JP6120534B2 - 繊維集合体の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Description
例えば、特開2005−264401号公報(以降、特許文献1、と称する)には、所望相対湿度のガスを供給して、紡糸原液供給部周辺のみを所望相対湿度に維持することを特徴とする、静電紡糸法を用いた繊維集合体の製造方法が開示されている。
そして、特許文献1は所望相対湿度のガスを供給して、紡糸原液供給部周辺のみを確実に所望相対湿度に維持できるため、スケールアップした場合であっても、季節や天候による環境変化の影響を受けず、日によって繊維径がばらつくことなく繊維を製造できることを開示している。
そして、繊維集合体に毛羽立ちが多く生じるような条件で繊維集合体を製造した場合や、製造される繊維集合体に含まれる溶媒や水分の量が高くなる条件で繊維集合体を製造した場合には、安定した紡糸状態を保ち繊維集合体を製造することが困難となり、目的の物性を備えた繊維集合体が製造できなくなる傾向があった。また、最悪の場合には、捕集体から剥がすことすら困難であり取り扱い性に劣る繊維集合体が製造されることがあった。
[1]「(1)温度および湿度を調整した気体を紡糸空間へ供給すると共に、前記紡糸空間に存在する気体を、捕集体を通過させて気体排出口へ移動させる工程、
(2)紡糸原液を紡糸開始部から紡糸空間へ放出させ、主として電界の作用によって繊維化する工程、
(3)前記繊維を前記捕集体の捕集面に集積して、前記捕集面に繊維集合体を形成する工程、
を備える繊維集合体の製造方法であって、
前記気体排出口が前記捕集面に対向する裏面と対面し近接して存在しており、かつ前述した気体の気体流入比率を1よりも大きくしたことを特徴とする繊維集合体の製造方法。」
そして、
[2]「(1)紡糸空間へ温度および湿度を調整した気体を供給できる給気装置、
(2)前記紡糸空間に存在する気体を、捕集体を通過させて気体排出口へ移動できる、気体排出口を供える排気装置、
(3)紡糸原液を紡糸空間へ放出できる紡糸開始部、
(4)前記紡糸開始部から放出された前記紡糸原液を、主として電界の作用によって繊維化できる電界形成手段、
(5)前記繊維を前記捕集体の捕集面に集積して、前記捕集面に繊維集合体を形成できる捕集体、
を備える繊維集合体の製造装置であって、
前記気体排出口が前記捕集面に対向する裏面と近接し、かつ前述した気体の気体流入比率を1よりも大きくしたことを特徴とする繊維集合体の製造装置。」
である。
更に、捕集面に対向する裏面と対面し近接して存在している気体排出口によって、紡糸空間へ供給された気体が捕集体を通過して気体排出口へ移動するものとなり、その際、繊維集合体を通過する前記気体の力により、繊維が立ち上がるのを防止し易くして、紡糸原液に作用する電界の力が変化することに起因して紡糸条件が意図せず変化するのを防止できると考えられる。
気体の温度および湿度を調整する方法は適宜選択するが、一般的に入手可能な温湿度調整装置を用いることができる。
なお、本発明で使用する気体の温度および湿度は、目的の物性を備える繊維集合体(13)を製造できるように適宜調整するが、例えば、温度は0℃〜200℃であるのが好ましく、10℃〜100℃であるのがより好ましく、15℃〜30℃であるのが最も好ましい。また、湿度は0%〜100%の範囲内で調整可能であり、5%〜70%であるのが好ましく、5%〜50%であるのがより好ましい。また、調整した気体の温度や湿度の変動幅は少ないほど、目的の物性を備える繊維集合体(13)を製造し易くなる傾向があるため、気体の温度の変動幅は±1℃/時間以下であるのが好ましく、湿度の変動幅は±5RH%/時間以下となるように調整するのが好ましい。
なお、気体排出口(10)から供給されている温度および湿度を調整した気体の体積は、例えば、紡糸空間(11)の広さなどによって変化するため、目的の物性を備える繊維集合体(13)を製造できるように適宜選択する。
また、気体供給口(2)の数は適宜調整するものであり、複数設けてもよい。
ここでいう、気体排出口(10)が裏面(9b)と対面しているとは、気体排出口(10)と裏面(9b)が略平行あるいは平行をなすことを意味しており、近接しているとは、気体排出口(10)と裏面(9b)の離間する最短距離が30cm以下であることをいう。
上述の効果が効果的に発揮されるように、気体排出口(10)と裏面(9b)の離間する距離は20cm以下であるのが好ましく、10cm以下であるのがより好ましく、理想的には図1に記載しているように0cm(気体排出口(10)と裏面(9b)が接触している状態)であるのが最も好ましい。
気体流出入比率=A/B
A:気体供給口から供給されている、温度および湿度を調整した気体の体積(L/min)
B:気体排出口を通過する気体の体積(L/min)
なお、気体流出入比率が1よりも大きい条件で繊維集合体(13)を製造する場合、気体をケース(3)外(紡糸空間(11)外)に排出できるように、紡糸空間(11)を囲うケース(3)に後述する別の気体排出口(図2における21)を設けるのが好ましい。
なお、上述の塩は、紡糸原液中に完全に溶解あるいは融解している状態であっても、あるいは、紡糸原液中に固体で存在している状態であってもよい。
そのため、アグリゲートもしくはストラクチャーと呼ばれる状態を形成し得る粒子の平均粒子径を求める場合には、粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、電子顕微鏡写真に写っている50個の粒子における各粒子の直径の平均値を算出することで求める。なお、電子顕微鏡写真に写る粒子の形状が非円形である場合には、電子顕微鏡写真に写る前記形状の粒子と同じ面積を有する円の直径を、粒子の直径とみなす。
なお、紡糸開始部(4)から紡糸空間(11)へ放出されている紡糸原液に、重力の作用や、気体供給口(2)から供給されている温度および湿度を調整した気体の流れなどの力が作用している場合であっても、前記力が紡糸原液の進行方向や進行速度を大きく変更させるほどの作用を示すものではない場合、あるいは、繊維化の程度を大きく変化させるほどの作用を示すものではない場合には、紡糸原液が主として電界の作用によって繊維化している範囲に含める。
そのため、紡糸開始部(4)から紡糸空間(11)へ放出されている紡糸原液に、電界の作用以外の過度の力が作用するのを避けるため、紡糸開始部(4)から紡糸空間(11)へ放出された紡糸原液の、進行方向や進行速度を大きく変更させるほどの作用を示す、あるいは、繊維化の程度を大きく変化させるほどの作用を示す力(例えば、ガス流、液流、遠心力などの力)を、紡糸開始部(4)から紡糸空間(11)へ放出された紡糸原液へ作用させることなく繊維集合体(13)を製造する。
なお、別の気体排出口(21)からケース(3)外へ排出する気体の体積は、目的の物性を備える繊維集合体(13)を製造できるように適宜調整する。
繊維集合体の製造中における、繊維集合体の表面を目視にて確認し、繊維集合体の表面に毛羽立ちが発生したかどうかを評価した。
つまり、繊維集合体の主面に毛羽立ちが認められなかった場合には○印を記載し、繊維集合体の主面に毛羽立ちが若干認められた場合には△印を記載し、繊維集合体の主面に毛羽立ちが多数認められた場合には×印を記載した。
繊維集合体の質量(単位:g)を測定し、測定された質量を前記繊維集合体における広い面積を有する面(主面)側から見た際の、1m2あたりの質量に換算した値を目付(単位:g/m2)とした。
以下の式に、各測定された目付を代入することで、繊維集合体に含まれる溶媒や水分の百分率(%)を算出した。
A={(B−C)/C}×100
A:繊維集合体に含まれる溶媒や水分の百分率(%)
B:ステンレスメッシュの捕集面から引き剥がした直後(乾燥前)の繊維集合体の目付(g/m2)
C:乾燥後の繊維集合体の目付(g/m2)
重量平均分子量20万のポリアクリロニトリル(PAN)を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に質量比率が(PAN:DMF=16質量%:84質量%)となるように溶解させて、PANの濃度が16質量%の紡糸原液Aを調製した。
フッ化ビニリデン・テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(ダイキン工業社製、品名:VT−470)を、DMFに質量比率が(前記共重合体:DMF=10質量%:90質量%)となるように溶解させて、前記共重合体の濃度が10質量%の溶液を得た。
次いで、導電性粒子としてカーボンブラック(電気化学工業株式会社製、デンカブラック(登録商標)粒状品、平均粒子径:35nm)を前記溶液に混合し、更にDMFを加えて希釈してカーボンブラックを分散させた紡糸原液Bを調製した。
なお、紡糸原液Bに含まれているカーボンブラックと前記共重合体の質量比率は(カーボンブラック:前記共重合体=40質量%:60質量%)であり、紡糸原液Bの濃度は12質量%(カーボンブラックと前記共重合体の合計:DMF=12質量%:88質量%)であった。
図2に示すような製造装置を用意した。
つまり、ケースに周囲を囲われた空間(縦:1000mm、横:1000mm、高:1000mm)に、紡糸原液を放出できる、内径が0.33mmの金属製ノズルを固定した。そして、直流高電圧発生装置を金属製ノズルに接続することで、紡糸原液に電圧を印加できるようにした。
次いで、捕集体としてステンレスメッシュを用意しアースした。そして、アースしたステンレスメッシュを、金属製ノズルよりも図2における紙面上の下方向側に設置した。
更に、金属製ノズルよりも図2における紙面上の上方向側に、気体ポンプによって温度および湿度を調整した空気を紡糸空間へ供給できる、気体供給口を設けた。
また、ステンレスメッシュの捕集面(ステンレスメッシュの、図2における紙面上の上方向側の面)に対向する裏面(ステンレスメッシュの、図2における紙面上の下方向側の面)と対面し近接するようにして、気体排出口としてサクション装置のサクション口を設けた。なお、ステンレスメッシュの裏面とサクション口は平行を成して対面すると共に、ステンレスメッシュの裏面とサクション口が接触する状態にした。また、サクション口からサクションされた気体は、ケース外に排出されるようにした。
更に、ケースにおける、ノズルからステンレスメッシュに向かう方向において、サクション口よりも離れた位置(サクション口よりも、図2における紙面上の下方向側の位置)に切り欠きを設けた。なお、切り欠きは気体をケース外へ排出する別の気体排出口として働き得るものであった。
以下の条件において、ステンレスメッシュの捕集面上に繊維集合体を製造した。
・金属製ノズルの先端とステンレスメッシュとの距離:8cm
・紡糸原液に印加した電圧:17kV
・気体供給口から供給した空気の、温度および湿度:温度25℃、湿度40%RH
・気体供給口から供給した、温度および湿度を調整した空気の体積:10L/秒
・サクション口からサクションした空気の体積:10L/秒
・気体流出入比率:1
・切り欠きからケース外へ排出された空気の体積:0L/秒
・紡糸原液の種類:紡糸原液A
・金属製ノズルから放出された紡糸原液の質量(紡糸量):2g/時間
なお、繊維集合体の製造中に、繊維集合体の表面に毛羽立ちは認められず、安定した紡糸状態を保ち繊維集合体を製造することができた。
次いで、ステンレスメッシュの捕集面に製造された繊維集合体を、ステンレスメッシュから引き剥がして目付を測定した。この時の繊維集合体の目付(乾燥前の目付)は、10.10g/m2であった。
その後、引き剥がした繊維集合体を、60℃に調節したドライヤー装置へ30分間供することで、繊維集合体中から溶媒および水分を除去し乾燥させた。なお、乾燥後の繊維集合体の目付は10.00g/m2であった。
以下のように紡糸条件を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ステンレスメッシュの捕集面上に繊維集合体を製造した。
・気体供給口から供給した、温度および湿度を調整した空気の体積:11L/秒
・サクション口からサクションした空気の体積:10L/秒
・気体流出入比率:1.1
・切り欠きからケース外へ排出された空気の体積:1L/秒
なお、繊維集合体の製造中に、繊維集合体の表面に毛羽立ちは認められず、安定した紡糸状態を保ち繊維集合体を製造することができた。
次いで、ステンレスメッシュの捕集面に製造された繊維集合体を、ステンレスメッシュから引き剥がして目付を測定した。この時の繊維集合体の目付(乾燥前の目付)は、15.15g/m2であった。
その後、引き剥がした繊維集合体を、60℃に調節したドライヤー装置へ30分間供することで、繊維集合体中から溶媒および水分を除去し乾燥させた。なお、乾燥後の繊維集合体の目付は15.00g/m2であった。
以下のように紡糸条件を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ステンレスメッシュの捕集面上に繊維集合体を製造した。
・気体供給口から供給した、温度および湿度を調整した空気の体積:15L/秒
・サクション口からサクションした空気の体積:10L/秒
・気体流出入比率:1.5
・切り欠きからケース外へ排出された空気の体積:5L/秒
なお、繊維集合体の製造中に、繊維集合体の表面に毛羽立ちは認められず、安定した紡糸状態を保ち繊維集合体を製造することができた。
次いで、ステンレスメッシュの捕集面に製造された繊維集合体を、ステンレスメッシュから引き剥がして目付を測定した。この時の繊維集合体の目付(乾燥前の目付)は、15.30g/m2であった。
その後、引き剥がした繊維集合体を、60℃に調節したドライヤー装置へ30分間供することで、繊維集合体中から溶媒および水分を除去し乾燥させた。なお、乾燥後の繊維集合体の目付は15.00g/m2であった。
以下のように紡糸条件を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ステンレスメッシュの捕集面上に繊維集合体を製造した。
・気体供給口から供給した、温度および湿度を調整した空気の体積:9L/秒
・サクション口からサクションした空気の体積:10L/秒
・気体流出入比率:0.9
・切り欠きからケース外へ排出された空気の体積:0L/秒
なお、繊維集合体の製造中に、繊維集合体の表面に繊維の若干毛羽立ちが発生したものの、繊維集合体を製造することができた。
次いで、ステンレスメッシュの捕集面に製造された繊維集合体を、ステンレスメッシュから引き剥がして目付を測定した。この時の繊維集合体の目付(乾燥前の目付)は、15.30g/m2であった。
その後、引き剥がした繊維集合体を、60℃に調節したドライヤー装置へ30分間供することで、繊維集合体中から溶媒および水分を除去し乾燥させた。なお、乾燥後の繊維集合体の目付は15.00g/m2であった。
以下のように紡糸条件を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ステンレスメッシュの捕集面上に繊維集合体を製造した。
・金属製ノズルから放出された紡糸原液の質量(紡糸量):10g/時間
なお、繊維集合体の製造中に、繊維集合体の表面に毛羽立ちは認められず、安定した紡糸状態を保ち繊維集合体を製造することができた。
次いで、ステンレスメッシュの捕集面に製造された繊維集合体を、ステンレスメッシュから引き剥がして目付を測定した。この時の繊維集合体の目付(乾燥前の目付)は、15.15g/m2であった。
その後、引き剥がした繊維集合体を、60℃に調節したドライヤー装置へ30分間供することで、繊維集合体中から溶媒および水分を除去し乾燥させた。なお、乾燥後の繊維集合体の目付は15.00g/m2であった。
気体供給口から温度および湿度を調整していない空気を供給したこと以外は、実施例1と同様にして、ステンレスメッシュの捕集面上に繊維集合体を製造した。
なお、繊維集合体の製造中に、繊維集合体の表面に毛羽立ちが多数存在しており、安定した紡糸状態を保ち繊維集合体を製造することができなかった。
次いで、ステンレスメッシュの捕集面に製造された繊維集合体を、ステンレスメッシュから引き剥がそうとしたものの、前記繊維集合体は取り扱い性が悪かったため、ステンレスメッシュから引き剥がすことができず目付の測定、および、後述する各種測定方法へ供することができなかった。
以下のように紡糸条件を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ステンレスメッシュの捕集面上に繊維集合体を製造した。
・気体供給口から供給した、温度および湿度を調整した空気の体積:10L/秒
・サクション口からサクションした空気の体積:0L/秒
・切り欠きからケース外へ排出された空気の体積:10L/秒
なお、繊維集合体の製造中に、繊維集合体の表面に毛羽立ちが多数存在しており、安定した紡糸状態を保ち繊維集合体を製造することができなかった。
次いで、ステンレスメッシュの捕集面に製造された繊維集合体を、ステンレスメッシュから引き剥がそうとしたものの、前記繊維集合体は取り扱い性が悪かったため、ステンレスメッシュから引き剥がすことができず目付の測定、および、後述する各種測定方法へ供することができなかった。
続いて、紡糸原液Bを用いて、以下の実施例6−11および比較例3−4の条件で繊維集合体を製造した。
以下の条件において、ステンレスメッシュの捕集面上に繊維集合体を製造した。
・金属製ノズルの先端とステンレスメッシュとの距離:15cm
・紡糸原液に印加した電圧:12kV
・気体供給口から供給した空気の、温度および湿度:温度25℃、湿度40%RH
・気体供給口から供給した、温度および湿度を調整した空気の体積:10L/秒
・サクション口からサクションした空気の体積:10L/秒
・気体流出入比率:1
・切り欠きからケース外へ排出された空気の体積:0L/秒
・紡糸原液の種類:紡糸原液B
・金属製ノズルから放出された紡糸原液の質量(紡糸量):2g/時間
なお、繊維集合体の製造中に、繊維集合体の表面に毛羽立ちは認められず、安定した紡糸状態を保ち繊維集合体を製造することができた。
次いで、ステンレスメッシュの捕集面に製造された繊維集合体を、ステンレスメッシュから引き剥がして目付を測定した。この時の繊維集合体の目付(乾燥前の目付)は、11.22g/m2であった。
その後、引き剥がした繊維集合体を、60℃に調節したドライヤー装置へ30分間供することで、繊維集合体中から溶媒および水分を除去し乾燥させた。なお、乾燥後の繊維集合体の目付は11.00g/m2であった。
以下のように紡糸条件を変更したこと以外は、実施例6と同様にして、ステンレスメッシュの捕集面上に繊維集合体を製造した。
・金属製ノズルの先端とステンレスメッシュとの距離:20cm
・紡糸原液に印加した電圧:15kV
・金属製ノズルから放出された紡糸原液の質量(紡糸量):10g/時間
なお、繊維集合体の製造中に、繊維集合体の表面に毛羽立ちは認められず、安定した紡糸状態を保ち繊維集合体を製造することができた。
次いで、ステンレスメッシュの捕集面に製造された繊維集合体を、ステンレスメッシュから引き剥がして目付を測定した。この時の繊維集合体の目付(乾燥前の目付)は、15.30g/m2であった。
その後、引き剥がした繊維集合体を、60℃に調節したドライヤー装置へ30分間供することで、繊維集合体中から溶媒および水分を除去し乾燥させた。なお、乾燥後の繊維集合体の目付は15.00g/m2であった。
以下のように紡糸条件を変更したこと以外は、実施例6と同様にして、ステンレスメッシュの捕集面上に繊維集合体を製造した。
・金属製ノズルから放出された紡糸原液の質量:30g/時間
なお、繊維集合体の製造中に、繊維集合体の表面に毛羽立ちは認められず、安定した紡糸状態を保ち繊維集合体を製造することができた。
次いで、ステンレスメッシュの捕集面に製造された繊維集合体を、ステンレスメッシュから引き剥がして目付を測定した。この時の繊維集合体の目付(乾燥前の目付)は、15.15g/m2であった。
その後、引き剥がした繊維集合体を、60℃に調節したドライヤー装置へ30分間供することで、繊維集合体中から溶媒および水分を除去し乾燥させた。なお、乾燥後の繊維集合体の目付は15.00g/m2であった。
以下のように紡糸条件を変更したこと以外は、実施例8と同様にして、ステンレスメッシュの捕集面上に繊維集合体を製造した。
・気体供給口から供給した、温度および湿度を調整した空気の体積:11L/秒
・サクション口からサクションした空気の体積:10L/秒
・気体流出入比率:1.1
・切り欠きからケース外へ排出された空気の体積:1L/秒
なお、繊維集合体の製造中に、繊維集合体の表面に毛羽立ちは認められず、安定した紡糸状態を保ち繊維集合体を製造することができた。
次いで、ステンレスメッシュの捕集面に製造された繊維集合体を、ステンレスメッシュから引き剥がして目付を測定した。この時の繊維集合体の目付(乾燥前の目付)は、15.30g/m2であった。
その後、引き剥がした繊維集合体を、60℃に調節したドライヤー装置へ30分間供することで、繊維集合体中から溶媒および水分を除去し乾燥させた。なお、乾燥後の繊維集合体の目付は15.00g/m2であった。
以下のように紡糸条件を変更したこと以外は、実施例8と同様にして、ステンレスメッシュの捕集面上に繊維集合体を製造した。
・気体供給口から供給した、温度および湿度を調整した空気の体積:15L/秒
・サクション口からサクションした空気の体積:10L/秒
・気体流出入比率:1.5
・切り欠きからケース外へ排出された空気の体積:5L/秒
なお、繊維集合体の製造中に、繊維集合体の表面に毛羽立ちは認められず、安定した紡糸状態を保ち繊維集合体を製造することができた。
次いで、ステンレスメッシュの捕集面に製造された繊維集合体を、ステンレスメッシュから引き剥がして目付を測定した。この時の繊維集合体の目付(乾燥前の目付)は、15.30g/m2であった。
その後、引き剥がした繊維集合体を、60℃に調節したドライヤー装置へ30分間供することで、繊維集合体中から溶媒および水分を除去し乾燥させた。なお、乾燥後の繊維集合体の目付は15.00g/m2であった。
以下のように紡糸条件を変更したこと以外は、実施例8と同様にして、ステンレスメッシュの捕集面上に繊維集合体を製造した。
・気体供給口から供給した、温度および湿度を調整した空気の体積:9L/秒
・サクション口からサクションした空気の体積:10L/秒
・気体流出入比率:0.9
・切り欠きからケース外へ排出された空気の体積:0L/秒
なお、繊維集合体の製造中に、繊維集合体の表面に繊維の若干毛羽立ちが発生したものの、繊維集合体を製造することができた。
次いで、ステンレスメッシュの捕集面に製造された繊維集合体を、ステンレスメッシュから引き剥がして目付を測定した。この時の繊維集合体の目付(乾燥前の目付)は、19.50g/m2であった。
その後、引き剥がした繊維集合体を、60℃に調節したドライヤー装置へ30分間供することで、繊維集合体中から溶媒および水分を除去し乾燥させた。なお、乾燥後の繊維集合体の目付は15.00g/m2であった。
気体供給口から温度および湿度を調整していない空気を供給したこと以外は、実施例6と同様にして、ステンレスメッシュの捕集面上に繊維集合体を製造した。
なお、繊維集合体の製造中に、繊維集合体の表面に立ち上がった繊維が多数存在しており、安定した紡糸状態を保ち繊維集合体を製造することができなかった。
次いで、ステンレスメッシュの捕集面に製造された繊維集合体を、ステンレスメッシュから引き剥がして目付を測定した。この時の繊維集合体の目付(乾燥前の目付)は、24.00g/m2であった。
その後、引き剥がした繊維集合体を、60℃に調節したドライヤー装置へ30分間供することで、繊維集合体中から溶媒および水分を除去し乾燥させた。なお、乾燥後の繊維集合体の目付は15.00g/m2であった。
以下のように紡糸条件を変更したこと以外は、実施例6と同様にして、ステンレスメッシュの捕集面上に繊維集合体を製造した。
・気体供給口から供給した、温度および湿度を調整した空気の体積:10L/秒
・サクション口からサクションした空気の体積:0L/秒
・切り欠きからケース外へ排出された空気の体積:10L/秒
なお、繊維集合体の製造中に、繊維集合体の表面に立ち上がった繊維が多数存在しており、安定した紡糸状態を保ち繊維集合体を製造することができなかった。
次いで、ステンレスメッシュの捕集面に製造された繊維集合体を、ステンレスメッシュから引き剥がして目付を測定した。この時の繊維集合体の目付(乾燥前の目付)は、29.70g/m2であった。
その後、引き剥がした繊維集合体を、60℃に調節したドライヤー装置へ30分間供することで、繊維集合体中から溶媒および水分を除去し乾燥させた。なお、乾燥後の繊維集合体の目付は18.00g/m2であった。
繊維集合体を厚さ測定器(ミツトヨ社製、コードNo.547−401、測定力:3.5N以下)へ供し、計測した10点の厚さの算術平均値を厚さとした。
本発明における空隙率(単位:%)は次の式から算出した。
P=100−(Fr1+Fr2+・・+Frn)
ここで、Frnは繊維集合体を構成する成分n(例えば、ポリマー、導電性粒子等)の充填率(単位:%)を示し、次の式から得られる値をいう。
Frn=[(M/T)×Prn/SGn]×100
ここで、Mは繊維集合体の目付(単位:g/m2)、Tは繊維集合体の厚さ(単位:cm)、Prnは繊維集合体を構成する成分nの存在質量比率(単位:質量%)、SGnは成分nの密度(単位:g/cm3)をそれぞれ意味する。
繊維集合体の電子顕微鏡写真を測定し、無作為に選んだ40点における繊維直径の算術平均値を算出することで、平均繊維径を求めた。
なお、「繊維直径」とは、前記選択した繊維が、例えば導電性粒子などの粒子が露出した繊維のみである場合には、露出した粒子を含めた繊維横断面における直径を意味する。また、前記選択した繊維が、粒子が露出した繊維を含んでいない場合、あるいは、粒子が露出した繊維を含有していても粒子が露出していない部分を有する繊維を含んでいる場合には、繊維における粒子が露出していない部分の繊維横断面における直径を意味する。
・実施例1と実施例5、ならびに、実施例6−8から、本発明の繊維集合体の製造方法は、紡糸量を多くした場合であっても、繊維集合体の表面に毛羽立ちが発生するのを防いで、溶媒や水分を含む量の少ない繊維集合体を製造できることが判明した。
・実施例1−3と参考例1とを比較した結果、ならびに、実施例8−10と参考例2とを比較した結果から、気体流出入比率を1以上に調整することで、毛羽立ちが発生するのを防ぐ、及び/又は、溶媒や水分を含む量が多い繊維集合体が製造されるのを防止できることが判明した。
1・・・給気装置
2・・・気体供給口
3・・・ケース
4・・・紡糸開始部
5・・・パワーサプライのアース
6・・・対向電極のアース
7・・・パワーサプライ
8・・・捕集体
9a・・・捕集面
9b・・・裏面
10・・・気体排出口
11・・・紡糸空間
12・・・排気装置
13・・・繊維集合体
200・・・別の繊維集合体の製造装置
21・・・別の気体排出口
Claims (2)
- (1)温度および湿度を調整した気体を紡糸空間へ供給すると共に、前記紡糸空間に存在する気体を、捕集体を通過させて気体排出口へ移動させる工程、
(2)紡糸原液を紡糸開始部から紡糸空間へ放出させ、主として電界の作用によって繊維化する工程、
(3)前記繊維を前記捕集体の捕集面に集積して、前記捕集面に繊維集合体を形成する工程、
を備える繊維集合体の製造方法であって、
前記気体排出口が前記捕集面に対向する裏面と対面し近接して存在しており、かつ前記気体の気体流出入比率を1よりも大きくしたこと
を特徴とする繊維集合体の製造方法。 - (1)紡糸空間へ温度および湿度を調整した気体を供給できる給気装置、
(2)前記紡糸空間に存在する気体を、捕集体を通過させて気体排出口へ移動できる、気
体排出口を供える排気装置、
(3)紡糸原液を紡糸空間へ放出できる紡糸開始部、
(4)前記紡糸開始部から放出された前記紡糸原液を、主として電界の作用によって繊維
化できる電界形成手段、
(5)前記繊維を前記捕集体の捕集面に集積して、前記捕集面に繊維集合体を形成できる
捕集体、
を備える繊維集合体の製造装置であって、
前記気体排出口が前記捕集面に対向する裏面と近接し、かつ前記気体の気体流出入比率を1よりも大きくしたこと
を特徴とする繊維集合体の製造装置。
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