JP6112237B1 - 調光フィルム及び調光フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マルチドメインIPS方式、マルチドメインFFS方式による調光フィルムにおいて、調光フィルム越しに風景を目視した場合の、風景等が2重像により見て取られないようにする。【解決手段】第1及び第2の積層体13及び12により液晶層14を挟持し、前記液晶層14に係る液晶分子14Aの配向を制御して透過光を制御する調光フィルム10において、前記第1の積層体13には、線状電極22Bが設けられ、前記線状電極22Bによる横電界により前記液晶分子14Aの配向を制御し、前記線状電極22Bが三角波形状により蛇行して形成されてマルチドメインが形成され、線状電極22Bの延長方向に任意に選択した少なくとも10mmの範囲において、連続する1対のドメインの長さPが、前記線状電極22Bの延長方向で、ランダムに変化するように前記線状電極22Bが作製された。【選択図】図4

Description

本発明は、乗用車の窓等に貼り付けて外来光の透過を制御する調光フィルムに関する。
従来、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する調光フィルムに関する工夫が種々に提案されている(特許文献1、2)。このような調光フィルムの1つに、液晶を利用したものがある。この液晶を利用した調光フィルムは、透明電極を作製した透明フィルム材により液晶材料を挟持して液晶セルが作製され、この液晶セルを直線偏光板により挟持して作成される。これによりこの調光フィルムでは、液晶に印加する電界の可変により液晶の配向を可変して外来光を遮光したり透過したりし、さらには透過光量を可変したりし、これらにより外来光の透過を制御する。
この液晶セルの駆動には、液晶表示パネルについて提案されている種々の駆動方法を適用することができ、具体的には、例えばTN(Twisted Nematic)方式、IPS(In−Place−Switching)方式、VA(Virtical Alignment)方式等の駆動方式を適用することができる。しかしながら調光フィルムでは、例えば窓ガラスに貼り付けて種々の方向より見て取られる特長がある。これにより視野角依存性の少ないIPS方式により駆動することが好ましいと考えられる。
このIPS方式は、液晶層を挟持する1対の基材のうちの一方の基材に駆動用の電極をまとめて作製して、この電極により基材表面の面内方向の電界であるいわゆる横電界を形成して液晶の配向を制御する駆動方式である。IPS方式は、例えば櫛歯形状による1対の電極を入れ子により配置して横電界を作製する。またIPS方式の1つであるFFS(フリンジフィールドスイッチング)方式は、透過率を高くすることができる。このFFS方式では、基材の全面に、透明電極を作製した後、絶縁層を間に挟んで一定のピッチにより線状電極を作製し、この全面の透明電極と線状電極との間で発生する横電界により液晶の配向を制御する。
このようなIPS方式による液晶表示装置に関して、特許文献3には、反射部を備えた半透過型の液晶表示装置において、画素内における反射板の凹凸パターンと電極パターンとの周期に起因したモアレ縞、虹色光を低減する工夫が提案されている。
IPS方式又はFFS方式による液晶表示パネルにおいて、電界の印加により全ての液晶分子を1方向(同一方向)に回転させると、観察する方向によって黄色又は青色に各画素が色付いて見える問題がある。これを回避するため、これらの方式による液晶表示パネルでは、線状電極を周期的に折り曲げて、電界の印加による液晶分子の回転方向が逆向きである2つのドメインを作成し、この2つのドイメインで見え方を平均化して色付き現象を緩和する方法が提案されており、これらはマルチドメインIPS方式、マルチドメインFFS方式と称されている。これにより調光フィルムにおいても、マルチドメインIPS方式、マルチドメインFFS方式により駆動することが考えられる。
ところで図8に示すように、窓に調光フィルム1を貼り付けて外来光の透過を制御する場合、ユーザー2は、調光フィルム越しに風景等を目視することになる。マルチドメインIPS方式による調光フィルム、マルチドメインFFS方式による調光フィルムでは、このように調光フィルム越しに風景を目視した場合に、2つのドメインのリターデーションの違いによる回折現象により、風景等が2重像により見て取られる問題がある。
特開平03−47392号公報 特開平08−184243号公報 特開2009−8288号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、IPS方式、FFS方式による調光フィルムにおいて、調光フィルム越しに風景を目視した場合に、風景等が2重像により見て取られないようにすることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、IPS方式及びFFS方式に係る線状電極に関して、マルチドメイン化に係る規則性を緩和する、又はドメインのピッチを一定値以上の長さにする、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 第1及び第2の積層体により液晶層を挟持し、前記液晶層に係る液晶分子の配向を制御して透過光を制御する調光フィルムにおいて、
前記第1の積層体には、線状電極が設けられ、前記線状電極による横電界により前記液晶分子の配向を制御し、
前記線状電極が三角波形状により蛇行して形成されてマルチドメインが形成され、
前記線状電極の延長方向に任意に選択した少なくとも10mmの範囲において、連続する1対のドメインの長さが、前記線状電極の延長方向で、ランダムに変化するように前記線状電極が作製された調光フィルム。
(1)によれば、マルチドメイン化に係る線状電極の延長方向に係る規則性を緩和することができることにより、風景等が2重像により見て取られないようにすることができる。
(2) (1)において、
前記線状電極は、
前記1対のドメインの長さに係る標準偏差(σ)が30μm以上200μm以下である調光フィルム。
(2)によれば、より具体的構成により、規則性を緩和して特定空間周波数成分の風景等が2重像により見て取られないようにすることができる。
(3) 第1及び第2の積層体により液晶層を挟持し、前記液晶層に係る液晶分子の配向を制御して透過光を制御する調光フィルムにおいて、
前記第1の積層体には、線状電極が設けられ、前記線状電極による横電界により前記液晶分子の配向を制御し、
前記線状電極が三角波形状により蛇行して形成されてマルチドメインが形成され、ドメインのピッチが1mm以上5mm以下である調光フィルム。
(3)によれば、線状電極に係る繰り返し構造により作製される2重像の距離が、人間の眼の解像限界以下となることにより、風景等が2重像により見て取られないようにすることができる。
(4) (1)〜(3)の何れかにおいて、
FFS方式により、前記線状電極で前記横電界を形成する調光フィルム。
(5) (1)〜(3)の何れかにおいて、
IPS方式により、前記線状電極で前記横電界を形成する調光フィルム。
(4)、(5)によれば、FFS方式、IPS方式において、風景等が2重像により見て取られないようにすることができる。
(6) 透明フィルム材による基材に少なくとも線状電極、配向層を順次作製して第1の積層体を作製する第1の積層体作製工程と、
透明フィルム材による基材に配向層を作製して第2の積層体を作製する第2の積層体作製工程と、
液晶層を間に挟んで前記第1及び第2の積層体を積層して液晶セルを作製する積層工程とを備え、
前記第1の積層体作製工程は、
前記線状電極を三角波形状により蛇行させてマルチドメインを形成し、
前記線状電極の延長方向に任意に選択した少なくとも10mmの範囲において、連続する1対のドメインの長さが、前記線状電極の延長方向で、ランダムに変化するように前記線状電極を作製する調光フィルムの製造方法。
(6)によれば、マルチドメイン化に係る線状電極の延長方向に係る規則性を緩和することができることにより、調光フィルム越しに風景を目視した場合に、風景等が2重像により見て取られないようにすることができる。
(7) 透明フィルム材による基材に少なくとも線状電極、配向層を順次作製して第1の積層体を作製する第1の積層体作製工程と、
透明フィルム材による基材に配向層を作製して第2の積層体を作製する第2の積層体作製工程と、
液晶層を間に挟んで前記第1及び第2の積層体を積層して液晶セルを作製する積層工程とを備え、
前記第1の積層体作製工程は、
前記線状電極を三角波形状により蛇行させてマルチドメインを形成し、ドメインのピッチを1mm以上5mm以下に前記線状電極を作製する調光フィルムの製造方法。
(7)によれば、線状電極に係る繰り返し構造により作製される2重像の距離が、人間の眼の解像限界以下となることにより、風景等が2重像により見て取られないようにすることができる。
本発明によれば、マルチドメインIPS方式、マルチドメインFFS方式による調光フィルムにおいて、調光フィルム越しに風景を目視した場合に、風景等が2重像により見て取られないようにすることができる。
本発明の第1実施形態に係る調光フィルムを示す団断面図である。 図1の調光フィルムにおける下側積層体を示す図である。 マルチドメインの説明に供する平面図である。 図2の線状電極の詳細を示す平面図である。 調光フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 図5の製造工程における上側積層体作製工程を示すフローチャートである。 図5の製造工程における下側積層体作製工程を示すフローチャートである。 風景等の2重像の説明に供する図である。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。この調光フィルム10は、フィルム形状により形成される。この調光フィルム10は、液晶を利用して透過光を制御する調光フィルムであり、それぞれフィルム形状の第1及び第2の積層体である下側積層体13及び上側積層体12により液晶材料を挟持して液晶セル15が作製され、この液晶セル15を直線偏光板16、17により挟持して作成される。ここで液晶セル15は、FFS方式により液晶層14に係る液晶分子14Aを駆動する横電界方式の液晶セルであり、直線偏光板16、17がクロスニコル配置により配置される。これにより下側積層体13は、基材21Aの全面に、FFS方式に係る透明電極22Aが形成され、絶縁層23を間に挟んで透明の線状電極22Bが形成され、続いて配向層24Aが設けられる。また上側積層体12は、基材21Bに配向層24Bが設けられる。
調光フィルム10には、液晶層14の厚みを一定に保持するためのスペーサー24が上側積層体12及び又は下側積層体13に設けられる。直線偏光板16、17は、それぞれ液晶セル15側に光学補償に供する位相差フィルム18、19が設けられる。なお位相差フィルム18、19は、必要に応じて省略してもよい。これによりこの調光フィルム10は、電極22A、22B間の印加電圧の可変により、液晶層14に係る液晶分子14Aの配向方向を可変して入射光の透過を制御し、例えば透過状態と遮光状態とで状態を切り替えるように構成される。なお調光フィルム10は、直線偏光板16及び又は17の液晶セル15とは逆側の面に、ハードコート層等による保護層が設けられる。
基材21A、21Bは、液晶セル15に適用可能な可撓性を有する各種の透明フィルム材を適用することができ、この実施形態では、両面にハードコート層が作製されてなるポリカーボネート等によるフィルム材が適用される。電極22A、22Bは、透明と知覚される種々の構成を広く適用することができ、この実施形態では、透明電極材であるITO(Indium Tin Oxide)による透明導電膜を基材21Aの全面に作製して電極22Aが作製される。また同様にして基材21Aの全面にITOによる透明導電膜を作製した後、パターニングして線状電極22Bが作製される。
絶縁層23は、この種の液晶セルに適用可能な各種の透明絶縁材料を適用することができ、各種の無機材料、有機材料を適用することができる。
配向層24A、24Bは、ポリイミド等の配向層に適用可能な各種材料層が適用され、この材料層の表面にラビングロールを使用したラビング処理により微細なライン状凹凸形状を作製して形成される。なおこのようなラビング処理による配向層に代えて、ラビング処理により作製した微細なライン状凹凸形状を賦型処理により作製して配向層を作製してもよく、また光配向層により作製してもよい。
液晶層14には、この種の調光フィルムに適用される各種の液晶材料を広く適用することができる。
スペーサー24は、各種の樹脂材料を広く適用することができるものの、この実施形態ではフォトレジストにより作製される。なお液晶セル15は、液晶層14を囲む枠形状によりシール剤25が配置され、このシール剤25により液晶層14に係る液晶の漏出が防止され、さらには上側積層体12及び下側積層体13が一体に保持される。ここでシール剤25は、液晶の漏出を防止すると共に、上側積層体12及び下側積層体13を一体に保持可能な種々の材料を適用することができるものの、この実施形態では、例えばエポキシ樹脂剤による熱硬化型樹脂やアクリル樹脂剤による紫外線硬化樹脂、熱及び紫外線で硬化する硬化樹脂等が適用される。
直線偏光板16、17は、いわゆるシート・ポラライザーであり、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等を含浸させた後、延伸して偏光子としての光学的機能を果たす光学機能層が形成され、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルム材による基材により光学機能層を挟持して作製される。
〔電極〕
図2は、下側積層体13における電極22A、22Bを示す図である。この実施形態において、基材21A側の電極22Aは、基材21Aの全面に形成され、図示しない電源供給ラインにより駆動用の電源が供給される。さらに下側積層体13は、この電極22Aの全面を覆うように絶縁層23が形成される。下側積層体13は、例えば基材21Aの長辺に沿って延長するように、基材21Aの端部に線状電極22Bへの電源供給ライン22BAが形成される。ここで電源供給ライン22BAは、抵抗値の小さな金属材料膜等により形成される。下側積層体13は、この電源供給ライン22BAからこの電源供給ライン22BAと直交する方向に延長するように線状電極22Bが一定の間隔により形成される。
これにより調光フィルム10では、全面の電極22Aと線状電極22Bとの間で形成される電界により液晶層14に係る液晶分子14Aの配向を制御して透過光を制御する。なお基材21A側の電極22Aにあっても、線状電極22Bと同様に電源供給ラインを設けて駆動用電源を供給しても良い。また線状電極22Bの電源供給ラインは、電源供給ライン22BAに加えて、他方の側の長辺に沿って配置するようにしてもよく、さらには一定のピッチにより3本以上配置してもよく、また当然に短辺に沿って延長するように作製してもよい。
さらにこの実施形態においては、電極22Bは、このように短辺に沿って延長するように作製されて、この延長する方向に三角波形状により蛇行するようにして形成され、これにより2ドメインによるマルチドメインにより液晶分子を駆動する。
図3は、この線状電極22Bを拡大して、この線状電極22Bの蛇行に係る構成を詳細に示す平面図である。線状電極22Bは、線状電極22Bの延長方向に対して斜めに傾くようにして、この斜めに傾く方向が一定のピッチで交互に切り替わるように形成され、これにより三角波形状により蛇行するように形成される。これにより調光フィルム10は、線状電極22Bの駆動により、矢印Aにより示すように、液晶分子14Aを反時計方向に回転させたり、矢印Bにより示すように、液晶分子14Aを時計方向に回転させたりし、連続するドメインにおける液晶分子14Aの回転の向きを異ならせるようにする。これにより調光フィルム10では、このように液晶分子14Aの回転方向が異なる2つのドメインにおける見え方を平均値化し、視野角の変化による色付きの現象を緩和する。
このように一定のピッチで傾きの向きを切り替えるようにして、図4に示すように、調光フィルム10では、傾きの切り替わりの1周期に係るピッチP1、P2、P3が、このピッチに係る1対のドメインの連続でランダムに変化するように形成される。これにより調光フィルム10ではマルチドメインの作製に係る線状電極の蛇行に係る規則性が緩和され、これにより風景等が2重像により見て取られる現象を有効に回避する。
すなわちこのように傾きの向きを切り替えて三角波形状により蛇行するように線状電極22Bを作製する場合にあって、このピッチを一定値に設定すると、この蛇行に係る繰り返し構造による回折現象により特定の風景が2重像により見て取られるようになる。
しかしながらこの実施形態のように、傾きの切り替わりの1周期に係るピッチP1、P2、P3を1対のドメインの連続でランダムに変化させて、蛇行に係る規則性を緩和すれば、風景が2重像により見て取られる現象を有効に回避することができる。
より具体的に、調光フィルム10では、このピッチP1、P2、P3の1周期に係る1対のドメインでは、各ドメインの長さが等しくなるように線状電極22Bを作製する。すなわち図4においては、ピッチP1A及びP1B、ピッチP2A及びP2B、ピッチP3A及びP3Bがそれぞれ等しくなるように線状電極22Bを作製する。これにより調光フィルム10では、繰り返しの規則性を緩和する場合でも、対を成す連続する2つのドメインにおける見え方を確実に平均値化して視野角の変化による色付きの現象を緩和する。
調光フィルム10において、線状電極22Bは、ピッチP1、P2、P3の平均値が100μm以上300μm以下により、より好ましくは平均値が150μm以上200μm以下により作製される。さらに線状電極22Bは、規則性を緩和して風景が2重像により見て取られる現象を充分に回避可能に、1対のドメインの連続において、ピッチP1、P2、P3がランダムに変化することにより、ピッチPがばらつくことになる。ここでこのバラツキは、標準偏差(σ)が30μm以上200μm以下により、より好ましくは60μm以上120μm以下により作製される。またこのようにバラツキを設定して、同一の値によるピッチが連続して局所的に規則性が担保されることが無いように、隣接するピッチの差分絶対値が10μm以下である部位が連続して発生しないように作製される。
線状電極22Bは、このようにして蛇行に係る規則性を緩和するように作製されて、線状電極の延長方向に10mm以上の繰り返しピッチで、同一のパターンが繰り返すように作製され、これによりランダム配置に係るマスクを繰り返し使用したパターニングにより、又はランダム配置に係る局所的なマスクを繰り返し使用して作製された大面積のマスクを使用したパターニングにより作製できるように構成される。
ここでこの線状電極の延長方向に係る同一パターンの繰り返しピッチは、このピッチが小さいと線状電極の規則性を充分に緩和できないことにより2重像が観察されることになる。しかしながらこの同一パターンの繰り返しピッチを余りに大きくすると、線状電極のパターニングに供するマスクの作製が煩雑になる。これによりこの同一パターンの繰り返しピッチは、10mm以上100mm以下に設定され、より好ましくは20mm以上50mm以下に設定される。
これによりこの実施形態において、線状電極22Bの延長方向に任意に選択した少なくとも10mmの範囲において、連続する1対のドメインの長さに係るピッチが、連続するドメインでランダムに設定されていることになる。
〔製造工程〕
図5は、調光フィルムの製造工程の説明に供するフローチャートである。調光フィルムの製造工程は、上側積層体作製工程SP2及び下側積層体作製工程SP3において、それぞれ上側積層体12及び下側積層体13が作製される。また積層工程SP4において、液晶層14を間に挟んで、上側積層体12及び下側積層体13を積層した後、シール剤25により一体化して液晶セルが作製される。調光フィルムの製造工程は、このようにして作製した液晶セルを直線偏光板と積層一体化して調光フィルムが作製される。
図6は、上側積層体作製工程SP2を詳細に示すフローチャートである。この上側積層体作製工程SP2(SP11)においては、配向層作製工程SP12において、基材21Bに配向層24Bに係る塗工液が塗工されて乾燥、硬化されることにより、配向層24Bの材料層が形成される。この製造工程は、ラビングロールを使用したラビング処理により、配向層材料層の表面に微細なライン状凹凸形状が作製されて配向層24Bが作製され、これにより上側積層体12が作製される。
図7は、下側積層体作製工程SP3を詳細に示すフローチャートである。この下側積層体作製工程SP3(SP21)においては、電極作製工程SP22において、基材21Aの全面に、スパッタリングによりITOによる透明電極22Aが作製される。続いてこの製造工程は、絶縁層作製工程SP23において、絶縁層23が作製される。なおこの絶縁層作製工程は、絶縁層23に適用する材料に応じて例えば塗工液の塗工、乾燥、硬化により絶縁層23が作製される。
続いてこの製造工程は、電極作製工程SP24において、線状電極22Bが作製される。より具体的に、この電極作製工程SP24においては、金属層作製工程SP24−1において、スパッタリング装置を使用したスパッタリングにより、基材21Aの全面に、線状電極22Bに係る金属材料を堆積して金属層26が作製される。また続くパターンニング工程SP24−2におけるパターンニングにより、線状電極22Bが作製される。この実施形態では、このパターング工程におけるパターニングにより線状電極22Bに係る規則性が緩和される。
このようにして線状電極22Bを作製すると、この製造工程は、スペーサー作製工程SP25において、全面にフォトレジストを塗工して乾燥させた後、マスクを使用した露光処理、現像処理によりスペーサー24を作製する。
続いて配向層作製工程SP26において、配向層24Aに係る塗工液を塗工して乾燥、硬化することにより、配向層24Aの材料層が形成される。この製造工程は、ラビングロールを使用したラビング処理により、この配向層材料層の表面に微細なライン状凹凸形状が作製されて配向層24Aが作製され、これにより下側積層体13が作製される。
以上の構成によれば、線状電極による1対のドメインの長さをランダムに設定することにより、ドメインの規則性を緩和して、風景等が2重像により見て取られないようにすることができる。
〔第2実施形態〕
この実施形態においては、第1実施形態と同様にしてマルチドメイン方式により駆動するようにして、ドメインのピッチを1mm以上とすることにより、風景等が2重像により見て取られないようにする。この実施形態では、このドメインに係る構成が異なる点を除いて、第1実施形態と同一に構成される。
すなわちこの実施形態では、ドメインを一定のピッチにより作製するようにし、これにより規則的にドメインを作製する。またこのように規則的にドメインを作製するようにして、ドメインのピッチ(図4において、符号P1、P2、P3により表される繰り返しのピッチである)を1mm以上とする。
すなわち風景等の2重像は、ドメイン構造に係る規則性による回折現象によるものであり、この回折現象による0次光、1次光により作製されるものと考えられる。回折格子において、この0次光、1次光による集光位置の間隔Dにあっては、回折格子の周期構造に係るピッチをpとおき、回折格子から像点までの鉛直距離をLと置くと、D=λL/pにより表される。ここでλは波長である。これにより周期構造に係るピッチpを大きくすると、0次光、1次光による回折像間の距離Dが小さくなることが判る。
ここでこのピッチpが300μm程度の場合、はっきりと2重像を確認することができるものの、ピッチpが500μm程度になると、2重像を視認し難くなり、ピッチpが1mm以上となると実用上十分に2重像間の距離を、人間の眼の解像限界以下とすることができ、これにより風景等が2重像により見て取られないようにすることができる。なおこのピッチpにあっては、好ましくは2mm以上であることが望ましいものの、ピッチpが余りに大きくなるとマルチドメインにより視野角の変化による色付き現象を緩和させる効果を充分に確保することが困難になる。
これによりピッチpは、1mm以上5mm以下、好ましくは2mm以上4以下であることが望ましい。
この実施形態では、ドメインのピッチを1mm以上5mm以下に設定するようにしても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔第3実施形態〕
この実施形態では、IPS方式による横電界により液晶分子を駆動する。この実施形態では、この横電界の作製方法に関する電極の構成が異なる点を除いて、第1実施形態及び第2実施形態と同一に構成される。
このためこの実施形態では、下側積層体に係る透明フィルム材による基材の全面に、スパッタリングによりITOによる透明電極材料が作製された後、この透明電極材料のパターニングにより、線状電極を順次配列してなる第1及び第2の櫛歯状電極が、入れ子により配置され、この線状電極間の電界により横電界が作製される。
この実施形態では、この第1及び第2の櫛歯状電極に係る線状電極が、第1実施形態について上述した線状電極と同様に、ランダムな電極幅の設定により、及び又はランダムな電極間間隔の設定により作製される。また延長方向に三角波形状に蛇行するように作製されてマルチドメイン化され、連続する1対のドメインに係るピッチが、第1実施形態と同様にランダムに設定される。またこれに代えて第2実施形態におけるマルチドメインの設定と同一に作製される。
この実施形態のようにIPS方式による駆動に適用しても、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を組み合わせ、さらには上述の実施形態を種々に変更することができる。
1、10 調光フィルム
2 ユーザー
12 上側積層体
13 下側積層体
14 液晶層
14A 液晶分子
15 液晶セル
16、17 直線偏光板
18、19 位相差フィルム
21A、21B 基材
22A 電極
22B 線状電極
22BA電源供給ライン
23 絶縁層
24A、24B 配向層
25 シール剤

Claims (5)

  1. 第1及び第2の積層体により液晶層を挟持し、前記液晶層に係る液晶分子の配向を制御して透過光を制御する調光フィルムにおいて、
    前記第1の積層体には、線状電極が設けられ、前記線状電極による横電界により前記液晶分子の配向を制御し、
    前記線状電極が三角波形状により蛇行して形成されてマルチドメインが形成され、前記線状電極の延長方向に任意に選択した少なくとも10mmの範囲において、連続する1対のドメインの長さが、前記線状電極の延長方向で、ランダムに変化するように前記線状電極が作製された
    調光フィルム。
  2. 前記線状電極は、
    前記1対のドメインの長さに係る標準偏差(σ)が30μm以上200μm以下である
    請求項1に記載の調光フィルム。
  3. FFS方式により、前記線状電極で前記横電界を形成する
    請求項1または2に記載の調光フィルム。
  4. IPS方式により、前記線状電極で前記横電界を形成する
    請求項1または2に記載の調光フィルム。
  5. 透明フィルム材による基材に少なくとも線状電極、配向層を順次作製して第1の積層体を作製する第1の積層体作製工程と、
    透明フィルム材による基材に配向層を作製して第2の積層体を作製する第2の積層体作製工程と、
    液晶層を間に挟んで前記第1及び第2の積層体を積層して液晶セルを作製する積層工程とを備え、
    前記第1の積層体作製工程は、
    前記線状電極を三角波形状により蛇行させてマルチドメインを形成し、
    前記線状電極の延長方向に任意に選択した少なくとも10mmの範囲において、連続する1対のドメインの長さが、前記線状電極の延長方向で、ランダムに変化するように前記線状電極を作製する
    調光フィルムの製造方法。


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