JP6132251B1 - 内視鏡及び内視鏡システム - Google Patents

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Abstract

【課題】赤外光成分を加味した画質を向上できる内視鏡を提供する。【解決手段】内視鏡は、対象物からの光を3原色光及び赤外光を含む複数の色成分に分解する色分解プリズムと、分解された複数の色成分の光学像をそれぞれ電気信号に変換する複数のイメージセンサと、変換された電気信号を出力する出力デバイスと、を備える。赤外光の波長帯域における色分解プリズム及びイメージセンサによる分光感度の最大値は、3原色光の波長帯域における分光感度の最大値の40%以上である、内視鏡。【選択図】図5

Description

本開示は、内視鏡及び内視鏡システムに関する。
従来、3色分解プリズムを用いた内視鏡システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この内視鏡システムは、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色の組み合わせで体内の部位が表現されたカラー撮像画像を取得し、この撮像画像に対し、指定された波長成分を強調する画像処理を施す。
特開2013−116353号公報
特許文献1に記載の内視鏡システムでは、RGBの3色以外にIR光(赤外光)成分を加味すると、内視鏡による撮像画像の画質が不十分であった。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、赤外光成分を加味した画質を向上できる内視鏡及び内視鏡システムを提供する。
本開示の内視鏡は、患部からの光を青色成分、赤色成分、緑色成分にそれぞれ分解する青色分解プリズム、赤色分解プリズム及び緑色分解プリズムと、患部からの光をIR成分に分解するIR分解プリズムとを備えた4色分解プリズムと、青色分解プリズムに設置され、分解された青色成分を電気信号に変換する青色イメージセンサと、赤色分解プリズムに設置され、分解された赤色成分を電気信号に変換する赤色イメージセンサと、緑色分解プリズムに設置され、分解された緑色成分を電気信号に変換する緑色イメージセンサと、IR分解プリズムに設置され、分解されたIR成分を電気信号に変換するIRイメージセンサと、患部からの光を、前記青色イメージセンサ、前記赤色イメージセンサ、前記緑色イメージセンサ及び前記IRイメージセンサのそれぞれの撮像面に集光させるレンズユニットと、を備える。IR分解プリズムは、青色分解プリズム、赤色分解プリズム及び緑色分解プリズムよりも患部からの光の入射に対して対物側に位置され、青色成分、赤色成分及び緑色成分の光を透過させるとともに、レンズユニットのフランジ面から前記青色イメージセンサ、前記赤色イメージセンサ、前記緑色イメージセンサ及び前記IRイメージセンサのそれぞれの撮像面までの光学的な距離は、17.526mmである。
本開示によれば、赤外光成分を加味した画質を向上できる。
第1の実施形態における内視鏡の外観を示す模式図 内視鏡の概略構成を示す模式図 結合されたカメラヘッドとリレーレンズを示す図 (A),(B)イメージセンサの構成部品及び外観を示す図 4色分解プリズムの構造の一例を示す図 イメージセンサのセンサ感度の一例を示すグラフ 4色分解プリズムの分光特性の一例を示すグラフ 4つのイメージセンサを用いた場合の分光感度を示すグラフ 第1の実施形態における内視鏡システムの構成を示すブロック図 表示部に表示された同時出力モード時の画像を示す模式図 表示部に表示された重畳出力モード時の画像を示す模式図 第2の実施形態における3色分解プリズムの構造例を示す図 第2の実施形態における内視鏡システムの構成例を示すブロック図 3つのイメージセンサを用いるとともに、その1つのイメージセンサでIR及び青色光を受光する場合の分光感度を示すグラフ 比較例におけるIR及び緑色用のイメージセンサでIR光を受光する場合の分光感度を示すグラフ 第3の実施形態における2色分解プリズムの構造例を示す図 第3の実施形態における内視鏡システムの構成例を示すブロック図 2つのイメージセンサを用いた場合の分光感度を示すグラフ 比較例における3色分解プリズムの分光特性を示すグラフ
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(本開示の一形態を得るに至った経緯)
内視鏡を用いた手術では、蛍光物質であるインドシアニングリーン(ICG:Indocyamine Green)を体内に投与し、過剰に集積した腫瘍等の部位(患部)に近赤外光を当てて患部を光らせ、患部を含む部位を撮像することがある。ICGは、近赤外光(例えばピーク波長805nm、750〜810nm)で励起すると、より長波長の近赤外光(例えばピーク波長835nm)で蛍光発光する物質である。
イメージセンサが1個である単板式カメラが、IR成分を含む光を受光して患部の画像を取得する場合、イメージセンサの入射面に4分割されたR(赤色)成分,G(緑色)成分,B(青色)成分、及びIR成分用のフィルタを設ける。そのため、所望の色再現性及び解像度を得ようとすると、イメージセンサのサイズが大きくなる。このため、内視鏡に単板式カメラを適用することは困難である。
また、特許文献1に記載の内視鏡システムに示されるように、3色分解プリズムを用いた3板式カメラが、IR成分を含む光を受光して患部の画像を取得する場合、図19に示すように、IR成分(例えば800nm以上の波長を有する光)の信号強度が小さい。
図19は比較例における3板式カメラの分光感度を示すグラフである。図19では、縦軸は分光感度を表し、横軸は波長を表す。この分光感度は、R成分,G成分,B成分用の各プリズムへの入射光の光量と、各プリズムに対応する撮像素子により検出された光量と、の比率に相当する。h11は、R成分の光の分光感度を示す。h12は、G成分の光の分光感度を示す。h13は、B成分の光の分光感度を示す。尚、h11は、IR成分の光の分光感度も含んでいる。
図19に示すように、R成分(波形h11参照)の光を受光するイメージセンサによりIR成分の光が取得され得る。図19では、IR成分(例えば波長800nm以上の成分)の分光感度は、R成分,G成分,B成分の光の分光感度と比較すると、低い。そのため、IR成分の信号強度を大きくし、IR成分により得られる画像(IR画像)をより鮮明とすることが好ましい。
また、特許文献1の内視鏡システムがIR成分の信号強度を大きくするためにIR成分を増幅すると、画像がぼけたりノイズが強調されたりする。そのため、IR画像の画質が低下する。従って、増幅されたIR成分により得られた画像では、IR成分を含む所望の部位(患部)を目視することが困難である。
以下、赤外光成分を加味した画質を向上できる内視鏡及び内視鏡システムについて説明する。
第1の実施形態では、内視鏡のカメラヘッドに、4色分解プリズム及び4つのイメージセンサを用いた4板式カメラを示す。第2の実施形態では、内視鏡のカメラヘッドに、3色分解プリズム及び3つのイメージセンサを用いた3板式カメラを示す。第3の実施形態では、内視鏡のカメラヘッドに、2色分解プリズム及び2つのイメージセンサを用いた2板式カメラを示す。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の内視鏡では、リレーレンズで収束された光を、R光(R成分)、G光(G成分)、B光(B成分)、の3原色光及びIR光(IR成分)に分解する4板式のプリズムが用いられる。IR成分は、例えば、750nm〜900nmの波長帯域の少なくとも一部を含む。
図1は、第1の実施形態における内視鏡10の外観を示す模式図である。図2は内視鏡10の概略構成を示す模式図である。内視鏡10は、使用者が片手で取扱い可能な医療器具である。内視鏡10は、例えば、スコープ11、マウントアダプタ12、リレーレンズ13、カメラヘッド14、操作スイッチ19及び光源コネクタ18を含んで構成される。
スコープ11は、体内に挿入される、例えば硬性内視鏡の主要部であり、末端から先端まで光を導くことが可能な細長い導光部材である。スコープ11は、先端に撮像窓11zを有し、撮像窓11zから入射した光学像が伝送される光ファイバと、光源コネクタ18から導入された光Lを先端まで導く光ファイバと、を有する。撮像窓11zには、光学ガラスや光学プラスチック等の光学材料が用いられる。
マウントアダプタ12は、スコープ11をカメラヘッド14に取り付けるための部材である。マウントアダプタ12には、種々のスコープが着脱自在に装着可能である。また、マウントアダプタ12には、光源コネクタ18が装着される。マウントアダプタ12には、内部に図示しないミラーが設けられ、ミラーにより光源コネクタ18からの光を反射してカメラヘッド14側へ導く。
光源コネクタ18は、光源装置(不図示)から、体内の部位(患部等)を照明するための照明光を導入する。この照明光は、可視光及びIR光を含む。光源コネクタ18に導入された光は、スコープ11を通ってスコープ11の先端まで導かれ、撮像窓11zから体内の部位(患部等)に照射される。光源は、例えば、LED光源である。尚、光源は、LED光源の代わりに、キセノンランプやハロゲンランプ等の光源でもよい。
リレーレンズ13は、スコープ11を通して伝達される光学像を撮像面に収束させる。リレーレンズ13は、1つ以上のレンズを有する。リレーレンズ13は、操作スイッチ19の操作量に応じて、レンズを移動させて焦点調整及び倍率調整を行ってもよい。
カメラヘッド14は、使用者が手で把持可能な筐体を有し、4色分解プリズム20(図5参照)、4個のイメージセンサ230,231,232,233(図5参照)、及び電子基板250を有する(図9参照)。
4色分解プリズム20は、リレーレンズ13で収束された光を、R光(R成分)、G光(G成分)、B光(B成分)、の3原色光及びIR光(IR成分)に分解する4板式のプリズムである。4色分解プリズム20は、ガラス等の透光性部材で構成される。本実施形態では、4色分解プリズム20の屈折率は、例えば値1.8であり、高屈折率である。なお、この屈折率は一例である。
イメージセンサ230〜233は、4色分解プリズム20で分解され、各々の撮像面に結像した光学像を画像信号(電気信号)に変換する。
イメージセンサ230〜233には、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサが用いられる。
4個のイメージセンサ230〜233は、IR成分、B成分、R成分、及びG成分の光をそれぞれ受光する専用のセンサである。そのため、1個のイメージセンサでIR成分、R成分、G成分、及びB成分の光を受光する単板式カメラと異なり、個々のイメージセンサとしてサイズの小さいイメージセンサを採用できる。例えば、(1/2.86)インチのサイズのイメージセンサが用いられる。
電子基板250(図9参照)には、例えば、LVDS(Low Volt Digital Signal)方式で信号を出力する信号出力回路と、タイミングジェネレータ(TG:Timing Generator)の回路(TG回路)と、を含む回路が搭載される。
信号出力回路は、各イメージセンサ230〜233で撮像された画像のRGB信号及びIR信号を、LVDS(Low Volt Digital Signal)方式でパルス信号として出力する。TG回路は、カメラヘッド14内の各部にタイミング信号(同期信号)等を供給する。尚、RGB信号は、R成分、G成分、及びB成分の少なくとも1つを含む信号である。
カメラヘッド14には、後述するCCU(Camera Control Unit)30に対して画像信号を伝送するための信号ケーブル14zが装着される。
図3は、結合されたカメラヘッド14とリレーレンズ13を示す図である。カメラヘッド14に内蔵された4色分解プリズム20の端面は、リレーレンズ13のフランジ面13vと対向するように配置される。なお、図3では、説明を分かり易くするために、4色分解プリズム20を収容するカメラヘッド14の筐体は省かれている。
リレーレンズ13は、マウントアダプタ12に取り付けられたスコープ11を通って入射する被写体からの光をカメラヘッド14内部のイメージセンサ230〜233に結像させる。
リレーレンズ13は、フォーカスリング13y及び鏡筒13zを有する。リレーレンズ13の一端部(図中、下方の端部)は、マウントアダプタ12の被装着部に取り付けられる。リレーレンズ13の他端部(図中、上方の端部)には、所定の高さ(例えば4mm)を有するねじ切り13wが形成されている。
ねじ切り13wに、4色分解プリズム20を内蔵するカメラヘッド14が螺合することで、カメラヘッド14がリレーレンズ13に装着される。ねじ切り13wによってカメラヘッド14にリレーレンズ13が装着されると、カメラヘッド14内部の4色分解プリズム20とリレーレンズ13内部のレンズとは、空隙を介して対向する。空隙により、4色分解プリズム20とリレーレンズ13との接触を防止している。
なお、この空隙の距離が短いと、後述するCマウントの光路長による制限があっても、4つのイメージセンサ230〜233を外側に配置し易くなる。一方、この空隙の距離が長いと、Cマウントの光路長による制限から、4つのイメージセンサ230〜233を内側(リレーレンズ13のフランジ面13v側)に配置する必要がある。
カメラヘッド14とリレーレンズ13とは、Cマウントで結合される。Cマウントでは、カメラヘッド14にリレーレンズ13が装着された状態で、リレーレンズ13のフランジ面13vから4つのイメージセンサ230〜233の撮像面までの光学的な距離(光路長)が、L1=17.526mmとなるように規格で定められている。Cマウントの光路長に適合する4板式カメラ(4色分解プリズム20及びイメージセンサ230〜233)をカメラヘッド14に内蔵させる場合、この光路長になるように、4板式カメラが配置される。
このため、本実施形態では、光路内に高い屈折率を有する分解プリズムを設けて実寸の距離を長くすることで、光路長が17.526mmになるようにし、4板式カメラの配置スペースを確保している。具体的に、4色分解プリズム20の屈折率は、「1.8」である。尚、この屈折率の値は一例である。L1の実寸の距離(長さ)は、屈折率1.8の場合、例えば27.006mmとなる。
スコープ11を通ってリレーレンズ13に導かれ、リレーレンズ13によって集光された被写体からの光は、カメラヘッド14内の4色分解プリズム20を通って4つのイメージセンサ230〜233に結像する。
図4(A),(B)は、イメージセンサ230の構成部品及び外観を示す図である。4つのイメージセンサ230〜233は略同一の仕様を有するので、ここでは、IR用のイメージセンサ230を用いて説明する。
図4(A)、(B)に示すように、センサ素子230yは、センサパッケージ230wの内側に収容され、接着剤230vで固定される。センサパッケージ230wの前面には、センサパッケージガラス230xが配されている。センサ素子230yは、センサパッケージガラス230xを透過した光を受光する。センサパッケージ230wは、センサ基板230zに取り付けられ、イメージセンサ230として成形される。
本実施形態では、イメージセンサ230は、後述するように、IR分解プリズム(IR用の色分解プリズム)220の出射面220cから出射するIR光を受光し、IR画像を撮像する。可視光画像を撮像するイメージセンサ231,232,233も、IR用のイメージセンサ230と同様の構造を有する。なお、IR用のイメージセンサ230の前面には、700nm以下の波長の光を遮断する可視光カットフィルタが設けられている。可視光カットフィルタにより、IR画像の画質を向上できる。
[4色分解プリズムの構成]
図5は、4色分解プリズム20の構造の一例を示す図である。4色分解プリズム20は、リレーレンズ13により導かれる入射光を、R成分、G成分、B成分の3原色の光及びIR成分の光に分解する。4色分解プリズム20では、IR分解プリズム220、青色分解プリズム221、赤色分解プリズム222、及び緑色分解プリズム223が、光軸方向に順に組み付けられる。
IR用のイメージセンサ230は、IR分解プリズム220の出射面220cと対向して配置される。青色用のイメージセンサ231は、青色分解プリズム221の出射面221cと対向して配置される。赤色用のイメージセンサ232は、赤色分解プリズム222の出射面222cと対向して配置される。緑色用のイメージセンサ233は、緑色分解プリズム223の出射面223cと対向して配置される。
イメージセンサ230〜233は、例えば、水平(H)方向及び垂直(V)方向に配列した各画素を含むCCD又はCMOSイメージセンサである。イメージセンサ230〜233は、IR及びR,G,Bの各色に分解された光が各撮像面に結像した光学像を電気信号に変換する。
IR分解プリズム220では、入射光は、IR分解プリズム220の入射面220aに入射される。入射面220aと対向する反射面220bで反射された光は、IR分解プリズム220の入射面220aの境界で全反射され、入射面220aと対向する出射面220cから出射され、IR用のイメージセンサ230に入射される。反射面220bには、IR反射膜240が例えば蒸着によって形成される。IR分解プリズム220は、入射光のうち、IR成分の光を反射させ、その他の光(B成分、R成分及びG成分の光)を透過させる。IR用のイメージセンサ230は、反射面220b及び入射面220aで反射された光を入射し、受光する。このようにIR分解プリズム220において光が進行するよう、IR分解プリズム220が成形される。
青色分解プリズム221では、IR分解プリズム220を透過した光(入射光)は、青色分解プリズム221の入射面221aに入射される。入射面221aと対向する反射面221bで反射された光は、青色分解プリズム221の入射面221aの境界で全反射され、入射面221aと対向する出射面221cから出射され、青色用のイメージセンサ231に入射される。反射面221bには、青色反射膜241が例えば蒸着によって形成される。青色分解プリズム221は、入射光のうち、B成分の光を反射させ、その他の光(R成分及びG成分の光)を透過させる。青色用のイメージセンサ231は、反射面221b及び入射面221aで反射された光を入射し、受光する。このように青色分解プリズム221において光が進行するよう、青色分解プリズム221が成形される。
赤色分解プリズム222では、青色分解プリズム221を透過した光(入射光)は、赤色分解プリズム222の入射面222aに入射される。入射面222aと対向する反射面222bで反射された光は、赤色分解プリズム222の入射面222aの境界で全反射され、入射面222aと対向する出射面222cから出射され、赤色用のイメージセンサ232に入射される。反射面222bには、赤色反射膜242が例えば蒸着によって形成される。赤色分解プリズム222は、入射光のうち、R成分の光を反射させ、その他の光(G成分の光)を透過させる。赤色用のイメージセンサ232は、反射面222b及び入射面222aで反射された光を入射し、受光する。このように赤色分解プリズム222において光が進行するよう、赤色分解プリズム222が成形される。
緑色分解プリズム223では、赤色分解プリズム222を透過した光(入射光)は、緑色分解プリズム223の入射面223aに入射し、入射面223aと対向する出射面223cから出射され、緑色用のイメージセンサ233に入射される。このように緑色分解プリズム223において光が進行するよう、緑色分解プリズム223が成形される。
ここで、IR用のイメージセンサ230は、そのまま各画素値(信号レベル)の電気信号を出力してもよいが、水平(H)及び垂直(V)方向に隣接する画素の画素値を加算するH/V画素加算処理を行い、H/V画素加算処理後の画素値の電気信号を出力してもよい。
H/V画素加算されると、例えば、IR用のイメージセンサ230の画素値が「30」程度である場合、画素加算を行うことで、IR成分の画素値が「120」(=30×4)となる。
従来のIR成分の画素値が「10」程度であるとすると、本実施形態の内視鏡10によれば、IR用のイメージセンサ230を独立に設けたことで、従来と比較すると、およそ3倍〜12倍のIR成分の画素値が得られる。
また、本実施形態のRGB用の各イメージセンサ231,232,233の画素値が「100」程度であるとする。この場合、H/V画素加算を加味すると、R成分、G成分、B成分の各信号レベルとIR成分の信号レベルとが同程度となり、RGB画像及びIR画像を見易くなる。RGB画像は、R成分、G成分、B成分の少なくとも1つの信号により得られる画像である。IR画像は、IR成分の信号により得られる画像である。
図6は、イメージセンサ230のセンサ感度を示すグラフである。縦軸はセンサ感度を表す。センサ感度は、イメージセンサ230に入射する光の光量に対する、イメージセンサ230が検知する光量の比率に相当する。図6のセンサ感度は、光の波長510nmにおけるセンサ感度を値1とした場合の相対値である。横軸は光の波長をnm単位で表す。波形gh1は、光の波長に対する本実施形態のイメージセンサ230のセンサ感度の特性を示す。波形gh2は、光の波長に対する比較例(従来)のイメージセンサのセンサ感度の特性を示す。
本実施形態のイメージセンサ230の場合、波形gh1に示すように、光の波長830nmにおけるセンサ感度は値0.551であり、光の波長510nmの場合と比較すると約55%である。一方、比較例のイメージセンサの場合、波形gh2に示すように、光の波長830nmにおけるセンサ感度は値0.298であり、光の波長510nmの場合と比較すると約30%である。尚、830nmの波長帯域は、ICGを用いた蛍光発光の波長帯域である。
本実施形態のイメージセンサ230のセンサ感度は、比較例のイメージセンサのセンサ感度と比べ、400nm〜500nmの青色光領域(B成分)では、ほぼ同じ感度を有するが、500nm〜600nmの緑色光領域(G成分)、600nm〜700nmの赤色光領域(R成分)では、高くなっている。さらに、イメージセンサ230のセンサ感度は、比較例のイメージセンサのセンサ感度と比べ、750nm〜900nmの近赤外光(IR光)領域(IR成分)においても、高いセンサ感度を有する。
以下、波形gh1に示すセンサ感度の特性を有するイメージセンサを高感度センサともいう。また、波形gh2に示すセンサ感度の特性を有するイメージセンサを通常感度センサともいう。図6から理解できるように、高感度センサは、通常感度センサに比べて、長波長側の感度が高くなっている。
第1の実施形態では、イメージセンサ230〜233には、高感度センサが用いられる。尚、赤色、緑色、青色用のイメージセンサ231〜233には、高感度センサが用いられても、通常感度センサが用いられてもよい。
[4色分解プリズムの分光特性]
図7は、4色分解プリズム20の分光特性(分光透過率)の一例を示すグラフである。図7の縦軸は、各分光透過率(%)を示し、各プリズムへの入射光の光量に対する、各プリズムに対するイメージセンサ230〜233への入射光の光量の比率に相当する。図4の横軸は、各イメージセンサ230〜233に入射する光の波長(nm)を表す。尚、各プリズムに対するイメージセンサ230〜233への入射光の光量は、各プリズムからの出射光の光量に相当する。
図7では、波形h1(実線)は、IR用のイメージセンサ230に入射するIR成分の光の分光特性を示す。4色分解プリズム20に入射した光のうち、IR用のイメージセンサ230に入射するIR成分の光の透過率は、波長800〜1000nmにかけて、波長900nm付近で透過率が70%程度となるピーク波形を有する。
波形h2(一点鎖線)は、赤色用のイメージセンサ232に入射するR成分の光の分光特性を示す。赤色用のイメージセンサ232に入射するR成分の光の透過率は、波長600nm付近で透過率が80%程度となるピーク波形を有する。
波形h3(点線)は、青色用のイメージセンサ231に入射するB成分の光の分光特性を示す。青色用のイメージセンサ231に入射するB成分の光の透過率は、波長450nm近辺で透過率が60%を超えるピーク波形を有する。
波形h4(二点鎖線)は、緑色用のイメージセンサ233に入射するG成分の光の分光特性を示す。緑色用のイメージセンサ233に入射するG成分の光の透過率は、波長530nm近辺で透過率が90%程度となるピーク波形を有する。
このように、4色分解プリズム20で分解されたIR成分、R成分、B成分、及びG成分の光の透過率は、いずれも60%を超える。従って、IR成分、R成分、B成分、及びG成分の各画素値を好適に得られ、IR成分の信号を大きく増幅しなくても済む。これにより、患部を撮像した場合に、IR成分を含めて撮像画像の色再現性が向上する。
図8は、4つのイメージセンサ230〜233を用いた場合の分光感度を示すグラフである。図8の縦軸は、分光感度をパーセント単位で表す。図8の横軸は、各イメージセンサ230〜233に入射する光の波長(nm)を表す。分光感度は、4色分解プリズム20への入射光の光量に対する、イメージセンサ230〜233が検出した各波長での光の光量に相当する。分光感度は、図6に示したセンサ感度と、図7に示した分光透過率と、を乗算することで得られる。この分光感度は、カメラヘッド14内の4板式カメラの性能指標の1つである。図8では、図6の波形gh6に示した通常感度センサのセンサ感度の最大値(通常感度センサ及び高感度センサの双方において波長510nmの場合のセンサ感度)を値1として、4色分解プリズム20の分光透過率を乗算したものである。従って、分光感度100%は、4色分解プリズム20の分光透過率が100%であり、且つ、通常感度センサのセンサ感度が最大である状態を示す。
図8に示す分光感度は、光を4色分解プリズム20に通すことで、青色光領域、緑色光領域、赤色光領域、近赤外光領域において、それぞれ高い値を有する。
ここで、緑色光領域(530nmを含む波長帯)における分光感度のピーク値は、略90%である。一方、近赤外光領域(830nmを含む波長帯)における分光感度のピーク値は、略48%であり、緑色光領域(530nm)における分光感度のピーク値(90%)の40%以上の値を有する。従って、IR領域における分光感度が所望される高い値で得られる。ここでの緑色光領域における分光感度のピーク値は、RGBの可視光帯域を含む全波長帯の中での分光感度の最大値に相当する。尚、図示はしていないが、従来では、近赤外光領域における分光感度のピーク値は、本実施形態の4板式カメラの分光感度の半分程度(24%程度)である。
このように、カメラヘッド14に含まれる4板式カメラは、可視光領域のピーク値(ここでは、緑色光領域のピーク値)に対し、40%以上のピーク値を有する。つまり、この4板式カメラは、IR光に対して高い感度を有する。
[内視鏡システムの構成]
図9は、第1の実施形態における内視鏡システム5の構成を示すブロック図である。内視鏡システム5は、内視鏡10、CCU30、及び表示部40を含んで構成される。CCU30は、プロセッサの一例である。表示部40は、ディスプレイの一例である。内視鏡10のカメラヘッド14は、前述した4色分解プリズム20及びイメージセンサ230,231,232,233を有する。図9では、カメラヘッド14は、更に、各素子駆動部141i,141r,141b,141g,駆動信号発生部142、同期信号発生部143、及び信号出力部145を有する。
素子駆動部141iは、イメージセンサ230を駆動信号に従って駆動する。素子駆動部141rは、イメージセンサ231を駆動信号に従って駆動する。素子駆動部141bは、イメージセンサ232を駆動信号に従って駆動する。素子駆動部141gは、イメージセンサ233を駆動信号に従って駆動する。
駆動信号発生部142は、各素子駆動部141i,141r,141b,141gに対し、駆動信号を発生する。同期信号発生部143は、タイミングジェネレータ(TG)回路の機能に相当し、駆動信号発生部142等に同期信号(タイミング信号)を供給する。
信号出力部145は、信号ケーブル14zを介してイメージセンサ230,231,232,233からの電気信号を、例えばLVDS方式でCCU30に伝送する。信号出力部145は、信号ケーブル14zを介して、同期信号発生部143からの同期信号をCCU30に伝送してもよい。信号出力部145は、信号ケーブル14zを介して、操作スイッチ19の操作信号をCCU30に伝送してもよい。信号出力部145は、信号出力回路の機能に相当する。
CCU30は、CCU30の内部又は外部のメモリ(不図示)が保持するプログラムを実行することで、各種機能を実現する。各種機能は、RGB信号処理部22、IR信号処理部23及び出力部28の機能を含む。
RGB信号処理部22は、イメージセンサ231,232,233からのB成分、R成分、G成分の電気信号を、表示部40に表示可能な映像信号に変換し、出力部28に出力する。
IR信号処理部23は、イメージセンサ230からのIR成分の電気信号を映像信号に変換し、出力部28に出力する。また、IR信号処理部23は、ゲイン調整部23zを有してもよい。ゲイン調整部23zは、IR用のイメージセンサ230からのIR成分の電気信号を映像信号に変換する際、増幅度(ゲイン)を調整する。ゲイン調整部23zは、例えば、RGB成分の映像信号の信号強度とIR成分の映像信号の信号強度とを略同一に調整してもよい。
ゲイン調整部23zにより、使用者がRGB画像に対するIR画像を任意の強度で再現可能である。尚、IR成分の電気信号の増幅度が調整される代わりに、又はこの調整とともに、RGB信号処理部22は、RGB成分の電気信号の増幅度を調整してもよい。
RGB信号処理部22及びIR信号処理部23は、信号処理を行う際、同期信号発生部143からの同期信号を受け取り、この同期信号に従って動作する。これにより、RGB各色成分の画像(映像)及びIR成分の画像は、時間的なずれが生じないように調整される。
出力部28は、同期信号発生部143からの同期信号に従い、RGB各色成分の映像信号及びIR成分の映像信号の少なくとも一方を表示部40に出力する。例えば、出力部28は、同時出力モード及び重畳出力モードのいずれかに基づいて、映像信号を出力する。
同時出力モードでは、出力部28は、RGB画像G1とIR画像G2(図10参照)とを別画面により同時に出力する。同時出力モードにより、RGB画像とIR画像とを別画面にて比較して、患部tgを観察できる。
重畳出力モードでは、出力部28は、RGB画像とIR画像とが重畳された合成画像GZを出力する(図11参照)。重畳出力モードにより、例えば、RGB画像内で、ICG及び照明光としてのIR光により蛍光発光した患部tgを明瞭に観察できる。
尚、RGB信号処理部22、IR信号処理部23及び出力部28は、CCU30内のプロセッサがメモリと協働してソフトウェアにより処理することを例示したが、それぞれ専用のハードウェアで構成されてもよい。
表示部40は、CCU30からの映像信号に基づいて、内視鏡10で撮像され、CCU30から出力される患部tg等の対象物の画像を画面に表示する。同時出力モードの場合、表示部40は、画面を複数に分割(例えば2分割)し、各画面にRGB画像G1及びIR画像G2を並べて表示する(図10参照)。重畳出力モードの場合、表示部40は、RGB画像G1とIR画像G2とが重ねられた合成画像GZを1画面で表示する(図11参照)。
このように、内視鏡システム5では、内視鏡10を使用して体内の部位を撮像する場合、蛍光物質であるインドシアニングリーン(ICG)を体内に投与し、過剰に集積した腫瘍等の部位(患部)に近赤外光を当てて患部を光らせて患部を撮像してもよい。
使用者が操作スイッチ19を操作して光源コネクタ18に導入された光Lは、スコープ11の先端側に導かれ、撮像窓11zから投射されることで、患部を含む患部周囲の部位を照明する。患部等で反射された光は、撮像窓11zを通してスコープ11の後端側に導かれ、リレーレンズ13で収束し、カメラヘッド14の4色分解プリズム20に入射する。
4色分解プリズム20では、入射した光のうち、IR分解プリズム220によって分解したIR成分の光は、IR用のイメージセンサ230で赤外光成分の光学像として撮像される。青色分解プリズム221によって分解したB成分の光は、青色用のイメージセンサ231で青色成分の光学像として撮像される。赤色分解プリズム222によって分解したR成分の光は、赤色用のイメージセンサ232で赤色成分の光学像として撮像される。緑色分解プリズム223によって分解したG成分の光は、緑色用のイメージセンサ233で緑色成分の光学像として撮像される。
IR用のイメージセンサ230で変換されたIR成分の電気信号は、CCU30内のIR信号処理部23で映像信号に変換され、出力部28に出力される。可視光用のイメージセンサ231,232,233でそれぞれ変換されたB成分、R成分、G成分の各電気信号は、CCU30内のRGB信号処理部22で各映像信号に変換され、出力部28に出力される。IR成分の映像信号及びB成分、R成分、G成分の各映像信号は、同期して、表示部40に出力される。
表示部40には、出力部28で同時出力モードが設定されている場合、RGB画像G1とIR画像G2とが同時に2画面で表示される。図10は表示部40に表示された同時出力モード時の画像を示す模式図である。RGB画像G1は、患部tgを含む部位を可視光を照射して撮像したカラー画像である。IR画像G2は、患部tgを含む部位をIR光を照射して撮像した白黒画像(任意な色設定可能)である。
表示部40には、出力部28で重畳出力モードが設定されている場合、RGB画像G1とIR画像G2とが重畳(合成)された合成画像GZ1が表示される。図11は表示部40に表示された重畳出力モード時の画像を示す模式図である。
[効果等]
このように、内視鏡10は、色分解プリズムと、複数のイメージセンサと、出力デバイスと、を備える。色分解プリズムは、例えば4色分解プリズム20である。イメージセンサは、例えばイメージセンサ230〜233である。出力デバイスは、例えば信号出力部145である。色分解プリズムは、対象物からの光を3原色光及び赤外光を含む複数の色成分に分解する。イメージセンサは、分解された複数の色成分の光学像をそれぞれ電気信号に変換する。出力デバイスは、変換された電気信号を出力する。赤外光の波長帯域における色分解プリズム及びイメージセンサによる分光感度のピーク値(最大値)は、可視光帯域における分光感度の最大値の40%以上である。
これにより、イメージセンサにより検出された、3原色光の波長帯域(可視光帯域)での信号強度に対して赤外光の波長帯域における信号強度を大きくでき、赤外光の波長帯域の光を視認し易くできる。これにより、例えば、ICGを使って患部を撮像する場合、患部を含む全体の部位を表すRGB画像に対し、蛍光発光した患部がIR画像で視認し易くなる。また、例えば、3原色光と赤外光との信号強度を同等にするための過大な信号増幅が不要となる。よって、内視鏡10は、赤外光成分を加味した画質を向上できる。また、内視鏡10は、色分解プリズムを用いることで、内視鏡10のイメージセンサを小型化でき、例えば1/2.86インチにできる。その結果、内視鏡10を小型化できる。
また、色分解プリズムにより可視光と近赤外光を分光し、赤外光領域の画像を可視光と同時に取り込むことで、複雑なシステムを組むことなく、十分な光量を確保できるカメラヘッドとなる。赤外線領域の分光感度を40%以上とすることで、蛍光発光した明瞭な画像を取得できる。
また、イメージセンサは、830nmの波長帯域におけるセンサ感度が、510nmの波長帯域におけるセンサ感度の50%以上でもよい。
これにより、内視鏡10は、イメージセンサとして高感度センサを備えるので、従来と比較すると、赤外光の波長帯域における光量が同じでも、検出される信号強度が大きくなる。よって、ユーザは、赤外光の波長帯域の光を視認し易くなる。よって、例えば、ICGを使って患部を撮像する場合、蛍光発光した患部がIR画像で視認し易くなる。
また、色分解プリズムは、対象物からの光を3原色光の各々及び赤外光の4つの色成分に分解する4色分解プリズム20を含んでもよい。イメージセンサは、分解された4つの色成分の光学像をそれぞれ電気信号に変換する4個のイメージセンサ230〜233含んでもよい。
これにより、内視鏡10は、3原色光及び赤外光の各々の色成分をそれぞれ独立に取得し、制御してカラーバランスを調整できる。よって、内視鏡10は、各色成分の再現性を高くできる。
また、内視鏡10は、対象物からの光をイメージセンサ230〜233の撮像面に集光させるレンズユニットを備えてもよい。レンズユニットは、例えばリレーレンズ13である。また、4色分解プリズム20を構成する透光性部材の屈折率は、略1.8でもよい。リレーレンズ13のフランジ面13vからイメージセンサ230〜233の撮像面までの光学的な距離は、17.526mmでもよい。
これにより、内視鏡10は、屈折率の高い4色分解プリズム20を備えることで、4板式カメラの実寸の距離を長くし、イメージセンサをより外側に配置できるので、4板式カメラの配置スペースを確保できる。よって、高屈折率の4色分解プリズム20を用いることで、4板式のプリズムを収容するスペースが窮屈となり、収容困難となる状況を改善できる。これにより、レンズユニットと、イメージセンサ及び色分解プリズムとを含むカメラヘッドとを、Cマウントの規格に適合させることができ、汎用性が向上する。
また、内視鏡10は、IR光の受光量を増大できるので、IR成分の信号を過大に増幅させる必要が無くなり、ノイズの増幅が抑制され、IR成分を加味した内視鏡10による撮像画像の画質の低下を抑制できる。
また、4色分解プリズム20を用いることで、単板式カメラのイメージセンサと比べ、イメージセンサのサイズを小さくでき、内視鏡10を小型化できる。例えば、単板式カメラのイメージセンサのサイズは、1インチ又は38mmであり、本実施形態のイメージセンサ230〜233のサイズは、1/3インチ以上あり、例えば1/2.86インチである。
また、4色分解プリズム20がIRカットフィルタを用いていないので、内視鏡システム5は、RGB画像とIR画像とを同時に出力可能である。そのため、ユーザは、例えば、患者の患部を含む全体の部位をRGB画像で確認できるとともに、蛍光発光した患部をIR画像で確認でき、患部周辺における患部の位置を視認し易くなる。ここでのRGB画像は、RGB成分の画像であり、IR画像は、IR成分の画像である。
また、IR成分の光を電気信号に変換するIR用のイメージセンサ230は、H/V画素加算処理を行い、加算された画素値の電気信号を出力してもよい。これにより、内視鏡10は、IR成分の信号強度を更に増大でき、表示部40により表示されるIR成分の画像をより強調でき、患部を視認し易くなる。
また、内視鏡システム5は、RGB各成分の信号強度とIR成分の信号強度とが略同等になるように、ゲイン調整してもよい。この場合、RGB各成分の画素値とIR成分の画素値とを均一化でき、画像を見え易くできる。
また、内視鏡システム5は、RGB各成分の信号強度とIR成分による信号強度との間で差を持たせるように、ゲイン調整してもよい。この場合、内視鏡システム5は、ユーザ所望の画質でRGB画像及びIR画像を表示できる。
また、RGB画像とIR画像とが同時に2画面で表示されることで、ユーザは両画像を見比べて確認でき、ユーザの利便性が向上する。
また、RGB画像とIR画像とが重畳して1画面で表示されること、ユーザは1つの画像でRGB成分及びIR成分の画像を確認でき、ユーザの利便性が向上する。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、4板式のプリズムを示したが、第2の実施形態では、IR光及びB光、R光、G光の3つに分解する3板式のプリズムを示す。つまり、カメラヘッド14は、3色分解プリズム及び3つのイメージセンサを含む。IR光は、青色分解プリズムを用いて分解され、イメージセンサに受光される。
本実施形態において、第1の実施形態と同様の事項については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
図12は、第2の実施形態における3色分解プリズム20Aの構造例を示す図である。3色分解プリズム20Aは、リレーレンズ13により導かれる入射光を、R光と、G光と、B光及びIR光と、に分解する。3色分解プリズム20Aでは、IR及び青色分解プリズム320、赤色分解プリズム321、及び緑色分解プリズム322が、光軸方向に順に組み付けられる。
IR及び青色用のイメージセンサ330は、IR及び青色分解プリズム320の出射面320cと対向して配置される。赤色用のイメージセンサ331は、赤色分解プリズム321の出射面321cと対向して配置される。緑色用のイメージセンサ332は、緑色分解プリズム322の出射面322cと対向して配置される。
イメージセンサ330〜332は、例えば、水平(H)方向及び垂直(V)方向に配列した各画素を含むCCD又はCMOSイメージセンサである。イメージセンサ330〜332は、IR及びB色、R色、G色に分解された光が各撮像面に結像した光学像を電気信号に変換する。尚、IR光は、IR及び青色用のイメージセンサ330で検出されるため、青色に光ることになる。
IR及び青色分解プリズム320では、入射光は、IR及び青色分解プリズム320の入射面320aに入射される。入射面320aと対向する反射面320bで反射された光は、IR及び青色分解プリズム320の入射面320aの境界で全反射され、入射面320aと対向する出射面320cから出射され、IR及び青色用のイメージセンサ330に入射される。反射面320bには、IR及び青色反射膜340が例えば蒸着によって形成される。IR及び青色分解プリズム320は、入射光のうち、IR及び青色成分の光を反射させ、その他の光(R成分及びG成分の光)を透過させる。IR及び青色用のイメージセンサ330は、反射面320b及び入射面320aで反射された光を入射し、受光する。このようにIR及び青色分解プリズム320において光が進行するよう、IR及び青色分解プリズム320が成形される。
赤色分解プリズム321では、IR及び青色分解プリズム320を透過した光(入射光)は、赤色分解プリズム321の入射面321aに入射される。入射面321aと対向する反射面321bで反射された光は、赤色分解プリズム321の入射面321aの境界で全反射され、入射面321aと対向する出射面321cから出射され、赤色用のイメージセンサ331に入射される。反射面321bには、赤色反射膜341が例えば蒸着によって形成される。赤色分解プリズム321は、入射光のうち、R成分の光を反射させ、その他の光(G成分の光)を透過させる。赤色用のイメージセンサ331は、反射面321b及び入射面321aで反射された光を入射し、受光する。このように赤色分解プリズム321において光が進行するよう、赤色分解プリズム321が成形される。
緑色分解プリズム322では、赤色分解プリズム321を透過した光(入射光)は、緑色分解プリズム322の入射面322aに入射し、入射面322aと対向する出射面322cから出射され、緑色用のイメージセンサ332に入射される。このように緑色分解プリズム322において光が進行するよう、緑色分解プリズム322が成形される。
3板式カメラ(3色分解プリズム20A及びイメージセンサ330〜332)においても、リレーレンズ13のフランジ面13vからイメージセンサ330〜332までの光学的な距離(光路長)は、Cマウントである場合、17.526mmに設定される。3色分解プリズム20Aの屈折率は、4色分解プリズム20の屈折率である「1.8」と同じ値であってもよい。また、3板式カメラの場合には4板式カメラよりも配置スペースに余裕があるので、3色分解プリズム20Aの屈折率は、4板式カメラよりも少し小さな屈折率の値、例えば「1.7」であってもよい。4板式カメラと比べて、屈折率を少し小さな値にすることで、3板式カメラの実寸の距離(長さ)は短くなる。
図13は、第2の実施形態における内視鏡システム5Aの構成例を示すブロック図である。第2の実施形態の内視鏡システムは、第1の実施形態とほぼ同一の構成を有する。第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を用いることで、その説明を省略又は簡略化する。ここでは、第1の実施形態と異なる構成及び動作について主に説明する。
第2の実施形態では、電子基板250には、第1の実施形態と異なり、3つの素子駆動部241ib、素子駆動部241r及び素子駆動部241gが搭載される。
素子駆動部241ibは、IR及び青色用のイメージセンサ330を駆動信号に従って駆動する。素子駆動部241rは、赤色用のイメージセンサ331を駆動信号に従って駆動する。素子駆動部241gは、緑色用のイメージセンサ332を駆動信号に従って駆動する。
駆動信号発生部142は、各素子駆動部241ib,241r,241gに対し、駆動信号を発生する。
また、信号出力部145は、イメージセンサ330,331,332からの電気信号をCCU30Aに伝送する。本実施形態では、第1の実施形態と異なり、R成分の信号(R信号)、G成分の信号(G信号)、B成分及びIR成分の少なくとも1つを含む信号(BIR信号)を、CCU30Aに伝送する。
CCU30Aは、RGB信号処理部22及びIR信号処理部23の代わりに、R信号を映像信号に変換するR信号処理部261、G信号を映像信号に変換するG信号処理部262、BIR信号を映像信号に変換するBIR信号処理部263を備える。BIR信号処理部263は、ゲイン調整部23zを備えてもよい。CCU30Aは、信号処理部の構成及び動作以外は、CCU30と同様である。
図14は、3つのイメージセンサ330,331,332を用いるとともに、その1つのイメージセンサ330でIR及び青色光を受光する場合の分光感度を示すグラフである。図14の縦軸は、分光感度をパーセント単位で表す。図14の横軸は、各イメージセンサ330〜332に入射する光の波長(nm)を表す。分光感度は、3色分解プリズム20Aへの入射光の光量に対する、イメージセンサ330〜332が検出した各波長での光の光量に相当する。この分光感度は、図6に示したセンサ感度と3色分解プリズム20Aの分光透過率とを乗算して得られる。3色分解プリズム20Aの分光透過率は、不図示であるが、例えば、第1の実施形態の4色分解プリズム20の分光透過率と同様である。この分光感度は、カメラヘッド14内の3板式カメラの性能指標の1つである。
IR及び青色用のイメージセンサ330は、IR及び青色分解プリズム320を通して、青色光領域の光とIR光とを受光する。IR及び青色用のイメージセンサ330には、第1の実施形態で示した高感度センサが用いられる。赤色用のイメージセンサ331及び緑色用のイメージセンサ332には、高感度センサが用いられても通常感度センサが用いられてもよい。
図14には、高感度センサを用いた場合の分光感度(波形br3参照)と、通常感度センサを用いた場合の分光感度(波形br4参照)と、が示されている。内視鏡10は、高感度センサを用いることで、IR領域における分光感度を高めることができる。
また、図14に示すグラフでは、緑色用のイメージセンサ332で受光される、緑色光領域にある波長580nm付近の分光感度のピーク値は、約94%である。一方、IR領域にある波長830nm付近の分光感度のピーク値は、約40%である。従って、IR領域における分光感度のピーク値は、可視光領域(ここでは波長580nm)の分光感度のピーク値の約42.5%(40%/94%)であり、即ち40%以上である。これにより、IR領域における分光感度が所望される高い値で得られる。
ここで、比較例として、緑色用のイメージセンサでIR光を受光する場合を示す。
図15は、比較例としてIR及び緑色用のイメージセンサ332x(不図示)でIR光を受光する場合の分光感度を示すグラフである。IR及び緑色用のイメージセンサ332xは、緑色用の分解プリズム322xを通して、緑色光領域の光とIR光とを受光する。図6に示したセンサ感度のグラフでは、緑色光領域(500nm〜600nm)における、高感度センサのセンサ感度は、通常感度センサと比べて高くなっている。
緑色光領域では、図15の波形gr2に示す通常感度センサの分光感度に対し、波形gr1に示す高感度センサの分光感度が高くなる。このため、IR及び緑色用のイメージセンサ332xを用いた場合、IR光の受光感度を高くできる一方、可視光領域における色バランスが崩れ、色再現性(RGBの色成分の配分)が低下する。
また、図15に示すグラフでは、緑色光領域にある波長580nmの分光感度のピーク値は、約105%となっている。一方、IR領域にある波長830nmの分光感度のピーク値は、約40%である。つまり、IR領域での分光感度のピーク値は、緑色光領域での分光感度のピーク値の約38%(40%/105%)であり、即ち40%未満である。従って、IR領域における分光感度として、所望される値を得ることが困難である。
また、赤色用のイメージセンサでIR光を受光することは、蛍光発光に用いられる励起光の波長帯域(例えば680nmの波長帯域)が赤色光領域であることがあり、又、生体内には色成分として赤色成分が多く存在するため、不適の可能性が高い。
第2の実施形態の内視鏡10によれば、IR及び青色用のイメージセンサ330のセンサ感度は、高感度センサである。そのため、IR光領域において、通常感度センサのセンサ感度と比べて、長波長側において高い特性を有する。よって、内視鏡10は、可視光領域であるRGB光の分光感度に対し、IR光の分光感度を高めることができる。
また、図14に示したように、青色光領域では、高感度センサのセンサ感度は、通常感度センサのセンサ感度と同程度である。そのため、内視鏡10は、通常感度センサから高感度センサに交換したとしても、可視光領域の色バランスが崩れることを抑制できる。
このように、内視鏡10では、色分解プリズムは、対象物からの光を赤色成分と、緑色成分と、青色成分及び赤外光成分の3つの色成分に分解する3色分解プリズム20Aを含んでもよい。イメージセンサは、分解された3つの色成分の光学像をそれぞれ電気信号に変換する3つのイメージセンサ330〜332を含んでもよい。
これにより、内視鏡10は、3色分解プリズム20Aを用いた場合でも、可視光領域である3原色光の波長領域での分光感度に対し、赤外光の波長領域での分光感度を高めることができる。よって、例えば、ICGを使って患部を撮像する場合、患部を含む全体の部位を表すRGB画像の変化を抑制して、蛍光発光した患部がIR画像で視認し易くなる。
また、内視鏡10は、青色成分及び赤外光成分を1つのイメージセンサで検出することで、イメージセンサとして高感度センサを用いても、青色成分の分光感度の変化を小さくして赤外光成分の分光感度を向上できる。そのため、3原色の各色成分の色再現性の低下(各色成分の配分の変化)を抑制して、赤外光成分の視認性を向上できる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、4板式のプリズムを示し、第2の実施形態では、3板式のプリズムを示したが、第3の実施形態では、IR光とRGB光に分解する2板式のプリズムの場合を示す。
本実施形態において、第1又は第2の実施形態と同様の事項については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
図16は、第3の実施形態における2色分解プリズム20Bの構造例を示す図である。2色分解プリズム20Bは、リレーレンズ13により導かれる入射光を、3原色の光であるR、G、B成分の光と、IR成分の光とに分解する。2色分解プリズム20Bでは、IR分解プリズム420及びRGB色分解プリズム421が、光軸方向に順に組み付けられる。
IR用のイメージセンサ430は、IR分解プリズム420の出射面420cと対向して配置される。RGB色用のイメージセンサ431は、RGB色分解プリズム421の出射面421cと対向して配置される。
イメージセンサ430,431は、例えば、水平(H)方向及び垂直(V)方向に配列した各画素を含むCCD又はCMOSイメージセンサである。イメージセンサ430,431は、それぞれIR及びRGB色の2つに分解された光が各撮像面に結像した光学像を電気信号に変換する。
IR分解プリズム420では、入射光は、IR分解プリズム420の入射面420aに入射される。入射面420aと対向する反射面420bで反射された光は、IR分解プリズム420の入射面420aの境界で全反射され、入射面420aと対向する出射面420cから出射され、IR用のイメージセンサ430に入射される。反射面420bには、IR反射膜440が例えば蒸着によって形成される。IR分解プリズム420は、入射光のうち、IR光を反射させ、その他の光(RGB成分の光)を透過させる。IR用のイメージセンサ430は、反射面420b及び入射面420aで反射された光を入射し、受光する。このようにIR分解プリズム420において光が進行するよう、IR分解プリズム420が成形される。
RGB色分解プリズム421では、IR分解プリズム420を透過した光(入射光)は、RGB色分解プリズム421の入射面421aに入射し、入射面421aと対向する出射面421cから出射され、RGB色用のイメージセンサ431に入射される。このようにRGB色分解プリズム421において光が進行するよう、RGB色分解プリズム421が成形される。
2板式カメラ(2色分解プリズム20B及びイメージセンサ430,431)においても、リレーレンズ13のフランジ面13vからイメージセンサ430,431までの光学的な距離(光路長)は、Cマウントである場合、17.526mmに設定される。2色分解プリズム20Bの屈折率は、4色分解プリズム20の屈折率である「1.8」と同じ値であってもよい。また、2板式カメラの場合には4板式カメラよりも配置スペースに余裕があるので、2色分解プリズム20Bの屈折率は、4板式カメラや3板式カメラよりも少し小さな屈折率の値、例えば「1.7」又はそれ以下であってもよい。4板式カメラや3板式カメラと比べて、屈折率を少し小さな値にすることで、2板式カメラの実寸の距離(長さ)は短くなる。
図17は、第3の実施形態における内視鏡システム5Bの構成例を示すブロック図である。第3の実施形態の内視鏡システムは、第1又は第2の実施形態とほぼ同一の構成を有する。第1又は第2の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を用いることで、その説明を省略又は簡略化する。ここでは、第1又は第2の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
第3の実施形態では、電子基板250には、第1の実施形態と異なり、2つの素子駆動部341i及び素子駆動部341cが搭載される。
素子駆動部341iは、IR用のイメージセンサ430を駆動信号に従って駆動する。素子駆動部341cは、RGB色用のイメージセンサ431を駆動信号に従って駆動する。
駆動信号発生部142は、各素子駆動部341i,341cに対し、駆動信号を発生する。
また、信号出力部145は、イメージセンサ430,431からの電気信号をCCU30に伝送する。CCU30の構成及び動作は、第1の実施形態と同様であり、IR信号及びRGB信号を処理する。
図18は2つのイメージセンサ430,431を用いた場合の分光感度を示すグラフである。図18の縦軸は、分光感度をパーセント単位で表す。図18の横軸は、各イメージセンサ430、431に入射する光の波長(nm)を表す。分光感度は、2色分解プリズム20Bへの入射光の光量に対する、イメージセンサ430,431が検出した各波長での光の光量に相当する。この分光感度は、図6に示すセンサ感度と2色分解プリズム20Bの分光透過率とを乗算して得られる。2色分解プリズム20Bの分光透過率は、不図示であるが、例えば、第2の実施形態の3色分解プリズム20Aの分光透過率や第1の実施形態の4色分解プリズム20の分光透過率と同様である。この分光感度は、カメラヘッド14内の2板式カメラの性能指標の1つである。
IR用のイメージセンサ430は、IR分解プリズム420を通して、IR光を受光する。IR用のイメージセンサ430には、第1の実施形態で示した高感度センサが用いられる。RGB色用のイメージセンサ431には、高感度センサが用いられても通常感度センサが用いられてもよい。
また、図18に示すグラフでは、赤色光領域にある波長600nm付近の分光感度のピーク値は、ほぼ100%である。一方、IR領域にある波長860nm付近の分光感度のピーク値は、47%である。従って、IR領域における分光感度のピーク値は、波長600nmの分光感度のピーク値の約47%(47%/100%)であり、即ち40%以上である。従って、IR領域における分光感度が所望される高い値で得られる。
第3の実施形態の内視鏡10によれば、IR光用のイメージセンサ430のセンサ感度は、高感度センサである。そのため、IR光領域において、通常感度センサのセンサ感度と比べて、長波長側において高い特性を有する。従って、内視鏡10は、可視光領域であるRGB光の分光感度に対し、IR光の分光感度を高めることができる。
また、2板式カメラを用いることで、4板式カメラや3板式カメラと比べて、配置スペースに余裕が生まれ、実寸の長さを長くでき、プリズムの屈折率を下げることができる。この場合、内視鏡10は、プリズムに要するコストを低減できる。また、内視鏡10では、2板式カメラの実寸の長さを短い状態で維持し、カメラヘッド14のサイズを小型化することも可能である。
このように、内視鏡10では、色分解プリズムは、対象物からの光を3原色光及び赤外光成分の2つの色成分に分解する2色分解プリズム20Bを含んでもよい。イメージセンサは、分解された2つの色成分の光学像をそれぞれ電気信号に変換する2つのイメージセンサ430,431を含んでもよい。
これにより、内視鏡10は、2色分解プリズム20Bを用いた場合でも、可視光領域である3原色光の波長領域での分光感度に対し、赤外光の波長領域での分光感度を高めることができる。よって、例えば、ICGを使って患部を撮像する場合、患部を含む全体の部位を表すRGB画像の色変化を抑制して、蛍光発光した患部がIR画像で視認し易くなる。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記各実施形態では、内視鏡10として硬性内視鏡を例示したが、他の構成を有する硬性内視鏡でもよく、軟性内視鏡でもよい。また、内視鏡10の構成や動作が光学顕微鏡に適用されてもよい。リレーレンズ13とカメラヘッド14とがCマウントの規格に適合することで汎用性が増すので、上記実施形態を光学顕微鏡に容易に適用できる。
上記実施形態では、生体内に光造影剤としてICGを投与することを例示したが、ICG以外の光造影剤が投与されてもよい。この場合、光造影剤を励起するための励起光の波長に応じて、非可視光の波長領域における分光特性や分光感度を定めてもよい。
また、上記実施形態では、赤外光の波長領域において蛍光発光する薬品を用いたが、紫外光の波長領域において蛍光発光する薬品を用いてもよい。この場合でも、近赤外域で蛍光発光する光造影剤を用いた場合と同様に、内視鏡は、蛍光発光された患部の画像を撮像できる。
また、上記実施形態では、4色分解プリズム20において、光の入射側から、IR分解プリズム220、青色分解プリズム221、赤色分解プリズム222、及び緑色分解プリズム223の順に配置されることを例示したが、この配置順序は一例であり、他の配置順序でもよい。3色分解プリズム20A及び2色分解プリズム20Bについても、各プリズムの配置順序は一例であり、他の配置順序でもよい。
また、上記実施形態では、リレーレンズ13及びカメラヘッド14が、Cマウントの規格に適合することを主に例示したが、Cマウントの規格に適合していないものであってもよい。
また、上記実施形態では、符号13の構成部がマウントアダプタであってもよく、マウントアダプタの内部にリレーレンズを有する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、プロセッサの一例としてCCU30を説明した。プロセッサは、内視鏡システム5を制御すれば、物理的にどのように構成してもよい。従って、プロセッサは、CCU30に限定されない。ただし、プログラム可能なCCU30を用いれば、プログラムの変更により処理内容を変更できるので、プロセッサの設計の自由度を高めることができる。また、プロセッサは、1つの半導体チップで構成してもよいし、物理的に複数の半導体チップで構成してもよい。複数の半導体チップで構成する場合、第1の実施形態の各制御をそれぞれ別の半導体チップで実現してもよい。この場合、それらの複数の半導体チップで1つのプロセッサを構成すると考えることができる。また、プロセッサは、半導体チップと別の機能を有する部材(コンデンサ等)で構成してもよい。また、プロセッサが有する機能とそれ以外の機能とを実現するように、1つの半導体チップを構成してもよい。また、電子基板250に搭載される回路についても、プログラム可能な回路を用いれば、プログラムの変更により処理内容を変更できる。また、回路の数は1つでも複数でもよい。
本開示は、赤外光成分を加味した画質を向上できる内視鏡及び内視鏡システム等に有用である。
5,5A,5B 内視鏡システム
10 内視鏡
11 スコープ
11z 撮像窓
12 マウントアダプタ
13 リレーレンズ(レンズユニット)
13v フランジ面
13w ねじ切り
13y フォーカスリング
13z 鏡筒
14 カメラヘッド
14z 信号ケーブル
18 光源コネクタ
19 操作スイッチ
20 4色分解プリズム
20A 3色分解プリズム
20B 2色分解プリズム
22 RGB信号処理部
23 IR信号処理部
23z ゲイン調整部
28 出力部
30 CCU
40 表示部
141i,141b,141r,141g,241g,241ib,241r,341c,341i 素子駆動部
142 駆動信号発生部
143 同期信号発生部
145 信号出力部
220 IR分解プリズム
221 青色分解プリズム
222 赤色分解プリズム
223 緑色分解プリズム
220a,221a,222a,223a,320a,321a,322a,420a,421a 入射面
220b,221b,222b,320b,321b,420b 反射面
220c,221c,222c,223c,320c,321c,322c,420c,421c 出射面
230,231,232,233,330,331,332,430,431 イメージセンサ
230v 接着剤
230w センサパッケージ
230x センサパッケージガラス
230y センサ素子
230z センサ基板
240 IR反射膜
241 青色反射膜
242 赤色反射膜
250 電子基板
261 R信号処理部
262 G信号処理部
263 BIR信号処理部
br1,br2,br3,br4,gh1,gh2,gr1,gr2,h1,h2,h3,h4,h11 波形
G1 RGB画像
G2 IR画像
GZ 合成画像
tg 患部

Claims (3)

  1. 患部からの光を青色成分、赤色成分、緑色成分にそれぞれ分解する青色分解プリズム、赤色分解プリズム及び緑色分解プリズムと、前記患部からの光をIR成分に分解するIR分解プリズムとを備えた4色分解プリズムと、
    前記青色分解プリズムに設置され、分解された前記青色成分を電気信号に変換する青色イメージセンサと、
    前記赤色分解プリズムに設置され、分解された前記赤色成分を電気信号に変換する赤色イメージセンサと、
    前記緑色分解プリズムに設置され、分解された前記緑色成分を電気信号に変換する緑色イメージセンサと、
    前記IR分解プリズムに設置され、分解されたIR成分を電気信号に変換するIRイメージセンサと、
    前記患部からの光を、前記青色イメージセンサ、前記赤色イメージセンサ、前記緑色イメージセンサ及び前記IRイメージセンサのそれぞれの撮像面に集光させるレンズユニットと、を備え、
    前記IR分解プリズムは、前記青色分解プリズム、前記赤色分解プリズム及び前記緑色分解プリズムよりも前記患部からの光の入射に対して対物側に位置され、前記青色成分、前記赤色成分及び前記緑色成分の光を透過させるとともに、
    前記レンズユニットのフランジ面から前記青色イメージセンサ、前記赤色イメージセンサ、前記緑色イメージセンサ及び前記IRイメージセンサのそれぞれの撮像面までの光学的な距離は、17.526mmである、内視鏡。
  2. 請求項1記載の内視鏡であって、
    前記IR分解プリズム及び前記IRイメージセンサによる分光感度の最大値は、3原色光の波長帯域における前記分光感度の最大値の40%以上である内視鏡。
  3. 請求項記載の内視鏡であって、
    前記IRイメージセンサは、830nmの波長帯域におけるセンサ感度が、510nmの波長帯域におけるセンサ感度の50%以上である、内視鏡。
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