JP6116132B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート等の記録材上に画像を形成する機能を備えた、例えば、複写機、プリンタなどの画像形成装置に関するものである。
電子写真方式のカラー画像形成装置では、高速に印刷するために、次のような構成が知られている。それは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を形成するための各色の画像形成部を独立して有し、各色の画像形成部から順次中間転写ベルトに画像を転写し、更に中間転写ベルトから記録材に一括して画像を転写する構成である。
各色の画像形成部は、それぞれ像担持体としての感光ドラムを有している。さらに、各画像形成部は、感光ドラムを帯電する帯電部材、感光ドラムにトナー像を現像する現像手段を有している。各画像形成部の現像手段は、それぞれ感光ドラム上に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像(可視像化)する。各画像形成部の感光ドラムに現像されたトナー像は、各感光ドラムに中間転写ベルトを介して対向する1次転写部材である1次転写ローラによって、中間転写ベルトに1次転写される。各1次転写ローラは、1次転写専用の電圧電源がそれぞれ接続されている。中間転写ベルトに1次転写されたトナー像は、2次転写部材によって記録材に2次転写される。2次転写部材である2次転写ローラには、2次転写専用の電圧電源が接続されている。
特許文献1には、次のような構成が開示されている。それは、上流でトナー像が形成され、下流ドラムの重なる領域に画像が形成されない(非画像)場合に、その非画像部を正規の露光パワーより低い露光パワーで露光することで非画像部の電位を現像されない程度にまで下げて再転写を低減する構成である。
特開2005−17622号公報
近年は、高画質を維持しながらも装置の小型化、低コスト化の要求がさらに高まっており、さらなる現像装置やクリーニング装置の小型化や省部材化、ひいては画像形成装置の小型化、低コスト化が望まれている。その技術の一つとして、ドラムクリーニングレス技術が提案されている。
しかし、タンデム型フルカラー装置でドラムクリーニングがない場合には、上流画像による再転写トナーが下流現像器に回収されるため、混色という問題が発生することが懸念される。再転写を抑えるために、下流のドラムの非画像部電位を低くするといった技術が開示されているが、この方法では現像工程に与える影響を考慮する必要がある。
本発明は、像担持体上の転写残トナーを回収する専用の回収部材を有さない構成において、現像工程に影響を与えることなく、上流で中間転写体に転写されたトナー像が該像担持体へ再転写してしまうことを抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明にあっては、
トナー像を担持する第1の像担持体と、トナー像を担持する第2の像担持体と、前記第2の像担持体にトナー像を現像する現像手段と、無端状で回転可能であって、前記第1の像担持体と前記第2の像担持体から1次転写されたトナー像を転写材に2次転写するための中間転写体と、前記中間転写体の外周面に接触し前記中間転写体から転写材にトナー像を2次転写する2次転写部材と、前記2次転写部材に電圧を印加する電源と、を有し、
前記中間転写体の移動方向において前記第2の像担持体は前記第1の像担持体より下流側に位置する画像形成装置において、
前記現像手段は、前記第2の像担持体に残留したトナーを回収するものであり、
前記電源から前記2次転写部材に電圧を印加することにより、前記第1の像担持体と前記第2の像担持体から前記中間転写体にトナー像を1次転写させ、前記中間転写体から転写材にトナー像を2次転写させ、
前記電源が前記2次転写部材から前記中間転写体を介して前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体に電流を流すことによって、前記中間転写体の移動方向における前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体それぞれと前記中間転写体が接触して形成する各接触領域の上流側端部よりも上流側で前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体と前記中間転写体の間に放電を発生させることを特徴とする。
本発明によれば、像担持体上の転写残トナーを回収する専用の回収部材を有さない構成において、現像工程に影響を与えることなく、上流で中間転写体に転写されたトナー像が該像担持体へ再転写してしまうことを抑制することが可能となる。
実施例1の画像形成装置の一例を示す概略断面図 低抵抗化したベルトの抵抗値を測定する方法について説明する図 印加電圧を変更してベルトの抵抗値を測定した結果を示す図 比較例の画像形成装置を示す概略断面図 中間転写体の表面電位の測定方法について説明するための図 実施例2の画像形成装置の一例を示す概略断面図 実施例3の画像形成装置の一例を示す概略断面図 実施例3の画像形成装置について説明するための概略断面図 実施例4の画像形成装置の一例を示す概略断面図 実施例4の画像形成装置の一例を示す概略断面図 定電圧素子接続時の2次転写電圧と中間転写体電位の関係を示す図 他の実施例の画像形成装置の一例を示す概略断面図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
〈実施例1〉
以下に、実施例1について説明する。
図1は、本実施例の電子写真方式のタンデム型フルカラー画像形成装置の一例を示す概
略断面図である。
この画像形成装置は、次に示す4つの画像形成部(画像形成ユニット、トナー像形成部)を備えており、これらの4つの画像形成部は一定の間隔をおいて一列に配置(並設)されている。4つの画像形成部は、イエロー色の画像を形成する画像形成部1a、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部1b、シアン色の画像を形成する画像形成部1c、及び、ブラック色の画像を形成する画像形成部1dである。
各画像形成部1a、1b、1c、1dには、それぞれ像担持体としての感光ドラム2a、2b、2c、2dが設置されている。各感光ドラム2a、2b、2c、2dの周囲には、帯電器3a、3b、3c、3d、現像手段としての現像装置4a、4b、4c、4dがそれぞれ設置されている。帯電器3a、3b、3c、3dと現像装置4a、4b、4c、4d間の上方には露光装置7a、7b、7c、7dがそれぞれ設置されている。各現像装置4a、4b、4c、4dには、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーが収納されている。
ここで、各画像形成部の構成及び動作は、用いるトナーの色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下の説明において特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために図1中符号に与えた添え字a、b、c、dは省略して総括的に説明する。また、本実施例では、4つの画像形成部について説明するが、これに限るものではなく、画像形成部は複数設けられるものであればよい。
感光ドラム2は、本実施例では負帯電の有機感光体で、アルミニウム等のドラム基体(不図示)上に感光層(不図示)を有しており、駆動装置(不図示)によって所定のプロセススピードで回転駆動される。
帯電器3は、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって感光ドラム2表面を所定の極性、電位に均一に帯電する。
露光装置(レーザスキャナ装置)7は、ホストコンピュータ(不図示)からそれぞれ入力される画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザ光をレーザ出力部(不図示)から出力する。そして、露光装置7は、感光ドラム2表面を画像露光することにより、帯電器3で帯電された感光ドラム2表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する。
現像装置4は、感光ドラム2上(像担持体上)に形成される静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像(可視像化)する。ここで、本実施例の現像装置4には、1成分接触現像装置を適用している。
感光ドラム2上に形成されたトナー像は、中間転写体8に1次転写される。
本実施例ではドラムクリーニング装置が設けられていないため、1次転写されずに感光ドラム2に残った1次転写残トナーは、帯電器3にてトナーの正規の帯電極性(負極性)に帯電された後、現像装置4にて回収される。
中間転写体8は、回転可能な無端状のベルトで構成されており、駆動ローラ11、2次転写対向ローラ12、テンションローラ13間に張架(支持)されている(以下、3本合わせて「張架ローラ」と称する場合がある)。そして、中間転写体8は、モータ(不図示)が接続された駆動ローラ11の駆動によって図1に示す矢印方向(図1では反時計方向)に回転(移動)される。図1に示すように、この中間転写体8の回転方向に沿って、4つの画像形成部が並設されている。
駆動ローラ11には、中間転写体8を駆動するために表層に高摩擦のゴム層が設けられており、このゴム層は体積抵抗率が10Ωcm以下の導電性を有する。
2次転写対向ローラ12は、中間転写体8を介して2次転写ローラ15と2次転写部(2次転写ニップ)を形成している(2次転写ローラ15は中間転写体8に当接するように
配置され中間転写体8との間で2次転写部を形成する)。
2次転写対向ローラ12には、表層にゴム層が設けられており、このゴム層は体積抵抗率が10Ωcm以下の導電性を有する。
テンションローラ13は金属ローラからなり、総圧約60Nの張力を中間転写体8に付与し、中間転写体8に従動して回転する。駆動ローラ11及び2次転写対向ローラ12は、電気的に絶縁されている。テンションローラ13には中間転写体バイアス電源20が接続されている。
2次転写ローラ15は、体積抵抗率が10〜10Ωcm、ゴム硬度が30°(アスカーC硬度計)の弾性ローラを用いた。また、2次転写ローラ15は、中間転写体8を介して2次転写対向ローラ12に対し、総圧約39.2Nで押圧される。また、2次転写ローラ15は、中間転写体8の回転に伴い、従動して回転する。また、2次転写ローラ15には、2次転写バイアス電源(高圧電源)19が接続されており、−2.0〜+5.0kVの電圧が印加可能となっている。2次転写ローラ15は転写部材に相当し、2次転写ローラ15及び2次転写バイアス電源19は、2次転写手段に相当する。
中間転写体8の外側(外周側)には、中間転写体8表面に残った2次転写残トナーを除去して回収するベルトクリーニング装置75が設置されている。また、2次転写対向ローラ12と2次転写ローラ15とが当接する2次転写部よりも記録材Pの搬送方向下流側には、定着ローラ17aと加圧ローラ17bを有する定着装置17が設置されている。
次に、本実施例の画像形成装置による画像形成動作について説明する。
画像形成動作開始信号が発せられると、カセット(不図示)から記録材が一枚ずつ送り出され、レジストローラ(不図示)まで搬送される。その時、レジストローラ(不図示)は停止しており、記録材の先端は2次転写部の直前で待機している。
一方、各画像形成部1では、画像形成動作開始信号が発せられると、所定のプロセススピードで回転駆動される各感光ドラム2は、それぞれ帯電器3によって一様に、負極性に帯電される。
そして、露光装置7は、ホストコンピュータ(不図示)から入力されるカラー色分解された画像信号をレーザ出力部(不図示)にて光信号にそれぞれ変換し、変換された光信号であるレーザ光を、帯電された感光ドラム2上に走査露光して静電潜像を形成する。
そして、先ず感光ドラム2a上に形成された静電潜像に、感光ドラム2aの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4aによりイエローのトナーを付着させて、トナー像として可視像化(現像)する。
感光ドラム2の(表面)電位は、帯電器により帯電された後の電位が−450V、露光装置7により露光された後の電位(画像部)が−100Vとなるよう帯電量、露光量が設定され、現像バイアスは−300Vと設定されている。また、プロセススピードは60mm/secとされ、記録材搬送方向と垂直方向の長さである画像形成幅は215mmと設定されている。さらに、画像ベタ部の感光ドラム上のトナー量は0.4mg/cm、感光ドラム上トナー帯電量は−40μC/gとなるよう設定されている。
このイエロートナー像は、1次転写部にて、中間転写体8上に1次転写される。ここで、各感光ドラム2に対向して、各感光ドラム2からトナー像が転写される転写部分、又は、転写される位置を、1次転写部とする。この1次転写部は、各感光ドラム2と中間転写体8との間に形成されるもので、複数の感光ドラム2に対応する形で中間転写体8上に複数設けられている。
イエロートナー像が転写された中間転写体8の領域(転写部分)は、中間転写体8の回転移動に伴い、画像形成部1b側に移動する。そして、画像形成部1bにおいても、前記同様にして感光ドラム2bに形成されたマゼンタトナー像が、中間転写体8上のイエロー
トナー像上に重なり合うようにして転写される。
同様に、中間転写体8上に重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー像上に、画像形成部1c、1dの感光ドラム2c、2dでそれぞれ形成されたシアン、ブラックのトナー像が順次重ね合わされ、フルカラーのトナー像が中間転写体8上に形成される。
そして、中間転写体8上のフルカラーのトナー像先端が2次転写部に移動するタイミングに合わせて、レジストローラにより記録材が2次転写部に搬送される。
そして、2次転写部において、トナーの極性と逆極性(正極性)の2次転写バイアスが印加された2次転写ローラ15によりフルカラーのトナー像が記録材に一括して2次転写される。
フルカラーのトナー像が形成された記録材は定着装置17に搬送され、定着ローラ17aと加圧ローラ17b間の定着ニップ部で、フルカラーのトナー像が加熱、加圧されて記録材P表面に熱定着される。その後、フルカラーのトナー像が定着された記録材Pは、画像形成装置外部に排出され、一連の画像形成動作が終了する。
なお、上記した各1次転写時において、各感光ドラム2上に残留している1次転写残トナーは、それぞれ現像装置4にて回収される。本実施例の画像形成部には、1次転写残トナーを回収する専用の回収部材(ドラムクリーニング装置)が設けられていない。
また、2次転写後に中間転写体8上に残った2次転写残トナーは、ベルトクリーニング装置75によって中間転写体8上から除去される。
本実施例は、各感光ドラム2から中間転写体8にトナー像を転写する1次転写を、1次転写ローラを用いずに行うことを特徴とする。
そして、中間転写体8は、導電性を有し、中間転写体バイアス電源20から電圧が印加されて全周にわたって一定の電位となることで、各1次転写部で各感光ドラム2から中間転写体8にトナー像が1次転写されるように構成されている。換言すると、中間転写体バイアス電源20から中間転写体8に供給された電流が中間転写体8の周方向に流れることで、各1次転写部で各感光ドラム2から中間転写体8にトナー像が1次転写されるように構成されている。
以下に、本実施例の中間転写体8に用いるベルトの特性を説明するために、ベルトの周方向抵抗の定義と測定方法について説明する。
本実施例の中間転写体8は、厚み100μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂にカーボンを分散させて電気抵抗を調整したものを基層としている。尚、使用される樹脂は、ポリイミド(PI)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネートでもよい。また、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等でもよい。
次に、ベルトの製造方法について説明する。
本実施例では、ベルトの製造方法として、インフレーション成形法による製造方法を用いている。基材となるPPSと、導電体粉であるカーボンブラックなどの配合成分を二軸混練機により溶融混練する。得られた混練物を環状ダイスによって押出し成形することによりベルトを製造している。
本実施例では、導電体粉としてカーボンブラックを用いている。中間転写体8の電気抵抗値を調節するために混合する添加剤は特に制限されるものではない。例えば、抵抗を調整する導電性フィラーとしてはカーボンブラックや各種の導電性金属酸化物等がある。非フィラー系抵抗調整剤としては、各種金属塩やグリコール類等の低分子量のイオン導電材やエーテル結合や水酸基等を分子内に含んだ帯電防止樹脂又は電子導電性を示す有機高分子化合物等である。
添加するカーボン量を増やすとベルトは低抵抗化するが、増やしすぎるとベルト自体の
強度が不足し、割れやすくなってくる。本実施例では、ベルト強度が画像形成装置に使用できるように、ベルトを低抵抗化している。
本実施例の中間転写ベルトのヤング率は3000MPa程度である。ヤング率の測定は、JIS−K7127の引張弾性率測定方法に準拠し、測定試料の厚みは100μmとした。
表1に、基体に対するカーボン量の相対比率を変更したベルトを示す。
Figure 0006116132
表1には、添加したカーボン量と表層コート層の有無を示している。例えば、ベルトBはベルトAに対してカーボン量が1.5倍、ベルトCはベルトAに対してカーボン量が2倍であることを示している。また、ベルトA、ベルトB、ベルトCには表層を設けており、ベルトD、ベルトEは単層のベルトである。ベルトBとベルトDのカーボン量の相対比率は同じで、ベルトCとベルトEのカーボン量の相対比率も同じである。
表面コート層は高抵抗のアクリル樹脂で、成形したエンドレスベルトの表面に紫外線硬化樹脂をスプレーコーティングし、乾燥後、紫外線照射により硬化させて形成している。コート層は厚すぎると、割れやすくなるため0.5〜3μmの範囲となるよう塗布量を調整する必要がある。
また、比較用のベルトとしてカーボン量の相対比率を変えて、抵抗調整したポリイミドの比較例ベルトを製作した。比較例ベルトは、カーボン量の相対比率が0.5であり、体積抵抗率も1010〜1011Ωcmである。この比較例ベルトは、中間転写体に採用されるベルトとしては一般的な抵抗値を有するベルトである。
本実施例では、低抵抗化したベルトの抵抗値を図2で示す方法で測定している。図2は、低抵抗化したベルトの抵抗値を測定する方法について説明するための図である。
図2(a)に示す構成では、次のような電流を検知している。それは、高圧電源(測定用電源)31から外面ローラ32(第1金属ローラ)に一定電圧(測定用電圧)を印加した時に、画像形成部1dの感光ドラムの替りに組込んだ外面ローラ33(第2金属ローラ)に繋いだ電流計(電流検知手段)へ流れる電流である。ここで、外面ローラ33は、中間転写体8の回転方向で外面ローラ32から離れた位置で中間転写体8に接触している。
この検知した電流値から、外面ローラ32が接触する位置から外面ローラ33が接触する位置の間の中間転写体8の電気抵抗を求める方法を用いている。
即ち、この方法によって中間転写体8の周方向(回転方向)に流れる電流を測定し、その測定した電流値で測定用電圧を割ることで、中間転写体(ベルト)8の周方向の抵抗値を算出している。この時、中間転写体8以外の抵抗の影響を無くすため、外面ローラ32、33は金属(アルミニウム)のみからなるものを用いている。また、1次転写対向ローラ34は、電気的に絶縁されている。
本実施例では、外面ローラ32の当接部−外面ローラ33間の距離は、図2(a)において、中間転写体上面側が370mm、中間転写体下面側が420mmである。
以上の測定方法で、印加電圧を変更してベルトA〜Eの抵抗値を測定した結果が図3で
ある。この測定方法では中間転写体(ベルト)の回転方向である周方向の抵抗値を測定している。よって、本実施例では、この測定方法で測定した中間転写体8の抵抗値を周方向抵抗[Ω]と称している。
ここで、全てのベルトで印加電圧を上げていくと抵抗が少しずつ低下していく傾向があるが、これは樹脂にカーボンを分散したベルトの特徴である。
尚、図2(b)に示す構成は、図2(a)に示す構成に対して、電流計の位置のみを変えている。この時の抵抗測定結果は、図3とほぼ同じ結果であり、本実施例の測定方法は、電流計の位置によって変動しないことがわかる。
ベルトA〜Eでは、図2で示す方法で抵抗測定を行うことができるが、比較例ベルトでは抵抗測定を行うことができなかった。
これは、比較例ベルトは、図4に比較例として示すような、各1次転写ローラ5に夫々電圧電源が接続された構成の画像形成装置で使用されるベルトであるからである。すなわち、比較例ベルトは、隣り合う電圧電源が中間転写体を介してお互いに流れ込む電流によって影響を受けないように(干渉しないように)、中間転写体の体積抵抗、表面抵抗が高く設計されているためである。
比較例ベルトは、各1次転写ローラ5に電圧を印加しても各1次転写部間で干渉しない程度の抵抗を持つベルトであり、周方向に電流が流れにくい性能を持つベルトとして設計されている。本実施例では、比較例ベルトのようなベルトを高抵抗ベルト、ベルトA〜Eのような周方向に電流が流れるベルトを導電性ベルトと定義する。
本実施例で、中間転写体8として使用できるベルトは、上記周方向抵抗で10〜10Ω(10Ω以上10Ω以下)である。さらに、小サイズの記録材の2次転写性を高めるためには、基層の外面に高抵抗コート層のあるものが好ましい。これは、2次転写部の長手方向で通紙(搬送)領域と非通紙領域の電流差を少なくするためである。
次に、上記周方向抵抗が10〜10Ωである中間転写体8の表面電位について説明する。
図5(a)に中間転写体8の表面電位の測定方法を示している。図中では4つの表面電位計で、4箇所の電位測定をしている。尚、図中の37は測定用の1次転写対向金属ローラである。表面電位計36b及び測定プローブ35bは画像形成部1aの1次転写対向金属ローラ37の電位を測定している。測定器はトレック・ジャパン株式会社製表面電位計MODEL344を使用した。金属ローラは中間転写体8の内面(内周面)と同電位となるため、本方法で中間転写体8の内面電位を測定することができる。同じく、表面電位計36c及び測定プローブ35cは画像形成部1dの1次転写対向金属ローラ37の電位により中間転写体8の内面の電位を測定している。
また、表面電位計36d及び測定プローブ35dは駆動ローラ11に対向するように配設されることで中間転写体8の外面(外周面)の電位を測定している。また、表面電位計36a及び測定プローブ35aはテンションローラ13に対向するように配設されることで中間転写体8の外面電位を測定している。
そして、中間転写体バイアス電源20よりテンションローラ13に所定の定電圧が印加されている。
本測定方法で中間転写体8の電位を測定したところ、測定箇所による差はほぼ無く、ベルト電位は中間転写体8のどこでもほぼ同電位であり、中間転写体バイアス電源20から出力された電圧とほぼ同じとなることがわかった。中間転写体バイアス電源20からの出力電圧が200Vであれば、各表面電位計で測定される値はほぼ200Vであり、出力電圧が400Vであれば、各表面電位計で測定される値はほぼ400Vである。つまり本実施例で用いたベルトは、ある程度抵抗値を持つものの、周方向に導電性を有するベルトと考えて差し支えない。
よって、中間転写体バイアス電源20の電圧出力が、そのまま各1次転写部の中間転写体8の電位となり、この電位と感光ドラム表面電位による転写電界により、各感光ドラム2から中間転写体8へのトナー像の転写が行われる。
本実施例の条件で、感光ドラム2上に現像されたトナーを1次転写するのに必要な中間転写体電位を検討すると、200V以上であり、300V以上であれば、より良好であることがわかった。そこで、本実施例における中間転写体バイアス電源20の出力電圧を300Vにすることとした。
また、記録材として上質紙(坪量75g/m)を用いた場合に、2次転写するのに必要な2次転写電圧を検討すると、1.2kV以上であった。そこで、本実施例における2次転写バイアス電源19の出力電圧を1.5kVとした。
以上のような条件で画像形成を行った場合、1次転写、2次転写ともに問題なく、良好な画像が得られた。
本実施例の画像形成装置において、中間転写体バイアス電源20からの電圧出力を300Vとして、次のように再転写トナー量の測定を行った。
すなわち、画像形成部1bにてマゼンタベタ画像を形成して、中間転写体8上に転写されたマゼンタベタ画像が、画像形成部1cのトナー像が形成されていない非画像部を通過したときに、感光ドラム2cに再転写されたトナー量を測定した。すると、再転写トナー量は、0.0004mg/cmであり、再転写トナー量としては十分少なく、混色も問題とならないレベルであった。このときの画像形成部1cは第2トナー像形成部に相当する。
一方、図4に示す従来例の画像形成装置において、各1次転写バイアス電源9a、9b、9c、9dからの電圧出力を300Vとして、次のように再転写トナー量の測定を行った。すなわち、画像形成部1bにてマゼンタベタ画像を形成して、画像形成部1cの感光ドラム2cへの再転写トナー量を測定した。すると、再転写トナー量は、0.0043mg/cmであった。
つまり、本実施例のような画像形成部にドラムクリーニング装置がなく、現像装置で1次転写残トナーと再転写トナーを回収する画像形成装置であっても、中間転写体を導電性のベルトで構成することで、次のような効果を得ることができる。
すなわち、導電性を有する中間転写体(ベルト)を適用することで、ベルトの回転方向上流の画像形成部で形成された画像による再転写トナー量を大きく減少させることができるので、下流の画像形成部の現像装置に回収される他色トナーによる混色を抑制できる。
従来例において再転写トナー量が多くなるのは、ニップ部での放電により、中間転写体上のトナーが逆極性(正極性)に反転してしまい、1次転写電界により感光ドラム側に再転写してしまうためである。
以下に、本実施例のような導電ベルトを備えた画像形成装置において、画像形成時に発生する再転写トナー量が減少するメカニズムについて説明する。
先に述べたように、中間転写体8に導電ベルトを用いた場合、ベルトに電圧を印加すると、ベルトの全周にわたってほぼ同じ電位となる。このため、中間転写体バイアス電源20からの電圧出力を+300Vとすると、感光ドラム2cの1次転写部であるニップ部、及び、このニップ部の上流のプレニップ部のベルト表面電位は+300Vである。ただし、ベルト表面には画像形成部1bにおいてマゼンタトナー(負極性帯電)によるベタ画像が載っているため、トナー表面電位はほぼ+250Vとなる。
一方、感光ドラム2c表面の電位は、非画像部は帯電電位そのままであるあるため、−450Vとなっている。この電位−450Vの非画像部と、ベルト表面における電位+250Vのトナー表面が、感光ドラム2cのプレニップ部で微小距離をもって接近対向する
と、次のようなタイミングで、両者間(第2の間)で放電が開始される。すなわち、両者間の電位差(250−(−450)=+700V)及び距離が放電開始閾値を越えた時点(放電閾値以上の時点)で、両者間で放電が開始される。また、感光ドラム2の非画像部と、ベルト表面との間(第1の間)においても、両者間の電位差及び距離が放電開始閾値を越えた時点(放電閾値以上の時点)で、両者間で放電が開始される。
この時、正極性側であるトナー表面には、放電により負極性電荷が降り注ぐため、トナーは通常のトナー帯電量(負極性)よりも大きな帯電量(負極性)を持つようになる。また、負極性側である感光ドラム2c表面には、放電により正極性電荷が降り注ぐため、光露光されたのと同じような状態になり、表面電位が低くなる(0V側にシフト)。
プレニップ部で以上のような現象を経た表面同士が、感光ドラム2cの回転と、中間転写体8の移動により、ニップ部で接触する。このときの両表面間の電位差は、放電開始前より小さくなっているため、プレニップ部放電が起きない場合と比較して、ニップ内部での放電は起きたとしても非常に弱いものとなる。
さらにトナーは、プレニップ部放電によりトナー帯電量がアップしているため、ニップ部放電により逆極性電荷を浴びても、帯電極性が反転しにくい状態となっている。
本実施例のような構成では、以上の2つの理由から、ニップ部放電によるトナーの帯電極性反転が起きにくくなっているため、再転写トナー量が抑制されると考えられる。
以上説明したように、本実施例では、導電性を有する中間転写体を適用することにより、上流で中間転写体に形成されたトナー像が下流の非画像部に進入する際、ニップ部よりも上流(プレニップ部)で放電させることができる。これにより、中間転写体上のトナーは、負極性電荷を浴びるので、通常のトナー帯電量(負極性)よりも大きな帯電量(負極性)を持つことができる。また、感光ドラム表面の非画像部は、放電により正極性電荷が降り注ぐので、表面電位が低下することとなる。
これにより、ニップ内放電が起きにくい状態になり、起きたとしても強度が弱くなる。このトナーの帯電量の増加と、ニップ内放電の強度低下により、中間転写体上のトナーは正極性に反転しにくくなるため、再転写トナーが大きく減少することとなる。これにより、現像部に回収される他色の再転写トナー量を減少させることができ、混色の発生を低減することが可能となる。
ここで、本実施例では、全ての画像形成部において、ドラムクリーニング装置を備えていない画像形成装置について説明したが、これに限るものではない。すなわち、図5(b)に示す画像形成装置のように、一部の画像形成部にドラムクリーニング装置が設けられていない構成であっても良い。
すなわち、4つの画像形成部のうち最上流に配置された画像形成部1a(第1トナー像形成部)を除いた残りの画像形成部のうち少なくともいずれか1つの画像形成部において、ドラムクリーニング装置が設けられていない構成であればよい。この画像形成部において、上述のように電位差が設定されることで、再転写トナー量を抑制することが可能となる。
また、2次転写ローラ15に供給される電圧は、2次転写性能が十分発揮できるのであれば、定電圧制御、定電流制御及び両制御の併用のうちの何れの制御を適用しても良い。
さらに、ベルトは、PPSにカーボンを添加して導電性を持たせているが、これに限るものではなく、他の樹脂や金属等でも本実施例で説明したベルトと同等の導電性を有するものであれば、本実施例と同様の効果を期待することができる。
また、本実施例では、単層及び2層のベルトについて説明したが、弾性層を設けるなどした3層以上のベルトを適用した場合であっても上述した周方向抵抗を有するものであれば、本実施例と同様の効果を得ることができる。また、本実施例では、2層のベルトは、基層を成形した後、コートすることで製造しているが、一体成型する等、周方向抵抗が上述の条件を満たしていれば製造方法はこれに限るものではない。また、多層構造とした場
合であっても、上述のように、表層の抵抗値が他の層の抵抗値よりも高くなるように構成されるものであるとよい。
〈実施例2〉
図6は、実施例2の電子写真方式のタンデム型フルカラー画像形成装置の一例を示す概略断面図である。なお、本実施例においては、実施例1に対して異なる構成部分について述べることとし、実施例1と同様の構成部分については、その説明を省略する。
本実施例では、実施例1に対して、ドラムクリーニング装置6a、6d、及び、トナー逆極性帯電部材21が設けられ、ベルトクリーニング装置75がない点が異なっている。トナー逆極性帯電部材21は、2次転写部よりも中間転写体8の回転方向の下流側で、中間転写体8を介して2次転写対向ローラ12に対向して設置されている(トナー逆極性帯電部材21は、画像形成部1aよりも上流側に設置されている)。
トナー逆極性帯電部材21には、10〜10Ωcmの導電性を有するナイロン製の繊維が略密となるように構成されたブラシを用いている。ブラシ先端位置は、中間転写体8の表面に対して、侵入量が1.0mmとなるように設定されている。ブラシの長手方向(中間転写体8の表面の移動方向と交差する方向)の長さは、中間転写体8上の画像形成可能領域の同方向の幅と略同じである。このように、トナー逆極性帯電部材21は、中間転写体8の移動に伴って中間転写体8の表面を摺擦する。
トナー逆極性帯電部材21は、トナー逆極性帯電バイアス電源22(−2.0kV〜+2.0kV)に接続され、2次転写残トナーを、トナーの正規帯電極性(負極性)とは逆極性(正極性)に帯電するため、トナーとは逆極性(正極性)の電圧が印加されている。
2次転写残トナーはトナー逆極性帯電部材21を通過する際、トナー逆極性帯電バイアス電源22によりトナーとは逆極性(正極性)に帯電される。逆極性に帯電した2次転写残トナーは、中間転写体8の移動に伴い、画像形成部1aの感光ドラム2aの1次転写部に運ばれる。
再転写トナーの場合と同じメカニズムにより、2次転写残トナーは、感光ドラム2aの(1次転写)プレニップ部での放電により負極性電荷を浴びることとなる。しかし、トナー逆極性帯電部材21により正極性の十分な電荷を受けているため、負極性への反転には至らず、1次転写電界により中間転写体8から感光ドラム2aへ転写したのち、ドラムクリーニング装置6aにて除去・回収される。
なお、ブラック単色モードでは、画像形成部1dのみが画像形成動作し、画像形成部1dのみが中間転写体8に接触するので、2次転写残トナーは感光ドラム2dへ転写したのち、ドラムクリーニング装置6dにて除去・回収される。単色モードで動作する画像形成部1dは、複数のトナー像形成部のうち前記第1トナー像形成部及び前記第2トナー像形成部を除いた残りのトナー像形成部のうちいずれか1つの第3トナー像形成部に相当する。
このように、ドラムクリーニング装置6a、6dはそれぞれ画像形成部1a、1dに設けられている。ドラムクリーニング装置6a、6dは、トナー逆極性帯電バイアス電源22によりトナーとは逆極性に帯電されることで中間転写体8から画像形成部1a、1dの各感光ドラムに転写される2次転写残トナー、及び、各感光ドラム上の1次転写残トナーを回収する。
本実施例においても、実施例1同様、中間転写体バイアス電源20からの電圧出力を300Vとして、次のように再転写トナー量の測定を行った。すなわち、画像形成部1bにてマゼンタベタ画像を形成して、中間転写体8上に転写されたマゼンタベタ画像が、画像形成部1cの非画像部を通過したときに、感光ドラム2cに再転写されたトナー量を測定した。すると、再転写トナー量は、本実施例においても、0.0004mg/cmであ
り、再転写トナー量としては十分少なく、混色も問題とならないレベルであった。
本実施例においては、トナー逆極性帯電部材21としてブラシを用いたが、これに限定されるものではなく、残留トナーを所望の極性に帯電できるものであればローラや、ブラシとローラの組合せ等でもよい。
〈実施例3〉
図7は、実施例3の電子写真方式のタンデム型フルカラー画像形成装置の一例を示す概略断面図である。なお、本実施例においては、実施例1に対して異なる構成部分について述べることとし、実施例1と同様の構成部分については、その説明を省略する。
本実施例は、実施例1に対して、中間転写体8への電流供給方向が異なっている。本実施例においては、2次転写手段としての2次転写ローラ15から中間転写体8へ電流供給を行い、1次転写を行う構成としている。このように、本実施例では、2次転写手段が中間転写体8への電流供給手段(電圧印加手段)を兼ねている。
また、中間転写体8の各張架ローラ11、12、13は1GΩの抵抗素子を介して接地されている。駆動ローラ11、2次転写対向ローラ12の各ゴム層の抵抗は、1GΩに比べて十分小さいため、電気的影響を無視することができる。
本実施例では、中間転写体8のベルトとして、実施例1において説明した、周方向抵抗が10〜10Ωのものを使用している。
図8(a)は、本実施例において、2次転写ローラ15から中間転写体8を流れる電流を模式的に示す図である。図8(a)に実線で示す矢印Xは、2次転写バイアス電源19から2次転写ローラ15と中間転写体8を経て、感光ドラム2方向へ電流が流れていることを示している。このような、1次転写部での転写電界の形成と電流の流れにより、1次転写部でのトナー像の移動が行われる。図8(a)に破線で示す矢印Yは、2次転写バイアス電源19から2次転写ローラ15と中間転写体8を経て、張架ローラ11、12、13、抵抗へと流れる電流を示しており、抵抗値が低いときに多く流れる。
本実施例の画像形成装置において、2次転写ローラ15に電圧印加した場合の中間転写体表面電位を、図5(a)と同じ手法で測定すると、どの場所の数値もほぼ同じとなった。よって、各画像形成部1での感光ドラム2と中間転写体8の電位差は略同等であるため、各感光ドラム2へ流れる電流も略同等となる。ただし、各画像形成部1の感光ドラム2の感光層は、厚みのばらつきなどにより、静電容量がばらつくと、各感光ドラム2へ流れる電流が多少ばらつくこともある。本実施例では、感光層の厚みが初期から通紙耐久後で10〜20μmの範囲であった。
本実施例の画像形成装置において、2次転写ローラ15に1.5kVを印加した場合の中間転写体表面電位は、300V以上となった。そして画像形成を行ったところ、1次転写、2次転写ともに問題なく、良好な画像を得ることができた。
この構成条件で、画像形成部1bにおいてマゼンタトナーによるベタ画像を形成・転写し、画像形成部1cの感光ドラム2c上への再転写トナー量を測定したところ0.0003mg/cmであった。これは、再転写トナー量としては十分少なく、混色も問題とならないレベルであった。
ここで、1次転写部と2次転写部が十分離れている場合、必要であれば、1次転写時は1次転写に最適な転写電圧を2次転写ローラ15に印加してもよい。1次転写が終了し2次転写のタイミングになったら2次転写に最適な転写電圧に切り替えることも可能である。
また、張架ローラ(支持部材)11、12、13に接続する抵抗体は、一つの抵抗体であっても良い。一つの抵抗体にすることで、抵抗体の数を削減可能であり、また共通の抵抗体を通して接地されるので中間転写体8の表面電位を等電位に維持し易くなる効果がある。図8(b)は各張架ローラを1つの抵抗体で接地した場合を示す図である。
〈実施例4〉
図9(a)は、実施例4の電子写真方式のタンデム型フルカラー画像形成装置の一例を示す概略断面図である。なお、本実施例においては、実施例3に対して異なる構成部分について述べることとし、実施例3と同様の構成部分については、その説明を省略する。
本実施例は、実施例3に対して、張架ローラがツェナーダイオードを介して接地されている点が異なっている。本実施例においても、2次転写手段としての2次転写ローラ15から中間転写体8へ電流供給を行い、1次転写を行う構成としている。
実施例3のように、張架ローラが抵抗素子を介して接地された画像形成装置において、2次転写バイアス電源19の出力電圧が同じ場合、中間転写体8の表面電位は、1次転写を単独で実施する時と、1次転写を2次転写と同時に実施する時とでは、若干異なる。
これは、2次転写部に記録材が存在するため、記録材部分で電圧降下を起こすためである。また、記録材においても、厚みの薄いものから厚いものまで様々な種類が存在し、厚みや素材の違いにより、電圧降下の大きさも異なるため、中間転写体8の表面電位が変化する。
このため、実施例3のような画像形成装置においては、2次転写バイアス電源19からの出力電圧が同じであっても、記録材の有無や記録材の種類により、中間転写体8の表面電位が変化する。
ここで、1次転写は、感光ドラム2の表面電位と、中間転写体8の表面電位との電位差による電界によって行われるものである。よって、中間転写体8の表面電位が変動すると、転写電界が変化し、1次転写性が変動する結果、1次転写の安定性を損ねる可能性がある。
しかし、本実施例のように、張架ローラをツェナーダイオードのような定電圧素子を介して接地した場合、中間転写体8の電位が所定の値を越えると、定電圧素子を介して電流が流れ、中間転写体8の電位は所定の値(予め設定された電位)に保持される。そのため、2次転写バイアス電源19の出力を、中間転写体8の電位が、常に定電圧素子の閾値を越えるように設定することにより、中間転写体8の電位を一定にすることが可能となり、1次転写性を安定化することができる。
よって本実施例において、閾値300Vのツェナーダイオードを用いて、実施例3のように、2次転写ローラ15に1.5kVを印加した場合の中間転写体表面電位を、図5(a)と同じ手法で測定すると、どの場所の数値もほぼ同じ300Vとなった。そして、画像形成を行ったところ、1次転写、2次転写ともに問題なく、良好な画像を得ることができた。
この構成条件で、画像形成部1bにおいてマゼンタトナーによるベタ画像を形成・転写し、画像形成部1cの感光ドラム2c上への再転写トナー量を測定したところ0.0004mg/cmであった。これは、再転写トナー量としては十分少なく、混色も問題とならないレベルであった。
図9(b)、10(a)、10(b)は他の構成例である。図9(b)では、各張架ローラを一つのツェナーダイオードを介して接地している。図10(a)では、各張架ローラをバリスタを介してそれぞれ接地している。図10(b)では、各張架ローラを一つのバリスタを介して接地している。
図11は、定電圧素子(例えば、ツェナーダイオードやバリスタ等である)を接続した場合の2次転写電圧と中間転写体8電位の関係を示す図である。図11の1点鎖線(横線)は、ツェナー電位又はバリスタ電位である。張架ローラの接続素子が抵抗素子だけの場合は、2次転写電圧を大きくするとベルト電位も上昇していた(図11の点線)。しかし、ツェナーダイオード又はバリスタの場合、ツェナー電位又はバリスタ電位を超えると電
流が流れて、ツェナー電位又はバリスタ電位を保つ特性を持つ(図11の実線)。したがって、2次転写電圧を上げても、ツェナー電位又はバリスタ電位以上にベルト電位が上昇することはないため、2次転写電圧は設定範囲が広くなり、2次転写電圧設定の自由度が大きくなる。
このように構成することで、1次転写性を安定させつつ、2次転写電圧の設定を1次転写と独立に最適化することができる。これは、ツェナー電位又はバリスタ電位で1次転写のための中間転写ベルトの表面電位を決定できるので、2次転写電圧の設定の幅が広がるためである。
〈実施例5〉
以下に、実施例5について説明する。なお、本実施例においては、実施例1に対して異なる構成部分について述べることとし、実施例1と同様の構成部分については、その説明を省略する。
実施例1では、感光ドラム2a、2b、2c、2dの帯電電位(非画像部の帯電電位)はほぼ同電位で−450Vあった。これに対して、本実施例においては、感光ドラム2aで−420V、感光ドラム2bで−450V、感光ドラム2cで−480V、感光ドラム2dで−510Vと、それぞれ異なるように設定されている。
このように、中間転写体8の回転方向の上流から下流に向けて、感光ドラム2の帯電電位を負側に大きくしていくのは、次のような理由による。
上流から下流に向けて、画像に応じてトナー像を中間転写体8上に重ねていくと、トナーは負極性に帯電しているため、トナー量が多いほど、トナー表面電位は中間転写体8の表面電位300Vよりも小さくなっていく(ゼロ方向へ)。すると、感光ドラム2と中間転写体8との(1次転写)プレニップ部での、感光ドラム2の非画像領域電位と中間転写体8上のトナーの表面電位との電位差が小さくなっていく。このため、放電が弱くなり、中間転写体8上のトナー表面への負電荷の降り注ぎが弱まり、トナー帯電量の負極性側へのシフトが小さくなってしまい、感光ドラム2の非画像領域への再転写が起きやすくなることが懸念される。
そこで、本実施例では、下流に位置する感光ドラム2の表面電位ほど、負極性側に大きくしている(絶対値が大きくなるように設定されている)。このことで、下流の感光ドラム2の(1次転写)プレニップ部での放電をより強くすることができ、トナーの再転写を少なくすることができる。
この構成条件で、画像形成部1bにおいてマゼンタトナーによるベタ画像を形成・転写し、画像形成部1cの感光ドラム2c上への再転写トナー量を測定したところ0.0003mg/cmであった。これは、再転写トナー量としては十分少なく、混色も問題とならないレベルであった。
上述した実施例1〜5においては、感光ドラム2の帯電装置としてスコロトロン帯電器を用いて説明を行ったが、これに限るものではない。すなわち、感光ドラム2の帯電装置としては感光ドラム2を均一に帯電制御できるものであればよく、例えば、図12に示すように帯電ローラを用いる構成であってもよい。また、実施例1〜5は、可能な限り適宜組み合わせてもよい。
1…画像形成部、2…感光ドラム、4…現像装置、8…中間転写体、20…中間転写体バイアス電源

Claims (9)

  1. トナー像を担持する第1の像担持体と、トナー像を担持する第2の像担持体と、前記第2の像担持体にトナー像を現像する現像手段と、無端状で回転可能であって、前記第1の像担持体と前記第2の像担持体から1次転写されたトナー像を転写材に2次転写するための中間転写体と、前記中間転写体の外周面に接触し前記中間転写体から転写材にトナー像を2次転写する2次転写部材と、前記2次転写部材に電圧を印加する電源と、を有し、
    前記中間転写体の移動方向において前記第2の像担持体は前記第1の像担持体より下流側に位置する画像形成装置において、
    前記現像手段は、前記第2の像担持体に残留したトナーを回収するものであり、
    前記電源から前記2次転写部材に電圧を印加することにより、前記第1の像担持体と前記第2の像担持体から前記中間転写体にトナー像を1次転写させ、前記中間転写体から転写材にトナー像を2次転写させ、
    前記電源が前記2次転写部材から前記中間転写体を介して前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体に電流を流すことによって、前記中間転写体の移動方向における前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体それぞれと前記中間転写体が接触して形成する各接触領域の上流側端部よりも上流側で前記第1の像担持体及び前記第2の像担持体と前記中間転写体の間に放電を発生させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記中間転写体の移動方向において、前記2次転写部材と前記中間転写体の接触領域より下流側で、前記第1の像担持体よりも上流側に設けられ、前記中間転写体上の残留トナーをトナーの正規の帯電極性とは逆極性に帯電する帯電部材と、前記第1の像担持体からトナーを回収する回収部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 複数の張架部材を備え、
    前記中間転写体は、前記複数の張架部材によって内周面が張架される中間転写ベルトであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記複数の張架部材のうちの一つは、前記中間転写ベルトを介して2次転写部材に対向する対向部材であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  5. 前記対向部材には、定電圧素子が接続されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記定電圧素子は、ツェナーダイオード又はバリスタであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 測定用電源から測定用電圧が印加された第1金属ローラを前記中間転写体に接触させ、電流検知手段が接続された第2金属ローラを、前記中間転写体の回転方向で前記第1金属ローラから離れた位置で前記中間転写体に接触させた場合に、
    前記測定用電圧を、前記電流検知手段により検知された電流値で割った値で設定される前記中間転写体の前記回転方向の抵抗値が、
    10Ω以上10Ω以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記中間転写体は、多層構造であり、表層の抵抗値が他の層の抵抗値よりも高いことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 画像形成時における前記第2像担持体上の非画像部の電位の絶対値が、画像形成時における前記第1像担持体上の非画像部の電位の絶対値より大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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