JP6134955B2 - 地盤注入用固結材 - Google Patents

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Description

本発明は、地盤注入用固結材に関し、特に地盤注入時に地盤への浸透性が良好であり、また固結時の収縮率が小さい地盤注入用固結材に関する。
従来、地盤の液状化防止注入工事に有用な地盤注入用固結材としては、例えば、珪酸ソーダと酸成分を含有する地盤注入用固結材が知られている。珪酸ソーダ(水ガラス)としては、いわゆる5号珪酸ソーダ(SiO/NaOで表されるモル比が3.7程度)、3号珪酸ソーダ(SiO/NaOで表されるモル比が3.2程度)等が用いられている。また、地盤注入用固結材のSiO含有量を増加するために、水ガラスにコロイダルシリカを配合したものも知られている。
具体的には、特許文献1には、コロイダルシリカと水ガラスの混合物(アルカリ性シリカ溶液)に反応剤として硫酸、リン酸、塩化アルミニウム等を添加することにより得られるグラウト(地盤注入用固結材)が記載されている。特に[0029]段落には、「例えば、アルカリ性シリカ溶液に酸性反応剤を添加して該溶液を酸性〜中性領域に調整して所定のゲル化時間を有するグラウトとすることができる。」と記載されている。
しかしながら、上記従来の地盤注入用固結材には次のような問題がある。即ち、従来の地盤注入用固結材はSiO含有量を増加するために水ガラスにコロイダルシリカを混合する場合があるが、粒径の大きなコロイダルシリカが混合されることにより地盤注入時に地盤への浸透性が十分でない。また、コロイダルシリカを配合しない水ガラス系の地盤注入用固結材の場合、固結時の収縮率が大きいという問題がある。
よって、これらの問題を改善した地盤注入用固結材の開発が望まれている。
特開2001−3047号公報
本発明は、地盤注入時に地盤への浸透性が良好であり、また固結時の収縮率が小さい地盤注入用固結材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の高モル比珪酸ソーダと酸成分と水とを混合することにより得られる地盤注入用固結材が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の地盤注入用固結材に関する。
1.SiO/NaOで表されるモル比が3.8〜5.3でありSiO濃度が17質量%以上である高モル比珪酸ソーダと、酸成分と、水とを混合することにより得られる地盤注入用固結材であって、
(1)前記高モル比珪酸ソーダは、珪酸ソーダと活性珪酸とを混合することによりSiO/NaOで表されるモル比が3.8〜5.3である混合液を調製後、当該混合液を濃縮して当該混合液のSiO濃度を17質量%以上に調整することにより得られ、
(2)前記活性珪酸は、珪酸コロイド溶液である、
ことを特徴とする地盤注入用固結材。
2.前記モル比が5.0を超えて5.3以下である、上記項1に記載の地盤注入用固結材。
3.前記SiO濃度が17〜23質量%である、上記項1又は2に記載の地盤注入用固結材。
.前記珪酸ソーダは、SiO/NaOで表されるモル比が3〜5であり、且つ、SiO濃度が10〜30質量%である、上記項1〜のいずれかに記載の地盤注入用固結材。
.前記活性珪酸は、SiO濃度が3〜6質量%である、上記項1〜のいずれかに記載の地盤注入用固結材。
以下、本発明の地盤注入用固結材について詳細に説明する。
本発明の地盤注入用固結材は、SiO/NaOで表されるモル比が3.8〜5.3でありSiO濃度が17質量%以上である高モル比珪酸ソーダと、酸成分と、水とを混合することにより得られることを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の地盤注入用固結材は、5号珪酸ソーダ又は3号珪酸ソーダと酸成分と水とを混合することにより得られる従来品の地盤注入用固結材と比較して固結時の収縮率が小さいという特性がある。また、コロイダルシリカを混合してSiO濃度を増加した従来品との関係では、同じモル比において固結時の強度が大きいという特性がある。また、特定の高モル比珪酸ソーダを用いることにより、SiO含有量を増加するためにコロイダルシリカを混合する必要がなく地盤注入時に地盤への浸透性が良好である。
(高モル比珪酸ソーダ)
上記高モル比珪酸ソーダは、上記特定のモル比及びSiO濃度が満たされている限り製造方法は限定されないが、高モル比珪酸ソーダの長期安定性を考慮して下記の製造方法により製造されるものが好ましい。即ち、珪酸ソーダと活性珪酸とを混合することによりSiO/NaOで表されるモル比が3.8〜5.3である混合液を調製後、当該混合液を濃縮して当該混合液のSiO濃度を17質量%以上に調整する製造方法により製造されるものが好ましい。以下、当該製造方法について例示的に説明する。
上記製造方法で使用する珪酸ソーダとしては限定されず、市販品やそれに水を加えて希釈した希釈溶液を使用できる。
珪酸ソーダのモル比(SiO/NaO)は限定されないが、3〜5程度が好ましく、汎用の珪酸ソーダが使えるため、3.1〜3.8程度がより好ましい。
珪酸ソーダに含まれるシリカ濃度としては、10〜30質量%程度が好ましく、20〜30質量%程度がより好ましい。
上記製造方法で使用する活性珪酸としては特に限定されず、例えば、上記珪酸ソーダの水希釈液をイオン交換又は電気透析により脱アルカリ処理することにより得られる珪酸コロイド溶液が使用できる。なお、上記活性珪酸は完全に脱アルカリされているものだけでなく、アルカリが一部残存しているものでもよい。
上記活性珪酸のSiO濃度は限定的ではないが、3〜6質量%程度が好ましい。
上記製造方法では、上記珪酸ソーダ(水希釈液も含む)と上記活性珪酸を混合することによりモル比が3.8〜5.3(好ましくは4.8〜5.3)である混合液を調製する。なお、モル比が5.0を超えて5.3以下(好ましくは5.1以上5.3以下)に調整することにより、最終製品の地盤注入用固結材の収縮率を低減することができる(後述の試験例39)。ここで、特に珪酸ソーダに活性珪酸を添加する態様によれば、混合液を中性領域にすることなくモル比をより確実に調整することができる点で好ましい。
次いで、混合液を濃縮して混合液のSiO濃度を17質量%以上に調整する。濃縮の程度は最終製品の用途に応じて適宜設定できるが、安定性と取扱性とを考慮すると、17〜23質量%が好ましく、18〜22質量%がより好ましい。濃縮後のSiO濃度が23質量%を超える場合には、粘性が高くなり取扱性が低下するおそれがある。
濃縮方法は限定されないが、例えば、加温下(好ましくは40〜60℃程度)でロータリーエバポレーターを用いて濃縮すればよい。
上記濃縮により得られる高モル比珪酸ソーダは、長期安定性が優れており、調製後100時間を経過しても実質的に変化が認められない長期安定性の優れた高モル比珪酸ソーダである。特に好ましい実施態様では、調製後100日経過後も実質的に変化が認められない程度の優れた長期安定性が得られる。
特にモル比が4.8〜5.2であり、SiO濃度が18〜22質量%である場合には、試験例の結果からも明らかなように、調製後100日経過後において変化が認められない。
(地盤注入用固結材)
本発明の地盤注入用固結材は、上記高モル比珪酸ソーダと酸成分と水とを混合することにより得られる。
上記酸成分としては限定されないが、硫酸及び/又はリン酸が好ましい。これらの酸は複数種類を混合して使用することもできる。これらの酸は、酸濃度が50〜80質量%の市販の酸溶液がそのまま使用できる。
上記酸成分及び水の混合割合は、地盤注入用固結材の所望のSiO含有量、pH及びゲルタイムに応じて適宜設定することができる。本発明では、地盤注入用固結材のSiO含有量は2〜15質量%が好ましく、3〜12質量%がより好ましい。また、pHとゲルタイムは関連しており、地盤注入用固結材の用途が液状化防止用である場合には、pH2〜4程度、ゲルタイム10時間以上に設定することが好ましい。他方、地盤注入用固結材が瞬結〜緩結タイプ(ゲルタイム10秒〜1時間程度)の場合には、pH4〜8程度に設定することが好ましい。よって、水の混合割合はSiO含有量の調整の点で設定し、酸成分の混合割合はpH及びゲルタイムの調整の点で設定すればよい。
上記成分の混合方法は限定されないが、例えば、調製用容器に水の一部を入れておき、当該水を撹拌しながら酸成分及び残りの水で希釈した高モル比珪酸ソーダを滴下することにより各成分を混合することが好ましい。このような混合方法を採用することにより、各成分を効率的に混合することができるとともに酸成分の供給による調製用容器の腐食等の発生を効果的に抑制することができる。
本発明の地盤注入用固結材は、上記高モル比珪酸ソーダを原料として用いることにより、SiO含有量を増加するためにコロイダルシリカを混合する必要がない。通常、地盤注入用固結材に用いられるコロイダルシリカに含まれるシリカ(SiO)の平均粒子径は5〜30nmであり、従来この大きな平均粒子径が地盤への浸透性を不十分とする原因になっていたが、本発明ではコロイダルシリカを含有しないため地盤注入時に地盤への浸透性が良好である。
本発明の地盤注入用固結材は、地盤の液状化防止注入工事又は地盤補強工事に有用である。特にコロイダルシリカを含有しない点で地盤への浸透性が良好である上、従来品の地盤注入用固結材と比較して固結時の収縮率が小さい点で有利である。
本発明の地盤注入用固結材は、5号珪酸ソーダ又は3号珪酸ソーダと酸成分と水とを混合することにより得られる従来品の地盤注入用固結材と比較して固結時の収縮率が小さいという特性がある。また、コロイダルシリカを混合してSiO濃度を増加した従来品との関係では、同じモル比において固結時の強度が大きいという特性がある。また、特定の高モル比珪酸ソーダを用いることにより、SiO含有量を増加するためにコロイダルシリカを混合する必要がなく地盤注入時に地盤への浸透性が良好である。
試験例9、19、24、29、34のサンプル(20日程度経過したもの)の29Si−NMRスペクトルを示す図である。 試験例9、19、24のサンプル(270日程度経過したもの)の29Si−NMRスペクトルを示す図である。 表3の結果をまとめた図であり、調製100日経過時点での高モル比珪酸ソーダの安定領域及び不安定領域を示す図である。 試験例38の一軸圧縮強さの測定結果を示す図である。 試験例39の収縮率の測定結果を示す図である。 試験例39における材齢140日でのモル比と収縮率との関係を示す図である。 試験例39における材齢140日での塩濃度と収縮率との関係を示す図である。
以下に試験例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
試験例1〜35
(高モル比珪酸ソーダの調製)
5号珪酸ソーダ(SiO濃度:24.00質量%,NaO濃度:6.62質量%,モル比:3.74)を水で希釈してシリカ濃度を5.0質量%とし、陽イオン交換樹脂を通して活性珪酸を調製した。活性珪酸のSiO濃度は約4.7質量%であった。
5号珪酸ソーダ(上記原液)に上記活性珪酸を撹拌しながら添加して濃縮前の高モル比珪酸ソーダを5種類調製した。具体的には、モル比4.8(SiO濃度12質量%)、モル比5.0(SiO濃度12質量%)、モル比5.1(SiO濃度12質量%)、モル比5.2(SiO濃度11質量%)、モル比5.3(SiO濃度11質量%)の5種類の高モル比珪酸ソーダ(濃縮前)を調製した。
モル比が4.8である高モル比珪酸ソーダ(濃縮前:SiO濃度12質量%)を、SiO濃度が13質量%、14質量%、15質量%、16質量%、17質量%、18質量%、19質量%、20質量%、22質量%となるように1%ずつ濃縮した。濃縮前を試験例1とし、SiO濃度ごとに順に試験例2〜10のサンプルとした。
モル比が5.0である高モル比珪酸ソーダ(濃縮前:SiO濃度12質量%)を、SiO濃度が13質量%、14質量%、15質量%、16質量%、17質量%、18質量%、19質量%、20質量%、21質量%となるように1%ずつ濃縮した。濃縮前を試験例11とし、SiO濃度ごとに順に試験例12〜20のサンプルとした。
モル比が5.1である高モル比珪酸ソーダ(濃縮前:SiO濃度12質量%)を、SiO濃度が18質量%、19質量%、20質量%、21質量%となるように濃縮した。濃縮前を試験例21とし、SiO濃度ごとに順に試験例22〜25のサンプルとした。
モル比が5.2である高モル比珪酸ソーダ(濃縮前:SiO濃度11質量%)を、SiO濃度が18質量%、19質量%、20質量%、21質量%となるように濃縮した。濃縮前を試験例26とし、SiO濃度ごとに順に試験例27〜30のサンプルとした。
モル比が5.3である高モル比珪酸ソーダ(濃縮前:SiO濃度11質量%)を、SiO濃度が18質量%、19質量%、20質量%、21質量%となるように濃縮した。濃縮前を試験例31とし、SiO濃度ごとに順に試験例32〜35のサンプルとした。
濃縮は、ロータリーエバポレーターを使用して45〜55℃で実施した。
モル比が4.8でSiO濃度が12質量%であるサンプルはMR4.8-12%と表記する。試験例番号と各サンプルの対応は次の通りである。
Figure 0006134955
(成分分析)
試験例1〜35で得られた高モル比珪酸ソーダ(各サンプル)の20℃付近の比重は、基本的に浮きばかりで測定したが、粘性が高くて測定できない場合はメスシリンダーに秤取り、重量と体積より算出した。20℃付近の粘度はB型粘度計で測定した。
成分分析は濃縮前サンプルの中和滴定によるアルカリ濃度と1000℃の強熱残分を測定し、強熱残分からアルカリ(NaO)含有率と別途測定した不純物(金属酸化物)含有率を差し引いてシリカ濃度とした。濃縮後のサンプルについてはアルカリ濃度のみを測定し、モル比が変化しない前提でシリカ濃度を算出した。
各サンプルの成分分析結果を表2に示す。
(経時変化)
各サンプルをポリ容器に密封して室温(20〜35℃程度)で保存し、100日後までの経時変化を肉眼で観察した。変化レベルは0〜5の6段階に分けて評価した。各変化レベルの判断基準を表3に示す。調製5日後において、試験例32、33のサンプルでは変化レベルの低い白濁が確認されたが、いずれも調製100時間経過時点において、変化は認められなかった。調製100日経過時点での高モル比珪酸ソーダの安定領域及び不安定領域を図3に示す。図3から明らかなように、モル比が4.8〜5.3でありSiO濃度が17〜23質量%である場合には、適度な流動性を確保しながら長期間にわたる保存安定性を維持できることが分かる。
29Si−NMR測定)
各モル比のSiO濃度が20質量%サンプル(20日程度経過したもの)の29Si−NMRスペクトルを測定した(JEOL LAMBDA 400を使用した)。測定したスペクトルを図1に示す。図1から明らかなように、どのスペクトルもQ〜Qの明確なピークを示しており、低分子量の珪酸種を多く含んでおり、コロイダルシリカではなく珪酸ソーダに属することが分かる。Qに関しては、モル比の上昇に伴いやや幅が広くなり、高磁場側にピークトップがシフトしている。これはコロイド領域のシリカ粒子の粒径がモル比の上昇とともに大きくなることが理由と考えられる。また、モル比が4.8、5.0及び5.1であってSiO濃度が20質量%サンプル(270日程度経過したもの)の29Si−NMRスペクトルを図2に示す。270日程度経過後であっても、Q〜Qの明確なピークを示しており、低分子量の珪酸種を多く含んでおり、コロイダルシリカではなく珪酸ソーダに属することが分かる。
試験例36
5号珪酸ソーダ(上記原液)に上記活性珪酸を撹拌しながら添加して濃縮前の高モル比珪酸ソーダ(モル比4.0、SiO濃度19質量%)を調製した。これを、SiO濃度が23質量%となるまで濃縮した。
濃縮液の分析値は、NaO:6.09wt%、比重:1.276、粘度:41.0mPa・sであった。調製から100日経過後の濃縮液を観察したところ、実質的に変化は認められなかった。
試験例37
5号珪酸ソーダ(上記原液)に上記活性珪酸を撹拌しながら添加して濃縮前の高モル比珪酸ソーダ(モル比4.5、SiO濃度15質量%)を調製した。これを、SiO濃度が18質量%となるまで濃縮した。
濃縮液の分析値は、NaO:4.25wt%、比重:1.209、粘度:13.2mPa・sであった。調製から100日経過後の濃縮液を観察したところ、実質的に変化は認められなかった。
Figure 0006134955
Figure 0006134955
実施例1〜3及び比較例1〜3
先ず、下記表4に示される各種珪酸材料を用意した。モル比5.1、モル比4.8及びモル比5.3の高モル比珪酸ソーダは前記試験例1〜35の製造方法に倣って調製した。他の珪酸材料は市販品を用いた。
Figure 0006134955
下記表5に示される各成分を混合することにより地盤注入用固結材を調製した。何れも、水の一部を調製用容器に入れた後、当該水を撹拌しながら他の成分を滴下することにより地盤注入用固結材を調製した。なお、比較例3は5号珪酸ソーダ(モル比3.74)にコロイダルシリカを加えて予めモル比5.1の珪酸原料を調製したものであり、実施例1と同じモル比であるが珪酸原料の種類が異なるものである。
各実施例及び比較例において、各成分の配合量を調整することにより、シリカ濃度が3、6及び10質量%、pHが4、3及び2.2の3種類の地盤注入用固結材を調製した。何れの地盤注入用固結材もゲルタイムは20時間となるように調整した。
Figure 0006134955
試験例38(一軸圧縮強さ測定)
実施例1及び比較例3で作製した地盤注入用固結材(何れも地盤注入用固結材のシリカ濃度が6質量%、pHが3)を用いて砂(豊浦砂)を固めて円柱の供試体(直径5cm、高さ10cm)を作製し、供試体の一軸圧縮強さを測定した。実施例及び比較例ごとに供試体を3本ずつ作製し、その平均値を求めた。
供試体の作製方法及び測定方法は次の通りとした。
(1)円柱の型(内径5cm、高さ12cm)からその円柱の体積を求める。
(2)豊浦砂を、上記体積に対して相対密度50%になるように計量する。相対密度は砂の種類により異なり、相対密度100%はその砂を限界まで密に詰めた状態、0%はできる限り緩く詰めた状態であり、50%はその中間の状態である。
(3)上記円柱の型に地盤注入用固結材を入れ、そこに計量した豊浦砂が均一になるように流し込む。
(4)地盤注入用固結材がゲル化して所定の材齢となるまで静置して待つ。
(5)ゲル化した後、円柱を高さ10cmになるように整えて供試体とする。
(6)供試体を圧縮強さ測定機で圧縮し、供試体が壊れた時の一軸圧縮強さを測定する。一軸圧縮強さの単位は(圧力/単位面積)である。
一軸圧縮強さの測定結果を図4に示す。図4中、(1)は実施例1、(2)は比較例3の測定結果である。図4から明らかなように、実施例1の方が比較例3よりも各材齢における一軸圧縮強さが優れていることが分かる。
試験例39(収縮率測定)
実施例1、比較例1及び比較例2で作製した地盤注入用固結材(何れも地盤注入用固結材のシリカ濃度が6質量%、pHが3)の収縮率を測定した。実施例及び比較例ごとにサンプルを2つずつ作製し、その平均値を求めた。
収縮率の測定方法は次の通りとした。
(1)250cmのメスフラスコを用意し、地盤注入用固結材を150cm入れ、ゲル化して固まるまで待つ。
(2)固まった後、250cmを示す線まで水を加える。この時点で100cmの水を入れたことになる。
(2)一定時間毎(最初は2日毎、固化から2週間以降は14日毎)に水を取り出し、250cmを示す線まで水を加えることを繰り返して水量を計量する。
(3)水を入れ換えるまでにゲルが収縮していれば、次に加える水量は増えることになる。例えば、初めて水を入れたときの量が100gで、2回目に入れた量が106gならば、この間にゲルは6cm収縮したことになる。このとき最初のゲルは150cmなので、収縮率は4%ということになる。
収縮率の測定結果を図5に示す。図5から明らかなように、材齢約30日後以降は、実施例1が比較例1及び比較例2よりも経時的な収縮率が低く抑えられていることが分かる。
次いで、140日経過時点でのゲルの収縮率を縦軸に、そのとき使用した珪酸ソーダのモル比を横軸にとってグラフを作成した(図6)。併せて、横軸を塩濃度(SiO、NaO、HSOの濃度の合計)、縦軸を収縮率としたグラフを作成した(図7)。
これらのグラフから、モル比5.0及びモル比5.3における収縮率を算出した。収縮率はモル比に基づく場合と塩濃度に基づく場合の2通りで算出した。モル比に基づく場合は、実際に測定された図6の3点の関係を最小二乗法によって一次関数(直線)で表し、その式にモル比5.0及びモル比5.3を代入することにより求めた。塩濃度に基づく場合は、モル比5.0の塩濃度(9.19%)とモル比5.3の塩濃度(9.04%)を算出後、実際に測定された図7の3点の関係を最小二乗法によって一次関数(直線)で表し、その式にモル比5.0の塩濃度とモル比5.3の塩濃度を代入することにより求めた。
算出結果を下記表6に示す。表6の結果から明らかなように、モル比5.0の場合よりもモル比が大きい場合の方が収縮率を低く抑えられることが分かる。
Figure 0006134955

Claims (5)

  1. SiO/NaOで表されるモル比が3.8〜5.3でありSiO濃度が17質量%以上である高モル比珪酸ソーダと、酸成分と、水とを混合することにより得られる地盤注入用固結材であって、
    (1)前記高モル比珪酸ソーダは、珪酸ソーダと活性珪酸とを混合することによりSiO/NaOで表されるモル比が3.8〜5.3である混合液を調製後、当該混合液を濃縮して当該混合液のSiO濃度を17質量%以上に調整することにより得られ、
    (2)前記活性珪酸は、珪酸コロイド溶液である、
    ことを特徴とする地盤注入用固結材。
  2. 前記モル比が5.0を超えて5.3以下である、請求項1に記載の地盤注入用固結材。
  3. 前記SiO濃度が17〜23質量%である、請求項1又は2に記載の地盤注入用固結材。
  4. 前記珪酸ソーダは、SiO/NaOで表されるモル比が3〜5であり、且つ、SiO濃度が10〜30質量%である、請求項1〜のいずれかに記載の地盤注入用固結材。
  5. 前記活性珪酸は、SiO濃度が3〜6質量%である、請求項1〜のいずれかに記載の地盤注入用固結材。
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