JP6108673B2 - 可変容量型圧縮機用制御弁 - Google Patents

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Description

本発明は、カーエアコン等に使用される可変容量型圧縮機用制御弁に係り、特に、弁体に作用する冷媒圧力による制御への悪影響を受け難くした可変容量型圧縮機用制御弁に関する。
この種の可変容量型圧縮機用制御弁としては、例えば下記特許文献1(の図1)に所載のものがある。この制御弁は、基本的には、図3(B)に主要部(弁本体部分)が簡略図示されているように、弁本体20に、弁口22が設けられた弁室21及び圧縮機の吸入室に連通するPs入出口27(ここでは破線で示されているように弁本体20を上下に貫通する縦孔)が設けられ、弁口22より上流側(ここでは下側)に圧縮機の吐出室に連通するPd導入口25が設けられるとともに、弁口22より下流側(ここでは上側)に圧縮機のクランク室に連通するPc入出口26が設けられている。その他、弁口22を開閉するための弁体(弁棒)15、弁体15を弁口開閉方向に移動させるためのプランジャを有する電磁式アクチュエータ、圧縮機から吸入圧力PsがPs入出口を介して導入される感圧室、該感圧室の圧力に応じて弁体15を弁口開閉方向に付勢する感圧応動部材等を備えている。
前記弁体15は、上から順に、弁本体20の上部に設けられた上側案内孔19Aに摺動自在に嵌挿された上部嵌挿部15e、中間小径部15d、弁口22をその下側から開閉すべく弁室21に配在された弁体部15a、下部小径部15c、及び、弁本体20の下部に設けられた下側案内孔19Bに摺動自在に嵌挿された下部嵌挿部15bを有し、該下部嵌挿部15bの下端面に吸入圧力Psが作用するようにされている。
ここで、上部嵌挿部15eの外径をφa、弁口22の口径をφb、弁体部15aの外径をφc、及び下部嵌挿部15bの外径をφdとすると、φc>φb>φa≒φdの関係を満たすようにそれらの寸法が設定されている。
また、特許文献2(の第3実施例)には、前記クランク室の圧力Pcを前記Ps入出口を介して圧縮機の吸入室に逃がすための弁内逃がし通路が主弁体内に設けられるとともに、該弁内逃がし通路を開閉する副弁体が設けられ、主弁体は、上から順に、弁本体の上部に設けられた上側案内孔に摺動自在に嵌挿される上部嵌挿部、中間小径部、弁口をその下側から開閉すべく弁室に配在された主弁体部、下部小径部、及び、弁本体の下部に設けられた下側案内孔に摺動自在に嵌挿される下部嵌挿部を有し、該下部嵌挿部の下端面に吸入圧力Ps(又はクランク室圧力Pc)が作用するようにされ、上部嵌挿部の外径をφa、弁口の口径をφb、主弁体部の外径をφc、及び下部嵌挿部の外径をφdとすると、上記した図3(B)に示される従来例と同様に、φc>φb>φa≒φdの関係を満たすようにそれらの寸法が設定されている可変容量型圧縮機用制御弁が開示されている。
上記した如くの従来の制御弁(図3(B)に示されるもの)においては、上部嵌挿部15eには、下向きに吸入圧力Psが作用するとともに、上向きにクランク室圧力Pcが作用するが、Ps≒Pcであるので、それらが相殺される。また、弁体部15aには、下向きにクランク室圧力Pcが作用するとともに、上向きに吐出圧力Pdが作用するが、Pd>Pcであるので、主弁体部15aには上向き(閉弁方向)にそれらの差圧(Pd−Pc)分が作用する。また、下部嵌挿部15bには、下向きに吐出圧力Pdが作用するとともに、上向きに吸入圧力Psが作用するが、Pd>Psであるので、下部嵌挿部15には下向き(開弁方向)にそれらの差圧(Pd−Ps)分が作用する。
ここで、Ps≒Pc、[弁体部の外径φc]>[下部嵌挿部の外径φd]であるので、弁体には上向き(閉弁方向)に、(Pd−Ps)×(弁体部の受圧面積−下部嵌挿部の受圧面積)に相当する力(閉弁力)が作用する。
特開2010−185285号公報 特願2011−161121号
上記した如くの可変容量型圧縮機用制御弁においては、制御精度等の観点からは、吐出圧力Pdの影響を受けにくくしてクランク室圧力Pcを制御することが望まれる。しかるに、閉弁時においては、吐出圧力Pdの影響はほとんど受けないが、開弁時においては、上記のように、[弁体部の外径φc]>[下部嵌挿部の外径φd]であるので、弁体には上向き(閉弁方向)に、(Pd−Pc)×(弁体部の受圧面積−下部嵌挿部の受圧面積)に相当する力(閉弁力)が作用し、これが制御に悪影響を与える。
また、上記制御弁においては、弁体15の上部嵌挿部15eと下部嵌挿部15bがそれぞれ弁本体に上下2カ所設けられた案内孔19A、19Bに嵌挿されて摺動するようにされているが、[弁体部15aの外径φc]>[下部嵌挿部15bの外径φd]とされて、弁体を弁本体に下から挿入して組み付けるようにされているため、弁本体には、予め弁体部15aを通すための、弁体部15aの外径φcよりも大きな径の通し穴18が形成されるとともに、この通し穴18に、下部嵌挿部15bが摺動自在に嵌挿される案内孔19Bを有する筒状案内体52が圧入等により取付固定されている。
このように、上側案内孔19Aは、他部材を介することなく弁本体に直接形成されているが、下側案内孔19Bは、弁本体に取付固定された他部材(筒状案内体52)に設けられているので、二つの案内孔19A、19Bに軸芯ずれを生じやすく、この軸芯ずれに起因して弁体(上部嵌挿部15eと下部嵌挿部15b)の摺動性が低下し、作動不良を招くおそれがある。作動不良を招きにくくするには、案内孔内周面と嵌挿部外周面との間に形成される摺動面間隙(クリアランス)を大きくすればよいが、摺動面間隙を大きくすると、弁内部での漏れ量が大きくなり、効率が低下する。また、摺動面間隙を大きくすると、大きな異物を噛み込みやすくなり、摺動面間隙に異物が詰まって弁体が動かなくなる(ロック、弁体置き去り)等の作動不良を生じやすくなる。さらに、他部材(筒状案内体52)を後付けする必要があるため、部品コスト、加工組立コストが高い、部品組付性が悪い等の問題もある。
また、特許文献2に所載の制御弁において、クランク室圧力Pcをより迅速に下げられるように主弁体内に設けられる弁内逃がし通路の孔径を大きく設定しようとすると、必然的に主弁体部の外径φcを大きく設定する必要がある。このように主弁体部の外径を大きく設定すると、主弁体部の受圧面積が大きくなるため、主弁体に作用する上向きの力(閉弁力)が一層大きくなり、開弁しにくくなって、開弁するのに大きな力が要求され、電磁式アクチュエータとして大型のものを使用しなければならなくなる等の問題を生じる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、吐出圧力Pdの影響を受けにくくしてクランク室圧力Pcを高精度に制御することのできる可変容量型圧縮機用制御弁を提供することにある。
他の目的とするところは、弁内部での漏れ量を低減できるとともに、作動不良を生じにくくでき、部品コスト、加工組立コストを低く抑えることのできる可変容量型圧縮機用制御弁を提供することにある。
前記の目的を達成すべく、本発明に係る可変容量型圧縮機用制御弁は、基本的には、弁口が設けられた弁室及び圧縮機の吸入室に連通するPs入出口を有し、前記弁口より上流側に圧縮機の吐出室に連通するPd導入口が設けられるとともに、前記弁口より下流側に前記圧縮機のクランク室に連通するPc入出口が設けられた弁本体と、前記弁口を開閉するための主弁体と、該主弁体を弁口開閉方向に移動させるためのプランジャを有する電磁式アクチュエータと、前記電磁式アクチュエータ内に設けられ、前記圧縮機から吸入圧力Psが前記Ps入出口を介して導入される感圧室及び該感圧室の圧力に応じて前記主弁体を弁口開閉方向に付勢する感圧応動部材と、を備え、前記クランク室の圧力Pcを前記Ps入出口を介して前記圧縮機の吸入室に逃がすための弁内逃がし通路が前記主弁体内に設けられるとともに、該弁内逃がし通路を開閉する副弁体が設けられ、前記主弁体は、上から順に、前記弁本体の上部に設けられた上側案内孔に摺動自在に嵌挿される上部嵌挿部、中間小径部、前記弁口をその下側から開閉すべく前記弁室に配在された弁体部、下部小径部、及び、前記弁本体の下部に設けられた下側案内孔に摺動自在に嵌挿される下部嵌挿部を有すると共に、前記中間小径部の外周部と前記弁内逃がし通路とを連通する横孔を有し、該下部嵌挿部の下端面にクランク室圧力Pcが作用するようにされ、前記上部嵌挿部の外径をφa、前記弁口の口径をφb、前記主弁体部の外径をφc、及び前記下部嵌挿部の外径をφdとすると、φc≒φd>φb>φaの関係を満たすようにそれらの寸法が設定されていることを特徴としている。
好ましい態様では、前記電磁式アクチュエータの吸引力により前記プランジャが最下降位置から上方向に連続的に移動せしめられるとき、前記プランジャと一緒に前記副弁体が前記弁内逃がし通路を閉じたまま上方向に移動するとともに、該副弁体に追従するように主弁体が上方向に移動せしめられ、前記主弁体により前記弁口が閉じられた後、さらに前記プランジャが上方向に移動せしめられると、前記副弁体が前記弁内逃がし通路を開くようにされる。
この場合、さらに具体的な好ましい態様では、前記主弁体を閉弁方向に付勢する閉弁ばねを備え、前記プランジャの最下降位置からの上方向移動量が第1リフト量に達するまでは、前記主弁体が前記閉弁ばねの付勢力により前記プランジャに追従するように閉弁方向に移動し、前記上方向移動量が前記第1リフト量に達すると、前記主弁体により前記弁口が閉じられ、さらに前記上方向移動量が前記第1リフト量より所定量大なる第2リフト量になるまでは、前記プランジャにより前記副弁体が前記所定量引き上げられて前記弁内逃がし通路が開かれるようにされる。
別の好ましい態様では、前記上側案内孔と下側案内孔とは、共通の中心軸線を持つように他部材を介することなく前記弁本体に直接形成される。
本発明に係る可変容量型圧縮機用制御弁では、[弁体部の外径φc]≒[下部嵌挿部の外径φd]>[弁口の口径φb]>[上部嵌挿部の外径φa]の関係を満たすようにそれらの寸法が設定されるので、弁体部に作用する上向きの力(閉弁力)と下部嵌挿部に作用する下向きの力(開弁力)とが相殺され、このため、主弁開弁時においても吐出圧力Pdの影響をさほど受けなくなり、その結果、クランク室圧力Pcの制御精度等を向上させることができる。
また、上側案内孔及び下側案内孔は、共に他部材を介することなく単一の弁本体に直接形成されているので、従来例のもののように下側案内孔が弁本体に後付けされる別部材に形成されている場合に比して、二つの案内孔に軸芯ずれを生じにくく、弁体(の上部嵌挿部と下部嵌挿部)の摺動性が良好となる。
また、軸芯ずれを生じにくいことから、案内孔内周面と嵌挿部外周面との間に形成される摺動面間隙(クリアランス)を小さくすることができるので、弁内部での漏れ量を低減できるとともに、大きな異物を噛み込みにくくなり、摺動面間隙に異物が詰まって弁体が動かなくなる(ロック、弁体置き去り)等の作動不良を生じにくくできる。さらに、他部材(筒状案内体)を後付けする必要がないため、部品コスト、加工組立コストを低く抑えることができるとともに、部品組付性等も向上する。
本発明に係る可変容量型圧縮機用制御弁の第1実施例を示す縦断面図。 図1に示される制御弁の弁本体部分の拡大図。 本発明第1実施例(A)と従来例(B)との相違点の説明に供される主要部概略図。 本発明に係る可変容量型圧縮機用制御弁の第2実施例の主弁:開、副弁:閉の状態(通常制御時)を示す縦断面図。 図4に示される制御弁の弁本体部分の拡大図。 本発明に係る可変容量型圧縮機用制御弁の第2実施例の主弁:閉、副弁:開の状態(圧縮機起動時)を示す縦断面図。 (A)は図4の要部拡大図、(B)は図6の要部拡大図。 (A)は通常制御時における圧縮機と制御弁との間の冷媒圧力流通状況を示す図、(B)は圧縮機起動時における圧縮機と制御弁との間の冷媒圧力流通状況を示す図。 本発明実施例の制御弁の吐出圧力Pdと閉弁力Ptの関係を示すグラフ。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る可変容量型圧縮機用制御弁の第1実施例を示す縦断面図、図2は、図1に示される制御弁の弁本体部分の拡大図、図3(A)、(B)は、本発明第1実施例と従来例との相違点の説明に供される主要部概略図である。図示の第1実施例の制御弁1において、前述した図3(B)に示される従来例の制御弁5の各部に対応する部分には同一の符号が付されている。
図示の制御弁1は、作動棒14に一体に連結された弁体15と、中心軸線Oを共通の中心軸線とする上側案内孔19A及び下側案内孔19Bを有する弁本体20と、電磁式アクチュエータ30とを備える。弁本体20は、上側案内孔19Aと下側案内孔19Bとの間に、弁体15の弁体部15aにより開閉される弁口(弁シート部)22が設けられた弁室21を有し、この弁室21の外周部(弁口22より上流側)に圧縮機から吐出圧力Pdの冷媒を導入するための複数のフィルタ25A付きPd導入口25が設けられるとともに、弁口22の下流側に、圧縮機のクランク室に連通するフィルタ26A付きのPc入出口26が設けられている。
電磁式アクチュエータ30は、通電励磁用のコネクタ部31を有するコイル32、該コイル32の内周側に配在された円筒状のステータ33、該ステータ33の下端部内周に圧入固定された断面凹字状の吸引子34、ステータ33の下端部外周(段差部)にその上端部がTIG溶接により接合された鍔状部35a付きパイプ35、吸引子34の下方でパイプ35の内周側に上下方向に摺動自在に配在されたプランジャ37、及び、前記コイル32の外周を覆うように配在された有底穴付き円筒状のハウジング60を備えている。ここでは、電磁式アクチュエータ30のうちの、プランジャ37を除いた、コイル32、ステータ33、及び吸引子34等からなる部分をソレノイド部30Aと称する。
また、前記ステータ33の上部には、六角穴付きの調節ねじ65が螺合せしめられ、ステータ33の内周側における前記調節ねじ65と吸引子34との間には、圧縮機の吸入圧力Psが導入される感圧室45が形成され、この感圧室45には感圧応動部材としての、ベローズ41、逆凸字状の上ストッパ42、逆凹字状の下ストッパ43、及び圧縮コイルばね44からなるベローズ本体40が配在され、さらに、ベローズ本体40と吸引子34との間には、ベローズ本体40を収縮させる方向(調節ねじ65側に圧縮する方向)に付勢する圧縮コイルばね46が縮装されている。また、ベローズ本体40の下ストッパ43(の逆凹部)とプランジャ37(の凹部37b)との間には、前記吸引子34を貫通する段付きの作動棒14が配在され、さらに、吸引子34と作動棒14の大径部14c上端段丘面との間には、作動棒14及びプランジャ37を下方(開弁方向)に付勢する圧縮コイルばねからなる開弁ばね47が縮装されている。
作動棒14に一体に連結された弁体15は、上から順に、作動棒14の下端部(凹穴部)14bが圧入等で連結固定される上端凸部15i、プランジャ37の底部に設けられた係止部38が嵌合せしめられる環状溝部15j、上側案内孔19Aに摺動自在に嵌挿される上部嵌挿部15e、上部嵌挿部15eより小径の中間小径部15d、弁口22をその下側から開閉すべく弁室21に配在された、上部嵌挿部15eより大径の弁体部15a、弁体部15aより小径の下側小径部15c及び下側案内孔19Bに摺動自在に嵌挿される下部嵌挿部15bを有し、下部嵌挿部15bの下端面に吸入圧力Psが作用するようにされている。
この弁体15の上端凸部15iと作動棒14の下端部(凹穴部)14bとの連結固定部の下方の環状溝部(小径部)15jに、プランジャ37の底部に設けられた係止部38が嵌合せしめられて、弁体15とプランジャ37とが一体的に昇降せしめられるようになっている。
また、弁本体20には、吸入圧力Psを感圧室45(ベローズ本体40)に導くべく、直線状の上下貫通穴からなるPs入出口(通路)27が設けられている。より詳細には、弁本体20における上側案内孔19Aより上側で感圧室45より下側に、プランジャ37が配在されるプランジャ室58が設けられ、Ps入出口27の上端が前記プランジャ室58に開口せしめるとともに、その下端が弁本体20の下端面(後述するPs導入室88)に開口せしめられている。
また、弁本体20の上端部には、Oリング57を介して前記パイプ35の下端鍔状部35aが乗せられ、この鍔状部35aと前記コイル32との間には鍔状部56a付き短円筒状のパイプホルダ56が介装され、それらの鍔状部35a、56aが弁本体20の上端外周かしめ部29により共締め固定されている。また、パイプホルダ56の上端部には、前記ハウジング60の穴付き底部61が圧入固定され、ハウジング60の上端部62は、前記コネクタ部31の鍔状部31c上にかしめ固定され、ハウジング60とコネクタ部31とコイル32との間にはOリング66が介装されている。なお、コネクタ部31の中央下部には、前記調節ねじ65の六角穴に嵌合せしめられる凸部31bが突設された凹部31aが形成されており、この凹部31a内に前記ステータ33及び調節ねじ65の上部が挿入されている。
上記構成に加えて、本第1実施例の制御弁1においては、図2及び図3(A)に示される如くに、主弁体15の上部嵌挿部15eの外径をφa、弁口22の口径をφb、主弁体部15aの外径をφc、及び下部嵌挿部15bの外径をφdとすると、[主弁体部15aの外径φc]≒[下部嵌挿部15bの外径φd]>[弁口22の口径φb]>[上部嵌挿部15eの外径φa]の関係を満たすようにそれらの寸法が設定されている。
このような構成を有する制御弁1は、可変容量型圧縮機の機体ハウジング100における斜板室近傍に形成された弁装着穴(段付き穴)80に組み付けられる。弁装着穴80の上部には抜け止め用のスナップリング(C形リング)81が取着されており、このスナップリング81がハウジング60の上端部(かしめ部)62に当接せしめられている。また、機体ハウジング100には、Pd導入口25、Pc入出口26、並びに、Ps入出口27(Ps導入室88)に連通するPd通路92、Pc通路93、並びにPs通路91が設けられている。また、制御弁1の外周面と弁装着穴80の内周面との間の要所には、Pd、Pc、Psが洩れないように、Oリング82、83、84が配在されている。
弁装着穴80の底部(下部)と弁本体20の下端部との間には、Ps導入室88が設けられ、Ps通路91を介してPs導入室88に導入された吸入圧力Psは、弁体15(の下部嵌挿部15b)の下端面に作用するとともに、Ps入出口27を介してプランジャ室58及び感圧室45に導かれ、かつ、弁体15(の上部嵌挿部15e)の上端面に作用する。
かかる構成のもとで、弁開度は、従来例のものと同様に、コイル32、ステータ33及び吸引子34等からなるソレノイド部30Aによるプランジャ37の吸引力と、ベローズ装置40の付勢力(伸張力、収縮力)と、開弁ばね47及びコイルばね46による付勢力と、主弁体15に作用する開弁方向の力と閉弁方向の力とによって決定され、その弁開度に応じて、圧縮機のクランク室圧力Pcが調整され、これに伴い、圧縮機の斜板の傾斜角度及びピストンのストロークが調整されて、吐出容量が増減される。
このような構成とされた第1実施例の可変容量型圧縮機用制御弁1においては、[弁体部15aの外径φc]≒[下部嵌挿部15bの外径φd]>[弁口22の口径φb]>[上部嵌挿部15eの外径φa]の関係を満たすようにそれらの寸法が設定されているので、弁体15の上部嵌挿部15eには、下向きに吸入圧力Psが作用するとともに、上向きにクランク室圧力Pcが作用するが、Ps≒Pcであるので、それらが相殺される。また、弁体部15aには、下向きにクランク室圧力Pcが作用するとともに、上向きに吐出圧力Pdが作用するが、Pd>Pcであるので、主弁体部15aには上向き(閉弁方向)にそれらの差圧(Pd−Pc)分が作用する。また、下部嵌挿部15bには、下向きに吐出圧力Pdが作用するとともに、上向きに吸入圧力Psが作用するが、Pd>Psであるので、下部嵌挿部15bには下向き(開弁方向)にそれらの差圧(Pd−Ps)分が作用する。
ここで、Ps≒Pc、[主弁体部の外径φc]≒[下部嵌挿部の外径φd]とされているので、主弁体部15aに作用する上向きの力(閉弁力)と下部嵌挿部15bに作用する下向きの力(開弁力)とが相殺される。このため、主弁11の開弁時においても吐出圧力Pdの影響をさほど受けなくなり、その結果、クランク室圧力Pcの制御精度等を向上させることができる。
また、上側案内孔19A及び下側案内孔19Bは、共に他部材を介することなく単一の弁本体20に直接形成されているので、図3(B)に示される従来例のもののように下側案内孔19Bが弁本体20に後付けされる別部材(筒状案内体52)に形成されている場合に比して、二つの案内孔19A、19Bに軸芯ずれを生じにくく、弁体15(上部嵌挿部15eと下部嵌挿部15b)の摺動性が良好となる。
また、軸芯ずれを生じにくいことから、案内孔内周面と嵌挿部外周面との間に形成される摺動面間隙(クリアランス)を小さくすることができるので、弁内部での漏れ量を低減できるとともに、大きな異物を噛み込みにくくなり、摺動面間隙に異物が詰まって弁体が動かなくなる(ロック、弁体置き去り)等の作動不良を生じにくくできる。さらに、他部材(筒状案内体52)を後付けする必要がないため、部品コスト、加工組立コストを低く抑えることができるとともに、部品組付性等も向上する。
図4、図6は、それぞれ本発明に係る可変容量型圧縮機用制御弁の第2実施例を示す縦断面図であり、図4は主弁:開、副弁:閉の状態(通常制御時)、図6は主弁:閉、副弁:開の状態(圧縮機起動時)を示している。また、図5は、図4の弁本体部分の拡大図、図7(A)、(B)はそれぞれ図4、図6の要部拡大図、図8(A)は通常制御時における圧縮機と制御弁との間の冷媒圧力流通状況を示す図、図8(B)は圧縮機起動時における圧縮機と制御弁との間の冷媒圧力流通状況を示す図である。なお、第2実施例の制御弁2において、前述した第1実施例の制御弁1の各部に対応する部分には共通の符号が付されている。
図示第2実施例の制御弁2は、弁口22が設けられた弁本体20と、弁口22を開閉するための主弁体15と、該主弁体15を弁口開閉方向に移動させるための電磁式アクチュエータ30と、感圧応動部材としてのベローズ装置40とを備えている。
電磁式アクチュエータ30は、通電励磁用のコイル32、該コイル32の上側に取り付けられたコネクタヘッド31、コイル32の内周側に配在されたステータ33及び吸引子34、ステータ33及び吸引子34の下端部外周(段差部)にその上端部がTIG溶接により接合された案内パイプ35、吸引子34の下方で案内パイプ35の内周側に上下方向に摺動自在に配在された有底円筒状のプランジャ37、前記コイル32及びコネクタヘッド31に外挿される段付き円筒状のハウジング60、及び、該ハウジング60の下端部と案内パイプ35との間に配在されてそれらを弁本体20の上部に固定するためのホルダ29を備えている。ここでは、電磁式アクチュエータ30のうちの、プランジャ37を除いた、コイル32、ステータ33、及び吸引子34等からなる部分をソレノイド部30Aと称する。
また、前記ステータ33の上部には、六角穴付きの調節ねじ65が螺合せしめられ、ステータ33の内周側における前記調節ねじ65と吸引子34との間には、圧縮機100の吸入圧力Psが導入される感圧室45が形成され、この感圧室45には感圧応動部材としての、ベローズ41、逆凸字状の上ストッパ42、逆凹字状の下ストッパ43、及び圧縮コイルばね44からなるベローズ装置40が配在され、さらに、下ストッパ43の凹部内には後述する副弁体17の中間小径部17dが嵌挿され、下ストッパ43と吸引子34との間には、ベローズ装置40を収縮させる方向に付勢する圧縮コイルばね46が縮装されている。
プランジャ37の内周中央部には、後述する副弁体17の下部小径部17bを挿通する挿通穴36b及び中間大径係止部17cを掛止するための掛止部36aを有する掛止部材36が圧入等により固定されている。
また、吸引子34と後述する副弁体17の中間大径係止部17c(プランジャ37)との間には、副弁体17及びプランジャ37を下方(開弁方向)に付勢する逆円錐状の圧縮コイルばね(開弁ばね)47が縮装されている。
前記主弁体15は、下から順に、下端小径部15s、下部嵌挿部15b、下側小径部15c、主弁体部15a、中間小径部15d、上部嵌挿部15e、上部小径部15f、及び鍔状係止部15kからなっており、その内部には縦方向に貫通するように弁内逃がし通路16の一部を構成する貫通逃がし孔16Aが設けられており、この貫通逃がし孔16Aの上端部が、副弁体17の副弁体部17aが離接する副弁シート部23となっている。また主弁体15の中間小径部15dには、複数個の横孔16sが設けられている。
主弁体15の上部小径部15fには、プランジャ37の底部に設けられた内鍔状掛止部37kが緩く外嵌され、この内鍔状掛止部37kは主弁体15の鍔状係止部15kより小径とされ、プランジャ37が主弁体15に対して上方向に移動せしめられるとき、内鍔状掛止部37kにより鍔状係止部15kが引っ掛けられて主弁体15が引き上げられるようになっている。
一方、前記弁本体20の上半部には、プランジャ37の最下降位置を規制するための凸状のストッパ部24が設けられ、このストッパ部24の凸部外周には、圧縮機100の吸入圧力Psの入出室28が形成されるとともに、その外周側に複数個のPs入出口27が形成され、このPs入出口27から入出室28に導入された吸入圧力Psは、プランジャ37の周壁部に形成された複数個の横孔37s、副弁体17の下部小径部17bと挿通穴36bとの間に形成される隙間、プランジャ37の外周と案内パイプ35との間に形成される隙間等を介して前記感圧室45に導入される。
ストッパ部24の中央部には、前記主弁体15の上部が摺動自在に嵌挿される上側案内孔19Aが形成され、この上側案内孔19Aの下端部が後述する主弁体15の主弁体部15aにより開閉される弁口22(弁シート部)となっている。ここでは、主弁体部15aと弁口22とで主弁部11が構成される。
副弁体17は、下から順に、弁内逃がし通路16を開閉すべく前記副弁シート部23に離接する平型の副弁体部17a、下部小径部17b、中間大径係止部17c、及び中間小径部17dからなっており、ここでは、副弁シート部23と副弁体部17aとで副弁部12が構成される。
また、弁本体20の下半分中央部には、組立時に主弁体15を挿通させるための、上側案内孔19Aより大径の挿通穴18が設けられている。この挿通穴18の下部には段付き円筒状の案内筒部材13が圧入等により挿着固定されている。案内筒部材13は、上から順に、薄肉小径部13a、厚肉大径部13b、及び内鍔状ばね受け部13cからなっており、その内周は、主弁体15の下部嵌挿部15bが摺動自在に嵌挿される下側案内孔19Bとなっている。上記内鍔状ばね受け部13cと主弁体15における下端小径部15sと下部嵌挿部15bとの段差部(段丘部)15gとの間には、圧縮コイルばねからなる閉弁ばね50が縮装されている。
前記挿通穴18における案内筒部材13より上側で前記弁口22より下側部分が弁室21となっており、この弁室21には、圧縮機100の吐出室106に連通するPd導入口25が複数個開口せしめられている。
また、弁本体20の下端部には、フィルタとして機能する蓋状部材48が螺着等により固定されており、この蓋状部材48より上側で主弁体15より下側が、圧縮機100のクランク室104に連通するPc入出室(入出口)26となっている。
本実施例では、主弁体15に形成された貫通逃がし孔16A、プランジャ37内、横孔37s、入出室28などで、クランク室104の圧力PcをPs入出口27を介して圧縮機100の吸入室107に逃がすための弁内逃がし通路16が構成される。
また、主弁体15の貫通逃がし孔16Aの上端縁部である副弁シート部23に副弁体17の副弁体部17a離接することにより、前記弁内逃がし通路16が開閉されるようになっている。
ここで、本実施例の制御弁2では、図4、図7(A)に示される如くに、プランジャ37、主弁体15、及び副弁体17が最下降位置にある状態(プランジャ37の最下端面がストッパ部24に当接、主弁部11は全開、副弁部12は全閉)において、主弁体15の主弁体部15aと弁口22(弁シート部)との間の離隔距離は第1リフト量Lvとされ、プランジャ37の内鍔状掛止部37kと主弁体15の鍔状係止部15kとの離隔距離は所定量Laとされ、前記プランジャ37の最大リフト量Lp(プランジャ37の最下降位置から最上昇位置までのリフト量)は、第1リフト量Lv+所定量La=第2リフト量となっている。
上記構成に加えて、本実施例の制御弁においては、図5に示される如くに、主弁体15の上部嵌挿部15eの外径をφa、弁口22の口径をφb、主弁体部15aの外径をφc、及び下部嵌挿部15bの外径をφdとすると、[主弁体部15aの外径φc]≒[下部嵌挿部15bの外径φd]>[弁口22の口径φb]>[上部嵌挿部15eの外径φa]の関係を満たすようにそれらの寸法が設定されている。
次に制御弁2の動作を説明する。
通常制御時(Pd→Pc制御時)には、プランジャ37のリフト量は、最大でも前記第1リフト量Lv強とされ、圧縮機起動時には、プランジャ37のリフト量は、前記第2リフト量Lpとされる。
詳しくは、通常制御時(Pd→Pc制御時)には、コイル32、ステータ33及び吸引子34等からなるソレノイド部30Aが通電励磁されると、吸引子34にプランジャ37が引き寄せられ、これに伴い、プランジャ37に固着された掛止部材36の掛止部36aに副弁体17の中間大径係止部17cが係止されるので、プランジャ37と一体に副弁体17が上方向に移動するとともに、この動きに追従して、閉弁ばね50の付勢力により主弁体15が上方(閉弁方向)に移動せしめられる。一方、圧縮機100からPs入出口27に導入された吸入圧力Psは、入出室28からプランジャ37の横孔37s等を介して感圧室45に導入され、ベローズ装置40(内部は真空圧)は感圧室45の圧力(吸入圧力Ps)に応じて伸縮変位(吸入圧力Psが高いと収縮、低いと伸張)し、該変位がプランジャ37や副弁体17を介して主弁体15に伝達され、それによって、弁開度(弁口22と主弁体部15aとの離隔距離)が調整される。
すなわち、弁開度は、コイル32、ステータ33及び吸引子34等からなるソレノイド部30Aによるプランジャ37の吸引力と、ベローズ装置40の付勢力(伸張力、収縮力)と、閉弁ばね50、開弁ばね47及びコイルばね46による付勢力と、主弁体15に作用する開弁方向の力と閉弁方向の力とによって決定され、その弁開度に応じて、クランク室104の圧力Pcが調整され、これに伴い、圧縮機100の斜板102の傾斜角度及びピストン105のストロークが調整されて、吐出容量が増減される。
この場合、主弁体15は閉弁ばね50の付勢力により常に上向きに付勢されているとともに、副弁体17は開弁ばね47の付勢力により常に下向きに付勢されているので、副弁体部17aは副弁シート部23に押し付けられた状態(副弁部12が閉弁)となり、弁内逃がし通路16は主弁体15内で遮断されている。そのため、弁内逃がし通路16を通じてクランク室圧力Pcが吸入室107に逃がされることはない。
それに対し、圧縮機起動時には、ソレノイド部30Aが通電励磁されて、吸引子34にプランジャ37が引き寄せられ、このプランジャ37と一緒に副弁体17が上方向に移動し、この上方向移動に追従して主弁体15が上方向に移動せしめられ、主弁体15の主弁体部15aにより弁口22が閉じられた後、さらにプランジャ37が上方向に移動せしめられ、これによって副弁体17が弁内逃がし通路16を開くようにされている。
より詳細には、プランジャ37の上方向移動量が第1リフト量Lvに達するまでは、主弁体15が閉弁ばね50の付勢力によりプランジャ37及び副弁体17の上方向移動に追従するように閉弁方向に移動し、前記上方向移動量が前記第1リフト量Lvに達すると、主弁体15の主弁体部15aにより弁口20が閉じられ、この主弁11閉弁状態からさらにプランジャ37が前記所定量La分上方向に移動せしめられる。言い換えれば、プランジャ37の上方向移動量が前記第1リフト量Lvに達した後、プランジャ37の内鍔状掛止部37kが副弁体17の鍔状係止部15kに係止されるまでの所定量La分だけ副弁体17が引き上げられる(第1リフト量Lv+所定量La=第2リフト量)。この場合、主弁体15は閉弁状態のまま不動であるので、副弁体17の副弁体部17aは、副弁シート部23から所定量La分リフトせしめられ、これによって弁内逃がし通路16が開かれる。
このように、本実施例の制御弁2においては、圧縮機起動時に、クランク室104の圧力Pcは機内逃がし通路108と弁内逃がし通路16の二つの通路を通じて吸入室107に逃がされることになるため、圧縮機起動時において吐出容量が大きくなるまでに要する時間を従来のものに比べて大幅に短縮することができる。
また、通常時(Pd→Pc制御時)には、弁内逃がし通路16は副弁体17により閉じられているため、圧縮機の運転効率が低下することはない。
また、副弁体17の開弁操作をベローズ装置の伸縮力に頼らずにソレノイド部30Aの吸引力でプランジャ37を上方向に移動させることによって行うようにされているので、副弁体17を確実に開弁させることができ、信頼性が向上する。
また、主弁体15とその案内孔(内壁面)19A、19Bとの間に形成される摺動面間隙に微小異物が詰まる等して閉弁ばね50の付勢力だけでは主弁体15が上方向に移動しなくなる事態(弁ロック、主弁体置き去り等の作動不良)が生じやすい状況であっても、本実施例では、ソレノイド部30Aの吸引力でプランジャ37を引き上げて、プランジャ37の内鍔状掛止部37kで主弁体15の鍔状係止部15kを引っ掛けて主弁体15を引き上げることができるので、弁ロック、主弁体置き去り等の作動不良を生じ難くできる。
上記構成に加えて、[主弁体部15aの外径φc]≒[下部嵌挿部15bの外径φd]>[弁口22の口径φb]>[上部嵌挿部15eの外径φa]の関係を満たすようにそれらの寸法が設定されているので、主弁体15の上部嵌挿部15eには、下向きに吸入圧力Psが作用するとともに、上向きにクランク室圧力Pcが作用するが、Ps≒Pcであるので、それらが相殺される。また、主弁体部15aには、下向きにクランク室圧力Pcが作用するとともに、上向きに吐出圧力Pdが作用するが、Pd>Pcであるので、主弁体部15aには上向き(閉弁方向)にそれらの差圧(Pd−Pc)分が作用する。また、下部嵌挿部15bには、下向きに吐出圧力Pdが作用するとともに、上向きにクランク室圧力Pc作用するが、Pd>Pcであるので、下部嵌挿部15bには下向き(開弁方向)にそれらの差圧(Pd−Pc)分が作用する。
ここで、[主弁体部の外径φc]≒[下部嵌挿部の外径φd]とされているので、主弁体部15aに作用する上向きの力(閉弁力Pt)と下部嵌挿部15bに作用する下向きの力(開弁力)とが相殺される。このため、主弁11の開弁時においても吐出圧力Pdの影響をさほど受けなくなり、その結果、クランク室圧力Pcの制御精度等を向上させることができる。
また、クランク室圧力Pcをより迅速に下げられるように弁体内逃がし通路16Aの孔径を大きく設定して主弁体部の外径φcも大きくした場合でも、閉弁力Ptは、図9に示される如くに、吐出圧力Pdが大きくなっても略一定値(適度な荷重)で維持されるので、開弁しにくくなることはなく、電磁式アクチュエータ等は従前のものをそのまま使用することができる。
また、主弁体部15aの外径φcと下部嵌挿部15bの外径φdとが略同一に設定されて主弁体15の最大径となっていることから、従来のように主弁体部15aの外径φcのみが最大径のものに比して、加工が容易となり、加工時間や加工コストを削減することができる。
なお、第2実施例の制御弁2において、主弁体15の下部嵌挿部15bが摺動自在に嵌挿される下側案内孔19Bは、弁本体20に後付けされる他部材(案内筒部材13)に形成されているが、必ずしもこのようにする必要はなく、下側案内孔19Bを、第1実施例の制御弁1と同様に、上側案内孔19Aと共に他部材を介することなく単一の弁本体20に直接形成するようにしてもよく、このようにすることによって、二つの案内孔19A、19Bに軸芯ずれを生じにくくでき、弁体15(上部嵌挿部15eと下部嵌挿部15b)の摺動性が良好となる。
また、軸芯ずれを生じにくいことから、案内孔内周面と嵌挿部外周面との間に形成される摺動面間隙(クリアランス)を小さくすることができるので、弁内部での漏れ量を低減できるとともに、大きな異物を噛み込みにくくなり、摺動面間隙に異物が詰まって弁体が動かなくなる(ロック、弁体置き去り)等の作動不良を生じにくくできる。さらに、他部材(案内筒部材13)を後付けする必要がないため、部品コスト、加工組立コストを低く抑えることができるとともに、部品組付性等も向上する。
1、2 可変容量型圧縮機用制御弁
11 主弁部
12 副弁部
15 主弁体
15a 弁体部
15b 下部嵌挿部
15c 下部小径部
15d 中間小径部
15e 上部嵌挿部
16 逃がし通路
17 副弁体
19A 上側案内孔
19B 下側案内孔
20 弁本体
21 弁室
22 弁口
25 Pd導入口
26 Pc入出口
27 Ps入出口
30 電磁式アクチュエータ
30A ソレノイド部
37 プランジャ
40 ベローズ装置(感圧応動部材)
45 感圧室
58 プランジャ室

Claims (4)

  1. 弁口が設けられた弁室及び圧縮機の吸入室に連通するPs入出口を有し、前記弁口より上流側に圧縮機の吐出室に連通するPd導入口が設けられるとともに、前記弁口より下流側に前記圧縮機のクランク室に連通するPc入出口が設けられた弁本体と、前記弁口を開閉するための主弁体と、該主弁体を弁口開閉方向に移動させるためのプランジャを有する電磁式アクチュエータと、前記電磁式アクチュエータ内に設けられ、前記圧縮機から吸入圧力Psが前記Ps入出口を介して導入される感圧室及び該感圧室の圧力に応じて前記主弁体を弁口開閉方向に付勢する感圧応動部材と、を備え、前記クランク室の圧力Pcを前記Ps入出口を介して前記圧縮機の吸入室に逃がすための弁内逃がし通路が前記主弁体内に設けられるとともに、該弁内逃がし通路を開閉する副弁体が設けられ、
    前記主弁体は、上から順に、前記弁本体の上部に設けられた上側案内孔に摺動自在に嵌挿される上部嵌挿部、中間小径部、前記弁口をその下側から開閉すべく前記弁室に配在された主弁体部、下部小径部、及び、前記弁本体の下部に設けられた下側案内孔に摺動自在に嵌挿される下部嵌挿部を有すると共に、前記中間小径部の外周部と前記弁内逃がし通路とを連通する横孔を有し、該下部嵌挿部の下端面にクランク室圧力Pcが作用するようにされ、
    前記上部嵌挿部の外径をφa、前記弁口の口径をφb、前記主弁体部の外径をφc、及び前記下部嵌挿部の外径をφdとすると、φc≒φd>φb>φaの関係を満たすようにそれらの寸法が設定されていることを特徴とする可変容量型圧縮機用制御弁。
  2. 前記電磁式アクチュエータの吸引力により前記プランジャが最下降位置から上方向に連続的に移動せしめられるとき、前記プランジャと一緒に前記副弁体が前記弁内逃がし通路を閉じたまま上方向に移動するとともに、該副弁体に追従するように主弁体が上方向に移動せしめられ、前記主弁体により前記弁口が閉じられた後、さらに前記プランジャが上方向に移動せしめられると、前記副弁体が前記弁内逃がし通路を開くようにされていることを特徴とする請求項に記載の可変容量型圧縮機用制御弁。
  3. 前記主弁体を閉弁方向に付勢する閉弁ばねを備え、前記プランジャの最下降位置からの上方向移動量が第1リフト量に達するまでは、前記主弁体が前記閉弁ばねの付勢力により前記プランジャに追従するように閉弁方向に移動し、前記上方向移動量が前記第1リフト量に達すると、前記主弁体により前記弁口が閉じられ、さらに前記上方向移動量が前記第1リフト量より所定量大なる第2リフト量になるまでは、前記プランジャにより前記副弁体が前記所定量引き上げられて前記弁内逃がし通路が開かれるようにされていることを特徴とする請求項に記載の可変容量型圧縮機用制御弁。
  4. 前記上側案内孔と下側案内孔とは、共通の中心軸線を持つように他部材を介することなく前記弁本体に直接形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の可変容量型圧縮機用制御弁。
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