519およびステップST1526の処理を、より具体的に示している。
ステップST1519は、ステップST2901〜ステップST2903を含む。ステップST2901において、UE1とサービングセルとは、CoMPによる送受信を行う。ステップST2902において、UE1と、CoMPメジャメントセットに含まれるサービングセル以外のセルとは、CoMPによる送受信を行う。ステップST2903において、UE1は、CSI−RSからCSIを導出して、サービングセルにフィードバックする。
ステップST1526は、ステップST2904〜ステップST2906を含む。ステップST2904〜ステップST2906の処理は、ステップST2901〜ステップST2093の処理と同様に行われる。
図32は、実施の形態7における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図32に示すシーケンスにおいて、図15および図16に示すシーケンスと同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図32では、セントラルエンティティとサービングセルとを区別し、セントラルエンティティがCoMPトランスミッションポイントの決定を行う場合のシーケンスを示している。図32では、図29〜図31のステップST1515〜ステップST1518の処理の他の具体例を示している。
ステップST7201において、サービングセルは、ステップST1515で受信したCSI−RSの測定結果を、セントラルエンティティに通知する。CSI−RSの測定結果の具体例としては、CSI−RSメジャメントリポート(CSI-RS Measurement Report)およびCSIフィードバック(CSI feedback)情報などがある。
ステップST7202において、サービングセルは、CoMP実行の対象となるデータに関する情報(以下「データパラメータ」ともいう)を、セントラルエンティティに通知する。データパラメータの具体例としては、データ量、サービスのサービス品質(Quality of Service:QoS)情報などがある。あるいは、データパラメータとして、CoMP実行の対象となるデータを通知してもよい。
ステップST7204において、セントラルエンティティは、CoMPメジャメントセット間において、ステップST7202において受信したCoMP実行の対象となるデータのCoMPを実現するための調整を行う。具体的には、セントラルエンティティは、該データの送信がサービングセルで受け入れ可能であるかの調整を行う。サービングセルの傘下のCoMP対象外のUEに対するスケジューリングは、サービングセルによって行われるので、前記の調整を行うことによって、最適なスケジューリングとすることができる。
ステップST7205において、セントラルエンティティは、CoMPメジャメントセット間において、ステップST7202において受信したCoMP実行の対象となるデータのCoMPを実現するための調整を行う。具体的には、セントラルエンティティは、該データの送信がCoMPメジャメントセットセルで受け入れ可能であるかの調整を行う。CoMPメジャメントセットセルの傘下のCoMP対象外のUEに対するスケジューリングは、CoMPメジャメントセットセルによって行われるので、前記の調整を行うことによって、最適なスケジューリングとすることができる。CoMPアクティブセット間において調整を行ってもよい。
ステップST7203において、セントラルエンティティは、ステップST7202で受信したCoMP実行の対象となるデータに関する情報、ステップST7204で行ったサービングセルとの調整結果、およびステップST7205で行ったCoMPメジャメントセットセルとの調整結果に基づいて、UE1用のスケジューリングを行う。具体的には、CoMPトランスミッションポイントの決定を行う。ステップST7203の処理の詳細は、図15および図16のステップST1516の処理と同様である。
その後、セントラルエンティティは、CoMPトランスミッションポイント間において、再度調整を行って最終的なCoMPスケジューリングを決定してもよい。
ステップST7207において、セントラルエンティティは、ステップST7203で決定したCoMPスケジューリングをサービングセルに通知する。
ステップST7208において、サービングセルは、ステップST7207で受信したスケジューリングをCoMPメジャメントセットセルに通知する。セントラルエンティティが、ステップST7203で決定したスケジューリングをCoMPメジャメントセットセルに通知してもよい。
図33は、実施の形態7における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図33に示すシーケンスにおいて、図15、図16および図32に示すシーケンスと同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図33では、セントラルエンティティとサービングセルを区別し、サービングセルとセントラルエンティティとが共同でCoMPトランスミッションポイントの決定を行う場合のシーケンスを示している。図33では、図29〜図31のステップST1515〜ステップST1518の処理の他の具体例を示している。
ステップST7304において、サービングセルは、UE1用のCoMP実行の対象となるデータに対する自セル単独でのスケジューリングを決定する。一旦決定するようにしてもよい。
ステップST7301において、サービングセルは、セントラルエンティティに、CoMPメジャメントセット間の調整依頼を通知する。サービングセルは、調整依頼を通知するとき、ステップST7304で決定したスケジューリングを通知すればよい。スケジューリングの具体例としては、時間−周波数リソースなどがある。CoMPアクティブセット間の調整依頼を通知してもよい。
ステップST7302において、セントラルエンティティは、CoMPメジャメントセット間において、ステップST7301で受信したスケジューリングを実現するための調整を行う。具体的には、セントラルエンティティは、ステップST7301で受信したスケジューリングが、サービングセルで受け入れ可能であるかの調整を行う。サービングセルの傘下のCoMP対象外のUEに対するスケジューリングは、サービングセルによって行われるので、前記の調整を行うことによって、最適なスケジューリングとすることができる。サービングセルが、ステップST7304において、スケジューリングを行っているので、サービングセルは、受け入れ可能であるとして、本ステップを省略してもよい。
ステップST7303において、セントラルエンティティは、CoMPメジャメントセット間において、ステップST7301で受信したスケジューリングを実現するための調整を行う。具体的には、セントラルエンティティは、ステップST7301で受信したスケジューリングが、CoMPメジャメントセットセルで受け入れ可能であるかの調整を行う。CoMPメジャメントセットセルの傘下のCoMP対象外のUEに対するスケジューリングは、CoMPメジャメントセットセルによって行われるので、前記の調整を行うことによって、最適なスケジューリングとすることができる。CoMPアクティブセット間において調整を行ってもよい。
ステップST1516において、セントラルエンティティは、ステップST7301で受信したスケジューリング、ステップST7302で行ったサービングセルとの調整結果、およびステップST7303で行ったCoMPメジャメントセットセルとの調整結果に基づいて、UE1用のCoMPスケジューリングを行う。具体的には、CoMPトランスミッションポイントの決定を行う。処理の詳細は、図15および図16のステップST1516の処理と同様である。
次に、セルユニファイドエンティティ(Cell Unified Entity)を新たに設けた場合について開示する。セルユニファイドエンティティとは、複数の無線エリアにおけるRRC(Radio Resource Control)、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、およびMAC(Medium Access Control)の任意の機能を共通して有するエンティティと定義する。以降、実施の形態7、実施の形態8、実施の形態9および実施の形態10では、セル(Cell)とは、一つの無線エリアを構成するRRC、PDCP、RLC、MAC、およびPHY(Physical layer)の全ての機能から構成されるエンティティとする。また、サブセル(Sub Cell)とは、一つの無線エリアを構成するRRC、PDCP、RLC、MAC、PHYの一部の機能から構成されるエンティティとする。
PHYの機能を有するセルおよびサブセルは、報知情報を報知する機能を有する。UEによって識別可能な識別子を報知する機能を有してもよい。
図34は、セルユニファイドエンティティの具体例を説明するためのブロック図である。セルユニファイドエンティティ7416は、第1サブセル7401、第2サブセル7406および第3サブセル7411と接続されている。
第1サブセル7401は、一つの無線エリアを構成し、MAC7402と、PHY7403とを備える。PHY7403は、ベースバンド部(BB)7404と、無線部(RF)7405とを備える。
第2サブセル7406は、一つの無線エリアを構成し、MAC7407と、PHY7408とを備える。PHY7408は、BB7409と、RF7410とを備える。
第3サブセル7411は、一つの無線エリアを構成し、MAC7412と、PHY7413とを備える。PHY7413は、BB7414と、RF7415とを備える。
セルユニファイドエンティティ7416は、第1サブセル7401が構成する無線エリア、第2サブセル7406が構成する無線エリア、および第3サブセル7412が構成する無線エリアにおけるRRC7417、PDCP7418、およびRLC7419の機能を共通して有する。以下の説明では、セルユニファイドエンティティ7416のように、複数の無線エリアにおけるRRC、PDCPおよびRLCの機能を共通して有するセルユニファイドエンティティを、「第1セルユニファイドエンティティ」と称することもある。
図35は、他のセルユニファイドエンティティの具体例を説明するためのブロック図である。セルユニファイドエンティティ7513は、第4サブセル7501、第5サブセル7505および第6サブセル7509と接続されている。
第4サブセル7501は、一つの無線エリアを構成し、PHY7502を備える。PHY7502は、BB7503と、RF7504とを備える。
第5サブセル7505は、一つの無線エリアを構成し、PHY7506を備える。PHY7506は、BB7507と、RF7508とを備える。
第6サブセル7509は、一つの無線エリアを構成し、PHY7510を備える。PHY7210は、BB7511と、RF7512とを備える。
セルユニファイドエンティティ7513は、第4サブセル7501が構成する無線エリア、第5サブセル7505が構成する無線エリア、および第6サブセル7509が構成する無線エリアにおけるRRC7514、PDCP7515、RLC7516、およびMAC7517の機能を共通して有する。以下の説明では、セルユニファイドエンティティ7513のように、複数の無線エリアにおけるRRC、PDCP、RLCおよびMACの機能を共通して有するセルユニファイドエンティティを、「第2セルユニファイドエンティティ」と称することもある。
また別の具体例として、複数の無線エリアにおけるRRCの機能と、PDCPの機能と、RLCの機能と、MACの機能のうち少なくともスケジューリングの機能とを共通して有するセルユニファイドエンティティも考えられる。該セルユニファイドエンティティを「第3セルユニファイドエンティティ」と称することもある。
図36、図37および図38は、実施の形態7における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図36と図37とは、境界線BL5の位置で、つながっている。図37と図38とは、境界線BL6の位置で、つながっている。図36〜図38に示すシーケンスは、図15および図16に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図36〜図38では、RRC7417、PDCP7418およびRLC7419を有する第1セルユニファイドエンティティとサブセルとを区別した場合のCoMPを実行するときのシーケンスを示している。本シーケンスでは、セントラルエンティティがサービングサブセル内に構成された場合について示しているので、特にセントラルエンティティとサービングサブセルとを区別せずに、サービングセルと記載する。
ステップST7601において、第1セルユニファイドエンティティは、RRMメジャメント構成を設定する。ステップST7601の処理の詳細は、図15および図16のステップST1501の処理と同様である。
ステップST7602において、第1セルユニファイドエンティティは、ステップST7601で設定したRRMメジャメント構成を、サービングサブセルに通知する。
ステップST7603において、サービングサブセルは、ステップST7602で受信したRRMメジャメント構成を、UE1に通知する。ステップST7603の処理の詳細は、図15および図16のステップST1502の処理と同様である。
ステップST7604において、UE1は、サービングサブセルに、CRSの測定結果を報告する。ステップST7604の処理の詳細は、図15および図16のステップST1504の処理と同様である。
ステップST7605において、サービングサブセルは、第1セルユニファイドエンティティに、ステップST7604で受信した測定結果の報告を通知する。
ステップST7606において、第1セルユニファイドエンティティは、RRMメジャメントセットを作成する。ステップST7606の処理の詳細は、図15および図16のステップST1505の処理と同様である。
ステップST7607において、第1セルユニファイドエンティティは、サービングサブセルにデータを通知する。具体的には、UE1宛のデータを通知する。通知するデータの種類の具体例としては、RLCデータユニットがある。通知するデータは、RLC PDUデータとしてもよい。データに必要なパラメータを共に通知するとよい。必要なパラメータの具体例としては、サービングサブセルのMAC処理に必要なパラメータがある。
ステップST7608において、サービングサブセルは、ステップST7607で受信したデータのスケジューリングを行う。MACスケジューリングを行うようにしてもよい。
ステップST7609において、UE1とサービングサブセルとは、下り(DL)および上り(UL)の少なくともいずれか一方のデータ通信を行う。
ステップST7610において、サービングサブセルは、UE1に送信するDLデータと、UE1から受信したULデータとについて、第1セルユニファイドエンティティとデータ通信を行う。通知するデータについては、ステップST7607の処理と同様である。
ステップST7611において、UE1は、CRSから導出したCQIを、サービングサブセルにフィードバックする。
ステップST7612において、サービングサブセルは、ステップST7611で受信したCQIフィードバックデータを、第1セルユニファイドエンティティに通知する。
ステップST7613において、第1セルユニファイドエンティティは、CoMPを実行するか否かを決定する。ステップST7613の処理の詳細は、図15および図16のステップST1508の処理と同様である。
ステップST7638において、第1セルユニファイドエンティティは、CoMPメジャメントセットを選択し、決定する。ステップST7638の処理の詳細は、図15および図16のステップST1530の処理と同様である。
第1セルユニファイドエンティティが、CoMPメジャメントセットに含まれるサブセルの負荷状況などを把握し、CoMPメジャメントセットサブセルが、UE1に対するCoMPメジャメントセットへの加入が可能であるか否かを判断できる場合は、図29〜図31のステップST7101およびステップST7102に相当する処理を省略することができる。このように、CoMPをサポートする移動体通信システムにおいて、第1セルユニファイドエンティティを設けることによって、制御遅延を防止することが可能となる。
ステップST7614において、第1セルユニファイドエンティティは、サービングサブセルに、CSI−RSの送信開始を要求する。
ステップST7615において、第1セルユニファイドエンティティは、CoMPメジャメントセットに含まれるセルのうち、サービングサブセル以外のセル、あるいはサブセルに、CSI−RSの送信開始を要求する。以下の説明では、CoMPメジャメントセットに含まれるサブセルのうち、サービングサブセル以外のセル、あるいはサブセルを、「CoMPメジャメントセットサブセル」と称することもある。
ステップST7616において、第1セルユニファイドエンティティは、UE1に対するCoMPメジャメント構成を設定する。ステップST7616の処理の詳細は、図15および図16のステップST1509の処理と同様である。
ステップST7617において、第1セルユニファイドエンティティは、ステップST7616で設定したUE1に対するCoMPメジャメント構成を、サービングサブセルに通知する。
ステップST7618において、サービングサブセルは、ステップST7617で受信したCoMPメジャメント構成を、UE1に通知する。ステップST7618の処理の詳細は、図15および図16のステップST1510の処理と同様である。
ステップST7619において、サービングサブセルは、CSI−RSをUE1に送信する。サービングサブセルは、ステップST7614における第1セルユニファイドエンティティからのCSI−RSの送信開始の要求を受信することによって、CSI−RSの送信を開始するようにしてもよい。これによって、サービングサブセルの傘下の移動端末が、CSI−RSを用いて測定を行う場合のみ、サービングサブセルがCSI−RSを送信することができ、サービングサブセルの消費電力を低減することが可能となる。
ステップST7620において、CoMPメジャメントセットサブセルは、CSI−RSをUE1に送信する。CoMPメジャメントセットサブセルは、ステップST7615における第1セルユニファイドエンティティからのCSI−RSの送信開始の要求を受信することによって、CSI−RSの送信を開始するようにしてもよい。これによって、CoMPメジャメントセットサブセルの傘下の移動端末が、CSI−RSを用いて測定を行う場合のみ、CoMPメジャメントセットサブセルがCSI−RSを送信することができ、CoMPメジャメントセットサブセルの消費電力を低減することが可能となる。
ステップST7621において、UE1は、サービングサブセルに、CSI−RSの測定結果の報告をする。ステップST7621の処理の詳細は、図15および図16のステップST1515の処理と同様である。
ステップST7622において、第1セルユニファイドエンティティは、サービングサブセルにデータを通知する。ステップST7622の処理の詳細は、ステップST7607の処理と同様である。
ステップST7623において、サービングサブセルは、CoMPトランスミッションポイントを決定する。CoMPトランスミッションポイントの決定処理の詳細は、図16に示すステップST1516の処理と同様である。
ステップST7625において、サービングサブセルは、CoMPメジャメントセットサブセルに、UE1宛のデータを通知する。具体的には、サービングサブセルは、UE1宛のCoMP用データを通知する。
通知するデータの種類の具体例としては、MACデータユニット、MAC PDUデータ、あるいはMAC SDUデータがある。
また、第1セルユニファイドエンティティが、CoMPメジャメントセットサブセルに、UE1宛のデータを通知するようにしてもよい。具体的には、第1セルユニファイドエンティティは、UE1宛のCoMP用データを通知する。通知するデータの種類の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)PDCPデータユニット。PDCP PDUデータ、あるいはPDCP SDUデータとしてもよい。
(2)RLCデータユニット。RLC PDUデータ、あるいはRLC SDUデータとしてもよい。
(3)MACデータユニット。MAC PDUデータ、あるいはMAC SDUデータとしてもよい。MACデータユニットの場合、第1セルユニファイドエンティティは、サービングサブセルから必要なMACデータユニットを取得しておけばよい。
また各レイヤでのデータに必要なパラメータも共に通知してもよい。パラメータの具体例としては、(1)PDCPデータユニットを通知する場合は、RLC処理に必要なパラメータ、およびMAC処理に必要なパラメータを通知する。また、(2)RLCデータユニットを通知する場合は、MAC処理に必要なパラメータを通知する。
サービングサブセルが、UE1宛のデータを通知するセルの具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)サービングサブセルは、ステップST7623で決定したCoMPトランスミッションサブセルに、UE1宛のデータを通知する。この場合、後述の具体例(2)と比較して、CoMPメジャメントセットサブセルではあるが、CoMPトランスミッションサブセルへの無駄なデータの通知を削減することができる。
(2)サービングサブセルは、CoMPメジャメントセットサブセルに、UE1宛のデータを通知する。この場合、データの通知を行うために、ステップST7623のCoMPトランスミッションサブセルの決定を待つ必要が無い。したがって、サービングサブセルからCoMPメジャメントセットサブセルにUE1宛のデータを通知するタイミングとしては、ステップST7638のCoMPメジャメントセットの決定から、ステップST7626のスケジューリング通知前であれば任意となる。第1セルユニファイドエンティティは、決定したCoMPメジャメントセットをサービングサブセルに通知すればよい。CoMPトランスミッションサブセルに選択されなかったCoMPメジャメントセットサブセルにおいては、UE1宛のデータは破棄すればよい。この場合、前記具体例(1)と比較して、データの通知のタイミングに余裕があるので、瞬時的な高負荷を軽減することができる。
ステップST7626において、サービングサブセルは、ステップST7323で決定したCoMPトランスミッションポイントを示す情報を含めたCoMPスケジューリングを、CoMPトランスミッションサブセルに通知するようにしてもよい。第1セルユニファイドエンティティ経由で、CoMPメジャメントセットサブセルに通知してもよい。
ステップST7627において、サービングサブセルは、ステップST7623で決定したCoMPトランスミッションポイントの情報を含めてCoMPスケジューリングを行い、UE1に通知する。ステップST7627の処理の詳細は、図15および図16のステップST1518の処理と同様である。
ステップST7628およびステップST7629において、UE1と、サービングサブセルと、CoMPトランスミッションサブセルとが、CoMPによる送受信を行う。
ステップST7630において、UE1は、CSI−RSからCSIを導出して、サービングサブセルにフィードバックする。
ステップST7631において、UE1は、サービングサブセルに、CRSの測定結果を報告する。ステップST7631の処理の詳細は、図15および図16のステップST1504の処理と同様である。
ステップST7632において、サービングサブセルは、ステップST7631で受信したCRSの測定結果の報告を、第1セルユニファイドエンティティに通知する。
ステップST7632でメジャメントリポートを受信した第1セルユニファイドエンティティは、ステップST7633において、必要に応じてRRMメジャメントセットの変更を行う。ステップST7633の処理の詳細は、図15および図16のステップST1524の処理と同様である。
ステップST7634において、第1セルユニファイドエンティティは、CoMPメジャメントセットの変更を行うか否かを判断する。ステップST7634の処理の詳細は、図15および図16のステップST1525の処理と同様である。ステップST7634において、CoMPメジャメントセットの変更を行うと判断された場合、第1セルユニファイドエンティティは、CoMPメジャメントセット内のセルの変更を行い、ステップST7614の処理に戻る。ステップST7634において、CoMPメジャメントセットの変更を行わないと判断された場合、ステップST7635に移行する。
ステップST7635において、第1セルユニファイドエンティティは、CoMPを解除、すなわちCoMPの実行を止めると決定する。
ステップST7636において、第1セルユニファイドエンティティは、サービングサブセルに、UE1のCoMPメジャメント構成の解除(リリース)を通知する。
ステップST7637において、サービングサブセルは、ステップST7636で受信した、UE1のCoMPメジャメント構成の解除を、UE1に通知する。ステップST7637の処理の詳細は、図15および図16のステップST1528の処理と同様である。
図39は、実施の形態7における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図39に示すシーケンスにおいて、図38に示すシーケンスと同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図39では、セントラルエンティティとサービングサブセルを区別し、セントラルエンティティがCoMPトランスミッションポイントの決定を行う場合のシーケンスを示している。図39では、図36〜図38のステップST7621〜ステップST7627の処理の他の具体例を示している。
ステップST7701において、サービングサブセルは、ステップST7621で受信したCSI−RSの測定結果を、セントラルエンティティに通知する。CSI−RSの測定結果の具体例としては、CSI−RSメジャメントリポート(CSI-RS Measurement Report)、およびCSIフィードバック(CSI feedback)情報などがある。
ステップST7702において、第1セルユニファイドエンティティは、セントラルエンティティにデータを通知する。ステップST7702の処理の詳細は、図36〜図38のステップST7607の処理と同様である。
ステップST7704において、セントラルエンティティは、CoMPメジャメントセット間において、ステップST7702で受信したCoMP実行の対象となるデータのCoMPを実現するための調整を行う。具体的には、セントラルエンティティは、該データの送信がサービングサブセルで受け入れ可能であるかの調整を行う。サービングサブセルの傘下のCoMP対象外のUEに対するスケジューリングは、サービングサブセルによって行われるので、前記の調整を行うことによって、最適なスケジューリングとすることができる。
ステップST7705において、セントラルエンティティは、CoMPメジャメントセット間において、ステップST7202において受信したCoMP実行の対象となるデータのCoMPを実現するための調整を行う。具体的には、セントラルエンティティは、該データの送信がCoMPメジャメントセットサブセルで受け入れ可能であるかの調整を行う。CoMPメジャメントセットサブセルの傘下のCoMP対象外のUEに対するスケジューリングは、CoMPメジャメントセットサブセルによって行われるので、前記の調整を行うことによって、最適なスケジューリングとすることができる。CoMPアクティブセット間において調整を行ってもよい。
ステップST7703において、セントラルエンティティは、ステップST7702で受信したCoMP実行の対象となるデータに関する情報、ステップST7704で行ったサービングサブセルとの調整結果、およびステップST7705で行ったCoMPメジャメントセットサブセルとの調整結果に基づいて、UE1用のスケジューリングを行う。具体的には、CoMPトランスミッションポイントの決定を行う。ステップST7703の処理の詳細は、図15および図16のステップST1516の処理と同様である。
その後、セントラルエンティティは、CoMPトランスミッションポイント間において、再度調整を行って最終的なCoMPスケジューリングを決定してもよい。
ステップST7707において、セントラルエンティティは、サービングサブセル、およびCoMPメジャメントセットサブセルに、UE1宛のデータを通知する。具体的には、セントラルエンティティは、UE1宛のCoMP用データを通知する。
ステップST7708において、セントラルエンティティは、ステップST7703で決定したCoMPトランスミッションポイントを示す情報を含めたCoMPスケジューリングを、サービングサブセルに通知する。第1セルユニファイドエンティティ経由で、ステップST7703で決定したCoMPトランスミッションポイントを示す情報を含めたCoMPスケジューリングを、サービングサブセルに通知してもよい。
ステップST7709において、セントラルエンティティは、ステップST7703で決定したCoMPトランスミッションポイントを示す情報を含めたCoMPスケジューリングを、CoMPメジャメントセットサブセルに通知する。第1セルユニファイドエンティティ経由で、CoMPメジャメントセットサブセルに通知してもよい。
図40は、実施の形態7における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図40に示すシーケンスにおいて、図36〜39に示すシーケンスと同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図40では、セントラルエンティティとサービングサブセルを区別し、サービングサブセルとセントラルエンティティとが、共同でCoMPトランスミッションポイントの決定を行う場合のシーケンスを示している。図40では、図36〜図38のステップST7621〜ステップST7627の処理の他の具体例を示している。
ステップST7801において、サービングサブセルは、UE1用のCoMP実行の対象となるデータに対する自セル単独でのスケジューリングを決定する。一旦決定するようにしてもよい。
ステップST7802において、サービングサブセルは、セントラルエンティティに、CoMPメジャメントセット間の調整依頼を通知する。サービングサブセルは、調整依頼を通知するとき、ステップST7801で決定したスケジューリングを通知すればよい。スケジューリングの具体例としては、時間−周波数リソースなどがある。CoMPアクティブセット間の調整依頼を通知してもよい。
ステップST7803において、セントラルエンティティは、CoMPメジャメントセット間において、ステップST7302で受信したスケジューリングを実現するための調整を行う。具体的には、セントラルエンティティは、ステップST7802で受信したスケジューリングが、サービングサブセルで受け入れ可能であるかの調整を行う。サービングサブセルの傘下のCoMP対象外のUEに対するスケジューリングは、サービングサブセルによって行われるので、前記の調整を行うことによって、最適なスケジューリングとすることができる。サービングサブセルが、ステップST7801において、スケジューリングを行っているので、サービングサブセルは、受け入れ可能であるとして、本ステップを省略してもよい。
ステップST7804において、セントラルエンティティは、CoMPメジャメントセット間において、ステップST7302で受信したスケジューリングを実現するための調整を行う。具体的には、セントラルエンティティは、ステップST7802で受信したスケジューリングが、CoMPメジャメントセットサブセルで受け入れ可能であるかの調整を行う。CoMPメジャメントセットサブセルの傘下のCoMP対象外のUEに対するスケジューリングは、CoMPメジャメントセットサブセルによって行われるので、前記の調整を行うことによって、最適なスケジューリングとすることができる。CoMPアクティブセット間において調整を行ってもよい。
ステップST7805において、セントラルエンティティは、ステップST7802で受信したスケジューリング、ステップST7803で行ったサービングサブセルとの調整結果、およびステップST7804で行ったCoMPメジャメントセットサブセルとの調整結果に基づいて、UE1用のCoMPスケジューリングを行う。具体的には、CoMPトランスミッションポイントの決定を行う。処理の詳細は、図15および図16のステップST1516の処理と同様である。
セントラルエンティティが有する機能を、第1セルユニファイドエンティティが有してもよい。あるいは、第1セルユニファイドエンティティが有する機能を、セントラルエンティティが有してもよい。あるいは、セントラルエンティティが有する機能と、第1セルユニファイドエンティティが有する機能とを、同じエンティティが有してもよい。これによって、第1セルユニファイドエンティティとセントラルエンティティとの間のシグナリング、通信が不要となり、制御遅延を防止することができる。具体的には、図39のステップST7702の処理などを省略することが可能となる。
図41〜図43は、実施の形態7における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図41と図42とは、境界線BL7の位置で、つながっている。図42と図43とは、境界線BL8の位置で、つながっている。図41〜図43に示すシーケンスは、図15、図16および図36〜図38に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図41〜図43では、RRC7514、PDCP7515、RLC7516およびMAC7517を有する第2セルユニファイドエンティティとサブセルとを区別した場合にCoMPを実行するときのシーケンスを示している。本シーケンスでは、セントラルエンティティが第2セルユニファイドエンティティ内に構成された場合について示しているので、特にセントラルエンティティと第2セルユニファイドエンティティとを区別せずに、第2セルユニファイドエンティティと記載する。セントラルエンティティが第3セルユニファイドエンティティ内に構成された場合も同様である。
ステップST7901において、第2セルユニファイドエンティティは、RRMメジャメント構成を設定する。ステップST7901の処理の詳細は、図15および図16のステップST1501の処理と同様である。
ステップST7902において、第2セルユニファイドエンティティは、ステップST7901で設定したRRMメジャメント構成を、サービングサブセルに通知する。
ステップST7903において、サービングサブセルは、ステップST7604で受信した測定結果の報告を、第2セルユニファイドエンティティに通知する。
ステップST7904において、第2セルユニファイドエンティティは、RRMメジャメントセットを作成する。ステップST7904の処理の詳細は、図15および図16のステップST1505の処理と同様である。
ステップST7905において、第2セルユニファイドエンティティは、サービングサブセルにデータを通知する。具体的には、UE1宛のデータを通知する。通知するデータの種類の具体例としては、MACデータユニットがある。通知するデータは、MAC PDUデータ、あるいはMAC SDUデータとしてもよい。データに必要なパラメータを共に通知するとよい。
ステップST7906において、第2セルユニファイドエンティティは、データのスケジューリングを行う。MACスケジューリングを行うようにしてもよい。
ステップST7907において、第2セルユニファイドエンティティは、ステップST7906で行ったスケジューリングを、サービングサブセルに通知する。
ステップST7908において、サービングサブセルは、ステップST7611で受信したCQIフィードバックデータを、第2セルユニファイドエンティティに通知する。
ステップST7909において、第2セルユニファイドエンティティは、CoMPを実行するか否かを決定する。ステップST7909の処理の詳細は、図15および図16のステップST1508の処理と同様である。
ステップST7926において、第2セルユニファイドエンティティは、CoMPメジャメントセットを選択し、決定する。ステップST7926の処理の詳細は、図15および図16のステップST1530の処理と同様である。
第2セルユニファイドエンティティが、CoMPメジャメントセットに含まれるサブセルの負荷状況などを把握し、CoMPメジャメントセットサブセルが、UE1に対するCoMPメジャメントセットへの加入が可能であるか否かを判断できる場合は、図29〜図31のステップST7101およびステップST7102に相当する処理を省略することができる。このように、CoMPをサポートする移動体通信システムにおいて、第2セルユニファイドエンティティを設けることによって、制御遅延を防止することが可能となる。
ステップST7910において、第2セルユニファイドエンティティは、サービングサブセルに、CSI−RSの送信開始を要求する。
ステップST7911において、第2セルユニファイドエンティティは、CoMPメジャメントセットサブセルに、CSI−RSの送信開始を要求する。
ステップST7912において、第2セルユニファイドエンティティは、UE1に対するCoMPメジャメント構成(CoMP measurement configuration)を設定する。ステップST7912の処理の詳細は、図15および図16のステップST1509の処理と同様である。
ステップST7913において、第2セルユニファイドエンティティは、ステップST7912で設定したUE1に対するCoMPメジャメント構成を、サービングサブセルに通知する。
ステップST7914において、サービングサブセルは、CSI−RSをUE1に送信する。サービングサブセルは、ステップST7910における第2セルユニファイドエンティティからのCSI−RSの送信開始の要求を受信することによって、CSI−RSの送信を開始するようにしてもよい。これによって、サービングサブセルの傘下の移動端末が、CSI−RSを用いて測定を行う場合のみ、サービングサブセルがCSI−RSを送信することができ、サービングサブセルの消費電力を低減することが可能となる。
ステップST7915において、CoMPメジャメントセットサブセルは、CSI−RSをUE1に送信する。CoMPメジャメントセットサブセルは、ステップST7911における第2セルユニファイドエンティティからのCSI−RSの送信開始の要求を受信することによって、CSI−RSの送信を開始するようにしてもよい。これによって、CoMPメジャメントセットサブセルの傘下の移動端末が、CSI−RSを用いて測定を行う場合のみ、CoMPメジャメントセットサブセルがCSI−RSを送信することができ、CoMPメジャメントセットに含まれるサブセルの消費電力を低減することが可能となる。
ステップST7916において、サービングサブセルは、ステップST7621で受信したCSI−RSの測定結果を、第2セルユニファイドエンティティに通知する。
ステップST7917において、第2セルユニファイドエンティティは、CoMPトランスミッションポイントを決定する。CoMPトランスミッションポイントの決定処理の詳細は、図16に示すステップST1516の処理と同様である。
ステップST7918において、第2セルユニファイドエンティティは、サービングサブセル、およびCoMPメジャメントセットサブセルに、UE1宛のデータを通知する。具体的には、第2セルユニファイドエンティティは、UE1宛のCoMP用データを通知する。
通知するデータの種類の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)PDCPデータユニット。PDCP PDUデータ、あるいはPDCP SDUデータとしてもよい。
(2)RLCデータユニット。RLC PDUデータ、あるいはRLC SDUデータとしてもよい。
(3)MACデータユニット。MAC PDUデータ、あるいはMAC SDUデータとしてもよい。
また各レイヤでのデータに必要なパラメータも共に通知してもよい。パラメータの具体例としては、(1)PDCPデータユニットを通知する場合は、RLC処理に必要なパラメータ、およびMAC処理に必要なパラメータを通知する。また、(2)RLCデータユニットを通知する場合は、MAC処理に必要なパラメータを通知する。
第2セルユニファイドエンティティが、UE1宛のデータを通知するセルの具体例は、図36〜図38の第1セルユニファイドエンティティの場合と同様であるので、説明を省略する。
ステップST7919において、第2セルユニファイドエンティティは、ステップST7917で決定したCoMPトランスミッションポイントを示す情報を含めたCoMPスケジューリングを、サービングサブセル、およびCoMPメジャメントセットサブセルに通知する。あるいは、第2セルユニファイドエンティティは、CoMPスケジューリングを、CoMPトランスミッションサブセル、CoMPアクティブセットサブセルに通知するようにしてもよい。
ステップST7920において、サービングサブセルは、ステップST7630において受信したCSIフィードバックデータを、第2セルユニファイドエンティティに通知する。
ステップST7921において、サービングサブセルは、ステップST7631で受信した測定結果の報告を、第2セルユニファイドエンティティに通知する。
ステップST7921でメジャメントリポートを受信した第2セルユニファイドエンティティは、ステップST7922において、必要に応じてRRMメジャメントセットの変更を行う。ステップST7922の処理の詳細は、図15および図16のステップST1524の処理と同様である。
ステップST7923において、第2セルユニファイドエンティティは、CoMPメジャメントセットの変更を行うか否かを判断する。ステップST7923の処理の詳細は、図15および図16のステップST1525の処理と同様である。ステップST7923において、CoMPメジャメントセットの変更を行うと判断された場合、第2セルユニファイドエンティティは、CoMPメジャメントセット内のセルの変更を行い、ステップST7910の処理に戻る。ステップST7923において、CoMPメジャメントセットの変更を行わないと判断された場合、ステップST7924に移行する。
ステップST7924において、第2セルユニファイドエンティティは、CoMPを解除、すなわちCoMPの実行を止めると決定する。
ステップST7925において、第2セルユニファイドエンティティは、サービングサブセルに、UE1に対するCoMPメジャメント構成の解除(リリース)を通知する。
図44は、実施の形態7における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図44に示すシーケンスにおいて、図36〜39、図41〜図43に示すシーケンスと同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図44では、セントラルエンティティと第2セルユニファイドエンティティを区別し、セントラルエンティティがCoMPトランスミッションポイントの決定を行う場合のシーケンスを示している。図44では、図41〜図43のステップST7621〜ステップST7627の処理の他の具体例を示している。セントラルエンティティと第3セルユニファイドエンティティを区別した場合も同様である。
ステップST8001において、第2セルユニファイドエンティティは、CoMP実行の対象となるデータに関する情報(以下「データパラメータ」という場合がある)を、セントラルエンティティに通知する。データパラメータの具体例としては、データ量、サービスのQoS情報などがある。第2セルユニファイドエンティティは、CoMP実行の対象となるデータを、セントラルエンティティに通知してもよい。
ステップST8002において、セントラルエンティティは、CoMPメジャメントセット間において、ステップST8001で受信したCoMP実行の対象となるデータのCoMPを実現するための調整を行う。CoMPアクティブセット間において調整を行ってもよい。具体的には、セントラルエンティティは、該データの送信が、サービングサブセル、およびCoMPメジャメントセットサブセルで受け入れ可能であるかの調整を、第2セルユニファイドエンティティと行う。サービングサブセルの傘下のCoMP対象外のUEに対するスケジューリングと、CoMPメジャメントセットサブセルの傘下のCoMP対象外のUEに対するスケジューリングとは、第2セルユニファイドエンティティで行われるので、前記の調整を行うことによって、最適なスケジューリングとすることができる。また、各サブセルと調整を行わなくてよく、第2セルユニファイドエンティティと一括して調整を行えばよいので、CoMPをサポートする移動体通信システムにおいて、第2セルユニファイドエンティティを設けることによって、制御遅延を防止することができる。
ステップST7703において、セントラルエンティティは、CoMPスケジューリングを決定する。セントラルエンティティは、ステップST8001で受信したCoMP実行の対象となるデータに関する情報、およびステップST8002で行った第2セルユニファイドエンティティとの調整結果に基づいて、UE1用のCoMPスケジューリングを行う。具体的には、CoMPトランスミッションポイントの決定を行う。ステップST7703の処理の詳細は、図15および図16に示すシーケンスのステップST1516の処理と同様である。
その後、セントラルエンティティは、CoMPトランスミッションポイント間において、再度調整を行って最終的なCoMPスケジューリングを決定してもよい。
ステップST8004において、セントラルエンティティは、ステップST7703で決定したCoMPスケジューリングを、第2セルユニファイドエンティティに通知する。
ステップST8005において、第2セルユニファイドエンティティは、ステップST8004で受信したスケジューリングを、サービングサブセルに通知する。セントラルエンティティが、ステップST7703で決定したスケジューリングを、サービングサブセルに通知してもよい。
ステップST8006において、第2セルユニファイドエンティティは、ステップST8004で受信したCoMPスケジューリングを、CoMPメジャメントセットサブセルに通知する。セントラルエンティティが、ステップST7703で決定したCoMPスケジューリングを、CoMPメジャメントセットサブセルに通知してもよい。
図45は、実施の形態7における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図45に示すシーケンスにおいて、図36〜39および図41〜図43に示すシーケンスと同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図45では、セントラルエンティティと第2セルユニファイドエンティティを区別し、第2セルユニファイドエンティティとセントラルエンティティとが、共同でCoMPトランスミッションポイントの決定を行う場合のシーケンスを示している。図45では、図41〜図43のステップST7621〜ステップST7627の処理の他の具体例を示している。セントラルエンティティと第3セルユニファイドエンティティを区別した場合も同様である。
ステップST8101において、サービングサブセルは、ステップST7601で受信したCSI−RSの測定結果を、第2セルユニファイドエンティティに通知する。CSI−RSの測定結果の具体例としては、CSI−RSメジャメントリポート(CSI-RS Measurement Report)、およびCSIフィードバック(CSI feedback)情報などがある。
ステップST8102において、第2セルユニファイドエンティティは、UE1用の自セル単独でのスケジューリングを決定する。一旦決定するようにしてもよい。
ステップST8103において、第2セルユニファイドエンティティは、セントラルエンティティに、CoMPメジャメントセット間の調整依頼を通知する。第2セルユニファイドエンティティは、調整依頼を通知するとき、ステップST8102で決定したスケジューリングを通知すればよい。スケジューリングの具体例としては、時間−周波数リソースなどがある。CoMPアクティブセット間の調整を依頼してもよい。
セントラルエンティティが有する機能を、第2セルユニファイドエンティティが有してもよい。あるいは、第2セルユニファイドエンティティが有する機能を、セントラルエンティティが有してもよい。あるいは、セントラルエンティティが有する機能と、第2セルユニファイドエンティティが有する機能とを、同じエンティティが有してもよい。図41〜図43が、この例にあたる。
あるいは、セントラルエンティティが有する機能を、第3セルユニファイドエンティティが有してもよい。あるいは、第3セルユニファイドエンティティが有する機能を、セントラルエンティティが有してもよい。あるいは、セントラルエンティティが有する機能と、第3セルユニファイドエンティティが有する機能とを、同じエンティティが有してもよい。図41〜図43が、この例にあたる。
これによって、第2セルユニファイドエンティティとセントラルエンティティとの間のシグナリングおよび通信が不要となり、制御遅延を防止することができる。あるいは、第3セルユニファイドエンティティとセントラルエンティティとの間のシグナリングおよび通信が不要となり、制御遅延を防止することができる。
具体的には、図44のステップST8001、ステップST8002およびステップST8004の処理、あるいは図45のステップST8103、ステップST8002およびステップST8004の処理などを省略することが可能となる。
セントラルエンティティが、第2セルユニファイドエンティティの有するCoMPメジャメントセット内に含まれるセル傘下の全UEのスケジューリングを行う機能を有する場合、CoMPメジャメントセット間の調整、あるいはCoMPアクティブセット間の調整、あるいはCoMPトランスミッション間の調整が不要となる。これによって、制御遅延の防止および処理負荷の軽減を図ることができる。
セントラルエンティティが、第3セルユニファイドエンティティの有するCoMPメジャメントセット内に含まれるセル傘下の全UEのスケジューリングを行う機能を有する場合、CoMPメジャメントセット間の調整、あるいはCoMPアクティブセット間の調整、あるいはCoMPトランスミッション間の調整が不要となる。これによって、制御遅延の防止および処理負荷の軽減を図ることができる。
MACの機能に、複数の無線エリアにおいて共通とすることが難しい機能が存在する場合、第2セルユニファイドエンティティの実現は困難となる。その場合、共通とすることで、CoMPを実行するときに制御遅延の防止および処理負荷の軽減を図ることができるというMACの機能のうち、少なくともスケジューリングの機能を複数の無線エリアにおいて共通とする第3セルユニファイドエンティティは有用である。
以降、実施の形態7、実施の形態8、実施の形態9および実施の形態10では、eNBとは、少なくとも一つのセルおよび関連するインタフェースを実装した装置とする。また、サブeNB(Sub eNB)とは、一つもしくは複数のサブセルおよび関連するインタフェースを実装した装置とする。サブeNBには、RRHも含まれる。
セントラルエンティティは、eNB、サブeNB、MMEおよびHeNBGWに実装されてもよく、また新たな装置に実装されてもよい。ここでは、セントラルエンティティが実装される新たな装置を、CoMP調整装置と称する。
セルユニファイドエンティティは、eNB、サブeNB、MMEおよびHeNBGWに実装されてもよく、また新たな装置に実装されてもよい。ここでは、セルユニファイドエンティティが実装される新たな装置を、セル制御装置と称する。CoMP調整装置と、セル制御装置とは、同じ装置であってもよい。
各エンティティが実装される装置によって、各エンティティ間のインタフェースが異なることがある。例えば、MMEとeNBとの間は、S1インタフェースが用いられる。HeNBGWとHeNBとの間は、S1インタフェースが用いられる。HeNBGWとMMEとの間は、S1インタフェースが用いられる。eNB間は、X2インタフェースが用いられる。eNBとサブeNBとの間は、専用線が用いられる。サブeNBがRRHである場合の専用線は、オプティカルファイバ(optical fiber)と称されることもある。
以上の実施の形態7によって、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態8.
実施の形態8で解決する課題について、以下に説明する。3GPPでは、CoMP実行中の移動端末の移動性(UE Mobility)については、何ら開示されていない。したがって、移動体通信システムにおいて、CoMPを実行することができないという問題がある。
この問題に対する解決策を以下に示す。ハンドオーバ前のサービングセル(以下「ソースセル」という場合がある)で、CoMPの実行を中止する。具体的には、ソースセルは、ハンドオーバを実行することを決定した場合、CoMPの実行を中止する。ソースセルは、ハンドオーバ対象のUEにハンドオーバの指示を通知する前に、CoMPの実行を中止する。つまり、ソースセルは、ハンドオーバ対象のUEに、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報を含むRRC接続再設定メッセージ、およびハンドオーバコマンドを通知するときは、CoMPを用いない。
CoMPの実行を中止する方法の具体例を、以下に開示する。移動体通信システムとして、CoMPメジャメント構成を解除(リリース)する。
移動体通信システムとして、CoMPメジャメント構成を解除する方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)ソースセルは、ハンドオーバを実行することを決定した場合、ハンドオーバ対象のUEに、CoMPメジャメント構成の解除を要求する。ソースセルは、継続中のHARQプロセスが存在しないことを確認した後に、ハンドオーバ対象のUEに、CoMPメジャメント構成の解除を要求するようにしてもよい。ソースセルは、ハンドオーバ対象のUEにCoMPメジャメント構成の解除を要求するとき、ハンドオーバが理由である旨を併せて通知してもよい。
CoMPメジャメント構成の解除の要求を受信したUEは、CoMPメジャメント構成の解除、およびCoMPメジャメントセット内のセルのCSI−RSの測定を中止してもよい。
UEは、CoMPメジャメント構成を解除するとき、CoMPメジャメントセット内に含まれるセルの無線情報(RAN情報)を記憶してもよい。ハンドオーバ後のサービングセル(以下「ターゲットセル」という場合がある)によって、ソースセルにおけるCoMPメジャメントセットが再設定される可能性がある。そのような場合には、UEが無線情報を記憶しておくことによって、制御遅延を防止することができる。
UEは、ハンドオーバが理由でCoMPメジャメント構成を解除するとき、無線情報を記憶するようにしてもよい。この場合、ソースセルは、ハンドオーバ対象のUEにCoMPメジャメント構成の解除を要求するとき、ハンドオーバが理由である旨を併せて通知すればよい。
ハンドオーバが理由であるCoMPメジャメント構成の解除要求を受信したUEは、CoMPメジャメントセット内に含まれるセルの無線情報を記憶する。また、ハンドオーバが理由でないCoMPメジャメント構成の解除要求を受信したUEは、CoMPメジャメントセット内に含まれるセルの無線情報を記憶しないようにすればよい。
CoMPメジャメントセットの無線情報の具体例として、以下の(a)〜(n)の14個を開示する。
(a)PCI。(b)下りタイミング。(c)MIB情報。(d)SIB情報。(e)CSI−RS情報。(f)TA。(g)送信−受信タイミング差(TX−RXタイミング差)。(h)受信MIMO情報。(i)他のセルとの位相差。(j)測定時のUEの位置情報。(k)測定時の時間情報。(l)EDPCCHの構成。(m)受信品質情報。(n)前記(a)〜(m)の組合せ。
(2)ソースセルは、ハンドオーバを実行することを決定した場合、CoMPメジャメントセットに含まれるセルに、CoMPメジャメント構成の解除を要求する。ソースセルは、継続中のHARQプロセスが存在しないことを確認した後に、CoMPメジャメントセットに含まれるセルに、CoMPメジャメント構成の解除を要求するようにしてもよい。CoMPメジャメント構成の解除の要求を受信したCoMPメジャメントセットに含まれるセルは、CSI−RSの送信を停止する。
(3)ソースセルは、ハンドオーバを実行することを決定した場合、UE1宛のCoMP用データの通知を停止する。具体的には、CoMPメジャメントセットに含まれるセルへのUE1宛のデータの通知を停止する。ソースセルは、継続中のHARQプロセスが存在しないことを確認した後に、UE1宛のCoMP用データの通知を停止するようにしてもよい。CoMPアクティブセットに含まれるセルへのUE1宛のデータ通知、あるいはCoMPトランスポートポイントへのUE1宛のデータの通知を、停止するようにしてもよい。
また、ソースセルは、ハンドオーバを実行することを決定した場合、UE1用のCoMPスケジューリングの通知を停止する。具体的には、CoMPメジャメントセットに含まれるセルへのUE1用のCoMPスケジューリングの通知を停止する。ソースセルは、継続中のHARQプロセスが存在しないことを確認した後に、UE1用のCoMPスケジューリングの通知を停止するようにしてもよい。CoMPアクティブセットに含まれるセルへのUE1用のCoMPスケジューリングの通知、あるいはCoMPトランスポートポイントへのUE1用のCoMPスケジューリングの通知を、停止するようにしてもよい。
また、CoMPメジャメントセットは、サービングセル、あるいはセントラルエンティティが管理してもよい。CoMPメジャメントセットは、UE毎に管理してもよい。CoMPメジャメントセットの管理主体であるサービングセル、あるいはセントラルエンティティは、CoMPメジャメント構成を解除した後も、過去の情報として、CoMPメジャメント構成を記憶しておいてもよい。
図46および図47は、実施の形態8における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図46と図47とは、境界線BL9の位置で、つながっている。図46および図47では、サービングセルであるセル1とセル2とを用いて、UE1に対してCoMPを実行しているときに、UE1が、セル1からセル2に移動する場合のシーケンスを示している。本シーケンスでは、セントラルエンティティがサービングセル内に構成された場合について示しているので、特にセントラルエンティティとサービングセルとを区別せずに、サービングセルと記載する。
ステップST8201において、セル1は、UE1をハンドオーバさせるか否かを判断する。セル1は、UE1をハンドオーバさせると判断した場合、UE1に対するCoMPの実行を中止する。具体的には、セル1は、CoMPメジャメント構成の解除を決定する。また、セル1は、UE1をハンドオーバさせると判断した場合、ハンドオーバ先であるターゲットセルを決定する。本動作例では、ターゲットセルとして、セル2を選択する。
ステップST8202において、セル1は、UE1に、CoMPメジャメント構成の解除(CoMP Measurement set Release)を要求する。ステップST8203において、セル2は、UE1に、CoMPメジャメント構成の解除(CoMP Measurement set Release)を要求する。本動作例では、CoMPメジャメント構成の解除を要求する場合に、セル1とセル2とを用いてCoMPを実行することを開示したが、CoMPメジャメント構成の解除にCoMPを用いずに、セル1からのみCoMPメジャメント構成の解除要求を通知するようにしてもよい。
ステップST8204において、CoMPメジャメント構成の解除の要求を受信したUE1は、CoMPメジャメント構成を解除する。
ステップST8205において、サービングセルであるセル1は、CoMPメジャメントセットに含まれるセルであるセル2に、CoMPメジャメント構成の解除を要求する。
ステップST8206において、CoMPメジャメントセットに含まれるセルであるセル2は、CoMPメジャメント構成の解除の要求に対する応答を通知する。
ステップST8207において、ステップST8205でCoMPメジャメント構成の解除の要求を受信したCoMPメジャメントセットに含まれるセルであるセル2は、CSI−RSの送信を停止する。
ステップST8208において、サービングセルであるセル1は、CoMPメジャメントセットに含まれるセルであるセル2へのUE1宛のデータの通知を停止する。具体的には、UE1宛のCoMP用データの通知を停止する。
ステップST8209において、セル1は、CSI−RSの送信を停止する。
ステップST8210において、ソースセルであるセル1は、ターゲットセルであるセル2に。ハンドオーバ要求(Handover Request)を通知する。
ステップST8211において、ターゲットセルであるセル2は、リソースに基づいて、ハンドオーバが受け入れ可能であるか否かを判断し、受け入れ可能であると判断した場合、ソースセルであるセル1に、ハンドオーバ要求受け入れ(Handover Request Ack)を通知する。
ステップST8212において、セル1は、セル2に、UEに関するデータの受け渡し(Data Forwarding)を開始する。具体的には、UE1宛のHO用データの通知を行う。HO用データの通知は、PDCP SDUデータによって行われる(非特許文献1参照)。
ステップST8213において、セル1は、UE1に、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報(Mobility Control Information)を含むRRC接続再設定メッセージ(RRC Connection Reconfiguration Message)を通知する。併せて、セル1は、UE1に、ハンドオーバの実行を指示する。ハンドオーバの実行の指示を、「ハンドオーバコマンド」と称することもある。
ステップST8214において、UE1は、ステップST8213で受信したパラメータを用いて、セル2への接続を試みる。つまり、UE1は、セル2にRACHを送信し、RRCコネクションリクエスト(RRC Connection Request)の送信を行う。
ステップST8215において、セル2は、ステップST8214の処理に対する応答として、タイミングアドバンス(Timing Advance:TA)をUE1に通知する。
ステップST8216において、UE1は、RRC接続再設定完了(RRC Connection Reconfiguration Complete)を、セル2に通知する。
RRC接続設定完了を受信したターゲットセルであるセル2は、ハンドオーバ処理が完了したと判断してもよい。あるいはサービングセルの変更手順が完了したと判断してもよい。RRC接続設定完了を受信したターゲットセルは、多地点通信(CoMP通信)を再度構築してもよい。これによって、セル端における複数の無線リンクを用いた通信品質の改善を、ハンドオーバ後に実現することができる。
ステップST8217において、ステップST8216でUE1からのRRC接続再設定完了の通知を受信したセル2は、パススイッチ処理を実行する。
ステップST8218において、パススイッチ処理を完了したセル2は、UEコンテキストリリース(UE Context Release)を、セル1に通知する。
ステップST8219において、ステップST8218でセル2からのUEコンテキストリリースの通知を受信したセル1は、UE1に対する無線リソースをリリースする。
CoMPを実行する場合の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。また、実施の形態7で開示したように、セントラルエンティティがCoMPトランスミッションポイントの決定を行ってもよいし、サービングセルとセントラルエンティティとが、共同でCoMPトランスミッションポイントの決定を行ってもよい。その場合の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。
図48は、実施の形態8における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図48に示すシーケンスは、図46および図47に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
図48では、セルユニファイドエンティティとサブセルとを区別した場合にCoMPを実行するときのシーケンスを示している。本シーケンスでは、セントラルエンティティがサービングサブセル内、あるいはセントラルエンティティ内に構成された場合について示しているので、特にセントラルエンティティとサービングサブセル、あるいはセントラルエンティティとを区別せずに、サービングサブセル、あるいはセントラルエンティティと記載する。
図48では、サービングサブセルであるサブセル1とサブセル2とを用いて、UE1に対してCoMPを実行しているときに、UE1が、サブセル1からサブセル2に移動する場合のシーケンスを示している。
セルユニファイドエンティティは、第1セルユニファイドエンティティであっても、第2セルユニファイドエンティティであっても、第3セルユニファイドエンティティであっても、図48に示すシーケンスを用いることができる。
ステップST8301において、セルユニファイドエンティティは、UE1をハンドオーバさせるか否かを判断する。セルユニファイドエンティティは、UE1をハンドオーバさせると判断した場合、UE1に対するCoMPの実行を中止する。具体的には、セルユニファイドエンティティは、CoMPメジャメント構成の解除を決定する。また、セルユニファイドエンティティは、UE1をハンドオーバさせると判断した場合、ハンドオーバ先であるターゲットセルを決定する。本動作例では、ターゲットセルとして、セル2を選択する。
ステップST8302において、セルユニファイドエンティティは、CoMPメジャメントセットに含まれるセルであるサブセル1に、CoMPメジャメント構成の解除を要求する。CoMPメジャメント構成の解除の要求に限らず、CSI−RSの送信停止の要求であってもよい。図48では省略しているが、サブセル1は、CoMPメジャメント構成の解除の要求に対する応答を、セルユニファイドエンティティに通知してもよい。
ステップST8303において、セルユニファイドエンティティは、CoMPメジャメントセットに含まれるセルであるサブセル2に、CoMPメジャメント構成の解除を要求する。CoMPメジャメント構成の解除の要求に限らず、CSI−RSの送信停止の要求であってもよい。図48では省略しているが、サブセル2は、CoMPメジャメント構成の解除の要求に対する応答を、セルユニファイドエンティティに通知してもよい。
ステップST8304において、CoMPメジャメント構成の解除の要求を受信したCoMPメジャメントセットに含まれるセルであるサブセル1は、CSI−RSの送信を停止する。
ステップST8305において、CoMPメジャメント構成の解除の要求を受信したCoMPメジャメントセットに含まれるセルであるサブセル2は、CSI−RSの送信を停止する。
ステップST8306において、セルユニファイドエンティティは、CoMPメジャメントセットに含まれるサブセル2へのUE1宛のデータの通知を停止する。具体的には、UE1宛のCoMP用データの通知を停止する。
セルユニファイドエンティティが、サブセルの負荷状況などを把握し、ターゲットセルであるサブセル2が、ハンドオーバの受け入れが可能であるか否かを判断できる場合は、図46および図47のステップST8210およびステップST8211に相当する処理を省略することができる。このように、セルユニファイドエンティティを設けることによって、制御遅延を防止することができる。
セルユニファイドエンティティが複数の無線エリアにおけるPDCPの機能を共通して有している場合を考える。具体的には、サービングサブセルの無線エリアと、ターゲットサブセルの無線エリアとにおけるPDCPの機能を共通して有している場合を考える。その場合、サービングサブセルとターゲットサブセルとの間のHO用データ通知は不要となる。したがって、図47のステップST8212に相当する処理を省略することができる。このようにセルユニファイドエンティティを設けることによって、制御遅延を防止することができる。
ステップST8308において、セルユニファイドエンティティは、UE1に、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報(Mobility Control Information)を含むRRC接続再設定メッセージ(RRC Connection Reconfiguration Message)を通知する。併せて、セルユニファイドエンティティは、UE1に、ハンドオーバの実行を指示する。ハンドオーバの実行の指示を、「ハンドオーバコマンド」と称することもある。
ステップST8309において、サブセル2は、ステップST8216で受信したRRC接続再設定完了を、セルユニファイドエンティティに通知する。
セルユニファイドエンティティが複数の無線エリアにおけるPDCPの機能を共通して有している場合を考える。具体的には、サービングサブセルの無線エリアと、ターゲットサブセルの無線エリアとにおけるPDCPの機能を共通して有している場合を考える。その場合、サービングサブセルからターゲットサブセルへのパススイッチ処理は不要となる。したがって、図47のテップST8217に相当する処理を省略することができる。このようにセルユニファイドエンティティを設けることによって、制御遅延を防止することができる。
ステップST8311において、パススイッチ処理を完了したセルユニファイドエンティティは、サブセル1に、UEコンテキストリリース(UE Context Release)を通知する。
CoMPを実行する場合の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。第1セルユニファイドエンティティを用いた場合のCoMPの実行の詳細な動作、および第2セルユニファイドエンティティを用いた場合のCoMPの実行の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。また、実施の形態7で開示したように、セントラルエンティティがCoMPトランスミッションポイントの決定を行ってもよいし、サービングサブセルとセントラルエンティティとが共同でCoMPトランスミッションポイントの決定を行ってもよいし、セルユニファイドエンティティとセントラルエンティティとが共同でCoMPトランスミッションポイントの決定を行ってもよい。その場合の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。
以上の実施の形態8によって、以下の効果を得ることができる。本実施の形態では、CoMP実行中のハンドオーバの方法について開示した。開示した方法を用いることによって、CoMP実行中のハンドオーバが可能となる。
また、後述する実施の形態10と比較して、制御が容易である。また、実施の形態10と比較して、移動体通信システムが複雑化することを回避しつつ、CoMP実行中のUEの移動について、基地局および移動端末で統一が取れた動作とすることができ、安定した移動体通信システムを得ることができる。
実施の形態8 変形例1.
本変形例では、実施の形態8とは異なる他のCoMPの実行を中止する方法の具体例を開示する。
移動体通信システムとして、CoMPアクティブ構成を解除(リリース)する。移動体通信システムとして、CoMPメジャメント構成は解除(リリース)しない、つまり維持する。
移動体通信システムとして、CoMPアクティブ構成を解除(リリース)する方法の具体例として、以下の(1)〜(6)の6つを開示する。
(1)ソースセルは、ハンドオーバを実行することを決定した場合、ハンドオーバ対象のUEに、CoMPアクティブ構成の解除を要求する。ソースセルは、継続中のHARQプロセスが存在しないことを確認した後に、ハンドオーバ対象のUEに、CoMPアクティブ構成の解除を要求するようにしてもよい。
CoMPアクティブ構成の解除の要求を受信したUEは、CoMPアクティブ構成の解除を行う。CoMPメジャメント構成は、解除しなくてもよい。CoMPメジャメントセット内セルのCSI−RSの測定は、継続してもよい。
UEは、CoMPアクティブ構成を解除するとき、CoMPアクティブセット内に含まれるセルの無線情報(RAN情報)を記憶してもよい。ターゲットセルによって、ソースセルにおけるCoMPアクティブ構成が再設定される可能性がある。そのような場合には、UEが無線情報を記憶しておくことによって、制御遅延を防止することができる。
UEは、ハンドオーバが理由でCoMPアクティブ構成を解除するとき、無線情報を記憶するようにしてもよい。この場合、ソースセルは、ハンドオーバ対象のUEにCoMPアクティブ構成の解除を要求するとき、ハンドオーバが理由である旨を併せて通知すればよい。
ハンドオーバが理由であるCoMPアクティブ構成の解除要求を受信したUEは、CoMPアクティブセット内に含まれるセルの無線情報を記憶する。また、ハンドオーバが理由でないCoMPアクティブ構成の解除要求を受信したUEは、CoMPアクティブセット内に含まれるセルの無線情報を記憶しないようにすればよい。
CoMPアクティブセットの無線情報の具体例は、実施の形態8のCoMPメジャメントセットの無線情報と同様である。
(2)ソースセルは、ハンドオーバを実行することを決定した場合、CoMPメジャメントセットに含まれるセルに、CoMPメジャメント構成の解除を要求しない。つまり、CoMPメジャメントセットに含まれるセルは、CSI−RSの送信を継続する。
(3)ソースセルは、ハンドオーバを実行することを決定した場合、UE1宛のCoMP用データの通知を停止する。具体的には、CoMPメジャメントセットに含まれるセルへのUE1宛のデータの通知を停止する。ソースセルは、継続中のHARQプロセスが存在しないことを確認した後に、UE1宛のCoMP用データの通知を停止するようにしてもよい。CoMPメジャメントセットに含まれるセルへのUE1宛のデータの通知、あるいはCoMPアクティブセットに含まれるセルへのUE1宛のデータの通知、あるいはCoMPトランスポートポイントへのUE1宛のデータの通知を、停止するようにしてもよい。
(4)CoMPメジャメントセットの取り扱いについて説明する。
(4−1)ソースセルにおけるCoMPメジャメントセットを、ターゲットセルにおいても継続して用いる。具体的には、ソースセルは、ターゲットセルに、ハンドオーバ要求(Handover Request)とともに、ソースセルにおけるCoMPメジャメントセットを通知する。ターゲットセルは、ハンドオーバ対象のUEのCoMPメジャメントセットとして、ハンドオーバ要求とともに通知されたソースセルにおけるCoMPメジャメントセットを継続して用いる。そのとき、ターゲットセルにおいて、ソースセルにおけるCoMPメジャメントセットを継続して用いることができる場合は、その旨(Ack)をソースセルに通知する。ターゲットセルにおいてソースセルにおけるCoMPメジャメントセットを継続して用いることができる旨は、ハンドオーバ要求受け入れ(Handover Request Ack)とともに通知してもよい。
ターゲットセルにおいて、ソースセルにおけるCoMPメジャメントセットを継続して用いることができない場合は、その旨(Nack)をソースセルに通知する。ターゲットセルにおいてソースセルにおけるCoMPメジャメントセットを継続して用いることができない旨は、ハンドオーバ要求受け入れ(Handover Request Ack)とともに通知してもよい。
ターゲットセルにおいてソースセルにおけるCoMPメジャメントセットを継続して用いる場合、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報(Mobility Control Information)を含むRRC接続再設定メッセージ(RRC Connection Reconfiguration Message)とともに、CoMPメジャメント構成を改めて通知してもよい。これによって、ターゲットセルとUEとの状態不一致の発生を低減することができる。
あるいは、改めて通知せずに、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報(Mobility Control Information)を含むRRC接続再設定メッセージ(RRC Connection Reconfiguration Message)とともに、ソースセルにおけるCoMPメジャメントセットを、ターゲットセルにおいても継続して用いることを示す情報、例えばインジケータを通知してもよい。これによって、制御情報を削減することができる。
あるいは、移動体通信システムとして、ハンドオーバ時は、CoMPメジャメントセットを継続させることを、静的または準静的に決定してもよい。これによって、制御情報を削減することができる。また、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報(Mobility Control Information)を含むRRC接続再設定メッセージ(RRC Connection Reconfiguration Message)に追加する情報は、不要となり、後方互換性のある移動体通信システムの構築が可能となる。
CoMPアクティブセットのCoMPメジャメントセットと同様に取り扱うことができる。
(4−2)ターゲットセルにおいてUE用に用いることが予定されるCoMPメジャメントセットを、予めソースセルからUEに通知する。ハンドオーバ前に通知するようにしてもよい。
ターゲットセルにおいてソースセルにおけるCoMPメジャメントセットを継続して用いることができない場合は、ターゲットセルにおいて、UE用に用いることが予定されるCoMPメジャメントセットを通知する。UE用に用いることが予定されるCoMPメジャメントセットを、ハンドオーバ要求受け入れ(Handover Request Ack)とともに通知してもよい。
ターゲットセルにおいてUE用に用いることが予定されているCoMPメジャメントセットとしては、ターゲットセル固有に予め決められたセットとすればよい。例えば、UE毎ではなく、ターゲットセルのロケーションによって決定されるセットとすればよい。UEが、ターゲットセルにおいてメジャメントを実行していないからである。
ターゲットセルにおいてUE用に用いることが予定されているCoMPメジャメントセットは、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報(Mobility Control Information)を含むRRC接続再設定メッセージ(RRC Connection Reconfiguration Message)とともに通知すればよい。これによって、UEは、予めターゲットセルにおいてUE用に用いることが予定されているCoMPメジャメントセットを知ることができ、制御遅延を防止することができる。UEは、ハンドオーバ後は、ターゲットセルにおいてUE用に用いることが予定されているCoMPメジャメントセットを用いればよい。
CoMPアクティブセットのCoMPメジャメントセットと同様に取り扱うことができる。
(5)ハンドオーバコマンドを受信したUEは、ターゲットセルにおけるCoMPメジャメントセット内セルのCSI−RSの測定を継続してもよい。
(6)ターゲットセルからパススイッチ処理を完了したことの通知を受けたセル1は、以下の処理を行う。ソースセルは、ハンドオーバ対象のUEに対するCoMPメジャメント構成の解除を決定する。ソースセルは、CSI−RSの送信を停止してもよい。ソースセルは、CoMPメジャメントセットに含まれるセルに、CoMPメジャメント構成の解除を要求する。ソースセルは、継続中のHARQプロセスが存在しないことを確認した後に、CoMPメジャメントセットに含まれるセルに、CoMPメジャメント構成の解除を要求するようにしてもよい。
CoMPメジャメント構成の解除の要求を受信したCoMPメジャメントセットに含まれるセルは、CSI−RSの送信を停止する。
図49および図50は、実施の形態8の変形例1における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図49と図50とは、境界線BL10の位置で、つながっている。図49および図50に示すシーケンスは、図46および図47に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図49および図50では、サービングセルであるセル1とセル2とを用いて、UE1に対してCoMPを実行しているときに、UE1が、セル1からセル2に移動する場合のシーケンスを示している。本シーケンスでは、セントラルエンティティがサービングセル内に構成された場合について示しているので、特にセントラルエンティティとサービングセルとを区別せずに、サービングセルと記載する。
ステップST8400において、セル1は、UE1をハンドオーバさせるか否かを判断する。セル1は、UE1をハンドオーバさせると判断した場合、UE1に対するCoMPの実行を中止する。具体的には、セル1は、CoMPアクティブ構成の解除を決定する。また、セル1は、UE1をハンドオーバさせると判断した場合、ハンドオーバ先であるターゲットセルを決定する。本動作例では、ターゲットセルとして、セル2を選択する。
ステップST8401において、セル1は、UE1に、CoMPアクティブ構成の解除(CoMP Active set Release)を要求する。ステップST8402において、セル2は、UE1に、CoMPアクティブ構成の解除(CoMP Active set Release)を要求する。本動作例では、CoMPアクティブ構成の解除を要求する場合に、セル1とセル2とを用いてCoMPを実行することを開示したが、CoMPアクティブ構成の解除にCoMPを用いずに、セル1からのみCoMPメジャメント構成の解除要求を通知するようにしてもよい。
ステップST8403において、CoMPアクティブ構成の解除の要求を受信したUE1は、CoMPアクティブ構成を解除する。
ステップST8404において、ステップST8218でセル2からUEコンテキストリリースの通知を受信したセル1は、CoMPメジャメント構成の解除を決定する。CoMPメジャメント構成の解除に代えて、CoMPアクティブ構成の解除を決定してもよい。
ステップST8405において、サービングセルであるセル1は、CoMPメジャメントセットに含まれるセルであるセル2に、CoMPメジャメント構成の解除を要求する。
ステップST8406において、CoMPメジャメントセットに含まれるセルであるセル2は、CoMPメジャメント構成の解除の要求に対する応答を通知する。
ステップST8407において、ステップST8405でCoMPメジャメント構成の解除の要求を受信したCoMPメジャメントセットに含まれるセルであるセル2は、CSI−RSの送信を停止する。
ステップST8408において、ステップST8404でCoMPメジャメント構成の解除を決定したセル1は、CSI−RSの送信を停止する。
CoMPを実行する場合の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。また、実施の形態7で開示したように、セントラルエンティティがCoMPトランスミッションポイントの決定を行ってもよいし、サービングセルとセントラルエンティティとが、共同でCoMPトランスミッションポイントの決定を行ってもよい。その場合の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。
図51および図52は、実施の形態8の変形例1における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図51および図52に示すシーケンスは、図46〜図50に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図51と図52とは、境界線BL11の位置で、つながっている。図51および図52では、セルユニファイドエンティティとサブセルとを区別した場合のCoMPを実行するときのシーケンスを示している。本シーケンスでは、セントラルエンティティがサービングサブセル、あるいはセントラルエンティティ内に構成された場合について示しているので、特にセントラルエンティティを区別せずに、サービングサブセル、あるいはセントラルエンティティと記載する。図51および図52では、サービングサブセルであるサブセル1とサブセル2とを用いて、UE1に対してCoMPを実行しているときに、UE1が、サブセル1からサブセル2に移動する場合のシーケンスを示している。セルユニファイドエンティティは、第1セルユニファイドエンティティであっても、第2セルユニファイドエンティティであっても、第3セルユニファイドエンティティであっても、図51および図52に示すシーケンスを用いることができる。
ステップST8500において、セルユニファイドエンティティは、UE1をハンドオーバさせるか否かを判断する。セルユニファイドエンティティは、UE1をハンドオーバさせると判断した場合、UE1に対するCoMPの実行を中止する。具体的には、セルユニファイドエンティティは、CoMPアクティブ構成の解除を決定する。また、セルユニファイドエンティティは、UE1をハンドオーバさせると判断した場合、ハンドオーバ先であるターゲットセルを決定する。本動作例では、ターゲットセルとして、サブセル2を選択する。
ステップST8501において、ステップST8309でRRC接続完了を受信した場合、セルユニファイドエンティティは、CoMPメジャメント構成の解除を決定する。CoMPメジャメント構成の解除に代えて、CoMPアクティブ構成の解除を決定してもよい。
ステップST8502において、セルユニファイドエンティティは、CoMPメジャメントセットに含まれるセルであるサブセル1に、CoMPメジャメント構成の解除を要求する。CoMPメジャメント構成の解除の要求に限らず、CSI−RSの送信停止の要求であってもよい。図51および図52では省略しているが、サブセル1は、CoMPメジャメント構成の解除の要求に対する応答を、セルユニファイドエンティティに通知してもよい。
ステップST8503において、セルユニファイドエンティティは、CoMPメジャメントセットに含まれるセルであるサブセル2に、CoMPメジャメント構成の解除を要求する。CoMPメジャメント構成の解除の要求に限らず、CSI−RSの送信停止の要求であってもよい。図51および図52では省略しているが、サブセル2は、CoMPメジャメント構成の解除の要求に対する応答を、セルユニファイドエンティティに通知してもよい。
ステップST8504において、CoMPメジャメント構成の解除の要求を受信したCoMPメジャメントセットに含まれるセルであるサブセル2は、CSI−RSの送信を停止する。
ステップST8505において、CoMPメジャメント構成の解除の要求を受信したCoMPメジャメントセットに含まれるセルであるサブセル1は、CSI−RSの送信を停止する。
CoMPを実行する場合の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。第1セルユニファイドエンティティを用いた場合のCoMPの実行の詳細な動作、および第2セルユニファイドエンティティを用いた場合のCoMPの実行の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。また、実施の形態7で開示したように、セントラルエンティティがCoMPトランスミッションポイントの決定を行ってもよいし、セルユニファイドエンティティとセントラルエンティティとが、共同でCoMPトランスミッションポイントの決定を行ってもよい。その場合の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。
以上の実施の形態8の変形例1によって、実施の形態8の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。CoMP実行可能なロケーションに位置するUE、あるいはCoMPを実行することによって、受信品質を維持していたUEが、CoMPメジャメントを継続することが可能となる。これによって、実施の形態8と比較して、ハンドオーバ後も迅速にCoMPを開始することが可能となる。また、ターゲットセルにおいてUE用に用いることが予定されるCoMPメジャメントセットを、ソースセルから、予めUEに通知することが可能となる。これによって、ターゲットセルからCoMPメジャメントセットを改めて通知する必要が無くなり、実施の形態8と比較して、ハンドオーバ後も迅速にCoMPを開始することが可能となる。
実施の形態8 変形例2.
本変形例では、実施の形態8、および実施の形態8の変形例1とは異なる他のCoMPの実行を中止する方法の具体例を開示する。
移動体通信システムとして、CoMPスケジューリングを行わない。CoMPトランスミッションポイントの選択を行わないようにしてもよい。
移動体通信システムとして、CoMPスケジューリングを行わない方法の具体例を、以下に開示する。
(1)ソースセルは、ハンドオーバを実行することを決定した場合、ハンドオーバ対象のUEに、CoMPの実行を中止することに起因して、何の通知も行わない。これによって、実施の形態8、および実施の形態8の変形例1と比較して、無線リソースを有効に活用することができる。CoMPメジャメントセット、あるいはCoMPアクティブ構成は、解除しなくてもよい。CoMPメジャメントセット内セルのCSI−RSの測定は、継続してもよい。
本変形例におけるCoMPスケジューリングを行わない方法の他の具体例は、実施の形態8の変形例1におけるCoMPアクティブ構成を解除する方法の具体例(2),(3),(4),(5),(6)と同様であるので、説明を省略する。
図53および図54は、実施の形態8の変形例2における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図53と図54とは、境界線BL12の位置で、つながっている。図53および図54に示すシーケンスは、図46、図47、図49および図50に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図53および図54では、サービングセルであるセル1とセル2とを用いて、UE1に対してCoMPを実行しているときに、UE1が、セル1からセル2に移動する場合のシーケンスを示している。本シーケンスでは、セントラルエンティティがサービングセル内に構成された場合について示しているので、特にセントラルエンティティとサービングセルとを区別せずに、サービングセルと記載する。
ステップST8601において、セル1は、UE1をハンドオーバさせるか否かを判断する。セル1は、UE1をハンドオーバさせると判断した場合、UE1に対するCoMPの実行を中止する。具体的には、セル1は、CoMPスケジューリングを行わないことを決定する。また、セル1は、UE1をハンドオーバさせると判断した場合、ハンドオーバ先であるターゲットセルを決定する。本動作例では、ターゲットセルとして、セル2を選択する。
ステップST8602において、サービングセルであるセル1は、CoMPトランスミッションポイントに含まれるセルであるセル2へのUE1宛のデータの通知を停止する。具体的には、UE1宛のCoMP用データの通知を停止する。
CoMPを実行する場合の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。また、実施の形態7で開示したように、セントラルエンティティがCoMPトランスミッションポイントの決定を行ってもよいし、サービングセルとセントラルエンティティとが、共同でCoMPトランスミッションポイントの決定を行ってもよい。その場合の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。
図55は、実施の形態8の変形例2における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図55に示すシーケンスは、図46〜図48、図51および図52に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
図55では、セルユニファイドエンティティとサブセルとを区別した場合のCoMPを実行するときのシーケンスを示している。本シーケンスでは、セントラルエンティティがサービングサブセル内、あるいはセントラルエンティティ内に構成された場合について示しているので、特にセントラルエンティティとサービングサブセル、あるいはセントラルエンティティとを区別せずに、サービングサブセル、あるいはセントラルエンティティと記載する。
図55では、サービングサブセルであるサブセル1とサブセル2とを用いて、UE1に対してCoMPを実行しているときに、UE1が、サブセル1からサブセル2に移動する場合のシーケンスを示している。セルユニファイドエンティティは、第1セルユニファイドエンティティであっても、第2セルユニファイドエンティティであっても、第3セルユニファイドエンティティであっても、図55に示すシーケンスを用いることができる。
ステップST8701において、セルユニファイドエンティティは、UE1をハンドオーバさせるか否かを判断する。セルユニファイドエンティティは、UE1をハンドオーバさせると判断した場合、UE1に対するCoMPの実行を中止する。具体的には、セルユニファイドエンティティは、CoMPスケジューリングを行わないことを決定する。あるいは、サービングサブセルがCoMPスケジューリングを行わないことを決定してもよい。また、セルユニファイドエンティティは、UE1をハンドオーバさせると判断した場合、ハンドオーバ先であるターゲットセルを決定する。本動作例では、ターゲットセルとして、サブセル2を選択する。
ステップST8702において、セルユニファイドエンティティは、CoMPトランスミッションポイントに含まれるセルであるサブセル2へのUE1宛のデータの通知を停止する。具体的には、UE1宛のCoMP用データの通知を停止する。
CoMPを実行する場合の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。第1セルユニファイドエンティティを用いた場合のCoMPの実行の詳細な動作、および第2セルユニファイドエンティティを用いた場合のCoMPの実行の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。また、実施の形態7で開示したように、セントラルエンティティがCoMPトランスミッションポイントの決定を行ってもよいし、セルユニファイドエンティティとセントラルエンティティとが、共同でCoMPトランスミッションポイントの決定を行ってもよい。その場合の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。
以上の実施の形態8の変形例2によって、実施の形態8、および実施の形態8の変形例1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態9.
実施の形態9で解決する課題について、以下に説明する。実施の形態8の方法では、一旦CoMP実行を中止する。したがって、CoMPを実行することによって受信品質を維持していたリンクの受信品質が急激に悪化して、通信断が発生するという問題がある。具体例としては、ソースセルから送信される、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報を含むRRC接続再設定メッセージが、UEで正常に受信できないことが考えられる。これによって、UEは、正常にハンドオーバすることができずに、通信断となる。
前述の通信断が発生するという問題に対する解決策を以下に示す。ハンドオーバ処理中は、ソースセルによってCoMPの実行を継続する。つまり、ハンドオーバ処理中は、セルおよびサブセルを含むネットワーク側において、CoMPに関する構成の解除を行わない。具体的には、CoMPメジャメントセット、およびCoMPアクティブ構成の解除を行わない。ソースセルは、ハンドオーバ対象のUEに、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報を含むRRC接続再設定メッセージ、およびハンドオーバコマンドを通知するとき、CoMPを実行する。
ハンドオーバ処理中の具体例としては、ハンドオーバ準備(Handover preparation)フェーズ、ハンドオーバ実行(Handover Execution)フェーズ、ハンドオーバ完了(Handover Completion)フェーズなどがある(非特許文献1 10.1.2.1章参照)。
ソースセルによってCoMPの実行を継続する方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)ソースセルは、ハンドオーバ対象のUEに、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報を含むRRC接続再設定メッセージ、およびハンドオーバコマンドを通知するとき、CoMPを実行する。
(2)ソースセルは、ハンドオーバ対象のUEに、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報を含むRRC接続再設定メッセージとともに、あるいはその後に、CoMPメジャメント構成の解除を要求する。CoMPメジャメント構成の解除を要求する代わりに、CoMPアクティブ構成の解除を要求してもよい。
CoMPメジャメント構成の解除の要求を受信したUEは、CoMPメジャメント構成の解除、およびCoMPメジャメントセット内セルのCSI−RSの測定を中止してもよい。ソースセルにおけるCoMPメジャメント構成の解除、およびソースセルにおけるCoMPメジャメントセット内のセルのCSI−RSの測定を中止してもよい。
あるいは、移動体通信システムとして、CoMP実行中における、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報を含むRRC接続再設定メッセージは、CoMPメジャメント構成の解除の要求、あるいはCoMPアクティブ構成の解除の要求を合わせ持つようにしてもよい。これによって、制御情報を削減することができる。この場合、CoMP実行中に、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報を含むRRC接続再設定メッセージを受信したUEは、CoMPメジャメント構成の解除、あるいはCoMPアクティブ構成の解除、あるいはCoMPメジャメントセット内セルのCSI−RSの測定を中止すればよい。
UEは、ハンドオーバが理由でCoMPメジャメント構成を解除するとき、無線情報を記憶するようにしてもよい。具体例は、実施の形態8と同様であるので説明を省略する。
(3)ターゲットセルから、パススイッチ処理を完了したことの通知を受けたセル1は、以下の処理を行う。パススイッチ処理を完了したことの通知の具体例としては、UEコンテキストリリースの通知がある。ソースセルは、UE1宛のCoMP用データの通知を停止する。具体的には、CoMPメジャメントセットに含まれるセルへのUE1宛のデータの通知を停止する。ソースセルは、継続中のHARQプロセスが存在しないことを確認した後に、UE1宛のCoMP用データの通知を停止するようにしてもよい。CoMPメジャメントセットに含まれるセルへのUE1宛のデータの通知、あるいはCoMPアクティブセットに含まれるセルへのUE1宛のデータの通知、あるいはCoMPトランスポートポイントへのUE1宛のデータの通知を、停止するようにしてもよい。
本変形例におけるソースセルによってCoMPの実行を継続する方法の他の具体例は、実施の形態8の変形例1におけるCoMPアクティブ構成を解除する方法の具体例(4),(5),(6)と同様であるので、説明を省略する。
図56および図57は、実施の形態9における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図56と図57とは、境界線BL13の位置で、つながっている。図56および図57に示すシーケンスは、図46、図47、図49および図50に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図56および図57では、サービングセルであるセル1とセル2とを用いて、UE1に対してCoMPを実行しているときに、UE1が、セル1からセル2に移動する場合のシーケンスを示している。本シーケンスでは、セントラルエンティティがサービングセル内に構成された場合について示しているので、特にセントラルエンティティとサービングセルとを区別せずに、サービングセルと記載する。
ステップST8801において、セル1は、UE1をハンドオーバさせるか否かを判断する。セル1は、UE1をハンドオーバさせると判断した場合、ハンドオーバ処理中は、ソースセルによってUE1に対するCoMPの実行を継続することを決定する。また、セル1は、UE1をハンドオーバさせると判断した場合、ハンドオーバ先であるターゲットセルを決定する。本動作例では、ターゲットセルとして、セル2を選択する。
ステップST8802において、セル1は、UE1に、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報を含むRRC接続再設定メッセージを通知する。ステップST8803において、セル2は、UE1に、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報を含むRRC接続再設定メッセージを通知する。併せて、セル1は、UE1に、ハンドオーバの実行を指示する。本動作例では、前記RRC接続再設定メッセージの通知に、セル1とセル2とを用いてCoMPを実行する。
ステップST8804において、CoMPメジャメント構成の解除の要求を受信したUE1は、CoMPメジャメント構成を解除する。
ステップST8805において、ステップST8218でUEコンテキストリリースを受信したセル1は、CoMPメジャメントセットに含まれるセルへのUE1宛のデータの通知を停止する。具体的には、UE1宛のCoMP用データの通知を停止する。
CoMPを実行する場合の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。また、実施の形態7で開示したように、セントラルエンティティがCoMPトランスミッションポイントの決定を行ってもよいし、サービングセルとセントラルエンティティとが、共同でCoMPトランスミッションポイントの決定を行ってもよい。その場合の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。
図58および図59は、実施の形態9における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図58と図59とは、境界線BL14の位置で、つながっている。図58および図59に示すシーケンスは、図46〜図48、図51、図52、図56および図57に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
図58および図59では、セルユニファイドエンティティとサブセルとを区別した場合のCoMPを実行するときのシーケンスを示している。本シーケンスでは、セントラルエンティティがサービングサブセル内、あるいはセントラルエンティティ内に構成された場合について示しているので、特にセントラルエンティティとサービングサブセル、あるいはセントラルエンティティとを区別せずに、サービングサブセル、あるいはセントラルエンティティと記載する。
図58および図59では、サービングサブセルであるサブセル1とサブセル2とを用いて、UE1に対してCoMPを実行しているときに、UE1が、サブセル1からサブセル2に移動する場合のシーケンスを示している。セルユニファイドエンティティは、第1セルユニファイドエンティティであっても、第2セルユニファイドエンティティであっても、第3セルユニファイドエンティティであっても、図58および図59に示すシーケンスを用いることができる。
ステップST8901において、セルユニファイドエンティティは、UE1をハンドオーバさせるか否かを判断する。セルユニファイドエンティティは、UE1をハンドオーバさせると判断した場合、ハンドオーバ処理中は、ソースセルによってUE1に対するCoMPの実行を継続することを決定する。また、セルユニファイドエンティティは、UE1をハンドオーバさせると判断した場合、ハンドオーバ先であるターゲットセルを決定する。本動作例では、ターゲットセルとして、サブセル2を選択する。
ステップST8902において、ステップST8309でRRC接続完了を受信したセルユニファイドエンティティは、CoMPメジャメントセットに含まれるセルへのUE1宛のデータの通知を停止する。具体的には、UE1宛のCoMP用データの通知を停止する。
CoMPを実行する場合の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。また、実施の形態7で開示したように、セントラルエンティティがCoMPトランスミッションポイントの決定を行ってもよいし、サービングセルとセントラルエンティティとが、共同でCoMPトランスミッションポイントの決定を行ってもよい。その場合の詳細な動作については、実施の形態7と同様である。
以上の実施の形態9によって、実施の形態8、および実施の形態8の変形例1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。ハンドオーバ処理によって、ソースセルにおいて受信品質が急激に悪化することが無くなる。具体例としては、ソースセルから送信される、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報を含むRRC接続再設定メッセージがCoMPを用いて送信されることから、UEは、RRC接続再設定メッセージを正常に受信することが可能となる。
実施の形態9 変形例1.
実施の形態9の変形例1で解決する課題について、以下に説明する。3GPPでは、無線リンク失敗(Radio Link Failure)が発生した場合の動作について、以下のように開示されている(非特許文献1 10.1.6章参照)。無線リンク失敗には、ハンドオーバ失敗(Handover Failure)も含まれる。無線リンク失敗時に、UEの再接続が成功する条件が開示されている。再接続が成功する条件の一つとして、UEが再接続先として、UEのコンテキストを保管しているeNBを選択した場合がある。
ハンドオーバ失敗が発生した場合、ターゲットセルからソースセルに、UEコンテキストリリースは通知されない。したがって、ソースセルにおいて、ハンドオーバ対象のUEのコンテキストは、リリースされない。また、ハンドオーバ失敗が発生した場合、UEが再接続先として、ソースセルを選択すると、前記再接続が成功する条件を満たすこととなる。
CoMPを実行中のUEの移動においては、ソースセルでCoMPを実行することによって受信品質を維持していることも考えられる。したがって、ハンドオーバが失敗した場合、再接続先としてソースセルを選択したとしても、リンクの受信品質が悪く、再接続が失敗となる可能性が高くなるという問題が発生する。
前述のように再接続が失敗となる可能性が高くなるという問題に対する解決策を、以下に示す。CoMPを実行中のUEの移動において、ハンドオーバ失敗を検出したUEは、再選択先としてソースセルを選択する場合、ソースセルにおけるCoMPメジャメントセットを再設定する。ソースセルにおけるCoMPメジャメントセット内セルのCSI−RSの測定を再開するようにしてもよい。またソースセルにおけるCoMPアクティブセットを再設定する。
実施の形態9の変形例1においては、ソースセルは、ターゲットセルからパススイッチ処理を完了したことの通知を受けた後に、ハンドオーバ対象のUEに対するCoMPメジャメント構成の解除を行う。ハンドオーバ失敗が発生した場合は、ターゲットセルからパススイッチ処理を完了したことの通知が無い。したがって、ハンドオーバ失敗時には、ソースセルでは、ハンドオーバ対象のUEに対するCoMPメジャメント構成の解除は行われていない。これによって、セルおよびサブセルを含むネットワーク側と、UEとの間で、CoMPメジャメントセットの不整合は発生しない。
この場合、UEは、ハンドオーバが理由でCoMPメジャメント構成を解除するとき、無線情報を記憶するようにすればよい。具体例は、実施の形態8と同様であるので、説明を省略する。
以上の実施の形態9の変形例1によって、以下の効果を得ることができる。ハンドオーバが失敗した場合、再接続先としてソースセルを選択したとき、該リンクの受信品質をCoMPを実行することによって維持することができ、再接続が成功となる可能性を高くすることができる。
実施の形態10.
実施の形態10で解決する課題について、以下に説明する。前述の実施の形態8およびその変形例、ならびに実施の形態9およびその変形例では、設定されたCoMPアクティブセット(CoMP Active Set)もしくはCoMPメジャメントセット(CoMP measurement set)内で、多地点通信(CoMP通信)を実行しているUEにおいて、ハンドオーバを実行する場合、つまりサービングセル(Serving Cell)の変更を実行する場合、CoMP通信を停止し、サービングセルとの単地点通信に切替え、サービングセルの変更手順が完了した後に、多地点通信を再度構築するように構成されている。
図60および図61は、複数のサブeNB装置とUEとのCoMP通信の概念を説明するための図である。図60では、3つのサブeNB(Sub-eNB)装置、すなわち第1サブeNB装置(Sub-eNB1)10104、第2サブeNB装置(Sub-eNB2)10105および第3サブeNB装置(Sub-eNB3)10106と、第1UE(UE1)10107とが、CoMP通信を行っている場合を示している。3つのサブeNB装置10104〜10106によって、3つのセルエリア10101〜10103が実現されている。
図61では、第1UE(UE1)が、参照符号「10207」で示される位置から、参照符号「10208」で示される位置に移動した場合を示している。図61において、第1UE(UE1)10207,10208は、図60の第1UE(UE1)10107に相当し、第1〜第3サブeNB装置(Sub-eNB1〜Sub-eNB3)10204〜10206は、図60の第1〜第3サブeNB装置(Sub-eNB1〜Sub-eNB3)10104〜10106に相当し、各サブeNB装置10204〜10206のセルエリア10201〜10203は、図60のセルエリア10101〜10103に相当する。
第1UE(UE1)が、参照符号「10207」で示される位置から、参照符号「10208」で示される位置に移動すると、それに伴うサービングセル(Serving Cell)の変更処理のために、CoMP通信が停止される。このとき、第1UE(UE1)10208は、例えば第1サブeNB装置(Sub-eNB1)10204と通信を行う。
サービングセルの変更は、図61に示されるように、UEが、在圏するセルのセル端に存在するときに行われることが多い。このような位置関係では、サービングセルとUEとの通信リンクの通信品質は、距離が離れている分、低下していると考えられる。また、サービングセルの変更そのものが、通信リンクの通信品質がより良いセルに変更することを目的として行われると考えることもできる。
図61に示すように、サービングセルの変更を行うときに、CoMP通信が停止される場合、その停止期間には、多地点通信(CoMP通信)が有する、単地点通信に対する通信品質の利得を得ることができず、低い通信品質での通信が余儀なくされる。このことは、サービングセルの変更手順そのものが完了できない状況を引き起こす可能性もある。
また、CoMP通信の目的の一つは、セル端における複数の無線リンクを用いた通信品質の改善である。このことからも、前述の問題は重要な課題である。
さらに、もう一つの課題として、以下の課題が挙げられる。非特許文献1などで開示されているUEのサービングセルの変更処理においては、上位再送によるリカバリ処理はあるものの、その手順中に、一部のレイヤ2パケットを欠損することを許容している。
しかしながら、パケットの欠損は、サービングセルの変更に伴う無駄な通信トラフィックの増大を引き起こす。また、CoMP通信の停止による品質劣化の影響を考慮すると、パケットの欠損の影響は、更に大きくなる可能性がある。
実施の形態10での前記課題の解決策を以下に示す。前記課題を解決するために、本実施の形態では、CoMP通信を継続したまま、サービングセルの変更を行う。図62は、実施の形態10におけるサービングセルの変更を説明するための図である。図62では、CoMP通信を継続したまま、第1UE(UE1)が、参照符号「10307」で示される位置から、参照符号「10308」で示される位置に移動した場合を示す。
CoMPのCoMPアクティブセットもしくはCoMPメジャメントセットに含まれる対象となるセルは、地理的に隣接するセルである可能性が高く、そのセルの中から、変更先となるサービングセルが選択される可能性が非常に高い。図62では、CoMPアクティブセットは、第1〜第3サブeNB装置(Sub-eNB1〜Sub-eNB3)10304〜10306を含む各セルのうち、第1サブeNB装置(Sub-eNB1)10304を含むセルから、第2サブeNB装置(Sub-eNB2)10305を含むセルに、サービングセルが変更される場合の例を示している。
このとき、サービングセルの変更元のセル(以後、「ソースセル」という)の通信リンク品質は、UEの移動によって十分でない可能性が高く、サービングセルの変更先のセル(以後、「ターゲットセル」という)の通信リンク品質は、距離が近づいた分、良好になっている可能性が高い。したがって、CoMP通信を継続したままサービングセルの変更を行うことは、CoMP通信の目的とも一致し、サービングセルの変更を良好な環境で行うことができるので、非常に効果がある。
また、CoMP通信を継続してサービングセル(Serving Cell)の変更を行うことから、従来の物理レイヤの瞬断を最小限に留められることが期待できる。したがって、ソースセル(Source Cell)のレイヤ2と、ターゲットセル(Target Cell)のレイヤ2とを連携させることによって、既存のレイヤ2のパケット欠損を最小限に留め、サービングセルの変更に伴う無駄なトラフィックの増加を抑えることが可能となる。
これらを実現するために、以下の(1)〜(4)の4つの処理をサービングセル変更手順に加える。
(1)ソースセルからターゲットセルへCoMPセットを通知すること。
(2)PDCP SDUを除くレイヤ2(PDCP/RLC)の処理前もしくは処理中もしくは処理後のデータユニット(RLC SDU、RLC PDU、その他処理途中のデータユニット)を破棄せず、関連するパラメータとともに、ソースセルからターゲットセルへ転送すること。
(3)少なくともレイヤ2処理の中でHARQ処理などの物理レイヤ処理と関連のある処理については、ソースセル側で完了させることを考慮して、ターゲットセルへの切替を実行すること。
(4)レイヤ2(PDCP/RLC)のデータ伝送において、ソースセルとターゲットセルで伝送順序性を保全する手順を加えること(3GPP TS36.322 V10.0.0(以下「参考文献8」という)に記載のRLCのRe-establishmentを行わないこと)。
本実施の形態では、MACのデータユニットの転送は記載していないが、MACレイヤにおけるHARQ処理開始前のデータユニットをRLC/PDCPと同様にターゲットセルに転送することも可能である。
図63〜図66は、実施の形態10における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図63と図64とは、境界線BL15の位置で、つながっている。図64と図65とは、境界線BL16の位置で、つながっている。図65と図66とは、境界線BL17の位置で、つながっている。
本シーケンスは、UEとE−UTRANとの通信において、UEが3つのセルをCoMPアクティブセットまたはCoMPメジャメントセットとしたCoMP通信を行っており、その中のセル間でサービングセルの変更を行うときの例である。図63〜図66では、記載を省略しているが、セルからのUEに対するスケジューリング通知などは、PDCCHなどを用いて実行されているものとする。
ここで、このCoMPアクティブセットまたはCoMPメジャメントセット内のセルのうち、サービングセル変更を行うときの変更前のサービングセルをソースセルとし、変更後のサービングセルをターゲットセルとし、本シーケンスにおいてサービングセルにはならない残りの一つのセルを非サービングセルとする。
それぞれのセルは、PHY、MAC、RLC、PDCP、およびRRCの各レイヤを構成し、それぞれのレイヤは原則として、少なくとも3GPPの規格に記載された機能を有する。
まず、シーケンスの初めに、UEは、3つのセルをCoMPアクティブセットまたはCoMPメジャメントセットとしたCoMP通信を行っているとする。この場合、ステップST10401〜ステップST10404において、ソースセルとターゲットセルとの間、およびソースセルと非サービングセルとの間に、MACデータユニットを伝送するリンク、およびソースセルのMACでスケジューリングされたそのデータユニットに関するスケジューリング情報を通知するリンクが存在する。これらのリンクをまとめて、「MACデータユニット関連伝送リンク」という場合がある。
ここで示すリンクは、論理的な意味での記載であり、実際の実装によっては、実現形態は異なる。例えば、ソースセルとターゲットセルがそれぞれ異なるeNBとして実装される場合は、その通信インタフェースは、X2インタフェースであるかもしれない。また、MACデータユニット関連伝送リンクに限らず、各セル間の通信を行う通信路についても前記と同様、論理的なリンクが存在するものとする。
ステップST10405において、ソースセルは、HO決定(HO decision)処理を行う。具体的には、ソースセルが、ターゲットセルに対して、HOを実行すると判定する。
その後、ステップST10406において、ソースセルのRRCは、HO要求(HO Request)を行う。具体的には、ソースセルのRRCは、ターゲットセルのRRCに対し、現在対象となるUEとの通信において運用しているCoMPの継続の要否(提案)、CoMPアクティブセットおよびCoMPメジャメントセットとそのセルとの通信に関する測定情報などを通知する。ここで、CoMPの継続の要否(提案)は、CoMPセットから判断することとして、明示的に通知しなくてもよい。
ステップST10406のHO要求(HO Request)を受信したターゲットセルのRRCは、ステップST10407のステップST10408において、HO要求に含まれる情報、自身のセルのトラフィック状況およびCoMPコオペレーティングセット情報などに基づいて、ターゲットセルにおけるCoMPセット候補を決定する。
その後、ターゲットセルのRRCは、CoMPセット候補のCoMPアクティブセットまたはCoMPメジャメントセットに含まれるセル、本例では、ソースセルおよび非サービングセルに対し、ステップST10408およびステップST10455において、対象となるUEに対するCoMP通信の要求(CoMP Request)を通知する。
ステップST10408およびステップST10455で要求を受信したソースセルおよび非サービングセルは、自身のトラフィックおよびその他の通信リソースに関する状況を確認し、その結果を、ステップST10409およびステップST10456において、CoMP応答(CoMP Response)として、ターゲットセルに通知する。
ステップST10409およびステップST10456のCoMP応答を受信したターゲットセルは、その結果に基づいて、ステップST10410において、CoMPセットを決定する。
その後、ターゲットセルは、CoMPセット判定結果に基づいて、ステップST10411において、HO可能か否かの情報、CoMPの継続の可否および対応可能なCoMPセットなどを含めた応答を、HO応答(HO Response)として、ソースセルに通知する。ここで、CoMPの可否は、CoMPセットから判断することとして明示的に通知しなくてもよい。また、ターゲットセルは、ステップST10406で受信したソースセルにおけるCoMPセットを継続する場合は、対応可能なCoMPセットの通知を行わなくてもよい。
HO可能な応答(OK)を受信したソースセルは、UEに対し、ステップST10412において、RRC接続再構築(RRC connection Reconfiguration)として、CoMP継続およびCoMPセットの情報を含むサービングセル変更を意味するメッセージを送信する。本メッセージを送信することによって、該メッセージを受信したUEが、非特許文献1および参考文献1などに記載されている「RRC Connection Reconfiguration」を受信した場合と異なる動作を行うことが可能となる。
「RRC Connection Reconfiguration」を受信した場合と異なる動作の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)RLC「Re-establishment」を行わない。
(2)MACのリセットを行わない。
(3)PDCPの「Re-establishment」を行わない。
CoMP継続のサービングセル変更を意味するメッセージの具体例として、以下の(1)〜(6)の6つを開示する。
(1)CoMP継続か否かを示す。
(2)RLCをRe-establishmentするか否かを示す。
(3)MACのリセットを行うか否かを示す。
(4)PDCPのRe-establishmentをするか否かを示す。
(5)前記(1)〜(4)の組合せ。
(6)CoMP実行中、あるいはCoMPセット設定中の「RRC Connection Reconfiguration」は、前記(1)〜(5)を示すものと静的に決定する。これによって、前記(1)〜(5)と比較してメッセージの新設が不要となり、移動体通信システムが複雑化することを回避することができる。
CoMP継続のサービングセル変更を意味するメッセージの通知方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)RRC Connection Reconfigurationインジケータ、あるいは情報エレメントを新たに追加する。
(2)Mobility Control Informationにインジケータ、あるいは情報エレメントを新たに追加する。
(3)別の新たなメッセージを新設する。
また、ソースセルのRRCは、ステップST10412と併せて、ステップST10413およびステップST10414において、PDCPの処理停止および転送要求(PDCP stop and forward request)、ならびにRLCの処理停止および転送要求(RLC stop and forward request)として、対象となるPDCPおよびRLCに対し、未処理のデータユニットに対する処理の停止および下りリンクのMACおよびRLCへの伝送の停止を指示するとともに、「上りリンクについては上位層に対して、下りリンクについては下位層に対して、送信していないデータユニットおよび関連するパラメータ」のターゲットセルへの伝送を指示する。本ステップST10414によるRLCの処理停止および転送要求(RLC stop and forward request)を新設することによって、前記レイヤ2(RLC)のデータユニットおよび関連するパラメータを、ソースセルからターゲットセルに転送することが可能となる。またRLCのデータのデータ転送(Data Forwarding)が可能となる。
本指示を受けたソースセルのPDCPおよびRLCは、ステップST10417〜ステップST10422において、前記の処理停止と転送を行うとともに、本指示の後に各レイヤで受信するデータユニットについても同様に、ステップST10423およびステップST10425において、ターゲットセルへの転送を継続する。本転送の停止の方法は、それぞれレイヤ毎にタイマを管理し、判定してもよいし、後述するMACのタイマ満了と一致させてもよい。また、後述するステップST10457におけるUEのHO完了の通知がなされる場合は、その指示を停止の判断とすることも可能である。
本転送においては、そのデータユニットのレベル、PDUまたはSDUなどと転送するパケット(Packet)とは、HOがなければ処理を行う予定であった順序が分かるように、ターゲットセルに伝送される。例えば、処理順と伝送順を一致させる、または、処理順の情報を付加するなどが挙げられる。
また、参考文献8に示されるRLCの再送用パケットについても、PDUにその旨が分かる情報を付加し、処理順、例えば、RLCまたはSNの番号順に、ターゲットセルに対し、伝送を行う。
また、各レイヤにおける伝送処理では、そのレイヤに対する下位層(PDCPであればRLC、RLCであればMAC)において、送信処理が完了していないデータユニットを併せて伝送してもよい。この場合は、ターゲットセルにて対応する下位層のデータユニット伝送処理完了が確認されたときは、当該データユニットは送信されず、破棄されることとなる。
さらに、ソースセルのRRCは、ステップST10415において、HOが開始されたことをMACに通知する。具体的には、ソースセルのRRCは、HO開始の通知(HO ind)を行う。
HO開始の通知を受けたソースセルのMACは、下りについては、現状保持しているデータユニットの転送完了まで処理を継続する。処理停止の判断として、タイマを設け、最大処理完了時間を規定してもよい。この場合は、処理完了またはタイマ満了によって、処理を停止させることとなる。
このとき、HARQ処理(3GPP TS36.321 V10.4.0(以下「参考文献9」という)参照)を考慮する必要がある。HARQ処理は、Nプロセスのストップアンドウェイト方式であるので、本再送を考慮してタイマ値を設定する必要がある。
上りについても、UEからのデータユニットの受信処理を継続する。処理停止の判断として、前記タイマとは異なるタイマを設け、UE側のMAC処理の完了期間を待って、処理を停止させる。下りと同様に、タイマ満了までの時間は、HARQのプロセスを考慮する必要がある。実装簡略化のために、上りおよび下りを同一のタイマとしてもよい。また、後述するUEのHO完了の通知がなされる場合は、その指示を停止の判断とすることも可能である。
ステップST10412のRRC接続再構築(RRC connection Reconfiguration)のメッセージを受信したUEも、セルと同様に、ステップST10416のUL RLC/PDCP停止処理において、ULのRLCおよびPDCPの処理を停止する。
MACについても、セルと同様、上りについては、現状保持しているデータユニットの転送完了まで処理を継続する。処理停止の判断として、タイマを設け、ステップST10424において、UEは、MAC処理の完了または処理タイマの満了か否かを判断する。
下りについても、セルからのデータユニットの受信処理を継続する。処理停止の判断として、前記タイマとは異なるタイマを設け、セル側のMAC処理の完了期間を待って、処理を停止させる。上りと同様に、タイマ満了までの時間は、HARQのプロセスを考慮する必要がある。本実施の形態のように、実装簡略化のために、上りおよび下りを同一のタイマとしてもよい。
ステップST10424においてMAC処理が完了または処理タイマが満了した場合は、UEは、ステップST10428において、ターゲットセルに対し、RRC接続再構築(RRC connection Reconfiguration)に対応するRRC接続再構築完了(RRC connection Reconfiguration Complete)メッセージを送信する。必要に応じて、ステップST10426の同期(Synchronisation)処理およびステップST10427のTA通知処理を行う。
その後、UEは、ターゲットセルをサービングセルとしてターゲットセルのMACのスケジューリングに従って通信を行う。ステップST10427などのサービングセル変更手順のメッセージがCoMP通信となるか否かについては、後述するステップST10429の処理の実行の有無およびステップST10442の処理の完了状況に依存する。ステップST10429の処理が実行されずに、ステップST10442の処理が完了している場合は、CoMP通信が可能となる。
ステップST10428においてRRC接続再構築完了(RRC connection Reconfiguration Complete)メッセージを受信したターゲットセルのRRCは、ステップST10429のステップST10457において、ソースセルに、UEのサービングセル変更の完了(UE HO Complete Ind)を通知する。また、併せて、ターゲットセルのRRCは、ステップST10430において、非サービングセルに、UEのサービングセル変更の完了(UE HO Complete Ind)を通知する。
ステップST10457のUEのサービングセル変更の完了通知においてサービングセルの変更の完了を認識したソースセルは、ステップSTST10433において、対象となるUEのMAC、RLC、PDCPの処理を完了させる。処理完了後、ソースセルは、ステップST10458において、ターゲットセルに、ソースセルの処理完了(Source cell process complete)を通知する。
ステップST10430のUEのサービングセル変更の完了通知においてサービングセルの変更の完了を認識した非サービングセルは、ステップST10431、ステップST10432およびステップST10435において、対象となるUEのMACの処理を完了させる。処理完了後、非サービングセルは、ステップST10434において、ターゲットセルに、ソースセルの処理完了(Source cell process complete)を通知する。
ステップST10429の一連の処理は、UEと各セル間における処理完了の不一致を厳密に排除することを目的とした手続きであり、CoMP実行時のサービングセル変更におけるソースセルにおける処理完了手続きに適用できる。ステップST10429の処理は、処理手順の簡略化およびサービングセル変更の高速化を目的とする場合は、行わないようにすることも可能である。
ステップST10411においてHO応答(HO Response)を送信したターゲットセルは、ステップST10442において、ステップST10436およびステップST10437の処理を行う。その後、ターゲットセルは、ステップST10438およびステップST10440において、自身のMACとソースセルのMACとの間および自身のMACと非サービングセルのMACとの間にデータユニットリンクを設定し、ステップST10439およびステップST10441において、スケジューリング情報リンクを設定する。
ステップST10442の一連の処理は、ステップST10411のHO応答(HO Response)の送信から、ステップST10449のデータ要求(DATA request)までの区間で任意のタイミングで実行されればよい。ステップST10401〜ステップST10404のソースセルのMAC間のデータユニットリンクとスケジューリング情報リンクとターゲットセルのリンクとを同時に開設できない場合は、図63〜図66に示すように、HOの完了時からリンク開設を行うようにすればよい。
ステップST10428においてRRC接続再構築完了(RRC connection Reconfiguration Complete)通知を受信したターゲットセルのRRCは、ステップST10443、ステップST10444およびステップST10445において、自身のMAC、RLCおよびPDCPに対し、サービングセル変更の完了、すなわちUEのHO完了(UE HO Complete Ind)を通知する。その後、ステップST10446〜ステップST10454の処理が行われる。
ステップST10443のUEのHO完了通知を受信したターゲットセルのMACは、対象となるMAC伝送リンクの開設を確認し、開設されていれば、上りリンクについては、UEの要求に従い処理を行い、下りリンクについては、RLCにデータを要求し、RLCから伝送されたデータのMAC処理を行う。MAC伝送リンクの開設されているセルとの通信も併せて開始される。対象となるMAC伝送リンクが開設されていない場合は、ターゲットセルのMACは、対象となるMAC伝送リンクを開設後、前記処理を実行する。
ステップST10444のUEのHO完了通知を受信したターゲットセルのRLCは、上りリンクについては、まず、転送されたデータユニットについて、伝送順に、付随して伝送されたパラメータを用いて処理を行い、次にMACから送信された上りリンクのRLC PDUの処理を、順次実行する。
また、下りリンクについては、ターゲットセルのRLCは、ステップST10449においてデータ送信要求(DATA request)によってデータ送信が要求されたときに、転送された再送用のデータユニットから順に処理およびRLC PDUのMACへの伝送を行い、その後、転送された初送用データユニットの処理およびRLC PDUのMACへの伝送を行う。
転送されたデータユニットの処理が完了したRLCは、PDCPに対し、ステップST10453において、データ送信を要求し、その後、PDCPから受信したデータに対し、処理を行う。
ステップST10445のUEのHO完了通知を受信したターゲットセルのPDCPは、ステップST10446において、S1インタフェースパススイッチ処理を行い、ターゲットセルにスイッチを設定する。ターゲットセルのPDCPは、上りリンクについては、まず、転送されたデータユニットについて、伝送順に、付随して伝送されたパラメータを用いて処理を行い、次にRLCから送信された上りリンクのPDCP PDUの処理を、順次実行する。
また、下りリンクについては、ターゲットセルのPDCPは、ステップST10453のデータ要求(DATA request)によってデータ送信が要求されたときに、転送されたデータユニットの処理およびPDCP PDUのRLCへの伝送を行う。
このように本実施の形態では、データユニットについて、各レイヤにおけるデータユニットをセル間で、ソースセルにて想定した処理順を明確化して伝送する。そして、ターゲットセルにおいて、その処理順に処理を行った後、上位層および下位層からのデータユニット処理を行う。また、下りリンクについては、ターゲットセルの下位層からの要求に従ってデータ伝送を開始する。これによって、ソースセルとターゲットセルとの間で、伝送順序性を保全した処理が可能となる。したがって、参考文献8記載のRLCの再設立(Re-establishment)を実行せずに、通信を継続することが可能となる。
実施の形態10 変形例1.
実施の形態10の変形例1は、実施の形態10の構成において、CoMPのMACレベル協調制御を行うCoMPセントラルエンティティが存在するときに、CoMP通信を継続したまま、サービングセルの変更を行う場合の例である。
図67〜図70は、実施の形態10の変形例1における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図67と図68とは、境界線BL18の位置で、つながっている。図68と図69とは、境界線BL19の位置で、つながっている。図69と図70とは、境界線BL20の位置で、つながっている。
本シーケンスは、図63〜図66に示すシーケンスと同様に、UEとE−UTRANとの通信において、UEが3つのセルをCoMPアクティブセットまたはCoMPメジャメントセットとしたCoMP通信を行っており、その中のセル間でサービングセルの変更を行うときの例である。
本変形例と実施の形態10との違いは、本変形例では、MACのスケジューリングを、サービングセルのデータ送受信情報(データパラメータ)に基づいて、CoMPセントラルエンティティが担うので、ステップST10504〜ステップST10506のスケジューリング情報伝送リンクの起点がCoMPセントラルエンティティとなっていること、およびステップST10511におけるサービングセル変更時のCoMPセットの決定処理がCoMPセントラルエンティティで実行されることである。
ステップST10501およびステップST10502では、実施の形態10のステップST10401およびステップST10403と同様に、ソースセルとターゲットセルとの間、およびソースセルと非サービングセルとの間に、MACデータユニットを伝送するリンクが存在する。本変形例では、MACデータユニットの伝送もセントラルエンティティ経由で実行されてもよい。
スケジューリング情報の通知は、以下のようにして行われる。ステップST10503およびステップST10545において、送信情報伝送リンクを用いて、サービングセルのMACから通知される伝送情報に基づいて、CoMPセントラルエンティティがスケジューリングを行う。ステップST10504、ステップST10505、ステップST10506、ステップST10546、ステップST10547およびステップST10548において、スケジューリング情報伝送リンクを用いて、各セルにスケジューリング結果が通知される。
サービングセル変更時のCoMPセットの決定処理については、ターゲットセルのRRCが、ステップST10509のステップST10510のCoMP要求(CoMP request)において提案するCoMPセット候補に対し、CoMPセントラルエンティティが、ステップST10511において、各セルのトラフィック状況を考慮し、CoMPセットを決定する。その後、ステップST10512、ステップST10513およびステップST10514において、ステップST10511で決定した情報が、CoMP応答(CoMP response)として通知される。
本変形例と実施の形態10との間には、以上のような違いがあるので、本変形例では、CoMPセントラルエンティティが存在する場合においても、CoMP通信を継続したまま、サービングセルの変更を行うことが可能となる。
以上に述べたステップ以外のステップ、具体的には図67〜図70に示すステップST10507、ステップST10508、ステップST10515〜ステップST10560の処理は、前述の図63〜図66に示す実施の形態10におけるステップST10405、ステップST10406、ステップST10411〜ステップ10454の処理と同様に行われる。
実施の形態10 変形例2.
実施の形態10の変形例2は、実施の形態10の構成において、3つのセルを共通的に管理するRLC、PDCPおよびRRCから構成されるセルユニファイドエンティティが存在する場合の例である。本変形例では、セル間のデータ伝送が必要であった各セルのRLCおよびPDCPがセルユニファイドエンティティに集約されるので、各手続きを、実施の形態10に比べて簡素化することができる。
図71〜図73は、実施の形態10の変形例2における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図71と図72とは、境界線BL21の位置で、つながっている。図72と図73とは、境界線BL22の位置で、つながっている。
本シーケンスは、図63〜図66に示すシーケンスと同様に、UEとE−UTRANとの通信において、UEが3つのセルをCoMPアクティブセットもしくはCoMPメジャメントセットとしたCoMP通信を行っており、その中のセル間でサービングセルの変更を行うときの例である。
ここでは、3つのセルを共通的に管理するRLC、PDCPおよびRRCから構成される1つのセルユニファイドエンティティと、PHYおよびMACから構成される1つのソースサブセルと、1つのターゲットサブセルと、1つの非サービングサブセルと、1つのUEとの間で通信を行う場合の例を示している。
まず、シーケンスの初めに、UEは、3つのセルをCoMPアクティブセットもしくはCoMPメジャメントセットとしたCoMP通信を行っているとする。この場合、ステップST10601〜ステップST10605において、セルユニファイドエンティティとソースサブセルとの間にRLCデータユニットを伝送するリンクが存在し、ソースサブセルとターゲットサブセルとの間、およびソースサブセルと非サービングサブセルとの間に、MACデータユニットを伝送するリンク、およびソースサブセルのMACによってスケジューリングされたそのPDUに関するスケジューリング情報を通知するリンクが存在する。これらのリンクをまとめて、「MACPDU関連伝送リンク」という場合がある。
ここで示すリンクは、実施の形態10と同様に、論理的な意味での記載であり、実際の実装によっては、実現形態は異なる。また、MACPDU関連伝送リンクに限らず、各サブセル間およびサブセルとセルユニファイドエンティティとの間の通信を行う通信路についても前記と同様、論理的なリンクが存在するものとする。
ステップST10606においてソースセルからターゲットセルにHOすると判定される。このとき、セルユニファイドエンティティのRRCは、ステップST10607において、現在対象となるUEとの通信において運用しているCoMPセル情報、そのセルの測定情報、CoMP候補セルのトラフィック状況およびCoMPコオペレーティングセット情報などに基づいて、CoMPの可否およびターゲットセルにおけるCoMPセットを決定する。
HO可能、かつCoMP可能と判断したセルユニファイドエンティティは、UEに対し、ステップST10608において、CoMP継続のサービングセル変更を意味するRRC接続再構築(RRC connection Reconfiguration)メッセージを送信する。
ここで、「RRC connection Reconfiguration」は、実施の形態10と同様に、非特許文献1などに記載されている「RRC connection Reconfiguration」とは異なり、RLCなどの「Re-establishment」の実行を意味するものではないことが明確に分かるものとする。
また、セルユニファイドエンティティのRRCは、併せて、ステップST10609およびステップST10610において、対象となるPDCPおよびRLCに対し、未処理のデータユニットに対する処理の停止および下りリンクのMACおよびRLCへの伝送の停止を指示する。
本指示を受けたセルユニファイドエンティティのPDCPおよびRLCは、前述の処理の停止を行う。また、セルユニファイドエンティティのRRCは、ステップST10612において、HOが開始されたことをMACに通知する。また、セルユニファイドエンティティのRLCは、ステップST10613およびステップST10614の処理を行う。
HO開始の通知を受けたMACは、下りについては、現状保持しているデータユニットの転送完了まで処理を継続する。処理停止の判断として、タイマを設け、最大処理完了時間を規定してもよい。この場合は、処理完了もしくはタイマ満了により、処理を停止させることとなる。この場合は、HARQ処理(参考文献9参照)を考慮する必要がある。HARQ処理は、Nプロセスのストップアンドウェイト方式であるので、本再送を考慮してタイマ値を設定する必要がある。
上りについても、UEからのデータユニットの受信処理を継続する。処理停止の判断として、前記タイマとは異なるタイマを設け、UE側のMAC処理の完了期間を待って、処理を停止させる。下りと同様に、タイマ満了までの時間は、HARQのプロセスを考慮する必要がある。実装簡略化のために、上りおよび下りを同一のタイマとしてもよい。また、後述するUEのHO完了の通知がなされる場合は、その指示を停止の判断とすることも可能である。
ステップST10608のRRC接続再構築(RRC connection Reconfiguration)のメッセージを受信したUEも、セルと同様に、ステップST10611において、ULのRLCおよびPDCPの処理を停止する。
MACについても、セルと同様、上りについては、現状保持しているデータユニットの転送完了まで処理を継続する。処理停止の判断として、タイマを設け、実施の形態10と同様に、ステップST10615において、UEは、MAC処理の完了または処理タイマの満了か否かを判断する。
下りについても、セルからのデータユニットの受信処理を継続する。処理停止の判断として、前記タイマとは異なるタイマを設け、セル側のMAC処理の完了期間を待って、処理を停止させる。上りと同様に、タイマ満了までの時間は、HARQのプロセスを考慮する必要がある。実装簡略化のために、上りおよび下りを同一のタイマとしてもよい。
ステップST10615において、MAC処理が完了または処理タイマが満了した場合は、UEは、ステップST10618において、ターゲットセルに対し、RRC接続再構築に対応するRRC接続再構築完了(RRC connection Reconfiguration Complete)メッセージを送信する。UEは、必要に応じて、ステップST10616の同期(Synchronization)およびステップST10617のTA通知の手続きを行う。
RRC接続再構築完了メッセージを受信したセルユニファイドエンティティのRRCは、ステップST10620およびステップST10621において、ソースサブセルおよび非サービングサブセルに、UEのサービングセル変更の完了を通知する。
ステップST10620において、UEのHO完了通知によって、サービングセル変更の完了を認識したソースサブセルは、対象となるUEのMACの処理を完了させ、処理完了後、ステップST10622において、セルユニファイドエンティティに、MAC処理完了(MAC process complete)メッセージを通知する。
ステップST10621において、UEのHO完了通知によって、サービングセル変更の完了を認識した非サービングセルは、対象となるUEのMACの処理を完了させ、処理完了後、ステップST10623において、セルユニファイドエンティティに、MAC処理完了(MAC process complete)メッセージを通知する。
ステップST10619の一連の処理は、UE、ソースサブセル、セルユニファイドエンティティそれぞれで、処理完了の不一致を厳密に排除することを目的とした手続きであるので、処理手順の簡略化およびサービングセル変更の高速化を目的とする場合は、行わなくてもよい。
ステップST10608においてRRC接続再構築(RRC connection Reconfiguration)メッセージを送信したセルユニファイドエンティティのRRCは、ターゲットサブセルに対し、ステップST10625において、セルユニファイドエンティティとのRLC伝送リンクおよびそのCoMPアクティブセットもしくはCoMPメジャメントセットに含まれるセル間のMAC伝送リンクの開設を要求する。
ステップST10625のCoMPセット要求(CoMP set request)を受信したターゲットサブセルは、指示に従い、ステップST10626〜ステップST10632において、RLC伝送リンクおよびMAC伝送リンクを開設する。
ステップST10624の一連の処理は、ステップST10608のRRC再構築メッセージの送信からステップST10636のデータ要求メッセージの送信までの区間で実行されればよい。ステップST10601〜ステップST10605のソースサブセルのMAC間のデータユニットリンク、スケジューリング情報リンク、およびターゲットサブセルのリンクと同時に開設できない場合は、図71〜図73に示すように、HOの完了時からリンク開設を行うようにすればよい。
RRC接続再構築完了メッセージを受信したセルユニファイドエンティティのRRCは、ステップST10633、ステップST10634およびステップST10635において、ターゲットサブセルのMACおよびセルユニファイドエンティティのRLCおよびPDCPに、UEのHO完了メッセージによって、サービングセル変更の完了を通知する。
ステップST10633のUEのHO完了メッセージを受信したターゲットサブセルのMACは、対象となるRLC伝送リンクおよびMAC伝送リンクの開設を確認し、開設されていれば、上りリンクについては、UEの要求に従い処理を行い、下りリンクについては、RLCにデータを要求し、RLCから伝送されたデータのMAC処理を行う。MAC伝送リンクの開設されているセルとの通信も併せて開始される。対象となるRLC伝送リンクおよびMAC伝送リンクが開設されていない場合は、開設後、前述の処理を実行する。
ステップST10634のUEのHO完了メッセージを受信したセルユニファイドエンティティのRLCは、上りリンクについては、MACから送信された上りリンクのRLC PDUの処理を、順次実行する。
また、下りリンクについては、ステップST10636のデータ要求メッセージによってデータ送信が要求されたときに、ステップST10637において、処理およびMACへの伝送を再開する。その後、ステップST10638およびステップST10639の処理が行われる。
ステップST10635のUEのHO完了メッセージを受信したセルユニファイドエンティティのPDCPは、上りリンクについては、RLCから送信された上りリンクのPDCP PDUの処理を、順次実行する。
また、下りリンクについては、ステップST10640のデータ要求メッセージによってデータ送信が要求されたときに、ステップST10641において、PDCP PDUの処理およびRLCへの伝送を再開する。
このように、本変形例では、セルユニファイドエンティティの導入によって、セルのレイヤ間伝送が減少するので、CoMP通信を継続したまま、サービングセルの変更を、より効率的に行うことが可能となる。本変形例においては、セルユニファイドエンティティがRLC、PDCPおよびRRCから構成される場合を示したが、これにMACもしくはMACの一部まで含めることも可能であるし、また、RLCを独立させ、RRCおよびPDCPのみで構成することも可能である。統合規模を大きくすれば、エンティティ間の伝送量は少なくなるものの、セルユニファイドエンティティの規模および複雑さが増すこととなる。また逆に、統合規模を小さくすれば、エンティティ間の伝送量は多くなるものの、セルユニファイドエンティティの規模および複雑さが少なくなることになる。これは、利用形態および実装形態によって判断されるべきものである。本発明は、この統合規模に応じて、レイヤ間の情報伝送を適切に割当てることによって、任意の形態に適用可能である。
実施の形態11.
CoMP実行中のUEに対してHO処理を実行する場合、CoMPを停止してHO処理を実行するのか、それともCoMPを継続したままHO処理を実行するのかについて、ソースセルは、適宜判断する必要がある。本実施の形態では、判断方法について開示する。
サービングセル(ソースセル)が選択したターゲットセルが、HO対象となるUEのCoMPメジャメントセット内のセルであるか否かに基づいて、HO処理の方法を判断する。HOの決定をセルユニファイドエンティティが行う場合は、セルユニファイドエンティティが、HO対象となるUEのCoMPメジャメントセット内のセルであるか否かに基づいて、HO処理の方法を判断するとよい。
サービングセルは、ターゲットセルがHO対象となるUEのCoMPメジャメントセット内のセルである場合、UEのCoMPの実行を継続したままHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を継続したままHO処理を行う方法としては、実施の形態10の方法を用いてもよい。
サービングセルは、ターゲットセルがHO対象となるUEのCoMPメジャメントセット内のセルでない場合、UEのCoMPの実行を停止してHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を停止してHO処理を行う方法としては、実施の形態8または実施の形態9の方法を用いてもよい。
図74は、実施の形態11における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図74では、CoMP実行中のUEに対してHO処理を実行するときに、CoMPの実行を停止するか、または継続するかを判断する場合のシーケンスを示している。
図15および図16のステップST1501〜ステップST1526、およびステップST1530に開示した方法を用いて、サービングセルは、UE1に対して、CoMPを実行する。
ステップST1526において、サービングセルとUE1とは、CoMP送受信およびCSIフィードバックの少なくともいずれか一方を行う。
ステップST12101において、UE1は、CRS測定によるRRMメジャメントを行う。ステップST12102において、UE1は、報告条件に従って、ステップST12101におけるRRMメジャメントの測定結果をメジャメントリポート(measurement report)メッセージとして、サービングセルに報告する。ステップST12101における測定には、サービングセル自身のCRSの測定も含まれる。ステップST12102におけるメジャメントリポートには、サービングセル自身のCRSの測定結果が含まれていてもよい。
ステップST12103において、サービングセルは、UE1からのメジャメントリポートを用いて、UE1に対してHO処理を実行することを決定する。このときに、ターゲットセルを決定する。
ステップST12104において、サービングセルは、ターゲットセルがCoMPメジャメントセット内のセルであるか否かを判断する。ステップST12104においてターゲットセルがCoMPメジャメントセット内のセルであると判断された場合は、ステップST12105に移行し、ターゲットセルがCoMPメジャメントセット内のセルでないと判断された場合は、ステップST12106に移行する。
ステップST12105において、サービングセルは、HO対象であるUE1に対してCoMPの実行を継続したままHO処理を実行することを決定する。
ステップST12106において、サービングセルは、HO対象であるUE1に対してCoMPの実行を停止してHO処理を実行することを決定する。
ステップST12105において、HO対象であるUE1に対してCoMPの実行を継続したままHO処理を実行することを決定した場合は、例えば、実施の形態10で開示したHO処理を実行するとよい。他方、ステップST12106において、HO対象であるUE1に対してCoMPの実行を停止してHO処理を実行することを決定した場合は、例えば、実施の形態8または実施の形態9で開示したHO処理を実行するとよい。
ターゲットセルがCoMPメジャメントセット内のセルである場合、ターゲットセルにおいても、HO対象のUEに対してCoMPを実行することが可能であるので、CoMPを継続したままHO処理を行うことができ、ターゲットセルにおいても良好な通信品質を得ることが可能となる。
ターゲットセルがCoMPメジャメントセット内のセルでない場合、ターゲットセルにおいて、HO対象のUEに対してCoMPの実行が可能であるか否かは未定となる。したがって、CoMPを停止してHO処理を行う方が、ターゲットセルにおける無線リンクを確実に接続することができる。
このように、ターゲットセルがCoMPメジャメントセット内セルであるか否かに基づいてHO処理の方法を判断することによって、HO対象となるUEの状態に適したHO処理を行うことが可能となる。これによって、移動体通信システムとしてのスループットを向上することが可能となる。
実施の形態11 変形例1.
本変形例では、CoMP実行中のUEに対してHO処理を実行する場合、CoMPを停止してHO処理を実行するのか、それともCoMPを継続したままHO処理を実行するのかについての他の判断方法について開示する。
本変形例では、サービングセルが選択したターゲットセルが、HO対象となるUEのCoMPアクティブセット内のセルであるか否かに基づいて、HO処理の方法を判断する。
サービングセルは、ターゲットセルがHO対象となるUEのCoMPアクティブセット内のセルである場合、UEのCoMPの実行を継続したままHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を継続したままHO処理を行う方法としては、実施の形態10の方法を用いてもよい。
サービングセルは、ターゲットセルがHO対象となるUEのCoMPアクティブセット内のセルでない場合、UEのCoMPの実行を停止してHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を停止してHO処理を行う方法としては、実施の形態8または実施の形態9の方法を用いてもよい。
本変形例におけるシーケンスは、図74に示すシーケンスの一部を変更すればよい。図74のステップST12104において、サービングセルが、ターゲットセルがCoMPアクティブセット内のセルであるか否かを判断するようにすればよい。
ターゲットセルがCoMPアクティブセット内のセルである場合、ターゲットセルにおいても、HO対象のUEに対してCoMPを実行することが可能であるので、CoMPを継続したままHO処理を行うことができ、ターゲットセルにおいても良好な通信品質を得ることが可能となる。
ターゲットセルがCoMPアクティブセット内のセルでない場合、ターゲットセルにおいて、HO対象のUEに対してCoMPの実行が可能であるか否かは未定となる。したがって、CoMPを停止してHO処理を行う方が、ターゲットセルにおける無線リンクを確実に接続することができる。
このように、ターゲットセルがCoMPアクティブセット内セルであるか否かに基づいてHO処理の方法を判断することによって、HO対象となるUEの状態に適したHO処理を行うことが可能となる。これによって、移動体通信システムとしてのスループットを向上することが可能となる。
実施の形態11 変形例2.
本変形例では、CoMP実行中のUEに対してHO処理を実行する場合、CoMPを停止してHO処理を実行するのか、それともCoMPを継続したままHO処理を実行するのかについての他の判断方法について開示する。
本変形例では、サービングセルがターゲットセルを選択するときに、HO対象となるUEによるどのRSの測定結果が使用されたかに基づいて、HO処理の方法を判断する。
ターゲットセルが、HO対象となるUEによるCSI−RSを測定した結果を用いて選択された場合、サービングセルは、UEのCoMPの実行を継続したままHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を継続したままHO処理を行う方法としては、実施の形態10の方法を用いてもよい。
ターゲットセルが、HO対象となるUEによるCRSを測定した結果を用いて選択された場合、サービングセルは、UEのCoMPの実行を停止してHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を停止してHO処理を行う方法としては、実施の形態8または実施の形態9の方法を用いてもよい。
本変形例におけるシーケンスは、図74に示すシーケンスの一部を変更すればよい。図74のステップST12104において、サービングセルが、ターゲットセルがHO対象となるUEによるCSI−RSを測定した結果を用いて選択されたのか、それともCRSを測定した結果を用いて選択されたのかを判断するようにすればよい。CSI−RSを測定した結果を用いている場合は、ステップST12105に移行し、CRSを測定した結果を用いている場合は、ステップST12106に移行すればよい。
CSI−RSを測定した結果を用いてターゲットセルが選択された場合は、ターゲットセルにおいて、HO対象のUEに対してCoMPを実行したときでも良好な通信品質を得ることが可能であるので、CoMPを継続したままHO処理を行うとよい。
CRSを測定した結果を用いてターゲットセルが選択された場合は、ターゲットセルにおいて、HO対象のUEに対してCoMPを実行したときに良好な通信品質が得られるか否か不明である。したがって、CoMPを停止してHO処理を行う方が、ターゲットセルにおける無線リンクを確実に接続することができる。
このように、ターゲットセルがCSI−RSを測定して選択されたのか、それともCRSを測定して選択されたのかに基づいてHO処理の方法を判断することによって、HO対象となるUEの状態に適したHO処理を行うことが可能となる。これによって、移動体通信システムとしてのスループットを向上することが可能となる。
実施の形態11 変形例3.
本変形例では、CoMP実行中のUEに対してHO処理を実行する場合、CoMPを停止してHO処理を実行するのか、それともCoMPを継続したままHO処理を実行するのかについての他の判断方法について開示する。
本変形例では、HO対象となるUEのCoMPトランスミッションポイントの数を用いて、HO処理の方法を判断する。このような判断をするために、CoMPトランスミッションポイント数に閾値を設ける。
サービングセルは、HO対象となるUEのCoMPトランスミッションポイントの数が閾値以下である場合、UEのCoMPの実行を継続したままHO処理を行う。CoMPの実行を継続したままHO処理を行う方法としては、実施の形態10の方法を用いてもよい。
サービングセルは、HO対象となるUEのCoMPトランスミッションポイントの数が閾値よりも大きい場合、UEのCoMPの実行を停止してHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を停止してHO処理を行う方法としては、実施の形態8または実施の形態9の方法を用いてもよい。
本変形例におけるシーケンスは、図74に示すシーケンスの一部を変更すればよい。図74のステップST12104において、サービングセルが、HO対象となるUEのCoMPトランスミッションポイント数が所定の閾値以下であるか否かを判断するようにすればよい。
CoMPトランスミッションポイント数が所定の閾値よりも大きい場合、CoMPを継続したままHO処理を実行すると、ネットワーク側の制御が複雑になる。多数のCoMPトランスミッションポイント間で協調制御のためのデータユニットおよびスケジューリング情報の少なくともいずれか一方の伝送を行わなければならないためである。したがって、CoMPトランスミッションポイント数が所定の閾値よりも大きい場合は、CoMPを停止してHO処理を行う方が、ネットワーク側の処理負荷を軽減し、ターゲットセルにおける無線リンクを確実に接続することができる。
このように、CoMPトランスミッションポイント数を用いて、HO処理の方法を判断することによって、HO対象となるUEの状態に適したHO処理を行うことが可能となる。これによって、移動体通信システムとしてのスループットを向上することが可能となる。
実施の形態11 変形例4.
本変形例では、HO対象となるUEのCoMPトランスミッションポイントの数を用いて、HO処理の方法を判断する場合の他の方法について開示する。CoMPトランスミッションポイントの数を用いて判断するために、CoMPトランスミッションポイント数に閾値を設ける。
サービングセルは、HO対象となるUEのCoMPトランスミッションポイントの数が閾値以上である場合、UEのCoMPの実行を継続したままHO処理を行う。CoMPの実行を継続したままHO処理を行う方法としては、実施の形態10の方法を用いてもよい。
サービングセルは、HO対象となるUEのCoMPトランスミッションポイントの数が閾値よりも小さい場合、UEのCoMPの実行を停止してHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を停止してHO処理を行う方法としては、実施の形態8または実施の形態9の方法を用いてもよい。
本変形例におけるシーケンスは、図74に示すシーケンスの一部を変更すればよい。図74のステップST12104において、サービングセルが、HO対象となるUEのCoMPトランスミッションポイント数が所定の閾値以上であるか否かを判断するようにすればよい。
CoMPトランスミッションポイント数が所定の閾値よりも小さい場合、一つのセルとの通信リンクで必要な通信品質が得られている可能性が高い。したがって、CoMPを継続したままHO処理を実行するよりも、CoMPを停止してHO処理を実行した方が、ネットワーク側の制御負荷を低減することができる。
他方、CoMPトランスミッションポイント数が所定の閾値以上である場合、複数のセルとのデータの送受信を用いないと、必要な通信品質が得られない可能性が高い。したがって、CoMPを継続したままHO処理を実行した方が、良好な通信品質を得ることが可能となる。このように、CoMPトランスミッションポイント数を用いてHO処理の方法を判断することによって、HO対象となるUEの状態に適したHO処理を行うことが可能となる。これによって、移動体通信システムとしてのスループットを向上することが可能となる。
実施の形態11 変形例5.
本変形例では、CoMP実行中のUEに対してHO処理を実行する場合、CoMPを停止してHO処理を実行するのか、それともCoMPを継続したままHO処理を実行するのかについての他の判断方法について開示する。
本変形例では、HO対象となるUEの移動速度を用いて、HO処理の方法を判断する。このような判断をするために、UEの移動速度に閾値を設ける。
サービングセルは、HO対象となるUEの移動速度が閾値以下である場合、UEのCoMPの実行を継続したままHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を継続したままHO処理を行う方法としては、実施の形態10の方法を用いてもよい。
サービングセルは、HO対象となるUEの移動速度が閾値よりも大きい場合、UEのCoMPの実行を停止してHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を停止してHO処理を行う方法としては、実施の形態8または実施の形態9の方法を用いてもよい。
本変形例におけるシーケンスは、図74に示すシーケンスの一部を変更すればよい。図74のステップST12104において、サービングセルが、HO対象のUEの移動速度が所定の閾値以下であるか否かを判断するようにすればよい。
HO対象のUEの移動速度が所定の閾値よりも大きい場合、CoMPを継続したままHO処理を実行するためのネットワーク側の制御において、協調制御のためのデータユニットおよびスケジューリング情報の少なくともいずれか一方の伝送遅延の影響が大きくなる。HO対象のUEの移動速度が所定の閾値よりも大きい場合、短時間で新たなサービングセルから圏外となる可能性が高くなるので、CoMPの実行を失敗する可能性が高くなる。あるいは、失敗までしなくても、最適なCoMPのためのセルを選択できなくなり、CoMPによる効果が低下する。したがって、HO対象のUEの移動速度が所定の閾値よりも大きい場合、CoMPを停止してHO処理を行う方が、ターゲットセルにおける無線リンクを確実に接続することができる。
このように、HO対象のUEの移動速度を用いてHO処理の方法を判断することによって、HO対象となるUEの状態に適したHO処理を行うことが可能となる。これによって、移動体通信システムとしてのスループットを向上することが可能となる。
UEの移動速度の指標として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)実際の速度。UEは、GPSなどを用いて測定するとよい。測定結果は、UEから定期的または周期的にサービングセルに通知するとよい。または、メジャメントリポートと併せて通知するようにしてもよい。これによって、サービングセルは、UEの移動速度情報を用いることが可能となる。
(2)UEのポジショニング情報に含まれる移動速度情報。サービングセルが移動速度情報を取得する方法は、実施の形態3で開示した、UEの位置情報を取得する方法を適用すればよい。
(3)セルリセレクト数から得た移動速度情報。具体的には、速度係数。LTEにおいては、サービングセルは、移動速度情報を取得しているので、使用することが可能である。
実施の形態11 変形例6.
本変形例では、CoMP実行中のUEに対してHO処理を実行する場合、CoMPを停止してHO処理を実行するのか、それともCoMPを継続したままHO処理を実行するのかについての他の判断方法について開示する。
本変形例では、サービングセルとの通信品質を用いて、HO処理の方法を判断する。具体的には、HOにおけるソースセルとの通信品質を用いて、HO処理の方法を判断する。このような判断をするために、通信品質に閾値を設ける。
サービングセルは、HO対象となるUEとサービングセルとの通信品質が閾値以下である場合、UEのCoMPの実行を継続したままHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を継続したままHO処理を行う方法としては、実施の形態10の方法を用いてもよい。
サービングセルは、HO対象となるUEとサービングセルとの通信品質が閾値よりも大きい場合、UEのCoMPの実行を停止してHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を停止してHO処理を行う方法としては、実施の形態8または実施の形態9の方法を用いてもよい。
本変形例におけるシーケンスは、図74に示すシーケンスの一部を変更すればよい。図74のステップST12104において、サービングセルは、HO対象となるUEとサービングセルとの通信品質が所定の閾値以下であるか否かを判断するようにすればよい。
HO対象となるUEとサービングセルとの通信品質が所定の閾値よりも大きい場合、一つのセルとの通信リンクで必要な通信品質が得られている可能性が高い。したがって、CoMPを継続したままHO処理を実行するよりも、CoMPを停止してHO処理を実行した方が、ネットワーク側の制御負荷を低減することができる。
他方、HO対象となるUEとサービングセルとの通信品質が所定の閾値以下である場合、複数のセルとのデータの送受信を用いないと、必要な通信品質が得られない可能性が高い。したがって、CoMPを継続したままHO処理を実行した方が、良好な通信品質を得ることが可能となる。
このように、サービングセルとの通信品質を用いてHO処理の方法を判断することによって、HO対象となるUEの状態に適したHO処理を行うことが可能となる。これによって、移動体通信システムとしてのスループットを向上することが可能となる。
実施の形態11 変形例7.
本変形例では、CoMP実行中のUEに対してHO処理を実行する場合、CoMPを停止してHO処理を実行するのか、それともCoMPを継続したままHO処理を実行するのかについての他の判断方法について開示する。
本変形例では、新たなサービングセルとの通信品質を用いて、HO処理の方法を判断する。具体的には、HOにおけるターゲットセルとの通信品質を用いて、HO処理の方法を判断する。このような判断をするために、通信品質に閾値を設ける。
サービングセルは、HO対象となるUEとターゲットセルとの通信品質が閾値以下である場合、UEのCoMPの実行を継続したままHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を継続したままHO処理を行う方法としては、実施の形態10の方法を用いてもよい。
サービングセルは、HO対象となるUEとターゲットセルとの通信品質が閾値よりも大きい場合、UEのCoMPの実行を停止してHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を停止してHO処理を行う方法としては、実施の形態8または実施の形態9の方法を用いてもよい。HO対象となるUEとターゲットセルとの通信品質は、UEによるメジャメントリポートを用いればよい。メジャメントリポートは、CoMP用でもモビリティ用でもあるいは共用でもよい。HO対象となるUEとターゲットセルとの通信品質は、サービングセルに通知される。UEによる測定は、CRSの測定結果でもよいし、もCSI−RSの測定結果でもよい。
本変形例におけるシーケンスは、図74に示すシーケンスの一部を変更すればよい。図74のステップST12104において、サービングセルが、HO対象となるUEとターゲットセルとの通信品質が所定の閾値以下であるか否かを判断するようにすればよい。
HO対象となるUEとターゲットセルとの通信品質が所定の閾値よりも大きい場合、一つのセルとの通信リンクで必要な通信品質が得られている可能性が高い。したがって、CoMPを継続したままHO処理を実行するよりも、CoMPを停止してHO処理を実行した方が、ネットワーク側の制御負荷を低減することができる。
他方、HO対象となるUEとターゲットセルとの通信品質が所定の閾値以下である場合、複数のセルとのデータの送受信を用いないと、必要な通信品質が得られない可能性が高い。したがって、CoMPを継続したままHO処理を実行した方が、良好な通信品質を得ることが可能となる。
このように、ターゲットセルとの通信品質を用いてHO処理の方法を判断することによって、HO対象となるUEの状態に適したHO処理を行うことが可能となる。これによって、移動体通信システムとしてのスループットを向上することが可能となる。
実施の形態11 変形例8.
本変形例では、CoMP実行中のUEに対してHO処理を実行する場合、CoMPを停止してHO処理を実行するのか、それともCoMPを継続したままHO処理を実行するのかについての他の判断方法について開示する。
本変形例では、通信中のサービスの種類を用いて、HO処理の方法を判断する。サービングセルは、HO対象となるUEと通信中のサービスの種類が所定の種類であった場合、UEのCoMPの実行を継続したままHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を継続したままHO処理を行う方法としては、実施の形態10の方法を用いてもよい。
サービングセルは、HO対象となるUEと通信中のサービスの種類が所定の種類でない場合、UEのCoMPの実行を停止してHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を停止してHO処理を行う方法としては、実施の形態8または実施の形態9の方法を用いてもよい。
本変形例におけるシーケンスは、図74に示すシーケンスの一部を変更すればよい。図74のステップST12104において、サービングセルが、HO対象となるUEと通信中のサービスの種類が所定の種類であるか否かを判断するようにすればよい。
このように、通信中のサービスの種類を用いて、HO処理の方法を判断することによって、通信中のサービスに適したHO処理を行うことが可能となる。
実施の形態11 変形例9.
本変形例では、CoMP実行中のUEに対してHO処理を実行する場合、CoMPを停止してHO処理を実行するのか、それともCoMPを継続したままHO処理を実行するのかについての他の判断方法について開示する。
本変形例では、通信中のサービスが要求する遅延時間を用いて、HO処理の方法を判断する。このような判断をするために、サービスが要求する遅延時間に閾値を設ける。
サービングセルは、HO対象となるUEと通信中のサービスが要求する遅延時間が閾値以下である場合、UEのCoMPの実行を継続したままHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を継続したままHO処理を行う方法としては、実施の形態10の方法を用いてもよい。
サービングセルは、HO対象となるUEと通信中のサービスが要求する遅延時間が閾値よりも大きい場合、UEのCoMPの実行を停止してHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を停止してHO処理を行う方法としては、実施の形態8または実施の形態9の方法を用いてもよい。
本変形例におけるシーケンスは、図74に示すシーケンスの一部を変更すればよい。図74のステップST12104において、サービングセルが、HO対象となるUEと通信中のサービスが要求する遅延時間が所定の閾値以下であるか否かを判断するようにすればよい。
HO対象となるUEと通信中のサービスが要求する遅延時間が所定の閾値以下である場合、再送処理などによる遅延時間を可能な限り低減するためには、良好な通信品質が必要となる。CoMPを停止してHO処理を実行するよりも、CoMPを継続したままHO処理を実行することによって、良好な通信品質を得ることができ、遅延時間を低減することができる。このように、通信中のサービスが要求する遅延時間を用いてHO処理の方法を判断することによって、通信中のサービスに適したHO処理を行うことが可能となる。これによって、移動体通信システムとしてのスループットを向上することが可能となる。
本変形例では、通信中のサービスが要求する遅延時間を用いて、HO処理の方法を判断することを開示したが、遅延時間ではなく、以下の(1)〜(5)に開示する判断指標を用いてもよい。
(1)通信中のサービスが要求するエラーレート(packet error loss rate)。
(2)通信中のサービスが要求するリソースタイプ。リソースタイプとしては、GBR(Guaranteed Bit Rate)およびNon−GBRなどがある。
(3)通信中のサービスに対する優先順位。
(4)通信中のサービスのQoS(Quality of Service)。
(5)通信中のサービスのQCI(QoS Class Identifier)。
前記(1)に示すように、通信中のサービスが要求するエラーレートを用いて、HO処理の方法を判断する。このような判断をするために、サービスが要求するエラーレートに閾値を設ける。
サービングセルは、HO対象となるUEと通信中のサービスが要求するエラーレートが閾値以下である場合、UEのCoMPの実行を継続したままHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を継続したままHO処理を行う方法としては、実施の形態10の方法を適用してもよい。
サービングセルは、HO対象となるUEと通信中のサービスが要求するエラーレートが閾値よりも大きい場合、UEのCoMPの実行を停止してHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を停止してHO処理を行う方法としては、実施の形態8または実施の形態9の方法を適用してもよい。
前記(1)の判断指標を用いた場合のシーケンスは、図74に示すシーケンスの一部を変更すればよい。図74のステップST12104において、サービングセルが、HO対象となるUEと通信中のサービスが要求するエラーレートが所定の閾値以下であるか否かを判断するようにすればよい。これによって、通信中のサービスに適したHO処理を行うことが可能となり、移動体通信システムとしてのスループットを向上することが可能となる。
前記(2)に示すように、通信中のサービスが要求するリソースタイプを用いて、HO処理の方法を判断する。サービングセルは、HO対象となるUEと通信中のサービスが要求するリソースタイプがGBRである場合、UEのCoMPの実行を継続したままHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を継続したままHO処理を行う方法としては、実施の形態10の方法を適用してもよい。
サービングセルは、HO対象となるUEと通信中のサービスが要求するリソースタイプがGBRでない場合、UEのCoMPの実行を停止してHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を停止してHO処理を行う方法としては、実施の形態8または実施の形態9の方法を適用してもよい。
前記(2)の判断指標を用いた場合のシーケンスは、図74に示すシーケンスの一部を変更すればよい。図74のステップST12104において、サービングセルが、HO対象となるUEと通信中のサービスが要求するリソースタイプがGBRであるか否かを判断するようにすればよい。これによって、通信中のサービスに適したHO処理を行うことが可能となり、移動体通信システムとしてのスループットを向上することが可能となる。
前記(3)に示すように、通信中のサービスに対する優先順位を用いて、HO処理の方法を判断する。このような判断をするために、サービスに対する優先順位に閾値を設ける。
サービングセルは、HO対象となるUEと通信中のサービスに対する優先順位が閾値以上である場合、UEのCoMPの実行を継続したままHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を継続したままHO処理を行う方法としては、実施の形態10の方法を適用してもよい。
サービングセルは、HO対象となるUEと通信中のサービスに対する優先順位が閾値よりも小さい場合、UEのCoMPの実行を停止してHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を停止してHO処理を行う方法としては、実施の形態8または実施の形態9の方法を適用してもよい。
前記(3)の判断指標を用いた場合のシーケンスは、図74に示すシーケンスの一部を変更すればよい。図74のステップST12104において、サービングセルが、HO対象となるUEと通信中のサービスに対する優先順位が閾値以上であるか否かを判断するようにすればよい。これによって、通信中のサービスに適したHO処理を行うことが可能となり、移動体通信システムとしてのスループットを向上することが可能となる。
前記(4)に示すように、通信中のサービスのQoSを用いて、HO処理の方法を判断する。このような判断をするために、QoSをカテゴライズしておき、各カテゴリーにナンバリングしておく。例えば、良好なQoSのカテゴリーから昇順にナンバリングしておき、ナンバの閾値を設ける。
サービングセルは、HO対象となるUEと通信中のサービスのQoSのカテゴリーナンバが閾値以下である場合、UEのCoMPの実行を継続したままHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を継続したままHO処理を行う方法としては、実施の形態10の方法を適用してもよい。
サービングセルは、HO対象となるUEと通信中のサービスのQoSのカテゴリーナンバが閾値よりも大きい場合、UEのCoMPの実行を停止してHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を停止してHO処理を行う方法としては、実施の形態8または実施の形態9の方法を適用してもよい。
前記(4)の判断指標を用いた場合のシーケンスは、図74に示すシーケンスの一部を変更すればよい。図74のステップST12104において、サービングセルが、HO対象となるUEと通信中のサービスのQoSのカテゴリーナンバが閾値以下であるか否かを判断するようにすればよい。これによって、通信中のサービスに適したHO処理を行うことが可能となり、移動体通信システムとしてのスループットを向上することが可能となる。
前記(5)に示すように、通信中のサービスのQCIを用いて、HO処理の方法を判断する。QCIは、3GPP TS23.203 V11.2.0(以下「参考文献10」という)に開示されるように、サービスに対する複数の要求指標をクラス分けした場合のインジケータである。QCIを用いて判断するために、QCIに閾値を設ける。
サービングセルは、HO対象となるUEと通信中のサービスのQCIが閾値以下である場合、UEのCoMPの実行を継続したままHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を継続したままHO処理を行う方法としては、実施の形態10の方法を適用してもよい。
サービングセルは、HO対象となるUEと通信中のサービスのQCIが閾値よりも大きい場合、UEのCoMPの実行を停止してHO処理を行うと判断する。CoMPの実行を停止してHO処理を行う方法としては、実施の形態8または実施の形態9の方法を適用してもよい。
前記(5)の判断指標を用いた場合のシーケンスは、図74に示すシーケンスの一部を変更すればよい。図74のステップST12104において、サービングセルが、HO対象となるUEと通信中のサービスのQCIが閾値以下であるか否かを判断するようにすればよい。これによって、通信中のサービスに適したHO処理を行うことが可能となり、移動体通信システムとしてのスループットを向上することが可能となる。
実施の形態11 変形例10.
本変形例では、CoMP実行中のUEに対してHO処理を実行する場合、CoMPを停止してHO処理を実行するのか、それともCoMPを継続したままHO処理を実行するのかについての他の判断方法について開示する。
本変形例では、サービングセルが選択したターゲットセルが、サービングセルが属するCoMPコオペレーティングセット内のセルであるか否かに基づいて、HO処理の方法を判断する。
サービングセルは、ターゲットセルが自セルの属するCoMPコオペレーティングセット内のセルである場合、UEのCoMPの実行を継続したままCoMPコオペレーティングセット内のセル間でのHO処理を行うと判断する。CoMPコオペレーティングセット内のセル間でCoMPの実行を継続したままHO処理を行う方法としては、実施の形態10の変形例1の方法を適用してもよい。
サービングセルは、ターゲットセルが自セルの属するCoMPコオペレーティングセット内のセルでない場合、UEのCoMPを実行継続したままCoMPコオペレーティングセット外のセルとのHO処理を行うと判断する。CoMPコオペレーティングセット外のセルとCoMPの実行を継続したままHO処理を行う方法としては、実施の形態10の方法を適用してもよい。
図75は、実施の形態11の変形例10における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図75に示すシーケンスは、図74に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
本変形例では、図75のステップST12201において、サービングセルが、ターゲットセルがサービングセルの属するCoMPコオペレーティングセット内のセルであるか否かを判断するようにすればよい。
ターゲットセルがサービングセルの属するCoMPコオペレーティングセット内のセルである場合、ステップST12105において、サービングセルは、CoMPを実行継続したままCoMPコオペレーティングセット内のセル間でのHO処理を行うと判断する。この場合、実施の形態10の変形例1で開示したHO処理を行うとよい。
ターゲットセルがサービングセルの属するCoMPコオペレーティングセット内のセルでない場合は、ステップST12106において、サービングセルは、CoMPを実行継続したままCoMPコオペレーティングセット外のセルとのHO処理を行うと判断する。この場合、実施の形態10で開示したHO処理を行うとよい。
このようにすることによって、ターゲットセルが自セルの属するCoMPコオペレーティングセット内のセルであるか否かに応じて、HO対象のUEに対してCoMPの実行を継続したままHO処理を実行することが可能となる。したがって、ターゲットセルにおいても良好な通信品質を得ることが可能となる。これによって、移動体通信システムとしてのスループットを向上することが可能となる。
サービングセルが、ターゲットセルがCoMPコオペレーティングセット内のセルであるか否かを認識する方法として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)サービングセルは、ターゲットセルが自セルのCoMPコオペレーティングセット内に属するか否かをセントラルエンティティに問い合わせる。
セントラルエンティティは、一つまたは複数のポイントを集中して調整を行うエンティティであるので、CoMPコオペレーティングセット内のセルを認識させておくとよい。
サービングセルは、ステップST12103において、ターゲットセルを選択し、選択したターゲットセルが自セルのCoMPコオペレーティングセット内のセルであるか否かを問い合わせるメッセージを、セントラルエンティティに通知する。該メッセージに、ターゲットセルのセルアイデンティティを含めておくとよい。これによって、セントラルエンティティは、ターゲットセルを特定することができる。また、前記メッセージに、サービングセルのセルアイデンティティを含めておいてもよい。これによって、セントラルエンティティは、要求元のサービングセルを特定することができる。
セントラルエンティティは、ターゲットセルが要求元のサービングセルの属するCoMPコオペレーティングセット内のセルであるか否かを、要求元のサービングセルに通知する。これによって、サービングセルは、ターゲットセルが自セルのCoMPコオペレーティングセット内のセルであるか否かを認識することができる。
サービングセルは、ターゲットセルが自セルのCoMPコオペレーティングセット内のセルであるか否かを認識した後、再度、ターゲットセルを選択し直してもよい。これによって、CoMPコオペレーティングセット内のHOを実行するか、CoMPコオペレーティングセット間のHOを実行するかを、選択することが可能となる。したがって、HO対象となるUEの状態に適したHO処理を行うことが可能となり、移動体通信システムとしてのスループットを向上することが可能となる。
前記(1)の方法は、ターゲットセルに限らず、所望のセルがCoMPコオペレーティングセット内のセルであるか否かを認識する方法としても適用することできる。
CoMPコオペレーティングセット内に含まれるセルを認識しているエンティティを、セントラルエンティティとしたが、これに限らず、CoMPコオペレーティングセット内に含まれるセルを認識しているエンティティ、ノード、あるいは装置に対して問い合わせるようにしてもよい。例えば、CoMPコオペレーティングセット内に含まれるセルを認識しているノードが、OAM(Operation Administration and Maintenance)である場合、OAMに対して問い合わせるようにすればよい。また、例えば、CoMPコオペレーティングセット内に含まれるセルを認識しているエンティティが、セルユニファイドエンティティである場合、セルユニファイドエンティティに対して問い合わせるようにすればよい。CoMPコオペレーティングセット内に含まれるセルを認識しているエンティティおよびノードが、セルユニファイドエンティティおよびOAMではなく、MME、eNB、およびHeNB−GWである場合も同様である。
(2)サービングセルは、ターゲットセルに対してターゲットセルのCoMPコオペレーティングセットを問い合わせる。
サービングセルは、ステップST12103において、ターゲットセルを選択した後、選択したターゲットセルに、ターゲットセルのCoMPコオペレーティングセットを問い合わせるメッセージを通知する。MMEを介してターゲットセルに通知してもよい。このとき、サービングセルのセルアイデンティティも通知するとよい。これによって、ターゲットセルは、要求元のサービングセルを認識することができる。
CoMPコオペレーティングセットに、識別子を設けておくとよい。本識別子は、本変形例に限らず、CoMPコオペレーティングセットを識別するための方法として用いることができる。また、各セルは、自セルがどのCoMPコオペレーティングセットに属しているかを認識しておくとよい。例えば、セントラルエンティティは、予め自セルがどのCoMPコオペレーティングセットに属しているかを、各セルに通知しておくとよい。
ターゲットセルのCoMPコオペレーティングセットを問い合わせるメッセージの通知を受信したターゲットセルは、自セルの属するCoMPコオペレーティングセットの識別子を、サービングセルに通知する。MMEを介してサービングセルに通知してもよい。これによって、サービングセルは、ターゲットセルが自セルのCoMPコオペレーティングセット内のセルであるか否かを認識することができる。サービングセルは、ターゲットセルが自セルのCoMPコオペレーティングセット内のセルであるか否かを認識した後、再度、ターゲットセルを選択し直してもよい。
(3)サービングセルは、ターゲットセルが自セルのCoMPコオペレーティングセットに属するか否かをターゲットセルに問い合わせる。
サービングセルは、ステップST12103において、ターゲットセルを選択した後、選択したターゲットセルに、自セルのCoMPコオペレーティングセットを通知する。具体的には、自セルのCoMPコオペレーティングセットの識別子を通知するとよい。MMEを介してターゲットセルに通知してもよい。このとき、サービングセルのセルアイデンティティも通知するとよい。これによって、ターゲットセルは、問合せ元のサービングセルを認識することができる。
自セルのCoMPコオペレーティングセットの通知を受信したターゲットセルは、サービングセルのCoMPコオペレーティングセットの識別子から、該セットに属するか否かを判断する。ターゲットセルは、この判断結果を、要求元のサービングセルに通知する。これによって、サービングセルは、ターゲットセルが自セルのCoMPコオペレーティングセット内のセルであるか否かを認識することができる。サービングセルは、ターゲットセルが自セルのCoMPコオペレーティングセット内のセルであるか否かを認識した後、再度、ターゲットセルを選択し直してもよい。
前記(2),(3)の方法は、HO処理を行うときに、ソースセル、ここではサービングセルからターゲットセルへ通知されるHO要求メッセージおよびHO要求応答メッセージを用いてもよい。
前述の方法を実行することによって、サービングセルは、ターゲットセルがCoMPコオペレーティングセット内のセルであるか否かを認識することが可能となる。
本実施の形態および変形例は適宜組合せて適用されてもよい。また、実施の形態および変形例は、UEに対してCoMPを実行するか否かの判断に適用することも可能である。
本発明で開示した方法は、適宜組合せて行うことができる。これによって、システムの状況に応じた制御を行うことが可能となる。
以上の各実施の形態では、LTE−AにおけるCoMPについて説明したが、本発明で開示した多地点協調送受信に関する技術は、他の移動体通信システム、あるいは異種通信システムにおいても適宜用いることが可能である。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。