JP6138213B2 - 多数の溶接箇所を有する被溶接物の溶接装置及びその使用方法 - Google Patents
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Description
多数の溶接する箇所を有する面を有する被溶接物において、各溶接する箇所を通り該面に対して直交する方向に延びる各軸線を中心とする一定半径の円に沿って該箇所への溶接を行う、溶接装置であって、
該被溶接物を、当該溶接装置内の所定位置で該面に直交するように延びる回転軸線の周りで回転可能に保持するとともに、該被溶接物を該溶接する箇所のうちの任意の箇所を通る該軸線が該回転軸線と一致するように該平面に対して平行に変位可能とした被溶接物保持装置と、
該回転軸線に隣接した位置に設定可能なトーチを備える溶接部と
を有し、
該任意の箇所を通る該軸線が該回転軸線と一致した状態で、該被溶接物を該回転軸線の周りで回転させることにより、該トーチによる該任意の箇所を通る該軸線の周りの一定半径の円に沿った溶接を行うようにした、多数の溶接箇所を有する被溶接物の溶接装置を提供する。
この溶接装置では、トーチは一定位置に保持した状態で、被溶接物を回転するようにしたので、前述のような従来の溶接装置が有していた問題を解消することを可能とする。
該被溶接物保持装置は、
該回転軸線を中心に回転可能にされた回転支持体と、
該回転支持体に設けられ、該被溶接物を保持すると共に該回転軸線に直交する平面に平行に変位可能とされて、該溶接する箇所を通る該軸線を該回転軸線に整合することを可能とした被溶接物保持手段と、
を有するようにすることができる。
該被溶接物保持手段は、該回転支持体に取り付けられて該回転軸線に直交する平面内で該回転軸線に対して直交する1つの方向に変位可能とした第1直線変位部材と、該第1直線変位部材に取り付けられ該平面内で該第1直線変位部材の変位方向に対して直交する方向に変位可能とした第2直線変位部材と、該第2直線変位部材に取り付けられ該被溶接物を把持するするクランプ部材とを有するようにすることができる。
該被溶接物保持手段が、該決定された距離から求められる該溶接する箇所を通る該軸線の該回転支持体の回転軸線に対する位置に基づき、該溶接する箇所を通る該軸線を該回転軸線に整合させるように該被溶接物を動かすようにすることができる。
該該被溶接物が、該面に設けられた多数の管穴に挿入された伝熱管の端部を備える熱交換器の管板とされ、
被溶接物保持手段は該管板を端部に有する筒状胴体を保持するようにされており、
該プローブは該管板の該面に向けられて延びる先細りの先端部分を有し、該先端部分を溶接する該伝熱管の端部内に挿入することにより、該プローブの中心軸線が該溶接する伝熱管の中心軸線に一致するように変位し、一致するように変位することにより該基準位置から該溶接する伝熱管の中心軸線までの距離を決定するようにした熱交換器の管板の溶接装置とすることが出来る。
該基準位置におけるプローブの中心軸線を該回転支持体の回転軸線に一致させ、
溶接する伝熱管の端部を、管板の基準図面(管板に設けられた多数の管穴の位置及び距離を示す図面)上における当該管板の中心軸線を通る垂直線上にある1つの管穴に挿入されたものとし、
被溶接物保持手段に保持された筒状胴体の中心軸線とプローブの中心軸線との間の該回転支持体の回転軸線に対して直交する面内での水平方向での距離だけ筒状胴体を同面に平行に水平方向に動かして筒状胴体の中心軸線を通る垂直線がプローブの中心軸線を通るようにし、
該基準図面上での溶接する伝熱管の端部の中心軸線とプローブの中心軸線と垂直方向での距離だけ筒状胴体を垂直方向で動かすことにより、該基準図面上での溶接する伝熱管の端部の中心軸線がプローブの中心軸線と一致するようにし、
このときの被溶接物保持手段によって保持された筒状胴体の端板における溶接する伝熱管の端部の実際の位置の基準図面上での位置からズレを特定し、このズレに基づき被溶接物保持手段により把持されていている筒状胴体の、当該筒状胴体の中心軸線に対する傾きを特定し、
これにより回転支持体の回転軸線に対する他の伝熱管の端部の位置を特定して該他の伝熱管の端部の溶接を順次行うようにした溶接方法を提供する。
本発明のこの方法では、プローブによる、溶接をする1つの伝熱管端部の位置を特定することにより他の全ての伝熱管端部の位置を特定でき、それら端部の溶接を行うことが可能となる。従って、この方法によれば、上述した従来の溶接において必要とされていた、1箇所の管穴の溶接が完了するごとに、CCDカメラを広視野に切り換えて複数の管穴を撮影し、近接の管穴の位置を割り出し、所定の位置だけトーチを移動させて溶接を行うといった煩わしい作業を行う必要が無く、かつ、各溶接を正確に行うことが可能となる。
[保持装置100]
[溶接部200]
[トーチユニット210]
[プローブユニット250]
[プローブ操作]
先ず、プローブユニット250が保持装置100により保持されている管板3に対向する位置となるように溶接部ベース204を位置決めする。このときプローブ261の中心軸線が、回転支持体112の回転中心軸線と一致するようにするのが好ましい。
溶接しようとする伝熱管4の端部4aの中心軸線がプローブ261の先端中心とほぼ同じ位置となるようにサーボモータ117及びサーボモータ122を駆動する。
その後、水平エアシリンダ254により前後摺動体253を前進させ、プローブ261の先細りとされた先端部分261aを当該伝熱管4に挿入する。挿入される前の伝熱管4の中心軸線とプローブ261の先端中心(中心軸線)とが一致していない場合、プローブ261は先細りの先端部分261aの作用によりその中心軸線が伝熱管4の中心軸線に一致するように変位し、それに従って水平摺動体257及び垂直摺動体260がそれぞれ水平及び垂直方向に動く。
水平摺動体257及び垂直摺動体260の移動距離は、センサー262及びセンサー263により測定され、それによりプローブ261の先端中心の水平方向変位x及び垂直方向変位yがわかる。このとき、伝熱管4の中に挿入する前のプローブ261の中心軸線の回転支持体112の回転軸線に対する位置を特定しておけば、そのプローブ261の中心軸線の位置と上記x及びyの変位とから伝熱管4の中心軸線と回転支持体112の回転軸線との位置関係が分かり、従った、保持装置100のサーボモータ117及びサーボモータ122を駆動することにより伝熱管4の中心軸線を回転支持体112の回転軸線と一致するようにすることができる。具体的な例としては、伝熱管4の中に挿入する前のプローブ261の中心軸線を回転支持体112の回転軸線を回転支持体112の回転軸線に一致させておけば、保持装置100のサーボモータ117及びサーボモータ122を駆動して上記変位x、y分がゼロとなるようにすることにより、上記中心軸線と回転軸線との一致を行うことが出来る。従って、そのようにした後にトーチ230を該伝熱管4の端部に隣接した位置として回転支持体112を回転すれば当該伝熱管4の端部は支持体112の回転軸線を中心に回転され、該端部周りを管板3に溶接することが可能となる。
上記位置の特定は以下のようにして行う。
先ず、伝熱管4の中に挿入する前のプローブ261の中心軸線を回転支持体112の回転軸線に一致させておき、溶接しようとする伝熱管4の端部4aを、管板3の基準図面(管板3に設けられた多数の管穴3aの位置及び距離を示す図面)上における当該管板3の中心軸線(従って筒状胴体2の中心軸線)を通る垂直線上にある管穴に挿入されたものであるとする。保持装置100に保持された筒状胴体2の中心軸線c(図15)とプローブ261の中心軸線との間の回転支持体112の回転軸線に対して直交する面内でのX方向(水平方向)での距離だけ筒状胴体2を同直交する面に平行にX方向に動かして筒状胴体2の中心軸線cを通る垂直線がプローブ261の中心軸線(従って、回転支持体112の回転軸線)を通るようにする。次に基準図面上での溶接しようとする伝熱管4の端部4cの中心軸線と筒状胴体2(管板3)の中心軸線との間の距離、及び、プローブ261の中心軸線と保持装置100により保持された筒状胴体2の中心軸線cとの間の距離分だけ筒状胴体をY方向(垂直方向)で動かすことにより、基準図面上での溶接しようとする伝熱管4の端部4cの中心軸線がプローブ261の中心軸線と一致するにする。このとき保持装置100によって保持された筒状胴体2の端板3における溶接しようとする伝熱管4の端部の実際の位置4c’が基準図面上での位置4cからずれていたとすると、筒状胴体2の中心軸線c、基準図面上の溶接しようとする伝熱管の端部4c、実際の溶接しようとする伝熱管4の端部4c’の位置関係は図15に示すようになる。この状態から上述のようにプローブ261を伝熱管4に差し込むことにより変位x、yが得られれば保持装置100により保持されていている筒状胴体の、該筒状胴体の中心軸線cに対する傾きθが分かり、これにより回転支持体112の回転軸線からの他の伝熱管の位置が分かり、従って、それら他の伝熱管を順次、プローブ261の中心軸線(回転支持体112の回転軸線)に一致させるようにして、順次溶接を行うことが出来る。
伝熱管4の中に挿入する前のプローブ261の中心軸線を回転支持体112の回転軸線に一致させておき、溶接しようとする伝熱管4の端部4aを、管板3の基準図面上における当該管板3の中心軸線(従って筒状胴体2の中心軸線)を通る垂直線上にある管穴に挿入されたものであるとする。
[トーチユニット210による溶接操作]
次に、水平シリンダ213により前後基準位置設定摺動体214を前進させストッパー215が筒状胴体2の管板3に当接した位置で停止し、垂直エアシリンダ216を動作させ、ロッドを上方に突出させる。次に、水平エアシリンダ219により下部支持体218を前進させ、ストッパー217が垂直エアシリンダ216のロッドに当接した位置(基準位置)で停止し保持する。その後、垂直エアシリンダ216を動作させてロッドを収納し、水平エアシリンダ213により前後基準位置設定摺動体214を後退させる。
また、溶接しようとする筒状胴体2の直径に応じて、垂直エアシリンダ221によりトーチ230の高さを調整する。フィラーの使用、未使用により水平エアシリンダ224を動作させてトーチ230の前後位置を調整する。
また必要に応じ、トーチ230の溶接個所に対する角度、高さ、距離等は、前記のとおり、前後調整ユニット225、上下調整ユニット226、水平支持部材228、垂直支持部材229により微調整が行われる。
その後、保持装置100を上述のごとくして回転支持体112の回転軸線に一致させられた溶接しようとする伝熱管4の中心軸線を中心に回転させながらトーチ230によるアーク溶接を行う。
Claims (5)
- 多数の溶接する箇所を有する面を有する被溶接物において、各溶接する箇所を通り該面に対して直交する方向に延びる各軸線を中心とする一定半径の円に沿って該箇所への溶接を行う、溶接装置であって、
該被溶接物を、当該溶接装置内の所定位置で該面に直交するように延びる回転軸線の周りで回転可能に保持するとともに、該被溶接物を該溶接する箇所のうちの任意の箇所を通る該軸線が該回転軸線と一致するように該面に対して平行に変位可能とした被溶接物保持装置と、
該回転軸線に隣接した位置に設定可能なトーチを備える溶接部と
を有し、
該被溶接物保持装置が、
該回転軸線を中心に回転可能にされた回転支持体と、
該回転支持体に設けられ、該被溶接物を保持すると共に該回転軸線に直交する平面に平行に変位可能とされて、該溶接する箇所を通る該軸線を該回転軸線に整合することを可能とした被溶接物保持手段と、
当該溶接装置内の基準位置に設定されて、該回転支持体の回転軸線に直交する平面に平行に変位可能とされ、該基準位置から該溶接する箇所を通る該軸線の位置まで変位することにより該基準位置から該溶接する箇所の該軸線までの距離を決定するプローブと
を有し、
該被溶接物保持手段は、該決定された距離から求められる該溶接する箇所を通る該軸線の該回転支持体の回転軸線に対する位置に基づき、該溶接する箇所を通る該軸線を該回転軸線に整合させるように該被溶接物を動かすようにされており、
該任意の箇所を通る該軸線が該回転軸線と一致した状態で、該被溶接物を該回転軸線の周りで回転させることにより、該トーチによる該任意の箇所を通る該軸線の周りの一定半径の円に沿った溶接を行うようにされている、多数の溶接箇所を有する被溶接物の溶接装置。 - 該被溶接物保持手段は、該回転支持体に取り付けられて該回転軸線に直交する平面内で該回転軸線に対して直交する1つの方向に変位可能とした第1直線変位部材と、該第1直線変位部材に取り付けられ該平面内で該第1直線変位部材の変位方向に対して直交する方向に変位可能とした第2直線変位部材と、該第2直線変位部材に取り付けられ該被溶接物を把持するするクランプ部材とを有する請求項1に記載の多数の溶接箇所を有する被溶接物の溶接装置。
- 該被溶接物が、該面に設けられた多数の管穴に挿入された伝熱管の端部を備える熱交換器の管板とされ、
被溶接物保持手段は該管板を端部に有する筒状胴体を保持するようにされており、
該プローブは該管板の該面に向けられて延びる先細りの先端部分を有し、該先端部分を溶接する該伝熱管の端部内に挿入することにより、該プローブの中心軸線が該溶接する伝熱管の中心軸線に一致するように変位し、一致するように変位することにより該基準位置から該溶接する伝熱管の中心軸線までの距離を決定するようにされている請求項1又は2に記載の多数の溶接箇所を有する被溶接物の溶接装置。 - 該被溶接物保持手段は、該決定された距離に基づき算出される、該回転支持体の回転軸線に対する他の管の中心軸線の位置に基づき、該他の管の中心軸線を該回転支持体の回転軸線に順次整合させるようにされている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の多数の溶接箇所を有する被溶接物の溶接装置。
- 請求項3に記載の多数の溶接箇所を有する被溶接物の溶接装置を使用する方法であって、
該基準位置におけるプローブの中心軸線を該回転支持体の回転軸線に一致させ、
溶接する伝熱管の端部を、管板の基準図面上における当該管板の中心軸線を通る垂直線上にある1つの管穴に挿入されたものとし、
被溶接物保持手段に保持された筒状胴体の中心軸線とプローブの中心軸線との間の該回転支持体の回転軸線に対して直交する面内での水平方向での距離だけ筒状胴体を同面に平行に水平方向に動かして筒状胴体の中心軸線を通る垂直線がプローブの中心軸線を通るようにし、
該基準図面上での溶接する伝熱管の端部の中心軸線とプローブの中心軸線と垂直方向での距離だけ筒状胴体を垂直方向で動かすことにより、該基準図面上での溶接する伝熱管の端部の中心軸線がプローブの中心軸線と一致するようにし、
このときの被溶接物保持手段によって保持された筒状胴体の端板における溶接する伝熱管の端部の実際の位置の基準図面上での位置からズレを特定し、このズレに基づき被溶接物保持手段により保持されていている筒状胴体の、当該筒状胴体の中心軸線に対する傾きを特定し、
これにより回転支持体の回転軸線に対する他の伝熱管の端部の位置を特定して該他の伝熱管の端部の溶接を順次行うようにした溶接方法。
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