JP6121986B2 - 血液浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、血液浄化装置に関する。
従来の血液浄化装置として、体外循環回路を流れる液体の温度を調整するための加温器を備える血液浄化装置が知られている(特許文献1及び2参照。)。加温器は、特許文献1に記載された血液浄化装置においては、体外循環回路を通じて患者の体内に注入される液体(血液や補充液等)の温度を所望の温度に調整することを目的として配設され、特許文献2に記載された血液浄化装置においては、血漿成分分画器による分離濾過機能を高めることを目的として配設されている。
日本国特開2001−029459号公報 日本国特開2007−215569号公報
ところで、血液浄化装置に配設された血液ポンプ等は、設定された流量で常に動作し続けているわけではない。例えば体外循環回路内の圧力が一時的に高くなったときには、安全性を考慮して、ポンプから実際に送液される流量(以下、実行流量という。)を減らすように調整されているものもある。そのようにして実行流量を減らすような制御がなされる血液ポンプ等に対して、加温器の設定温度が一定であると、次のような問題が生じることが懸念される。
例えば、体内注入される液体の温度調整を目的として加温器が配設された血液浄化装置の場合、ポンプの実行流量を減らすような制御がなされたにもかかわらず加温器の設定温度が一定のままであると、体内注入される液体の温度が所望する温度よりも高くなりかねない。仮に、望ましくない温度にまで液体温度が上昇してしまうと、液体の組成に悪影響を及ぼし、結果として期待した治療効果を十分に得られない可能性が考えられる。
一方、血漿成分分画器の分離濾過機能の向上を目的として加温器が配設された血液浄化装置の場合、ポンプの実行流量を減らすような制御がなされたにもかかわらず加温器の設定温度が一定のままであると、血漿成分分画器に注入される液体の温度が想定以上に高くなりかねない。仮に、望ましくない温度にまで液体温度が上昇してしまうと、液体の組成に悪影響を及ぼし、結果として期待した治療効果を十分に得られない可能性が考えられる。
なお、このような課題は、ポンプの実行流量を減らすような制御がなされた場合に限らず、ポンプの実行流量を増やすような制御がなされた場合であっても同様に、加温器の設定温度が一定のままであると、加温不足によって期待した治療効果を十分に得られない可能性が考えられる。
また、このような課題は、加温器を備える血液浄化装置に限ったものではない。例えば、血漿冷却濾過法(Cryofiltration Plasmapheresis)と呼ばれる血液浄化療法では、血漿分離器で分離された血漿を冷却するための冷却器を備える血液浄化装置が用いられている。この冷却器を備える血液浄化装置において、ポンプの実行流量を変動させる制御がなされた場合、冷却器の設定温度が一定温度のままであると、冷却過剰又は冷却不足によって期待した治療効果を十分に得られない可能性が考えられる。
そこで、本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、ポンプの実行流量が変動したとしても、期待する治療効果を十分に得ることが可能な血液浄化装置を提供することを目的とする。
本発明の血液浄化装置は、体外循環回路を着脱自在な装置本体と、前記体外循環回路内に液体を送るための少なくとも1つのポンプと、前記体外循環回路内を流れる液体を加温又は冷却する熱源器と、前記熱源器を通過する液体の実流量を測定し、前記実流量に係る情報を生成する実流量情報生成部と、各種制御を実行する主制御部とを備える。
前記主制御部は、前記ポンプの駆動を制御するポンプ制御部と、前記実流量情報生成部が生成した前記情報に基づいて前記熱源器の動作温度を決定し、前記熱源器前記液体との間を伝導する熱量を制御する熱源器制御部と有する。
前記熱源器制御部は、前記ポンプ制御部によって決定された前記ポンプの実行流量と、前記実流量情報生成部が生成した前記情報から得られる前記実流量と、を比較演算する演算処理部と、前記演算処理部の比較演算結果に基づいて前記動作温度を決定し、前記熱量を制御する動作温度決定部と、を有する。
前記熱源器には、予め前記動作温度として許容される変動可能範囲が設定されている。
前記動作温度決定部は、決定された前記動作温度が予め設定された前記変動可能範囲から外れた場合、前記変動可能範囲の上限値又は下限値を一時的に変更することにより、決定された前記動作温度が前記変動可能範囲内に含まれるようにする。
ここで、本発明の血液浄化装置は、以下のように構成されることが好ましい。
具体的には、前記動作温度決定部は、決定された前記動作温度が前記上限値よりも高い値である場合、前記上限値を一時的に変更し、決定された前記動作温度が前記下限値よりも低い値である場合、前記下限値を一時的に変更する、ことが好ましい。
更に、前記動作温度決定部は、決定された前記動作温度が前記上限値よりも高い値である場合、前記上限値が決定された前記動作温度以上の値となるように、前記上限値を一時的に変更する、ことが好ましい。
本発明の血液浄化装置は、前記実行流量を設定するための流量値を入力可能な入力部をさらに備え、前記ポンプ制御部は、前記入力部に入力された前記流量値に基づいて、前記実行流量を決定し、決定された前記実行流量に従って前記ポンプの駆動を制御することが好ましい。
また、本発明の血液浄化装置は、前記実行流量に係る情報を記憶する記憶部をさらに備え、前記ポンプ制御部は、前記記憶部に記憶された前記実行流量に係る情報に基づいて、前記実行流量を決定し、決定された前記実行流量に従って前記ポンプの駆動を制御することも好ましい。
本発明の血液浄化装置においては、前記ポンプ制御部は、所定のタイミングにおいて、前記実行流量を再設定することが好ましい。
本発明の血液浄化装置においては、前記実流量情報生成部は、前記体外循環回路から排出される廃液の重量又は前記体外循環回路に加える液体の重量を測定する重量測定部と、前記重量測定部の重量測定結果に基づいて、前記実流量を算出し、算出された前記実流量に係る情報を生成する実流量算出部とを有することが好ましい。
また、本発明の血液浄化装置においては、前記実流量情報生成部は、前記体外循環回路内を流れる液体に向けて超音波を発信することにより、前記液体の流速を測定する超音波測定部と、前記超音波測定部による流速測定結果に基づいて、前記液体の実流量を算出し、算出された前記実流量係る情報を生成する実流量算出部とを有することも好ましい。
本発明の血液浄化装置においては、前記熱源器は、加温器であってもよいし、冷却器であってもよい。
本発明の血液浄化装置によれば、上記した実流量情報生成部及び熱源器制御部を備えているため、実流量情報生成部によって生成された液体の実流量に係る情報に基づいて、熱源器及び液体間を伝導する熱量を制御することができる。すなわち、ポンプの実行流量を変動させる制御がポンプ制御部によってなされたか否かに関わらず、「体外循環回路内を流れる液体の実流量」という情報に基づいて熱源器及び液体間を伝導する熱量を制御することができるため、ポンプの実行流量が変動したとしても血液等を望ましい温度に調整することが可能となり、結果として、期待される治療効果を十分に得ることが可能となる。
図1は、第1実施形態に係る血液浄化システム1を説明するために示す図である。 図2は、第1実施形態に係る血液浄化装置100の電気的構成を示すブロック図である。 図3は、第2実施形態に係る血液浄化装置200の電気的構成を示すブロック図である。 図4は、第3実施形態に係る血液浄化装置300の電気的構成を示すブロック図である。 図5は、第1実施形態に係る血液浄化装置100のポンプの駆動処理を示すフローチャートである。 図6は、第1実施形態に係る血液浄化装置100の熱源器の駆動処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の血液浄化装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る血液浄化システム1及び血液浄化装置100の構成について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、第1実施形態に係る血液浄化システム1を説明するために示す図である。図2は、第1実施形態に係る血液浄化装置100の電気的構成を示すブロック図である。
第1実施形態に係る血液浄化システム1は、図1に示すように、体外循環回路と、血液浄化装置100(図2参照。)と、を含んで構成される。血液浄化システム1は、例えば加温式リサーキュレーション法(DFサーモ法又は加温再循環型二重膜濾過血漿交換法などとも呼ばれる。)を実施するための血液浄化システムである。
なお、この明細書において「体外循環回路」とは、血液浄化システムの構成要素のうち血液浄化装置を除いたもののことを指す。すなわち、第1実施形態に係る血液浄化システム1において「体外循環回路」とは、上記の血液浄化システム1の構成要素から血液浄化装置100を除いたものである。具体的には、体外循環回路は、血漿分離器10と、血漿分離器10に接続される動脈側回路20及び静脈側回路30と、血漿成分分画器40と、血漿分離器10及び血漿成分分画器40に接続される第1接続回路50と、血漿成分分画器40及び第1接続回路50に接続される循環回路60と、血漿成分分画器40及び静脈側回路30に接続される第2接続回路70と、を備える。
血漿分離器10は、図示による詳細な説明は省略するが、いわゆる膜型血漿分離器であって、筒状ハウジングの内部には、流入する血液を血球成分と血漿成分とに分離する選択性分離膜が配置されている。ハウジングには、血液が流入する流入部12と、選択性分離膜によって分離された血液のうち主に血球成分を含む液体が流出する第1流出部14と、選択性分離膜によって分離された血液のうち主に血漿成分を含む液体が流出する第2流出部16とが設けられている。
動脈側回路20は、血漿分離器10の流入部12に接続されている。動脈側回路20の途中には、エアトラップ22と、ローリングチューブ部24とが設けられている。なお、図1には記載していないが、動脈側回路20の途中には、抗凝固剤を回路内に導入するための抗凝固剤注入ラインが接続されている。
静脈側回路30は、血漿分離器10の第1流出部14に接続されている。静脈側回路30の途中には、エアトラップ32が設けられている。なお、図1には記載していないが、静脈側回路30の途中には気泡検知器が設けられており、エアトラップ32には圧力センサが接続されている。
血漿成分分画器40は、図示による詳細な説明は省略するが、いわゆる膜型血漿成分分画器であって、筒状ハウジングの内部には、流入する血漿成分を低分子量成分と高分子量成分とに分離する選択性分離膜が配置されている。低分子量成分には、例えばアルブミンや尿素、クレアチニン、ミオグロビンなどが多く含まれており、高分子量成分には、例えば免疫グロブリン(IgM等)やLDLコレステロールなどが多く含まれている。ハウジングには、血漿成分が流入する流入部42と、選択性分離膜によって分離された血漿成分のうち主に高分子量成分を含む液体が流出する第1流出部44と、選択性分離膜によって分離された血漿成分のうち主に低分子量成分を含む液体が流出する第2流出部46とが設けられている。
第1接続回路50の端部は、血漿分離器10の第2流出部16と血漿成分分画器40の流入部42にそれぞれ接続されている。第1接続回路50の途中には、エアトラップ52と、ローリングチューブ部54とが設けられている。なお、図1には記載していないが、エアトラップ52には圧力センサが接続されている。
循環回路60の端部は、血漿成分分画器40の第1流出部44と第1接続回路50のエアトラップ52にそれぞれ接続されている。循環回路60の途中には、ローリングチューブ部64が設けられている。
第2接続回路70の端部は、血漿成分分画器40の第2流出部46と静脈側回路30のエアトラップ32にそれぞれ接続されている。
血液浄化装置100は、図1及び図2に示すように、装置本体110と、動脈側回路20上の血液を血漿分離器10に向けて送るための血液ポンプ120と、第1接続回路50上の血漿成分を血漿成分分画器40に向けて送るための血漿ポンプ122と、循環回路60上の液体(高分子量成分を多く含む液体)を第1接続回路50に向けて送るための循環ポンプ124と、循環回路60内を流れる液体を加温する熱源器130と、装置本体110内の各部に電力を供給するための電源部140と、操作者からの各種の入力を受け付ける入力部142と、回路内を流れる血液の温度情報や圧力センサによって測定された圧力情報等の各種情報を表示する表示部144と、各種の情報を記憶する記憶部146と、実流量情報生成部150と、血液浄化装置100内の各部を統括制御する主制御部160とを備える。
血液ポンプ120、血漿ポンプ122及び循環ポンプ124は、いわゆるローラポンプである。図示による説明は省略するが、血液ポンプ120のローラ部が動脈側回路20のローリングチューブ部24と接触した状態で回転する(ローリングチューブ部24を扱く)ことにより、動脈側回路20内の液体(血液)を所定の方向に送液することができる。他のポンプ122,124の機能についても、血液ポンプ120の場合と同様である。血液ポンプ120、血漿ポンプ122及び循環ポンプ124は、装置本体110に組付けられている。これらの血液ポンプ120、血漿ポンプ122及び循環ポンプ124それぞれにローリングチューブ部24、ローリングチューブ部54及びローリングチューブ部64が取り付けられるとともに、血漿分離器10、血漿成分分画器40、及びその他構成部材が装置本体110の所定位置に配設されることにより、体外循環回路が装置本体110に取り付けられる。また、体外循環回路を装置本体110に取り付ける逆の手順を経て、装置本体110から取り外すこともできる。
熱源器130は、図示による説明は省略するが、いわゆる乾式加温器であって、循環回路60の一部を加温プレートで挟み込むことにより、循環回路60内を流れる液体を加温するように構成されている。熱源器130には、予め動作温度の変動可能範囲(例えば36℃〜45℃)が設定されている。
入力部142は、図示による説明は省略するが、各ポンプの流量値、熱源器130の動作温度などを入力できるように構成されている。
表示部144は、図示による説明は省略するが、主制御部160による各種の演算結果が視認可能に表示出力されるように構成されている。
入力部142及び表示部144は、図示による説明は省略するが、装置本体110の外面に配置されている。なお、入力部142及び表示部144は、操作ボタンとモニターのように別々のデバイスとして構成されていてもよいし、例えば入力部分と表示部分とが一体化されたタッチパネル式ディスプレイであってもよい。
記憶部146は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の汎用メモリによって構成される。記憶部146には、使用される血漿分離器10及び血漿成分分画器40の性能データ等に加えて、各ポンプ120〜124の既定流量値、熱源器130の既定動作温度及び動作温度の変動可能範囲が記憶されている。
なお、各ポンプ120〜124の既定流量値とは、入力部142に流量値が入力されていない場合に使用される、各ポンプ120〜124の流量の初期設定値のことである。また、熱源器130の既定動作温度とは、入力部142に動作温度が入力されていない場合に使用される、熱源器130の動作温度の初期設定値のことである。
実流量情報生成部150は、熱源器130を通過する液体の実流量を測定し、当該液体の実流量に係る情報(以下、実流量情報という。)を生成する機能を有する。
実流量情報生成部150は、循環回路60を流れる液体に向けて超音波を発信することにより、当該液体の流速を測定する超音波測定部152と、超音波測定部152による流速測定結果に基づいて、循環回路60内を流れる液体の実流量を算出し、算出された該実流量に係る情報を生成する実流量算出部154とを有する。
超音波測定部152は、図示による説明は省略するが、2つの超音波センサを有しており、2つの超音波センサによって送受信される超音波の伝播時間差から流速を算出するものである。これら2つの超音波センサは、循環回路60におけるローリングチューブ部64の後段(ローリングチューブ部64から熱源器130までの間の位置)に配置されている。
超音波測定部152によって、循環回路60内を流れる液体の流速が測定され、当該測定結果に関する情報が実流量算出部154に送られる。実流量算出部154は、超音波測定部152から送られた当該情報(流速測定結果)に基づいて、循環回路60内を流れる液体(熱源器130を通過する液体)の実流量を算出し、当該算出情報を実流量情報として生成し、主制御部160の熱源器制御部180に送る。
主制御部160は、CPU(Central Processing Unit)又はCPUが搭載された回路基板によって構成される。主制御部160は、図2に示すように、少なくとも2つの機能ブロックに分けることができる。2つの機能ブロックとしては、各ポンプ120〜124の駆動を制御するポンプ制御部170と、実流量情報生成部150が生成した実流量情報に基づいて、熱源器130が液体に加える熱量を制御する熱源器制御部180とを少なくとも備える。
ポンプ制御部170は、主制御部160に備わる記憶装置(或いは図示しない装置本体110内に搭載された記憶装置)に格納されたプログラムを参照して、ポンプ120〜124の駆動を制御する。ポンプ制御部170は、図2に示すように、実行流量決定部172と、ポンプ駆動調整部174と、の2つの機能ブロックにさらに分けることができる。実行流量決定部172が参照するプログラムとしては、入力部142に入力された流量値に基づいて、各ポンプ120〜124の実行流量を決定する実行流量決定プログラムが用意され、ポンプ駆動調整部174が参照するプログラムとしては、決定された実行流量に従って各ポンプ120〜124の駆動を調整するポンプ駆動調整プログラムが用意されている。
ポンプ制御部170が上記プログラムを実行した際の血液浄化装置100の処理について図5を参照して説明すると、入力部142に流量値が入力されている場合には(ステップS501、Yes)、実行流量決定部172によって、入力部142に入力された流量値が各ポンプ120〜124の実行流量として決定される(ステップS502)。その後、ポンプ駆動調整部174によって、決定された実行流量に従って各ポンプ120〜124の駆動が調整される(ステップS503)。
熱源器制御部180は、主制御部160に備わる記憶装置(或いは図示しない装置本体110内に搭載された記憶装置)に格納されたプログラムを参照して、実流量情報生成部150が生成した情報に基づいて、熱源器130が液体に加える熱量を制御する。熱源器制御部180は、図2に示すように、演算処理部182と、動作温度決定部184と、の2つの機能ブロックにさらに分けることができる。
演算処理部182は、主制御部160に備わる記憶装置(或いは図示しない装置本体110内に搭載された記憶装置)に格納されたプログラムを参照して、ポンプ制御部170によって決定された「循環ポンプ124の実行流量」と、実流量算出部154から送られた「循環回路60内を流れる液体(熱源器130を通過する液体)の実流量」とを比較演算する。当該比較演算された結果に係る情報は、動作温度決定部184に送られる。
動作温度決定部184は、主制御部160に備わる記憶装置(或いは図示しない装置本体110内に搭載された記憶装置)に格納されたプログラムを参照して、熱源器130の動作温度を決定し、熱源器130が液体に加える熱量を制御する。動作温度決定部184が参照するプログラムとしては、演算処理部182から送られた比較演算結果に係る情報に基づいて、熱源器130の動作温度を決定する動作温度決定プログラムと、決定された動作温度となるように熱源器130が液体に加える熱量を制御する作動制御プログラムと、熱源器130の変動可能範囲の上限値又は下限値を一時的に変更する温度範囲変更プログラムとが用意されている。
動作温度決定部184の動作温度決定プログラム及び作動制御プログラムを実行した際の血液浄化装置100の処理についてさらに図6を参照して説明すると、演算処理部182によって、「循環ポンプ124の実行流量」と「循環回路60内を流れる液体(熱源器130を通過する液体)の実流量」とが比較演算された後(ステップS601)、その比較演算結果に関する情報が動作温度決定部184に送られる。比較演算結果に関する情報を受け取った動作温度決定部184においては、動作温度決定プログラムを実行して処理することにより、比較演算結果に関する情報に基づいて、熱源器130の動作温度が決定される(ステップS602)。その後、作動制御プログラムを実行して処理することによって、決定された動作温度となるように熱源器130によって液体に加えられる熱量が制御される(ステップS603)。決定された動作温度が既定動作温度よりも高い場合には、動作温度決定部184は、熱源器130から循環回路60に対して加えられる単位時間当たりの熱量がより大きくなるように動作温度を決定し、熱源器130が加える熱量を制御する。反対に、決定された動作温度が既定動作温度よりも低い場合には、動作温度決定部184は、熱源器130から循環回路60に対して加えられる単位時間当たりの熱量がより小さくなるように動作温度を決定し、熱源器130が加える熱量を制御する。
なお、動作温度決定部184によって動作温度が決定される前の段階においては、入力部142に入力された動作温度となるように、熱源器制御部180によって熱源器130が加える熱量が制御されている。
熱源器130の熱量を制御するにあたって、例えば熱源器130に流れる電流値の大小を制御するものであってもよいし、熱源器130の通電時間やそのサイクルの長さを制御するものであってもよい。
動作温度決定部184の温度範囲変更プログラムについてさらに説明すると、動作温度決定部184によって決定された動作温度が、例えば予め動作温度として許容される変動可能範囲よりも高い値を示した場合、温度範囲変更プログラムを実行して処理することにより、熱源器130の変動可能範囲の上限値が一時的に変更される。このときの変更後の上限値は、本来の上限値よりも高く、かつ、動作温度決定部184によって決定された動作温度以上の値である。こうして、動作温度決定部184は、変更された変動可能範囲内で熱源器130の動作温度を決定する。
なお、温度範囲変更プログラムを実行することにより変更された上限値は、例えば血液浄化装置100の電源をOFFにすることにより、本来の上限値にリセットされるように設定されている。
以上のように構成された第1実施形態に係る血液浄化装置100によれば、上記した実流量情報生成部150及び熱源器制御部180を備えているため、実流量情報生成部150によって生成された実流量情報に基づいて、熱源器130が与える熱量を制御することができる。すなわち、循環ポンプ124の実行流量を変動させる制御がポンプ制御部170によってなされたか否かに関わらず、「循環回路60内を流れる液体(熱源器130を通過する液体)の実流量」という情報に基づいて熱源器130が液体に加える熱量を制御することができる。このため、循環ポンプ124の実行流量が変動したとしても血液等を望ましい温度に調整することが可能となり、結果として、期待される治療効果を十分に得ることが可能となる。
ところで、熱源器には、安全性を考慮して、動作温度が所定の範囲を超えないように予め動作温度として許容される変動可能範囲が設定されているものがある。そのような熱源器は、動作温度として設定できる温度範囲に制限があることから、例えば演算処理部による比較演算の結果によって動作温度を変動可能範囲外の値に設定したい場合、その要求に応えることができず、結果として、熱源器の動作温度を望ましい温度に設定できないケースが想定される。
これに対し、第1実施形態に係る血液浄化装置100によれば、熱源器制御部180は、上記した温度範囲変更プログラムを実行して、変動可能範囲の上限値又は下限値を一時的に変更することができる。このため、予め動作温度の変動可能範囲が設定された熱源器130を用いていたとしても、熱源器130の動作温度を望ましい温度に設定することが可能となる。
第1実施形態に係る血液浄化装置100においては、実流量情報生成部150は、上記した超音波測定部152及び実流量算出部154を有している。超音波測定部152は比較的小型であることから、装置全体をよりコンパクトにすることが可能となる。
第1実施形態に係る血液浄化装置100においては、熱源器130は加温器であるため、加温式リサーキュレーション法などの加温器の使用を必須要件とする血液浄化療法を行う場合において、特に好適なものとなる。
[第2実施形態]
図3は、第2実施形態に係る血液浄化装置200の電気的構成を示すブロック図である。
なお、図3において、図2と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
第2実施形態に係る血液浄化装置200は、基本的には第1実施形態に係る血液浄化装置100と同様の構成を有するが、図3に示すポンプ制御部270の機能が、第1実施形態に係る血液浄化装置100とは異なる。ポンプ制御部270は、図3に示すように、既定値読出部271と、実行流量決定部272と、ポンプ駆動調整部274と、の3つの機能ブロックにさらに分けることができる。既定値読出部271が参照するプログラムとしては、記憶部146に記憶されている既定値情報から各ポンプ120〜124の既定流量値を読み出す既定値読出プログラムが用意され、実行流量決定部272が参照するプログラムとしては、入力部142に入力された流量値に基づいて、各ポンプ120〜124の実行流量を決定する実行流量決定プログラムが用意され、ポンプ駆動調整部274が参照するプログラムとしては、決定された実行流量に従って各ポンプ120〜124の駆動を調整するポンプ駆動調整プログラムが用意されている。
ポンプ制御部270が上記プログラムを実行した際の血液浄化装置200の処理について図5を参照して説明すると、入力部142に各ポンプ120〜124の流量値が入力されていない場合に(ステップS501、No)、既定値読出部271によって記憶部146に記憶されている既定値情報から各ポンプ120〜124の既定流量値を読み出し、読み出された既定流量値を実行流量決定部272によって各ポンプ120〜124の実行流量として決定する(ステップS504)。そして、決定された実行流量に従ってポンプ駆動調整部274が各ポンプ120〜124の駆動を調整する(ステップS505)。
このように、第2実施形態に係る血液浄化装置200は、第1実施形態に係る血液浄化装置100とはポンプ制御部が実行する処理が異なるが、第1実施形態に係る血液浄化装置100の場合と同様に、実流量情報生成部150及び熱源器制御部180を備えているため、実流量情報生成部150によって生成された実流量情報に基づいて、熱源器130が液体に加える熱量を制御することができる。よって、循環ポンプ124の実行流量が変動したとしても血液等を望ましい温度に調整することが可能となり、結果として、期待される治療効果を十分に得ることが可能となる。
第2実施形態に係る血液浄化装置200は、図5のステップS504、S505に示すようにポンプ制御部が実行する処理が異なる点以外では、第1実施形態に係る血液浄化装置100と同様の構成を有するため、第1実施形態に係る血液浄化装置100が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
[第3実施形態]
図4は、第3実施形態に係る血液浄化装置300の電気的構成を示すブロック図である。
なお、図4において、図2と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
第3実施形態に係る血液浄化装置300は、基本的には第1実施形態に係る血液浄化装置100と同様の構成を有するが、図4に示す膜間圧力差情報生成部390を備える点並びにポンプ制御部370及び演算処理部382が実行する処理が、第1実施形態に係る血液浄化装置100とは異なる。
膜間圧力差情報生成部390は、図4に示すように、体外循環回路内の所定位置の圧力を測定する圧力測定部392と、圧力測定部392の測定情報に基づいて血漿成分分画器40の膜間圧力差(TMP)を算出する膜間圧力差算出部394とを有する。圧力測定部392は例えば圧電素子で構成され、膜間圧力差算出部394は例えばマイクロプロセッサで構成される。膜間圧力差算出部394によって算出された「血漿成分分画器40の膜間圧力差」に関する情報は、ポンプ制御部370に送られる。
ポンプ制御部370は、第1実施形態で説明したポンプ制御部170が有する実行流量決定部172及びポンプ駆動調整部174と同等の機能を有する実行流量決定部372及びポンプ駆動調整部374に加えて、所定のタイミングにおいて、実行流量決定部372によって決定された「循環ポンプ124の実行流量」とは異なる値となるように、循環ポンプ124の実行流量を再設定する実行流量再設定部371を有する。
ポンプ制御部370は、上述したように「所定のタイミング」が訪れたことをトリガとして実行流量再設定部371を実行するように構成されているが、当該所定のタイミングとは、例えば、膜間圧力差算出部394によって算出された膜間圧力差が所定値を超えた時点のことである。すなわち、血漿成分分画器40の膜間圧力差が所定値を超えたとき、実行流量再設定部371が実行され、循環ポンプ124の実行流量が再設定される。
演算処理部382は、第1実施形態で説明した演算処理部182が実行する処理に加えて、循環ポンプ124の実行流量が再設定されたときには、「再設定後の循環ポンプ124の実行流量」と実流量算出部154から送られた「循環回路60内を流れる液体(熱源器130を通過する液体)の実流量」とを比較演算する。
なお、動作温度決定部384が実行する処理は、第1実施形態で説明した動作温度決定部184が実行する処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
このように、第3実施形態に係る血液浄化装置300は、第1実施形態に係る血液浄化装置100とは膜間圧力差情報生成部390を備える点並びにポンプ制御部370及び演算処理部382が実行する処理が異なるが、第1実施形態に係る血液浄化装置100の場合と同様に、実流量情報生成部150及び熱源器制御部380を備えているため、実流量情報生成部150によって生成された実流量情報に基づいて、熱源器130が液体に加える熱量を制御することができる。よって、循環ポンプ124の実行流量が変動したとしても血液等を望ましい温度に調整することが可能となり、結果として、期待される治療効果を十分に得ることが可能となる。
第3実施形態に係る血液浄化装置300は、膜間圧力差情報生成部390をさらに備えるため、例えば血漿成分分画器40の選択性分離膜がタンパク質等による目詰まりを起こしたときには、いち早くその目詰まりの発生を認識することが可能となる。また、ポンプ制御部370が実行流量再設定部371を有するとともに、演算処理部382が上述した処理を実施するため、血漿成分分画器40の膜間圧力差が所定値を超えたタイミングで、循環ポンプ124の実行流量を再設定することが可能となり、熱源器制御部380が、「再設定後の循環ポンプ124の実行流量」に基づいてより適切に熱源器130が与える熱量を制御することが可能となる。
なお、ポンプ制御部370が、「循環ポンプ124の実行流量」とは異なる値となるように循環ポンプ124の実行流量を再設定する、と述べたが、所定のタイミングの設定の仕方によっては、必ずしも「循環ポンプ124の実行流量」とは異なる値とならくてもよい。例えば、所定のタイミングが一定周期で訪れるように設定した場合には、前回設定した循環ポンプ124の実行流量と、今回設定する循環ポンプ124の実行流量とが一致することも考えられる。
第3実施形態に係る血液浄化装置300は、膜間圧力差情報生成部390を備える点並びにポンプ制御部370及び演算処理部の処理が異なる点以外では、第1実施形態に係る血液浄化装置100と同様の構成を有するため、第1実施形態に係る血液浄化装置100が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
以上、本発明の血液浄化装置を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記実施形態においては、実流量情報生成部として、超音波を利用して実流量情報を生成する実流量情報生成部150を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。体外循環回路から廃液が排出されるように構成された血液浄化システム又は体外循環回路に補充液や置換液等を加えるように構成された血液浄化システムにおいては、超音波を利用して実流量情報を生成する実流量情報生成部に代えて、体外循環回路から排出される廃液の重量又は体外循環回路に加える液体の重量を測定する重量測定部と、重量測定部の重量測定結果に基づいて、当該廃液又は液体の実流量を算出し、算出された該実流量に係る情報を生成する実流量算出部とを有する実流量情報生成部を備えていてもよい。この場合、重量測定部として比較的安価な重量計を用いることができるため、装置の製造コストの低廉化を図ることが可能となる。
(2)上記実施形態においては、加温式リサーキュレーション法を実施するための血液浄化システムについて、循環回路内の液体温度を調整するように熱源器が配置されている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、二重濾過血漿分離交換法(Double Filtration Plasmapheresis:DFPP)を実施するための血液浄化システムにおいて、体外循環回路の一部の温度を調整する場合であっても、本発明を適用可能である。同様に、人体内へ送液するための送液システムにおいて、その一部の回路を加温又は冷却する場合であっても、本発明を適用可能である。
(3)上記実施形態においては、熱源器として、循環回路の一部を加温プレートで挟み込むことにより加温するタイプの乾式加温器を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、平面視S字状等に掘られた加温用溝部に対して循環回路の一部を嵌め込むことにより加温するタイプの乾式加温器であってもよいし、加温用ヒーターを有する水槽内に循環回路の一部をコイル状にして配置することにより加温するタイプの湿式加温器であってもよい。また、上記実施形態においては、熱源器が加温器である場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、冷却器であってもよい。この場合、血漿冷却濾過法などの冷却器の使用を必須要件とする血液浄化療法を行う際に、好適なものとなる。熱源器として加温器または冷却器いずれを用いる場合であっても、熱源器制御部の機能が熱源器及び液体間を伝導する熱量を制御することに変わりは無い。
(4)上記実施形態においては、各ポンプとして、いわゆるローラポンプを用いた場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、シリンジポンプなど、公知である他の送液手段を用いてもよい。
(5)上記実施形態においては、超音波測定部152における2つの超音波センサが、循環回路60におけるローリングチューブ部64の後段(ローリングチューブ部64から熱源器130までの間の位置)に配置されている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。2つの超音波センサの配置位置として、例えば、循環回路60におけるローリングチューブ部64の前段(血漿成分分画器40の第1流出部44からローリングチューブ部64までの間の位置)であってもよいし、熱源器130からエアトラップ52までの間の位置であってもよい。なお、各ポンプ120〜124を駆動させたときの、熱源器130を流れる液体の流量と、他の回路(例えば動脈側回路20や第1接続回路50など)を流れる液体の流量との関係(例えば流量比など)が既知であるならば、超音波測定部における2つの超音波センサは、当該他の回路に配置されていてもよい。その場合は、当該他の回路を流れる液体の実流量情報に基づいて、熱源器を流れる液体の流量を推定し、その流量推定値をもとに熱源器の熱量が制御されるように構成されていることが好ましい。
(6)上記実施形態においては、超音波測定部として、いわゆる伝播時間差式の超音波測定部を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ドップラー効果を利用して流速を算出する、いわゆるドップラー式の超音波測定部であってもよい。
(7)上記実施形態においては、「循環ポンプ124の実行流量」と「循環回路60内を流れる液体(熱源器130を通過する液体)の実流量」との比較演算結果から得られる情報をもとに、熱源器130の動作温度を決定するように構成されている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。実流量情報生成部150が生成した実流量情報のみから熱源器130の動作温度を決定するように構成されていてもよい。
(8)上記第3実施形態においては、圧力測定部が圧電素子で構成されている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。体外循環回路内の所定位置における圧力を測定可能であれば、他の公知の圧力測定手段(圧力センサなど)を用いてもよい。
ここで、上述した本発明に係る血液浄化装置の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[10]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 体外循環回路を着脱自在な装置本体(110)と、
前記体外循環回路内に液体を送るための少なくとも1つのポンプ(120,122,124)と、
前記体外循環回路内を流れる液体を加温又は冷却する熱源器(130)と、
前記熱源器(130)を通過する液体の実流量を測定し、当該液体の実流量に係る情報を生成する実流量情報生成部(150)と、
各種制御を実行する主制御部(160)とを備え、
前記主制御部(160)は、
前記ポンプの駆動を制御するポンプ制御部(170)と、
前記実流量情報生成部(150)が生成した前記情報に基づいて前記熱源器(130)の動作温度を決定し、前記熱源器(130)及び前記液体間を伝導する熱量を制御する熱源器制御部(180)とを備える血液浄化装置(100)。
[2] 上記[1]に記載の血液浄化装置は、
前記ポンプの実行流量を設定するための流量値を入力可能な入力部(142)をさらに備え、
前記ポンプ制御部(170)は、前記入力部(142)に入力された前記流量値に基づいて、前記ポンプ(124)の実行流量を決定し、決定された該実行流量に従って前記ポンプの駆動を制御する血液浄化装置(100)。
[3] 上記[1]に記載の血液浄化装置は、
前記ポンプの実行流量に係る情報を記憶する記憶部(146)をさらに備え、
前記ポンプ制御部(270)は、前記記憶部(146)に記憶された前記実行流量に係る情報に基づいて、前記ポンプ(124)の実行流量を決定し、決定された該実行流量に従って前記ポンプの駆動を制御する血液浄化装置(200)。
[4] 上記[2]又は[3]に記載の血液浄化装置において、
前記ポンプ制御部(370)は、所定のタイミングにおいて、前記ポンプ(124)の実行流量を再設定する血液浄化装置(300)。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の血液浄化装置において、
前記熱源器制御部(180)は、
前記ポンプ制御部(170)によって決定された前記ポンプ(124)の実行流量と前記実流量情報生成部(150)が生成した前記情報から得られる前記液体の実流量とを比較演算する演算処理部(182)と、
前記演算処理部(182)の比較演算結果に基づいて前記熱源器(130)の動作温度を決定し、前記熱源器(130)及び前記液体間を伝導する熱量を制御する動作温度決定部(184)とを有する血液浄化装置。
[6] 上記[5]に記載の血液浄化装置において、
前記熱源器(130)には、予め動作温度として許容される変動可能範囲が設定されており、
前記動作温度決定部(184)は、当該動作温度決定部によって決定された前記動作温度が、予め設定された前記変動可能範囲から外れたときに、当該変動可能範囲の上限値又は下限値を一時的に変更し、変更された前記変動可能範囲内で前記熱源器(130)の動作温度を決定する血液浄化装置(100)。
[7] 上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の血液浄化装置において、
前記実流量情報生成部は、
前記体外循環回路から排出される廃液の重量又は前記体外循環回路に加える液体の重量を測定する重量測定部と、
前記重量測定部の重量測定結果に基づいて、前記液体の実流量を算出し、算出された該実流量に係る情報を生成する実流量算出部とを有する血液浄化装置。
[8] 上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の血液浄化装置において、
前記実流量情報生成部(150)は、
前記体外循環回路内を流れる液体に向けて超音波を発信することにより、当該液体の流速を測定する超音波測定部(152)と、
前記超音波測定部(152)による流速測定結果に基づいて、前記液体の実流量を算出し、算出された該実流量に係る情報を生成する実流量算出部(154)とを有する血液浄化装置(100)。
[9] 上記[1]〜[8]のいずれか一項に記載の血液浄化装置において、
前記熱源器(130)は、加温器である血液浄化装置(100)。
[10] 上記[1]〜[8]のいずれか一項に記載の血液浄化装置において、
前記熱源器は、冷却器である血液浄化装置。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2012年3月7日出願の日本特許出願(特願2012−050415)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明は、ポンプの実行流量が変動したとしても血液等を望ましい温度に調整することが可能となり、結果として、期待される治療効果を十分に得ることができるという効果を奏し、血液浄化装置の分野において有用である。
1 血液浄化システム
10 血漿分離器
12 (血漿分離器の)流入部
14 (血漿分離器の)第1流出部
16 (血漿分離器の)第2流出部
20 動脈側回路
22,32,52 エアトラップ
24,54,64 ローリングチューブ部
30 静脈側回路
40 血漿成分分画器
42 (血漿成分分画器の)流入部
44 (血漿成分分画器の)第1流出部
46 (血漿成分分画器の)第2流出部
50 第1接続回路
60 循環回路
70 第2接続回路
100,200,300 血液浄化装置
110 装置本体
120 血液ポンプ
122 血漿ポンプ
124 循環ポンプ
130 熱源器
140 電源部
142 入力部
144 表示部
146 記憶部
150 実流量情報生成部
152 超音波測定部
154 実流量算出部
160,260,360 主制御部
170,270,370 ポンプ制御部
172、272、372 実行流量決定部
174、274、374 ポンプ駆動調整部
180,380 熱源器制御部
182,382 演算処理部
184,384 動作温度決定部
271 既定値読出部
371 実行流量再設定部
390 膜間圧力差情報生成部
392 圧力測定部
394 膜間圧力差算出部

Claims (8)

  1. 体外循環回路を着脱自在な装置本体と、
    前記体外循環回路内に液体を送るための少なくとも1つのポンプと、
    前記体外循環回路内を流れる液体を加温又は冷却する熱源器と、
    前記熱源器を通過する液体の実流量を測定し、前記実流量に係る情報を生成する実流量情報生成部と、
    各種制御を実行する主制御部とを備え、
    前記主制御部は、
    前記ポンプの駆動を制御するポンプ制御部と、
    前記実流量情報生成部が生成した前記情報に基づいて前記熱源器の動作温度を決定し、前記熱源器前記液体との間を伝導する熱量を制御する熱源器制御部と有し、
    前記熱源器制御部は、
    前記ポンプ制御部によって決定された前記ポンプの実行流量と、前記実流量情報生成部が生成した前記情報から得られる前記実流量と、を比較演算する演算処理部と、
    前記演算処理部の比較演算結果に基づいて前記動作温度を決定し、前記熱量を制御する動作温度決定部と、を有し、
    前記熱源器には、
    予め前記動作温度として許容される変動可能範囲が設定されており、
    前記動作温度決定部は、
    決定された前記動作温度が予め設定された前記変動可能範囲から外れた場合、前記変動可能範囲の上限値又は下限値を一時的に変更することにより、決定された前記動作温度が前記変動可能範囲内に含まれるようにする、
    血液浄化装置。
  2. 請求項1に記載の血液浄化装置において、
    前記動作温度決定部は、
    決定された前記動作温度が前記上限値よりも高い値である場合、前記上限値を一時的に変更し、
    決定された前記動作温度が前記下限値よりも低い値である場合、前記下限値を一時的に変更する、
    血液浄化装置。
  3. 請求項2に記載の血液浄化装置において、
    前記動作温度決定部は、
    決定された前記動作温度が前記上限値よりも高い値である場合、前記上限値が決定された前記動作温度以上の値となるように、前記上限値を一時的に変更する、
    血液浄化装置。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の血液浄化装置において、
    前記実行流量を設定するための流量値を入力可能な入力部をさらに備え、
    前記ポンプ制御部は
    前記入力部に入力された前記流量値に基づいて、前記実行流量を決定し、決定された前記実行流量に従って前記ポンプの駆動を制御する
    血液浄化装置。
  5. 請求項1〜3の何れか一項に記載の血液浄化装置において、
    前記実行流量に係る情報を記憶する記憶部をさらに備え、
    前記ポンプ制御部は
    前記記憶部に記憶された前記実行流量に係る情報に基づいて、前記実行流量を決定し、決定された前記実行流量に従って前記ポンプの駆動を制御する
    血液浄化装置。
  6. 請求項又はに記載の血液浄化装置において、
    前記ポンプ制御部は
    所定のタイミングにおいて、前記実行流量を再設定する
    血液浄化装置。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の血液浄化装置において、
    前記実流量情報生成部は、
    前記体外循環回路から排出される廃液の重量又は前記体外循環回路に加える液体の重量を測定する重量測定部と、
    前記重量測定部の重量測定結果に基づいて、前記実流量を算出し、算出された前記実流量に係る情報を生成する実流量算出部とを有する
    血液浄化装置。
  8. 請求項1〜6の何れか一項に記載の血液浄化装置において、
    前記実流量情報生成部は、
    前記体外循環回路内を流れる液体に向けて超音波を発信することにより、前記液体の流速を測定する超音波測定部と、
    前記超音波測定部による流速測定結果に基づいて、前記実流量を算出し、算出された前記実流量に係る情報を生成する実流量算出部とを有する
    血液浄化装置。
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