JP6110380B2 - クロマトグラフィ保持指標を利用した化学的同定 - Google Patents

クロマトグラフィ保持指標を利用した化学的同定 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許出願第61/515,722号(2011年8月5日出願)及び同第61/647,299号(2012年5月15日出願)の優先権を主張するものであり、これらを本明細書に参照のために援用する。
本明細書では、未知の化合物の同定に関する技術、及び特に、但し限定的にではなく、ガスクロマトグラフィ及び質量分析によって未知の化合物を同定する方法及びシステムに関する技術を提供する。
現在、標準マススペクトルライブラリを使用した未知の化合物の同定は、スペクトルの一致の質のみに基づいている。ライブラリをプレスクリーニングして、一致候補のセットを含むライブラリのサブセットを選択する場合、従来のプレスクリーニング手法では、分光特性に基づいて行う。しかしながらこの方法では、プレスクリーニングされた候補のリスト中に、適切な化合物が含まれない場合がある。更に、クロマトグラフィ条件下で一致しなかった多数の化合物がプレスクリーニングされた候補のセットに含まれるため、正確な同定が更に困難となる。従って、未知の化合物を同定する精密なGC−MSシステムや幅広いデータベースが利用できたとしても、当技術分野においては、より確実な、及び/又は効率的な未知の化合物の同定が必要である。
従って、本明細書では、未知の化合物の同定に関する技術、及び特に、但し限定的にではなく、保持時間に関する保持指標を、従来の標準参照ライブラリから一致する候補スペクトルの適切なリストを選択するための、最初のプレスクリーニングとして利用し、ガスクロマトグラフィ及び質量分析によって未知の化合物を同定する方法及びシステムに関する技術を提供する。推定保持指標は、マススペクトル品質(又は質量分光法が利用されていない場合はその他の特性)に加え、最終的な一致スコアを決定する上での基準として利用される。ライブラリ化合物の保持指標を予測することにより、より品質の高い初期検索リスト、及び、より確実な同定がもたらされる。これにより、保持時間による同定を可能とする、又は確実にするために、標準的又は分析後の実験を追加して行う必要がなくなる。更に、予測保持指標を利用することにより、未知の同定の品質が高まる。
いくつかの実施形態では、関連する保持指標又はその他の保持時間指標を有する化合物のデータベース又はライブラリを作成するための、方法及びシステムを提供する。いくつかの実施形態では、データベース又はライブラリのエントリには、実験ではなくモデリングによって作成された、保持時間に関する保持指標を有する化合物が含まれている。いくつかの実施形態では、このような指標は、化合物の仮想分析、及び仮想分析に基づいて予測された、保持指標の割り当てによって決定される。いくつかの実施形態において、仮想分析には、a)化合物(例えば、−CH,−CH−など)から個々の原子又は化学基及びそれらの結合を選択するステップと、b)(例えば実験によって決定された)既知の保持データを有する化合物の、同一又は同様の原子又は基を含むトレーニングデータセットに基づき、保持値(例えば係数)を原子又は基に割り当てるステップと、c)個々の原子/基の保持値を合計して、分子の予測保持時間指標を生成するステップとを含む。いくつかの実施形態では、初期の分子の性質を利用して、正確な結果を提供する可能性の最も高そうなトレーニングデータを選択する(例えば、トレーニングセットデータは、クエリ化合物としての化合物の類似の構造又は類似のクラスの分子に基づくものである)。このように、本明細書は、より完全な化合物データベース/ライブラリを提供し、このデータベース/ライブラリは、それらの化合物に関連して実験的に決定された、又は仮想的に決定された保持時間データの何れか又は両方を有する化合物を含んでいる。
いくつかの実施形態では、スクリーニング対象化合物全体を収集したものは、2つ以上の別個のデータベース又はライブラリに存在する。いくつかの実施形態では、2つ以上の別個のデータベース又はライブラリの個々のメンバは、関連する特性を有する化合物を含んでいる。いくつかの実施形態では、この特性は、化合物に関連する保持指標データの精度である(例えば、第1データベースは正確なデータを有することで知られる化合物を含む可能性があり、第2データベースは精度の低いデータを有することで知られる、又は有すると予測される化合物を含む可能性がある)。いくつかの実施形態において、特性は、化合物の構造的な分類(例えば、有機、無機、アルカン、アルキル、芳香性、アリールなど)である。いくつかの実施形態では、特性は化合物の機能的な用途(例えば、溶剤、兵器剤、毒素など)である。
いくつかの実施形態では、未知の化合物の正確かつ効率的な同定を可能とする方法及びシステムを提供する。いくつかの実施形態では、2つ以上の既知の化合物を使用して、保持指標曲線を作成する。推定保持指標(例えば、推定Kovats保持指標、すなわちEKRI)は、未知の化合物の保持時間(RT)の測定及び測定RTのKRI曲線の傾きとの関連付けによって算出する。
いくつかの実施形態では、EKRIをデータベース又はライブラリ内における分子のサブセットの選択に使用する。例えば、いくつかの実施形態では、EKRIの特定の範囲(例えば20KRI単位)における一定のライブラリ内の任意の化合物を、更なる分析の候補として選択する。いくつかの実施形態では、使用する窓を所望通りに変化させ、窓は、ライブラリ内のデータの精度(例えば、高度に正確なライブラリをクエリする場合、より小さな窓を使用する)、ライブラリ内の化合物の性質などを含むが、これらに限定されない要因に基づき、ライブラリによって変化させることができる。候補のサブセットは、一度選択すると、その他の収集情報と比較し、未知の化合物の測定特徴と最も一致するライブラリ内の化合物を同定する。例えば、いくつかの実施形態では、未知の化合物から決定した種々のマススペクトルの特徴を、化合物の候補サブセットの対応する特徴と比較し、最大の一致を選択することによって未知の化合物を同定する。
いくつかの実施形態では、本方法を実行する必要のある化合物を全て一つの装置に収容する。例えば、GC−MS機器は、既知の化合物のデータベース及び本明細書における任意の方法に記載したデータを分析するように構成される、プロセッサ及び/又はソフトウェアを備えることができる。あるいは、別の装置に一つ又は複数の機能を設け、この装置を、GC−MS機器の近くか、又は離して設置することができる。例えば、データベース及び/又はデータ分析コンポーネントを、GC−MS機器から離れた場所にあるコンピュータに設けてもよい。データは、GC−MSとコンピュータとの間で、通信ネットワーク(例えば、確実な無線通信ネットワークなど)によって送信する。
従って、いくつかの実施形態において、この技術は、ガスクロマトグラフィ質量分析(GC−MS)を使用して未知の化合物を同定する方法を提供し、この方法は、標準化合物の原子構造に基づいて標準化合物の予測保持指標を推定するステップと、予測保持指標を標準化合物に割り当てるステップとを含んでいる。いくつかの実施形態では、標準化合物の原子構造に基づいて標準化合物の予測保持指標を推定する方法は、標準化合物の各原子の原子タイプ及び結合タイプを決定するステップと、データベースから参照化合物を選択するステップであって、この参照化合物は既知の保持指標を有し、標準化合物と同じ原子タイプ及び結合タイプから成るステップと、参照化合物の各原子に係数を割り当てるステップであって、この係数は、参照化合物の既知の保持指標への原子の寄与を特徴付けるステップと、この係数を使用して標準化合物の保持指標を推定するステップとを含む。いくつかの実施形態において、この方法は、データベースから複数の参照化合物を選択してトレーニングセットを提供するステップを含み、トレーニングセットの各化合物は既知の保持指標を有し、標準化合物と同じ原子タイプ及び結合タイプから成る。いくつかの実施形態において、係数を割り当てるステップは、マトリックスを構築するステップを含む。特にいくつかの実施形態において、マトリックスの列は原子タイプに対応し、マトリックスの行はデータベースからの化合物に対応し、化合物は既知の保持指標を有し、標準化合物と同じ原子タイプと同じ結合タイプから成る。
いくつかの実施形態において、この方法は、推定保持指標の精度を決定するステップを含んでいる。いくつかの実施形態において、この精度は、例えば、推定保持指標の精度を利用してデータベースを分類し、推定保持指標の精度を利用してデータベースを分割、又は、検索窓を提供するために利用する。
更に、本明細書で提供する技術の実施形態は、GC−MSによって分析される未知の化合物の保持指標を推定するステップを含む。いくつかの実施形態において、GC−MSによって分析される未知の化合物の保持指標を推定するステップは、未知の化合物の保持時間を測定するステップと、保持時間と保持指標の間の既知の関係を使用して、未知の化合物の保持時間を未知の化合物の保持指標に変換するステップとを含む。いくつかの実施形態において、この方法は、未知の化合物の保持指標を利用してデータベースから標準化合物を予め選択し、未知の化合物を標準化合物と一致させるステップを更に含む。
従って、本技術の一態様は、GC−MSを使用して未知の化合物を同定する方法に関するものであり、本方法は、各化合物の原子構造に基づいて、標準ライブラリの化合物の保持指標を推定するステップと、未知の化合物のGC−MS保持時間及び保持時間と保持指標の既知の関係を使用して、未知の化合物の保持指標を推定するステップと、未知の化合物のために推定した保持指標を使用して、次の一致同定のために、標準ライブラリからライブラリ化合物のサブセットを予め選択するステップとを含む。
更に、記載する本技術は、GC−MSを使用して未知の化合物を同定するシステムに使用することができ、このシステムは、GC−MS装置と、標準化合物のデータベースと、上述の方法の内の一つの実施形態を実行するように構成されるプロセッサとを備える。いくつかの実施形態では、GC−MS装置は標準化合物のデータベースから離れて設置される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、保持指標によってインデックスされた標準化合物のライブラリを提供するように構成され、いくつかの実施形態では、プロセッサは標準化合物のデータベースからサブライブラリを選択するように構成される。いくつかの実施形態では、標準化合物のデータベースは2つ以上のサブライブラリに分割される。
更なる実施形態は、本明細書に含まれる教示に基づき、関連する技術分野の当事者にとって明白であろう。例えば、本明細書に記載する方法は、GC−MS分析の使用に限定されるものではないと理解されたい。種々のクロマトグラフィ又はその他の分析技術は、本明細書に記載する技術の一つ又は複数の態様を利用することができる。
本技術のこれらの特徴、その他の特徴、態様、及び利点は、以下の図面を参照してより良く理解できるであろう。
第1のGC−MS機器を使用して決定した、26の化合物の、NISTライブラリのKRI及びEKRIのプロットを比較した図である。 第2のGC−MS機器を使用して決定した、26の化合物の、NISTライブラのKRI及びEKRIのプロットを比較した図である。 図1及び図2で参照する2つの機器を使用して決定した、26の化合物の、2つのEKRIのプロットを比較した図である。
本明細書は、未知の化合物の特定に関する技術、及び特に、但し限定的にではなく、従来のMS標準参照ライブラリから、一致する候補スペクトルの適切なリストを選択するために、最初のプレスクリーニングとして、測定保持時間に基づいて算出したKRIを使用し、ガスクロマトグラフィ及び質量分析によって未知の化合物を同定する方法及びシステムに関する技術を提供する。推定KRIは、マススペクトルの品質(又は、質量分光法が使用されていない場合には他の特性)に加え、最終的な一致スコアを決定する上での一つの基準として使用る。ライブラリ化合物のKRI又は保持時間を予測することによって、より高品質な初期検索リスト、及びより信頼性の高い同定がもたらされる。これにより、標準の実験、又は分析後の実験を更に行い、RTによって同定を可能にする、又は確認する必要がなくなる。更に、予測KRIの利用によって同定の品質が向上する。
(定義)
明細書及び請求項において、他に別段の定めがない限り、以下の用語は本明細書に示す意味を有する。本明細書で使用する「一実施形態において」という言い回しは、必ずしも同じ実施形態のことを言及しているわけではない。更に、本明細書で使用する「別の実施形態において」という言い回しは、必ずしも別の実施形態のことを言及しているわけではない。従って以下の様に、本発明の種々の実施形態は、本発明の趣旨から逸脱することなく、容易に組み合わせることが可能である。
更に、本明細書で使用する「or」という用語は、包括的「or」演算子であり、本明細書に別段の定めがない限り、「及び/又は」に相当する。「〜に基づき」という用語は、本明細書に別段の定めがない限り、排他的なものではなく、記載されていない別の要因に基づくものであってもよい。更に、明細書全体を通して、「a」、「an」及び「the」は、複数の指示対称を含む。「in」は、「in」及び「on」を含む。
本明細書で使用する「Kovats保持指標」(KRI)は、ガスクロマトグラフィにおける化学物質の保持時間の特別な予測変数のことである。KRIはガスクロマトグラフィにおける未知化合物の同定に使用される。化合物のKRIは、その保持時間(それがカラム内で費やす時間の量)に関連し、試料分析の条件、例えば、カラムのタイプ、液相、流量、温度プログラムなどの状態に特有のものである。
本明細書で使用する「化学化合物」すなわち「化合物」は、化学反応によってより単純な物質に分離することのできる、一つ又は複数の異なる化学元素から成る、純粋な化学物質である。化学化合物は、特有の、及び定義された化学構造を有し、化学結合によって特定された空間配置に保持される、固定比率の原子から成る。化学化合物は、共有結合によって結合した分子化合物(「分子」)、イオン結合によって結合した塩、金属結合によって結合した金属間化合物、又は配位共有結合によって結合した複合体であってもよい。本明細書で使用するような純粋な化学元素は、例え単一の元素の複数の原子のみを含む分子(例えばH,Sなど)から構成されていても、化学化合物と考える。
(技術の実施形態)
本明細書における開示は、図示する特定の実施形態に関するものであるが、これらの実施形態は例として示すものであり、制限するものではないと理解されよう。
ガスクロマトグラフィ質量分析(GC−MS)は、ガス/液体クロマトグラフィ及び質量分析の特徴を組み合わせ、試験試料における異なる物質を同定する方法である。この技術において、ガスクロマトグラフ(GC)は異なる化合物に分離するために使用される。この分離された化合物の流れを、質量分析計のイオン源、例えば、電圧を印加する金属フィラメントにオンラインで供給する。このフィラメントは電子を放出し、電子は化合物をイオン化する。イオンを更に断片化して、予測可能なパターンを生成する。無傷イオン及びフラグメントは質量分析計のアナライザを通り、最終的に検出される。GC−MSの用途には、薬物検出、火災調査、環境分析、爆薬調査及び未知の試料の同定がある。GC−MSは飛行場のセキュリティにも使用され、鞄や人間に付着した物質、又は軍事装置内の物質、例えば化学物質及び/又は生物兵器剤、爆弾、噴霧剤及びその他の対象の化学署名の検出にも使用することができる。GC−MSは更に、同定によってすでに分離されたと考えられていた、材料内の微量元素を同定することもできる。
ガスクロマトグラフィ(GC)は、分解されずに気化する可能性のある化合物の分離及び分析に使用する。GCの典型的な使用には、特定の物質の純度の試験、又は混合物における異なる成分の分離がある(このような成分の相対量も決定することができる)。状況においては、GCは化合物の同定を補助することができる。調製用のクロマトグラフィでは、GCを混合物から純粋な化合物の調製を行うために使用することができる。
ガスクロマトグラフィにおいて、移動相はキャリアガスであり、一般には、ヘリウムなどの不活性ガス、又は窒素などの非反応性ガスである。固定相は、カラムと呼ばれるガラス又は金属管内の、不活性固体支持体の微視的な液体層又はポリマーである。ガスクロマトグラフィを行うために使用される機器は、ガスクロマトグラフと呼ばれる。ガス状化合物は、異なる固定相で被覆されたカラムの壁との相互作用によって分析を行う。そうすることによって各化合物は、化合物の保持時間として知られる異なる時間において溶出する。保持時間を比較することにより、GCに分析的な有用性が与えられる。カラムで化合物を分離することにより、予備的な分析及び下流における分析の用途が提供される。
質量分析(MS)は、荷電粒子の質量/電荷比を測定する分析技術である。これは、粒子の質量の決定、試料又は分子の元素組成の決定、及びペプチド及びその他の化学化合物などの分子の化学構造の解明に使用される。MSの原理は、化学化合物のイオン化による荷電分子又は分子フラグメントの生成と、その質量/電荷比の測定とから成る。イオン化されたフラグメントは、分析器において、電磁場により、それらの質量/電荷比に応じて分離され、通常は定量法によってイオンが検出され、マススペクトルが生成される。
分子の精密な構造は1セットのフラグメント質量によって解読されるので、マススペクトルの解釈は、種々の技術を組み合わせて使う必要がある。一般に、未知の化合物を同定する第1の戦略は、その実験的なマススペクトルとマススペクトルライブラリとの比較である。検索において結果が出ない場合、マススペクトルのマニュアル解釈又はソフトウェア支援による解釈が行われる。質量分析中に発生するイオン化及び断片化プロセスのコンピュータによるシミュレーションは、分子に構造を割り当てるための主要なツールである。演繹的な構造をコンピュータシミュレーションで断片化し、それによって生じるパターンを観察するスペクトルと比較する。このようなシミュレーションは通常、既知の分解反応の公表されたパターンを含むフラグメンテーションライブラリによって支持される。この考えを利用したソフトウェアが、小分子及びタンパク質用に開発された。
本明細書では、GC−MSデータと標準化合物のデータベースとの比較に基づいた、未知化合物の同定に関する技術を提供する。特にこの技術は、
1)各化合物の原子構造に基づいて、標準ライブラリの化合物の予測KRIを算出するステップと、
2)i)未知の化合物のGC−MS RTデータと、ii)RTとKRTの既知の関係とを使用して未知の化合物のKRIを算出し、測定RTを予測KRIに変換するステップと、
3)未知の化合物のために算出されたKRIを使用して、次の一致同定のために、ライブラリ化合物のサブセットを事前に選択するステップと
を含む。
以下に、この技術の例示的な態様を更に説明する。
1.標準データベースの化合物におけるKRIの決定
Kovats保持指標(KRI)は、ガスクロマトグラフィにおける化学物質の保持時間の予測変数である。KRIは何十年にもわたり、ガスクロマトグラフィにおける未知の化合物の同定を補助するものとして使用されてきた。化合物のKRIはその保持時間(化合物がカラム内で費やす時間の量)に関連し、例えば、カラムのタイプ、液相、流量、温度プログラムなどの試料分析の条件に特有のものである。KRIは未知の化合物の幅広い同定には使用されてこなかった。
本明細書において実証するように、KRIはGC−MSによる未知の化合物の同定に有用である。保持時間窓を考えると、データベースはKRIに基づいてフィルタ処理することができる。このようなフィルタを使用する一つの利点は、異なる時点において溶出する、同様のマススペクトルを有する化合物を除去することにより、未知の化合物と一致する可能性のある候補の数が低減することである。しかしながらKRIは、未知の化合物の同定に一般的に使用されるデータベースにコンパイルされる化合物全てに対して測定されない。従って本明細書では、化合物の構造からKRIを推定する方法を提供する。
一般に、化学式及び化学構造に基づく汎用マススペクトルにおいて、化合物のKRIの予測にはアルゴリズムが使用される。そして予測されたKRIは、特定の一連の条件、例えば、カラムのタイプ、液相及び温度プログラムに対して、ライブラリ化合物の保持時間を推定するために使用される。GC−MSを用いた未知の化合物の相対的な同定は、従来マススペクトルのみに基づいて行われてきた。構造又は式に基づいて化合物の保持時間の推定ができることにより、保持時間を主要要素として未知化合物検索基準に含ませることができるようになり、同定の質が大幅に向上した。推定保持時間を参照ライブラリから一致する候補スペクトルの適切なリストを選択するためのプレスクリーニングとして使用する、マススペクトル検索プログラムに、アルゴリズムを組み込む。推定保持時間は、マススペクトルの品質に加え、最終一致スコアを決定するための一つの基準として利用する。
具体的には、KRIの推定には、例えばNISTによる標準データベースによって提供される情報である、分子構造を利用する。分子の構造はその分子成分原子と結合タイプに分解される。各々の原子は、原子数、結合タイプ及び環状か否かを使用してコード化された、個々の変数として表される。既知のKRIを有する同様の化合物のトレーニングセットを使用して、各タイプの原子のKRIへの寄与を、最小2乗フィットを使用して算出する。これらの値は、同じ種類の原子を有する新しい分子に適用される係数に使用する。予測KRIに加え、トレーニングセットの交差検定によって推定精度を決定する。KRIと精度はどちらもライブラリ化合物のフィルタリングに有用である。
この方法を実証するために、以下の化学物質を例として使用する。
化学名 :4−ペンテン−1−オール
CAS :821090
分子式 :C10
分子構造 :C=C−C−C−C−O−H
原子の番号:1 2 3 4 5 6
水素原子を無視すると、原子は6つ(炭素原子5、酸素原子1)ある。各原子は以前記載したコード体系を使用して記録する。
原子(1):60 62
原子(2):60 62 61
原子(3):60 61 61
原子(4):60 61 61
原子(5):60 81 61
原子(6):80 61
原子(1)の最初の値は、その原子が炭素原子(原子番号6)であって、環状でないことを識別する(6の次に0がくる)ものである。次の値は、それが別の炭素原子(ここでも6を使用)と結合し、二重結合である(6の次に2がくる)ことを示すものである。尚、この方法を使用すると、原子(3)と(4)には違いがないことに留意されたい。従って、算出する必要のある係数を有する固有の原子は5つのみである。
5つの固有の変数を使用して、これらの原子から成る、そしてこれらの原子のみから成る、既知のKRIを有するライブラリエントリを次のステップにおいて見つける。既知のKRIを有する化合物の15,005メンバのライブラリの中で、これらの基準を満たすのは7つのエントリである。
1.3−ブテン−1−オール
2.11,13−テトラデカジエン−1−オール
3.9,11−ドデカジエン−1−オール
4.5−ヘキセン−1−オール
5.10−ウンデセン−1−オール
6.9−デセン−1−オール
7.11−ドデセンオール
上述の化合物を使用してマトリックスを構築する。具体的には、この化合物のリストは7×5のマトリックスとなり、このマトリックスにおいて、各行は7つのライブラリエントリの内の一つを表し、各列は固有の5つの原子タイプの内の一つを表す。マトリックスの値は、各化合物が含む各タイプの原子の数である。従って、試験試料である4−ペンテン−1−オールの行は[11211]となる。7つの既知の試料を使用して、各変数の係数を最小二乗最適化を使用して算出する。予測KRIは線型結合である:
KRI=1b1+1b2+2b3+1b4+1b5
この場合、b1,b2,b3,b4及びb5は、上述の様に算出した各タイプの固有原子の係数である。
精度は、leave−one−out交差検定手法を用いて算出する。例えば、トレーニングセットから最初の3−ブテン−1−オールを除去し、残りの6つのエントリを使用して係数を推定する。係数を使用して3−ブテン−1−オールの予測値を算出し、既知の値と比較する。除去と、7つのエントリ各々の予測値の算出とにより、このプロセスを反復する。精度を交差検定エラーの二乗平均平方根として算出する。
いくつかの実施形態において、既知の標準化合物のライブラリ(例えば、NISTによって提供される標準データベース)に収集された全ての化合物に関するKRIを算出する。未知の化合物の一致を同定する上で予想されるエラーに関連する、算出される予測KRIの精度は、ライブラリのサブライブラリへの分類及び分割に使用する。サブライブラリの精度は、窓の幅(例えば、検索のためのKRI値の範囲であり、いくつかの実施形態において、これは、未知の化合物の予測KRI(例えば、保持時間から予測されるもの)を中心にしたもの)の決定にも使用し、この窓の幅は、未知の化合物の予測KRIを、標準データベースの算出されたKRI(例えば、それらの既知の化学構造から予測又は推定されたもの)の範囲(窓内)と比較することにより、未知の化合物をサブライブラリと照合するのに使用する。例えば、一致を同定する際に予想されるエラーが大きい場合、大きな窓を使用し、一致を同定する際に予想されるエラーが小さい場合、小さな窓を使用する。更に、いくつかの実施形態では、ライブラリ又はサブライブラリをKRIによって予め分類し、分類KRIに基づいて指標付きの検索テーブルを作成する。検索テーブル(例えばインデックス)は、サブライブラリの同定、又はサブライブラリ又はライブラリ内のエントリの範囲の選択による、GC−MSデータの一致の同定に使用する。
いくつかの実施形態では、アルゴリズムをフトウェアに実装する。いくつかの実施形態では、ソフトウェアを装置と関連付ける。一態様において、装置はGC−MSを備える装置である。本明細書で提供する技術のいくつかの実施形態は、データの収集、保存及び/又は分析のための機能を更に備えている。例えば、いくつかの実施形態において、装置は、例えば、指示の保存と実行、データの分析、データを使用した算出、データの変換及びデータの保存を行うプロセッサ、メモリ及び/又はデータベースを備えている。いくつかの実施形態において、装置は参照標準データベースを保存し、またいくつかの実施形態では、参照標準データベースは離れて保存される(例えば、リモートコンピュータ、リモートサーバなど)。いくつかの実施形態では、装置はデータの関数を算出するように構成される。いくつかの実施形態では、装置は、医療または臨床結果を報告するように構成されるソフトウェアを備えており、いくつかの実施形態では、装置は非臨床結果を支援するソフトウェアを備えている。
多くの分子試験は、多数の分析物の存在若しくは非存在を決定し、又は量若しくは濃度を測定するステップを含み、複数の分析物の特徴を表す変数を含む方程式は、分析物の存在、品質の診断、又は評価において使用される値を生成する。このように、いくつかの実施形態では、読み取り装置はこの値を算出し、またいくつかの実施形態では、読み取り装置は、この値を装置のユーザに提供し、この値を用いて結果に関連する指標(例えばLED、LCD上のアイコン、音声など)を生成し、この値を保存し、この値を送信し、又は追加の計算にこの値を使用する。
更にいくつかの実施形態では、プロセッサは装置を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサは、測定及びデータ収集の開始及び/又は終了に使用される。いくつかの実施形態では、装置は、プロセッサが測定を指示するために使用される、ユーザ入力を受け取るためのユーザインターフェース(例えば、キーボード、ボタン、ダイアル、スイッチなど)を備えている。いくつかの実施形態では、装置は、データを外部の目的地、例えば、コンピュータ、ディスプレイ、ネットワーク及び/又は外部格納手段に(例えば、有線又は無線接続により)送信するためのデータ出力部を更に備えている。例えばいくつかの実施形態では、システムはイーサネットを介してPC装置と通信し、データのダウンロードを簡単に行うために、内部RFモデム(例えばXBee ZB Proであり、これは、他のベンダーからのZigBeeデバイスとの相互運用性を提供する)が組み込まれている。本技術のいくつかの態様においては、データ通信を暗号化して、通信中に極秘データを保護する。いくつかの実施形態において、装置は、これらの機能及び構成部品を一体化した、小型の携帯式デバイスである。
いくつかの実施形態では、標準データベース及び算出されたKRI値は、GC−MS試験又は装置から離れた場所で保存される。例えば、いくつかの実施形態では、装置は現場における物質の試験に使用され、標準データベースは拠点(例えば、本部又は司令所)で保管される。いくつかの実施形態では、標準データベース及び算出されたKRI値は、GC−MS試験又は装置と関連付けられた機能内(例えば、フラッシュメモリ、ハードディスクなど)に保存される。これらの実施形態では、現場の装置と拠点のコンピュータ施設は相互に(例えば有線又は無線で)通信を行う。
いくつかの実施形態では、KRI予測は、新しい化合物、フラグメント及び原子と関連する新しいデータ及び新しいトレーニングセットの追加に基づいて最適に更新される。いくつかの実施形態では、KRI値は、MSの既知のイオン化学に基づくMSピークの説明に使用される(例えば、予期されていない、又は説明不可能なピークの正当化、不純物の説明、MS分子フラグメントの重量など)。いくつかの実施形態では、MSの操作パラメータは、未知の化合物及びその一致する可能性のある候補のために入手したKRI情報に基づいて変化させる。
2.未知の化合物の予測KRIの算出
従って、本明細書で提供する本技術の一態様は、完全に既知及び未知のマススペクトルのデコンボリューション及び保持指標(例えばKRI)に基づいた、標準参照ライブラリからのスペクトル一致候補のプレスクリーニングに関するものである。一態様において、アルゴリズムを、GC−MSピーク同定、並びに既知及び未知の化合物のマススペクトルのデコンボリューションのソフトウェアプログラムにおいて実行する。このアルゴリズムは、正確な保持時間及び保持時間に応じた原子団の質量(groups masses)を生成する。また、スペクトル分析アルゴリズムを使用して、GC−MSデータから背景ノイズ及び電子ノイズを除去する。これによって化合物同定ルーチンにおけるファルスポジティブの問題が大幅に低減される。更に、高解像度GCの使用により、デコンボリューションされた未知の化合物の保持指標の正確な算出が可能となる。未知の化合物の高度に正確なRIと、参照ライブラリ(例えばNISTデータベース)における化合物のRIとの比較により、化合物の一致の可能性を高い精度で予測することができる。化合物の保持時間(RT)から算出されたRIは、未知の化合物の同定の一次的なプレスクリーニング基準として使用する。これにより、処理及びその後の同定のための、大変優れたリストが生成される。
参照ライブラリの標準四重スペクトルを使用する場合には、一連のルールに従って同定を行う。(例えばNIST及びAMDISによって提供される)既存のGC−MSスペクトルデータベースは、質量分析による未知の化合物の同定に使用される。これらのデータベースのデータは、四重質量分析計で分析された試料から収集されたものである。しかしながら、イオントラップマススペクトルは、四重質量分析計で収集されたスペクトルとは僅かに、又は大幅に異なることがある。従って、優位な四重スペクトルであるマススペクトルライブラリ(例えばNIST,AMDISなど)に対してイオントラップスペクトルを検索する場合、例えば不正確な(例えば低い)確率スコアが返され、すなわち化合物は同定されないなど、しばしば不正確な結果となる。この問題により、同定の信用が下がる、すなわち、正確な化合物の同定が不可能になる。
従って、改善された検索技術は、既知のGC−MS参照ライブラリをイオントラップ及びその他の質量分析技術と共に使用することを提供する。特に、一次検索はKRIの比較に基づくものである。いくつかの態様において、この技術は、GC−MSにおいて、選択された化合物のKRIを決定するために使用される、性能検証標準の使用に関するものである。これらのデータを使用して、従来のガスクロマトグラフのX軸をKRI指標に変換する。性能検証標準の化合物を、未知の化合物のRTをKRIユニットに変換する内部標準として使用する。KRIユニットの窓は、算出されたKRIと参照データベースに基づいて決定し、その窓内から候補を選択する。そしてソフトウェアは、選択されたスペクトル内で共通の質量フラフグメントを探し、各々に確率因子を割り当てる。官能基の分類及び各官能基のMS内における挙動に基づき、選択されたスペクトルの各々においてMS変換を実行する。以下の各官能基から化合物の官能基データを収集し、アルデヒド、ヒドロキシル、アルカン、ケトン、アミン、クロロ含有、ブロモ含有、芳香族、リン含有、窒素含有、硫黄含有、エーテル及びエステル化合物の各群のMS変換特性を決定する。
検索の際に考慮する要因には以下のものが含まれるが、これらに限定されない:
ベーススペクトルピークMS vs. ライブラリ
分子イオンピーク vs. ライブラリ
M+1の存在
二重体及び二重体+1の存在
MS断片化パターン vs. ライブラリ
質量シフト
立ち上がりスペクトル
いくつかの実施形態では、算出されたKRI及び未知の化合物に関する情報(例えば、化学族、相対純度、ソース、アプリケーション(例えば化学兵器の検知)など)を、MSピークを評価する方法の修正に使用する。つまり、いくつかのKRI値において、いくつかのMSピークには、MSデコンボリューションにおいて多少の重み付けがなされており、MS一致の既知の理論上又は経験上のデータに基づく一致が含まれる。
3.ライブラリのプレスクリーニングとしてのEKRI値の利用
いくつかの実施形態では、RTから決定したKRI、算出したKRI内のエラー、未知の化合物の複雑さ、未知の化合物と既知の化合物の関連性及びその他の要因を、使用するサブライブラリの選択に使用する。
EKRI値の使用は以下の例によって実証される。以下の例において、未知化合物の標準の未知化合物ライブラリ(例えば、米国標準技術局のマススペクトルデータベース)の検索では、マススペクトルのみに基づく多くのヒットがある。例えば、被験未知化合物は上位3つのヒットを生成した。
データベースエントリ スコア
アニリン 957
シランジアミン,1,1−ジメチル−N,N’−ジフェニル− 938
ピリジン,4−メチル− 888
スペクトルが類似していることを示す、検索スコアの最小の差異に基づくと、これらの化合物のうちのどれが被験未知化合物の正確な同定であるのかを確認することはできない。ポジティブ同定では、上位ヒットの標準を取得し、未知の試料と全く同じ条件を使用してシステムで実験を行い、確認のために実際の保持時間を決定する必要がある。上述の参照アルゴリズムを使用して、3つの上位ヒットのEKRIを以下の様に推定する:
化合物 EKRI
アニリン 66.52
シランジアミン,1,1−ジメチル−N,N’−ジフェニル− 184.63
ピリジン,4−メチル− 39.03
未知の化合物の測定保持時間は74.94だった。マススペクトル一致スコア及びEKRIを使用し、統合確率検索結果を生成した:
化合物 確率スコア
アニリン 0.96
シランジアミン,1,1−ジメチル−N,N‘−ジフェニル− 0.62
ピリジン,4−メチル− 0.86
これにより、同定は更に信頼性を増す。
いくつかの実施形態では、GC−MSの一致をユーザに報告する。いくつかの実施形態では、報告されるデータには全てのMSスペクトルが含まれる。データ送信及び保存の効率性を最大限にするために、いくつかの実施形態では、MSピークテーブルのみを報告又は送信する。いくつかの実施形態では、各々の一致候補の確率を報告する。いくつかの実施形態では、一致候補をいくつかの測定基準(例えば信頼度)で分類し、いくつかの実施形態では、返ってきた一致結果に基づいて、ユーザに警報を提供する(例えば化学又は生化学兵器、若しくは環境毒素など)。
(実施例)
(実施例1)
本技術による実施形態の展開中、GC−MSスペクトルのNISTデータベースを検索する際に、ヒットの品質を向上させるために、KRIに基づく一次検索を利用した実行可能性を評価するための実験を行った。
(方法)
2〜4個の化合物の一定の濃度を生成する蒸気キャリブレータを構築した。蒸気キャリブレータミックスから2つの化合物をKRI標準として選択し、片方の化合物はクロマトグラムにおいてすぐに溶出し、もう片方は1.5分頃に溶出した。これら2つの化合物の回帰直線の傾き及び切片を決定し、以下の式を用いた推定KRI(EKRI)の算出に使用した。
未知のEKRI=RT(秒)×傾き+オフセット
その後9つの異なる官能基の25個の化学物質を、2つの全く同じGC−MS機器(Guardion 7 GC−MS,TORION Technologies)で試験した。EKRIを算出し、NISTライブラリのKRIと比較し、推定値とNISTデータベースの値との一致を評価した。2つの全く同じGC−MSシステムで算出したEKRIも比較した。
(結果)
無極性化合物は、NISTと僅か40KRIユニットしか違わないEKRIを生成した。極性化合物のEKRIは全てNISTライブラリのKRIよりも高かった。極性化合物に関しては、ホルムアルデヒドを除く全ての化合物において、EKRIの差は100KRI未満だった。全く同じシステムで算出したEKRIは優れた一致を示した。これらの結果は、EKRIのシステムが、一致候補及び一致品質を決定する上での要因として、NISTライブラリからの化合物の事前選択に有益であることを示している。
上記の刊行物及び特許は全て、あらゆる目的のために、参考としてその全体を本明細書に援用する。記載した構成物、方法及び技術の使用に関する種々の変更及び変形は、上述の技術の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。この技術を特定の例示的な実施形態と関連させて説明したが、請求項に記載の発明は、このような特定の実施形態に不当に制限されるものではないと理解されたい。むしろ薬理学、生化学、医科学又は関連分野の当業者にとって明白な、本発明を実施するための形態の種々の変更は、以下の請求項の範囲内であると意図されている。

Claims (17)

  1. ガスクロマトグラフィ質量分析(GC−MS)を使用して未知の化合物を同定するための複数の保持指標を有する標準化合物のデータベースを、コンピュータを用いて作成する方法であって、
    a)標準GC−MSライブラリの標準化合物の原子構造に基づいて、該標準化合物の予測保持指標を、モデリングによって推定するステップと、
    b)前記予測保持指標を前記標準化合物に割り当てて、前記標準化合物及び前記予測保持指標を同定するエントリを前記データベースに提供するステップと
    を含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記推定するステップは、
    i)前記標準化合物の各原子の原子タイプ及び結合タイプを決定するステップと、
    ii)データベースから参照化合物を選択するステップであって、該参照化合物は既知の保持指標を有し、前記標準化合物と同じ原子タイプ及び同じ結合タイプから成るステップと、
    iii)前記参照化合物の各原子に係数を割り当てるステップであって、該係数は、原子の前記参照化合物の既知の保持指標への寄与を特徴付けるステップと、
    iv)前記係数を使用して前記標準化合物の保持指標を推定するステップと
    を含む方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、前記データベースから複数の参照化合物を選択してトレーニングセットを提供するステップであって、該トレーニングセットの各化合物は既知の保持指標を有し、前記標準化合物と同じ原子タイプ及び同じ結合タイプから成るステップを含む方法。
  4. 請求項2に記載の方法において、係数を割り当てるステップは、マトリックスを構築するステップを含む方法。
  5. 請求項4に記載の方法において、前記マトリックスの列は前記原子タイプに対応し、該マトリックスの行は前記データベースからの化合物に対応し、該化合物は既知の保持指標を有し、前記標準化合物と同じ原子タイプ及び同じ結合タイプから成る方法。
  6. 請求項1に記載の方法において、前記推定保持指標の精度を決定するステップを更に含む方法。
  7. 請求項6に記載の方法において、前記推定保持指標の精度を使用してデータベースを分類するステップを更に含む方法。
  8. 請求項6に記載の方法において、前記推定保持指標の精度を使用してデータベースを分割するステップを更に含む方法。
  9. 請求項6に記載の方法において、前記推定保持指標の精度を使用して検索窓を提供するステップを更に含む方法。
  10. 請求項1に記載の方法において、GC−MSによって分析される前記未知の化合物の保持指標を推定するステップを更に含む方法。
  11. 請求項10に記載の方法において、前記推定するステップは、
    i)前記未知の化合物の保持時間を測定するステップと、
    ii)保持時間と保持指標の既知の関係を使い、前記未知の化合物の保持時間を該未知の化合物の保持指標に変換するステップと
    を含む方法。
  12. 請求項10に記載の方法において、前記未知の化合物の保持指標を利用して、データベースから標準化合物を事前に選択するステップと、前記未知の化合物を標準化合物に一致させるステップとを更に含む方法。
  13. GC−MSを使用して未知の化合物を同定する方法であって、
    a)請求項1に係る方法で作成された前記データベースを取得するステップと、
    b)未知の化合物のGC−MS保持時間データ及び保持時間と保持指標の既知の関係を使用して、前記未知の化合物の保持指標を推定するステップと、
    c)前記未知の化合物のために推定した前記保持指標及び前記データベース内の前記エントリの前記保持指標を使用して、前記データベースから前記標準化合物のサブセットを事前に選択するステップと、
    d)前記未知の化合物を前記サブセットに一致させて、前記未知の化合物を同定するステップと
    を含む方法。
  14. GC−MSを使用して未知の化合物を同定するシステムであって、
    a)GC−MS装置と、
    b)標準化合物のデータベースと、
    c)請求項1〜13に係る方法を実行するように構成されるプロセッサと
    を備えるシステム。
  15. 請求項14に記載のシステムにおいて、前記GC−MS装置は、前記標準化合物のデータベースから離れて設置されるシステム。
  16. 請求項14に記載のシステムにおいて、前記プロセッサは、前記標準化合物のデータベースからサブライブラリを選択するように構成されるシステム。
  17. 請求項14に記載のシステムにおいて、前記標準化合物のデータベースは2つ以上のサブライブラリに分割されるシステム。
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