以下、図面を参照して、本技術を適用した実施の形態について説明する。
〈第1の実施の形態〉
[立体映像表示装置の構成例]
図1は、本技術を適用した立体映像表示装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
立体映像表示装置11は、パララックスバリア方式による3次元の立体画像と、2次元の平面画像との表示の切り替えを必要に応じて行ないながら、立体画像や平面画像を表示するものである。立体映像表示装置11は、表示部21、制御部22、およびパララックスバリア駆動部23から構成される。
表示部21は、バックライト31、光変調パネル32、およびパララックスバリア33からなり、観察者の右眼で観察(知覚)される右眼用の画像と、観察者の左眼で観察される左眼用の画像とからなる3次元の立体画像や、2次元の平面画像を表示する。
すなわち、バックライト31は、導光板、LED(Light Emitting Diode)等の光源、反射シートなどからなる画像ディスプレイ専用の照明装置であり、画像を表示させるための光を射出し、光変調パネル32に入射させる。
光変調パネル32は、R,G,Bの各色のカラーフィルタ、液晶層、偏光板、薄膜トランジスタなどからなる液晶表示パネルであり、バックライト31から入射した光を透過させることで、画像を表示させる。このとき、光変調パネル32は、光変調パネル32に設けられた画素ごとに、光の透過率を変化させることで、画像の各画素の階調表示を行なう。
パララックスバリア33は、偏光板やスイッチ液晶層などからなり、立体画像の表示時において、光変調パネル32から入射した光の一部を遮光し、残りの一部を透過させることで、右眼用と左眼用の画像を光学的に分離させる。また、パララックスバリア33は、平面画像の表示時においては、光変調パネル32から入射した光をそのまま透過させる。
制御部22は、立体映像表示装置11の各部、すなわち表示部21やパララックスバリア駆動部23を制御する。例えば、制御部22は、表示部21の図示せぬ表示ドライバを駆動させて光変調パネル32に画像を表示させたり、バックライト31から光を射出させたりする。
パララックスバリア駆動部23は、制御部22の制御にしたがって、パララックスバリア33を駆動させ、光変調パネル32からパララックスバリア33に入射する光の一部を遮光させることで、右眼用と左眼用の画像を分離させる。より具体的には、パララックスバリア駆動部23は、パララックスバリア33に、光を透過させるスリット領域と、光を遮光する遮光領域とを形成させる。
[表示部の構成例]
次に、図1の表示部21の構成について説明する。図2は、表示部21のより詳細な構成例を示す図である。なお、図2において、図1における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。また、図2において横方向、奥行き方向、および縦方向を、それぞれx方向、y方向、およびz方向とする。
図2では、光変調パネル32は、偏光板61、偏光板62、対向基板63、TFT(Thin Film Transistor)基板64、および液晶層65から構成されている。
すなわち、対向して配置された偏光板61と偏光板62の間に、平板状の対向基板63とTFT基板64とが互いに対向するように設けられている。そして、対向基板63とTFT基板64との間に液晶層65が形成されている。
対向基板63の液晶層65側の面には、画素ごとにカラーフィルタや対向電極が設けられている。特に、対向基板63の各画素の領域には、R,G,Bの各色のカラーフィルタが設けられている。また、TFT基板64の液晶層65側の面には、画素電極や駆動素子であるTFT(薄膜トランジスタ)が画素ごとに設けられている。
液晶層65には、立体画像表示時に、左眼用の画像を表示するための光を透過させる透過部71L−1乃至透過部71L−4と、立体画像表示時に、右眼用の画像を表示するための光を透過させる透過部71R−1乃至透過部71R−4とが設けられている。光変調パネル32では、行列状に配置された各画素に1つの透過部が設けられている。
立体画像または平面画像の表示時においては、対向基板63の対向電極と、TFT基板64の画素電極に電圧が印加されると、その電圧の大きさに応じて、透過部71L−1乃至透過部71R−4内に封入されている液晶分子の配向方向が変化する。これにより、バックライト31から光変調パネル32に入射した光の透過率が変化し、各画素を透過する光の量が、それらの画素に表示される画像の画素の画素値に対応する光量となる。
なお、以下、透過部71L−1乃至透過部71L−4を個々に区別する必要のない場合、単に透過部71Lとも称し、透過部71R−1乃至透過部71R−4を個々に区別する必要のない場合、単に透過部71Rとも称する。また、以下、透過部71Lと透過部71Rを特に区別する必要のない場合、単に透過部71とも称する。
光変調パネル32では、xy平面上において、透過部71Lと透過部71Rとがx方向に交互に設けられており、y方向には、透過部71Lまたは透過部71Rの何れかが連続して並べられている。
したがって、立体画像の表示時において、光変調パネル32には、立体画像を構成する左眼用の画像上の矩形状の領域と、立体画像を構成する右眼用の画像上の矩形状の領域とがx方向に交互に並べられて表示されることになる。また、1つの画素、すなわち1つの透過部71を透過する光が、画像上の1つの画素を表示する光となる。
ここで、立体画像を構成する左眼用と右眼用の画像は、互いに視差を有する画像であるが、図2におけるx方向が左眼用と右眼用の画像の視差の方向、つまり観察者の左右の眼が並ぶ方向である。以下においては、x方向を視差方向とも呼ぶこととする。
また、2次元の平面画像の表示時においては、各透過部71は、バックライト31から入射してきた、平面画像を表示させるための光を透過させ、パララックスバリア33に入射させる。
パララックスバリア33は、偏光板61、偏光板81、透明基板82、透明基板83、およびスイッチ液晶層84から構成されている。図2では、偏光板61は、光変調パネル32を構成する部材としても、パララックスバリア33を構成する部材としても用いられている。
パララックスバリア33では、対向して配置された偏光板61と偏光板81の間に、平板状の透明基板82と透明基板83が互いに対向するように設けられている。そして、透明基板82と透明基板83との間にスイッチ液晶層84が形成されている。
透明基板82と透明基板83のスイッチ液晶層84側の面には、電極が形成されており、これらの電極の一部または全部に電圧が印加されると、スイッチ液晶層84内の液晶分子の配向方向が変化する。これにより、スイッチ液晶層84には、パララックスバリア(視差バリア)が形成される。
図2の例では、光変調パネル32から入射した光を透過させるスリット領域91−1乃至スリット領域91−4と、光変調パネル32から入射した光を遮光する遮光領域92−1乃至遮光領域92−4とからなるパララックスバリアが、スイッチ液晶層84に形成されている。
なお、以下、スリット領域91−1乃至スリット領域91−4を個々に区別する必要のない場合、単にスリット領域91とも称し、遮光領域92−1乃至遮光領域92−4を個々に区別する必要のない場合、単に遮光領域92とも称する。
図2では、スイッチ液晶層84に、y方向に長い矩形状のスリット領域91と遮光領域92とが視差方向(x方向)に交互に形成されている状態となっている。つまり、スイッチ液晶層84にはストライプ状のパララックスバリアが形成されている。ここで、遮光領域92が形成されている領域が、電極により電圧が印加された領域である。
表示部21では、立体画像の表示時には、透明基板82と透明基板83の電極に電圧が印加されて、スイッチ液晶層84に図2に示すパララックスバリアが形成される。このような場合、光変調パネル32から射出され、偏光板61で直線偏光とされた光のうち、スリット領域91に入射した光は、そのままスリット領域91および偏光板81を透過する。これに対して、光変調パネル32から射出され、偏光板61で直線偏光とされた光のうち、遮光領域92に入射した光は、遮光領域92に吸収されてパララックスバリア33からは射出されない。
また、表示部21では、平面画像の表示時には、透明基板82と透明基板83の電極に電圧は印加されず、スイッチ液晶層84にパララックスバリアが形成されない。つまり、スイッチ液晶層84の全領域がスリット領域と同じ状態となる。この場合、光変調パネル32から入射した光は全て、パララックスバリア33を透過して、観察者の左右の眼に入射することになる。
[立体映像表示装置の動作の説明]
次に、立体映像表示装置11の動作について説明する。なお、図2に示すように、観察者は、表示部21のパララックスバリア33の表面からz方向に所定の距離(例えば、30cm)だけ離れた位置から、立体映像表示装置11に表示される画像を観察する。また、一般的な観察者の右眼ERと左眼ELとの間の距離は、6.5cm程度とされる。
まず、3次元の立体画像が表示される場合について説明する。そのような場合、制御部22は、立体画像の画像信号に基づいて、光変調パネル32の画素ごとに、対向基板63の対向電極およびTFT基板64の画素電極に電圧を印加させる。これにより、立体画像の各画素を表示する透過部71は、それらの画素の画素値に応じた透過率で光を透過させるようになる。
また、制御部22は、パララックスバリア駆動部23にパララックスバリア33の駆動を指示し、パララックスバリア駆動部23は、その指示に応じてパララックスバリア33を駆動させる。すなわち、パララックスバリア駆動部23は、透明基板82および透明基板83の電極に電圧を印加して、スイッチ液晶層84に、スリット領域91と遮光領域92とからなるパララックスバリアを形成させる。
さらに、制御部22は、バックライト31から光を射出させる。バックライト31から射出された光は、偏光板62およびTFT基板64を透過して透過部71に入射する。そして、透過部71に入射した光は、立体画像の各画素の画素値に応じた透過率で透過部71を透過し、対向基板63、偏光板61、透明基板83、スリット領域91、透明基板82、および偏光板81を介して、観察者の眼に入射する。
このとき、バックライト31から射出された光のうち、左眼用の透過部71Lを透過した光は、観察者の左眼ELに入射し、右眼用の透過部71Rを透過した光は、観察者の右眼ERに入射する。これにより、立体画像を構成する左眼用および右眼用の画像が観察者の左眼ELおよび右眼ERで知覚され、その結果、観察者により画像が立体的に知覚されることになる。
例えば、バックライト31から射出され、左眼用の透過部71L−2を透過した光は、さらにスリット領域91−2を透過し、観察者の左眼ELに入射する。また、バックライト31から射出され、右眼用の透過部71R−2を透過した光は、さらにスリット領域91−2を透過し、観察者の右眼ERに入射する。
また、バックライト31から射出され、透過部71を透過した後、遮光領域92に入射した光は、遮光領域92により吸収(遮光)され、観察者の眼には入射しない。すなわち、これらの光はパララックスバリアによりバリアされる。
なお、表示部21では、各透過部71を透過するR,G,Bの各色の光が図2のxz平面上において、略同じ幅で広がって観察者の左眼ELおよび右眼ERに入射するようになされている。
例えば、図2では、透過部71L−2を透過したR,G,Bの各色の光、および透過部71R−2を透過したR,G,Bの各色の光が、xz平面上において略同じ幅で広がって観察者の左眼ELおよび右眼ERに入射している。
図2では、MLR1、MLG1、およびMLB1は、それぞれ透過部71L−2を透過したRの色の光、Gの色の光、およびBの色の光のそれぞれを表しており、これらの光は略同じ幅で広がって観察者の左眼ELに入射している。また、図2において、MRR1、MRG1、およびMRB1は、それぞれ透過部71R−2を透過したRの色の光、Gの色の光、およびBの色の光のそれぞれを表しており、これらの光も略同じ幅で広がって観察者の右眼ERに入射している。
したがって、観察者の視点位置(左眼ELおよび右眼ER)が視差方向に移動したとしても、視差方向の各位置において、観察者の眼に入射するR,G,Bの各色の光の光量比が略一定となり、立体画像の色バランスが崩れてしまうことを抑制することができる。なお、表示部21における立体画像の色バランス(ホワイトバランス)の調整については、後述する。
立体画像を表示させる場合、図3に示すように、互いに視差を有する右眼用の画像PRと左眼用の画像PLとから、立体画像PDが生成され、この立体画像PDが光変調パネル32に表示される。なお、図3中、横方向および縦方向は、x方向(視差方向)およびy方向に対応する方向である。
立体画像PDは、例えば、画像PRと画像PLをそれぞれy方向に長い短冊状の矩形領域に分割し、画像PRから得られた矩形領域と、画像PLから得られた矩形領域とをx方向に交互に並べることで得られる画像である。このように、画像PRと画像PLからなる立体画像PDが光変調パネル32に表示される場合、立体画像PDを構成する左眼用の画像PLは、透過部71Lを有する画素に表示され、右眼用の画像PRは、透過部71Rを有する画素に表示されることになる。
次に、立体映像表示装置11に2次元の平面画像を表示させる場合について説明する。この場合、制御部22は、平面画像の画像信号に基づいて、光変調パネル32の画素ごとに、画素電極等に対して電圧を印加させ、透過部71における光の透過率を、それらの画素の画素値に応じた透過率とさせる。
また、制御部22は、パララックスバリア駆動部23を制御して、パララックスバリア33の電極に電圧が印加されず、パララックスバリアが形成されていない状態とするとともに、表示部21を制御し、バックライト31から光を射出させる。
バックライト31から射出された光は、光変調パネル32およびパララックスバリア33を透過して、観察者の左右の眼に入射する。つまり、光変調パネル32の透過部71を有する画素のそれぞれに、平面画像の各画素が表示される。
[フィルタ領域の配置について]
ところで、光変調パネル32の各画素には、例えば図4に示すように、バックライト31から入射した光のうちのR,G,Bの各色の成分のみを透過させてパララックスバリア33に入射させるカラーフィルタが設けられている。なお、図4において、図2における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
また、図4では、光変調パネル32およびスイッチ液晶層84の一部が示されており、図中、横方向、縦方向、および奥行き方向は、それぞれx方向、y方向、およびz方向を示している。さらに、図4では説明のため、スイッチ液晶層84が光変調パネル32に対して、図中、下方向にずらされて図示されている。
図4の例では、光変調パネル32には、立体画像表示時に、右眼用の画像が表示される画素121R−1および画素121R−2と、左眼用の画像が表示される画素121L−1および画素121L−2とが設けられている。
なお、以下、画素121R−1および画素121R−2を特に区別する必要のない場合、単に画素121Rと称し、画素121L−1および画素121L−2を特に区別する必要のない場合、単に画素121Lと称する。また、以下、画素121Rと画素121Lを特に区別する必要のない場合、単に画素121と称する。
光変調パネル32に設けられた各画素121は、画素ごとのカラーフィルタや透過部71などからなり、立体画像の各画素が表示される領域である。光変調パネル32では、画素121Rと画素121Lとがx方向に交互に配置されている。
例えば、画素121Rは、1つの透過部71Rを有しており、透過部71Rを透過した光は画素121Rの各色のカラーフィルタを透過して、パララックスバリア33へと入射する。具体的には、例えば画素121R−1は、透過部71R−3を有している。同様に、画素121Lは、1つの透過部71Lを有しており、透過部71Lを透過した光は画素121Lの各色のカラーフィルタを透過して、パララックスバリア33へと入射する。
なお、図4では、各画素121に設けられたカラーフィルタのうち、Rの色の光のみを透過させるカラーフィルタの領域は、文字「R」が記された斜線が施されている領域とされている。また、各画素121に設けられたカラーフィルタのうち、Gの色の光のみを透過させるカラーフィルタの領域およびBの色の光のみを透過させるカラーフィルタの領域は、それぞれ文字「G」が記された縦線が施されている領域、および文字「B」が記された横線が施されている領域とされている。
より具体的には、例えば図中、左側に示すように、画素121には、各色のカラーフィルタを有するサブ画素SBR11、サブ画素SBG11、およびサブ画素SBB11が設けられている。各カラーフィルタは、画素121を構成する対向基板63の液晶層65側の面(以下、フィルタ面と称する)に設けられているが、このフィルタ面において、サブ画素SBR11乃至サブ画素SBB11以外の領域は、光を遮光する遮光領域となっている。
また、画素121において、サブ画素SBR11には、Rの色の光のみを透過させるRのカラーフィルタのフィルタ領域131Rと、光を遮光する遮光領域とが設けられている。サブ画素SBR11では、フィルタ面におけるフィルタ領域131R以外の領域が遮光領域となっている。この遮光領域は、フィルタ領域131Rとされる、サブ画素SBR11と同じ大きさのRのカラーフィルタの一部を、遮光部材で遮蔽することにより形成される。
同様に、画素121において、サブ画素SBG11には、Gの色の光のみを透過させるGのカラーフィルタのフィルタ領域131Gと、光を遮光する遮光領域とが設けられている。サブ画素SBG11においても、Gのカラーフィルタの一部を遮光部材で遮蔽することにより遮光領域が形成され、サブ画素SBG11内のフィルタ領域131G以外の領域が遮光領域となっている。
また、画素121においてサブ画素SBB11には、Bの色の光のみを透過させるBのカラーフィルタのフィルタ領域131Bが設けられている。サブ画素SBB11には、遮光領域が設けられておらず、サブ画素SBB11の全領域がフィルタ領域131Bとなっている。なお、以下、フィルタ領域131R乃至フィルタ領域131Bを特に区別する必要のない場合、単にフィルタ領域131とも称する。
このように、各画素121には、バックライト31から入射した光のうち、R,G,Bの各色の光を透過させるフィルタ領域131R乃至フィルタ領域131Bが設けられている。そして、これらのフィルタ領域131を透過した各色の光の一部が、スリット領域91を介して観察者の眼に入射し、観察者により立体画像が知覚されることになる。
立体画像を表示するにあたり、観察者により知覚される立体画像の各色のバランス、すなわちホワイトバランスを適切なものとするには、観察者の眼に入射する各色の光の光量を適切な量に調整する必要がある。
そこで、各画素121では、R,G,Bの各色のフィルタ領域131のx方向(視差方向)の長さを略同じ長さとし、各色のフィルタ領域131のx方向と垂直なy方向の長さを異なる長さとすることで、各色の光の透過光量を調整している。すなわち、各色のフィルタ領域131の面積(各色のカラーフィルタの開口率)を調整することで、各色のバランス調整が行なわれている。このような色バランスの調整により、より適切な色バランスの立体画像を観察することが可能となる。
特に、図4の例では、各色のカラーフィルタ上に設ける遮光部材のy方向の長さを調整することで、適切な色バランスとなるように、フィルタ領域131のy方向の長さが調整される。
また、表示部21では、各色のフィルタ領域131の視差方向の長さが略同じ長さとされている。そのため、観察者の視点が視差方向にずれたとしても、光変調パネル32上の観察者により視認される左眼用または右眼用の画像が表示される視認領域内において、各フィルタ領域131の視差方向の長さが必ず略等しい長さとなる。
なお、視認領域とは、フィルタ面上の左眼用または右眼用の画像が表示される領域のうち、パララックスバリアによりバリアされずに、観察者の一方の眼により知覚される画像が表示されている領域である。換言すれば、バックライト31からの光が全てフィルタ面を透過すると仮定した場合に、バックライト31からの光のうち、スリット領域91を介して観察者の片方の眼に入射する光が通るフィルタ面上の領域が視認領域である。
したがって、例えば図5に示すように、観察者の視点位置によらず、観察者の眼に入射するR,G,Bの各色の光の量の比が略一定となる。なお、図5において、横方向は観察者のx方向の視点位置を示しており、縦軸はR,G,Bの各色の光の相対的な透過率、つまり観察者の眼に入射する光の光量を示している。
図5では、折れ線CR1、CG1、およびCB1は、それぞれ画素121Rのフィルタ領域131R、フィルタ領域131G、およびフィルタ領域131Bを透過して視点位置に到達する光の量を示している。また、折れ線CR2、CG2、およびCB2は、それぞれ画素121Lのフィルタ領域131R、フィルタ領域131G、およびフィルタ領域131Bを透過して視点位置に到達する光の量を示している。
折れ線CR1、CG1、およびCB1は、ピークの中心位置がx方向の同じ位置となっており、各視点位置において、光量(相対透過率)の比が略一定となっている。同様に、折れ線CR2、CG2、およびCB2も、ピークの中心位置がx方向の同じ位置となっており、各視点位置において光量の比が略一定となっている。
したがって、画素121における各フィルタ領域131のx方向の幅を略同じとし、各フィルタ領域131のy方向の幅を適宜調整すれば、より簡単に適切な色バランスを得ることができる。しかも、観察者の視点位置によらず、観察者の眼に入射する各色の光量の比を略一定とすることができるので、立体画像の観察位置によって色バランスが崩れてしまうことを抑制することができる。
ところで、光変調パネル32の各画素のフィルタ領域の大きさ(開口率)を調整する場合に、例えば図6に示すように、各フィルタ領域のy方向の幅を同じとし、x方向の幅を変化させることで、各色の光量を調整する方法も考えられる。
なお、図6において、図2における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
また、図6では、光変調パネル32およびスイッチ液晶層84の一部が示されており、図中、横方向、縦方向、および奥行き方向は、それぞれx方向、y方向、およびz方向を示している。さらに、図6では説明のため、スイッチ液晶層84が光変調パネル32に対して、図中、下方向にずらされて図示されている。
図6の例では、光変調パネル32には、立体画像表示時に、右眼用の画像が表示される画素161R−1および画素161R−2と、左眼用の画像が表示される画素161L−1および画素161L−2とが設けられている。なお、以下、画素161R−1乃至画素161L−2を特に区別する必要のない場合、単に画素161とも称する。
各画素161には、R,G,Bの各色の光のみを透過させるカラーフィルタのフィルタ領域が設けられている。ここで、画素161において、Rの色の光のみを透過させるフィルタ領域は、文字「R」が記された斜線が施されている領域とされている。また、Gの色の光のみを透過させるフィルタ領域およびBの色の光のみを透過させるフィルタ領域は、それぞれ文字「G」が記された縦線が施されている領域、および文字「B」が記された横線が施されている領域とされている。
この例では、R,G,Bの各色のフィルタ領域は、y方向の幅が略同じであるが、x方向の幅が色ごとに異なる長さとなっている。つまり、各フィルタ領域のx方向の幅により、色バランスの調整が行なわれている。具体的には、R,G,Bの各色のフィルタ領域のx方向の幅のうち、Bの色のフィルタ領域の幅が最も長く、かつGの色のフィルタ領域の幅が最も短くなっている。
このような場合、表示部21から射出される各色の光は、図7に示すように、異なる幅で広がりながら、観察者の視点位置に到達する。なお、図7において、図2における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。また、図7において、横方向、奥行き方向、および縦方向は、それぞれx方向、y方向、およびz方向を示している。
図7では、透過部71L−2を透過したR,G,Bの各色の光、および透過部71R−2を透過したR,G,Bの各色の光が、xz平面上において異なる幅で広がって観察者の左眼ELおよび右眼ERに入射している。
ここで、MLR11、MLG11、およびMLB11は、それぞれ透過部71L−2を透過したRの色の光、Gの色の光、およびBの色の光のそれぞれを表しており、これらの光は異なる幅で広がって観察者の左眼ELに入射している。すなわち、Bの色の光が最も大きく広がっており、Gの色の光が最も広がりの幅が小さくなっている。これらの各色の光の広がる幅の関係は、図6の画素161における各色のフィルタ領域のx方向の幅の関係と同じとなっている。
また、MRR11、MRG11、およびMRB11は、それぞれ透過部71R−2を透過したRの色の光、Gの色の光、およびBの色の光のそれぞれを表しており、これらの光も異なる幅で広がって観察者の右眼ERに入射している。
したがって、例えば図8に示すように、観察者の視点位置がx方向(視差方向)に移動すると、観察者の眼に入射するR,G,Bの各色の光の量の比が変化する。なお、図8において、横方向は観察者のx方向の視点位置を示しており、縦軸はR,G,Bの各色の光の相対的な透過率(光量)を示している。
図8では、折れ線CR11、CG11、およびCB11は、それぞれ右眼用の画像を表示する画素161のR,G,Bの各色のフィルタ領域を透過して視点位置に到達する光の量を示している。また、折れ線CR12、CG12、およびCB12は、それぞれ左眼用の画像を表示する画素161のR,G,Bの各色のフィルタ領域を透過して視点位置に到達する光の量を示している。
折れ線CR11、CG11、およびCB11は、ピークの中心位置がx方向の異なる位置となっており、視点位置によって、各色の光量(相対透過率)の比が異なっている。同様に、折れ線CR12、CG12、およびCB12も、ピークの中心位置がx方向の異なる位置となっており、各視点位置において光量の比が異なっている。これは、図6におけるR,G,Bの各色のフィルタ領域の中心位置が、それぞれx方向にわずかにずれているためである。
そのため、観察者の視点位置によって色バランスが変化してしまい、視点位置によっては、立体画像が色付いてしまうことになる。したがって、各色のフィルタ領域の開口率により色バランスの調整を行なう場合には、図6に示したフィルタ領域のx方向の幅により開口率を調整する方法よりも、図4に示したフィルタ領域のy方向の幅により開口率を調整する方法が、より適しているといえる。
以上のように、画素121の各フィルタ領域131のx方向の幅を略同じとし、各フィルタ領域131の中心のx方向の位置を略同じ位置とし、かつ各フィルタ領域131のy方向の幅を適切に調整することで、より簡単に適切な色バランスを得ることができ、視点位置によって立体画像の色バランスが崩れてしまうことを抑制することができる。立体映像表示装置11では、3次元の立体画像を表示するときも、2次元の平面画像を表示するときも適切な色バランスを保つことができる。
〈第2の実施の形態〉
[表示部の構成例]
なお、以上においては、表示部21において、バックライト31からの光が光変調パネル32を介してパララックスバリア33に入射すると説明したが、光変調パネル32とパララックスバリア33の位置関係が逆となるようにしてもよい。すなわち、バックライト31からの光がパララックスバリア33に入射し、パララックスバリア33から出射した光が光変調パネル32に入射するようにしてもよい。
そのような場合、表示部21は、例えば図9に示すように構成される。なお、図9において、図2における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。また、図中、横方向、奥行き方向、および縦方向は、それぞれx方向、y方向、およびz方向を示している。
図9の表示部21は、バックライト31、光変調パネル32、およびパララックスバリア33から構成され、光変調パネル32とバックライト31の間に、パララックスバリア33が配置されている。
パララックスバリア33は、偏光板191、偏光板192、透明基板82、透明基板83、およびスイッチ液晶層84から構成されており、対向して配置された偏光板191と偏光板192の間に、透明基板82と透明基板83が対向して設けられている。
また、光変調パネル32は、偏光板61、偏光板191、対向基板63、TFT基板64、および液晶層65から構成されている。すなわち、対向して配置された偏光板61と偏光板191の間に、対向基板63とTFT基板64とが対向するように設けられ、対向基板63とTFT基板64との間に液晶層65が形成されている。
なお、図9では偏光板191は、光変調パネル32を構成する部材としても、パララックスバリア33を構成する部材としても用いられている。また、図9では、透過部71Lと透過部71Rの配置も図2における場合と位置関係が逆となっている。すなわち、例えば透過部71R−1の図中、右側に透過部71L−1が配置されている。
この表示部21に画像が表示される場合には、バックライト31から射出された光は、パララックスバリア33を介して光変調パネル32に入射し、この光により光変調パネル32に画像が表示される。つまり、パララックスバリア33から入射し、光変調パネル32を透過した光が観察者の眼に入射して、画像が知覚される。
[フィルタ領域の配置について]
また、図9の光変調パネル32の各画素には、例えば図10に示すように、パララックスバリア33のスリット領域91から入射した光のうちのR,G,Bの各色の成分のみを透過させるカラーフィルタが設けられている。なお、図10において、図9における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
また、図10では、光変調パネル32およびスイッチ液晶層84の一部が示されており、図中、横方向、縦方向、および奥行き方向は、それぞれx方向、y方向、およびz方向を示している。さらに、図10では説明のため、スイッチ液晶層84が光変調パネル32に対して、図中、下方向にずらされて図示されている。
図10の例では、光変調パネル32には、立体画像表示時に、右眼用の画像が表示される画素221R−1および画素221R−2と、左眼用の画像が表示される画素221L−1および画素221L−2とが設けられている。
なお、以下、画素221R−1および画素221R−2を特に区別する必要のない場合、単に画素221Rと称し、画素221L−1および画素221L−2を特に区別する必要のない場合、単に画素221Lと称する。また、以下、画素221Rと画素221Lを特に区別する必要のない場合、単に画素221と称する。
光変調パネル32に設けられた各画素221は、画素ごとのカラーフィルタや透過部71などからなり、立体画像の各画素が表示される領域である。光変調パネル32では、画素221Rと画素221Lとがx方向に交互に配置されている。
例えば、画素221Rは、1つの透過部71Rを有しており、透過部71Rを透過した光は画素221Rの各色のカラーフィルタを透過して、表示部21から射出される。
なお、図10では、各画素221に設けられたカラーフィルタのうち、Rの色の光のみを透過させるカラーフィルタの領域は、文字「R」が記された斜線が施されている領域とされている。また、各画素221に設けられたカラーフィルタのうち、Gの色の光のみを透過させるカラーフィルタの領域およびBの色の光のみを透過させるカラーフィルタの領域は、それぞれ文字「G」が記された縦線が施されている領域、および文字「B」が記された横線が施されている領域とされている。
より具体的には、例えば図中、左側に示すように、画素221には、各色のカラーフィルタを有するサブ画素SBR21、サブ画素SBG21、およびサブ画素SBB21が設けられている。各カラーフィルタは、画素221を構成する対向基板63の液晶層65側のフィルタ面に設けられているが、このフィルタ面において、サブ画素SBR21乃至サブ画素SBB21以外の領域は、光を遮光する遮光領域となっている。
また、サブ画素SBR21乃至サブ画素SBB21のy方向の幅は略同じとなっている。さらに、画素221において、サブ画素SBR21には、Rのカラーフィルタのフィルタ領域231R−1およびフィルタ領域231R−2と、光を遮光する遮光領域とが設けられている。
サブ画素SBR21では、フィルタ面におけるフィルタ領域231R−1およびフィルタ領域231R−2以外の領域が遮光領域となっており、この遮光領域は、Rのカラーフィルタの略中央を遮光部材で遮蔽することにより形成される。そして、Rのカラーフィルタのうち、遮光部材で遮蔽されなかった、遮光領域の図中、上側の領域がフィルタ領域231R−1とされ、下側の領域がフィルタ領域231R−2とされている。
同様に、画素221において、サブ画素SBG21には、Gのカラーフィルタのフィルタ領域231G−1およびフィルタ領域231G−2と、光を遮光する遮光領域とが設けられている。サブ画素SBG21においても、Gのカラーフィルタの略中央の部分を遮光部材で遮蔽することにより、遮光領域が形成される。
なお、以下、フィルタ領域231R−1およびフィルタ領域231R−2を特に区別する必要のない場合、単にフィルタ領域231Rと称する。また、フィルタ領域231G−1およびフィルタ領域231G−2を特に区別する必要のない場合、単にフィルタ領域231Gと称する。
さらに、画素221においてサブ画素SBB21には、Bのカラーフィルタのフィルタ領域231Bが設けられている。サブ画素SBB21には、遮光領域が設けられておらず、サブ画素SBB21の全領域がフィルタ領域231Bとなっている。なお、以下、フィルタ領域231R乃至フィルタ領域231Bを特に区別する必要のない場合、単にフィルタ領域231とも称する。
このように、各画素221には、パララックスバリア33から入射した光のうち、R,G,Bの各色の光を透過させるフィルタ領域231が設けられている。そして、これらのフィルタ領域231を透過した各色の光が観察者の眼に入射し、観察者により立体画像が知覚されることになる。
各画素221では、R,G,Bの各色のフィルタ領域231のx方向(視差方向)の長さを略同じ長さとし、各色のフィルタ領域231のy方向の長さを異なる長さとすることで、各色の光の透過光量が調整されている。
すなわち、フィルタ領域231R−1とフィルタ領域231R−2のy方向の幅の合計値、フィルタ領域231G−1とフィルタ領域231G−2のy方向の幅の合計値、およびフィルタ領域231Bのy方向の幅の長さの比により、色バランスの調整が行なわれる。このような色バランス調整により、より簡単に適切な色バランスを得ることができる。
ここで、サブ画素SBR21とサブ画素SBG21の略中央の領域に遮光領域が形成されているのは、カラーフィルタの配置にずれが生じたときのフィルタ領域231の開口率の変動を抑制するためである。
すなわち、光変調パネル32では、フィルタ領域231R−2とフィルタ領域231G−1の間(境界部分)に、これらのフィルタ領域231R−2およびフィルタ領域231G−1のx方向に長い端に沿うように、TFTのゲート線等の光変調パネル32の配線が設けられている。同様に、フィルタ領域231G−2とフィルタ領域231Bの間にも、これらのフィルタ領域231G−2およびフィルタ領域231Bのx方向に長い端に沿うように、光変調パネル32の配線が設けられている。
xy平面上において、ゲート線や信号線等の光変調パネル32の配線が、フィルタ領域231と重なると、その配線によりバックライト31からの光が遮光されてしまい、フィルタ領域231の開口率が低下してしまうことがある。
しかしながら、図10の例では、サブ画素SBG21に注目すると、光変調パネル32の配線は、フィルタ領域231G−1の図中、上端およびフィルタ領域231G−2の図中、下端に沿って配置されている。より詳細には、光変調パネル32の配線は、フィルタ領域231Gにわずかに重なるように配置されている。
そのため、例えばサブ画素SBG21が、配線に対して図中、下側にずれて配置されると、そのずれの分だけフィルタ領域231G−2の開口率は低下するが、フィルタ領域231G−1では、配置のずれの分だけ開口率が増加する。したがって、サブ画素SBG21の配置位置が、光変調パネル32の配線に対して多少ずれたとしても、フィルタ領域231G全体の開口率は、略一定となり、適切な色バランスを保つことができる。
以上のように、画素221においても、各色のフィルタ領域231の視差方向の長さが略同じ長さとされているため、観察者の視点が視差方向にずれたとしても、視認領域内において、各フィルタ領域231の視差方向の長さが必ず略等しい長さとなる。したがって、観察者の視点位置によらず、適切な色バランスを保つことができる。
〈第3の実施の形態〉
[フィルタ領域の配置について]
なお、以上においては、光変調パネル32の各サブ画素内のフィルタ領域のy方向の長さの調整を、カラーフィルタ上に遮光領域を設けることで行なうと説明したが、サブ画素自体の大きさを各色で変えて、サブ画素のy方向の幅を色ごとに異なる幅とするようにしてもよい。
そのような場合、例えば図2の光変調パネル32の各画素には、図11に示すように、R,G,Bの各色のカラーフィルタが設けられている。なお、図11において、図2における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
また、図11では、光変調パネル32およびスイッチ液晶層84の一部が示されており、図中、横方向、縦方向、および奥行き方向は、それぞれx方向、y方向、およびz方向を示している。さらに、図11では説明のため、スイッチ液晶層84が光変調パネル32に対して、図中、下方向にずらされて図示されている。
図11の例では、光変調パネル32には、立体画像表示時に、右眼用の画像が表示される画素261R−1および画素261R−2と、左眼用の画像が表示される画素261L−1および画素261L−2とが設けられている。
なお、以下、画素261R−1および画素261R−2を特に区別する必要のない場合、単に画素261Rと称し、画素261L−1および画素261L−2を特に区別する必要のない場合、単に画素261Lと称する。また、以下、画素261Rと画素261Lを特に区別する必要のない場合、単に画素261と称する。
光変調パネル32に設けられた各画素261は、画素ごとのカラーフィルタや透過部71などからなり、立体画像の各画素が表示される領域である。光変調パネル32では、画素261Rと画素261Lとがx方向に交互に配置されている。
例えば画素261Rは、1つの透過部71Rを有しており、透過部71Rを透過した光は画素261Rの各色のカラーフィルタを透過して、パララックスバリア33に入射する。
なお、図11では、各画素261のRのカラーフィルタの領域は、文字「R」が記された斜線が施されている領域とされている。また、Gのカラーフィルタの領域およびBのカラーフィルタの領域は、それぞれ文字「G」が記された縦線が施されている領域、および文字「B」が記された横線が施されている領域とされている。
より具体的には、例えば図中、左側に示すように、画素261には、各色のカラーフィルタを有するサブ画素SBR31、サブ画素SBG31、およびサブ画素SBB31が設けられている。各カラーフィルタは、画素261を構成する対向基板63の液晶層65側のフィルタ面に設けられているが、このフィルタ面において、サブ画素SBR31乃至サブ画素SBB31以外の領域は、光を遮光する遮光領域となっている。
また、サブ画素SBR31乃至サブ画素SBB31のy方向の幅はそれぞれ異なる幅となっている。さらに、画素261において、サブ画素SBR31には、その領域全体にRのカラーフィルタのフィルタ領域271Rが設けられている。
同様に、サブ画素SBG31には、その領域全体にGのカラーフィルタのフィルタ領域271Gが設けられており、サブ画素SBB31には、その領域全体にBのカラーフィルタのフィルタ領域271Bが設けられている。
なお、以下、フィルタ領域271R乃至フィルタ領域271Bを特に区別する必要のない場合、単にフィルタ領域271とも称する。
このように、各画素261には、バックライト31から入射した光のうち、R,G,Bの各色の光を透過させるフィルタ領域271が設けられている。そして、これらのフィルタ領域271を透過した各色の光が、パララックスバリア33を介して観察者の眼に入射し、観察者により立体画像が知覚されることになる。
各画素261では、R,G,Bの各色のフィルタ領域271のx方向(視差方向)の長さを略同じ長さとし、各色のフィルタ領域271のy方向の長さを異なる長さとすることで、各色の光の透過光量が調整されている。
特に、画素261では、サブ画素SBR31乃至サブ画素SBB31に遮光領域が設けられておらず、その分だけ各サブ画素、つまり画素261が小型化されている。このように画素261は、カラーフィルタを遮光部材で遮光しない構成となっている。カラーフィルタ上に遮光部材を設けない構成とすることで、より簡単に光変調パネル32を製造することが可能となる。
以上のように、画素261においても、各色のフィルタ領域271の視差方向の長さが略同じ長さとされているため、観察者の視点が視差方向にずれたとしても、視認領域内において、各フィルタ領域271の視差方向の長さが必ず略等しい長さとなる。したがって、観察者の視点位置によらず、適切な色バランスを保つことができる。
〈第4の実施の形態〉
[フィルタ領域の配置について]
なお、以上においては、左眼用および右眼用の画像からなる立体画像を表示する場合について説明したが、立体映像表示装置11が3以上の複数の視点の画像からなる多視点の立体画像を表示するようにしてもよい。
そのような場合、例えば図9の光変調パネル32の画素には、図12の左側に示すように、R,G,Bの各色のカラーフィルタが設けられている。なお、図12において、図2における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。また、図中、横方向、縦方向、および奥行き方向は、それぞれx方向、y方向、およびz方向を示している。
また、図12の例では、表示部21は、パララックスバリア33が、光変調パネル32とバックライト31の間に配置される構成となっている。
図12の左側に示す画素301には、各色のカラーフィルタを有するサブ画素SBR41、サブ画素SBG41、およびサブ画素SBB41が設けられている。各カラーフィルタは、画素301を構成する対向基板63の液晶層65側のフィルタ面に設けられているが、このフィルタ面において、サブ画素SBR41乃至サブ画素SBB41以外の領域は、光を遮光する遮光領域となっている。
また、サブ画素SBR41乃至サブ画素SBB41のy方向の幅は略同じとなっている。さらに、画素301において、サブ画素SBR41には、Rのカラーフィルタのフィルタ領域302Rと、光を遮光する遮光領域とが設けられている。
サブ画素SBR41では、フィルタ面におけるフィルタ領域302R以外の領域が遮光領域となっており、これらの遮光領域は、フィルタ領域302Rを構成するRのカラーフィルタの図中、上下の端を遮光部材で遮蔽することにより形成される。
同様に、サブ画素SBG41には、Gのカラーフィルタのフィルタ領域302Gと、光を遮光する遮光領域とが設けられている。サブ画素SBG41においても、フィルタ領域302Gを構成するGのカラーフィルタの図中、上下の端を遮光部材で遮蔽することにより、遮光領域が形成されている。また、サブ画素SBB41には、その領域全体にBのカラーフィルタのフィルタ領域302Bが設けられている。
このように、画素301には、バックライト31からパララックスバリア33を介して入射した光のうち、R,G,Bの各色の光を透過させるフィルタ領域が設けられている。そして、これらのフィルタ領域302R乃至フィルタ領域302Bを透過した各色の光が、観察者の眼に入射し、観察者により立体画像が知覚されることになる。
また、画素301では、R,G,Bの各色のフィルタ領域302R乃至フィルタ領域302Bのx方向(視差方向)の長さを略同じ長さとし、y方向の長さを異なる長さとすることで、各色の光の透過光量(フィルタ領域の開口率)が調整されている。つまり、フィルタ領域302R乃至フィルタ領域302Bのy方向の長さにより、色バランスの調整が行なわれる。
光変調パネル32のフィルタ面には、図中、右側に示すように、画素301と同様の画素が並べられて配置されている。なお、図12では、光変調パネル32およびスイッチ液晶層84の一部が示されており、説明のため、スイッチ液晶層84が光変調パネル32に対して、図中、右方向にずらされて図示されている。
例えば、光変調パネル32に、視点V1乃至視点V4の4つの異なる視点の画像からなる多視点の立体画像が表示される場合、フィルタ面上の領域PVR1および領域PVR5に、1つの視点V1の画像が表示される。
また、フィルタ面上の領域PVR2および領域PVR6に、視点V2の画像が表示され、領域PVR3に視点V3の画像が表示され、領域PVR4に視点V4の画像が表示される。つまり、フィルタ面上において、視点V1乃至視点V4の画像が、x方向に繰り返し順番に並べられて表示されることになる。
そして、これらの視点V1乃至視点V4のうち、隣接して表示されている2つの視点の画像が、それぞれ観察者の左右の眼で知覚されて、立体画像が観察されることになる。
なお、図12では、各画素のRのカラーフィルタの領域は、文字「R」が記された斜線が施されている領域とされている。また、Gのカラーフィルタの領域およびBのカラーフィルタの領域は、それぞれ文字「G」が記された縦線が施されている領域、および文字「B」が記された横線が施されている領域とされている。
例えば、領域PVR1には、視点V1の画像が表示されるが、立体画像の表示時においては、領域PVR1内にあるRのフィルタ領域303R、Bのフィルタ領域303B、およびGのフィルタ領域303Gが1つの画素として機能する。つまり、フィルタ領域303R、フィルタ領域303B、およびフィルタ領域303Gのそれぞれに、視点V1の画像の1つの画素のR,B,Gの成分のそれぞれが表示される。
この場合、フィルタ領域303R乃至フィルタ領域303Gのx方向の幅は略同じとされ、y方向の幅が異なる幅となるようになっている。これらのフィルタ領域のy方向の幅により、R,G,Bの色バランスが調整される。
また、多視点の立体画像が表示される場合、透明基板82と透明基板83の電極に電圧が印加されると、スイッチ液晶層84には、図12中、右側に示すパララックスバリアが形成される。すなわち、バックライト31から入射した光を遮光する遮光領域311−1乃至遮光領域311−3と、バックライト31から入射した光を透過させるスリット領域312−1およびスリット領域312−2とからなるパララックスバリアが形成される。
なお、以下、遮光領域311−1乃至遮光領域311−3を個々に区別する必要のない場合、単に遮光領域311とも称し、スリット領域312−1およびスリット領域312−2を個々に区別する必要のない場合、単にスリット領域312とも称する。
図12に示すパララックスバリアは、y方向に長い矩形の遮光領域311とスリット領域312とが、x方向に交互に並んでおり、ストライプ状のバリアとなっている。このようなパララックスバリアが形成された場合、観察者が所定の視点位置から立体映像表示装置11を見ると、例えばフィルタ面上の領域Q11および領域Q12が、観察者の右眼の視認領域となる。
すなわち、観察者の右眼には、視点V1乃至視点V4の画像のうち、領域Q11および領域Q12に表示される視点V1の画像のみが観察(知覚)されることになる。この場合、バックライト31からスリット領域312−1を介して入射し、領域Q11内の各フィルタ領域を透過した光は、観察者の右眼に入射する。同様に、バックライト31からスリット領域312−2を介して入射し、領域Q12内の各フィルタ領域を透過した光は、観察者の右眼に入射する。
さらに、このとき、バックライト31からスリット領域312−1およびスリット領域312−2のそれぞれを介して入射し、フィルタ面上の領域PVR2および領域PVR6内にある各フィルタ領域を透過した光が、観察者の左眼に入射する。つまり、観察者の左眼には、領域PVR2および領域PVR6に表示されている視点V2の画像が知覚される。
したがって、観察者には、視点V1の画像および視点V2の画像からなる立体画像が知覚されることになる。観察者の視点位置が移動すると、フィルタ面上の視認領域も移動し、観察者の左右の眼には、例えば視点V2と視点V3の画像など、異なる視点の画像が観察されるようになる。
このように多視点の立体画像を表示させる場合においても、フィルタ面上のy方向に並ぶ各色のフィルタ領域のx方向の長さを略同じ長さとし、y方向の長さを異なる長さとすることで、より簡単に適切な色バランスを得ることができる。また、各フィルタ領域のx方向の長さが略同じ長さとされているため、観察者の視点がx方向にずれたとしても、視認領域内において、各フィルタ領域のx方向の長さが必ず略等しい長さとなり、適切な色バランスを保つことができる。
〈第5の実施の形態〉
[フィルタ領域の配置について]
なお、以上においては、多視点の立体画像を表示させる場合に、スイッチ液晶層84にストライプ状のパララックスバリアを形成する場合について説明したが、多視点の立体画像を表示させる場合のパララックスバリアは、どのような形状であってもよい。
そのような場合のパララックスバリアとして、平行四辺形状のスリット領域がx方向に所定間隔で並ぶバリアや、矩形状の領域が斜め方向に並べられてできるスリット領域が、x方向に所定間隔で並ぶステップバリアなどがある。
例えば、立体画像の表示にステップバリアが利用される場合、透明基板82と透明基板83の電極に電圧が印加されると、スイッチ液晶層84には、図13に示すように、ステップ状のパララックスバリアが形成される。
なお、図13において、図9における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。また、図中、横方向、縦方向、および奥行き方向は、それぞれx方向、y方向、およびz方向を示している。また、図13では、光変調パネル32およびスイッチ液晶層84の一部が示されており、説明のため、スイッチ液晶層84が光変調パネル32に対して、図中、右方向にずらされて図示されている。
また、図13の例では、表示部21は、パララックスバリア33が、光変調パネル32とバックライト31の間に配置される構成となっている。
図13の例では、光変調パネル32のフィルタ面には、図12に示した画素301と同じ構成の画素が、xy方向に行列状に並べられて配置されている。ここで、各画素のRのカラーフィルタの領域は、文字「R」が記された斜線が施されている領域とされている。また、Gのカラーフィルタの領域およびBのカラーフィルタの領域は、それぞれ文字「G」が記された縦線が施されている領域、および文字「B」が記された横線が施されている領域とされている。
例えば、光変調パネル32に、視点V1乃至視点V4の4つの異なる視点の画像からなる多視点の立体画像が表示される場合、フィルタ面上の領域PVR21、領域PVR25、および領域PVR29に、1つの視点V1の画像が表示される。
また、フィルタ面上の領域PVR22および領域PVR26に、視点V2の画像が表示され、領域PVR23および領域PVR27に視点V3の画像が表示され、領域PVR24および領域PVR28に視点V4の画像が表示される。つまり、フィルタ面上において、視点V1乃至視点V4の画像が、x方向に繰り返し順番に並べられて表示される。
そして、これらの視点V1乃至視点V4のうち、隣接して表示されている2つの視点の画像が、それぞれ観察者の左右の眼で知覚されて、立体画像が観察されることになる。
例えば、領域PVR21には、視点V1の画像が表示されるが、立体画像の表示時においては、領域PVR21内にあるRのフィルタ領域341R、Gのフィルタ領域341G、およびBのフィルタ領域341Bが1つの画素として機能する。つまり、フィルタ領域341R、フィルタ領域341G、およびフィルタ領域341Bのそれぞれに、視点V1の画像の1つの画素のR,G,Bの成分のそれぞれが表示される。
この場合、フィルタ領域341R乃至フィルタ領域341Bのx方向の幅は略同じとされ、y方向の幅が異なる幅となっている。これらのフィルタ領域のy方向の幅により、R,G,Bの色バランスが調整される。
また、この場合、スイッチ液晶層84には、バックライト31から入射した光を遮光する遮光領域351−1乃至遮光領域351−3と、バックライト31から入射した光を透過させるスリット領域352−1乃至スリット領域352−3とからなるパララックスバリアが形成される。
なお、以下、遮光領域351−1乃至遮光領域351−3を個々に区別する必要のない場合、単に遮光領域351とも称し、スリット領域352−1乃至スリット領域352−2を個々に区別する必要のない場合、単にスリット領域352とも称する。
図13に示すスリット領域352は、y方向に長い矩形領域が図中、右下方向に並べられてできる領域であり、パララックスバリアは、遮光領域351とスリット領域352とが、x方向に交互に並べられたステップ状のバリアとなっている。
このようなパララックスバリアが形成された場合、観察者が所定の視点位置から立体映像表示装置11を見ると、例えばフィルタ面上の領域Q21乃至領域Q23が、観察者の右眼の視認領域となる。
すなわち、観察者の右眼には、視点V1乃至視点V4の画像のうち、領域Q21乃至領域Q23に表示される視点V1の画像のみが知覚されることになる。この場合、バックライト31からスリット領域352−1を介して入射し、領域Q21内の各フィルタ領域を透過した光は、観察者の右眼に入射する。
同様に、バックライト31からスリット領域352−2を介して入射し、領域Q22内の各フィルタ領域を透過した光は、観察者の右眼に入射し、バックライト31からスリット領域352−3を介して領域Q23内の各フィルタ領域を透過した光は、観察者の右眼に入射する。
さらに、このとき、バックライト31からスリット領域352−1およびスリット領域352−2のそれぞれを介して入射し、フィルタ面上の領域PVR22および領域PVR26内にある各フィルタ領域を透過した光が、観察者の左眼に入射する。つまり、観察者の左眼には、領域PVR22および領域PVR26に表示されている視点V2の画像が知覚される。
したがって、観察者には、視点V1の画像および視点V2の画像からなる立体画像が知覚されることになる。観察者の視点位置が移動すると、フィルタ面上の視認領域も移動し、観察者の左右の眼には、異なる視点の画像が観察されるようになる。
このように、ステップバリアを用いる場合においても、フィルタ面上に並ぶ各色のフィルタ領域のx方向の長さを略同じ長さとし、y方向の長さを異なる長さとすれば、より簡単に適切な色バランスの立体画像を表示させることができる。また、各フィルタ領域のx方向の長さが略同じ長さとされているため、観察者の視点がx方向にずれたとしても、視認領域内において、各フィルタ領域のx方向の長さが必ず略等しい長さとなり、適切な色バランスを保つことができる。
なお、以上においては、立体画像をパララックスバリア方式により表示する場合について説明したが、レンチキュラーレンズ方式など、どのような方式で立体画像を表示するようにしてもよい。例えば、レンチキュラーレンズ方式で立体画像を表示する場合には、表示部21に設けられたレンチキュラーレンズにより、各視点の画像が光学的に分離される。
さらに、以上においては、本技術を、立体画像を表示する立体映像表示装置に適用する場合を例に説明したが、本技術は、その他、マルチディスプレイなどの表示装置にも適用することができる。マルチディスプレイでは、例えば運転席や助手席など、異なる視点位置から同時に表示画面を見た場合に、視点位置ごとに異なる2次元画像が観察されるように、画像の表示が行なわれる。
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。