JP6117864B2 - 眼科手術、特にレーザ屈折矯正手術用の機器、方法、および制御プログラム - Google Patents

眼科手術、特にレーザ屈折矯正手術用の機器、方法、および制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、眼科手術、特にレーザ屈折矯正手術用の機器に関する。本発明は、さらに、そのような機器の制御プログラムに関し、そのような制御プログラムを創出する方法に関する。
この場合、レーザ屈折矯正手術は、レーザ照射を用いて光学システム「眼球」の結像特性を修正することとして理解されるべきである。入射レーザ照射の眼球との相互作用は、眼球の1つまたは複数の構成部位の屈折特性を変化させる。眼球の結像特性は主として角膜によって決まるので、多くの場合、屈折矯正レーザ眼科手術は角膜の治療を伴う。そのような治療では、切開の特定な適用、および/または組織の特定な切除が、角膜の形状を変化させ、したがって、再成形という用語も使用される。
角膜の屈折特性を変えるために角膜を再成形する顕著な例は、LASIK(レーザ・イン・サイチュ角膜曲率形成術)による角膜の再成形である。LASIKの場合、専門医の分野では通常フラップと呼ばれる小さな表層の薄片が、先ず、角膜から切り出される。フラップは、その縁部の一部分で、隣接する角膜組織に繋がったままに残され、それによって、フラップは容易に脇に折り返され、引き続き再び折り戻される。従来、実際には、特に2つの方法がフラップの生成に使用され、一方は、マイクロケラトームを用いる機械的方法であり、他方は、レーザ技術による方法であり、そのレーザによる方法では、フェムト秒のレーザ照射(すなわち、パルス幅がfs領域であるパルス・レーザ照射)を用いて、角膜内に表面下での平坦な切開が行われ、その切開は、ヒンジ式接合部領域以外では、外へ向かって角膜の表面まで行われる。生成されたフラップが折り除かれた後、それによって露出された基質から、所定の除去プロフィールに従って組織の切除(除去)が実施される。除去プロフィールは、角膜のどの位置からどの程度の組織を切除するかを指定する。除去プロフィールは、除去後、治療を施した眼球に関して角膜が最適な形状を有し、以前に存在した眼球の光学的結像欠陥が可能な限り修正されるように計算される。除去プロフィールを計算する適切な方法は、専門医の分野ではずっと以前から得られていた。
たとえば、ほぼ193nmのUV領域の照射波長を有するエキシマ・レーザが、除去に使用される。
治療を施す眼球に対して除去プロフィールが決定されると、次いで、利用できるレーザ照射を用いて如何にすれば要求される切除を最適に達成することができるかが計算される。使用されるレーザ照射は、通常、パルス照射である。したがって、それは、角膜、特に基質と相互作用して要求された角膜の再成形を行うレーザ・パルスの順序を、空間および時間に則って計算するという問題である。
空間および時間におけるレーザ・パルスの要求順序が達成されるように、治療を施す眼球上にレーザ・ビームを誘導するビーム誘導手段は、それ自体、従来技術において周知である。特に、ビーム誘導手段は、レーザ・ビームを横方向(x−y方向)に偏向させるように働く、走査機構としても知られている偏向ユニット、ならびに、必要な高さ位置(z方向)にレーザ・ビームの焦点を結ばせる集束光学装置を備え得る。偏向ユニットは、たとえば、1つまたは複数のガルバノメータ式に制御される偏向鏡を備え得る。
本発明は、LASIK技法に限定されない。本発明は、たとえばPRK(角膜切除屈折手術)、LASEK、EPI−LASIKの場合、または切開が角膜内にのみ行われる切開処置の場合など、眼球への他のレーザ外科手術の場合にも適用することができる。さらに、本発明はまた、レーザ手術による角膜の治療に限定されず、たとえば、水晶体の治療に対する本発明の適用も考えられる。
既述のビーム誘導手段は、除去プロフィールに従って、またはより一般的には、治療プロフィールに従って、プログラム制御式コンピュータを用いて制御される。治療が、非除去手術治療の場合、治療プロフィールはまた、たとえば、どの位置にいかなる深さで切開を行うかを指定する切開プロフィールにもなり得る。
治療プロフィールは、基準点を必要とし、その基準点に対して、レーザ点の順序が空間的に関連付けられる。特にLASIK除去に関して、瞳孔の中心点を除去プロフィールの基準点として使用することが提案されてきた。瞳孔は、虹彩隔膜によって開けて残された開口であり、その瞳孔を通って照射光が眼球に入って網膜上に通るが、瞳孔は、比較的はっきりした輪郭を有し、したがって、カメラを用いて撮影し、画像処理プログラムを用いて評価するのに適している。適切なカメラ技術および処理プログラムは、従来技術において利用可能である。
一方、人間の眼球は静止物体ではなく、絶えず運動する物体である。様々なタイプの眼球運動があり、そのいくつかは、異なったタイムスケールで行われる。唯一重要なのは、眼球は決して静止しないと決めることである。これは、特に指定された物体に視線を固定しようとするときでさえ当てはまり、その時でさえ、避けようのない固定のぶれが発生する。瞳孔は、多かれ少なかれ上記の眼球運動を共にするので、カメラによって瞳孔を観察または監視することによって、眼球をその運動について追跡することができる。相応の眼球追跡装置(アイ・トラッカ)が、周囲の虹彩も含めて瞳孔の一連の画像を撮影し、引き続き、ソフトウェアを用いてその一連の画像を評価することによって眼球の運動を追跡する。画像評価においては、特に、決定されるのは瞳孔中心のその瞬間の位置である。除去中心(除去プロフィールの中心)は、このように決定される瞳孔中心に常に再位置合わせされるので、レーザ・パルスの要求空間シーケンスを、治療を施す眼球部位の正確な位置に確実に導くことができる。
しかし、除去プロフィールの基準点として瞳孔中心を使用することは、瞳孔の前に位置する眼球の前眼房の深さを考慮に入れず、また、角膜の厚さも考慮に入れないので、体系的な欠点に結び付く。眼球運動は概して回転運動であり、回転点は硝子体内に位置している。眼球がある角度で動くと、瞳孔中心は、第1の値だけ瞳孔面内で移動し、角膜の表面に位置する点は、第2の値だけ角膜面内で移動し、角膜上の点の回転点からの距離が、瞳孔中心と回転点との距離に比較して遠いので、第2の値は第1の値より大きい。したがって、眼球運動が存在すると、除去プロフィールの瞳孔中心への位置合わせは不正確な結果を生じる。
したがって、除去プロフィールの基準点として、瞳孔中心の代わりに、瞳孔中心に対して固定された空間的関係を有する、角膜上の患者固有の点を使用することが考えられる。
特に、この場合、瞳孔軸が角膜の表面を貫通する点を考えることができる。瞳孔軸は、瞳孔中心を通り、角膜の表面を通って延在する。角膜の治療の場合、角膜上に位置する点を治療プロフィールの基準点として使用することにより、それとは違って、たとえば瞳孔中心などの角膜から離れて位置する点を基準点として使用する場合に生じる上記の体系的誤差を回避することが可能になる。
角膜上に配置する処置中心を、瞳孔中心から幾何学的に計算するために、眼球の回転半径、および2つの中心間の半径距離に関する情報を必要とする。後者は、主として眼球の前眼房の深さから求められ、この半径距離の小部分は角膜の厚さからさらに求められる。
この発明は、角膜の厚さを含めて前眼房の深さが人それぞれにある程度変化し得、手術結果を改善するためには、それぞれの患者について個々にその患者の前眼房の深さ(必要なら角膜の厚さを含めて)を測定により厳密に確定し、この測定値を瞳孔中心の位置から角膜処置中心を計算する際に考慮することが有利であるとの知見に由来する。たとえば、患者のある調査群の場合、前眼房の厚さは、角膜の厚さも含めて、調査群内で約2.8mmと4.5mmとの間で変化することを確認することができた。この確認された変化の幅を鑑みると、角膜の厚さを含め前眼房の深さに関して、たとえば3.5mmの標準値を想定することは、現状の患者の場合の実際の状態に対して極めて適切であるとは云えない可能性があり、したがって、処置中心がそのような標準値を使用して瞳孔中心から計算された場合、比較的大きな誤差を想定する必要が絶えずあり得ることが、本発明による教示の一側面である。
本発明の目的は、眼科手術、特にレーザ屈折矯正手術に関し、指定された治療プロフィールに対して、治療中に眼球上に基準点を確定することができる方法を開示することであり、その方法によって、改善された手術結果を達成することが可能になる。
本発明によれば、この目的のために、眼科手術、特に、レーザ屈折矯正手術用の機器であって、
レーザ・ビーム源と、
治療を施す眼球上にレーザ・ビーム源によって発射されるレーザ・ビームの位置および時間制御誘導を行うビーム誘導手段と、
眼球の虹彩および瞳孔の画像を撮影するカメラと、
カメラに接続され、治療プロフィールに従ってビーム誘導手段を制御するプログラム制御式コンピュータであって、カメラによって供給される画像データに基づいて、眼球の治療中に、眼球の角膜上の特定の点の位置を確定し、そのように確定された角膜上の点の位置に対して治療プロフィールを位置合わせするように設定されたプログラム制御式コンピュータと、
を備える機器が提供される。
本発明によれば、この場合、機器は、治療を施す眼球の深さ寸法を測定するための測定装置を備え、その深さ寸法は、前眼房の深さ、および必要なら角膜の厚さを表し、コンピュータは、測定装置の測定データを供給され、測定された深さ寸法を考慮して角膜上の特定の点の位置を確定するように設定されている。
すなわち、本発明は、前眼房の深さ、および必要なら角膜の厚さをそれぞれの患者について個々に測定し、レーザ処置を、これらの測定値を考慮して確定された角膜上の点に位置合わせすることを教示する。好ましくは、基準点は角膜の前面に配置される。測定は、手術開始の直前に行うことができる。
たとえば、光コヒーレンス断層撮影法(OCT)、またはコヒーレンス領域反射率測定法(OLCR:光低コヒーレンス反射率測定法)など、生体組織の非接触測定に適したコヒーレント光干渉測定法が先般来利用可能になってきた。これらの測定法は、広帯域の照射光(たとえばSLED、ASE、スーパーコンティニューム・レーザ)を用いて行われ、1μm以下の領域に至る高分解能で生体構造を測定することができる。
好ましい展開では、本発明は、その種のコヒーレント光干渉測定装置がレーザ手術機器の中に統合され、該測定装置は、特に、OLCR測定装置であることを教示する。その種の測定装置の高測定精度により、様々な患者間の前眼房の深さおよび角膜の厚さの変動を精密に弁別し記録することが可能になる。測定装置のレーザ手術機器への統合は、特に、測定装置から発射される測定ビームが治療に用いられるレーザ・ビームと同軸で眼球に導かれるように行い、その結果、患者は1度だけ位置決めされればよく、必要なら、手術中、測定を繰り返すことができる。
前眼房の深さだけではなく、眼球全体の直径も人それぞれに異なり得る。眼球の直径が異なることにより、眼球の回転運動の場合の回転半径がそれに対応して異なる結果となる。したがって、好ましい実施形態の場合、術前に確認された患者固有の眼球の回転半径も考慮して、角膜上の特定の点の位置を確定するようにコンピュータを設定する準備が行われる。個々に測定された回転半径を考慮することによって、標準値として指定された回転半径を使用する場合に比較してさらに改善を行うことができる。
既述の通り、瞳孔軸が角膜の表面を貫通する点を角膜上の特定の点として使用することができる。あるいは、この貫通点に対して相対的に固定された位置にある角膜上の点を使用することもできる。
特にLASIK治療処置の場合、引き続いて除去を実施するためにフラップが最初に折り除かれ、除去中、所与の点を求めて角膜の表面を直接走査することは不可能である。したがって、除去中心に関する基準点は、間接的手段のみによって計算することができる。
この可能性は、レーザ治療中、所与の基準位置に対する瞳孔中心の現時点の位置を示す瞳孔中心の現時点の移動寸法をカメラの画像データから連続的に確定することにあり得る。
瞳孔中心の移動寸法は、特に、変位ベクトルの形で求めることができ、そのベクトルは、基準位置に対する瞳孔中心の変位の方向および量を表す。それにより、レーザ治療処置中に生じる眼球運動を、それぞれ、瞳孔中心のこの基準位置に対する変位ベクトルによって表すことができる。
測定された深さ寸法を使用して、次いで、瞳孔中心の移動寸法に対応する移動寸法を、角膜上の特定の点に関して、たとえばやはり変位ベクトルの形で計算することができる。
角膜上の特定の点の現在の位置を、このように計算した角膜上の特定の点の移動寸法およびこの点の既知の基準位置から計算することができる。この場合適切には、角膜上の特定の点の基準位置は、瞳孔中心がその基準位置にあるとき、角膜上の特定の点によって占められる位置である。たとえば、瞳孔軸が角膜の表面を貫通する位置、およびそれに伴う瞳孔中心の位置を、手術の開始時点で1度確定し、角膜上の特定の点および瞳孔中心の基準位置として記憶することができる。
本発明は、眼科手術、特に、レーザ屈折矯正手術用の機器のための制御プログラムであって、機器が、レーザ・ビーム源と、治療を施す眼球上にレーザ・ビーム源によって発射されるレーザ・ビームの位置および時間制御誘導を行うビーム誘導手段と、眼球の虹彩および瞳孔の画像を撮影するカメラと、カメラに接続され、制御プログラムを実行し、治療プロフィールに従ってビーム誘導手段を制御するコンピュータとを備える、制御プログラムをさらに提供する。制御プログラムは、コンピュータが、眼球の治療中に、カメラによって供給される画像データに基づいて眼球の角膜上の特定の点の位置を確定し、そのように確定された角膜上の点の位置に対して治療プロフィールを位置合わせするように、設計されている。この場合、制御プログラムは、治療を施す眼球の測定された深さ寸法を考慮して角膜上の特定の点の位置を確定し、その深さ寸法は、前眼房の深さ、および必要なら角膜の厚さを表す。
制御プログラムは、たとえば機械可読式携帯用データ媒体、またはコンピュータによってアクセスすることができるメモリ・チップに記憶することができる。
さらに、本発明は、眼科手術、特にレーザ屈折矯正手術用機器のプログラム制御式コンピュータのための制御プログラムを創出する方法であって、機器が、要求される治療プロフィールによって決定される空間的および時間的順序に従って、レーザ照射を眼球上またはその中に導くように設定されており、その治療プロフィールが、治療を施す眼球の特定の位置に対して位置合わせされる方法に関する。本発明によれば、この方法の場合、治療を施す眼球の深さ寸法を手術に先立って少なくとも1度測定し、その深さ寸法が、前眼房の深さ、および必要なら角膜の厚さを表す準備が行われ、制御プログラムは、手術中、測定された深さ寸法を考慮して眼球の特定の値を確定するように創出される。
本発明によるレーザ手術機器に関して、先に行われた開示および説明された好ましい例示的実施形態は、同様に制御プログラムおよび方法にも当てはまる。
本発明が、添付図面を参照して、以下にさらに説明される。
眼球のレーザ屈折矯正手術用の機器の例示的実施形態の概略ブロック図である。 眼球の前方部位の断面図である。 図2に対して眼球が回転した位置での、眼球の前方部位の断面図である。
図1では、レーザ屈折矯正手術によって治療を施す眼球が、参照符号10で概略的に示されている。眼球10の角膜、および瞳孔の縁部が、それぞれ12および14で示されている。
図1によるレーザ手術機器には、それ自体周知のように、固定光源(たとえばLEDまたはレーザ)18が示され、固定光源18は(弱い)固定ビーム18’を放射し、眼球の位置を固定するために患者の視線を固定ビーム18’に向けさせる。
レーザ手術機器は、治療照射光20’を発射する治療レーザ20をさらに備え、治療照射光20’は、レンズ22を介して走査鏡24、24’に導かれ、偏向鏡26を介して眼球10に向けられる。LASIK治療に関して、レーザ20は、たとえば、その照射波長
が193nmであるエキシマ・レーザであり得る。必要なら、他の治療目的に対して、他の治療用波長を使用することもできることが理解される。プログラム制御式コンピュータCが、事前に計算された治療プロフィールに従って、レーザ20、および走査鏡24、24’を制御する。下記では、示された手術機器を用いてLASIK治療が実施されることが想定されており、したがって、治療プロフィールとしては除去プロフィールが想定されている。
レーザ手術機器は、眼球運動を追跡する装置(アイ・トラッカ)をさらに備える。アイ・トラッカは、カメラ30を備え、カメラ30を用いて偏向鏡28を介し矢印32の方向に、眼球、具体的には瞳孔および虹彩の像が撮影される。撮影された像は、次いで、固定光線18’に視線を固定しようとするにも拘らず患者にとって一般に避けることのできない眼球運動を追跡するために、コンピュータC、または、図示されていないが、それに先行する画像処理ユニットにおいて評価される。コンピュータCは、それによって角膜表面の特定の基準点に対して除去プロフィールを可能な限り一定の位置に保つために、走査鏡24、24’を制御する際に、検出された眼球運動を考慮する。
さらに、レーザ手術機器には、OLCR(光低コヒーレンス反射率測定法)用の測定装置34が組み込まれており、その装置は、それ自体周知の態様で、偏向鏡42を介して眼球10に導かれる測定ビームの光源を備える。偏向鏡42を介して、測定装置34の測定照射光が発射されるのと同じ経路で、測定装置34は、眼球10から反射された照射光を受け取る。これが、2重の矢印36によって示されている。
LASIKの開始時、未だ、フラップが切り離され折り返される前に、測定装置34は、角膜の厚さを含めて眼球の前眼房の深さを測定する。それに関連して、次いで図2を参照する。図2では、眼球の前眼房が44によって示され、46は虹彩を示し、48は眼球10の水晶体を示す。前眼房の深さと角膜の厚さとの合計寸法がdによって示されている。
図2にさらに示されているのは、瞳孔軸50であり、瞳孔軸50は、瞳孔中心点Pを、瞳孔軸50が角膜12の前面を貫通する貫通点Dと結ぶ。
眼球の回転は、瞳孔軸50の移動を生じ、また、それに応じて瞳孔中心Pおよび貫通点Dの移動を生じる。この状況が図3に表される。図3では、新しい瞳孔軸が50’によって示されている。比較のために、図2での状態の瞳孔軸50が示されている。aおよびbは、瞳孔中心Pおよび貫通点Dそれぞれが図2による状態に対して移動した距離を示す。
眼球が動く場合、貫通点Dは、瞳孔中心Pよりかなり大きく移動し、移動距離a、bの差は、前眼房44の深さおよび角膜12の厚さ、すなわち合計で深さ寸法dに依存することが分かるであろう。
レーザ手術機器のコンピュータCは、除去中心として瞳孔中心Pではなく貫通点Dに、除去プロフィールの位置を合わせる。このために、コンピュータCは、たとえば、瞳孔中心Pの位置、および貫通点Dの位置を手術の開始に先立って1度確定し、そのように確定した値を基準位置として書き込む(記憶する)。レーザ治療中、コンピュータCは、カメラ30の画像データに基づいて、瞳孔中心Pのそれぞれの現時点の位置を連続的に確定し、記憶した基準位置と現時点の状態との間の瞳孔中心Pの変位の量と方向を示す変位ベクトルを計算する。このように確定した瞳孔中心Pに関する変位ベクトルから、コンピュータCは、測定された深さ寸法dおよび眼球10の回転半径に基づいて、その回転半径は同様に測定して得られるか、または標準値として指定されるが、貫通点Dに関する変位ベクトルを計算することができる。この計算は、簡単な数学を用い、たとえば幾何学で周知の切片定理の助けを得ることにより可能になる。このようにして得られた貫通点Dの変位ベクトル、および記憶されているこの点の基準位置から、コンピュータCは、次いで、貫通点Dの現時点の位置を計算することができる。これらの計算のための計算量が比較的少ないことは極めて明らかである。

Claims (5)

  1. 角膜フラップを有する眼科レーザ手術用の機器であって、
    レーザ・ビーム源(20)と、
    治療を施す眼球上に前記レーザ・ビーム源によって発射されるレーザ・ビームの位置および時間制御誘導を行うビーム誘導手段(24、24’、26)と、
    前記眼球の虹彩および瞳孔の画像を撮影するカメラ(30)と、
    前記カメラに接続され、除去プロフィールを備えた治療プロフィールに従って前記ビーム誘導手段を制御するプログラム制御式コンピュータ(C)であって、前記カメラによって供給される前記眼球の虹彩および瞳孔の画像データに基づいて、前記眼球(10)の治療中に、前記眼球の角膜(12)上の特定の点(D)の位置を確定し、そのように確定された前記角膜上の点(D)の位置に対して前記治療プロフィールを位置合わせするように設定され、前記角膜の点(D)が前記角膜(12)の前側に位置している、プログラム制御式コンピュータ(C)と、
    前記コンピュータに深さ測量データを供給する、治療を施す前記眼球の深さ測量(d)を測定するための測定装置(34)であって、前記深さ測定が、前眼房の深さを表す、測定装置(34)と、
    を備える機器において、
    前記測定装置(34)が、光低コヒーレンス反射率測定法(OLCR)用に構成されたコヒーレント光干渉測定装置であり、
    前記コンピュータが、深さ測量(d)を測定し、前記カメラ(30)の前記眼球の虹彩および瞳孔の画像データから瞳孔中心(P)に対する変位測量(a)を確定し、このように確定された前記変位測量(a)と前記測定された深さ測量(d)と前記眼球(10)の回転の半径とに基づいて前記角膜の特定の点(D)の位置を確定するように設定され、前記変位測量(a)が前記瞳孔中心(P)の基準位置に対する前記瞳孔中心(P)の変位の方向と程度を表しており、
    前記コンピュータは、除去中心として前記除去プロフィールの位置を前記瞳孔中心(P)ではなく貫通点(D)に合わせることを特徴とする機器。
  2. 前記眼科レーザ手術がレーザ屈折矯正手術であることを特徴とする、請求項1に記載の機器。
  3. 前記深さ測量(d)前記角膜(12)の厚さを表していることを特徴とする、請求項1または2に記載の機器。
  4. 前記角膜上の特定の点が、瞳孔軸(50)が前記角膜の表面を貫通する点(D)、またはこの貫通点に対して相対的に固定された位置にある点であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の機器。
  5. 角膜フラップを有する眼科レーザ手術用機器のプログラム制御式コンピュータのための制御プログラムを創出する方法であって、前記機器が、除去プロフィールを備えた所望の治療プロフィールによって決定される空間的および時間的順序に従って、レーザ照射を眼球上またはその中に導くように設定されており、前記治療プロフィールが、治療を施す眼球の特定の位置に対して位置合わせされる方法であって、
    前記手術の前に、且つ、治療を施す前記眼球(10)の深さ測量(d)であって前眼房の深さを表す深さ測量(d)を、光低コヒーレンス反射率測定法(OLCR)によって少なくとも1回測定することと、
    前記眼科レーザ手術の間、且つ、設計された前記制御プログラムに従って、前記コンピュータがカメラ画像データから瞳孔中心(P)に対する変位測量(a)を確定し、このように確定された前記変位測量と前記測定された深さ測量(d)と前記眼球(10)の回転の半径とに基づいて前記角膜の前側に位置する角膜の特定の点(D)の位置を確定し、前記変位測量(a)が前記瞳孔中心(P)の基準位置に対する前記瞳孔中心(P)の変位の方向と程度を表すように、前記制御プログラムを創出することと、を有し、
    前記コンピュータは、除去中心として前記除去プロフィールの位置を前記瞳孔中心(P)ではなく貫通点(D)に合わせる方法。
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