JP6123148B1 - ロープ方向変換器 - Google Patents
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Abstract
Description
図1に建築物の改修工事現場で用いられる従来の簡易クレーンの設置例を示す。仮設足場1の上段の建枠部材2の前側の縦枠2Aに、複数のクランプ3を用いて基部支柱4が着脱自在に締結されており、この基部支柱4に前方へ延設されたブラケット5が装着されている。ブラケット5の前端には滑車取り付け部6を介して荷揚げ滑車7が懸吊されている。仮設足場1の地上近くに設置されたウインチ8から巻き出されたワイヤロープ9が荷揚げ滑車7に巻き掛られたのち下方に垂下されて先端に吊りフック10が装着されている。吊りフック10には玉掛けワイヤ11と、介錯ロープ12が掛装されている。地上の作業員Aはリモコン13により、ウインチ8からワイヤロープ9を巻き出させて玉掛けワイヤ11を地上近くに下ろし、吊り荷としての荷揚げ資材(足場部材)14に玉掛けする。そして、リモコン13によりウインチ8を稼動しワイヤロープ9を巻き取らせ、地上から仮設足場1の上の段のステージの高さに荷揚げし、ウインチ8を止める。仮設足場1の上の段のステージの作業員Bは荷揚げされた荷揚げ資材14を足場内に取り込む。荷揚げ中、地上の作業員Aは介錯ロープ12を操作して吊り荷の振れを抑える。
なお、簡易クレーン本体40の締結金具42、支軸44は補助具50の締結金具52、支軸54と同一部材であり、簡易クレーン本体40の基部支柱41と補助具50の基部支柱51は同じ断面寸法の角パイプから形成されている。従って、簡易クレーン本体40が装着された縦枠31Aの内、簡易クレーン本体40の下側に補助具50の基部支柱51を装着する際の向きを調節することで、ブラケット43の旋回軸C’とウインチ側シーブ支持部材53の旋回軸(ウインチ側シーブ56の旋回軸)Cを一致させることができるようになっている(図6、図7参照)。
図2に示す如く、予めビティ仮設足場30の最上部の前側に、鉛直方向に配設された縦枠31Aの上端近くに簡易クレーン本体40が前向きの状態で締結金具42により締結済みであり、同じ縦枠31Aの内、簡易クレーン本体40に近接した下側に補助具50が前向きの状態で装着済みであるとする。この補助具50は、ブラケット43の旋回軸C’とウインチ側シーブ56の旋回軸Cが一致するように装着されているものとする。簡易クレーン本体40のブラケット43とウインチ側シーブ56は、左右に各々90乃至120度の範囲で旋回可能としてある。
ブラケット43の先端の荷側滑車取り付け金具46には荷側滑車47が懸吊してある。ウインチ側シーブ56の直下の地上近くのビティ仮設足場30に設置したウインチ80から巻き出されたウインチワイヤロープ81がビティ仮設足場30に沿って鉛直に補助具50のウインチ側シーブ56に向けて上方に配設され、ウインチ側シーブ56の下方からロープ入り口56Aを経由してウインチ側シーブ56に巻装されたのち荷側滑車47に巻装されており、下方に垂下した先端に吊りフック82が取り付けてある。
地上に玉掛け、ウインチ80の操作をする作業員A、ビティ仮設足場30の最上部より一段下の足場上に荷揚げ資材14の引き込みを行う作業員Bが配置されているものとする。
作業員Aがリモコン90の操作でウインチ80を吊りフック上昇側に回転させ、ウインチワイヤロープ81を巻き上げて荷揚げ資材14を上昇させる。
ウインチ側シーブ56を有する補助具50が簡易クレーン本体40の装着された縦枠31Aの内、簡易クレーン本体40に近接したすぐ下側に装着されており、またウインチ80がウインチ側シーブ56の直下に設置されていて、ウインチ80とウインチ側シーブ56の間のウインチワイヤロープ81がビティ仮設足場30の前面近くを通って鉛直上向きに配設されているので、ウインチワイヤロープ81と吊りフック82に懸吊された荷揚げ資材14との間に水平距離を取ることができる。
この点、仮にブラケット43とウインチ側シーブ56の旋回軸C’、Cが一致しておらず、例えば図8に示す如くウインチ側シーブ56の旋回軸Cがブラケット43の旋回軸C’より前方に来ているとき、ブラケット43を前向きから左旋回させようとすると(図8の矢印A’参照)、ウインチ側シーブ56とブラケット43の間のウインチワイヤロープ81がブラケット43を前向きに戻す方向に引っ張ってしてしまう(図8の矢印D参照)。
従って、ブラケット43を支軸44を中心にして旋回自在とし、荷の吊り上げ時にブラケット43を前向きとしてもウインチワイヤロープ81がブラケット43を側方へ引っ張ることが無いので、荷揚げ中もブラケット43は前向きを維持し、荷揚げ資材14がウインチワイヤロープ81に接触したり絡んだりすることはない。
吊り上げ後、吊り荷の荷揚げ資材14をビティ仮設足場30内に引き込む際は、ブラケット43を旋回させて吊り荷の荷揚げ資材14を容易にビティ仮設足場30に近づけることができ、荷の引き込み作業の負担が軽減する。
図9の簡易クレーンの設置例では、ビティ仮設足場30の最上部前面側で、簡易クレーン本体40の装着された建枠部材30の側方の建枠部材100、101の上端部に2本の単管パイプ102、103が併設して水平方向にクランプ104により締結されており、これらの単管パイプ102、103の建枠部材101寄りにウインチ80が装着されている。建枠部材101の下側の建枠部材105と建枠部材30の下側の建枠部材106の下端近くに水平に単管パイプ107がクランプ108により締結されており、この単管パイプ107にクランプ110により単管パイプ109が前側に平行に締結されている。建枠部材105、106の内、単管パイプ107より少し上側に単管パイプ111がクランプ112により水平に締結されている。図9における単管パイプ109の左端と単管パイプ111の内の建枠部材105の右側の間に、ワイヤ113とチェーンブロック114により配設された滑車115が設けられている。また、図9における単管パイプ109の右端と単管パイプ111の内の建枠部材106の左側の間に、ワイヤ116とチェーンブロック117により配設された滑車118が設けられている。ウインチ80から巻き出されたウインチワイヤロープ81は建枠部材101、105に沿って下方へ配設されて、滑車115、118に巻き掛けられたのち、建枠部材106、30に沿って上方へ配設されて補助具50のウインチ側シーブ56、簡易クレーン本体40の荷側滑車47に巻き掛けられて吊りフック82が下方へ垂下されている。ワイヤ113とチェーンブロック114を調節することにより、ウインチ80と滑車115の間のウインチワイヤロープ81が、ビティ仮設足場30の前面に沿って前面近くをほぼ鉛直に下方へ延設されるようにしており、ワイヤ116とチェーンブロック117を調節することにより、滑車118とウインチ側シーブ56の間のウインチワイヤロープ81が、ビティ仮設足場30の前面に沿って前面近くを鉛直に上方へ延設されるようにしている。
ところが、図9の簡易クレーンの設置例では、ビティ仮設足場30の前面に滑車115、118を付設してウインチワイヤロープ81の方向変換をするようにしており、滑車115のロープ入り口をウインチ80の直下の所望個所に正確に位置決めしたり、滑車118のロープ出口を補助具50のウインチ側シーブ56の直下の所望個所に正確に位置決めするのが難しく、ワイヤ113とチェーンブロック114、ワイヤ116とチェーンブロック117による滑車115、118の位置調節作業に時間が掛かる欠点があった。
仮設足場の構造物に着脱自在に装着可能な基部部材と、
基部部材に支軸により水平面内で旋回自在に軸支されたシーブ支持部材と、
シーブ支持部材に装着されて荷の吊り上げを行なうウインチワイヤロープの途中が巻き掛けられるシーブと、
から成り、
シーブは旋回軸方向に見たシーブ支持部材の端部側に、シーブ支持手段の旋回軸を延長した方向へ支軸から離して装着されており、
シーブのロープ入り口またはロープ出口はシーブ支持手段の旋回軸の延長線と一致していること、
を特徴としている。
請求項2記載の発明では、
仮設足場の構造物に着脱自在に装着可能な基部部材と、
基部部材に水平面内で旋回自在に軸支されたシーブ支持部材と、
シーブ支持部材に装着されて荷の吊り上げを行なうウインチワイヤロープの途中が順に巻き掛けられる同一鉛直面に配設された2つの第1、第2シーブと、
から成り、
第1シーブのロープ入り口またはロープ出口はシーブ支持部材の旋回軸の延長線と一致しており、
第2シーブはシーブ支持部材の旋回軸から見て第1シーブより離れて配置したこと、
を特徴としている。
本発明の他の一つによれば、仮設足場の構造物に装着したロープ方向変換器のシーブ支持部材の向きを変えても、第1シーブのロープ入り口またはロープ出口の位置が変化しない。また、第2シーブが第1シーブと同一鉛直面内で前側に設けられており、第1、第2シーブにロープを巻装することにより、ステップ状に曲げることができる。従って、荷の吊り上げを行なうウインチワイヤロープを仮設足場の所望個所で位置決めしながらステップ状に曲げて配設したい場合に、滑車を使用するよりも簡単かつ迅速に配設作業が可能となる。
図9では、ウインチから巻き出したウインチワイヤロープを2つの滑車を用いて方向変換し、補助具のウインチ側シーブに導くようにしたが、図10の実施例では、2つの滑車を2つのロープ方向変換器に代えて導くようにしている。
図10において、30はビティ仮設足場、31はビティ仮設足場30の最上部の建枠部材(ビティ仮設足場の構造物)、40は建枠部材31の前側の縦枠31Aの上部に設置された簡易クレーン本体、50は簡易クレーン本体40の下側の縦枠31Aに設置された補助具、14は簡易クレーン本体40により地上からビティ仮設足場30の最上部の一段下のステージに荷揚げされる荷揚げ資材(足場部材) である。簡易クレーン本体40と補助具50により、簡易クレーンが構成されている。
図11(1)に示す如くロープ方向変換器200aの内、201は基部部材としての角パイプから成る基部支柱であり、2つの締結金具(クランプ)202により、建枠部材105の下端近くに鉛直向き、かつ着脱自在に締結されている。締結金具202は基部支柱201に予め固着していてもよく、或いは、現場で基部支柱201に着脱自在に装着しても良い。203は鉛直方向に装備された角パイプから成るシーブ支持部材であり、基部支柱201に対して、上下2箇所の支軸204により水平面内で前方を基準にして左右に各々90乃至120度ずつ旋回可能に装着されている(図11(2)、(3)参照)。シーブ支持部材203の上端部には上方に延設された一組のシーブ取り付け板205と205がボルト止めにより装着されており、このシーブ取り付け板205と205の上端部にシーブ206が鉛直向きに装着されている。
なお、ロープ方向変換器200a、200bの締結金具202、支軸204は補助具50の締結金具52、支軸54と同一部材であり、ロープ方向変換器200a、200bの基部支柱201と補助具50の基部支柱51は同じ断面寸法の角パイプから形成されている。従って、補助具50の下側にロープ方向変換器200bの基部支柱201を装着する際の水平面内の向きを調節することで、ウインチ側シーブ56の旋回軸Cとシーブ支持部材203の旋回軸(シーブ206の旋回軸)C0が一致するように容易に装着できる。
図10の他の構成部分は図9と全く同様に構成されている。
ウインチ80から巻き出したウインチワイヤロープ81をビティ仮設足場30の前面に沿ってほぼ鉛直に下方へ配設したのち水平方向に曲げ、補助具50の直下で曲げてほぼ鉛直に上方へ配設したい場合、建枠部材101の下側の建枠部材105と、建枠部材30の下側の建枠部材106の下端近くで同じ高さ位置に、ロープ方向変換器200a、200bの基部支柱201を前向きに装着する。この際、ロープ方向変換器200aの旋回軸C0はウインチ80の方向と一致するようにし、ロープ方向変換器200bの旋回軸C0は、補助具50の旋回軸Cと一致するようにする。
図10の実施例ではロープ方向変換器に一つのシーブを設けた場合を例示したが、図15では同一の鉛直面内に上下斜め方向に2段のシーブを設けた場合を示す。
図16(1)に示す如くロープ方向変換器200cの内、201cは基部部材としての角パイプから成る基部支柱であり、2つの締結金具(クランプ)202cにより、建枠部材301Aに鉛直向き、かつ着脱自在に締結されている。締結金具202cは基部支柱201cに予め固着していてもよく、或いは、現場で基部支柱201cに着脱自在に装着しても良い。203cは鉛直方向に装備された角パイプから成るシーブ支持部材であり、基部支柱201cに対して、上下2箇所の支軸204cにより水平面内で前方を基準にして左右に各々90乃至120度ずつ旋回可能に装着されている(図16(1)はシーブ支持部材を前方に向けたときの外観、図16(2)はシーブ支持部材を右方向に向けたときの外観を示す)。シーブ支持部材203cには上方に延設された一組のシーブ取り付け板205cと205cがボルト止めにより装着されており、このシーブ取り付け板205cと205cに上下2段の同形のシーブ206c、206dが鉛直向きに装着されている(図17参照)。シーブ206c、206dは同一の鉛直面内でかつ、シーブ支持部材203cの旋回軸C1から見て、下側のシーブ206dが上側のシーブ206cより離れた位置となる斜め下前側に配設されている。
従って、ウインチワイヤロープ81を下方からシーブ206d、206cの順にステップ状に曲げながら巻装することで、上方へ配設可能となっている。
なお、ロープ方向変換器200cの締結金具202c、支軸204cは補助具50の締結金具52、支軸54と同一部材であり、ロープ方向変換器200cの基部支柱201cと補助具50の基部支柱51cは同じ断面寸法の角パイプから形成されている。従って、補助具50の下側にロープ方向変換器200cの基部支柱201cを装着する際の水平面内の向きを調節することで、ウインチ側シーブ56の旋回軸Cとシーブ支持部材203cの旋回軸(シーブ206cの旋回軸)C1が一致するように容易に装着できる。
ビティ仮設足場300の地上近くで補助具50の直下(ロープ方向変換器200cの直下)にウインチ(図示しない)が設置されており、このウインチから巻き出したウインチワイヤロープ81がビティ仮設足場300の防護ネット500の前面に沿って鉛直に上方に配設され、ロープ方向変換器200cの下段のシーブ206d、上段のシーブ206cに巻き掛けられたのち、シーブ206cのロープ出口206Cから縦枠301Aに沿って鉛直に上方へ配設され、補助具50のウインチ側シーブ56と簡易クレーン本体40に懸吊された荷側滑車47に巻装されて、先端の吊りフック82が下方へ垂下されている。吊りフック82には荷揚げ資材14を玉掛けした玉掛けワイヤ83が掛装されている。
ウインチから巻き出したウインチワイヤロープ81をビティ仮設足場300の前面に沿って防護シート500の前側を通ってほぼ鉛直に上方へ配設し、防護シート500の上方かつ補助具50の直下に相当する位置でステップ状に曲げ、縦枠301Aに沿って補助具50に向けて鉛直に上方へ配設したい場合、補助具50の下側の縦枠301Aに、ロープ方向変換器200cの基部支柱201cを横向きに装着する。この際、ロープ方向変換器200cの旋回軸C1は補助具50の旋回軸Cと一致するようにする。ウインチから巻き出したウインチワイヤロープ81を下方からシーブ206d、206cの順に巻き掛け、ロープ出口206Cより上方に向けて配設し、更に補助具50のウインチ側シーブ56、荷側滑車47に巻装する。
30、300 ビティ仮設足場
31、130 建枠部材
40 簡易クレーン本体
50 補助具
80 ウインチ
81 ウインチワイヤロープ
200a、200b、200c ロープ方向変換器
201、201c 基部支柱
202、202c 締結金具
203、203c シーブ支持部材
204、204c 支軸
206 シーブ
206c 第1シーブ
206d 第2シーブ
Claims (2)
- 仮設足場の構造物に着脱自在に装着可能な基部部材と、
基部部材に支軸により水平面内で旋回自在に軸支されたシーブ支持部材と、
シーブ支持部材に装着されて荷の吊り上げを行なうウインチワイヤロープの途中が巻き掛けられるシーブと、
から成り、
シーブは旋回軸方向に見たシーブ支持部材の端部側に、シーブ支持手段の旋回軸を延長した方向へ支軸から離して装着されており、
シーブのロープ入り口またはロープ出口はシーブ支持手段の旋回軸の延長線と一致していること、
を特徴とするロープ方向変換器。 - 仮設足場の構造物に着脱自在に装着可能な基部部材と、
基部部材に水平面内で旋回自在に軸支されたシーブ支持部材と、
シーブ支持部材に装着されて荷の吊り上げを行なうウインチワイヤロープの途中が順に巻き掛けられる同一鉛直面に配設された2つの第1、第2シーブと、
から成り、
第1シーブのロープ入り口またはロープ出口はシーブ支持部材の旋回軸の延長線と一致しており、
第2シーブはシーブ支持部材の旋回軸から見て第1シーブより離れた位置に配置したこと、
を特徴とするロープ方向変換器。
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