JP6117811B2 - 糖尿病を処置するための製剤 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年3月9日に提出された米国特許仮出願第61/609,123号および2011年10月31日に提出された米国特許仮出願第61/553,388号の恩典を主張する。上記の参照出願の内容は、参照により本明細書に組み入れられる。
A.発明の分野
本発明は、インスリンの非経口投与製剤に関する。これらの製剤は、安定な単量体型および二量体型インスリンを含み、それによって対象の血流へのインスリンの吸収速度を加速することができる。
B.関連技術の説明
1型糖尿病患者は、インスリンをほとんどから全く産生せず、このため1型糖尿病の主な処置は、外部からインスリンを投与する治療である。さらに、非インスリン処置が限られていることにより、2型糖尿病を有する多くの患者は、最終的にインスリン治療を必要とする。歴史的に、インスリンは、糖尿病を処置するために90年以上用いられている。典型的な投与計画は、インスリンの毎日数回注射を行う段階、すなわち、持効型の基礎インスリンを1日1回または2回、および速効型インスリンを食事時間に投与する段階を伴う。この処置投与計画は有効であることが容認されているが、限界を有する。第一に、患者は一般的に、面倒なことと針の痛みにより、インスリンを自分で投与することを嫌がる。その結果、患者は規定された処置投与計画に適切に従わない傾向がある。より重要なことは、たとえ適切に投与されても、食事時間に注射されるインスリン製品は、ヒトインスリンの天然の生理作用を適切に再現しない。特に、非糖尿病の場合の第一相反応は、インスリンスパイクからなり、血液中のインスリンレベルはグルコースが食事から血液に流入した数分以内に上昇する。その後血中のインスリンレベルは、作用の開始後30から60分のあいだにピークに達するであろう。これに対し、注射されたインスリンは血液中に徐々に入り、観察される最高濃度(Cmax)は、通常型ヒトインスリンの注射後90分またはそれ以上で起こる。
作用の開始およびインスリン血漿中濃度のピークに達するまでの時間と作用の持続とのバランスをとることなどの異なる薬物動態(PK)プロファイルを達成するために、様々なクラスの治療的インスリンおよびインスリンアナログが開発されている。インスリン処置における重要な改善は、Humalog(登録商標)、Novolog(登録商標)、およびApidra(登録商標)を含む速効型インスリンアナログの導入であった。しかし、これらのアナログによっても、ピークインスリンレベルは典型的に注射後約60分で起こる。現在販売されているインスリン製品が第一相インスリン放出を適切に模倣することができないことにより、食事の開始時にインスリンレベルが不足して、食間ではインスリンレベルが過剰となり、これによって食事の開始後初期の高血糖症および食後遅くの低血糖症という生理的効果を有しうる。これらの状況はいずれも、両方の潜時を管理するためには複雑なアルゴリズムが必要であるという点において、クローズドループ人工膵臓技術の将来性に対して有意な難題を表す。
インスリンによって処置する糖尿病患者に関して、外部から加えるインスリンの主な投与経路は皮下であり、PKプロファイルの一次パラメータは、皮下吸収に依存する。多くの変数(たとえば、血流、拡散速度、および会合状態)が皮下注射されたインスリンの吸収に影響を及ぼす。血液の流速が十分である場合、可溶性インスリンの吸収に関する律速因子は、(i)拡散による毛細管への間質輸送、および(ii)毛細管膜を超えての輸送の制限であり、それらはいずれも分子サイズ(すなわち、インスリンの会合状態)によって支配される。
典型的に、インスリン製剤は、水性である。この理由の1つは、ヒトの体の大部分が、水性環境である血漿を含む水で構成されているという点である。それゆえ、薬物が到達することが意図される環境に適合する薬物製剤を投与することは自然の傾向である。単量体型および二量体型インスリンは、六量体型のインスリンと比較してそのサイズが小さいことから血流の中により容易に吸収されるが、インスリンは一般的に、安定化された亜鉛結合六量体型で薬学的組成物中に存在する。水溶液中での単量体型インスリンは不安定であり、アミロイド原線維を形成して、水によって媒介される経路を通して分解する。六量体構造は溶液中(pH 5〜8)での安定性を促進するが、これはまた拡散およびその後の吸収を妨害する。さらに、注射貯留の体積もまた、拡散に影響を及ぼし、体積がより大きければ拡散速度はより遅くなるであろう。作用の開始までの潜時およびピーク血漿中インスリンレベルに主に関与するのは要因のこのような組み合わせである。
皮下での吸収を促進しながら、水溶液中でのインスリンの原線維化および分解を防止するために、受容体結合親和性を保持しながら自己会合傾向を減少させるようにアミノ酸配列を変化させたインスリンアナログが開発されている。これらのクラスのインスリンはしばしば、「単量体」インスリンと呼ばれるが、それらは実際には弱く会合した六量体として存在する。そのような調製物の吸収は、それが、拡散およびそれに続いて六量体が二量体/単量体へと解離するために必要な皮下濃度の減少に依存することからなおも遅れる。単量体状態に都合がよい平衡を有するインスリンアナログ(たとえば、インスリンアナログLispro)は、より急速な吸収およびより短い作用の持続を示している。しかし、これらのアナログ分子は、六量体インスリンと比較して、より不安定で、熱および力学的応力下で非可逆的な凝集を起こす傾向がある。その上、これらの凝集体は、利用可能なインスリンの用量を減少させるのみならず、患者に刺激または免疫反応を誘発しうる。受容体機構の持続的なシグナル伝達およびいくつかのより新規のインスリンアナログによる腫瘍増殖の誘導に関する懸念もまた、実験的および疫学的試験において出現している。その短所にもかかわらず、インスリンアナログは通常型ヒトインスリンの約2倍も費用が高い。
本発明は、インスリン製剤が直面する現行の問題に対する解決策を提供する。本発明は、非プロトン性極性溶媒中で再構成されて可溶化された後に所望のpHを維持する乾燥型インスリンを作製するために、緩衝剤中でインスリンを乾燥させることに存在する。得られた製剤は、可溶化されて安定化された単量体型および二量体型インスリンを含む。特に、製剤は、比較的少量の水(20、15、10、5、4、3、2、1%またはそれ未満)を有しうるか、または非水性でありえて、これにより製剤中に増加量のインスリンが存在することができ、それによって対象に投与されるインスリン含有製剤の容量を減少させることができる。さらに、本発明は、非修飾または天然および修飾型またはアナログ型インスリンの両方を用いることができる。別の言い方をすれば、インスリンアナログを本発明と共に用いることができるが、非修飾/天然インスリンも同様に用いることができ、その単量体型および二量体型のいずれにおいても安定なままでありうる。
本発明の1つの局面において、1から4(または1から3もしくは約2)または6から8(または6.5から7.5もしくは約7)のpH記憶を有するインスリンと非プロトン性極性溶媒とを含む製剤であって、インスリンを非プロトン性極性溶媒中で可溶化することができ、可溶化インスリンが、安定な単量体型または二量体型インスリンまたはその混合物を含むことができ、および製剤の水分含有量が、20、15、10、5、4、3、2、1%w/vもしくはw/wに等しいかまたはそれ未満、またはそれ未満(たとえば、無水)でありうる製剤が開示される。製剤は、非経口投与のために用いることができる。ある局面において、非プロトン性極性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、n-メチルピロリドン(NMP)、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、もしくは炭酸プロピレン、またはその混合物でありうる。ある局面において、非プロトン性極性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)でありうる。いくつかの局面において、製剤は、3 mg/mlから50 mg/ml、3 mg/mlから10 mg/ml、または10 mg/mlから50 mg/mlのインスリンを含む。他の局面において、製剤は、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、90、100 mg/mLまたはそれ以上、または必要に応じて、またはその中の任意の範囲を含むことができる。いくつかの局面において、製剤内のインスリンの大部分は、単量体型または二量体型であるか、または単量体型と二量体型の混合物である。製剤はさらに、単量体型または二量体型インスリンの凝集を減少させることができる成分を含むことができる。そのような成分の非制限的な例には、尿素、塩化グアニジニウム、アミノ酸、糖、ポリオール、ポリマー、酸、または界面活性剤、またはその混合物が挙げられる。ある局面において、酸は、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、またはアジピン酸、またはその混合物でありうる。製剤は、共溶媒を含むことができる。共溶媒の1つの非制限的な例は水である。いくつかの局面において、製剤は、亜鉛を含まない、少量の亜鉛を含む、および/または六量体形成の可能性を減少させるためにキレート剤に結合した亜鉛を含む。ある局面において、インスリンは、非揮発性緩衝剤中で予め乾燥させることができ、緩衝剤は1から4、もしくは1から3、もしくは約2、または6から8、もしくは6.5から7.5、もしくは約7のpH範囲を有しうる。非揮発性緩衝剤の例は、グリシン緩衝剤、クエン酸緩衝剤、またはリン酸緩衝剤、またはその混合物でありうる。いくつかの局面において、緩衝剤はキレート剤を含むことができる。キレート剤の非制限的な例には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール四酢酸(EGTA)、酒石酸、グリセリン、またはクエン酸またはその任意の組み合わせが挙げられる。製剤はまた、非プロトン性極性溶媒の凝固点を約0℃へと低下させることができる成分を含むことができ、そのような成分の非制限的な例には、水、糖、糖アルコール、またはその混合物が挙げられる。いくつかの例において、インスリンは非修飾型または天然ヒトインスリンでありうる。他の局面において、組成物はさらに、アミリンアナログなどのインスリン補助剤を含むことができる。アミリンアナログは製剤中で可溶化することができる。アミリンアナログの非制限的な例は、プラムリンタイドである。プラムリンタイドは、1から5、または2、3もしくは4、または約2のpH記憶を有するように処理することができる。配合剤のいくつかの特定の例において、インスリンのpH記憶は約2であり、プラムリンタイドのpH記憶は約2でありうる。いくつかの局面において、プラムリンタイドの処理は、1から5、または2、3もしくは4、または約2のpH範囲を有する非揮発性緩衝剤中でプラムリンタイドを乾燥させる段階を含むことができる。インスリンとプラムリンタイドとを含む製剤において、水分含有量は5から20%w/vもしくはw/w、または5から15%w/vもしくはw/w、または7から12%w/vもしくはw/w、または8から10%w/vもしくはw/w、または約9%w/vもしくはw/wでありうる。製剤は、液体型でありうる。製剤は溶液型でありうる。ある局面において、製剤を室温で1ヶ月間保存した場合に、製剤内のインスリンの少なくとも50、60、70、80、または90%もしくはそれ以上が、化学的および物理的に安定なままでありうる。いくつかの局面において、製剤を容器内に含むことができる。容器は、シリンジ、ペン注射装置、自動注射装置、ポンプ、または灌流バッグでありうる。ある局面において、非プロトン性極性溶媒は、製剤の連続相でありうる。製剤は、少なくとも75、80、85、90、95、96、97、98、99%w/vまたはw/wの非プロトン性極性溶媒を含むことができる。製剤内のインスリンは、準安定でありうる、
同様に、対象における血中グルコースレベルを減少させるために有効な量の本発明の製剤の任意の1つを、それを必要とする対象に投与する段階を含む、血中グルコースレベルを減少させる方法が開示される。対象は、ヒト(成人または小児)、動物(たとえば、チンパンジー、ウマ、ウシ、ブタ、ウサギ、ラット、マウス等)でありうる。ある局面において、対象における血中グルコースレベルは、投与後10、20、30分、60分、または90分以内に減少する。いくつかの例において、対象における初期1/2Tmax血中インスリンレベルは、投与後10、20、30、40、50、もしくは60分以内、または投与後30分から60分以内に起こる。対象は、I型もしくはII型糖尿病であると既に診断されているか、またはI型もしくはII型糖尿病の発症に対して感受性がありうる。いくつかの場合において、製剤は、対象による食物摂取前の30、20、15、10分以内、5分以内、もしくは1分以内に投与することができ、または対象による食物摂取後1分、5分、10、15、20、もしくは30分以内に投与することができる。
同様に、本発明の製剤を作製する方法が開示される。方法は、インスリンと非揮発性緩衝剤とを含む混合物を乾燥させて、1から4(または2から3もしくは約2)または6から8(または6.5から7.5、もしくは約7)のpH記憶を有しうる乾燥インスリンを得る段階、ならびに次に、非プロトン性極性溶媒中で乾燥インスリンを再構成する段階を含むことができ、インスリンは非プロトン性極性溶媒中で可溶化することができ、可溶化インスリンは安定な単量体または二量体型インスリンまたはその混合物を含むことができ、および製剤の水分含有量は20、15、10、5、4、3、2、1%w/vもしくはw/wに等しいかまたはそれ未満、またはそれ未満(たとえば、無水)でありうる。方法はさらに、アミリンアナログと第二の非揮発性緩衝剤とを含む混合物を乾燥させて、乾燥アミリンアナログを得る段階、および非プロトン性極性溶媒中で可溶化することができる乾燥アミリンアナログを、乾燥インスリンと共に非プロトン性極性溶媒中で再構成する段階を含むことができる。先に言及したように、アミリンアナログは、プラムリンタイドでありえて、1から5、または2、3、もしくは4、または特定の例において約2のpH記憶を有するように処理することができる。配合剤のいくつかの特定の例において、インスリンのpH記憶は約2でありえて、プラムリンタイドのpH記憶は約2でありうる。第二の非揮発性緩衝剤は、1から5、または約2、3、もしくは4、またはより詳しくは約2のpH範囲を有しうる。この方法はさらに、5から20%w/vもしくはw/w、または5から15%w/vもしくはw/w、または7から12% w/vもしくはw/w、または8から10% w/vもしくはw/w、または約9% w/vもしくはw/wの範囲の量の水などの共溶媒を製剤に添加する段階を含むことができる。
本発明の製剤のもう1つの独自の局面は、それを容器の中に含む、保存することができ、および製剤を再構成または希釈する必要なく、必要に応じて非経口投与のために直ちに準備ができている点である。それゆえ、製剤をその中で保存することができる容器はシリンジ、ペン注射装置、自動注射装置、ポンプ、または灌流バッグでありうる。同様に、製剤において用いることが企図されるのは、さらなる成分/薬学的賦形剤であり、それらの非制限的な例には、抗酸化剤(例には、アスコルビン酸、システイン、メチオニン、モノチオグリセロール、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸塩、BHT、BHA、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸プロピル、またはビタミンEが挙げられる)、キレート剤(例には、EDTA、EGTA、酒石酸、グリセリン、またはクエン酸が挙げられる)、または保存剤(例には、アルキルアルコール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、またはプロピルパラベンまたはその混合物が挙げられる)が挙げられる。製剤は、液体型、半固体型、またはゲル型でありうる。以下に考察するように、製剤は、所望の粘度範囲(1つの非制限的な例において、そのような範囲は0.5から15 cpsのあいだでありうる)を有しうる。
本明細書において考察したいかなる態様も、本発明の任意の方法または組成物に関して実行することができ、およびその逆もありうると企図される。さらに、本発明の組成物は、本発明の方法を達成するために用いることができる。
「インスリン」は、ヒト、非ヒト、組み換え型、精製、および/または合成(たとえば、修飾インスリンまたはインスリンアナログ)インスリンを意味する。「ヒトインスリン」は、膵臓によって分泌されるヒトペプチドホルモンであるインスリンを意味し、これは、天然起源から単離する、遺伝子改変生物から作製する、合成化学によって製造する、購入等することができる。「非ヒトインスリン」は、動物(たとえば、ブタ、ウシ等)に由来するインスリンである。
「修飾インスリン」または「インスリンアナログ」は、天然に存在するインスリンとは異なる(たとえば、化学修飾、異なる構造、異なるアミノ酸配列)が対象(たとえば、ヒト)になおも利用可能であり、天然/非修飾インスリンと同じ機能を行うインスリンの変化形である。例として、DNAのコードの遺伝子操作を通して、インスリンのアミノ酸配列を、そのADME(吸着、分布、代謝、および/または***)特徴を変化させるように変更することができる。修飾インスリンまたはインスリンアナログの例には、Lispro(登録商標)、Aspart(登録商標)、Glulisine(登録商標)、Detemir(登録商標)、Degludec(登録商標)等が挙げられる。非修飾または天然インスリンは、本来のまたは天然に存在するアミノ酸配列を含む。
「安定なインスリン」は、製剤内のインスリンが製剤内で非可逆的に凝集しないこと、またはそうでなければ製剤を投与した後にその活性を失わないことを意味する。インスリンは、血液中に吸収されてもその活性を保持する。理論に拘束されたくはないが、本発明の製剤内のインスリンは、可溶化インスリンのコンフォメーションは変化しうるものの、投与されて血液中に吸収されると、インスリンがその本来のコンフォメーションに復帰するという点において「準安定」であると考えられる。さらに、製剤内のインスリンのコンフォメーションの変化により、他のインスリン単量体および二量体または製剤内に存在するアミリンアナログなどの補助剤との凝集の可能性が減少すると考えられる。単量体型インスリンは、その単量体型のインスリンを意味する。二量体型インスリンは、その二量体型のインスリン(たとえば、2つの単量体が共に会合または結合する)を意味する。六量体型インスリンは、その六量体型のインスリン(たとえば、3つの二量体型が共に会合または結合する)を意味する。
「亜鉛を含まない」または「低亜鉛」とは、製剤がインスリン含有量と比較して亜鉛を約0.6%もしくはそれ未満(たとえば、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0%)またはインスリン単量体6個あたり亜鉛イオン3個もしくはそれ未満(たとえば、2個、1個、0個)を含むことを意味する。
「非プロトン性極性溶媒」は、酸性の水素を含まず、水素結合ドナーとして作用しない極性溶媒を意味する。先に述べたように、非制限的な例には、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、酢酸エチル、n-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMA)および炭酸プロピレンが挙げられる。
「非経口投与」は、ヒトなどの動物の皮膚または粘膜の1つまたは複数の層の下へのまたは層を通しての製剤の投与を意味する。標準的な非経口投与は、動物、たとえばヒト対象の皮下または筋肉内領域への投与である。これらの深い位置は、浅い皮膚部位と比較して、インスリン製剤を送達するための注射容積に合わせて組織がより容易に拡大することから標的とされる。投与は、針、ポンプ、注射装置、カテーテル等によって行うことができる。
「薬学的に許容される担体」は、インスリンを動物またはヒトなどの哺乳動物に送達するための薬学的に許容される溶媒、懸濁剤、または媒体を意味する。
「薬学的に許容される」成分、賦形剤、または構成要素は、妥当な利益/リスク比に釣り合って、不当な有害な副作用(毒性、刺激、およびアレルギー反応などの)を引き起こすことなくヒトおよび/または動物と共に用いるために適している成分、賦形剤、または構成要素である。
「生物適合性」とは、妥当な利益/リスク比に釣り合って、不当な有害な副作用(毒性、刺激、およびアレルギー反応などの)を引き起こすことなく、ヒトまたは動物と共に用いるために適していることを意味する。
「生物学的利用率」は、対象によって製剤から吸収されるインスリンの程度を意味する。
「全身性」とは、インスリンの対象への送達または投与に関して、治療物質が、対象の血漿中で生物学的に有意なレベルで検出可能であることを意味する。
「患者」、「対象」、または「個体」は、哺乳動物(たとえば、ヒト、霊長類、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、またはモルモット)を意味する。
「阻害する」または「減少する」、またはこれらの用語の任意の変化形は、特許請求の範囲および/または明細書において用いる場合、所望の結果を達成するための任意の測定可能な減少または完全な阻害を含む。
「有効な」、または「処置する」、または「予防する」、またはこれらの用語の任意の変化形は、特許請求の範囲および/または明細書において用いる場合、所望の、予想される、または意図される結果を達成するために適切であることを意味する。
「約」または「およそ」という用語は、当業者によって理解される意味に近い意味であると定義され、1つの非制限的な態様において、用語は、10%以内、好ましくは5%以内、より好ましくは1%以内、および最も好ましくは0.5%以内であると定義される。さらに、「実質的に非水性」とは、水の重量または体積が5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満またはそれよりも少ないことを意味する。
特許請求の範囲および/または明細書において「含む」と言う用語と共に用いる場合の不定冠詞("a" or "an")の使用は、「1つ」を意味しうるが、「1つまたは複数」、「少なくとも1つ」、および「1つまたは1つより多く」という意味とも一貫する。
「含む(comprising)」(ならびに「含む(comprise)」および「含む(comprises)」などの含むの任意の形)、「有する(having)」(ならびに「有する(have)」および「有する(has)」などの有するの任意の形)、「含む(including)」(ならびに「含む(includes)」および「含む(include)」などの含むの任意の形)、または「含有する(containing)」(ならびに「含有する(contains)」および「含有する(contain)」などの含有するの任意の形)という用語は、包括的であるかまたは範囲を定めず、追加の引用されていない要素または方法の段階を除外しない。
組成物およびそれらを用いる方法は、本明細書を通して開示される成分または段階のいずれかを「含む」、「本質的にからなる」、または「からなる」ことができる。1つの非制限的な局面において、「本質的にからなる」という移行句に関して、本明細書において開示される製剤および方法の基本的および新規特徴は、製剤内の単量体型および/または二量体型インスリンの安定性および溶解度を含む。それゆえ、製剤内の単量体型および/または二量体型インスリンの安定性または溶解度に影響を及ぼすことができる成分は、特許請求の範囲が移行句「本質的にからなる」を用いる例では、製剤から除外されるであろう。
[本発明1001]
(a)1から4または6から8のpH記憶を含むインスリン;および
(b)非プロトン性極性溶媒
を含む、非経口投与のための製剤であって、
インスリンが非プロトン性極性溶媒中で可溶化され、可溶化されたインスリンが安定な単量体型または二量体型インスリンまたはその混合物を含み、かつ製剤の水分含有量が15%w/vに等しいかまたはそれ未満である、製剤。
[本発明1002]
インスリンのpH記憶が1から4もしくは1から3、または約2である、本発明1001の製剤。
[本発明1003]
インスリンのpH記憶が6から8、または約7である、本発明1001の製剤。
[本発明1004]
非プロトン性極性溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、n-メチルピロリドン(NMP)、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、もしくは炭酸プロピレン、またはその混合物である、本発明1001〜1003のいずれかの製剤。
[本発明1005]
非プロトン性極性溶媒がジメチルスルホキシド(DMSO)である、本発明1004の製剤。
[本発明1006]
3 mg/mlから50 mg/ml、3 mg/mlから10 mg/ml、または10 mg/mlから50 mg/mlのインスリンを含む、本発明1001〜1005のいずれかの製剤。
[本発明1007]
可溶化インスリンの大部分が単量体型である、本発明1001〜1006のいずれかの製剤。
[本発明1008]
可溶化インスリンの大部分が二量体型である、本発明1001〜1006のいずれかの製剤。
[本発明1009]
単量体型または二量体型インスリンの凝集を減少させることができる成分をさらに含む、本発明1001〜1008のいずれかの製剤。
[本発明1010]
単量体型または二量体型インスリンの凝集を減少させることができる成分が、尿素、塩化グアニジニウム、アミノ酸、糖、ポリオール、ポリマー、酸、もしくは界面活性剤、またはその混合物である、本発明1009の製剤。
[本発明1011]
酸が、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、もしくはアジピン酸、またはその混合物である、本発明1010の製剤。
[本発明1012]
共溶媒をさらに含む、本発明1001〜1010のいずれかの製剤。
[本発明1013]
共溶媒が水である、本発明1012の製剤。
[本発明1014]
製剤が亜鉛を含まないか、または、製剤中に存在する亜鉛がキレート剤に結合している、本発明1001〜1013のいずれかの製剤。
[本発明1015]
インスリンが、1から4または6から8のpH範囲を有する非揮発性緩衝剤中で予め乾燥されている、本発明1001〜1014のいずれかの製剤。
[本発明1016]
非揮発性緩衝剤が、グリシン緩衝剤、クエン酸緩衝剤、もしくはリン酸緩衝剤、またはその混合物である、本発明1015の製剤。
[本発明1017]
緩衝剤がキレート剤を含む、本発明1015〜1016のいずれかの製剤。
[本発明1018]
キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール四酢酸(EGTA)、酒石酸、グリセリン、またはクエン酸である、本発明1014または本発明1017の製剤。
[本発明1019]
非プロトン性極性溶媒の凝固点を約0℃に低下させることができる成分をさらに含む、本発明1001〜1018のいずれかの製剤。
[本発明1020]
非プロトン性極性溶媒の凝固点を約0℃に低下させることができる成分が、水、糖、糖アルコール、またはその混合物である、本発明1019の製剤。
[本発明1021]
インスリンが非修飾ヒトインスリンである、本発明1001〜1020のいずれかの製剤。
[本発明1022]
製剤中に可溶化されているアミリンアナログをさらに含む、本発明1001〜1021のいずれかの製剤。
[本発明1023]
アミリンアナログがプラムリンタイドである、本発明1022の製剤。
[本発明1024]
プラムリンタイドが約2のpH記憶を有するか、または、プラムリンタイドが約2のpH記憶を有し、かつインスリンが約2のpH記憶を有する、本発明1023の製剤。
[本発明1025]
プラムリンタイドが、pH約2を有する非揮発性緩衝剤中で予め乾燥されている、本発明1024の製剤。
[本発明1026]
製剤の水分含有量が、5から15%w/v、7から12%w/v、もしくは8から10%w/v、または約9%w/vである、本発明1022〜1025のいずれかの製剤。
[本発明1027]
液体型である、本発明1001〜1030のいずれかの製剤。
[本発明1028]
溶液である、本発明1027の製剤。
[本発明1029]
製剤を室温で1ヶ月間保存した場合に、製剤内のインスリンの少なくとも90%が化学的および物理的に安定なままである、本発明1001〜1028のいずれかの製剤。
[本発明1030]
容器内に含まれる、本発明1001〜1029のいずれかの製剤。
[本発明1031]
容器が、シリンジ、ペン注射装置、自動注射装置、ポンプ、または灌流バッグである、本発明1030の製剤。
[本発明1032]
非プロトン性極性溶媒が製剤の連続相である、本発明1001〜1031のいずれかの製剤。
[本発明1033]
少なくとも75、80、85、90、または95%w/vの非プロトン性極性溶媒を含む、本発明1001〜1032のいずれかの製剤。
[本発明1034]
可溶化されたインスリンが準安定である、本発明1001〜1033のいずれかの製剤。
[本発明1035]
対象における血中グルコースレベルを減少させるために有効な量の本発明1001〜1034の製剤のいずれか1つを、それを必要とする対象に投与する段階を含む、血中グルコースレベルを減少させる方法。
[本発明1036]
対象における血中グルコースレベルが、投与後30分以内、60分以内、または90分以内に減少する、本発明1035の方法。
[本発明1037]
対象における初期1/2Tmax血中インスリンレベルが、投与後30分以内から60分以内に得られる、本発明1035〜1036のいずれかの方法。
[本発明1038]
対象がI型またはII型糖尿病を有すると診断されている、本発明1035〜1037のいずれかの方法。
[本発明1039]
製剤が、対象による食物摂取前の10分以内、5分以内、もしくは1分以内に投与されるか、または対象による食物摂取後1分以内、5分以内、もしくは10分以内に投与される、本発明1035〜1038のいずれかの方法。
[本発明1040]
(a)1から4または6から8のpH記憶を有する乾燥インスリンを得るために、インスリンおよび非揮発性緩衝剤を含む混合物を乾燥させる段階;ならびに
(b)非プロトン性極性溶媒中で乾燥インスリンを再構成する段階
を含む、本発明1001〜1034のいずれかの製剤を作製する方法であって、
インスリンが非プロトン性極性溶媒中で可溶化され、可溶化されたインスリンが安定な単量体型もしくは二量体型インスリンまたはその混合物を含み、かつ製剤の水分含有量が15%w/vに等しいかまたはそれ未満である、方法。
[本発明1041]
インスリンのpH記憶が1から4もしくは1から3、または約2である、本発明1040の方法。
[本発明1042]
インスリンのpH記憶が6から8、または約7である、本発明1040の方法。
[本発明1043]
非プロトン性極性溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、n-メチルピロリドン(NMP)、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、もしくは炭酸プロピレン、またはその混合物である、本発明1040〜1041のいずれかの方法。
[本発明1044]
非プロトン性極性溶媒がジメチルスルホキシド(DMSO)である、本発明1043の方法。
[本発明1045]
製剤が、3 mg/mlから50 mg/ml、3 mg/mlから10 mg/ml、もしくは10 mg/mlから50 mg/mlのインスリン、または50 mg/mlから100 mg/mlのインスリンを含む、本発明1040〜1044のいずれかの方法。
[本発明1046]
可溶化インスリンの大部分が単量体型または二量体型である、本発明1040〜1045のいずれかの方法。
[本発明1047]
さらに以下の段階を含む、本発明1040〜1046のいずれかの方法:
(c)乾燥アミリンアナログを得るために、アミリンアナログと、段階(a)における同じ非揮発性緩衝剤または第二の非揮発性緩衝剤とを含む混合物を乾燥させる段階;ならびに
(b)乾燥アミリンアナログを、乾燥インスリンと共に非プロトン性極性溶媒中で再構成する段階であって、乾燥アミリンアナログは非プロトン性極性溶媒中で可溶化される、段階。
[本発明1048]
アミリンアナログがプラムリンタイドであり、かつプラムリンタイドが約2のpH記憶を有するか、または、プラムリンタイドが約2のpH記憶を有し、かつインスリンが約2のpH記憶を有する、本発明1047の方法。
[本発明1049]
非揮発性緩衝剤が約2のpH範囲を有する、本発明1047〜1048のいずれかの方法。
[本発明1050]
共溶媒として製剤の5から15%w/vの水を添加する段階をさらに含む、本発明1046〜1049のいずれかの方法。
本発明の他の目的、特色、および利点は、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。しかし、詳細な説明および実施例は、本発明の具体的態様を示しているが、例証のために限って提供されると理解すべきである。さらに、変化および修飾は、本発明の詳細な説明から当業者に明らかとなるであろうが、それらも本発明の精神および範囲に含まれると企図される。
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明のある局面をさらに証明するために含められる。本発明は、以下に示される具体的態様の詳細な説明と共にこれらの図面の1つまたは複数を参照することによってよりよく理解されるであろう。
DMSO/インスリンおよび水/インスリン製剤のFTIRスペクトル。 DMSO/インスリンおよび水/インスリン製剤の見かけの分子量。 DMSO中で50 mg/mLのIns-Eの流体力学半径分布。水平軸は、流体力学半径の値の対数間隔の線(隣接する点は約1.3倍異なる)である。分析は、半径約0.01 nmから約20μmの範囲を含む。光検出器のアフターパルスによって生じるアーチファクトである0.01〜0.1 nmでのピークは、抑制されている。 DMSO中で30 mg/mLのIns-Eの流体力学半径分布(グラフの説明に関しては上記の図3を参照されたい)。 DMSO中で10 mg/mLのIns-Eの流体力学半径分布(グラフの説明に関しては上記の図3を参照されたい)。 DMSO中で3 mg/mLのIns-Eの流体力学半径分布(グラフの説明に関しては上記の図3を参照されたい)。 緩衝剤E中で10 mg/mLのIns-H2Oの流体力学半径分布(グラフの説明に関しては上記の図3を参照されたい)。 緩衝剤F中で10 mg/mLのIns-H2Oの流体力学半径分布(グラフの説明に関しては上記の図3を参照されたい)。
例示的な態様の説明
先に考察したように、非経口投与のためのその単量体型または二量体型のインスリンの処方に関連する問題はよく報告されている。そのような問題に対する現在の解決策も同様によく報告されており、製剤分野における標準的な実践として容認されている。例として、インスリンアナログ/修飾インスリンは、アナログの六量体形成を回避することをねらいとしてそれ自身とのその結合親和性を減少させるように調製されている。これらのアナログは典型的に、水性環境中で投与されるが、水性環境ではその安定性は減少し、一度凝集が起こると非可逆的凝集を形成する傾向がある。さらに、そのようなアナログは費用が高く、患者において刺激または免疫反応を誘導しうる。
これに対し、本発明者らは、上記の問題に対する解決策を見いだしている。解決策は、特定のpH記憶を有するインスリンを調製する段階、および非プロトン性極性溶媒中で該インスリンを再構成および可溶化する段階に存在する。得られた製剤は、少量の水を有するか、水を有しないことが可能で、可溶化されて安定化された単量体型および二量体型インスリンを含む。さらに、非プロトン性極性溶媒中でのインスリンの溶解度の増加によって、単量体型および二量体型インスリンの高用量を有する容量の小さい製剤が得られる。特に、製剤は修飾および非修飾インスリンのいずれのためにも用いることができる。非修飾インスリンの場合、刺激、免疫原性応答、および費用などの、修飾/アナログインスリン分子の使用に関連する問題を回避することができる。
本発明のこれらおよび他の非制限的な局面を以下に考察する。
A.インスリン
インスリンは、食物から得られる血糖を体が用いるまたは保存するために役立つ。1型糖尿病の人では、膵臓はもはやインスリンを産生しない。一方、2型糖尿病の人ではインスリンを産生するが、インスリンに対する患者の体の応答は、効率的でないかまたは適切ではなく、これはしばしばインスリン抵抗性と呼ばれる。
インスリンそのものは、周知で十分に特徴付けされているペプチドホルモンである。ヒトインスリンの単量体型は、アミノ酸51個からなり、これはさらに、ジスルフィド結合によって結合されるA鎖とB鎖と呼ばれる2つのペプチド鎖を特徴とする。ほとんどの種において、A鎖は、アミノ酸21個からなり、B鎖はアミノ酸30個からなる。インスリンのアミノ酸配列は種によって異なるが、分子のあるセグメントは高度に保存されている。インスリンのアミノ酸配列におけるこれらの類似性によって、種のあいだで非常に類似のインスリンの三次元コンフォメーションが得られ、1つの動物からのインスリンは、他の種において生物活性でありうる。たとえば、ブタインスリンはヒト患者を処置するために広く用いられている。単量体型インスリンは、共に会合して二量体を形成することができる。二量体は、共に会合して六量体を形成することができ、これは典型的に亜鉛の存在下で起こる。
単量体型および二量体型インスリンはいずれも、容易に血液中へと拡散する。これに対し、六量体は、そのサイズが有意により大きいことにより大部分があまり拡散しない。先に言及したように、この理由により、修飾インスリンまたはインスリンアナログ(たとえば、Lispro(登録商標)、Aspart(登録商標)、Glulisine(登録商標)、Detemir(登録商標)、Degludec(登録商標)等)が産生され、市販されており、本発明の文脈において用いることができる、さらに、通常型の非修飾インスリンもまた、容易に購入することができ(たとえば、Humulin(登録商標)R、Humulin(登録商標)N、Humulin(登録商標)70/30、Novolin(登録商標)等)、同様に本発明の文脈において用いることができる。ある局面において、アレルギーもしくは免疫原性の費用を減少させるために、または製剤の費用を減少させるために、通常型/非修飾型のインスリンを、修飾型の代わりに用いることができる。インスリンは現在、製薬企業および契約医薬品製造業者を含む多数の製造元によって製造されている。製薬企業には、Eli Lilly and Co.、 Novo Nordisk、およびSanofiが挙げられる。契約製造業者には、Sigma-Aldrich、Lonza、およびBioconが挙げられる。本明細書の例において用いられるインスリンは、Sigma-Aldrich(Saint Louis, MO)から購入した組み換え型非修飾ヒトインスリンであった。
B.pH記憶
本発明者らはまた、製剤内の可溶化インスリンをさらに安定化させるために用いることができる処理段階を発見した。この段階は、水溶液中でインスリンを非揮発性緩衝剤と混合する段階、およびその後混合物を乾燥させて、乾燥インスリンを得る段階を含む。乾燥の前に、水溶液は、水性環境でのインスリンの安定性にとって最適なpH範囲である1から4または6から8のpH範囲を有する。このように、混合物を乾燥させると、乾燥インスリンを非プロトン性極性溶媒中で可溶化した後もpH記憶が残るように、1から4または6から8の「pH記憶」を有する乾燥インスリンが産生される。プラムリンタイドをさらに含めるいくつかの特定の例において、インスリンのpH記憶は約2でありえて、プラムリンタイドのpH記憶は約2でありうる。
詳しく述べると、インスリンの「pH記憶」は、緩衝水溶液(たとえば、非揮発性緩衝剤)からインスリンを乾燥させた後に得られる電荷プロファイル(プロトン添加状態)である。プロトン添加状態、およびこのように非プロトン性極性溶媒中でのインスリンの溶解度および安定性は、インスリン水性混合物または溶液の乾燥前のpHによって影響を受ける。インスリンを、酸性および塩基性構成要素がいずれも非揮発性である緩衝剤種中で乾燥させると、乾燥インスリンのpH記憶はインスリン水性混合物または溶液のpHにほぼ等しくなるであろう。たとえば、Enzymatic Reactions in Organic Media, Koskinen, A.M. P., and Klibanov, A.M., eds., Springer (1996)を参照されたい。さらに、その中でインスリンを乾燥させる緩衝水溶液(たとえば、非揮発性緩衝剤)のpHは、乾燥インスリンをその後非プロトン性極性溶媒中で再構成する場合に、最適な安定性、最大の溶解度、および最少の分解が得られるインスリンのpH記憶を生じるように最適にすることができる。それゆえ、乾燥インスリンをそのような溶媒中で再構成すると、再構成された製剤中のインスリンは、最適なpH記憶の溶解度および安定性特徴を維持するであろう。
インスリンのpH記憶はいくつかの方法で測定することができる。1つの方法において、pH記憶は、乾燥インスリンを非緩衝水の中で再構成して、再構成したインスリン混合物または溶液のpHをpH試験紙、または校正したpH電極などのpH指示器によって測定する段階によって測定される。または、pH記憶は、インスリン/非プロトン性極性溶媒製剤に少なくとも20%の水を添加する段階、および製剤のpHをpH指示器によって測定する段階によって決定することができる。たとえば、Baughman and Kreevoy, "Determination of Acidity in 80% Dimethyl Sulfoxide-20% Water," Journal a/Physical Chemistry, 78(4):421-23 (1974)を参照されたい。非プロトン性極性溶媒-水溶液中でのpHの測定は、小さい補正(すなわち、前記のBaughman and Kreevoyにより、0.2 pH単位を超えない)を必要とする場合もある。
上記を考慮して、本明細書において記述される製剤において有用である非揮発性緩衝剤は、最大の安定性/最少の分解が得られるpHを確立する上で役立つ緩衝剤であると共にインスリンから残留湿度または水分含有量を除去するために役立つ緩衝剤である。非揮発性緩衝剤は、乾燥/凍結乾燥時に水と類似のように蒸発しない緩衝剤を含む。適した非揮発性緩衝剤は、たとえば、グリシン緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、およびその他を含む。特定の例において、非揮発性緩衝剤は、グリシン緩衝剤またはクエン酸緩衝剤である。
非揮発性緩衝剤と共にインスリンを乾燥させる段階は、噴霧乾燥技術、フリーズドライ技術、凍結乾燥技術、真空遠心分離技術等を用いて行うことができる。噴霧乾燥技術は、当業者に周知である。噴霧乾燥は、ノズルスピンディスクまたは他の装置を介して1つまたは複数の固体(たとえば、治療物質)を含む溶液を噴霧化する段階の後に、液滴から溶媒を蒸発させる段階を含む。その結果得られる粉末の性質は、初回溶質濃度、産生された液滴のサイズ分布、および溶質除去速度を含むいくつかの変数の関数である。産生された粒子は、溶媒除去の速度および条件に応じて、結晶および/または非晶質固体からなる一次粒子の凝集体を含みうる。薬物の超微細粉末を調製するための噴霧乾燥プロセスは、たとえば、米国特許第6,051 ,256号に記述される。フリーズドライ技法は当技術分野において周知であり、たとえば米国特許第4,608,764号および米国特許第4,848,094号に記述される。噴霧フリーズドライプロセスは、たとえば、米国特許第5,208,998号に記述される。他の噴霧乾燥技術は、米国特許第6,253,463号;第6,001,336号;第5,260,306号;およびPCT公開番号W091/16882およびWO 96/09814に記述される。
凍結乾燥技術は当業者に周知である。凍結乾燥は、産物が凍結状態で真空下(真空下での氷の昇華)に存在して、軽く加熱することによって乾燥させる場合に起こる脱水技術である。これらの条件は産物を安定化させて、酸化および他の分解プロセスを最小限にする。フリーズドライ条件では、低温でプロセスを行うことができ、それゆえ、熱不安定な産物を保存することができる。フリーズドライの段階は、前処置、凍結、一次乾燥、および二次乾燥を含む。前処置は、凍結前に産物を処置する任意の方法を含む。これは、産物の濃縮、製剤の修正(すなわち、安定性を増加させるためおよび/または処理を改善するための構成要素の添加)、高蒸気圧溶媒を減少させる、または表面積を増加させる段階を含みうる。前処置の方法は、凍結濃縮、溶液相濃縮、および特に産物の外観を保存するためまたは反応物質の凍結保護を提供するための処方を含み、たとえば米国特許第6,199,297号に記述される。「標準的な」凍結乾燥条件は、たとえば米国特許第5,031,336号および"Freeze Drying of Pharmaceuticals" (DeLuca, Patrick P., J. Vac. Sci. Technol., Vol. 14, No. 1, January/February 1977);and "The Lyophilization of Pharmaceuticals: A Literature Review" (Williams, N. A., and G. P. Polli, Journal of Parenteral Science and Technology, Vol. 38, No. 2, March/April 1984)に記述される。
ある局面において、凍結乾燥サイクルは、質量の崩壊を誘発して残留水分を含む密度の高いケークを形成するために、インスリンのガラス転移温度(Tg)より上で部分的に行うことができる。他の態様において、凍結乾燥サイクルは、インスリン粒子の完全な乾燥を達成するために崩壊を回避するために、インスリンのガラス転移温度より下で行われる。
C.非プロトン性極性溶媒
その選択されたpH記憶を有する乾燥インスリンを得た後、乾燥インスリンを非プロトン性極性溶媒中で再構成して可溶化することができる。非プロトン性極性溶媒は、酸性水素を欠如する溶媒を含む。この特色は、乾燥インスリンのpH記憶を維持する上で役立つ。非プロトン性極性溶媒の非制限的な例には、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、酢酸エチル、n-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMA)、炭酸プロピレン、およびその混合物が挙げられる。これらの溶媒の各々は周知であり、広く多様な起源から購入することができる。
実施例に示されるように、可溶化インスリンによって、安定な単量体型および二量体型インスリンが得られ、これによって超速効型または速効型インスリン製品を得ることができる。さらに、および先に述べたように、および理論に拘束されたくはないが、可溶化インスリンは、非プロトン性極性溶媒中で「準安定」であると考えられる。この準安定性は、インスリンのpH記憶と非プロトン性極性溶媒中でのインスリンの溶解度の組み合わせに由来すると思われる。
D.インスリンの凝集を減少させるための成分
単量体型および/または二量体型インスリンの凝集の可能性をさらに減少させる追加の成分を製剤に添加することができる。これらの成分は、投与前(たとえば、保存時)または投与後(たとえば、投与後で対象の血流中に吸収される前)に製剤内でのそのような凝集を減少させるために用いることができる。用いることができるそのような成分は、尿素、塩化グアニジニウム、アミノ酸、糖、ポリオール、ポリマー、酸、界面活性剤、またはその混合物を含む。そのような成分は多様な販売元から販売されている。
E.製剤の水分含有量
本発明の製剤は、非プロトン性極性溶媒の比較的大量を用いるために、低い湿度または水分含有量を有しうる。このことは、単量体および二量体の凝集の可能性を減少させることによって、製剤内に存在する単量体型および二量体型インスリンのさらなる安定性を提供することができる。例として、本発明の製剤は、製剤の重量または体積の20%、19%、18%、17%、16%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.25%、0.1%、0.05%、0.025%、0.01%から0%である湿度または水分含有量を有しうる。しかし、いくつかの例において、本発明の製剤がインスリンおよびプラムリンタイドを含む場合のように、水もまた共溶媒として用いることができる。
F.インスリン/プラムリンタイド配合剤
グルコース摂取に反応して、通常、インスリンと同時分泌されるβ細胞ホルモンであるアミリンもまた、1型糖尿病患者では完全に欠如している。アミリンは、食後のグルコース調節においてインスリンの作用を補完するいくつかの糖調節作用を示す。ヒト天然アミリンは、溶解度の不良、自己凝集、ならびにアミロイド原線維およびアミロイド斑の形成を含む、いくつかの物理化学特性のために臨床または薬学的に用いるには不適である。
プラムリンタイドは、Ala-25、Ser-28、およびSer-29をプロリンに選択的に置換することによって開発されたヒトアミリンのアナログである。これは、重要な代謝作用を保持しながらヒトアミリンの最適以下の物理化学特性を示す。プラムリンタイドは、いくつかの販売元から広く入手可能である(たとえば、Amylin PharmaceuticalsのSymlin(登録商標))。
プラムリンタイドは、典型的に、インスリン注射に加えて個別に皮下注射することにより投与される。この実践はいくつかの患者亜集団によって容認されているが、追加の注射が必要であることから、既にインスリンを1日に何回も注射している患者では有意な負担となる。同様に、患者によっては、注射前に同じシリンジにプラムリンタイドとインスリンを不注意でまたは故意に混合する可能性があり、それによって有害なまたは望ましくない事象が起こりうる。
プラムリンタイドとインスリンを個別に投与する理由の1つは、これらの薬物のその緩衝系が異なり、混合製剤の適合性が難しくなる点である。例として、いくつかのインスリンおよびインスリンアナログは5〜6の範囲の等電点を有し、このためpHおよそ7で処方される。プラムリンタイドは、10.5より高い等電点を有し、低いpHで最適に安定であり、典型的にpHおよそ4で処方される。異なるpHおよび異なる緩衝能でのプラムリンタイドとインスリン製剤の相互作用によってしばしば、溶解インスリン成分の沈殿または結晶インスリン成分の可溶化が起こる。プラムリンタイドならびに速効型および持効型インスリン製剤のインビトロ試験により、様々な量のインスリンを固定量のプラムリンタイドと混合した場合のインスリン溶解度が実質的に多様であることが見いだされた。
これらの配合剤問題は、本発明によって解決される。例として、プラムリンタイドを1から5、または2、3、もしくは4またはそれより上、より詳しくはおよそ2のpH記憶を有するように緩衝系において乾燥させることができる。インスリンは、およそ1から4、1から3、もしくはおよそ2、または6から8、もしくはおよそ7のpH記憶を有するように、同じまたは異なる緩衝系において乾燥させることができる。次に、乾燥プラムリンタイドおよびインスリンを、同じ非プロトン性極性溶媒内で再構成および可溶化して、同じ製剤内でその各々の溶解度および安定性特色を維持することができる。そのため、対象にプラムリンタイドとインスリンの両方を投与するために、1つの製剤のみを投与するだけでよい。食後の血中グルコースレベルの上昇に対する自然の生理的反応をより密接に模倣するそのような配合剤は、治療に対する対象の抵抗性を低下させるであろう。配合剤のいくつかの特定の例において、インスリンのpH記憶は約2でありえて、プラムリンタイドのpH記憶は約2でありうる。
プラムリンタイドに加えて、他のアミリンアゴニストを本発明の文脈において用いることができる。そのようなアゴニストは組み換え型でありうるか、または天然起源から精製することができる。アミリンアゴニストはヒトまたは非ヒトでありうる。アミリンアゴニストはまた、ヒトアミリンのアミノ酸配列に基づくが1つまたは複数のアミノ酸の差を有しうるアミリンアナログ、または化学修飾アミリンもしくはアミリンアナログであってもよい。アミリンアゴニストの用量は、その生物学的利用率および処置される患者に依存する。「ヒトアミリン」は、それが天然起源から単離されたか、合成ペプチド化学を通して調製されたか、または遺伝子改変微生物によって作製されたかによらず、膵臓によって分泌されるヒトペプチドホルモンを含み、「アミリンアナログ」は、膵臓によって分泌されたアミリンとは異なるが、なおも天然のアミリンと同じ作用を行うために体に利用可能である、変化したアミリンである。
G.用量
インスリン、プラムリンタイド、または両者の組み合わせの任意の適した用量を、本発明の製剤を用いて投与することができる。投与される用量は、当然、特定の薬物、塩、またはその組み合わせの薬力学特徴;対象の年齢、健康、または体重;症状の性質および程度;治療物質および患者の代謝特徴、併用処置の種類;処置の頻度;または所望の効果などの公知の要因に応じて変化するであろう。一般的に、インスリンは、製剤中に約0.5 mg/mLから約100 mg/mLの範囲の量で存在しうる。いくつかの態様において、インスリンは、製剤中に約3 mg/mLから約100 mg/mL、3 mg/mLから約10 mg/mL、10 mg/mLから約50 mg/mL、または約50 mg/mLから約100 mg/mLの範囲の量で存在する。ある局面において、製剤中のインスリンの量は、約3 mg/mLから約10 mg/mLの範囲であり、この場合インスリンの有意な部分が単量体型で存在しうる(実施例のデータを参照されたい)。他の例において、製剤中のインスリンの量は、約10 mg/mLから約50 mg/mLの範囲であり、この場合インスリンの大部分が二量体型で存在しうる(実施例のデータを参照されたい)。いくつかの態様において、プラムリンタイドは、製剤中に0.1から10 mg/mLの範囲の量、または0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、または9 mg/mL、または必要に応じた量で存在する。この場合も、薬物の用量は、用いられる薬物、および処置される疾患、障害、または状態に応じて変化しうること、ならびに製剤中の薬物の濃度は、薬物の溶解度、用量、および投与方法に応じて変化することは当業者に容易に明らかとなるであろう。
H.追加の成分/薬学的賦形剤
本発明の製剤は、望ましい触感特性、粘度範囲を有するように処方をさらに発展させるために、またはインスリンもしくはプラムリンタイドをさらに保護するために、追加の成分/薬学的賦形剤を含むことができる。例として、製剤は、抗酸化剤(その非制限的な例には、アスコルビン酸、システイン、メチオニン、モノチオグリセロール、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸塩、BHT、BHA、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸プロピル、またはビタミンEまたはその任意の組み合わせが挙げられる);キレート剤(その非制限的な例には、EDTA、EGTA、酒石酸およびその塩、グリセリン、およびクエン酸およびその塩が挙げられる);および/または保存剤(その非制限的な例には、アルキルアルコール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、およびその混合物が挙げられる)のいずれか1つ、その任意の組み合わせ、または全てをさらに含むことができる。さらに、本発明の製剤はまた、非水性プロトン性溶媒(その非制限的な例には、ポリエチレングリコール(PEG)、プロピレングリコール(PG)、ポリビニルピロリドン(PVP)、メトキシプロピレングリコール(MPEG)、グリセロール、グリコフロール、およびその混合物が挙げられる)を含むことができる。
I.キット/容器
キットもまた、本発明のある局面において用いられると企図される。例として、本発明の製剤をキットの中に含めることができる。キットは容器を含むことができる。例として、1つの局面において、製剤を再構成または希釈する必要なく、対象に非経口投与する準備ができた容器内に、製剤を含むことができる。すなわち、投与される製剤は、容器内で保存されて、必要に応じて直ちに用いることができる。保存容器はシリンジ、ペン注射装置、自動注射装置、またはポンプでありうる。適したペン/自動注射装置は、Becton- Dickenson、Swedish Healthcare Limited(SHL Group)、YpsoMed Agおよびその他が製造するペン/自動注射装置を含むがこれらに限定されるわけではない。適したポンプは、Tandem Diabetes Care, Inc.、Delsys Pharmaceuticals、およびその他が製造するポンプ装置を含むがこれらに限定されるわけではない。
または、本発明のキットは、多数の容器または容器内に多数の区画を含むことができる。各容器または多数の区画は、例として、生物適合性の非水性溶媒および低分子薬を個別に保存するために用いることができる。そして必要に応じて、溶媒および薬物を共に混合して、必要に応じて直ちに投与するか、またはしばらくのあいだ保存することができる。
J.製剤の作成方法
本発明の製剤は、以下の段階を用いることによって作製することができる。これらの段階を用いて、本明細書の実施例における製剤を作製した。
1.インスリン粉末(たとえば、組み換え型ヒトインスリン、Sigma-Aldrich, Saint Louis, MO)を所望の水性緩衝剤(特異的緩衝剤種、濃度、およびpHを含む;たとえばクエン酸、pH 2.0)中でインスリン濃度10 mg/mLで溶解することによって、水性インスリンを調製する。
2.プラムリンタイド(たとえば、本明細書の実施例において用いられたAmbioPharm, Inc., Beech Island, SC and C S Bio, Inc., Menlo Park, CA)は、プラムリンタイドを2 mg/mLの濃度で水性緩衝剤中に溶解することができることを除き、同様に調製することができる。
3a.インスリンまたはプラムリンタイド溶液をきれいなHPLCまたは凍結乾燥バイアルに入れて、以下のまたは表1における類似の凍結乾燥サイクルに従って凍結乾燥する。
(表1)
Figure 0006117811
3b.または、インスリンまたはプラムリンタイド水溶液を微量遠心管に入れて、真空および軽い加熱(25〜30℃)下で遠心沈降させることによって乾燥する。
4.選択されたpH記憶で乾燥したインスリンまたはプラムリンタイド粉末を、軽くピペッティングすることによって、所望の濃度または特定の緩衝系およびpHによって許容される濃度になるようにDMSOに溶解する。
5.得られた溶液を透明度に関して肉眼で評価して、および/または可視光分光法を用いて630 nMでの光散乱に関して分析して、様々なその後の応用に用いる。
本発明を、具体的実施例によってより詳細に説明する。以下の実施例は、説明目的のために提供され、本発明をいかなるようにも制限すると意図されない。当業者は、変更または修飾しても本質的に同じ結果を生じることができる多様な重要でないパラメータを容易に認識するであろう。
実施例1
本実施例は、インスリンがおよそ2のpH記憶を有するインスリン/DMSO製剤を調製する方法についての情報を提供する。比較のためのインスリン/H2O製剤も同様に提供して、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)および動的光散乱(DLS)分析(以下の実施例2および3においてそれぞれ考察される)のために用いる。本明細書の実施例において用いたインスリンは、Sigma-Aldrich(Saint Louis, MO)から購入した組み換え型非修飾ヒトインスリンであったことに注意されたい。
インスリン/緩衝剤A/DMSO:組み換え型ヒトインスリン(Sigma-Aldrich, Saint Louis, MO)を緩衝剤A(すなわち、10 mMクエン酸+1 mM EDTA、pH 2.0)中で10 mg/mLの濃度で溶解して、HPLCバイアルに0.25 mLアリコートを入れて、「製剤を作製する方法」の章において上記の段階1〜5に概要した技法に従って凍結乾燥した。各バイアル中の凍結乾燥インスリンは、2.0のpH記憶を有し、DMSO 100μLによって濃度25 mg/mLとなるように再構成した(インスリンは肉眼で検査するためにDMSO中に可溶化した)。この保存液のアリコートを緩衝剤Aによってさらに希釈して、所望のクエン酸緩衝インスリン/DMSO/H2O溶液(たとえば、DMSOおよび緩衝剤A中で12.5および5 mg/mLインスリン)を作製した。これらの製剤を、「Ins-A/DMSO」またはその表記の希釈液と呼ぶ。
インスリン/緩衝剤A/H2O:インスリンを、蒸留脱イオン水に10 mg/mLの濃度で溶解して、0.25 mLアリコートを凍結乾燥した。インスリン起源および凍結乾燥技法は上記と同じであった。バイアルを緩衝剤A(すなわち、H2O+10 mMクエン酸+1 mM EDTA、pH2.0)250μLによって再構成して、緩衝剤A溶液中で10 mg/mLのインスリンを作製した。次に、この保存液のアリコートをさらに、緩衝剤Aによって希釈して、所望のインスリン/緩衝剤A溶液(たとえば、緩衝剤A中で5 mg/mLインスリン)を作製した。肉眼で検査するために、インスリンを緩衝剤A中で可溶化した。これらの製剤を「Ins-A/H2O」と呼ぶ。
インスリン/緩衝剤E/DMSO:インスリンを緩衝剤E(すなわち、H2O+10 mMクエン酸+1 mM EDTA+10 mM NaCl、pH2.0)中で10 mg/mLの濃度で溶解して、0.5 mLアリコートを凍結乾燥した。インスリンの起源および凍結乾燥技法は上記と同じであった。各バイアル中の凍結乾燥インスリンは2.0のpH記憶を有し、DMSO 100μLによって50 mg/mLの濃度となるように再構成した。インスリンを肉眼で検査するためにDMSO中で可溶化した。次に、この保存液のアリコートをDMSOによってさらに希釈して、所望のインスリン/DMSO溶液(たとえば、DMSO中で30、25、10、5、および3 mg/mLインスリン)を作製した。これらの製剤を「Ins-E/DMSO」と呼ぶ。
インスリン/緩衝剤EおよびF/H2O:インスリンを、蒸留脱イオン水に10 mg/mLの濃度で溶解して、0.5 mLアリコートを凍結乾燥した。インスリン起源および凍結乾燥技法は上記と同じであった。1つのバイアルを緩衝剤E 500μLによって再構成して、これは緩衝剤E溶液中で10 mg/mLインスリンを生じた。他のバイアルを緩衝剤F 500μL(すなわち、H2O+10 mMリン酸-クエン酸+1 mM EDTA+10 mM NaCl、pH 7.0)によって再構成して、これは緩衝剤F溶液中で10 mg/mLのインスリンを生じた。肉眼で検査するために、インスリンを緩衝剤EおよびF溶液の両方において可溶化した。これらの試料をそれぞれ、「Ins-E/H2O」および「Ins-F/H2O」と呼ぶ。
実施例2
本実施例は、インスリンのコンフォメーションに及ぼすDMSOの効果を示すFTIRデータを提供する。BioTools Inc.(Jupiter, Florida USA)がFTIR分析を行って、対応するデータを提供した(以下を参照されたい)。
FTIR分析の材料および方法:以下の製剤をFTIR分析のために調製した。
処方1(F1):緩衝剤Aの1の割合によって12.5 mg/mLに希釈したIns-A/DMSO
処方2(F2):緩衝剤Aによって5 mg/mLに希釈したIns-A/H2O
処方3(F3):緩衝剤Aによって10 mg/mLに再構成したIns-A/H2O
処方4(F4):25 mg/mLのIns-A/DMSO
処方5(F5):緩衝剤Aの4の割合によって5 mg/mLに希釈したIns-A/DMSO
FTIRスペクトルを、DTGS検出器を備えたPROTA FTIR分光計(BioTools, Inc)において、解像度4 cm-1ならびに各試料および緩衝剤に関して収集時間20分で収集した。試料を記述のように溶解して、水性試料の場合はCaF2窓を用いて6μmバイオセルに入れて、DMSOに基づく試料の場合は75ミクロンセルに入れた。スペクトル分析(緩衝剤の減算および構造の解明)は全て、PROTAソフトウェアスイートを用いて行った。
結果:図1は、コンフォメーション感受性アミド1領域におけるFTIRスペクトルを示す。インスリンプロファイルは、試験した処方1〜5に対して比較的一定のままであることから、これらのデータは、インスリンがDMSO中で非可逆的にアンフォールドしないことを確認する。特に、処方3は、混合α-ヘリックスβ-シートタンパク質を示す典型的なインスリンスペクトルを示す。処方4は、そのプロファイルを保持しながらより高い周波数へのシフトを示す。これは、コンフォメーション変化の結果またはDMSO溶媒のより強い水素結合特徴の結果である可能性がある。処方5は、インスリンの水溶液中でのスペクトルと本質的に同一である。図1におけるこれらのデータは、インスリンがDMSO中で非可逆的にアンフォールドしないことを確認する。
実施例3
本実施例は、対照試料と比較してDMSO中でインスリンの会合状態(すなわち、単量体型、二量体型、六量体型)を確認するためのDLS分析を提供する。Alliance Protein Laboratories(Thousand Oaks, California USA)がDLS分析を行い、対応するデータを提供した(以下を参照されたい)。DLSアッセイを行うために必要であるNaClの存在により、緩衝剤Eおよび緩衝剤F系を用いたことに注意されたい。
DLS分析のための材料および方法:以下の製剤をDLS分析のために調製した。
処方6(F6):50 mg/mLのIns-E/DMSO
処方7(F7):30 mg/mLのIns-E/DMSO
処方8(F8):10 mg/mLのIns-E/DMSO
処方9(F9):3 mg/mLのIns-E/DMSO
処方10(F10):10 mg/mLのIns-E/H2O
処方11(F11):10 mg/mLのIns-F/H2O
DLS(準弾性光散乱または光子相関分光法としても知られる)において、散乱光の時間依存的変動を測定する。これらの変動は、分子のブラウン運動に関連し、それゆえ、拡散係数を決定するために用いることができる。この拡散係数は通常、ストークス-アインシュタイン関係:
Figure 0006117811
を通して流体力学(ストークス)半径Rhに変換され、式中、kβはボルツマン定数であり、Tは絶対温度、ηは溶媒の粘度、およびDは拡散係数である。
データは、12μLの石英散乱セルを用いてProtein Solutions(現在はWyatt Technology)のDynaPro MS/X機器を用いて25℃の調節された温度で収集した。試料を微量遠心機(Fisherモデル235A)において10分間遠心沈降させて、ダストおよび大きい粒子を除去した後、分析キュベットにロードした。典型的に、シグナル/ノイズを改善するために、10秒間のデータ25回の蓄積を記録して平均した。得られたデータを、製造元によって提供されたDynamicsバージョン6.12.0.3ソフトウェアによって分析した。平均(z-平均)サイズは、累積法に基づく。Dynals分析法を用いてサイズ分布を計算した。重量分画は、Ralleigh球モデルを用いて推定した。機器の校正は、時間および距離(光源の波長によって測定した距離)の単位に基づく絶対法である。しかし、その機器の校正は、校正されたラテックス球のサイズ標準(直径21±1.5 nm、Thermo Scientific社の製品3020Aロット35266)を用いて毎年確認する。DMSOの粘度指数を、1.991 cpおよび1.4768と割付した。
総合結果:DMSO中のインスリンの凝集状態を、動的光散乱(DLS)を用いて調べた。単量体インスリンは、およそ6 kDaの真の分子量を有する。したがって、二量体インスリンは12 kDaの真の分子量を有し、六量体インスリンは36 kDaの真の分子量を有するであろう。図2は、調製したDMSOおよび水溶液中で測定したインスリン(すなわち、処方6〜10)の見かけの分子量(MW)を要約する。pH 7.0および濃度10 mg/mL(処方10)での水性製剤中のインスリンの見かけの分子量は53 kDaである。この高濃度では溶液はおそらく非理想液体であり、分子間効果により、真の分子量より大きい見かけの分子量が得られる。それにもかかわらず、測定された見かけの分子量は六量体状態のインスリンを示している。
インスリン/DMSO製剤に関して、10 mg/mL(処方7)では、見かけの分子量は16 kDaで、10 mg/mL(処方10)の水性インスリンの分子量のおよそ3分の1であり、DMSO中のインスリンは、この濃度では二量体として会合することを示している。濃度を増加させると観察される見かけの分子量のほぼ直線的な差は、おそらくこの技術の典型である排除体積効果のアーチファクトであることから、このことは、50 mg/mL(処方8〜9)までの濃度の場合にも当てはまるように思われる。しかし、3 mg/mL(処方6)で見かけの分子量が13 kDaに減少したことは、この傾向から外れており、この濃度では単量体への可逆的解離が存在することを示している。
これらのDLS試験は、関連する使用濃度の範囲にわたって、DMSO中でのINS-2Eの最大の多量体状態が二量体であり、濃度範囲の下限では、単量体-二量体平衡が存在することを示唆している。これらの知見は、亜鉛の非存在下であっても六量体が優勢で、単量体が不安定で容易に原線維を形成するインスリン水性製剤とは対照的である。インスリンの会合および吸収に関する現在の速度論モデルに基づいて、六量体インスリンを欠如するインスリン製剤では、なおも有意な量の六量体インスリンを含む現在の速効型インスリン(たとえば、Lispro(登録商標)、Aspart(登録商標)等)の吸収速度論より速い吸収速度論が得られるはずであると予想される。併せて考慮すると、これらの物理化学試験は、超速効型インスリン製剤を開発するために非水性溶媒を用いるアプローチが、水性アプローチより成功する可能性がより高いことを示している。速効型製剤を含む水溶液では、単量体インスリンは不安定であり、六量体型が優勢を占めるが、DMSO中では、より急速に吸収されるインスリン単量体/二量体は、比較的高濃度であっても熱力学的に好ましい。さらに、これらのデータ(DLSおよびFTIRデータを含む)は、DMSOによって誘発されるように思われるいかなるコンフォメーションの変化も、水性培地への再構成の際に可逆的であることを示している。
処方6(50 mg/mLのIns-E DMSO)の具体的結果:DMSO中で50 mg/mLでのIns-Eに関するサイズ分布(散乱強度対流体力学半径のヒストグラム)を図3に示す。メインピーク(重量)は第一のピークであり、これは平均半径2.12 nmを有し、総散乱強度の34.7%を表す。その半径は、水性球状タンパク質標準に基づくと、およそ20 kDaのモル質量に対応する。メインピークの他に、より大きい半径で3つのピーク、すなわち平均半径110 nm、2.29μm、および9.85μmが検出される。これらの3つの他のピークは、総散乱強度の約2/3を占めるが、それらは実際に、以下の表2において推定されるように重量百分率で非常に軽微な分画を表す。残念なことに、1μmより大きい種に関する重量推定によって意味のある分画を作製することは可能ではなく、その理由は(1)そのような大きい粒子の散乱は、粒子の詳細な形状に大きく依存し(内部反射により)、および(2)ほぼ全ての散乱光が前方方向に放射され、本明細書において観察される角度90度で放出される散乱光はごく小さい分画であるためである。これらの他の種のいくつかまたは全ては、インスリン凝集体よりむしろ、混入物質または不完全に溶解した緩衝剤成分による可能性がある。
(表2)*
(DMSO中で50 mg/mLのIns-Eの要約)
Figure 0006117811
* z-平均半径24.5 nm;平均強度182 kcnt/s。
** この大きい種の重量分画は、信頼可能に推定することができないことから、このピークをこの計算から除外した。
処方7(30 mg/mLのIns-E/DMSO)の具体的結果:DMSO中で30 mg/mLのINS-Eについて得られたサイズ分布を図4に示す。この濃度では、メインピークは、2.02 nmのわずかにより小さい半径の方向にシフトしている(推定質量17 kDa)。特に、2.29および9.85μmの種はもはや検出されず、それらがこの濃度では溶解している緩衝剤成分であったことを強く示唆している。100 nm付近の種の相対強度もまた実質的に低下している。この濃度では、17.7 nmで新規種が検出された。その種は総散乱光の1.9%を表すに過ぎないことから、この種が50 mg/mLの試料中に同じレベルで存在した可能性があるが、眩輝(100 nmおよびそれより大きい種からの強い散乱)の中で失われたことから検出されなかった。DLS(自己補正機能)からの未加工データは、限定的なダイナミックレンジを有し、このことは、総散乱光の約1%未満を表す種がしばしば検出閾値より下に低下することを意味する。これらのデータの要約を処方7に関して表3に提供する。
(表3)*
(DMSO中で30 mg/mLのIns-Eの要約)
Figure 0006117811
* z-平均半径2.12 nm:平均強度77.9 kcnt/s。
処方8(10 mg/mLのIns-E DMSO)の具体的結果:DMSO中で10 mg/mLでのサイズ分布を図5に示す。希釈によって、メインピークはさらに1.94 nm(推定質量16 kDa)へと下方にシフトした。この濃度では、17.7 nmのピークは検出されず、100 nm付近の種の相対強度はさらに低下している。5.45μmでの微量の大きい粒子も同様に存在した(が、遠心沈降によるそのような種の除去は時に完全ではない)。表4は、処方8のデータの要約を提供する。
(表4)*
(DMSO中で10 mg/mLのIns-Eの要約)
Figure 0006117811
* z-平均半径1.07 nm;平均強度43.1 kcnt/s。
** この大きい種の重量分画は、信頼可能に推定することができないことから、このピークをこの計算から除外した。
処方9(3 mg/mLのIns-E/DMSO)の具体的結果:DMSO中で3 mg/mLでのサイズ分布を図6に示す。この濃度では、メインピークは1.79 nmに低下する(推定質量13 kDa)。この濃度では6.34 nmで新しいピークが検出され、これは少量のインスリン凝集体を表す可能性がある(おそらく凍結乾燥によって生じた)。この試料において60.8 nmで認められるピークはおそらく、より高濃度で100〜110 nmで測定される材料と同じ材料であり、明らかなシフトは、この濃度でのシグナル/ノイズがより低いためでありうるか、または6.34 nmでの新しいピークの分解の結果である可能性がある。表5は、処方9のデータの要約を提供する。
(表5)*
(DMSO中で3 mg/mLのIns-Eの要約)
Figure 0006117811
* z-平均半径0.24 nm;平均強度31.4 kcnt/s。
処方10(Ins-E/H2O)の具体的結果:緩衝剤E(pH 2.0)におけるIns-H2Oのサイズ分布を図7に示す。メインピークは、半径3.08 nmで起こる。その半径は、推定質量47 kDaに対応し、この低いpHでも試料がなおも主に六量体(またはそれ以上)であることを示唆している。10 mg/mLの濃度では、溶液の非理想液体(「分子クラウディング」)効果がサイズの何らかの歪みを引き起こしている可能性があるが、歪みが上向きとなるか下向きとなるかは、静電気効果または排除体積効果のどちらが優勢であるかに依存することに注意されたい。27 nmおよび165 nmでの微量のより大きい種も同様に検出されたが、これらがインスリン凝集体または微粒子混入物のどちらを表すかは不明である。表6は、処方10のデータの要約を提供する。
(表6)*
(緩衝剤Eにおける10 mg/mLのIns-H2Oの要約)
Figure 0006117811
* z-平均半径4.06 nm;平均強度375 kcnt/s。
処方10(Ins-F/H2O)の具体的結果:緩衝剤F(pH 7.0)中のIns-H2Oのサイズ分布を図8に示す。メインピークは半径3.26nmで起こる。その半径は、推定質量53 kDaに対応する。この場合も、10 mg/mLでは溶液の非理想液体効果がサイズの何らかの歪みを引き起こしている可能性があるが、中性pHでの電荷がより低いことはおそらく、排除体積効果が優勢であることを意味しており、それゆえ見かけのサイズは真のサイズよりわずかに大きいであろう。35 nmおよび238 nmでの微量のより大きい種も同様に検出された。表7は処方11のデータの要約を提供する。
(表7)*
(緩衝剤Fにおける10 mg/mLのIns-H2Oの要約)
Figure 0006117811
* z-平均半径3.80 nm;平均強度447 kcnt/s。
実施例4
本実施例は、本発明の製剤の文脈におけるプラムリンタイドとインスリン/プラムリンタイド配合剤に関するデータを提供する。
DMSOおよびDMSO-水共溶媒中でのプラムリンタイドの溶解度:プラムリンタイド溶液を10 mMクエン酸、pH 2.0、または10 mMクエン酸、pH 4.0においてそれぞれ2 mg/mLトレハロースの存在下または非存在下で2 mg/mLの濃度で調製した。溶液を、真空下の25〜30℃でおよそ3.5時間遠心沈降させることによって乾燥させるか、または上記のように凍結乾燥した。
2.0のpH記憶を有する乾燥クエン酸緩衝プラムリンタイド(トレハロースの存在下および非存在下)は、DMSO原液に数分間時折軽くピペッティングすることによって20 mg/mL(調べた最高濃度)で完全に溶解した。得られた溶液は流動性であり、肉眼での検査によって完全に透明であった。
4.0のpH記憶を有する乾燥クエン酸緩衝プラムリンタイドは、DMSO原液における2 mg/mLの開始濃度への再構成に対していくぶん抵抗性であり、水には事実上不溶性であった。6%から10%の水を、名目上のプラムリンタイド濃度2から5 mg/mLでDMSO中のプラムリンタイドに加えると、肉眼での検査によって測定した場合にペプチドの溶解度は改善されたか、またはほぼ完全な溶解度が得られた。
インスリンとプラムリンタイドの配合剤:インスリンとプラムリンタイドの配合剤を以下のように調製した:組み換え型ヒトインスリンを、10 mMクエン酸/1.0 mM EDTA緩衝剤、pH 2中で10 mg/mLの濃度で溶解した。プラムリンタイドを10 mMクエン酸、pH 2.0中で2 mg/mLの濃度で、2 mg/mLトレハロースの存在下または非存在下で溶解した。溶液を上記のように0.5 mLアリコートにして真空下での遠心沈降によって乾燥させた。インスリンをDMSO 50μLによって、100 mg/mLの濃度に再構成して、プラムリンタイドをDMSO 50μLによって20 mg/mLの濃度に再構成した。ペプチド-DMSO溶液の等量を混合して、10 mg/mLトレハロースの存在下または非存在下で、50 mg/mLインスリンと10 mg/mLプラムリンタイドの混合溶液を得た。溶液は流動性で、肉眼での検査によって完全に透明であった。インスリン対プラムリンタイド5:1(w/w)の比率は、可能な1つの代表的な治療用量比であり、ペプチドは、肉眼での観察により1つの高濃度溶液中で6時間以上安定に維持された。既存の製剤技術では、これらのペプチドは、個別の非適合性の緩衝系を必要として、体の個別の部位での個別の注射による投与を必要としており、このことは、この有益な処置を実行するにあたって有意な障害となる。
実施例5
これは、既存の速効型インスリン製品(たとえば、Aspart(登録商標)、Glulisine(登録商標)、Lispro(登録商標))と比較した場合の、本発明の製剤の生物活性、薬理活性、および薬物動態能を決定するための予言的実施例である。
生物活性:細胞レベルでのインスリンの作用は、インスリン受容体(IR)に対する結合、受容体の自己リン酸化、インスリン受容体基質のIR媒介リン酸化、およびその後のPI3キナーゼ-Aktカスケードの活性化を伴う。受容体結合は、部分的にインスリン分子の会合状態によって決定され、このように、インスリン製剤の全体的な生物活性のみならず、ペプチドの多量体(または単量体)状態を測定することができる。本発明の製剤の生物活性は、R&D Systems社の酵素結合免疫測定法(ELISA)キットを用いて、IR-Bイソ型(インスリン感受性組織において見いだされる主要な型)を過剰発現するマウス胚線維芽細胞におけるIRリン酸化の誘導能によって測定および比較することができる。IR結合は、単独では必ずしも、グルコース調節および脂肪酸取り込みおよび脂肪分解などの最終的な生物反応に対してより近い下流のシグナル伝達を予測しないが、細胞溶解物は、リン酸化Aktに関して同様に定量することができる(その全てが参照により本明細書に組み入れられる、Marks, A.G., et al. (2011), "Plasma distribution and signaling activities of IGF-II precursors. Endocrinology," 152:922-930; Denley, A., et al. (2007), "Differential activation of insulin receptor substrates (IRS)-1 and 2 by IGF-activated insulin receptors," Mol. Cell. Biol. 27:3569-3577; and Denley, A., et al. (2006), "Differential activation of insulin receptor isoforms by insulin-like growth factors is determined by the C domain," Endocrinology, 147:1029-1036を参照されたい)。
薬理学:薬理学試験は、皮下留置血管アクセスポート(VAP)を有するオクトレオチドを注入した意識のあるブタモデルを用いて行うことができる。非糖尿病Yorkshire系ブタモデルは、(a)炭水化物生理学がヒトと類似である、(b)IVカテーテル留置にとって適した大きい静脈、(c)意識のあるモデルにより長時間の麻酔の合併症(アテレクターゼ、肺炎、挿管/抜管困難)がない、および(d)1匹のブタを多数回の試験のために用いることができることに基づき、用いることができる。試験は、0、5、10、20、30、45、60、90、120、180、および240分の時点を用いて、許容可能なインスリン用量(たとえば、0.2 mg/kg)を有する本発明の製剤を試験するために設計することができる。
薬物動態:OHSUにおいてブタ血清中で天然インスリンおよびアナログインスリンに関する既にバリデートされたアッセイを用いて、血液試料をアッセイすることができる(Mercodia Iso-Insulin ELISA、製品番号10-1128-01、製造者Mercodia AB Uppsala, Swedenを参照されたい)。ヒトインスリン(たとえば、本発明の製剤および同等の水性製剤)ならびにインスリンアナログの血中レベルを、表記の時間経過にわたって定量して、曲線下面積、Cmax、Tmax、初期1/2Tmax、および後期1/2Tmaxに関して比較することができる。一次エンドポイントは、PKの変化に対して実質的にTmaxより感受性である初期および後期1/2Tmax値でありうる。Tmaxはしばしば長い平衡で起こり、これは測定することが難しく、間違った結果を生じうるが、初期および後期値は急速に上昇および低下して、このようにかなりより信頼できる。
本明細書において開示および特許請求される成分、組成物、または方法は全て、本開示に照らして不当な実験を行うことなく作製および実行することができる。本発明の成分、組成、または方法は特定の態様に関して記述されているが、本明細書において記述される活性成分、組成物、または方法、および方法の段階または段階の順序に変更を適用してもよく、それでも本発明の概念、精神、および範囲に含まれることは当業者に明らかであろう。

Claims (49)

  1. (a)1から4または6から8のpH記憶を含み、かつ、非揮発性緩衝剤から予め乾燥されている、インスリン;および
    (b)非プロトン性極性溶媒
    を含む、非経口投与のための製剤であって、
    インスリンが非プロトン性極性溶媒中で可溶化され、可溶化されたインスリンの大部分が安定な単量体型または二量体型インスリンまたはその混合物を含み、かつ製剤の水分含有量が15%w/vに等しいかまたはそれ未満である、製剤。
  2. インスリンのpH記憶が1から4もしくは1から3、または約2である、請求項1記載の製剤。
  3. インスリンのpH記憶が6から8、または約7である、請求項1記載の製剤。
  4. 非プロトン性極性溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、n-メチルピロリドン(NMP)、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、もしくは炭酸プロピレン、またはその混合物である、請求項1〜3のいずれか1項記載の製剤。
  5. 非プロトン性極性溶媒がジメチルスルホキシド(DMSO)である、請求項4記載の製剤。
  6. 3 mg/mlから50 mg/ml、3 mg/mlから10 mg/ml、または10 mg/mlから50 mg/mlのインスリンを含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の製剤。
  7. 可溶化インスリンの大部分が単量体型である、請求項1〜6のいずれか1項記載の製剤。
  8. 可溶化インスリンの大部分が二量体型である、請求項1〜6のいずれか1項記載の製剤。
  9. 単量体型または二量体型インスリンの凝集を減少させることができる成分をさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の製剤。
  10. 単量体型または二量体型インスリンの凝集を減少させることができる成分が、尿素、塩化グアニジニウム、アミノ酸、糖、ポリオール、ポリマー、酸、もしくは界面活性剤、またはその混合物である、請求項9記載の製剤。
  11. 酸が、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、もしくはアジピン酸、またはその混合物である、請求項10記載の製剤。
  12. 共溶媒をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項記載の製剤。
  13. 共溶媒が水である、請求項12記載の製剤。
  14. 製剤が亜鉛を含まないか、または、製剤中に存在する亜鉛がキレート剤に結合している、請求項1〜13のいずれか1項記載の製剤。
  15. 非揮発性緩衝剤が、グリシン緩衝剤、クエン酸緩衝剤、もしくはリン酸緩衝剤、またはその混合物である、請求項14記載の製剤。
  16. 緩衝剤がキレート剤を含む、請求項15記載の製剤。
  17. キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール四酢酸(EGTA)、酒石酸、グリセリン、またはクエン酸である、請求項14または請求項16記載の製剤。
  18. 非プロトン性極性溶媒の凝固点を約0℃に低下させることができる成分をさらに含む、請求項1〜17のいずれか1項記載の製剤。
  19. 非プロトン性極性溶媒の凝固点を約0℃に低下させることができる成分が、水、糖、糖アルコール、またはその混合物である、請求項18記載の製剤。
  20. インスリンが非修飾ヒトインスリンである、請求項1〜19のいずれか1項記載の製剤。
  21. 製剤中に可溶化されているアミリンアナログをさらに含む、請求項1〜20のいずれか1項記載の製剤。
  22. アミリンアナログがプラムリンタイドである、請求項21記載の製剤。
  23. プラムリンタイドが約2のpH記憶を有するか、または、プラムリンタイドが約2のpH記憶を有し、かつインスリンが約2のpH記憶を有する、請求項22記載の製剤。
  24. プラムリンタイドが、pH約2を有する非揮発性緩衝剤中で予め乾燥されている、請求項23記載の製剤。
  25. 製剤の水分含有量が、5から15%w/v、7から12%w/v、もしくは8から10%w/v、または約9%w/vである、請求項22〜24のいずれか1項記載の製剤。
  26. 液体型である、請求項1〜25のいずれか1項記載の製剤。
  27. 溶液である、請求項26記載の製剤。
  28. 製剤を室温で1ヶ月間保存した場合に、製剤内のインスリンの少なくとも90%が化学的および物理的に安定なままである、請求項1〜27のいずれか1項記載の製剤。
  29. 容器内に含まれる、請求項1〜28のいずれか1項記載の製剤。
  30. 容器が、シリンジ、ペン注射装置、自動注射装置、ポンプ、または灌流バッグである、請求項29記載の製剤。
  31. 非プロトン性極性溶媒が製剤の連続相である、請求項1〜30のいずれか1項記載の製剤。
  32. 少なくとも75、80、85、90、または95%w/vの非プロトン性極性溶媒を含む、請求項1〜31のいずれか1項記載の製剤。
  33. 可溶化されたインスリンが準安定である、請求項1〜32のいずれか1項記載の製剤。
  34. 対象における血中グルコースレベルを減少させるため請求項1〜33のいずれか1項記載の製剤
  35. 対象における血中グルコースレベルが、投与後30分以内、60分以内、または90分以内に減少する、請求項34記載の製剤
  36. 対象における初期1/2Tmax血中インスリンレベルが、投与後30分以内から60分以内に得られる、請求項34〜35のいずれか1項記載の製剤
  37. 対象がI型またはII型糖尿病を有すると診断されている、請求項34〜36のいずれか1項記載の製剤
  38. 製剤が、対象による食物摂取前の10分以内、5分以内、もしくは1分以内に投与されるか、または対象による食物摂取後1分以内、5分以内、もしくは10分以内に投与される、請求項34〜37のいずれか1項記載の製剤
  39. (a)1から4または6から8のpH記憶を有する乾燥インスリンを得るために、インスリンおよび非揮発性緩衝剤を含む混合物を乾燥させる段階;ならびに
    (b)非プロトン性極性溶媒中で乾燥インスリンを再構成する段階
    を含む、請求項1〜33のいずれか1項記載の製剤を作製する方法であって、
    インスリンが非プロトン性極性溶媒中で可溶化され、可溶化されたインスリンが安定な単量体型もしくは二量体型インスリンまたはその混合物を含み、かつ製剤の水分含有量が15%w/vに等しいかまたはそれ未満である、方法。
  40. インスリンのpH記憶が1から4もしくは1から3、または約2である、請求項39記載の方法。
  41. インスリンのpH記憶が6から8、または約7である、請求項39記載の方法。
  42. 非プロトン性極性溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、n-メチルピロリドン(NMP)、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、もしくは炭酸プロピレン、またはその混合物である、請求項39〜41のいずれか1項記載の方法。
  43. 非プロトン性極性溶媒がジメチルスルホキシド(DMSO)である、請求項42記載の方法。
  44. 製剤が、3 mg/mlから50 mg/ml、3 mg/mlから10 mg/ml、もしくは10 mg/mlから50 mg/mlのインスリン、または50 mg/mlから100 mg/mlのインスリンを含む、請求項39〜43のいずれか1項記載の方法。
  45. 可溶化インスリンの大部分が単量体型または二量体型である、請求項39〜44のいずれか1項記載の方法。
  46. さらに以下の段階を含む、請求項39〜45のいずれか1項記載の方法:
    (c)乾燥アミリンアナログを得るために、アミリンアナログと、段階(a)における同じ非揮発性緩衝剤または第二の非揮発性緩衝剤とを含む混合物を乾燥させる段階;ならびに
    (d)乾燥アミリンアナログを、乾燥インスリンと共に非プロトン性極性溶媒中で再構成する段階であって、乾燥アミリンアナログは非プロトン性極性溶媒中で可溶化される、段階。
  47. アミリンアナログがプラムリンタイドであり、かつプラムリンタイドが約2のpH記憶を有するか、または、プラムリンタイドが約2のpH記憶を有し、かつインスリンが約2のpH記憶を有する、請求項46記載の方法。
  48. 非揮発性緩衝剤が約2のpH範囲を有する、請求項46〜47のいずれか1項記載の方法。
  49. 共溶媒として製剤の5から15%w/vの水を添加する段階をさらに含む、請求項45〜48のいずれか1項記載の方法。
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