JP6108885B2 - 自動変速機のシフト操作装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に用いられる自動変速機のシフト操作装置に関するものである。
従来、自動車等の車両用の自動変速機として、動力の伝達効率が良いとされえている歯車式手動変速機をベースとした変速機の自動化がいくつか提案されている。例えば、特許文献1に示されるように、モータによって歯車変速機構を駆動し、シフトフォークに係合させるシフトクラッチのスリーブを作動させギヤ段を切り替える自動変速機のシフト操作装置が提案されている。
特許文献1に示されるシフト操作装置は、その図1に示すように、スライド機構の駆動源(スライドアクチュエータ)であるセレクト用駆動モータ(スライド用駆動モータ)と、回転機構の駆動源(回転アクチュエータ)であるシフト用駆動モータ(回転用駆動モータ)とからなる。変速用主軸は、上部(図上)に円周状のラックと、中央に変速用主軸駆動ギヤと軸方向に摺動可能に嵌合するスプラインと、下方にレバーとを備える。この変速用主軸がセレクト用駆動モータの駆動によってスライドすると、シフトフォークの各ゲートのいずれかとそのレバーが選択的に係合する。そして、その係合した状態で、シフト用駆動モータが回転用ピニオンを回転させ、ベベルギヤである回転用ピニオン、ベベルギヤである従動ギヤ、第1中間駆動ギヤ、第1中間被駆動ギヤ、第2中間駆動ギヤ、変速用主軸駆動ギヤ及び変速用主軸へと、順次回転力が伝達され回転し各シフトフォークを駆動して各ギヤ段の切替えを行う。
特開2002−139145号公報(図1参照)
しかしながら、特許文献1に示されるシフト操作装置では、シフト用駆動モータとセレクト用駆動モータの2つのモータが必要であり、更に、この2つのモータに付随するECU、ドライバ、センサ等の各種制御備品が必要となり、シフト操作装置の部品点数の増大を招いていた。また、このようなシフト操作装置の部品点数の増大に伴い、シフト操作装置の製造コストが増大し、シフト操作装置の車両への搭載性が悪化し、更に、車両の重量が増大してしまうという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、部品点数の増大を抑制することができる自動変速機のシフト操作装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するためになされた、請求項1に係る発明は、車両に搭載された自動変速機の選択機構を作動させるシフト操作装置であって、本体と、前記本体に対して回転可能、且つ、軸線方向に移動可能に前記本体に取り付けられ、外周面に認識部が設けられた回転部材と、前記回転部材に取り付けられたシフトピンと、前記本体に回転可能に取り付けられ、前記シフトピンと係合するシフト溝が外周面に形成されたシフト部材と、前記本体に前記軸線方向に移動可能に取り付けられ、前記回転部材と係脱可能に構成され、前記回転部材の前記軸線方向の移動によって、前記軸線方向に移動して、前記選択機構を作動させる複数の伝達部材と、前記シフト部材を正逆回転させる単一のモータと、前記シフト部材の前記回転部材に対する正回転方向のみの回転を規制する第一ワンウェイクラッチと、前記回転部材の前記本体に対する逆回転方向のみの回転を規制する第二ワンウェイクラッチと、前記モータの回転角度又は前記シフト部材の回転角度を検出する第一検出部と、前記回転部材の正回転に伴い、前記認識部を検出する第二検出部と、前記第一検出部によって検出された前記モータの回転角度又は前記シフト部材の回転角度に基づいて、前記回転部材の回転角度を演算する回転部材回転角度演算部と、を有し、前記回転部材が正回転された際に、前記第一検出部によって検出された前記モータの回転角度又は前記シフト部材の回転角度、及び前記第二検出部によって検出された前記認識部に基づき、前記回転部材回転角度演算部が演算する前記回転部材の回転角度のズレを校正する校正部を有する。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記認識部は、前記回転部材の外周面に周方向一定角度をおいて複数設けられた標準認識部と、前記標準認識部と隣接して前記回転部材の外周面に設けられ、前記標準認識部と周方向の幅寸法が異なり、又は前記標準認識部との周方向の離間角度が前記標準認識部同士の周方向の離間角度と異なる特異認識部とから構成され、前記校正部は、前記第一検出部によって検出された前記モータの回転角度又は前記シフト部材の回転角度、及び前記第二検出部によって検出された前記特異認識部及び当該特異認識部に隣接する前記標準認識部に基づき前記回転部材の回転角度を認識する。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発明において、前記特異認識部は、前記回転部材がいずれの前記シフト部材に係合していない回転位置である非係合位置において前記第二検出部によって検出される位置の前記回転部材に設けられている。
請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記車両の停車を検出する停車検出部を有し、前記校正部は、前記停車検出部が前記車両の停車を検出した際に、前記モータによって前記回転部材を正回転させ、当該回転部材の回転に伴う前記第一検出部及び前記第二検出部からの検出結果に基づいて、前記回転部材の回転角度のズレを校正する。
請求項5に係る発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記校正部は、前記自動変速機による変速の実行に伴い前記回転部材が正回転された際に、当該回転部材の正回転に伴う前記第一検出部及び前記第二検出部からの検出結果に基づいて、前記回転部材の回転角度のズレを校正する。
請求項1に記載の発明によれば、単一のモータが、シフト部材を正回転させることにより、シフト部材と回転部材を一体回転させて、回転部材を複数の伝達部材のうち1の伝達部材に係合させ、複数の伝達部材のうち1の伝達部材を選択するセレクト動作を行う。そして、単一のモータが、シフト部材を逆回転させることにより、回転部材とシフト部材を相対回転させて、回転部材を軸線方向に移動させ、選択された伝達部材を軸線方向に移動させるシフト動作を行う。このように、単一のモータによってセレクト動作とシフト動作の両方を行うことができるので、部品点数の増大を抑制することができる自動変速機のシフト操作装置を提供することができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、校正部は、回転部材が正回転された際に、第一検出部によって検出されたシフト部材の回転角度又はモータの回転角度、及び第二検出部によって検出された認識部に基づき、回転部材回転角度演算部が演算する回転部材の回転角度のズレを校正する。
このように、回転部材回転角度演算部が演算する回転部材の回転角度のズレが校正されるので、回転部材の回転角度を検出する検出部を設けなくても、第一検出部によって回転部材の回転角度を精度高く検出することができる。このため、回転部材の回転角度を検出する検出部が不要となり、シフト操作装置の部品点数の増大を更に抑制することができる。
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載の発明において、認識部は、標準認識部と特異認識部とから構成されている。標準認識部は、回転部材の外周面に周方向一定角度をおいて複数設けられている。特異認識部は、標準認識部と隣接して回転部材の外周面に設けられ、標準認識部と周方向の幅寸法が異なり、又は標準認識部との周方向の離間角度が標準認識部同士の周方向の離間角度と異なる。そして、校正部は、第一検出部によって検出されたモータの回転角度又はシフト部材の回転角度、及び第二検出部によって検出された特異認識部及び当該特異認識部に隣接する標準認識部に基づき回転部材の回転角度を認識する。
このように、標準認識部と異なる特異認識部を回転部材の外周面に設けたので、シフト操作装置の出荷前や、シフト操作装置の分解整備後において、回転部材を回転させることにより、第二検出部で標準認識部と異なる特異認識部を認識することができる。このため、回転部材の初期位置を認識することができる。
請求項3に係る発明によれば、特異認識部は、回転部材がいずれのシフト部材に係合していない回転位置である非係合位置において第二検出部によって検出される位置の回転部材に設けられている。これにより、非係合位置を1速が選択されるセレクト位置に隣接する位置に設定すると、停車により1速が形成される頻度が高いことから、第二検出部によって認識部が検出される頻度が高くなる。このため、より高い頻度で、回転部材の回転角度の校正が実行される。
請求項4に係る発明によれば、校正部は、車両が停車した際に、モータによって回転部材を正回転させ、当該回転部材の回転に伴う第一検出部及び第二検出部からの検出結果に基づいて、回転部材の回転角度のズレを校正する。これにより、運転者が違和感を覚えずに、回転部材の回転角度のズレを校正することができる。つまり、変速中に回転部材を余分に回転させることにより回転角度のズレを校正すると、変速の完了が遅れ、運転者が違和感を覚えるが、停車中に回転部材の回転角度のズレを校正するので、運転者が違和感を覚えない。
請求項5に係る発明は、校正部は、自動変速機による変速の実行に伴い回転部材が正回転された際に、当該回転部材の正回転に伴う第一検出部及び第二検出部からの検出結果に基づいて、回転部材の回転角度のズレを校正する。これにより、回転部材を回転させること無く、変速の実行に伴い、回転部材の回転角度の校正が実行される。
本実施形態のシフト操作装置を備えた自動変速装置及び当該自動変速装置が搭載された車両のスケルトン図である。 選択機構の軸方向断面図である。 本実施形態のシフト操作装置の斜視図である。 (A)本実施形態のシフト操作装置の上面図である。(B)(A)のA矢視図であり、本実施形態のシフト操作装置の側面図ある。 図4の(B)のB−B断面図である。 (A)図5のD−D断面図である。(B)図5のC−C断面図である。 シフト部材及びシャフトの正面図である。 回転部材と被係合部の斜視図である。 回転部材係合部とシフトフォーク部材の被係合部との係合状態を示した説明図である。 図1のAMT−ECUで実行される制御プログラムである変速制御のフローチャートである。 各シフトフォークの位置と変速段との関係を表した概念図である。 別の実施形態のシフト操作装置の断面図である。 セレクト部材の回転角度と回転部材の回転角度との関係を表した説明図である。 シフト部材のシフト溝の展開形状図である。 第一ワンウェイクラッチ規制開始位置検出処理を実行中の図5のC−C断面図である。 図4のE視図であり、認識部の回転部材上の形成位置を表した説明図である。 第一実施形態の回転部材回転角度校正処理のフローチャートである。 第二実施形態の回転部材回転角度校正処理のフローチャートである。 第二実施形態の回転部材回転角度校正処理の概要を示す説明図である。 第一検出部の検出信号に基づく認識部の位置と、第二検出部の検出信号との関係を表した説明図である。 第三実施形態の回転部材回転角度校正処理のフローチャートである。 第四実施形態の回転部材回転角度校正処理のフローチャートである。 別の実施形態の特異認識部を表した説明図であり、図4のE視図である。 別の実施形態の特異認識部を表した説明図であり、図4のE視図である。
(本実施形態のシフト操作装置を備えた車両)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態のシフト操作装置を備えた自動変速装置及び当該自動変速装置が搭載された車両1000のスケルトン図である。図1に示すように、車両1000は、エンジンEG、クラッチC、オートメイテッドマニュアルトランスミッションAMT(以下、AMTと略す)、デファレンシャルDF、駆動輪Wl、Wrを有する。
エンジンEGは、ガソリンや軽油等の炭化水素系燃料を使用するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等であり、回転トルクを出力するものである。エンジンEGから出力された回転トルクは、駆動軸EG−1に伝達される。
(クラッチ)
クラッチCは、駆動軸EG−1とAMTの入力軸131との間に設けられ、駆動軸EG−1と入力軸131を断接するものであり、駆動軸EG−1と入力軸131間の伝達トルクを電子制御可能な任意のタイプのクラッチである。本実施形態では、クラッチCは、乾式単板ノーマルクローズクラッチであり、フライホイール121、クラッチディスク122、クラッチカバー123、プレッシャープレート124、ダイヤフラムスプリング125を有している。フライホイール121は、所定の質量を有する円板であり、駆動軸EG−1が接続し、駆動軸EG−1と一体回転する。クラッチディスク122は、その外縁部に摩擦部材122aが設けられた円板状であり、フライホイール121と離接可能に対向している。クラッチディスク122は、入力軸131と接続し、入力軸131と一体回転する。
クラッチカバー123は、フライホイール121の外縁と接続しクラッチディスク122の外周側に設けられた円筒部123aと、フライホイール121との接続部と反対側の円筒部123aの端部から径方向内側に延在する円環板状の側周壁123bとから構成されている。プレッシャープレート124は、円環板状であり、フライホイール121との対向面と反対側のクラッチディスク122に離接可能に対向して配設されている。
ダイヤフラムスプリング125は、所謂皿バネの一種で、その厚さ方向に傾斜するダイヤフラムが形成されている。ダイヤフラムスプリング125の径方向中間部分は、クラッチカバー123の側周壁123bの内縁と当接し、ダイヤフラムスプリング125の外縁は、プレッシャープレート124に当接している。ダイヤフラムスプリング125は、プレッシャープレート124を介して、クラッチディスク122をフライホイール121に押圧している。この状態では、クラッチディスク122の摩擦部材122aがフライホイール121及びプレッシャープレート124によって押圧され、摩擦部材122aとフライホイール121及びプレッシャープレート124間の摩擦力により、クラッチディスク122とフライホイール121が一体回転し、駆動軸EG−1と入力軸131が接続される。
クラッチアクチュエータ129は、AMT−ECU113によって駆動制御され、ダイヤフラムスプリング125の内縁部を、フライホイール121側に押圧又は当該押圧を解除し、クラッチCの伝達トルクを可変とするものである。クラッチアクチュエータ129には、電動式のものや油圧式のものが含まれる。クラッチアクチュエータ129が、ダイヤフラムスプリング125の内縁部を、フライホイール121側に押圧すると、ダイヤフラムスプリング125が変形して、ダイヤフラムスプリング125の外縁が、フライホイール121から離れる方向に変形する。すると、当該ダイヤフラムスプリング125の変形によって、フライホイール121及びプレッシャープレート124がクラッチディスク122を押圧する押圧力が徐々に低下し、クラッチディスク122とフライホイール121間の伝達トルクも徐々に低下し、駆動軸EG−1と入力軸131が切断される。このように、AMT−ECU113は、クラッチアクチュエータ129を駆動することにより、クラッチディスク122とフライホイール121間の伝達トルクを任意に可変させる。
(オートメイテッドマニュアルトランスミッション)
AMTは、エンジンEGからの回転トルクを複数の変速段の変速比で変速して、デファレンシャルDFに出力する歯車機構式の自動変速機である。また、本実施形態のAMTは、後述するシンクロメッシュ機構を有するシンクロ式自動変速機である。AMTは、AMT−ECU113、入力軸131、出力軸132、第一ドライブギヤ141、第二ドライブギヤ142、第三ドライブギヤ143、第四ドライブギヤ144、第五ドライブギヤ145、リバースドライブギヤ146、第一ドリブンギヤ151、第二ドリブンギヤ152、第三ドリブンギヤ153、第四ドリブンギヤ154、第五ドリブンギヤ155、リバースドリブンギヤ156、出力ギヤ157、リバースアイドラギヤ161、第一選択機構100、第二選択機構200、第三選択機構300、出力軸回転速度センサ199を有する。
入力軸131は、エンジンEGからの回転トルクが入力される軸であり、クラッチCのクラッチディスク122と一体回転する。出力軸132は、AMTに入力された回転トルクをデファレンシャルDFに出力する軸であり、入力軸131と平行に配設されている。入力軸131及び出力軸132は、それぞれ、図示しないAMTのハウジングに回転可能に軸支されている。
第一ドライブギヤ141、第二ドライブギヤ142は、入力軸131に相対回転不能に固定された固定ギヤである。第三ドライブギヤ143、第四ドライブギヤ144、第五ドライブギヤ145、リバースドライブギヤ146は、入力軸131に相対回転可能(遊転可能)に設けられた遊転ギヤである。
第一ドリブンギヤ151、第二ドリブンギヤ152は、出力軸132に相対回転可能(遊転可能)に取り付けられた遊転ギヤである。第三ドリブンギヤ153、第四ドリブンギヤ154、第五ドリブンギヤ155、リバースドリブンギヤ156、出力ギヤ157は、出力軸132に相対回転不能に固定された固定ギヤである。
第一ドライブギヤ141と第一ドリブンギヤ151は、互いに噛合し、1速段を構成するギヤである。第二ドライブギヤ142と第二ドリブンギヤ152は、互いに噛合し、2速段を構成するギヤである。第三ドライブギヤ143と第三ドリブンギヤ153は、互いに噛合し、3速段を構成するギヤである。第四ドライブギヤ144と第四ドリブンギヤ154は、互いに噛合し、4速段を構成するギヤである。第五ドライブギヤ145と第五ドリブンギヤ155は、互いに噛合し、5速段を構成するギヤである。
第一ドライブギヤ141、第二ドライブギヤ142、第三ドライブギヤ143、第四ドライブギヤ144、第五ドライブギヤ145の順にギヤ径が大きくなっている。第一ドリブンギヤ151、第二ドリブンギヤ152、第三ドリブンギヤ153、第四ドリブンギヤ154、第五ドリブンギヤ155の順にギヤ径が小さくなっている。
リバースアイドラギヤ161は、リバースドライブギヤ146とリバースドリブンギヤ156の間に配設され、リバースドライブギヤ146及びリバースドリブンギヤ156と噛合している。リバースアイドラギヤ161、リバースドライブギヤ146及びリバースドリブンギヤ156は、リバース用のギヤである。
出力ギヤ157は、デファレンシャルDFのリングギヤDF−1と噛合し、出力軸132に入力された回転トルクを、デファレンシャルDFに出力する。
出力軸132の近傍には、出力軸132の回転速度を検出し、その検出信号をAMT−ECU113に出力する出力軸回転速度センサ199が設けられている。
(選択機構)
[第一選択機構]
第一選択機構100は、第一ドリブンギヤ151又は第二ドリブンギヤ152を選択して、出力軸132に相対回転不能に連結するものである。第一選択機構100は、図1及び図2に示すように、第一クラッチハブH1と、第一速係合部材E1と、第二速係合部材E2と、第一シンクロナイザリングR1、第二シンクロナイザリングR2と、第一スリーブS1とから構成されている。第一クラッチハブH1は、第一ドリブンギヤ151と第二ドリブンギヤ152との軸方向間となる出力軸132にスプライン固定される。第一速係合部材E1及び第二速係合部材E2は、第一ドリブンギヤ151及び第二ドリブンギヤ152のそれぞれに、例えば圧入などにより固定される部材である。第一シンクロナイザリングR1は、第一クラッチハブH1と第一速係合部材E1の間に介在され、第二シンクロナイザリングR2は、第一クラッチハブH1と第二速係合部材E2の間に介在される。第一スリーブS1は、第一クラッチハブH1の外周に軸方向移動自在にスプライン係合される。
この第一選択機構100は、第一ドリブンギヤ151及び第二ドリブンギヤ152の一方と出力軸132との係合を可能とし、かつ、第一ドリブンギヤ151及び第二ドリブンギヤ152の両者を出力軸132に対して離脱する状態にすることができる周知のシンクロメッシュ機構を構成している。
第一選択機構100の第一スリーブS1は、図2に示す「中立位置」では第一速係合部材E1及び第二速係合部材E2のいずれにも係合されていない。第一スリーブS1の外周には、環状の第一係合溝S1−1が形成されている。第一係合溝S1−1には、第一シフトフォークF1(図3示)が係合している。
第一シフトフォークF1により第一スリーブS1が第一ドリブンギヤ151側にシフトされれば、第一スリーブS1は第一シンクロナイザリングR1にスプライン係合して出力軸132と第一ドリブンギヤ151の回転を同期させ、次いで第一速係合部材E1の外周の外歯スプラインと係合し、第一ドリブンギヤ151を出力軸132に相対回転不能に連結して1速段を形成する。また、第一シフトフォークF1により第一スリーブS1が第二ドリブンギヤ152側にシフトされれば、第二シンクロナイザリングR2は同様にして出力軸132と第二ドリブンギヤ152の回転を同期させた後に、この両者を相対回転不能に連結して2速段を形成する。
[第二選択機構]
第二選択機構200は、第三ドライブギヤ143又は第四ドライブギヤ144を選択して、入力軸131に相対回転不能に連結するものである。第二選択機構200は、第二クラッチハブH2と、第三速係合部材E3と、第四速係合部材E4と、第三シンクロナイザリングR3、第四シンクロナイザリングR4と、第二スリーブS2とから構成されている。
第二選択機構200は、第一選択機構100と同様のシンクロメッシュ機構であり、第二クラッチハブH2が、第三ドライブギヤ143と第四ドライブギヤ144の間の入力軸131に固定され、第三速係合部材E3と第四速係合部材E4が、それぞれ第三ドライブギヤ143と第四ドライブギヤ144に固定されている点が異なっているだけである。第二選択機構200は、「中立位置」ではいずれの係合部材E3、E4とも係合されていない。第二スリーブS2の外周には、環状の第二係合溝S2−1が形成されている。第二係合溝S2−1には、第二シフトフォークF2が係合している。
第二シフトフォークF2により第二スリーブS2が第三ドライブギヤ143にシフトされれば、入力軸131と第三ドライブギヤ143の回転が同期された後に、この両者が一体的に連結されて3速段が形成される。また、第二シフトフォークF2により第二スリーブS2が第四ドライブギヤ144側にシフトされれば、入力軸131と第四ドライブギヤ144の回転が同期された後に、この両者が直結されて4速段が形成される。
[第三選択機構]
第三選択機構300は、第五ドライブギヤ145又はリバースドライブギヤ146を選択して、入力軸131に相対回転不能に連結するものである。第三選択機構300は、第三クラッチハブH3と、第五速係合部材E5と、リバース係合部材ERと、第五シンクロナイザリングR5、リバースシンクロナイザリングRRと、第三スリーブS3とから構成されている。
第三選択機構300は、第一選択機構100と同様のシンクロメッシュ機構であり、第三クラッチハブH3が、第五ドライブギヤ145とリバースドライブギヤ146の間の入力軸131に固定され、第五速係合部材E5とリバース係合部材ERが、それぞれ第四ドライブギヤ144とリバースドライブギヤ146に固定されている点が異なっているだけである。第三選択機構300は、「中立位置」ではいずれの係合部材E5、ERとも係合されていない。第三スリーブS3の外周には、環状の第三係合溝S3−1が形成されている。第三係合溝S3−1には、第三シフトフォークF3が係合している。
第三シフトフォークF3により第三スリーブS3が第五ドライブギヤ145にシフトされれば、入力軸131と第五ドライブギヤ145の回転が同期された後に、この両者が一体的に連結されて5速段が形成される。また、第三シフトフォークF3により第三スリーブS3がリバースドライブギヤ146側にシフトされれば、入力軸131とリバースドライブギヤ146の回転が同期された後に、この両者が直結されてリバース段が形成される。
デファレンシャルDFは、AMTの出力軸132から入力された回転トルクを差動可能に駆動輪Wl、Wrに伝達する装置である。デファレンシャルDFは、出力ギヤ157と噛合するリングギヤDF−1を有する。このような構造により、出力軸132は、駆動輪Wl、Wrに回転連結されている。
AMT−ECU113は、AMTを制御する電子制御装置である。AMT−ECU113は、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAM、ROM及び不揮発性メモリー等の「記憶部」を備えている。CPUは、後述する図10、図17、図18、図21、図22に示すフローチャートに対応したプログラムを実行する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、「記憶部」は前記プログラムを記憶している。
(シフト操作装置の構造)
次に、図3〜図9を用いて、本実施形態のシフト操作装置90について説明する。シフト操作装置90は、AMTの選択機構100〜300を作動させるものである。図3〜図6に示すように、シフト操作装置90は、ハウジング10、シャフト20、回転部材30、シフト部材40、ディテント部材50、第一シフトフォーク部材61、第二シフトフォーク部材62、第三シフトフォーク部材63、モータ70、第一検出部75、第二検出部76、ドライブギヤ81、ドリブンギヤ82を有している。
ハウジング10は、本実施形態では、AMTと共通であるが別体であっても差し支え無い。図4に示すように、ハウジング10にシャフト20が回転可能に取り付けられている。なお、以下の説明において、シャフト20の軸線方向を単に、”軸線方向”と表現する。
図5や図6に示すように、シフト部材40は軸心方向を貫通する取付穴40pが形成された円筒形状である。図5に示すように、シフト部材40の取付穴40p内にシャフト20が挿通されて、シフト部材40とシャフト20を締結するボルト45によって、シフト部材40がシャフト20に相対回転不能、且つ、軸線方向に移動不能に固定されている。このような構造により、シフト部材40は、ハウジング10に回転可能に取り付けられている。図7に示すように、シフト部材40の外周面には、1周シフト溝40aが形成されている。
以下に、図14を用いて、シフト溝40aについて説明する。なお、図14において、線方向に関して同じ位置において、シフト部材40の外周面を1周する線を中立線とする。そして、中立線から軸線方向の一方側を奇数段側とし、中立線から軸線方向の他方側を偶数段側とする。
図14に示すように、開始位置(0°)から、中立線に沿って第一接続部40bが所定角度形成されている。第一接続部40bの末端から、中立線から奇数段側に傾斜した第一傾斜部40cが所定角度形成されている。第一傾斜部40cの末端から、奇数段側において中立線と平行な奇数段部40dが所定角度形成されている。奇数段部40dの末端から、中立線から偶数段側に傾斜した第二傾斜部40eが所定角度形成されている。
第二傾斜部40eの末端から、中立線に沿って第二接続部40fが所定角度形成されている。第二接続部40fの末端から、中立線から偶数段側に傾斜した第三傾斜部40gが所定角度形成されている。第三傾斜部40gの末端から、偶数段側において中立線と平行な偶数段部40hが所定角度形成されている。偶数段部40hの末端から、中立線から奇数段側に傾斜した第四傾斜部40iが所定角度形成されている。
後述するシフトピン30e(図5、図6、図7示)が第一接続部40b又は第二接続部40fにあるシフト部材40の状態を、「中立状態」という。また、シフトピン30eが、奇数段部40dにあるシフト部材40の状態を、「奇数段状態」という。更に、シフトピン30eが偶数段部40hにあるシフト部材40の状態を「偶数段状態」という。「中立状態」では、いずれのシフトフォークF1〜F3も、図2に示す「中立位置」にあり、AMTがニュートラル状態となっている。「奇数段状態」では、図11に示すように、選択されたシフトフォークF1〜F3が奇数段側にあり、AMTが1速、3速、5速のいずれかとなっている。「偶数段状態」では、選択されたシフトフォークF1〜F3が偶数段側にあり、AMTが2速、4速、リバースのいずれかとなっている。
図5に示すように、シフト部材40の外周側には、円筒形状の回転部材30がシフト部材40と相対回転可能、且つ、軸線方向移動可能に取り付けられている。言い換えると、回転部材30は、ハウジング10に対して回転可能、且つ、軸線方向に移動可能に取り付けられている。
図4に示すように、回転部材30の軸線方向の一方側は奇数段側となっていて、回転部材30の軸線方向の他方側は偶数段側となっている。なお、回転部材30及びシフト部材40の奇数段側と偶数段側の方向は一致している。図3、図4、図5、図8に示すように、回転部材30の外周面には、認識部30xが所定角度をおいて形成されている。認識部30xは、軸線方向(シフト方向)及び周方向(セレクト方向)に所定の幅を有している。認識部30xの形成位置については、後で説明する。
図3、図6、図8に示すように、回転部材30の外周面には、複数のラッチ歯車30bが連続して1周形成されている。本実施形態では、ラッチ歯車30bは、回転部材30の外周面に30°間隔をおいて12個形成されている。図6に示すように、1つのラッチ歯車30bは、回転部材30の軸線方向に沿って半径方向に延在する係合面30cと、回転部材30の半径方向から傾斜した方向に延在し、その頂部が係合面30cの頂部と接続する傾斜面30dを有している。
ディテント部材50は、ハウジング10に取り付けられている。図3、図5、図6、図8に示すように、ディテント部材50は、ラッチ歯車30bの係合面30cと係合している。図5に示すように、ディテント部材50は、筐体50a、歯止め部材50b、付勢部材50cとから構成されている。筐体50aは、ラッチ歯車30b側に開口した有底筒状であり、ハウジング10に取り付けられている。歯止め部材50bは、先端が半球形状であり、先端部が筐体50aの開口部から突出して、筐体50a内に摺動可能に取り付けられている。付勢部材50cは、コイルスプリング等であり、歯止め部材50bをラッチ歯車30b側に付勢している。
図6に示すように、歯止め部材50bの先端は、ラッチ歯車30bの係合面30cと当接して係合している。このため、回転部材30の逆回転方向の回転が規制される。また、歯止め部材50bの先端は、ラッチ歯車30bの傾斜面30dと当接している。回転部材30が正回転方向に回転すると、歯止め部材50bが、傾斜面30dによって押圧されて筐体50a側に摺動し、ラッチ歯車30bを乗り越える。このように、ラッチ歯車30bとディテント部材50は、回転部材30のハウジング10に対する逆回転方向のみの回転を規制し、回転部材30のハウジング10に対する正回転方向のみの回転を許容する「第二ワンウェイクラッチ」として機能する。
図5や図7に示すように、回転部材30の内周面には、回転部材30の内周側に突出し、シフト部材40のシフト溝40aと係合するシフトピン30eが取り付けられている。
図5や図6の(B)に示すように、シフト部材40の外周面には、キー用凹部40mが凹陥形成されている。キー用凹部40mには、ブロック状のキー41が、シフト部材40の半径方向に摺動可能に取り付けられている。図6の(B)に示すように、キー41の一方の側面には、軸線方向に沿って回転部材30の半径方向に延在する係合面41aが形成されている。係合面41aの反対側のキー41の側面には、軸線方向に沿って、回転部材30の半径方向から傾斜している傾斜面41bを有している。キー用凹部40mの底部と、キー41の間には、コイルスプリング等の付勢部材42が配設されている。
図5や図6の(B)に示すように、回転部材30の内周面には、キー41と係合するキー係合凹部30fが凹陥形成されている。図6の(B)に示すように、キー係合凹部30fは、キー41に対応した形状である。つまり、キー係合凹部30fは、回転部材30の軸線方向に沿って半径方向に延在し、キー41の係合面41aと当接して係合する被係合面30gが形成されている。
また、キー係合凹部30fは、被係合面30gと対向し、回転部材30の軸線方向に沿って半径方向から傾斜し、キー41の傾斜面41bと当接する傾斜面30hを有している。傾斜面30hとキー係合凹部30fの底面の交差角は、鈍角となっている。なお、被係合面30gは、シフト部材40に対して正回転側に形成され、傾斜面30hは、シフト部材40に対して逆回転側に形成されている。図5に示すように、キー係合凹部30fのシャフト20の軸線方向の幅寸法は、キー41の前記軸線方向の幅寸法よりも大きくなっている。このため、回転部材30はシフト部材40に対して、前記軸線方向に移動可能となっている。
キー41の係合面41aと回転部材30の被係合面30gが係合しているので、回転部材30がシフト部材40に対して逆回転方向に相対回転が規制される。キー41の傾斜面41bは、回転部材30の傾斜面30hに当接しているので、シフト部材40の回転部材30に対する逆回転方向に相対回転に伴い、キー41が、キー用凹部40mの底部側に摺動されて、キー用凹部40m内に収納され、回転部材30がシフト部材40に対して正回転方向に相対回転する。このように、キー41とキー係合凹部30fは、シフト部材40の回転部材30に対する正回転方向のみの回転を規制し、シフト部材40の回転部材30に対する逆回転方向のみの回転を許容する「第一ワンウェイクラッチ」として機能する。
なお、キー41がキー係合凹部30fと係合している状態から、シフト部材40が回転部材30に対して所定角度(本実施形態では180°未満)逆回転した位置から、シフト部材40が正回転方向に回転しても、キー41はキー係合凹部30fに係合していないので、回転部材30が正回転方向に回転しない。言い換えると、「第一ワンウェイクラッチ」は、シフト部材40の回転部材30に対する正回転方向の回転に関して所定角度(本実施形態では、180°未満)バックラッシュ可能に構成されている。
なお、シフト部材40が回転部材30に対して、相対回転すると、シフト部材40は、回転部材30に固定されたシフトピン30eがシフト部材40のシフト溝40aに係合しているので、回転部材30が軸線方向に移動する。
図3に示すように、第一シフトフォーク部材61は、回転部材30の外周側に配設されている。第一シフトフォーク部材61は、軸部61aと、軸部61aの基端部に設けられた被係合部61bと、軸部61aの先端に設けられたシフトフォークF1とから構成されている。軸部61aは、軸線方向移動可能にハウジング10に取り付けられている。
被係合部61bには、第一〜第三係合部30i、30j、30kと係合又は離脱可能な係合凹部61cが凹陥形成されている。シフトフォークF1は、円弧形状であり、図2に示す、第一係合溝S1−1と係合している。
図示していないが、第一シフトフォーク部材61と、同じの構造の、第二シフトフォーク部材62、及び第三シフトフォーク部材63が、回転部材30の外周側に、第一シフトフォーク部材61から一定角度(本実施形態では30°)をおいて、ハウジング10に軸線方向摺動可能に取り付けられている。図4の(B)の一点鎖線や、図8の(A)に示すように、第一被係合部61b、第二被係合部62b、第三被係合部63bが、軸線方向に関し、第一〜第三係合部30i、30j、30kが形成されている位置において、回転部材30の外周部に前記一定角度(本実施形態では30°)をおいて配設されている。これら、第一シフトフォーク部材61、第二シフトフォーク部材62、第三シフトフォーク部材63は、自身が軸線方向に移動して、自身に加えられた力を、それぞれ、第一スリーブS1、第二スリーブS2、第三スリーブS3に伝達させることにより、それぞれ、第一スリーブS1、第二スリーブS2、第三スリーブS3を移動させて、それぞれ、AMTの第一選択機構100、第二選択機構200、第三選択機構300を作動させる。
シャフト20には、ドリブンギヤ82が固定されている。モータ70は、その回転角が制御可能なモータである。モータ70は、AMT−ECU113(図1示)によって回転角が制御されて駆動される。モータ70の回転軸71には、ドリブンギヤ82と噛合するドライブギヤ81が取り付けられている。なお、ドリブンギヤ82の歯数は、ドライブギヤ81の歯数よりも多くなっていて、モータ70の回転が、減速されて、シャフト20に伝達される。
第一検出部75は、モータ70の回転角度を検出するセンサであり、例えば、回転軸71の近傍に設けられている。第一検出部75には、ホールIC等の磁気センサや、回転軸71の回転を検出するロータリーエンコーダ、或いは回転軸71の外周面に1周形成された凹凸や明暗の有る印刷部を読み取る撮像素子等のセンサが含まれる。第一検出部75は、AMT−ECU113と通信可能に接続され、検出したモータ70の回転角情報をAMT−ECU113に出力する。
AMT−ECU113は、第一検出部75から出力されたモータ70の回転角度情報に基づいて、シャフト20やシフト部材40の回転角度を認識することができる。シャフト20は、モータ70によって正逆回転されるが、AMT−ECU113は、第一検出部75から出力されたモータ70の回転角度情報の履歴から、現在のシャフト20やシフト部材40の回転角度を認識することができる。また、AMT−ECU113(回転部材回転角度演算部)は、第一検出部75から出力されたモータ70の回転角度情報の履歴から、回転部材30の回転角度を演算する。
AMT−ECU113は、出力軸回転速度センサ199(停車検出部)が検出した出力軸132の回転速度に基づいて、車速Vを演算する。
図4に示すように、ハウジング10には、認識部30xと対向するように第二検出部76が設けられている。第二検出部76は、認識部30xの存在を認識する近接センサや機械的なセンサである。なお、第二検出部76は、モータ70の回転角度を検出する第一検出部75よりも安価である。第二検出部76は、AMT−ECU113と通信可能に接続され、検出信号をAMT−ECU113に出力する。第二検出部76が、認識部30xの存在を認識すると、ON信号をAMT−ECU113に出力する。一方で、第二検出部76が、認識部30xの存在を認識しないと、OFF信号をAMT−ECU113に出力する。
[セレクト動作]
モータ70が逆回転して、シャフト20が正回転すると、上述したように、「第二ワンウェイクラッチ」(ラッチ歯車30bとディテント部材50)は、回転部材30のハウジング10に対する正回転方向の回転を許容し、「第一ワンウェイクラッチ」(キー41、キー係合凹部30f)は、回転部材30のシフト部材40に対する逆回転方向の回転を規制するので、シフト部材40と回転部材30が一体に正回転方向に回転する。
このように、回転部材30が正回転方向に回転し、歯止め部材50bが、ラッチ歯車30bを乗り越える度に、第一係合部30i〜第三係合部30kのいずれかが、第一被係合部61bと係合し、第一シフトフォーク部材61が選択されている状態(図9の(A)示)、第一係合部30i〜第三係合部30kのいずれかが、第二被係合部62bと係合し、第二シフトフォーク部材62が選択されている状態(図9の(B)示)、第一係合部30i〜第三係合部30kのいずれかが、第三被係合部63bと係合し、第三シフトフォーク部材63が選択されている状態(図9の(C)示)、第一係合部30i〜第三係合部30kのいずれもが、いずれの第一被係合部61b〜第三被係合部63bと係合していない非選択状態(図9の(D)示)のいずれかの状態となる。なお、以下の説明において、シフトフォーク部材61〜63のいずれかが選択されている回転部材30の位置(図9の(A)〜(C))を、「セレクト位置」とする。
AMT−ECU113は、第一検出部75から出力されたモータ70の回転角情報に基づいて、シフト部材40の回転角を認識することにより、第一シフトフォーク部材61〜第三シフトフォーク部材63のいずれが選択されているか、又は、第一シフトフォーク部材61〜第三シフトフォーク部材63のいずれもが選択されていない非選択状態を認識することができる。
なお、図9の(D)に示すように、係合部30iが被係合部61b、62b、63bを通過した場合に、次の係合部30jが被係合部61b、62b、63bの手前で待機しているので、小さい回転部材30の回転角で、係合部30jを被係合部61b、62b、63bに係合させることができる。
なお、「セレクト動作」では、シフト部材40と回転部材30が一体に正回転方向に回転し、シフト部材40と回転部材30が相対回転しないので、回転部材30が軸線方向に摺動しない。
[シフト動作]
モータ70が正回転して、シャフト20が逆回転すると、上述したように、「第二ワンウェイクラッチ」(ラッチ歯車30bとディテント部材50)は、回転部材30の逆回転方向の回転を規制し、「第一ワンウェイクラッチ」(キー41、キー係合凹部30f)は、シフト部材40の回転部材30に対する逆回転方向の回転は許容するので、回転部材30が停止した状態で、シフト部材40のみが逆回転方向に回転し、シフト部材40が回転部材30に対して逆回転方向に相対回転する。
このように、シフト部材40が回転部材30に対して逆回転方向に相対回転すると、回転部材30に固定されているシフトピン30eがシフト溝40aに係合しているので、シフトピン30eのシフト溝40aに対する移動に伴い、回転部材30が軸線方向に摺動する。第一シフトフォーク部材61〜第三シフトフォーク部材63のいずれが選択されている状態で、回転部材30が軸線方向に摺動すると、選択されている第一シフトフォーク部材61〜第三シフトフォーク部材63が軸線方向に移動し、これに対応するシフトフォークF1〜F3が軸線方向に移動し、シフトが実行される。
AMT−ECU113は、第一検出部75から出力されたモータ70の回転角情報に基づいて、シフト部材40の回転角、回転部材30の回転角を認識し、シフト部材40(シフトピン30e)の回転角度が、奇数段側にあるか、中立位置にあるか、偶数段側にあるかを認識することができる。
(変速制御)
次に、AMT−ECU113が実行する変速制御について、図10に示すフロー及び図11を用いて説明する。車両1000が走行可能な状態になると、S11に進む。
S11において、AMT−ECU113が、「変速要求」が有ったと判断した場合には(S11:YES)、プログラムをS12に進め、「変速要求」が無いと判断した場合には(S11:NO)、S11の処理を繰り返す。なお、AMT−ECU11は、スロットル開度と車両1000の速度からなる車両1000の走行状態が、スロットル開度と速度との関係を表した変速線を越えたと判断した場合に、或いは、運転者が、図示しないシフトレバーを操作した場合に、「変速要求」有りと判断する。なお、S11においては、いずれかのシフトフォーク部材61〜63が選択され、いずれかの変速段が形成されている。

S12において、AMT−ECU113は、クラッチアクチュエータ129を駆動制御することにより、クラッチCの伝達トルクを0にして、クラッチCを切断する。S12が終了すると、プログラムは、S13に進む。
S13において、AMT−ECU113が、「変速要求」が2段アップ変速又は2段ダウン変速のいずれかであると判断した場合には(S13:YES)、プログラムをS31に進め、「変速要求」が2段アップ変速及び2段ダウン変速のいずれかでないと判断した場合には(S13:NO)、プログラムをS21に進める。なお、2段アップ変速とは、1速から3速にアップ変速する場合(図11の(1))、2速から4速にアップ変速する場合(図11の(2))、3速から5速にアップ変速する場合(図11の(3))である。また、2段ダウン変速とは、5速から3速にダウン変速する場合(図11の(4))、4速から2速にダウン変速する場合(図11の(5))、3速から1速にダウン変速する場合(図11の(6))である。
S21において、AMT−ECU113が、「セレクト動作」が必要であると判断した場合には(S21:YES)、プログラムをS22に進め、「セレクト動作」が必要で無いと判断した場合には(S21:NO)、プログラムをS26に進める。なお、AMT−ECU113は、2速から3速にアップ変速する場合(図11の(7))、4速から5速にアップ変速する場合(図11の(8))、5速から4速にダウン変速する場合(図11の(9))、3速から2速にダウン変速する場合(図11の(10))、1速からリバースにする場合(図11の(11))、リバースから1速にする場合(図11の(12))のように、シフトフォーク部材61〜63を選択し直す必要がある場合には、「セレクト動作」が必要であると判断する。
S22において、AMT−ECU113は、モータ70を駆動制御して、シャフト20を逆回転させることにより、シフトピン30eを第一接続部40b又は第二接続部40fに位置させて、選択されているシフトフォーク部材61〜63を「中立位置」に位置させ、AMTをニュートラル状態にする制御を開始する。S22が終了するとプログラムは、S23に進む。
S23において、AMT−ECU113は、第一検出部75からの検出信号に基づいて、AMTがニュートラル状態になったと判断した場合には(S23:YES)、プログラムをS24に進め、AMTがニュートラル状態になっていないと判断した場合には(S23:NO)、S23の処理を繰り返す。
S24において、AMT−ECU113は、モータ70を駆動制御して、シャフト20を正回転させて、「変速要求」の変速段に対応するシフトフォーク部材61〜63のいずれかを選択する「セレクト動作」を開始する。S24が終了するとプログラムは、S25に進む。
S25において、AMT−ECU113は、第一検出部75からの検出信号に基づいて、回転部材30の回転角度を演算する。そして、AMT−ECU113が、回転部材30の回転角度に基づいて、「セレクト動作」が完了したと判断した場合には(S25:YES)、プログラムをS26に進め、「セレクト動作」が完了していないと判断した場合には(S25:NO)、S25の処理を繰り返す。
S26において、AMT−ECU113は、モータ70を駆動制御して、シャフト20を逆回転させて、シフト部材40を、シフトピン30eが「変速要求」のシフト位置(奇数段側又は偶数段側)に回転させる「シフト動作」を開始する。
なお、図14に示すように、第一接続部40b及び第二接続部40fは、中立線に対して傾斜していないので、シフトピン30eが第一接続部40bや第二接続部40fを摺動している限りにおいては、回転部材30及び選択されたシフトフォーク部材61〜63は、軸線方向に移動しない。また、シフト部材40を前記した余分の角度分正回転方向に回転させたとしても、「第一ワンウェイクラッチ」であるキー41、キー係合凹部30fによって、シフト部材40の回転部材30に対する正回転方向の回転に関して所定角度バックラッシュ可能となっているので、シフト部材40の正回転方向の回転に伴い回転部材30が回転することが無い。S26が終了するとプログラムは、S51に進む。
S31において、AMT−ECU113は、モータ70を駆動制御して、シャフト20を逆回転させることにより、シフトピン30eを第一接続部40b又は第二接続部40fに位置させて、選択されているシフトフォーク部材61〜63を「中立位置」に位置させ、AMTをニュートラル状態にする制御を開始する。例えば、1速から3速にアップ変速する場合には、奇数段部40dにあるシフトピン30eを、第二接続部40fに移動させて、AMTをニュートラル状態にする。S31が終了するとプログラムは、S32に進む。
S32において、AMT−ECU113は、第一検出部75からの検出信号に基づいて、AMTがニュートラル状態になったと判断した場合には(S32:YES)、プログラムをS33に進め、AMTがニュートラル状態になっていないと判断した場合には(S32:NO)、S32の処理を繰り返す。
S33において、AMT−ECU113は、モータ70を駆動制御して、シャフト20を正回転させて、回転部材30を非選択状態(図9の(D))にする制御を開始する。S33が終了するとプログラムは、S34に進む。
S34において、AMT−ECU113は、第一検出部75からの検出信号に基づいて、回転部材30の回転角度を演算する。そして、AMT−ECU113は、回転部材30に回転角度に基づいて、回転部材30が非選択状態になったと判断した場合には(S34:YES)、プログラムをS35に進め、回転部材30が非選択状態になっていないと判断した場合には(S34:NO)、S34の処理を繰り返す。
S35において、AMT−ECU113は、モータ70を駆動制御して、シャフト20を逆回転させて、シフト部材40を、シフトピン30eが「変速要求」の変速段手前の中立位置にある準備位置に回転させる制御を開始する。例えば、1速から3速にアップ変速する場合には、S31において第二接続部40fに位置されたシフトピン30eが、奇数段側の手前の準備位置である第一接続部40bに位置するように、シフト部材40が回転される。S35が終了するとプログラムは、S36に進む。
S36において、AMT−ECU113が、第一検出部75からの検出信号に基づいて、シフト部材40が準備位置にあり、AMTがニュートラル状態になっていると判断した場合には(S36:YES)、プログラムをS24に進め、シフト部材40が準備位置に無いと判断した場合には(S36:NO)、S36の処理を繰り返す。
S51において、AMT−ECU113が、第一検出部75からの検出信号に基づいて、「シフト動作」が完了したと判断した場合には(S51:YES)、プログラムをS52に進め、「シフト動作」が完了していないと判断した場合には(S51:NO)、S51の処理を繰り返す。
S52において、AMT−ECU113は、クラッチアクチュエータ129を駆動制御することにより、クラッチCの伝達トルクを最大にして、クラッチCを接続する。S52が終了すると、プログラムは、S11に戻る。
(シフト部材の回転角度と回転部材の回転角度との関係)
以下に、図11、図13、図15を用いて、2速から3速にアップ変速する場合における、シフト部材40の回転角度と回転部材30の回転角度との関係について説明する。なお、図11と図13の(A)〜(D)はそれぞれ対応している。図11に示すように、2速から3速にアップ変速する場合には、偶数段側(A)にある第一シフトフォークF1を、中立位置(B)に移動させて、AMTをニュートラル状態とする。次に、第二シフトフォークF2を選択して(C)、第二シフトフォークF2を奇数段側(D)に移動させる。
次に、図13を用いて説明する。偶数段側(A)にある第一シフトフォークF1を、中立位置(B)に移動させるためには、シフト部材40を逆回転させることにより、シフト部材40と回転部材30を相対回転させて、偶数段部40hにあるシフトピン30eを第一接続部40bに移動させて、回転部材30を中立位置に移動させるシフト動作を行う。この際に、キー41をキー係合凹部30fに確実に係合させるために、シフト部材40はシフト動作が完了する位置(図13の(1))から所定角度(図13の(2))余分に回転される。この状態、つまり、図13の(B)の回転角度では、図15の(A)に示すように、キー41がキー係合凹部30fを乗り越えた状態となっている。
次に、図13に示す中立位置(B)からシフト部材40を正回転方向に回転させて、セレクト動作を実行する。キー41がキー係合凹部30fに係合するまでは、シフト部材40のみが正回転する。キー41がキー係合凹部30fに係合すると(図15の(B)、図13の(3))、「第一ワンウェイクラッチ」によって、シフト部材40の正回転方向の回転に伴って、回転部材30が正回転方向に回転する(図13の(4))。
このように、キー41がキー係合凹部30fに係合して、「第一ワンウェイクラッチ」が規制状態となってはじめて、シフト部材40の正回転方向の回転に伴って、回転部材30が正回転方向に回転する。
(回転部材の回転角度の検出ズレ)
AMT−ECU113は、第一検出部75で検出されたモータ70の回転角度を積算することにより、回転部材30の回転角度(回転位置)を演算している。上述したキー41がキー係合凹部30fに係合する、「第一ワンウェイクラッチ」の規制開始位置(以下、適宜「規制開始位置」と略す)は、シフト操作装置90の製造誤差によって、シフト操作装置90によって僅かに異なる。このため、第一検出部75で検出されたモータ70の回転角度を積算したとしても、シフト動作とセレクト動作を繰り返す度に、回転部材30の回転角度の検出にズレが生じ、当該ズレが蓄積されてしまう。
すると、当該ズレの蓄積に起因して、「セレクト動作」が完了する前、つまり、歯止め部材50bがラッチ歯車30bを乗り越える前に、「シフト動作」が実行されてしまうと、「変速要求」の変速段と異なる変速段が形成されてしまう。例えば、2速から3速に変速する場合に、第二シフトフォークF2を選択する「セレクト動作」が完了する前に、「シフト動作」が実行されてしまうと、第一シフトフォークF1が選択されたままの状態となってしまう。以下に、回転部材30の回転角度を正確に検出する方法及び構造について説明する。
(認識部の形成位置)
第二検出部76は回転部材30に対向し、回転部材30はセレクト方向及びシフト方向に移動するので、第二検出部76は、回転部材30に対してセレクト方向及びシフト方向に相対移動する。図16において、一点鎖線は、第二検出部76の回転部材30上におけるセレクト方向の軌跡である。また、図16において、二点鎖線は、第二検出部76の回転部材30上におけるシフト方向の軌跡である。
図16に示すように、第一認識部30x1、第二認識部30x2、第三認識部30x3、第四認識部30x4が、回転部材30の周方向に順番に、3セット形成されている。第一認識部30x1は、回転部材30が中立位置にあり、且つ、第一〜第三係合部30i、30j、30kのいずれかが、第一被係合部61bと係合している状態において、第二検出部76と対向する位置の回転部材30周面に形成されている。第二認識部30x2は、回転部材30が中立位置にあり、且つ、第一〜第三係合部30i、30j、30kのいずれかが、第二被係合部62bと係合している状態において、第二検出部76と対向する位置の回転部材30周面に形成されている。第三認識部30x3は、回転部材30が中立位置にあり、且つ、第一〜第三係合部30i、30j、30kのいずれかが、第三被係合部63bと係合している状態において、第二検出部76と対向する位置の回転部材30周面に形成されている。
第四認識部30x4は、回転部材30が中立位置にあり、且つ、第一〜第三係合部30i、30j、30kのいずれかが、「非選択位置」(図9の(D)示)に位置している状態において、第二検出部76と対向する位置の回転部材30周面に形成されている。このように、第一〜第四認識部30x1〜30x4のシフト方向及びセレクト方向の中心は、第二検出部76の回転部材30上におけるセレクト方向及びシフト方向の軌跡の交点、つまり、図16に示す一点鎖線と二点鎖線の交点に位置している。
図16に示すように、第四認識部30x4だけが、他の第一認識部30x1〜第三認識部30x3と比べて、セレクト方向(周方向)の幅寸法が異なっている。本実施形態では、第四認識部30x4だけが、他の第一認識部30x1〜第三認識部30x3と比べて、セレクト方向の幅寸法が広くなっている。なお、第四認識部30x4だけが、他の第一認識部30x1〜第三認識部30x3と比べて、セレクト方向の幅寸法が狭くなっている実施形態であっても差し支え無い。
以下の説明において、第四認識部30x4を、適宜、特異認識部と称す。また、第一認識部30x1、第二認識部30x2、第三認識部30x3を、適宜、標準認識部と称す。特異認識部である第四認識部30x4は、標準認識部である第三認識部30x3と第一認識部30x1に隣接して形成されている。
(回転部材回転角度校正の概要)
回転部材30が中立位置にある状態において、第二検出部76の直下(対向する位置)を第三認識部30x3、第四認識部30x4、第一認識部30x1が通過するように回転部材30を回転させる。図16に示すように、第四認識部30x4だけが、他の第一認識部30x1〜第三認識部30x3と比べて、セレクト方向の幅寸法が広くなっている。
これにより、第二検出部76が第四認識部30x4を認識しON信号を出力している時間が、第二検出部76が他の第一認識部30x1〜第三認識部30x3を認識しON信号を出力している時間より長い。このため、ATM−ECU113は、回転部材30が「非選択位置」に位置していることを認識することができる。そして、ATM−ECU113は、「非選択位置」に対応するモータ70の回転角度を、第一検出部75からの検出信号に基づく回転部材30の回転角度検出の基準とすることにより、回転部材30の回転角度を校正する。以下に詳細に説明する。
(第一実施形態の回転部材回転角度校正処理)
以下に、図17に示すフローチャートを用いて「第一実施形態の回転部材回転角度校正処理」について説明する。「第一実施形態の回転部材回転角度校正処理」は、車両が停車中に、回転部材30の回転角度の校正を行う実施形態である。イグニッションがONとされ、車両が走行可能な状態となった場合には、「第一実施形態の回転部材回転角度校正処理」が開始し、図17のS111に進む。
S111において、AMT−ECU113が、出力軸回転速度センサ199からの検出信号に基づき、車両が停車していると判断した場合には(S111:YES)、プログラムをS112に進め、車両が停車していないと判断した場合には(S111:NO)、S111の処理を繰り返す。
S112において、AMT−ECU113は、モータ70を駆動制御して、シャフト20を正回転させて、第一認識部30x1、第二認識部30x2、第三認識部30x3、第四認識部30x4が順に第二検出部76の直下を通過し、第一認識部30x1が第二検出部76の直下で停止するように、回転部材30を正回転させる制御を開始する。なお、停車時には、1速が形成され、第一認識部30x1が第二検出部76の直下に位置している。つまり、S112において、第一認識部30x1が第二検出部76の直下に位置している状態から、次の第一認識部30x1が第二検出部76の直下に位置するように、回転部材30が正回転される制御が開始される。S112が終了すると、プログラムはS113に進む。
S113において、AMT−ECU113は、第一検出部75で検出されたモータ70の回転角度の検出信号と、第二検出部76で検出されたOFF信号又はON信号を対応付けして「記憶部」に記憶することを開始する。S113が終了すると、プログラムはS114に進む。
S114において、AMT−ECU113が、特異認識部である第四認識部30x4を検出したと判断した場合には(S114:YES)、プログラムをS115に進め、第四認識部30x4を検出していないと判断した場合には(S114:NO)、S114の処理を繰り返す。なお、ON信号が他のON信号と比べて長い場合や、ON信号の前後のOFF信号が他のOFF信号と比べて短い場合に、特異認識部である第四認識部30x4が検出される。
S115において、AMT−ECU113は、特異認識部である第四認識部30x4の中心位置を特定する。具体的には、AMT−ECU113は、「記憶部」に対応付けされて記憶されている第一検出部75の検出信号及び第二検出部76の検出信号に基づき、特異認識部である第四認識部30x4の中心位置のモータ70の回転角度を認識する。なお、第四認識部30x4の中心位置は、上述の「非選択位置」である。S115が終了すると、プログラムはS116に進む。
S116において、AMT−ECU113は、回転部材30の回転角度を校正する。具体的には、AMT−ECU113は、S115において認識された、第四認識部30x4の中心位置(「非選択位置」)に対応するモータ70の回転角度を、第一検出部75からの検出信号に基づく回転部材30の回転角度検出の基準とする。このS116において、第一検出部75からの検出信号に基づく回転部材30の回転角度検出のズレがリセットされる。S115が終了すると、プログラムはS117に進む。
S117において、AMT−ECU113は、第一検出部75からの検出信号に基づいて、第一認識部30x1が第二検出部76の直下に位置していると判断した場合には(S117:YES)、プログラムをS118に進め、第一認識部30x1がまだ第二検出部76の直下に達していないと判断した場合には(S117:NO)、プログラムをS117の処理を繰り返す。
S118において、AMT−ECU113は、モータ70による回転部材30の正回転方向の回転を停止させる。S118が終了すると、「第一実施形態の回転部材回転角度校正処理」が終了する。
なお、S115及びS116が、S118の後に実行される実施形態であっても差し支え無い。つまり、回転部材30を停止させてから、回転部材30の回転角度の校正を行っても差し支え無い。
(第二実施形態の回転部材回転角度校正処理)
以下に、図18に示すフローチャート、図19、図20に示す説明図を用いて「第二実施形態の回転部材回転角度校正処理」について説明する。「第二実施形態の回転部材回転角度校正処理」は、3速から2速、又は5速から4速へのコーストダウンシフト時に、第一検出部75からの検出信号に基づく回転部材30の回転角度検出のズレが大きくなったことを検出した場合に、「セレクト動作」を超えて更に回転部材30を回転させて、回転部材30の回転角度の校正を行う実施形態である。
なお、コーストダウンシフトとは、運転者がアクセルペダルを踏んでいない状態において実行されるダウンシフトである。例えば、3速から2速へのダウンシフトが実行される場合には、図19の実線で示すように、回転部材30を3速の「セレクト位置」から2速の「セレクト位置」まで正回転させる必要がある。そして、ダウンシフト時に、回転部材30の回転角度検出のズレが大きくなったことを検出した場合に、図19の破線の矢印で示すように、「変速要求」のシフト位置から更に回転部材30を回転させることにより、回転部材30の回転角度の校正を行う。
コーストダウンシフト時には、素早い変速が要求されないので、図19の破線の矢印で示すように、「変速要求」のシフト位置から更に回転部材30を回転させて、変速が遅延しても、運転者が違和感を覚えない。イグニッションがONとされ、車両が走行可能な状態となった場合には、「第二実施形態の回転部材回転角度校正処理」が開始し、図18のS201に進む。
S201において、AMT−ECU113が、「変速指令」に基づき、3速から2速、又は5速から4速へのコーストダウンシフトが実行されることを認識した場合には(S201:YES)、プログラムをS211に進め、上述のコーストダウンシフトが実行されることを認識しない場合には(S201:NO)、S201の処理を繰り返す。
S211において、AMT−ECU113が、第一検出部75からの検出信号及び第二検出部76からの検出信号に基づいて、回転部材30の回転角度ズレが規定値以上であると判断した場合には(S211:YES)、プログラムをS212に進め、回転部材30の回転角度ズレが規定値以上でないと判断した場合には(S211:YES)、S211の処理を繰り返す。上述の回転部材30の回転角度ズレとは、図20に示すように、第一検出部75の検出信号に基づいて演算された認識部30xの位置と、第二検出部76によって検出された認識部30xの位置のズレである。
S212において、AMT−ECU113は、モータ70を駆動制御して、回転部材30を、「変速指令」の「セレクト位置」から更に正回転させて、再び「変速指令」の「セレクト位置」まで位置させる制御を開始する(図19の破線矢印で示す動作)。S212が終了すると、プログラムはS213に進む。
S213、S214、S215、S216は、ぞれぞれ、図17に示すS113、S114、S115、S116の処理と同一である。S216が終了すると、プログラムは、S217に進む。
S217において、AMT−ECU113は、第一検出部75からの検出信号に基づき、回転部材30が「変速指令」の「セレクト位置」に位置していると判断した場合には(S217:YES)、プログラムをS218に進め、回転部材30が「変速指令」の「セレクト位置」に達していないと判断した場合には(S217:NO)、プログラムをS218に進める。
S218において、AMT−ECU113は、モータ70を停止させて、回転部材30を「変速指令」の「セレクト位置」に停止させる。S218が終了すると、「第二実施形態の回転部材回転角度校正処理」が終了する。
(第三実施形態の回転部材回転角度校正処理)
以下に、図21に示すフローチャートを用いて「第三実施形態の回転部材回転角度校正処理」について説明する。「第三実施形態の回転部材回転角度校正処理」は、第二検出部76の直下を特異認識部である第四認識部30xが通過するような変速(例えば、リバースから1速への変速)が実行された場合に、回転部材30回転角度を校正する実施形態である。イグニッションがONとされ、車両が走行可能な状態となった場合には、「第三実施形態の回転部材回転角度校正処理」が開始し、図21のS301に進む。
S301において、AMT−ECU113は、第一検出部75で検出されたモータ70の回転角度の検出信号と、第二検出部76で検出されたOFF信号又はON信号を対応付けして「記憶部」に記憶することを開始する。S301が終了すると、プログラムはS302に進む。
S302において、AMT−ECU113が、「変速要求」に基づき、第二検出部76の直下を特異認識部である第四認識部30xが通過するような変速が実行されることを認識した場合には(S302:YES)、プログラムをS315に進め、第二検出部76の直下を第四認識部30xが通過するような変速が実行されないと認識した場合には(S302:NO)、S302の処理を繰り返す。
S315、S316は、それぞれ図17に示すS115、S116と同一である。S316が終了すると、「第三実施形態の回転部材回転角度校正処理」が終了する。
(第四実施形態の回転部材回転角度校正処理)
以下に、図22に示すフローチャートを用いて「第四実施形態の回転部材回転角度校正処理」について説明する。「第四実施形態の回転部材回転角度校正処理」は、シフト操作装置の出荷前やシフト操作装置の分解整備時に実行される実施形態である。なお、シフト操作装置の出荷前や、シフト操作装置の分解整備後では、AMT−ECU113は、回転部材30の回転角度を認識していない。「第四実施形態の回転部材回転角度校正処理」が開始すると、プログラムはS401に進む。
S401において、AMT−ECU113は、モータ70を駆動制御して、シャフト20を正回転させて、回転部材30を正回転させる制御を開始する。S401が終了すると、プログラムはS402に進む。
S402において、AMT−ECU113は、第一検出部75で検出されたモータ70の回転角度の検出信号と、第二検出部76で検出されたOFF信号又はON信号を対応付けして「記憶部」に記憶することを開始する。S402が終了すると、プログラムはS414に進む。
S414、S415、S416は、それぞれ図17に示すS114、S115、S116と同一である。S416が終了すると、「第四実施形態の回転部材回転角度校正処理」が終了する。
(本実施形態の効果)
上述した説明から明らかなように、単一のモータ70が、シフト部材40を正回転させることにより、シフト部材40と回転部材30を一体回転させることにより、回転部材30を複数のシフトフォーク部材61〜63(伝達部材)のうち1のシフトフォーク部材61〜63に係合させ、複数のシフトフォーク部材61〜63のうち1のシフトフォーク部材61〜63を選択する「セレクト動作」を行う。そして、単一のモータ70が、シフト部材40を逆回転させることにより、回転部材30とシフト部材40を相対回転させて、回転部材30を軸線方向に移動させ、選択されたシフトフォーク部材61〜63を軸線方向に移動させる「シフト動作」を行う。このように、単一のモータ70によって「セレクト動作」と「シフト動作」の両方を行うことができるので、部品点数の増大を抑制することができる自動変速機のシフト操作装置90を提供することができる。
このように、本実施形態では、従来では「セレクト動作」と「シフト動作」を行うのに、2以上必要であったモータを、単一のモータ70に削減することができるので、モータに付随するECU、ドライバ、センサ等の各種制御備品を削減することができる。このため、シフト操作装置90の製造コストを低減することができ、シフト操作装置90の車両への搭載性が良好となり、車両の重量を低減することができる。
また、AMT−ECU113(校正部)は、回転部材30が正回転された際に、第一検出部75によって検出されたモータ70の回転角度、及び第二検出部76によって検出された認識部30x1〜30x4に基づき、回転部材30の回転角度のズレを校正する(図17のS116、図18のS216、図21のS316、図22のS416)。
このように、モータ70の回転角度を検出する第一検出部75によって検出される回転部材30の回転角度のズレが校正されるので、回転部材30の回転角度を検出する検出部を設けなくても、第一検出部75によって回転部材30の回転角度を精度高く検出することができる。このため、回転部材30の回転角度を検出する検出部が不要となり、シフト操作装置の部品点数の増大を更に抑制することができる。
また、認識部30xは、標準認識部である第一認識部30x1、第二認識部30x2、第三認識部30x3と、特異認識部である第四認識部30x4とから構成されている。そして、AMT−ECU113は、第一検出部75によって検出されたモータ70の回転角度、及び第二検出部76によって検出された特異認識部及び当該特異認識部に隣接する認識部に基づき回転部材の回転角度を認識する(図22のS416)。
このように、標準認識部30x1〜30x3と異なる特異認識部30x4を回転部材30の外周面に設けたので、シフト操作装置の出荷前や、シフト操作装置の分解整備後において、回転部材を回転させることにより、第二検出部76で標準認識部30x1〜30x3と異なる特異認識部30x4を認識することができる。このため、回転部材30の初期位置を認識することができる。
特異認識部30x4は、回転部材30がいずれのシフトフォーク部材61〜63に係合していない回転位置である「非係合位置」において第二検出部76によって検出される位置の回転部材30に設けられている。「非係合位置」は1速が選択される「セレクト位置」に隣接する位置に設定されているので、停車により1速が形成される頻度が高いことから、第二検出部76によって特異認識部30x4が検出される頻度が高くなる。このため、より高い頻度で、回転部材30の回転角度の校正が実行される。
AMT−ECU113は、車両が停車した際に(図17のS111でYESと判断)、S112において、モータ70によって回転部材30を正回転させ、S116において、回転部材30の回転に伴う第一検出部75及び第二検出部76からの検出結果に基づいて、回転部材30の回転角度のズレを校正する。これにより、運転者が違和感を覚えずに、回転部材30の回転角度のズレを校正することができる。つまり、変速中に回転部材30を余分に回転させることにより回転角度のズレを校正すると、変速の完了が遅れ、運転者が違和感を覚える。本実施形態では、停車中に回転部材30の回転角度のズレが校正されるので、運転者が違和感を覚えない。
AMT−ECU113は、AMTによる変速の実行に伴い回転部材30が正回転された際に(図21のS302でYESと判断)、S316において、回転部材30の正回転に伴う第一検出部75及び第二検出部76からの検出結果に基づいて、回転部材30の回転角度のズレを校正する。これにより、回転部材30を回転させること無く、AMTによる変速の実行に伴い、回転部材30の回転角度の校正が実行される。
また、回転部材30は、いずれの係合部30i、30j、30kがいずれの被係合部61b、62b、63bに係合していない回転角度である「非係合位置」(図9の(D)示)で停止可能に構成され、シフト操作装置90は、「非係合位置」において、「シフト動作」が可能に構成されている。これにより、2速アップ変速又は2速ダウン変速する場合において(図10のS13でYESと判断)、回転部材30が「非係合位置」にある状態で「シフト動作」することにより(図10のS35)、次のギヤ段の「シフト動作」を迅速に行うことができる。
つまり、2速アップ変速又は2速ダウン変速する場合には、「シフト動作」を2回行わなければならないが、回転部材30が「非係合位置」にある状態で「シフト動作」させると、シフトフォーク部材61〜63が動かないので、シンクロナイザリングR1〜R5、RRによる同期時間を削減することができ、迅速に2速アップ変速又は2速ダウン変速を行うことができる。
また、図9に示すように、係合部30i、30j、30kは、回転部材30に複数形成されている。これにより、図9の(D)に示すように、ある係合部30iが選択する被係合部61b、62b、63bを通過した後の場合であっても、次の係合部30jが選択する被係合部61b、62b、63bの手前で待機しているので、迅速に「セレクト動作」を実行することができる。
また、図6に示すように、「第一ワンウェイクラッチ」であるキー41、キー係合凹部30fは、シフト部材40の回転部材30に対する正回転方向の回転に関して所定角度バックラッシュ可能に構成されている。これにより、「シフト動作」の際に、シフト部材40を余分に逆回転させた後に当該余分の角度分正回転方向に戻したとしても、回転部材30が正回転方向に回転しない。このため、シフト部材40を余分に逆回転させることにより、確実に「シフト動作」を実行することができる。
(別の実施形態の特異認識部)
図23を用いて、別の実施形態の特異認識部について説明する。この実施形態では、図23に示すように、特異認識部である第四認識部30x4のみが、回転部材30のセレクト方向に関して、第二検出部76の回転部材30上におけるシフト方向の軌跡から外れた位置に形成されている。つまり、回転部材30が非選択位置(図9(D))に位置している状態では、第二検出部76の直下に第四認識部30x4は位置していない。言い換えると、第三認識部30x3と第四認識部30x4の周方向(セレクト方向)の離間角度(離間距離)や、第四認識部30x4と第一認識部30x1の周方向の離間角度が、標準認識部である第一認識部30x1、第二認識部30x2、第三認識部30x3同士の周方向の離間角度と異なっている。
特異認識部30x4が第二検出部76の直下を通過すると、特異認識部30x4が第二検出部76の直下を通過する前後でOFF信号が他のOFF信号と比べて異なるので、特異認識部である第四認識部30x4が検出される。そして、AMT−ECU113は、第四認識部30x4の中心位置のモータ70の回転角度を、第一検出部75からの検出信号に基づく回転部材30の回転角度検出の基準とする。
(別の実施形態)
以上説明した実施形態では、図17に示す「第一実施形態の回転部材回転角度構成処理」のS115において、特異認識部30x4のみの中心位置を特定し、S116において、第四認識部30x4の中心位置のモータ70の回転角度を、第一検出部75からの検出信号に基づく回転部材30の回転角度検出の基準としている。しかし、これに加えて、S115において、全ての認識部30x1〜30x3の中心位置を特定することにより、各シフトフォーク部材61〜63の「セレクト位置」を特定し、S116において、認識部30x1〜30x3の中心位置(「セレクト位置」)に対応するモータ70の回転角度を、第一検出部75からの検出信号に基づく回転部材30の回転角度検出の基準とする実施形態であっても差し支え無い。この実施形態では、「非選択位置」だけでなく、各シフトフォーク部材61〜63の「セレクト位置」も第一検出部75からの検出信号に基づく回転部材30の回転角度検出の基準となるので、より正確に回転部材30の回転角度検出の校正を行うことができる。
以上説明した実施形態では、複数の認識部30x1〜30x4が、回転部材30の外周面に形成されている。しかし、単一の認識部30xが回転部材30の外周面に形成されている実施形態であっても差し支え無い。この実施形態の場合には、回転部材30が正回転された際に、「記憶部」に対応付けされて記憶されている第一検出部75の検出信号及び第二検出部76の検出信号に基づき、単一の認識部30x中心位置を特定する。そして、単一の認識部30xの中心位置に対応するモータ70の回転角度を、第一検出部75からの検出信号に基づく回転部材30の回転角度検出の基準とすることにより、回転部材30の回転角度検出のズレをリセットする。
以上説明した実施形態では、第一〜第四認識部30x1〜30x4のシフト方向及びセレクト方向の中心は、第二検出部76の回転部材30上におけるセレクト方向及びシフト方向の軌跡の交点、つまり、図16に示す一点鎖線と二点鎖線の交点に形成されている。そして、第二検出部76からの検出信号に基づいて、第一〜第四認識部30x1〜30x4のセレクト方向の中心位置が特定される。
しかし、図24に示すように、第一〜第四認識部30x1〜30x4のセレクト方向の端部が、第二検出部76の回転部材30上におけるセレクト方向の軌跡(図24の一点鎖線)に位置している実施形態であっても差し支え無い。この実施形態の場合には、第二検出部76からの検出信号が、ON信号からOFF信号、又はOFF信号からON信号に変化する位置を検出することにより、「非選択位置」や各シフトフォーク部材61〜63の「セレクト位置」が認識され、当該「非選択位置」や「セレクト位置」に対応するモータ70の回転角度を、第一検出部75からの検出信号に基づく回転部材30の回転角度検出の基準とすることにより、回転部材30の回転角度検出のズレをリセットすることができる。
以上説明した実施形態では、認識部30x1〜30x4は突起である。しかし、認識部30x1〜30x4は、回転部材30の外周面に凹陥形成された形状であっても差し支え無い。或いは、認識部30x1〜30x4は、回転部材30の外周面に取り付けられた磁石や、回転部材30の外周面に記載されたマーク等であっても差し支え無い。認識部30x〜30x4が、磁石やマークである実施形態の場合には、第二検出部76は上記磁石やマークの位置を検出するセンサである。
以上説明した実施形態では、モータ70が、ドライブギヤ81、ドリブンギヤ82、及びシャフト20を介して、シフト部材40を回転させている。しかし、モータ70が直接シフト部材40を回転させる実施形態であっても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、第一検出部75は、モータ70の回転角を検出することにより、シャフト20やシフト部材40の回転角を検出するセンサである。しかし、第一検出部75は、シャフト20やシフト部材40の回転角を直接検出するセンサであっても差し支え無い。本実施形態では、モータ70の回転はドライブギヤ81及びドリブンギヤ82によって減速され、第一検出部75はモータ70の回転角を検出するので、シフト部材40の回転角を精度高く(分解能が高く)検出することができる。
以上説明した実施形態では、車両の停車を検出する停車検出部は、出力軸回転速度センサ199である。しかし、上記停車検出部は、車輪Wl、Wrの回転速度を検出する車輪速センサであっても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、「第一ワンウェイクラッチ」は、キー41とキー係合凹部30fとから構成され、「第二ワンウェイクラッチ」は、ラッチ歯車30bとディテント部材50とから構成されている。しかし、「第一ワンウェイクラッチ」や「第二ワンウェイクラッチ」は、アウターレースとインナーレースの間にスプラグが配設されたスプラグ式のワンウェイクラッチや、アウターレースとインナーレースの間にカムが配設されたカム式のワンウェイクラッチであっても差し支え無い。
また、図12に示すように、シフト部材40がシャフト20に回転可能に取り付けられ、シャフト20の回転部材30に対する正回転方向の回転を規制する第二ワンウェイクラッチ91、シフト部材40の回転部材30に対する逆回転方向のみの回転を許容する第一ワンウェイクラッチ92と、及びシャフト20のシフト部材40に対する逆回転方向の回転を規制する第三ワンウェイクラッチ93が設けられた実施形態であっても差し支え無い。
このような実施形態であっても、シャフト20が正回転すると、第二ワンウェイクラッチ91によって、シャフト20と回転部材30とが一体に正回転し、第一ワンウェイクラッチ92によって、回転部材30とシフト部材40が一体に正回転し、「セレクト動作」を実行することができる。また、シャフト20が逆回転すると、第二ワンウェイクラッチ91によって、回転部材30がシャフト20に対して空回りし、第三ワンウェイクラッチ93によって、シャフト20とシフト部材40が一体回転し、第一ワンウェイクラッチ92によって、回転部材30とシフト部材40が相対回転し、「シフト動作」を実行することができる。
なお、シャフト20が正回転する場合には、第二ワンウェイクラッチ91は、回転部材30のハウジング10に対する正回転方向の回転を許容している。また、シャフト20が逆回転する場合には、第二ワンウェイクラッチ91は、シャフト20の回転部材30に対する逆回転方向の回転を許容することにより、シャフト20を回転部材30に対して空回りさせ、回転部材30のハウジング10に対する逆回転方向の回転を規制している。
10…ハウジング(本体)、30…回転部材、30b…ラッチ歯車(第二ワンウェイクラッチ、シフト機構)、30e…シフトピン(移動機構)、30f…キー係合凹部(第一ワンウェイクラッチ、セレクト機構)、30i、30j、30k…係合部、30x1…第一認識部(標準認識部)、30x2…第二認識部(標準認識部)、30x3…第三認識部(標準認識部)、30x4…第四認識部(特異認識部)、40…シフト部材、40a…シフト溝(移動機構)、50…ディテント部材(第二ワンウェイクラッチ、シフト機構、回転角度検出手段)、41…キー(第一ワンウェイクラッチ、セレクト機構)、50b…歯止め部材(歯止め部材)、61…第一シフトフォーク部材(伝達部材)、62…第二シフトフォーク部材(伝達部材)、63…第三シフトフォーク部材(伝達部材)、70…モータ、75…第一検出部、76…第二検出部、100…第一選択機構、200…第二選択機構、300…第三選択機構、113…ATM−ECU(回転部材回転角度演算部、校正部)、199…出力軸回転速度センサ(停車検出部)

Claims (5)

  1. 車両に搭載された自動変速機の選択機構を作動させるシフト操作装置であって、
    本体と、
    前記本体に対して回転可能、且つ、軸線方向に移動可能に前記本体に取り付けられ、外周面に認識部が設けられた回転部材と、
    前記回転部材に取り付けられたシフトピンと、
    前記本体に回転可能に取り付けられ、前記シフトピンと係合するシフト溝が外周面に設けられたシフト部材と、
    前記本体に前記軸線方向に移動可能に取り付けられ、前記回転部材と係脱可能に構成され、前記回転部材の前記軸線方向の移動によって、前記軸線方向に移動して、前記選択機構を作動させる複数の伝達部材と、
    前記シフト部材を正逆回転させる単一のモータと、
    前記シフト部材の前記回転部材に対する正回転方向のみの回転を規制する第一ワンウェイクラッチと、
    前記回転部材の前記本体に対する逆回転方向のみの回転を規制する第二ワンウェイクラッチと、
    前記モータの回転角度又は前記シフト部材の回転角度を検出する第一検出部と、
    前記回転部材の正回転に伴い、前記認識部を検出する第二検出部と、
    前記第一検出部によって検出された前記モータの回転角度又は前記シフト部材の回転角度に基づいて、前記回転部材の回転角度を演算する回転部材回転角度演算部と、を有し、
    前記回転部材が正回転された際に、前記第一検出部によって検出された前記モータの回転角度又は前記シフト部材の回転角度、及び前記第二検出部によって検出された前記認識部に基づき、前記回転部材回転角度演算部が演算する前記回転部材の回転角度のズレを校正する校正部を有する自動変速機のシフト操作装置。
  2. 前記認識部は、前記回転部材の外周面に周方向一定角度をおいて複数設けられた標準認識部と、前記標準認識部と隣接して前記回転部材の外周面に設けられ、前記標準認識部と周方向の幅寸法が異なり、又は前記標準認識部との周方向の離間角度が前記標準認識部同士の周方向の離間角度と異なる特異認識部とから構成され、
    前記校正部は、前記第一検出部によって検出された前記モータの回転角度又は前記シフト部材の回転角度、及び前記第二検出部によって検出された前記特異認識部及び当該特異認識部に隣接する前記標準認識部に基づき前記回転部材の回転角度を認識する請求項1に記載の自動変速機のシフト操作装置。
  3. 前記特異認識部は、前記回転部材がいずれの前記シフト部材に係合していない回転位置である非係合位置において前記第二検出部によって検出される位置の前記回転部材に設けられている請求項2に記載の自動変速機のシフト操作装置。
  4. 前記車両の停車を検出する停車検出部を有し、
    前記校正部は、前記停車検出部が前記車両の停車を検出した際に、前記モータによって前記回転部材を正回転させ、当該回転部材の回転に伴う前記第一検出部及び前記第二検出部からの検出結果に基づいて、前記回転部材の回転角度のズレを校正する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自動変速機のシフト操作装置。
  5. 前記校正部は、前記自動変速機による変速の実行に伴い前記回転部材が正回転された際に、当該回転部材の正回転に伴う前記第一検出部及び前記第二検出部からの検出結果に基づいて、前記回転部材の回転角度のズレを校正する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自動変速機のシフト操作装置。
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