JP6119906B2 - 発光素子 - Google Patents

発光素子 Download PDF

Info

Publication number
JP6119906B2
JP6119906B2 JP2016105480A JP2016105480A JP6119906B2 JP 6119906 B2 JP6119906 B2 JP 6119906B2 JP 2016105480 A JP2016105480 A JP 2016105480A JP 2016105480 A JP2016105480 A JP 2016105480A JP 6119906 B2 JP6119906 B2 JP 6119906B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
layer
insulating layer
semiconductor layer
transmitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016105480A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016171340A (ja
Inventor
康寛 三木
康寛 三木
雅彦 大西
雅彦 大西
佐野 雅彦
雅彦 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichia Corp
Original Assignee
Nichia Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichia Corp filed Critical Nichia Corp
Priority to JP2016105480A priority Critical patent/JP6119906B2/ja
Publication of JP2016171340A publication Critical patent/JP2016171340A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6119906B2 publication Critical patent/JP6119906B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Led Devices (AREA)

Description

本発明は、発光素子に関する。
窒化物半導体を用いた発光素子は、そのワイドバンドギャップ特性から、近紫外から赤
色域において発光が得られるため、広く利用されている。
発光素子は、通常、基板上に、n型窒化物半導体、活性層及びp型窒化物半導体をこの
順に積層した構造を有し、p型層、一部露出されたn型層に各電極が設けられている。そ
して、このような基本構造に基づいて、特に、その高出力化を目指して、種々の発光素子
構造及び電極構造が提案されている。
例えば、n型層に設けられるn電極にITO等の透明導電性酸化物を用いる構造、p層
に設けられ電極とp層との間に透光性絶縁膜を介在させる構造等が提案されている(特許
文献1及び2)。
特開平8−250769号公報 特開平9−129921号公報
しかし、p層と電極との間に透光性絶縁膜を介在させた構造では、透光性絶縁膜とp層
との密着性が悪く、製造工程の途中で透光性絶縁膜が剥がれ、歩留まりが低下するという
懸念がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、半導体層と電極を構成する透光性導電
層との間に透光性絶縁層を介在させることにより、光取り出し効率の向上を図りながら、
歩留まりの低下を軽減できる発光素子を提供することを目的とする。
本発明は以下の発明を含む。
半導体層及び
前記半導体層と電気的に接続された透光性導電層と、該透光性導電層上の一部に設けら
れた金属部材と、前記半導体層と透光性導電層との間であって、前記半導体層に接して設
けられた第1透光性絶縁層と、該第1透光性絶縁層上に設けられ、かつ平面視において、
前記金属部材と重なる位置に配置された第2透光性絶縁層とを有する電極構造体を備え、
前記第1透光性絶縁層は、その外縁が前記第2透光性絶縁層の外縁よりも外側に配置さ
れ、かつ前記第2透光性絶縁層よりも前記半導体層との密着力が高い材料により形成され
ている発光素子。
(a)半導体層上の所定領域にレジスト層を形成し、
(b)前記レジスト層上から、スパッタ法により第1透光性絶縁層及び第2透光性絶縁
層をこの順に形成し、その後、前記レジスト層を除去し、
(c)得られた第1透光性絶縁層及び第2透光性絶縁層のうち、該第2透光性絶縁層の
外縁を除去して、該第2透光性絶縁層の外縁を、前記第1透光性絶縁層の外縁よりも内側
に配置し、
(d)これら第1透光性絶縁層及び第2透光性絶縁層並びにその周囲の前記半導体層の
表面を被覆するように透光性導電層を形成し、
(e)さらに前記透光性導電層上であって、前記第2透光性絶縁層と重なる位置に金属
部材を形成する発光素子の製造方法。
本発明によれば、光取り出し効率に優れた発光素子を得ることができるとともに、歩留
まりの低下を軽減することができる発光素子の製造方法を提供することができる。
本実施形態1に係る発光素子の構造を説明するための概略平面図である。 本実施形態1に係る発光素子の構造を説明するための図1AのA−A’線の概略断面図である。 本実施形態2に係る発光素子の構造を説明するための概略平面図である。 本実施形態2に係る発光素子の構造を説明するための図2AのA−A’線の概略断面図である。 本実施形態に係る発光素子の製造方法を説明するための概略断面工程図である。
以下、本件発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、以
下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光素子を例示するものであ
って、本発明は発光素子を以下のものに特定しない。さらに以下の説明において、同一の
名称、符号については同一又は同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
なお、図1A及び図2Aの平面図においては、第1透光性絶縁層16、65の外縁を図
示せず、第2透光性絶縁層15、65の外縁のみを表している。
実施形態1
図1A及び図1Bに示すように、本実施形態に係る発光素子10は、半導体層24と、
電極構造体23とを備える。
(半導体層)
半導体層24は、例えば、基板11上に、任意にバッファ層等の1層又は複数層(図示
せず)を介して、第1(以下「n型」と記載することがある)半導体層12、発光層13
及び第2(以下「p型」と記載することがある)半導体層14がこの順に積層されて構成
されている。
半導体層24は、第2半導体層14側から厚み方向に一領域が除去され、つまり、部分
的に除去され、そこから第1半導体層12が露出しており、この露出した領域以外の第1
半導体層12の他の領域上に、発光層13および第2半導体層14が順に積層されて構成
されている。
本実施形態の発光素子においては、便宜上、半導体層24を第2半導体層14として説
明するが、この半導体層は、第1半導体層12であってもよい。この場合には、以下の説
明において、第2半導体層14を第1半導体層12と読み替える。
半導体層24を構成する第1半導体層12、発光層13及び第2半導体層14としては
、特に限定されるものではなく、例えば、InAlGa1−X−YN(0≦X、0≦
Y、X+Y≦1)等の窒化物系化合物半導体が好適に用いられる。これらの窒化物半導体
層は、それぞれ単層構造でもよいが、組成及び膜厚等の異なる層の積層構造、超格子構造
等であってもよい。特に、発光層13は、量子効果が生ずる薄膜を積層した単一量子井戸
又は多重量子井戸構造であることが好ましい。
(基板)
基板11としては、例えば、サファイア、スピネル、SiC、窒化物半導体(例えば、
GaN等)、GaAs等の公知の絶縁性基板又は導電性基板を用いることができる。絶縁
性基板は、最終的に取り除いてもよいし、取り除かなくてもよい。
絶縁性基板を最終的に取り除かない場合、通常、p側の電極及びn側の電極はいずれも
半導体層の同一面側に形成されることになる(図1B及び図2B参照)。また、最終的に
絶縁性基板を除去する場合又は導電性基板を用いる場合、p側の電極及びn側の電極はい
ずれも半導体層の同一面側に形成してもよいし、異なる面にそれぞれ形成してもよい。
(電極構造体)
電極構造体23は、半導体層24と電気的に接続された透光性導電層21と、透光性導
電層21上の一部に設けられた金属部材22と、前記半導体層と透光性導電層との間であ
って、半導体層に接して設けられた第1透光性絶縁層15と、第1透光性絶縁層15上に
設けられ、かつ平面視において、金属部材22と重なる位置に配置された第2透光性絶縁
層16とを有する。
以下、第2半導体層14と電気的に接続された透光性導電層21と、透光性導電層21
上の一部に設けられた金属部材22とをあわせて第2電極20と称することがある。つま
り、第2電極20は、第2半導体層14上の第1透光性絶縁層15及び第2透光性絶縁層
16が形成されていない領域に直接接触しており、これら第1透光性絶縁層15及び第2
透光性絶縁層16を被覆するように、第2半導体層14とオーミック接続されている。
(透光性導電層)
第2電極20のうち透光性導電層21が、第2半導体層14とオーミック接続されてい
る。ここでオーミック接続とは、当該分野で通常用いられている意味であり、例えば、そ
の電流−電圧特性が直線又は略直線となる接続を指す。また、デバイス動作時の接合部で
の電圧降下及び電力損失が無視できるほど小さいことを意味する。
透光性導電層21は、第2半導体層14への均一な電流の供給を意図するものであるた
め、第2半導体層14上の略全面に、広い面積で配置されることが好ましい。ここで略全
面とは、上面に露出する第2半導体層14の外縁及び第1半導体層の露出した領域の外縁
以外の領域を指す。例えば、発光素子の平面積の90%以上であるのが好ましく、さらに
は95%以上であることが好ましい。これにより、第2電極20の第2半導体層14への
接触面積を最大限として、金属部材22から直下にある半導体層(特に活性層13)に流
れ込む電流を、広範な透光性導電層によって拡散することができ、接触抵抗を低下させて
駆動電圧を低減させることができる。また、より均一な電流分布で、電流を第2半導体層
の全面に供給することができる。
透光性導電層21は、発光層13からの光を効率的に取り出すために、発光層13から
出射される光に対して、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上透過させる材
料から形成されるのが好ましい。例えば、亜鉛、インジウム、錫、マグネシウム、カドミ
ウム、ガリウム、鉛からなる群から選択される少なくとも1種を含む酸化物、具体的には
、ITO、ZnO、InO、SnO、MgO等の導電性酸化物膜の単層膜又は積層膜
が挙げられる。また、透光性を有するものであれば、一般に電極に使用される薄膜状の金
属又は合金の単層膜又は積層膜でもよい。
透光性導電層21の厚みは、例えば、順方向電圧(Vf)を低減できる50nm以上、
かつ発光層13から出射された光の媒質伝搬による光損失が低減できる300nm以下程
度の厚みとするのが好ましい。
(金属部材)
金属部材22は、透光性導電層21上の一部に設けられ、かつ導電性ワイヤなどの外部
接続部材が接続可能な部材である。
金属部材22は、その全部が透光性導電層21上に配置されていることが好ましい。金
属部材22は透光性導電層21と電気的に接続されており、透光性導電層21よりも小さ
い面積を有していることが好ましい。つまり、金属部材22は、第2導電型半導体層14
に直接接触していないことが好ましい。第2半導体層14と後述する第1透光性絶縁層1
6との界面や、第1透光性絶縁層16と第2透光性絶縁膜層15との界面などにおいて、
活性層13からの光を反射させることにより、金属部材22による光の吸収を回避するた
めである。
金属部材22は、発光素子の形状、大きさ及び使用態様(フェイスアップ実装形態、フ
ェイスダウン実装形態等)等によって、発光素子10内における位置、大きさ等を適宜調
整することができる。
金属部材22は、ワイヤボンディングの接続部となる領域を含むことが好ましい。この
場合、ワイヤボンディングが可能となる面積、ワイヤボンディングに使用する導電性ワイ
ヤとの密着性を考慮した大きさ、積層構造又は表面層、ワイヤボンディングの際の衝撃に
耐えるだけの厚さ等を適宜調整して形成することができる。
また、金属部材22は、発光素子10の全面により均一に電流を供給するために、ワイ
ヤボンディングの接続部となる領域以外に、この領域から延伸した延伸部を備えているこ
とが好ましい。延伸部の形状、大きさ等は特に限定されないが、例えば、5〜500μm
程度、5〜50μm程度の太さ、発光素子の一辺(例えば、長辺)20〜70%程度、3
0〜60%程度の長さを有するものが好ましい。また、延伸部は、直線状及び曲線状のい
ずれもよく、1本又は2本以上のいずれでもよく、分岐構造を有していてもよい。
特に、金属部材22の接続部は、発光素子10の全面により均一に電流を供給するため
に発光素子10において、周辺部又は端部に偏って配置されていることが好ましく、延伸
部は、後述する第1電極30に向かって延伸していることが好ましい。例えば、本実施形
態における金属部材22は、その接続部から後述する第1電極30を挟むように2つの延
伸部がU字状に延伸し、それぞれが第1電極30の接続部から延伸する延伸部と略平行と
なるように対向して配置されている。
金属部材22は、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd
)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)
、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニ
オブ(Nb)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、
モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、タングステン(W)、ランタン(La)、銅(C
u)、銀(Ag)、イットリウム(Y)、金(Au)、アルミニウム(Al)等の金属又
は合金、Al、Si及びCuの合金(Al−Si−Cu合金)等の単層膜又は積層膜によ
って形成することができる。
特に、金属部材22は、ワイヤボンディングなどの他の端子との接続のために通常用い
られる導電性材料、例えば、金、白金等を、その上面側(接続領域)に配置させることが
好ましい。さらに、後述する保護膜17との密着性の良好な材料、例えばNiやTi、C
r、Al、Wなどを金属部材22の上面に配置させることが好ましい。
金属部材22は、総膜厚が100nm〜5μm程度となる範囲で適宜調整することがで
き、例えば、その上にAuバンプを形成する場合には、金属部材22を比較的厚めに、共
晶(Au−Sn等)バンプを形成する場合には金属部材22を比較的薄めに設定するなど
が適している。
(第2透光性絶縁層)
第2透光性絶縁層15は、上述した金属部材22からその直下にある発光層13に流れ
込む電流を低減するとともに、電流のより広範囲にわたる拡散を果たす役割を有する。そ
のために、第2透光性絶縁層15は、第2半導体層12と透光性導電層21との間に配置
されている。特に、その上面の全面が、透光性導電層21に接触して配置されていること
が好ましい。また、透光性導電層21を介して、金属部材22の一部と重なる位置に配置
されている限り、その全部と重なる位置に配置されていてもよい。
第2透光性絶縁層15は、このような機能を果たすものであれば、その形状、大きさ、
材料、厚み等は特に限定されるものではなく適宜調整することができる。
例えば、金属部材22と同じ形状及び大きさであってもよいし、形状が同じで、若干小
さめ(1%〜十数%程度の縮尺)又は大きめ(1%〜十数%程度の拡大)であることが適
している。特に、金属部材22と同じか大きく、金属部材22の全部が、第2透光性絶縁
層15の上方に配置されていることが好ましい。この場合には、第2透光性絶縁層15の
材料によって、発光層13から出射される光を、第2透光性絶縁層15と透光性導電層2
1との界面で、より大面積で、より確実に反射させることができるために、出射光の金属
部材22による吸収を最小限に止めることができ、光反射効率を向上させることができる
第2透光性絶縁層15は、透光性を有する絶縁体からなるものであればよく、例えば、
酸化物膜として、Al、SiO、SiN、HfO、TiO、SiOxy等が挙
げられ、窒化物膜としては、SiN、TiN等が挙げられ、これらの単層膜又は積層膜で
あってもよい。
特に、第2透光性絶縁層15は、第2半導体層14と屈折率が異なるものが好ましく、
第2半導体層14よりも屈折率が小さいものがより好ましく、さらには後述する第1透光
性絶縁層16よりも屈折率が小さいものが好ましい。具体的には、窒化物半導体層がGa
N層である場合は、その屈折率が2.4〜2.5程度であることから、第2透光性絶縁層
15の屈折率は、例えば、2.0程度以下、1.8程度以下、1.6程度以下のもの、な
かでもSiOの単層膜を用いるのがより好ましい。
このように、第2透光性絶縁層15の屈折率が第2半導体層14よりも(及び第1透光
性絶縁層16よりも)小さい場合には、第2半導体層14又は第1透光性絶縁層16と第
2透光性絶縁層15との界面で活性層13からの光が反射され、特に、臨界角以上で略全
反射され、その上の電極材料による光損失を最小限にとどめることができ、より光取り出
し効率を向上させることができる。
第2透光性絶縁層15の厚みは、例えば、後述する第1透光性絶縁層16との界面にお
いて発光層13からの光を全反射することができるように100nm程度以上、好ましく
は200nm程度以上とすることが挙げられ、さらに好ましくは、発光層の発光ピーク波
長以上の厚み(エバネッセント場よりも外側に透光性導電層21が配置される厚み)であ
る。これにより、臨界角以上で入射される光が全反射されずに透光性導電層21に抜ける
のを抑制することができる。具体的には、第2透光性絶縁層15の厚みは、製造における
作業時間やコストなども考慮して100〜1000nm程度が好ましく、200〜500
nm程度がより好ましく、発光層の発光ピーク波長以上の厚み〜500nm程度がさらに
好ましい。
(第1透光性絶縁層16)
第1透光性絶縁層16は、第2半導体層14と第2透光性絶縁層15とをより強度に密
着させるために、半導体層と透光性導電層との間、特に、第2半導体層14と第2透光性
絶縁層15との間に配置される。従って、第1透光性絶縁層16は、第2透光性絶縁層1
5よりも第2半導体層14との密着力が高い材料により形成される。また、第1透光性絶
縁層16は、第2透光性絶縁層15が第2半導体層14と接触しない形状、大きさ等であ
ることが好ましい。第1透光性絶縁層16は、第2半導体層14上であって、第2透光性
絶縁層15の外縁よりも外側にその外縁を配置するものが好ましい。これによって、第2
透光性絶縁層15の第2半導体層14への密着性の弱さを第1透光性絶縁層16で確実に
補助することができる。
また、第1透光性絶縁層16の外縁は、第2透光性絶縁層15の外縁に対して特に限定
されることなく、例えば、数十nm〜数μm程度、具体的には10nm〜2μm程度の距
離で外側に配置されていることが好ましい。
第1透光性絶縁層16は、第2透光性絶縁層15と屈折率が異なるものが好ましく、第
2透光性絶縁層15よりも屈折率が大きいものがより好ましく、第2透光性絶縁層15よ
りも第2半導体層14に近い屈折率であるものがさらに好ましい。具体的には、窒化物半
導体層であるGaN層は、屈折率が2.4〜2.5程度であることから、第1透光性絶縁
層16の屈折率は、これと同等又はこれよりも小さい、例えば、1.6程度以上、1.8
程度以上、2.0程度以上のものが好ましい。
第1透光性絶縁層16は、第2透光性絶縁層よりも半導体層との密着力が高い材料によ
り形成されることにより、通常使用されていた透光性導電層と半導体層との間に配置され
ていた絶縁層よりも、半導体層との密着性を確保することができると共に、より均一な電
流分布で確実に半導体層への電流の供給が可能となる。
ここで、第1透光性絶縁層16の半導体層との密着力は、第1透光性絶縁層16、半導
体層の組成等によって変動し、また、第2透光性絶縁層の組成によっても、第1透光性絶
縁層16の半導体層との間で必要とされる密着力の大きさが変動する。よって、第1透光
性絶縁層16を構成する材料は、用いる第2透光性絶縁層及び半導体層によって適宜選択
することができる。
第1透光性絶縁層16は、例えば、酸化ニオブ、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニ
ウム、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化マグネシウム
、チタン酸ビスマスよりなる群から選択される材料等が挙げられる。なかでも、酸化ニオ
ブが好ましい。特に、第2透光性絶縁層15が酸化シリコンである場合に、第1透光性絶
縁層16を酸化ニオブとすることにより、第2半導体層14との密着性をより強固とする
ことができる。また、第2半導体層14と第1透光性絶縁層16との屈折率差をほぼ無い
くらいまで小さくすることができる一方、第1透光性絶縁層16と第2透光性絶縁層15
との屈折率差を大きくすることができるために、第1透光性絶縁層16と第2透光性絶縁
層15との界面における臨界角を小さく設定でき、効率良く発光層13からの光を全反射
させることができる。このため、第2電極又は後述する第1電極の一部による光の吸収を
最小限にとどめ、より光取り出し効率を図ることが可能となる。
第1透光性絶縁層16は、第2半導体層14との密着性を考慮して1nm以上の厚み、
3nm以上、5nm以上、10nm以上の厚み、かつ第1透光性絶縁層16自体に光が吸
収されるのを軽減できる100nm以下の厚み、50nm以下の厚みを有するものが好ま
しい。具体的には、1〜100nm程度が好ましく、3〜100nm程度がより好ましく
、10〜50nmがさらに好ましい。
このような第1透光性絶縁層16が、極薄膜で、第2半導体層14と第2透光性絶縁層
15との間に介在することにより、第2透光性絶縁層15の第2半導体層14への密着性
を確保することができ、製造工程の途中で第2透光性絶縁層15が剥がれることなく、高
い歩留まりで発光素子を製造することができる。
また、第2透光性絶縁層15よりも外縁が外側に設けられた第1透光性絶縁層16は、
上述した第2透光性絶縁層15と共に、金属部材22からその直下にある活性層13に流
れ込もうとする電流を水平方向により拡散させることができる。
さらに、このような構成を有する第1透光性絶縁層15及び第2透光性絶縁層16は、
その界面で、活性層13からの光を反射することができる。よって、金属部材22による
光吸収を軽減することができる。
(第1電極30)
発光素子10の第1半導体層12の上面(活性層13及び第2半導体層14が設けられ
た領域とは異なる他の領域)には、第1電極30が形成されている。この電極30は、第
1半導体層12上に直接接触しており、オーミック接続されていればよい。例えば、Al
、Rh、W、Mo、Ti、V等の金属材料、ZnO、In、SnO、ITO等の
導電性酸化物等が挙げられる。第1電極30は、単層構造でもよいし、積層構造でもよい
。また、上述した第2電極21と同じ積層構造を有していてもよい。つまり、オーミック
接続されている透光性導電層31と、この透光性導電層31上に配置された金属部材32
とを有していてもよい。この積層構造を選択することにより、第2電極20のための積層
構造の形成の際に、同時に積層し、同時にパターニングすることにより、製造工程の簡略
化を図ることができる。
この第1電極30、特に、透光性導電層31は、第1半導体層12への均一な電流の供
給を意図するものであるため、第1半導体層12上の略全面に、広い面積で形成されるこ
とが好ましい。これにより、第1電極30の第1半導体層12への接触面積を最大限とし
て、接触抵抗を低下させて駆動電圧を低減させることができるとともに、効果的に電流を
第1半導体層12の全面に供給することができる。
(保護膜17)
半導体層の側面、第2電極20の一部、第1半導体層12の露出領域、第1電極30の
一部の表面には、通常、保護膜32が形成されている。
保護膜17は、光を吸収しにくい材料で形成する場合には、発光層13からの光の吸収
を最小限に留めて、光の取出効率を向上させることができる。例えば、Si、Ti、V、
Zr、Nb、Hf、Taよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化膜、
窒化膜、酸化窒化膜等が挙げられる。特に、SiO、ZrO、SiN、BN、SiC
、SiOC、AlN、AlGaNが挙げられる。保護膜17は、単一の材料の単層膜又は
積層膜でもよいし、異なる材料の積層膜でもよい。
また、保護膜17の厚みは、外部環境から発光素子を保護するために、例えば、10〜
2000nm程度が適しており、100〜1000nm程度がより好ましい。
(発光素子の製造方法)
本発明の発光素子の製造方法では、まず、(a)半導体層上の所定領域にレジスト層を
形成する。
半導体層は、当該分野で通常利用されている方法により、上述した半導体層の積層構造
を得るために、条件等を適宜調整して形成することができる。
例えば、MOVPE、有機金属気相成長法(MOCVD)、ハイドライド気相成長法(
HVPE)、分子線エピタキシャル成長法(MBE)等の公知の成膜方法が挙げられる。
次いで、(b)レジスト層上から、スパッタ法により第1透光性絶縁層及び第2透光性
絶縁層をこの順に形成し、その後、レジスト層を除去する。
例えば、第1透光性絶縁層及び第2透光性絶縁層の形成を意図する領域に開口を有する
レジスト層を形成し、レジスト層上からスパッタ法により第1透光性絶縁層及び第2透光
性絶縁層の材料膜をこの順に第2半導体層上に形成する。その後、レジスト層並びにその
上に形成された第1透光性絶縁層及び第2透光性絶縁層の材料膜を除去すること(リフト
オフ法)によって、図3(a)に示したように、所望の形状にパターニングされた第1透
光性絶縁層16及び第2透光性絶縁層15を形成する。
なお、第1透光性絶縁層を成膜する場合のスパッタ法の条件は、第2透光性絶縁層を成
膜する場合の条件よりも緩和とすることが好ましい。通常、第1透光性絶縁層及び第2透
光性絶縁層をスパッタ法により成膜する場合には、図3(a)に示したように、半導体層
の表面にスパッタした粒子が衝突し、表面荒れ、結晶の歪等によるダメージ領域14aが
形成されるが、スパッタ法の条件を緩和とすることにより、第1透光性絶縁層を成膜する
際の半導体層表面のスパッタ効果を緩和して、半導体層表面のダメージ、荒れ又は結晶の
歪等を回避することができ、第1透光性絶縁層16の半導体層14への密着性をより向上
させることができる。
ここで形成される第1透光性絶縁層は、その上に形成される第2透光性絶縁層よりも半
導体層との密着力が高い材料により形成されるのが好ましく、第2透光性絶縁層よりも半
導体層の屈折率に近い屈折率を有するのが好ましい。また、第2透光性絶縁層は、第1透
光性絶縁層の屈折率よりも小さい屈折率を有するのが好ましい。
その後、(c)得られた第1透光性絶縁層16及び第2透光性絶縁層15のうち、第2
透光性絶縁層15の外縁を除去して、図3(b)に示したように、第2透光性絶縁層16
の外縁を、第1透光性絶縁層16の外縁よりも内側に配置する。
このような除去は、例えば、これら層を構成する材料によるエッチングレートの差異を
利用して行うことができる。具体的には、ドライエッチング又はウェットエッチングによ
るエッチャントの選択、エッチング時間、ドライエッチングにおける電力、RF、エッチ
ャントの濃度又は純度等を制御することなどによって、エッチングレートの差異を利用す
ることができる。
特に、フッ化水素とフッ化アンモニウムとを含む水溶液(バッファードフッ酸、BHF
)を用いたウェットエッチングが好ましい。バッファードフッ酸は、水溶液の濃度を調整
することにより、エッチングレートを制御することができる。例えば、ウェットエッチン
グは、15〜50℃程度の温度で0.5〜30分間程度処理する方法が挙げられる。
このような加工を行うことにより、通常、比較的厚膜の透光性絶縁層をリフトオフ法に
よってパターン形成した際に、透光性絶縁層の端部に発生するバリ等を効果的に除去する
ことができる。また、エッチングによって、第2透光性絶縁層の外縁を、第1透光性絶縁
層の外縁よりも内側に配置することができるために、第2透光性絶縁層が直接半導体層に
接触することを回避することができ、それらの接触の脆弱による第2透光性絶縁層の剥離
を防止することができる。加えて、第2透光性絶縁層の端面を、より半導体層から遠ざけ
ることができるため、半導体層、第1透光性絶縁層及び第2透光性絶縁層の端面付近にお
ける応力を回避して、第2透光性絶縁層の剥がれをより効果的に防止することができる。
続いて、図3(c)に示したように、(d)これら第1透光性絶縁層16及び第2透光
性絶縁層15並びにその周囲の半導体層の表面を被覆するように透光性導電層21を形成
する。さらに、(e)透光性導電層21上であって、第2透光性絶縁層15と重なる位置
に金属部材22を形成する。
ここでの、透光性導電層21及び金属部材22は、当該分野における電極の形成と同様
の方法、例えば、フォトリソグラフィー及びエッチング方法によって、所望の形状にパタ
ーニングすることによって形成することができる。
なお、工程(a)において、フォトリソグラフィー及びRIE等のエッチング法などを
用いて、第2半導体層及び発光層、任意に第1半導体層の厚み方向の一部を除去し、第1
半導体層を露出させることによって、第1半導体層と、第1半導体層の一領域上に設けら
れた発光層と、発光層上に設けられた第2半導体層とを有する半導体層を形成する。
これらの工程の後、保護膜17を形成してもよい。保護膜17は、当該分野で公知の方
法によって形成することができる。例えば、蒸着法、スパッタ法、反応性スパッタ法、E
CRプラズマスパッタ法、マグネトロンスパッタ法、イオンビームアシスト蒸着法、イオ
ンプレーティング法、レーザアブレーション法、CVD法、スプレー法、スピンコート法
、ディップ法又はこれらの方法の2種以上を組み合わせる方法、あるいはこれらの方法と
酸化処理(熱処理)とを組み合わせる方法等、種々の方法を利用することができる。
実施形態2
図2A及び図2Bに示すように、本実施形態に係る発光素子40は、半導体層と、電極
構造体23、33とを備える。
この実施形態の発光素子40では、第2半導体層14上に形成された電極構造体23に
加えて、第1半導体層12上にも電極構造体33を配置する以外、実施形態1の発光素子
10と実質的に同様の構成を有する。
つまり、図2A及び図2Bに示すように、透光性導電層51と第1半導体層12との間
には、第2半導体層14と透光性導電層21との間と同様に、第2透光性絶縁層65及び
第1透光性絶縁層66が配置されている。この場合、第2透光性絶縁層65は、金属部材
52の全部と重なる位置に配置されていてもよいが、金属部材52の一部と重なる位置に
配置されていることが好ましい。特に、第2透光性絶縁層65は、金属部材52の一部と
重なり、発光素子の外縁側において、透光性導電層51を第1半導体層12と接触させる
ように配置されていることが好ましい。これによって、より好適に、発光層13への電流
の均一な供給を実現することができる。
このような発光素子は、上述した工程(a)において、第2半導体層14上及び第1半
導体層12の他の領域(露出領域)上に開口を有するレジスト層を形成し、このレジスト
層を用いて上述した工程(b)〜(e)を行うことにより、形成することができる。
第1電極50側の電極構造体33と、第2電極20側の電極構造体23とを同じ材料膜
によって形成する場合には、形成しようとする領域、例えば第1半導体層の他の領域(露
出領域)上および第2半導体層上に開口を有するレジスト層をパターン形成し、このレジ
スト層をマスクとして用いて同時に形成することができる。
また、第2半導体層14上への電極構造体23の形成とは別個に、上述した工程(a)
において、第1半導体層12の他の領域(露出領域)上に開口を有するレジスト層を形成
し、このレジスト層を用いて上述した工程(b)〜(e)と同様の工程を行うことにより
、第2半導体層14上と、第1半導体層12上とに、別個に電極構造体33を形成するこ
とができる。
以下に、本発明の実施形態に係る発光素子及びその製造方法について、詳細に説明する

実施例1
この実施例の発光素子10は、図1A及び1Bに示すように、半導体層24と、電極構
造体23とを有する。
半導体層24は、サファイアからなる基板11上に、バッファ層等の複数層(図示せず
)を介して、第1(例えば、n型)半導体層12、発光層13及び第2(例えば、p型)
半導体層14をこの順に積層した半導体層が形成されている。半導体層は、部分的に除去
されて、そこからn型半導体層12が露出する露出領域が形成されている。
第2半導体層14の上面には、発光素子10の全外周及び素子内の露出領域の全外周を
除く全面に、ITOによる透光性導電層21と金属部材22とからなる第2電極20が形
成されている。
透光性導電層21は、その一部を除いて、第2半導体層14上に直接接触しており、オ
ーミック接続されている。
透光性導電層21の上には、導電性ワイヤ等の外部接続部材が電気的に接続されるパッ
ド電極として機能する金属部材22が配置されている。この金属部材22によって、透光
性導電層21を介して電流を第2半導体層14の全体に供給することができる。
例えば、金属部材22は、半導体層側から、Rh膜(膜厚:100nm)、W膜(膜厚
:50nm)及びAu膜(膜厚:500nm)が順次積層されて構成されている。
第2半導体層14と透光性導電層21との間には、酸化ニオブからなる第1透光性絶縁
層16と、酸化シリコンからなる第2透光性絶縁層15とが半導体層側から順に配置され
ている。
上述した透光性導電層21、金属部材22、第1透光性絶縁層16及び第2透光性絶縁
層15により、電極構造体23が形成されている。
第2透光性絶縁層15は、その外縁が、第1透光性絶縁層16の外縁よりも外側に位置
するように、つまり、第2透光性絶縁層15の全面が、第1透光性絶縁層16上に配置す
るように積層されている。
また、第2透光性絶縁層15は、その外縁が、金属部材22の外縁よりも外側に位置す
るように、つまり、金属部材22の全面が、透光性導電層21を介して第2透光性絶縁層
15上に位置するように形成されている。
第1半導体層12の上面には、透光性導電層21及び金属部材22からなる第2電極2
0と同様の材料によって、透光性導電層31及び金属部材32からなる第1電極30が形
成されており、透光性導電層31の全面が、第1半導体層12上に直接接触しており、オ
ーミック接続されている。
この実施例の発光素子10では、例えば、素子サイズが700×300μm、第2半導
体層14に接続する第1透光性絶縁層16の総面積が20000μm、透光性導電膜(
ITO)と第2半導体層14との接触面積が150000μmである。
このような発光素子は、以下の製造方法により作製することができる。
(半導体層の形成)
サファイアからなる基板11の上に、MOVPE反応装置を用い、Al0.1Ga0.9Nよ
りなるバッファ層を10nm、ノンドープGaN層を1.5μm、第1半導体層12とし
て、SiドープGaNよりなるn型コンタクト層を2.165μm、GaN層(4nm)
とInGaN層(2nm)とを交互に10回積層させた超格子のn型クラッド層64nm
を形成する。その上に、最初に膜厚が3nmのIn0.3Ga0.7Nからなる井戸層と
膜厚が15nmのアンドープGaNからなる障壁層が、障壁層から繰り返し交互に6層ず
つ積層され、最後に障壁層が積層されて形成された多重量子井戸構造の発光層13(総膜
厚123nm)を形成する。その上に、第2半導体層14として、MgドープAl0.1
0.9N層(4nm)とMgドープInGaN層(2nm)とを交互に10回積層させた
超格子のp型クラッド層を0.2μm、MgドープGaNよりなるp型コンタクト層を0
.5μmの膜厚でこの順に成長させ、ウェハを得た。
得られたウェハを反応容器内で、窒素雰囲気中、600℃にてアニールし、p型クラッ
ド層及びp型コンタクト層をさらに低抵抗化した。
(電極の形成)
アニール後、ウェハを反応容器から取り出し、第2半導体層14上に、所定形状のパタ
ーンを有するレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして使用して
、スパッタ法によって、酸化ニオブ及び酸化シリコンを順次成膜した。その後、リフトオ
フ法を利用して、図3(a)に示したように、これら膜を所望形状にパターニングして、
半導体層14上に、第1透光性絶縁層16及び第2透光性絶縁層15を形成した。なお、
第1透光性絶縁層16及び第2透光性絶縁層15が積層された半導体層14の表面には、
スパッタでの粒子の衝突によるダメージ領域14aが発生する。また、第1透光性絶縁層
16は、第2透光性絶縁層15に比較して、非常に薄膜であるために、リフトオフ法によ
るバリ等はほとんど発生しない。
続いて、バッファードフッ酸を用いて、常温でウェットエッチングを行い、第2透光性
絶縁層15の外縁を、第1透光性絶縁層16の外縁よりも内側に位置するように第2透光
性絶縁層15を加工した。なお、このウェットエッチングによっては、第1透光性絶縁層
16はほとんどエッチングされず、第2透光性絶縁層16の周辺に発生するバリ及びその
側面がエッチングされ、若干その大きさが小さくなる。
その後、得られたウェハの表面に、ITOからなる膜を成膜してパターニングすること
により、図3(c)に示したように、第2半導体層14及び露出した第1半導体層12の
略全面に、それぞれ透光性導電層21,31を形成した。
次に、得られたウェハ上に、Rh膜(厚み100nm)、W膜(厚み50nm)及びA
u膜(厚み500nm)を順次積層し、上述した形状にパターニングして、図3(c)に
示したように、金属部材22,32をそれぞれ形成し、第2電極20及び第1電極30を
形成した。
さらに、サファイアからなる基板11を裏面側から研磨して薄膜化し、続いて、スクラ
イブすることによって、発光素子のチップを形成した。
実施例2
この実施例2の発光素子40は、図2A及び図2Bに示したように、第1半導体層12
の上に電極構造体33が配置されている以外は、実施形態1の発光素子10と同様の構成
を有する。
つまり、第1半導体層12と、その上に形成された第1電極50との間に、第1透光性
絶縁層66及び第2透光性絶縁層65が配置されている。
ここで、第1半導体層12上の第1透光性絶縁層66及び第2透光性絶縁層65は、第
2半導体層14上のそれらと同様の材料によって形成されているが、第2透光性絶縁層6
5の外縁は、第1透光性絶縁層66の外縁よりも内側に位置している。
また、第2透光性絶縁層65の外縁は、透光性導電層51の外縁の内側であり、かつ、
金属部材52の外縁の外側に配置している。
(発光素子の評価1)
第2透光性絶縁層(酸化シリコン)/第1透光性絶縁層(酸化ニオブ)の厚みを変化さ
せる以外、実施例1と同様にして得られたウェハにおいて、製造時の熱応力で剥がれた第
2透光性絶縁層の個数を自動外観装置にてカウントし、第2透光性絶縁層の剥がれ率(p
pm)を算出した。なお、さらにウェハから個片化した発光素子を砲弾型(直径5mm)
の発光装置に実装し、通常の使用電流域にて発光させた場合の順方向電圧(V)及び光出
力(mW)についても確認した。
比較例として、第1透光性絶縁層を形成しない以外、上記と同様にして得られた発光装
置を用いた。
Figure 0006119906
評価例1A〜1Dは、比較例2と比べて光出力および順方向電圧を維持したまま、顕著
に剥がれ率を低減することができた。また、第1透光性絶縁層の厚みが大きくなるにつれ
て、剥がれ率をより低減することができた。
(発光素子の評価2)
第2透光性絶縁層(酸化シリコン)/第1透光性絶縁層(酸化ニオブ)の厚みを変化さ
せる以外、実施例1と同様にして得られたウェハにおいて、製造時の熱応力で剥がれた第
2透光性絶縁層の個数を自動外観装置にてカウントし、第2透光性絶縁層の剥がれ率(p
pm)を算出した。なお、さらにウェハから個片化した発光素子を砲弾型(直径5mm)
の発光装置に実装し、通常の使用電流域にて発光させた場合の順方向電圧(V)及び光出
力(mW)についても確認した。
比較例として、第1透光性絶縁層を形成しない以外、上記と同様にして得られた発光装
置を用いた。
Figure 0006119906
評価例2A〜2Dはいずれも、比較例2と比べて光出力および順方向電圧を維持したま
ま、顕著に剥がれ率を低減することができた。また、第1透光性絶縁層の厚みが大きくな
る、特に10nm以上のとき剥がれをなくすことができた。
なお、本評価に用いた各サンプルは、評価1に用いたサンプルと同様の条件で作成した
ものではあるが、評価1とは別のウェハから得られたサンプルであるため、評価例1Dと
評価例2Aとで異なる剥がれ率を示している。ただし、同一ウェハから得られたサンプル
同士を比較する場合、剥がれ率には同様の傾向が現れるため、評価2における剥がれ率の
比較自体に問題は無いものとする。
本発明に係る発光素子は、例えば、照明用光源、各種インジケーター用光源、車載用光源、ディスプレイ用光源、液晶のバックライト用光源、センサー用光源、信号機等、種々の発光装置に利用することができる。
10、40 発光素子
11 基板
12 第1半導体層
13 発光層
14 第2半導体層
14a ダメージ領域
15、65 第2透光性絶縁層
16、66 第1透光性絶縁層
17 保護膜
20 第2電極
30 第1電極
21、31、51 透光性導電層
22、32、52 金属部材
23、33 電極構造体
24 半導体層

Claims (7)

  1. 窒化物半導体層及び
    前記窒化物半導体層と電気的に接続された透光性導電層と、該透光性導電層上の一部に設けられた金属部材と、前記窒化物半導体層と透光性導電層との間であって、前記窒化物半導体層に接して設けられた第1透光性絶縁層と、該第1透光性絶縁層上に接して設けられ、かつ平面視において、前記金属部材と重なる位置に配置された第2透光性絶縁層とを有する電極構造体を備え、
    前記第1透光性絶縁層は、その外縁が前記第2透光性絶縁層の外縁よりも外側に配置され、前記第2透光性絶縁層よりも前記窒化物半導体層との密着力が高い材料により形成されており、前記第2透光性絶縁層よりも大きな屈折率を有し、かつ前記第2透光性絶縁層よりも前記窒化物半導体層の屈折率に近い屈折率を有することを特徴とする発光素子。
  2. 前記第1透光性絶縁層は、1nm以上100nm以下の厚みを有する請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記第1透光性絶縁層は、10nm以上100nm以下の厚みを有する請求項2に記載の発光素子。
  4. 前記第2透光性絶縁層は、100nm以上の厚みを有する請求項1〜のいずれか1つに記載の発光素子。
  5. 前記第1透光性絶縁層は、酸化ニオブ、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化マグネシウム、チタン酸ビスマスよりなる群から選択される材料により形成される請求項1〜のいずれか1つに記載の発光素子。
  6. 前記窒化物半導体層は、第1半導体層と、該第1半導体層の一領域上に設けられた発光層と、前記発光層上に設けられた第2半導体層と、を有しており、
    前記電極構造体は、前記第1半導体層の他の領域上と、前記第2半導体層上とにそれぞれ設けられている請求項1〜のいずれか1つに記載の発光素子。
  7. 前記第2透光性絶縁層は、前記発光層の発光ピーク波長以上の厚み〜500nmの厚みを有する請求項6に記載の発光素子。
JP2016105480A 2016-05-26 2016-05-26 発光素子 Active JP6119906B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016105480A JP6119906B2 (ja) 2016-05-26 2016-05-26 発光素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016105480A JP6119906B2 (ja) 2016-05-26 2016-05-26 発光素子

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012288221A Division JP6040769B2 (ja) 2012-12-28 2012-12-28 発光素子及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016171340A JP2016171340A (ja) 2016-09-23
JP6119906B2 true JP6119906B2 (ja) 2017-04-26

Family

ID=56984185

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016105480A Active JP6119906B2 (ja) 2016-05-26 2016-05-26 発光素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6119906B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112272870B (zh) * 2020-03-19 2024-04-02 厦门三安光电有限公司 发光二极管
CN113451476B (zh) * 2021-07-01 2022-09-16 厦门乾照光电股份有限公司 一种微型发光元件及其制备方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5045248B2 (ja) * 2007-06-01 2012-10-10 日亜化学工業株式会社 半導体発光素子およびその製造方法
JP5307750B2 (ja) * 2010-03-08 2013-10-02 日本電信電話株式会社 半導体受光素子
JP2012019140A (ja) * 2010-07-09 2012-01-26 Showa Denko Kk 半導体発光素子およびランプ、電子機器、機械装置
US8987772B2 (en) * 2010-11-18 2015-03-24 Seoul Viosys Co., Ltd. Light emitting diode chip having electrode pad
JP2012124321A (ja) * 2010-12-08 2012-06-28 Showa Denko Kk 半導体発光素子、ランプおよび半導体発光素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016171340A (ja) 2016-09-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4956902B2 (ja) GaN系発光ダイオードおよびそれを用いた発光装置
JP4449405B2 (ja) 窒化物半導体発光素子およびその製造方法
JP6007897B2 (ja) 半導体発光素子及びその製造方法
JP5092419B2 (ja) GaN系発光ダイオード素子
JP2007103689A (ja) 半導体発光装置
JP2009065196A (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
JP5644669B2 (ja) 窒化物半導体発光素子の製造方法
JP2007013045A (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
JP2007103690A (ja) 半導体発光装置及びその製造方法
JP2008218878A (ja) GaN系LED素子および発光装置
JP2011061192A (ja) 半導体発光素子、半導体発光装置、半導体発光素子の製造方法、半導体発光装置の製造方法、半導体発光装置を用いた照明装置および電子機器
JP6040769B2 (ja) 発光素子及びその製造方法
JP2013048200A (ja) GaN系LED素子
JP5109363B2 (ja) 半導体発光素子の製造方法、半導体発光素子及び発光装置
US20120223357A1 (en) Semiconductor Light-Emitting Device
JP4968617B2 (ja) 半導体発光素子及びその製造方法
JP2008016629A (ja) 3族窒化物系発光ダイオード素子の製造方法
JP6119906B2 (ja) 発光素子
TW201505211A (zh) 發光元件
JP5761171B2 (ja) 窒化物半導体発光素子及びその製造方法
JP5304855B2 (ja) GaN系発光ダイオードおよびそれを用いた発光装置
JP2012064759A (ja) 半導体発光装置、半導体発光装置の製造方法
JP2009094108A (ja) GaN系LED素子の製造方法
JP2008226866A (ja) GaN系LED素子および発光装置
US9093356B2 (en) Semiconductor light emitting element

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170228

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170313

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6119906

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250