JP6116335B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

この発明は回転電機、特に発電機に代表される高電圧回転機の固定子コイルの絶縁構造に関する。
高電圧回転機において、固定子鉄心のスロットに収納して使用される固定子コイルは、素線導体が複数束ねられてなるコイル導体の外周に、耐コロナ放電特性に優れたマイカテープを所定回数だけ巻回した上で、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を真空加圧で含浸させ、加熱処理を行って硬化させることで対地主絶縁層を形成している。
さらに、この対地主絶縁層の最外周部の内、固定子鉄心のスロットの内部に収納される部分、およびスロットの外部に延出された一部には、接地電位である固定子鉄心との間の放電を抑制するため、低抵抗コロナシールド層が設けられる。また、低抵抗コロナシールド層の外端部の一部に重ねて、固定子コイルの表面での沿面電界を緩和して沿面放電の発生を抑制するため、高抵抗コロナシールド層が設けられる。
単体の固定子コイルのうち、固定子鉄心のスロットから外部に延出された部分は一般的にコイルエンド部と呼ばれる。互いに隣接するコイルエンド部の間に生じる電界により、コイルエンド部の相互間で放電が発生する可能性がある。一方、対地主絶縁層を形成するためのマイカテープは、一般に高価であるので、マイカテープのトータルの使用量はできるだけ削減できることが好ましい。
そのため、従来技術では、コイルエンド部は耐コロナ放電特性に優れたマイカテープのみで対地主絶縁層を形成する一方、固定子コイルの相互間で放電が発生する可能性がないスロットの内部は、マイカテープと非マイカテープの両者を用いて対地主絶縁層を形成し、これによって対地主絶縁層の絶縁性能を維持しつつ、トータルのマイカテープの使用量を低減した交流回転電機の固定子巻線が開示されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
また、他の従来技術では、固定子コイルがスロット内に収納され部分はコイル導体の外周に通常のマイカテープを巻回して対地主絶縁層を形成する一方、スロットの外部のコイルエンド部は、コイル導体の外周に熱硬化性樹脂を被覆することで対地主絶縁層を形成し、マイカテープのトータルの使用量の低減とテーピング作業の短時間化とを可能とした回転機コイルの絶縁方法が開示されている(例えば、下記の特許文献2参照)。
特開昭62−104448号公報 特開昭59−113746号公報
高電圧回転電機の固定子コイルにおいて、定格運転時の対地主絶縁層に生じる電界は、固定子鉄心のスロット外部と比較してスロット内部の方が高い。上記の特許文献1記載の従来技術では、スロット内部の対地主絶縁層を形成するマイカテープの使用量を低減しているため、長期的に見てスロット内部の絶縁耐力が低下する恐れがある。さらに、前述のようにスロット内部の対地主絶縁層に生じる電界と比較して、スロット外部のコイルエンド部の対地主絶縁層に生じる電界は低く、コイルエンド部の対地主絶縁層をマイカテープのみで形成した場合は、絶縁性能が必要以上に過剰となる可能性がある。従って、対地主絶縁層の絶縁性能を適正に維持しつつマイカテープの使用量を削減するといった意図が十分に達成されていない。また、対地主絶縁層の厚みを必要以上に確保することになるため、冷却性能の低下が懸念される。
一方、前述の特許文献2記載の従来技術では、対地主絶縁層の形成時に、通常のマイカテープに加えて、これと別部材である熱硬化性樹脂を用いる必要があり、材料費および加工コストが大幅に増加する。しかも、対地主絶縁層は、マイカテープを巻回するスロット内への収納部分と、熱硬化性樹脂を用いるコイルエンド部との絶縁厚みが共に均一に形成されており、このため、熱硬化性樹脂を用いるコイルエンド部の冷却性能が低下する。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、定格運転時の固定子コイルの対地主絶縁層の絶縁性能を良好に維持しつつ、マイカテープの使用量を効果的に削減するとともに、固定子コイルの冷却性能向上させた回転電機を提供することを目的とする。
この発明に係る回転電機は、固定子鉄心に形成されたスロットに収納されるとともにその一部が上記スロットの外部に延出された固定子コイルを備え、上記固定子コイルは、コイル導体の外周部にマイカテープを巻回して対地主絶縁層が形成されるとともに、上記対地主絶縁層の外周部の内、上記スロットの内部に収納される部分および上記スロットの外部の一部に低抵抗コロナシールド層が形成され、また上記低抵抗コロナシールド層の端部に一部を重ねて高抵抗コロナシールド層が形成されたものにおいて、次の構成を採用している。
すなわち、この発明では、上記マイカテープは、上記固定子コイルが上記スロットの内部から外部に延出された部分の内、上記スロットの出口から所定長さ分はスロット内部における巻回数と同じ巻回数で一律に巻回され、上記所定長さ分を除く上記固定子コイルの延出側に向けては巻回数が低減されてその断面積が縮小されており、上記マイカテープが上記スロットの内部における巻回数と同じ巻回数で一律に巻回される上記所定長さ分は、上記スロットの出口から定格運転時に上記固定子コイルの表面電位が最高電位に達する位置までの長さ分であることを特徴としている。
この発明によれば、定格運転時における固定子鉄心のスロットの内部における固定子コイルの対地主絶縁層の長期信頼性を良好に維持したまま、対地主絶縁層にかかる電界が低いコイルエンド部のマイカテープの巻回数を低減することにより、絶縁性能が必要以上に過剰となる箇所の絶縁厚みを低減してマイカテープ使用量を抑制するとともに、コイル導体の発熱に対する冷却性能を向上させることができる。特に、マイカテープがスロットの内部における巻回数と同じ巻回数で一律に巻回される箇所は、スロットの出口から定格運転時に固定子コイルの表面電位が最高電位に達する位置までの長さ分としているため、コイル表面電位が最高電位となる位置までの対地主絶縁層の絶縁性能を低下させることがなく、長期信頼性を一層良好に維持することができる。
この発明の実施の形態1に係る回転電機(タービン発電機)の構成を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子コイルのスロット出口付近における絶縁構造を示す断面図である。 図2のA−A’線およびB−B’線に沿う各断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子鉄心のスロットから外部に延出された互いに隣接する2本の固定子コイルの配置を示す平面図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子コイルのスロット出口付近の状態を示すもので、図5(A)はその表面電位分布を示す特性図、図5(B)は絶縁構造を示す断面図である。 この発明の実施の形態3に係る回転電機の固定子コイルのスロット出口付近における絶縁構造を示す断面図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機の固定子コイルのスロット出口付近における絶縁構造を断面図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機の固定子鉄心のスロットから外部に延出された互いに隣接する2本の固定子コイルの配置を示す平面図である。 参考例としての回転電機の固定子コイルのスロット出口付近における絶縁構造の要部構成を示す斜視図である。 参考例としての回転電機の固定子コイルのスロット出口付近における絶縁構造を示す断面図である。
この発明の実施の形態に係る回転電機について説明する前に、この発明の理解を促すため、参考例として回転電機の固定子コイルのスロット出口付近における絶縁構造について図9および図10を参照して説明する。
図9は回転電機の固定子コイルのスロット出口付近における絶縁構造の要部構成を示す斜視図、図10は固定子コイルのスロット出口付近における絶縁構造を示す断面図である。
高電圧回転機において、固定子鉄心4のスロット5に収納して使用される固定子コイル7は、素線導体が複数束ねられてなるコイル導体9の外周に、耐コロナ放電特性に優れたマイカテープ11を所定回数だけ巻回した上で、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を真空加圧で含浸させ、加熱処理を行って硬化させることで対地主絶縁層12を形成している。
さらに、この対地主絶縁層12の最外周部の内、固定子鉄心4のスロット5の内部に収納される部分、およびスロット5の外部に延出された一部には、接地電位である固定子鉄心4との間の放電を抑制するため、低抵抗コロナシールド層13が設けられる。また、低抵抗コロナシールド層13の外端部の一部に重ねて、固定子コイル7の表面での沿面電界を緩和して沿面放電の発生を抑制するため、高抵抗コロナシールド層14が設けられる。
単体の固定子コイル7のうち、固定子鉄心4のスロット5から外部に延出された部分は一般的にコイルエンド部8と呼ばれる。互いに隣接するコイルエンド部8の間に生じる電界により、コイルエンド部8の相互間で放電が発生する可能性がある。そのため、参考例は、コイルエンド部8は耐コロナ放電特性に優れたマイカテープ11のみで対地主絶縁層が形成されている。
次に、この発明の実施の形態に係る回転電機について、図面を参照して説明する。なお、以下の各実施の形態においては、回転電機としてタービン発電機を例示して説明するが、この発明はタービン発電機に限定されるものではなく、例えば広く発電機、電動機の概念も含まれる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機であるタービン発電機の構成を示す断面図、図2は固定子コイルのスロット出口付近における絶縁構造を示す断面図、図3(A)は図2におけるA−A’線に沿う断面図、図3(B)は図2にけるB−B’線に沿う断面図である。なお、図9および図10に示した参考例と対応もしくは相当する構成部分には同一の符号を付す。
この発明の実施の形態1に係るタービン発電機1は、固定子2および回転子3から構成される。固定子2は、固定子鉄心4を備え、この固定子鉄心4には周方向に沿って複数のスロット5が形成されており、各スロット5内に固定子コイル7が収納されている。各スロット5に収納された固定子コイル7は、その一部がスロット5の外部に延出されてコイルエンド部8として形成されている。
この実施の形態1においても、図9および図10に示した場合と同様、コイル導体9の外周にマイカテープ11を巻回して形成された対地主絶縁層12と、この対地主絶縁層12の外周部の内、スロット5の内部に収納される部分およびスロット5の外部の一部にそれぞれ形成された低抵抗コロナシールド層13と、この低抵抗コロナシールド層13の端部に一部を重ねて形成された高抵抗コロナシールド層14とを備えている。
この実施の形態1の特徴は、コイル導体9の外周にマイカテープ11を巻回して対地主絶縁層12を形成する場合に、マイカテープ11は、固定子コイル7がスロット5の内部から外部に延出されたコイルエンド部8の内、スロット5の出口から所定長さL分はスロット5の内部における巻回数と同じ巻回数で一律に巻回され、所定長さL分を除くコイルエンド部8の延出側に向けては巻回数が低減されてその断面積が縮小されていることである。
対地主絶縁層12の形成法として、この実施の形態1では、コイル導体9の外周にマイカテープ11を所定回数だけ巻回した上で、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を真空加圧で含浸させて加熱硬化させる方法が採用されるが、これに限らず、例えば予めマイカテープ11に樹脂を含浸し塗布して半硬化状態にしたいわゆるプリプレグマイカテープをコイル導体9の外周に巻回した後、成形し加熱硬化させる方法もある。
次に、固定子コイル7の対地主絶縁層12に生じる電界について説明する。
例えばタービン発電機1では、通常運転時において、固定子鉄心4が接地電位である一方、コイル導体9には10kV〜20kV以上の高電圧が印加される。従って、スロット5内部の対地主絶縁層12には、平均して印加電圧を対地主絶縁層12の厚みで除した値である高電界が常に加わることになり、スロット5内部の対地主絶縁層12には長期的な絶縁信頼性が要求される。また、固定子鉄心4との間の放電を抑制する目的で設けられる低抵抗コロナシールド層13の電位は、固定子鉄心4と同じ接地電位とみなせる。従って、スロット5の出口から低抵抗コロナシールド層13が設けられている部分までの範囲に関しても、対地主絶縁層12にはスロット5内部と同じ電界がかかるため、この範囲もスロット5内部と同じく長期絶縁信頼性が求められる。
一方、低抵抗コロナシールド層13の外端からコイルエンド部8の延出側に向かう対地主絶縁層12の表面電位は、接地電位からコイル導体9に加わる電圧に向かって上昇する電位分布となる。また、対地主絶縁層12に生じる電界は、低抵抗コロナシールド層13の外端部からコイルエンド部8の延出側に向けて低くなる分布となる。
上記のことから分かるように、この実施の形態1では、コイルエンド部8の内、スロット5の出口から所定長さL分はマイカテープ11をスロット5内部における巻回数と同じ巻回数で一律に巻回し、所定長さL分を除くコイルエンド部8の延出側に向けては定格運転時においてスロット5内部と比較して生じる電界が低いので、マイカテープ11の巻回数を低減して対地主絶縁層12の厚みを薄くしている。このため、定格運転時の絶縁性能を維持したまま、コイルエンド部8でのコイル導体9の発熱に対する冷却性能を向上させることができる。また、コイルエンド部8におけるマイカテープ11の巻回数を低減したことで、高価なマイカテープ11のトータルの使用量を削減することになるため、回転電機全体としてのコスト削減にも資することができる。
図4は、この実施の形態1に係るタービン発電機において、固定子鉄心のスロットから外部に延出された互いに隣接する2本の固定子コイルの配置を示す平面図である。
固定子鉄心4のスロット5に収納された固定子コイル7は、スロット5内部およびスロット5から延出されたコイルエンド部8の一部が直線形状になっており、この直線形状の部分からさらに外方に延出されたコイルエンド部8は、一定方向に湾曲させられている。タービン発電機1の耐電圧試験時には、スロット5に固定子コイル7を収めた状態で、定格電圧の2倍以上の電圧が印加される。このように高電圧が印加された際、互いに隣接する固定子コイル7のコイルエンド部8の相互間に電位差が生じ、表面閃絡などの放電が発生する可能性がある。また、耐電圧試験時には、通常の定格運転時以上の電流が固定子コイル7を流れるため、コイルエンド部8の発熱が問題となる。
しかし、この実施の形態1では、固定子コイル7のコイルエンド部8の一部について、マイカテープ11の巻回数を低減して対地主絶縁層12の厚みを薄くしているので、コイルエンド部8の冷却性能が向上する。しかも、コイルエンド部8の断面積が縮小されているので、互いに隣接する固定子コイル7間の絶縁に必要な距離Wを容易に確保することができる。このため、互いに隣接するコイルエンド部8間の放電が発生し難くなり、信頼性を向上させることができる。
さらに、固定子コイル7をコイル周囲の媒体を介して冷却させる方式として、空気あるいは水素を用いる方式がある。この実施の形態1のように、固定子コイル7のコイルエンド部8の対地主絶縁層12の厚みを薄くした場合、図4に示すように、互いに隣接する固定子コイル7間の距離Wが大きくなるため、各固定子コイル7の表面から受ける熱放射の影響を減少することができるとともに、両固定子コイル7間を流れる冷却媒体の量が増加するため、固定子コイル7表面の冷却性能を高めることが可能となる。
また、マイカテープ11にエポキシ樹脂を含浸させて形成した対地主絶縁層12の比誘電率は、一般的に5.0〜6.0程度である。この実施の形態1のように、コイルエンド部8の対地主絶縁層12の断面積を縮小し、これによってコイルエンド部8間の空隙(空気、比誘電率:1)を従来よりも拡大した場合には、コイルエンド部8間の電界を緩和することができ、コイルエンド部8間に発生する放電に対する信頼性をさらに向上することができる。
対地主絶縁層12の形成する際の手順として、コイル導体9にマイカテープ11を所定回数だけ巻回した後、熱硬化性樹脂を真空加圧含浸させて硬化する方法を採用する場合、熱硬化性樹脂を真空加圧含浸する際、鉄板等でコイル周囲をプレスして成形する。その際、図4に示したように、固定子コイル7の内、スロット5内に収納される部分およびスロット5から僅かに延出された部分は直線形状になっているのでプレス成形が容易である。一方、この直線形状の部分からさらに外方に延出されたコイルエンド部8は、一定方向に湾曲させられているので、プレス成形が困難である。
このため、従来技術では、コイルエンド部8が湾曲している箇所は充分に成形ができずに設計寸法よりコイル断面積が大きくなる、いわゆる巻太りが生じる可能性がある。これに対して、この実施の形態1では、コイルエンド部8の延出側の対地主絶縁層12の厚みを薄くしているため、設計寸法よりもコイル断面が大きくなる巻太りが低減する効果も得られる。
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2に係る回転電機であるタービン発電機の固定子コイルのスロット出口付近の状態を示すもので、図5(A)はその表面電位分布を示す特性図、図5(B)は絶縁構造を示す断面図である。なお、図1〜図4に示した実施の形態1と対応もしくは相当する構成部分には同一符号を付して、構成の詳しい説明は省略する。
この実施の形態2の特徴は、固定子コイル7のコイルエンド部8に形成された対地主絶縁層12に関し、その対地主絶縁層12を形成するためのマイカテープ11の巻回数を低減させる位置を規定したことである。すなわち、スロット5の出口の位置p0から定格運転時に固定子コイル7の表面電位が最高電位に達する位置p2までは、コイル導体9に対してマイカテープ11がスロット5内部と同じ巻回数で一律に巻回され、当該位置p2からさらにコイルエンド部8の延出側に向けては巻回数が低減されてその断面積が縮小されていることである。
高抵抗コロナシールド層14は、例えばカーボン粉末を混入した塗料、あるいは炭化珪素粒子を混入した非線形抵抗特性、すなわち、発生する電界が高くなると表面抵抗率が低下する特性を有する塗料を用いて対地主絶縁層12の最外周部に塗布したり、これらの塗料を塗布したテープを用いて最外周部に巻回することで形成される。
ここで、固定子コイル7のコイルエンド部8の延出方向に沿った表面電位は、図5(A)に示すように、低抵抗コロナシールド層13のスロット5内部から端部までの位置p1までは接地電位であり、高抵抗コロナシールド層14の形成箇所では、コイルエンド部8の延出方向に沿ってコイル導体9に印加される電位に至るまで次第に上昇する電位分布となる。そのため、コイルエンド部8の延出方向に沿った表面電位の分布が定格運転時に最高となる位置、すなわちコイル導体9と同電位になる位置p2よりもさらにコイルエンド部8の延出側では、通常運転時に対地主絶縁層12に生じる電界は僅かである。
このように、この実施の形態2では、固定子コイル7のコイルエンド部8に形成された対地主絶縁層12に関し、スロット5の出口からのマイカテープ11の巻回数をスロット5内部と同一とする範囲Lを、スロット5の出口位置p0から定格運転時にコイル表面電位が最高電位に達する位置p2までとしているので、定格運転時に高電界が生じるスロット5内部およびコイル表面電位が最高電位となる位置p2までの対地主絶縁層12の絶縁性能を低下させることがない。また、コイル表面電位が最高電位となる位置p2からさらにコイルエンド部8の延出側では巻回数が低減されてその断面積が縮小されているので、対地主絶縁層12の成形に用いるマイカテープ11の使用量を効果的に低減させることが可能となる。
また、この実施の形態2においても、コイルエンド部8の対地主絶縁層12の厚みが低減されているため、コイル導体9からの発熱に対する冷却性能を向上させることができる。
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3に係る回転電機であるタービン発電機の固定子コイルのスロット出口付近の絶縁構造を示す断面図である。なお、図1〜図4に示した実施の形態1と対応もしくは相当する構成部分には同一符号を付して、構成の詳しい説明は省略する。
この実施の形態3の特徴は、スロット5内部からコイルエンド部8の延出側に向けて、マイカテープ11の巻回数を低減させる際の仕方を規定した点である。すなわち、マイカテープ11の巻回法としては、例えば1巻目のテープ幅の半分に次の2巻目のテープを重ねて巻回し、さらに2巻目のテープ幅の半分に次の3巻目のテープを重ねて巻回する半重ね(ハーフラップ)がある。このようにしてマイカテープ11を巻回すると、スロット5内部からコイルエンド部8の延出側に向けて、マイカテープ11の巻回数が1巻ずつ漸次低減されることになる。このようにすれば、対地主絶縁層12の最外周に断面積の変化に伴う段差が生じることがなくなる。
前述の実施の形態1で述べたように、コイル導体9にマイカテープ11を巻回して熱硬化性樹脂を真空加圧含浸させて硬化させることで対地主絶縁層12を形成する場合、鉄板等でコイル周囲をプレスして成形する。このプレス成形によって、固定子コイル7を必要な寸法に整えると同時に、マイカテープ11を巻回した際にテープ同士の界面に残留した空隙(ボイド)量を低減することができる。
この実施の形態3のように、マイカテープ11を巻回して対地主絶縁層12を形成する場合、対地主絶縁層12の最外周に断面積の変化に伴う段差が生じないので、コイル導体9にマイカテープ11を巻回して熱硬化性樹脂を真空加圧含浸させて硬化させる際に、プレス成形が容易になり加工性を向上させることが可能となる。また、プレス成形が容易になることから、マイカテープ11同士の界面に残留する空隙を低減することができる。同時に、プレス成形が容易であることから、プレス不充分による巻太りを抑制することもできる。
さらに、この実施の形態3に係るタービン発電機1においても、コイルエンド部8の対地主絶縁層12厚みを低減しているので、上記の実施の形態1、2と同様、コイル導体9からの発熱に対する冷却性能を向上させることができる。
実施の形態4.
図7はこの発明の実施の形態4に係る回転電機であるタービン発電機の固定子コイルのスロット出口付近における絶縁構造を断面図であり、図1〜図4に示した実施の形態1と対応もしくは相当する構成部分には同一符号を付して、構成の詳しい説明は省略する。
この実施の形態4の特徴は、コイルエンド部8において、マイカテープ11の巻回数が低減されてその断面積が縮小されている対地主絶縁層12の箇所の最外周部に当該対地主絶縁層12の比誘電率よりも小さい比誘電率をもつ熱硬化性樹脂15で被覆されていることである。
一般的に固定子コイル7の対地主絶縁層12の構成部材であるマイカテープ11にエポキシ樹脂を含浸させた複合絶縁系の比誘電率は5.0〜6.0程度であるので、対地主絶縁層12よりも小さい比誘電率をもつ熱硬化性樹脂15としては、例えばポリエステル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
次に、この実施の形態4の構成の作用について説明する。
図8は、この実施の形態4に係るタービン発電機において、固定子鉄心のスロットから延出された互いに隣接する2本の固定子コイルの配置を示す平面図である。
先の実施の形態1で述べたように、従来は耐電圧試験時には隣接する固定子コイル7のコイルエンド部8間に生じた電位差のため、コイルエンド部8間に放電が発生する可能性がある。これに対して、この実施の形態4の構成によれば、コイルエンド部8において、マイカテープ11の巻回数が低減されてその断面積が縮小されている対地主絶縁層12の箇所の最外周部は、当該対地主絶縁層12の比誘電率よりも小さい比誘電率をもつ熱硬化性樹脂15で被覆されているので、その被覆箇所が補強されて機械的強度が向上するともに、比誘電率が対地主絶縁層12も小さい熱硬化性樹脂15で被覆したことによって、コイルエンド部8間の電界を緩和することができ、コイルエンド部8間に発生する放電に対する信頼性をさらに向上することができる。
なお、今回開示した上記実施の形態1〜4は、すべての点で例示であって、この発明の限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、この発明の技術的範囲は、上記の実施の形態1〜4の構成のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての構成の範囲が含まれる。
1 タービン発電機(回転電機)、2 固定子、3 回転子、4 固定子鉄心、
5 スロット、7 固定子コイル、8 コイルエンド部、9 コイル導体、
11 マイカテープ、12 対地主絶縁層、13 低抵抗コロナシールド層、
14 高抵抗コロナシールド層、15 熱硬化性樹脂。

Claims (3)

  1. 固定子鉄心に形成されたスロットの内部に収納されるとともにその一部が上記スロットの外部に延出された固定子コイルを備え、上記固定子コイルは、コイル導体の外周部にマイカテープを巻回して対地主絶縁層が形成されるとともに、上記対地主絶縁層の外周部の内、上記スロットの内部に収納される部分および上記スロットの外部の一部に低抵抗コロナシールド層が形成され、また上記低抵抗コロナシールド層の端部に一部を重ねて高抵抗コロナシールド層が形成された回転電機において、
    上記マイカテープは、上記固定子コイルが上記スロットの内部から外部に延出された部分の内、上記スロットの出口から所定長さ分はスロット内部における巻回数と同じ巻回数で一律に巻回され、上記所定長さ分を除く上記固定子コイルの延出側に向けては巻回数が低減されてその断面積が縮小されており、上記マイカテープが上記スロットの内部における巻回数と同じ巻回数で一律に巻回される上記所定長さ分は、上記スロットの出口から定格運転時に上記固定子コイルの表面電位が最高電位に達する位置までの長さ分であることを特徴とする回転電機。
  2. 上記マイカテープの巻回数の低減は、半重ね(ハーフラップ)回数を順次低減させることにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 上記マイカテープの巻回数が低減されてその断面積が縮小されている上記対地主絶縁層の部分の最外周部は、上記対地主絶縁層の比誘電率よりも小さい比誘電率をもつ熱硬化性樹脂で被覆されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機。
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