JP6120280B2 - 高速撮影システム及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高速撮影システム及び方法に関するものである。
短いフラッシュを用いたストロボ撮影は、我々の目では追えない現象、たとえば衝撃波やキャビテーション、磁化ダイナミクス、化学反応、ナノマテリアルの生成、フォノンの移動などを一瞬だけ止めることができる。21世紀に入ると原理的限界な領域であるアト秒のパルス光が作られ、ストロボ撮影速度の境界はついにサブフェムトの領域にまで広がった。しかしながらストロボ法には一枚の画像しか取得できないという決定的な限界があり、動的現象を詳細に調べることができない。照明のタイミングを少しずつずらして撮影を行い、最後に再構成を行うことで連続画像を得る時間分解ポンププローブ法はその問題を解決する一つの方法である。この手法を適用するためには、同一の現象が際限なく繰り返し起こることが必要とされる。これに対して、実際に我々は極めて複雑な世界に生きており、ほとんどの場合そのような理想的な状況を得ることができない。繰り返し生じない複雑な現象の観察にはシングルショットで連続画の取得が可能な高速度撮影が必要である。
半導体技術の進歩により、速度撮影の主役はCCDまたはCMOSを内蔵した多用途ビデオカメラにとって代わられた。高速度ビデオカメラは様々な研究、特に相対的に速い撮影速度が必要となる微視的な現象、の要求に応えている。島津製作所が2012年にリリースした高速度ビデオカメラはその中でも世界最速クラスのCMOS高速度ビデオカメラで、これは撮影速度1000万コマ、露光時間100ナノ秒を実現する。このようにビデオカメラの撮影速度は進歩してきているが、電気デバイスの動作速度の限界に近づいており、将来的にサブナノ秒の撮影速度を実現できるとは考えにくい。光パルス限界の時間領域にまで踏み込んだ超高速度撮影を実現するためには、機械的および電気的動作を一切排除することで、従来の電気デバイス依存の高速度撮影法の速度限界を超える、オールオプティカルなアプローチが必要である。
このように、ストロボ撮影法は非常に有効な高速度撮影法で、100年以上前から物理・化学・医学・生理学を問わず広く様々な分野で用いられているが、ストロボ法では、ますます複雑な現象に対象が移りつつある近年の研究の要求に対処できなくなった。それを補うように、高速度ビデオカメラ等の高速度撮影法が目覚ましい進歩を遂げたが、なおも残されている領域が存在する。それは電気的限界を超えるサブナノ秒の世界における複雑現象である。多くの高速度撮影の発展や需要にもかかわらず、ナノ秒より速い複雑な現象の連続画撮影を行える、効果的なシングルショット・イメージング手法は未だ確立されていない。
特許文献1、非特許文献1には、分散ファイバの群速度分散を利用したイメージングシステムが開示されているが、このイメージングシステムは、本明細書の記載から明らかなように本発明とはシステムの全体構成が異なり、また、電気的な信号処理を含むものである。
特表2011−529230 Goda, K., Tsia, K. K. & Jalali, B.Serial time-encoded amplified imaging for real-time observation of fast dynamicphenomena. Nature 458, 1145−1149 (2009).
現在、サブナノ秒という極めて短い時間で変化する単発現象を連続した2次元画像として取得する撮影システムは存在しない。例えば、CCDなどの撮像素子を用いた方法は連続撮影が可能であるが、撮影速度が十分でない。複数の撮像素子を組み合わせた世界最高速のカメラでも、ピコ秒からナノ秒の撮影を行うことはできない。一方、ポンププローブ法やストリークカメラはピコ秒の撮影速度を実現するが、繰り返し起こらない単発現象を連続画として取得できない、1次元の情報しか得られないという課題がある。
本発明の目的は、従来の高速撮影システムでは実現できない、ナノ秒以下の超短時間領域において変化する単発現象の連続撮影を可能とする高速撮影手法を提供することにある。
本発明が採用した第1の技術手段は、
対象を照射する照射光を生成する照明系と、
対象が配置される観察部と、
対象を透過ないし反射した光を検出する検出系と、
からなる高速撮影システムであって、
前記照明系は、波長の異なる複数の部分からなる照射光を用意し、当該照射光の各部分が、波長に対応した異なる時間で対象に入射するように構成されており、
前記観察部において、前記照射光が対象に照射され、対象を透過もしくは反射することで波長の異なる複数の部分からなる透過光あるいは反射光が生成され、前記透過光あるいは前記反射光の各部分は、波長に対応した時間における対象の像情報をそれぞれ保持しており、
前記検出系は、
前記波長の異なる複数の部分からなる透過光あるいは反射光を、像情報を保持したまま波長ごとに空間的に分離する光分離部と、
前記光分離部によって空間的に分離された光を、受光面上の異なる位置に入射させて検出する撮像素子と、
を備えている、高速撮影システム、である。
1つの態様では、前記照明系は、パルス光を出射する広帯域光源と、パルス光のパルス幅を所定のパルス幅にストレッチする手段と、を備えている。
前記所定のパルス幅は、撮影時間に相当すると考えることができる。
1つの態様では、広帯域光源から出射されたパルス光は、光ファイバを通って伝搬し、前記ストレッチ手段は、群速度分散を用いたものである。
本発明において、パルスストレッチャは光ファイバの群速度分散を用いるものに限定されず、グレーティングペア、FBG (Fiber bragg grating)等、当業者に公知のいかなる手段をも用いることができる。
一般に、パルスストレッチャは、光路長の違いを用いたもの、群速度分散を用いたもの、の二つに分けられる。具体的には、前者はグレーティングペアやプリズムペア、可変鏡など、後者は光ファイバやガラスパイプなどが挙げられ、それらは撮影したい時間スケールに合わせてストレッチャーとして用いることができる。
1つの態様では、前記照明系は、さらに、ストレッチされたパルス光を、波長の異なる複数の部分からなるパルス列に成形する波形整形器を備えている。
波長の異なる複数の部分からなるパルス列において、当該波長の異なる複数の部分の数は撮影枚数に相当し、各部分の幅は露光時間に相当する。
波形整形器により撮影速度、露光時間が設定され得る。
1つの態様では、前記波形整形器は、4f型波形整形器である。
1つの態様では、前記波形整形器は、LC-SLM(液晶空間光変調器)を備えている。
他の波形整形器として、AOPDF(Acousto-optic programmable dispersive filter)が例示される。ナノ秒などの遅い時間スケールの場合には、ポッケルスセルなどを用いて時間領域で波形整形をすることも可能である。
後述する実施形態におけるように、好ましい態様では、前記照明系は、パルス光を出射する広帯域光源と、パルス光のパルス幅を撮影時間に相当するパルス幅にストレッチする手段と、ストレッチされたパルス光を、波長の異なる複数の部分からなるパルス列(波長の異なる複数のストロボ光)に成形する波形整形器と、を備えているが、上記照明系及び観察部における必須事項は、対象に波長の異なる光が異なる時間で照射されるということである。
例えば、遅い時間領域であれば、複数の波長の異なるレーザをロックし発振させ、光路長と強度を調整させればよく、広帯域超短パルスレーザ、ストレッチャー、波形整形器は必須構成要素ではない。
また、上記検出系における光分離部は波形整形器の役割も兼ねることができ、照明系における波形整形器は望ましい構成要素であって、必須構成要素ではない。
1つの態様では、前記光分離部は、光学的分散素子、シリンドリカルミラーまたはシリンドリカルレンズ、複数対のミラー群、で構成される4f光学系であり、
前記光学的分散素子は前記シリンドリカルミラーまたはシリンドリカルレンズの焦点面に配置されており、
前記複数対のミラー群は、当該4f光学系のフーリエ面が各ミラー対の中心に位置し、当該4f光学系を通過する透過光ないし反射光の光路長が等しくなるように配置されており、
前記光学的分散素子に入射した波長の異なる複数の部分からなる透過光あるいは反射光は、波長に応じて空間的に分離され、ついで、前記シリンドリカルミラーまたはシリンドリカルレンズを介して前記複数対のミラー群によって空間的に複数個に分割され、同じミラー対で反射された光は前記シリンドリカルミラーまたはシリンドリカルレンズを介して前記光学的分散素子で結合されて、空間的に分離された波長の異なる複数の透過光あるいは反射光として出射される。
4f光学系の光分離部において、「光学的分散素子(後述の実施形態では回折格子)とシリンドリカルミラーとの距離」、「シリンドリカルミラーと各ミラー対の中心(上下のミラー対の高さ方向中央)との距離」、がシリンドリカルミラーの焦点距離に設定されている。
具体的な態様では、前記光学的分散素子は、回折格子、プリズム、グリズムから選択され得る。
なお、ミラー対の数=N、光分離部に入射されるパルスがM個の部分からなる場合に、1つの態様では、N=Mである。
もっとも、N=Mの場合に限定されるものではなく、M(M=1を含む)<N、M>Nの場合もあり得る。M(M=1を含む)<Nの例として、波形整形器でパルスを分けないで一つながり(波長の異なる複数の部分が連続してつながっている)とし、光分離部でフレームを分けるような場合が挙げられる。
また、波長選択スイッチ(WSS)のシステムを利用して光分離部を構成することができる。波長選択スイッチ(WSS)は、波長多重化されて伝送される光信号を受光し、任意の波長を任意の経路に分配する機能を有する。波長選択スイッチ(WSS)としては、例えば、LCOS(liquid crystal on silicon)やDMD(digital mirror device)を用いたものが知られている。
1つの態様では、前記撮像素子は、CCDイメージセンサ(ICCD、冷却CCD、EMCCDを含む)である。
1つの態様では、前記撮像素子は、CMOSイメージセンサである。
本発明が採用した第2の技術手段は、
波長の異なる複数の部分からなる照射光を用意するステップと、
前記照射光を対象に照射し、対象を透過もしくは反射することで波長の異なる複数の部分からなる透過光あるいは反射光を生成し、前記透過光あるいは反射光の各部分に、波長に対応した時間における対象の像情報をそれぞれ保持させるステップと、
前記透過光あるいは前記反射光を、像情報を保持したまま波長ごとに空間的に分離するステップと、
空間的に分離された光を、撮像素子の受光面上の異なる位置に入射させて検出するステップと、
を備えた、高速撮影方法、である。
1つの態様では、前記波長の異なる複数の部分からなる照射光を用意するステップは、広帯域光源から出射されたパルス光を撮影時間に相当するパルス幅にストレッチするステップを備えている。
1つの態様では、前記波長の異なる複数の部分からなる照射光を用意するステップは、さらに、ストレッチされたパルス光を、波長の異なる複数の部分からなるパルス列に成形するステップを備えている。
本発明に係る高速撮影手法は、機械的、電気的な動作を一切排除し、全て光を用いるものであり、原理的には撮影速度に制限はなく、ナノ秒以下(フェムト秒〜ナノ秒)のいかなる超高速現象にも対応する超高速撮影が可能である。本発明は、ピコ秒、ナノ秒という超高速現象をシングルショットで連続撮影が可能であり、また、撮影対象となる現象は、反復性をもたない現象や一度きりしか生じないシングルイベントであってもよい。このように、本発明は、従来の高速度ビデオカメラの撮影速度の制限を解決すると共に、従来の装置では実現できなかったナノ秒以下の2次元動画撮影を可能とする。
本発明では、波形整形と波長による分散量を調整することで、任意の撮影速度(フレーム間隔)・露光時間を実現することができ、適応性に富む撮影が可能である。既存のカメラの多くは、撮影速度や露光時間を設定するとすべてのフレームで同様の条件をとるようになっているのに対して、本発明は撮影のタイミング(露光のタイミング)やフレーム毎の露光時間を任意に設定することができる。その結果、一連の現象をある部分だけより高速な撮影速度で細かく撮影することや、光量の多くなるときのみ露光時間を減らすという柔軟な撮影が可能である。
本発明は光のみを用いた撮影手法なので、電子顕微鏡などのようにサンプルに対し特別な前処理などは必要なく、また既存の光学素子を利用したり顕微鏡装置等に組み込むことができ、従来の手法に組み合わせて幅広く応用することが可能である。
本発明に係る高速撮影の原理を示す図である。 本発明に係る高速撮影システムの全体図である。 本発明に係る高速撮影システムの全体図である。 光源の構成を示す図である。 パルス幅の伸展を説明する図である。 波形整形器の構成を示す図である。 中心波長810nm、帯域幅60nmの照射光(1つのストロボ光)から波形整形器により生成された波長の異なる6つの部分からなるパルス列(6つのストロボ光)と時間との関係を例示する図である。 波形整形器により生成されたパルス列(複数のストロボ光)を例示する図である。 SIS(Spatial Image Splitter)の構成を示す図である。 SISの平面図である。 SISの6対のミラー群の拡大図である。 撮像素子を例示する図である。 撮影枚数を増加する態様例を示す図であり、互いに角度を異ならしめた複数のミラーが配置されている。 観察部に対物レンズを配置したシステムを示す図である。 基礎実験を示す図である。 静止したテストターゲットを撮影した結果を示す図である。 LiNbO3結晶へのレーザ打ち込み実験における照射前の画像である。 LiNbO3結晶へのレーザ打ち込み実験における照射時の画像である。 LiNbO3結晶へのレーザ打ち込み実験における照射後の画像である。 観察部に配置した対物レンズ(低倍率)を用いて50μm間隔のグリッドを観察した時の画像である。 観察部に配置した対物レンズ(高倍率)を用いて、10μm間隔のグリッドを観察した時の画像である。 フォノンの伝播の観察を行った図である。上が生データ、下が解析用に画像処理をした結果を示す。撮影間隔は1.5ps程度と見積もられる。
[A]本発明の原理
本発明は、従来の撮影法では捉えることができなかった複雑かつ反復性のない超高速現象を完全なシングルショットで動的撮影可能なストロボ撮影法を提供する。本発明の概念は、超高速イベントの情報をスペクトル操作により時間軸上から空間軸上にそれぞれ射影するものである。本発明に係る手法では、超短パルスから撮影の時間スケールに合わせた波長の異なるストロボ光を作成し、古典的なストロボ法のようにそれらを対象に照射し、像情報を保持した波長の異なるストロボ光からマルチスペクトラルイメージングにより撮像素子の異なる位置で画像を取得する。
図1に示すように、本発明の基本的な原理は波長を媒介した時空間の射影変換であり、写像fλ:T→Sは時間分散された超短パルスとマルチスペクトラルイメージングにより実現される。すなわち、本発明の原理は、イベント情報の時間領域から空間領域への単射である。この数学的概念を実行するため、イベントはリアルタイムで波長の異なるストロボ光によりラベル付けされ、その後、それらはマルチスペクトラルイメージング法により実空間へ射影される。
広帯域のストロボ光は波長に応じて時間的に分散させることができる。このようにストレッチされた光を動的現象に照射することで、動的現象の瞬間の様子を時系列に波長によりタグ付することができる。これは時間について波長を変数とする関数をつくることと同義である。空間への写像は、像情報を記録した波長の異なるストロボ光をマルチスペクトラルイメージング法により空間の異なる位置に導くことで実現される。
[B]システム構成
[B−1]概要
本実施形態では、超高速現象を、サブナノ秒、連続的、2Dかつシングルショットで撮影する。本実施形態の全体構成を図2、図3に示す。本実施形態では、波長の異なるストロボ光を連続照射することで、当該波長の異なるストロボ光で高速現象を切り取る。時間と波長に対応関係があるため、ある時間における観察対象の情報は、対応する波長の光に転写され記録される。像情報を持った波長の異なるストロボ光(透過光あるいは反射光)を波長に応じて空間的に分離することで、波長ごとに撮像素子上の異なる位置で結像して検出する。本実施形態において、像の取得は、主として、色の異なるストロボ光を作成し照射する照明系と、像情報を保持したストロボ光を異なる位置で取得する検出系と、の2つの系ないしステップで構成される。照明系によって生成されたストロボ光を用いて観察部に配置した対象を照射し、対象の像情報を保持した透過光ないし反射光を検出系において検出する。観察部に配置される対象の種類は限定されない。対象が例えば細胞の場合には、好適には透過光学系が採用されるが、本発明は原理的に対象を透過する光を検出するものでも、対象から反射された光を検出するものでもよい。
照明系では超短パルス光を撮影時間に相当するパルス幅にストレッチする。伸展されたパルス光を波形整形器に通すことで、波長の異なる複数のストロボ光を作り出す。波長の異なる複数のストロボ光は撮影したい対象を透過もしくは反射することで、対象の像情報を持つ。波長の異なるストロボ光が観察対象へと照射される時に、時間と波長に対応関係があるため、ある時間における観察対象の情報は、対応する波長の光に転写される。
検出系においては、グレーティングなどを用いてストロボ光を波長ごとに空間的に分離する。このとき、像情報は保たれたままである。波長ごとに空間的に分離されたストロボ光を、ハイパースペクトラルイメージング技術によりCCDイメージセンサなどの撮像素子(露光した状態に保持)の異なる位置へ入射することで、各ストロボ光は、波長に応じて、露出した状態のイメージセンサ上の別々の場所で検出される。
[B−2]照明系
システムの前半は照明系で、そこでは2つのステップにより波長の異なるストロボ光が作成される。具体的には、照明系は、光源から出射される広帯域超短パルス光を、関心のある現象の時間スケールまでパルスストレッチャにて伸展するステップ(撮影時間の調整)と、伸展されたパルス光を、波形整形器で撮影枚数分のストロボ光に分けるステップ(撮影速度、露光時間、光量の調整)と、を備えている。
照明系においては、広帯域パルス光を、プリズムやグレーティングなどの分散補償光学系またはファイバの群速度分散を用いて伸展し、波長ごとに到達時間の差を作り出す(トータルの撮影時間に相当する)。時間伸展に関しては、時間スケールに対応した様々な手段が知られている。フェムト秒には位相シフターや可変鏡、ピコ秒ではプリズムペアやグレーティングペア、ナノ秒ではファイバ内での群速度分散などである。それらは光の速度が波長によって異なること、もしくは波長によって光路長が異なることを利用している。ここで重要な点は、波長と時間分散が一対一の対応関係にあるということである。
より具体的な態様例では、図4に示すように、光源には伸展器・増幅器・圧縮器で構成されるCPA(チャープ・パルス増幅)システムと、モードロックチタンサファイアレーザ(Ti:Sレーザ)と、を用いる。CPAのグレーティングペアは、中心波長810nm、波長幅60nmのパルス幅60fsに圧縮された1次光と、圧縮されていないパルス幅100ps程度の0次光と、を生成する。0次光(帯域: 780nm - 840nm)を、対象を照射するストロボ光(プローブ光)の光源とする。
図5に示すように、波長による時間領域の拡がりの生成には、光ファイバにおける群速度分散を用いることができる。例えば、シングルモードファイバ(FUJIKURA SM85-SM-U25A、分散:-97(ps/nm/km))を用いて、200mの光ファイバを通してストレッチすると、パルス幅はおよそ1nsとなり、フレーム間隔は200psとなる。また、撮影枚数が少ない場合等には、例えば、一度それぞれのフレームに対応する光を異なる光路に分け、光学的遅延回路によって時間分散を生成させ、再び同軸の光路に戻してもよい。
パルス幅が伸展されたパルス光を波形整形器に通すことで、撮影枚数に対応するように、波長の異なる複数のストロボ光を作り出す。波形整形器によりフレーム間隔(逆数はフレームレートに相当)と露光時間を調整する。すなわち、波形整形器によって、フレーム間隔、露光時間を設定することができる。例えば、記録時間120psにおいて、波形整形器によって、撮影速度約20ps、露光時間約10psに設定する。他のカメラのように撮影速度や露光時間は一定である必要はなく、周波数領域におけるマスク関数による光の制御によって自由な動画撮影が実現される。そこには電気デバイスで見られるジッターは存在せず、録画時間スケールにおいて十分な時間精度で撮影速度と露光時間を制御することができる。これらの連続したストロボ光は物体に到着した時のオブジェクト情報をそれぞれ取得する。
伸展した光を制御し、所望のパルス列を得る波形整形器として、4f型波形整形器が知られている。図6を参照しつつ、4f型波形整形器の構成について説明する。入力パルス(伸展されたパルス光)は第1のグレーティング(刻線数:600 line/mm)によって空間的にスペクトルに分散され、分散を受けたパルス光は第1のレンズ(f=145mm)によって平行にコリメートされる。第1のレンズの後方の焦点面に入力パルスのスペクトル面(フーリエ変換面)が形成される。フーリエ変換面に変調マスクを配置して入力パルスを変調する。変調マスクとしては、LC-SLM(液晶空間光変調器)が例示されるが、他のフーリエマスクを用いてもよい。変調光は、第2のレンズ(f=145mm)、第2のグレーティング(刻線数:600 line/mm)によって時間領域に戻される。図示の態様では、波形整形器の入射側、出射側にそれぞれPBS(偏光ビームスプリッター)が配置されており、第1のレンズとLC-SLMとの間、LC-SLMと第2のレンズとの間には、それぞれ、λ/2板が配置されている。4f型波形整形器自体は公知であり、さらなる詳細な説明は省略する。また、他の構成を備えた波形整形器を用いてもよい。
波形整形器は、撮影速度と露光時間を調整するのみならず、照明強度の調整機構としても働く。LC-SLMにより、各波長の強度を調整することができ、4f型波形整形器によって、ストロボ光を整形することで、所望の撮影速度、露光時間を備え、強度の揃った複数(撮影枚数に対応)のストロボ光が生成される。図2、図7、図8の例では、波長の異なる6つのパルス列からなる6つのストロボ光が生成される。
[B−3]検出系
システムの後半は検出系であり、波長の異なるストロボ光を、像情報を保持したまま波長ごとに空間的に分離する手段(本明細書では、SIS:Spatial Image Splitterと称する)と、空間的に分離された光を、撮像素子(受光面)の異なる位置に入射させて検出する検出器と、から構成されている。検出器は、例えば、CCDイメージセンサである。図2、図9〜図12に係る例では、像情報を保持した6つのパルス列が、回折格子、シリンドリカルミラー、6対のミラー群、で構成される4f光学系によって、像情報を保持したまま空間的に6つに分けられ、6つの光がCCDイメージセンサの異なる位置に入射されて検出される。
ここで、「各パルス列を波長ごとに分離する」ということと「各パルス列内の光は波長に関わらず同じ位置に入射させる」という対立する機能を実現させる必要がある(図8参照)。まず回折格子で波長に依存する形で空間的に分離し、次にミラーを用いて波長に依存しない形で空間的に分割する。その後、再び回折格子に入射することで、6つの列ごとにパルス光が分離される。
SISではシリンドリカルミラーの焦点面に配置された回折格子により、まず波長によりすべての光を空間的に分ける。ついで、4f光学系のフーリエ面がミラー対の中心に位置し、かつそれぞれの光路長(SISを通過するそれぞれの波長の光の光学距離)が等しくなるように配置されたミラー群により、垂直方向に分けられる。最後に、同じ高さにある光(同じミラー対で反射された光)は回折格子により再び融合される。図9〜図11に示す態様では、6対のミラー群は、6つのストロボ光からなるパルス列(撮影枚数)に対応している。6対のミラー群を用いた場合、ストレッチャーでパルス(撮影時間)を120psに引き延ばしたら、それを6分割することができるので、それぞれのフレームが0〜20psの露光時間をとることができる。12nsまでストレッチした場合には、各ミラーがそれぞれ2nsずつ対応することになる。本実施形態に係るSISではシリンドリカルミラーを用いているため、水平方向にはリレーレンズ系として働き、水平方向と鉛直方向の結像位置が変化する。それを打ち消すため、シリンドリカルミラーと同じ焦点距離を有した2つのシリンドリカルレンズによる鉛直方向のリレーレンズ系を挿入し、結像を実現している(図10参照)。なお、SISの構成において、シリンドリカルミラーに代えてシリンドリカルレンズを用い得ることが当業者に理解される。この場合、分散素子(回折格子)やミラー対の配置は、シリンドリカルミラーの時と同様にレンズの焦点距離となる。シリンドリカルレンズには、色収差を抑える為にアクロマティックレンズを用いることが望ましい。
波長の異なるストロボ光を、像情報を保持したまま波長ごとに空間的に分離する手段は、図9〜図11に示す構成に限定されない。例えば、通信分野で用いられる波長選択スイッチ(WSS: wavelength selective switch)の光学構成を転用することができる。WSSの光学構成には、入出力ファイバーアレイ、入力WDM(wavelength division multiplexing)信号光を信号ごとに空間的に分離する分光素子(diffraction grating)、像側テレセントリックを構成する集光レンズ(aspheric lens)、各WDM信号を任意の出力ポートに振り分けるアレイ型光ビーム偏向素子(LCOS, DMD等を用いたbeam deflector)から構成されるものがある。関連して、特開2012−108346には、多数の波長の光から成るWDM(wavelength division multiplexing)信号光を入射し、選択された波長の光信号を出射する入出射部と、WDM信号光をその波長に応じて空間的に分散させると共に、反射光を合波する波長分散素子と、前記波長分散素子によって分散されたWDM光を2次元平面上に集光する集光素子と、波長に応じて展開されたx軸方向と、これに垂直なy軸方向から成るxy平面に展開された入射光を受光する位置に配置され、xy平面に格子状に配列された多数の画素を有し、2次元の各画素の位相シフト特性を周期的に変化させるマルチレベル光フェーズドアレイを用いた波長選択素子と、前記波長選択素子のxy方向に配列された各画素の電極を駆動することによって各波長毎に位相シフト特性を変化させ、各波長毎に異なった方向に光を反射する波長選択素子駆動部と、を具備する光スイッチ装置、が開示されている。波長分散素子としては、回折格子、プリズム、あるいは、回折格子とプリズムを組み合わせた構成を用いることができる。波長選択素子としては、LCOS(liquid crystal on silicon)やDMD(digital mirror device)を用いることができる。
検出器について、超高速度動的現象の連続画を取得するためには、超高速で応答するデバイスの代わりに大面積(空間的に分離された複数の光を異なる位置に入射できるような面積)もしくは複数のCCD素子や写真乾板を用意すればよい。検出器としては、既存のCCDイメージセンサを用いることができる。図12には、EM(Electron Multiplying)CCD(Newton, Andor Technology)を例示する。この例では、ピクセル数:1600x400、ピクセルサイズ:16x16[μm]、撮像素子面積:25.6x6.4[mm2]、量子効率:@800nm:0.65、レーザスポット径:4mm、であり、撮像素子に6つの光が入射するようになっている。撮像素子は露光状態を保つため外部からの光を遮光する。また、後述する実験で用いた検出器は、解像度2048×2048の冷却CCDカメラ(Image sensor Andor iKon-L DZ936N-FS-BR-DD型)である。
図13は、撮影枚数を増加する態様例を示す図であり、互いに角度を異ならしめた複数のミラーが配置されており、撮像素子の受光面に9個の画像(3×3)が結像される。また、撮像素子の数は1つに限定されるものではなく、複数の撮像素子上に結像させて対象の像を検出してもよい。
本実施形態では、超短パルスから作られた波長の異なるストロボ光により現象を時間的にタグ付し、それらを空間的に異なるセンサ位置で取得することにより、電気デバイスの限界を上回るサブナノ秒でのシングルショット連続画撮影が可能となる。本実施形態において、ストロボ光は光学的な手法のみで分離されるため、SISは本実施形態に係る高速撮影システムの高速性を妨げない。その上、4f光学系で定まる波長分解能やグレーティング(またはプリズム)に依存するエネルギ効率も非常に高い。像情報を失うことなくSISで分離された光は、それぞれ異なる場所で撮像素子により検出される。本実施形態では高速の読み出しは必要ないので、純粋に最もノイズが少なく最も感度の高いカメラや増幅器を選択することが可能である。SISにおけるエネルギの低損失性と検出器の高感度性は、対象へ加えられたエネルギをできる限り効率良く用いることができる。
本実施形態において、撮影速度は電気的な撮像素子の読み出し速度ではなく、ストロボ光の照射間隔に依存する。本実施形態は、2次元画像の連続撮影を可能とするものであり、超高速領域の連続画の取得はストリークカメラでの次元の欠損(2D→1D)のように像情報を失うことなく実現される。本実施形態では、超高速現象の連続画像をシングルショットで撮影できるため、例えば、微小領域の高速現象、繰り返し現象でない、同期がとれないような現象を撮影することができる。従来手法との比較を表1に示す。STEAMは、特許文献1及び非特許文献1に係る手法であり、非特許文献1に記載されたフレーム間隔は163nsである。
実験に用いた高速撮影システムでは、フレーム間隔(撮影速度に対応):数百fs〜数十ps 露光時間:数百fs〜数十ps、撮影枚数:4〜6枚、解像度:300×300〜1024×1024、使用波長:780nm〜840nm、であるが、非限定的な範囲として、フレーム間隔:fs〜数十ns、露光時間:fs〜数十ns、撮影枚数:20枚程度、解像度:1024×1024、使用波長:可視光〜近赤外光、まで拡張可能である。なお、原理的には、本発明は、波動であれば、光(可視光〜近赤外光)に限らず、全電磁波領域(X線、THz、電波など)でも電子線でも適用可能である。
本発明に係る高速撮影システムは、広く使われている光学素子や機器で構成される照明系と検出系の組み合わせで構成することができる。システムの構築は容易で、かつ目的に応じて最適化できる柔軟性を備えている。既存の光学系や機器への適用、特に顕微鏡への組み込みも可能である。また、高速読み出しが可能な撮像素子と組み合わせることで、超高速現象をより長い時間捉えることができるハイグレードな高速ビデオカメラを構成することもできる。
[C]実験例
[C−1]実験例1
図15に基礎実験の結果を示す。左上図は、ストリークカメラを用いた光ファイバによる時間分散の評価を示す。波長によって時間差が生じていることがわかる。左下図は、整形されたパルス波形を示す。波形整形によって6つのパルス列が生成されていることがわかる。右図は、20psの時間差で光が対象(「4」、サイズ:約3mm)に到達するように設定して対象を撮影したものである。6つのパルス列の各パルス列によって画像が取得されていることがわかる。
[C−1]実験例2
図16は、テストターゲットの画像(冷却CCDカメラからの無修正の画像)である。左上画像、左中画像、左下画像、右上画像、右中画像、右下画像は、順に830-835nm、820-825nm、810-815nm、800-805nm、790-795nm、780-785nm、に対応しており、設定されたフレーム間隔は約20psである。視野は25mmで線は1.0cycles per mmで並んでいる。縦に6つ並んだ像は方向をずらすミラーにより二列に分けて投影されている。
[C−3]実験例3
図17〜図19は、LiNbO3結晶へのレーザ打ち込み実験の結果を示す。レーザは、中心波長810nm、60 fs、40μJであり、LiNbO3結晶は厚さ0.5mmである。図17〜図19において、左下画像:0ps、左上画像:20ps、右下画像:40ps、右上画像:60ps、である。図17は照射前、図18は照射時、図19は照射後を撮影したものである。図17において、左下画像、左上画像では「跡なし」であるが、右下画像、右上画像では「アブレーション跡」が観察される。また、ポンプ光の時間をずらして撮影することで、アブレーション跡の写る画像が変わることを確認した。具体的には、ポンプ光の光路長を10mmほど変化(約33psに相当)させて撮影することで、20psの画像から跡が残るよう撮影できた。
[C−4]実験例4
図14に観察部に対物レンズを配置したシステムを示す。図示の態様では、SISから出射した光の光路中にミラーが配置され、光路を折り返している。図20は、観察部に配置した対物レンズ(低倍率)を用いて50μm間隔のグリッドを観察した時の画像である。図21は、観察部に配置した対物レンズ(高倍率)を用いて、10μm間隔のグリッドを観察した時の画像である。
[C−4]実験例5
フォノンの伝播の観察を行った。プローブ光はパルス幅60fsのフェムト秒パルスをガラスパイプ(NSF10)を通すことでストレッチしたものを使い、波形整形器により4つのストロボ光を作成した。サンプルはLiNbO3結晶(厚さ:0.5mm)を用い、フェムト秒レーザパルス(中心波長810nm、パルス幅60fs、エネルギー:60μJ)をシリンドリカルレンズによりラインフォーカスさせることでフォノンを発生させた。図22において、上が生データ、下が解析用に画像処理をした結果を示す。撮影間隔は1.5ps程度と見積もられる。
超高速の動的現象の観察に関し、これまでは連続性、シングルショット性、そして超高速性のすべてを備えた有効な方法は存在しなかった。本発明に係るシステムは新しい超高速の動的観察を可能とするものであり、特に複雑現象の研究や高速顕微撮影の進展に大きく貢献するものである。本発明は、ピコ秒やナノ秒での超高速撮影を必要とする分野、例えば、化学反応や衝撃波、爆発、燃焼現象、微小領域で起こる現象のイメージング分野に利用することができる。本発明は速度の面でもエネルギ効率の面でも現在の技術限界に本質的に近いため、バイオロジカルな研究での顕微鏡下観察など、これまで観察不可能だった複雑な現象の研究に新しい進展を与え得るものである。本システムは多くの既存の光学系に組み込むことができるため、従来の観察にて広く応用されることが期待される。


Claims (13)

  1. 対象を照射する照射光を生成する照明系と、
    対象が配置される観察部と、
    対象を透過ないし反射した光を検出する検出系と、
    からなる高速撮影システムであって、
    前記照明系は、波長の異なる複数の部分からなる照射光を用意し、当該照射光の各部分が、波長に対応した異なる時間で対象に入射するように構成されており、
    前記観察部において、前記照射光が対象に照射され、対象を透過もしくは反射することで波長の異なる複数の部分からなる透過光あるいは反射光が生成され、前記透過光あるいは前記反射光の各部分は、波長に対応した時間における対象の像情報をそれぞれ保持しており、
    前記検出系は、
    前記波長の異なる複数の部分からなる透過光あるいは反射光を、像情報を保持したまま波長ごとに空間的に分離する光分離部と、
    前記光分離部によって空間的に分離された光を、受光面上の異なる位置に入射させて検出する撮像素子と、
    を備えている、
    高速撮影システム。
  2. 前記照明系は、
    パルス光を出射する広帯域光源と、
    パルス光のパルス幅を所定のパルス幅にストレッチする手段と、
    を備えている、請求項1に記載の高速撮影システム。
  3. 前記所定のパルス幅は、撮影時間に相当する、請求項2に記載の高速撮影システム。
  4. 前記照明系は、
    ストレッチされたパルス光を、波長の異なる複数の部分からなるパルス列に成形する波形整形器を備えている、請求項2、3いずれか1項に記載の高速撮影システム。
  5. 前記波形整形器は、4f型波形整形器である、請求項4に記載の高速撮影システム。
  6. 前記波長の異なる複数の部分の数は撮影枚数に相当し、各部分の幅は露光時間に相当し、
    前記波形整形器により撮影速度、露光時間が設定される、
    請求項4、5いずれか1項に記載の高速撮影システム。
  7. 前記広帯域光源から出射されたパルス光は、光ファイバを通って伝搬し、前記ストレッチ手段は、群速度分散を用いたものである、請求項2〜6いずれか1項に記載の高速撮影システム。
  8. 前記光分離部は、光学的分散素子、シリンドリカルミラーまたはシリンドリカルレンズ、複数対のミラー群、で構成される4f光学系であり、
    前記光学的分散素子は前記シリンドリカルミラーまたはシリンドリカルレンズの焦点面に配置されており、
    前記複数対のミラー群は、当該4f光学系のフーリエ面が各ミラー対の中心に位置し、当該4f光学系を通過する透過光ないし反射光の光路長が等しくなるように配置されており、
    前記光学的分散素子に入射した波長の異なる複数の部分からなる透過光あるいは反射光は、波長に応じて空間的に分離され、ついで、前記シリンドリカルミラーまたはシリンドリカルレンズを介して前記複数対のミラー群によって空間的に複数個に分割され、同じミラー対で反射された光は前記シリンドリカルミラーまたはシリンドリカルレンズを介して前記光学的分散素子で結合されて、空間的に分離された波長の異なる複数の透過光あるいは反射光として出射される、
    請求項1〜7いずれか1項に記載の高速撮影システム。
  9. 前記光学的分散素子は、回折格子、プリズム、グリズムから選択される、請求項8に記載の高速撮影システム。
  10. 前記撮像素子は、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサから選択される、請求項1〜9いずれか1項に記載の高速撮影システム。
  11. 波長の異なる複数の部分からなる照射光を用意するステップと、
    前記照射光を対象に照射し、対象を透過もしくは反射することで波長の異なる複数の部分からなる透過光あるいは反射光を生成し、前記透過光あるいは反射光の各部分に、波長に対応した時間における対象の像情報をそれぞれ保持させるステップと、
    前記透過光あるいは前記反射光を、像情報を保持したまま波長ごとに空間的に分離するステップと、
    空間的に分離された光を、撮像素子の受光面上の異なる位置に入射させて検出するステップと、
    を備えた、高速撮影方法。
  12. 前記波長の異なる複数の部分からなる照射光を用意するステップは、
    広帯域光源から出射されたパルス光を撮影時間に相当するパルス幅にストレッチするステップを備えている、請求項11に記載の高速撮影方法。
  13. 前記波長の異なる複数の部分からなる照射光を用意するステップは、
    ストレッチされたパルス光を、波長の異なる複数の部分からなるパルス列に成形するステップを備えている、請求項12に記載の高速撮影方法。



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