JP6118655B2 - プリプレグおよびその製造方法、それを用いる繊維強化複合材料 - Google Patents

プリプレグおよびその製造方法、それを用いる繊維強化複合材料 Download PDF

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Description

本発明は、繊維強化複合材料の製造原料として好適なプリプレグ、その製造方法、及びこのプリプレグを用いて製造する繊維強化複合材料に関する。更に詳述すると、本発明は、導電性に優れる繊維強化複合材料を製造できるプリプレグに関する。
強化繊維と樹脂とからなる繊維強化複合材料は、軽量、高強度、高弾性率等の特長を有し、航空機、スポーツ・レジャー、一般産業に広く応用されている。この繊維強化複合材料は、予め強化繊維と、マトリックス樹脂と呼ばれる樹脂とが一体化されているプリプレグを経由して製造されることが多い。
強化繊維とマトリックス樹脂とを必須の構成要素とするプリプレグを成形して製造される繊維強化複合材料は、不均一材料である。通常、繊維強化複合材料において、強化繊維の配列方向の物性と、それ以外の方向の物性とには、大きな相違がある。
例えば、落錘衝撃に対する抵抗性を示す尺度になる耐衝撃性は、層間の板端剥離強度等で定量される層間剥離強度によって支配される。従って、強化繊維の強度を向上させるのみでは、繊維強化複合材料の物性の抜本的な改良に結びつかないことが知られている。特に、熱硬化性樹脂は靭性が低い。従って、熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂とする繊維強化複合材料は、マトリックス樹脂の低い靭性を反映し、強化繊維の配列方向以外から加えられる応力に対し、破壊され易い。この問題を解決するため、強化繊維の配列方向以外から加えられる応力に対応できることを可能とする種々の技術が提案されている。
それらの一つとして、プリプレグの表面領域に、樹脂粒子が分散する樹脂層を設けているプリプレグが提案されている。具体的には、ナイロン等の熱可塑性樹脂粒子を分散させた樹脂層をその表面領域に設けたプリプレグを用いることにより、耐熱性の良好な高靭性複合材料を製造出来ると記載されている(特許文献1参照)。
更に、ポリスルホンオリゴマーを添加することにより靭性が改良された樹脂組成物と、熱硬化性樹脂粒子とを組み合わせによって、製造される複合材料に高度の靭性を発現させる技術が提案されている(特許文献2参照)。
しかし、これらの技術による場合は、積層して成型されたプリプレグ同士の層間に、絶縁層として作用する樹脂層が生じる。その結果、製造される繊維強化複合材料は、厚み方向の導電性が著しく低下する。このように、繊維強化複合材料においては、従来、優れた耐衝撃性と導電性とを両立させることが困難である。
一方、層間の導電性を向上させる方法として、プリプレグを構成する樹脂組成物に金属粒子を配合する方法(特許文献3参照。)や、カーボン粒子を配合する方法(特許文献4参照。)が提案されている。しかし、これらの方法に於いては、導電性を向上させるために、大量の導電材粒子が添加される。その結果、プリプレグ製造の際に、強化繊維に含浸させる樹脂組成物は大きく増粘する。そのため、プリプレグの製造性や複合材料の成型性が大きく損なわれる。そして、この様なプリプレグを用いて製造する複合材料は、ボイド等の種々の欠陥を内在しているので、機械物性が著しく低下する問題がある。
耐衝撃性と導電性を両立させる方法として、例えば特許文献5には、繊維強化複合材料の樹脂層に、樹脂層の厚みと同等の径の導電性粒子を部分的に配合させる方法が提案されている。ところが、この方法においては導電性粒子の配合量が少ないため、導電性向上に制限がある。更に、導電性粒子が不均一に分散されるため、導電性の指標である体積抵抗率にばらつきが生じるという問題がある。
特許文献1 特許第3661194号公報
特許文献2 特開平3−26750号公報
特許文献3 特開平6−344519号公報
特許文献4 特開平8−34864号公報
特許文献5 特許04969363号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、優れた耐衝撃性と厚さ方向の導電性とを兼ね備える繊維強化複合材料を与えると共に、取扱性に優れる繊維強化複合材料製造用のプリプレグ及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、強化繊維シートを構成する各強化繊維同士の間に樹脂組成物を含浸させてプリプレグを製造するにあたり、導電材として、導電材を分散樹脂に分散させた導電性樹脂粒子を用いることに想到した。この導電性樹脂粒子は、従来用いられている導電材粒子と比較して粒度が大きい。従って、強化繊維シートに含浸させる樹脂組成物中に、この導電性樹脂粒子を含浸させても、樹脂組成物の粘度はあまり増加しない。その結果、プリプレグを製造する際に、樹脂組成物を強化繊維シート中に均一に且つ容易に含浸させることが出来る。
この導電性樹脂粒子を含む樹脂組成物を強化繊維シートに均一に含浸させたプリプレグを用いて製造する複合材料は、物性が均一で、優れた耐衝撃性と、厚さ方向の導電性を兼ね備える。本発明者は、上記の発見に基づき、本発明を完成するに至った。
上記目的を達成する本発明は、以下に記載のものである。
〔1〕 強化繊維基材[A]と、前記強化繊維基材[A]の各繊維基材間に含まれる樹脂組成物[B]とからなり、
前記樹脂組成物[B]は、
マトリクス樹脂[b]と、
導電材[D]と分散樹脂[E]とを含む導電性樹脂粒子[C]と、
を含んでなるプリプレグ。
〔2〕 前記マトリクス樹脂[b]が熱硬化性樹脂である〔1〕に記載のプリプレグ。
〔3〕 前記導電性樹脂粒子[C]の分散樹脂[E]が熱可塑性樹脂である〔1〕又は〔2〕に記載のプリプレグ。
〔4〕 前記導電性樹脂粒子[C]の分散樹脂[E]がマトリクス樹脂[b]に不溶な熱可塑性樹脂である、〔1〕乃至〔3〕の何れかに記載のプリプレグ。
〔5〕 前記導電性樹脂粒子[C]の分散樹脂[E]がマトリクス樹脂[b]に可溶な熱可塑性樹脂である、〔1〕乃至〔3〕の何れかに記載のプリプレグ。
〔6〕 前記導電性樹脂粒子[C]の分散樹脂[E]がマトリクス樹脂[b]に可溶な熱可塑性樹脂と不溶な熱可塑性樹脂の混合物である、〔1〕乃至〔3〕の何れかに記載のプリプレグ。
〔7〕 前記導電材[D]の形状が繊維状又は粒子状である、〔1〕乃至〔6〕の何れかに記載のプリプレグ。
〔8〕 前記導電材[D]がカーボン粒子、金属粒子、無機材料の核が導電性物質で被覆された粒子、有機材料の核が導電性物質で被覆された粒子、炭素繊維、金属繊維、無機材料の芯が導電性物質で被覆された繊維および有機材料の芯が導電性物質で被覆された繊維からなる群から選ばれた少なくとも一種である、〔1〕乃至〔7〕の何れかに記載のプリプレグ。
〔9〕 〔1〕乃至〔8〕の何れかに記載するプリプレグを積層し、加圧及び加熱して前記樹脂組成物を成型する工程を有する、炭素繊維強化複合材料の製造方法。
本発明のプリプレグは、導電材として、導電材を分散樹脂に分散させた導電性樹脂粒子が配合されている。この導電性樹脂粒子は、従来用いられている導電材粒子と比較して粒度が大きい。従って、強化繊維シートに含浸させる樹脂組成物中に、この導電性樹脂粒子を含浸させても、樹脂組成物の粘度は従来の細かい導電材を配合する場合のように、急激に増加しない。その結果、プリプレグを製造する際に、樹脂組成物を強化繊維シートに均一に且つ容易に含浸させることが出来、得られるプリプレグは、均一である。更に、この均一なプリプレグを用いて製造される繊維強化複合材料は、高い耐衝撃性と、導電性とを兼ね備える。
図1は、本発明のプリプレグの一例を示す概略斜視図である。 図2は、導電性樹脂粒子の一例を示す概念図である。
以下、本発明の実施形態に付き、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明のプリプレグの1形態を示す、一部省略斜視概念図である。図1中、100はプリプレグで、強化繊維基材[A]と、前記強化繊維基材Aの各強化繊維基材間に含浸させた樹脂組成物[B]とから構成されている。図1に於いては、強化繊維基材[A]は、複数の単繊維が一方向に引き揃えられたシート状に形成されている。
樹脂組成物Bは、マトリクス樹脂bと、導電性樹脂粒子[C]とを少なくとも含む。
導電性樹脂粒子[C]は、図2に示すように、少なくとも導電材[D]と、この導電材[D]を分散している分散樹脂Eとを含む。
本発明のプリプレグを構成する各成分を以下に説明する。
強化繊維基材[A]
強化繊維基材[A]として用いられる強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエステル繊維、セラミック繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維及びスラッグ繊維などが挙げられる。
これらの強化繊維の中でも、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維が好ましい。比強度、比弾性率が良好で、軽量かつ高強度の繊維強化複合材料が得られる点で、炭素繊維がより好ましい。引張強度に優れる点でポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維が特に好ましい。
強化繊維としては、上述のように、導電性を有さない強化繊維も用いることができる。後述する樹脂組成物[B]に含まれる導電性樹脂粒子[C]は、プリプレグを成形加工する際に、強化繊維基材の内部(強化繊維層)にも分散して導電性を付与するので、導電性を有する繊維強化複合材料を得ることができる。
強化繊維として、導電性を有する強化繊維を用いる場合、得られる繊維強化複合材料の体積抵抗率は、導電性を有さない強化繊維を用いる場合と比較して、大きく低下する。
従って、導電性を有する繊維強化複合体を得る観点からは、導電性を有する強化繊維を用いることが好ましい。
ガラス繊維やアラミド繊維などの導電性を有さない強化繊維を用いる場合は、例えば金属メッキ処理などの方法により、これら強化繊維に導電性を付与できるので、この様な処理を施して、得られる繊維強化複合材料の体積抵抗率を低下させることが好ましい。さらに、炭素繊維などの導電性を有する強化繊維に、金属メッキ処理などの方法により、さらに導電性を付与する場合は、得られる繊維強化複合材料の体積抵抗率をさらに低下させることが出来る。
強化繊維にPAN系炭素繊維を用いる場合、その引張弾性率は、100〜600GPaであることが好ましく、より好ましくは200〜500GPaであり、230〜450GPaであることが特に好ましい。また、引張強度は2000MPa〜10000MPa、好ましくは3000〜8000MPaである。炭素繊維の直径は4〜20μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。このような炭素繊維を用いることにより、得られる複合材料の機械的性質を向上できる。
強化繊維基材はシート状に形成して用いることが好ましい。強化繊維基材シートとしては、例えば、多数本の強化繊維を一方向に引き揃えたシートや、平織や綾織などの二方向織物、多軸織物、不織布、マット、ニット、組紐、強化繊維を抄紙した紙などを挙げることができる。
シート状の強化繊維基材の厚さは、0.01〜3mmが好ましく、0.1〜1.5mmがより好ましい。これらの強化繊維基材シートは、公知のサイズ剤を公知の含有量で含んでいても良い。
樹脂組成物[B]
樹脂組成物[B]は、少なくとも繊維強化複合材料のマトリクス樹脂となるマトリクス樹脂[b]と、後述する導電性樹脂粒子[C]を含む樹脂組成物である。
(マトリクス樹脂[b])
本発明で用いるマトリクス樹脂[b]には特に制限はなく、例えば硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いることができる。
マトリクス樹脂[b]として硬化性樹脂を用いる場合、硬化性樹脂は、高い耐熱性を有する繊維強化複合材料を製造できるので、好ましい。硬化性樹脂としては、耐熱性および機械特性の観点から、熱により架橋反応が進行して、少なくとも部分的に三次元架橋構造を形成する熱硬化性樹脂が好ましい。
かかる熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂およびポリイミド樹脂等が挙げられる。更に、これらの変性体および2種類以上のブレンド樹脂なども用いることができる。これらの熱硬化性樹脂は、加熱により自己硬化するものであっても良いし、硬化剤や硬化促進剤などを配合することにより硬化する樹脂であっても良い。
これらの熱硬化性樹脂の中でも、耐熱性、力学特性および炭素繊維との接着性のバランスに優れているエポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂が好ましく、力学特性の面からはエポキシ樹脂がさらに好ましく、耐熱性の面からはビスマレイミド樹脂がより好ましい。
エポキシ樹脂としては、特に制限はないが、ビスフェノール型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ヒドロフタル酸型エポキシ樹脂、ダイマー酸型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂などの2官能エポキシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタンのようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂やナフタレン型エポキシ樹脂や、ノボラック型エポキシ樹脂であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
更には、フェノール型エポキシ樹脂などの多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。また更に、ウレタン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂などの各種変性エポキシ樹脂も用いることができる。
中でも、分子内に芳香族基を有するエポキシ樹脂を用いることが好ましく、グリシジルアミン構造、グリシジルエーテル構造の何れかを有するエポキシ樹脂がより好ましい。また、脂環族エポキシ樹脂も好適に用いることができる。
グリシジルアミン構造を有するエポキシ樹脂としては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−3−メチル−4−アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾールの各種異性体などが例示される。
グリシジルエーテル構造を有するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が例示される。
これらのエポキシ樹脂は、必要に応じて、芳香族環構造などに非反応性置換基を有していても良い。非反応性置換基としては、メチル、エチル、イソプロピルなどのアルキル基、フェニルなどの芳香族基、アルコキシル基、アラルキル基、塩素や臭素などのハロゲン基などが例示される。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂、ビスフェノールAD型樹脂、ビスフェノールS型樹脂等が挙げられる。具体的にはジャパンエポキシレジン社製jER815(商品名)、jER828(商品名)、jER834(商品名)、jER1001(商品名)、jER807(商品名)、三井石油化学製エポミックR−710(商品名)、大日本インキ化学工業製EXA1514(商品名)等が例示される。
脂環型エポキシ樹脂としては、ハンツマン社製社製アラルダイトCY−179(商品名)、CY−178(商品名)、CY−182(商品名)、CY−183(商品名)等が例示される。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン社製jER152(商品名)、jER154(商品名)、ダウケミカル社製DEN431(商品名)、DEN485(商品名)、DEN438(商品名)、DIC社製エピクロンN740(商品名)等、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、ハンツマン社製社製アラルダイトECN1235(商品名)、ECN1273(商品名)、ECN1280(商品名)、日本化薬製EOCN102(商品名)、EOCN103(商品名)、EOCN104(商品名)等が例示される。
各種変性エポキシ樹脂としては、例えば、ウレタン変性ビスフェノールAエポキシ樹脂として旭電化製アデカレジンEPU−6(商品名)、EPU−4(商品名)等が例示される。
これらのエポキシ樹脂は、適宜選択して1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。この中で、ビスフェノール型に代表される2官能エポキシ樹脂は、分子量の違いにより液状から固形まで種々のグレードの樹脂がある。従って、これらの樹脂はプリプレグ用マトリックス樹脂bの粘度調整を行う目的で配合すると好都合である。
ビスマレイミド樹脂として使用されるビスマレイミド化合物(以下、BMIともいう)としては、従来公知のビスマレイミド化合物を用いることができる。例えば、下記式(1)で表されるビスマレイミド化合物が挙げられる。
Figure 0006118655
[式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、−H、−CH、−C、−C、−F、−Cl、−Br及び−Iからなる群から選ばれる基を表す。Xについては後述する。]
ビスマレイミド樹脂組成物としては、芳香環構造を含むビスマレイミド化合物と芳香環構造を含まないビスマレイミド化合物とを併用することが好ましい。これらを併用することにより、得られるプリプレグの取扱い性を向上させることができる。
芳香環構造を含むビスマレイミド化合物(以下、「芳香族ビスマレイミド化合物」)としては、例えば、式(1)中のXが、以下の式(2)〜(8)に記載する構造の化合物が挙げられる。
Figure 0006118655

Figure 0006118655

Figure 0006118655

Figure 0006118655
[式(5)中、Rは、−CH−、−C(CH−、−O−、−SO−を表す。]
Figure 0006118655
[式(6)中、Rは、−CH−、−C(CH−、−O−、−SO−を表す。また、R6〜R9は、それぞれ独立に、−H、−CH、−C、−C、−F、−Cl、−Br及び−Iからなる群から選ばれる基を表す。]
Figure 0006118655
[式(7)中、Rは、−CH−、−C(CH−、−O−、−SO−を表す。]
Figure 0006118655
[式(8)中、R10〜R11は、それぞれ独立に、−CH−、−C(CH−、−O−、−SO−を表す。式(8)中、nは0〜0.5である。]

このような芳香族ビスマレイミド化合物としては、N,N’−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−(3,3’−ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、3,3’−ジメチル-5,5’−ジエチル-4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ベンゾフェノンビスマレイミド等を挙げることができる。
加熱硬化後の繊維強化複合材料の耐熱性の観点からは、N,N’−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ベンゾフェノンビスマレイミドが好ましく、N,N’−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミドが特に好ましい。これらの芳香族ビスマレイミド化合物は、単独で使用しても良く、2種類以上を併用しても良い。

ビスマレイミド化合物が芳香環構造を含まない(以下、「脂肪族ビスマレイミド化合物」)としては、例えば、式(1)中のXが、以下の式(9)〜(11)に記載する構造の化合物が挙げられる。
Figure 0006118655
[式(9)中、nは10以下の整数であり、1、2、3、4、6が好ましい。]
Figure 0006118655
Figure 0006118655
このような脂肪族ビスマレイミド化合物としては、1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、ヘキサメチレンジアミンビスマレイミド、N,N’−1,2−エチレンビスマレイミド、N,N’−1,3−プロピレンビスマレイミド、N,N’−1,4−テトラメチレンビスマレイミドを挙げることができる。1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、ヘキサメチレンジアミンビスマレイミドは特に好ましい。脂肪族ビスマレイミド化合物は、単独で使用しても良く、2種類以上を併用してもよい。
ビスマレイミド樹脂組成物には、上記のビスマレイミド化合物に加えて、ビスマレイミド化合物の硬化剤が含まれていることが好ましい。ビスマレイミド化合物の硬化剤としては、例えば、アルケニルフェノール及び/又はアルケニルフェノールエーテル化合物が挙げられる。
アルケニルフェノールエーテルは、フェノール系化合物とアルケニルハライドとの反応により得られ、アルケニルフェノールエーテルをクライゼン転移することによりアルケニルフェノールが得られる(特開昭52―994号公報)。ビスマレイミド樹脂組成物に含まれるアルケニルフェノール及び/又はアルケニルフェノールエーテル化合物には、その転移構造体が含まれていてもよい。
アルケニルフェノール及び/又はアルケニルフェノールエーテルとしては、アリルフェノール、メタリルフェノール又はそれらのエーテルが好ましい。より好ましくは、アルケニルフェノール又はアルケニルフェノールエーテルは以下の式(12)〜(16)の化合物である。
Figure 0006118655
[式(12)中、R12、R13、R14はそれぞれ独立して水素又は炭素数2〜10のアルケニル基であり、好ましくはアリル基又はプロペニル基である。ただし、R12、R13、R14の少なくとも1個は炭素数2〜10のアルケニル基である。]
Figure 0006118655
[式(13)中、R15は、直接結合、−CH−、−C(CH−、−O−、−S−、−SO−又は−SO−である。R16、R17、R18、R19はそれぞれ独立して水素又は炭素数2〜10のアルケニル基であり、好ましくはアリル基又はプロペニル基である。ただし、R16、R17、R18、R19の少なくとも1個は炭素数2〜10のアルケニル基である。]
式(13)のうち、以下の式(14)の化合物は特に好ましい。
Figure 0006118655
[式(14)中、R15は、直接結合、−CH−、−C(CH−、−O−、−S−、−SO−又は−SO−を表す。]
Figure 0006118655
[式(15)中、R20、R21は、直接結合、−CH−、−C(CH−、−O−、−S−、−SO−又は−SO−である。R22、R23、R24、R25、R26、R27は、それぞれ独立して水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数2〜10のアルケニル基であり、好ましくはアリル基又はプロペニル基である。ただし、R10、R11、R12、R13、R14、R15の少なくとも1個は炭素数2〜10のアルケニル基である。Pは0〜10の整数である。]
Figure 0006118655
[式(16)中、R15は、直接結合、−CH−、−C(CH−、−O−、−S−、−SO−又は−SO−を表す。R28、R29は、それぞれ独立して水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数2〜10のアルケニル基であり、好ましくはアリル基又はプロペニル基である。ただし、R28、R29の少なくとも1個は炭素数2〜10のアルケニル基である。]

このようなアルケニルフェノール又はアルケニルフェノールエーテル化合物としては、O,O’−ジアリルビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアリルジフェニル、ビス(4−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)メタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジアリルフェニル)プロパン、2,2’−ジアリルビスフェノールF、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアリルジフェニルエーテル、4,4’−ビス−O−プロペニルフェノキシ−ベンゾフェノン等を挙げることができる。これらの中でも、加熱硬化後の樹脂のガラス転移点が高いため、O,O’−ジアリルビスフェノールA、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジアリルフェニル)プロパン、2,2’−ジアリルビスフェノールF等が好ましい。O,O’−ジアリルビスフェノールAは、本樹脂組成物の粘度を低くするため特に好ましい。本樹脂組成物では、アルケニルフェノール及び/又はアルケニルフェノールエーテルは単独で用いても良く、2種類以上を混合して用いてもよい。
ビスマレイミド樹脂組成物は、アルケニルフェノール及び/又はアルケニルフェノールエーテル化合物を任意の範囲で適宜含有することにより、粘度が調整され、良好な成形加工性を得ることができる。また、強化繊維基材内に本樹脂組成物を十分に含浸させて、強化繊維基材と十分に接着させることができる。
ビスマレイミド樹脂組成物は、芳香族ビスマレイミド化合物及び/又は脂肪族ビスマレイミド化合物の一部又は全部が、アルケニルフェノール及び/又はアルケニルフェノールエーテル化合物に溶解していても良い。
(導電性樹脂粒子[C])
導電性樹脂粒子[C]は、導電材[D]と、この導電材[D]を混合・分散した分散樹脂[E]からなる粒子である。導電性樹脂粒子の形状は特に制限がない。球状、多角柱状、立方体状、棒状、繊維状等の一定の形状を有する粒子、破砕物の様に特定の形状を持たない不定形粒子等の任意の形状が採用できる。特に好ましい形状は、球状、不定形状、繊維状である。
繊維状の導電性樹脂粒子を除く、導電性樹脂粒子の平均粒径は0.01〜100μmが好ましく、0.1〜50μmがより好ましい。
導電性樹脂粒子が繊維状である場合、その長さは1〜500μmが好ましく、10〜200μmがより好ましい。直径は、0.001〜100μmが好ましく、0.01〜50μmがより好ましい。
導電性樹脂粒子[C]の構成成分である分散樹脂[E]は、熱硬化性樹脂及び/または熱可塑性樹脂からなる。得られる繊維強化複合材料の機械物性の観点からは、熱可塑性樹脂が好ましい。
分散樹脂[E]に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトンや、ナイロン6、ナイロン12、非晶性ナイロンなどのポリアミド、アラミド、アリレート、ポリエステルカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、ポリイミド、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン、ポリアミドイミドは耐熱性の観点からより好ましい。
末端変性ポリエステルや末端変性PES(スミカエクセル5003P(商品名))も使用できる。また、熱可塑性樹脂としては、ゴム成分も含まれる。ゴム成分の代表的な例としては、カルボキシ末端スチレンブタジエンゴム、カルボキシ末端水素化アクリロニトリルブタジエンゴムに代表されるゴム成分が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単独で用いても、任意の割合で二種以上を併用しても良い。
これらの熱可塑性樹脂は、マトリクス樹脂[b]に可溶な可溶性熱可塑性樹脂と、マトリクス樹脂[b]に不溶な不溶性熱可塑性樹脂とに、大別することができる。
可溶性熱可塑性樹脂とは、加熱により、マトリクス樹脂[b]に一部又は全部が溶解する熱可塑性樹脂である。本発明における、熱可溶性熱可塑性樹脂とは、特に、プリプレグの製造工程及び繊維強化複合材料の成形工程において、マトリクス樹脂[b]に一部又は全部が溶解する熱可塑性樹脂を言う。より詳しくは、任意に設定される、プリプレグの製造工程及び/または、当該プリプレグを用いた繊維強化複合材料の成形工程における処理温度の最高温度(一般的には100~190℃)において、マトリクス樹脂[b]に一部または全部が溶解する熱可塑性樹脂である。本発明に用いる可溶性熱可塑性樹脂としては、190℃の温度条件において、マトリクス樹脂[b]に80質量%以上溶解する樹脂が好ましい。
マトリクス樹脂[b]としてエポキシ樹脂、またはビスマレイミド樹脂を用いる場合、可溶性熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を併用して用いても良い。
不溶性熱可塑性樹脂とは、加熱しても、マトリクス樹脂[b]に溶解しない熱可塑性樹脂であり、特に、プリプレグの製造工程及び繊維強化複合材料の成形工程において、マトリクス樹脂[b]に溶解しない熱可塑性樹脂を言う。より詳述すると、熱可塑性樹脂がマトリクス樹脂[b]に溶解しないとは、熱可塑性樹脂をマトリクス樹脂[b]中に投入し、一般的な複合材料成形時の処理温度である100〜190℃で攪拌した場合に、粒子の大きさが変化しない場合をいう。本発明に用いる不溶性熱可塑性樹脂としては、マトリクス樹脂[b]中で190℃の温度条件において攪拌した場合に、粒子の大きさが変化しない樹脂が好ましい。
導電性樹脂粒子[C]に用いられる分散樹脂[E]として、可溶性熱可塑性樹脂を用いる場合は、プリプレグの製造工程または、繊維強化複合材料の成形工程において、分散樹脂[E]がマトリクス樹脂中に溶解し、導電性樹脂粒子[C]に含まれている微細な導電材[D]がマトリクス樹脂[b]中に放出され、マトリクス樹脂[b]中に分散される。
通常、可溶性熱可塑性樹脂がマトリクス樹脂[b]に溶解する条件においては、マトリクス樹脂[b]が流動性を帯びている。このため、マトリクス樹脂[b]中に放出された導電材[D]は、マトリクス樹脂[b]中に均一に分散していく。その結果、導電性がより均一な繊維強化複合材料が得られる。
一方、導電性樹脂粒子[C]に用いられる分散樹脂[E]として、不溶性熱可塑性樹脂を用いる場合、導電性樹脂粒子[C]は、プリプレグ中でも、更にはこのプリプレグを成形して得られる繊維強化複合材料中においても、その形状を保ったまま存在することができる。その場合、導電性樹脂粒子[C]は繊維強化複合材料中において、厚み方向の導電パスとして作用するので、得られる繊維強化複合材料に高い導電性を与える。
導電性樹脂粒子[C]に含まれる熱可塑性樹脂として、可溶性熱可塑性樹脂及び不溶性熱可塑性樹脂の両者を含有していることも好ましい。
本発明で用いられる可溶性熱可塑性樹脂及び不溶性熱可塑性樹脂は、何れも従来公知の熱可塑性樹脂である。
マトリクス樹脂[b]としてエポキシ樹脂、またはビスマレイミド樹脂を用いる場合、不溶性熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルニトリル、ポリベンズイミダゾールが例示される。これらの中でも、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドは、高靭性でかつ耐熱性が良好であるため好ましい。
これら不溶性熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。また、これらの共重合体を用いることもできる。例えば、ポリイミドやポリアミドは複合材料に対する靭性付与効果が特に優れている。
特に、非晶性ポリイミドや、ナイロン6(登録商標)(カプロラクタムの開環重縮合反応により得られるポリアミド)、ナイロン12(ラウリルラクタムの開環重縮合反応により得られるポリアミド)、非晶性のナイロン(透明ナイロンとも呼ばれ、ポリマーの結晶化が起こらないか、ポリマーの結晶化速度が極めて遅いナイロン)のようなポリアミドを使用することにより、得られる複合材料の耐熱性を向上させることができる。
(導電材[D])
導電性樹脂粒子[C]に含まれる導電材としては、電気的に良好な導体として機能する導電性粒子であれば良く、導体のみからなる粒子に限定されない。好ましくは体積固有抵抗が10〜10−9Ωcmであり、より好ましくは1〜10−9Ωcmであり、特に好ましくは10−1〜10−9Ωcmである粒子である。体積固有抵抗が10Ωcmを超える場合は、得られる炭素繊維強化複合材料の導電性が不十分になる場合がある。
導電材としては、例えば、ポリアセチレン粒子、ポリアニリン粒子、ポリピロール粒子、ポリチオフェン粒子、ポリイソチアナフテン粒子及びポリエチレンジオキシチオフェン粒子等の導電性ポリマー粒子、カーボン粒子、炭素繊維粒子、金属粒子、並びに、無機材料又は有機材料のコア材を導電性物質で被覆された粒子などを使用することができる。
以上の導電材の中でも、高い導電性及び安定性を示すことから、カーボン粒子、金属粒子、無機材料又は有機材料のコア材を導電性物質で被覆してなる粒子が好ましい。
カーボン粒子としては、例えば、カーボンブラック、膨張黒鉛、鱗片状黒鉛、黒鉛粉末、黒鉛粒子、グラフェン・シート、カーボンミルドファイバー、カーボン・ナノチューブ、気相成長法炭素繊維(VGCF)を含むカーボン・ナノファイバーなどが挙げられ、これらは単独で使用しても併用してもよい。なかでも安価で、導電効果の高いカーボンブラック、カーボンミルドファイバーが好ましく用いられる。
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックなどを使用することができ、これらを2種類以上ブレンドしたカーボンブラックも好適に用いられる。カーボンミルドファイバーとしては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、フェノール系炭素繊維のミルドファイバーが例示される。これらの中でも、ピッチ系炭素繊維のミルドファイバーが特に好ましい。カーボンミルドファイバーの炭素含有率は94質量%以上が好ましい。炭素含有率が94質量%未満の場合は、得られる複合材料の導電性が低下する傾向がある。
金属粒子としては、金属粒子と炭素繊維との電位差により生じる腐食を防ぐことができるので、白金、金、銀、銅、錫、ニッケル、チタン、コバルト、亜鉛、鉄、クロム、アルミニウム、又はこれらを主成分とする合金等が好ましい。更には、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム・錫(ITO)等も好ましい。これらの中でも、高い導電性及び化学的安定性を示すことから、白金、金、銀、銅、錫、ニッケル、チタン又はこれらを主成分とする合金が特に好ましい。
無機材料又は有機材料のコア材を導電体で被覆して、コア材を導電化する方法としては、金属メッキ、メカノケミカルボンディング方法が好ましい。
金属メッキを施す方法としては、湿式メッキ法と乾式メッキ法がある。湿式メッキ法としては、無電解メッキ、置換メッキ及び電気メッキ等の方法を採用することができる。不導体にメッキを施すことが可能であることから、無電解メッキによる方法が好ましい。乾式メッキとしては、真空蒸着、プラズマCVD(chemical vapor deposition)、光CVD、イオンプレーティング、スパッタリング等の方法を採用することができるが、低温においても優れた密着性が得られることからスパッタリングによる方法が好ましい。
メカノケミカルボンディングとは、複数の異なる素材粒子を、機械的エネルギーを加えて、メカノケミカル的に分子レベルで結合させ、その界面で強固なナノ結合を創成し、複合微粒子を創出する方法である。コア材を金属粒子、カーボンナノ材料、気相成長カーボンファイバー(VGCF)で被覆したものが好ましい。
導電材[D]の平均粒子径は、0.01〜50μmが好ましく、0.01〜10μmがより好ましい。導電材[D]の平均粒子径が、0.01〜50μmで、分散樹脂[E]が可溶性の場合、成型時に分散樹脂が溶解すると共に導電材[D]の一部が成形時に繊維層に適度に分散する。その結果、得られる複合材料の導電性が向上しやすい。
また、導電性樹脂粒子[C]の平均粒子径に対する、導電性樹脂粒子[C]中に含まれる導電材[D]の平均粒子径の比(導電材[D]の平均粒子径/導電性樹脂粒子[C]の平均粒子径)が、好ましくは1/2〜1/1000、より好ましくは1/10〜1/100であると、得られる複合材料の耐衝撃性と導電性の両方の向上効果をさらに得やすい。
導電材[D]の配合量は、導電性樹脂粒子[C]に含まれる樹脂100質量部に対して、0.2〜100質量部となるように配合することが好ましく、1〜50質量部がより好ましく、5〜20質量部が特に好ましい。導電材[D]の配合量が、0.2〜100質量部であると、導電性樹脂粒子[C]による、複合材料の耐衝撃性と導電性の両方の向上効果を特に得やすい。配合量が0.2質量部未満の場合は、得られる複合材料の導電性の向上効果が得にくい場合がある。また100質量部を超える場合、分散樹脂[E]の粘度が著しく高くなって、製造性が著しく悪化し、さらに導電材が多量に存在するため、その導電性樹脂粒子を使用した樹脂組成物によるプリプレグより製造された複合材料の機械物性が低下する場合がある。
(導電性樹脂粒子[C]の製造方法)
導電性樹脂粒子[C]の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の混練方法等を用いることが出来る。導電性樹脂粒子[C]の製造時に適用される混練温度は、配合する分散樹脂[E]の軟化温度±80℃である。+80℃を超えると樹脂の熱劣化や、部分的な硬化反応が開始し、得られる導電性樹脂粒子[C]並びにそれを用いて製造するプリプレグやその成型体の機械物性が著しく低下する場合がある。−80℃より低いと、樹脂粘度が高くなり、実質的に混練が困難となる場合がある。好ましくは±60℃であり、更に好ましくは±40℃である。
混練機械装置としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な例としては、エクストルーダー、バンバリーミキサー、攪拌翼を備えた混合容器、横型混合槽などが挙げられる。各成分の混練は、大気中、真空中、不活性ガス雰囲気下の何れでも行うことができる。また、特に大気中で混練が行われる場合は、温度、湿度管理された雰囲気が好ましい。特に限定されるものではないが、例えば、30℃以下で、一定に管理された温度や、相対湿度50%RH以下の低湿度雰囲気で混練されることが好ましい。
混練は、1段で行ってもよいし、多段で行ってもよい。また、樹脂組成物の各成分の混合順序は限定されない。樹脂可溶性熱可塑性樹脂は、その全量又は一部を予めエポキシ樹脂に溶解して混練することができる。また、粉体などの状態でエポキシ樹脂中に分散粒子として混合してもよい。
導電材[D]と分散樹脂[E]とを混練りして得られるこれらの混合物は、必要により所望の粒度にする。所望の粒度にする方法としては、ジェットミル、ハンマーミル、ナノジェットマイザー等を用いる公知の方法が採用できる。
(樹脂組成物[B]のその他の添加物)
[硬化剤]
マトリクス樹脂[b]として硬化性樹脂を用いる場合は、必要に応じて樹脂[b]を硬化させる硬化剤が樹脂組成物[B]に配合されていてもよい。硬化剤としては、マトリクス樹脂[b]を硬化させる公知の硬化剤が用いられる。
例えば、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合に使用される硬化剤としては、ジシアンジアミド、芳香族アミン系硬化剤の各種異性体、アミノ安息香酸エステル類が挙げられる。ジシアンジアミドは、プリプレグの保存安定性に優れるため好ましい。また、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ジアミン化合物及びそれらの非反応性置換基を有する誘導体は、耐熱性の良好な硬化物を与えるという観点から特に好ましい。ここで、非反応性置換基は、エポキシ樹脂の説明において述べた非反応性置換基と同様である。
アミノ安息香酸エステル類としては、トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエートやネオペンチルグリコールジ−p−アミノベンゾエートが好ましく用いられる。これらを用いて硬化させた複合材料は、ジアミノジフェニルスルホンの各種異性体と比較して耐熱性は劣るが、引張伸度に優れる。そのため、複合材料の用途に応じて、使用する硬化剤の種類は適宜選択される。
樹脂組成物[B]に含まれる硬化剤の量は、少なくとも樹脂組成物[B]に配合されているマトリクス樹脂[b]を硬化させるのに適する量を、用いるマトリクス樹脂[b]及び硬化剤の種類に応じて適宜調節すればよい。配合量は、硬化剤・硬化促進剤の有無と添加量、エポキシ樹脂との化学反応量論及び組成物の硬化速度などを考慮して、適宜、所望の配合量で用いることができる。保存安定性の観点から、樹脂組成物[B]に含まれるマトリクス樹脂[b]100質量部に対して、硬化剤を30〜100質量部配合することが好ましく、30〜70質量部がより好ましい。
硬化剤として、コート剤によりマイクロカプセル化されたDDS(例えば、DDSコート10(松本油脂社製))を用いることも可能である。mc−DDSは室温状態において未硬化のエポキシ樹脂と反応することを防止するため、物理的、化学的な結合によりDDS粒子の表層をエポキシ樹脂と反応性の少ない物質、具体的には、ポリアミド、変性尿素樹脂、変性メラミン樹脂、ポリオレフィン、ポリパラフィン(変性品も含む)等のコート剤によりコートしたものである。 これらのコート剤は、単独使用又は併用してもよく、また、前記以外の種々のコート剤によりマイクロカプセル化されたDDSを用いることもできる。
[熱可塑性樹脂]
マトリクス樹脂[b]として、低粘度の硬化性樹脂を用いる場合、樹脂組成物[B]に適切な粘度を与えるために、熱可塑性樹脂を配合してもよい。この樹脂組成物[B]に粘度調節のために配合する熱可塑性樹脂には、最終的に得られる繊維強化複合材料の耐衝撃性を向上させる効果もある。
樹脂組成物[B]に配合する上記熱可塑性樹脂の量は、樹脂組成物[B]に用いるマトリクス樹脂[b]の種類に応じて異なり、樹脂組成物[B]の粘度が後述する適切な値になるように適宜調節すればよい。通常、樹脂組成物[B]に含まれるマトリクス樹脂[b]100質量部に対して、熱可塑性樹脂は5〜100質量部となるように配合することが好ましい。
樹脂組成物[B]の好ましい粘度は、80℃におけるその最低粘度が10〜450Poiseであり、より好ましくは最低粘度が50〜400Poiseである。樹脂組成物[B]の最低粘度が10Poise以上ある場合、樹脂組成物[B]に含まれる導電性樹脂粒子[C]をプリプレグの表面近傍に局在化させる効果が高くなり、このプリプレグを硬化して得られる炭素繊維強化複合材料の厚さ方向の導電性がより高くなる傾向がある。樹脂組成物[B]の最低粘度が450Poiseを超える場合は、樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎ、プリプレグ製造時において、強化繊維基材[A]に対する樹脂組成物「B」の含浸性が悪化するなど、取扱性が悪化するので好ましくない。
本発明の樹脂組成物[B]は、上記成分以外に、本発明の目的・効果を阻害しない限り、必要に応じて、適宜、酸無水物、ルイス酸、ジシアンジアミド(DICY)やイミダゾール類の如く塩基性硬化剤、尿素化合物、有機金属塩などの各種添加剤を含むことができる。
具体的には、酸無水物としては、無水フタル酸、トリメリット酸無水物、無水ピロメリット酸等が例示される。ルイス酸としては、三フッ化ホウ素塩類が例示され、更に詳細には、BFモノエチルアミン、BFベンジルアミン等が例示される。イミダゾール類としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールが例示される。また、尿素化合物である3−[3,4−ジクロロフェニル]−1,1−ジメチル尿素(DCMU)等や、有機金属塩であるCo[III]アセチルアセトネート等を例示することができる。反応性希釈剤としては、例えば、ポリプロピレンジグリコール・ジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等の反応性希釈剤が例示される。
[他の導電材]
本発明の樹脂組成物[B]は、必要に応じて、上記導電性粒子[C]以外の導電性粒子を含んでいても良い。導電性粒子としては、前述の導電材[D]と同じものを用いることができる。導電性粒子の配合量は、樹脂組成物[B]に含まれるマトリクス樹脂[b]100質量部に対して、0.2〜20質量部となるように配合することが好ましく、1〜15質量部がより好ましく、5〜15質量部が特に好ましい。
配合量が0.2質量部未満の場合は、得られる複合材料の導電性の向上効果が得にくい場合がある。また20質量部を超える場合、樹脂組成物の粘度が著しく高くなり取扱性が著しく悪化する場合がある。また、樹脂組成物全体に占める導電性粒子の添加量が同程度になるように導電性粒子を含む場合と比べ、得られる複合材料の導電性が低くなる傾向がある。
(樹脂組成物[B]の製造方法)
樹脂組成物[B]は、上記のようにして製造した導電性樹脂粒子[C]と、マトリクス樹脂[b]とを混合し、導電性樹脂粒子[C]をマトリクス樹脂[b]に、好ましくは均一に、分散させることにより製造できる。
樹脂組成物[B]の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知のいずれの方法を用いてもよい。例えば、マトリクス樹脂[b]としてエポキシ樹脂を使用する場合は、樹脂組成物製造時に適用される混練温度としては、10〜160℃の範囲が例示できる。160℃を超える場合は、エポキシ樹脂の熱劣化や、部分的に硬化反応が開始し、得られる樹脂組成物並びにそれを用いて製造されるプリプレグの保存安定性が低下する場合がある。10℃より低い場合は、エポキシ樹脂組成物の粘度が高く、実質的に混練が困難となる場合がある。好ましくは20〜130℃であり、更に好ましくは30〜110℃の範囲である。
混練機械装置としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な例としては、ロールミル、プラネタリーミキサー、ニーダー、エクストルーダー、バンバリーミキサー、攪拌翼を供えた混合容器、横型混合槽などが挙げられる。各成分の混練は、大気中又は不活性ガス雰囲気下で行うことができる。大気中で混練が行われる場合は、温度、湿度管理された雰囲気が好ましい。特に限定されるものではないが、例えば、30℃以下の一定温度に管理された温度や、相対湿度50%RH以下の低湿度雰囲気で混練することが好ましい。
(プリプレグ)
次に、本発明のプリプレグの態様について説明する。本発明のプリプレグは、上記樹脂組成物[B]を、強化繊維基材[A]を構成する各繊維基材の間隙に含浸させてなる。
樹脂組成物[B]の含有率(RC)は、プリプレグの全質量を基準として、15〜60質量%であることが好ましい。含有率が15質量%よりも少ない場合は、得られる複合材料に空隙などが発生し、機械特性を低下させる場合がある。含有率が60質量%を超える場合は、強化繊維による補強効果が不十分となり、実質的に質量対比機械特性が低いものになる場合がある。好ましくは、含有率は、20〜50量%であり、より好ましくは25〜50質量%である。
ここで、マトリクス樹脂[b]がエポキシ樹脂の場合は、組成物の含有率(RC)とは、プリプレグを硫酸に浸漬し、必要により加熱し、エポキシ樹脂が分解して質量を減少させるために生じる質量変化量から算出される割合を樹脂組成物[B]の含有量とすることが出来る。
具体的には、先ず、プリプレグを100mm×100mmに切り出して試験片を作製し、その質量を測定する。次いで、このプリプレグの試験片を硫酸中で浸漬または煮沸を行い、樹脂分を分解して溶出させる。その後、残った繊維をろ別し、硫酸で洗浄し、乾燥し、乾燥繊維の質量を測定する。最後に、硫酸分解操作の前後の質量変化からエポキシ樹脂組成物の含有率を算出する。
本発明のプリプレグの形態は、強化繊維基材[A]に、樹脂組成物[B]が含浸されている形状であれば特に制限が無い。しかし、強化繊維と、前記強化繊維間に含浸されたエポキシ樹脂組成物とからなる強化繊維層と、前記強化繊維層の表面に被覆された樹脂被覆層とからなるプリプレグが好ましい。樹脂被覆層の厚みは2〜50μmが好ましい。樹脂被覆層の厚みが2μm未満の場合、タック性が不十分となり、プリプレグの成形加工性が著しく低下する場合がある。樹脂被覆層の厚みが50μmを超える場合、プリプレグを均質な厚みでロール状に巻き取ることが困難となり、成形精度が著しく低下する場合がある。樹脂被覆層の厚みは、5〜45μmがより好ましく、10〜40μmが特に好ましい。
本発明のプリプレグの製造方法は、特に制限が無く、従来公知のいかなる方法も採用できる。具体的には、ホットメルト法や、溶剤法が好適に採用できる。
ホットメルト法は、離型紙の上に、上記樹脂組成物[B]を薄いフィルム状に塗布して樹脂組成物フィルムを形成し、次いで形成したフィルムを離型紙から剥離して樹脂組成物フィルムを得、その後強化繊維基材に樹脂組成物フィルムを積層して加圧下に加熱することにより樹脂組成物を強化繊維基材に含浸させる方法である。
樹脂組成物を樹脂組成物フィルムにする方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知のいずれの方法を用いることもできる。具体的には、ダイ押し出し、アプリケーター、リバースロールコーター、コンマコーターなどを利用し、離型紙、フィルムなどの支持体上に樹脂組成物を流延、キャストをすることにより得ることが出来る。フィルムを製造する際の樹脂温度としては、フィルムを製造する樹脂の組成、粘度に応じて適宜決定する。具体的には、前述のエポキシ樹脂組成物製造方法における混練温度と同じ温度条件が好適に用いられる。含浸は1回ではなく、複数回に分けて任意の圧力と温度にて、多段的に行うこともできる。
溶剤法は、エポキシ樹脂組成物を適当な溶媒を用いてワニス状にし、このワニスを強化繊維基材に含浸させる方法である。これらの従来法の中でも、特に本発明のプリプレグは、従来公知の製造方法であるホットメルト法により、好適に製造することができる。
樹脂組成物フィルムを用いて強化繊維基材へ樹脂組成物[B]を含浸させる際の含浸圧力は、その樹脂組成物の粘度・樹脂フローなどを勘案し、適宜決定する。
マトリクス樹脂[b]としてエポキシ樹脂を用い、エポキシ樹脂組成物フィルムをホットメルト法で強化繊維基材に含浸させる場合の含浸温度は、50〜150℃の範囲が好ましい。含浸温度が50℃未満の場合、エポキシ樹脂組成物フィルムは粘度が高く、強化繊維基材[A]の中へ十分含浸しない場合がある。含浸温度が150℃以上の場合、エポキシ樹脂組成物の硬化反応が起き始め、得られるプリプレグの保存安定性が低下したり、ドレープ性が低下したりする場合がある。含浸温度は60〜145℃がより好ましく、70〜140℃が特に好ましい。
上記方法を用いて得られるプリプレグは、目的に応じて積層され、成形並びに硬化されて繊維強化複合材料が製造される。この製造方法自体は公知である。本プリプレグを用いて製造される繊維強化複合材料は、高い耐湿熱特性を有し、更に優れた耐衝撃性を有している。従って、本プリプレグを用いて製造される繊維強化複合材料は、航空機用構造材料等の用途に使用して好適なものである。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本実施例、比較例において使用する成分や試験方法を以下に記載する。
〔成分〕
(強化繊維基材)
・使用した東邦テナックス社製の炭素繊維ストランド(テナックス IMS60(商品名))の引張強度と弾性率は下記の通りである。
・引張強度5800MPa(590kgf/mm)
・弾性率290GPa(30tf/mm)
[エポキシ樹脂組成物]
(エポキシ樹脂)
・グリシジルアミン型エポキシ樹脂 (3官能基) [ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製アラルダイトMY0600(商品名)] (MY0600)
・グリシジルアミン型エポキシ樹脂 (4官能基) [ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製アラルダイトMY721(商品名)] (MY721)
(エポキシ樹脂硬化剤)
・3,3’−ジアミノジフェニルスルホン [日本合成加工社製の芳香族アミン系硬化剤] (3,3’−DDS)
・4,4’−ジアミノジフェニルスルホン [和歌山精化社製の芳香族アミン系硬化剤] (4,4’−DDS)
[ビスマレイミド樹脂組成物]
(芳香族ビスマレイミド化合物)
・N,N’−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド[ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製Matrimid 5292 A(商品名)](Matrimid5292A)
(アルケニルフェノール)
・O,O’−ジアリルビスフェノールA、[ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製Matrimid 5292 B(商品名)](Matrimid5292B)
[導電性樹脂粒子]
本実施例で使用した導電性樹脂粒子[C]は以下に示す方法にて調製した。
・導電性樹脂粒子a
分散樹脂[E]として、エポキシ樹脂不溶性熱可塑性樹脂であるポリアミド樹脂(グリルアミドTR−55(エムスケミー社製))を、導電材[D]としてカーボンブラック(ケッチェンブラックEC300J(ライオン社製))を用いた。
ポリアミド樹脂/導電材を90/10の質量比率でタンブラーを使用して均一に混合した後、25 mm φ ベント付き同方向回転二軸混練押出機(HK−25D) を用いてペレット化した。シリンダー温度は280 ℃で 、1 0 mm H g の真空度で脱気しながらペレット化した。得られたペレットを、ジェットミルにて粉砕し、導電性樹脂粒子a(平均粒子径20μm)を得た。
・導電性樹脂粒子b
ポリアミド樹脂/導電材の質量比率を85/15に変更したこと以外は、導電性樹脂粒子aと同様の方法で導電性樹脂粒子b(平均粒子径20μm)を得た。
・導電性樹脂粒子c
導電材[D]としてカーボンミルドファイバー(ダイアリード:K223HM(三菱樹脂社製))を用い、ポリアミド樹脂/導電材の質量比率を80/20にしたこと以外は、導電性樹脂粒子aと同様の方法で導電性樹脂粒子c(平均粒子径20μm)を得た。
・導電性樹脂粒子d
導電材[D]としてニッケル被覆した炭素繊維(Niコート炭素繊維チョップ:C903(東邦テナックス社製))を用い、ポリアミド樹脂/導電材の質量比率を50/50にしたこと以外は、導電性樹脂粒子aと同様の方法で導電性樹脂粒子d(平均粒子径20μm)を得た。
・導電性樹脂粒子e
導電材[D]として金属粒子(銀粉:Ag−2−11(DOWAエレクトロニクス社製))を用い、ポリアミド樹脂/導電材の質量比率を70/30にしたこと以外は、導電性樹脂粒子a(平均粒子径20μm)と同様の方法で導電性樹脂粒子eを得た。
・導電性樹脂粒子f
分散樹脂[E]として、エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂であるポリエーテルスルホン樹脂(5003P(住友化学社製))を、導電材[D]としてカーボンブラック(ケッチェンブラックEC300J(ライオン社製))を用いた。
ポリエーテルスルホン樹脂/導電材を90/10の質量比率にてタンブラーを使用して均一に混合した後、25 mm φ ベント付き同方向回転二軸混練押出機(HK−25D) により、シリンダー温度330 ℃ 、1 0 mm Hg の真空度で脱気しながらペレット化した。その後、粉砕して導電性樹脂粒子f(平均粒子径20μm)を得た。
・導電性樹脂粒子g
分散樹脂[E]として、ビスマレイミド樹脂不溶性熱可塑性樹脂であるポリイミド樹脂(Aurum PD450M(三井化学社製)を、導電材[D]としてカーボンブラック(ケッチェンブラックEC300J(ライオン社製))を用いた。
ポリイミド樹脂/導電材を90/10の質量比率にてタンブラーを使用して均一に混合した後、25 m m φ ベント付き同方向回転二軸混練押出機(HK−25D) により、シリンダー温度380 ℃ 、1 0 mm H g の真空度で脱気しながらペレット化した。その後、粉砕して導電性樹脂粒子g(平均粒子径20μm)を得た。
[導電材]
導電性樹脂粒子以外の導電材として以下の導電性物質を使用した。
・導電材A
粒子径39.5nm(カタログ値)の導電性カーボンブラック [ライオン(株)製ケッチェンブラックEC300J(商品名)]
・導電材B 平均繊維長200μm(カタログ値)のピッチ系炭素繊維ミルドファイバーダイアリード:K223HM(三菱樹脂社製)
[熱可塑性樹脂]
・熱可塑性樹脂A
平均粒子径20μmのポリエーテルスルホン [住友化学工業(株)製PES−5003P(商品名)](エポキシ樹脂に可溶な熱可塑性樹脂)
・熱可塑性樹脂B
平均粒子径20μmのグリルアミド [エムスケミージャパン社製TR−55(商品名)] (エポキシ樹脂に不溶な熱可塑性樹脂)
・熱可塑性樹脂C
平均粒子径15μmのポリエーテルイミド [SABICイノベーティブプラスチックス社製Ultem1000−1000(商品名)] (ビスマレイミド樹脂に可溶な熱可塑性樹脂)
・熱可塑性樹脂D
平均粒子径20μmのポリイミド [三井化学社製 AURAM PD450M(商品名))(ビスマレイミド樹脂に不溶な熱可塑性樹脂)
(その他)
・添加剤
HYPRO ATBN 1300X16(Emerald Performance Materials社製)[測定方法]
(1)平均粒子径
平均粒子径は、日機装(株)製 レーザー回折・散乱式の粒度分析計(マイクロトラック法)MT3300を用いて、粒度分布の測定を実施し、その50%粒子径(D50)を平均粒子径とした。
(2)樹脂組成物の粘度評価
レオメトリクス社製レオメーターARES−RDAを用いた。直径25mmのパラレルプレート間のエポキシ樹脂組成物の厚さを0.5mmとした。角速度10ラジアン/秒の条件で昇温速度2℃/分で180℃まで粘度測定を行った。得られた温度−粘度曲線を用いて、80℃における粘度を測定した。
(3)成形性評価
各プリプレグの成形性評価用試料は、オートクレーブ成形法を用いて製造した。即ち、プリプレグをカットし、積層し、積層構成[+45/0/−45/90]2Sの積層体を得た。この積層体を、通常のオートクレーブ成形法で成型した。成型条件は、圧力0.49MPaで、温度180℃で、120分間であった。得られた成型物の内部のボイドの有無を、超音波探傷装置(SDS−Win3600(Krautkramaer社製)と超音波プローブ(5MHz)を用いて、スキャンピッチを0.5mmにて評価した。評価結果は成型不良箇所なしを○、成型不良箇所ありを×とした。
(4)Z方向体積抵抗率測定
本発明において、複合材料の導電性は、Z方向(厚さ方向)の体積抵抗率を用いて評価した。体積抵抗率とは、所与の材料の固有抵抗である。三次元材料の導電率の測定の単位はオーム−cm(Ω・cm)である。材料のZ方向体積抵抗率ρは、通常下式により定義される。
ρ= RA/L
R:試験片の電気抵抗値(デジタルオームメーターで測定)
L:試験片の厚さ(m)
A:試験片の断面積 (m)
本発明においては、体積抵抗はZ方向にのみ(複合材料の厚み方向)測定する。計算においては厚みが常に考慮されるので、すべての場合において、この値は「体積」抵抗率となる。
Z方向体積抵抗率測定用試料の作製方法
プリプレグをカット、積層し、積層構成[+45/0/−45/90]2Sの積層体を得た。真空オートクレーブ成形法を用い、0.49MPaの圧力下、180℃で120分間成形した。得られた成形物を幅 40mm × 長さ 40mmの寸法に切断し、サンドペーパーを用いて、成形物の表面を炭素繊維が露出するまで研磨した。最後に、2000番のサンドペーパーを用いて表面仕上げを行い、試験片を得た。得られた試験片を、幅50mm×長さ50mmの金メッキを施した2枚の電極間に挟んだ。
両電極間に0.06MPaの荷重をかけた状態で、デジタルオームメーター(ADEX社製 AX−114N)でZ方向の試験片の抵抗値を測定し、上式から体積抵抗率を求めた。10枚の試験片について抵抗値を測定し、体積抵抗率を算出し、その平均値を用いて評価した。
(実施例1)
混練装置で、エポキシ樹脂である50質量部の“アラルダイト(登録商標)”MY0600と50質量部のMY721(ともにハンツマン社製)に、可溶性熱可塑性樹脂である10質量部のポリエーテルスルホン5003P(熱可塑性樹脂A)を添加し、120℃で30分間攪拌機を用いて撹拌し完全溶解させた後、樹脂温度を80℃以下に冷ました。 その後、30質量部の導電性樹脂粒子aと20質量部の5003P粒子(熱可塑性樹脂A)を混練し、さらに硬化剤である4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(4,4‘-DDS)を45質量部混練して、熱硬化性エポキシ樹脂組成物[B]を調製した。得られた樹脂組成物の樹脂粘度を測定した。
調製した熱硬化性樹脂組成物を、フィルムコーターを用いて離型紙上に塗布して51g/mの樹脂フィルムを、2枚作製した。次に、炭素繊維束を一方向に配列させた炭素繊維シートに、上記作製した樹脂フィルム2枚をシート両面に重ねた。加熱、加圧することにより、樹脂を炭素繊維シートに含浸させ、炭素繊維の目付が190g/mで、マトリックス樹脂の質量分率が35.0%の一方向プリプレグを作製した。
作製した一方向プリプレグを用いて成形性および複合材料の導電性を評価した。得られた結果を表1に示す。
○は、成形性が良好であること、×は成形性が悪いことを示す。
(実施例2〜7)
熱可塑性樹脂または導電性樹脂粒子または導電性樹脂粒子以外の導電性物質である導電材Aまたは導電材Bの配合量(質量部)を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてプリプレグを作製した。作製した熱硬化性樹脂組成物および一方向プリプレグを用いて、樹脂粘度、成形性および複合材料の導電性を評価した。
(比較例1)
混練装置で、50質量部の“アラルダイト(登録商標)”MY0600と50質量部のMY721に、10質量部のポリエーテルスルホン樹脂5003Pとを120℃で30分間攪拌機を用いて撹拌し完全溶解させた後、樹脂温度を80℃以下に冷ました。その後、27質量部のポリアミド樹脂グリルアミドTR−55粒子(熱可塑性樹脂B)と20質量部のポリエーテルスルホン樹脂5003P(熱可塑性樹脂A)を混練し、さらに硬化剤である4,4’−ジアミノジフェニルスルホンを45質量部混練して、熱硬化性エポキシ樹脂組成物[B]を調製した。
(比較例2〜3)
導電性樹脂粒子以外の導電性物質である導電材Aまたは導電材Bを使用し、熱可塑性樹脂の配合量(質量部)を表1に示すように変更した以外は、比較例1と同様にしてプリプレグを作製した。作製した熱硬化性樹脂組成物および一方向プリプレグを用いて、樹脂粘度、成形性および導電性を測定した。更に成形性を評価した。
実施例1〜7で得られた試験片の成形性はいずれも良好で、かつ導電性も非常に良好だった。導電性樹脂粒子以外の導電材(導電材A)を添加した実施例2では、導電材Aの存在により、実施例1と比較して樹脂粘度が向上したが、使用に差し支えるものではなく、優れた導電性を有する複合材料が得られた。
導電性樹脂粒子aの添加量を増加させた実施例3では、実施例1よりも更に優れた導電性を有する複合材料が得られた。
導電性樹脂粒子を、導電材の添加量の多い導電性樹脂粒子bに変更した実施例4では、実施例1で得られたものよりも導電性の高い複合材料が得られた。
分散樹脂[E]として可溶性熱可塑性樹脂を用いた導電性樹脂粒子fを用いた実施例5では、導電材[D]が複合材料中に分散し導電性に優れるとともに、抵抗率を測定した際に試験片ごとの抵抗値のバラツキが小さく、均一な導電性を有する複合材料が得られた。
導電性樹脂粒子aに加え更に導電性樹脂粒子fを添加した実施例6では、導電性樹脂粒子f中の導電材[D]が複合材料中に分散し、得られた複合材料は導電性樹脂粒子aのみを用いて同量の導電材が添加されている実施例3ほどではないものの導電性に優れた複合材料であり、抵抗率を測定した際に試験片ごとの抵抗値のバラツキは実施例3よりも小さく、均一な導電性を有する複合材料が得られた。
実施例7では、導電性樹脂粒子aと導電性樹脂粒子f及び導電材Aを併用したことにより、エポキシ樹脂組成物全量に対して5.1wt%と多量の導電材を添加することができ、優れた導電性を有する複合材料が得られた。
一方、比較例1で得られた複合材料は、マトリクス樹脂中に導電材がないため、導電性が低い。比較例2で得られたプリプレグは、成形性は良好だが、導電材がマトリクス樹脂全体に分散しているため、導電パス形成が不十分になり、成形物の導電性は低かった。また、比較例3は導電材を樹脂組成物に直接混練しているため、樹脂粘度の増加が著しく、成形性は不良で、かつ適切な導電性が評価できなかった。
(実施例8〜10)
硬化剤、熱可塑性樹脂、導電性樹脂粒子、導電性樹脂粒子以外の導電性物質である導電材Aまたは導電材Bの配合量(質量部)を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてプリプレグを作製した。作製した熱硬化性樹脂組成物および一方向プリプレグを用いて、樹脂粘度、成形性および複合材料の導電性を評価した。得られた結果を表1に示した。
実施例8〜10で得られたプリプレグの成形性はいずれも良好で、かつ、得られた複合材料の導電性も非常に良好だった。このように導電性樹脂粒子[C]を構成する導電材[D]、分散樹脂[E]の種類および配合比率を変更しても、実施例1と同様の効果があった。
(実施例11)
表3に記載する割合(質量部)で、アルケニルフェノール(Matrimid 5292B)と樹脂可溶性熱可塑性樹脂(ULTEM1000−1000粒子)とを120℃で30分間攪拌機を用いて撹拌し完全溶解させた。その後、60℃に冷却し、ビスマレイミド化合物(Matrimid 5292A)、添加剤(HYPRO ATBN 1300X16)、樹脂不溶性熱可塑性樹脂(AURUM PD450M)、導電性樹脂粒子gを添加し、30分間混合撹拌し、熱硬化性ビスマレイミド系樹脂組成物を調製した。
調製した熱硬化性樹脂組成物を、フィルムコーターを用いて離型紙上に塗布して51g/mの樹脂フィルムを、2枚作製した。次に、炭素繊維束を一方向に配列させた炭素繊維シートに、上記作製した樹脂フィルム2枚を炭素繊維の両面に重ねた。加熱、加圧することにより、樹脂を炭素繊維シートに含浸させ、炭素繊維の目付が190g/mで、マトリックス樹脂の質量分率が35.0%の一方向プリプレグを作製した。
作製した熱硬化性樹脂組成物および一方向プリプレグを用いて、樹脂粘度、成形性および複合材料の導電性を評価した。得られた結果を表3に示す。
(比較例4)
導電性微粒子gの代わりに導電材Aを添加し、熱可塑性樹脂の配合量を表3に示すように変更した以外は、実施例11と同様にしてプリプレグを作製した。作製した熱硬化性樹脂組成物および一方向プリプレグを用いて、樹脂粘度、成形性および複合材料の導電性を評価した。
実施例11、比較例4で得られた試験片の成形性は良好だった。試験片の体積抵抗率は、実施例11で得られた方が導電性は高く、比較例4で得られた試験片は、導電材がマトリクス樹脂全体に分散しているため、導電パス形成が不十分なため、成形物の導電性は低かった。
Figure 0006118655
Figure 0006118655
Figure 0006118655
A 強化繊維基材
B 樹脂組成物
C 導電性樹脂粒子
D 導電材
E 分散樹脂
b マトリクス樹脂

Claims (9)

  1. 強化繊維基材[A]と、前記強化繊維基材[A]の各繊維基材間に含まれる樹脂組成物[B]とからなるプリプレグであって、
    前記樹脂組成物[B]はマトリクス樹脂[b]と、前記マトリクス樹脂[b]に分散するレーザー回折法による平均粒径が0.01〜100μmである導電性樹脂粒子[C]と、からなり、
    前記導電性樹脂粒子[C]は、導電材[D]と、前記マトリクス樹脂[b]とは異なる分散樹脂[E]とを含み、前記分散樹脂[E]中に前記導電材[D]が分散する粒子であることを特徴とするプリプレグ。
  2. 前記マトリクス樹脂[b]が熱硬化性樹脂である請求項1に記載のプリプレグ。
  3. 前記分散樹脂[E]が熱可塑性樹脂である請求項1又は2に記載のプリプレグ。
  4. 前記マトリクス樹脂[b]がエポキシ樹脂又はビスマレイミド樹脂から成るとともに、
    前記分散樹脂[E]が、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルニトリル、ポリベンズイミダゾールから成る群から選択される1種以上の樹脂である、請求項1乃至3の何れか1項に記載のプリプレグ。
  5. 前記マトリクス樹脂[b]がエポキシ樹脂又はビスマレイミド樹脂から成るとともに、
    記分散樹脂[E]が、190℃の温度条件において前記マトリクス樹脂[b]に80質量%以上溶解する樹脂である、請求項1乃至3の何れか1項に記載のプリプレグ。
  6. 前記分散樹脂[E]が、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルニトリル、ポリベンズイミダゾールから成る群から選択される1種以上の樹脂と;
    190℃の温度条件において前記マトリクス樹脂[b]に80質量%以上溶解する樹脂との混合物である、請求項1乃至3の何れか1項に記載のプリプレグ。
  7. 前記導電材[D]の形状が繊維状又は粒子状である、請求項1乃至6の何れか1項に記載のプリプレグ。
  8. 前記導電材[D]がカーボン粒子、金属粒子、無機材料の核が導電性物質で被覆された粒子、有機材料の核が導電性物質で被覆された粒子、炭素繊維、金属繊維、無機材料の芯が導電性物質で被覆された繊維および有機材料の芯が導電性物質で被覆された繊維からなる群から選ばれた少なくとも一種である、請求項1乃至7の何れか1項に記載のプリプレグ。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載するプリプレグを積層し、加圧及び加熱して前記樹脂組成物を成型する工程を有する、炭素繊維強化複合材料の製造方法。
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