JP6126242B2 - プレート構造体および該プレート構造体を含む対象物選別装置 - Google Patents

プレート構造体および該プレート構造体を含む対象物選別装置 Download PDF

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Description

本発明は、細胞等の対象物を担持するプレート構造体および該プレート構造体を含む対象物選別装置に関する。
従来、種々の分野において、大きさや外形(以下、これらを単に形状という場合がある)に応じて対象物を選別する方法が提案されている。選別される対象物としては、大きいものでは錠剤、カプセル、造粒された顆粒などが挙げられ、小さいものでは、バイオ関連技術や医薬の分野で使用される生体由来の細胞等が挙げられる。このように、たとえば細胞を選別して形状を揃えれば、その細胞を用いた各種試験において、試験条件の偏差を小さくすることができる。選別後の細胞は、ハイスループット・スクリーニング(high−throughput screening(HTS))等に供することができる。
しかしながら、たとえば種々の形状を呈する複数の細胞から、試験に適した形状の細胞のみを吸引して選別する作業は困難を極める。
このような問題に鑑みて、特許文献1には、複数の貫通孔を有する所望の厚さのプラテンを作製する方法が開示されている。特許文献1のプラテンは、複数の貫通孔を有し、該貫通孔に細胞等を担持させることにより、所望の大きさの細胞の選別を行い、その後吸引等により細胞を回収する。
しかしながら、特許文献1に記載のプラテンの貫通孔には複数の細胞や夾雑物が担持される場合がある。このような場合、振動等の外力を加えることにより貫通孔に担持された複数の細胞や夾雑物を分離する必要があるが、振動によって、貫通孔に担持されていた細胞が貫通孔から逃れ、プラテンの枠外に移動し、回収できない場合がある。また、プラテンの上面に夾雑物が落下する場合がある。このような場合、夾雑物をプラテンの枠外や貫通孔内に進入させて落下させるために振動等の外力を加えると、貫通孔に担持されていた細胞が貫通孔から逃れ、さらに回収率が低下する場合がある。
特表2009−504161号公報
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、対象物に振動等の外力を加えた場合であっても枠外に移動して回収不能となることがなく、かつ、効率的に微細な夾雑物を除去することができるプレート構造体および該プレート構造体を含む対象物選別装置を提供することができる。
本発明の一局面によるプレート構造体は、液体中に保持された対象物を担持する複数の保持部が形成された上面と、下面と、を有するウェルプレートと、該ウェルプレートの前記上面の周縁に下端が接続され、前記ウェルプレートの外側上方に向かって延設された側周部と、を有し、前記側周部には、前記対象物の径よりも小さな径を有する複数の第1貫通孔が形成されていることを特徴とする。
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
本発明の第1の実施形態のプレート構造体の構成を説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態のプレート構造体の断面図である。 本発明の第1の実施形態のプレート構造体の平面図である。 本発明の第1の実施形態のウェルプレートの斜視図である。 本発明の第1の実施形態の凹部の上面図である。 本発明の第1の実施形態の凹部の断面図である。 表面張力により液面が盛り上がった状態を説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態の側周部に形成された貫通孔を説明するための模式図である。 本発明の第1の実施形態のプレート構造体を、蓋部材の下面側からみた斜視図である。 汎用の吸引ピペットを用いて回収容器に貯留された細胞培養液の液量を増減させる動作を説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態のプレート構造体の構成を説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態のウェルプレートの平面図である。 本発明の第2の実施形態のウェルプレートの断面図である。 本発明の第2の実施形態の板状部材に形成された貫通孔の形状を説明するための模式図である。 本発明の第3の実施形態の対象物選別装置の構成を説明する模式図である。 本発明の変形例の板状部材により仕切られたウェルプレートの上面の模式図である。
<プレート構造体>
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態のプレート構造体について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態のプレート構造体100の構成を説明する模式図である。図2は、本実施形態のプレート構造体100の断面図である。図3は、本実施形態のプレート構造体100の平面図である。
本実施形態のプレート構造体100は、細胞凝集塊や夾雑物を含む細胞培養液(液体)から、サイズに基づいて細胞凝集塊(液体中に保持された対象物)を選別するための部材である。プレート構造体100は、細胞凝集塊を担持する凹部230が形成されたウェルプレート200と、ウェルプレート200に沿い、夾雑物を落下させる貫通孔350が形成された側周部300(傾斜部610〜640)と、側周部300を支持する蓋部材400と、細胞培養液Lm1を貯留する回収容器500と、ウェルプレート200の位置決めを行うための支持部材700とを主に備える。
<ウェルプレート>
図4は、本実施形態のウェルプレート200の斜視図である。ウェルプレート200は、細胞培養液中に保持された細胞凝集塊(スフェロイド spheroid、対象物、図5参照)を担持するための部材であり、上面210と、上面210の反対側の下面220とを有する。上面210には、細胞培養液中に保持された細胞凝集塊を担持するための複数の凹部230(保持部)が形成されている。担持された細胞凝集塊は、たとえば外部に付設された位相差顕微鏡等の撮像装置(観察手段、図15参照)により観察することができる。ウェルプレート200に細胞凝集塊を担持させる方法については第3の実施形態の対象物選別装置の説明において後述する。
ウェルプレート200の形状としては特に限定されず、たとえば凹部230に担持された細胞凝集塊を外部に付設された位相差顕微鏡等の撮像装置(図15参照)により下方から観察する際に、位相差顕微鏡の焦点を合わせ易い点から、扁平な形状であることが好ましい。ウェルプレート200の大きさとしては特に限定されず、後述する側周部300の下端320により画定される下端側開口650の大きさや、後述する支持部材700の大きさに基づいて適宜決定される。また、ウェルプレート200の高さとしては特に限定されず、上面210の水平位置が、後述する側周部300に形成される貫通孔350が形成された位置と同じか下になる高さであればよい。本実施形態のウェルプレート200は、高さが0.1mm、1.0mm四方の扁平な直方体の形状を備える。このような直方体の形状のウェルプレート200の上面210は、4つの側周縁(側周縁211、側周縁212、側周縁213および側周縁214)を有する矩形形状を備える。これら4つの側周縁211〜214にそれぞれ沿うように、後述する側周部300を構成する4つの傾斜部610〜640が配設されている。
ウェルプレート200の材質としては特に限定されず、細胞凝集塊の状態を容易に確認し得る点から、透光性材料であることが好ましい。透光性材料としては特に限定されないが、たとえば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。より具体的には、透光性材料として、ポリエチレン樹脂;ポリエチレンナフタレート樹脂;ポリプロピレン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;シクロオレフィンコポリマー;含ノルボルネン樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリエチレンナフタレート樹脂;セロファン;芳香族ポリアミド樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;フェノキシ樹脂;ブチラール樹脂;ポリビニルアルコール;エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;シリコーン樹脂;ポリ乳酸等が挙げられる。ほかにも、ウェルプレート200の材質としては、無機系材料、たとえば金属アルコキシド、セラミック前駆体ポリマー、金属アルコキシドを含有する溶液をゾル−ゲル法により加水分解重合してなる溶液またはこれらの組み合わせを固化した無機系材料、たとえばシロキサン結合を有する無機系材料(ポリジメチルシロキサンなど)やガラスが挙げられる。本実施形態のウェルプレート200は、アクリル製である。
ウェルプレート200には、細胞凝集塊を担持するための、上面210側から下面220側にかけて窪んだ形状の凹部230が複数形成されている(対象物を担持する複数の保持部)。そのため、ウェルプレート200は、たとえば吸引チップを装着した吸引ピペットにより細胞凝集塊を含む細胞培養液を上方から滴下させることにより(図15参照)、各々の凹部230に細胞凝集塊を落下させて担持することができる。
図5および図6を参照して、凹部230の形状をより具体的に説明する。図5は、本実施形態の凹部230の上面図である。図6は、本実施形態の凹部230の断面図である。凹部230は、上面210側から下面220側にかけて窪んだ略椀状の形状を備えており、中心にはウェルプレート200の上面210側から下面220側にかけて貫通する貫通孔240(上面側から下面側にかけて貫通する第2貫通孔)が形成されている。また、複数の凹部230は、ハニカム状に配列されている。このように複数の凹部230は、ハニカム状に密に配列されているため、1枚あたりのウェルプレート200に形成することのできる凹部230の数が多くなり、面積効率がよい。
細胞培養液をウェルプレート200の上方より滴下すると、細胞培養液に含まれる細胞凝集塊は、ウェルプレート200の上面210に形成された凹部230に落下するか、後述する側周部300に沿ってウェルプレート200の上面210に形成された凹部230に落下する(図8参照)。この際、凹部230には1個の細胞凝集塊が担持されるべきところ、複数の細胞凝集塊が1個の凹部230に担持されたり、細胞凝集塊以外の夾雑物が1個の凹部230に合わせて担持される場合がある。図5及び図6には、1個の凹部230mに3個の細胞凝集塊(細胞凝集塊Cmおよび細胞凝集塊Cn)と1個の夾雑物Cxが担持された場合が例示されている。しかしながら、本実施形態では、後述する振動発生装置(図15参照)をプレート構造体100に付設することにより、ウェルプレート200に振動を加えることができ、これにより細胞凝集塊Cnや夾雑物Cxを分離することができる。その際、夾雑物Cxは、凹部230に形成された貫通孔240から落下して除去される。ほかにも夾雑物Cxは、後述する側周部300に形成された貫通孔350から落下して除去される(図8参照)。また、分離された細胞凝集塊は、たとえば何も担持されていない隣接する他の凹部230に落下して担持されるか、後述する側周部300の傾斜部610〜640にまで浮遊し、該傾斜部610〜640の傾斜面611〜641に沿ってウェルプレート200の上面210に再び落下し、凹部230に担持される(図3、図8参照)。この際、再び1つの凹部230に複数の細胞凝集塊が担持される場合があるが、その場合には、1個の細胞凝集塊が凹部230に担持されるまで再度振動等の外力を加えればよい。本実施形態のウェルプレート200には、複数の凹部230がハニカム状に密に配列されているため、凹部230mの周囲は、6個の凹部230nにより取り囲まれている。そのため、凹部230mから分離される細胞凝集塊Cnは、隣り合う6個の凹部230nのいずれかに容易に分離されやすい。その結果、細胞凝集塊は、1個だけが凹部230mに担持されることとなり、回収不能となることがない。
凹部230の形状としては特に限定されず、上面210側から下面220側にかけて窪んだ形状であればよく、たとえば略椀状に形成されていてもよく、逆錐台状等に形成されていてもよい。本実施形態では、略椀状に形成された凹部230が例示されている。
貫通孔240の径としては特に限定されず、担持すべき細胞凝集塊の最小径よりも小さければよい。細胞凝集塊は略球形であり、その最小径は0.05〜0.1mm程度である。そのため、貫通孔240の径は、たとえば0.008mm〜0.05mmであればよい。また、貫通孔240の個数は特に限定されず、1個であってもよく、複数であってもよい。さらに、貫通孔240の深さは特に限定されず、ウェルプレート200の強度等を考慮して適宜設定される。本実施形態では、径が0.04mmであり、深さが0.05mmの円柱状の貫通孔240が凹部230の中心に1個形成されている場合が例示されている。このような貫通孔240が形成された凹部230によれば、細胞凝集塊よりも小さな径の夾雑物は、凹部230に担持されることなく貫通孔240を通過して落下する。また、貫通孔240の径は細胞凝集塊の径よりも小さいため、細胞凝集塊は、貫通孔240に嵌まり込みにくく、変形しにくい。
<側周部>
図1〜図3に戻り、側周部300は、ウェルプレート200の上面210の側周縁211〜214に沿って配置される部材であり、上方より落下する細胞凝集塊がウェルプレート200上に落下するよう促すとともに、夾雑物を排除するために設けられている。側周部300は、上端310と、下端320とを有する。上端310は、蓋部材400に一体化されており、これにより上端310は蓋部材400に支持されている。下端320は、ウェルプレート200の上面210の4つの側周縁211〜214(図4参照)に沿う。側周部300は、ウェルプレート200の上面210の4つの側周縁211〜214よりも外側斜め上方に傾斜して配置される。側周部300は、ウェルプレート200の上面210の4つの側周縁211〜214を取り囲む4つの傾斜部(傾斜部610、傾斜部620、傾斜部630および傾斜部640)を有する。
4つの傾斜部610〜640の各々は、ウェルプレート200の外側斜め上方に傾斜した傾斜面(傾斜面611、傾斜面621、傾斜面631および傾斜面641)を有する。4つの傾斜面611〜641の各々は、上端(上端611u、上端621u、上端631uおよび上端641u)と、上端の反対側の下端(下端611d、下端621d、下端631dおよび下端641d)と、上端と下端との間の一対の側端(右側端611rおよび左側端611l、右側端621rおよび左側端621l、右側端631rおよび左側端631lおよび右側端641rおよび左側端641l、)とを有する。4つの傾斜面611〜641の各々の上端611u〜641uは、後述する蓋部材400の中心に形成された矩形状の開口の内周縁411〜414と接続されており、ウェルプレート200の上面210よりも面積の大きな矩形状の上端側開口410を画定している。4つの傾斜面611〜641の各々の下端611d〜641dは、ウェルプレート200の上面210の4つの側周縁211〜214に沿い、ウェルプレート200の上面210よりも面積の小さな矩形状の下端側開口650を画定している。傾斜面611の右側端611rは、隣接する傾斜面621の左側端621lと繋がっている。同様に、傾斜面621の右側端621rは、傾斜面631の左側端631lと、傾斜面631の右側端631rは、傾斜面641の左側端641lと、傾斜面641の右側端641rは、傾斜面611の左側端611lとそれぞれ繋がっている。これにより、傾斜部610〜640は、ウェルプレート200の上面210の外側斜め上方において、上面210側から下面220側にかけて徐々に開口面積が狭くなる逆四角錐台形状を成している。側周部300がこのような形状であるため、傾斜部610〜640のいずれかの傾斜面611〜641に落下した細胞凝集塊は、傾斜面611〜641のいずれかに沿って四方からウェルプレート200の上面210に落下し、凹部230に保持される。
また、このような傾斜面611〜641の各々は、ウェルプレート200の上面210の側周縁211〜214よりも外側斜め上方に傾斜しているため、たとえば凹部230に担持された細胞凝集塊を回収するために上方から吸引ピペット(吸引装置)の吸引チップ(ノズル)等を接近させる際や、吸引後にノズル等を退避させる際に干渉しにくい。その結果、このようなプレート構造体100によれば、該プレート構造体100を組み込んだ対象物選別装置(図15参照)のレイアウトの自由度が増す。
また、ウェルプレート200を細胞培養液に浸漬する場合、細胞培養液Lm1の液面は、側周部300との接触位置が表面張力により盛り上がる。図7は、表面張力により液面が盛り上がった状態を説明する模式図であり、図7(a)は、比較のために示す、鉛直方向に形成された側周部300x近傍の液面Sxを説明する模式図であり、図7(b)は本実施形態の傾斜した傾斜面(たとえば傾斜面611)を有する傾斜部(たとえば傾斜部610)近傍の液面Sを説明する模式図である。たとえば外部に付設された位相差顕微鏡M(観察手段)等で凹部230に担持された細胞凝集塊Cを下方から観察すると、側周部300が鉛直方向に形成されている場合には(図7(a)参照)、位相差顕微鏡Mの観察視野内に表面張力により細胞培養液Lm1の液面Sxが盛り上がった箇所が含まれる。この盛り上がった箇所によるレンズ効果により透過光量にムラが生じ、視野の明るさが一定でなくなる可能性がある。また、鉛直方向に形成された側周部300の近傍に形成される盛り上がり箇所の高さd1は比較的大きくなる。一方、本実施形態のように、傾斜面611を有する傾斜部610では(図7(b)参照)、位相差顕微鏡Mの観察視野内に表面張力により液面Sが盛り上がった箇所が含まれにくいため、レンズ効果による透過光量のムラが生じにくく、視野の明るさが一定に保たれやすい。また、傾斜面611は傾斜されているため、傾斜部610の近傍の液面Sにおける表面張力の影響が小さく、盛り上がり箇所の高さd2は高さd1に比べて小さくなり、レンズ効果がより一層弱められる。その結果、本実施形態のプレート構造体100によれば、凹部230に担持された細胞凝集塊Cを観察する際の観察精度が向上する。
側周部300の説明に戻り、図8は、側周部300に形成された貫通孔350を説明するための模式図である。側周部300を構成する4つの傾斜部610〜640の各々には、表面330側から裏面340側にかけて貫通する複数の貫通孔350が形成されている。複数の貫通孔350の各々の径は、細胞凝集塊の最小径よりも小さい(対象物の径よりも小さな径を有する複数の第1貫通孔)。ここで、たとえば選別前の細胞培養液Lm1に細胞凝集塊Cと該細胞凝集塊Cよりも径が小さな夾雑物Cxが含まれる場合において、細胞培養液Lm1を側周部300に沿うように滴下させる場合を規定する。この場合、細胞培養液Lm1中の夾雑物Cxは、側周部300に沿ってウェルプレート200の上面210に向かって落下する際に、貫通孔350に捉えられ、貫通孔350から落下する。また、仮に傾斜部610〜640の貫通孔350から落下せずに凹部230に落下したとしても、夾雑物Cxは、凹部230に形成された貫通孔240から落下する。図8において、夾雑物Cx1は、側周部300の傾斜部610に形成された貫通孔350から落下する夾雑物を示している。夾雑物Cx2は、凹部230に形成された貫通孔240から落下する夾雑物を示している。さらに、細胞凝集塊が側周部300に沿ってウェルプレート200の上面210に落下する際には、貫通孔350の径は細胞凝集塊の径よりも小さいため、細胞凝集塊は、貫通孔350から落下せず、ウェルプレート200の凹部230に保持される。細胞凝集塊Caは、傾斜部610に形成された貫通孔350から落下せず凹部230に落下する細胞凝集塊を示している。本実施形態では、細胞凝集塊Cは略球形であり、その最小径は0.05〜0.1mm程度である。そのため、貫通孔350の径は、たとえば0.008mm〜0.05mmであればよい。
貫通孔350の形状としては特に限定されず、円柱状であってもよく、角柱状であってもよく、表面330側から裏面340側にかけて徐々に開口面積が狭くなるテーパ状であってもよい。本実施形態では、円柱状の貫通孔350が例示されている。
貫通孔350の数としては特に限定されず、複数であればよい。また、複数の貫通孔350の配列方法については特に限定されず、それぞれの傾斜部610〜640において規則的な配列方法に基づいて形成されていてもよく、不規則的な配列方法に基づいて形成されていてもよい。本実施形態では、複数の貫通孔350は、マトリクス状に配列されている。より具体的には、複数の貫通孔350は、それぞれの傾斜部610〜640において縦125個×横375個の計46875個が配列されている。そのため、夾雑物は、いずれの傾斜部610〜640に沿ってウェルプレート200の上面210に落下する場合であっても、これら複数の貫通孔350に捉えられやすく、排除されやすい。
また、貫通孔350の配置については特に限定されず、傾斜部610〜640の下端611d〜641d側に配置されていてもよく、上端611u〜641u側に配置されていてもよく、これらの中央付近に配置されていてもよく、全体にわたって配置されていてもよい。本実施形態では、貫通孔350は、傾斜部610〜640の下端611d〜641d側に配置されている。これにより、後述する回収容器500に貯留される細胞培養液Lm1の量が少ない場合であっても、貫通孔350は細胞培養液Lm1の液面に浸される。
図9は、プレート構造体100を、後述する蓋部材400の下面442(図2参照)側からみた斜視図である。支持部材700は、4つの位置決め部(位置決め部710、720、730および740)を含む。位置決め部710〜740は、側周部300に対するウェルプレート200の位置を定めるための部材であり、側周部300の略矩形状の下端320の四隅に対応する位置に設けられている。位置決め部710は、断面がL字状の突片であり、傾斜部610の裏面612と傾斜部620の裏面622との境界となる角部を跨ぐように取り付けられた一端711と、一端711の反対側の他端712とを有する。位置決め部710の内側には角部713が形成されており、角部713には、ウェルプレート200の四隅の角の1つ(角261)が突き当てられる。同様に、位置決め部720は傾斜部620と傾斜部630との境界となる角部に取り付けられており、ウェルプレート200の角262が突き当てられる角部723を備える。位置決め部730は傾斜部630と傾斜部640との境界となる角部に取り付けられており、ウェルプレートの角263が突き当てられる角部733を備える。位置決め部740は傾斜部640と傾斜部610との境界となる角部に取り付けられており、ウェルプレートの角264が突き当てられる角部743を備える。
また、ウェルプレート200は、角261〜264がそれぞれ位置決め部710〜740に突き当てられることにより位置決めされるとともに、その上面210の周縁部分が側周部300の下端320と接着される。これにより、ウェルプレート200は、側周部300に対して位置が定めされる。また、位置決め部710〜740の各々の内側には、ウェルプレート200の角261〜264の近傍を接着して固定するための2つの突部(位置決め部710の場合、突部714)が形成されている。これら突部により角261〜264の近傍が接着されることにより、ウェルプレート200は、より強固に位置決めされる。ウェルプレート200の上面210と下端320とを接着する接着方法は特に限定されず、汎用の接着剤により接着されてもよく、熱等により溶着されてもよい。なお、突部は必須ではなく、省略されてもよい。
位置決め部710〜740の各々の高さd3としては特に限定されず、後述する蓋部材400により回収容器500の開口を覆った状態において、位置決め部710〜740の各々の他端(位置決め部710の場合、他端712)が回収容器500の内底面511から離間される高さであればよい。本実施形態では、位置決め部710〜740の各々の高さd3は10.4mmである。
隣り合う位置決め部(たとえば位置決め部710と位置決め部720)との距離d4としては特に限定されず、位置決めされるウェルプレート200の縦横の寸法に基づいて適宜設定される。本実施形態では、位置決め部710の角部713と位置決め部720の角部723との距離d4は、26.0mmとなるよう調整されている。
なお、図9に示されるように、4つの傾斜部610〜640の各々の裏面には、後述する回収容器500(図2参照)に細胞培養液Lm1を貯留した際に細胞培養液Lm1の量を知るための目盛部660が形成されている。目盛部660は、所定の間隔ごとに水平方向に複数の目盛661が刻まれている。各々の目盛661の間には、より細かな補助目盛が刻まれている。目盛661は、貯留される細胞培養液Lm1の量を示しており、所定の幅d5ごとに付されている。幅d5としては特に限定されず、たとえば貯留される細胞培養液Lm1の容積に換算して1mL刻みとなるよう付されている。
<蓋部材>
図1〜図3に戻り、蓋部材400は、後述する回収容器500の開口の、側周部300とウェルプレート200によって覆われる部分以外の部分を覆う円板状の部材である。蓋部材400は、中心に矩形状の開口(上端側開口410)が形成されている。この上端側開口410を画定する4つの内周縁(内周縁411、内周縁412、内周縁413および内周縁414)には、4つの傾斜部610〜640の各々の上端611u〜641uが一体的に繋がっている。これにより、蓋部材400は側周部300の上端310と一体化されており、側周部300を支持している(回収容器の前記開口を覆い、前記側周部を支持する蓋部材)。なお、蓋部材400の形状は円板状に限定されず、たとえば矩形(正方形、長方形等)であってもよい。蓋部材400の形状は、後述する回収容器500の形状に合わせて適宜選択される。
蓋部材400の外径は、回収容器500の外径よりもわずかに大きい。また、蓋部材400の外周縁420には、下方に長さd6分だけ延設された周状の縁部430が形成されている。蓋部材400は、回収容器500の側壁部520の上端521を蓋部材400の下面442と接触させることにより、回収容器500の開口を覆うことができるとともに、回収容器500により支持される。この際、周状の縁部430は、回収容器500の側壁部520の外側の一部を覆う。これにより、蓋部材400は、回収容器500に取り付けられる。本実施形態では、後述する回収容器500の外径が54.5mmであり、蓋部材400の外径は、これよりもわずかに大きく59.5mmである。また、蓋部材400の外周縁420に延設された周状の縁部430の長さd6は9.0mmである。
蓋部材400は、上面441側から下面442側にかけて貫通する差込孔450を有する。差込孔450には、回収容器500に貯留される細胞培養液の量を増減させるための、吸引チップを装着した吸引ピペット(液量調整手段)が差し込まれる。図10は、汎用の吸引ピペットPを用いて回収容器500に貯留された細胞培養液Lm1の液量を増減させる動作を説明する模式図である。ユーザによりプッシュボタンPbが吸引方向(矢印A1方向)に引き上げられることにより、吸引チップTの管状通路Tp内に細胞培養液Lm1が吸引され、回収容器500内の細胞培養液Lm1が減量される。その結果、回収容器500に貯留された細胞培養液Lm1の液面が下げられる。ユーザによりプッシュボタンPbが吐出方向(矢印A2方向)に押し下げられることにより、吸引チップTの管状通路Tp内に予め貯留されていた細胞培養液Lm1が吐出され、回収容器500内の細胞培養液Lm1が増量される。その結果、回収容器500に貯留された細胞培養液Lm1の液面が上げられる。このように、差込孔450が設けられていることにより、プレート構造体100は、たとえばウェルプレート200の凹部230の上方から吸引チップTを接近させて細胞培養液Lm1を吸引または吐出して液量を増減させる必要がない。そのため、凹部230に担持された細胞凝集塊の近傍に液流を発生させることがない。その結果、凹部230に細胞凝集塊を安定に保持させたまま、容易に細胞培養液Lm1の液量を調整することができる。また、差込孔450が設けられていることにより、プレート構造体100は、たとえば細胞培養液Lm1の吸引と吐出とを繰り返すことで、ウェルプレート200上への液流を引き起こし、細胞凝集塊を再分散させることもできる。
<回収容器>
図2に戻り、回収容器500は、ウェルプレート200と側周部300とを収容する容器である。回収容器500は、内底面511を有する底部510と、底部510の周縁に立設された側壁部520とを有し、上部が開口した円筒形状を備えている。
本実施形態において、側壁部520の高さd7は、蓋部材400により回収容器500の開口が覆われた状態において、傾斜部610〜640に形成された貫通孔350の位置よりも高くなるよう調整されている。これにより、回収容器500に細胞培養液Lm1を貯留する際に、細胞培養液Lm1の液面を、傾斜部610〜640に形成された貫通孔350の位置よりも高くすることができる。そのため、回収容器500に細胞培養液Lm1を貯留すると、細胞培養液Lm1の液面は、まず、ウェルプレート200の下面220側から上面210側へ上昇し、凹部230の貫通孔240の内部を満たし、その後、ウェルプレート200全体を浸す。さらに液面が上昇されると、傾斜部610〜640に形成された貫通孔350を浸す高さに到達する。このように、蓋部材400により回収容器500の開口が覆われた状態において、細胞培養液Lm1を回収容器500に貯留させると、細胞培養液Lm1は、ウェルプレート200を完全に浸し、かつ、傾斜部610〜640に形成された貫通孔350を浸すことができる。そのため、たとえばウェルプレート200の上方から細胞凝集塊や夾雑物を落下させた場合に、仮に夾雑物が凹部230に担持されたとしても、振動等の外力を加えることにより、貯留された細胞培養液Lm1中に夾雑物を浮遊させて傾斜部610〜640に到達させ、その後、貫通孔350から落下させることができる(図8参照)。本実施形態の回収容器500の側壁部520の高さd7は、12.5mmである。
底部510の内底面511は、蓋部材400により回収容器500の開口が覆われた状態において、ウェルプレート200の下面220と長さd8分だけ離間されている。そのため、傾斜部610〜640の貫通孔350から落下した夾雑物や、凹部230に形成された貫通孔240から落下した夾雑物は、回収容器500の内底面511に落下する(図8参照)。そのため、回収容器500によれば、これらの夾雑物をまとめて回収し廃棄しやすい。本実施形態において、蓋部材400により回収容器500の開口が覆われた状態における底部510の内底面511とウェルプレート200の下面220との離間距離d8は、1mm程度に設定されている。なお、離間距離d8の調整は、回収容器500の側壁部520の高さを調整することにより行う場合のほか、ウェルプレート200の高さや支持部材700の高さを調整することにより行うことができる。
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態のプレート構造体100aについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図11は、本実施形態のプレート構造体100aの構成を説明する模式図である。図12は、本実施形態のウェルプレート200aの平面図である。図13は、本実施形態のウェルプレート200aの断面図である。
本実施形態のプレート構造体100aは、径の異なる複数の細胞凝集塊(第1の径を有する複数の第1対象物と、第1の径よりも小さい第2の径を有する複数の第2対象物)を別々に担持することのできるウェルプレート200aを備えている。なお、本実施形態のプレート構造体100aは、ウェルプレート200aに形成された凹部の形状が異なり、かつ、ウェルプレート200aの上面210aを仕切る板状部材800がさらに備えられている以外は、第1の実施形態において上記したプレート構造体100と同様である。そのため、重複する構成については同一の参照符号を付して説明を適宜省略する。
<ウェルプレート>
ウェルプレート200aは、細胞培養液中に保持された径の異なる複数の細胞凝集塊を担持するための部材であり、上面210aと、上面210aの反対側の下面220aとを有する。上面210aには、径の異なる複数の細胞凝集塊を担持するための複数の凹部が形成されている。本実施形態のウェルプレート200aは、板状部材800により上面210aが略二等分され、2つの領域(第1領域R1および第2領域R2)に分けられている。第1領域R1の面積と第2領域R2の面積とは略同じである。第1領域R1には、径の異なる複数の細胞凝集塊のうち、第1の径Rpを有する第1細胞凝集塊Cp(第1の径を有する第1対象物)が保持される第1凹部230p(各々が第1の径に応じたサイズを有し、第1対象物の各々を担持する第1保持部)が形成されている。また、第2領域R2には、径の異なる複数の細胞凝集塊のうち、第2の径Rqを有する第2細胞凝集塊Cq(第1の径よりも小さい第2の径を有する複数の第2対象物)が保持される複数の第2凹部230q(各々が第2の径に応じたサイズを有し、第2対象物の各々を担持する第2保持部)が形成されている。第2の径Rqは、第1の径Rpよりも小さい。
第1細胞凝集塊Cpの第1の径Rpとしては特に限定されず、第1細胞凝集塊Cpの種類や培養条件等により適宜決定される。本実施形態の第1細胞凝集塊Cpの第1の径Rpは、たとえば0.2mm〜0.5mmである。本実施形態では、第1の径Rpが0.4mmの第1細胞凝集塊Cpが例示されている。
第2細胞凝集塊Cqの第2の径Rqとしては、第1の径Rpよりも小さければ特に限定されず、第2細胞凝集塊Cqの種類や培養条件等により適宜決定される。本実施形態の第2細胞凝集塊Cqの第2の径Rqは、たとえば0.04mm〜0.2mmである。本実施形態では、第2の径Rqが0.18mmの第2細胞凝集塊Cqが例示されている。
第1凹部230pは、上面210a側から下面220a側にかけて窪んだ略椀状に形成されている。複数の第1凹部230pは、ウェルプレート200aの上面210aの第1領域R1においてハニカム状に密に配列されている。第1凹部230pの開口の大きさとしては、第1細胞凝集塊Cpのサイズに応じた大きさであることが好ましい。本実施形態の第1凹部230pの開口の大きさは、たとえば最大径を0.32mm〜0.64mmに設定することができる。本実施形態の第1凹部230pの大きさは、0.54mmである。
第2凹部230qは、上面210a側から下面220a側にかけて窪んだ略椀状に形成されている。複数の第2凹部230qは、ウェルプレート200aの上面210aの第2領域R2においてハニカム状に密に配列されている。第2凹部230qの開口の大きさとしては第1凹部230pの開口の大きさよりも小さく、かつ、第2細胞凝集塊Cqのサイズに応じた大きさであることが好ましい。本実施形態の第2凹部230qの開口の大きさは、たとえば最大径を0.14mm〜0.32mmに設定することができる。本実施形態の第2凹部230qの大きさは、0.32mmである。
第1凹部230pの開口の径は、第2凹部230qの開口の径よりも大きい。そのため、第2領域R2にハニカム状に配列された第2凹部230qの数は、第1領域R1にハニカム状に配列された第1凹部230pの数よりも多い。その結果、ウェルプレート200aは、1枚あたりに担持できる第2細胞凝集塊Cqの数を、1枚あたりに担持できる第1細胞凝集塊Cpの数よりも多くすることができ、たとえば多くの第2細胞凝集塊Cqを選別する用途において、面積効率や作業効率が向上する。
<板状部材>
板状部材800は、ウェルプレート200aの上面210aに立設された扁平な直方体状の部材であり、ウェルプレート200aの上面210aを第1領域R1および第2領域R2に仕切る。板状部材800は、上端810と、上端810の反対側であってウェルプレート200aの上面210aと接触する下端820と、上端810と下端820との間の一対の側端(右側端830rおよび左側端830l)とを有する。
板状部材800をウェルプレート200aの上面210aに立設する方法としては特に限定されず、たとえば板状部材800の下端820をウェルプレート200aの上面210aに接着させて立設することができる。あるいは、対向する傾斜部610および傾斜部630の各々に嵌め込み溝615および嵌め込み溝635を形成し、該嵌め込み溝615および嵌め込み溝635に左側端830lおよび右側端830rの各々を嵌め込んでウェルプレート200aの上面210aに立設することができる。本実施形態では、板状部材800は、対向する傾斜部610および傾斜部630に板状部材800の厚みと同幅の嵌め込み溝615および嵌め込み溝635をそれぞれ形成し、該嵌め込み溝615および嵌め込み溝635に左側端830lおよび右側端830rの各々を嵌め込むことによりウェルプレート200aの上面210aに立設されている。
板状部材800の厚みとしては特に限定されず、強度等を考慮して適宜設定される。本実施形態の板状部材800の厚みは、0.5mmである。
板状部材800の高さとしては特に限定されず、回収容器500に貯留される細胞培養液Lm1の液面の高さや傾斜部610〜640に形成される貫通孔350の水平位置に基づいて適宜決定される。本実施形態の板状部材800は、傾斜部610〜640に形成された貫通孔350の水平高さがウェルプレート200aの上面210aに対して13mmであり、板状部材800の高さが14mmである。
板状部材800は、厚み方向に貫通する複数の貫通孔840を備える。図14は、板状部材800に形成された貫通孔840の形状を説明するための模式図であり、図14(a)は第1領域R1側からみた板状部材800の側面図であり、図14(b)は板状部材800の厚み方向の断面図である。該貫通孔840によれば、板状部材800により仕切られた第1領域R1と第2領域R2とが連通されている(板状部材800により仕切られた複数の領域間を結ぶ第3貫通孔)。
貫通孔840の各々は、第1領域R1側に開口した一端側開口841と、第2領域R2側に開口した他端側開口842とを有し、テーパ状通路843と直線状通路844とからなる。テーパ状通路843は、一端側開口841が形成された一端843sと、直線状通路844の一端844sに接続された他端843tとを有する円錐台状の管路である。テーパ状通路843は、一端843sから他端843tにかけて開口面積が徐々に狭くなるよう形成されている。直線状通路844は、テーパ状通路843の他端843tと接続される一端844sと、他端側開口842が形成された他端844tとを有する内径が一定の円柱状管路である。他端側開口842の径は、第1細胞凝集塊Cpの第1の径Rpよりも小さく、第2細胞凝集塊Cqの第2の径Rqよりも大きい。そのため、たとえば第1領域R1側に第1細胞凝集塊Cpと第2細胞凝集塊Cqとを含む細胞培養液が滴下された場合において、振動等の外力を加えることにより、第1細胞凝集塊Cpと第2細胞凝集塊Cqとは細胞培養液中を浮遊して板状部材800に形成された貫通孔840に到達する。しかしながら、貫通孔840の径(他端側開口842の径)は、第1細胞凝集塊Cpの第1の径Rpよりも小さく、第2細胞凝集塊Cqの第2の径Rqよりも大きいため、第1細胞凝集塊Cpは貫通孔840を通過することができず、第1領域R1側に残留し、第1凹部230pに落下して担持される。一方、第2細胞凝集塊Cqは、テーパ状通路843に沿って貫通孔840を通過し、第2領域R2側に到達し、第2凹部230qに落下して担持される。その結果、本実施形態のウェルプレート200aによれば、第1細胞凝集塊Cpおよび第2細胞凝集塊Cqは、それぞれサイズに基づいて選別される。なお、本実施形態の板状部材800は、第1領域R1側の一端から第2領域R2側の他端にかけて開口面積が徐々に狭くなるテーパ状通路843を備えているため、第2細胞凝集塊Cqは、第1領域R1から第2領域R2へは移動されやすいが、第2領域R2から第1領域R1へは容易に移動できない。そのため、このようなテーパ状通路843を備える貫通孔840が形成された本実施形態の板状部材800によれば、第1細胞凝集塊Cpと第2細胞凝集塊Cqとの選別精度が優れる。また、貫通孔840は、直線状通路844が省略されてもよい。すなわち、貫通孔840は、テーパ状通路843のみから構成されてもよい。この場合、テーパ状通路843の他端843tは、他端側開口842として機能する。
以上、本実施形態のプレート構造体100aによれば、板状部材800によりウェルプレート200aの上面210aが第1領域R1と第2領域R2とに仕切られており、第1領域R1および第2領域R2には、それぞれ第1細胞凝集塊Cpを担持する第1凹部230pと第2細胞凝集塊Cqを担持する第2凹部230qとが形成されている。板状部材800には貫通孔840が形成されており、該貫通孔840によれば、第1細胞凝集塊Cpは通過されずに第1領域R1の第1凹部230pに担持され、第2細胞凝集塊Cqは通されて第2領域R2の第2凹部230qに担持される。そのため、本実施形態のプレート構造体100aによれば、1つのウェルプレート200aを使用して、細胞凝集塊を、サイズに基づいて選別することができる。
(第3の実施形態)
<対象物選別装置>
次に、上記したプレート構造体を備える対象物選別装置について説明する。本実施形態では、一例として、第1の実施形態において上記したプレート構造体100を備える対象物選別装置900について説明する。
図15は、本実施形態の対象物選別装置900の構成を説明する模式図である。本実施形態の対象物選別装置900は、細胞凝集塊(図5参照)を担持するウェルプレート200を備えるプレート構造体100と、プレート構造体100が載置されるステージ910と、ステージ910に載置されたプレート構造体100に備えられたウェルプレート200に振動を加える振動発生装置920(振動発生手段)と、プレート構造体100から上方に離間して配置され、凹部230に担持される細胞凝集塊に対して上方より照射光を照射するコンデンサ930(照射手段)と、プレート構造体100の下方に配置され、凹部230に担持される細胞凝集塊を下方より観察する撮像装置940(観察手段)と、撮像装置940に付設された表示装置941と、凹部230に担持される細胞凝集塊を吸引するための吸引チップ950と、吸引のための吸引力を発生させる吸引ピペット960と、吸引ピペット960を上下に移動させる移動装置970(駆動手段)とを備える。プレート構造体100は、蓋部材400により回収容器500の開口が覆われており、回収容器500には細胞培養液が貯留されている。貯留された細胞培養液の液面の水平位置は、側周部300(傾斜部610〜640)に形成された貫通孔350の位置よりも高く、貫通孔350およびウェルプレート200は、細胞培養液中に浸漬されている。なお、コンデンサ930および撮像装置940は、それぞれ倒立位相差顕微鏡の照明系および撮像系を構成する装置である。
ステージ910は、プレート構造体100の係合突起101(図1参照)を係合させてプレート構造体を保持する円形ホルダ(図示せず)を備える水平な扁平な板状の架台である。ステージ910には、手動または自動によりプレート構造体100を前後、左右へ移動するための位置調整機構(図示せず)が備えられている。当該位置調整機構により、ステージ910に載置されたプレート構造体100は、吸引対象となる細胞凝集塊が担持された凹部230の上方にコンデンサ930が配置され、下方に撮像装置940が配置されるよう位置が調整される。これにより、コンデンサ930の光源からの照射光は、吸引対象となる細胞凝集塊を担持する凹部230の上方より照射され、下方の撮像装置940に入射する。
コンデンサ930は、ステージ910に載置されるプレート構造体100の上方に、プレート構造体100と離間して配置され、凹部230に担持される細胞凝集塊に対して上方より照射光を照射するために設けられている。コンデンサ930は、略円筒状の筐体を備え、該筐体内に図示しない光源(ハロゲンランプ(6V30W))、コレクターレンズ、リングスリット、開口絞りおよびコンデンサレンズを含む。光源としては特に限定されず、ハロゲンランプ以外にも、たとえば、タングステンランプ、水銀ランプ、キセノンランプ、発光ダイオード(LED)等を使用することが可能である。リングスリットは、円環状の孔の開いた遮光板であり、コンデンサ930の開口絞りの位置に組み込まれている。コンデンサ930内の光源より照射された照射光は、コレクターレンズ、リングスリットの孔、開口絞り、コンデンサレンズを通過し、凹部230に担持された細胞凝集塊に照射され、その後、撮像装置940に入射する。
撮像装置940は、ステージ910に載置されるプレート構造体100の下方に配置され、凹部230に担持された細胞凝集塊を下方より観察するために設けられている。撮像装置940は、図示しない位相差用対物レンズ、対物レンズの射出絞り(レンズ光学系)、位相板、接眼レンズの視野絞り、接眼レンズ、撮像素子であるCCD(電荷結合素子 Charge Coupled Device)イメージセンサ、画像処理部および表示装置941を備える。位相板は、リング状の半透明の板状部材であり、通過する光の強度を減弱させ、位相を1/4だけ遅らせる。CCDイメージセンサは、受光面に形成された光像を電気的な画像データ信号に変換する。画像処理部は、必要に応じて画像データにガンマ補正やシェーディング補正などの画像処理を施す。表示装置941は、画像処理後の画像データを表示する。ユーザは、表示装置941に表示された画像を観察する。細胞凝集塊によって回折された照射光は、位相差用対物レンズに入射され、結像される。このとき、大部分の照射光は位相板以外を通るため、その位相は1/4波長遅れたままとなる。直接光と回折光とが同じ位相になり、干渉により強め合う結果、細胞凝集塊が明るく観察される。
本実施形態において、コンデンサ930および撮像装置940の各構成部品の配置は、ケーラー照明系となるよう調整される。すなわち、照射光に関して、光源、開口絞り、対物レンズの射出絞りが共役点に配置されており、標本の像に関して、視野絞り、細胞凝集塊(試料)、接眼レンズの視野絞り、CCDイメージセンサの受光面が共役点になるよう配置される。ケーラー照明系では、光源の像を開口絞り位置につくり、視野絞りの像を標本面につくることにより、標本である細胞凝集塊Cをムラなく明るく照明する。また、視野絞りと開口絞りを独立して機能させることができるため、標本面の光の量や範囲を調整できる。
吸引ピペット960は、吸引力を発生できる管状部材であり、凹部230に担持された細胞凝集塊を吸引するための吸引チップ950が接続される。吸引ピペット960が吸引力を発生すると、吸引チップ950の管状通路に吸引力が発生され、吸引口から細胞凝集塊が吸引されて回収される。吸引ピペット960は、移動装置970に接続して使用され、移動装置970により駆動が制御され、上下移動される。
吸引チップ950は、L字状に屈曲した形状を有しており、先端部951が略鉛直方向となり、後端部952が側方へ延び出す横姿勢となるよう吸引ピペット960と接続される。そのため、上記したコンデンサ930および撮像装置940の各構成部品の配置が、ケーラー照明系となるよう調整される場合において、これらの配置を維持しつつ、コンデンサ930とプレート構造体100との間に先端部951とを配置することができる。その結果、移動装置970をコンデンサ930からの照射光を遮る位置に配置することなく、プレート構造体100の斜め上方に配置することができるとともに、コンデンサ930とプレート構造体100との間の間隙に先端部951を配置させることができる。なお、コンデンサ930とプレート構造体100との間の間隙に先端部951を進入させる方法としては特に限定されず、たとえばステージ910を前後、左右方向に移動させる方法を採用することができる。
移動装置970は、吸引ピペット960を横姿勢で接続でき、接続した吸引ピペット960を横姿勢を維持した状態で上下移動させるための装置であり、ステージ910の斜め上方に配置される。移動装置970は、吸引ピペット960が接続された本体部971と、本体部971が走行するガイド部972とを備える。本体部971は、略直方体形状の筐体内に、本体部971を上下方向に移動させることにより吸引ピペット960を上下移動させるモータ(図示せず)と、該モータを制御するコントローラ(図示せず)と、吸引ピペット960に吸引力を発生させるシリンジポンプ(図示せず)とを備える。本体部971の筐体の外側には、シリンジポンプにより吸引力が発生される吸引口であって吸引ピペット960と接続される接続口(図示せず)が形成されている。ガイド部972には直線歯車(ラック)が設けられており、本体部971には、円形歯車(ピニオン)が設けられている。コントローラにより制御されたモータが駆動されることにより、本体部971はガイド部972を走行する。なお、モータは、本体部971を上下移動させる以外に、たとえば撮像装置940の対物レンズの被写界深度内に吸引チップ950の吸引口が捉えられるよう本体部971を前後、左右方向にも移動させて、吸引装置の較正(キャリブレーション)を行うことができる。較正は、吸引チップ950の交換時や、装置立ち上げ時等に適宜行われる。
次に、本実施形態の対象物選別装置900を用いて細胞凝集塊を選別する方法について具体的に説明する。
まず、細胞培養液を貯留したプレート構造体100の上方より、たとえば細胞凝集塊や夾雑物(図5参照)を含む細胞培養液Lm2が滴下される。細胞培養液Lm2の滴下は、吸引チップTaを装着した吸引ピペットPaにより行うことができる。滴下された細胞培養液Lm2に含まれる細胞凝集塊や夾雑物は、プレート構造体100のウェルプレート200の凹部230に担持される。凹部230に担持された細胞凝集塊や夾雑物は、撮像装置940により観察され、表示装置941に表示される。
このとき、1個の凹部230に、複数の細胞凝集塊(細胞凝集塊および細胞凝集塊)や夾雑物が担持される場合がある(図5参照)。そこで、本実施形態の対象物選別装置900は、このような場合に、ステージ910に載置されたプレート構造体100内に保持されたウェルプレート200に振動を加える振動発生装置920により振動を発生させて、1個の細胞凝集塊のみが凹部230に担持されるように細胞凝集塊や夾雑物を分離する。具体的には、第1の実施形態において図5を参照して上記したとおり、振動発生装置920によりプレート構造体100に振動が加えられると、細胞凝集塊は、たとえば隣の空の凹部230や側周部300へ分離される。側周部300にまで分離された細胞凝集塊は、側周部300の貫通孔350(細胞凝集塊の径よりも小さい)から落下することなく側周部300に沿って再びウェルプレート200の上面210に落下し、凹部230に落下する。なお、再び落下した凹部230に、すでに細胞凝集塊が担持されている場合には、空の凹部230に担持されるまで振動を加え続けるか、すでに凹部230に担持された細胞凝集塊を後述する方法により一旦回収し、再度振動を加えて空になった凹部230に細胞凝集塊を落下させる。これにより、細胞凝集塊は、回収不能となることなく回収される。なお、夾雑物は、凹部230の貫通孔240から回収容器500の内底面511に落下するか、側周部300まで分離された場合には側周部300に形成された貫通孔350から回収容器500の内底面511に落下する。その結果、凹部230には1個の細胞凝集塊のみが担持され、夾雑物は効率的に除去される。
凹部230に1個の細胞凝集塊(細胞凝集塊)が担持されたことが撮像装置940およびこれに付設された表示装置941により確認されると、細胞凝集塊は、吸引チップ950を備えた吸引ピペット960により吸引される。具体的には、本体部971の下方向への移動により、細胞凝集塊が担持された凹部230に、吸引チップ950が下方向へ挿入されて、吸引口が細胞凝集塊に近づけられる。細胞凝集塊の位置と吸引口の位置とは撮像装置940の表示装置941に表示されるため、吸引口は、位置が確認されながら正確に細胞凝集塊に近づけられる。コンデンサ930からの照射光は、先端部951以外に遮られることがないため、細胞凝集塊は充分な照射光の下で観察される。
その後、対象物選別装置900は、移動装置970のシリンジポンプ(図示せず)を駆動させ、吸引チップ950の管状通路内に吸引力を発生させて、吸引口から細胞凝集塊を吸引する。この際、表示装置941には、凹部230の状況(細胞凝集塊の有無)が表示されるため、回収の成否が容易に判別できる。
最後に、対象物選別装置900は、本体部971を上方向または斜め上方へ移動させ、凹部230から先端部951を引き上げる。対象物選別装置900は、吸引した細胞凝集塊(細胞凝集塊)を、プレート構造体100と同じステージ910上に隣接された回収用プレート(図示せず)に吐出し、選別を完了する。
以上、本実施形態の対象物選別装置900によれば、振動発生装置920によりステージ910に載置されたプレート構造体100のウェルプレート200に振動を加えることができ、仮にウェルプレート200の凹部230に複数の細胞凝集塊が担持されていたり、細胞凝集塊以外の夾雑物も担持されている場合であっても、凹部230に1個の細胞凝集塊のみが担持されるようこれらを分離することができる。その結果、本実施形態の対象物選別装置900によれば、目的とする1個の細胞凝集塊のみを適切に選別することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば次のような変形実施形態を採用することができる。
(1)上記実施形態では、凹部に担持される対象物として細胞凝集塊を例示した。本発明は、これに代えて、錠剤、カプセル、造粒された顆粒等や、バイオ関連技術や医薬の分野で使用される生体由来の細胞等を対象物としてもよい。
なお、本発明では、生体由来の細胞を対象物とすることが好ましく、生体由来の細胞凝集塊を対象物とすることがより好ましい。本発明のプレート構造体を使用して適切に分離された生体由来の細胞は、バイオ関連技術や医薬の分野において利用でき、各種実験等において信頼性の高い結果が得られる。
また、生体由来の細胞凝集塊は、1個の細胞を用いて得た試験結果よりも、細胞凝集塊の内部に各細胞間の相互作用を考慮した生体類似環境が再構築されており、個々の細胞の機能を考慮した結果が得られ、かつ、実験条件を、より生体内における環境に即した条件に揃えることができるため、再生医療分野や抗がん剤等の医薬品の開発分野において重要とされている。細胞凝集塊の具体例としては、たとえば、BxPC−3(ヒト膵臓腺癌細胞)のようなセルラインや生体からの検体の細胞、胚性幹細胞(ES細胞)、人工多能性幹細胞(iPS細胞)等が挙げられる。一般にこのような細胞凝集塊は、個々の細胞が数個〜数十万個凝集して形成されている。本発明のプレート構造体を使用して適切に分離された生体由来の細胞凝集塊は、バイオ関連技術や医薬の分野(再生医療分野や抗がん剤等の医薬品の開発分野を含む)において利用でき、バイオ関連技術や医薬の分野(再生医療分野や抗がん剤等の医薬品の開発分野を含む)において信頼性の高い結果が得られる。
(2)上記実施形態では、細胞凝集塊が細胞培養液に保持される場合を例示した。これに代えて、本発明のプレート構造体は、細胞凝集塊を保持する液体として、細胞凝集塊の性状を劣化させないものを適宜使用することができる。代表的な液体としては、たとえば基本培地、合成培地、イーグル培地、RPMI培地、フィッシャー培地、ハム培地、MCDB培地、血清などの培地のほか、冷凍保存前に添加するグリセロール、セルバンカー(十慈フィールド(株)製)等の細胞凍結液、ホルマリン、蛍光染色のための試薬、抗体、精製水、生理食塩水などを挙げることができる。また、細胞凝集塊に合わせた培養保存液を用いることができる。たとえば、細胞凝集塊がBxPC−3(ヒト膵臓腺癌細胞)である場合には、RPMI−1640培地に牛胎児血清FBS(Fetal Bovine Serum)を10%混ぜたものに、必要に応じて抗生物質、ピルビン酸ナトリウムなどのサプリメントを添加したものを用いることができる。
(3)上記実施形態では、傾斜部に平面状の傾斜面が形成されている場合を例示した。これに代えて、本発明のプレート構造体は、傾斜面の形状は平面状以外の形状であってもよく、たとえば凹面状や凸面状であってもよい。
(4)上記実施形態では、4つの傾斜部は、各々の上端により矩形状の上端側開口を画定し、各々の下端により矩形状の下端側開口を画定することにより、逆錐台状の空間を規定するよう配置される場合を例示した。これに代えて、本発明のプレート構造体は、傾斜部の配置については特に限定されず、各々の上端により円形の上端側開口を画定し、各々の下端により円形の下端側開口を画定することにより、逆円錐台状の空間を規定してもよく、他の逆錐台状の空間を規定するよう配置してもよい。
(5)上記実施形態では、ウェルプレートの上面に、上面側から下面側にかけて窪んだ凹部が形成されている場合を例示した。これに代えて、本発明のプレート構造体は、保持部として、ウェルプレートの上面側から下面側にかけて開口面積が徐々に小さくなる逆円錐台状の貫通孔を形成してもよい。この場合、保持部は、下面側の開口の大きさを、対象物の最小径よりも大きく設定し、かつ、夾雑物の最大径よりも大きくなるよう設計すれば、対象物を担持しつつ、夾雑物を落下させることができる。
(6)上記実施形態(第2の実施形態)では、板状部材に貫通孔が形成されており、この貫通孔に第2細胞凝集塊を通過させて、第1細胞凝集塊と第2細胞凝集塊とを選別する場合を例示した。これに代えて、本発明のプレート構造体は、板状部材に貫通孔を形成する必要はない。この場合、板状部材は、ウェルプレートの上面を2つの領域に仕切るための部材として使用される。板状部材により仕切られた複数の領域には、それぞれ別々の種類の細胞凝集塊を滴下し、保持部に担持させることができる。
(7)上記実施形態(第2の実施形態)では、1枚の平板状の板状部材によりウェルプレートの上面を二等分して2つの領域に仕切る場合を例示した。これに代えて、本発明のプレート構造体は、複数の板状体を用いて3つ以上の領域に仕切ってもよく、仕切られた領域の面積に差を設けてもよい。図16は、板状部材により仕切られたウェルプレートの上面の模式図である。図16(a)は、4枚の平板状の板状部材(板状部材800a、板状部材800b、板状部材800cおよび板状部材800d)により4つの領域(領域R1a、領域R2a、領域R3aおよび領域R4a)に仕切られた上面250aの模式図である。図16(b)は、2枚の平板状の板状部材(板状部材800eおよび板状部材800f)により2つの領域(領域R1bおよび領域R2b)に仕切られた上面250bの模式図である。図16(c)は、1枚の平板状の板状部材800gにより2つの領域(領域R1cおよび領域R2c)に仕切られた上面250cの模式図である。図16(d)は、4枚の平板状の板状部材(板状部材800h、板状部材800i、板状部材800jおよび板状部材800k)により2つの領域(領域R1dおよび領域R2d)に仕切られた上面250dの模式図である。
図16(a)に示されるように、4枚の平板状の板状部材800a〜800dにより上面250aを4つの領域R1a〜R4aに仕切る場合、たとえば種類の異なる4種類の細胞凝集塊を各々の領域R1a〜R4aに担持することができる。この場合、板状部材800a〜800dの各々に、厚み方向に貫通する貫通孔(図示せず)を形成し、板状部材800a〜800dの順に、徐々に各々の板状部材800a〜800dに形成された貫通孔の径を狭めることにより、領域R1a〜R4aにはサイズの異なる4種類の細胞凝集塊を担持することができる。なお、板状部材800aに最も径の大きな貫通孔を設ける場合、細胞凝集塊を含む細胞培養液は、領域R4aに滴下されることが好ましい。
図16(b)に示されるように、2枚の平板状の板状部材800eおよび板状部材800fにより上面250bを2つの領域R1bおよび領域R2bに仕切る場合において、一方の領域(たとえば領域R1b)の面積を他方の領域(たとえばR2b)の面積よりも大きくなるように調整することにより、たとえば種類やサイズの異なる2種類の細胞凝集塊を各々の領域R1bおよび領域R2bに担持することができるとともに、一方の領域R1bには他方の領域R2bよりも多くの細胞凝集塊を担持させることができる。
図16(c)に示されるように、1枚の平板状の板状部材800gにより上面250cを2つの領域R1cおよび領域R2cに仕切る場合において、一方の領域(たとえば領域R1c)の面積を他方の領域(たとえば領域R2c)の面積よりも大きくなるように調整することにより、たとえば種類やサイズの異なる2種類の細胞凝集塊を各々の領域R1cおよび領域R2cに担持することができるとともに、一方の領域R1cには他方の領域R2cよりも多くの細胞凝集塊を担持させることができる。
図16(d)に示されるように、4枚の平板状の板状部材800h〜800kにより上面250dを2つの領域R1dおよび領域R2dに仕切る場合、たとえば種類やサイズの異なる2種類の細胞凝集塊を各々の領域R1dおよびR2dに担持することができる。この際、選別前の細胞培養液に多くの夾雑物が含まれる場合には、このような細胞培養液は、たとえば内側の領域R2dに滴下されることが好ましい。この場合、夾雑物は、容器を回転させる等の振動を加えることにより外側に向かって移動し、側周壁の貫通孔(図示せず)から除去されやすい。なお、このように上面250dを2つの領域R1dおよび領域R2dに仕切る場合、図16(d)に示されるように4枚の平板状の盤上部材800h〜800kを使用して上面250dを仕切る態様のほか、円筒状の板状部材を設けて領域を仕切ってもよい。この場合も、内側の領域に細胞培養液を滴下し、容器を回転させる等の振動を加えることにより、夾雑物を外側へ移動させて側周壁の貫通孔から除去することができる。
(8)上記実施形態では、側周部に上面側から下面側に貫通する貫通孔が形成されている場合を例示した。これに代えて、本発明のプレート構造体は、たとえば側周壁に矩形状の開口を設け、該開口を覆うようにメッシュ部材を貼り付けることにより、側周壁に貫通孔を形成した場合と同様の効果を奏することができる。特に、夾雑物の粘性が高い場合には、このような夾雑物は貫通孔を詰まらせやすい。そのため、側周壁に貫通孔を形成する場合よりも、メッシュ部材を貼り付けて使用することにより、詰まりが生じるたびに交換することができる。また、選別すべき対象物の径や、夾雑物の径に合わせてメッシュサイズを変更することができ、利便性がよい。
上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面によるプレート構造体は、液体中に保持された対象物を担持する複数の保持部が形成された上面と、前記上面の反対側の下面と、を有するウェルプレートと、上端と、前記ウェルプレートの前記上面の周縁に沿う下端とを有し、前記ウェルプレートの前記上面の前記周縁よりも外側斜め上方に傾斜した側周部と、を有し、前記側周部は、前記対象物の径よりも小さな径を有する複数の第1貫通孔を備えることを特徴とする。
このように、本発明のプレート構造体は、液体中に保持された対象物を担持する複数の保持部が形成された上面と、上面の反対側の下面と、を有するウェルプレートを備える。また、プレート構造体は、上端と、前記ウェルプレートの前記上面の周縁に沿う下端とを有し、前記ウェルプレートの前記上面の前記周縁よりも外側斜め上方に傾斜した側周部を有する。そのため、仮に細胞等の微小かつ軽量な対象物をウェルプレートの上方から落下させた場合において、対象物が浮遊しながら落下したとしても、対象物は、ウェルプレート上に直接落下するか、側周部に沿ってウェルプレート上に落下する。そのため、対象物は保持部に保持されやすい。また、保持部に複数の対象物が保持された場合には、たとえば振動等の外力を加えることにより、これら複数の対象物を分離することができる。この際、分離された対象物は、再びウェルプレート上に直接落下するか、側周部に沿ってウェルプレート上に落下するため、回収不能となることがない。さらに、側周部は、ウェルプレートの外側斜め上方に傾斜した姿勢で配置されているため、たとえばこのウェルプレートを液体中に浸漬し、外部に付設された位相差顕微鏡等の観察手段で保持部に担持された対象物を観察する際に、表面張力による液面の変形量が小さくなり、透過光量への影響が緩和され、観察精度が向上する。また、プレート構造体は、側周部に、対象物の径よりも小さな径を有する複数の第1貫通孔を備える。そのため、対象物とは別に微小な夾雑物が含まれる場合であっても、このような夾雑物は、たとえば振動等の外力を加えることにより、保持部やウェルプレートの上面から除去され、側周部に形成された第1貫通孔から落下する。また、振動等の外力が加えた際に、仮に対象物が保持部から逃れたとしても、対象物は、第1貫通孔から落下せず、再びウェルプレートの保持孔に保持される。その結果、プレート構造体は、所望の対象物のみを回収しやすい。
上記構成において、前記ウェルプレートの前記上面は、4つの側周縁を備える矩形形状を備え、前記側周部は、前記ウェルプレートの前記上面の側周縁を取り囲む4つの傾斜部を有し、前記4つの傾斜部の各々は、前記ウェルプレートの外側斜め上方に傾斜した傾斜面を有し、該傾斜面は、上端と、前記ウェルプレートの前記上面の前記側周縁に沿う下端と、前記上端と前記下端との間の一対の側端と、を有し、前記4つの傾斜部の各々の前記側端は、隣り合う他の前記傾斜部の前記側端と繋がっていることが好ましい。
このような構成によれば、ウェルプレートの上面は、4つの側周縁を備える矩形形状を備え、側周部は、ウェルプレートの上面の側周縁を取り囲む4つの傾斜部を有する。4つの傾斜部の各々は、ウェルプレートの外側斜め上方に傾斜した傾斜面を有し、該傾斜面は、上端と、ウェルプレートの上面の側周縁に沿う下端と、上端と下端との間の一対の側端と、を有し、ウェルプレートの外側斜め上方に傾斜した姿勢で配置され、4つの傾斜部の各々の側端は、隣り合う他の傾斜部の側端と繋がっている。そのため、傾斜部の傾斜面に落下した対象物は、傾斜面に沿って四方からウェルプレートの上面に落下し、保持部に保持されやすい。また、このような傾斜部の傾斜面は、たとえば保持部に担持された対象物を回収するために上方から吸引装置のノズル等を接近させる際や、吸引後にノズル等を退避させる際に干渉しにくい。その結果、このようなプレート構造体によれば、該プレート構造体を組み込んだ装置のレイアウトの自由度が増す。
上記構成において、前記複数の第1貫通孔は、前記側周部においてマトリクス状に形成されているが好ましい。
このような構成によれば、複数の第1貫通孔は、側周部においてマトリクス状に形成されている。そのため、側周部において夾雑物が第1貫通孔より効率よく落下する。
上記構成において、前記複数の保持部の各々は、前記上面側から前記下面側にかけて貫通する第2貫通孔を備え、前記第2貫通孔の径は、前記対象物の径よりも小さいことが好ましい。
このような構成によれば、複数の保持部の各々は、上面側から下面側にかけて貫通する第2貫通孔を備える。第2貫通孔の径は、対象物の径よりも小さい。そのため、このような第2貫通孔からは、対象物は落下せずに担持され、夾雑物だけが落下する。
上記構成において、前記ウェルプレートの前記上面に立設され、前記上面を各々が前記保持部を備える複数の領域に仕切る板状部材をさらに含むことが好ましい。
このような構成によれば、プレート構造体は、ウェルプレートの上面に立設され、上面を複数の領域に仕切る板状部材をさらに含む。そのため、プレート構造体は、板状部材により仕切られた複数の領域間で、たとえば異なる種類やサイズの対象物を分別できる。その結果、対象物は、種類やサイズに基づいて選別される。
上記構成において、前記板状部材は、該板状部材により仕切られた前記複数の領域間を結ぶ第3貫通孔を備えることが好ましい。
このような構成によれば、板状部材は、該板状部材により仕切られた複数の領域間を結ぶ第3貫通孔を備える。そのため、プレート構造体は、板状部材により仕切られた複数の領域間で、たとえば異なるサイズの対象物を分別できる。その結果、対象物は、たとえばサイズに基づいて選別される。
上記構成において、前記対象物は、第1の径を有する複数の第1対象物と、前記第1の径よりも小さい第2の径を有する複数の第2対象物とを含み、前記複数の保持部は、各々が前記第1の径に応じたサイズを有し、前記複数の第1対象物の各々を担持する複数の第1保持部と、各々が前記第2の径に応じたサイズを有し、前記複数の第2対象物の各々を担持する複数の第2保持部とを含み、前記複数の領域は、前記第1保持部が形成された第1領域と、前記第2保持部が形成された第2領域とを含み、前記第3貫通孔の径は、前記第1の径よりも小さく前記第2の径よりも大きいことが好ましい。
このような構成によれば、対象物は、第1の径を有する複数の第1対象物と、第1の径よりも小さい第2の径を有する複数の第2対象物とを含む。複数の保持部は、各々が第1の径に応じたサイズを有し、複数の第1対象物の各々を担持する複数の第1保持部と、各々が第2の径に応じたサイズを有し、複数の第2対象物の各々を担持する複数の第2保持部とを含む。複数の領域は、第1保持部が形成された第1領域と、第2保持部が形成された第2領域とを含む。第3貫通孔の径は、第1の径よりも小さく第2の径よりも大きい。そのため、プレート構造体は、板状部材により仕切られた第1領域と第2領域とにおいて、それぞれ第1対象物と第2対象物とを分別することができる。その結果、対象物は、サイズに基づいて選別される。
上記構成において、前記複数の保持部の各々は、上部が開口しており、前記上面側から前記下面側にかけて窪んだ凹部であり、前記第2保持部の上部の開口面積は、前記第1保持部の上部の開口面積よりも小さく、前記第2領域に形成された前記第2保持部の数は、前記第1領域に形成された前記第1保持部の数よりも多いことが好ましい。
このような構成によれば、複数の保持部の各々は、上部が開口しており、上面側から下面側にかけて窪んだ凹部である。第2保持部の上部の開口面積は、第1保持部の上部の開口面積よりも小さい。第2領域に形成された第2保持部の数は、第1領域に形成された第1保持部の数よりも多い。そのため、ウェルプレートは、第2対象物を多く担持することができるとともに、第2保持部を密に配置することができ、面積効率や作業効率が向上する。
上記構成において、プレート構造体は、前記液体を貯留するとともに、側周部とウェルプレートとを収容し、上面が開口した回収容器と、回収容器の開口を覆い、側周部を支持する蓋部材とをさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、プレート構造体は、液体を貯留するとともに、側周部とウェルプレートとを収容し、上面が開口した回収容器と、回収容器の開口を覆い、側周部を支持する蓋部材とをさらに備える。そのため、たとえば第1貫通孔から落下した夾雑物は、回収容器に回収される。その結果、夾雑物を廃棄しやすい。
上記構成において、前記蓋部材は、前記開口の、前記側周部と前記ウェルプレートとによって覆われる部分以外の部分を覆うものであって、平板状であり、前記側周部の前記上端を支持することが好ましい。
このような構成によれば、蓋部材は、開口の、側周部とウェルプレートとによって覆われる部分以外の部分を覆うものであって、平板状であり、側周部の上端を支持する。そのため、蓋部材により回収容器の開口を覆う際には、蓋部材を回収容器に載せるだけでよく、取扱性がよい。
上記構成において、前記回収容器は、内底面を有する底部と、該底部の周縁に立設された側壁部とを有し、前記側壁部の高さは、前記蓋部材により前記回収容器の前記開口が覆われた状態において、前記第1貫通孔の位置よりも高いことが好ましい。
このような構成によれば、回収容器は、内底面を有する底部と、該底部の周縁に立設された側壁部とを有する。側壁部の高さは、蓋部材により回収容器の開口が覆われた状態において、第1貫通孔の位置よりも高い。そのため、たとえば回収容器には、第1貫通孔の位置よりも高い位置まで液体を貯留することができる。その結果、夾雑物は、液体中を浮遊して第1貫通孔から落下しやすい。
上記構成において、前記底部の前記内底面は、前記蓋部材により前記回収容器の前記開口が覆われた状態において、前記ウェルプレートの前記下面と離間されていることが好ましい。
このような構成によれば、底部の前記内底面は、蓋部材により回収容器の開口が覆われた状態において、ウェルプレートの下面と離間されている。そのため、第1貫通孔から落下した夾雑物は、回収容器の内底面に落下される。また、仮に保持部に第2貫通孔が形成されている場合には、第2貫通孔を落下した夾雑物も、回収容器の内底面に落下される。これらの夾雑物は、回収容器の内底面に落下されているため、まとめて回収しやすく廃棄しやすい。
上記構成において、前記蓋部材は、前記回収容器に貯留された前記液体の量を増減させるための液量調整手段が差し込まれる差込孔を有することが好ましい。
このような構成によれば、蓋部材は、容器に貯留された液体の量を増減させるための液量調整手段が差し込まれる差込孔を有する。そのため、このような差込孔からたとえば吸引ピペットを差し込んで液体を供給したり、吸引することができる。この場合、ウェルプレートの上方より吸引ピペットの吸引チップを接近させる場合よりも、ウェルプレートの保持部に担持された対象物に液流等の影響を及ぼすことなく容易に液量を調整することができる。
上記構成において、前記対象物が、生体由来の細胞であることが好ましい。
この構成によれば、対象物が生体由来の細胞である。そのため、本発明のプレート構造体を使用して適切に分離された細胞は、バイオ関連技術や医薬の分野において利用し得る。
上記構成において、前記対象物が、生体由来の細胞凝集塊であることが好ましい。
生体由来の細胞凝集塊は、1個の細胞を用いて得た試験結果よりも、細胞凝集塊の内部に各細胞間の相互作用を考慮した生体類似環境が再構築されており、個々の細胞の機能を考慮した結果が得られ、かつ、実験条件を、より生体内における環境に即した条件に揃えることができるため、再生医療分野や抗がん剤等の医薬品の開発分野において重要とされている。そのため、本発明のプレート構造体を使用して適切に分離された細胞凝集塊は、バイオ関連技術や医薬の分野(再生医療分野や抗がん剤等の医薬品の開発分野を含む)において利用し得る。
本発明の他の一局面による対象物選別装置は、上記プレート構造体と、プレート構造体を振動させる振動発生手段とを含む。
このような構成によれば、プレート構造体のウェルプレートに振動を加えることができ、仮に凹部の底部に複数の対象物が担持されていたり、対象物以外の夾雑物も担持されている場合であっても、対象物を分離させやすい。

Claims (16)

  1. 液体中に保持された対象物を担持する複数の保持部が形成された上面と、前記上面の反対側の下面と、を有するウェルプレートと、
    上端と、前記ウェルプレートの前記上面の周縁に沿う下端とを有し、前記ウェルプレートの前記上面の前記周縁よりも外側斜め上方に傾斜した側周部と、を有し、
    前記側周部は、前記対象物の径よりも小さな径を有する複数の第1貫通孔を備える、プレート構造体。
  2. 前記ウェルプレートの前記上面は、4つの側周縁を備える矩形形状を備え、
    前記側周部は、前記ウェルプレートの前記上面の側周縁を取り囲む4つの傾斜部を有し、
    前記4つの傾斜部の各々は、前記ウェルプレートの外側斜め上方に傾斜した傾斜面を有し、
    該傾斜面は、上端と、前記ウェルプレートの前記上面の前記側周縁に沿う下端と、前記上端と前記下端との間の一対の側端と、を有し、
    前記4つの傾斜部の各々の前記側端は、隣り合う他の前記傾斜部の前記側端と繋がっている、請求項1記載のプレート構造体。
  3. 前記複数の第1貫通孔は、前記側周部においてマトリクス状に形成されている、請求項1または2記載のプレート構造体。
  4. 前記複数の保持部の各々は、前記上面側から前記下面側にかけて貫通する第2貫通孔を備え、
    前記第2貫通孔の径は、前記対象物の径よりも小さい、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプレート構造体。
  5. 前記ウェルプレートの前記上面に立設され、前記上面を各々が前記保持部を備える複数の領域に仕切る板状部材をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプレート構造体。
  6. 前記板状部材は、該板状部材により仕切られた前記複数の領域間を結ぶ第3貫通孔を備える、請求項5記載のプレート構造体。
  7. 前記対象物は、第1の径を有する複数の第1対象物と、前記第1の径よりも小さい第2の径を有する複数の第2対象物とを含み、
    前記複数の保持部は、
    各々が前記第1の径に応じたサイズを有し、前記複数の第1対象物の各々を担持する複数の第1保持部と、
    各々が前記第2の径に応じたサイズを有し、前記複数の第2対象物の各々を担持する複数の第2保持部とを含み、
    前記複数の領域は、前記第1保持部が形成された第1領域と、前記第2保持部が形成された第2領域とを含み、
    前記第3貫通孔の径は、前記第1の径よりも小さく前記第2の径よりも大きい、請求項6に記載のプレート構造体。
  8. 前記複数の保持部の各々は、上部が開口しており、前記上面側から前記下面側にかけて窪んだ凹部であり、
    前記第2保持部の上部の開口面積は、前記第1保持部の上部の開口面積よりも小さく、
    前記第2領域に形成された前記第2保持部の数は、前記第1領域に形成された前記第1保持部の数よりも多い、請求項7記載のプレート構造体。
  9. 前記液体を貯留するとともに、前記側周部と前記ウェルプレートとを収容し、上面が開口した回収容器と、
    前記回収容器の前記開口を覆い、前記側周部を支持する蓋部材とをさらに備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載のプレート構造体。
  10. 前記蓋部材は、平板状であり、前記開口の、前記側周部と前記ウェルプレートとによって覆われる部分以外の部分を覆うものであって、前記側周部を前記上端において支持する、請求項9記載のプレート構造体。
  11. 前記回収容器は、内底面を有する底部と、該底部の周縁に立設された側壁部とを有し、
    前記側壁部の高さは、前記蓋部材により前記回収容器の前記開口が覆われた状態において、前記第1貫通孔の位置よりも高い、請求項8〜10のいずれか1項に記載のプレート構造体。
  12. 前記底部の前記内底面は、前記蓋部材により前記回収容器の前記開口が覆われた状態において、前記ウェルプレートの前記下面と離間されている、請求項11記載のプレート構造体。
  13. 前記蓋部材は、前記回収容器に貯留された前記液体の量を増減させるための液量調整手段が差し込まれる差込孔を有する、請求項8〜12のいずれか1項に記載のプレート構造体。
  14. 前記対象物が、生体由来の細胞である、請求項1〜13のいずれか1項に記載のプレート構造体。
  15. 前記対象物が、生体由来の細胞凝集塊である、請求項14記載のプレート構造体。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載のプレート構造体と、該プレート構造体を振動させる振動発生手段とを含む、対象物選別装置。
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