JP6140987B2 - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マルチプロジェクションシステムにおける輝度を調整するための画像処理装置及び画像処理方法に関するものである。
マルチプロジェクションシステムは、複数のプロジェクタを並べて画像を投影することにより、個々のプロジェクタの性能を超える解像度での画像表示を可能とする。マルチプロジェクションシステムで、画像を投影する際には一般に、各プロジェクタからの投影領域間に隙間が生じないよう、隣り合うプロジェクタの投影領域が一部重畳するようにプロジェクタを設置する。投影領域内における重畳部分(以後、重畳領域と表記する)では、各プロジェクタからの光が重なることで輝度が高くなるため、重畳領域とそれ以外の部分(以後、非重畳領域と表記する)との境界部において不自然な輝度のギャップが生じる。
このギャップを抑える技術として例えば、特許文献1に記載されている画像の輝度補正技術がある。該文献には、各プロジェクタから投影する画像の各画素の輝度値の補正を行う輝度補正パラメータを算出する手法が述べられている。具体的には、重畳領域と非重畳領域を合わせた領域(以後、全投影領域と表記する)において輝度が一定になるように、あるいは、重畳領域と非重畳領域との境界部の輝度が滑らかに変化するように、補正を行うことが記載されている。
特開2002−116500号公報
しかしながら、全投影領域において輝度が一定になるように輝度補正パラメータを算出する場合、輝度値を補正前の全投影領域における最低輝度に揃えることになるので、表示可能な輝度及びコントラストが低下するという問題が生じる。
また、各プロジェクタの投影中心の輝度は一般的に周辺部の輝度に比べて高い。従って、重畳領域と非重畳領域との境界部において輝度変化が滑らかになるように補正したとしても、全投影領域で見た場合には複数の輝度ピークを持った山が連続したような不自然な輝度ムラが生じる。
本発明に係る画像処理装置は、各投影手段の投影領域の少なくとも一部を重畳させるようにして結合投影領域を形成するように配置した複数の投影手段の輝度特性を取得する取得手段と、前記取得した複数の投影手段の輝度特性に基づいて、前記結合投影領域の水平または垂直1ラインにおける2点間の輝度分布が凹関数により規定される輝度分布となるように、投影する画像データを補正する補正手段と、前記輝度分布を、水平または垂直1ラインにおける2点間の輝度が凹関数により規定される分布となる範囲内で設定する設定手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、全投影領域において不自然な輝度ムラを抑制しながら輝度およびコントラストの低下を最小限に抑えた輝度補正処理を可能となる。
実施例1におけるプロジェクタの特性と課題の関係例を示した図である。 実施例1におけるマルチプロジェクションシステムの全体構成例を示した図である。 実施例1における画像処理部の内部構成例を示すブロック図である。 実施例1における全体処理の流れの一例を示すフローチャートである。 実施例1の目標輝度分布生成部における処理の流れの一例を示すフローチャートである。 実施例1における水平方向1ライン分の目標輝度分布算出の一例の説明図である。 実施例1における目標輝度分布画像生成の一例の説明図である。 実施例1におけるプロジェクタ3台を使用した際の目標輝度分布算出の一例の説明図である。 実施例1における画像分割の一例の説明図である。 実施例1の輝度補正パラメータ算出部における処理の流れの一例を示すフローチャートである。 実施例1における重畳領域内の輝度補正パラメータの一例を説明するための図である。 実施例1において算出した輝度補正パラメータの一例を示した図である。 実施例2における画像処理部の内部構成例を示すブロック図である。 実施例2における処理の流れの一例を示すフローチャートである。 実施例2における目標輝度分布設定のユーザインタフェースの一例を示した図である。 実施例3における水平方向1ライン分の目標輝度分布算出の一例の説明図である。 実施例1の効果を幾何学的に計算した一例の説明図である。 実施例4における水平方向1ライン分の目標輝度分布算出の一例の説明図である。
[実施例1]
一般に、プロジェクタの投影領域における輝度分布は一様ではなく、中央部よりも周辺部の輝度が低いという特性を持つ。また、プロジェクタの個体ごとのランプ性能に応じて、出力可能な最高輝度が異なる。
そこで本実施例では、全投影領域の中央部の輝度を高く、周辺部ほど輝度を低く補正することで、不自然な輝度ムラを抑制しながら全投影領域における輝度及びコントラストの低下を最小限に抑えた輝度補正を行う。
以下、本実施例では説明の簡略化のため、2台のプロジェクタを水平方向に並べて配置するマルチプロジェクションシステムを例に説明する。2台のプロジェクタは各投影領域が一部重畳するように設置する。このとき、2台のプロジェクタはスクリーン面に正対しており、スクリーン面まで等距離であるものとする。さらに、各プロジェクタ間の色差やガンマ特性が予め補正されており、プロジェクタの光は任意のタイミングで遮光できるものとする。
2台のプロジェクタを水平方向に並べて投影したときの輝度補正前後の輝度分布は図1のようになる。輝度分布は、各プロジェクタの輝度特性を表している。図1(a)は、画素値が全てR=G=B=255(すなわち白)である画像(以後、全白画像と表記する)を2台のプロジェクタで同時に投影し、投影した全白画像を撮像した撮像画像データを表している。この撮像画像データ内の点線部に沿った輝度分布の補正前後を表したグラフを図1(b)に示す。図1(b)の横軸は画素位置、縦軸は輝度値を示している。輝度値Lは例えば、L=0.2989*R+0.5866*G+0.1145*Bで撮像画像データから算出できる。以後、投影領域の輝度分布を表す際は、撮像画像データ内の投影領域における1ライン分の輝度分布を表すものとし、横軸は画素位置、縦軸は輝度値を示すものとする。図1(b)は、プロジェクタAの最高輝度値がプロジェクタBの最高輝度値よりも高いことを示している。また、図1(b)から明らかなように、プロジェクタAとプロジェクタBの重畳領域においては補正前では不自然な輝度のギャップが生じているが、補正後ではこの不自然な輝度のギャップが解消していることがわかる。
図2は、本実施例におけるマルチプロジェクションシステムの全体構成例を示した図である。マルチプロジェクションシステムの制御を行うためのPCなどの情報処理装置201は、入力画像データ記憶部202、撮像制御部203、撮像画像データ記憶部204、画像処理部205、画像投影制御部206から構成される。情報処理装置201は画像データを処理する画像処理装置とすることができる。また、情報処理装置201に、カメラなどの撮像装置207がUSBケーブルなどで接続されており、プロジェクタ208A、208BがHDMIケーブルなどでそれぞれ接続されている。入力画像データ記憶部202には、表示したい画像データ(以後、表示画像データと表記する)や輝度補正に用いるキャリブレーション画像データが格納される。キャリブレーション画像データは、例えば上述したような画素値が全てR=G=B=255(すなわち白)である全白画像を示す画像データである。撮像制御部203は、撮像装置207を制御する。撮像画像データ記憶部204には、撮像装置207で撮像した撮像画像データが格納される。画像処理部205は、撮像画像データを基に表示画像データの輝度を補正し、輝度補正画像データを生成する。画像投影制御部206は、プロジェクタ208A、208Bを制御して、入力画像データ記憶部202に格納されている画像データが示すキャリブレーション画像データや画像処理部205にて生成した画像データが示す輝度補正された画像の投影を行う。なお、各プロジェクタからスクリーン209に画像を投影したときのスクリーン209上の全投影部分を投影領域210とし、投影領域内における重畳部分を重畳領域211とする。このように、投影領域210は各プロジェクタの投影領域の少なくとも一部を重畳させるように形成した場合、結合投影領域ということができる。
図3は本実施例の画像処理部205の内部構成例を示すブロック図である。画像処理部205は、画像データ入力部301、目標輝度分布生成部302、画像データ分割部303、輝度補正パラメータ算出部304、輝度補正処理部305から構成される。画像データ入力部301は、入力画像データ記憶部202に格納されている表示画像データF及びキャリブレーション画像データG、並びに、撮像画像データ記憶部204に格納されている撮像画像データHを取得する。目標輝度分布生成部302は、撮像画像データHを基に全投影領域の理想的な輝度分布を表した目標輝度分布画像データKを生成する。画像データ分割部303は、撮像画像データHを基に表示画像データFと目標輝度分布画像データKとを分割し、表示分割画像データf及び目標輝度分布分割画像データkを生成する。輝度補正パラメータ算出部304は、撮像画像データHと目標輝度分布分割画像データkとを基に、表示分割画像データfの輝度値を補正するための輝度補正パラメータWを算出する。輝度補正処理部305は、輝度補正パラメータWを基に表示分割画像データfの輝度値を補正し、輝度補正画像データf’を生成する。以後、表示用画像データF及び目標輝度分布画像データKが示す画像の幅、高さをそれぞれu1、v1とし、撮像画像データGが示す画像の幅、高さをそれぞれu2、v2とする。また、表示分割画像データf、目標輝度分割画像データk、及び輝度補正後画像データf’が示す画像並びに各プロジェクタの画面解像度の幅、高さ、をそれぞれu3、v3とする。説明を簡単にするために、表示画像データFと撮影画像データG内の全投影領域のアスペクト比が一致しているものとする。
図4は本実施例のマルチプロジェクションシステムにおける処理の流れを示すフローチャートである。以下、同図のフローチャートを用いて本実施例における全体の処理フローを説明する。図4に示す処理は、情報処理装置201のRAMやROMなどに格納されたプログラムをCPUが実行することによって実現される。
ステップS401では、画像投影制御部206が各プロジェクタを制御してキャリブレーション画像データGを各プロジェクタから投影する。そして、撮像制御部203が撮像装置207を制御することで各プロジェクタによって投影された投影領域210を撮像する。本ステップでは、プロジェクタ208A、208Bを個別に用いる個別撮像と、両方のプロジェクタを同時に用いる全体撮像の2種類の撮像を行う。
まず、プロジェクタ208Aの場合を例に個別撮像について説明する。個別撮像は、プロジェクタ208Aからキャリブレーション画像データGを投影した状態で実行する。プロジェクタ208Aからスクリーン209に投影したときの投影領域210を投影領域210Aとし、これを撮像装置207で撮像して撮像画像データHAを得る。プロジェクタ208Bについても同様に撮像を行い、撮像画像データHBを得る。
次に、全体撮像について説明する。全体撮像は、各プロジェクタからキャリブレーション画像データGを同時に投影した状態で実行する。各プロジェクタからスクリーン209に投影したときの投影領域210を投影領域210A+Bとし、投影領域210A+Bを撮像装置207で撮像して撮像画像データHA+Bを得る。
個別撮像および全体撮像で得られた撮像画像データは、それぞれ撮像画像データ記憶部204に格納される。
ステップS402では、目標輝度分布生成部302が、全体撮像で得られた撮像画像データHA+Bから投影領域210A+Bの理想的な輝度分布を表した目標輝度分布画像データKを生成する。目標輝度分布画像データKの生成についての詳細は後述する。
ステップS403では、画像データ分割部303が、表示画像データFから各プロジェクタが投影する表示分割画像データfA、fBを生成する。また、画像データ分割部303が、目標輝度分布画像データKから各プロジェクタの投影領域の理想的な輝度分布を表した目標輝度分布分割画像データkA、kBを生成する。表示画像データFと目標輝度分布画像データKのそれぞれの分割方法についての詳細は後述する。
ステップS404では、輝度補正パラメータ算出部304が、目標輝度分布分割画像データkA、kBを用いて、表示用分割画像データfA、fBの輝度値を補正するための輝度補正パラメータWA、WBを算出する。輝度補正パラメータWA、WBの算出方法についての詳細は後述する。
ステップS405では、輝度補正パラメータWA、WBに基づいて表示分割画像データfA、fBの輝度値を画素ごとに補正し、輝度補正画像データf’A、 f’Bを生成する。本実施例における輝度値補正の計算式の一例を次式で表す。
Figure 0006140987
ただし、f’z(i,j)は四捨五入した整数値とする。
ここで、各画像の左上角の画素を原点、水平方向の画素位置をi、垂直方向の画素位置をjとする。
最後に、ステップS406では、画像投影制御部206が各プロジェクタを制御し、輝度補正画像データf’A、 f’Bが示す画像を各プロジェクタからスクリーン209に投影し、処理を終了する。
<目標輝度分布画像データ生成>
ここでは、ステップS402で行う投影領域210A+Bの目標輝度分布画像データ生成について説明する。目標輝度分布画像データKは、投影領域210A+Bの理想的な輝度分布を表す。なお、撮像画像と表示画像とは解像度の違いなどにより同サイズであるとは限らない。そこで、目標輝度分布画像データKを生成する前に、撮像画像データHA+Bが示す画像と同サイズである画像を示すプレ目標輝度分布画像データK’を生成する。プレ目標輝度分布画像データK’は、水平方向1ラインずつ目標輝度分布を求め、全ラインの目標輝度分布を算出することで得られる。その後、プレ目標輝度分布画像データK’を基に表示画像データFが示す画像と同サイズの画像を示す目標輝度分布画像データKを生成する。
図5は目標輝度分布生成部302における処理の流れを示すフローチャートである。以下、同図のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS501では、目標輝度分布生成部302は、撮像画像データHA+Bが示す画像と同サイズの画像を示すプレ目標輝度分布画像データK’を生成し、各画素の画素値を例えば0(すなわち、全黒画像)で初期化する。
次に、ステップS502では、目標輝度分布生成部302は、プレ目標輝度分布画像データK’について全ラインの目標輝度分布を算出したかの判定を行う。全ラインにおいて目標輝度分布の算出が完了していればステップS508へ進み、そうでなければステップS503へ進む。
ステップS503では、目標輝度分布生成部302は、処理する水平方向1ラインを選択し、その1ラインに対してステップS504〜S507の処理を行う。
ステップS504では、目標輝度分布生成部302は、撮像画像データHA+Bが示す画像内の投影領域210HA+Bにおける代表点の画素位置と輝度値とを取得する。まず、目標輝度分布生成部302は、投影領域210HA+Bの両端に相当する画素P1、P2と、投影領域210HA+Bの中心に相当する画素P3をそれぞれ代表点として取得する。また、目標輝度分布生成部302は、当該代表点の画素位置iPmと輝度値LiPm(m=1、2、3)とをそれぞれ取得する。なお、以後、スクリーン209上の投影領域210と、撮像画像データHが示す画像内の投影領域とを区別するために、撮像画像データHが示す画像内の投影領域を投影領域210HZ(Z=A、B、A+Bなど)と表記する。
ステップS505では、目標輝度分布生成部302は、3つの代表点を通過する二次関数を求めることで目標輝度分布を算出する。一般に、3点(x1、y1)、(x2、y2)、(x3、y3)を通過する二次関数y=ax2+bx+cについて以下の式が成り立つ。
Figure 0006140987
この連立方程式を行列で表すと次式のように記述でき、ガウス・ジョルダン法を用いることで3つの係数a、b、cを求めることができる。
Figure 0006140987
本実施例では、式3において(x1,y1)=(iP1,LP1)、(x2,y2)=(iP2,LP2)、(x3,y3)=(iP3,LP3)として係数a、b、cを求めることにより、P1、P2、P3を結ぶ2次曲線を得る。そしてこの2次曲線を1ライン分の目標輝度分布とする。
ステップS506では、目標輝度分布生成部302は、各プロジェクタが目標輝度分布の通りに出力できるかの判定を行う。判定方法は、目標輝度分布が撮像画像データHA+B内の投影領域210HA+Bの輝度分布内に収まる場合は出力可能とし、そうでなければ出力不可能とする。具体的には、ステップS505で算出した目標輝度分布の各画素の輝度値Liと、撮像画像データHA+Bの同じ画素位置の画素の輝度値L’iとを比較し、全画素についてLi≦L’iの場合は出力可能とし、そうでない場合は出力不可能とする。出力可能であれば、ステップS505を完了してステップS502へ戻り、そうでなければステップS507へ進む。
ステップS507では、目標輝度分布生成部302は、代表点P3の輝度値を下げ、ステップS505へ戻る。代表点P3の輝度値の下げ幅は、例えば、1ライン内の最大輝度値と最小輝度値の差の10分の1程度に設定することができる。ただし、下げ幅が小さいとステップS505〜S507の処理回数が増加するため、処理時間を短縮したい場合には下げ幅を大きく設定することができる。
図6は、算出した1ライン分の目標輝度分布の例を示す。線601は撮像画像データHA+B内の投影領域210HA+Bにおける1ライン分の輝度分布、すなわち補正前の輝度分布を示している。線602は、代表点を単純につないだ状態の輝度分布を示している。線602の輝度分布では、各プロジェクタが出力できない目標輝度が含まれてしまう。そこで、本実施例では代表点P3の目標輝度値を下げて再度2次曲線を算出して線603のようなステップS505〜S507の処理により算出した1ライン分の目標輝度分布を算出する。なお、本実施例では、複数のプロジェクタのうち、出力可能な輝度が低いプロジェクタに併せて目標輝度分布を算出している。前述したように、プロジェクタの特性として、通常は中央部分の輝度値が高く、周辺部分に向かって輝度値が低くなる傾向がある。そこで、本実施例では、図6に示すようにプロジェクタAとプロジェクタBとの両端部分の輝度値を比較して、輝度値が低いプロジェクタBの端部iP2の輝度値LP2にプロジェクタAの端部iP1の輝度値を設定する。そして、目標輝度分布を算出している。このように、出力可能な輝度が低いプロジェクタに併せて目標輝度分布を算出することで、他方のプロジェクタの出力特性が著しく低い場合であっても、輝度およびコントラストの低下を最小限に抑えることができる。
尚、本実施例では、撮像画像データHA+B内の投影領域210HA+Bの両端と中央の画素を代表点とし、それらを結ぶ2次曲線を得ることで1ライン分の目標輝度分布を算出する例を説明した。しかし、投影領域210A+Bの中央部の輝度が高く周辺部の輝度が低くなるような輝度分布が得られるのであれば、曲線の求め方はこれに限定されない。例えば、代表点を増やし、四次関数を得ることで目標輝度分布を算出してもよい。
全ラインについてステップS503〜S507により目標輝度分布の算出することでプレ目標輝度分布画像データK’が生成される。その後、ステップS508で、目標輝度分布生成部302は、プレ目標輝度分布画像データK’から目標輝度分布画像データKを生成する。プレ目標輝度分布画像データK’から目標輝度分布画像データKを生成する理由は、上述したように解像度の違いによる画像サイズの違いを解消するためである。
具体的には、図7(a)に示すように、プレ目標輝度分布画像データK’から、算出した目標輝度分布の4隅の画素PK' 1〜PK' 4の画素位置を取得する。次に、画素PK' 1〜PK' 4が表示画像データFと同サイズになるように射影変換を行う。一般に、射影変換では変換前画像の画素位置を(x,y)、変換後画像の画素位置を(x’,y’)とすると、x、y、x’、y’の関係は次式で表すことができる。
Figure 0006140987
上式において、a1〜a8は変換前画像と変換後画像との間の射影変換パラメータである。式4を展開し、変換前画像内の画素位置P1(x1,y1)〜P4(x4,y4)と、変換後画像内の画素位置Q1(x’1,y’1)〜Q4(x’4,y’4)を代入することで次式の連立方程式を導くことができる。
Figure 0006140987
上式を解くことにより、射影変換パラメータa1〜a8を算出する。本実施例では、変換前画像の画素位置P1(x1,y1)〜P4(x4,y4)をプレ目標輝度分布画像データK’の画素位置PK' 1(x1,y1)〜PK' 4(x4,y4)とする。また、変換後画像の画素位置Q1(x’1,y’1)〜Q4(x’4,y’4)を目標輝度分布画像データKの画素位置QK 1(x’1,y’1)〜QK 1(x’4,y’4)として射影変換パラメータを算出する。そして、そのパラメータに基づいて射影変換を行うことで、図7(b)に示す目標輝度分布画像データKを得る。なお、目標輝度分布画像データKの画素位置QK 1(x’1,y’1)〜QK 1(x’4,y’4)は、表示画像データFの表示サイズに基づいて求めることができる。
以上で説明した処理により、目標輝度分布生成部302は、投影領域210A+Bの理想的な目標輝度分布を示した目標輝度分布画像データKを生成する。
尚、本実施例においてはプロジェクタ2台を水平方向に並べて構成する場合を例として説明したが、3台以上のプロジェクタを水平方向に並べて構成してもよい。図8は、プロジェクタ3台を水平方向に並べてステップS501〜S507の処理を行い、ある1ライン分の目標輝度分布を算出した場合の例を示す。線801は撮像画像データHA+B+C内の投影領域210HA+B+Cの輝度分布、すなわち補正前の輝度分布を示している。線802は、代表点を単純につないだ状態の輝度分布を示している。線803はステップS505〜S507の処理により算出した目標輝度分布を示している。
また、プロジェクタを垂直方向に並べてもよいことは言うまでもない。例えば、ステップS502〜S507を水平方向1ラインではなく、垂直方向1ラインに変更して処理することで垂直方向に対応することができる。さらに、プロジェクタを水平方向および垂直方向に複数台並べた場合は、ステップS502〜S507を水平方向と垂直方向両方について1ラインごとに行い、輝度値の小さい方を目標輝度として目標輝度分布画像データKを生成することができる。
<画像分割>
ここでは、画像データ分割部303がステップS403で行う画像分割処理について図9を用いて説明する。各プロジェクタによって輝度の補正の度合いが異なるので、目標輝度分布画像データKと表示画像データFとをそれぞれのプロジェクタが出力する画像サイズの画像データに分割する。本処理により、各プロジェクタが投影する画像を示す表示分割画像データfA、fB、および各プロジェクタの投影領域の理想的な輝度分布を表した目標輝度分布分割画像データkA、kBを生成する。表示分割画像データfA、fB、および目標輝度分布分割画像データkA、kBを生成するにあたり、射影変換パラメータを算出する。以下、射影変換パラメータの算出方法を説明する。
図9(a)は、撮像画像データHA+Bと表示画像データFとが示す画像の例を示した図である。まず、撮像画像データHA+B内の投影領域210HA、210HBの四隅の画素PH A1〜PH A4、PH B1〜PH B4の画素位置を取得する。PH A2、PH A3、PH B1、PH B4の画素位置は、たとえば図1(b)に示すように輝度値が急激に変化している箇所に基づいて取得することができる。次に、画素PH A1〜PH A4、PH B1〜PH B4に対応する画素を表示画像データFから取得し、それぞれPf A1〜Pf A4、Pf B1〜Pf B4とする。具体的には、Pf A1、Pf A4、Pf B2、Pf B3は、それぞれ順に表示画像データFの左上角、左下角、右上角、右下角の画素に対応付けされる。Pf A2、Pf B1は、画素PH A1H B1間の距離、PH B1H A2間の距離、PH A2H B2間の距離の比が、それぞれ画素Pf A1f B1間の距離、画素Pf B1f A2間の距離、Pf A2f B2間の距離の比と一致する画素に対応付けられる。Pf A3、Pf B4についても同様に画素間の距離の比を用いることで対応付けを行う。最後に、撮像画像データHA+B内の画素PH A1〜PH A4と表示分割画像データfA内の画素Pf A1〜Pf A4からステップS507で説明した射影変換パラメータ(以後、パラメータAと表記する。)を求める。同様に、表示分割画像データfBの四隅の画素とPf B1〜Pf B4から射影変換パラメータ(以後、パラメータBと表記する。)を求める。
画像データ分割部303は、表示画像データFとパラメータAから射影変換を行うことで表示分割画像データfAを生成し、表示画像データFとパラメータBから射影変換を行うことで表示分割画像データfBを生成する。図9(b)は、生成した表示分割画像データfA、fBが示す画像の一例を示す。同様に、画像データ分割部303は、目標輝度分布画像データKとパラメータAを用いて射影変換を行うことで目標輝度分布分割画像データkAを生成する。そして、目標輝度分布画像データKとパラメータBを用いて射影変換を行うことで、目標輝度分布分割画像データkBを生成する。
以上で説明した処理により、画像データ分割部303は、表示画像データFと目標輝度分布画像データKとをそれぞれ分割し、表示分割画像データfA、fBと目標輝度分布分割画像データkA、kBを生成する。
<輝度補正パラメータ算出>
ここでは、輝度補正パラメータ算出部304がステップS404で行う輝度補正パラメータの算出について説明する。輝度補正パラメータ算出部304は、輝度補正パラメータWAとして、2つのパラメータを算出して乗算する。すなわち、輝度補正パラメータ算出部304は、撮像画像データHA内の投影領域210HAにおける輝度補正パラメータWA1と、重畳領域においてプロジェクタ208Aが出力する輝度値の割合を示す輝度補正パラメータWA2とを算出する。輝度補正パラメータ算出部304は、算出した輝度補正パラメータWA1とWA2とを画素ごとに乗算することで輝度補正パラメータWAを得る。輝度補正パラメータWBは、撮像画像データHBに対して同様の処理を行うことで得ることができる。これらの輝度補正パラメータは、各プロジェクタから投影される画像の輝度を調整する割合を表している。これら輝度補正パラメータWA、WBを用いることで表示分割画像fA、fBの輝度補正が行われる。
図10は輝度補正パラメータ算出部304における処理の流れを示すフローチャートである。以下、同図のフローチャートを用いて本処理について説明する。
まず、ステップS1001では、輝度補正パラメータ算出部304は、撮像画像データHA、HBと目標輝度分布分割画像データkA、kBから表示分割画像データfA、fBの輝度を補正するためのパラメータWA1、WB1を算出する。具体的には、輝度補正パラメータ算出部304は、式(6)にて輝度補正パラメータWA1を算出する。式(6)では、撮像画像データHA内の投影領域210HAにおける所定の画素の輝度値YHA(i,j)が、目標輝度分布分割画像データkAの対応する画像の輝度値YKA(i,j)と等しくなるように、輝度補正パラメータWA1を算出している。なお、撮像画像データHA内の投影領域210HAの画素位置と目標輝度分布分割画像データkAの対応する画素位置は、例えば上述した画像分割の際に得られた射影変換パラメータを用いて対応付けすることができる。
Figure 0006140987
撮像画像HBに対しても同様に処理を行うことで輝度補正パラメータWB1を算出する。輝度補正パラメータWB1の計算式を次式で表す。
Figure 0006140987
ここで、輝度補正パラメータWA1、B1は0〜1の値となり、この値が小さいほど表示分割画像データfA、fBの輝度値が小さくなる。なお、上記処理では、輝度補正パラメータは、撮像画像データHA及びHBを用いて算出したが、撮像画像データHA+Bに基づいて各撮像画像データHの輝度値を算出したものを用いて輝度補正パラメータを算出してもよい。
次に、ステップS1002では、輝度補正パラメータ算出部304は、撮像画像データHA+Bを2値化して、重畳領域211の形状を取得する。例えば、まず撮像画像データHA、HB内の投影領域210HA、210HBにおける最高輝度値YAh、YBhを求め、数値が大きい方を閾値thとする。次に、撮像画像データHA+B中の投影領域210HA+Bの輝度値がth以上の場合は1、th未満の場合は0を割り当てることで2値化を行い、2値画像データBIA+Bを生成する。以降のステップS1003では、この2値画像データBIA+Bの各画素を参照することで重畳領域を識別する。尚、閾値の決め方はこれに限らず、重畳領域と非重畳領域とを分離できる値であればよい。
ステップS1003では、輝度補正パラメータ算出部304は、ステップS1002で取得した形状の重畳領域211において各プロジェクタが出力する輝度値の割合を表す輝度補正パラメータWA2、WB2を算出する。図11(a)は撮像画像データHA+Bが示す画像であり、図11(b)は撮像画像データHA+B内の重畳領域211を拡大した図である。重畳領域211内のある画素をP(i,j)とすると、この画素の輝度補正パラメータWA2は次式で表せる。
Figure 0006140987
ここで、αは点Pから投影領域210HAの周縁部までの水平方向の最短距離を表しており、βは点Pから投影領域210HBの周縁部までの水平方向の最短距離を表している。同様にして、撮像画像データHB中の重畳領域211における輝度補正パラメータWB2は次式により算出する。
Figure 0006140987
前述したように、重畳領域211における輝度補正パラメータWA2、B2は、重畳領域211の各画素において各プロジェクタが出力する輝度値の割合を表しており、合計すると1となる。図11(b)の破線部に沿った横1ライン分の輝度補正パラメータWA2、B2の一例を図11(c)に示す。
ステップS1004では、輝度補正パラメータWA1と輝度補正パラメータWA2を画素毎に乗算することで最終的な輝度補正パラメータWAを算出する。同様にして、輝度補正パラメータWB1と輝度補正パラメータWB2を画素毎に乗算することで輝度補正パラメータWBを算出する。図12(a)の破線部に沿った横1ライン分の輝度補正パラメータWA、WBの一例を図12(b)、(c)に示す。図12(b)は表示分割画像データfAの輝度補正を行うための輝度補正パラメータWAを示しており、図12(c)は表示分割画像データfBの輝度補正を行うための輝度補正パラメータWBを示している。
以上の処理により、輝度補正パラメータ算出部304は、撮像画像データHA、HB、HA+Bと目標輝度分布分割画像データkA、kBから、目標輝度分布に一致させるための輝度補正パラメータWA、WBを算出する。輝度補正処理部305は、これら輝度補正パラメータWA、WBを表示分割画像データfA、fBに対して画素毎に乗算することで輝度補正画像データf’A、 f’Bを得る。そして、画像投影制御部206が輝度補正画像データf’A、 f’Bが示す画像を各プロジェクタから投影することにより、不自然な輝度ムラを抑制しながら投影領域210A+Bの輝度及びコントラストの低下を最小限に抑えた輝度補正が可能となる。
本実施例では、主に輝度の補正について述べたが、本実施例を色成分に適用してもよいことは言うまでもない。
本実施例の締めくくりに幾何学的に計算した場合の本実施例の効果について述べる。具体的には、全白画像をスクリーンに投影し、全投影領域の輝度を同領域内の最低輝度に合うように輝度補正を行った場合と、本実施例による輝度補正を行った場合とのコントラスト差について述べる。
まず、撮像画像データHA、HBからそれぞれプロジェクタ208A、208Bの投影領域における水平方向1ライン分の輝度分布を算出する。
次に、撮像画像データHAから算出した輝度分布Aをy=a12+b1x+c1、撮像画像データHAから算出した輝度分布Bをy=a22+b2x+c2とする。ここでプロジェクタ208A、208Bから投影されるそれぞれの投影領域が25%重なるように調整し、輝度分布Aの幅と輝度分布Bの幅が200画素である場合について考える。この状態を図17に示す。同図は撮像画像データHA、HBにおけるある水平方向1ライン分の輝度値を画素ごとに和算したものである。LP1は投影領域210Aの左端の画素位置iP1における輝度値を示しており、LP2は投影領域210Bの右端の画素位置iP2における輝度値を示している。また、LP3は投影領域210A+Bの中心に相当する画素位置iP3における輝度値を示している。
仮に投影領域210Aと投影領域210Bの周辺光量比をそれぞれ70%、73%とすると、各係数の一例としてa1=−0.0025、b1=0.55、c1=70、a2=−0.003、b2=1.5、c2=−77.5とおくことができる。
これら2つの輝度分布から目標輝度分布を算出するためには、ステップS505〜S507の処理を繰り返し行う。その結果、点線で示す目標輝度分布はy=−0.0008x2+0.3149x+69.66のように算出される。
最後に、算出した目標輝度分布の頂点における輝度と、両端の輝度の内低い方の輝度との差を算出する。仮に定めた値を用いて計算した結果、最小輝度値は69.66、最大輝度値は100.1となり、約30%のコントラスト上昇の効果が見込まれる。
尚、本実施例の効果を幾何学的に計算する際、撮影画像データHを用いたが、測色機を使って測定したデータ値を用いてもよい。
[実施例2]
実施例1では、スクリーン209上に各プロジェクタからキャリブレーション画像Gを投影し、投影領域210を撮像装置207を用いて撮像して撮像画像データHを得る。そして、得られた撮像画像データHを基に最適な目標輝度分布を決定し、輝度補正パラメータWを算出する方法について説明した。本実施例では、ユーザがユーザインタフェース(以後、UIと表記する。)を介して目標輝度分布を設定する。本実施例においても、実施例1と同様に、目標輝度分布は全投影領域において中央部の輝度を高く、周辺部にいくほど輝度を低くした分布である。その分布に一致するように輝度補正パラメータWを算出する例について説明する。
本実施例におけるマルチプロジェクションシステムの構成は実施例1の画像処理部205内にある目標輝度分布生成部302のみ異なる。本実施例においても2台のプロジェクタを例に説明する。プロジェクタの性能や設置条件は実施例1と同じものとする。
図13は、本実施例の画像処理部205の構成を示したブロック図である。目標輝度分布設定部1301では、投影領域210A+Bの目標輝度分布をユーザがUIを介して設定する。
図14は本実施例のマルチプロジェクションシステムにおける処理の流れを示すフローチャートである。以下、同図のフローチャートを用いて説明する。なお、実施例1と同様の処理については説明を省略する。
ステップS1401では、目標輝度分布設定部1301が、ユーザによるUIを介した指示によって目標輝度分布を設定する。図15は目標輝度分布設定のグラフィックユーザインタフェースの一例を示す。投影領域210A+Bを表示するための投影領域表示部1501と、投影領域内の点線部に沿った輝度分布(実線)と目標輝度分布(破線)を表示するための輝度分布表示部1502と、目標輝度分布を設定するための目標輝度分布設定バー1503がある。ユーザは目標輝度分布設定バー1503を上下にスライドさせることで目標輝度分布を設定する。ただし、投影領域210A+Bの両端に位置する画素の輝度値を固定し、中央部の画素の輝度値を予め設定された範囲内で調整可能とすることで、中央部の輝度を高く周辺部の輝度を低くするという条件を保ったまま目標輝度分布の設定を行うことができる。
ユーザが目標輝度分布を設定すると、各プロジェクタが目標輝度分布の通りに出力できるかの判定を目標輝度分布設定部1301で行う。出力判定の方法は、ステップS506と同様とすることができる。出力可能であれば、ステップS508の処理を行い、目標輝度分布設定処理を終了する。出力不可能であれば、ユーザに出力不可能であることをウィンドウメッセージ等で知らせ、再び目標輝度分布設定バー1503で目標輝度分布を調整する。目標輝度分布設定処理が終了すると、ステップS403〜S406を行う。
以上により、ユーザが目標輝度分布を設定でき、それに合わせた輝度補正処理が可能となる。
[実施例3]
本実施例では、実施例1の目標輝度分布生成処理を変更した例を説明する。目標輝度分布生成処理以外は実施例1と同じ処理とすることができる。
実施例1では、ステップS504において1ライン分の代表点を両端と中央の画素としている。しかし、図16に示すように2台のプロジェクタの輝度分布が大きく異なる場合、実施例1で説明した目標輝度分布の算出方法だと、2台のプロジェクタの内、高い輝度が出力できるプロジェクタの輝度特性を活かすことができない。そこでまず、1ライン分の代表点を両端の画素のみとし、これら2点の代表点を結び、凹関数(上に凸な関数)f(x)をつくる。この関数は、f(x)のグラフからどのような2点を選んで線分をつくってもf(x)のグラフよりも下方にくるものである。次に、補正前の撮像画像HA+B内の1ライン分の輝度分布g(x)とする。そして、ΔE=f(x)−g(x)が最小となるΔEを求めることで最終的な目標輝度分布f’(x)を得ることができる。ただし、1ラインの全画素において画素値がf(x)>g(x)を満たすものとする。すなわち、水平または垂直1ラインにおける2点間の輝度分布が凹関数により規定される輝度分布となるように目標輝度分布を算出する。
本実施例においても、不自然な輝度ムラを抑制しながら輝度およびコントラストの低下を最小限に抑えた輝度補正処理が可能となる。
[実施例4]
実施例4では、画素値が全てR=G=B=0(すなわち黒)である画像(以後、R=G=B=0である画像を全黒画像とする)や全画素の画素値が限りなく0に近い画像を投影した場合の処理について説明する。プロジェクタの構造上、全黒画像や全画素の画素値が限りなく0に近い画像を投影した場合、プロジェクタから光が出ているため少し明るい黒に見えてしまう特性がある。以後、この特性を黒浮きと表記する。マルチプロジェクションシステムでは、重畳領域において黒浮きが強く表れるため継ぎ目が目立ってしまう。そこで、本実施例では、全黒画像を表示した場合、黒浮きにより発生する重畳領域の継ぎ目を目立たなくする例を説明する。
本実施例のフローチャートの概要は実施例1で説明したステップS401、S402の一部が異なり、ステップS403〜S406は同様である。以下、ステップS401、S402の変更点について説明する。
ステップS401、すなわちキャリブレーション画像データの投影・撮影処理における変更点は、キャリブレーション画像データGである全白画像を投影する代わりに全黒画像を投影する点である。すなわち、結合投影領域の輝度分布が、各プロジェクタの出力可能な最低輝度値に基づくことになる。
ステップS402、すなわち目標輝度分布画像データ生成処理における変更点は、ステップS506の処理である各プロジェクタの出力可能判定と、ステップS507の処理である代表点の輝度値変更方法である。
本実施例においてステップS506では、実施例1とは判定方法が異なる。本実施例での判定方法は、目標輝度分布が撮像画像データHA+B内の投影領域210A+Bの輝度分布を超えている場合は出力可能とし、そうでなければ出力不可能とする。具体的には、ステップS505で算出した目標輝度分布の各画素の輝度値Liと、撮像画像データHA+Bの同じ画素位置の画素の輝度値L’iとを比較し、全画素についてL’i≦Liの場合は出力可能とし、そうでない場合は出力不可能とする。出力可能であれば、ステップS505を完了してステップS502へ戻り、そうでなければステップS507へ進む。
本実施例においてステップS507では、目標輝度分布生成部302は、代表点P3の輝度値を上げ、ステップS505へ戻る。代表点P3の輝度値の上げ幅は、実施例1で説明した輝度値の上げ幅と同様である。
図18に算出した1ライン分の目標輝度分布の例を示す。線1801は撮像画像データHA+B内の投影領域210A+Bにおける1ライン分の輝度分布、すなわち補正前の輝度分布を示している。線1802は代表点を単純につないだ状態の輝度分布を示している。線1802の輝度分布では、黒浮きにより発生する重畳領域の継ぎ目が目立ってしまう。そこで、本実施例では代表点P3の目標輝度値を上げて再度2次曲線を算出して線1803のようなステップS505〜S507の処理により算出した1ライン分の目標輝度分布を算出する。
本実施例では、目標輝度分布の各画素の輝度値を撮像画像データの同じ画素位置の画素の輝度値よりも高くすることにより、プロジェクタ投影の特性による黒浮きを目立たなくすることができる。
以上により、不自然な輝度ムラを抑制しながら黒浮きと輝度およびコントラストの低下を最小限に抑えた輝度補正処理が可能となる。
<その他の実施例>
以上説明した例では、画像処理装置に複数のプロジェクタと撮像装置とが接続されたマルチプロジェクションシステムを例に挙げて説明した。しかしながら、例えば撮像手段と投影手段とが画像処理装置に一体化されたマルチメディア端末を用いて各実施例と同等の構成を採用してもよい。このようなマルチメディア端末が複数の投影手段を有している場合には、単一のマルチメディア端末で上述した各実施例を実現することができる。一方、このようなマルチメディア端末が単一の投影手段のみを有している場合には、これらのマルチメディア端末を複数用いたシステムを採用してもよい。この場合、各データを各マルチメディア端末間で通信手段を介して交換することによって上述した各実施例と同等の効果を得ることができる。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (9)

  1. 各投影手段の投影領域の少なくとも一部を重畳させるようにして結合投影領域を形成するように配置した複数の投影手段の輝度特性を取得する取得手段と、
    前記取得した複数の投影手段の輝度特性に基づいて、前記結合投影領域の水平または垂直1ラインにおける2点間の輝度分布が凹関数により規定される輝度分布となるように、投影する画像データを補正する補正手段と
    前記輝度分布を、水平または垂直1ラインにおける2点間の輝度が凹関数により規定される分布となる範囲内で設定する設定手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記複数の投影手段から投影したキャリブレーション画像データを撮像する撮像手段をさらに備え、
    前記補正手段は、前記撮像手段による撮像によって前記投影手段の輝度特性を取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記補正手段は、前記結合投影領域の両端と中央に位置する画素との輝度値に基づいて前記輝度分布を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記補正手段は、前記両端に位置する画素の輝度値を、前記複数の投影手段のうち輝度特性の低い投影手段の輝度値を適用して前記輝度分布を決定することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記結合投影領域の輝度分布は、各プロジェクタの出力可能な最低輝度値に基づくことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 前記補正手段は、前記輝度分布が該分布に対応する投影領域の前記最低輝度値よりも高くなるように該輝度分布を決定することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 各プロジェクタの投影領域の少なくとも一部を重畳させるようにして結合投影領域を形成するように配置した複数のプロジェクタで構成されるマルチプロジェクションシステムであって、
    前記複数のプロジェクタの輝度特性に基づいて、前記結合投影領域の水平または垂直1ラインにおける2点間の輝度分布が凹関数により規定される輝度分布となるように、投影する画像データを補正する補正手段と、
    前記輝度分布を、水平または垂直1ラインにおける2点間の輝度が凹関数により規定される分布となる範囲内で設定する設定手段と
    を備えることを特徴とするマルチプロジェクションシステム。
  8. 各投影手段の投影領域の少なくとも一部を重畳させるようにして結合投影領域を形成するように配置した複数の投影手段の輝度特性を取得する取得ステップと、
    前記取得した複数の投影手段の輝度特性に基づいて、前記結合投影領域の輝度分布が、水平または垂直1ラインにおける2点間の輝度分布が凹関数により規定される輝度分布となるように、投影する画像データを補正する補正ステップと、
    前記輝度分布を、水平または垂直1ラインにおける2点間の輝度が凹関数により規定される分布となる範囲内で設定する設定ステップと
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  9. 請求項8に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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