JP6138729B2 - 回転圧入杭の抵抗推定方法及び推定システム - Google Patents

回転圧入杭の抵抗推定方法及び推定システム Download PDF

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Description

本発明は、軸方向の荷重と軸回りのトルクを同時に与えられながら回転圧入される杭の抵抗を推定する回転圧入杭の抵抗推定方法及び推定システムに関する。
圧入工法は杭の施工技術の一つで、油圧力により杭を静的に貫入させる工法である。低振動低騒音、仮設不要等の利点から、主に都市部で利用されている。このうち、杭を回転させながら圧入する「回転圧入」という技術は硬質地盤にも適用可能で、近年その市場が拡大しつつある。
杭の回転圧入中には圧入力とトルクを計測することができる。この情報を用いて何らかの方法により先端抵抗を知ることができれば、施工の効率化、杭の品質保証、地盤情報の推定などにつながると考えられる。一般には、先端抵抗を知るためには、杭の先端部に何らかの計測器を取付ける必要がある。
非特許文献1に記載の技術にあっては、杭の先端部に計測器を取付ける方法による。
非特許文献2に記載の技術にあっては、杭を上下に動かす「打抜」という動作をすることを前提として、付加的な計測器を導入することなく先端抵抗を推定する。
PPTデータに基づく土質分類および換算N値に関する研究 (地盤工学会、最近のサウンディング技術と地盤評価シンポジウム、2009) Estimation of soil type and N-value from data in press-in piling construction (IS-Kanazawa 2012)
しかし、回転圧入中の杭の先端抵抗を知るために杭の先端部に計測器を取付ける方法においては、以下のような問題がある。
杭の先端部にロードセル等の計測器を備えることは、計測器そのものの費用や、計測器を備えるための杭先端構造を杭に付加する費用などの付加的な費用を発生させる。
また、このような杭を施工現場で用いることは、計測器を備えた杭を圧入した後で引抜く、計測器の出力に基づき計測値を演算する計測装置を現場に持参して計測器と計測装置を接続する、などの付加的な作業を発生させる。
非特許文献2に記載の技術にあっては、「打抜」という動作をすることを前提として、付加的な計測器を導入することなく先端抵抗を推定することができるが、推定値が深度方向に離散的になる上に、最終貫入時点での値は推定できず支持力確認として使用するには不十分な技術である。
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、軸方向の荷重と軸回りのトルクを同時に与えられながら回転圧入される杭の抵抗を推定する回転圧入杭の抵抗推定方法及び推定システムにおいて、杭の先端部に計測器を設置することなく、また杭の特別な動作を必要とすることなく、回転圧入中の杭の抵抗を推定することを課題とする。
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、軸方向の荷重Qと軸回りのトルクTを同時に与えながら回転圧入される杭について、
前記杭の回転圧入に伴う前記杭の先端の深度zの増分△zに応じた荷重Qの増分△Q及びトルクTの増分△Tに基づき前記杭の先端抵抗値を推定する回転圧入杭の抵抗推定方法である。
請求項2記載の発明は、前記杭の圧入進行に伴い深度zを逐次計測する工程と、
深度zの増加に伴い荷重Q及びトルクTを逐次計測する工程と、
増分△zに応じた増分△Q及び増分△Tを演算する工程と、
△zを小区間として△Q及び△Tに応じた先端抵抗値の増分相当の関数を既に到達した所定の深度z(i)まで積分して当該深度z(i)における先端抵抗値を演算する工程とを含む請求項1に記載の回転圧入杭の抵抗推定方法である。
請求項3記載の発明は、軸方向の荷重Qと軸回りのトルクTを同時に与えながら回転圧入される杭について、
前記杭の回転圧入に伴う前記杭の先端の深度zに応じた荷重Q及びトルクTに基づき先端成分と周面成分とを分離して前記杭の抵抗値を推定する回転圧入杭の抵抗推定方法である。
請求項4記載の発明は、前記杭の圧入進行に伴い深度zを逐次計測する工程と、
深度zの増加に伴い荷重Q及びトルクTを逐次計測する工程と、
深度zに応じたQ及びTに基づき先端成分と周面成分とを分離して抵抗値を演算する工程とを含む請求項3に記載の回転圧入杭の抵抗推定方法である。
請求項5記載の発明は、軸方向の荷重Qと軸回りのトルクTを同時に与えながら回転圧入される杭の先端抵抗を推定する回転圧入杭の抵抗推定システムであって、
前記杭の先端の深度zを計測する深度計測手段と、
荷重Qを計測する圧入力計測手段と、
トルクTを計測するトルク計測手段と、を備えるとともに、
前記杭の圧入進行過程における前記深度計測手段、前記圧入力計測手段及び前記トルク計測手段がそれぞれ出力する計測値の時系列データに基づき、増分△zに応じた増分△Q及び増分△Tを演算し、△zを小区間として△Q及び△Tに応じた先端抵抗値の増分相当の関数を既に到達した所定の深度z(i)まで積分して当該深度z(i)における先端抵抗値を演算する演算手段と、
前記演算手段による先端抵抗値の演算結果を記憶するデータ記憶手段とを備えた回転圧入杭の抵抗推定システムである。
請求項6記載の発明は、軸方向の荷重Qと軸回りのトルクTを同時に与えながら回転圧入される杭の抵抗を推定する回転圧入杭の抵抗推定システムであって、
前記杭の先端の深度zを計測する深度計測手段と、
荷重Qを計測する圧入力計測手段と、
トルクTを計測するトルク計測手段と、を備えるとともに、
前記杭の圧入進行過程における前記深度計測手段、前記圧入力計測手段及び前記トルク計測手段がそれぞれ出力する計測値の時系列データに基づき、深度zに応じたQ及びTに基づき先端成分と周面成分とを分離して抵抗値を演算する演算手段と、
前記演算手段による抵抗値の演算結果を記憶するデータ記憶手段とを備えた回転圧入杭の抵抗推定システムである。
請求項7記載の発明は、前記演算結果は、深度zの変化に応じた抵抗値のデータ列の態様をなす請求項5又は請求項6に記載の回転圧入杭の抵抗推定システムである。
請求項8記載の発明は、前記データ列には、最終深度における抵抗値が含まれる請求項7に記載の回転圧入杭の抵抗推定システムである。
請求項9記載の発明は、前記演算結果を表示する表示手段を備えた請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の回転圧入杭の抵抗推定システムである。
杭を回転圧入するときの杭の抵抗の影響は、圧入機から杭に与えられる荷重Qの変化とトルクTの変化に現れる。
本発明のうちの第1の発明によれば、杭の回転圧入に伴い、杭の先端の深度zと、荷重Qと、トルクTとを計測し、増分△zに応じた増分△Q及び増分△Tに基づき杭の抵抗値を推定することができる。
また、本発明のうちの第2の発明によれば、杭の回転圧入に伴い、杭の先端の深度zと、荷重Qと、トルクTとを計測し、zに応じたQ及びTに基づき杭の抵抗値を推定することができる。
本発明によれば、杭の回転圧入中に連続して計測を実行することで、杭の先端の深度zに対して連続的に抵抗値を算出することができる。
本発明の一実施形態に係る回転圧入杭の先端抵抗推定システムのイメージ図である。 回転圧入される杭について、(a)は軸方向の力に関する力学的関図、(b)は軸回りトルクに関する力学的関図である。 実証試験に係る試験場の地盤条件図である。 本発明第1実施形態による先端抵抗の推定値と、杭先端のロードセルで計測された先端抵抗の計測値と、深度を縦軸として記載したグラフである。 本発明第2実施形態による先端抵抗の推定値と、杭先端のロードセルで計測された先端抵抗の計測値と、深度を縦軸として記載したグラフである。
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
〔第1実施形態〕
まず、本発明の第1実施形態につき説明する。
図1に示すように圧入機1にコンピュータ2を通信接続して圧入機1からの情報をコンピュータ2に取得しコンピュータ2により先端抵抗値を演算する形態を実施する。
圧入機1は、杭3に図2(a)に示すような軸方向の荷重Qと図2(b)に示すような軸回りのトルクTとを同時に与えながら杭3を回転圧入する。
杭3の回転圧入時に圧入機1からコンピュータ2に入力すべき情報は、少なくとも杭の先端の深度z、荷重Q及びトルクTである。
杭の先端の深度zを計測する深度計測手段は、圧入機1による圧入ストロークを検出するストロークセンサーを圧入機1に設けてこれを利用して構成する。
また、荷重Qを計測する圧入力計測手段、トルクTを計測するトルク計測手段は、圧入機1の油圧駆動部の油圧を検出する油圧センサーを利用して構成する。
圧入機1において深度z、荷重Q及びトルクTを計測し、圧入機1から深度z、荷重Q及びトルクTの計測値がコンピュータ2に入力されるように構成する。
コンピュータ2に入力される計測値は、杭の圧入進行過程における時系列データの形態とされる。コンピュータ2は、付属する記憶装置に深度z、荷重Q及びトルクTの時系列データを記憶する。深度z、荷重Q及びトルクTの時系列データは、相互に対応がとれたものである。
コンピュータ2のCPUは、先端抵抗値を演算する演算手段として機能し、深度z、荷重Q及びトルクTの時系列データに基づき、増分△zに応じた増分△Q及び増分△Tを演算し、△zを小区間として△Q及び△Tに応じた先端抵抗値の増分相当の関数を既に到達した所定の深度z(i)まで積分して当該深度z(i)における先端抵抗値を演算する。積分区間の始点は、回転圧入開始時(深度及び先端抵抗ゼロ時)とする。
圧入機1において、杭3の圧入進行に伴い深度zを逐次計測し、深度zの増加に伴い荷重Q及びトルクTを逐次計測する。
杭の回転圧入の進行中にコンピュータ2に蓄積される深度z、荷重Q及びトルクTの時系列データが更新されるたびに、杭3の新たに到達した先端位置における先端抵抗値を算出し、回転圧入中に深度zの変化に応じた先端抵抗値のデータ列の大部分を算出してもよい。回転圧入中は、少なくとも深度z、荷重Q及びトルクTの時系列データの記録を行って、杭3の回転圧入中又は回転圧入の施工が終了した後の任意の時に、コンピュータ2により先端抵抗値の演算を実行する。
コンピュータ2は、付属する記憶装置に先端抵抗値の演算結果を記憶する。この先端抵抗値の演算結果は、例えば図4のようにグラフ化される深度zの変化に応じた先端抵抗値のデータ列の態様をなし、杭3の最終深度における先端抵抗値が含まれる。また、コンピュータ2は、表示装置21に演算結果を表示する。
(推定理論)
次に、先端抵抗値の増分相当の関数の一例につき説明する。
荷重QとトルクTは、図2中にも示すように先端成分(下付きbで表す)と周面成分(下付きSで表す)から成ると考えられる。杭先端が深度z(i)にある場合の各抵抗をQb(i)等と表記し、杭先端がz(i)からz(i+1)へ移行する間の各抵抗の増分を△Qb(i,i+1) 等と表記すると、荷重Qの増分△Q、トルクTの増分△Tは(1)(2)式で表される。
ところで、Qb(i)とTb(i)は、先端抵抗力度qb(i) と壁面摩擦角δ(i)を用いて(3)(4)式で表され、(3)(4)式より両者の関係は(5)式となる。杭の直径をDとする。また(5)式に示すとおりαを定義する。
ここで、先端抵抗力度qbとは、先端抵抗Qbの単位面積当たりの値である。また、先端面上の微小面積dAに生じる垂直抗力は、qb・dAと表され、杭を回転させたときに杭の先端面上の微小面積dAに生じる摩擦力は、qb・dAに摩擦係数を乗じたものである。この摩擦係数をtanδとしたとき、すなわち、上記摩擦力を、qb・dA・tanδとしたときのδが壁面摩擦角である。
いま、深度方向の地盤条件(壁面摩擦角)の変化を無視できるとし、α(i)=α(i+1)=αとすると、(6)式が得られる。
他方、周面に関しては、 △QS(i,i+1)と△TS(i,i+1)は、土と杭周面との間の単位面積当たりの摩擦力f(i,i+1)とピッチ(圧入速度に対する回転速度の比)pを用いて(7)(8)式で表わされ、(7)(8)式より両者の関係は(9)式となる。また(9)式に示すとおりβを定義する。
以上の関係式からさらに(10)式が導かれる。(10)式を先端抵抗値の増分相当の関数として適用し、(11)式に示すように先端抵抗値を積分法により求める。このとき、壁面摩擦角は現場ごとに適切な定数を設定して、定数として実施しても十分な結果が得られる。また、圧入機においてトルクTが大きくなると回転速度が設定値よりも小さくなるため、ピッチpの算出に必要になる回転速度は圧入機の設定値をトルクTの計測値で補正して推定することができる。すなわち、回転速度を直接検知せずにピッチpを深度zとトルクTの計測値から推算しても十分な結果が得られる。もちろん、杭の回転速度を直接検知して実施してもよい。
(実証試験)
上述した第1実施形態に係る先端抵抗の推定理論を確認するために実証試験を行った。図3に試験場の地盤条件を示す。この試験場の地盤条件に応じた壁面摩擦角δを定数として設定した。試験杭は直径D=318.5mmの閉端構造とし、検証用に先端部にロードセルを設置して先端抵抗を計測した。荷重QとトルクTは回転圧入機の油圧の計測値に杭重量などを加味して求めた。深度zはドラム式ストロークセンサーを用いて計測した。2種類の試験1,2を行った。表1に回転圧入機における圧入速度、回転速度の各設定値、さらに試験2ついては引抜速度の設定値を示した。試験1では回転圧入動作を継続的に行い、試験2では、回転圧入動作に打抜動作(杭を上下に動かす動作)を加えた。例えば打抜ストローク800-400 とは下方向変位800mmと上方向変位400mmを繰返すことを意味する。杭の回転速度は計測器を用いて測定することで得た。
上述した第1実施形態に係る推定理論に基づき推定した先端抵抗の推定値と、杭先端のロードセルで計測された先端抵抗の計測値とを、図4のグラフに示した。図4(a)は試験1のもの、図4(b)は試験2のものである。
図4に示すようにいずれの試験でも、先端抵抗の推定値は計測値とよく一致することが確認された。
以上の試験により、閉端鋼管杭の回転圧入時の杭頭荷重QとトルクTの情報から先端抵抗を精度よく推定できることが確認された。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態につき説明する。
図1に示すように圧入機1にコンピュータ2を通信接続して圧入機1からの情報をコンピュータ2に取得しコンピュータ2により先端抵抗値を演算する形態を実施する。
圧入機1は、杭3に図2(a)に示すような軸方向の荷重Qと図2(b)に示すような軸回りのトルクTとを同時に与えながら杭3を回転圧入する。
杭3の回転圧入時に圧入機1からコンピュータ2に入力すべき情報は、少なくとも杭の先端の深度z、荷重Q及びトルクTである。
杭の先端の深度zを計測する深度計測手段は、圧入機1による圧入ストロークを検出するストロークセンサーを圧入機1に設けてこれを利用して構成する。
また、荷重Qを計測する圧入力計測手段、トルクTを計測するトルク計測手段は、圧入機1の油圧駆動部の油圧を検出する油圧センサーを利用して構成する。
圧入機1において深度z、荷重Q及びトルクTを計測し、圧入機1から深度z、荷重Q及びトルクTの計測値がコンピュータ2に入力されるように構成する。
コンピュータ2に入力される計測値は、杭の圧入進行過程における時系列データの形態とされる。コンピュータ2は、付属する記憶装置に深度z、荷重Q及びトルクTの時系列データを記憶する。深度z、荷重Q及びトルクTの時系列データは、相互に対応がとれたものである。
コンピュータ2のCPUは、先端抵抗値を演算する演算手段として機能し、深度z、荷重Q及びトルクTの時系列データに基づき、当該深度zにおける先端抵抗値を演算する。
圧入機1において、杭3の圧入進行に伴い深度zを逐次計測し、深度zの増加に伴い荷重Q及びトルクTを逐次計測する。
杭の回転圧入の進行中にコンピュータ2に蓄積される深度z、荷重Q及びトルクTの時系列データが更新されるたびに、杭3の新たに到達した先端位置における先端抵抗値を算出し、回転圧入中に深度zの変化に応じた先端抵抗値のデータ列の大部分を算出してもよい。回転圧入中は、少なくとも深度z、荷重Q及びトルクTの時系列データの記録を行って、杭3の回転圧入中又は回転圧入の施工が終了した後の任意の時に、コンピュータ2により先端抵抗値の演算を実行する。
コンピュータ2は、付属する記憶装置に先端抵抗値の演算結果を記憶する。この先端抵抗値の演算結果は、例えば図4のようにグラフ化される深度zの変化に応じた先端抵抗値のデータ列の態様をなし、杭3の最終深度における先端抵抗値が含まれる。また、コンピュータ2は、表示装置21に演算結果を表示する。
(推定理論)
次に、先端抵抗値相当の関数の一例につき説明する。
荷重QとトルクTは、図2中にも示すように先端成分(下付きで表す)と周面成分(下付きで表す)から成ると考えられる。杭先端が深度zにある場合の各抵抗をQ(z)等と表記すると、荷重Q、トルクTは(A1)(A2)式で表される。
ところで、Q(z)とT(z)は、先端抵抗力度q(z) と壁面摩擦角δ(z)を用いて(A3)(A4)式で表され、(A3)(A4)式より両者の関係は(A5)式となる。杭の直径をDとする。また(A5)式に示すとおりα(z)を定義する。
ここで、先端抵抗力度qbとは、先端抵抗Qbの単位面積当たりの値である。また、先端面上の微小面積dAに生じる垂直抗力は、qb・dAと表され、杭を回転させたときに杭の先端面上の微小面積dAに生じる摩擦力は、qb・dAに摩擦係数を乗じたものである。この摩擦係数をtanδとしたとき、すなわち、上記摩擦力を、qb・dA・tanδとしたときのδが壁面摩擦角である。
他方、周面に関しては、Q(z)とT(z)は、土と杭周面の間の単位面積当たりの摩擦力f(z)とピッチ(圧入速度に対する回転速度の比)p(z)を用いて(A6)(A7)式で表わされ、(A6)(A7)式より両者の関係は(A8)式となる。また(A8)式に示すとおりβ(z)を定義する。
以上の関係式から(A9)式が導かれ、(A9)式を先端抵抗値の関数として適用する。このとき、壁面摩擦角は現場ごとに適切な定数を設定して、定数として実施しても十分な結果が得られる。また、圧入機においてトルクTが大きくなると回転速度が設定値よりも小さくなるため、ピッチpの算出に必要になる回転速度は圧入機の設定値をトルクTの計測値で補正して推定することができる。すなわち、回転速度を直接検知せずにピッチpを深度zとトルクTの計測値から推算しても十分な結果が得られる。もちろん、杭の回転速度を直接検知して実施してもよい。
(実証試験)
上述した第2実施形態に係る先端抵抗の推定理論を確認するために実証試験を行った。図3に試験場の地盤条件を示す(第1実施形態のときと同じである)。この試験場の地盤条件に応じた壁面摩擦角δを定数として設定した。試験杭は直径D=318.5mmの閉端構造とし、検証用に先端部にロードセルを設置して先端抵抗を計測した。荷重QとトルクTは回転圧入機の油圧の計測値に杭重量などを加味して求めた。深度zはドラム式ストロークセンサーを用いて計測した。2種類の試験1,2を行った。表1に回転圧入機における圧入速度、回転速度の各設定値、さらに試験2ついては引抜速度の設定値を示した(第1実施形態のときと同じである)。試験1では回転圧入動作を継続的に行い、試験2では、回転圧入動作に打抜動作(杭を上下に動かす動作)を加えた。例えば打抜ストローク800-400 とは下方向変位800mmと上方向変位400mmを繰返すことを意味する。杭の回転速度は計測器を用いて測定することで得た。
上述した第2実施形態に係る推定理論に基づき推定した先端抵抗の推定値と、杭先端のロードセルで計測された先端抵抗の計測値とを、図5のグラフに示した。図5(a)は試験1のもの、図5(b)は試験2のものである。
図5に示すようにいずれの試験でも、先端抵抗の推定値は計測値とよく一致することが確認された。
以上の試験により、閉端鋼管杭の回転圧入時の杭頭荷重QとトルクTの情報から先端抵抗を精度よく推定できることが確認された。
なお、本発明は、支持力確認や地盤情報推定などにも利用することができる。
1 圧入機
2 コンピュータ(演算手段、データ記憶手段、表示手段)
3 杭

Claims (9)

  1. 軸方向の荷重Qと軸回りのトルクTを同時に与えながら回転圧入される杭について、
    前記杭の回転圧入に伴う前記杭の先端の深度zの増分△zに応じた荷重Qの増分△Q及びトルクTの増分△Tに基づき前記杭の先端抵抗値を推定する回転圧入杭の抵抗推定方法。
  2. 前記杭の圧入進行に伴い深度zを逐次計測する工程と、
    深度zの増加に伴い荷重Q及びトルクTを逐次計測する工程と、
    増分△zに応じた増分△Q及び増分△Tを演算する工程と、
    △zを小区間として△Q及び△Tに応じた先端抵抗値の増分相当の関数を既に到達した所定の深度z(i)まで積分して当該深度z(i)における先端抵抗値を演算する工程とを含む請求項1に記載の回転圧入杭の抵抗推定方法。
  3. 軸方向の荷重Qと軸回りのトルクTを同時に与えながら回転圧入される杭について、
    前記杭の回転圧入に伴う前記杭の先端の深度zに応じた荷重Q及びトルクTに基づき先端成分と周面成分とを分離して前記杭の抵抗値を推定する回転圧入杭の抵抗推定方法。
  4. 前記杭の圧入進行に伴い深度zを逐次計測する工程と、
    深度zの増加に伴い荷重Q及びトルクTを逐次計測する工程と、
    深度zに応じたQ及びTに基づき先端成分と周面成分とを分離して抵抗値を演算する工程とを含む請求項3に記載の回転圧入杭の抵抗推定方法。
  5. 軸方向の荷重Qと軸回りのトルクTを同時に与えながら回転圧入される杭の先端抵抗を推定する回転圧入杭の抵抗推定システムであって、
    前記杭の先端の深度zを計測する深度計測手段と、
    荷重Qを計測する圧入力計測手段と、
    トルクTを計測するトルク計測手段と、を備えるとともに、
    前記杭の圧入進行過程における前記深度計測手段、前記圧入力計測手段及び前記トルク計測手段がそれぞれ出力する計測値の時系列データに基づき、増分△zに応じた増分△Q及び増分△Tを演算し、△zを小区間として△Q及び△Tに応じた先端抵抗値の増分相当の関数を既に到達した所定の深度z(i)まで積分して当該深度z(i)における先端抵抗値を演算する演算手段と、
    前記演算手段による先端抵抗値の演算結果を記憶するデータ記憶手段とを備えた回転圧入杭の抵抗推定システム。
  6. 軸方向の荷重Qと軸回りのトルクTを同時に与えながら回転圧入される杭の抵抗を推定する回転圧入杭の抵抗推定システムであって、
    前記杭の先端の深度zを計測する深度計測手段と、
    荷重Qを計測する圧入力計測手段と、
    トルクTを計測するトルク計測手段と、を備えるとともに、
    前記杭の圧入進行過程における前記深度計測手段、前記圧入力計測手段及び前記トルク計測手段がそれぞれ出力する計測値の時系列データに基づき、深度zに応じたQ及びTに基づき先端成分と周面成分とを分離して抵抗値を演算する演算手段と、
    前記演算手段による抵抗値の演算結果を記憶するデータ記憶手段とを備えた回転圧入杭の抵抗推定システム。
  7. 前記演算結果は、深度zの変化に応じた抵抗値のデータ列の態様をなす請求項5又は請求項6に記載の回転圧入杭の抵抗推定システム。
  8. 前記データ列には、最終深度における抵抗値が含まれる請求項7に記載の回転圧入杭の抵抗推定システム。
  9. 前記演算結果を表示する表示手段を備えた請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の回転圧入杭の抵抗推定システム。
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