JP6128769B2 - 麦茶飲料の製造方法、大麦抽出液添加用香味改善剤の製造方法及び大麦抽出液添加用色調補正剤の製造方法 - Google Patents

麦茶飲料の製造方法、大麦抽出液添加用香味改善剤の製造方法及び大麦抽出液添加用色調補正剤の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、麦茶飲料の製造方法、大麦抽出液添加用香味改善剤の製造方法及び大麦抽出液添加用色調補正剤の製造方法に関する。
麦茶飲料は、昔ながらの嗜好性飲料であり、より高水準・高品質のものが求められる。
しかし、麦茶飲料の生産性を高めるために、例えば、抽出効率を高めようとして抽出温度を高くすると、焙煎大麦から抽出される成分や抽出液中の各成分の配合比が変化する。このため、麦茶飲料の品質を維持しつつ、麦茶飲料の生産性を高めることは容易ではない。
また、麦茶飲料の製造方法として、麦茶エキスを使用する方法が知られている。例えば、特許文献1には、麦茶エキスを水で希釈して麦茶飲料を製造する方法が記載されている。しかし、特許文献1は、手間の掛かる麦茶エキスの製造方法であり、麦茶飲料の生産性を高めることについては記載されていない。
特開2001−258524号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、高い生産性で高品質な麦茶飲料を製造する技術を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、麦茶抽出液に対して、特定の麦茶エキスを配合して、麦茶飲料を製造すれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には本発明は以下のものを提供する。
(1) 焙煎された大麦を抽出してなる大麦抽出液に対して、前記大麦抽出液と同じブリックスになるように希釈したときに、前記大麦抽出液よりも強い香味を有する第一大麦エキスを添加する麦茶飲料の製造方法。
(2) 前記第一大麦エキスは、ブリックスが5以上15以下である(1)に記載の麦茶飲料の製造方法。
(3) 前記第一大麦エキスは、焙煎された大麦を水蒸気蒸留して得られる抽出液と、焙煎された大麦を熱水抽出して得られる抽出液との混合物である(1)又は(2)に記載の麦茶飲料の製造方法。
(4) 前記大麦抽出液は、焙煎された六条大麦を抽出してなる抽出液であり、前記第一大麦エキスは、焙煎された六条大麦を抽出してなる抽出液である(1)から(3)のいずれかに記載の麦茶飲料の製造方法。
(5) 前記大麦抽出液は、1Lの水に対して、焙煎された大麦を10g以上100g以下用いて抽出してなる抽出液である(1)から(4)のいずれかに記載の麦茶飲料の製造方法。
(6) 前記大麦抽出液に対して、前記大麦抽出液と同じブリックスになるように希釈したときに、前記大麦抽出液よりも色が濃い第二大麦エキスをさらに添加する(1)から(5)のいずれかに記載の麦茶飲料の製造方法。
(7) 前記第二大麦エキスは、アルカリ抽出されてなる抽出液であり、ブリックスが15以上である(6)に記載の麦茶飲料の製造方法。
(8) 前記大麦抽出液は、1Lの水に対して、焙煎された大麦を10g以上100g以下用いて抽出してなる抽出液である(6)又は(7)に記載の麦茶飲料の製造方法。
(9) 焙煎された大麦を抽出してなる抽出液を、ブリックスが5以上15以下になるように濃縮する大麦抽出液添加用香味改善剤の製造方法。
(10) 焙煎された大麦をアルカリ抽出してなる抽出液を、ブリックスが15以上になるようにする大麦抽出液添加用色調補正剤の製造方法。
本発明によれば、高品質な麦茶飲料を高い生産性で得ることができる。特に、原料となる焙煎大麦の使用量を、従来より大幅に減らしても、従来と同様の高品質な麦茶飲料が得られる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
<麦茶飲料の製造方法>
麦茶飲料の製造方法は、焙煎された大麦を抽出してなる大麦抽出液に対して、大麦抽出液と同じブリックスになるように希釈したときに、大麦抽出液よりも強い香味を有する第一大麦エキスを添加する。第一大麦エキスを大麦抽出液に添加することで、エキス添加前の大麦抽出液よりも香ばしい麦茶飲料になる。
また、本発明の麦茶飲料の製造方法においては、大麦抽出液に対して、第一大麦エキス及び第二大麦エキスを添加してもよい。第一大麦エキスに加えて、第二大麦エキスを大麦抽出液に添加することで、香ばしく且つ色の濃い麦茶飲料になる。
[大麦]
本発明で使用する大麦とは、一般に食品業界において大麦と称される麦である。一般的には、大麦の成分は炭水化物が約70%存在し、その炭水化物の大部分が澱粉である。本発明において大麦の産地、種類、形態等は限定されるものではない。大麦の具体例としては、六条大麦、二条大麦、六条裸麦、二条裸麦、六条麦芽、二条麦芽、精麦(皮をむく、磨く加工を施したもの)六条大麦、精麦二条大麦等を挙げることができる。
本発明においては、大麦として、六条大麦を用いることが好ましい。六条大麦には、他の種類の大麦と比較して、たんぱく質成分が比較的多く含まれるからである。大麦のたんぱく質含有量が多ければ、焙煎時にたんぱく質と澱粉質の反応が生じ、香ばしさを発生させる物質であるピラジン類が多く生成され、これによって、焙煎により香ばしさが増強され、より香ばしさを感じることができる麦茶飲料を得ることができる。
[大麦の焙煎]
大麦を焙煎する方法は特に限定されない。一般的な焙煎方法を採用可能であり、一般的な方法としては、熱風焙煎、砂炒焙煎、遠赤外焙煎等が挙げられる。通常、熱風焙煎が好ましいとされている。これは、熱風焙煎であれば熱伝導効率が良く、表面から中心まで均一に焼けるためである。熱風焙煎で充分に焙煎をすれば、他の焙煎方法を採用する場合と比較して、香ばしく、色の濃い大麦抽出液が得られる傾向にある。
また、焙煎の条件も特に限定されず、所望の焙煎の程度に応じて、適宜、焙煎時間や焙煎温度を調整することができる。上記の通り、大麦が充分に加熱されることで、焙煎度合いが高まる。充分に焙煎された大麦を使用することで、非常に香ばしく且つ色の濃い大麦抽出液を得ることができる。一般的に焙煎時間は10分以上120分以下、焙煎温度は100℃以上400℃以下である。
後述する第一大麦エキス、第二大麦エキスを用いれば、大麦抽出液の香味が充分ではなく、色が薄くても、香ばしく色の濃い麦茶飲料を得ることができる。
一方、充分に焙煎された大麦を使用して、且つ第一大麦エキス、第二大麦エキスを使用すれば、香味や色がさらに増強され、非常に嗜好性の高い麦茶飲料が得られる。
以上のような大麦の焙煎の程度は、大麦抽出液の色や香味に基づいて評価することができる。
[大麦抽出液の製造]
抽出方法は特に限定されず、水蒸気蒸留、液化炭酸ガス抽出、アルコール抽出、熱水抽出等の従来公知の抽出方法を用いることができる。また、抽出に用いる抽出溶媒の種類は、特に限定されるものではないが、脱イオン交換処理精製したもの又は蒸留水を用いることが好ましい。これらは、安価、手軽であり、且つ安全に調整し抽出設備に供することができる。なお、水以外の抽出溶媒としては、エタノールやその他の親水性有機溶媒が挙げられる。
抽出溶媒に対して、抽出効率化の目的で、食品添加物のいわゆる炭酸塩、リン酸塩等を適宜添加してもよい。
一度の抽出に用いる、焙煎された大麦の使用量は、特に限定されないが、抽出に用いる水1L当たりの焙煎大麦の使用量が少なくなるほど得られる抽出液の量は香味や色が薄くなり、焙煎大麦の使用量が多くなるほど得られる抽出液の香味や色は濃くなる。このため、焙煎大麦から香味や色を引き出すために最適な焙煎大麦の量に調整することが一般的である。しかし、本発明では、香味が不十分な大麦抽出液を得ても、後述する第一大麦エキスを用いれば、充分な香味を持つ麦茶飲料が得られる。また、色が不十分(色が薄い)な大麦抽出液を得ても、後述する第一大麦エキス及び第二大麦エキスを併用すれば、香ばしく且つ色の濃い麦茶飲料が得られる。即ち、本発明では、従来より焙煎大麦の使用量を少なくして、香味や色の薄い大麦抽出液を得ても、香味が強く色の濃い麦茶飲料が得られる。
ここで、従来よりも少ない焙煎大麦の使用量とは、水1Lに対して、焙煎大麦の使用量が10g以上100g以下である。より好ましい焙煎大麦の使用量は水1Lに対して焙煎大麦の使用量が20g以上40g以下である。20g以上であれば、香味や色が薄い大麦抽出液が得られても、第一大麦エキスや第二大麦エキスの使用により、香味や色が改善された麦茶飲料が得られる可能性がより高い。また、40g以下であれば、原料の使用量を抑えつつ、上記エキスにより、香味や色を充分に改善できる傾向にあるため、より好ましい。
また、原料の使用量を抑える必要があるのは、通常、工業的に麦茶飲料を製造する場合である。したがって、本発明の製造方法は、工業的に麦茶飲料を製造する場合に好適な方法であるといえる。工業的に麦茶飲料を製造する場合、一度の抽出に使用される焙煎大麦の使用量は100kg以上であることが多い。
焙煎大麦から大麦抽出液を得る際の抽出条件は特に限定されないが、抽出条件の中でも抽出温度、抽出時間、pH等の抽出条件は、抽出液に含まれる成分の種類や含有比に影響を与える。
抽出温度は特に限定されないが、80℃以上100℃以下であることが好ましい。上記温度範囲で抽出を行えば、抽出効率が高い。また、抽出温度を80℃未満にして、香味成分や色が抽出されにくくなり、その結果、香味が少なく色の薄い大麦抽出液が得られたとしても、後述する第一大麦エキスを使用すれば、香ばしい麦茶飲料が得られ、第一大麦エキスと第二大麦エキスを併用すれば、香ばしく色の濃い麦茶飲料が得られる。
抽出時間も特に限定されないが、抽出時間は20分以上1時間以下の範囲内で行うことが好ましい。上記抽出時間で大麦抽出液を得れば、熱による風味変化や香気成分の散逸を抑えつつ、焙煎大麦から香味や色等の所望の成分を抽出しやすい傾向にある。また、本発明では、抽出時間を20分未満に設定して、大麦抽出液の香味が少なく色の薄い大麦抽出液になったとしても、後述する第一大麦エキスを使用すれば、香ばしい麦茶飲料が得られ、第一大麦エキスと第二大麦エキスを併用すれば、香ばしく色の濃い麦茶飲料が得られる。
抽出時のpHも特に限定されるものではないが、pH4以上pH8以下、特にpH7以上pH8以下の範囲で調整することが好ましい。pHが上記範囲にあれば、抽出効率を上昇させることが可能である。
なお、抽出方法として、液化炭酸ガス抽出を採用する場合には、抽出温度ではなく抽出圧力が抽出の程度に影響を与える。抽出圧力の条件は特に限定されないが、10MPa以上30MPa以下の範囲から設定されることが好ましい。10MPa未満の条件では圧力が低すぎて、焙煎された大麦から充分に香味や色を引き出せない可能性があるが、香味が少なく色の薄い大麦抽出液になったとしても、後述する第一大麦エキスを使用すれば、香ばしい麦茶飲料が得られ、第一大麦エキスと第二大麦エキスを併用すれば、香ばしく色の濃い麦茶飲料が得られる。
[第一大麦エキスの製造方法]
第一大麦エキスとは、上記大麦抽出液に添加されるエキスであり、大麦抽出液と同じブリックスになるように希釈したときに、大麦抽出液よりも強い香味を有する。第一大麦エキスの製造方法は、大麦抽出液の製造方法とほぼ同様の手順で行うことができるが、異なる製造条件を採用することで、得られる第一大麦エキスは、大麦抽出液と同じブリックスになるように希釈したときに、大麦抽出液よりも強い香味を有する。
第一大麦エキスの原料となる大麦の種類は特に限定されず、大麦抽出液の製造に使用できるものと同様の大麦を使用できる。また、第一大麦エキスの製造においては、六条大麦を原料として用いることが好ましい。六条大麦を使用すれば、他の種類の大麦を使用する場合と比較して、香ばしい第一大麦エキスが得られるからである。
第一大麦エキスの製造においては、原料として、焙煎された大麦を使用する。原料の焙煎方法や焙煎条件は特に限定されないが、特に焙煎条件によって、第一大麦エキスの香味が変化するため、第一大麦エキスの香味を大麦抽出液よりも強くするために、以下のようにして大麦の焙煎条件を決定することができる。
焙煎時間を長くすれば、深い焙煎になり、第一大麦エキスの香味をより強くできる傾向にある。焙煎時間は大麦抽出液の製造の場合と同様に、10分以上120分以下の範囲から設定することが好ましいが、焙煎時間を大麦抽出液の製造で採用した条件よりも長い焙煎時間を設定することが好ましい。
焙煎温度を高くすれば、深い焙煎になり、第一大麦エキスの香味をより強くできる傾向にある。焙煎温度は大麦抽出液の製造の場合と同様に、100℃以上400℃以下の範囲から設定することが好ましいが、焙煎温度を大麦抽出液の製造で採用した条件よりも高い焙煎温度を設定することが好ましい。
焙煎された大麦を抽出して、第一大麦エキスを得るが、抽出方法は特に限定されず、大麦抽出液の製造の場合と同様に様々な抽出方法を採用できる。本発明においては、第一大麦エキスの抽出方法として、水蒸気蒸留を採用することが特に好ましい。水蒸気蒸留により抽出された第一大麦エキスは、他の方法で抽出された第一大麦エキスと比較して香味が強くなる傾向にあるからである。また、水蒸気蒸留であれば麦茶飲料の製造コストも抑えられる。
焙煎された大麦の抽出条件は特に限定されないが、抽出の条件によって、第一大麦エキスの香味が変化するため、第一大麦エキスの香味を大麦抽出液よりも強くするために、以下のようにして抽出条件を決定することができる。
抽出温度が高ければ、第一大麦エキスの香味を高められる傾向にある。抽出温度は、大麦抽出液の製造の場合と同様に80℃以上100℃以下の範囲から設定されることが好ましい。より好ましい抽出温度は90℃以上100℃以下である。
抽出時間が長ければ、第一大麦エキスの香味を高められる傾向にある。抽出時間は、大麦抽出液の製造の場合と同様に、20分以上3時間以下の範囲から設定されることが好ましいが、抽出時間を大麦抽出液の製造で採用した条件よりも長い抽出時間に設定することが好ましい。
抽出の際のpHは特に限定されないが、pH4以上pH8以下、特にpH7以上pH8以下の範囲で調整することが好ましい。pHが上記範囲にあれば、抽出効率を上昇させることが可能であるからである。
抽出方法として、液化炭酸ガス抽出等を採用する場合には、抽出圧力が抽出の程度に影響を与える。具体的には抽出圧力が高い方が、焙煎された大麦から香味が抽出されやすい傾向にある。抽出圧力は、大麦抽出液の製造の場合と同様に、10MPa以上30MPa以下の範囲から設定されることが好ましいが、抽出圧力を大麦抽出液の製造で採用した条件よりも高い抽出圧力に設定することが好ましい。
本発明においては、上記の通り、水蒸気蒸留で抽出液を得ることが好ましいが、水蒸気蒸留して得られた抽出液と熱水抽出して得られた抽出液との混合液を第一大麦エキスとすることが好ましい。香味に非常に優れたエキスになり、大麦抽出液が非常に薄いものであったとしても、少量のエキスで麦茶飲料の香味を大幅に改善することができる。また、水蒸気蒸留した後の残渣を熱水抽出してなる抽出液と、水蒸気蒸留で抽出してなる抽出液との混合液にしてもよい。このようにすれば、原料の使用量も抑えられる。なお、水蒸気蒸留で抽出される成分と、熱水抽出で抽出される成分とは異なるため、残渣を使用してもエキスの品質が大きく低下することにはならない。
抽出液のブリックスは特に限定されないが、ブリックスが5以上15以下になるように抽出する。ブリックスが10以下にあることで、充分な香味を大麦抽出液に付与できる傾向にある。なお、ブリックスが10以下の第一大麦エキスが、大麦抽出液添加用香味改善剤にあたる。
[第二大麦エキスの製造]
第二大麦エキスとは、上記大麦抽出液に添加されるエキスであり、大麦抽出液と同じブリックスになるように希釈したときに、大麦抽出液よりも色が濃い。第二大麦エキスの製造方法は、大麦抽出液の製造方法とほぼ同様の手順で行うことができるが、異なる製造条件を採用することで、得られる第二大麦エキスは、大麦抽出液と同じブリックスになるように希釈したときに、大麦抽出液よりも色が濃くなる。
第二大麦エキスの原料となる大麦の種類は特に限定されず、大麦抽出液の製造に使用できるものと同様の大麦を使用できる。また、第二大麦エキスの製造においては、六条大麦を原料として用いることが好ましい。六条大麦を使用すれば、他の種類の大麦を使用する場合と比較して、色が濃い第二大麦エキスが得られるからである。
第二大麦エキスの製造においては、原料として、焙煎された大麦を使用する。原料の焙煎方法は特に限定されないが、焙煎の条件によって、第二大麦エキスの色の濃さが変化するため、第二大麦エキスの色を大麦抽出液よりも濃くするために、以下のようにして大麦の焙煎条件を決定することができる。
焙煎時間を長くすれば、深い焙煎になり、第二大麦エキスの色をより濃くできる傾向にある。焙煎時間は大麦抽出液の製造の場合と同様に、10分以上120分以下の範囲から設定することが好ましいが、焙煎時間を大麦抽出液の製造で採用した条件よりも長い焙煎時間を設定することが好ましい。
焙煎温度を高くすれば、深い焙煎になり、第二大麦エキスの色をより濃くできる傾向にある。焙煎温度は大麦抽出液の製造の場合と同様に、100℃以上400℃以下の範囲から設定することが好ましいが、焙煎温度を大麦抽出液の製造で採用した条件よりも高い焙煎温度を設定することが好ましい。
焙煎された大麦を抽出して、第二大麦エキスを得るが、抽出方法は特に限定されず、大麦抽出液の製造の場合と同様に様々な抽出方法を採用できる。
焙煎された大麦の抽出条件は特に限定されないが、抽出の条件によって、第二大麦エキスの色の濃さが変化するため、第二大麦エキスの色を大麦抽出液よりも濃くするために、以下のようにして抽出条件を決定することができる。
抽出温度が高ければ、第二大麦エキスの色が濃くなる傾向にある。抽出温度は、大麦抽出液の製造の場合と同様に30℃以上60℃以下の範囲から設定されることが好ましいが、抽出温度を、大麦抽出液の製造で採用した条件よりも高い抽出温度に設定することが好ましい。
抽出時間が長ければ、第二大麦エキスの色が濃くなる傾向にある。抽出時間は、大麦抽出液の製造の場合と同様に、20分以上3時間以下の範囲から設定されることが好ましいが、抽出時間を大麦抽出液の製造で採用した条件よりも長い抽出時間に設定することが好ましい。
抽出の際のpHは特に限定されないが、pHが7を超える条件で行うアルカリ抽出であることが好ましい。アルカリ抽出を採用することで、第二大麦エキスの色は非常に濃くなる。好ましいpHは10以上14以下であり、さらに好ましいpHは12以上14以下である。
なお、抽出方法として、液化炭酸ガス抽出等を採用する場合には、抽出圧力が抽出の程度に影響を与える。具体的には抽出圧力が高い方が、焙煎された大麦から色の濃いエキスが抽出されやすい傾向にある。抽出圧力は、大麦抽出液の製造の場合と同様に、10MPa以上30MPa以下の範囲から設定されることが好ましいが、抽出圧力を大麦抽出液の製造で採用した条件よりも高い抽出圧力に設定することが好ましい。
ブリックスの程度は特に限定されないが、ブリックスが15以上になるように調整することが好ましい。ブリックスが15以上であることで、大麦抽出液に麦茶らしい色を付与できる傾向にある。より好ましいブリックスの範囲は、15以上25以下である。ブリックスが15以上であれば、エキスの使用量が少量であっても、色の薄い大麦抽出液に麦茶らしい色を付与することができる。なお、ブリックスが15以上の第二大麦エキスが、大麦抽出液添加用色調補正剤にあたる。
[麦茶飲料の製造]
麦茶飲料の製造は、上記大麦抽出液に対して第一大麦エキスを添加する方法で行われる。第一大麦エキスの添加により、大麦抽出液の香味がさらに強くなり、嗜好性の高い麦茶飲料になる。
また、麦茶飲料の製造は、上記大麦抽出液に対して、第一大麦エキス及び第二大麦エキスを添加する方法で行われる。第一大麦エキス及び第二大麦エキスを添加することで、大麦抽出液の香味が強く、色が濃くなり、より嗜好性の高い麦茶飲料になる。
なお、第一大麦エキスや第二大麦エキスの添加量は、大麦抽出液の薄さや、エキスの濃さ等を考慮して適宜設定するが、第一大麦エキスの添加量は、大麦抽出液100質量部に対して1質量部以上10質量部以下が好ましく、第二大麦エキスの添加量は、大麦抽出液100質量部に対して0.05質量部以上1質量部以下が好ましい。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<大麦抽出液の製造>
焙煎された六条大麦から、抽出温度90〜100℃、抽出時間30分、焙煎大麦の使用量22g/Lの条件で大麦抽出液を熱水抽出した。
<第一大麦エキスの製造方法>
六条大麦として以下の種類の六条大麦を使用した。
六条大麦1
六条大麦2
表1に示す六条大麦を用い、表1に示す抽出方法で抽出液を得て、表1に示すブリックスになるまで抽出液を濃縮して、第一大麦エキスを得た。なお、表1における水蒸気蒸留は抽出温度が95℃、抽出時間が120分である。また、表1における液化炭酸ガス抽出は表1に示すブリックスになるように、抽出圧力、抽出時間を調整した。なお、水蒸気蒸留を行った実施例については、水蒸気蒸留後の残渣を熱水抽出してなる抽出液を加えて第一大麦エキスとした。
<麦茶飲料の製造>
大麦抽出液100質量部に対して、6.3質量部の第一大麦エキスを添加して、麦茶飲料を製造した。麦茶飲料の香味を専門パネルにより評価した。評価結果を表1に示した。評価は以下の基準で行った。なお、焙煎大麦の使用量を50g/Lに変更した以外は上記の大麦抽出液と同様の方法で製造した大麦抽出液(濃)についても香味の評価を行った。この大麦抽出液(濃)は焙煎大麦の使用量が多いため、香味が非常に強い麦茶飲料であった(下記評価では「○」に相当)。また、上記大麦抽出液の香味は平均的な麦茶飲料よりも劣るものであった(下記評価では「×」に相当)。
「○」:非常に強い香味を感じた場合
「△」:平均的な麦茶飲料と同程度の香味を感じた場合
「×」:平均的な麦茶飲料よりも香味が低いと感じた場合
Figure 0006128769
表1に示す通り、六条大麦の種類によらず、第一大麦エキスを使用することで、焙煎大麦の使用量を抑えても、香ばしい麦茶飲料になることが確認された。
<第二大麦エキスの製造>
六条大麦を用い、熱水抽出法(抽出温度50〜55℃、抽出時間150分、pHは表2に示す条件)で抽出液を得て、表2に示すブリックスになるように抽出液を製造した。この抽出液を中和して、第二大麦エキスを得た。
<麦茶飲料の製造>
大麦抽出液100質量部に対して、6.3質量部の第一大麦エキス2、0.5質量部の第二大麦エキスを添加して、麦茶飲料を製造した。麦茶飲料の香味を上記の方法で評価し、麦茶飲料の色を専門パネルにより評価した。評価結果を表2に示した。評価は以下の基準で行った。なお、焙煎大麦の使用量を50g/Lに変更した以外は上記の大麦抽出液と同様の方法で製造した大麦抽出液(濃)についても香味、色の評価を行った。この大麦抽出液(濃)は焙煎大麦の使用量が多いため、非常に色が濃い麦茶飲料であった(下記評価では「○」に相当)。また、上記大麦抽出液の色は平均的な麦茶飲料よりも劣るものであった(下記評価では「×」に相当)。
「○」:平均的な麦茶飲料より色、味が濃く感じた場合
「△」:平均的な麦茶飲料と同程度の色、味であると感じた場合
「×」:平均的な麦茶飲料より薄いと感じた場合
Figure 0006128769
表2に示す通り、第一大麦エキスと第二大麦エキスとを併用することで、焙煎大麦の使用量を少なくしても、香ばしく色の濃い麦茶飲料を製造できることが確認された。

Claims (8)

  1. 焙煎された大麦を抽出してなる大麦抽出液に対して、
    前記大麦抽出液と同じブリックスになるように希釈したときに、前記大麦抽出液よりも強い香味を有する第一大麦エキスを添加する工程を含み、
    前記第一大麦エキスは、焙煎された大麦を80℃以上100℃以下で20分以上3時間以下抽出して得られる大麦エキスであり、
    前記第一大麦エキスは、ブリックスが5以上15以下である、麦茶飲料の製造方法。
  2. 前記第一大麦エキスは、焙煎された大麦を水蒸気蒸留して得られる抽出液と、焙煎された大麦を熱水抽出して得られる抽出液との混合物である請求項1に記載の麦茶飲料の製造方法。
  3. 前記大麦抽出液は、焙煎された六条大麦を抽出してなる抽出液であり、
    前記第一大麦エキスは、焙煎された六条大麦を抽出してなる抽出液である請求項1又は2に記載の麦茶飲料の製造方法。
  4. 前記大麦抽出液は、1Lの水に対して、焙煎された大麦を10g以上100g以下用いて抽出してなる抽出液である請求項1からのいずれかに記載の麦茶飲料の製造方法。
  5. 前記大麦抽出液に対して、
    前記大麦抽出液と同じブリックスになるように希釈したときに、前記大麦抽出液よりも色が濃い第二大麦エキスをさらに添加する工程を含み、
    前記第二大麦エキスは、焙煎された大麦を30℃以上60℃以下で20分以上3時間以下アルカリ抽出して得られる、ブリックスが15以上の大麦エキスである、請求項1からのいずれかに記載の麦茶飲料の製造方法。
  6. 前記大麦抽出液は、1Lの水に対して、焙煎された大麦を10g以上100g以下用いて抽出してなる抽出液である請求項に記載の麦茶飲料の製造方法。
  7. 焙煎された大麦を80℃以上100℃以下で20分以上3時間以下抽出してなる抽出液を、ブリックスが5以上15以下になるように濃縮する大麦抽出液添加用香味改善剤の製造方法。
  8. 焙煎された大麦を30℃以上60℃以下で20分以上3時間以下アルカリ抽出してブリックスが15以上の抽出液を得る工程を含む大麦抽出液添加用色調補正剤の製造方法。
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