JP6135575B2 - 冷延鋼板の冷却方法および冷却設備ならびに冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

冷延鋼板の冷却方法および冷却設備ならびに冷延鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、連続焼鈍後の鋼板を水または洗浄液に浸漬して冷却する際の冷延鋼板の冷却方法およびその実施に好適な冷却設備、ならびにこの冷却方法で冷却して製造される冷延鋼板の製造方法に関するものである。
冷延鋼板は、自動車、家電製品、鋼製家具、装飾品等、多くの用途に使用されている。特に近年は、商品価値及び製品歩留を高めるために、冷延鋼板の表面品質がより一層厳格化している。そのため、冷延鋼板の表面性状に対する要求は厳しく、押疵、スリ疵状欠陥等の機械的に発生する欠陥の管理だけでなく、鋼板表面の変色、ステイン等の表面欠陥に関しても厳しい管理が要求されている。
鋼板表面に発生する変色やステイン等の防止策に関しては、従来より、さまざまな検討が行われている。例えば熱延鋼板の酸洗工程における酸洗槽・リンス槽で発生する変色に関しては、リンス水のスプレー方法の工夫や、酸洗槽での過反応防止剤などの薬液を用いる方法等の提案がなされている。また、冷間圧延後の鋼板の電解洗浄設備において問題となるステインの対策として、ライン停止時に鋼板をリンス槽から引き上げて、鋼帯に防錆剤を塗布するとともにリンス槽内の水蒸気を吸引排気させることや、リンス槽内の鋼板に所定の薬剤を散布、塗布することなどの提案がなされている。
上記の酸洗工程や、電解洗浄工程において問題としている変色やステインは、特にライン停止時又は減速時において、鋼板表面に発生するような変色やステインなどの表面欠陥である。
一方、冷延鋼板の製造において、連続焼鈍ラインにおける連続焼鈍炉出側の鋼板温度は通常80〜100℃程度であり、これを常温まで冷却する必要があるため、連続焼鈍炉出側には水冷槽が備えられている場合が多い。また、鋼板を洗浄するための洗浄槽が備えられている場合もある。
従来、このような製造ラインで製造した鋼板表面に、局所的な腐食、いわゆるステインが発生している場合があった。これらの局所的なステインの形状は、ヘゲ等の線状欠陥に類似しているが、水冷槽や洗浄槽入側の鋼板表面では確認できないことが多いものであった。また、その発生原因について、このような局所的なステインは、通常では目立たない微小な凹凸欠陥部(軽度のヘゲ等の線状疵やスリ疵)と水洗設備内における水中の溶存酸素との間で局部電池が形成され、凹凸欠陥部が局所的に腐食されて、ステインとして明瞭に浮き立っているものと推定されている。
このようなステインへの対策として、特許文献1には、焼鈍後の鋼板を洗浄設備又は水冷設備の水槽に通板させる際、前記水槽内の水温を30℃以下とする冷延鋼板の通板方法が提案されている。特許文献1の技術は、水温を30℃以下とすることで、鋼板がある程度の時間、大気中に放置された場合の変色を抑制しようとするものである。
また、特許文献2には、連続焼鈍炉出側において鋼板の水冷または洗浄を行う際、水冷または洗浄を開始後1秒以内に鋼板の温度が40℃以下となるように鋼板を冷却する冷延鋼板の冷却方法や、水冷または洗浄を開始後1秒以内に鋼板の温度が40℃以下となるように、鋼板表面に冷却水または洗浄液を噴射して鋼板を冷却する鋼板の冷却方法が提案されている。特許文献2の技術は、連続焼鈍出側において、冷却を開始後1秒以内に鋼板の温度を40℃以下とすることで、ステインの発生を大きく抑制し、また、板厚の厚い鋼板でもステインの発生を抑制しようとするものである。
特開2003−293176号公報 特開2005−200745号公報
しかしながら、近年、連続焼鈍炉出側において、水や洗浄液に浸漬して冷却した後の鋼板の表面には、上記したような線状のステインとは異なる形態の新たなステインが発生している。この新たなステインは、線状の形態を有さず、鋼板表面に部分的に認められる楕円状あるいは円弧状の褐色の変色であり、ボタ落ち状ステインとも称されることがある、局部変色である。従来の技術では、この新たな形態のステイン(局部変色)の発生を抑制することができないという問題があり、このような局部変色の発生を抑制して、冷延鋼板を製造することが望まれている。
したがって、本発明の目的は、連続焼鈍炉出側において、水または洗浄液に浸漬して冷却した後の鋼板表面に発生する局部変色の発生を抑制する方法を提供すること、また、このような方法に好適な設備を提供すること、および局部変色のない冷延鋼板の製造方法を提供することにある。
発明者らは、上記したような鋼板表面に発生する局部変色の発生要因を検討するため、図3に示す従来の鋼板の冷却設備から採取した洗浄液と水洗液を用いて、以下に示す局部変色の再現実験を行った。
まず、図3に示す鋼板の冷却設備について説明する。図3に示す鋼板の冷却設備は、連続焼鈍炉1の出側に設けられている。この冷却設備には、2つの洗浄・水冷槽3a、3bと、2つの水洗槽24a、24b、鋼板乾燥装置8が設けられている。ここで、洗浄・水冷槽3a、3bと、水洗槽24a、24b、鋼板乾燥装置8は、図3に示すように、鋼板の通板方向の上流側から、すなわち連続焼鈍炉1に近い側から、洗浄・水冷槽3a、洗浄・水冷槽3b、水洗槽24a、水洗槽24b、鋼板乾燥装置8の順に配設されている。また、この冷却設備には、前記洗浄・水冷槽3bと前記水洗槽24aの間、前記水洗槽24aと前記水洗槽24bの間の鋼板通板部に面して設けられ、鋼板通板方向の上流側の槽を出た鋼板の両面に水を噴射する水噴射装置7a、7bと、前記水噴射装置および水洗槽24a、24bに供給する水を冷却する冷却塔25が設けられている。また、各洗浄・水冷槽3a、3b、水洗槽24a、24bの間の上方には搬送ロール6bが、各槽の内部には、搬送ロール6aが設けられている。
冷却設備に設けられる洗浄・水冷槽3a、3bには、連続焼鈍後の鋼板を所定の温度以下に冷却するための水、あるいは、連続焼鈍後の鋼板を冷却するとともに洗浄を行う洗浄液が用いられる。また、水洗槽24a、24bには、洗浄・水冷槽3a、3bを経た鋼板を水洗するための水が用いられる。
連続焼鈍炉1から出た鋼板2は、冷却設備の洗浄・水冷槽3a中の水または洗浄液へ浸漬され、搬送ロール6aに巻き掛けられて上方へ方向転換し、洗浄・水冷槽3aから引き上げられた後、洗浄・水冷槽3a、3b間の上方の搬送ロール6bに巻き掛けられて下方へ方向転換し、次の洗浄・水冷槽3b中の水または洗浄液に浸漬され、次いで、同様にして、水洗槽24a、24b内の水に順次浸漬される。このようにして、鋼板2は洗浄・水冷槽3a、3bおよび水洗槽24a、24bへ順に搬送された後、水洗槽24bの出側に設けられた鋼板乾燥装置8により乾燥される。
本発明者らは、図3における洗浄・水冷槽3aに水、3bに洗浄液を用い、連続焼鈍後の鋼板を処理している冷却設備における洗浄・水冷槽3bの槽内から洗浄液を、水洗槽24a、24bの各々の槽内から水(水洗液)を採取した。ここで、洗浄・水冷槽3bから採取した洗浄液を試験液A、水洗槽24aから採取した水を試験液B、水洗槽24bから採取した水を試験液Cとした。
供試材として、連続焼鈍後の冷延鋼板を用い、供試材を脱脂後、前記試験液A、B、Cを各々供試材に滴下し、2〜3秒後にろ過水で洗浄し、乾燥する、局部変色の再現試験を行った。この試験後、鋼板の表面を肉眼で観察して、変色状態を評価した。その結果、以下のi)、ii)、iii)の知見を得た。
i)試験液Bを滴下した場合、問題となっている局部変色と同様の褐色の変色が最も顕著に現われる。
ii)試験液Aを滴下した場合、褐色の変色は認められない。
iii)試験液Cを滴下した場合、褐色の変色はほとんど認められない。
また、試験液A、B、Cをそれぞれ組み合わせて、上記したのと同様に再現試験を行った。その結果、試験液Bを用いない限り、褐色の変色が発生しなかった。また、試験液Bに、試験液A、Cを加えても、試験液B液を滴下した場合と変色の程度に差がないことから、図3に示す冷却設備では、水洗槽24aで、局部変色が発生しているものと推定した。
なお、上記再現実験では、洗浄・水冷槽3aに水、3bに洗浄液を用いた場合について検討したが、洗浄・水冷槽3a、3bともに洗浄液、あるいは洗浄・水冷槽3a、3bともに水を用いて鋼板を冷却して処理している場合でも、局部変色と同様の褐色の変色が発生することを確認している。
上記知見に基づき、本発明者らは、上記新たな形態のステインである局部変色は、連続焼鈍後の鋼板を冷却あるいはさらに洗浄する洗浄・冷却槽に、鋼板を浸漬することにより、洗浄・冷却槽内の水あるいは洗浄液に鋼板表面成分が溶解し、この溶解した鋼板表面成分を含む水あるいは洗浄液が、水洗槽内に持ち込まれ、水洗槽内で鋼板表面に巻込まれることによって発生すると推測した。
本発明者らは、上記の再現実験により得られた知見に基づき、さらに検討を重ねて、本発明を完成させた。本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]連続焼鈍炉出側にて、焼鈍後の鋼板を、水または洗浄液に浸漬して40℃以下に冷却した後、水を噴射することにより鋼板表面を水洗し、引き続き、該水洗後の鋼板を乾燥することを特徴とする冷延鋼板の冷却方法。
[2]連続焼鈍炉の出側における鋼板の冷却設備であって、鋼板を水または洗浄液に浸漬する冷却手段と、冷却後の鋼板表面に水を噴射する水噴射手段と、鋼板に噴射された水を排水する排水手段と、水を噴射された鋼板を乾燥する乾燥手段とを有することを特徴とする冷延鋼板の冷却設備。
[3]鋼板を連続焼鈍後、水または洗浄液に浸漬して40℃以下に冷却し、水を噴射することにより鋼板表面を水洗し、引き続き、該水洗後の鋼板を乾燥することを特徴とする冷延鋼板の製造方法。
本発明によれば、連続焼鈍後の鋼板表面の部分的な変色(ステイン)の発生を抑え、表面性状の良好な冷延鋼板を製造することができる。
本発明に係る冷却設備の一実施形態を模式的に示す縦断面図である。 本発明に係る冷却設備の別の実施形態を模式的に示す縦断面図である。 従来の冷却設備を模式的に示す縦断面図である。
図1は、本発明の一実施形態である冷却設備を模式的に示す縦断面図である。図1において、冷却設備は連続焼鈍炉1の出側に設けられており、この冷却設備には、図3と同様に2つの洗浄・水冷槽3a、3b、2つの水洗槽4a、4b、鋼板乾燥装置8が設けられている。ここで、洗浄・水冷槽3a、3bと、2つの水洗槽4a、4b、および鋼板乾燥装置8は、図1に示すように、鋼板の通板方向の上流側から、すなわち連続焼鈍炉1に近い側から、洗浄・水冷槽3a、洗浄・水冷槽3b、水洗槽4a、水洗槽4b、鋼板乾燥装置8の順に配設されている。また、各洗浄・水冷槽3a、3b、水洗槽4a、4bの上方及び各槽の内部には、図1に示すように搬送ロール6a、6bが設けられている。
冷却設備に設けられる洗浄・水冷槽3a、3bには、図3に示した従来の洗浄・水冷槽3a、3bと同様に、連続焼鈍後の鋼板を冷却するための水、あるいは、連続焼鈍後の鋼板を冷却するとともに洗浄を行う洗浄液が用いられ、連続焼鈍後の鋼板の冷却を行い、あるいはさらに連続焼鈍後の鋼板の洗浄が行われる。洗浄・水冷槽3a、3bでは、一方に水、一方に洗浄液を用いてもよく、2つともに洗浄液を用いるようにしても、2つともに水を用いるようにしてもよい。なお、洗浄・水冷槽に水および洗浄液を用いる場合は、洗浄液に浸漬後は、水に浸漬することなく、後述する水噴射装置で水洗を行うことが好ましい。すなわち、洗浄・水冷槽3a、3bで水および洗浄液を用いて冷却する場合は、洗浄・水冷槽3aには水を用い、洗浄・水冷槽3bには洗浄液を用いて、焼鈍後の鋼板を、水および洗浄液にこの順に浸漬してから、水噴射装置で水洗することが好ましい。
冷却設備において、洗浄・水冷槽3bに最も近接する水洗槽である水洗槽4aの上方であって、洗浄・水冷槽3bを出た鋼板を巻き掛ける搬送ロール6bの近傍に、鋼板の表面に水を噴射する水噴射装置10が設けられている。また、水洗槽4a内、水洗槽4b内には、各々、槽内の搬送ロール6aの鋼板通板方向の上流側および下流側に、鋼板の両面に水を噴射する水噴射装置11a、11bが設けられている。この水噴射装置10、11a、11bは、スプレーノズルやラミナーノズル等の噴射ノズルを有する水噴射装置であり、水噴射装置10、11a、11bには、冷却塔5から、冷却した水(水洗水)が供給される。
水洗槽4a、4bには、前記水噴射装置10、11a、11bから噴射された後、槽内に落下した水を排水する排水管9が設けられている。
以下に、このような冷却設備を用いた鋼板2の冷却方法について説明する。
連続焼鈍炉1から出た鋼板2は、冷却設備に設けられた洗浄・水冷槽3a中の水または洗浄水へ浸漬され、搬送ロール6aに巻き掛けられて上方へ方向転換し、洗浄・水冷槽3aから引き上げられた後、洗浄・水冷槽3a、3b間の上方の搬送ロール6bに巻き掛けられて下方へ方向転換し、次の洗浄・水冷槽3b中の水または洗浄液に浸漬して、40℃以下に冷却される。ここで、洗浄・水冷槽3a、3b内の水または洗浄液は、図示しないバッファータンクを用いて循環させることにより、鋼板を40℃以下に冷却できるようにしている。
本発明では、連続焼鈍後の鋼板を、水または洗浄液に浸漬して、速やかに40℃以下に冷却することにより、従来から観察されていたような線状の形態を有するステインの発生を抑制する。本実施形態では、連続焼鈍後の鋼板を、洗浄・水冷槽を2つ用いて冷却しているが、確実に40℃以下に冷却できる場合は、洗浄・水冷槽は1つでもよい。また、洗浄・水冷槽は3つ以上として、鋼板を40℃以下まで冷却するようにしてもよい。洗浄・水冷槽で冷却される鋼板の温度は、上記したように40℃以下とするが、さらに、30℃以下とすることが好ましい。
次いで、洗浄・水冷槽3bから引き上げられた鋼板2は、洗浄・水冷槽3bと水洗槽4aの間の上方の搬送ロール6bに巻き掛けられて下方へ方向転換する際、水洗槽4a側の上方に設けられた水噴射装置10から水を噴射されて水洗され、さらに、水洗槽4aの内部に設けられた水噴射装置11a、11bから水を噴射されて水洗される。次いで、鋼板2は、水洗槽4aの鋼板通板方向下流側に設けられた水洗槽4bにて、水洗槽4bの内部に設けられた水噴射装置11a、11bから水を噴射されて水洗された後、引き続き、水冷設備の出側に設けられた鋼板乾燥装置8により乾燥される。また、前記水噴射装置10、11a、11bには、冷却塔5で40℃以下に冷却された水が供給され、鋼板の温度を40℃以下に保つようにしている。冷却塔5から供給する水は、好ましくは30℃以下とする。なお、上記では、水洗槽内の水噴射装置11a、11bを用いているが、いずれか片方を使うようにしてもよい。
ここで、水洗槽4a内では、水噴射装置10、11a、11bから鋼板に噴射された後の水を受けて、排水管9から排水する。水洗槽4b内では、水噴射装置11a、11bから鋼板に噴射された後の水を受けて、排水管9から排水する。水洗槽4a、4bでは、槽の底部に水が溜まる場合もあるが、水洗槽4aあるいはさらに4bにて、水に浸漬して冷却することによる局部変色の発生を回避するため、この溜まっている水に鋼板が触れないようにして、水を噴射することのみにより鋼板の水洗を行う。したがって、各排水管9からの排水能力を高めて、槽の底部に水を溜めないようにすることが好ましい。なお、排水管9からの排水は、ろ過して水洗水等として再利用してもよい。
上記した本実施形態の冷却設備において、洗浄・水冷槽3a、3bが鋼板を水または洗浄液に浸漬する冷却手段を構成し、水噴射装置10、11a、11bが冷却後の鋼板表面に水を噴射する水噴射手段を構成する。また、上記した本実施形態の冷却設備において、排水管9を設けた水洗槽4a、4bが鋼板に噴射された水を排水する排水手段を構成し、鋼板乾燥装置8が乾燥手段を構成する。
また、本実施形態の冷却設備には、図2に示すように、水洗槽4aを出た鋼板の両面に水を噴射する水噴射装置7a、7bを、水洗槽4bの上方に設けてもよい。図2に示す本実施形態の冷却設備においては、水噴射装置10、11a、11bおよび水噴射装置7a、7bが、冷却後の鋼板表面に水を噴射する水噴射手段を構成する。
なお、前記洗浄・水冷槽3bから引き上げられた水濡れ状態にある鋼板は、鋼板が局部的に乾燥することに起因して発生するしみ状の変色の発生を防止するため、鋼板乾燥装置8に至るまで乾燥させないようにすることが好ましい。このため、水噴射手段から噴射する水量を調整することが好ましい。例えば、水洗槽4a上および水洗槽4a内に設置されている水噴射手段10、11a、11bから噴射する水量および水洗槽4b内に設置されている水噴射手段11a、11bから噴射する水量の合計、あるいはさらに図2に示すような水噴射装置7a、7bを有する場合、7a、7bを含めた水噴射手段から噴射する水量の合計を、30トン/時間以上とすることが好ましい。また、前記水噴射手段から噴射する水量は、排水手段である水洗槽4a、4b内に溜まらないようにするため、水洗槽4a、4bからの排水能力を超えないようにすることが好ましい。このため、例えば、水洗槽4a上および水洗槽4a内に設置されている水噴射手段10、11a、11bから噴射する水量の合計および水洗槽4b内に設置されている水噴射手段11a、11bから噴射する水量の合計は、各々40トン/時間以下とすることが好ましい。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではない。上記した本発明の実施形態では、洗浄・水冷槽が2つある場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、連続焼鈍後の鋼板を40℃以下に冷却できる場合は、洗浄・水冷槽が1つのみであってもよく、あるいは、洗浄・水冷槽は3つ以上であってもよい。
さらに上記説明では、洗浄・水冷設備が連続焼鈍炉出側に設置された場合について説明したが、洗浄液および、鋼板表面成分の付着により発生する局部的な変色が同様に問題となることから、加熱された鋼板を水または洗浄液で冷却する工程を含む製造ラインであれば、どのようなラインにおいても、同様の効果を得ることが出来る。
本発明例では、連続焼鈍炉の出側に、図2に示す冷却設備を備えた連続焼鈍ラインを用いて、冷延鋼板の製造を行った。また、比較例では、図3に示す従来の製造ラインにて、冷延鋼板の製造を行なった。用いた鋼板は、板厚0.5〜3.0mmの鋼板とした。また、鋼板の搬送速度は約60〜300mpmの範囲で板厚に応じた適切な値とした。
ここで、冷却設備における水洗槽の使用条件は、以下のようにして、それぞれ一定期間冷延鋼板の製造を行い、局部変色(楕円状・円弧状の褐色の変色)の発生率を観察した。
[本発明例]
洗浄・水冷槽3aに水、洗浄・水冷槽3bに洗浄液を用い、3a中の水、3b中の洗浄液の温度を35℃として、連続焼鈍後の鋼板を浸漬し、鋼板を洗浄・水冷槽内で35℃に冷却した。また、噴射水温を約30℃、噴射水量を38トン/時間として、水噴射手段(水噴射装置10、11a、11b、7a、7b)を使用し、水洗槽4a、4b内の排水管9から、常時排水を実施して、水洗槽4a、4b内で、鋼板が水に浸漬しないようにし、洗浄後の鋼板を、水噴射手段から噴射される水のみで水洗した。なお、水洗槽4b出側から鋼板乾燥装置8までにかかる時間を最大30秒程度とし、前記のように水噴射手段のみで水洗して、鋼板表面が鋼板乾燥装置8に至るまで、乾燥しないように冷延鋼板の製造を行った。
[比較例]
噴射水温を約30℃、噴射水量を15トン/時間として、水噴射手段(水噴射装置7a、7b)を使用し、水洗槽24a、24bに水を溜めて、鋼板を水洗槽24a、24b内で水に浸漬するようにした以外は、上記本発明例と同様とした。
その結果、本発明例では、局部変色(楕円状・円弧状の褐色の変色)の発生率は、比較例の1/5に低下し、本発明により、従来の針状ステインはもとより、新たな形状のステインである局部変色の発生も抑制できていることが確認できた。
1 連続焼鈍炉
2 鋼板
3a、3b 洗浄・水冷槽
4a、4b 水洗槽
5 冷却塔
6a、6b 搬送ロール
7a、7b 水噴射装置
8 鋼板乾燥装置
9 排水管
10、11a、11b 水噴射装置
24a、24b 水洗槽
25 冷却塔

Claims (3)

  1. 連続焼鈍炉出側にて、焼鈍後の鋼板を、水に浸漬し、次いで、洗浄液に浸漬して40℃以下に冷却した後、水に浸漬することなく、水を噴射することにより鋼板表面を水洗し、引き続き、該水洗後の鋼板を乾燥することを特徴とする冷延鋼板の冷却方法。
  2. 連続焼鈍炉の出側における鋼板の冷却設備であって、鋼板を水に浸漬し、次いで、洗浄液に浸漬する冷却手段と、冷却後の鋼板表面に水を噴射する水噴射手段と、前記鋼板表面に噴射された水を受けて排水する排水手段と、水を噴射された鋼板を乾燥する乾燥手段とを有し、
    前記水噴射手段により噴射される水量が、前記排水手段の排水能力を超えないものとされ、
    前記水噴射手段により水を噴射された鋼板が、水に浸漬しないものとされたことを特徴とする冷延鋼板の冷却設備。
  3. 鋼板を連続焼鈍後、水に浸漬し、次いで、洗浄液に浸漬して40℃以下に冷却した後、水に浸漬することなく、水を噴射することにより鋼板表面を水洗し、引き続き、該水洗後の鋼板を乾燥することを特徴とする冷延鋼板の製造方法。
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